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特許7348290軌道のまくらぎを突き固めるためのタンピングユニットおよび方法
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  • 特許-軌道のまくらぎを突き固めるためのタンピングユニットおよび方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】軌道のまくらぎを突き固めるためのタンピングユニットおよび方法
(51)【国際特許分類】
   E01B 27/20 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
E01B27/20
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021538898
(86)(22)【出願日】2019-08-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 EP2019071641
(87)【国際公開番号】W WO2020057865
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-08-12
(31)【優先権主張番号】A290/2018
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】514318345
【氏名又は名称】プラッサー ウント トイラー エクスポート フォン バーンバウマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Plasser & Theurer, Export von Bahnbaumaschinen, Gesellschaft m.b.H.
【住所又は居所原語表記】Johannesgasse 3, A-1010 Wien, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ラインハート ベック
【審査官】佐久間 友梨
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-125188(JP,A)
【文献】特開2009-062730(JP,A)
【文献】特開2016-014252(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0193918(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 27/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道のまくらぎ(5)を突き固めるためのタンピングユニット(1)であって、ユニットフレーム(2)に沿って下降可能に支持された工具支持体(6)を有しており、該工具支持体には、突き固め工具(15)を備えた2つの旋回レバー(11)が互いにスクイーズ可能に、かつ振動負荷可能に、それぞれの旋回軸線(12)を中心として回動可能に支持されており、少なくとも1つの旋回レバー(11)には、所属の前記旋回軸線(12)を中心とした旋回運動(21)の旋回角度を検出するためのセンサ(16)が配属されている、タンピングユニット(1)において、
前記センサ(16)は複数の部分から形成されており、第1のセンサ部分(18)は前記工具支持体(6)に取り付けられており、第2のセンサ部分(19)は前記旋回レバー(11)に取り付けられていることを特徴とする、タンピングユニット(1)。
【請求項2】
前記第1のセンサ部分(18)は能動的な電子構成部品(22,24,26,32,33)を有しており、前記第2のセンサ部分(19)は電流供給されない受動的な構成部品(23)しか有していない、請求項1記載のタンピングユニット(1)。
【請求項3】
前記第1のセンサ部分(18)は磁気センサ(22)を含み、前記第2のセンサ部分(19)は永久磁石(23)を含む、請求項2記載のタンピングユニット(1)。
【請求項4】
前記第1のセンサ部分(18)は運動センサ(26)を含む、請求項1から3までのいずれか1項記載のタンピングユニット(1)。
【請求項5】
前記運動センサ(26)は、前記第1のセンサ部分(18)に組み込まれている、請求項4記載のタンピングユニット(1)。
【請求項6】
前記運動センサ(26)は、3つの加速度センサと3つのジャイロスコープとを含む、請求項4または5記載のタンピングユニット(1)。
【請求項7】
前記第1のセンサ部分(18)はマイクロコントローラ(24)を有している、請求項1から6までのいずれか1項記載のタンピングユニット(1)。
【請求項8】
前記第1のセンサ部分(18)はプリント基板(25)を有しており、前記プリント基板は、シールされたケーシング(30)内に配置されており、前記プリント基板には保護媒体が流し込まれている、請求項1から7までのいずれか1項記載のタンピングユニット(1)。
【請求項9】
前記プリント基板(25)上にシリアルインターフェース(27)が配置されている、請求項8記載のタンピングユニット(1)。
【請求項10】
前記シリアルインターフェース(27)は、データケーブルを接続するためのプラグコンタクトを有している、請求項9記載のタンピングユニット(1)。
【請求項11】
前記第1のセンサ部分(18)はバスインターフェース(28)を有している、請求項1から10までのいずれか1項記載のタンピングユニット(1)。
【請求項12】
前記バスインターフェース(28)は、前記第1のセンサ部分(18)のケーシング(30)から、シールされた貫通孔を通して出されたバスケーブル(29)に接続されている、請求項11記載のタンピングユニット(1)。
【請求項13】
前記第1のセンサ部分(18)は温度センサ(32)を含む、請求項1から12までのいずれか1項記載のタンピングユニット(1)。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか1項記載のタンピングユニット(1)を作動させる方法であって、
制御装置(17)に、センサ(16)の測定データまたは測定信号を伝達し、前記タンピングユニット(1)の少なくとも1つの駆動装置(8,9,10)を前記制御装置(17)によって、前記測定データまたは測定信号に応じて制御することを特徴とする、方法。
【請求項15】
前記センサ(16)の較正工程で、前記タンピングユニット(1)を、上昇状態で、予め規定された運動経過で作動させる、請求項14記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道のまくらぎを突き固めるためのタンピングユニットであって、ユニットフレームに沿って下降可能に支持された工具支持体を有しており、工具支持体には、突き固め工具を備えた2つの旋回レバーが互いにスクイーズ可能に、かつ振動負荷可能に、それぞれの旋回軸線を中心として回動可能に支持されており、少なくとも1つの旋回レバーには、所属の旋回軸線を中心とした旋回運動の旋回角度を検出するためのセンサが配属されている、タンピングユニットに関する。さらに、本発明は、このタンピングユニットを作動させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
規定された軌道位置を回復するためにまたは維持するために、バラスト床を含む軌道は定期的にタンピング機械によって処理される。この場合、タンピング機械は、軌道を走行し、まくらぎとレールとから形成される軌きょうを、こう上整正ユニットによって目標レベルまで持ち上げる。新規の軌道位置の固定は、タンピングユニットによるまくらぎの突き固めにより行われる。突き固め工程では、振動負荷される突き固め工具(突き固めピッケル)が、まくらぎの間でバラスト床内に入り込み、対向する突き固め工具を互いにスクイーズさせることにより、各まくらぎの下方にあるバラストを締め固める。この場合、スクイーズ運動、および重ねて行われる振動運動は、バラスト床の最良の締固め結果を得るために、最適な運動パターンに従って行われる。例えば、スクイーズ工程中は35Hzの振動周波数が最適であることがわかっている。したがって、最適な運動パターンから逸脱した際に調整することができるように、実際の突き固め工具の位置を継続的に制御装置へとフィードバックすることが正確な運動制御のためには有利である。
【0003】
オーストリア国特許出願公開第518025号明細書により公知のタンピングユニットは、互いに対向する2つの旋回レバーと、この旋回レバーに取り付けられた突き固め工具とを備えている。この場合、旋回レバーは、下降可能な工具支持体に、それぞれの旋回軸線を中心として回動可能に支持されており、スクイーズ駆動装置と振動駆動装置とに連結されている。各突き固め工具の実際の位置の算出は、旋回軸線に配置された角度センサによる、所属の旋回レバーの角度位置の検出により行われる。この場合、角度センサが高い振動負荷にさらされているという欠点が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の根底にある課題は、冒頭で述べた形式のタンピングユニットのために、各突き固め工具位置の改善された検出を提供することである。さらに、改善されたタンピングユニットを作動させる方法が説明されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この課題は、請求項1によるタンピングユニットおよび請求項14による方法によって解決される。従属請求項は、本発明の好適な構成を記載している。
【0006】
この場合、センサは複数の部分から形成されており、第1のセンサ部分は工具支持体に取り付けられており、第2のセンサ部分は旋回レバーに取り付けられている。このようにすると、工具支持体は、突き固め工程中、昇降運動しか行わないので、第1のセンサ部分における繊細なセンサ構成部品にかけられる負荷は弱められる。第2のセンサ部分のみが、所属の旋回レバーと共に動き、振動負荷およびスクイーズ負荷にさらされている。したがって、全体としては、センサの静止時間は公知の手段よりも多くなっている。
【0007】
好適なさらなる構成では、第1のセンサ部分は能動的な電子構成部品を有しており、第2のセンサ部分は電流供給されない受動的な構成部品しか有していない。このような手段により、振動負荷される旋回レバーへ給電ケーブルを通す必要性が生じない。したがって、高い機械的な負荷によるケーブル破損の危険は生じない。
【0008】
好適には、第1のセンサ部分は能動的な構成部品として磁気センサを含み、第2のセンサ部分は受動的な構成部品として永久磁石を含む。このような装置により、各旋回レバーの角度位置の極めて正確な検出が保証されている。
【0009】
タンピングユニットのさらなる改善は、第1のセンサ部分が運動センサを含むことによって達成される。これにより、センサによって、スクイーズ運動および振動運動の他に、突き固め工具または工具支持体の昇降運動も検出可能である。センサは、タンピングユニットの連続的な運動監視のために必要な全ての測定信号を送る。
【0010】
この場合、運動センサは、組み込まれた構成部品として形成されていると好適である。これにより、センサの構造的なストラクチャへの省スペースな組込み、および生成される運動データの簡単な処理が可能である。
【0011】
運動センサが、3つの加速度センサと3つのジャイロスコープとを有していると、包括的な状態検出および位置検出のために有利である。これにより、3次元的な空間内で可能性のあるあらゆる運動を検出することができる。制御規定を適合させるために、または突き固め工程の経過を文書化するために、タンピングユニットの横方向の運動または高さ方向軸線を中心とした回転も検出される。
【0012】
好適には、第1のセンサ部分はマイクロコントローラを含む。マイクロコントローラによって、データはセンサにおいて既にまとめられるか、または事前に評価される。これにより出力される測定データまたは測定信号の処理を、制御装置の入力インターフェースに適合させることもできる。
【0013】
センサの特に堅牢な構成では、第1のセンサ部分はプリント基板を有しており、プリント基板は、シールされたケーシング内に配置されており、プリント基板には保護媒体が流し込まれている。これにより、場合によっては工具支持体に伝達される振動は、第1のセンサ部分に作用することなく留まることが保証される。
【0014】
この場合、プリント基板上にシリアルインターフェースが配置されていると好適である。シリアルインターフェースは、センサの使用前に、かつ場合によってはプリント基板の樹脂封止前に、センサをプログラミングするために、または設定するために使用することができる。好適には、シリアルインターフェースは、データケーブルを接続するためのプラグコンタクトを有している。
【0015】
さらに、第1のセンサ部分はバスインターフェース、特にCANインターフェースを有していると有利である。このインターフェースは、制御装置とのデータ交換のために使用することができる。さらに、このインターフェースも、センサのプログラミングまたは設定のために形成することができる。
【0016】
バスインターフェースは好適には、第1のセンサ部分のケーシングから、シールされた貫通孔を通して出されたバスケーブルに接続されている。このような措置によっても、機械的な負荷による、または湿気、埃等のような望ましくない周囲の影響によるセンサ損傷の危険を減らすことができる。
【0017】
さらなる改善では、第1のセンサ部分は温度センサを含む。これにより、温度に基づく望ましくない作動条件にタンピングユニットの駆動制御を適合させることができる。例えば、凍結時には、バラスト床内への下降工程は、突き固め工具のより高い振動周波数で行われる。
【0018】
説明したタンピングユニットを作動させる本発明による方法では、制御装置に、センサの測定データまたは測定信号を伝達し、タンピングユニットの少なくとも1つの駆動装置を制御装置によって、測定データまたは測定信号に応じて制御する。最適な運動パターンからの逸脱は、すぐに検知され、障害となる影響または望ましくない作動条件に対して対処するために、制御信号の適合が行われる。
【0019】
センサの較正工程で、タンピングユニットを、上昇状態で、予め規定された運動経過で作動させるとさらに有利である。この運動は、外部の影響により作用されることなくこの較正モードにおいて規定された形式で行われるので、センサによって送られる測定データまたは測定信号は、予測可能な結果によって調整することができる。
【0020】
以下に本発明を、例として添付の図面を参照して説明する。図面は概略図で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】タンピングユニットの側面図である。
図2】工具支持体におけるセンサおよび旋回レバーにおけるセンサの配置を示す図である。
図3】カバーを外された第1のセンサ部分の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1に示されたタンピングユニット1は、詳しくは説明しない軌道建設機械の機械フレームに取り付けられているユニットフレーム2を備えている。図示した例では、この取り付けは、機械フレームに対してタンピングユニット1を横方向に摺動させるための2つのガイド3を介して行われる。さらに、必要に応じてタンピングユニット位置を、バラスト床4に斜めに位置する、軌道のまくらぎ5に適合させることができるように、ユニットフレーム2を、鉛直方向の回転軸線を中心として回動可能に機械フレームに取り付けることができる。
【0023】
ユニットフレーム2では、工具支持体6が下降可能に案内されており、昇降運動は、配属された昇降駆動装置8によって行われる。工具支持体6には、振動駆動装置9が配置されており、振動駆動装置には2つのスクイーズ駆動装置10が接続されている。各スクイーズ駆動装置10は、旋回レバー11に接続されている。両旋回レバー11は、各水平方向の旋回軸線12を中心として互いに可動に工具支持体6に支持されている。
【0024】
振動駆動装置9としては、例えば回転する偏心駆動装置が使用され、偏心性は振動振幅を規定し、調節可能であってよい。1回の回転速度は、振動周波数を規定する。各スクイーズ駆動装置10は油圧シリンダとして形成されており、振動駆動装置9によって発生する振動を旋回レバー11へと伝達する。さらに、各スクイーズ駆動装置10は、スクイーズ力による突き固め工程の間に、所属の旋回レバー11を負荷する。したがって、バラスト床4の締固めの際には、スクイーズ運動13に振動運動14が重ねられる。図示した態様に対して代替的に、各スクイーズ駆動装置10を振動駆動装置9と共に共通の油圧シリンダとして形成することができる。この場合、1つのシリンダピストンが、スクイーズ運動13と振動運動14との両方を行う。
【0025】
各旋回レバー11の下端部には、突き固め工具15(突き固めピッケル)が配置されている。突き固め工具15は、突き固め工程中に、まくらぎ下縁部下方までバラスト床4内に入り込み、該当するまくらぎ5の下方のバラストを締め固める。図1は、突き固め工程のこのような段階にあるタンピングユニット1を示している。これに続いて、突き固め工具15は、バラスト床4から戻されて持ち上げられる。タンピングユニット1は、次のまくらぎ5へと移動し、改めて突き固め工程が開始される。戻して、持ち上げ、さらに移動している間に、振動運動14を停止させることができる。これに対してバラスト床4内への進入の際には、進入抵抗を減らすために、スクイーズの際よりも高い周波数での振動運動14が有利である。
【0026】
記載した運動の経過は、最適化された運動パターンに従っている。運動の誤差を検知して、早期に対処することができるように、タンピングユニット1には、動きを検出するための少なくとも1つのセンサ16が備えられている。このセンサは、タンピングユニット1を駆動制御するために形成されている制御装置17へと測定データまたは測定信号を送る。この実施例では、各旋回レバー11に1つのセンサ16が配属されている。
【0027】
センサ16の配置は図2に示されている。センサ16は、工具支持体6に取り付けられている第1のセンサ部分18を含む。第1のセンサ部分からは物理的に分離されて、第2のセンサ部分19は、対応配置されている旋回レバー11に取り付けられている。第1のセンサ部分18と第2のセンサ部分19との間には、数ミリメートルの、理想的には5mmのエアギャップ20が生じている。例えば、第2のセンサ部分19は、対応配置されている旋回レバー11の外面に、旋回軸線12の領域で配置されているので、旋回軸線12を中心とした純粋な旋回運動21を実施する。第1のセンサ部分18は、第2のセンサ部分19に対向して配置されている。旋回運動21によって、エアギャップ20における間隔を変更することなく、第2のセンサ部分19は、第1のセンサ部分18の近傍を通過する。
【0028】
第1のセンサ部分18は、能動的な電子構成部品として、第2のセンサ部分19に面している磁気センサ22を有している。第2のセンサ部分19は、受動的な構成部品として永久磁石23(対向磁石)を含む。永久磁石のN極およびS極の向きは、配属されている旋回レバー11の旋回運動21の方向で延在している。この場合、永久磁石23は、永久磁石23のこの場合の取り付け場所における旋回レバー11の最大旋回範囲(例えば最大22°)にわたって延在している。したがって、永久磁石23の面は、旋回範囲全体にわたって、磁気センサ22への対向を維持する。
【0029】
磁気センサ22は、磁石23によって生成された磁界の向きを検出し、これにより磁気センサ22に対する磁石23または旋回レバー11の現在の角度位置を算出する。この場合、角度のゼロ位置は、設定モードで設定メニューによって規定される。さらに、磁石が側面に取り付けられている場合は、相応の線形化係数が入力される。
【0030】
本発明の別の態様では、第1のセンサ部分18はバーコードスキャナを有しており、第2のセンサ部分19にはバーコードが設けられている。旋回レバー11の旋回運動21によって、バーコードはバーコードスキャナに対して摺動する。
【0031】
センサ16によって測定された角度信号から、突き固め工具15の実際の振動周波数が求められる。この場合、実質的には、突き固めサイクルは3つの区分に区別される。下降工程中は、約45Hzの振動周波数が設定される。スクイーズ工程中は、35Hzまで減じられる。タンピングユニット1の上昇中および移動中は、振動は停止されるか、(例えば20Hzに)さらに減じられる。逸脱の際に、タンピングユニット1の制御変更を行うために、センサ16によってこれらの振動値は連続的にチェックされる。
【0032】
図3には、磁気センサ22を備えた第1のセンサ部分18が詳細に示されている。磁気センサ22は、組み込まれた構成部品として形成されており、マイクロコントローラ24と共にプリント基板25上に配置されている。さらに、プリント基板25上には運動センサ26が配置されている。運動センサは、タンピングユニット1の全ての付加的な動きを検出する働きをする。とりわけ、旋回レバー11と突き固め工具15とを含む工具支持体6の昇降運動7が検出される。しかしながら、タンピングユニット1の横方向運動、前進運動、または回転運動も、この運動センサ26によって検出される。
【0033】
好適には、運動センサ26も、組み込まれた構成部品として形成されており、3つの加速度センサと3つのジャイロスコープとを含む。運動センサ26は、DMP(デジタルモーションプロセッサ)と、プログラミング可能な、検出データを前処理するためのデジタルローパスフィルタとを含む。図3には、運動センサ26の例としての軸線の向きが示されている。この場合、プラスの回転方向は、右ねじの法則に従って生じる。各加速度測定は、x軸、y軸、およびz軸に沿って行われる。好適には、測定範囲に関して複数の段階を設定可能である(例えば、±2g、4g、8g、16g)。角速度は、x軸、y軸、およびz軸を中心として測定される。この測定値の場合も、様々な測定範囲の設定可能性が好適である(例えば±250dps、500dps、1000dps、2000dps)。
【0034】
さらに、プリント基板25上には、シリアルインターフェース27のプラグコンタクトが配置されている(例えば、RS-232)。センサをコンピュータによってプログラミングするために、または設定するために、このプラグコンタクトにはデータケーブルを接続可能である。この場合、適切なプロトコルが設けられており、センサ16は、相応のスタートコマンドによって設定モードに移される。設定後は、エンドコマンドにより、作動モードへの復帰が行われる。
【0035】
さらに、プリント基板25上にはバスインターフェース28が配置されている。ろう接またはねじ接続によってこのバスインターフェース28にはバスケーブルが接続され、バスケーブルはケーシング貫通孔から外部へとガイドされている。このバスインターフェース28を介して、制御装置17とのデータ通信が行われる。センサ16のプログラミングまたは再設定も、このバスインターフェース28を介して可能である。好適には、バスインターフェースは、軌道建設機械の既存のCANバスに接続することができるようにするためのCANインターフェースである。この場合、外部のツール(CAN-Viewer)を介して、CANインターフェースが機能しているかどうかを制御することができる。
【0036】
全てのセンサ値は、互いに分離することができ、異なる時間間隔で、バスインターフェースから出力できる。この場合、デジタル化された測定データの出力は、突き固め工具15の予め規定された振動周波数を大きく超えるリフレッシュレートで行われる。オプションとして、センサ16をアナログの測定信号を出力するためにも形成することができる。例えば、各測定値は、0~10ボルトの電圧値として出力され、この場合も、十分に高いリフレッシュレートが設けられている(例えば、1kHz)。
【0037】
好適には、バスケーブル29は、第1のセンサ部分18への電力供給のための供給ラインと共に、シールされたケーシング貫通孔を通してガイドされている。このラインを介して、第1のセンサ部分18は例えば、軌道建設機械の直流車内電源(例えば、24V DC)に接続されている。給電ケーブルとインターフェースケーブルとが組み合わされた多極のケーブルが設けられていてもよい。
【0038】
その上に配置された構成部品22,24,26,27,28を備えたプリント基板25はケーシング30内に取り付けられている。ねじ結合によって取り付けられたカバー31が、ケーシング30を密に閉鎖している。例えば、カバーのシールギャップと、バスケーブル29のためのケーシング貫通孔には、適切なゴムシールが取り付けられている。
【0039】
さらに、閉鎖前にケーシングに注型用樹脂を充填することが好適である。このようにして、第1のセンサ部分18のプリント基板25と電子構成部品22,24,26,27,28とは、湿気、埃、および振動に対して付加的に保護される。
【0040】
温度測定を実施し、条件が変化した場合に、タンピングユニット1の駆動制御を適合させるために、プリント基板25上にオプションとして配置された温度センサ32が使用される。この場合、場合によっては、電子構成部品22,24,26,27,28の熱放出が考慮される。特に、完全に樹脂で封止されたプリント基板25の場合、熱導出が損なわれているため、温度のオフセットを計算に入れることが有利である。
【0041】
センサ16のさらなる好適な拡張は、表示エレメント33に関する。例えば、プリント基板25上には、ケーシング30に設けられた、シールされた切欠から見ることができる様々なLEDが配置されている。これらのLEDを介して、センサ16が、通常の作動モードにあるか、設定モードにあるか、または作動エラーあるかが表示される。ケーブルを介してセンサ16に接続されている、分離された表示装置を設けることもできる。
【0042】
様々なセンサ22,26,32および表示エレメント33は、プリント基板25の導体路を介してマイクロコントローラ24に接続されている。マイクロコントローラ24は、接続されたセンサ22,26,32を選択し、測定結果の前処理を行う。
図1
図2
図3