IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイキン工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-加湿装置 図1
  • 特許-加湿装置 図2
  • 特許-加湿装置 図3
  • 特許-加湿装置 図4
  • 特許-加湿装置 図5
  • 特許-加湿装置 図6
  • 特許-加湿装置 図7
  • 特許-加湿装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】加湿装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/00 20060101AFI20230913BHJP
   F24F 3/14 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
F24F6/00 A
F24F3/14
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021140912
(22)【出願日】2021-08-31
(65)【公開番号】P2023034597
(43)【公開日】2023-03-13
【審査請求日】2022-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 哲也
(72)【発明者】
【氏名】宮上 正人
(72)【発明者】
【氏名】土居 弘和
(72)【発明者】
【氏名】岡本 隆良
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0088075(US,A1)
【文献】特開2000-283510(JP,A)
【文献】実開昭57-116026(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 6/00-6/18
F24F 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング(10)と、
前記ケーシング(10)内に形成される空気通路(AP)と、
前記空気通路(AP)内を流通する空気を加湿する加湿部(U3)と、
前記加湿部(U3)に水を供給するトレイ(50)と、
前記トレイ(50)に水を供給するタンク(60)と、
前記タンク(60)に連通し、外部から前記タンク(60)内に水を供給する給水口(67)と、
前記ケーシング(10)の側面の一部を構成する開閉可能な扉部(18)と、
前記給水口(67)から溢れた水を前記トレイ(50)に案内する溢水抑制機構(K)とを備え、
前記給水口(67)は、
前記ケーシング(10)の外部に露出するように配置され、
前記扉部(18)の内側に配置され、
前記タンク(60)に設けられ、
給水するときに前記ケーシング(10)の外部に露出する第1姿勢と、
給水しないときに前記ケーシング(10)の内部に収容される第2姿勢とに変化し、
前記第1姿勢は、前記扉部(18)が開いた状態であり、前記第2姿勢は、前記扉部(18)が閉じた状態であり、
前記タンク(60)は、回動可能に前記ケーシング(10)に支持され、
前記給水口(67)は、前記タンク(60)が回動することで、前記第1姿勢と前記第2姿勢とに変化する
加湿装置。
【請求項2】
ケーシング(10)と、
前記ケーシング(10)内に形成される空気通路(AP)と、
前記空気通路(AP)内を流通する空気を加湿する加湿部(U3)と、
前記加湿部(U3)に水を供給するトレイ(50)と、
前記トレイ(50)に水を供給するタンク(60)と、
前記タンク(60)に連通し、外部から前記タンク(60)内に水を供給する給水口(67)と、
前記ケーシング(10)の側面の一部を構成する開閉可能な扉部(18)と、
前記給水口(67)に配置される開閉可能な蓋部材(68)とを備え、
前記給水口(67)は、
前記ケーシング(10)の外部に露出するように配置され、
前記扉部(18)の内側に配置され、
給水するときに前記ケーシング(10)の外部に露出する第1姿勢と、
給水しないときに前記ケーシング(10)の内部に収容される第2姿勢とに変化し、
前記第1姿勢は、前記扉部(18)が開いた状態であり、前記第2姿勢は、前記扉部(18)が閉じた状態であり、
前記蓋部材(68)は、前記第1姿勢において前記給水口(67)が開状態となり、前記第2姿勢において前記給水口(67)が閉状態となるように変化する
加湿装置。
【請求項3】
前記給水口(67)に配置される開閉可能な蓋部材(68)をさらに備える
請求項1に記載の加湿装置。
【請求項4】
前記蓋部材(68)は、前記第1姿勢において前記給水口(67)が開状態となり、前記第2姿勢において前記給水口(67)が閉状態となるように変化する
請求項に記載の加湿装置。
【請求項5】
前記蓋部材(68)は、前記第1姿勢において、前記給水口(67)の開状態を維持するように付勢されると共に、前記第1姿勢から前記第2姿勢へ変化することを規制する
請求項またはに記載の加湿装置。
【請求項6】
前記給水口(67)は、前記タンク(60)に設けられ、
前記タンク(60)は、回動可能に前記ケーシング(10)に支持され、
前記給水口(67)は、前記タンク(60)が回動することで、前記第1姿勢と前記第2姿勢とに変化する
請求項2~5のいずれか1つに記載の加湿装置。
【請求項7】
前記第2姿勢から前記第1姿勢へ前記タンク(60)が回動する方向を第1方向とし、前記第1姿勢から前記第2姿勢へ前記タンク(60)が回動する方向を第2方向としたときに、
前記タンク(60)が前記第1姿勢からさらに前記第1方向側へ傾斜することを規制する規制部材(70)をさらに備える
請求項またはに記載の加湿装置。
【請求項8】
前記給水口(67)から溢れた水を前記トレイ(50)に案内する溢水抑制機構(K)をさらに備える
請求項またはに記載の加湿装置。
【請求項9】
前記タンク(60)は、該タンク(60)の第1側面(61a)が前記扉部(18)の内面に沿うように配置され、
前記溢水抑制機構(K)は、
前記扉部(18)の内面と前記第1側面(61a)との間に形成される通路部(P)と、
前記第1側面(61a)の両端を覆うように前記通路部(P)に沿って前記扉部(18)に設けられる一対の壁部(19)とを備える
請求項に記載の加湿装置。
【請求項10】
前記タンク(60)は、前記ケーシング(10)から着脱可能に構成される
請求項1~のいずか1つに記載の加湿装置。
【請求項11】
前記タンク(60)は、前記トレイ(50)に連通する開閉機構(66)を備え、
前記トレイ(50)には、
前記開閉機構(66)が開状態のとき給水され、前記開閉機構(66)が閉状態のとき給水されない
請求項1~10のいずれか1つに記載の加湿装置。
【請求項12】
前記給水口(67)は、
水が流入する流入口(67a)と、
前記流入口(67a)から流入した水が前記タンク(60)内へ流出する流出口(67b)とを備え、
前記流出口(67b)の開口面積は、前記流入口(67a)の開口面積よりも小さい
請求項1~11のいずれか1つに記載の加湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、加湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、加湿エレメントと、加湿エレメントに水を供給する貯留部と、水が貯められるタンクとを備える加湿器が開示されている。タンクには、内部に貯留された水を貯水部に供給する給水口が形成されている。この給水口には、キャップを兼ねた給水弁が設けられており、給水口が下方になるようにタンクを加湿器本体に装着することで給水弁が開く。給水弁が開くことで、給水口を介してタンクから貯留部へ水が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-3842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の加湿器では、ユーザは、加湿器本体からタンクを取り外して、蛇口のある台所や洗面所で該タンクに給水する。このようにタンクには直接蛇口から給水できるが、タンクを加湿器本体から取り外して、再び給水されたタンクを加湿器本体に装着する必要があるため、従来の方法では、ユーザのタンクへの給水作業に手間が掛かるという課題があった。
【0005】
本開示の目的は、タンクへの給水を簡便に行うことができる加湿装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、ケーシング(10)と、前記ケーシング(10)内に形成される空気通路(AP)と、前記空気通路(AP)内を流通する空気を加湿する加湿部(U3)と、前記加湿部(U3)に水を供給するトレイ(50)と、前記トレイ(50)に水を供給するタンク(60)と、前記タンク(60)に連通し、外部から前記タンク(60)内に水を供給する給水口(67)とを備え、前記給水口(67)は、前記ケーシング(10)の外部に露出するように配置される加湿装置である。
【0007】
第1の態様では、給水口(67)がケーシング(10)の外部に露出することで、タンク(60)を加湿装置本体から取り外すことなく、給水口(67)から直接的にタンク(60)に水を供給できる。
【0008】
本開示の第2の態様は、第1の態様において、
前記給水口(67)は、給水するときに前記ケーシング(10)の外部に露出する第1姿勢と、給水しないときに前記ケーシング(10)の内部に収容される第2姿勢とに変化する。
【0009】
第2の態様では、給水するタイミングに応じて、給水口(67)を第1姿勢にすることでタンク(60)内に給水できる。第2姿勢では給水口(67)はケーシング(10)外部に露出しないため、給水口(67)を介してタンク(60)内に埃などが侵入することを抑制できる。
【0010】
本開示の第3の態様は、第2の態様において、
前記ケーシング(10)の側面の一部を構成する開閉可能な扉部(18)をさらに備え、前記給水口(67)は、前記扉部(18)の内側に配置され、前記第1姿勢は、前記扉部(18)が開いた状態であり、前記第2姿勢は、前記扉部(18)が閉じた状態である。
【0011】
第3の態様では、扉部(18)の開閉により給水口(67)を第1姿勢と第2姿勢とに変化させることができる。やかんなどの容器を用いて給水口に水を注ぐ場合、扉部(18)がケーシング(10)の側面にあることにより、例えば、ケーシング(10)の天面から給水する場合に比べると、やかんを持ち上げなくてもよいため、給水作業がしやすくなる。
【0012】
本開示の第4の態様は、第3の態様において、前記給水口(67)に配置される開閉可能な蓋部材(68)をさらに備える。
【0013】
第4の態様では、給水時のみ給水口(67)が外部に露出するように蓋部材(68)を開閉することで、蓋部材(68)が閉じている状態において、水が給水口(67)から外部へ飛び散ったりすることを抑制できる。
【0014】
本開示の第5の態様は、第4の態様において、
前記蓋部材(68)は、前記第1姿勢において前記給水口(67)が開状態となり、前記第2姿勢において前記給水口(67)が閉状態となるように変化する。
【0015】
第5の態様では、第2姿勢において給水口(67)内へ埃が浸入することを抑制できる。
【0016】
本開示の第6の態様は、第5の態様において、
前記蓋部材(68)は、前記第1姿勢において、前記給水口(67)の開状態を維持するように付勢されると共に、前記第1姿勢から前記第2姿勢へ変化することを規制する。
【0017】
第6の態様では、給水するときに蓋部材(68)をわざわざ手で開けなくても給水できる。また、第1姿勢から第2姿勢に変化することが規制されるため、第1姿勢において給水中に第2姿勢に変化してしまうことを抑制できる。
【0018】
本開示の第7の態様は、第3~第6の態様において、
前記給水口(67)は、前記タンク(60)に設けられ、前記タンク(60)は、回動可能に前記ケーシング(10)に支持され、前記給水口(67)は、前記タンク(60)が回動することで、前記第1姿勢と前記第2姿勢とに変化する。
【0019】
第7の態様では、タンク(60)を回動させるだけで、給水口(67)を第1姿勢と第2姿勢とに変化させることができる。
【0020】
本開示の第8の態様は、第7の態様において、
前記第2姿勢から前記第1姿勢へ前記タンク(60)が回動する方向を第1方向とし、前記第1姿勢から前記第2姿勢へ前記タンク(60)が回動する方向を第2方向としたときに、前記タンク(60)が前記第1姿勢からさらに前記第1方向側へ傾斜することを規制する規制部材(70)をさらに備える。
【0021】
第8の態様では、規制部材(70)により、タンク(60)が第1姿勢の状態から更に第1方向に向かって傾くことを規制できる。このことで、タンク(60)内の水が給水口(67)からこぼれることを抑制できる。
【0022】
本開示の第9の態様は、第7または第8の態様において、
前記給水口(67)から溢れた水を前記トレイ(50)に案内する溢水抑制機構(K)をさらに備える。
【0023】
第9の態様では、例えば、給水中に給水口(67)から水が溢れても、該水はトレイ(50)内に案内されるため、ケーシング(10)内部の機械部分に水が浸入することを抑制でき、その結果、加湿装置の故障を抑制できる。
【0024】
本開示の第10の態様は、第9の態様において、
前記タンク(60)は、該タンク(60)の第1側面(61a)が前記扉部(18)の内面に沿うように配置され、前記溢水抑制機構(K)は、前記扉部(18)の内面と前記第1側面(61a)との間に形成される通路部(P)と、前記第1側面(61a)の両端を覆うように前記通路部(P)に沿って前記扉部(18)に設けられる一対の壁部(19)とを備える。
【0025】
第10の態様では、扉部(18)とタンク(60)との第1側面(61a)との間にこぼれた水は通路部(P)をつたってトレイ(50)内に流入できる。第1側面(61a)の両脇にこぼれた水は壁部(19)内面をつたってトレイ(50)内に流入できる。
【0026】
本開示の第11の態様は、第1~第10の態様において、
前記タンク(60)は、前記ケーシング(10)から着脱可能に構成される。
【0027】
第11の態様では、タンク(60)を取り外して給水することができる。このことで、場合に応じて、タンク(60)に直接給水する方法と、タンク(60)を取り外して給水する方法の2通りの給水を行うことができる。
【0028】
本開示の第12の態様は、第1~第11の態様において、
前記タンク(60)は、前記トレイ(50)に連通する開閉機構(66)を備え、前記トレイ(50)は、前記開閉機構(66)が開状態のとき給水され、前記開閉機構(66)が閉状態のとき給水されない。
【0029】
第12の態様では、例えば、タンク(60)が満水状態のときに開閉機構(66)を閉状態にすることでトレイ(50)には吸水されない。トレイ(50)から水が溢れることを抑制できる。
【0030】
本開示の第13の態様は、第1~第12の態様において、
前記給水口(67)は、水が流入する流入口(67a)と、前記流入口(67a)から流入した水がタンク(60)内へ流出する流出口(67b)とを備え、前記流出口(67b)の開口面積は、前記流入口(67a)の開口面積よりも小さい。
【0031】
第13の態様では、流出口(67b)を流入口(67a)よりも小さくすることでタンク(60)に流入した水の跳ね返りにより給水口(67)からの水の漏れを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、実施形態に係る加湿装置の概略を示す斜視図である。
図2】(a)は、加湿装置の平面図である。(b)は、加湿装置の左側面図である。(c)は、加湿装置の正面図である。(d)は、加湿装置の右側面図である。
図3】(a)は、第2姿勢の加湿装置の斜視図である。(b)は、第1姿勢の加湿装置の斜視図である。
図4図4は、図1のIV-IV線断面における、加湿室を拡大した図である。
図5図5は、図1のV-V線断面における、加湿室の下部を拡大した図である。
図6図6は、タンク及び側面ドアをケーシングから取り外した状態の斜視図である。
図7】(a)は、第2姿勢におけるタンク及びストッパの姿勢を示した正面図である。(b)は、第1姿勢におけるタンク及びストッパの姿勢を示した正面図である。
図8図8は、制御部と各種の機器とを関係を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、以下に説明する各実施形態、変形例、その他の例等の各構成は、本発明を実施可能な範囲において、組み合わせたり、一部を置換したりできる。
【0034】
(1)加湿装置の全体構成
図1図3に示すように、本実施形態の加湿装置(1)は、室内に配置される床置型の装置である。加湿装置(1)は、加湿機能と空気清浄機能とを有する。ユーザは、空気清浄機能だけを選択することができるが、加湿機能を選択したときは空気清浄機能が伴う。
【0035】
加湿装置(1)は、主に、ケーシング(10)、ファンユニット(U1)、空気清浄ユニット(U2)、加湿ユニット(U3)、及び給水ユニット(U4)を備える。加湿装置(1)は、吸い込んだ室内空気を、ファンユニット(U1)、空気清浄ユニット(U2)、及び加湿ユニット(U3)を順に搬送し、室内に向かって吹き出す。以下、各構成について詳細に説明する。
【0036】
(2)ケーシング
ケーシング(10)は、縦長の箱状に形成される。ケーシング(10)内には、上下方向に形成される空気通路(AP)が設けられる。空気通路(AP)には、下方から上方に向かって、送風室(2)、空気清浄室(3)、加湿室(4)が順に配置される。
【0037】
ケーシング(10)は、天板(11)、底板(12)、及び4つの側板(13)を有する。天板(11)には、操作パネル(16)が設けられている。操作パネル(16)は、加湿装置(1)の運転及び停止を選択する電源スイッチや加湿機能の実行及び停止を選択するボタンなどが搭載されている。操作パネル(16)には、所定の情報が表示されるディスプレイ(図示省略)が含まれる。所定の情報は、例えば、現在の室内湿度や、後述するトレイ(50)内の水位情報などである。以下の説明において、「前」、「後」、「右」、「左」は、操作パネル(16)を正面に見たときの方向を示す。
【0038】
天板(11)には、吹出口(14)が設けられている。吹出口(14)は、操作パネル(16)の後方に形成される。吹出口(14)は、左右方向全域に亘って形成される。吹出口(14)には、2枚のフラップ(17)が設けられる。各フラップ(17)は、横長の長方形に形成される。2枚のフラップ(17)は、前後方向に並んで配置される。各フラップ(17)は、回動可能に天板(11)に支持されており、各吹出口(14)の開閉や風向を調節する。
【0039】
4つの側板(13)は、前面パネル(13a)、後面パネル(13b)、右側面パネル(13c)、及び左側面パネル(13d)である。右側面パネル(13c)及び左側面パネル(13d)の下部のそれぞれには、吸込口(15)が設けられる。吸込口(15)は、空気通路(AP)に連通し、室内空間の空気を吸い込む。具体的に、各吸込口(15)は、各側面パネル(13c,13d)の中央よりも下方、かつ、各側面パネル(13c,13d)の幅方向(前後方向)の略全域に設けられる。各吸込口(15)には、図示しないプレフィルタが配置される。プレフィルタは、各吸込口(15)を覆うように配置される。このことで、比較的大きな塵埃等が捕集される。底板(12)は、側板(13)の下端を塞ぐ。
【0040】
(2-1-1)側面ドア
ケーシング(10)には、側面ドア(18)が設けられる。側面ドア(18)は、本開示の扉部(18)の一例である。側面ドア(18)は、ケーシング(10)の側面一部を構成する。具体的に、側面ドア(18)は、右側面パネル(13c)の一部を構成する。側面ドア(18)は、矩形に形成されており、右側面パネル(13c)の中央よりも上寄り、かつ、右側面パネル(13c)の幅方向(前後方向)の略全域にあたる部分を構成する。
【0041】
側面ドア(18)は、開閉可能に構成される(図3参照)。具体的には、側面ドア(18)の下端が、回動可能にケーシング(10)内に支持されており、側面ドア(18)の取っ手(18a)を手前に引くことで、側面ドア(18)は手前側に傾斜して、上端が開放される。側面ドア(18)は、全開状態では、全閉状態(側面ドア(18)が垂直になった状態)から25~45度傾斜している。
【0042】
以下の説明において、側面ドア(18)が開いた状態を第1姿勢(図3(b)の状態)、側面ドア(18)が閉じた状態を第2姿勢(図3(a)の状態)と呼ぶ。開いた状態とは、側面ドア(18)が全開の状態をいい、閉じた状態とは、側面ドア(18)が全閉の状態をいう。また、側面ドア(18)が第2姿勢から第1姿勢へ向かって傾斜するように回動する方向を第1方向、側面ドア(18)が第1姿勢から第2姿勢へ回動する方向を第2方向と呼ぶ。ここで、側面ドア(18)が全開の状態とは、側面ドア(18)がそれ以上第1方向に回動せずに第1姿勢で支持されている状態である。なお、第1姿勢は、後述する第1給水方法において、給水口(67)の少なくとも一部が外部からの給水が可能な状態でケーシング(10)の外部に露出する状態であってもよい。
【0043】
(3)ファンユニット
ファンユニット(U1)は、送風室(2)に配置される。ファンユニット(U1)は、吸込口(15)に向かい合う位置に配置される。ファンユニット(U1)は、ファン(21)とファンモータ(22)とを有する。
【0044】
ファン(21)は、シロッコファンである。ファン(21)は、ファンモータ(22)の駆動により回転する。ファン(21)は、室内の空気を各吸込口(15)から送風室(2)内に吸い込み、吹出口(14)に向かって、空気清浄室(3)、加湿室(4)の順に搬送する。このように、ファン(21)は、吸込口(15)から吹出口(14)に向かって空気通路(AP)内の空気を搬送する。
【0045】
ファン(21)は、風量可変である。具体的に、ファンモータ(22)は、回転数可変に構成される。ファンモータ(22)の回転数は、複数段階に切り換えられる。ファンモータ(22)の回転数は、制御部(C)により制御される。
【0046】
(4)空気清浄ユニット
空気清浄ユニット(U2)は、空気清浄室(3)に配置される。空気清浄ユニット(U2)は、集塵フィルタ(31)と、脱臭フィルタ(32)とを有している。集塵フィルタ(31)及び脱臭フィルタ(32)は、それぞれのフィルタ面がケーシング(10)の略中央の高さ位置において略水平となるよう配置される。
【0047】
脱臭フィルタ(32)は、集塵フィルタ(31)の上方に配置される。この空気清浄ユニット(U2)では、まず、集塵フィルタ(31)によって微細な花粉、PM2.5などの塵埃などが取り除かれる。集塵フィルタ(31)を通過した空気は、活性炭などを含む脱臭フィルタ(32)によってホルムアルデヒドや臭い成分などが吸着され、または分解される。このように、空気が空気清浄ユニット(U2)を通過することで、該空気は清浄化される。
【0048】
(5)加湿ユニット
加湿ユニット(U3)は、加湿室(4)に配置される。加湿ユニット(U3)は、空気通路(AP)の空気を加湿する。加湿ユニット(U3)は、本開示の加湿部(U3)の一例である。加湿ユニット(U3)は、気化フィルタ(41)とフレーム(42)とを有する。
【0049】
気化フィルタ(41)は、円板状の気化材を有する。気化材は例えば不織布である。水が気化材に付着することで、気化フィルタ(41)を通過する空気に水分が供給される。気化フィルタ(41)は、フィルタ面が左右方向に向くように配置される。
【0050】
フレーム(42)は、円環状の樹脂材で構成される。フレーム(42)の内枠に、気化フィルタ(41)が保持される。フレーム(42)の円の中心には、第1軸部(43)が設けられる。第1軸部(43)は、モータ(44)に接続される(図4参照)。モータ(44)が駆動することにより、フレーム(42)及び気化フィルタ(41)は、一体に回転する。フレーム(42)は、その最下点で、後述する第2トレイ(50b)内の水に浸漬するように配置される。
【0051】
フレーム(42)の外周縁には、周方向に亘って配置される複数の水汲み部(42a)が設けられる。複数の水汲み部(42a)は、等間隔に配置される。フレーム(42)が回転することで、フレーム(42)の最下点を通過する水汲み部(42a)が水を汲み上げる。このように、複数の水汲み部(42a)が順次トレイ(50)内の水を汲み上げていく。
【0052】
水汲み部(42a)は、フレーム(42)の最上点付近を通過するときに、気化フィルタ(41)に向かって水を流出する。この水汲み部(42a)からの給水によって、気化フィルタ(41)には水分が付着する。このように、気化フィルタ(41)は回転により水が供給されるように構成される。気化フィルタ(41)は、フレーム(42)と共に回転しているため、複数の水汲み部(42a)から気化フィルタ(41)に万遍なく水が供給される。気化フィルタ(41)の水が付着した領域を空気が通過することで、該空気に水分が供給(加湿)される。
【0053】
(6)給水ユニット
給水ユニット(U4)は、加湿室(4)に配置される。給水ユニット(U4)は、加湿ユニット(U3)に水を供給する。給水ユニット(U4)は、加湿ユニット(U3)と側面ドア(18)との間に配置される。給水ユニット(U4)は、トレイ(50)及びタンク(60)を有する。
【0054】
(6-1)トレイ
図1及び図4に示すように、トレイ(50)は、加湿室(4)に配置される。トレイ(50)は加湿ユニット(U3)と側面ドア(18)との間に配置される。トレイ(50)は、タンク(60)から供給された水を貯留する。トレイ(50)は、水を加湿ユニット(U3)に水を供給する。トレイ(50)は、第1トレイ(50a)と第2トレイ(50b)とを有する。トレイ(50)は、第1トレイ(50a)と第2トレイ(50b)との水が、互いに行き来できるように構成されている。
【0055】
(6-1-1)第1トレイ
第1トレイ(50a)は、タンク(60)の下方に配置される。第1トレイ(50a)には、タンク(60)に貯留された水が流入する。第1トレイ(50a)の底面の一部は、後述するフロート部(51)が配置されるように深底に形成される。第1トレイ(50a)には、図示しない抗菌部が設けられる。抗菌部は抗菌材を有し、トレイ(50)内の水にカビや菌が発生することを抑制する。
【0056】
(6-1-2)第2トレイ
第2トレイ(50b)は、フレーム(42)の下方に配置される。第2トレイ(50b)は、水汲み部(42a)が水を汲めるように、フレーム(42)の下部を覆うように設けられる。具体的に、第2トレイ(50b)は、板状の底部(58)と、2つの側壁(59)とを有する。底部(58)は、板状にフレーム(42)の外周縁に沿うように板面が湾曲するように形成される。各側壁(59)は、略半円状に形成される。2つの側壁(59)は、互いに向かい合うように底部(58)に接続される。
【0057】
第2トレイ(50b)には、フレーム(42)の第1軸部(43)を回転可能に支持する軸受部(59a)が設けられる。軸受部(59a)は、側壁(59)の中央から上方に延びるように設けられる。
【0058】
(6-2)フロート部、及び水位センサ
図5に示すように、本例の加湿装置(1)は、フロート部(51)及び水位センサ(57)を有する。フロート部(51)は、後述するタンク(60)底面に設けられる給水弁(66)を開閉する。水位センサ(57)は、トレイ(50)の水面の高さ位置を検知する。
【0059】
フロート部(51)は、フロート本体(52)と、フロータ(53)と、マグネット(56)と、接触部(54)とを有する。フロート本体(52)は、第1トレイ(50a)の右側面から中央に向かって延びるように設けられる。フロータ(53)は、フロート本体(52)の一端近傍に配置される。フロータ(53)は、水面に浮くように中空に形成され、水面の高さに応じて上下に移動する。マグネット(56)は、タンク(60)の内側面に向かい合うように、フロート本体(52)の一端に配置される。マグネット(56)は、フロート本体(52)と一体に上下に移動する。接触部(54)は、フロート本体(52)の他端に設けられる。接触部(54)は、後述の給水弁(66)の真下に配置される。
【0060】
フロート本体(52)の側面には、第2軸部(55)が設けられる。第2軸部(55)は、第1トレイ(50a)に支持されている。第2軸部(55)は、フロータ(53)と接触部(54)との間のうち、接触部(54)に近い位置に配置される。フロート本体(52)は、シーソーの原理により、例えばフロート本体(52)の一端のフロータ(53)が上昇すると、他端の接触部(54)が下降する。
【0061】
水位センサ(57)は、フロータ(53)の高さ位置を検知する。水位センサ(57)は、例えば、近接センサである。水位センサ(57)は、マグネット(56)が該水位センサ(57)に対して所定の距離まで近づくことで、フロータ(53)の高さ位置(トレイ(50)の水位)を検知する。
【0062】
具体的に説明すると、トレイ(50)から加湿ユニット(U3)へ水が供給されると、第1トレイ(50a)(トレイ(50))の水位が下降する。このことで、フロータ(53)と共にマグネット(56)も下降し、所定の高さ位置まで下降すると、水位センサ(57)はマグネット(56)が所定の距離外にあることを検知する。一方、タンク(60)からトレイ(50)へ水が供給されると、第1トレイ(50a)(トレイ(50))の水位が上昇する。このことで、フロータ(53)と共にマグネット(56)も上昇し、所定の高さ位置まで上昇すると、水位センサ(57)は、マグネット(56)が、所定の距離内にあることを検知し続ける。
【0063】
このように、水位センサ(57)は、マグネット(56)が検出可能な距離にある場合はオン信号を、マグネットが検出可能な距離にない場合はオフ信号を、トレイ(50)の水位情報を示す信号として後述する制御部(C)に送信する。オフ信号を受信した制御部(C)は、トレイ(50)の貯水量が比較的少ないことを操作パネル(16)のディスプレイに表示する。
【0064】
(6-3)タンク
タンク(60)は、トレイ(50)に水を供給する。タンク(60)は、回動可能にケーシング(10)に支持される。具体的に、図4図6に示すように、タンク(60)は、側面ドア(18)の内側に配置される。タンク(60)は、側面ドア(18)の開閉に伴って回動する。言い換えると、第1方向は、タンク(60)が第2姿勢から第1姿勢へ回動する方向でもあり、第2方向は、第1姿勢から第2姿勢へ回動する方向でもある。タンク(60)は、ケーシング(10)から着脱可能に構成される。タンク(60)は、タンク本体(61)、給水弁(66)、給水口(67)、及び蓋部材(68)を有する。
【0065】
(6-3-1)タンク本体
タンク本体(61)は、箱状に形成される。タンク本体(61)の幅方向(前後方向)の長さは、側面ドア(18)の幅方向の長さと略同じである。タンク本体(61)の奥行き(左右方向)の長さは、第1トレイ(50a)の奥行きよりやや短い。タンク(60)は、脱着可能な上蓋(63)を有する。上蓋(63)を取り外した状態において、タンク本体(61)は上向きに開口する。
【0066】
タンク(60)は、タンク(60)の第1側面(61a)が側面ドア(18)の内面に沿うように配置される。具体的に、タンク本体(61)の第1側面(61a)が側面ドア(18)の内面に向かい合うように配置される。
【0067】
タンク本体(61)の底面の中央付近には、円形の連通孔(64)が形成される。連通孔(64)は、タンク(60)とトレイ(50)とを連通する。タンク(60)内の水は、連通孔(64)を介してトレイ(50)に流入する。連通孔(64)には、第1トレイ(50a)に向かって下方に延びる筒部(65)が接続される。タンク本体(61)の底面は、水が連通孔(64)に向かって流れるように傾斜している。連通孔(64)には、給水弁(66)が設けられている。給水弁(66)は、連通孔(64)を開閉する。
【0068】
(6-3-2)給水弁
給水弁(66)は、本開示の開閉機構(66)の一例である。給水弁(66)は、トレイ(50)に連通する。給水弁(66)は、弁体(66a)と、弁軸(66b)と、円板部(66c)と、第1ばね部材(66d)とを有する。
【0069】
弁体(66a)は、連通孔(64)の開口部分を塞ぐように設けられる。具体的に、弁体(66a)は、下方に向かって膨出した円錐形に形成される。弁体(66a)の円錐面が連通孔(64)の開口縁に接触することにより、連通孔(64)が塞がれる。
【0070】
弁軸(66b)は、弁体(66a)の下端から下方に延びる。弁軸(66b)は、筒部(65)内に配置される。弁軸(66b)は筒部(65)内を上下に移動可能である。円板部(66c)は弁軸(66b)の下端に設けられる。
【0071】
円板部(66c)は、弁軸(66b)よりも径が大きい。円板部(66c)は、フロート部(51)の接触部(54)の真上に配置される。円板部(66c)は、第1トレイ(50a)の水位によって接触部(54)と接触する。
【0072】
第1ばね部材(66d)は、弁軸(66b)の周囲に配置される。換言すると、弁軸(66b)は、第1ばね部材(66d)を挿通している。第1ばね部材(66d)は、給水弁(66)を第1トレイ(50a)に向かって付勢する。具体的に、第1ばね部材(66d)は、筒部(65)の下端に固定され、第1ばね部材(66d)の下端が円板部(66c)を下方に向かって押しつけている。
【0073】
フロート部(51)の接触部(54)が円板部(66c)に接触していない状態では、給水弁(66)が連通孔(64)を閉塞するため、タンク(60)内(タンク本体(61)内)の水が連通孔(64)から流出することが抑えられる。一方、フロート部(51)の接触部(54)が円板部(66c)を押し上げると(図5の状態)、給水弁(66)が上昇することで、タンク(60)内(タンク本体(61)内)の水が連通孔(64)からトレイ(50)に向かって流出する。このように、トレイ(50)には、給水弁(66)が開状態のとき給水され、給水弁(66)が閉状態のとき給水されない。
【0074】
(6-3-3)給水口
給水口(67)は、タンク(60)に設けられる。給水口(67)は、タンク(60)に連通し、外部から水をタンク(60)内に供給する。具体的に、給水口(67)は、上蓋(63)に形成され、外部とタンク本体(61)の内部とを連通する。給水口(67)の開口は、上蓋(63)の幅方向(前後方向)に亘って形成される。
【0075】
タンク(60)が、側面ドア(18)の内側に固定されているため、給水口(67)は側面ドア(18)の内側に配置される。従って、側面ドア(18)が第1姿勢にあるとき、給水口(67)は、ケーシング(10)の外部に露出する。側面ドア(18)が第2姿勢にあるとき、給水口(67)は、ケーシング(10)の内部に収容される。このように、タンク(60)が回動することで、給水口(67)は、給水するときは、第1姿勢にあり、給水しないときは、第2姿勢にある。
【0076】
給水口(67)は、流入口(67a)と流出口(67b)とを有する。流入口(67a)は、給水口(67)の上端に形成される。流入口(67a)には、外部からの水が流入する。流出口(67b)は、給水口(67)の下端に形成される。流入口(67a)から流入した水は、流出口(67b)からタンク(60)内へ流出する。流入口(67a)及び流出口(67b)ともに、上蓋(63)の幅方向(前後方向)に亘って長方形に形成される。給水口(67)は、流入口(67a)から流出口(67b)に向かって開口面積が小さくなるように傾斜する傾斜面(69)を有する。このように、流出口(67b)の開口面積は、流入口(67a)の開口面積よりも小さい。
【0077】
(6-3-4)蓋部材
蓋部材(68)は、上蓋(63)の給水口(67)に配置される。蓋部材(68)は、給水口(67)を開閉可能に構成される。具体的に、蓋部材(68)は、矩形の板状に形成されており、給水口(67)の流入口(67a)を覆うように配置される。右方から見て、蓋部材(68)は、奥側の長辺が回動するように支持されており、手前側から開くように構成される。蓋部材(68)には、開方向に付勢する第2ばね部材(76)が設けられる。
【0078】
(7)溢水抑制機構
本実施形態の加湿装置(1)は、溢水抑制機構(K)を有する。溢水抑制機構(K)は、給水口(67)から溢れた水をトレイ(50)に案内する。具体的に、溢水抑制機構(K)は、通路部(P)と一対のガード部(19,19)とを有する。通路部(P)は、側面ドア(18)の内面とタンク本体(61)の第1側面(61a)との間に形成される隙間である(図4参照)。通路部(P)は、上端が開放され、下端は第1トレイ(50a)に連通する。このことで、給水口(67)から溢れた水は、通路部(P)を流れて、第1トレイ(50a)に流入する。
【0079】
ガード部(19)は、板状の部材である。ガード部(19)は、側面ドア(18)の内面に設けられる。一対のガード部(19,19)は、第1側面(61a)の両端を覆うように通路部(P)に沿って設けられる。具体的に、一対のガード部(19)は、側面ドア(18)の内面のうち幅方向(前後方向)の両端において、上下方向に延びるように設けられる。ガード部(19)とタンク本体(61)の側面との間の隙間は、第1トレイ(50a)に連通する。このことで、給水口(67)から溢れた水は、ガード部(19)の内側を流れて第1トレイ(50a)に流入する。ガード部(19)は本開示の壁部(19)の一例である。
【0080】
(8)ストッパ
図7に示すように、本実施形態の加湿装置(1)は、ストッパ(70)を備える。ストッパ(70)は、本開示の規制部材(70)の一例である。
【0081】
ストッパ(70)は、板状の部材である。ストッパ(70)は、上部に設けられる第3軸部(73)により、前面パネル(13a)の内側に回動可能に支持されている(図1参照)。ストッパ(70)は、ばね部材(図示省略)により前方から見て反時計回り(図7の矢印の向き)に回動するように付勢されている。ストッパ(70)の右縁には、第1係合凹部(71)と第2係合凹部(72)とが上下に並んで形成されている。第1係合凹部(71)及び第2係合凹部(72)は、ガード部(19)から前方に突出する係合凸部(75)と嵌め合う。
【0082】
第2姿勢では、第1係合凹部(71)が係合凸部(75)と嵌め合った状態にある(図7(a))。側面ドア(18)が開くにつれて(第1方向へ傾斜するにつれて)、係合凸部(75)は、ストッパ(70)の右縁を摺動しながら第1係合凹部(71)から第2係合凹部(72)へ移動する。第1姿勢では、第2係合凹部(72)が係合凸部(75)と嵌め合う(図7(b))。このことで、ストッパ(70)は、タンク(60)が第1姿勢からさらに第1方向側へ傾斜することを規制する。
【0083】
(9)制御部
図8に示すように、加湿装置(1)は、制御部(C)を有する。制御部(C)は、加湿装置(1)の運転を制御する。制御部(C)には、マイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイスとが設けられる。
【0084】
制御部(C)は、加湿装置(1)の各種の機器と有線または無線により接続される。例えば、制御部(C)は、水位センサ(57)、ファンモータ(22)、モータ(44)、及び操作パネル(16)に接続される。操作パネル(16)から送信される所定の運転指令(例えば、加湿装置(1)の運転/停止指令、加湿運転の実行/停止、及び、乾燥運転の実行/停止等の指令)に基づいて、制御部(C)は、各種の機器の動作を制御する。
【0085】
(10)加湿装置の運転
次に、本実施形態の加湿装置(1)の各種の運転について説明する。
【0086】
(10-1)加湿運転
加湿運転は、吸い込んだ室内空気を清浄化すると共に加湿して、再び室内空間に吹き出す運転である。操作パネル(16)において加湿運転が選択されると、制御部(C)は、ファンモータ(22)及びモータ(44)を駆動させる。制御部(C)は、設定された加湿量と風量とに基づいて、ファン(21)及び気化フィルタ(41)の回転数を制御する。
【0087】
ファン(21)の回転により、吸込口(15)から吸い込まれた室内空気は、送風室(2)から空気清浄室(3)へ搬送される。空気清浄室(3)に搬送された空気は、空気清浄ユニット(U2)を通過することで清浄化される。空気清浄ユニット(U2)を通過した空気は加湿室(4)へ搬送される。
【0088】
加湿室(4)に流入した空気は、回転している気化フィルタ(41)を通過する。気化フィルタ(41)には、水汲み部(42a)から給水されることで水分が付着しているため、気化フィルタ(41)を通過する空気には水分が供給される。
【0089】
通過する空気により気化フィルタ(41)の水分は奪われるが、気化フィルタ(41)は回転しているため、複数の水汲み部(42a)が順に第2トレイ(50b)の水を汲み上げて、次々に気化フィルタ(41)に水を供給する。そのため、加湿動作中は、気化フィルタ(41)は常に水分を含んだ状態となり、気化フィルタ(41)を通過する空気に水分を供給し続ける。
【0090】
加湿室(4)で加湿された空気は、吹出口(14)から室内に向かって吹き出される。室内の湿度が目標湿度に達すると、制御部(C)は加湿動作を停止させる。このことで、加湿運転が停止する。なお本例において、加湿運転中は、以下に説明する空気清浄運転も同時に行われる。
【0091】
(10-2)空気清浄運転
空気清浄運転は、吸い込んだ室内空気を清浄化する運転である。操作パネル(16)において、空気清浄運転が選択されると、制御部(C)は、ファンモータ(22)を駆動させる。ファンモータ(22)の駆動により、空気通路(AP)内には吸込口(15)から吸い込んだ室内空気が吹出口(14)に向かう空気流れが生じる。制御部(C)は、設定された風量に基づいて、ファン(21)の回転数を制御する。
【0092】
ファン(21)の回転により、吸込口(15)から吸い込まれた室内空気は、送風室(2)から空気清浄室(3)へ搬送される。空気清浄室(3)に搬送された空気は、集塵フィルタ(31)及び脱臭フィルタ(32)を通過する。このように清浄化された空気は、加湿室(4)へ搬送される。
【0093】
加湿室(4)へ流入した空気は、気化フィルタ(41)を通過する。加湿運転を行わない場合、気化フィルタ(41)は停止しているため、気化フィルタ(41)を通過する空気には水分が供給されない。気化フィルタ(41)を通過した空気は、室内に吹き出される。操作パネル(16)から加湿装置(1)の運転の停止指令が送信されたり、タイマー機能などにより所定の時間が経過すると、制御部(C)は、空気清浄運転を停止させる。
【0094】
(10-3)乾燥運転
乾燥運転は、加湿装置(1)の運転停止後に、ファン(21)の送風により気化フィルタ(41)を乾燥させる運転である。乾燥運転により、自然乾燥よりも短時間で気化フィルタ(41)を乾燥できるため、気化フィルタ(41)の防カビや防臭が可能になる。
【0095】
乾燥運転の機能は、ユーザの操作に基づいて現地設定においてオン/オフを切り替えることができる。本例において、操作パネル(16)の複数のボタンを予め決められた通りに順に押下することで、乾燥運転の機能がオンになる。
【0096】
乾燥運転の機能がオンになると、制御部(C)は、加湿装置(1)の運転停止後にファンモータ(22)を駆動させて、乾燥運転を実行する。乾燥運転では、制御部(C)は、最小風量となるようにファン(21)の回転数を制御する。
【0097】
ファン(21)の回転により、吸込口(15)から吸い込まれた室内空気は、送風室(2)から空気清浄室(3)、加湿室(4)へ順に搬送される。加湿室(4)へ流入した空気は、停止している気化フィルタ(41)を通過する。この空気により、気化フィルタ(41)は乾燥する。気化フィルタ(41)を通過した空気は、室内に吹き出される。所定の時間が経過すると、制御部(C)は、乾燥運転を停止させる。
【0098】
(11)加湿装置への給水
次に、本実施形態の加湿装置(1)への給水方法について説明する。加湿装置(1)への給水方法には、第1給水方法と第2給水方法とがある。第1給水方法では、タンク(60)をケーシング(10)に装着したままタンク(60)内に給水する。第2給水方法では、タンク(60)をケーシング(10)から取り外してタンク(60)内に給水する。
【0099】
(11-1)第1給水方法
図3及び図7に示すように、第2姿勢の状態にある側面ドア(18)の取っ手(18a)を手前に引くと、側面ドア(18)は、上端が徐々に開放されるように手前側に傾斜していく。側面ドア(18)が第1方向に向かって傾斜するにつれて、タンク(60)も徐々に第1方向に向かって傾斜する。
【0100】
側面ドア(18)が傾斜するにつれて、蓋部材(68)は手前側から徐々に開いていく。ストッパ(70)の第2係合凹部(72)が係合凸部(75)に嵌め合うと、側面ドア(18)はそれ以上第1方向へ回動にしないように規制され、第1姿勢となる。この第1姿勢において、蓋部材(68)は完全に開放され、給水口(67)は閉状態から開状態となる。このように、蓋部材(68)は、第2姿勢において給水口(67)が閉状態となり、第1姿勢において給水口(67)が開状態となるように変化する。
【0101】
この第1姿勢において、水の入った容器(やかん等)から給水口に水を注いでいくと、タンク(60)は重さを増して、自重により第2方向に回動しようとする。しかし、蓋部材(68)は、蓋部材(68)の上面が右側面パネル(13c)を押さえつけることで給水口(67)の開状態を維持するように付勢されているため、第1姿勢から第2姿勢へ変化することが規制される。このことで、タンク(60)への給水中に側面ドア(18)が勝手に閉じてしまうことを抑制できる。給水中に給水口(67)の手前や横にこぼれたり、給水口から溢れたりした水は、通路部(P)やガード部(19)の内側を通って第1トレイ(50a)に流入する。
【0102】
所定の量の水がタンク(60)内に貯まると、給水が完了する。その後、側面ドア(18)を第2方向に押し込むと、係合凸部(75)がストッパ(70)の第2係合凹部(72)から外れて、側面ドア(18)は第1姿勢から第2姿勢へと変化する。蓋部材(68)の上面が、右側面パネル(13c)を押さえつけながら、側面ドア(18)が第2方向に向かうため、急に側面ドア(18)が閉じてしまうことがない。このことで、指を挟んでしまうことを抑制できる。
【0103】
側面ドア(18)が閉じて第2姿勢になると、係合凸部(75)は、ストッパ(70)の第1係合凹部(71)に嵌め合う。この状態で、タンク(60)からトレイ(50)に水が供給される。具体的に、第1トレイ(50a)の水位が所定の水位よりも低いと、フロート部(51)の接触部(54)が給水弁(66)の円板部(66c)を押し上げる。このことで給水弁(66)が開いて、タンク(60)(タンク本体(61))の連通孔(64)を介して、タンク(60)内の水が第1トレイ(50a)に流入する。このことで、第1トレイ(50a)の水位が上昇すると共に、フロータ(53)が上昇する。フロータ(53)が上昇するにつれて、接触部(54)が下降していく。第1トレイ(50a)の貯水量が所定の水位まで満たされると、接触部(54)は円板部(66c)から離れる。接触部(54)が円板部(66c)から完全に離れると、給水弁(66)が閉じて、タンク(60)からトレイ(50)への水の供給が停止する。
【0104】
(11-2)第2給水方法
第1給水方法と同様に、側面ドア(18)を第2姿勢から第1姿勢へ変化させる。第1姿勢の状態で、ストッパ(70)を下方に押し下げると、第2係合凹部(72)が係合凸部(75)から外れる。このことで、側面ドア(18)と共にタンク(60)をケーシング(10)から取り外すことができる。タンク(60)を持って、給水ができる台所や洗面所などに移動して、タンク本体(61)から上蓋(63)を外し、蛇口からタンク本体(61)に直接給水する。この場合、上蓋(63)を外しているため、給水口(67)から給水するよりも短時間で所定量の水をタンク本体(61)内に貯めることができる。なお、給水弁(66)が第1ばね部材(66d)により連通孔(64)を閉塞するため、給水中にタンク(60)内の水が漏れることは抑制される。
【0105】
再び上蓋(63)をタンク本体(61)に取り付けて、再び加湿装置(1)まで移動する。ストッパ(70)を手前側に回動させるよう係合凸部(75)をストッパ(70)に接触させて、下方に押し下げることで、タンク(60)及び側面ドア(18)をケーシング(10)に取り付ける。ストッパ(70)の右縁部(74)が係合凸部(75)に接触した状態で、側面ドア(18)を第2方向に押し込むことで、側面ドア(18)は第2姿勢になる。第2姿勢になると、係合凸部(75)はストッパ(70)の第1係合凹部(71)に嵌め合う。その後、第1給水方法と同様に、タンク(60)からトレイ(50)へ水が供給される。
【0106】
(12)特徴
(12-1)
本実施形態の加湿装置(1)は、加湿ユニット(U3)に水を供給するトレイ(50)と、トレイ(50)に水を供給するタンク(60)と、タンク(60)に連通し、外部からタンク(60)内に水を供給する給水口(67)とを備える。給水口(67)は、ケーシング(10)の外部に露出するように配置される。
【0107】
従来のタンクに直接蛇口から給水する加湿器の場合、タンクを加湿器本体から取り外して、再び給水されたタンクを加湿器本体に装着するまでに、給水口のキャップの開け閉めや、加湿の設置場所と蛇口の設置場所との往復など複数の工程があるため、ユーザによっては不便を感じる。そこで、本実施形態の加湿装置(1)は、給水口(67)がケーシング(10)の外部に露出することで、給水口(67)を介して外部からタンク(60)に直接給水できる。
【0108】
(12-2)
本実施形態の加湿装置(1)の給水口(67)は、給水するときにケーシング(10)の外部に露出する第1姿勢と、給水しないときにケーシング(10)の内部に収容される第2姿勢とに変化する。このことで、給水するタイミングに応じて、給水口(67)を第1姿勢にすることによって、タンク(60)内に給水できる。給水しないときは給水口(67)を第2姿勢にすることで、給水口(67)はケーシング(10)内部に収容されて、埃などが給水口(67)に侵入することを抑制できる。
【0109】
(12-3)
本実施形態の加湿装置(1)は、ケーシング(10)の側面の一部を構成する開閉可能な側面ドア(18)をさらに備える。給水口(67)は、側面ドア(18)の内側に配置され、第1姿勢は、側面ドア(18)が開いた状態であり、第2姿勢は、側面ドア(18)が閉じた状態である。このことで、側面ドア(18)を開閉することで、給水口(67)を第1姿勢と第2姿勢とに変化させることができる。やかんなどの容器を用いて給水口に水を注ぐ場合、側面ドア(18)がケーシング(10)の側面にあることにより、例えば、ケーシング(10)の天面から給水する場合に比べると、やかんを持ち上げなくてもよいため、給水作業がしやすくなる。
【0110】
(12-4)
本実施形態の加湿装置(1)は、給水口(67)に配置される開閉可能な蓋部材(68)をさらに備える。給水時のみ給水口(67)が外部に露出するように蓋部材(68)を開閉することで、蓋部材(68)が閉じている状態において、水が給水口(67)から外部へ飛び散ったりすることを抑制できる。
【0111】
(12-5)
本実施形態の加湿装置(1)の蓋部材(68)は、第1姿勢において給水口(67)が開状態となり、第2姿勢において給水口(67)が閉状態となるように変化する。第2姿勢において、フラップ(17)が開状態にあると、吹出口(14)からケーシング(10)内部に空気中の埃などが浸入する。しかし、第2姿勢において、蓋部材(68)により給水口(67)は閉じられているため、給水口(67)内への埃の侵入を抑制できる。
【0112】
(12-6)
本実施形態の加湿装置(1)の蓋部材(68)は、第1姿勢において、給水口(67)の開状態を維持するように付勢されると共に、第1姿勢から第2姿勢へ変化することを規制する。このことで、タンク(60)内に給水するときに蓋部材(68)をわざわざ開けなくても給水できる。また、第1姿勢から第2姿勢に変化することが規制されるため、第1姿勢において給水中に第2姿勢に変化してしまうことを抑制できる。
【0113】
(12-7)
本実施形態の加湿装置(1)の給水口(67)は、タンク(60)に設けられる。タンク(60)は、回動可能にケーシング(10)に支持され、給水口(67)は、タンク(60)が回動することで、第1姿勢と第2姿勢とに変化する。このことにより、タンク(60)を回動させるだけで、簡便に給水口(67)を閉状態と開状態とに変化させることができる。
【0114】
(12-8)
本実施形態の加湿装置(1)は、タンク(60)が第1姿勢からさらに第1方向側へ傾斜することを規制するストッパ(70)をさらに備える。ストッパ(70)により、タンク(60)が第1姿勢の状態から、更に手前側に傾斜することを規制できる。その結果、タンク(60)内の水が給水口(67)からこぼれたり、タンク(60)が側面ドア(18)と共にケーシング(10)から外れてしまうことを抑制できる。
【0115】
(12-9)
本実施形態の加湿装置(1)は、給水口(67)から溢れた水をトレイ(50)に案内する溢水抑制機構(K)をさらに備える。溢水抑制機構(K)により、例えば、給水中に給水口(67)から水が溢れても、水はトレイ(50)に案内されるためケーシング(10)内部の機器に水が浸入することを抑制できる。このことで、加湿装置(1)の故障を抑制できる。
【0116】
(12-10)
本実施形態の加湿装置(1)の溢水抑制機構(K)は、側面ドア(18)の内面と第1側面(61a)との間に形成される通路部(P)と、第1側面(61a)の両端を覆うように通路部(P)に沿って、側面ドア(18)に設けられる一対のガード部(19)とを備える。側面ドア(18)とタンク(60)の第1側面(61a)との間にこぼれた水は通路部(P)をつたってトレイ(50)に流入できる。第1側面の両脇にこぼれた水はガード部(19)内面をつたってトレイ(50)に流入できる。
【0117】
(12-11)
本実施形態の加湿装置(1)のタンク(60)は、ケーシング(10)から着脱可能に構成される。タンク(60)を取り外して給水することもできる。このことでタンクに直接給水する方法と、タンク(60)を取り外して給水する方法の2通りの給水方法を実現できる。
【0118】
(12-12)
本実施形態の加湿装置(1)のタンク(60)は、トレイ(50)に連通する給水弁(66)を備える。トレイ(50)は、給水弁(66)が開状態のとき給水され、給水弁(66)が閉状態のとき給水されない。本実施形態の給水弁(66)は、トレイ(50)の水位に応じて上下に移動するフロート部(51)の接触部(54)によって開閉される。このことで、トレイ(50)の水位が比較的低くなると給水弁(66)が開き、タンク(60)からトレイ(50)に給水される。トレイ(50)の水位が満水時の高さになると給水弁(66)は閉じ、トレイ(50)から水が溢れることを抑制できる。
【0119】
(12-13)
本実施形態の加湿装置(1)の給水口(67)は、水が流入する流入口(67a)と、流入口(67a)から流入した水がタンク(60)内へ流出する流出口(67b)とを備え、流出口(67b)の開口面積は、前記流入口(67a)の開口面積よりも小さい。このように、流出口(67b)を流入口(67a)よりも小さくすることでタンク(60)に流入した水の跳ね返りにより給水口(67)から水が外部に飛び散ることを抑制できる。
【0120】
(13)その他の実施形態
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0121】
加湿装置(1)の給水口(67)は、タンク(60)と別体であってもよい。給水口(67)は、外部とタンク(60)内とを連通していればよく、例えば、チューブのような部材を介してタンク(60)と給水口(67)とが繋がっていてもよい。この場合、給水口(67)に注がれた水は、チューブ内を通ってタンク(60)に流入する。
【0122】
加湿装置(1)のタンク(60)は、ケーシング(10)から脱着不可(ケーシング(10)に固定)であってもよい。
【0123】
加湿装置(1)の側面ドア(18)は、横開きのドアであってもよい。例えば、側面ドア(18)は、左端又は右端が開放されるように回動してもよい。また、加湿装置(1)は、いわゆる引き出しの構造によって、側面ドア(18)及びタンク(60)をケーシング(10)から外部に引き出すことで、給水口(67)を外部に露出させる構成であってもよい。さらに、本実施形態の空気清浄ユニット(U2)および加湿ユニット(U3)は、それぞれ特許文献1に記載(例えば、図3)の空気清浄ユニットおよび加湿エレメントのような構成であってもよい。
【0124】
加湿装置(1)のストッパ(70)は、側面ドア(18)が第1姿勢から第2姿勢に変化する際、急に閉まることを抑制するようにダンパ構造を有していてもよい。例えば、このダンパ構造は、ギアダンパであってもよい。ギアダンパは、ストッパ(70)の左縁部に沿って形成されるギアを有する。このギアは、前面パネル(13a)の内側に固定される係合部(図示省略)に噛合することで、側面ドア(18)が第1姿勢から第2姿勢に急に変化することを抑制する。このことにより、給水中にタンク(60)内の水の重みによって、側面ドア(18)が勝手に閉まることを抑制でき、ひいては側面ドア(18)と右側面パネル(13c)との間に指を挟んでしまうことを回避できる。また、このようなダンパ構造を有するストッパ(70)であれば、上記実施形態のように第1姿勢を維持する蓋部材(68)を設ける必要がなくなる。
【0125】
実施形態の溢水抑制機構(K)は、給水口(67)から溢れた水がトレイ(50)に案内するように構成されていればよく、ガード部(19)を有さなくてもよい。
【0126】
以上、実施形態及び変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態及び変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。以上に述べた「第1」、「第2」、…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0127】
以上説明したように、本開示は、加湿装置について有用である。
【符号の説明】
【0128】
1 加湿装置
10 ケーシング
18 側面ドア(扉部の一例)
U3 加湿ユニット(加湿部の一例)
50 トレイ
60 タンク
61a 第1側面
66 給水弁(開閉機構の一例)
67 給水口
67a 流入口
67b 流出口
68 蓋部材
70 ストッパ(規制部材の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8