(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】ペラルゴン酸エステルを含有する水性化粧品用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/37 20060101AFI20230912BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20230912BHJP
A61K 8/03 20060101ALI20230912BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230912BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20230912BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20230912BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20230912BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20230912BHJP
A61Q 1/10 20060101ALI20230912BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20230912BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20230912BHJP
A61K 8/40 20060101ALI20230912BHJP
A61K 8/35 20060101ALI20230912BHJP
A61K 8/29 20060101ALI20230912BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20230912BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
A61K8/37
A61K8/06
A61K8/03
A61Q19/00
A61Q1/02
A61Q19/10
A61Q5/02
A61Q5/12
A61Q1/10
A61Q17/04
A61Q19/08
A61K8/40
A61K8/35
A61K8/29
A61K8/19
A61K8/25
(21)【出願番号】P 2021182085
(22)【出願日】2021-11-08
(62)【分割の表示】P 2018512378の分割
【原出願日】2016-09-07
【審査請求日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】102015000049538
(32)【優先日】2015-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】592081988
【氏名又は名称】ノバモント・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】NOVAMONT SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】カプッツィ,ルイジ
(72)【発明者】
【氏名】ディジオイア,フランチェスカ
(72)【発明者】
【氏名】ブラマティ,ヴァネッサ
(72)【発明者】
【氏名】カルロマーニョ,フェデリカ
(72)【発明者】
【氏名】コミネッティ,アレッサンドラ
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-002648(JP,A)
【文献】特開2013-035799(JP,A)
【文献】特開昭59-190907(JP,A)
【文献】米国特許第07875263(US,B1)
【文献】国際公開第94/007460(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/KOSMET/BIOSIS(STN)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油中水型エマルションの形態、水中油型エマルションの形態、又は2つの別個の層において油性成分から分離した水相を有する形態(二相性形態)で、少なくとも20重量%の水性成分及び最大50重量%の油性成分を含み、前記油性成分がグリセロールトリペラルゴネートを含むことを特徴とする化粧品用組成物であって、
-0.05%と35重量%の間の量の1以上のサンフィルターを含み、及び/又は、
-0.1%と35重量%の間の量で1種以上の着色剤を含む
化粧品用組成物。
【請求項2】
前記化粧品用組成物の重量に対して、グリセロールトリペラルゴネート0.1%~50重量%を含む、請求項1に記載の
化粧品用組成物。
【請求項3】
ネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネートから選択される少なくとも2種のエステルを含む請求項1又は2に記載の化粧品用組成物。
【請求項4】
グリセロールトリペラルゴネートを含む油性成分を50重量%まで含む油性エマルションの形態の請求項1~3のいずれか1つに記載の化粧品用組成物。
【請求項5】
化粧品用組成物の全重量に対して:
(a)水相35~80重量%;
(b)グリセロールトリペラルゴネートを含む油性成分10~50重量%;
(c)3~6のHLBを有する1種以上の乳化剤を0.3%~15重量%
を含む請求項1~4のいずれか1つに記載の化粧品用組成物。
【請求項6】
グリセロールトリペラルゴネートを含む油性成分を40重量%まで含み、水性エマルションの形態の請求項1~3のいずれか1つに記載の化粧品用組成物。
【請求項7】
前記化粧品用組成物の全重量に対して:
(a)水相60~90重量%;
(b)グリセロールトリペラルゴネートを含む油性成分0.5%~40重量%;
(c)6~12のHLBを有する1種以上の乳化剤5%~15%
を含む請求項1~6のいずれか1つに記載の化粧品用組成物。
【請求項8】
グリセロールトリペラルゴネートを含む油性成分を15重量%まで含む請求項1~3のいずれか1つに記載の化粧品用組成物。
【請求項9】
前記化粧品用組成物の全重量に対して:
(a)水相60~90重量%;
(b)グリセロールトリペラルゴネートを含む油性成分0.5%~15重量%;
(c)1種以上の界面活性剤8%~40重量%
を含む請求項1~8のいずれか1つに記載の化粧品用組成物。
【請求項10】
前記化粧品用組成物の全重量に対して:
(a)水相50~70重量%;
(b)グリセロールトリペラルゴネートを含む油性成分30%~50重量%
を含む二相性形態の請求項1~3のいずれか1つに記載の化粧品用組成物。
【請求項11】
前記油性成分が、天然及び/又は合成由来のエステル、エーテル、アルコール及び炭化水素、シリコーン油、又はそれらの混合物から選択される油を更に含む請求項1~10のいずれか1つに記載の化粧品用組成物。
【請求項12】
前記油性成分が、バター及び/又はワックスを更に含みエマルションの形態にある請求項1~11のいずれか1つに記載の化粧品用組成物。
【請求項13】
0.1%~35重量%の量の1つ以上のサンフィルターを含む請求項1~12のいずれか1つに記載の化粧品用組成物。
【請求項14】
1種以上の着色剤及び/又は、酸化防止剤及び/又はビタミン、防腐剤、pH調整剤、湿潤剤、コンディショナー、キレート化剤、流動調整剤、テクスチャライザー、被膜形成剤、シリコーン、香料、精油、活性成分、特に化粧品及び/又は皮膚科学での活性成分から選択される1種以上の添加剤を含む請求項1~13のいずれか1つに記載の化粧品用組成物。
【請求項15】
前記着色剤及び/又は添加剤の各々が、化粧品用組成物の全重量に対して、0~35重量%の量で存在する請求項1~14のいずれか1つに記載の化粧品用組成物。
【請求項16】
皮膚及び皮膚付属物のケア用、メークアップ用及び清浄化用の無色又は着色製品における請求項1~15のいずれか1つに記載の化粧品用組成物の使用。
【請求項17】
クリーム、ミルク、セラム、バター、バスフォーム、シャワーフォーム、シャワージェル、洗剤、シャンプー、リーブオン、バーム、ヘアマスク及びリーブオン、コンディショナー、ファンデーション、マスカラの製造のための請求項1~15のいずれか1つに記載の化粧品用組成物の使用。
【請求項18】
皮膚及び皮膚付属物の日光からの保護に使用される請求項1~15のいずれか1つに記載の化粧品用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート及びペンタエリスリトールテトラペラルゴネートから選択される1種以上のエステルを含有する水性化粧品用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品業界では、環境影響が少なく、天然かつ再生可能起源の、同時に優れた機能的及び官能特性を有する新規成分の同定に注目が高まっている。
化粧品用組成物の中で、水性組成物は、例えば、水性エマルション(O / W)、油性エマルション(W / O)、マイクロエマルション又は水 - 脂質分散物の形態であり得る。これらは、皮膚のケア、毛髪のケア、メークアップ製品及び衛生製品において使用され、水性成分と共に、製品に応じて、最適な洗浄力、水和、水に対する耐性及び柔軟性を確保するのに役立つ油性成分を有し得る。
ネオペンチルグリコール、グリセロール及びペンタエリスリトール等のポリオールと再生可能な供給源から得られるペラルゴン酸のエステルは、単独で又は混合物として使用され、組成物内で特別な潤滑及び可塑化能力を有し、それらの皮膚軟化性及び被膜形成性のために、柔らかく滑らかな皮膚を提供し得;それらは、皮膚からの水の損失を遅らせる障壁を形成する能力のために、皮膚を水和させた状態も保ち得る。それらは、サンフィルター、顔料、活性剤及び他の添加剤を可溶化及び分散する優れた能力も有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それらを区別する柔軟性及び感触の柔軟性の優れた性質は、化粧品用途のための水性組成物中の油性成分の成分として、すなわち人体の外面(表皮、唇及び皮膚付属物)に専ら又は主にそれらをきれいにし、それらをにおわせ、それらの外観を変更し、それらを保護し、良好な状態でそれらを維持し、又は体臭を修正するために適用することを意図した製品の調製のために、それらを特に混合物又は単独での使用に適したものにする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、本発明の目的は、少なくとも20重量%の水性成分及び油性成分を含み、前記油性成分が、ネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート又はそれらの混合物を含むことを特徴とする水性化粧品用組成物である。前記化粧品用組成物は、好ましくは30重量%より多い、より好ましくは35重量%より多い、更により好ましくは50重量%より多い水性成分を含む。ネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネートから選択される少なくとも2種のエステルを含む組成物が好ましい。
【0005】
本発明の1つの態様によれば、グリセロールトリペラルゴネート及びペンタエリスリトールテトラペラルゴネートの少なくとも1つを含む油性成分を含む水性化粧品用組成物が好ましく、これらの中でも、グリセロールトリペラルゴネートを含むものがより好ましい。
ネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート及びペンタエリスリトールテトラペラルゴネートから選択される前記エステルは、化粧品用組成物の重量に対して、好ましくは0.1%と50重量%の間、好ましくは0.1%と35重量%の間の量で存在する。
【0006】
本発明の1つの有利な態様によれば、前記エステル(ネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート及びペンタエリスリトールテトラペラルゴネート)は、修飾されているか否かにかかわらず、例えば植物油、脂肪酸及びそれらの誘導体の酸化開裂のプロセスにより得られる再生可能な供給源からのペラルゴン酸から製造される。ペラルゴン酸の再生可能な供給源の好ましい例は、ヒマワリ、アブラナ科又はアザミ(例えば、Cynara cardunculus及びSilybum marianum)の植物油である。ペラルゴン酸の特に好ましい供給源は、高オレイン酸又はエルカ酸含量を有する植物油である。
【0007】
前記ペラルゴン酸は、好ましくは、無機及び有機過酸化物、過酸、硝酸、過マンガン酸塩、過ヨウ素酸塩、O2、O3又はそれらの気体混合物が酸化剤として使用される酸化開裂プロセスによって得られる。
過酸化水素のような過酸化物、及びO2又はO2を含む混合物が酸化剤として使用される酸化的開裂プロセスが好ましい。特定の例は、出願WO 94/10122、WO 07/039481、WO 2008/138892、WO 2011/080296、WO 2011/080297又はWO 2013/079849に記載されている酸化開裂プロセスである。
本発明の好ましい態様によれば、前記エステルは、高純度、好ましくは95%超、より好ましくは98%超のペラルゴン酸、及びネオペンチルグリコール、グリセロール又はペンタエリスリトールから選択されるポリオールから、エステル化反応を介して製造され、エステル化反応は有利には触媒の不在下で行われる。
【0008】
前記エステル化は、有利には、ポリオールのモルに対して、好ましくは30%以上70%未満のモル過剰のペラルゴン酸の存在下で、典型的に180と240℃の間、好ましくは200~210℃の温度で操作しながら行われる。エステル化反応の間に形成される水は、有利には、例えば徐々に減圧を適用することによって反応環境から除去され、反応の終わりに、好ましくは蒸発により過剰の酸を除去する。このようにして得られたエステルは、有利には、あらゆる色、臭気及び残留酸性度を除去する目的で、当業者に公知の方法、例えば活性炭及び/又は脱色土を用いた精製処理に付し得る。活性炭と組み合わせて含む、使用されてもよい脱色土の例としては、グレードF 118FF、グレードF76(BASFにより市販)、Minclear N100、Minclear E100又はPansil 2である(Tolsaにより市販)。
【0009】
上記の手順に従って操作して得られるエステルは、金属、例えばスズによって触媒される通常のエステル化法によって得られるエステルと比較して、最終化粧品の官能特性(例えば、色、臭い)及び安定性ならびに毒性に影響を及ぼす可能性のある金属残渣を含まない。したがって、それらは、減少した無機物含量の特別な利点を有し、化粧品環境での使用のためのより簡単な予備処理を要求する。
本発明による水性化粧品用組成物は、可変量の油性成分を有していてもよい。上記で特定されたペラルゴン酸のエステル(ネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート)に加えて、前記油性成分は、天然及び/又は合成起源のエステル、エーテル、アミド、アルコール及び炭化水素、シリコーン油又はそれらの混合物から選択された1種以上の油を含み得る。前記油は、典型的には、環境温度(25℃)及び大気圧で液体形態である。
【0010】
天然起源のエステルの可能な例は、例えばC8及びC10酸のトリグリセリド等の飽和又は不飽和脂肪酸のトリグリセリド、又は例えば植物油中に存在するようなそれらの混合物である。適切な植物油は、例えば、オリーブ油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、ヒマシ油、アプリコット油、アボカド油、アーモンド油、マカダミア油、ホホバ油又はカライト油である。
【0011】
合成起源のエステルは、例えばイソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ステアリン酸2-オクチルドデシル、エルカ酸2-オクチルドデシル又はイソステアリン酸イソステアリル等の直鎖及び分岐カルボン酸のモノアルコールとのエステル、マレイン酸ジイソステアリル、安息香酸C12~15アルキル; C7~C10鎖脂肪酸と脂肪アルコールとのエステル;乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル等のヒドロキシル化エステル;ジオクタン酸プロピレングリコール、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール又はジイソノナン酸ジエチレングリコール及びテトライソステアリン酸ペンタエリスリチル等のポリオールのエステルである。
【0012】
エーテルの一例はジカプリルエーテルである。アミドの一例は、ジブチルラウロイルグルタミドである。
油の他の例には、オクチルドデカノール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール等の脂肪アルコールが含まれる。
天然起源の炭化水素油は、例えばテルペン炭化水素、例えばスクアレン及びスクアランであり;鉱物又は合成起源の炭化水素油は、例えば、イソパラフィン(例えば、イソドデカン、イソヘキサデカン、水素化ポリデセン)及びシクロパラフィンなどの液体パラフィン及びその誘導体である。
【0013】
シリコーン油は、シリコンに基づく合成化合物であり、それらは、揮発性又は不揮発性、線状又は環式であり得る。シリコーン油の例は、例えば、アルキル、アルコキシル又はフェニル基を含むポリシロキサン及びその誘導体であり;典型的に使用されるシリコーン油は、ポリジメチルシロキサン(ジメチコン)、アモジメチコン、シクロペンタシロキサン及びシクロヘキサシロキサン等のシクロメチコン、アミノビスプロピルジメチコン、アミノプロピルジメチコン、ヒドロキシステアリン酸アモジメチコン、ベヘノキシ - ジメチコン、C30-45アルキルジメチコン、C24-28アルキルジメチコン、C30-45アルキルメチコン、セテアリール(Cetearyl)メチコン、セチルジメチコン、ジメトキシシリルエチレンジアミノプロピルジメチコン、ヘキシルメチコン、ヒドロキシプロピルジメチコン、ステアラミドプロピルジメチコン、ステアロキシジメチコン、ステアリルメチコン、ステアリルジメチコン及びビニルジメチコンを含む。
【0014】
本発明による化粧品用組成物の油性成分は、環境温度(25℃)及び大気圧で、例えばバター及び/又はワックスのような、固体又はペースト状の1種以上の成分も含み得る。前記成分は、それら、例えばクリーム、ミルク、セラム等を含有する化粧品用組成物に身体、粘性、被膜形成性及びバリア性を付与する。これらは、植物、動物、鉱物及び/又は合成起源のものであってもよい。
「バター」という用語は、皮膚バリアの皮膚軟化、水和及び再生特性に関与するトリグリセリドの高い割合を含むそれらの全ての物質を意味する。それらは、例えばテルペンアルコール、フィトステロール、トコフェロール及び炭化水素に富む鹸化不可能な画分を含み得る。その例は、カライトバター、カカオバター、クプアクバターである。
【0015】
適切なワックスは、化粧品用組成物において典型的に使用されるワックスであり、天然及び/又は合成起源のものであり得る。天然ワックスの例は、ミツロウ又は白ロウ、カルナバワックス、カンデリラワックス、日本ワックス、ライスワックス、ホホバ油又はヒマワリ油又はヤシ油等の硬化油由来のワックス、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、パルミチン酸及びステアリン酸トリグリセリド等の長鎖飽和脂肪酸と長鎖モノアルコールとのエステル又はそれらのグリセリドである。
【0016】
鉱物又は合成ワックスの例は、亜炭ワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィン、オゾケライト、セレシン、合成蜜蝋、ラノリン及びポリプロピレングリコールとのそれらのエーテル、ポリエチレンワックス、25℃を超える融点を有する脂肪酸エステル、セチルエステル及びポリアミドである。シリコーンワックス、例えば、アルキル又はアルコキシ - ジメチコン又は高分子量を有するポリ(ジ)メチルシロキサンも使用することができる。
【0017】
有利には、本発明の化粧品用組成物の油性成分は、植物油の鹸化不可能な画分(例えば、カロテノイド、キサントフィル、トコフェロール、フィトステロール、脂肪族及びテルペンアルコール)に由来する1つ以上の成分を含む。親油性のビタミン及び活性剤も、油性成分に溶解して存在してもよい。
本発明の水性組成物は、例えば、油性エマルション(油中水型エマルション、W / O)、水性エマルション(水中油型エマルション、O / W)の形態であってもよく、複数の形態のエマルション(例えば、W / O / W及びO / W / O)を取り得る。
【0018】
本発明の好ましい態様は、連続相が親油性である油性エマルションの形態の化粧品用組成物に関する。前記組成物は、ネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート及びペンタエリスリトールテトラペラルゴネート及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種のエステルを含む前記油性成分を好ましくは50重量%まで、好ましくは35重量%まで、更により好ましくは25重量%まで含む。前記の油性エマルションの油性成分は、本発明による上記のエステルに加えて、有利には上記のものからの少なくとも1種の油、例えばシリコーン油を含む。本発明による油性エマルションの好ましい例は、油性成分が1種以上のシリコーン油及び1種以上の上記で特定されたペラルゴン酸のエステルを含むシリコーン系エマルション(W / Si)である。
【0019】
特に好ましい態様によれば、油性エマルションの形態の前記水性化粧品用組成物は、化粧品用組成物の全重量に対して:
(a)水相35~80重量%、好ましくは50~80重量%;
(b)ネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート及びペンタエリスリトールテトラペラルゴネート又はそれらの混合物から選択される少なくとも1種のエステルを含む油性成分10%~50%、好ましくは10~35%
(c)好ましくは3~6のHLBを有する1種以上の乳化剤0.3%~15%
を含む。
典型的には、前記水相は化粧品用組成物60~80重量%を含み、前記油性成分は25~35重量%を含む。
【0020】
前記水相は、例えば、エチレンジアミン四酢酸及びそのナトリウム塩(例えば、二ナトリウム、三ナトリウム及び四ナトリウム塩)等のキレート剤、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム及び他の安定化剤、防腐剤、活性成分及び水和剤を含有し得る。
好ましくは、本発明による油性エマルションの形態の組成物の油性成分は、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、又はグリセロールトリペラルゴネート又はネオペンチルグリコールジペラルゴネート及びグリセロールトリペラルゴネートとの混合物からなる。
この実施形態によれば、油性エマルションの形態の組成物は、例えば、クリーム、サンクリーム、セラム、ファンデーションクリーム、コンシーラー及びマスカラの調製に適している。
【0021】
本発明の別の好ましい実施形態は、連続相が親水性である水性エマルションの形態の組成物に関する。前記組成物は、ネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート及びペンタエリスリトールテトラペラルゴネート及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種のエステルを含む油性成分を好ましくは40重量%まで、好ましくは20重量%まで、更により好ましくは15重量%まで含む。
【0022】
特に好ましい態様によれば、水性エマルションの形態の前記水性化粧品用組成物は、化粧品用組成物の全重量に対して:
(a)水相60~90重量%;
(b)ネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート及びペンタエリスリトールテトラペラルゴネート又はそれらの混合物から選択される少なくとも1種のエステルを含む油性成分0.5%~40%、好ましくは1~20%、好ましくは1~15%
(c)好ましくは6と12の間のHLBを有する1種以上の乳化剤5%~15%
を含む。
【0023】
好ましくは、本発明による水性エマルションの形態の組成物の油性成分は、ネオペンチルグリコールジペラルゴネート又はグリセロールトリペラルゴネート、又はネオペンチルグリコールジペラルゴネートとグリセロールトリペラルゴネートの混合物、又はネオペンチルグリコールジペラルゴネートとペンタエリスリトールテトラペラルゴネートの混合物、を含む又は有利にからなる。
この実施形態によれば、水性エマルションの形態の組成物は、例えば、クリーム、ミルク、セラム、バター、サンクリーム、コンディショナーのようなヘア製品、着色剤、ファンデーションクリーム、マスカラ、コンシーラー及びリップスティック等のリーブオン及びメークアップ製品の調製に適している。
【0024】
本発明の組成物に使用される典型的な乳化剤又はエマルジファイヤーは、長い又は中間の長さのアルキル鎖(一般にC12より長い)を有し、アニオン性、カチオン性、両性又は非イオン性であり得る。
前記乳化剤は、例えば、脂肪酸のモノグリセリド、任意にエトキシル化され得るソルビタンエステル(例えばモノエステル、ジエステル、トリエステル及びそれらの混合物)、サッカロースエステル、脂肪酸とのタンパク質縮合物、ポリグリセロール及び/又はそれらの脂肪酸とのエステル、脂肪アルコールとのグルコース及び/又はポリグルコースのエーテル、レシチン及び/又は水素化レシチン、エトキシル化脂肪アルコール、エトキシル化脂肪酸(例えば、PEG-100ステアレート)、トリエタノールアミンステアレートのような石鹸、エトキシル化及び非エトキシル化リン酸エステル(例えば、カリウムセチルホスフェート)を含む群から選択され得る。
【0025】
油性エマルションに適した乳化剤は、典型的には、例えばオレイック、イソステアリル、リシノレイック及びヒドロキシステアリル鎖等の不飽和、分岐又は置換アルキル鎖を有する。
水性エマルションに適した乳化剤は、典型的には、飽和及び直鎖、例えばステアリル及びパルミトレイック鎖を有する。
【0026】
本発明の別の好ましい態様によれば、前記水性組成物は、ネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート及びペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種のエステルを含む油性成分を15重量%まで、好ましくは10重量%まで、及びより好ましくは5重量%までを含む。
【0027】
前記水性化粧品用組成物は、好ましくは、化粧品用組成物の全重量に対して:
(a)水性成分60~90重量%;
(b)ネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート及びペンタエリスリトールテトラペラルゴネート又はそれらの混合物から選択される少なくとも1種のエステルを含む油性成分0.5%~15重量%、好ましくは1~10重量%、好ましくは1~5重量%;
(c)1種以上の界面活性剤8%~40%
を含む。
【0028】
有利には、本発明のこの態様による水性組成物は、ネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート及びペンタエリスリトールテトラペラルゴネート又はそれらの混合物から選択されるエステルの量を、油性成分の、0.1と12重量%の間、好ましくは0.1と6重量%の間で含む。
そのような組成物の中で、好ましいものは、油性成分がネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート又はそれらの混合物を含むものである。
【0029】
本発明のこの態様によれば、前記水性組成物は、有利に、マイクロエマルションの形態であり得;それらは、例えば、バスフォーム、シャワーフォーム、洗剤、シャンプー、リーブオン製品及び液体石鹸の調製に適している。
このような水性化粧品用組成物において、前記界面活性剤は、表面張力を低下させ、洗浄力を促進する機能を有し;それらは泡生成機能を有していても有していなくてもよく、非イオン性、アニオン性、両性又はカチオン性であってもよい。
本発明の組成物に使用される典型的な界面活性剤は、典型的にはカプリン酸、カプリル酸及びラウリン酸のもの等の短又は中程度の長さのアルキル鎖(一般にC14より短い)を有する。
【0030】
それらは、好ましくは、Na、Mg、Zn又はアンモニウム(NH 4)のアルキルスルフェート及び/又はアルキルエーテルスルフェート、モノエタノールアミン(MEA)、トリエタノールアミン(TEA)又はモノイソプロピルアミン(MIPA);アルキルエーテルカルボキシレート; 脂肪酸とタンパク質縮合物;アシルグルタメート;アシルサルコシネート;アシルイソチオネート;アシルメチルタウレート;アルキルスルホサクシネート;石鹸;アルキルベタイン及びアルキルアミドプロピルベタイン;アルキル及びアルキルアミドヒドロキシスルタイン;アルキルアンフォアセテート及びアルキルアンフォジアセテート;アルキルアンフォプロピオネート及びアルキルアンフォジプロピオネート;アルキル及びアルキルアミドプロピルアミノオキシド;ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20);モノサッカロースエステル;アルキルグルコシド;第四アンモニウム塩を含む群から選択され得る。
【0031】
当業者は、組成物が意図される化粧品のタイプに基づいて必要とされる界面活性剤の量を容易に決定できるであろう。例えば、均質(intimate)洗剤の調製を意図した化粧品用組成物は、典型的には、8~10重量%の界面活性剤の量を含有し、シャンプーは10~15重量%;シャワーフォームは13~18重量%、及びバスフォーム18~22重量%の量を含有する。
【0032】
本発明の別の好ましい態様によれば、前記水性化粧品用組成物は、二相性形態であるか、又は2つの別個の層において親油性相から分離した水相を有する。そのような組成物で調製された化粧品用製品は、典型的には、使用前に混合することを必要とし、一時的なエマルションの形成をもたらす。好ましくは、前記組成物は、化粧品用組成物の全重量に対して:
(a)水相50~70重量%;
(b)ネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート及びペンタエリスリトールテトラペラルゴネート又はそれらの混合物から選択される少なくとも1種のエステルを含む親油性相30%~50%
を含む。
【0033】
好ましくは、本発明の二相性形態の前記組成物は、ネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート及びペンタエリスリトールテトラペラルゴネート又はそれらの混合物から選択されるエステルの量を、油性成分の、0.1と50重量%の間、好ましくは0.1と30重量%との間、更により好ましくは0.1と10重量%の間で含む。
【0034】
油性成分がネオペンチルグリコールジペラルゴネート又はグリセロールトリペラルゴネート、又はネオペンチルグリコールジペラルゴネートとグリセロールトリペラルゴネートの混合物又はネオペンチルグリコールジペラルゴネートとペンタエリスリトールテトラペラルゴネートとの混合物を含む組成物が好ましい。
【0035】
上記のペラルゴン酸のエステルに加えて、前記親油相は、好ましくは鉱油及び/又はシリコーン油、例えばイソドデカン、シクロペンタシロキサン、プロピレンオキシドとステアリルアルコールとの反応生成物(例えばポリプロピレングリコール-15ステアリルエーテル)又はアーモンドオイル、オリーブオイル、ホホバオイル等の植物オイルを含む。
この態様によれば、水性2相溶液の形態の組成物は、例えば、メークアップを除去するための製品の調製に適している。
【0036】
好ましい態様によれば、本発明による水性化粧品用組成物は、化粧品用組成物の重量に対して、好ましくは0.05%と35重量%の間、好ましくは0.1と25重量%の間の量の1以上のサンフィルターをも含む。
【0037】
サンフィルターは、UVA / UVB放射線から皮膚及び/又はヘアを保護する機能を有する。これらは、例えば、酸化亜鉛及び二酸化チタン、ナノ物質の形態又はより大きいサイズの粒子の形態で、シリカ、カオリン、酸化鉄及び/又は酸化マグネシウム等の反射特性を有するフィルター又は物理的スクリーン、ならびに、シンナメート、ベンゾイミダゾール、ベンゾフェノン、ベンジリデンカンファーレート、PABA及びその誘導体、サリチレート、アントラニレート、ジベンゾイルメタン、オクトクリレン(crylene)、オクチルトリアゾン、ビス - エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン及びジエチルヘキシルブタミドトリアゾン等のトリアジン、ビタミンC及びビタミンE等の天然抗酸化剤、又はTinogard TTのような合成ビタミン、又はそれらの組み合わせ等の紫外線のエネルギーを吸収及び変換し得る典型的な有機分子の化学フィルターを含む。
物理的及び化学的フィルターは、天然由来(例えばガンマオリザノール)又は合成であってよく、単独で又はより有利に組み合わせて使用されてもよい。
【0038】
本発明による組成物中での使用に適したサンフィルターの特定の例は、オクチル - メトキシシンナメート、2-エチル - ヘキシル-4-ジメチルアミノベンゾエート、ブチル - メトキシ - ジベンゾイルメタン、オクチルトリアゾン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、サリチル酸エチルヘキシル、酸化亜鉛、二酸化チタン、又はそれらの組み合わせである。
特に好ましい実施形態によれば、本発明による化粧品用組成物は、エマルションの形態をとり、組成物の全重量に対して、0.1~35重量%、好ましくは1~25、好ましくは1~10重量%の少なくとも1つのサンフィルターを含む。
【0039】
油性成分中のペラルゴン酸のエステルの特性のために、本発明による化粧品用組成物は、サンフィルターの最適な分散及び/又は可溶化を保証する特別な利点を有し、エマルションの安定性を増加させ、保護係数を増加させる。更に、それらは、一般的に使用される油状溶媒/分散剤のいくつかと比較した場合に、より高い可溶化及び分散速度を示している。従って、それらは、身体及び毛髪のケアのための化粧品の調製、及び保護及び老化防止機能を有するメークアップ製品の調製に適している。
特別な柔軟性を有するペンタエリスリトールテトラペラルゴネート及びグリセロールトリペラルゴネート又はそれらの混合物を含む組成物は、この目的に特に適している。ペンタエリスリトールテトラペラルゴネートを含む組成物がより好ましい。
【0040】
好ましい態様によれば、有利には、本発明の化粧品用組成物は、好ましくは、0.1%と35重量%の間、より好ましくは0.1と30重量%の間、更により好ましくは0.1と20重量%の間の量で1種以上の着色剤又は染料を含む。前記着色剤は、水に可溶性又は不溶性であり、脂肪に可溶又は不溶性であり、鉱物又は有機、天然又は合成であり、化粧品用組成物を着色又は不透明化する機能を有する。適切な着色剤の例は、顔料、ラッカー又はパールであり、そのままで、又は例えば撥水性又は親水性を改質するための表面処理の後に使用することができる。顔料は、無機性の金属の誘導体、例えば鉄、セリウム、クロム、チタン、亜鉛又はジルコニウムの酸化物、ケイ酸塩(例えばマイカ)、スルホシリケート(例えば群青)及びそれらの組み合わせ、及び有機性の分子、例えば植物抽出物を含む。「パール」という用語は、有機(グアニン、CI 75170等)又は無機(ビスマスオキシクロライド、CI 77163、又はセリサイト、CI 77019等)のいずれかで、虹色又は非虹色であり得る光で反射及び屈折現象を発することができる特殊顔料を意味する。
油性成分中に存在するペラルゴン酸のエステルの特性のために、本発明による化粧品用組成物は、顔料、特に親油性顔料及び被覆顔料の最適分散を保証する特別な利点を有し、それらは色を強化するのに役立つ。
【0041】
本発明による水性化粧品用組成物は、酸化防止剤及び/又はビタミンのような化粧品の分野で通常使用される他の添加剤、保護製品用のサンフィルター、防腐剤、pH調整剤、保湿剤、コンディショナー、キレート剤、流動調整剤、テクスチャライジング剤、被膜形成剤、シリコーン、香料、精油、及び活性成分、特に化粧品的及び/又は皮膚科学的に活性な成分も含み得る。各添加剤は、化粧品用組成物の全重量に対して、0~35重量%、好ましくは0~20重量%、より好ましくは0~10重量%の量で存在してもよい。
【0042】
本発明による用語「防腐剤」は、化粧品用組成物中の微生物の増殖を阻害する主要な機能を有する天然又は合成物質を意味する。許可された防腐剤のリストは、EC規則1223/2009の付録Vを参照する。使用される最大許容パーセンテージ、あらゆる制限事項及び使用方法は、文書内に記載されている。最も広く使用される防腐剤は、例えば、安息香酸、プロピオン酸、サリチル酸、ソルビン酸及びそれらの塩、p-ヒドロキシ安息香酸、その塩及びエステル、デヒドロ酢酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、イミダゾリジニル尿素を含む。前記防腐剤と組み合わせて、又は代替として、本発明の化粧品用組成物は、例えば、ハチミツ、ローズマリー、Melaleuca alternifolia及びタイムの抽出物等の精油、及びEDTAのような錯化剤等の微生物の増殖の阻害に寄与し得る他の物質も含み得る。
【0043】
本発明のいくつかの観点による化粧品用組成物は、有利には、1つ以上の流動調整剤を含む。「流動調整剤」は、ゲル化剤、増粘剤、分散剤、懸濁剤及びレオロジー挙動、ひいては化粧品用組成物の安定性及び用途に影響を及ぼす他の物質を意味する。それらは、天然又は合成、鉱物又は有機起源のものであってもよい。有機物の中でも、アルギン酸塩、カラギーナン、寒天、ペクチン、デンプン、セルロース及びそれらの化学的に修飾された誘導体等の天然ポリマー;疎水化されているかされていないアクリルポリマー、疎水変性ウレタン、アルケン/スチレンコポリマー、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレングリコールの誘導体の合成ポリマー、エトキシル化脂肪アルコール、脂肪酸及びそれらの塩等が好ましい。無機流動調整剤の例は、粘土、シリカ及びそれらの改質誘導体、ケイ酸マグネシウム及び/又はケイ酸アルミニウムである。
【0044】
本発明のいくつかの態様による化粧品用組成物は、有利には、1つ以上の保湿剤を含む。保湿剤の例は、グリセリン、ソルビトール、グリコール又はポリエチレングリコールである。
本発明による化粧品用組成物は、固体、ペースト又は液体の形態であり得る。
本発明による化粧品用組成物は、化粧品分野の当業者に公知の方法によって製造し得る。好ましい製造方法によれば、組成物の成分の所望の量は、好ましくは熱制御システムを備えた適切な容量の混合機及び/又はターボ乳化機中で混合され、成分の安定性及び融点により適切な温度で操作される。
ネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネートエステル及びそれらの混合物の特性のために、本発明に係る水性化粧品用組成物は、特に触感が心地よく、同時に皮膚軟化及び脂肪放出効果を特徴とする。
【0045】
従って、それらは、有色又は無色のケア及びメークアップ製品、サンプロテクション製品及び皮膚及び皮膚付属物の洗浄用の製品に適用することができる。本発明による二相溶液の形態の水性組成物は、メークアップを除去するための製品の調製にも適している。
可能な適用例は、クリーム、ミルク、サンクリーム、セラム、バター、バスフォーム、シャワーフォーム、洗剤、シャンプー、リーブオン製品、コンディショナーのようなヘア製品、着色剤、ファンデーションクリーム、ファード、マスカラ、アイライナー、口紅、リップグロス、コンシーラー、又はアイシャドー等のリーブオン及びメークアップ製品である。
好ましい用途は、クリーム、ミルク、セラム、着色剤、ローション、及びメークアップ用及びサンプロテクション用、ならびに毛髪及びデリケートな皮膚のケアのための製品である。
【0046】
本発明の一態様は、ネオペンチルグリコールジペラルゴネートを含有する水性化粧品用組成物に関する。前記化粧品用組成物は、ライトソフトで絹のような感触を有し、皮膚及び毛髪上に不可視であり、あまり持続性のないフィルムとなる。驚くべきことに、前記組成物は、揮発性シリコーンを使用することなくデリケートでライトなエマルションを製造し得るので、化粧品の環境への影響をかなり低減し得るという特別な利点を有する。
【0047】
本発明の別の態様は、グリセロールトリペラルゴネートを含有する水性化粧品用組成物に関する。前記化粧品用組成物は、軽い触感と良好な柔軟性と水和性を有する。従って、それらは、例えば栄養になるが非油性のエマルション及び毛髪製品に適している。
本発明の別の態様は、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネートを含有する水性化粧品用組成物に関する。前記エステルは、かなりの皮膚軟化特性を有し、皮膚又は毛髪上に非常に明白なフィルムを残して、化粧品用組成物にリッチな触感及び鮮やかな効果を付与する。 UVA / UVBサンフィルターの最適な柔軟性と優れた分散性のおかげで、それらはサンクリームやマスカラ等の豊富なエマルションの用途に特に適している。
【0048】
本発明の別の態様は、ネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート及びペンタエリスリトールテトラペラルゴネートから選択される少なくとも2種のエステルを含有する水性化粧品用組成物に関する。それゆえ、例えば、ネオペンチルグリコールジペラルゴネートとグリセロールトリペラルゴネートとの混合物、又はネオペンチルグリコールジペラルゴネートとペンタエリスリトールテトラペルゴレートとの混合物、又はグリセロールトリペラルゴネートとペンタエリスリトールテトラペラルゴネートの混合物、ネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート及びペンタエリスリトールテトラペラルゴネートの混合物等の上記エステルの二成分混合物又は三成分混合物を含む無水化粧品用組成物が本発明の目的物である。
【実施例】
【0049】
本発明を以下の非限定的な実施例により説明する。
実施例
以下の実施例において使用されるエステルは、高オレイン酸含量を有するヒマワリ油の酸化開裂に由来するペラルゴン酸を用いて製造されている。特に特許出願WO 2011080296号に記載された方法に従って得られたペラルゴン酸は、実施例1に記載されているように、1つ以上の酸官能基を含むトリグリセリドからモノカルボン酸を分離し、続く軽質モノカルボン酸を含む画分を除去する精留の工程c)の終わりで使用される。使用されるペラルゴン酸は、99%の純度を有する。
【0050】
ネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート及びペンタエリスリトールテトラペラルゴネートエステルの製造
3種のエステルの合成のためのエステル化反応は、触媒の不在下で、使用したポリオール(ネオペンチルグリコール、グリセリン又はペンタエリスリトール)に対して、30モル%のモル過剰のペラルゴン酸を用いて行った。エステル化水の除去を有利にするために、酸/ポリオール混合物の温度を反応の過程で200~210℃に上昇させ、一旦この温度に達したら、試薬の変換を有利にするために、徐々に真空吸引を100mbarまで施した。反応が完了した後、理論量に相当する量の反応水が得られた後、過剰の酸を蒸発により回収し、温度を180~200℃に保ち、5~10mbarの真空に保った。
【0051】
次いで、生成物を活性炭及び脱色土(earth)で脱色処理し、各エステルに関して1と2重量%の間の量の水酸化カルシウムと水(重量比1:1)を添加して中和し、30分間撹拌しながら60℃に加熱した。真空中で80~100℃に加熱して水を完全に除去した後、濾過土(Celite 512;エステルに対して1重量%)を撹拌しながら添加し、液体を同じアース床上で真空下で濾別し、透明な製品を得た。
【0052】
標準ASTM D664に従ってなされた酸性度の測定は、3種のエステルのそれぞれについて0.1mgKOH / g未満の残留酸性度を示した。
以下の表は、本発明による化粧品用組成物の例を示す。成分のリスト(INCI命名法に従う)及び組成物の全重量に対する各成分の重量%組成が各組成物について示される。
【0053】
得られた組成物の安定性測定は、UNIPRO Bulletin No.32に示されたガイドラインに従って、4℃、40℃及び環境温度/光(25℃)で保持された試料について3ヶ月後の組成物の官能特性(臭気、色、外観)の官能評価及びpHに基づいて行った。
【0054】
実施例1(比較)-2
水性エマルションの形態の水性化粧品用組成物(ヘアマスク/コンディショナー)
成分:
【0055】
【0056】
調整:
グループAの成分を秤量し、絶えず撹拌しながら70±2℃に加熱しターボ乳化機で混合し;B群の成分を秤量し、同温度で溶融機中で混合した。次に、混合物Bを混合物Aの中に真空下で入れ;真空が回復した後、乳化が完了するまで、系を撹拌し、温度を維持した。次いで、絶えず撹拌しながら、系を35±2℃に冷却し、成分Cを添加し、均質混合を確実にするのに十分な時間撹拌し続けた。仕様が確認されたら、製品を環境温度に冷却し、適切に配置された容器に移した。
得られた両方の組成物は、4.5と5の間のpHで白色エマルションの形態であり、同じ性能を示した。それは、4℃、40℃及び25℃で3ヶ月後、安定性試験にも合格し、官能特性及びpHは変化しなかった。
【0057】
実施例3
水性エマルションの形態の水性化粧品用組成物(毛髪のためのリーブオン製品)
成分:
【0058】
【0059】
調整:
グループAの成分を秤量し、絶えず撹拌しながら70±2℃に加熱しターボ乳化機で混合し;グループBの成分を秤量し、同温度で溶融機中で混合した。次に混合物Bを混合物Aに真空下で添加し、系を一定の撹拌及び温度条件下に維持した。次いで、撹拌しながら、系を35±2℃に冷却し、第1成分Cを添加し、撹拌を続け、次いで成分Dを加え、均質なエマルションが得られるまで撹拌を続けた。仕様が確認されたら、製品を環境温度に冷却し、適切に提供された容器に注いだ。
組成物は、白色低粘度エマルションの形態であり、pHは4.5と5の間であった。官能特性及びpHは、4℃、40℃及び25℃での安定性試験において3ヶ月後も変化しなかった。
【0060】
実施例4(比較)-5
油性エマルションの形態の水性化粧品用組成物(アンチエイジングフェイスクリーム)
成分:
【0061】
【0062】
調整:
成分A及びBの混合物を、実施例1~3で、調製及び混合し、70±1℃で、真空下、撹拌し続けた。次いで、系を40±2℃の温度まで一定に撹拌しながら冷却し、成分Cを添加し;真空が回復した後、一定速度で撹拌を続け、次いで系を成分Dの添加のために35±2℃に冷却し、混合物が均質になるまで撹拌し続けた。仕様が確認されたら、製品を環境温度に冷却し、適切に提供された容器に注いだ。
実施例5におけるネオペンチルグリコールジペラルゴネートの使用は、同じ重量(12%)の量でC12-C15アルキルベンゾエート、イソノナン酸イソノニル、及びシクロペンタシロキサンを含む比較例4の組成物と同等の機能的及び官能性能を有する生成物を得ることを可能にした。4℃、40℃及び25℃での3ヶ月間の安定性試験において、両組成物の官能特性及びpHは変化しなかった。
【0063】
実施例6(比較)-7
油性エマルションの形態の水性化粧品用組成物(保護及び鎮静クリーム、ベビーケア)。
成分:
【0064】
【0065】
調整:
グループAの成分を秤量し、75±2℃に加熱し絶えず撹拌しながらターボ乳化機で混合し;成分Bを別々に秤量し、次いで混合物Aに添加し、次いでタービンを操作することにより真空下で再び撹拌し続けた。グループCの成分を秤量し、75±2℃の温度まで穏やかに撹拌しながら脂肪用の溶融機で混合した。次いで混合物Cを真空下で混合物A + Bに加えた。真空が系に回復し、系が撹拌され続け、次に一定の撹拌しながら40±2℃に冷却した。成分Dをその温度で添加し、次いで真空が回復した後に混合し、続いて35±2℃に冷却した。次いで、成分Eを添加し、均一な混合物が得られるまで撹拌を続けた。
仕様が確認されたら、製品を環境温度に冷却し、適切に提供された容器に注いだ。
実施例7におけるネオペンチルグリコールジペラルゴネートの使用は、同じ重量(2%)の量でシリコーン(ジメチコン)を含む比較例6の組成物に匹敵する機能的及び官能性能を有する生成物を得ることを可能にした。両方の組成物は、4℃、40℃及び25℃で3ヶ月の安定性試験に合格した。
【0066】
実施例8(比較) - 9
水性エマルションの形態の水性化粧品用組成物(SPF30サンミルク)
成分:
【0067】
【0068】
調整:
グループAの成分を秤量し、60±2℃に加熱し一定の撹拌をしながらターボ乳化機で混合し;成分Bを別々に秤量し、次いで混合物Aに添加し、タービンを操作することによって再び真空中で混合した。成分Dを別々に秤量し、次に混合物A + Bに添加し、常に混合した。グループCの成分を秤量し、穏やかに撹拌しながら60±2℃の温度の脂肪用の溶融機で混合した。次いで、混合物Cを、混合物A + B + Dに真空下で添加した。真空が回復した後もタービンを稼働させたまま撹拌を続け;次いで系を撹拌しながら35±2℃に冷却した。その温度で成分Eを添加し、均一な混合物が得られるまで撹拌を続けた。
組成物はpH6~6.5を有し、4℃、40℃及び25℃で3ヶ月の安定性試験に合格した。
実施例9のペンタエリスリトールテトラペラルゴネート(tetrapelargonate)の使用は、比較例8の組成物と同等の機能的及び官能性能を有する生成物を得ることを可能にし、同じ重量(5%)のマレイン酸ジイソステアリルが含まれ、 UVA / UVBフィルターを分散させる能力を実証した。
【0069】
実施例10(比較) - 11
油性エマルションの形態の水性化粧品用組成物(乳児用軟膏/ローション)
成分:
【0070】
【0071】
調整:
グループBの成分を秤量し、60±2℃に加熱し一定の撹拌をしながらターボ乳化機で混合し;グループAの成分を秤量し、同じ温度で溶融機中で混合した。混合物AのpH値を確認した後、混合物Aを真空下で混合物Bに非常にゆっくりと添加した。真空が回復した後、系をエマルションが得られるまで温度で撹拌し続けた。次に系を35±2℃に撹拌しながら冷却し、成分Cを添加し、均質な混合物が得られるまで撹拌を続けた。仕様が確認されたら、製品を環境温度に冷却し、適切に提供された容器に注いだ。
実施例11のペンタエリスリトールテトラペラルゴネートを使用すると、オクチルドデカノールを含む同じ重量(4%)での比較例10の組成物と同等の機能的及び官能性能を有する生成物を得ることができた。両方の組成物は4℃、40℃及び25℃で3ヶ月の安定性試験に合格した。
【0072】
実施例12
油性エマルションの形態の水性化粧品用組成物(マスカラ)
成分:
【0073】
【0074】
調整:
グループAの成分を秤量し、85℃に加熱し一定の撹拌をしながらターボ乳化機で混合した。グループBの成分を別々に秤量し、混合し、同じ温度に加熱した。 次いで、混合物Bを、調製物が完全に乳化されるまで連続撹拌しながらターボ乳化機に加えた。 混合物を連続的に撹拌しながら冷却し、TEA(成分C)を添加して中和し、残りの成分(D)を60℃未満の温度で添加した。
pHが6.5と7の間の黒パール色のマスカラが得られた。この製品は4℃、40℃及び25℃で3ヶ月間の安定性試験に合格した。
【0075】
実施例14(比較)及び15-17
水性エマルションの形態の水性化粧品用組成物(水和ドリーム(dream))
成分:
【0076】
【0077】
比較例14のステアリン酸エチルヘキシルを、実施例15でネオペンチルグリコールジペラルゴネートと、実施例16でグリセロールトリペラルゴネートと、実施例17でペンタエリスリトールテトラペラルゴネートと、同じ量(7.00%)で置換した。
得られた4種のエマルションを官能評価にかけた。20人の女性の個人からなるパネルが、各組成物を手の裏に広げるために必要とされ、下の表に挙げられた特性について1(低い)から3(高い)の格付けを提供した。
ネオペンチルグリコールジペラルゴネート及びグリセロールトリペラルゴネートを含む組成物は、ステアリン酸エチルヘキシルと比較して、より高い柔軟性、平滑性及び吸収速度を示した。 ペンタエリスリトールテトラペラルゴネートを含む組成物が最もリッチであり、最も高い被膜形成効果を示した。
【0078】
【0079】
実施例18-顔料の分散
黒色酸化鉄粒子(CI77499、YipinからYPC335200として商業的に入手可能)を、本発明の各エステル油及び化粧品成分として一般的に使用されるエステル油に分散させた。1種のエステル油を滴下して粉末粒子の各サンプルを濡らし、次いで、湿潤点及び流動点に達するまでスパチュラを用いて激しく混合した。
湿潤点は、軟質コヒーレント塊を生成するための分散剤溶液の最小量として定義され、水平に保持されたスパチュラの垂直ブレードからの均一な塊の流動又は落下を生じるための分散剤溶液のさらなる最小限の添加は、流動点を決定する。
湿潤点(Wp)及び流動点(Fp)に達するのに必要な分散剤溶液(すなわちエステル油)の量を記録し、顔料100gあたりのグラムで表した下記の表で報告する。
【0080】
【0081】
本発明のエステル油は、一般に使用される化粧品成分のものに匹敵する分散特性を示した。意外にも、グリセロールトリペラルゴネートは、Wpにかなり近いFpを示し、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドよりも更に良好な分散特性を示した。この最小差は、最終組成物(約30%未満の溶媒が必要とされる)上で大幅なコスト節約を可能にするので、かなりの利点をもたらす。
このようにして調製した分散液を20人の個人のパネルによる前腕で試験して、滑らかさ、筆記能力(writing capabilities)、色濃度(consistency)、光沢効果の点での差異を評価した。1(低)から5(高)のスケールを使用した。官能評価試験の結果を以下の表に示す。
【0082】
【0083】
グリセロールトリペラルゴネートとペンタエリスリトールテトラペラルゴネートは、一般的に使用されているエステル油よりも高い流動性、膜均一性及び光沢効果を示した。
【0084】
実施例19- UVフィルター分散
異なるエステル油中の固体UVフィルターの分散性を、チタニア(TiO2, Titanio Biosido AnatasioとしてA.C.E.F.から商業的に入手可能)を用いて試験した。種々の割合のフィルター/エステル(1%及び10%TiO2)を70℃で30分間撹拌して調製した。次いで、環境温度(25℃)で0時間(t0)及び24時間(t24)の保存期間後に分散液を観察して、何らかの沈殿物堆積の形成を確認した。各エステルについての結果を以下の表に示す(D =均一分散; S =沈殿物堆積)。
【0085】
【0086】
本発明のペラルゴン酸エステルの分散能力は、イソノナン酸イソノニル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド及び安息香酸C12-15アルキルのような一般的に使用されるエステルのものと同等であった。
グリセロールトリペラルゴネート及びペンタエリスリトールテトラペラルゴネートは、参照溶媒と比較して、チタニアの更により良好な分散を示した。
【0087】
実施例20- UVフィルターの溶解度
異なるエステル油中の化学UVフィルターブチルメトキシジベンゾイルメタン(CAS N°70356-09-1、DSMからPARSOL(登録商標)1789として商業的に入手可能)の溶解度を試験した。
60℃の水浴中のガラス瓶に溶質/溶媒(5重量%、10重量%、20重量%及び30重量%;全量フィルター+溶媒:10g)の種々の比率を調製した。次いで、溶液を20℃で2時間の保存期間後に観察して、何らかの沈殿物堆積の形成を確認した。いったん各フィルター/溶媒対について10~20%の範囲の溶解度範囲が確認されたら、各エステル中の可溶性フィルターの最大濃度を、沈殿物の生成が観察されるまで、10%の溶液に少量のフィルターの添加を繰り返して測定した。各添加は60℃の温度で行われ、その後冷却された。溶液を20℃の一定温度で2時間放置した後、沈殿を確認した(目視による)。
各エステルの結果を以下の表に示す:
【0088】
【0089】
20℃における3種のペラルゴン酸エステル中のブチルメトキシジベンゾイルメタンの溶解度値は、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド及び安息香酸C12-15アルキル等の一般的に使用されているエステルのそれと同等であり、かなり高かった。
【0090】
実施例21- UVフィルターの溶解度
ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、及びネオペンチルグリコールジペラルゴネート、グリセロールトリペラルゴネート及びペンタエリスリトールテトラペラルゴネートの三元混合物(1:1:1の重量比)中の、化学UVフィルターベンゾフェノン-3(CAS N°131-57-7, 3V SigmaからUVASORB(登録商標)METとして商業的に入手可能)の溶解性を、実施例20に記載のように20℃で測定した。
ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート中のベンゾフェノン-3の溶解度値は、20℃で14%w / wであったが、三元混合物中の同じフィルターの対応する溶解度値は19%w / wであった。従って、本発明によるペラルゴン酸エステルの混合物は、個々のエステルの1つと比較してUVフィルターを可溶化する驚くほど高い能力を示した。