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特許7348401通信システムに適用される閾値最適化方法、装置およびコンピュータ可読媒体
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  • 特許-通信システムに適用される閾値最適化方法、装置およびコンピュータ可読媒体 図1
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  • 特許-通信システムに適用される閾値最適化方法、装置およびコンピュータ可読媒体 図3a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-11
(45)【発行日】2023-09-20
(54)【発明の名称】通信システムに適用される閾値最適化方法、装置およびコンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/02 20090101AFI20230912BHJP
   H04W 24/08 20090101ALI20230912BHJP
   H04W 16/18 20090101ALI20230912BHJP
【FI】
H04W24/02
H04W24/08
H04W16/18
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022534783
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-09
(86)【国際出願番号】 CN2020137301
(87)【国際公開番号】W WO2021121336
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-06-13
(31)【優先権主張番号】201911330491.5
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】王永成
(72)【発明者】
【氏名】栗偉清
(72)【発明者】
【氏名】韓炳濤
【審査官】新井 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-287601(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0165469(US,A1)
【文献】NSN, Nokia Corporation,Configuration of WLAN IDs and RSRP/RSRQ Thresholds in WLAN/3GPP Radio Interworking,3GPP TSG-RAN WG2♯85bis R2-141582,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_85bis/Docs/R2-141582.zip>,2014年03月21日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムに適用される閾値最適化方法において、
収集フェーズの開始に応答して、予め設定された時間毎に以下のステップが実行されることを含み、すなわち、
前記通信システムのいくつかの観測変数のリアルタイム値を収集して収集データを得ることと、
各々の前記観測変数のリアルタイム値がいずれも対応する実効値の値域内にある場合、前記通信システムを制御してプリセット動作を実行し、前記通信システムが前記プリセット動作を実行した後の重要業績評価指標を取得することであり、各々の前記観測変数に判定閾値がセットされ、前記判定閾値毎にそれぞれ対応する前記観測変数の取り得る値域が前記実効値の値域と非実効値の値域とに区分されることと、
前記重要業績評価指標に基づいて、前記収集データに対してラベリングを行うことと、
収集フェーズの終了に応答して、少なくとも1つの前記観測変数にセットされた判定閾値を前記収集フェーズでのラベリング結果に応じて最適化調整することを備え、
前記重要業績評価指標に基づいて前記収集データに対してラベリングを行う場合、前記重要業績評価指標が予め設定された指標値より小さいと、前記収集データを負のサンプルとラベリングし、前記重要業績評価指標が予め設定された指標値以上であると、前記収集データを正のサンプルとラベリングする
ことを特徴とする通信システムに適用される閾値最適化方法。
【請求項2】
記の少なくとも1つの前記観測変数にセットされた判定閾値を前記収集フェーズでのラベリング結果に応じて最適化調整するステップは、
前記ラベリング結果が全て正のサンプルである場合、各々の前記観測変数にセットされた判定閾値を前記非実効値の値域の方向へ調整することと、
前記ラベリング結果の一部が正のサンプルで一部が負のサンプルである場合、調整待ち変数として1つの前記観測変数を選択し、前記調整待ち変数にセットされた判定閾値を前記実効値の値域の方向へ調整することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の各々の前記観測変数にセットされた判定閾値を非実効値の値域の方向へ調整するステップは、
各々の前記観測変数に対応する探索ステップサイズを決定することと、
前記観測変数毎に、その観測変数にセットされた判定閾値を対応する前記探索ステップサイズで前記非実効値の値域の方向へ調整することと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記通信システムは、省エネセルと、ベースレイヤカバレッジセルとを含み、
前記プリセット動作には、前記省エネセルをオフにすることが含まれる、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
各々の前記観測変数に対応する探索ステップサイズを決定するステップは、
各々の前記観測変数の1つ前の収集フェーズでの対応する探索ステップサイズと、現在の収集フェーズでの対応するステップサイズ係数とによって、各々の前記観測変数の現在の収集フェーズでの対応する探索ステップサイズを算出することを含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ベースレイヤカバレッジセルのアップリンク帯域幅と、一つ前の収集フェーズにおいて前記省エネセルがオフされたときの前記ベースレイヤカバレッジセルの最大アップリンク負荷と、直前の2つの収集フェーズにおいて前記省エネセルがオフされたときの前記ベースレイヤカバレッジセルの最大アップリンク負荷とによって、各々の前記観測変数の現在の収集フェーズでの対応する前記ステップサイズ係数を算出して得る、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記の調整待ち変数として1つの前記観測変数を選択し、前記調整待ち変数にセットされた判定閾値に対して最適化調整を行うステップは、
前記観測変数毎に、全ての前記正のサンプルと全ての前記負のサンプルのうち当該観測変数に対応する数値から、CARTアルゴリズムを参照して、当該観測変数に対応する分割値とジニ係数を算出することと、
ジニ係数が最小となる前記観測変数を1つ決定し、前記調整待ち変数とすることと、
前記調整待ち変数にセットされた前記判定閾値を対応する前記分割値に調整することと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項8】
収集フェーズを開始する前に、さらに、
各々の前記観測変数にセットされた判定閾値によって決定木モデルを生成することを含み、
ここで、前記決定木モデルにおける決定木は、前記観測変数に1対1に対応する複数の階層の非リーフノードと、最下位に位置するリーフノードとを含み、各階層の全ての非リーフノードは、1つの観測変数に対応し、各非リーフノードは、対応する前記観測変数の判定閾値に応じて2つのブランチが配置され、当該2つのブランチの一方は、当該観測変数の実効値の値域に対応し、他方は、当該観測変数の非実効値の値域に対応しており、
前記の前記通信システムを制御してプリセット動作を実行するステップの前に、さらに、
前記収集データを前記決定木モデルに入力して処理を行い、処理結果を得て、処理結果中のリーフノードが特定のリーフノードである場合、各々の前記観測変数のリアルタイム値がいずれも対応する前記実効値の値域内にあるという条件を満たすことを含み、ここで、前記特定のリーフノードは、各々の前記観測変数の実効値の値域に対応するブランチをカバーする1つの経路上のリーフノードである、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記の少なくとも1つの前記観測変数にセットされた判定閾値を前記収集フェーズでのラベリング結果に応じて最適化調整するステップの前に、さらに、
前記決定木モデルから出力した処理結果が特定のリーフノードである累積数を集計することと、
前記累積数が累積閾値に達した場合、収集フェーズが終了したと判定することと、を含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記の少なくとも1つの前記観測変数にセットされた判定閾値を前記収集フェーズでのラベリング結果に応じて最適化調整するステップの後に、さらに、
最適化調整した判定閾値に基づいて前記決定木モデルを更新することを含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
通信システムに適用される閾値最適化装置であって、
1つまたは複数のプロセッサと、
1つまたは複数のプログラムを記憶するための記憶装置と、を備え、
前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサにより実行されることにより、前記1つまたは複数のプロセッサが請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実現する、
ことを特徴とする通信システムに適用される閾値最適化装置。
【請求項12】
プロセッサにより実行される際に、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法におけるステップを実現するコンピュータプログラムを格納した、
ことを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、出願番号が201911330491.5、出願日が2019年12月20日である中国特許出願に基づいて提出され、この中国特許出願の優先権を主張するものであり、この中国特許出願の開示全体は、援用により本願に組み込まれるものとする。
【技術分野】
【0002】
本願は、通信技術分野に関し、特に、通信システムに適用される閾値最適化方法、装置およびコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
通信システムでは、システムの複雑性が高いため、多くのコンフィギュレーションパラメータの閾値は、理論導出及びシミュレーションによって大域的最適解、ひいては局所的最適解を与えることができず、人為的経験で部分的な一般解しか与えられない。しかしながら、実状に合わせて異なる環境で閾値をとるには値が異なるはずなので、各閾値を人為的経験で一つの固定値にすることは無理であり、人手によって実際の状況に応じてシステム稼働中に各閾値をキャリブレーションすることも困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、従来技術に存在する課題の少なくとも1つを解決することを目的とし、通信システムに適用される閾値最適化方法、装置およびコンピュータ可読媒体を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、第1態様として、本願の実施形態は、通信システムに適用される閾値最適化方法を提供し、収集フェーズの開始に応答して、予め設定された時間毎に以下のステップが実行されることを含み、すなわち、前記通信システムのいくつかの観測変数のリアルタイム値を収集して収集データを得ることと、各々の前記観測変数のリアルタイム値がいずれも対応する実効値の値域内にある場合、前記通信システムを制御してプリセット動作を実行し、前記通信システムが前記プリセット動作を実行した後の重要業績評価指標を取得することであり、各々の前記観測変数に判定閾値がセットされ、前記判定閾値毎にそれぞれ対応する前記観測変数の取り得る値域が前記実効値の値域と非実効値の値域とに区分されることと、前記重要業績評価指標に基づいて、前記収集データに対してラベリングを行うことと、収集フェーズの終了に応答して、少なくとも1つの前記観測変数にセットされた判定閾値を前記収集フェーズでのラベリング結果に応じて最適化調整することである。
【0006】
第2態様として、本願の実施形態は、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムを記憶するための記憶装置と、を備え、前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサにより実行されることにより、前記1つまたは複数のプロセッサが上述の実施形態に記載の方法を実現する、通信システムの閾値最適化装置を提供する。
【0007】
第3態様として、本願の実施形態は、プロセッサにより実行される際に上述の実施形態に記載の方法におけるステップが実現されるコンピュータプログラムを格納した、コンピュータ可読媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本願の実施形態に係る通信システムに適用される一種の閾値最適化方法のフローチャートである。
図2図2は、本願の実施形態に係る通信システムに適用されるもう一種の閾値最適化方法のフローチャートである。
図3a図3aは、本願の実施形態に係る通信システムに適用される別の一種の閾値最適化方法のフローチャートである。
図3b図3bは、ステップS00における決定木の一例を示す図である。
図4図4は、本願の実施形態に係る通信システムに適用されるさらに別の一種の閾値最適化方法ののフローチャートである。
図5図5は、本願の実施形態に係るステップS401bの実施方法の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、本願の実施形態に係るステップS402bの実施方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願の考案を当業者により良く理解させるために、以下、本願が提供する通信システムに適用される閾値最適化方法、装置及びコンピュータ可読媒体について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
以下、図面を参照して例示的な実施形態をより十分に説明するが、記載される例示的な実施形態は、異なる態様で具体化され得るものであり、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。逆に、これらの実施形態は、本願を徹底および完全なものとし、かつ本願の範囲を当業者に十分に理解させることを目的とする。
【0011】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためにのみ使用され、本開示を限定することを意図するものではない。例えば、本明細書において用いられる単数の「1つ」および「当該」は、文脈で明確に指示されていない限り、複数の形態も含むことを意図する。また、本明細書において、「含む」および/または「からなる」との用語を用いる場合には、その特徴、全般、ステップ、動作、要素および/またはコンポーネントの存在が特定されるが、1つまたは複数の他の特徴、全般、ステップ、動作、要素、コンポーネントおよび/またはその群の存在または追加は除外されないと理解される。
【0012】
本明細書において第1、第2などの用語を用いて種々の要素を記述することができるが、これらの要素はこれらの用語に限定されるべきではないと理解される。これらの用語は、一つの要素と他の要素とを区別するためにのみ用いられるものである。よって、本願から教示を逸脱しない範囲で、後述する第1要素、第1コンポーネント、または第1モジュールを、第2要素、第2コンポーネント、または第2モジュールと呼ぶことができる。
【0013】
本明細書におけるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)の意味は、特に断らない限り、当業者が通常理解する意味合いと同義である。また、常用辞書に定義されている用語は、関連技術及び本願の背景における意味と一致していると解釈されるべきであり、特に明示的ではない限り、理想化されたまたは過度に形式的な意味を有すると解釈されるべきではないと理解される。
【0014】
本願によって提供される通信システムに適用される閾値最適化方法および装置は、観測変数のリアルタイム値に応じて、セットされる判定閾値をオンライン最適化および調整することに用いることができる。
【0015】
図1は、本願の実施形態に係る通信システムに適用される閾値最適化方法のフローチャートである。図1に示すように、この方法は、収集(採取)フェーズの開始に応答して、予め設定された時間毎に、後述するステップS1~ステップS3を実行することを含む。
【0016】
ステップS1:通信システムのいくつかの観測変数のリアルタイム値を収集して収集データを得る。
【0017】
いくつかの実施形態において、各観測変数のリアルタイム値は、そのまま収集データとすることができ、例えば、ユーザ数、信号強度、時間遅延などである。同時に、リアルタイム値を相応に計算した計算結果を収集データとする必要がある場合もあり、例えば、使用率、負荷率、ヒステリシス率などである。
【0018】
ステップS2:各観測変数のリアルタイム値がいずれも対応する実効値の値域内にある場合、通信システムを制御してプリセット動作を実行し、通信システムがプリセット動作を実行した後の重要業績評価指標(Key Performance Indicators、略称「KPI」)を取得する。
【0019】
ステップS2では、各観測変数に判定閾値がセットされ、判定閾値毎にそれぞれ対応する観測変数の取り得る値域が実効値の値域と非実効値の値域とに区分される。
【0020】
そのうち、重要業績評価指標は、現在の通信ネットワークの状態及び通信システムの稼働状態を測定するのに適しており、無線リソース特性、システムリソース特性、伝送特性などを含み得る。
【0021】
いくつかの実施形態において、各観測変数にセットされる判定閾値は、レベル、スレッショルド、およびしきい値などの形で表すことができ、シーンの変化に応じて判定閾値を調整することができる。
【0022】
ステップS3:重要業績評価指標に基づいて、収集データに対してラベリングを行う。
【0023】
ステップS4:収集フェーズの終了に応答して、少なくとも1つの観測変数にセットされた判定閾値を収集フェーズでのラベリング結果に応じて最適化調整する。
【0024】
いくつかの実施形態において、全てのラベリング結果における総サンプルの数、総サンプルに対する正サンプル及び負サンプルの割合、時間領域における正サンプル及び負サンプルの密集度などに応じて、最適化調整を行うことができる。
【0025】
図2は、本願の実施形態に係る通信システムに適用される閾値最適化方法のフローチャートである。図2に示すように、この方法は、図1に示す方法に基づいた実施形態の一例であり、収集(採取)フェーズの開始に応答して、予め設定された時間毎に以下のステップを実行することを含む。
【0026】
ステップS1:通信システムのいくつかの観測変数のリアルタイム値を収集して収集データを得る。
【0027】
ステップS201a:各観測変数のリアルタイム値がいずれも対応する実効値の値域内にあるか否かを判定する。
【0028】
ステップS201aにおいて、各観測変数のリアルタイム値がいずれも対応する実効値の値域内にあると判定された場合、ステップS2を実行し、各観測変数のリアルタイム値が対応する実効値の値域内にないと判定された場合、次の予め設定された時間を待って、通信システムのいくつかの観測変数のリアルタイム値を取得するステップであるステップS1を実行し続ける。
【0029】
ステップS2:通信システムを制御してプリセット動作を実行し、通信システムがプリセット動作を実行した後の重要業績評価指標を取得する。
【0030】
ステップS3:重要業績評価指標に基づいて、収集データに対してラベリングを行う。
【0031】
ステップS3の後には、収集フェーズが終了したか否かを判定するために、デフォルトで収集フェーズの現在の状態の判定を一回行い、収集フェーズが終了したと判定された場合にはステップS4を実行し、収集フェーズが終了していないと判定された場合には、次の予め設定された時間を待って、通信システムのいくつかの観測変数のリアルタイム値を取得するステップであるステップS1を実行し続ける。
【0032】
いくつかの実施形態において、収集フェーズが終了したか否かを判定する判定要素として、収集データの数、ある種類のサンプルの数、および収集フェーズの予め設定された時限などを採用することができる。
【0033】
ステップS4:少なくとも1つの観測変数にセットされた判定閾値を収集フェーズでのラベリング結果に応じて最適化調整する。
【0034】
本願の実施形態は、通信システムに適用される閾値最適化方法を提供し、この方法は、システムがプリセット動作を実行した後の重要業績評価指標に基づいて各観測変数のリアルタイム値を評価的にラベリングし、ラベリング結果に応じて、各観測変数にセットされた判定閾値をインテリジェントに最適化調整することに用いることができる。
【0035】
図3aは、本願の実施形態に係る通信システムに適用されるもう一種の閾値最適化方法のフローチャートである。図3aに示すように、この方法は、図2に示す方法に基づいた実施形態の一例である。その実施方案は、以下の通りである。
【0036】
ステップS00:各観測変数にセットされた判定閾値によって決定木モデルを生成する。
【0037】
ここで、この決定木モデルにおける決定木は、観測変数に1対1に対応する複数の階層の非リーフノードと、最下位に位置するリーフノードとを含み、各階層の全ての非リーフノードは、1つの観測変数に対応し、各非リーフノードは、対応する観測変数の判定閾値に応じて2つのブランチが配置され、当該2つのブランチの一方は、当該観測変数の実効値の値域に対応し、他方は、当該観測変数の非実効値の値域に対応する。
【0038】
図3bは、ステップS00における決定木の一例を示す図である。図3bに示すように、この決定木は合計5階層を有し、上位4階層の各階層の全ての非リーフノードは、第1変数、第2変数、第3変数及び第4変数にそれぞれ対応し、各非リーフノードの左ブランチは、それぞれ対応する観測変数の実効値の値域に対応し、各非リーフノードの右ブランチは、それぞれ対応する観測変数の非実効値の値域に対応すると、最後の階層において最も左側の非リーフノードは、後続のステップにおける特定のリーフノードとなる。
【0039】
収集フェーズの開始に応答して、予め設定された時間毎に以下のステップが実行される。
【0040】
ステップS1:通信システムのいくつかの観測変数のリアルタイム値を収集して収集データを得る。
【0041】
ステップS201b:収集データを決定木モデルに入力して処理を行い、処理結果を得て、処理結果中のリーフノードが特定のリーフノードであるか否かを検出する。
【0042】
ここで、特定のリーフノードは、各観測変数の実効値の値域に対応するブランチをカバーする1つの経路上のリーフノードである。
【0043】
いくつかの実施形態において、区別するように、この特定のリーフノードに対して、他のリーフノードとは異なるノード識別子を設定してもよい。
【0044】
ステップS201bにおいて、処理結果中のリーフノードが特定のリーフノードである場合、各観測変数のリアルタイム値がいずれも対応する実効値の値域内にあると判定し、その判定結果に応じてステップS2を続行し、処理結果中のリーフノードが特定のリーフノードではない場合、各観測変数のリアルタイム値が対応する実効値の値域内にないと判定し、その判定結果に応じて、次の予め設定された時間を待って、通信システムのいくつかの観測変数のリアルタイム値を収集するステップであるステップS1を実行し続ける。
【0045】
ステップS2:通信システムを制御してプリセット動作を実行し、通信システムがプリセット動作を実行した後の重要業績評価指標を取得する。
【0046】
ステップS3:重要業績評価指標に基づいて、収集データに対してラベリングを行う。
【0047】
ステップS401a:決定木モデルから出力した処理結果が特定のリーフノードである累積数を集計する。
【0048】
ステップS401aにおいて、決定木モデルから出力した処理結果が特定のリーフノードである累積数を集計し、すなわち特定のリーフノードに入っているサンプル数を集計する。
【0049】
ステップS402a:累積数が累積閾値に達したか否かを検出する。
【0050】
ここで、この累積閾値は、リーフノードの安定スレッショルド(Stability threshold)である。
【0051】
ステップS402aにおいて、累積数が累積閾値に達したことが検出されると、収集フェーズが終了したと判定し、引き続きステップS4を実行し、累積数が累積閾値に達していないことが検出されると、収集フェーズが終了せず、次の予め設定された時間を待って、信システムのいくつかの観測変数のリアルタイム値を収集するステップであるステップS1を実行し続ける。
【0052】
ステップS4:少なくとも1つの観測変数にセットされた判定閾値を収集フェーズでのラベリング結果に応じて最適化調整する。
【0053】
いくつかの実施形態において、判定閾値を最適化調整する過程は、決定木モデルにおいて対応して行われてもよく、この最適化調整の過程は、例えば、非リーフノード分割の形で行われてもよい。
【0054】
ステップS5:最適化調整した判定閾値に基づいて決定木モデルを更新する。
【0055】
ステップS5では、最適化調整した判定閾値に基づいて決定木モデルを更新し、すなわち、特定のリーフノード及び所在する経路が変わらない前提で、非リーフノードごとに対応する判定閾値を更新する。
【0056】
本願の実施形態は、通信システムに適用される閾値最適化方法を提供し、この方法は、決定木モデルを確立することにより、収集データのラベリング流れと収集フェーズの状態判定流れを細分化し、収集データの判定流れの論理と内的連係とを強化することに使用できる。
【0057】
図4は、本願の実施形態に係る通信システムに適用されるさらに別の一種の閾値最適化方法ののフローチャートである。図4に示すように、この方法は、図2に示す方法に基づいた実施形態の一例である。一つの例では、ステップS3において、重要業績評価指標が予め設定された指標値より小さい場合、収集データを負のサンプルとラベリングし、逆に、収集データを正のサンプルとラベリングする。この方法は、ステップS1~ステップS3のみならず、ステップS401bおよびステップS402bも含んでおり、ステップS401bおよびステップS402bは、前述したステップS4を実現するための実施手段の一例である。以下では、ステップS401bおよびステップS402bについてのみ詳細に説明する。
【0058】
ステップS401b:ラベリング結果が全て正のサンプルである場合、各観測変数にセットされた判定閾値を非実効値の値域の方向へ調整する。
【0059】
ここで、ラベリング結果が全て正のサンプルである場合、現在の判定閾値が理想値としてセットされていることや、セットが相対的合理的であり、セットが比較的厳しいことの多くの状況がある。各観測変数にセットされた判定閾値を非実効値の値域の方向へ調整することは、すなわち各観測変数の実効値の値域を拡大する過程である。
【0060】
図5は、本願の実施形態に係るステップS401bの実施方法の一例を示すフローチャートである。図5に示すように、ステップS401bにおいて各観測変数にセットされた判定閾値を非実効値の値域の方向へ調整することは、ステップS4011及びステップS4012を含む。
【0061】
ステップS4011:各観測変数に対応する探索ステップサイズを決定する。
【0062】
いくつかの実施形態において、この探索ステップサイズは固定探索ステップサイズ又は動的探索ステップサイズとして設定され得、各観測変数について実状に応じて同一又は異なる探索ステップサイズに設定されてもよい。
【0063】
例えば、基地局の省エネシナリオに対して、固定探索ステップサイズを設定する。この場合、通信システムは、省エネセルと、ベースレイヤカバレッジセルとを含み、通信システムによって実行されるプリセット動作を制御することには、省エネセルをオフにすることが含まれる。ここで、観測変数は、省エネセルのアップリンク負荷率、省エネセルのダウンリンク負荷率、デュアルセルの合計アップリンク負荷率、およびデュアルセルの合計ダウンリンク負荷率を含む。対応する判定閾値は、省エネセルのアップリンク負荷許容スレッショルドt、省エネセルのダウンリンク負荷スレッショルドt、省エネ時ベースレイヤカバレッジセルのアップリンク負荷許容スレッショルドt、および省エネ時ベースレイヤカバレッジセルのダウンリンク負荷許容スレッショルドtを含む。t=0.2、t=0.2、t=0.65、及びt=0.7を設定し、それに応じて探索ステップサイズlen=len=len=len=0.05を設定してもよい。
【0064】
電気エネルギーの異常計測診断シナリオに対して、固定探索ステップサイズを設定する。この場合、通信システムには、電気エネルギー計測端末が含まれ、通信システムによって実行されるプリセット動作を制御することには、異常情報の報告が含まれる。そのうち、観測変数は相電圧、相電流、および継続時間を含み、対応する判定閾値は、定格電圧u、定格電流v、および時間閾値hを含む。u=0.8μ、v=0.1v、及びh=1を設定し、それに応じて探索ステップサイズlen=0.05、len=0.05、len=0.1を設定してもよい。
【0065】
ステップS4012:観測変数毎に、その観測変数にセットされた判定閾値を対応する探索ステップサイズで非実効値の値域の方向へ調整する。
【0066】
ここで、その観測変数にセットされた判定閾値を対応する探索ステップサイズで非実効値の値域の方向へ調整することは、つまり各観測変数の実効値の値域を広げるように、判定閾値を対応する探索ステップサイズに応じて増減する過程である。
【0067】
ステップS402b:ラベリング結果の一部が正のサンプルで一部が負のサンプルである場合、調整待ち変数として1つの観測変数を選択し、調整待ち変数にセットされた判定閾値を実効値の値域の方向へ調整する。
【0068】
ここで、ラベリング結果の一部が正のサンプルで一部が負のサンプルである場合、現在の判定閾値のセットが相対的に無理であり、実効値の値域の設定が比較的緩いことを示す。調整待ち変数にセットされた判定閾値を実効値の値域の方向へ調整することは、すなわち調整待ち変数の実効値の値域を縮小する過程である。
【0069】
なお、ラベリング結果が全て正のサンプルである場合とは異なり、ラベリング結果の一部が正のサンプルで一部が負のサンプルである場合、観測変数の1つにセットされた判定閾値のみに対して最適化調整を行う。
【0070】
ラベリング結果が全て正のサンプルである場合、各観測変数にセットされた判定閾値に対して最適化調整を行うのは、判定閾値のセットを理想化して、各判定閾値が合理的であるという前提でオーバーフィッティングを小さくするためである。一部が正のサンプルで一部が負のサンプルである場合、観測変数の1つにセットされた判定閾値のみに対して最適化調整を行うのは、判定閾値のセットを合理化するためであり、判定閾値毎に合理的でないことを前提に、安定度が最も悪い判定閾値を選択して個別に最適化し、全体の合理性を高める。
【0071】
また、ラベリング結果が全て負のサンプルである場合、判定閾値の初期セットとその理想値からのずれが大きいことを示しており、このとき、判定閾値のセット者に判定閾値を広範囲に調整することを促すことができる。
【0072】
図6は、本願の実施形態に係るステップS402bの実施方法の一例を示すフローチャートである。図6に示すように、ステップS402bにおいて、調整待ち変数として前記観測変数の1つを選択し、前記調整待ち変数にセットされた判定閾値に対して最適化調整を行うステップは、ステップS4021~ステップS4023を含む。
【0073】
ステップS4021:観測変数毎に、全ての正のサンプルと全ての負のサンプルのうち当該観測変数に対応する数値から、CARTアルゴリズムを参照して、当該観測変数に対応する分割値(Split value)とジニ係数を算出する。
【0074】
ここで、全ての正のサンプルと全ての負のサンプルのうち、当該観測変数に対応する数値が小さい方から大きい方に順位付けを行い、隣接する2つの数値の平均値を算出し、当該観測変数の数値と各平均値とからジニ係数を算出し、ジニ係数が最小となる平均値を分割値とし、当該分割値のジニ係数を、当該観測変数に対応するジニ係数とする。
【0075】
ステップS4022:ジニ係数が最小となる観測変数を1つ決定し、調整待ち変数とする。
【0076】
ステップS402bにおける説明を参照して、ジニ係数が最小となる観測変数を1つ決定し、調整待ち変数とすることは、すなわち安定度が最小となる判定閾値を最適化調整対象として選択する過程である。
【0077】
ステップS4023:調整待ち変数にセットされた判定閾値を対応する分割値に調整する。
【0078】
本願の実施形態は、通信システムに適用される閾値最適化方法を提供し、この方法は、評価性のラベリング結果に応じて、相対的に合理的な判定閾値に対しては該当する小刻み探索が行われ、相対的に無理的な判定閾値に対しては最大化してその合理性を向上させることに使用できる。
【0079】
本願における閾値最適化方法のステップおよび手順は、実際のアプリケーションと組み合わせて以下に詳細に説明される。一例では、基地局の省エネシナリオに対するものであり、そのうち、通信システムは、省エネセルと、ベースレイヤカバレッジセルとを含み、通信システムによって実行されるプリセット動作を制御することには、省エネセルをオフにすることが含まれる。このシナリオに閾値最適化方法を適用するステップおよび手順は、以下の通りである。
【0080】
まず、各観測変数にセットされた判定閾値によって決定木モデルを生成する。そのうち、観測変数は、省エネセルのアップリンク負荷率、省エネセルのダウンリンク負荷率、デュアルセルの合計アップリンク負荷率、およびデュアルセルの合計ダウンリンク負荷率を含み、対応する判定閾値は、省エネセルのアップリンク負荷許容スレッショルド、省エネセルのダウンリンク負荷スレッショルド、省エネ時ベースレイヤカバレッジセルのアップリンク負荷許容スレッショルド、および省エネ時ベースレイヤカバレッジセルのダウンリンク負荷許容スレッショルドを含み、判定閾値を専門家経験に基づいてセットする。実施例の生成過程については、前述の実施形態を参照するものとし、ここで再び贅言しない。
【0081】
決定木モデルを生成した後、収集フェーズの開始に応答して、予め設定された時間毎に以下のステップが実行される。すなわち、各観測変数のリアルタイム値を収集して収集データを得ることと、収集データを決定木モデルに入力して処理を行い、処理結果を得ることと、処理結果中のリーフノードが特定のリーフノードであるか否かを検出することと、処理結果中のリーフノードが特定のリーフノードである場合、省エネセルをオフにする動作の実行を制御し、当該動作が実行された後の重要業績評価指標を取得することと、重要業績評価指標に基づいて、収集データに対してラベリングを行い、重要業績評価指標が予め設定された指標値より小さいと、収集データを負のサンプルとラベリングし、逆に、収集データを正のサンプルとラベリングすることと、決定木モデルから出力した処理結果が特定のリーフノードである累積数を集計し、累積数が累積閾値に達したか否かを検出することである。
【0082】
累積数が累積閾値に達したことが検出された場合、ラベリング結果がモニタリングされる。ラベリング結果の全てが正のサンプルである場合、各観測変数の1つ前の収集フェーズでの対応する探索ステップサイズと、現在の収集フェーズでの対応するステップサイズ係数とによって、各観測変数の現在の収集フェーズでの対応する探索ステップサイズを算出して得ることができる。
【0083】
いくつかの実施形態において、各観測変数の現在の収集フェーズでの対応するステップサイズ係数は、ベースレイヤカバレッジセルのアップリンク帯域幅と、一つ前の収集フェーズにおいて省エネセルがオフされたときのベースレイヤカバレッジセルの最大アップリンク負荷と、直前の2つの収集フェーズにおいて省エネセルがオフされたときのベースレイヤカバレッジセルの最大アップリンク負荷とから算出され得る。
【0084】
一つの例示的な態様として、各観測変数の現在の収集フェーズでの対応する探索ステップサイズを、次の式に基づいてそれぞれ算出することができる。
ここで、Lは、i番目の観測変数の現在の収集フェーズでの対応する探索ステップサイズを示し、L’は、i番目の観測変数の一つ前の収集フェーズでの対応する探索ステップサイズを示し、初期探索ステップサイズが事前に設定されている。aは、i番目の観測変数の現在の収集フェーズでの対応するステップサイズ係数を示す。bは、i番目の観測変数に対して予めセットされた調整係数であり、0<b≦1であり、1に近づくほど強くなり、この調整係数が事前に設定されている。Bは、ベースレイヤカバレッジセルのアップリンク帯域幅を示し、Mは、一つ前の収集フェーズにおいて省エネセルがオフされたときのベースレイヤカバレッジセルの最大アップリンク負荷を示し、M’は、直前の2つの収集フェーズにおいて省エネセルがオフされたときのベースレイヤカバレッジセルの最大アップリンク負荷を示す。iは整数で、1≦i≦Nであり、Nは観測変数の数量である。観測変数毎に、その観測変数にセットされた判定閾値を対応する探索ステップサイズで非実効値の値域の方向へ調整する。
【0085】
ラベリング結果の一部が正のサンプルで一部が負のサンプルである場合、観測変数毎に、全ての正のサンプルと全ての負のサンプルのうち当該観測変数に対応する数値から、CARTアルゴリズムを参照して、当該観測変数に対応する分割値とジニ係数を算出し、ジニ係数が最小となる1つの観測変数を調整待ち変数とし、調整待ち変数にセットされた判定閾値を対応する分割値に調整する。
【0086】
最後に、最適化調整した判定閾値に基づいて、決定木モデルを更新する。
【0087】
以上で、基地局省エネシーンの一つの収集フェーズの閾値最適化が完了した。
【0088】
本願の実施形態は、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムを記憶するための記憶装置と、を備え、前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサにより実行されることにより、前記1つまたは複数のプロセッサが上述の実施形態におけるいずれかの方法を実現する、通信システムの閾値最適化装置を提供する。
【0089】
本願の実施形態は、プロセッサにより実行される際に上述の実施形態におけるいずれかの方法のステップが実現されるコンピュータプログラムを格納した、コンピュータ可読媒体を提供する。
【0090】
本願は、以下の有益な効果を有する。すなわち、本願の実施形態は、通信システムに適用される閾値最適化方法および装置を提供し、通信システムのリアルタイム状況に応じて、オフライントレーニングおよびグローバルサーチに依存することなく、システムにセットされた個々の閾値を理想値へとスマートにフェーズ的に近づけていき、通信システムの重要業績評価指標への影響を制御できる前提で、オンラインでの閾値動的最適化調整を行うことを可能とする。
【0091】
当業者であれば、上述した方法の全部または一部の手順、装置における機能モジュール/ユニットは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及びこれらの組み合わせとして実施され得ることを理解できる。ハードウエア実施形態では、上記の説明で言及された機能モジュール/ユニット間の区分けは、必ずしも物理コンポーネントの区分けに対応するわけではない。例えば、一つの物理コンポーネントは複数の機能を有してもよく、あるいは、一つの機能又はステップは、複数の物理コンポーネントが協働して実行されてもよい。幾つかの物理コンポーネント又は全ての物理コンポーネントは、中央処理装置、デジタルシグナルプロセッサまたはマイクロプロセッサなどのプロセッサによって実行されるソフトウェアとして、またはハードウェアとして、または特定用途向け集積回路などの集積回路として実施され得る。このようなソフトウェアは、コンピュータ読取可能な媒体に配布されてもよく、コンピュータ読取可能な媒体は、コンピュータ記憶媒体(または非一時的媒体)および通信媒体(または一時的媒体)を含むことができる。当業者にとって周知のように、コンピュータ記憶媒体という用語は、情報(コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、その他のデータなど)を記憶するための任意の方法又は技術で実施される揮発性及び不揮発性、リムーバブルメディア及び非リムーバブルメディアを含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、その他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多機能ディスク(DVD)、その他の光ディスク格納、マガジン、磁気テープ、ディスク格納、その他の磁気格納装置、または所望の情報を格納し、コンピュータにアクセス可能な任意のその他のメディアを含むが、これらに限らない。また、当業者にとって周知のように、通信媒体は通常、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、あるいはキャリアやその他の伝送メカニズムなどの変調データ信号に含まれる他のデータを含み、かつ任意の情報配信媒体を含むことができる。
【0092】
本明細書には例示的な実施形態が開示され、特定の用語が使用されているが、それは単なる一般的な説明的意味にしか解釈されておらず、制限的な目的を意図していない。いくつかの実施形態において、特に明示しない限り、特定の実施形態に関連して記載された特徴、特性、及び/又は要素を単独で使用してもよく、または、他の実施形態に関連して記載された特徴、特性、及び/又は要素を組み合わせて使用してもよいことは、当業者にとっては自明である。したがって、添付の特許請求の範囲から解明された本願の範囲を逸脱することなく、様々な形態や細部の変更を実施できることは、当業者に理解されるところである。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6