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特許7348302車両を支持する道路部分の道路能力を示すパラメータを決定する方法及び制御ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】車両を支持する道路部分の道路能力を示すパラメータを決定する方法及び制御ユニット
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20230912BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20230912BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
G08G1/01 A
G08G1/13
G08G1/00 J
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2021559132
(86)(22)【出願日】2019-04-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-04
(86)【国際出願番号】 EP2019058711
(87)【国際公開番号】W WO2020200483
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】512272672
【氏名又は名称】ボルボトラックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【弁理士】
【氏名又は名称】池本 理絵
(72)【発明者】
【氏名】レイン,レオ
(72)【発明者】
【氏名】ヨナソン,マッツ
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-128191(JP,A)
【文献】特開2017-182757(JP,A)
【文献】特開2010-060299(JP,A)
【文献】特開2015-143979(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(10)を支持する道路部分(16)の道路能力を示すパラメータを決定する方法であって、前記車両(10)は、当該車両(10)の意図された進行方向において見られるように、前記車両(10)の前方における前記道路部分(16)の一部の表面から反射された信号(20,22)に基づいて情報パッケージを生成するように適合されたセンサ(18)を含み、前記車両(10)はさらに、複数の地面係合部材(12,14)を含み、前記方法は、
参照する時刻(T)において、前記センサ(18)によって提供される情報パッケージの情報コンテンツを示す参照するコンテンツ測定値を決定することと、
前記参照する時刻(T)の前に発生する前回の時刻(T)において、前記センサ(18)によって提供される情報パッケージの情報コンテンツを示す前回のコンテンツ測定値と前記参照するコンテンツ測定値とを比較することと、
前記参照するコンテンツ測定値と前記前回のコンテンツ測定値との間の差分が所定の許容範囲外であることを検知すると、前記車両(10)を支持する前記道路部分(16)の前記道路能力を示す前記パラメータを決定する決定プロシージャの実行を許可することと、
前記参照するコンテンツ測定値と前記前回のコンテンツ測定値との間の前記差分が前記所定の許容範囲内であることを検知すると、前記決定プロシージャの実行を許可しないことと、
前記決定プロシージャは、少なくとも1つの前記地面係合部材(12,14)の動作を変更することを含む、
方法。
【請求項2】
前記情報パッケージは、カラー画像を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記参照するコンテンツ測定値及び前記前回のコンテンツ測定値のそれぞれは、前記カラー画像の少なくとも一部についての色相(H)、彩度(S)及び明度(L)の少なくとも1つに基づいて決定される、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記参照するコンテンツ測定値及び前記前回のコンテンツ測定値のそれぞれは、前記カラー画像の少なくとも一部についての色相(H)、彩度(S)及び値(V)の少なくとも1つに基づいて決定される、
請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記参照するコンテンツ測定値及び前回のコンテンツ測定値のそれぞれは、色相(H)、彩度(S)及び明度(L)、又は色相(H)、彩度(S)及び値(V)によって定義される空間内の一面に基づいて決定される、
請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記参照するコンテンツ測定値及び前回のコンテンツ測定値のそれぞれは、前記カラー画像の少なくとも一部についての輝度勾配ヒストグラムに基づいて決定される、
請求項2~5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記地面係合部材に関連する前記道路部分(16)の前記道路能力を示す前記パラメータは、少なくとも1つの前記地面係合部材(12,14)と前記道路部分(16)との間の摩擦値(μ)である、
請求項1~6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記地面係合部材に関連する前記道路部分(16)の前記道路能力を示す前記パラメータは、前記車両(10)を支持する前記道路部分の耐荷重能力を示す耐荷重能力値である、
請求項1~7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記決定プロシージャは、少なくとも1つの前記地面係合部材(12,14)にトルクを与えることを含む、
請求項1~8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記方法はさらに、
現在の時刻に先行する所定の車両動作時間範囲内に、前記決定プロシージャが実行された回数を決定することと、
前記所定の車両動作時間範囲内に、前記決定プロシージャが所定の回数閾値より少なく実行され、かつ前記決定プロシージャの実行が許可されたことを検知すると、前記決定プロシージャを実行することと、を含む、
請求項1~9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記方法はさらに、所定の道路部分(16)のタイプのセットの中の道路部分(16)のタイプに前記参照するコンテンツ測定値を関連付けることを含む、
請求項1~10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記方法はさらに、前記決定プロシージャが実行されたとき、前記車両(10)を支持する前記道路部分(16)の前記道路能力を示す前記パラメータを前記参照するコンテンツ測定値に関連付けることを含む、
請求項1~11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
車両(10)を支持する道路部分(16)の道路能力を示すパラメータを決定する制御ユニット(24)であって、前記車両(10)は、当該車両(10)の意図された進行方向において見られるように、前記車両(10)の前方における前記道路部分(16)の一部の表面から反射された信号(20,22)に基づいて情報パッケージを生成するように適合されたセンサ(18)を含み、前記車両(10)はさらに、複数の地面係合部材(12,14)を含み、前記制御ユニット(24)が、
参照する時刻(T)において、前記センサ(18)によって提供される情報パッケージの情報コンテンツを示す参照するコンテンツ測定値を決定し、
前記参照する時刻(T)の前に発生する前回の時刻(T)において、前記センサ(18)によって提供される情報パッケージの情報コンテンツを示す前回のコンテンツ測定値と前記参照するコンテンツ測定値とを比較し、
前記参照するコンテンツ測定値と前記前回のコンテンツ測定値との間の差分が所定の許容範囲外であることを検知すると、前記車両(10)を支持する前記道路部分(16)の前記道路能力を示す前記パラメータを決定する決定プロシージャの実行を許可し、
前記参照するコンテンツ測定値と前記前回のコンテンツ測定値との間の前記差分が前記所定の許容範囲内にあることを検知すると、前記決定プロシージャの実行を許可せず、
前記決定プロシージャは、1つ以上の前記地面係合部材(12,14)の動作を変更するように適合された、
制御ユニット(24)。
【請求項14】
前記情報パッケージは、カラー画像を含む、
請求項13に記載の制御ユニット(24)。
【請求項15】
前記参照するコンテンツ測定値及び前記前回のコンテンツ測定値のそれぞれは、前記カラー画像の少なくとも一部についての色相(H)、彩度(S)及び明度(L)の少なくとも1つに基づいて決定される、
請求項14に記載の制御ユニット(24)。
【請求項16】
前記参照するコンテンツ測定値及び前記前回のコンテンツ測定値のそれぞれは、前記カラー画像の少なくとも一部についての色相(H)、彩度(S)及び値(V)の少なくとも1つに基づいて決定される、
請求項14又は15に記載の制御ユニット(24)。
【請求項17】
前記参照するコンテンツ測定値及び前記前回のコンテンツ測定値のそれぞれは、色相(H)、彩度(S)及び明度(L)、又は色相(H)、彩度(S)及び値(V)によって定義される空間内の一面に基づいて決定される、
請求項15又は16に記載の制御ユニット(24)。
【請求項18】
前記参照するコンテンツ測定値及び前記前回のコンテンツ測定値のそれぞれは、前記カラー画像の少なくとも一部についての輝度勾配ヒストグラムに基づいて決定される、
請求項14~17のいずれか1つに記載の制御ユニット(24)。
【請求項19】
前記地面係合部材に関連する前記道路部分(16)の前記道路能力を示す前記パラメータは、少なくとも1つの前記地面係合部材(12,14)と前記道路部分(16)との間の摩擦値(μ)である、
請求項13~18のいずれか1つに記載の制御ユニット(24)。
【請求項20】
前記地面係合部材に関連する前記道路部分(16)の前記道路能力を示す前記パラメータは、前記車両(10)を支持する前記道路部分の耐荷重能力を示す耐荷重能力値である、
請求項13~19のいずれか1つに記載の制御ユニット(24)。
【請求項21】
前記決定プロシージャは、少なくとも1つの前記地面係合部材(12,14)にトルクを与えることを含む、
請求項13~20のいずれか1つに記載の制御ユニット(24)。
【請求項22】
前記制御ユニット(24)はさらに、現在の時刻に先行する所定の車両動作時間範囲内に、前記決定プロシージャが実行された回数を決定し、前記所定の車両動作時間範囲内に、前記決定プロシージャが所定の回数閾値よりも少なく実行され、かつ前記決定プロシージャの実行が許可されたことを検知すると、前記決定プロシージャを実行する信号を出力するように適合された、
請求項13~21のいずれか1つに記載の制御ユニット(24)。
【請求項23】
前記制御ユニット(24)はさらに、所定の道路部分(16)のタイプのセットの中の道路部分(16)のタイプに前記参照するコンテンツ測定値を関連付けるように適合された、
請求項13~22のいずれか1つに記載の制御ユニット(24)。
【請求項24】
前記制御ユニット(24)はさらに、前記決定プロシージャが実行されたとき、前記車両(10)を支持する前記道路部分(16)の前記道路能力を示す前記パラメータを前記参照するコンテンツ測定値に関連付けるように適合された、
請求項13~23のいずれか1つに記載の制御ユニット(24)。
【請求項25】
請求項13~24のいずれか1つに記載の制御ユニット(24)を備えた車両(10)。
【請求項26】
前記複数の地面係合部材(12,14)は、1つ以上の車輪を含む、
請求項25に記載の車両(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を支持する道路部分(road segment)の道路能力(road capability)を示すパラメータを決定する方法に関する。また、本発明は、車両を支持する道路部分の道路能力を示すパラメータを決定する制御ユニットに関する。さらに、本発明は、車両に関する。
【0002】
本発明は、トラック、バス及び建設機械などの大型車両に適用することができる。トラックについて本発明を説明するが、本発明は、この特定の車両に限らず、バスや作業機械などの他の車両にも使用することができる。
【背景技術】
【0003】
自律走行車両又は手動走行車両である車両を動作させるとき、車両を支持する道路部分の道路能力を示す情報を受信することが有益となる場合がある。
【0004】
純粋な一例として、道路部分と車両の地面係合部材(ground engaging member)との間の摩擦を示す情報を取得することが望ましい場合がある。そのような情報は、例えば、車両の動作を制御するために使用することができる。
【0005】
他の非限定的な一例として、道路部分の耐荷重能力に関する情報を取得することが有益となる場合がある。
【0006】
路面摩擦係数を示す値を決定するために、米国特許出願公開第2015/0224925号明細書は、特に、カメラから受信した情報に局所的な摩擦係数を併合する方法を提案している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の併合は、局所的な摩擦係数が適切に高信頼性で決定された場合にのみ、信頼できる結果を提供する。そのような決定は、加速や減速などの車両ダイナミックスの変化が必要となる場合がある。
【0008】
併合の必要性が高い状況では、そのような車両ダイナミックスの変化が起こることは確かではない。そのようなものとして、米国特許出願公開第2015/0224925号明細書で提示された方法の問題は、併合が必ずしも有用な併合結果を提供しないということである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、車両を支持する道路部分の道路能力を示すパラメータを決定する方法を提供することである。この方法は、望ましい時刻(time instant)に、車両を支持する道路部分の道路能力を示すパラメータを決定する決定プロシージャを開始する。
【0010】
この目的は、請求項1に記載の方法によって達成される。
【0011】
そのようなものとして、本発明は、車両を支持する道路部分の道路能力を示すパラメータを決定する方法に関する。車両は、車両の意図された進行方向において見られるように、車両前方の道路部分の一部の表面から反射された信号に基づいて情報パッケージを生成するように適合されたセンサを含んでいる。車両はさらに、複数の地面係合部材を含んでいる。
【0012】
この方法は、
参照する時刻(reference time instant)においてセンサによって提供される情報パッケージ(information package)の情報コンテンツ(information content)を示す参照するコンテンツ測定値(reference content measure)を決定することと、
参照する時刻の前に発生する前回の時刻(previous time instant)においてセンサによって提供される情報パッケージの情報コンテンツを示す前回のコンテンツ測定値(previous content measure)と参照するコンテンツ測定値とを比較することと、
参照するコンテンツ測定値と前回のコンテンツ測定値との間の差分が所定の許容範囲外であることを検知すると、車両を支持する道路部分の道路能力を示すパラメータを決定する決定プロシージャの実行を許可することと、
参照するコンテンツ測定値と前回のコンテンツ測定値との間の差分が所定の許容範囲内であることを検知すると、決定プロシージャの実行を許可しないことと、
決定プロシージャは、1つ以上の地面係合部材の動作を変更することと、
を含んでいる。
【0013】
上記の方法によれば、参照する時刻及び前回の時刻においてセンサによって提供される情報パッケージ間に適度に大きい差分が検知されると、車両を支持する道路部分の道路能力を示すパラメータを決定する決定プロシージャの実行が許可される。そのような差分は、道路状況の変化を含み、道路能力を示すパラメータの新しい値を決定できるようにするために、決定プロシージャが許可される原因となることができる。
【0014】
そのようなものとして、定期的に決定プロシージャを実行するスキームであって、むしろ類似する、例えば、車両の位置、又はセンサによって生成される情報パッケージに対して、パラメータ値の信頼できるマッピングを構築するのに貢献する複数のパラメータ値をもたらすスキームを使用するというよりもむしろ、本発明の方法は、センサによって生成された画像などの情報パッケージの変化がパラメータ値の変化を予測することを示す場合にのみ、新しいパラメータ値の決定が許可されることを含んでいる。
【0015】
上記のことは、新しいパラメータ値のそれぞれが、関連するパラメータについて知識ベースの改善に貢献する可能性が高いことを含んでいる。
【0016】
オプションとして、情報パッケージはカラー画像を含んでいる。
【0017】
本明細書で使用される場合、「カラー画像」という表現は、複数のピクセルを有するデジタル画像に関連付けられ、各ピクセルが各ピクセルについての色情報を含んでいる。そのようなものとして、デジタル画像の各ピクセルには3つの値/チャネルがあり、各値/チャネルは、光の強度(intensity)及び色度(chrominance)を示す測定値である。
【0018】
カラー画像の使用は、異なる道路のタイプを簡単な方法で決定することができることを含んでいる。例えば、カラー画像を使用すると、例えば、雪、アスファルト、砂利を含む道路部分を簡単に区別することができる。
【0019】
オプションとして、参照するコンテンツ測定値及び前回のコンテンツ測定値のそれぞれは、次のパラメータの少なくとも1つ、即ち、カラー画像の少なくとも一部についての色相(hue)、彩度(saturation)及び明度(lightness)に基づいて決定される。
【0020】
上記のパラメータの使用は、異なる道路のタイプを区別するのに好都合な方法を含んでいる。
【0021】
オプションとして、参照するコンテンツ測定値及び前回のコンテンツ測定値のそれぞれは、次のパラメータの少なくとも1つ、即ち、カラー画像の少なくとも一部についての色相、彩度及び値(value)に基づいて決定される。
【0022】
オプションとして、参照するコンテンツ測定値及び前回のコンテンツ測定値のそれぞれは、色相、彩度及び明度、又は色相、彩度及び値によって定義される空間内の一面に基づいて決定される。
【0023】
オプションとして、参照するコンテンツ測定値及び前回のコンテンツ測定値のそれぞれは、カラー画像の少なくとも一部についての輝度勾配ヒストグラム(histogram of oriented gradients)に基づいて決定される。
【0024】
輝度勾配ヒストグラムの使用は、センサによって生成される画像を使用して、適切な物体検知が実行できることを含んでいる。そのような物体検知は、例えば、道路部分が砂利道であることを示す可能性がある道路部分の砂利を検知する場合、又は道路部分がアスファルトを含むことを示す路面標識などの道路部分のパターンを検知する場合に有益である可能性がある。
【0025】
オプションとして、地面係合部材に関連する道路部分の道路能力を示すパラメータは、少なくとも1つの地面係合部材と道路部分との間の摩擦値である。
【0026】
摩擦値は、例えば、車両の動作を制御するために使用することができる。また、摩擦値とセンサによって提供される情報パッケージの情報コンテンツを示す参照するコンテンツ測定値との間の比較的強い相関関係を識別できる可能性がある。
【0027】
オプションとして、地面係合部材に関連する道路部分の道路能力を示すパラメータは、車両を支持する道路部分の耐荷重能力を示す耐荷重能力値である。
【0028】
オプションとして、決定プロシージャは、少なくとも1つの地面係合部材にトルクを与えることを含んでいる。少なくとも1つの地面係合部材にトルクを与えることは、トルクを与えた結果として車両ダイナミックスが変化する可能性があるので、例えば、車両の運転者に対して不安として認識される可能性がある。本発明による方法によれば、不必要な決定プロシージャの実行を回避することができる。そのようなものとして、この方法は、1つ以上の地面係合部材へのトルク付与を可能にすることができる。なぜならば、そのような付与は、関連するパラメータのマッピングを改善する結果となる可能性が高いからである。
【0029】
オプションとして、この方法はさらに、現在の時刻に先行する所定の車両動作時間範囲(vehicle operation time range)内に、決定プロシージャが実行された回数を決定することを含んでいる。この方法はさらに、所定の車両動作時間範囲内に決定プロシージャが所定の閾値回数未満で実行され、かつ決定プロシージャの実行が許可されたことを検知すると、決定プロシージャを実行することを含んでいる。
【0030】
本明細書で使用される場合、「車両動作時間」という表現は、車両が動作していた時間のことをいう。従って、「所定の車両動作時間範囲」という用語は、車両が動作していた間の所定の時間範囲のことをいう。
【0031】
上記において暗示されたように、決定プロシージャの実行は、車両の動作の観点からあまり好ましくない可能性がある。そのようなものとして、所定の車両動作時間範囲内の実行回数を最大回数に制限することが好ましい場合がある。
【0032】
オプションとして、この方法はさらに、所定の道路部分タイプのセットの中の道路部分のタイプに参照するコンテンツ測定値を関連付けることを含んでいる。
【0033】
オプションとして、この方法はさらに、決定プロシージャが実行されたとき、車両を支持する道路部分の道路能力を示すパラメータを参照するコンテンツ測定値に関連付けることを含んでいる。
【0034】
本発明の第2の態様は、車両を支持する道路部分の道路能力を示すパラメータを決定する制御ユニットに関する。車両は、車両の意図された進行方法において見られるように、車両の前方における道路部分の一部の表面から反射された信号に基づいて情報パッケージを生成するように適合されたセンサを含んでいる。車両はさらに、複数の地面係合部材を含んでいる。
【0035】
制御ユニットは、
参照する時刻においてセンサによって提供される情報パッケージの情報コンテンツを示す参照するコンテンツ測定値を決定し、
参照する時刻の前に発生する前回の時刻においてセンサによって提供される情報パッケージの情報コンテンツを示す前回のコンテンツ測定値と参照するコンテンツ測定値とを比較し、
参照するコンテンツ測定値と前回のコンテンツ測定値との間の差分が所定の許容範囲外であることを検知すると、車両を支持する道路部分の道路能力を示すパラメータを決定する決定プロシージャの実行を許可し、
参照するコンテンツ測定値と前回のコンテンツ測定値との間の差分が所定の許容範囲内であることを検知すると、決定プロシージャの実行を許可せず、
決定プロシージャは、1つ以上の地面係合部材の動作を変更することを含むように適合されている。
【0036】
オプションとして、情報パッケージはカラー画像を含んでいる。
【0037】
オプションとして、参照するコンテンツ測定値及び前回のコンテンツ測定値のそれぞれは、次のパラメータの少なくとも1つ、即ち、カラー画像の少なくとも一部についての色相、彩度及び明度の少なくとも1つに基づいて決定される。
【0038】
オプションとして、参照するコンテンツ測定値及び前回のコンテンツ測定値のそれぞれは、次のパラメータの少なくとも1つ、即ち、カラー画像の少なくとも一部についての色相、彩度及び値の少なくとも1つに基づいて決定される。
【0039】
オプションとして、参照するコンテンツ測定値及び前回のコンテンツ測定値のそれぞれは、色相、彩度及び明度、又は色相、彩度及び値によって定義された空間内の一面に基づいて決定される。
【0040】
オプションとして、参照するコンテンツ測定値及び前回のコンテンツ測定値のそれぞれは、カラー画像の少なくとも一部についての輝度勾配ヒストグラムに基づいて決定される。
【0041】
オプションとして、地面係合部材に関連する道路部分の道路能力を示すパラメータは、少なくとも1つの地面係合部材と道路部分との間の摩擦値である。
【0042】
オプションとして、地面係合部材に関連する道路部分の道路能力を示すパラメータは、車両を支持する道路部分の耐荷重能力を示す耐荷重能力値である。
【0043】
オプションとして、決定プロシージャは、少なくとも1つの地面係合部材にトルクを与えることを含んでいる。
【0044】
オプションとして、制御ユニットはさらに、現在の時刻に先行する所定の車両動作時間範囲内に、決定プロシージャが実行された回数を決定するように適合されている。制御ユニットはさらに、所定の車両動作時間範囲内に決定プロシージャが所定の閾値回数未満で実行され、かつ決定プロシージャの実行が許可されたことを検知すると、決定プロシージャを実行する信号を出力するように適合されている。
【0045】
オプションとして、制御ユニットはさらに、所定の道路部分のタイプのセットの中の道路部分のタイプに参照するコンテンツ測定値を関連付けるように適合されている。
【0046】
オプションとして、制御ユニットはさらに、決定プロシージャが実行されたとき、車両を支持する道路部分の道路能力を示すパラメータを参照するコンテンツ測定値に関連付けるように適合されている。
【0047】
本発明の第3の態様は、本発明の第2の態様による制御ユニットを備えた車両に関する。
【0048】
オプションとして、複数の地面係合部材は、1つ以上の車輪を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
添付の図面を参照し、以下、一例として挙げられる本発明の実施形態をより詳細に説明する。
【0050】
図1】本発明の実施形態による車両の概略的な側面図である。
図2】前回の時刻においてセンサによって提供されるカラー画像のグレースケール表現を示している。
図3】参照する時刻においてセンサによって提供されるカラー画像のグレースケール表現を示している。
図4】円柱として示された色相、彩度及び明度の色空間の斜視図を示している。
図5】本発明による方法の実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1に示すトラックなどのトラック10の形態をとる車両について、以下、本発明を説明する。トラック10は、本発明の方法を実行することができる、本発明による制御ユニットを含むことができる車両の一例であると理解すべきである。しかしながら、本発明は、複数の異なるタイプの車両に実装することができる。純粋な一例として、本発明は、トラック、トラクタ、乗用車、バス、ホイールローダ又は他の任意のタイプの建設機械などの作業機械に実装することができる。
【0052】
図1の車両10は、地面係合部材12,14のセットを含んでいる。地面係合部材12,14のそれぞれは、地面部分16によって支持されるように適合されている。図1において、地面係合部材12,14は、車輪として実装されているが、地面係合部材は、クローラなどの他のタイプのものであってもよいと考えられる。車両10の図1の実施形態は、1対の前輪12及び1対の後輪14を含んでいるが、もちろん、車両10の他の実施形態が、より少ない車輪又はより多い車輪を含んでいてもよいと考えられる。以下の説明においては、一般的に、1つの前輪12及び1つの後輪14のみを参照する。しかしながら、前輪12への参照は、1対の前輪にも等しく適用可能であることを理解されたい。同様に、後輪14への参照は、1対の後輪にも等しく適用可能である。
【0053】
また、図1は、前後軸Lに沿って前後方向に、並びに垂直軸Vに沿って垂直方向に、車両が延びていることを示している。前後軸Lは、車両10の意図された進行方向と平行な方向に延び、垂直軸Vは、地面部分16の面に垂直な方向に延びている。図1はまた、左右軸Tが前後軸L及び垂直軸Vのそれぞれに垂直に延びていることを示している。
【0054】
図1はさらに、車両10が、車両10の意図された進行方向において見られるように、即ち、前後軸Lに沿って見られるように、車両10の前方における道路部分16の一部の表面から反射された信号20,22に基づいて情報パッケージを生成するように適合されたセンサ18を含んでいることを示している。
【0055】
純粋な一例として、センサ18は、カメラであってもよく、情報パッケージは、車両10の前方における道路部分16の一部の表面の画像、好ましくは、デジタル画像であってもよい。しかしながら、センサ18は、他の方法で実装されてもよいとも考えられる。純粋な一例として、センサ18は、LIDARセンサ、RADARセンサなどを含んでいてもよく、又これらによって構成されていてもよい。
【0056】
図1はさらに、車両を支持する道路部分の道路能力を示すパラメータを決定する制御ユニット24を示している。図1において、制御ユニット24は、車両10の一部を形成する。しかしながら、制御ユニット24は、車両10とは別体であって、例えば、無線通信手段(図1では図示せず)を使用して、特にセンサと通信してもよいとも考えられる。車両10及び/又はセンサ18に対する位置にかかわらず、制御ユニット24は、好ましくは、センサ18から情報を受信するように適合されている。
【0057】
制御ユニット24は、
参照する時刻Tにおいて、センサ18によって提供された情報パッケージの情報コンテンツを示す参照するコンテンツ測定値を決定し、
参照する時刻Tの前に発生した前回の時刻Tにおいて、センサによって提供される情報パッケージの情報コンテンツを示す前回のコンテンツ測定値と参照するコンテンツ測定値とを比較し、
参照するコンテンツ測定値と前回のコンテンツ測定値との間の差分が所定の許容範囲外であることを検知すると、車両10を支持する道路部分16の道路能力を示すパラメータを決定する決定プロシージャの実行を許可し、
参照するコンテンツ測定値と前回のコンテンツ測定値との間の差分が所定の許容範囲内であることを検知すると、決定プロシージャの実行を許可せず、
決定プロシージャが、1つ以上の地面係合部材12,14の動作を変更することを含むように適合されている。
【0058】
純粋な一例として、情報パッケージは、カラー画像を含んでいる。この目的のために、図2は、前回の時刻Tにおいて、センサによって提供されるカラー画像26のグレースケール表現を示している。同様に、図3は、参照する時刻Tにおいて、センサによって提供されるカラー画像28のグレースケール表現を示している。
【0059】
図2から理解できるように、カラー画像26は、車両(図2では図示せず)の前方における道路部分16の一部を示している。図2のカラー画像26はまた、道路部分16を取り囲む領域30,32を示している。
【0060】
同様に、図3のカラー画像28は、車両(図3では図示せず)の前方における道路部分16の一部を示している。図3のカラー画像28はまた、道路部分16を取り囲む領域30,32を示している。
【0061】
図2の画像と図3の画像とを比較すると理解できるように、図3における道路部分16は、図2の道路部分16より明るい。これは、例えば、図3における道路部分16が雪によって覆われているのに対して、図2の道路部分16が雪で覆われていないなど、道路状態が変化したことを示している可能性がある。この道路状態の変化は、車両10を支持する道路部分16の道路能力を示すパラメータを決定する決定プロシージャのきっかけとなる場合がある。
【0062】
上記から理解できるように、例えば、図2及び図3のそれぞれに図示された道路部分16の一部が、実質的に同じであるか又は実質的に異なっているかを決定することができる、コンテンツ測定値を使用することが好ましい場合がある。
【0063】
そのようなコンテンツ測定値のいくつかの例を以下に提示する。
【0064】
第1の例として、参照するコンテンツ測定値及び前回のコンテンツ測定値のそれぞれは、次のパラメータの少なくとも1つ、即ち、カラー画像の少なくとも一部についての色相、彩度及び明度の少なくとも1つに基づいて決定される。上記で暗示されたように、カラー画像の一部は、好ましくは、道路部分16の一部を表すと考えられる部分であってもよい。
【0065】
赤、緑及び青の色が、RGBカラーモデルと呼ぶことができるカラーモデルを生成すると見做すことができるのと同様に、色相H、彩度S及び明度Lというパラメータを使用して、色を定義してある色を別の色と区別する、HSLカラーモデルと呼ぶことができるカラーモデルを生成することができる。
【0066】
HSLカラーモデルは、色相Hが角度座標、彩度Sが半径距離、明度Lが高さである円柱座標系と見做すことができる。この目的のために、図4は、円柱34を通る任意の断面の円周の周囲の異なる位置によって色相Hが表される、円形断面部を有するHSL円柱34を示している。従って、色相は、0~360°の値、即ち、円柱34の中心線36の周囲の角度位置を表す値として表現することができる。このため、円柱34の外周は、明度値0.5、即ち、円柱34の中腹における円柱34の周囲の周りに、赤、緑及び黄という色の組み合わせを使用して、色相輪(color wheel)を形成すると見ることができる。
【0067】
彩度Sは、色相Hに加えられる白の量を意味している。図4から理解することができるように、彩度Sは、HSL円柱34において半径方向に延びる軸と見做すことができるので、円柱34の半径方向の距離を表している。非限定的な一例として、円柱34の周囲に位置する赤色は、円柱34の内部に位置するピンク色より高い彩度を有していると考えられる。なぜならば、ピンク色は、赤と白とを混合したものと見做せるからである。
【0068】
最後に、明度Lは、灰色を含み、明度0(即ち、円柱34の底部であるL=0)で黒から延びて明度1(即ち、円柱34の上部であるL=1)で白になる。
【0069】
HSLカラーモデルを使用する代わりに、HSVカラーモデルと呼ばれる、色相H、彩度S及び値Vというパラメータを使用したモデルを使用することができる。HSVカラーモデルは、HSLカラーモデルに類似しているが、HSVカラーモデルの値は、V=0の黒からV=1の飽和色まで延びている。
【0070】
上記から理解できるように、HSLカラーモデル又はHSVカラーモデルを複数の方法で使用して、例えば、図2及び図3のそれぞれによって示される道路部分16の一部が、実質的に同じであるか、又は実質的に異なるかを決定することができる。換言すると、HSLカラーモデル又はHSVカラーモデルのそれぞれを使用して、上述した参照するコンテンツ測定値及び前回のコンテンツ測定値を決定することができる。
【0071】
純粋な一例として、コンテンツ測定値は、色相Hを含むことができる。そのようなものとして、参照するコンテンツ測定値は参照する色相Hを示していてもよく、前回のコンテンツ測定値は前回の色相Hを示していてもよい。参照する色相Hと前回の色相Hとの間の差分の絶対値が所定の色相差分閾値より大きければ、これは、例えば、道路部分16を構成する材料のタイプが、前回の時刻Tから参照する時刻Tまでに変化したことを示すことができる。例えば、所定の色相差分閾値を超える色相差分の絶対値は、前回の時刻Tにおける道路部分16が第1のタイプのアスファルトによって構成され、参照する時刻Tにおける道路部分16が第2のタイプのアスファルト又は砂利によって構成された事実によって、発生することができる。検知された道路部分のタイプのそのような変化は、上述した決定プロシージャの実行を許可することができる。
【0072】
他の非限定的な一例として、コンテンツ測定値は、彩度Sを含むことができる。そのようなものとして、参照するコンテンツ測定値は参照する彩度Sを示していてもよく、前回のコンテンツ測定値は前回の彩度Sを示していてもよい。参照する彩度Sと前回の彩度Sとの間の差分の絶対値が所定の彩度差分閾値より大きければ、これは、例えば、雪又は雨の付着を示すことができ、上述した決定プロシージャの実行をまた許可することができる。
【0073】
さらに他の非限定的な一例として、コンテンツ測定値は、明度Lを含むことができる。そのようなものとして、参照するコンテンツ測定値は参照する明度Lを示していてもよく、前回のコンテンツ測定値は前回の明度Lを示していてもよい。参照する明度Lと前回の明度Lとの間の差分の絶対値が所定の明度差分閾値より大きければ、これは、例えば、参照する時刻Tと前回の時刻Tとの間で日照レベルが変化したなど、日照条件が変化したことを示すことができ、上述した決定プロシージャの実行をまた許可することができる。
【0074】
HSVカラーモデルについて、先の段落で説明した明度Lに代えて、値Vを使用することができる。
【0075】
他の一例として、参照するコンテンツ測定値及び前回のコンテンツ測定値のそれぞれは、色相、彩度及び明度、又は色相、彩度及び値によって定義される空間内の一面に基づいて決定される。
【0076】
さらに他の一例として、参照するコンテンツ測定値及び前回のコンテンツ測定値のそれぞれは、カラー画像の少なくとも一部についての輝度勾配ヒストグラムに基づいて決定される。輝度勾配ヒストグラムは、物体検知のために使用することができる。本発明に関連する物体のタイプは、例えば、砂利、路面標識、雪道のトラックなどの道路のトラック、水たまりのそれぞれであってもよい。物体のタイプの1つが参照する時刻Tにおいて検知されたが、前回の時刻Tにおいて検知されなければ、これは、前回の時刻Tから参照する時刻Tまでに道路部分のタイプが変化したことを示すことができ、そのような指標は、上述した決定プロシージャの実行を許可することができる。そのようなものとして、上記の一例では、コンテンツ測定値は、情報パッケージ又は画像内に検知された特定のタイプ又はクラスの物体の数を示す数を含むか、これによって構成されることさえできる。
【0077】
どのように決定プロシージャの実行が許可されるべきであるかを決定するかにかかわらず、決定プロシージャは、車両10を支持する道路部分16の道路能力を示すパラメータを決定するように適合されていてもよい。このパラメータは、車両が動作する場合に関連付けることができる。
【0078】
非限定的な一例として、地面係合部材に関連する道路部分の道路能力を示すパラメータは、少なくとも1つの地面係合部材12,14と道路部分16との間の摩擦値μであってもよい。そのような摩擦値μは、複数の異なる方法で決定することができる。純粋な一例として、減速又は加速など、車両10に車両ダイナミックスの変化を与え、これから摩擦値μを決定することによって、摩擦値μを決定することができる。例えば、そのような車両ダイナミックスの変化は、少なくとも1つの地面係合部材12,14にトルクを与えることを含んでいてもよい。
【0079】
他の非限定的な一例として、地面係合部材に関連する道路部分16の道路能力を示すパラメータは、剛性など、車両を支持する道路部分の耐荷重能力を示す耐荷重能力値であってもよい。摩擦値μについて、車両の傾きの変化など、車両10に車両ダイナミックスの変化を与え、その後、1つ以上の地面係合部材12,14の道路部分16への押し下げを決定することによって、耐荷重能力を決定することができる。
【0080】
上記から理解できるように、決定プロシージャは、変化が好ましくない場合がある、車両ダイナミックスの変化をもたらす可能性がある。そのようなものとして、純粋な一例としてではあるが、制御ユニット24は、現在の時刻Tに先行する所定の車両動作時間範囲内に、決定プロシージャが実行された回数を決定するように適合されていてもよい。また、制御ユニット24はさらに、所定の車両動作時間範囲内に、決定プロシージャが所定の回数閾値よりも少なく実行されたことを検知すると、決定プロシージャの実行を許可して、決定プロシージャを実行する信号を出力してもよい。
【0081】
従って、純粋な一例としてではあるが、制御ユニット24は、4つの動作時間内に3つの決定プロシージャの実行のみを許可するように適合されていてもよい。そのようなものとして、参照するコンテンツ測定値と前回のコンテンツ測定値との比較は、決定プロシージャの実行が好ましいことを示しているが、制御ユニット24は、最新の4つの車両動作時間内に、3つの決定プロシージャが既に実行されていれば、決定プロシージャを実行しないように適合されていてもよい。
【0082】
上記で暗示されたように、制御ユニット24は、所定の道路部分のタイプのセットの中の道路部分のタイプに参照するコンテンツ測定値を関連付けるように適合されていてもよい。純粋な一例として、所定の道路部分のタイプのセットは、以下のタイプ、即ち、アスファルト、コンクリート又は砂利のタイプを含んでいてもよい。
【0083】
また、制御ユニット24は、決定プロシージャが実行されたとき、車両を支持する道路部分の道路能力を示すパラメータを参照するコンテンツ測定値に関連付けるように適合されていてもよい。
【0084】
本発明はまた、車両10を支持する道路部分16の道路能力を示すパラメータを決定する方法に関する。車両10は、車両の意図された進行方向において見られるように、車両10の前方における道路部分16の一部の表面から反射された信号に基づいて情報パッケージを生成するように適合されたセンサ18を含んでいる。車両はさらに、複数の地面係合部材12,14を含んでいる。本発明による方法の実施形態のフローチャートは、図5に提示されている。
【0085】
図5を参照すると、この方法の実施形態は、
参照する時刻Tにおいて、センサによって提供される情報パッケージの情報コンテンツを示す参照するコンテンツ測定値を決定すること(S10)と、
参照する時刻の前に発生する前回の時刻Tにおいて、センサによって提供される情報パッケージの情報コンテンツを示す前回のコンテンツ測定値と参照するコンテンツ測定値とを比較すること(S12)と、
参照するコンテンツ測定値と前回のコンテンツ測定値との間の差分が所定の許容範囲外であることを検知すると、車両を支持する道路部分の道路能力を示すパラメータを決定する決定プロシージャの実行を許可すること(S14)と、
参照するコンテンツ測定値と前回のコンテンツ測定値との間の差分が所定の許容範囲内であることを検知すると、決定プロシージャの実行を許可しないこと(S16)と、
決定プロシージャは、1つ以上の地面係合部材12,14の動作を変更すること(S18)と、
を含んでいる。
【0086】
上記の方法は、例えば、上記で説明した制御ユニット24を使用して実行することができる。しかしながら、本発明による方法は、他の手段を使用して実行することができると考えられる。
【0087】
本発明は、上述及び図示の実施形態に限定されないと理解されたい。むしろ、当業者であれば、添付の特許請求の範囲内で、多くの変更及び修正がなされ得ることを認識するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5