(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】包装装置、包装方法
(51)【国際特許分類】
B65B 13/18 20060101AFI20230913BHJP
B65B 61/02 20060101ALI20230913BHJP
B65B 13/32 20060101ALI20230913BHJP
B65B 57/02 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
B65B13/18 A
B65B61/02
B65B13/32
B65B13/18 G
B65B57/02 G
(21)【出願番号】P 2019105686
(22)【出願日】2019-06-05
【審査請求日】2022-05-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)平成31年2月13日~2月15日に「スーパーマーケット・トレードショー2019」にて公開 (2)平成31年2月19日~2月21日に「EURO CIS2019」にて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 康範
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀直
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-146117(JP,A)
【文献】特開2008-302623(JP,A)
【文献】特開2008-207849(JP,A)
【文献】特開昭63-067212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 13/18
B65B 61/02
B65B 13/32
B65B 57/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材を送り出す送り出し手段と、
前記包装材の先端を固着する固着手段と、
前記固着手段で固着するために前記包装材を保持する保持手段と、
前記包装材を
被包装物の全周長よりも短い規定量送り出した後に、前記保持手段が前記包装材の先端を保持した場合、前記包装材を
前記被包装物の全周長よりも長い量になるまで送り出す包装制御手段と
、
前記被包装物の全周長を入力する入力手段と、を備え
、
前記規定量は、前記入力手段で入力した当該被包装物の全周長よりも少ない量である
ことを特徴とする包装装置。
【請求項2】
前記送り出し手段の包装材送り出し方向の下流に前記包装材に印刷する印刷手段を備え、前記規定量に前記印刷手段で印刷する領域を含むことを特徴とする請求項
1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記包装制御手段は、前記印刷手段による印刷量が前記規定量を超える場合、該規定量とした送り出し量を、該印刷量とする送り出し量となるように設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の包装装置。
【請求項4】
被包装物の全周長を入力するステップと、
包装材を
前記入力した前記被包装物の全周長よりも少ない量である規定量送り出すステップと、
前記包装材の先端を保持するステップと、
前記被包装物を包装するために要する量まで前記包装材をさらに送り出すステップと、
前記包装材が前記先端と重なる部分を固着するステップとを有する包装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装装置、包装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
弁当や総菜の蓋付き容器を包装する帯掛け包装装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の帯巻装置は、先ずフィルムを送出し、操作者がフィルムの先端を、装置の物品載置面よりも上方に設けられた挿入口(挿入位置)に挿入することで、物品よりも大きい径のループを形成した後、フィルムを引き戻すことにより、フィルムで物品を巻き締め、そのフィルムを結合及び切断することで包装を行う。
【0003】
しかしながら、操作者が、物品に沿ってフィルムを移動させて、物品よりも大きい径のループを形成するように、フィルムの先端を装置の挿入口(挿入位置)に挿入するという煩雑な操作を行うことを要する。また、物品のサイズにより、送出されるフィルムの長さが異なり扱い難い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、被包装物の大きさに関わらず、簡単な操作により、短時間に、被包装物を包装材にて包装可能な包装装置、包装方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の包装装置は、少なくとも以下の構成を具備するものである。
包装装置は、包装材を送り出す送り出し手段と、
前記包装材の先端を固着する固着手段と、
前記固着手段で固着するために前記包装材を保持する保持手段と、
前記包装材を被包装物の全周長よりも短い規定量送り出した後に、前記保持手段が前記包装材の先端を保持した場合、前記包装材を前記被包装物の全周長よりも長い量になるまで送り出す包装制御手段と、
前記被包装物の全周長を入力する入力手段と、を備え、
前記規定量は、前記入力手段で入力した当該被包装物の全周長よりも少ない量である
ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の包装方法は、被包装物の全周長を入力するステップと、
包装材を前記入力した前記被包装物の全周長よりも少ない量である規定量送り出すステップと、
前記包装材の先端を保持するステップと、
前記被包装物を包装するために要する量まで前記包装材をさらに送り出すステップと、
前記包装材が前記先端と重なる部分を固着するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、被包装物の大きさに関わらず、簡単な操作により、短時間に、被包装物を包装材にて包装可能な包装装置、包装方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る帯掛け包装装置の一例を示す概念図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る帯掛け包装装置の一例を示す側面概念図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る帯掛け包装装置の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る帯掛け包装装置の制御手段(制御部)の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る帯掛け包装装置の記憶部に記憶されているデータ(ファイル)を説明するための図、(a)は商品ファイルの一例を示す図、(b)はトレーファイルの一例を示す図、(c)は印字フォーマットの一例を示す図である。
【
図7】帯掛け包装装置により印字された帯シートの一例を示す図である。
【
図8】帯掛け包装装置により帯シートを巻回した商品(物品)の一例を示す図、(a)は商品の斜視図、(b)は断面図である。
【
図9】帯掛け包装装置の帯掛け包装を説明するための概念図である。
【
図10】帯掛け包装装置の本体部に備えられている受け板の動作を説明するための斜視図である。
【
図11】帯掛け包装装置の本体部に備えられている受け板が突出した状態の一例を示す斜視図である。
【
図12】帯掛け包装装置の動作の一例を説明するための図であり、(a)は帯シートを説明するための図であり、(b)は設定量(設定長)だけ包装材(帯シート)を包装材ロールから送り出した状態の一例を示す図であり、(c)は小さいループの形成を説明するための図である。
【
図13】帯掛け包装装置の動作の一例を説明するための図であり、(a)は小さいループの形成を説明するための図であり、(b)は大きいループを形成したのち、ループ内に被包装物を配置した状態の一例を示す図である。
【
図14】帯掛け包装装置による帯シートの絞り込み動作の一例を説明するための図である。
【
図15】帯掛け包装装置の包装材(帯シート)の固着動作及び切断動作の一例を説明するための図である。
【
図16】帯掛け包装装置の設定画面(印字開始位置設定方法が手動)の一例を示す図である。
【
図17】帯掛け包装装置の設定画面(印字開始位置設定方法が固定)の一例を示す図である。
【
図18】本発明の実施形態に係る帯掛け包装装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る包装装置は、包装材を送り出す送り出し手段と、包装材の先端を固着する固着手段と、固着手段で固着するために包装材を保持する保持手段と、包装材を規定量送り出した後に、保持手段が包装材の先端を保持した場合、包装材を送り出し手段によりさらに送り出す包装制御手段とを有する。
また、本発明の実施形態に係る包装方法は、包装材を規定量送り出すステップと、前記包装材の先端を保持するステップと、被包装物を包装するために要する量まで前記包装材をさらに送り出すステップと、前記包装材が前記先端と重なる部分を固着するステップとを有する。
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。尚、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
【0012】
図1は本発明の実施形態に係る帯掛け包装装置の一例を示す概念図である。
図2は帯掛け包装装置の一例を示す斜視図である。
図3は帯掛け包装装置の一例を示す側面概念図である。
本発明の実施形態に係る帯掛け包装装置100(包装装置)は、被包装物としての物品(被帯掛け商品W)に、包装材としての帯シートsを周回させ、帯シートsの先端部分と重なり合う重合部分(重合部)を溶着することで、例えば物品としての蓋付きの商品Wの蓋を固定する。
具体的には、帯掛け包装装置100は、装填部2、ラベル貼付部3、印字部4(印刷手段)、フィード部5(帯シート搬送部)、溶着部6、切断部7、待機部80、表示操作部9などを有する。本実施形態では、帯掛け包装装置100は、その本体部100aに上記構成要素を備えている。なお、帯掛け包装装置100は、ラベル貼付部3を備えていてもよいし、備えていなくともよい。
【0013】
帯シートsは、樹脂製のフィルムや紙製のシートなどであり、厚みや剛性など様々なものを採用することができる。帯シートsは、帯掛け包装装置100の印字部4により、商品情報などが印字可能であってもよい。また、帯シートsは、印字部4により印字されたラベルが、帯シートsに貼付されてもよい。
【0014】
装填部2は、帯シートsをロール状に巻回した帯シートロールR(包装材ロール又はフィルムロールともいう)を装填可能に構成されている。
装填部2は、帯シートロールR(フィルムロール)を装填する場所において、中央に回転支持軸21が取り付けられており、その回転支持軸21はモータ15(帯シート巻取り駆動用モータ)で駆動するように構成されている。帯シートロールRから帯シートsを繰り出す場合、回転支持軸21が正回転(
図1に示す例では左回り)するようにモータ15が駆動制御される。
また、帯シートロールRがモータ15により逆回転することで、フィード部5の逆回転による帯シートsの引き戻し分が帯シートロールRに巻き取られる。また、装填部2は、テンションローラg1と巻取り駆動用モータ15を制御することにより帯シートsのたるみ等を防止するように構成されている。
【0015】
帯シートsのたるみ防止機構について、詳細には、テンションローラg1は、回転支持軸21と同軸上に設けられた回転軸(不図示)に軸支された腕部gu1の端部に設けられている。この腕部gu1には、帯シートsの張力を検出する張力検出部(張力センサ)が設けられ、さらに帯シートsの張力に応じてテンションローラg1の位置を円弧状に移動させる駆動モータ(不図示)が設けられている。
つまり、帯掛け包装装置100の制御部は、制御用の可動式ローラ(従動ローラ)を有する。帯シートの送り出し時と、巻き取り時の帯シートの張り(張力)を一定に維持するように、可動式ローラ(従動ローラ)の移動を制御する。
すなわち、帯シートロールRの外径により、帯シートの搬送に必要な送り量(セット軸(ロール支持軸)の回転角度)が異なる場合であっても、帯シートs(メディア)の張り(張力)を規定値(一定値)に維持することができる。
【0016】
次に、帯シートロールRから帯シートsの送り出しが停止した時の動作の一例を説明する。
テンションローラg1(可動式ローラ)に負荷が掛からなくなった場合(負荷が大きい状態から小さい状態となった場合)、テンションローラg1(可動式ローラ)は、規定位置(上方位置)に戻るように、駆動モータにより腕部gu1及びテンションローラg1の位置が制御される。この場合、帯シートセット軸(ロール支持軸)の駆動用モータ15は稼働せずに、反力のみで回転するように構成されていてもよい。
【0017】
また、帯掛け包装装置100は、装填部2の前面に、開閉自在な扉等のカバー部材(図示省略)が設けられており、帯シートsや帯シートロールRにゴミや埃などが付着しないように構成されている。
【0018】
ラベル貼付部3は、例えば、バーコード印字用ラベルを配置した台紙が巻回されたバーコードロール体3aからその台紙を引き出し、鋭角形状部を備える剥離部3bにて台紙から剥離したバーコード印字用ラベルを、帯シートロールRから引き出された帯シートsに貼付する。ラベルを取り除いた台紙は、巻取りローラ3cにより巻き取られる。
【0019】
印字部4は、帯シートロールRからテンションローラg1、ガイドローラg2を介して引き出された帯シートsに商品情報を印字し、帯シートsに貼付されたラベルにバーコードなどのコード情報を印字する。詳細には、印字部4は、サーマルヘッド4a(印字ヘッド)と、プラテンローラ24と、プラテンローラ24を駆動回転させるプラテン駆動用モータと、プラテンローラ24を上下移動させる移動機構(不図示)とを有する。サーマルヘッド4aとプラテンローラ24とは対向して配置されている。帯シートsに商品に関する商品情報が印字され、バーコード印字用ラベルにJANコードバーコードなどのコード情報が印字される。尚、帯シートs及びラベル用紙への印字は、帯シートの先端からの長さによって管理制御される。
また、印字部4は、帯シートsに貼付されたラベルに、商品情報等を印字してもよい。
【0020】
フィード部5(帯シート搬送部又は帯シート搬送手段)は、印字部4よりも帯シートsの搬送方向の下流側に配置されている。
フィード部5は一対のフィードローラ5a、5bを有し、フィードローラ5aとフィードローラ5bが対向して配置されている。
図1に示す例では、フィードローラ5bは大径駆動ローラであり、フィードローラ5aは小径従動ローラである。フィード部5は、帯シートsを初期ループ形成方向(正方向)に搬送し(繰り出し)、又は帯シートである初期ループを被帯掛け商品の外周に沿うように縮径する引き戻し方向(逆方向)に帯シートsを搬送する。
【0021】
搬送された帯シートsを、被帯掛け商品Wの外周に沿って巻回した後、フィード部5により引き戻し方向に帯シートが引き戻されて、被帯掛け商品を帯シートsにて巻き締めする(絞り込み)。
【0022】
溶着部6は、被帯掛け商品Wに巻回された帯シートsの重合部分(重合部)を溶着する。溶着部6は、本体部100aの溝部1の開口12に、帯シートsの繰り出し方向に向かい所定間隔をおいて鉛直に起立配置した第1押え板43(フロントクランプ)、第2押え板44(リヤクランプ)と、その第1押え板43と第2押え板44との間に配置した熱溶着部45(ヒータ)と、これら第1押え板43、第2押え板44及び熱溶着部45の真上位置に移動自在に配置した受け板46(受け部材)とで構成されている(
図1,
図3参照)。また、溶着部6は、上記第1押え板43、第2押え板44、熱溶着部45、受け板46等を駆動する駆動部8を有する。
フィード部5寄りに配置した第1押え板43には、上端面より僅か下方位置に帯シートsが嵌挿される通孔43hが開設されており、フィード部5の作動で繰り出される帯シートの先端はこの通孔43hを通って繰り出される。
第1押え板43より下流側に配置される第2押え板44の上端は、第1押え板43の通孔43hの下側孔縁と面一か或いは下側孔縁より下方となるように配置されている。
また、第1押え板43と第2押え板44との間に配置する熱溶着部45は、第1押え板43と第2押え板44で帯シートsを押えた後、熱溶着するため、待機時には、熱溶着部45の上端は第2押え板44の上端より下方に位置されている。
【0023】
第1押え板43と熱溶着部45の上端面を受け止める受け板46は、溝部1の側面上部に配置され、帯シートの搬送時に待機位置から溝部1に突出して商品載置面を形成する。
【0024】
切断部7は被帯掛け商品Wに巻回された帯シートsを所定の長さに切断する。例えば、切断部7は、帯シートsの重合部の近傍部分を切断する。切断部7のカッターは、第1押え板43と熱溶着部45との間に挾着配置され、且つ第1押え板43の側面に沿って、第1押え板43の通孔43hを越える位置まで上下することで、その通孔43hを貫通している帯シートsは第1押え板43の通孔43hの孔縁と切断部7によるせん断作用で切断されるように構成されている。
詳細には、帯シートsが第1押え板43(フロントクランプ)の通孔43hを通って、受け板46上に配置された商品(不図示)に巻回された状態で、第1押え板43が上方に移動し、帯シートsを受け板46に押圧することで、その帯シートsを把持する。次に、第2押え板44が上方に移動し、帯シートsを受け板46に押圧することで、その帯シートsを把持する。そして、熱溶着部45が上方に移動して、帯シートsの重合部に当接して熱溶着する。略同時に、切断部7が上方に移動して、その通孔43hを貫通している帯シートsが第1押え板43の通孔43hの孔縁と切断部7により切断される。帯シートを切断後、第1押え板43、第2押え板44、熱溶着部45、及び切断部7は、受け板46から離間する方向へ移動し、それぞれの待機位置に戻る。
なお、切断部7は、重合部近傍をせん断作用にて切断して、第1押え板43にて帯シートを押えておき、その後、熱溶着部45にて溶着するようにしてもよいし、帯シートの重合部を溶着部6により溶着したのち切断してもよい。
【0025】
上記した溶着部6と切断部7を上下駆動する駆動部8は、モータとカム機構とで構成され、カム機構はカムやリンク機構を第1押え板43、第2押え板44、熱溶着部45、切断部7に連結し、更に第1押え板43、第2押え板44、熱溶着部45と切断部7が順次時間差をおいて上下作動するように構成されている。カム機構の動作を制御するためにそのカムを回転する軸に回転板51を固着し、回転板51の外周所定箇所に設けた原点をカム原点センサ52で検知し、駆動部8が制御されるようになっている。
つまり、駆動部8が作動してカム機構が作動することで切断部7が上昇し、受け板46が切断部7の上方位置へ突出移動し、受け板46と切断部7とで帯シートが挟まれ、帯シートが切断される。
待機部80は、印字部4よりも下流側に配置され、且つフィード部5よりも上流側に配置されている。この待機部80は、印字部4により印字された帯シートsを待機させる。または、待機部80は、印字部4により印字されたラベルを貼付した帯シートsを待機させる。この待機部80は、帯掛け包装装置100の本体部100aの内部に、その本体部100a内の他の部分と区画された構造を有する。詳細には、待機部80は収容部80cを有し、収容部80cの上方に開口部80aが形成されている。
【0026】
表示操作部9は、タッチパネル入力部、キー入力部、表示部などを有し、設定情報や商品情報などの各種データの入力、入力データの表示、プリセットデータの表示、各種メッセージの表示などを行う。
【0027】
なお、帯掛け包装装置100の本体部100aの上部に設けられた報知ランプ71は、例えば、故障や包装の異常、包装モードなどを報知する。
【0028】
図4は本発明の実施形態に係る帯掛け包装装置100の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。帯掛け包装装置100は、帯掛制御部55、印字制御部56等を有する。なお、帯掛制御部55と印字制御部56が協働することで制御手段を実現してもよい。
【0029】
帯掛制御部55は、通信用INFを介して印字制御部56と接続され相互に交信できるように構成されており、帯掛制御部55及び印字制御部56は、制御部57(CPU)及びCPU61により制御される。
制御部57には、バス(通信線など)を介して、通信部50、ROM58(記憶部)、RAM59(記憶部)、帯掛機構駆動部60、帯シートの先端を検出する帯シート先端検出センサ53(停止センサ)、商品が載置される載置部付近に設けられた商品検出センサ54、カム原点センサ52、ラベル貼付部3(ラベル発行部)等が接続されている。
【0030】
ROM58には、制御部57が実行する制御プログラム(プログラム)等が格納されており、RAM59は制御部57とCPU61との通信データ等を一時記憶するエリアである。また、RAM59やROM58等の記憶部には、例えば帯シートに関する情報(帯シートの型番、幅、長さ、材質、剛性情報(こしの強さ))、被包装物(トレー等)に関する情報等が記憶されている。制御部57は、記憶部に記憶されている帯シートに関する情報、被包装物(トレー等)に関する情報等に基づいて、帯掛け制御を行う。
【0031】
制御部57は、制御プログラムを実行することにより、帯掛け包装装置100の各構成要素を統括的に制御する。また、制御部57は、制御プログラムを実行することにより、本発明に係る帯掛け包装装置100に関する機能を実現する。
【0032】
図5は本発明の実施形態に係る帯掛け包装装置100の制御部57(制御手段)の機能ブロックの一例を示す図である。
【0033】
帯掛け包装装置100の制御手段は、包装制御手段572、及び報知手段573等を有する。
【0034】
包装制御手段572は、被包装物(トレー等を含む商品W)を包装する処理を行う。包装制御手段572は、包装モード572B(第1の包装モード)等を有する。この包装モード572Bでは、包装材押え部により押えた包装材を、包装材ロールから設定量だけ送り出したのち、包装材を絞り込み、被包装物を前記包装材により包装した状態で、包装材の重合部分を固着部により固着する包装を行う。
【0035】
なお、包装モードは、これに限られるものではなく、例えば、包装装置の本体部にループガイド(不図示)を設けた場合に、制御手段は、そのループガイドを用いて包装を行うループガイド用包装モード(第2の包装モード572A)を実行してもよい(
図5参照)。
ループガイドは、環状に形成されており、帯掛け装置の本体部100aに着脱自在に設けられ、商品の周りに帯シートを周回させるための初期ループを形成可能に構成されている。
【0036】
報知手段573は、例えば、包装不可や各種エラーなどを検知した場合にその旨を報知する処理を行う。
【0037】
通信部50は、制御部57の制御により、有線式通信路又は無線式通信路を介して、上位の管理装置や外部のコンピュータ等と通信可能であり、商品情報や帯シートに関する情報などの各種情報を通信することができる。
【0038】
帯掛機構駆動部60としては、溶着部6の熱溶着板への通電のON/OFF、プラテンローラ24の移動用駆動モータ33、下側フィードローラ5bの駆動モータ5c、帯シート巻取り駆動用モータ15、溶着部6及び切断部7の駆動部8としてのカム駆動モータ48(上下駆動用モータ)、プラテンローラ駆動用モータ25が挙げられ、これらの駆動/停止が制御部57により制御される。
【0039】
プラテンローラ24は、バネなどの付勢部(不図示)や移動用駆動モータ33により、サーマルヘッド4aに対して離間させる方向または近づける方向に移動可能に構成されている。
【0040】
印字制御部56のCPU61には、バス(通信線等)を介してROM62(記憶部)、RAM63(記憶部)、表示操作部9、キー操作部10、印字部4が接続されている。
ROM62には、CPU61が実行する制御プログラムが格納されており、RAM63には被帯掛け商品毎の品名などの商品情報を記憶しておく商品ファイル(
図6(a)参照)、トレーに関する各種データを記憶しておくトレーファイル(
図6(b)参照)、帯掛けの帯シート(ラベルを含む)に商品に関する所定の項目を印字する為の印字位置情報を記憶しておく印字フォーマットファイル(
図6(c)参照)などのファイルが記憶されている。
表示操作部9は、タッチパネルで構成されており、CPU61の指令に基づいて入力データの表示、プリセットデータの表示、各種メッセージの表示を行うものである。
キー操作部10は、帯掛け包装装置の起動、停止等のための各種スイッチ及びデータの入力等を行うキーボードからなる。
印字部4は、サーマルヘッド4a(印字ヘッド)により印字を行う。
【0041】
図6(a)に示すように、RAM63に記憶される商品ファイルは、例えば、品番(商品番号)、不図示のJANコード(バーコード)、品名、値段(単価)、印字フォーマット番号等が設けられており、品番を特定することで、被帯掛け商品を特定することができる。
また、商品ファイルの各被帯掛け商品(各品番)毎に、後述する印字フォーマット番号が識別子として関連付けられて記憶してあるので、被帯掛け商品を特定することで各印字項目のレイアウトである印字フォーマットも特定できる。
【0042】
図6(b)に示すように、トレーファイルは、例えば、トレー番号(番号)毎にトレーサイズ(サイズ周囲長(トレー幅上面、トレー幅下面、トレー高さ))[mm]、帯シートで形成した初期ループを商品の外周に沿う形状に絞り縮径するため絞り込み調整量(絞込み量調整)(帯シートの引き戻し量、トレーの硬度)、等のトレーデータが設けられており、トレー番号を被帯掛け商品に設定することで、その特定した商品を帯掛けする際の引き戻し量を特定することができ、安定した帯掛けが可能となる。
なお、包装モードはトレーサイズ(寸法)に応じて判定しているので、特に包装モードを事前に記憶する必要はないが、強制的に、包装モードを指定する場合は、包装モードを管理してもよい。例えば、小さなサイズの被帯掛け商品の場合、後述する第2の包装モードで包装しても良い。
また、後述する印字フォーマットファイルの印字フォーマット番号が、識別子として記憶されている。従って、トレー番号を特定することで、各印字項目のレイアウトである印字フォーマット番号も特定できる。
また、帯シートの引き戻し量などが設定されている絞り情報ファイル(図示省略)をRAM63に有し、該ファイル中の絞り情報を識別するための識別子が、各トレー番号に割り振られている。
また、包装モードについては、被包装物のトレー幅上面、下面、高さから第一包装モードの包装可能寸法(サイズ)とを比較して、環状ループガイドの状態を報知しても良い。
【0043】
図6(c)に示すように、印字フォーマットファイルは、印字項目毎に印字するレイアウトが設定されているもので、印字フォーマット番号(識別子)毎に、印字開始、印字項目毎の印字位置等の印字位置情報が設定されており、
図7に示すように、印字開始は帯シートsの先端からの距離(mm)を示し、印字位置として帯シートsの幅方向の一方端を原点O(0,0)とし、その原点から幅方向(X)、及び長手方向(Y)を始点として、その始点から幅方向(印字領域X幅)と、長手方向(印字領域Y幅)が設定されており、これにより各印字エリアが設定される。尚、JANコード(バーコード)が帯シートsにラベル用紙を貼付して印字する場合、JANコードの印字位置データが、ラベル用紙を貼着された位置と一致するように貼付部を駆動する。
上記のように、前記商品ファイルに印字フォーマット番号を関連付けることで、各被帯掛け商品、品番を選択するだけで、被帯掛け商品に合わせて帯シートの所定の位置に印字することができる。
また、各被帯掛け商品に印字フォーマット番号を関連付ける代わりに、各トレー番号を関連付けるようにしてもよい。
図6(b)に示すように、各トレー番号には印字フォーマット番号が識別子として記憶されているので、被帯掛け商品(品番)を特定するだけで、選択した商品の品名等の商品情報、トレーデータ(トレー番号)、印字位置情報(印字フォーマット番号)が特定されるので、トレーの大きさに合った正しい位置に印字された帯シートで、被帯掛け商品を帯掛け包装することができる。
また、印字フォーマット番号を商品ファイルの各品番、トレーファイルの各トレー番号の、それぞれに関連付けておいて、且つ、トレー番号を商品ファイルの各品番に関連付けた場合は、例えば、トレー番号に関連付けておいた印字フォーマット番号を優先して使用するようにしてもよいし、またその逆で、各品番に関連付けられた印字フォーマット番号を優先するようにしてもよい。
【0044】
図8は帯掛け包装装置100により、帯シートsを巻回した商品(物品)の一例を示す図であり、詳細には、
図8(a)は商品の斜視図であり、
図8(b)は断面図である。
図8に示した例では、被帯掛け商品W(商品)は、開口部を有する容器W1と、開口部を塞ぐ蓋部W2とを有し、蓋部W2が開口部を塞いた状態で、帯シートsが巻回される。帯シートsには直接またはラベルLに、印字部により印字された印刷部分Pが形成されている。
なお、帯掛け包装装置100により帯シートsを巻回した商品(物品)は、上記実施形態に限られるものではない。
【0045】
<包装モード>
図9は帯掛け装置の包装モード時の動作の一例を説明するための概念図である。
本発明の実施形態に係る帯掛け包装装置100は、手動にて帯巻きシートを商品W(物品)に巻回可能に構成されている。
【0046】
商品W(物品)を、手動にて、帯巻き包装する場合、操作者は、フィード部5(帯シート搬送部)から所定量だけ繰り出された帯シートsを指などで掴み、小さいループを形成して受け板46や溶着部6等により保持したのち、帯掛け包装装置100がそのループを被包装物の大きさよりも僅かに大きいサイズに拡大する。
次に、帯シートsのループ内に被包装物が操作者により配置された場合、帯掛け包装装置100が帯シートsを絞り込むことで、被包装物に帯シートsを巻回し、帯シートの重合部を溶着部6の熱溶着部により熱溶着する。
【0047】
図10は本発明の実施形態に係る帯掛け包装装置100の受け板46の収納状態を示す斜視図である。
図11は帯掛け包装装置100の受け板46の突出状態を示す斜視図である。
【0048】
受け板46は、
図10,
図11に示すように、帯掛け包装装置100の本体部100aに形成された溝部に対して、突出状態または非突出状態となるように形成されている。
詳細には、包装モード時には、
図11に示したように、受け板46が突出状態となる。包装完了後に、
図10に示すように、受け板46が非突出状態となる。
【0049】
図11に示すように、帯シートsの先端を案内するための先端ガイド部材401(AT1)と受け板46の間の隙間が、帯シートsの挿入口となる。
詳細には、
図10,
図11に示すように、先端ガイド部材401は、先端ガイド部材401の本体部の端部に傾斜面部401dと、先端ガイド部材401の本体部よりも薄い厚みの平坦部401fとが設けられている。
また、先端ガイド部材401には、一対の幅方向規制部材401tが傾斜面部401dと平坦部401fに立設されている。この一対の幅方向規制部材401tの間隔は、帯シートの幅と略同じ長さに規定されている。
【0050】
図12は帯掛け包装装置100の動作の一例を説明するための図である。詳細には、
図12(a)は帯シートを説明するための図であり、
図12(b)は設定量(設定長)だけ包装材(帯シート)を包装材ロールから送り出した状態の一例を示す図であり、
図12(c)は小さいループの形成を説明するための図である。なお、設定量は(設定長)は任意に変更可能であり、被包装物の寸法に応じて変更できても良い。さらには包装材の材質や特質により変更可能であっても良い。
そうすることで、溶着領域(包装材の溶着による重複部)を調整することも可能になるので、小さな被包装物は設定量(設定長)を少なめに、大きな被包装物の場合は、多めにすることもできる。材質や特質による溶着や環境により調整することが可能になる。
【0051】
図12(a)、
図12(b)に示したように、帯シートsが第1押え板43(フロントクランプ)の通孔43hを通って、包装材ロールから所定量だけ繰り出される。詳細にはフィード部5のフィードローラ5a,5b(送りローラ)により帯シートsが繰り出される。
【0052】
次に、
図12(c)に示すように、操作者は指F等により、帯シートsを把持し、帯シートsの先端s1を、先端ガイド部材401と受け板46の間の挿入口に帯シートsを挿入する。
【0053】
図13(a)に示すように、操作者は例えば、帯シートsの先端s1を受け板46の下部にまで挿入する。
次に、帯掛け包装装置の制御部は、第1押え板43を上方に移動させて、帯シートsを受け板46に押圧することで、その帯シートsを固定することで、帯シートsの小さいループを形成する。
【0054】
次に、帯掛け包装装置の制御部は、
図13(b)に示すように、そのループ状の帯シートの径を、被包装物の外周寸法よりも僅かに大きくなるように拡大する。詳細には、フィード部5のフィードローラ5a,5b(送りローラ)により帯シートsが、被包装物のサイズに応じた長さだけ繰り出される。
そして、操作者等により被包装物が帯シートsのループ内に載置される。
【0055】
次に、
図14に示すように、帯掛け包装装置の制御部は、帯シートsの絞り込みを行うことで、被包装物(商品W)に帯シートsを巻回する。詳細には、フィード部5のフィードローラ5a,5b(送りローラ)により帯シートsが逆フィードされる。
【0056】
次に、
図15に示すように、帯掛け包装装置の制御部は、第2押え板44を上昇させ、包装部材(帯シートs)を受け板46と第2押え板44とで挟持した状態で、熱溶着部45により帯シートsの重合部分を溶着(固着)する処理を行い、切断部7のカッターにより、帯シートsを切断する処理を行った後、受け板46を非突出状態とする処理を行う。
【0057】
図16は、帯掛け包装装置の設定画面(印字開始位置設定方法が手動)の一例を示す図である。
図17は帯掛け包装装置の設定画面(印字開始位置設定方法が自動)の一例を示す図である。
【0058】
帯掛け包装装置の表示操作部に操作可能に表示される設定画面は、例えば
図16,
図17に示すように、被包装物としてのトレーの名称を設定するためのトレー名称設定部D91、印字開始位置設定方法設定部D92、トレー上面の幅を設定するためのトレー幅上面設定部D93、トレー下面の幅を設定するためのトレー幅下面設定部D94、トレーの高さを設定するための高さ設定部D95、印字開始位置を微調整するための印字開始位置調整部D96、印字開始位置を設定するための印字開始位置設定部D97、包装開始方法を設定するための包装開始方法設定部D98、帯掛け包装時の絞り込み量を微調整するための絞り込み量調整設定部D99、品番登録ボタンB99、コピーボタンB910(コピー元選択ボタン)、削除ボタンB911等を有する。
なお、
図16,
図17において斜線部分は入力不可の項目を示している。
【0059】
次に、被包装物のトレー設定を説明する。
印字開始位置設定方法設定部D92の印字開始位置設定方法としては、手動と固定のいずれかを選択することができる。手動が選択された場合、トレーサイズに基づいてトレーの左端に合わせて印字開始位置を自動設定する。固定が選択された場合、「印字開始位置調整(mm)」を印字開始位置とする。例えば、トレー上面中央に印字したいとき、右端、または、右端にコの字やL型なるように角貼りするときなどに用いる。
【0060】
トレー幅上面設定部D93のトレー幅上面(mm)は、トレー上面の幅であり、例えば50から270などの所定の範囲内の値を設定可能である。なお、トレー幅上面(mm)は、印字開始位置設定方法が「固定」以外の場合に設定可能である。
【0061】
トレー幅下面設定部D94のトレー幅下面(mm)は、トレー下面の幅であり、例えば50から270などの所定の範囲内の値を設定可能である。なお、トレー幅下面(mm)は、印字開始位置設定方法が「固定」以外の場合に設定可能である。
【0062】
高さ設定部D95の高さ(mm)は、トレーの高さであり、例えば10から150などの所定の範囲内の値を設定可能である。なお、この高さ(mm)は、印字開始位置設定方法が「固定」以外の場合に設定可能である。
【0063】
印字開始位置調整部D96の印字開始位置調整(mm)は、印字開始位置調整であり、例えば、-50から+50などの所定の範囲内の値を設定可能である。
印字開始位置設定方法として「手動」が選択されている場合に、自動調整されるトレーの左端位置から印字開始位置調整値(mm)を設定可能である。
これにより多少の微調整は可能である。
なお、この印字開始位置調整(mm)は、印字開始位置設定方法が「固定」以外の場合に設定可能である。
【0064】
印字開始位置設定部D97の印字開始位置(mm)は、印字開始位置であり、初期値が0mmで、例えば0から200などの所定の範囲内の値を設定可能である。なお、この印字開始位置(mm)は、印字開始位置設定方法が「固定」の場合に設定可能である。
【0065】
絞り込み量調整(mm)は、絞り込み量の調整であり、初期値が0で、例えば-99から+99などの所定の範囲内の値を設定可能である。トレーの強度により軟弱トレーの場合は(-)に、反対に少し強めに絞り込む場合など(+)に調整することで対応が可能になるので、多種のトレーに対応できる。
【0066】
包装開始方法設定部D98の包装開始方法は、自動または手動を設定可能である。
包装開始方法が自動とは、ループガイド上の載置部に被包装物としてのトレー等が載置されたことを、被包装物検出手段(商品検出センサ)などにより検出した場合に、帯掛け包装を開始する動作モードである。
包装開始方法が手動とは、包装開始のポップアップを表示操作部に表示した状態で(表示操作部がない場合には表示せずに)、画面に操作可能に表示されたタッチパネル式の発行ボタンや、フットスイッチ等のハードウェアの発行ボタンが操作された場合に、帯掛け包装を開始する動作モードである。
なお、自動は第二包装モード(ループガイドあり)のときのみ有効である。第一包装モードの被包装物検出手段(商品検出センサ)は、第一包装モードにおいて、被包装物がループ内にない場合、誤って包装開始操作を実行した場合の報知や包装禁止制御に用いても良い。
【0067】
図18は、本発明の実施形態に係る帯掛け包装装置100の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
ステップST1において、商品(トレー等)を呼出す。詳細には、制御部57は、被包装物に対応する商品情報、トレーファイル(トレー情報)等を記憶部等から読み出す。
【0068】
ステップST2において、制御部57は、例えば、操作表示部に操作可能に表示された包装ボタン等のボタンが操作された場合に、ステップST3の処理に進む。
【0069】
ステップST3において、制御部57は、帯シートsに対して印字処理が必要であるか否かを、被包装物に対応する商品ファイル(商品情報)等に基づいて判別し、印字処理が必要でない場合にステップST4の処理に進み、印字処理が必要である場合にステップST5の処理に進む。
【0070】
ステップST4において、制御部57は、送り出し手段(フィード部5)により帯シートsを規定量(所定量)だけ送り出す処理を行う(
図12(a),
図12(b)を参照)。その後、ステップST6の処理に進む。
【0071】
ステップST5において、制御部57は、帯シートsの送り出し量を以下に設定し、送り出し手段(フィード部5)により帯シートsを送り出す処理を行う(
図12(a),
図12(b)を参照)。詳細には、制御部57は、印刷量が規定量を超える場合に、フィード部5による帯シートsの送り出し量を印刷量(帯シートの搬送方向の送り出し長さ)となるように設定し、その印刷量が規定量以下の場合に、帯シートの送り出し量を規定量となるように設定し、ステップST6の処理に進む。
なお、ステップST5において、被包装物によっては、帯シートの送り出し量を、規定量+印字量としてもよい。
【0072】
ステップST4、又はステップST5の後、
図12(c)に示すように、操作者は指F等により、帯シートsを把持し、帯シートsの先端s1を、先端ガイド部材401と受け板46の間の挿入口に帯シートsを挿入する。詳細には、
図13(a)に示すように、操作者は例えば、帯シートsの先端s1を受け板46の下部にまで挿入する。
【0073】
ステップST6において、制御部57により、ボタン操作が行われたか否が判別される。詳細には、制御部57は、例えば、表示操作部9の表示部に操作可能に操作されたボタン(不図示)やフットスイッチ等の操作手段が操作されたか否かを判別し、操作されたと判別した場合にステップST8の処理に進み、所定の時間操作されていない場合やキャンセルボタンが操作された場合にステップST7の処理に進む。
なお、後述するステップST16の溶着処理または固着処理を行うまでは、キャンセル操作を実行した時点で、帯シートを切断して操作を中止するための操作ボタン等の操作子(不図示)が操作表示部や包装装置の本体部等に操作可能に設けられている。
【0074】
ステップST7において、制御部57は、帯シートを切断部7により切断する処理を行う。切り離された帯シートsが破棄され、帯掛け包装装置は、包装処理を終了する、又は初期の待機状態に進む。
【0075】
ステップST8において、制御部57は、帯シートsの先端を保持する処理を行う(
図13(a)を参照)。詳細には、制御部57は、第1押え板43を上方に移動させて、帯シートsを受け板46に押圧し、その帯シートsを固定することで、帯シートsの小さいループを形成する。
【0076】
ステップST9において、制御部57は、帯シートを送り出す処理を行う(
図13(b)を参照)。詳細には、
図13(b)に示すように、フィード部5のフィードローラ5a,5b(送りローラ)により帯シートsが、被包装物のサイズに応じた長さだけ繰り出される。具体的には、ループ状の帯シートの径が、被包装物の外周寸法よりも僅かに大きくなるように拡大する。
【0077】
ステップST10において、例えば、被包装物が帯シートsのループ内の載置部に載置される。
【0078】
ステップST11において、制御部57は、センサ等による自動検出(AUTO)を行うか、又は操作者によるボタン操作により被包装物を検出する(MANUAL)かを判別し、自動検出(AUTO)により被包装物(商品)を検出する場合にステップST12の処理に進み、操作者によるボタン操作により被包装物を載置したことを確定する(MANUAL)場合には、ステップST13の処理に進む。
なお、ボタンは、操作表示部に操作可能に表示されたボタンに限られるものではなく、メカキー、フットスイッチなどであってもよい。
【0079】
ステップST12において、制御部57は、商品検出センサ54(被包装物検出手段)で、被包装物の載置を検出した場合、ステップST15の処理に進む。
【0080】
ステップST13において、制御部57により、ボタン操作が行われたか否が判別される。詳細には、制御部57は、例えば、表示操作部9の表示部に操作可能に表示されたボタン(不図示)やフットスイッチ等の操作手段が操作されたか否かを判別し、操作されたと判別した場合に被包装物の載置を確定してステップST15の処理に進み、所定の時間操作されていない場合やキャンセルボタンが操作された場合にステップST14の処理に進む。
【0081】
ステップST14において、制御部57は、帯シートを切断部7により切断する処理を行う。切り離された帯シートsが破棄され、帯掛け包装装置は、包装処理を終了する、又は初期の待機状態に進む。
【0082】
ステップST15において、制御部57は、絞り込み動作に関する処理を行う(
図14参照)。詳細には、制御部57は、フィード部5のフィードローラ5a,5b(送りローラ)により帯シートsを逆フィード(搬送方向に対して逆方向に帯シートを搬送)することで、被包装物(商品W)に帯シートsが巻回する。
絞り込み動作、詳細には、帯シートをバックフィードする処理を行う。
【0083】
ステップST16において、制御部57は、被帯掛け商品Wに巻回された帯シートsの重合部分(重合部)を溶着部6により溶着する処理を行う。なお、制御部57は、帯シートsの重合部分(重合部)に粘着剤等を塗布して重合部を固着してもよい。
そして、制御部57は、切断部7により帯シートsの重合部の近傍部分を切断する処理を行い、包装材ロールから繰り出されている帯シートsと、包装された商品とを切り離す。
【0084】
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置100は、包装材(帯シートs等)を送り出す送り出し手段(フィード部5(帯シート搬送部))と、その包装材の先端を固着する固着手段(溶着部6(熱溶着部45(ヒータ))、受け板46等)と、固着手段で固着するために包装材を保持する保持手段(第1押え板43(フロントクランプ)、受け板46等)と、包装材を規定量送り出した後に、保持手段がその包装材の先端を保持した場合、その包装材を上記送り出し手段によりさらに送り出す包装制御手段(制御部57)とを有する。
すなわち、規定量だけ送り出された包装材(帯シートs)により小さいループが形成された状態で、包装制御手段(制御部57)により被包装物の外周サイズに応じてさらに包装材を送り出した後、包装材(帯シートs)のループ内に被包装物が載置された状態で、包装材(帯シートs)を絞り込むので、被包装物の大きさに関わらず、簡単な操作により、短時間に、被包装物を包装材(帯シートs)にて包装可能な帯掛け包装装置100(包装装置)を提供することができる。
【0085】
また、本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置100は、被包装物の寸法(被包装物の幅上面の長さ、幅下面の長さ、高さ等)を入力する入力手段(表示操作部9)を備え、上記規定量は、入力手段(表示操作部9)で入力された当該被包装物の寸法よりも少ない量(短い長さ)である。
すなわち、包装材により包装される被包装物の周の長さ(全周長)よりも、規定量(上記包装材の小さいループを形成するために必要な長さ)が短くなるように設定されている。つまり、操作者による簡単な動きで、簡単に小さい包装材のループを形成した後、被包装物のサイズよりも僅かに大きい径のループを形成した後、包装材を絞り込むことで、短時間で、簡単に被包装物を包装することができる、帯掛け包装装置100(包装装置)を提供することができる。
【0086】
また、本発明の実施形態に係る包装装置として帯掛け包装装置100は、包装材(帯シートs)に印刷する印刷手段(印字部4)を備える。上記包装材(帯シートs)において、その包装材を初期の小さいループを形成するために要する規定量だけ送り出される部分(規定量の部分)に、印刷手段(印字部4)で印刷する領域を含む(
図7参照)。
すなわち、印字部4により包装材(帯シートs)に印字する場合、初期の小さいループを形成する上で影響が少なく印字処理を適切に行うことができる。
【0087】
また、本発明の実施形態に係る包装方法は、包装材(帯シートs等)を規定量送り出すステップ(ST4)と、包装材の先端を保持するステップ(ST8)と、被包装物を包装するために要する量まで包装材をさらに送り出すステップ(ST9)と、包装材が先端と重なる部分を固着するステップ(ST16)とを有する。
すなわち、上記各ステップ(ST4,ST8,ST9,ST16等)により、被包装物を包装材で簡単に包装を行うことが可能な包装方法を提供することができる。
【0088】
また、本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置100は、包装材ロール(帯シートロールR(フィルムロール))から規定量の包装材(帯シートs)を繰り出し、包装材(帯シートs)の先端を保持する保持部(フィード部5(帯シート搬送部)、第1押え板43(フロントクランプ)、受け板46等)を有し、前記保持部は包装材押え部(第1押え板43(フロントクランプ)、受け板46等)を有し、包装材押え部(第1押え板43(フロントクランプ)、受け板46等)により押えた包装材(帯シートs)を、前記包装材ロール(帯シートロールR(フィルムロール))から被包装物に応じた設定量だけ送り出したのち、前記包装材(帯シートs)を絞り込む機構(フィード部5(帯シート搬送部))と、被包装物(商品W(物品))を包装材(帯シートs)により包装した状態で、包装材(帯シートs)を固着する固着部(溶着部6(熱溶着部45(ヒータ)、受け板46等))とを備える。
すなわち、包装材(帯シートs)を所定の長さだけ繰り出し、その繰り出された包装材(帯シートs)をループ状にして、包装材の先端を包装材押え部により押さえ保持した状態で、被包装物(トレー等)のサイズに基づいて、包装材ロール(帯シートロールR(フィルムロール))から包装材(帯シートs)を設定量だけ送り出して、被包装物(トレー等)の外周よりも僅かに大きいループ(小さいループ)を形成した後、操作者により被包装物(トレー等)がループ内に配置された状態で、絞り込み機構により包装材(帯シートs)を絞り込み(包装材送出し方向(帯シート送出し方向)に対して逆方向に包装材(帯シートs)を搬送する)、被包装物(商品W)の外周に沿って包装材を配置し、固着部により包装材(帯シートs)を固着することで、被包装物を包装材により包装する。
つまり、被包装物の大きさに関わらず、例えば、ループガイドを用いる第二包装モードと切り替え可能な装置においても、第二包装モードの包装可能な最大サイズよりも大きい被包装物を包装する場合であっても、簡単な操作により、短時間に、被包装物を包装材にて包装可能な包装装置としての帯掛け包装装置100を提供することができる。
また、ループ状の包装材(帯シートs)が包装材押え部により保持されているので、操作者は両手で被包装物(商品W(物品))をループ内に配置する作業を簡単に行うことができる。
【0089】
また、被包装物の外周のサイズよりも僅かに大きいループ(包装材)を形成し、操作者によりループ内に被包装物(商品W(物品))が載置された状態で、包装材(帯シートs)を絞り込む機構により、包装材を絞り込むので、絞り込み量(搬送方向に対して逆方向に搬送する長さ)が非常に小さく、絞り込み時間が短時間となり、包装時間が短い包装装置を提供することができる。さらに包装材や包装装置への負荷も最小限に抑えることができる。また、包装材の繰り出し量が適正量のため、当然にバックフィードの量も必要量のみになるので包装材への負担(いったん装置外に出たあとで戻される量も少なくなる)を低減することができ、また、バックフィード機構の負担を低減することができる。
【0090】
また、本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置100は、包装材に印刷する印刷手段(印字部4)を有する。上記機構(包装材を包装材ロール(帯シートロールR)から設定量だけ送り出したのち、包装材を絞り込む機構)は、印刷手段(印字部4)により包装材(帯シートs)に印刷した領域の送出方向の長さを設定量に加えて送り出したのち、包装材のループ内に被包装物(商品W(物品))が配置された状態で、包装材(帯シートs)を絞り込む。
すなわち、包装材への印刷を行う場合、先ず、小さいループを形成可能な設定量だけ包装材を送り出し、操作者により小さいループ(包装材)を形成したのち、被包装物(トレー)の周囲長(外周長)に応じた長さに、さらに、包装材に印刷した領域の送出方向の長さを加算した長さを、包装材ロール(帯シートロールR)から包装材を送り出すので、包装材へ印刷した場合であっても、きれいに包装を行うことができる。
【0091】
また、本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置100は、包装材(帯シートs)のループ内に載置された被包装物(商品W(物品))を検出する被包装物検出手段(商品検出センサ54)を備える。また、ループガイド包装モード(第2の包装モード)では、上記機構(包装材を包装材ロール(帯シートロールR)から設定量だけ送り出したのち、包装材を絞り込む機構)は、被包装物検出手段(商品検出センサ54)による検出結果に応じて、包装材(帯シートs)の絞り込みを開始する。
商品検出センサ54は、例えば、発光部材と受光部材とを有し、発光部材と受光部材の間に被包装物が載置されたか否かを検出可能に配置されている。
すなわち、ループガイド包装モード(第2の包装モード)で、包装材のループ内に載置された被包装物(但し、透明トレー等を除く)を自動検出して、包装材の絞り込みを開始することで、煩雑な操作を行うことなく、短時間に包装を行う包装装置を提供することができる。
【0092】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0093】
2…装填部
3…ラベル貼付部
4…印字部(印刷手段)
5…フィード部(帯シート搬送部)
6…溶着部(帯巻用シート固着部)
7…切断部
9…表示操作部(入力手段、表示手段)
46…受け板(受け部材)
54…商品検出センサ(被包装物検出手段)
57…制御部(包装制御手段(CPU))
80…待機部
100…帯掛け包装装置(包装装置、帯巻き包装装置)
100a…本体部
572…包装制御手段
572B…包装モード
573…報知手段
s…帯シート(包装材、帯巻き用シート)
W…商品(トレー等を含む商品、物品、被包装物ともいう)