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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】洗浄機
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
B08B3/02 B
B08B3/02 D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022011105
(22)【出願日】2022-01-27
(62)【分割の表示】P 2021021993の分割
【原出願日】2021-02-15
(65)【公開番号】P2022050703
(43)【公開日】2022-03-30
【審査請求日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】P 2020097655
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000132161
【氏名又は名称】株式会社スギノマシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】弁理士法人グローバル・アイピー東京
(72)【発明者】
【氏名】晴▲まき▼ 大樹
(72)【発明者】
【氏名】川森 巧曜
(72)【発明者】
【氏名】松井 大貴
(72)【発明者】
【氏名】中崎 皓大
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-099145(JP,A)
【文献】特開2019-176551(JP,A)
【文献】特開2007-214590(JP,A)
【文献】特開2017-056365(JP,A)
【文献】特開平04-061975(JP,A)
【文献】特開2020-037178(JP,A)
【文献】中国実用新案第204817287(CN,U)
【文献】特開平08-085063(JP,A)
【文献】特開2005-185906(JP,A)
【文献】特開2010-177602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 3/02, 5/00
B23P 17/00
B23D 79/00
B23Q 11/00
B23B 47/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄室と、
第1軸を中心に回転する中空のテーブル回転シャフトと、
第1スイベル接手であって、
前記テーブル回転シャフトの内部で回転可能な第1スイベルハウジングと、
前記第1スイベルハウジングの内部に配置され、回転が制限された第1スイベルシャフトと、を有する、第1スイベル接手と、
前記テーブル回転シャフトに固定されて前記洗浄室の内部に設置され、洗浄対象物を設置可能なテーブルと、
前記テーブル回転シャフトを回転する第1モータであって、前記洗浄室の外部に配置される第1モータと、
前記洗浄室の壁を貫通し、前記第1軸と平行な第2軸に沿って配置された中空のスライドガイドと、
前記スライドガイドの内部に配置され、前記スライドガイドを貫通し、前記スライドガイドに摺動して、前記第2軸に沿って進退するスライドシャフトと、
前記洗浄室の外部に配置され、前記スライドシャフトを進退させる直動機構と、
前記スライドシャフトに支持され、前記第2軸を中心に回転するプロペラシャフトと、
前記洗浄室の内部に配置される第2スイベル接手であって、
前記プロペラシャフトの前記洗浄室側の端部に回転が制限されて配置された第2スイベルハウジングと、
前記第2スイベルハウジングの内部に配置され、前記プロペラシャフトと一体として回転する第2スイベルシャフトと、を有する、第2スイベル接手と、
前記洗浄室の内部で前記第2スイベルシャフトと一体として回転し、前記第2軸と異なる方向に第1洗浄流体を前記洗浄対象物に向かって噴出する第1ノズルと、
を有
前記テーブル回転シャフトは、前記洗浄室の壁を貫通して設置され、
前記テーブル回転シャフトは、前記洗浄室の内部に配置されたフランジを有し、
前記第1スイベルハウジングは、前記フランジに固定されて、前記洗浄室の内部に引き抜き可能である、
洗浄機。
【請求項2】
前記第1軸は、鉛直方向に延びる、
請求項1に記載の洗浄機。
【請求項3】
前記直動機構は、サーボモータ・ボールねじ機構である、
請求項1又は2に記載の洗浄機。
【請求項4】
流体シリンダを有し、前記テーブルに配置されたクランプ装置と、
作動流体源と、
前記作動流体源に接続されたバルブと、を更に有し、
前記第1スイベル接手は、
前記第1スイベルハウジングと前記第1スイベルシャフトとの間に配置された第1環状流路と、
前記第1環状流路及び前記バルブと接続し、前記第1スイベルシャフトに配置された第1流路と、
前記第1環状流路及び前記流体シリンダと接続し、前記第1スイベルハウジングに配置された第2流路と、を有する、
請求項1~3のいずれかに記載の洗浄機。
【請求項5】
洗浄流体源を更に有し、
前記第2スイベル接手は、
前記第2スイベルハウジングと前記第2スイベルシャフトとの間に配置された第2環状流路と、
前記第2環状流路と前記洗浄流体源とを接続し、前記第2スイベルハウジングに配置された第3流路と、
前記第2環状流路と前記第1ノズルとを接続し、前記第2スイベルシャフトに配置された第4流路と、を有する、
請求項1~4のいずれかに記載の洗浄機。
【請求項6】
前記テーブル回転シャフトに固定され、前記テーブルを支持するコラムと、
前記コラムに設置された傾動装置と、を更に有し、
前記テーブルは、前記コラムに旋回可能に設置され、
前記傾動装置は、前記テーブルの姿勢を変更する、
請求項1~のいずれかに記載の洗浄機。
【請求項7】
前記第2スイベルシャフトに締結された第1ノズルホルダを更に有し、
前記第1ノズルは、前記第2軸を通過する第1噴射平面に沿って前記第1洗浄流体を噴射するように、前記第1ノズルホルダに配置された、
請求項1~のいずれかに記載の洗浄機。
【請求項8】
前記第1ノズルホルダは、
前記第2軸に沿って延びる主管と、
前記主管から分岐し、前記第1噴射平面に沿って延びる枝管と、を有し、
複数の前記第1ノズルが前記主管及び前記枝管に配置される、
請求項に記載の洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
対象物が固定されたテーブルを回転し、テーブルの側方に設置されたノズルから洗浄流
体を噴射して対象物に吹き付けて、対象物を洗浄する方法が利用されている(例えば、特
開2016-055275号公報)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の洗浄機では、対象物の形状によっては、対象物の隅々にまで洗浄流体の噴流が衝
突せず、十分に洗浄できない場合がある。
【0004】
本発明は、対象物の隅々まで十分に洗浄可能な洗浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点は、
洗浄室と、
第1軸を中心に回転する中空のテーブル回転シャフトと、
第1スイベル接手であって、
前記テーブル回転シャフトの内部で回転可能 な第1スイベルハウジングと、
前記第1スイベルハウジングの内部に配置され、回転が制限された第1スイベルシャ
フトと、を有する、第1スイベル接手と、
前記テーブル回転シャフトに固定されて前記洗浄室の内部に設置され、洗浄対象物を設
置可能なテーブルと、
前記テーブル回転シャフトを回転する第1モータと、
前記第1軸と平行な第2軸を中心に回転するプロペラシャフトと、
第2スイベル接手であって、
前記プロペラシャフトの洗浄室側の端部に回転が制限されて配置された第2スイベル
ハウジングと、
前記第2スイベルハウジングの内部に配置され、前記プロペラシャフトと一体として
回転する第2スイベルシャフトと、を有する、第2スイベル接手と、
前記洗浄室の内部で前記第2スイベルシャフトと一体として回転し、前記第2軸と異な
る方向に洗浄流体を前記洗浄対象物に向かって噴出するノズルと、
を有する、洗浄機である。
【0006】
洗浄は、エアブロ、高圧ジェットによるバリ取りを含む。
洗浄機は、一つ又は複数のノズルを有する。洗浄機は、好ましくは、複数のノズルを有
する。ノズルの全部または一部は、第2軸と垂直に洗浄流体を噴射する。ノズルは、例え
ば、直射ノズル、平射ノズル、円錐噴射ノズルである。ノズルは、複数の種類のノズルを
含んでよい。
【0007】
洗浄流体は、例えば、水、水系洗浄液、有機溶剤、圧縮空気、乾燥空気である。水は、
例えば、純水、イオン交換水、水道水、工業用水である。例えば、工業用水は、ろ過され
て利用される。水系洗浄液は、例えば、中性洗浄液や塩基性洗浄液である。水系洗浄液は
、防錆剤や界面活性剤を含んでも良い。洗浄流体は、加熱された流体でも良い。
洗浄流体源は、例えば、液体ポンプ、コンプレッサー、ブロアーである。洗浄流体源は
、洗浄機の外部に配置されても良い。例えば、洗浄流体源は、工場に設置されたコンプレ
ッサーや液体ポンプである。
第1の環状流路は、第1のスイベルハウジング又は第1のスイベルシャフトに配置され
る。
第2の環状流路は、第2のスイベルハウジング又は第2のスイベルシャフトに配置され
る。
【0008】
第1モータや第2モータは、洗浄室の外部に配置される。第1モータや第2モータは、
例えば、PM同期モータ、サーボモータ、ステッピングモータである。第1モータや第2
モータは、減速機を有しても良い。好ましくは、第1モータや第2モータは、回転計又は
角度センサを有する。角度センサは、例えば、ロータリーエンコーダ、レゾルバである。
第1モータは、歯付ベルト機構又は歯車機構でテーブル回転シャフトと接続されてよい

第2モータは、プロペラシャフトと直結されてよい。プロペラシャフトは、第2モータ
の出力軸と一体でも良い。第2モータは、歯付ベルト機構又は歯車機構でプロペラシャフ
トと接続されてよい。
【0009】
作動流体は、例えば、圧縮空気である。作動流体源は、例えば、コンプレッサー又は圧
縮空気供給口である。
傾動装置は、例えば、モータ、回転シリンダ、伸縮シリンダとリンクの組合せである。
シリンダは、例えば、エアシリンダや電動シリンダである。モータは、例えば、サーボモ
ータやステッピングモータである。
直動機構は、例えば、シリンダ、ボールねじ・サーボモータ機構である。シリンダは、
例えば、エアシリンダ、電動シリンダである。直動機構は、直線ガイド、ボーススプライ
ン等の直動ガイドを含んでよい。直線ガイド、ボールねじ及びサーボモータは、洗浄室1
1の下面に配置されたコラムに設置されてよい。
【0010】
ノズル、ノズルブロック、第2スイベルシャフト、プロペラシャフトは、一体として回
転する。
望ましくは、主管に配置されたノズルは、第2軸に垂直な方向に洗浄流体を噴射する。
枝管に配置されたノズルは、第2軸と平行に又は第2軸に傾斜した方向に洗浄流体を噴射
する。
ノズルホルダは、丸管で構成されてよい。枝管は、主管の中間部から分岐し、洗浄対象
物の基端側に配置されてよい。枝管は、主管の先端部から分岐し、洗浄対象物の先端側に
配置されてよい。ノズルホルダは、主管と枝管からなり、L字状又はC字状に構成されて
よい。ノズルホルダは、角柱状のブロックでも良い。ノズルホルダがブロックの場合には
、噴射平面に沿って配置されたノズルと共に、噴射平面と異なる平面上に噴射するノズル
を配置できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の洗浄機によれば、対象物の隅々まで十分に洗浄できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態1の洗浄機の縦断面図
図2】実施形態2の洗浄機の縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態1)
図1は、本実施形態の洗浄機10を、第1軸3及び第2軸7を通る平面で切断した断面
図である。図1の上方が鉛直方向上向きである。図1に示すように、洗浄機10は、洗浄
室11と、第1モータ15と、テーブル回転シャフト25と、第1スイベル接手31と、
テーブル37と、第2モータ55、プロペラシャフト63と、第2スイベル接手65と、
第1ノズル69と、制御装置73とを有する。洗浄機10は、モータブラケット13と、
原動歯付プーリ17と、従動歯付プーリ27と、無端歯付ベルト29と、ハウジング21
と、コラム35と、クランプ装置41と、作動流体源45と、バルブ47と、直動機構5
7と、モータハウジング53と、カップリング54と、スライドガイド51と、スライド
シャフト59と、ノズルホルダ(第1ノズルホルダ)67と、ポンプ(第1洗浄流体源)
71とを有しても良い。
【0014】
洗浄室11は、第1軸3を中心とする円筒状として良い。第1軸3及び第2軸7は、鉛
直方向に延びる。モータブラケット13は、テーブル状である。モータブラケット13は
、洗浄室11の下面で、洗浄室の外側に設置される。
第1モータ15は、モータブラケット13に設置される。第1モータ15は、サーボモ
ータである。
【0015】
ハウジング21は、第1軸3を中心とする中空円筒状であり、洗浄室11の底面を貫通
して設置される。テーブル回転シャフト25は、ハウジング21の内部に、ベアリング2
3を介して支持される。テーブル回転シャフト25は、中空円筒状であり、ハウジング2
1を貫通する。テーブル回転シャフト25は、上端にフランジ25aを有する。フランジ
25aは、洗浄室11内に配置される。フランジ25aとハウジング21の間に、フラン
ジ25aとハウジング21との隙間を封止するシールリング(不図示)が設けられても良
い。
【0016】
原動歯付プーリ17は、第1モータ15の出力軸に固定される。従動歯付プーリ27は
、テーブル回転シャフト25の下端に固定される。無端歯付ベルト29は、原動歯付プー
リ17と従動歯付プーリ27の間に張られる。
【0017】
第1スイベル接手31は、第1スイベルハウジング31aと、第1スイベルシャフト3
1bと、ベアリング31cと、第1流路31eと、第1環状流路31dと、第2流路31
fとを有する。第1スイベル接手31は、フランジ31gと、ふた31hを有しても良い
【0018】
第1スイベルハウジング31aは、中空円筒状であり、テーブル回転シャフト25の内
側に配置される。フランジ31gは、第1スイベルハウジング31aの上端に配置される
。フランジ31gは、フランジ25aに固定される。第1スイベルハウジング31aは、
テーブル回転シャフト25と一体となって、第1軸3を中心に回転する。第1スイベルハ
ウジング31aは、テーブル回転シャフト25の上方から引き抜き可能である。
第1スイベルシャフト31bは、中実円筒状であり、第1スイベルハウジング31aの
内側にベアリング31cを介して支持される。第1スイベルシャフト31bの回転は制限
される。好ましくは、第1スイベルシャフト31bは、第1スイベルハウジング31aの
下方から引き抜き可能である。
【0019】
ふた31hは、第1スイベルハウジング31aの上面に配置され、第1スイベルハウジ
ング31aの内部を閉じる。
一つ以上の第1環状流路31d(図1では複数)は、第1スイベルハウジング31aに
配置される。
第1流路31eは、第1スイベルシャフト31bに配置される。第1流路31eの一方
端は、それぞれの第1環状流路31dに面して開口する。第1流路31eの他方端は、第
1スイベルシャフト31bの下端面に開口する。
第2流路31fは、第1スイベルハウジング31aに配置される。第2流路31fの一
方端は、それぞれの第1環状流路31dに開口する。第2流路31fの他方端は、フラン
ジ31gの円筒面に開口する。
【0020】
コラム35は、フランジ25aに設置され、鉛直方向に延びる。コラム35の上端部に
は、傾動軸39が配置される。
テーブル37は、傾動軸39に傾動可能に支持される。例えば、テーブル37は、鉛直
方向から水平方向まで傾動する。テーブル37は、自在に傾きを設定されても良いし、特
定の角度にのみ位置決めされても良い。例えば、テーブル37は、水平面と垂直面の2位
置に割り出される。
傾動装置43は、テーブル37を傾動させる。傾動装置43は、エアシリンダとリンク
からなる。傾動装置43は、テーブル37を2位置に位置決めできる。
コラム35、テーブル37、傾動装置43は、テーブル回転シャフト25と一体として
回転する。
【0021】
クランプ装置41は、流体シリンダ41aと、クランパ41bとを有する。クランプ装
置41は、テーブル37に配置される。流体シリンダ41aは、例えば、複動型のエアシ
リンダである。クランパ41bは、流体シリンダ41aの伸縮に伴って、洗浄対象物42
をクランプ又はアンクランプする。テーブル37は、テーブル回転シャフト25と一体と
なって第1軸3を中心に回転する。
【0022】
作動流体源45は、圧縮空気供給口である。作動流体5は、圧縮空気である。バルブ4
7は、方向切替弁であり、例えば、2位置ソレノイド弁である。バルブ47は、作動流体
源45と接続する。
バルブ47と第1流路31eは、流路46で接続される。第2流路31fと流体シリン
ダ41aは、流路40で接続される。流路40、46は、例えば、エアチューブである。
作動流体5は、バルブ47、第1スイベル接手31、流路40及び流路46を通って、
流体シリンダ41aや傾動装置43へ供給される。
【0023】
スライドガイド51は、中空柱状(例えば中空円筒)であり、洗浄室11の底面を貫通
して設置される。
スライドシャフト59は、スライドガイド51の内部に、第2軸7に沿って進退可能に
配置される。スライドシャフト59の外面は、スライドガイド51の内面に摺動してよい

プロペラシャフト63は、スライドシャフト59の内部に、ベアリング61を介して支
持される。プロペラシャフト63は、第2軸7を中心に回転する。
【0024】
モータハウジング53は、スライドシャフト59の下端に設置される。
第2モータ55は、モータハウジング53に設置される。第2モータ55は、サーボモ
ータである。
直動機構57は、洗浄室11の下面に設置され、モータハウジング53を進退させる。
直動機構57は、サーボモータ・ボールねじ機構である。モータハウジング53は、第2
軸7に平行に設置された直線ガイド(不図示)上に配置される。
【0025】
第2スイベル接手65は、第2スイベルハウジング65aと、第2スイベルシャフト6
5bと、第2環状流路65eと、第3流路65fと、第4流路65gとを有する。
第2スイベルハウジング65aは、中空円筒状であり、スライドシャフト59の上端面
に設置される。
第2スイベルシャフト65bは、円筒状であり、第2スイベルハウジング65aの内部
にベアリング65dを介して回転可能に支持される。第2スイベルシャフト65bは、プ
ロペラシャフト63と一体となって回転する。第2スイベルシャフト65bの上端には、
フランジ65cが配置されてよい。第2スイベルシャフト65bは、プロペラシャフト6
3と固定されて良く、一体として構成されても良い。
【0026】
第2環状流路65eは、第2スイベルハウジング65aに配置される。
第3流路65fは、第2スイベルハウジング65aに配置される。第3流路65fの一
方端は、第2環状流路65eに開口する。第3流路65fの他方端は、第2スイベルハウ
ジング65aの外筒面に開口する。
第4流路65gは、L字状であり、第2スイベルシャフト65bに配置される。第4流
路65gの一方端は、第2環状流路65eに面して開口する。第4流路65gの他方端は
、フランジ65cの中心に開口する。
【0027】
ポンプ(第1洗浄流体源)71は、液体用ポンプである。液体用ポンプは、例えば、遠
心ポンプ、定量ポンプである。遠心ポンプは、例えば、タービンポンプである。定量ポン
プは、例えば、ピストンポンプである。ポンプ71の吐出圧は、例えば、1MPa~50
MPaである。洗浄流体(第1洗浄流体)9は、例えば、純水や水溶性洗浄液である。
【0028】
ノズルホルダ67は、第2スイベルシャフト65bと一体となって、第2軸7を中心と
して回転する。ノズルホルダ67は、フランジ67aと、主管67bと、流路67cと、
枝管67dと、を有する。フランジ67aは、フランジ65cと接合される。主管67b
は、第2軸7に沿って延びる。枝管67dは、主管67bの中間及び先端部から、主管6
7bと垂直に伸びる。枝管67dは、洗浄対象物42の上下を囲むように配置される。ノ
ズルホルダ67は、全体としてC字状であり、洗浄対象物42の片側の半分を取り囲む。
主管67b、枝管67dは、丸管である。流路67cは、主管67b、枝管67dの内部
の空間である。流路67cは、第4流路65gと接続する。好ましくは、流路67cは、
第4流路65gと同じ断面積を有する。
【0029】
ノズル69は、洗浄対象物42を向くようにノズルホルダ67に設置され、流路67c
と接続する。例えば、複数のノズル69は、第2軸7を通る単一の噴射平面上に、ノズル
ホルダ67に沿って配置される。このとき、ノズル69は、噴射平面に沿って洗浄流体9
を噴射する。いくつかのノズル69は、第2軸に垂直に洗浄流体9を噴射してよい。
【0030】
制御装置73は、第1モータ15と、第2モータ55と、バルブ47と、ポンプ71と
、傾動装置43と、直動機構57とを制御する。制御装置73は、例えば、マイクロコン
ピュータ、シーケンサ、数値制御装置である。
【0031】
洗浄機10によれば、洗浄対象物42を第1軸3に沿って自在に回転または揺動できる
。また、ノズル69を第2軸7に沿って自在に回転または揺動できる。例えば、洗浄機1
0は、洗浄対象物42を回転させ、洗浄対象物42の回転位相に同期させてノズル69を
揺動できる。洗浄対象物42の回転位相を変化させながら、ノズル69を自在に第2軸に
沿って揺動させることにより、様々な角度で洗浄流体9を洗浄対象物42に衝突させるこ
とができる。
ノズルホルダ67は、洗浄対象物42を囲むように枝管67dを有するため、洗浄対象
物42の上下面をも洗浄できる。
【0032】
洗浄対象物42の姿勢は、傾動装置43によって変更できる。傾動装置43は、洗浄中
に洗浄対象物42の姿勢を変えて、洗浄対象物42への洗浄流体9の衝突位置や衝突角度
を変更できる。また、傾動装置43は、テーブル37を立てて洗浄し、洗浄終了後にテー
ブル37を水平にしても良い。テーブル37を立てて洗浄すると、洗浄対象物42とノズ
ル69との距離を近接できる場合がある。また、テーブル37が水平であれば、洗浄対象
物42が安定してテーブル37に載置できる。そのため、洗浄対象物42の設置、搬出の
際に便利である。
【0033】
なお、テーブル回転シャフト25やプロペラシャフト63は、洗浄室11の上面から下
方に延びて設置しても良い。
【0034】
(実施形態2)
図2は、本実施形態の洗浄機100を、第1軸3及び第2軸7を通る平面で切断した断
面図である。洗浄機100は、第1ノズルブロック101と、第2ノズルブロック103
と、第2ノズル105と、第3スイベル接手107と、第2流体源109と、を有する。
第2ノズル105は、第2流体8を噴出する。本実施形態の洗浄機100のその他の構成
は、第1実施形態の洗浄機10と実質的に同一である。
【0035】
第1ノズルブロック101は、メインブロック101aと、下方ブロック101bと、
上方ブロック101cと、フランジ101dと、流路101eと、を有する。メインブロ
ック101aは、直方体状であり、上下に延びる。下方ブロック101bは、メインブロ
ック101aの下部から第1軸3に向かって、斜め下方に延びる。上方ブロック101c
は、メインブロック101aの上方から、第1軸3に向かって水平方向に延びる。フラン
ジ101dは、メインブロック101aの下方端に配置され、フランジ65cに締結され
る。ノズル69は、第2軸7を通る噴射平面上であって、メインブロック101aと、下
方ブロック101bと、上方ブロック101cに配置される。ノズル69は、洗浄対象物
42に向かって設置される。流路101eは、メインブロック101aと、下方ブロック
101bと、上方ブロック101cの内部に配置され、第4流路65gとノズル69とを
接続する。
【0036】
第2ノズルブロック103は、第1ノズルブロック101と実質的に同一の構造を有す
る。第2ノズルブロック103は、第1ノズルブロック101と第2軸7に対して回転対
称に配置される。例えば、第2ノズルブロック103は、第1ノズルブロック101の背
面に、180度回転した位置に配置される。第2ノズルブロック103は、上方ブロック
103cと、フランジ103dと、流路103eを持つ。フランジ103dは、第2ノズ
ルブロック103の上方端に、第2軸7を中心に配置される。流路103eは、フランジ
103dと第2ノズル105とを接続する。
【0037】
第2ノズル105は、第2軸7を通る第2噴射平面上であって、第2ノズルブロック1
03に配置される。第2ノズル105は、上方ブロック103cの先端部に配置され、鉛
直下方に向けて第2流体8を噴出するノズル105aを有しても良い。
【0038】
第3スイベル接手107は、第2軸7を中心に、第2ノズルブロック103の上方に配
置される。第3スイベル接手107は、第3スイベルハウジング107aと、第3スイベ
ルシャフト107cと、軸受107bと、第5流路107dと、を有する。第3スイベル
ハウジング107aは、洗浄室11に固定されて良い。第3スイベルシャフト107cは
、第2軸7を中心として回転可能に、軸受107bを介して第3スイベルハウジング10
7aに支持される。第5流路107dは、第2軸7を中心に、第3スイベルハウジング1
07aと、第3スイベルシャフト107cと、を貫通する。第5流路107dは、流路1
03eと接続する。
【0039】
第2流体源109は、例えば、空気圧縮機、ブロアー、空気流入口である。第2流体源
109は、第5流路107dと接続する。第2流体源109は、第5流路107d、流路
103eを介して、第2流体8を第2ノズル105へ送る。第2流体8は、例えば、空気
、加熱空気、圧縮空気、乾燥空気、水蒸気である。
【0040】
本実施形態の洗浄機100によれば、第1ノズルブロック101を洗浄対象物42に向
けたときに、ノズル69が噴射平面上に洗浄流体9を噴射して、洗浄対象物42を洗浄で
きる。また、第2軸7の回りにノズルブロック101、103を回転させて、第2ノズル
ブロック103を洗浄対象物42に向けられる。第2ノズルブロック103を洗浄対象物
42に向けたときに、第2ノズル105が第2流体8を第2噴射平面上に噴射できる。例
えば、洗浄液である洗浄流体9によって洗浄対象物42を洗浄し、その後に乾燥空気であ
る第2流体8によって洗浄対象物42を乾燥できる。
【0041】
第1ノズル69は、第1ノズルブロック101に配置される。第2ノズル105は、第
2ノズルブロック103に配置される。そのため、第1ノズル69及び第2ノズル105
は、第2軸7を通過する噴射平面上に配置され、噴射平面上に流体を噴射する。洗浄機1
00の運転にあたっては、第1ノズル69、第2ノズル105、テーブル37の回転位相
を同期させる必要がある。ここで、第1ノズル69及び第2ノズル105が第2軸7を通
過する噴射平面上に配置されているため、第1ノズル69、第2ノズル105、テーブル
37の位相を制御しやすい。
【0042】
本実施形態では、洗浄流体9は、第2スイベル接手65を通過する。また、第2流体8
は、第3スイベル接手107を通過する。流体毎にスイベル接手65、107を使い分け
ることで、流路の有効断面積を大きく取りやすい。そのため、洗浄室11の容積が比較的
小さい場合にも、洗浄流体9と、第2流体8の流量を大きくしやすい。
【0043】
なお、本実施形態の洗浄機100は、2つのノズルブロックを有するが、3つ以上のノ
ズルブロックを有しても良い。例えば、3つのノズルブロックを有するときは、第2軸7
に沿ってみたときに、各ノズルブロックを120度ずつずらして配置して良い。ノズルブ
ロックの数や形状は、流体の種類や流体の流量に応じて適宜変形できる。
【0044】
本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形
が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発
明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明
細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することが
でき、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
3 第1軸
5 作動流体
7 第2軸
9 洗浄流体
10 洗浄機
11 洗浄室
15 第1モータ
25 テーブル回転シャフト
31 第1スイベル接手
31a 第1スイベルハウジング
31b 第1スイベルシャフト
37 テーブル
42 洗浄対象物
45 作動流体源
55 第2モータ
63 プロペラシャフト
65 第2スイベル接手
65a 第2スイベルハウジング
65b 第2スイベルシャフト
67 ノズルホルダ
69 ノズル
71 ポンプ(洗浄流体源)
図1
図2