(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】CMAS耐性遮熱コーティング及びそのコーティングを作る方法
(51)【国際特許分類】
C23C 4/11 20160101AFI20230913BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20230913BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
C23C4/11
F01D25/00 L
F01D25/00 Q
F02C7/00 C
F02C7/00 D
(21)【出願番号】P 2018168925
(22)【出願日】2018-09-10
【審査請求日】2021-09-10
(32)【優先日】2017-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590005449
【氏名又は名称】アールティーエックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】RTX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ケイラン エム.ウェッセルズ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ティー.ヘイゼル
(72)【発明者】
【氏名】シュアン リウ
(72)【発明者】
【氏名】アール.ウェズリー ジャクソン
(72)【発明者】
【氏名】エリサ エム.ザレスキー
【審査官】菅原 愛
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0260132(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0159507(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0017260(US,A1)
【文献】特表2015-501375(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106086765(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0276352(US,A1)
【文献】Column Formation in Suspension Plasma-Sprayed Coatings and Resultant Thermal Properties,Journal of Thermal Spray Technology,2011年,20(4),p.817-828
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 4/11
F01D 25/00
F02C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミノケイ酸カルシウムマグネシウム(CMAS)耐性コーティングシステムであって、
外側コーティングを備え、前記外側コーティングは、
優先的材料蓄積によって材料堆積中に形成された複数の柱状構造であって、複数のランダム配向する粒子スプラット及びCMAS反応性材料を含み、前記柱状構造が、5パーセント未満の全多孔度を有する、複数の柱状構造と、
前記外側コーティングの最外面から前記外側コーティングの全体厚さ以下の前記外側コーティングの第1の深さまで延在する複数の概略垂直配向するギャップであって、隣接する柱状構造を分離し、前記複数の垂直配向するギャップのメジアンギャップ幅が、5マイクロメートル未満である、複数の概略垂直配向するギャップと、
を備え、
前記複数の垂直配向するギャップは、隣接する柱状構造を分離する連結多孔度のバンドであ
り、
前記外側コーティングの少なくとも90パーセントは、隣接する垂直配向するギャップを連結する概略水平配向するギャップがない、CMAS耐性コーティングシステム。
【請求項2】
前記複数の垂直配向するギャップの前記メジアンギャップ幅は、3マイクロメートル未満である、請求項1に記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【請求項3】
前記CMAS反応性材料は、18~100モルパーセントの範囲にある希土類元素含有量を含む、請求項1に記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【請求項4】
前記CMAS反応性材料は、ガドリニアを含む、請求項1に記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【請求項5】
前記柱状構造は、3パーセント未満の全多孔度を有する、請求項1に記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【請求項6】
前記外側コーティングは、10パーセント未満の全多孔度を有する、請求項1に記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【請求項7】
前記外側コーティングは、5パーセント未満の全多孔度を有する、請求項1に記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【請求項8】
前記複数の垂直配向するギャップのそれぞれの間の平均距離は、25~500マイクロメートルの範囲にある、請求項1に記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【請求項9】
前記複数の垂直配向するギャップは、クラックであり、複数の垂直配向クラックをさらに有する、請求項1に記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【請求項10】
前記クラックは、前記コーティングの最外面から前記外側コーティングの厚さの60パーセント未満の深さまで延在する、請求項9に記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【請求項11】
前記複数の垂直配向するギャップの最も外側の部分は、CMAS及び前記CMAS反応性材料の結晶化生成物が充填され、前記複数の垂直配向するギャップは、前記外側コーティングの最外面から前記外側コーティングの第2の深さまで充填され、前記第2の深さは 、前記第1の深さより小さい、請求項1に記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【請求項12】
前記第2の深さは、前記外側コーティングの全体厚さの半分未満である、請求項11に記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【請求項13】
内側コーティングをさらに備え、前記内側コーティングは、
複数の柱状構造と、
前記外側コーティングの材料と異なる化学組成を有する材料と、
を備える、請求項1に記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【請求項14】
アルミノケイ酸カルシウムマグネシウム(CMAS)耐性コーティングを形成する方法であって、
液体媒体内に懸濁されたセラミック粒子を含む懸濁液フィードストックを設けることであって、前記セラミック粒子が、CMAS反応性材料を含む、設けることと、
前記セラミック粒子を基材上に堆積させることであって、それにより、5パーセント未満の多孔度を有する複数の柱状構造を形成する、前記堆積させることと、
前記コーティングの第1の厚さを通して前記コーティングの最外面から延在する複数の概略垂直配向するギャップを形成することと、
を含み、前記複数の垂直配向するギャップが、5マイクロメートル未満のメジアンギャップ幅を有し、
前記複数の垂直配向するギャップは、隣接する柱状構造を分離する連結多孔度のバンドであ
り、
前記懸濁液フィードストックを溶射することが、
前記基材にわたって複数の溶射パスを作ることであって、それにより、層ごとに前記コーティングの全体厚さを増加させる、作ることと、
前記コーティングの少なくとも90体積パーセントが、前記コーティング内で、隣接する垂直配向するギャップを連結する概略水平配向するギャップがないように、前記コーティングの高密度パス間領域を生成することと、
を含む、アルミノケイ酸カルシウムマグネシウム(CMAS)耐性コーティングを形成する方法。
【請求項15】
前記CMAS反応性材料は、希土類元素を含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記CMAS反応性材料は、ガドリニアを含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記垂直配向するギャップの一部分を溶融CMASの浸入からシールすることをさらに含み、
シールすることは、前記複数の垂直配向するギャップの一部分にCMAS及びCMAS反応性材料の結晶化生成物を充填することを含み、前記充填される部分は、前記コーティングの最外面から延在する、請求項
14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、高温にさらされるコンポーネント用の遮熱コーティング(TBC)システムに関する。より詳細には、本発明は、ガスタービンエンジンのコンポーネント(例えば、燃焼器ならびにタービンブレード及びベーン)のための、アルミノケイ酸カルシウムマグネシウム(CMAS)耐性TBCシステム及びそのTBCシステムを生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
TBCシステムは、従来、高温及び/または環境汚染にさらされるガスタービンエンジンのコンポーネントに適用されて、そのコンポーネントを保護しその寿命を延長する。TBCシステムは、基礎にある基材に対して、酸化、腐食、侵食、及び他の環境的損傷を阻止するのに役立ち得る。従来のTBCシステムは、一般に、セラミックトップコート及び金属ボンドコートを含む。運転中、TBCシステムは、CMAS汚染物質を含む環境的埃及びデブリによる損傷を受け易い可能性がある。高温において、CMASは、溶融し多孔性TBCシステムに浸透し、それが、TBCシステムの応力許容度を減少させ、剥離を促進し得る。
【0003】
電子ビーム物理気相堆積(EB-PVD)によって堆積されるTBCに対する代替として、懸濁液プラズマ溶射式TBCが開発された。懸濁液プラズマ溶射技法は、応力許容度を改善し得る、EB-PVDによって生成される構造と同様の柱状構造を有するコーティングを生成し得る。EB-PVDコーティングとは異なり、懸濁液プラズマ溶射式コーティングは、通常、厚さ方向に貫通し垂直に配向する大きな柱状部間ギャップによって分離された多孔性柱状部を有する。懸濁液プラズマ溶射を使用して生成される柱状構造は、同様に、垂直配向するギャップを連結し得る、材料堆積パスの間に形成される水平に配向するパス間多孔性バンドまたはクラックを有し得る。概略大きな垂直に配向する柱状部間ギャップ及びパス間多孔性バンドまたはクラックは、セラミックトップコートの厚さを通して材料マトリックスに入る溶融CMASの浸入を受入れ、セラミックトップコートの機械的安定性を実質的に低下させる。代替の、高密度の垂直にクラックしたTBCが、懸濁液プラズマ溶射を使用して開発された。高密度の垂直にクラックしたコーティングは、応力を逃がすために形成された厚さ方向に貫通するクラックを用いる大気プラズマ溶射によって生成されるコーティングと同様、よりラメラに見える構造を有し得る。クラックが狭い可能性があるが、コーティングの全体厚さまたはほぼ全体厚さを通って延在する平行に向く表面は、溶融CMAS浸透のために実質的に直線の経路を提供し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、アルミノケイ酸カルシウムマグネシウム(CMAS)耐性コーティングは、優先的材料蓄積によって材料堆積中に形成された複数の柱状構造と、隣接する柱状構造を分離する複数の概略垂直配向するギャップとを有する外側コーティングを含む。柱状構造は、複数のランダム配向する粒子スプラット及びCMAS反応性材料を含み、5パーセント未満の全多孔度を有する。複数の概略垂直配向するギャップは、外側コーティングの最外面から外側コーティングの全体厚さ以下の外側コーティングの第1の深さまで延在する。垂直配向するギャップは、5マイクロメートル未満のメジアンギャップ幅を有する。
【0005】
別の態様において、アルミノケイ酸カルシウムマグネシウム(CMAS)耐性コーティングを形成する方法は、液体媒体内に懸濁されたセラミック粒子を含む懸濁液フィードストックを設けることであって、セラミック粒子が、CMAS反応性材料を含む、設けることと、セラミック粒子を基材上に堆積させることであって、それにより、5パーセント未満の多孔度を有する複数の柱状構造を形成する、堆積させることと、コーティングの第1の厚さを通してコーティングの最外面から延在する複数の概略垂直配向するギャップを形成することと、を含み、複数の概略垂直配向するギャップは、5マイクロメートル未満のメジアンギャップ幅を有する。
【0006】
本要約は、限定としてではなく、単に例として提供される。本開示の他の態様は、明細書全体、特許請求の範囲、及び添付図面を含む、本開示の全体を考慮して理解される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図1のコーティングを生成するためのステップの図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
先に特定した図は本発明の実施形態を述べるが、他の実施形態が、議論において留意されるように、同様に企図される。全ての場合に、本開示は、限定としてではなく代表として本発明を提示する。本発明の原理の範囲及び趣旨内に入る多数の他の修正及び実施形態が当業者によって考案され得ることが理解されるべきである。図は、一定の縮尺で描かれなくてもよく、本発明の適用形態及び実施形態は、図面に特に示されない特徴、ステップ、及び/または構成要素を含んでもよい。
【0009】
懸濁液プラズマ溶射が使用されて、水平配向するギャップによって実質的に連結されていない狭く概略垂直配向するギャップによって分離された高密度で不規則形状の柱状構造を有するアルミノケイ酸カルシウムマグネシウム(CMAS)耐性遮熱コーティング(TBC)を堆積し、それにより、溶融CMASの浸入を制限することができる。本明細書で使用するとき、用語「垂直配向するギャップ」は、柱状構造を分離する連結多孔度バンド及びクラックを指す。比較的高い多孔度の垂直配向するバンドは、当技術分野で知られているように、カリフラワー型コーティング表面トポロジーによって通常示される、柱状部における優先的な材料蓄積によって堆積中に形成され得る。クラックは、熱応力によって、堆積中にまたは堆積後に形成し得、コーティングの材料マトリックスにおける破断を示し得る。クラックは、多孔度バンドに沿ってかつ孔の間に形成し得る。本明細書で使用するとき、連結多孔度の垂直配向するバンド及びクラックは共に、柱状構造の不規則形状に従う。幾つかの実施形態において、コーティングは、材料堆積中に形成される垂直配向する連結多孔度バンドと垂直配向するクラックの両方を含み得る。幾つかの実施形態において、垂直配向するクラックは、同様に、柱状構造内で形成し得る。本明細書で使用するとき、用語「概略垂直配向する」は、コーティングまたは基材の内側表面からコーティングの外側表面まで延在する方向に配向するギャップを指す。用語「概略垂直配向する」及び「垂直配向する」は、本明細書において、交換可能に使用される。堆積中に形成される垂直配向するギャップは、溶射角度に概略整列し、溶射角度は、通常、基材から45°から90°の間で変動し得る。溶射角度が、付着強度等のコーティングの機械的特性を最適化するために設定され得るが、複雑なコンポーネント幾何形状は、時として、基材にわたる溶射角度の変動を必要とし得る。垂直配向するギャップは、垂直配向するギャップと基材との間に形成される角度を指すアライメント角度を有し得る。アライメント角度は、基材にわたってプラズマ溶射ガンを横断させることによって引き起こされるガス流の変動による或る程度の変動を持った状態で溶射角度に実質的に一致し得る。
【0010】
柱状構造は、コーティング厚さを通して幅が変動し、コーティングの最外面の近くで幅が概略増加し、それにより、柱状部に不規則形状を与え得る。柱状構造の境界は、オフ角に影響を与え得る個々の粒子の堆積に依存して不明瞭であり、種々のスプラット形状及び配向を形成し、隣接する柱状構造の間の連結多孔度の蛇行バンド及びクラックを生成し得る。蛇行経路は、運転中に、溶融CMASを含む汚染物質の浸入を制限し得る。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「水平配向するギャップ」は、パス間多孔度バンド及びクラックを指す。パス間多孔度バンドは、堆積中に形成され、プラズマ溶射トーチの各パスによって堆積された材料層の間の境界を示し得る。材料層の数は、所望のコーティング厚さ及び堆積レートに応じて変動し得る。堆積レートは、5から50より多い数までの層を一般に必要とするコーティングを生成するために、一般に、<1から25μm/パスの範囲にあり得る。パス間多孔度バンドは、コーティングにわたって概略水平配向で延在し得る。一部のコーティングにおいて、パス間多孔度バンドは、柱状構造にわたって波打ち得る。他のコーティングにおいて、パス間多孔度バンドは、垂直配向するギャップのすぐ隣の領域に制限され、柱状微細構造の全体の幅より小さい長さに延在し得る。パス間多孔度バンドは、垂直配向するギャップから延在し、垂直配向するギャップの領域内に増加した多孔度を有し得る。一部のコーティングにおいて、水平配向するクラックは、パス間境界に沿って形成し得る。クラックは、コーティングの材料マトリックス内の破断を一般に示し、熱応力によって、堆積中にまたは堆積後に形成し得る。パス間多孔度バンドのように、水平配向するクラックは、垂直配向するギャップから柱状微細構造の少なくとも部分的幅にわたって延在し得、垂直配向するギャップとの交差部の近くにより大きな断面積を有し得る。
【0012】
従来の懸濁液プラズマ溶射式コーティングは、大きな垂直配向する柱状部間ギャップならびに水平配向するギャップを有する多孔性柱状構造を一般に有し、多孔性柱状構造は、運転中に溶融CMASの浸入を可能にし得る。
図1は、本発明のTBCシステムを示す。
図1は、それぞれ、クラック及び連結多孔度のバンドからなる複数の狭い垂直配向するギャップ12及び12’によって特徴付けられるCMAS耐性TBCシステム10の略図を提供する。
【0013】
図1は、基材14に適用されたCMAS耐性TBCシステム10を示す。CMAS耐性TBCシステム10は、ボンドコート16、セラミックトップコート18、溶融CMAS20、及び沈殿剤22を含み得る。基材14は、ガスタービンエンジンのホットセクション用のコンポーネント(例えば、燃焼器パネル及びタービンブレード、ブレード外側空気シール、ならびに固定ベーン)の製造において一般に使用される、ニッケルまたはコバルトベース超合金、耐熱合金、またはセラミックマトリックス複合材料(CMC)であり得る。ボンドコート16は、高温酸化及び腐食から基材14を保護し、セラミックトップコート18の付着性を改善し得る。ボンドコート16は、当技術分野で知られているように、基材14に適用された、例えば、アルミニドまたはMCrAlY(式中、Mは、鉄、コバルト、またはニッケルであり得る)を含む拡散またはオーバレイボンドコートであり得る。幾つかの実施形態において、基材14及び/またはボンドコート16の表面は、グリットブラスティングまたはピーニング等によって粗化されて、TBCセラミックトップコート18の付着性を改善し得る。幾つかの実施形態において、表面粗さは、垂直配向するギャップ12及び12’の所望の形成を誘起するために最適化され得る。
【0014】
セラミックトップコート18は、懸濁液または溶液前駆体プラズマ溶射技法あるいはその組み合わせを使用してボンドコート16上に堆積され得る。セラミックトップコート18は、概略垂直配向するギャップ12及び/または12’によって分離された複数の柱状構造24を含み得る。セラミックトップコート18は、材料密度を増加させるように堆積され、5パーセント未満の全多孔度を有する柱状構造24を提供し得る。幾つかの実施形態において、柱状構造24の全多孔度は、4パーセント未満、他の実施形態において、2パーセント未満または3パーセント未満であり得る。本明細書で論じるように、柱状構造24の全多孔度は、垂直配向するギャップ12及び/または12’の多孔度を排除する。柱状構造24の低い多孔度は、セラミックトップコート18の耐久性及び靱性を改善し、溶融CMAS等の汚染物質の浸入を低減し得る。先に論じたように、柱状構造24は、堆積中の材料の優先的な蓄積によって形成され、ランダム配向する粒子スプラット25を含み得、ランダム配向する粒子スプラット25は、粒子がいろいろな角度で表面に衝突する際に、形成され得る。
【0015】
セラミックトップコート18は、基材14にわたるプラズマ溶射トーチの各パスによって形成される複数の材料層(図示せず)を含み得、複数の材料層は、組み合わされて、セラミックトップコート18の全体厚さを提供し得る。幾つかの実施形態において、セラミックトップコート18の全体厚さは50~500μmであり得、各材料層は、<1から25μmまでの平均厚さを有し得る。セラミックトップコート18は、複数の微細な概略垂直配向するギャップ12及び/または12’を含み得る。垂直配向するギャップ12及び12’は、セラミックトップコート18の応力許容度を改善し、それにより、運転中に温度サイクリングにさらされると、セラミックトップコート18の機械的安定性を増加させ得る。隣接する垂直配向するギャップ間の間隔は、25~500μmの範囲にあり得る。一般に、応力許容度は、垂直配向するギャップ間の間隔が減少するにつれて増加する。垂直配向するギャップ12及び12’は、セラミックトップコート18の外側表面26からセラミックトップコート18の部分的または全体厚さに等しいセラミックトップコート18内の深さまで延在し得る。クラックである垂直配向するギャップ12は、比較的浅く、一般に全体厚さの約50パーセントであるが、一般に全体厚さの60パーセントを超えない深さまで延在し得る。連結多孔度バンド12’は、継続してクラック12の下にあって残りのコーティング厚さを通り、コーティングの全体厚さを通して応力許容度を改善し得る。垂直配向するギャップ12及び12’の量及びサイズは、セラミックトップコート18の全多孔度を増加させ得る。幾つかの実施形態において、セラミックトップコート18は、5パーセント未満の柱状構造24の全多孔度を有する状態で、10パーセント未満の全多孔度を有し得る。幾つかの実施形態において、セラミックトップコート18は、7パーセント未満の全多孔度を有し得る。
【0016】
セラミックトップコート18は、限定はしないが、溶融CMAS20と反応し得る希土類ジルコン酸塩、ハフニウム酸塩、またはチタン酸塩を含むCMAS反応性材料を含み得、CMAS反応性材料は、運転中にセラミックトップコート18の最外面を形成し得る。溶融CMAS20は、柱状構造24の開口した孔、垂直配向するギャップ12及び12’、及び水平配向するギャップに浸入し得る。溶融CMAS20は、柱状構造24の希土類元素と反応して、沈殿物を形成し得、その沈殿物は、狭い垂直配向するギャップ12及び12’をシールし、それにより、セラミックトップコート18内への溶融CMAS20の更なる浸入を阻止し得る。ギャップ12及び12’の蛇行性は、運転中に、溶融CMASを含む汚染物質の浸入を制限し得る。隣接する材料マトリックス24の間に延在する垂直配向するギャップ12及び12’の幅は、溶融CMASを含む汚染物質の浸入を低減するために最小化され得る。垂直配向するギャップ12及び12’は、隣接する柱状構造24の間でギャップ12及び12’の長さに沿って測定されると、5μm未満の、幾つかの実施形態において、2μm未満または3μm未満のメジアンギャップ幅(w)を有し得る。幾つかの実施形態において、垂直配向するギャップは、セラミックトップコート18の最外面26の近くで少なくとも25μmにわたって延在する5μm未満の全体幅を有して、柱状構造24と溶融CMAS20との間の反応レートが、垂直配向するギャップ12及び12’内への浸入レートより速いことを保証する。垂直配向するギャップ12及び12’は、増加した幅のポケットを有し得るが、こうしたポケットは、数及びサイズが制限され得る。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「希土類」は、ランタン系列ならびにイットリウム及びスカンジウムの元素を指す。一実施形態において、セラミックトップコート18は、従来のYSZコーティング(ZrO2-4モル%Y2O3)より大きなCMAS耐性を提供し得るジルコン酸ガドリニウム(GZO)を含み得る。溶融CMAS20は、酸化ガドリニウム(Gd2O3)と反応して、溶融CMASを消費し固化し得る結晶化アパタイト相を形成し得る。結晶アパタイト相沈殿物は、5μm未満のギャップ幅(w)を有する垂直配向するギャップ12及び12’内で、溶融CMAS20の浸入より速いレートで形成し得、それにより、垂直配向するギャップ12及び12’をシールし、セラミックトップコート18内への溶融CMAS20の更なる浸入を阻止し得る。溶融CMAS20は、5μmより大きいギャップ幅(w)を有する懸濁液プラズマ溶射式コーティングの垂直配向するギャップ12及び12’に完全に侵入し得る。先に論じたように、セラミックトップコート18の垂直配向するギャップ12及び12’内への溶融CMAS20の浸入は、セラミックトップコート18の応力許容度及び耐久性を減少させる。ギャップ幅(w)を減少させることによって、溶融CMAS20の浸入は、垂直配向するギャップ12及び12’の全体深さに達する前に停止され得、それが、セラミックトップコート18に対する溶融CMAS20の影響を制限し得る。一実施形態において、溶融CMAS20浸入は、垂直配向するギャップ12及び12’に入り、セラミックトップコート18の全体厚さの50パーセントを超えないセラミックトップコート18の深さまで延在する。ガドリニア(及び、他の希土類元素)の使用は、同様に、溶融CMAS20の粘度を著しく増加させ得、それが、溶融CMAS20の浸入を減少させ得る。セラミックトップコート18は、18~100パーセントの範囲の希土類含有量(例えば、18~100モルパーセントGd2O3-残部ZrO2)を含んで、溶融CMAS浸入に抗するのに十分な反応性材料を提供し得る。本出願のCMAS反応性材料は、ガドリニアまたは希土類元素に限定されない。垂直配向するギャップ12及び12’をシールし得る沈殿物を形成するためにCMASと反応することが可能ないずれの材料も、本発明の範囲内にあることが当業者によって理解されるであろう。
【0018】
いくつかの実施形態では、セラミックトップコート18は、所望により、別個のコーティング層として堆積された2つ以上の材料を含むことができる。例えば、
図1の点線内に示されるように、セラミックトップコート18は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなる内側部分18aと、GZOからなる外側部分18bとを有することができる。
図1に示すようなマルチマテリアルコーティングは、機能的及び/または機械的利点を提供することができ、コストを低減することもできる。両コーティングとも、柱状構造24を形成するような方法で堆積させることができる。垂直配向するギャップ12及び12’の幅を狭くすることにより、高価であるが反応性であるGZOを使用することは、溶融CMAS20が集まる外側表面26に隣接するセラミックトップコート18の最外部18bに限定することができる。いくつかの実施形態では、外側部分18bの厚さは50~495μmとすることができ、内側部分18aの厚さは5~100μmとすることができる。セラミックトップコート18の機能的特性及び機械的特性を最適化するために、コーティング部分18a及び18bのそれぞれに異なる材料堆積パラメータを使用することができる。垂直配向するギャップ12’は、
図1に示すように、部分18a及び18bの両方を通って途切れることなく延在することができる。あるいは、部分18a及び部分18bのそれぞれは、独自の垂直配向するギャップ12及び/または12’を有することができ、または垂直配向するギャップ12及び/または12’のうち少なくともいくつかは、部分18bから部分18aまで不連続とすることができる。いくつかの実施形態では、内側部分18aの柱状構造24は、外側部分18bに存在する垂直配向するクラック12とは対照的に、垂直配向する結合した気孔12’のバンドによって大部分が画定されることができる。いくつかの実施形態では、外側部分18b内の柱状構造24の全多孔度は、内側部分18a内の柱状構造24の全多孔度と異なることがある。同様に、垂直配向するギャップ12及び12’の幅は変化することがある。いくつかの実施形態では、外側部分18b内の柱状構造24の全多孔度は、内側部分18a内の柱状構造24の全多孔度よりも低く、垂直配向するギャップ12及び12’の平均の幅は、外側部分18bに対してより狭くなっている。本明細書に記載されている2つの区分を有するセラミックトップコート18では、溶融CMAS20の浸潤は、垂直配向するギャップ12及び12’の中へ外側部分18bの総厚さ以下であるセラミックトップコート18の深度まで延在することができる。いくつかの実施形態では、溶融CMAS20の浸潤は、垂直配向するギャップ12及び12’の中へ外側部分18bの全体厚さの50パーセント未満の深度まで延在する。
【0019】
垂直配向するギャップ12及び12’を接続する水平配向するギャップは、溶融CMAS20のセラミックトップコート18への浸潤を増加させ、これによってセラミックトップコート18の破損を起こすことがある。柱状構造24は、垂直配向するギャップ12及び12’を接続する水平に配向されたギャップを実質的に含まなくてもよい。本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」とは、柱状構造24の少なくとも90パーセントが、垂直配向するギャップ12及び12’を接続する概略水平配向するギャップを含まないことを意味する。
【0020】
図2は、CMAS耐性TBCシステム10及び10’を作製するための方法100を示している。懸濁液フィードストックは、プラズマ溶射トーチに供給され得る(ステップ102)。懸濁液フィードストックは、液体媒体中に懸濁したセラミック粒子で構成され得る。セラミック粒子は、CMAS反応性材料を含むことができる。懸濁液フィードストックは、プラズマ溶射トーチでコーティングする基材の表面に向けて溶射することができる(ステップ104)。セラミック粒子は基材上に堆積させることができ、柱状構造を分離する狭い垂直配向するギャップと、垂直配向するギャップを連結する水平配向するギャップを実質的に含まない高密度のパス間領域とを有するコーティングを形成することができる(ステップ106、108、及び110)。
【0021】
[実施例]
図3は、Progressive Surface100HE(商標)プラズマトーチを使用してAlloy718基材14に生成された内部YSZ部分18a及び外部GZO部分18bを有する2部分構成のセラミックトップコート18の斜視図を提供する。GZO部分は、95kWの総トーチ電力、及び85SLMのアルゴン、57SLMの水素、及び57SLMの窒素からなる199SLMの総ガス流量を用いて堆積されている。プラズマトーチは、593mm/秒の速度及び76.2mmのスタンドオフ距離(プラズマトーチノズルと基材との間の距離)で、基材を横断してラスター化される。フィードストック材料は、エタノールに懸濁した1.0μmのメジアン粒径(d
50)を有する25重量%のGZO粉末(33モル%のGd
2O
3、ZrO
2の残部)である。懸濁液の供給速度は、90ml/分の組み合わせた供給速度のために、2つの直径230μmのインジェクタのそれぞれを介した45ml/分に維持される。
【0022】
走査型電子顕微鏡で評価した、得られたセラミックコーティングは、2μm未満のメジアンギャップ幅(w)及び約100μmの平均間隔を有する複数の概略垂直配向するギャップ12及び12’を有するGZO部分18bを含む。YSZ層18aはまた、垂直配向するギャップ12’(符号なし)を有する。セラミックトップコート18は、水平配向するギャップを実質的に含まない。GZO部分18bの全多孔度は3.0パーセントである。柱状構造24(YSZ層18aを除く)の全多孔度は2.7パーセントである。多孔度は、走査型電子顕微鏡の250倍の倍率でのコントラストによって決定される。マトリックス多孔度は、2μm2未満の個々の気孔面積を有する全ての気孔の合計によって、ギャップ気孔率と区別される。気孔率分析は、YSZ部分18a及びGZO部分18bの厚さの上部25パーセントを除外する。懸濁液プラズマ溶射と一致して、柱状構造24の微細構造は、ランダムに配向された粒子スプラットと、衝突の前に少なくとも部分的に溶融して凝固した粒子とによって画定され、その両方が顕微鏡写真で視認できる。
【0023】
わずかに調整したスプレーパラメータで同様の微細構造を作製することもできる。一実施形態では、プラズマトーチの総電力は105kWに増加させることができ、総ガス流量は142SLMのアルゴン、50SLMの水素、及び76SLMの窒素からなる268SLMに増加させることができる。全ての実施形態において、材料供給速度は90ml/分に維持することができ、インジェクタの直径及びインジェクタの数は(一般的には1~3の間で)変化させることができる。メジアン粒径(d
50)は、0.8~1.8μmの間で変化させることができる。列挙した範囲内の粒子径は、メジアン径(d
50)が0.5μm以下の粒子と比較して、プラズマ流の液滴サイズを増加させることが見出されている。5μm未満である垂直配向する狭いギャップを有する高密度の垂直に亀裂の入ったコーティング(
図1)は、粒子の1.8~2.6μmの範囲の増加したメジアン粒子直径(d
50)を有する上記実施例に開示されたスプレーパラメータを用いて形成することができる。
【0024】
CMAS反応性セラミックトップコート、及び幅が5μm未満である狭い垂直配向するギャップによって分離された柱状構造を有し、垂直配向するギャップを接続する水平に配向したギャップを実質的に有さない高密度CMAS耐性TBCシステムを生成するために、懸濁液プラズマスプレーが使用されることができる。狭い垂直配向するギャップと、CMAS反応性材料マトリックスと、垂直配向するギャップを接続する水平配向するギャップの欠如とは、作動中に溶融CMASのセラミックトップコートへの浸潤を制限し、かつ/または防止することができる。
【0025】
要約
「実質的に」、「本質的に」、「一般に」、「おおよそ」などの本明細書で使用される相対用語または程度の用語は、本明細書に明示的に適用される定義または限界に従って解釈されるべきである。すべての例において、本明細書で使用される相対用語または程度の用語は、関連する開示された実施形態、及び本開示の全体を考慮して当業者によって理解される範囲または変形を広く包含するものと解釈されるべきであり、例えば、通常の製造許容値変動、偶発的な位置決め変化、温度、回転または振動の動作条件などによって誘発される一時的な位置決め変化または形状変化を包含する。さらに、本明細書で使用されるあらゆる相対用語または程度の用語は、適格な相対用語または程度の用語が所与の開示や詳細説明で利用されなかったかのように、指定された品質、特性、パラメータまたは値を明示的に含む範囲を包含するものと解釈されるべきである。
【0026】
可能性のある実施形態の考察
以下は、本発明の可能性のある実施形態の包括的な説明である。
【0027】
アルミノケイ酸カルシウムマグネシウム(CMAS)耐性コーティングは、優先的な材料蓄積のために材料堆積中に形成された複数の柱状構造と、隣接する柱状構造を分離する複数の概略垂直配向するギャップとを有する外側コーティングを含む。柱状構造は、複数のランダムに配向された粒子スプラット及びCMAS反応性材料を含み、5パーセント未満の全多孔度を有する。複数の概略垂直配向するギャップは、外側コーティングの最外面から外側コーティングの全体厚さ以下の外側コーティングの第1の深さまで延在している。垂直配向するギャップは、5マイクロメートル未満のメジアンギャップ幅を有する。
【0028】
前項のCMAS耐性コーティングは、所望により、以下の特徴、構成及び/または追加構成要素のうちの任意の1つまたは複数を追加的及び/または代替的に含むことができる。
【0029】
複数の垂直配向するギャップのメジアンギャップ幅が3マイクロメートル未満である、前項のCMAS耐性コーティングシステム。
【0030】
CMAS反応性材料が、18~100モルパーセントの範囲の希土類元素含有量を含む、前項のいずれかに記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【0031】
CMAS反応性材料がガドリニアを含む、前項のいずれかに記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【0032】
柱状構造が3パーセント未満の全多孔度を有する、前項のいずれかに記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【0033】
外側コーティングが10パーセント未満の全多孔度を有する、前項のいずれかに記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【0034】
外側コーティングが5パーセント未満の全多孔度を有する、前項のいずれかに記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【0035】
各複数の垂直配向するギャップの間の平均距離が、25~500マイクロメートルの範囲である、前項のいずれかに記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【0036】
複数の垂直配向するギャップが、隣接する柱状構造を分離する連結多孔度のバンドである、前項のいずれかに記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【0037】
複数の垂直配向するギャップがクラックである、前項のいずれかに記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【0038】
クラックがコーティングの最外面から外側コーティングの厚さの60パーセント未満の深さまで延在する、前項のいずれかに記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【0039】
複数の垂直配向するギャップの最も外側の部分は、CMAS及びCMAS反応性材料の結晶化生成物が充填され、また、複数の垂直配向するギャップは、外側コーティングの最外面から外側コーティングの第2の深さまで充填され、第2の深さが第1の深さ未満である、前項のいずれかに記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【0040】
第2の深さが外側コーティングの全体厚さの半分未満である、前項のいずれかに記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【0041】
外側コーティングの少なくとも90パーセントが、隣接する垂直配向するギャップを連結する概略水平配向するギャップを含まない、前項のいずれかに記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【0042】
複数の柱状構造と、外側コーティングの材料とは異なる化学組成を有する材料とを有する内側コーティングをさらに含む、前項のいずれかに記載のCMAS耐性コーティングシステム。
【0043】
アルミノケイ酸カルシウムマグネシウム(CMAS)耐性コーティングを形成する方法が、液体媒体中に懸濁されたCMAS反応性材料からなるセラミック粒子を含む懸濁液フィードストックを提供することと、5パーセント未満の多孔度を有する複数の柱状構造を形成するためにセラミック粒子を基材上に堆積することと、5マイクロメートル未満のメジアンギャップ幅を有し、コーティングの最外面からコーティングの第1の厚さを通じて延在する、複数の概略垂直配向するギャップを形成することとを含む。
【0044】
前項の方法は、所望により、以下の特徴、構成及び/または追加の構成要素のうちの任意の1つまたは複数を追加的及び/または代替的に含むことができる。
【0045】
CMAS反応性材料が希土類元素を含む、前項に記載の方法。
【0046】
CMAS反応性材料がガドリニアを含む、前項のいずれかに記載の方法。
【0047】
懸濁液フィードストックを溶射することが、層ごとの方法でコーティングの全体厚さを増加させるために基材を横切る複数の溶射パスを形成することと、コーティングの容積の少なくとも90パーセントが、コーティング内で隣接する垂直配向するギャップを接続する概略水平配向するギャップを含まないように、コーティングの高密度のパス間領域を形成することとを含む、前項のいずれかに記載の方法。
【0048】
溶融CMASの浸入から垂直配向するギャップの一部をシールすることであって、シールすることが、複数の垂直配向するギャップの一部にCMAS及びCMAS反応性材料の結晶化生成物を充填することを含む、前項のいずれかに記載の方法。充填された部分は、コーティングの最外面から延在している。
【0049】
例示的実施形態(複数可)を参照して本発明を説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われることができ、その等価物がそれらの要素と置き換えられ得ることは当業者には理解されるであろう。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況や材料を本発明の教示に適合させるために多くの変更が行われ得る。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態(複数可)に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に当てはまるすべての実施形態を含むことを意図している。