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特許7348633端末装置制御プログラムおよび端末装置制御方法
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  • 特許-端末装置制御プログラムおよび端末装置制御方法 図1A
  • 特許-端末装置制御プログラムおよび端末装置制御方法 図1B
  • 特許-端末装置制御プログラムおよび端末装置制御方法 図2
  • 特許-端末装置制御プログラムおよび端末装置制御方法 図3
  • 特許-端末装置制御プログラムおよび端末装置制御方法 図4A
  • 特許-端末装置制御プログラムおよび端末装置制御方法 図4B
  • 特許-端末装置制御プログラムおよび端末装置制御方法 図4C
  • 特許-端末装置制御プログラムおよび端末装置制御方法 図5
  • 特許-端末装置制御プログラムおよび端末装置制御方法 図6
  • 特許-端末装置制御プログラムおよび端末装置制御方法 図7A
  • 特許-端末装置制御プログラムおよび端末装置制御方法 図7B
  • 特許-端末装置制御プログラムおよび端末装置制御方法 図7C
  • 特許-端末装置制御プログラムおよび端末装置制御方法 図8
  • 特許-端末装置制御プログラムおよび端末装置制御方法 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】端末装置制御プログラムおよび端末装置制御方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 3/02 20060101AFI20230913BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20230913BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20230913BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20230913BHJP
   B23K 31/00 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
B23K3/02 Z
H04Q9/00 301Z
H04M1/00 U
B23K1/00 A
B23K31/00 N
B23K31/00 K
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019182247
(22)【出願日】2019-10-02
(65)【公開番号】P2020069535
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-08-09
(31)【優先権主張番号】16/174,414
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000234339
【氏名又は名称】白光株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100111453
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 智
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 充彦
(72)【発明者】
【氏名】井木 康雅
(72)【発明者】
【氏名】坊 宣治
【審査官】岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-160245(JP,A)
【文献】特開2018-140432(JP,A)
【文献】特開2000-200693(JP,A)
【文献】米国特許第04935600(US,A)
【文献】特開2009-166062(JP,A)
【文献】実開平06-005762(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 3/02
H04Q 9/00
H04M 1/00
B23K 1/00
B23K 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信機能を有する携行可能な端末装置を制御するプログラムであって、
無線通信機能を有する測定装置から無線通信を用いて通知された、前記測定装置が測定した所定のデータを前記端末装置に受信させる第1ステップを、前記端末装置のコンピュータに実行させ、
前記所定のデータは、半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータを含み、
さらに、前記所定のデータを記録するための処理を前記端末装置に実行させる第2ステップを前記コンピュータに実行させ
前記測定装置の識別情報の取得を促す画面を前記端末装置に表示させるステップと、
前記測定装置の識別情報を取得するステップと、を前記コンピュータに実行させ、
さらに、前記第2ステップの替りに、前記所定のデータと前記測定装置の識別情報とを紐づけた情報を記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップを前記コンピュータに実行させる、端末装置制御プログラム。
【請求項2】
前記測定装置の識別情報を取得するステップは、前記端末装置に備えられるカメラによって撮影された、前記測定装置の識別コードを読み取るステップを含む、請求項に記載の端末装置制御プログラム。
【請求項3】
無線通信機能を有する携行可能な端末装置を制御するプログラムであって、
無線通信機能を有する測定装置から無線通信を用いて通知された、前記測定装置が測定した所定のデータを前記端末装置に受信させる第1ステップを、前記端末装置のコンピュータに実行させ、
前記所定のデータは、半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータを含み、
さらに、前記所定のデータを記録するための処理を前記端末装置に実行させる第2ステップを前記コンピュータに実行させ、
前記測定装置が測定した前記所定のデータを記録する第1モードを選択するボタン、前記所定のデータと前記半田こての識別情報とを紐づけた情報を記録する第2モードを選択するボタン、並びに、前記所定のデータと前記半田こての識別情報と前記所定のデータの測定者の識別情報とを紐づけた情報を記録する第3モードを選択するボタンを含む画面を前記端末装置に表示させるステップを前記コンピュータに実行させる、端末装置制御プログラム。
【請求項4】
前記第1モードを選択するボタンが操作されたときに、前記第1ステップおよび前記第2ステップを前記コンピュータに実行させる、請求項に記載の端末装置制御プログラム。
【請求項5】
前記第2モードを選択するボタンが操作されたときに、以下のステップを前記コンピュータに実行させる、請求項に記載の端末装置制御プログラム:
前記半田こての識別情報の取得を促す画面を前記端末装置に表示させるステップ、
前記半田こての識別情報を取得するステップ、
前記第1ステップ、および、
前記第2ステップの替りに、前記所定のデータと前記半田こての識別情報とを紐づけた情報を記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップ。
【請求項6】
前記第3モードを選択するボタンが操作されたときに、以下のステップを前記コンピュータに実行させる、請求項に記載の端末装置制御プログラム:
前記半田こての識別情報の取得を促す画面を前記端末装置に表示させるステップ、
前記半田こての識別情報を取得するステップ、
前記測定者の識別情報の取得を促す画面を前記端末装置に表示させるステップ、
前記測定者の識別情報を取得するステップ、
前記第1ステップ、および、
前記第2ステップの替りに、前記所定のデータと前記半田こての識別情報と前記測定者の識別情報とを紐づけた情報を記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップ。
【請求項7】
前記所定のデータの許容範囲を設定する画面を前記端末装置に表示させるステップと、
前記第1ステップで受信された前記所定のデータが前記許容範囲内か否かを判定するステップと、を前記コンピュータに実行させる、請求項1~のいずれか一項に記載の端末装置制御プログラム。
【請求項8】
前記測定装置は、前記所定のデータとして、前記半田こてのこて先温度、前記半田こてのこて先-アース間抵抗、および、前記半田こてのリーク電圧の少なくとも一つを測定する、請求項1~のいずれか一項に記載の端末装置制御プログラム。
【請求項9】
前記測定装置は、前記所定のデータとして、前記半田こてのユーザからの静電気が前記電子部品に流れることを防止するリストストラップの抵抗を測定する、請求項1~のいずれか一項に記載の端末装置制御プログラム。
【請求項10】
無線通信機能を有する携行可能な端末装置を制御する方法であって、
無線通信機能を有する測定装置から無線通信を用いて通知された、前記測定装置が測定した所定のデータを前記端末装置に受信させる第1ステップを備え、
前記所定のデータは、半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータを含み、
さらに、前記所定のデータを記録するための処理を前記端末装置に実行させる第2ステップを備え
前記測定装置の識別情報の取得を促す画面を前記端末装置に表示させるステップと、
前記測定装置の識別情報を取得するステップと、を備え、
さらに、前記第2ステップの替りに、前記所定のデータと前記測定装置の識別情報とを紐づけた情報を記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップを備える、端末装置制御方法。
【請求項11】
無線通信機能を有する携行可能な端末装置を制御する方法であって、
無線通信機能を有する測定装置から無線通信を用いて通知された、前記測定装置が測定した所定のデータを前記端末装置に受信させる第1ステップを備え、
前記所定のデータは、半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータを含み、
さらに、前記所定のデータを記録するための処理を前記端末装置に実行させる第2ステップを備え、
前記測定装置が測定した前記所定のデータを記録する第1モードを選択するボタン、前記所定のデータと前記半田こての識別情報とを紐づけた情報を記録する第2モードを選択するボタン、並びに、前記所定のデータと前記半田こての識別情報と前記所定のデータの測定者の識別情報とを紐づけた情報を記録する第3モードを選択するボタンを含む画面を前記端末装置に表示させるステップを備える、端末装置制御方法。
【請求項12】
無線通信機能を有する半田こてと無線通信を用いた前記半田こての動作パラメータのやり取りが可能であり、無線通信機能を有する携行可能な端末装置を制御するプログラムであって、
無線通信機能を有する測定装置から無線通信を用いて通知された、前記測定装置が測定した所定のデータを前記端末装置に受信させるステップを、前記端末装置のコンピュータに実行させ、
前記所定のデータは、前記半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータを含み、
さらに、前記所定のデータを記録するための処理を前記端末装置に実行させる第2ステップを前記コンピュータに実行させ
前記測定装置の識別情報の取得を促す画面を前記端末装置に表示させるステップと、
前記測定装置の識別情報を取得するステップと、を前記コンピュータに実行させ、
さらに、前記第2ステップの替りに、前記所定のデータと前記測定装置の識別情報とを紐づけた情報を記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップを前記コンピュータに実行させる、端末装置制御プログラム。
【請求項13】
無線通信機能を有する半田こてと無線通信を用いた前記半田こての動作パラメータのやり取りが可能であり、無線通信機能を有する携行可能な端末装置を制御するプログラムであって、
無線通信機能を有する測定装置から無線通信を用いて通知された、前記測定装置が測定した所定のデータを前記端末装置に受信させるステップを、前記端末装置のコンピュータに実行させ、
前記所定のデータは、前記半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータを含み、
さらに、前記所定のデータを記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップを前記コンピュータに実行させ、
前記測定装置が測定した前記所定のデータを記録する第1モードを選択するボタン、前記所定のデータと前記半田こての識別情報とを紐づけた情報を記録する第2モードを選択するボタン、並びに、前記所定のデータと前記半田こての識別情報と前記所定のデータの測定者の識別情報とを紐づけた情報を記録する第3モードを選択するボタンを含む画面を前記端末装置に表示させるステップを前記コンピュータに実行させる、端末装置制御プログラム。
【請求項14】
無線通信機能を有する半田こてと無線通信を用いた前記半田こての動作パラメータのやり取りが可能であり、無線通信機能を有する携行可能な端末装置を制御する方法であって、
無線通信機能を有する測定装置から無線通信を用いて通知された、前記測定装置が測定した所定のデータを前記端末装置に受信させるステップを備え、
前記所定のデータは、前記半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータを含み、
さらに、前記所定のデータを記録するための処理を前記端末装置に実行させる第2ステップを備え
前記測定装置の識別情報の取得を促す画面を前記端末装置に表示させるステップと、
前記測定装置の識別情報を取得するステップと、を備え、
さらに、前記第2ステップの替りに、前記所定のデータと前記測定装置の識別情報とを紐づけた情報を記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップを備える、端末装置制御方法。
【請求項15】
無線通信機能を有する半田こてと無線通信を用いた前記半田こての動作パラメータのやり取りが可能であり、無線通信機能を有する携行可能な端末装置を制御する方法であって、
無線通信機能を有する測定装置から無線通信を用いて通知された、前記測定装置が測定した所定のデータを前記端末装置に受信させるステップを備え、
前記所定のデータは、前記半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータを含み、
さらに、前記所定のデータを記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップを備え、
前記測定装置が測定した前記所定のデータを記録する第1モードを選択するボタン、前記所定のデータと前記半田こての識別情報とを紐づけた情報を記録する第2モードを選択するボタン、並びに、前記所定のデータと前記半田こての識別情報と前記所定のデータの測定者の識別情報とを紐づけた情報を記録する第3モードを選択するボタンを含む画面を前記端末装置に表示させるステップを備える、端末装置制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半田こてを用いる作業に関連する端末装置制御プログラムおよび端末装置制御方法並びに半田こてに関する。
【背景技術】
【0002】
電子産業において、電子部品の半田付け作業は、マニュアル操作で行われることがよくある。半田付け機能は、作業台に作業領域を設定することにより行われる。作業者は、作業領域に面した半田付け装置を操作する。半田付け装置は、半田こて、半田除去器、およびピンセットを含んでもよいが、それらに限定されない。個々の半田付け装置をAC電源に接続するか、半田付け装置を電源制御ステーションに接続する必要がある。半田付け装置自体または電源制御ステーションは、主に半田付け装置のヒータに印加される電力を調整することにより、半田付け装置の発熱を制御する。
【0003】
電源に直接接続する従来の半田こては、一般に、温度設定および温度制御機能を含まない。半田付け装置がプラグに差し込まれ、「オン」スイッチまたはボタンによって作動され、半田付け装置が「オン」である限り、電力がヒータに供給される。例えば、非特許文献1に示されるHAKKO FX-600半田こてのような、いくつかのより最近のAC電源半田付け装置は、ユーザが例えば200℃から500℃の範囲内の所望の温度を選択することを可能にするための制御電子機器を含む。一方、電源制御ステーションによって電力を供給される半田付け装置は、温度を適切な範囲内に設定することを可能にし、半田付けプロセス中に温度を維持するためのフィードバック制御を含むように強化された機能を有する。制御ステーションは、一般に、半田付け装置に電力を供給する電力供給部と、電力供給部から出力される電力を制御する電力供給制御部と、電力供給制御の制御対象である設定温度を入力する温度設定部と、温度設定部の設定情報を表示する表示部と、回路を収納する収納部とを備える。
【0004】
作業者やオペレータは、ディスプレイに表示された情報を見ながら温度設定部を操作する。この動作は、温度設定部に対する設定情報を更新または設定する処理を含む。設定情報は、半田付け装置の設定温度を決定するための条件および半田付けされるワークの物理的特性に関する情報である。
【0005】
産業用途では、作業者が同じ設定の半田付け機能を実行することができる一方で、監督者が効率および均一性を促進するために半田付け操作に条件を課すことがある。例えば、監督者は、半田付け作業中のワークの過熱を防ぐために、半田付け装置または電源制御装置の最高動作温度を設定することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】白光株式会社ホームページの製品情報、[令和1年9月4日検索]、インターネット<URL:https://www.hakko.com/japan/products/hakko_fx600.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、半田こてのユーザの利便性を向上させることができる端末装置制御プログラム、端末装置制御方法および半田こてを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書で用いられる主な用語について説明をする。無線通信機能を有する携行可能な端末装置は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯端末である。
【0009】
半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置は、半田付けに限らない。基板に電子部品が半田付けされた状態で、半田を溶かし、半田を吸い取る処置でもよいし、基板に半田付けされた電子部品に対して、半田を溶かして、電子部品を基板から取り外す処置でもよい。前者の用途の半田こては、半田吸取器と称され、後者の用途の半田こては、ホットツイーザー(hot tweezers)と称される。
【0010】
所定の処置の結果に影響するデータ(所定のデータ)は、例えば、半田こてのこて先温度、半田こてのこて先-アース間抵抗、半田こてのリーク電圧、半田こてのユーザからの静電気が電子部品に流れることを防止するリストストラップの抵抗である。所定の処置の結果に影響するデータが良くなければ、所定の処置の結果、例えば、電子部品の性能が劣化したり、電子部品が故障したり、電子部品の半田付けが不良になったりする。
【0011】
(1)本発明の第1局面に係る端末装置制御プログラムの目的は、半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータの記録を支援することである。本発明の第1局面に係る端末装置制御プログラムは、無線通信機能を有する携行可能な端末装置を制御するプログラムであって、無線通信機能を有する測定装置から無線通信を用いて通知された、前記測定装置が測定した所定のデータを前記端末装置に受信させる第1ステップを、前記端末装置のコンピュータに実行させ、前記所定のデータは、半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータを含み、さらに、前記所定のデータを記録するための処理を前記端末装置に実行させる第2ステップを前記コンピュータに実行させる。
【0012】
第2ステップは、例えば、所定のデータの記録を決定するボタン(ソフトキー)を含む画面を端末装置に表示させ、ボタンがタッチされることにより、所定のデータを端末装置または端末装置を介して所定の情報記憶装置(例えば、サーバ)に記録する処理を端末装置に実行させるステップでもよいし、所定のデータを端末装置または端末装置を介して所定の情報記憶装置に自動的に記録する処理を端末装置に実行させるステップでもよい。
【0013】
本発明の第1局面に係る端末装置制御プログラムによれば、半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータの記録を支援することができる。従って、半田こてのユーザの利便性を向上させることができる。
【0014】
(2)上記構成において、前記測定装置の識別情報の取得を促す画面を前記端末装置に表示させるステップと、前記測定装置の識別情報を取得するステップと、を前記コンピュータに実行させ、さらに、前記第2ステップの替りに、前記所定のデータと前記測定装置の識別情報とを紐づけた情報を記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップを前記コンピュータに実行させる。
【0015】
この構成によれば、所定のデータと測定装置の識別情報(ID)とを紐づけた情報の記録を支援することができる。
【0016】
(3)上記構成において、前記測定装置の識別情報を取得するステップは、前記端末装置に備えられるカメラによって撮影された、前記測定装置の識別コードを読み取るステップを含む。
【0017】
識別コードは、例えば、QRコード(登録商標)、バーコードである。
【0018】
(4)上記構成において、前記測定装置が測定した前記所定のデータを記録する第1モードを選択するボタン(ソフトキー)、前記所定のデータと前記半田こての識別情報とを紐づけた情報を記録する第2モードを選択するボタン(ソフトキー)、並びに、前記所定のデータと前記半田こての識別情報と前記所定のデータの測定者の識別情報とを紐づけた情報を記録する第3モードを選択するボタン(ソフトキー)を含む画面を前記端末装置に表示させるステップを前記コンピュータに実行させる。
【0019】
この構成によれば、ユーザは、状況に応じて、第1モード、第2モード、第3モードの中から選択することができる。
【0020】
(5)上記構成において、前記第1モードを選択するボタンが操作されたときに、前記第1ステップおよび前記第2ステップを前記コンピュータに実行させる。
【0021】
この構成は、第1モードが選択されたときに、端末装置のコンピュータが実行する処理について規定する。
【0022】
(6)上記構成において、前記第2モードを選択するボタンが操作されたときに、以下のステップを前記コンピュータに実行させる:前記半田こての識別情報の取得を促す画面を前記端末装置に表示させるステップ、前記半田こての識別情報を取得するステップ、前記第1ステップ、および、前記第2ステップの替りに、前記所定のデータと前記半田こての識別情報とを紐づけた情報を記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップ。
【0023】
この構成は、第2モードが選択されたときに、端末装置のコンピュータが実行する処理について規定する。
【0024】
(7)上記構成において、前記第3モードを選択するボタンが操作されたときに、以下のステップを前記コンピュータに実行させる:前記半田こての識別情報の取得を促す画面を前記端末装置に表示させるステップ、前記半田こての識別情報を取得するステップ、前記測定者の識別情報の取得を促す画面を前記端末装置に表示させるステップ、前記測定者の識別情報を取得するステップ、前記第1ステップ、および、前記第2ステップの替りに、前記所定のデータと前記半田こての識別情報と前記測定者の識別情報とを紐づけた情報を記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップ。
【0025】
この構成は、第3モードが選択されたときに、端末装置のコンピュータが実行する処理について規定する。
【0026】
(8)上記構成において、前記所定のデータの許容範囲を設定する画面を前記端末装置に表示させるステップと、前記第1ステップで受信された前記所定のデータが前記許容範囲内か否かを判定するステップと、を前記コンピュータに実行させる。
【0027】
この構成によれば、例えば、所定のデータが許容範囲内か否かを所定のデータの測定者に知らせることが可能となり、また、所定のデータが許容範囲内のとき、所定のデータを自動記録し、所定のデータが許容範囲外のとき、所定のデータの再測定を測定者に促すことが可能となる。
【0028】
(9)上記構成において、前記測定装置は、前記所定のデータとして、前記半田こてのこて先温度、前記半田こてのこて先-アース間抵抗、および、前記半田こてのリーク電圧の少なくとも一つを測定する。
【0029】
この構成は、測定装置の例を規定する。
【0030】
(10)上記構成において、前記測定装置は、前記所定のデータとして、前記半田こてのユーザからの静電気が前記電子部品に流れることを防止するリストストラップの抵抗を測定する。
【0031】
この構成は、測定装置の他の例を規定する。
【0032】
(11)本発明の第2の局面に係る端末装置制御方法は、無線通信機能を有する携行可能な端末装置を制御する方法であって、無線通信機能を有する測定装置から無線通信を用いて通知された、前記測定装置が測定した所定のデータを前記端末装置に受信させる第1ステップを備え、前記所定のデータは、半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータを含み、さらに、前記所定のデータを記録するための処理を前記端末装置に実行させる第2ステップを備える。
【0033】
本発明の第2局面に係る端末装置制御方法は、本発明の第1局面に係る端末装置制御プログラムを方法の観点から規定しており、本発明の第1局面に係る端末装置制御プログラムと同様の作用効果を有する。
【0034】
(12)本発明の第3局面に係る端末装置制御プログラムの目的は、半田こてのユーザの利便性を向上させることである。本発明の第3局面に係る端末装置制御プログラムは、無線通信機能を有する携行可能な端末装置を制御するプログラムであって、無線通信機能を有する半田こてと前記端末装置との間における無線通信を用いた前記半田こての動作パラメータのやり取りを、前記端末装置に実行させるステップと、前記動作パラメータを示す画面を前記端末装置に表示させるステップと、を前記端末装置のコンピュータに実行させる。
【0035】
本発明の第3局面に係る端末装置制御プログラムによれば、半田こてと端末装置との間における半田こての動作パラメータのやり取りを、端末装置に実行させるので、動作パラメータを端末装置で管理することができる。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0036】
(13)上記構成において、前記動作パラメータを記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップを前記コンピュータに実行させる。
【0037】
このステップは、例えば、動作パラメータの記録を決定するボタン(ソフトキー)を含む画面を端末装置に表示させ、ボタンがタッチされることにより、動作パラメータを端末装置または端末装置を介して所定の情報記憶装置(例えば、サーバ)に記録する処理を端末装置に実行させるステップでもよいし、動作パラメータを端末装置または端末装置を介して所定の情報記憶装置に自動的に記録する処理を端末装置に実行させるステップでもよい。
【0038】
(14)上記構成において、前記端末装置を用いて前記半田こてを制御する場合、前記やり取りを実行させるステップは、前記半田こてに通知する前記動作パラメータを前記端末装置に送信させるステップを含む。
【0039】
この構成は、端末装置を用いた半田こての制御について規定する。動作パラメータは、例えば、半田こてに設定されるこて先温度(こて先の設定温度)である。
【0040】
(15)上記構成において、前記端末装置を用いて前記半田こてを監視する場合、前記やり取りを実行させるステップは、前記半田こてから通知された前記動作パラメータを前記端末装置に受信させるステップを含む。
【0041】
この構成は、端末装置を用いた半田こての監視について規定する。動作パラメータは、例えば、半田こてに内蔵された温度センサで測定されたこて先温度である。
【0042】
(16)上記構成において、無線通信機能を有する測定装置が測定した所定のデータを記録する第1モードを選択するボタン(ソフトキー)、前記所定のデータと前記半田こての識別情報とを紐づけた情報を記録する第2モードを選択するボタン(ソフトキー)、並びに、前記所定のデータと前記半田こての識別情報と前記所定のデータの測定者の識別情報とを紐づけた情報を記録する第3モードを選択するボタン(ソフトキー)を含む画面を前記端末装置に表示させるステップを前記コンピュータに実行させ、前記所定のデータは、前記半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータを含む。
【0043】
この構成によれば、ユーザは、状況に応じて、第1モード、第2モード、第3モードの中から選択することができる。
【0044】
(17)上記構成において、前記第1モードを選択するボタンが操作されたときに、以下のステップを前記コンピュータに実行させる:前記測定装置から無線通信を用いて通知された前記所定のデータを前記端末装置に受信させるステップ、および、前記所定のデータを記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップ。
【0045】
この構成は、第1モードが選択されたときに、端末装置のコンピュータが実行する処理について規定する。
【0046】
(18)上記構成において、前記第2モードを選択するボタンが操作されたときに、以下のステップを前記コンピュータに実行させる:前記半田こての識別情報の取得を促す画面を前記端末装置に表示させるステップ、前記半田こての識別情報を取得するステップ、前記測定装置から無線通信を用いて通知された前記所定のデータを前記端末装置に受信させるステップ、および、前記所定のデータと前記半田こての識別情報とを紐づけた情報を記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップ。
【0047】
この構成は、第2モードが選択されたときに、端末装置のコンピュータが実行する処理について規定する。
【0048】
(19)上記構成において、前記半田こての識別情報を取得するステップは、前記端末装置に備えられるカメラによって撮影された、前記半田こての識別コードを読み取るステップを含む。
【0049】
この構成は、半田こての識別情報を取得するステップの例を規定する。
【0050】
(20)上記構成において、前記第3モードを選択するボタンが操作されたときに、以下のステップを前記コンピュータに実行させる:前記半田こての識別情報の取得を促す画面を前記端末装置に表示させるステップ、前記半田こての識別情報を取得するステップ、前記測定者の識別情報の取得を促す画面を前記端末装置に表示させるステップ、前記測定者の識別情報を取得するステップ、前記測定装置から無線通信を用いて通知された前記所定のデータを前記端末装置に受信させるステップ、および、前記所定のデータと前記半田こての識別情報と前記測定者の識別情報とを紐づけた情報を記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップ。
【0051】
この構成は、第3モードが選択されたときに、端末装置のコンピュータが実行する処理について規定する。
【0052】
(21)上記構成において、前記半田こての識別情報を取得するステップは、前記端末装置に備えられるカメラによって撮影された、前記半田こての識別コードを読み取るステップを含み、前記測定者の識別情報を取得するステップは、前記カメラによって撮影された、前記測定者の識別コードを読み取るステップを含む。
【0053】
この構成は、半田こての識別情報および測定者の識別情報を取得するステップの例を規定する。
【0054】
(22)上記構成において、無線通信機能を有する測定装置が測定し、前記測定装置から無線通信を用いて通知された所定のデータを前記端末装置に受信させるステップを前記コンピュータに実行させ、前記所定のデータは、前記半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータを含み、さらに、前記所定のデータを記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップを前記コンピュータに実行させる。
【0055】
この構成によれば、半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータの記録を支援することができる。
【0056】
前記所定のデータを記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップは、上述した第2ステップと同様に、ボタンがタッチされることにより所定のデータを記録するための処理がされてもよいし、自動的に所定のデータを記録するための処理がされてもよい。
【0057】
(23)上記構成において、前記半田こての識別情報の取得を促す画面を前記端末装置に表示させるステップ、前記半田こての識別情報を取得するステップ、および、無線通信機能を有する測定装置が測定し、前記測定装置から無線通信を用いて通知された所定のデータを前記端末装置に受信させるステップを前記コンピュータに実行させ、前記所定のデータは、前記半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータを含み、さらに、前記所定のデータと前記半田こての識別情報とを紐づけた情報を記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップを前記コンピュータに実行させる。
【0058】
この構成によれば、半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータと半田こての識別情報とを紐づけた情報の記録を支援することができる。
【0059】
前記所定のデータと前記半田こての識別情報とを紐づけた情報を記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップは、例えば、所定のデータと半田こての識別情報とを紐づけた情報の記録を決定するボタン(ソフトキー)を含む画面を端末装置に表示させ、ボタンがタッチされることにより、この情報を端末装置または端末装置を介して所定の情報記憶装置(例えば、サーバ)に記録する処理を端末装置に実行させるステップでもよいし、この情報を端末装置または端末装置を介して所定の情報記憶装置に自動的に記録する処理を端末装置に実行させるステップでもよい。
【0060】
(24)上記構成において、前記半田こての識別情報の取得を促す画面を前記端末装置に表示させるステップ、前記半田こての識別情報を取得するステップ、測定者の識別情報の取得を促す画面を前記端末装置に表示させるステップ、前記測定者の識別情報を取得するステップ、および、前記測定者が無線通信機能を有する測定装置を用いて測定し、前記測定装置から無線通信を用いて通知された所定のデータを前記端末装置に受信させるステップを前記コンピュータに実行させ、前記所定のデータは、前記半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータを含み、さらに、前記所定のデータと前記半田こての識別情報と前記測定者の識別情報とを紐づけた情報を記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップを前記コンピュータに実行させる。
【0061】
この構成によれば、半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータと半田こての識別情報と測定者の識別情報とを紐づけた情報の記録を支援することができる。
【0062】
前記所定のデータと前記半田こての識別情報と前記測定者の識別情報とを紐づけた情報を記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップは、例えば、所定のデータと半田こての識別情報と測定者の識別情報とを紐づけた情報の記録を決定するボタン(ソフトキー)を含む画面を端末装置に表示させ、ボタンがタッチされることにより、この情報を端末装置または端末装置を介して所定の情報記憶装置(例えば、サーバ)に記録する処理を端末装置に実行させるステップでもよいし、この情報を端末装置または端末装置を介して所定の情報記憶装置に自動的に記録する処理を端末装置に実行させるステップでもよい。
【0063】
(25)上記構成において、無線通信機能を有し、所定のデータを測定する測定装置の識別情報の取得を促す画面を前記端末装置に表示させるステップを前記コンピュータに実行させ、前記所定のデータは、前記半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータを含み、さらに、前記測定装置の識別情報を取得するステップ、前記半田こての識別情報の取得を促す画面を前記端末装置に表示させるステップ、前記半田こての識別情報を取得するステップ、前記測定装置が測定し、前記測定装置から無線通信を用いて通知された前記所定のデータを前記端末装置に受信させるステップ、および、前記所定のデータと前記半田こての識別情報と前記測定装置の識別情報とを紐づけた情報を記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップを前記コンピュータに実行させる。
【0064】
この構成によれば、半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータと半田こての識別情報と測定装置の識別情報とを紐づけた情報の記録を支援することができる。
【0065】
前記所定のデータと前記半田こての識別情報と前記測定装置の識別情報とを紐づけた情報を記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップは、例えば、所定のデータと半田こての識別情報と測定装置の識別情報とを紐づけた情報の記録を決定するボタン(ソフトキー)を含む画面を端末装置に表示させ、ボタンがタッチされることにより、この情報を端末装置または端末装置を介して所定の情報記憶装置(例えば、サーバ)に記録する処理を端末装置に実行させるステップでもよいし、この情報を端末装置または端末装置を介して所定の情報記憶装置に自動的に記録する処理を端末装置に実行させるステップでもよい。
【0066】
(26)上記構成において、前記測定装置は、前記所定のデータとして、前記半田こてのこて先温度、前記半田こてのこて先-アース間抵抗、および、前記半田こてのリーク電圧の少なくとも一つを測定する。
【0067】
この構成は、測定装置の例を規定する。
【0068】
(27)上記構成において、前記測定装置は、前記所定のデータとして、前記半田こてのユーザからの静電気が前記電子部品に流れることを防止するリストストラップの抵抗を測定する。
【0069】
この構成は、測定装置の他の例を規定する。
【0070】
(28)本発明の第4局面に係る端末装置制御方法は、無線通信機能を有する携行可能な端末装置を制御する方法であって、無線通信機能を有する半田こてと前記端末装置との間における無線通信を用いた前記半田こての動作パラメータのやり取りを、前記端末装置に実行させるステップと、前記動作パラメータを示す画面を前記端末装置に表示させるステップと、を備える。
【0071】
本発明の第4局面に係る端末装置制御方法は、本発明の第3局面に係る端末装置制御プログラムを方法の観点から規定しており、本発明の第3局面に係る端末装置制御プログラムと同様の作用効果を有する。
【0072】
(29)本発明の第5局面に係る端末装置制御プログラムの目的は、半田こてのユーザの利便性を向上させることである。本発明の第5局面に係る端末装置制御プログラムは、無線通信機能を有する携行可能な端末装置を制御するプログラムであって、無線通信機能を有する半田こての設定温度の設定画面を前記端末装置に表示させるステップと、無線通信を用いて前記半田こてに通知される、前記設定画面に入力された前記設定温度を前記端末装置に送信させるステップと、を前記端末装置のコンピュータに実行させる。
【0073】
本発明の第5局面に係る端末装置制御プログラムによれば、端末装置を用いた無線通信により半田こてのこて先温度を設定できるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0074】
(30)本発明の第6局面に係る端末装置制御方法は、無線通信機能を有する携行可能な端末装置を制御する方法であって、無線通信機能を有する半田こての設定温度の設定画面を前記端末装置に表示させるステップと、無線通信を用いて前記半田こてに通知される、前記設定画面に入力された前記設定温度を前記端末装置に送信させるステップと、を備える。
【0075】
本発明の第6局面に係る端末装置制御方法は、本発明の第5局面に係る端末装置制御プログラムを方法の観点から規定しており、本発明の第5局面に係る端末装置制御プログラムと同様の作用効果を有する。
【0076】
(31)本発明の第7局面に係る端末装置制御プログラムの目的は、半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータの記録を支援することである。本発明の第7局面に係る端末装置制御プログラムは、無線通信機能を有する半田こてと無線通信を用いた前記半田こての動作パラメータのやり取りが可能であり、無線通信機能を有する携行可能な端末装置を制御するプログラムであって、無線通信機能を有する測定装置から無線通信を用いて通知された、前記測定装置が測定した所定のデータを前記端末装置に受信させるステップを、前記端末装置のコンピュータに実行させ、前記所定のデータは、前記半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータを含み、さらに、前記所定のデータを記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップを前記コンピュータに実行させる。
【0077】
本発明の第7局面に係る端末装置制御プログラムによれば、半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータの記録を支援することができる。
【0078】
前記所定のデータを記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップは、上述した第2ステップと同様に、ボタンがタッチされることにより所定のデータを記録するための処理がされてもよいし、自動的に所定のデータを記録するための処理がされてもよい。
【0079】
(32)本発明の第8局面に係る端末装置制御方法は、無線通信機能を有する半田こてと無線通信を用いた前記半田こての動作パラメータのやり取りが可能であり、無線通信機能を有する携行可能な端末装置を制御する方法であって、無線通信機能を有する測定装置から無線通信を用いて通知された、前記測定装置が測定した所定のデータを前記端末装置に受信させるステップを備え、前記所定のデータは、前記半田こてのこて先の熱が電子部品に伝導することになる所定の処置をしたときに、所定の処置の結果に影響するデータを含み、さらに、前記所定のデータを記録するための処理を前記端末装置に実行させるステップを備える。
【0080】
本発明の第8局面に係る端末装置制御方法は、本発明の第7局面に係る端末装置制御プログラムを方法の観点から規定しており、本発明の第7局面に係る端末装置制御プログラムと同様の作用効果を有する。
【0081】
(33)本発明の第9局面に係る半田こての目的は、半田こてのユーザの利便性を向上させることである。本発明の第9局面に係る半田こては、交流給電方式の半田こてであって、ハンドル部と、前記ハンドル部に対して取り付けおよび取り外し可能にされたこて先部材と、無線通信機能を有する携行可能な端末装置と無線通信を実行する、前記ハンドル部に設けられた無線通信部と、を備える。
【0082】
こて先部材の第1例は、ヒータおよびこて先を含むカートリッジである。第1例では、カートリッジがハンドル部に対して取り付けおよび取り外し可能にされている。こて先部材の第2例は、ヒータを含んでおらず、こて先、開口端、および、開口端からヒータに被さる空間部を有する。第2例では、ハンドル部に固定され、ハンドル部から突き出したヒータに、こて先部材の空間部を被せて、こて先部材がハンドル部に取り付けられる。
【0083】
本発明の第9局面に係る半田こてによれば、携行可能な端末装置と無線通信が可能なので、この端末装置を用いて半田こてを制御したり、監視したりすることが可能となる。従って、半田こてのユーザの利便性を向上させることができる。
【0084】
(34)上記構成において、前記無線通信部の通信方式は、ブルートゥース(登録商標)規格に従った通信方式または赤外線通信規格に従った通信方式である。
【0085】
この構成は、無線通信方式の例を規定する。
【0086】
(35)上記構成において、前記ハンドル部に設けられ、前記半田こてのこて先温度を制御する制御部を備え、前記無線通信部は、前記端末装置から通知された前記こて先温度の設定温度を受信し、前記制御部は、前記無線通信部が受信した前記設定温度になるように前記こて先温度を制御する。
【0087】
この構成によれば、携行可能な端末装置を用いて、半田こてを制御する例を規定する。
【発明の効果】
【0088】
本発明によれば、半田こてのユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
図1A】本発明の半田付けシステムおよびスマートデバイスコントローラのブロック図および概略図を提供する。
図1B】温度計の電気的構成を示すブロック図である。
図2図1Aの半田付けシステムを制御するためのユーザによるスマートデバイスの動作の概略図を提供する。
図3】本発明のスマートデバイスコントローラによって制御することができるAC電源式半田付け装置のブロック図および概略図を提供する。
図4A図3のAC電源式半田付け装置の主要電子部品のブロック図および概略図を提供する。
図4B】スマートデバイスを用いて半田付け装置のこて先温度を設定する動作を説明する説明図である。
図4C】スマートデバイスを用いて半田付け装置のこて先温度の測定値を取得・記録する動作を説明する説明図である。
図5図1Aのスマートデバイス内にインストールされたプログラムアプリケーション(アプリ)内で生成された画面表示の進行を示す。
図6図1Aおよび図2のスマートデバイスに格納されているアプリのソフトウェアのプログラム論理図である。
図7A】本発明の改良版による、すべてスマートデバイスコントローラと通信する安全要素を備えた半田付けステーションのブロック図および概略図を提供する。
図7B】検出装置の電気的構成を示すブロック図である。
図7C】リストストラップテスタの電気的構成を示すブロック図である。
図8図1Aおよび図2のスマートデバイスに格納されているアプリのソフトウェアのプログラム論理図である。
図9図1Aおよび図2のスマートデバイスに格納されているアプリのソフトウェアのプログラム論理図である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
図1Aは、本発明によるスマートデバイス12で拡張された半田付けシステム10のブロック図および概略図を提供する。半田付けシステム10は、ケーブルアセンブリ22を介してハンドル24およびカートリッジ26に接続されている制御ステーション20の周囲に構成されている。制御ステーション20は、制御信号および電力をカートリッジ26に供給し、オペレータは制御ステーション20を半田付けまたは半田除去操作を行うために操作する。
【0091】
制御ステーション20は、スマートデバイス12、直接またはスマートデバイス12を介してホストマシン40、並びに、温度計50(測定装置)などの温度センサとの無線通信を可能にする回路を含むように適合されている。ホストマシン40は保護されたイントラネットシステムの構成要素であり、あるいはインターネットに接続されていてもよい。
【0092】
制御ステーション20は、図1Aに並べて描かれているフロントパネル20Aおよびリアパネル20Bを有する。フロントパネル20A上に、制御ステーション20は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ55を有する。ディスプレイ55は例えば発光ダイオード(LED)ディスプレイを使用してもよい。フロントパネル20Aはまた、ケーブルアセンブリ22への接続を可能にするソケット52と、制御ステーション20に電源を入れたり切ったりするための電源スイッチ54とを含む。フロントパネル20Aはまた、ボタン56A、56B、56C、および56Dとして示される、データまたは制御を入力するためのいくつかの要素を含む。データ入力要素は、例えば押しボタン、トグルスイッチ、ノブ、ダイヤル、およびタッチまたは光学センサを含む任意の数の電気的構成要素であり得る。
【0093】
制御ステーション20のリアパネル20Bは、電源ソケット60と、少なくとも1つの接続ボードスロット62とを含む。図1Aは、例えばカバーパネル70、RS232C回路基板72、無線接続基板74、USBコネクタ基板76、およびLAN基板78を含む、接続ボードスロット62に取り付けることができる様々なアイテムを概略的に示す。これらの基板72、74、76、および78のそれぞれは、制御ステーション20をスマートデバイス12またはホストマシン40に相互接続するために適切な無線接続性で使用され得る。
【0094】
図1Aはまた、カートリッジ26を固定するハンドル24を概略的に示す。ハンドル24は、例えばPROM、EPROMまたはEEPROMのようなメモリ要素34を含み得る。メモリ要素34は、ハンドル24に挿入されたカートリッジ26の種類に特有の情報を格納するために使用されてもよい。
【0095】
情報は、変更することができないデータ(固定データ)を含むことができ、制御ステーション20によって又はそれを介してメモリ要素34に書き込まれる情報(可変データ)を記憶することができる。固定データは、例えば、各カートリッジ26のカートリッジシリアル番号、こて先形状データ、および工場設定温度データを含むことができる。 可変データは、プログラムされた設定温度データ、温度オフセット値、印加負荷カウント、合計電力時間、半田操作総数、および鉛入り半田の使用を含むことができる。印加負荷カウントは、半田付け以外の操作(したがって、半田付け操作総数よりも大きい数)から構成されてもよいし、または通電時間の合計でもよい。
【0096】
好ましい実施形態では、様々なカートリッジ26のそれぞれを含む半田付けシステム10の各構成要素に、各構成要素を一意に識別するためのクイックレスポンスコード(「QRコード」:登録商標)タイプのマトリックスバーコードが設けられている。カートリッジ26は、一体型ヒータ/センサ36およびこて先38を含む。半田付けシステム10は、任意の数の既知のこて先デザインを有する半田付けおよび半田除去カートリッジの複数の種類およびスタイルを提供する。
【0097】
図1Bは、温度計50の電気的構成を示すブロック図である。温度計50は、温度センサ501と、無線通信インターフェース502と、マイコン503と、を備える。温度計50は、こて先温度を測定する機能およびこの測定値を無線で送信する機能を有する。
【0098】
温度センサ501は、例えば、熱電対であり、こて先温度の測定に用いられる。無線通信インターフェース502は、ブルートゥース(登録商標)規格に従った通信方式によって、スマートデバイス12と無線通信する機能を有する。通信方式は、ブルートゥース規格に限らず、例えば、赤外線通信規格やNFC(Near field communication)でもよい。マイコン503は、温度計50の機能を実現するための各種の処理および制御をする。
【0099】
図2は、スマートデバイス12と半田付けシステム10との相互作用の略図であるボックス図である。スマートデバイス12は、最初にダウンロード可能なソフトウェアプログラムアプリケーション(以下「アプリ」)でプログラムされる。スマートデバイス12のホーム画面上のアイコンは、ユーザがアプリを起動することを可能にする。ユーザはスマートデバイス12上でアプリを起動し、次いでスマートデバイス12を使用して制御ステーション20、温度計50、およびオペレータ/ユーザまたは関連するワークステーションに関連するQRコードを読み取る。制御ステーション20および温度計50のQRコードを読み取った後、スマートデバイス12は温度計50との無線通信リンクを確立し、スマートデバイス12が温度計50から温度測定信号を受信することを可能にする。なお、スマートデバイス12が、制御ステーション20との無線通信リンクを確立し、制御ステーション20から制御データを受信できるようにしてもよい。スマートデバイス12は、受信した情報を表示し、スマートデバイス12のユーザが、以下により詳細に説明するように、制御ステーション20と、プログラムされたやり取りを開始することを可能にする。
【0100】
図3は、スマートデバイス12と、図1Aおよび図2の制御ステーション20を有さないAC電源式半田付け装置との相互作用の略図である。図3の半田付け装置は、ガン式半田付け装置80または棒式半田付け装置82である。制御ステーション20を有さないAC電源式半田付け装置の総称を半田付け装置80、82と記載する。半田付け装置80、82のそれぞれは、スマートデバイス12が通信を開始し、半田付け装置80、82の動作に対する制御をするために、読み取ることができる固有のQRコードを含む。図3はまた、ユーザの絵を示し、ユーザ又はユーザのワークステーションは、スマートデバイス12によって読み取られ得るQRコードを有していてもよい。スマートデバイス12が半田付け装置80、82のQRコードを読み取った後、スマートデバイス12は半田付け装置80、82との無線通信リンクを確立する。次に、スマートデバイス12はアプリプログラム上で動作し、スマートデバイス12の画面上に一連の情報を表示して、ユーザが半田付け装置80、82をプログラムすることを可能にする。例えば、ユーザは、スマートデバイス12のアプリを操作して、実際の設定温度、こて先温度センサ値、および通電間隔を見て、半田付け装置80、82の設定温度を変更することができる。
【0101】
スマートデバイス12はまた、アプリを利用して温度計50のQRコードをスキャンし、次いで温度計50によって測定された温度データを使用して半田付け装置80、82の実際のこて先温度をチェックし、設定温度における実際のこて先温度と、こて先温度センサデータとを比較し、半田付け装置80、82および所定の半田付け操作をするために、関連するカートリッジ26に対して、温度設定の調整が必要かどうかを決定する。
【0102】
図4Aは、図3の半田付け装置80、82の基本回路ブロック図を提供する。半田付け装置80、82は、84によって概略的に表されるホルダーまたはハンドルを備える。ハンドル84は、一体型ヒータ/センサ36およびこて先38(半田付けこて先)を含むカートリッジ26を受けるように構成されている。当然のことながら、複数の異なる種類の半田付けカートリッジ26をハンドル84と一緒に使用することができ、カートリッジ26は、例えば、平ら、尖った、くさび形、傾斜円錐形、長方形および箱形などのこて先38の複数の異なる構成を有することができる。各タイプのカートリッジこて先構成は、独自の電力供給要件を有することがあり、カートリッジ26に適切に電力を供給するために、半田付け装置80、82は、所望のこて先温度を得るために電力出力を適合させることが必要となる。一体型ヒータ/センサ36のセンサは、例えば、熱電対である。
【0103】
ハンドル84内の回路は、中央処理装置(CPU)90を含むことが好ましく、CPU90は、ヒータ回路91、こて先温度回路92、AC / DC電力変換回路93、表示回路94および無線通信回路95に接続されて制御をする。これらは、PCB基板88に形成されている。ヒータ回路91は、カートリッジ26のヒータに電力を供給するためにCPU90によって制御される。こて先温度回路92は、半田付け装置80、82の動作中に、カートリッジ26のヒータ/センサ36のセンサ(熱電対)が発生する熱起電力を測定する。CPU90は、測定された起電力を基にしてこて先温度を算出する(こて先温度の測定値が得られる)。
【0104】
AC/DC電力インバータ回路93は、AC電源に接続し、整流されたDC電力をCPU90に供給する。表示回路94は、CPU90によって制御され、例えばオン/オフステータス、準備完了ステータス、こて先温度設定、および/または実際のこて先温度データ等のデータを表示するLEDまたは液晶ディスプレイとすることができる。CPU90に接続された無線通信回路95は、ブルートゥース回路であることが好ましいが、例えばスマートデバイス12と対話するための赤外線通信回路または無線周波数通信回路を含む他のタイプの無線通信回路であってもよい。
【0105】
CPU90は、こて先温度回路92によって提供されるこて先温度を監視し、その測定されたこて先温度を所望の設定温度と比較し、望ましいこて先温度を確立するため、一体型ヒータ/センサ36にヒータ回路91によって提供される電力を調整する温度フィードバック制御プログラムを含むことが好ましい。無線通信回路95は、CPU90がスマートデバイス12に接続して、半田付けプロセスで使用されているカートリッジ26の温度設定および電力レベル要件に関する更新命令を取得することを可能にする。
【0106】
これにより、ユーザは個々の半田付け装置80、82を補正することができる。例えば、こて先38の劣化により、カートリッジ26が交換された場合に、交換前のカートリッジ26と交換後のカートリッジ26において、一体型ヒータ/センサ36の抵抗値が異なることにより、異なる温度が出力されるようになったとき、補正がされる。スマートデバイス12および本発明のアプリを用いて、スマートデバイス12は、温度計50によって感知されたこて先温度を読み取り、CPU90から設定こて先温度を取得し、そして温度計50によって測定された実際のこて先温度が、CPU90によって提供された設定温度と一致するかどうかを判定する。スマートデバイス12が、温度計50によって測定された実際のこて先温度とCPU90によって提供される設定温度との間の差を識別した場合、スマートデバイス12のアプリは、所望のこて先温度を得るために、必要に応じて特定のオフセット量だけカートリッジ26への電力出力を調整するようにユーザがCPU90に指示することを可能にする。その後、CPU90は、特定のカートリッジ26の今後の使用のためにオフセット仕様を保持することができる。例を続けると、温度計50がこて先温度が実際には290℃であると判断した場合、スマートデバイス12は、10℃の上方調整に必要なレベルでカートリッジ26に供給される電力を増加させるようにCPU90に命令する。
【0107】
半田付け装置80、82とスマートデバイス12との間で半田付け装置80、82の動作パラメータのやり取りをすることができる。動作パラメータのやり取りにより、スマートデバイス12を用いた半田付け装置80、82の制御ができる。例えば、ユーザは、半田付け装置80、82のこて先温度の設定温度(動作パラメータの例)をスマートデバイス12に表示された設定画面(入力画面)に入力し、スマートデバイス12は、入力された設定温度を示す情報を無線通信で半田付け装置80、82に送ることができる。半田付け装置80、82のCPU90は、この情報が示す設定温度に、こて先38の温度を制御する。
【0108】
これについて詳しく説明する。図4Bは、スマートデバイス12を用いて半田付け装置80、82のこて先温度(こて先38の温度)を設定する動作を説明する説明図である。図3図4Aおよび図4Bを参照して、スマートデバイス12と半田付け装置80、82との間には、無線通信のリンクか確立している。ユーザは、スマートデバイス12を操作して、こて先温度の設定画面を表示する命令を入力する(S11)。これにより、スマートデバイス12のコンピュータは、こて先温度の設定画面(半田こての設定温度の設定画面)をスマートデバイス12のディスプレイに表示させる(S12)。
【0109】
ユーザは、スマートデバイス12を操作して、こて先温度の設定画面に、こて先38の設定温度を入力して、こて先温度を設定する(S13)。ユーザは、スマートデバイス12を操作して、設定されたこて先温度を送信する命令を入力する(S14)。これにより、スマートデバイス12は、設定されたこて先温度を示す情報を無線通信で半田付け装置80、82に送信する(S15)。
【0110】
半田付け装置80、82の無線通信回路95は、スマートデバイス12から送信されてきた、設定されたこて先温度を示す情報を受信する(S21)。CPU90は、無線通信回路95が受信した情報が示すこて先温度にこて先38の温度を制御する(S22)。
【0111】
処理S15の後、スマートデバイス12は、処理S13で設定されたこて先温度とこの設定がされた日時とを紐づけた情報を記録する(S16)。なお、スマートデバイス12がこの情報を記録せずに、ホストマシン40がこの情報を記録する場合、スマートデバイス12は、この情報をホストマシン40に送信する。
【0112】
動作パラメータのやり取りにより、スマートデバイス12を用いた半田付け装置80、82の監視ができる。例えば、半田付け装置80、82は、一体型ヒータ/センサ36(半田こてに内蔵された温度センサ)が測定したこて先38の温度の測定値(動作パラメータの例)を示す情報を無線通信でスマートデバイス12に送ることができる。スマートデバイス12は、この情報が示す測定値の画面を表示する。
【0113】
これについて詳しく説明する。図4Cは、スマートデバイス12を用いて半田付け装置80、82のこて先温度(こて先38の温度)の測定値を取得・記録する動作を説明する説明図である。図3図4Aおよび図4Cを参照して、スマートデバイス12と半田付け装置80、82との間には、無線通信のリンクか確立している。ユーザは、スマートデバイス12を操作して、こて先温度の測定値を要求する命令を入力する(S31)。これにより、スマートデバイス12のコンピュータは、この命令を半田付け装置80、82に無線通信で送信する(S32)。
【0114】
半田付け装置80,82の無線通信回路95は、処理S32で送信されてきた命令を受信する(S41)。CPU90は、無線通信回路95が受信した命令に従って、一体型ヒータ/センサ36の出力を基にして、こて先38の温度の測定値を算出する(S42)。CPU90は、測定値と測定日時とを紐づけた情報を生成し、この情報を無線通信回路95に送信させる(S43)。
【0115】
スマートデバイス12は、処理S43で送信されてきた情報を受信する(S33)。スマートデバイス12は、処理S33で受信した情報(こて先温度の測定値と測定日時を紐づけた情報)を記録する(S34)。なお、スマートデバイス12がこの情報を記録せずに、ホストマシン40がこの情報を記録する場合、スマートデバイス12は、この情報をホストマシン40に送信する。
【0116】
図5は、スマートデバイス12内にインストールされたプログラムアプリケーション(アプリ)によって生成された画面表示の進行を示している。スマートデバイス12内のアプリの起動はブロック100で表されている。アプリが起動されると、スマートデバイス12のディスプレイは、ホーム画面ブロック102によって表されるように、ユーザが半田付け装置80、82または半田付けシステム10を制御または監視するために選択することができるデータ管理オプションを表示する。
【0117】
例えば、スマートデバイス12は、「測定項目を選択する」という指示と、「温度」、「半田こて、温度」、および「半田こて、測定者、温度」という3つのオプション選択とを表示することができる(温度はこて先温度であり、所定のデータの例である)。各オプションは、スマートデバイス12のタッチ画面機能、あるいはマウスまたはキーボード機能を使用してユーザがオプションを選択できるように強調表示され表示される。すなわち、端末装置(スマートデバイス12)のコンピュータは、測定装置(温度計50)が測定した所定のデータを記録する第1モードを選択するボタン、所定のデータと半田こての識別情報とを紐づけた情報を記録する第2モードを選択するボタン、並びに、所定のデータと半田こての識別情報と所定のデータの測定者の識別情報とを紐づけた情報を記録する第3モードを選択するボタンを含む画面を、端末装置(スマートデバイス12)に表示させる。ユーザ(以下、図5の説明において、ユーザは測定者を意味する)はオプションを選択し、そしてディスプレイは選択されたオプションに対応する別の表示であるブロック104の「温度」、またはブロック106の「半田こてを読む」に進む。
【0118】
温度ブロック104において、スマートデバイス12は、温度計50からの温度読み取り値(こて先温度の測定値)を受信するのを待つ。温度は、温度計50からの無線信号送信を介して、または温度計50への有線接続を介してスマートデバイス12に入力され得る。スマートデバイス12が温度信号を受信すると、スマートデバイス12は温度と測定日時を表示し、記録する。スマートデバイス12は、また、「登録」および「クリア」アイコン(ボタン)を表示する。ユーザが「登録」アイコンを選択すると、温度測定データ(時間および温度)をスマートデバイス12または図1Aのホストマシン40内のデータベースに記録することを可能にする。ユーザが「クリア」アイコンを選択すると、スマートデバイス12は温度測定データをクリアし、温度計50からの別の温度測定値を受け取ることを可能にする。
【0119】
ユーザがホーム画面ブロック102で「半田こて、温度」または「半田こて、測定者、温度」のアイコンのいずれかを選択した場合、スマートデバイス12は「半田こてを読む」ブロック106に進む。ブロック106では、ユーザは「半田こてを読む」アイコンを選択して、スマートデバイス12をブロック108の「スキャンQRコード」表示に進ませる。「スキャンQRコード」表示では、スマートデバイス12は「半田こてのQRコードを枠内に合わせる」という指示を出す。この指示の上にQRコード読取枠108aがある。ユーザは、QRコードをQRコード読取枠108aに入れた状態で、スマートデバイス12のカメラにQRコードを読み取らせる。すなわち、ユーザがスマートデバイス12のカメラを半田付け装置80、82のQRコードに位置合わせすると、カメラ画像はスマートデバイス12によって処理されてQRコードを読み取り、アプリ内のコードのデータベースを参照することによって、スマートデバイス12は半田付け装置80、82または少なくとも半田付け装置80、82の種類を識別する。
【0120】
ホーム画面でユーザが「半田こて、温度」アイコンを選択した場合、QRコードを読んだ後、プログラムは登録画面ブロック110に進み、そこでスマートデバイス12は温度計50に問い合わせて受信された半田こての温度(こて先温度)の測定値を取得し、QRコードから取得した装置識別子(ID)、日付と時刻の情報(日時の情報)とともに温度を表示する。ブロック110の登録画面で、ユーザは、「登録」アイコン(ボタン)および「クリア」アイコン(ボタン)から選択して、「登録」アイコンにより、温度、時間および装置データをスマートデバイス12内のデータベースまたは図1Aのホストマシン40に記録し、または「クリア」アイコンにより、新しい温度測定値が得られるように温度データを消去する。ブロック102のホーム画面に戻るために、ユーザは「ホーム」アイコンを選択することもできる。
【0121】
ホーム画面でユーザが「半田こて、測定者、温度」アイコンを選択した場合、スキャンQRコード画面ブロック108から、スマートデバイス12はブロック112の「測定者読み取り画面」に進む。測定者読み取り画面ではスマートデバイス12は「測定者読み取り」アイコンを表示する。ユーザが「測定者読み取り」アイコンを選択すると、スマートデバイス12は、ブロック114に示すように「測定者のQRコードをスキャンする」画面に進む。「測定者のQRコードをスキャンする」表示では、スマートデバイス12は「測定者のQRコードを枠内に合わせる」指示を出す。この指示の上にQRコード読取枠114aがある。ユーザは、自分のQRコードをQRコード読取枠114aに入れた状態で、スマートデバイス12のカメラにQRコードを読み取らせる。スマートデバイス12は、スマートデバイス12に備えらえるユーザデータベースを用いて、読み取られたQRコードが割り当てられたユーザを識別する。
【0122】
スマートデバイス12は次に「登録画面」ブロック116に進む。「登録画面」において、スマートデバイス12は、温度、測定の日時、半田付け装置80、82の識別子(ID)、およびユーザの識別子(ID)に含まれるユーザ名を表示する。スマートデバイス12のディスプレイは、「登録」アイコンと「クリア」アイコンをさらに含む。「登録」アイコンを選択することによって、温度、測定の日時、半田付け装置80、82の識別子(ID)、およびユーザの識別子(ID)がスマートデバイス12内のデータベースまたは図1Aのホストマシン40に記録される。「クリア」アイコンを選択することによって、温度測定データはクリアされ、スマートデバイス12は温度計50からの新たな読み取り値で温度データをリフレッシュする。スマートデバイス12はまた、「登録画面」内に「ホーム」アイコンを含み、ユーザがスマートデバイス12をブロック102のホーム画面に戻すことを可能にする。
【0123】
図5に示す実施形態では、「温度」モード、「半田こて、温度」モード、および「半田こて、測定者、温度」モードの中から選択されるが、これに限定されない。「温度」モードおよび「半田こて、温度」モードの中から選択される実施形態、「半田こて、温度」モードおよび「半田こて、測定者、温度」モードの中から選択される実施形態、「温度」モードおよび「半田こて、測定者、温度」モードの中から選択される実施形態も可能であるし、いずれかのモードのみの実施形態も可能である。同様のことが、図6に示す実施形態、図8に示す実施形態、図9に示す実施形態についても言える。
【0124】
スマートデバイス12のアプリおよびプログラムは、半田付けシステム10のユーザが最も重要なこて先温度データを含む半田付けシステム10の動作を監視して、半田付けシステム10、特に摩耗や損傷しやすいこて先の性能劣化である欠陥を識別することを可能にする。スマートデバイス12はまた、改善された品質管理および半田付けプロセスの均一性を提供するために、作業環境内の多数の異なる半田付け装置80、82の動作を監視して監督者によって使用されてもよい。
【0125】
上記の説明は、スマートデバイス12用のアプリの基本機能を提供する。本発明はさらに、カートリッジ26において、スマートデバイス12を使用して半田付け装置80、82の動作パラメータを制御し、半田付けシステム10のそれぞれの構成要素、特に半田付けについての動作使用データを記録および維持する機能を含む、アプリの機能強化を企図する。動作データは、図1Aのスマートデバイス12またはホストマシン40内に格納することができる。
【0126】
図6は、スマートデバイスアプリのための例示的なプログラムロジックを示すフローチャートを提供する。図6のフローチャートに示されるプログラムは、ユーザ(以下、図6の説明において、ユーザは測定者を意味する)がスマートデバイス12の半田付け制御アプリを開くと開始ブロック200で開始される。起動すると、アプリはスマートデバイス12に「ホーム」画面ブロック201を起動させる。次にプログラムは判断ブロック202に進み、そこでユーザは、測定を設定するか否かを尋ねられる。ユーザが半田付け装置80、82の測定を設定することを選択した場合、プログラムはブロック203に進み、そこでユーザは所望のこて先温度および場合によっては温度範囲を設定するように促される。ユーザが応答した後、プログラムは判断ブロック204に進み、そこでユーザに測定装置(温度計50)を識別する選択肢が提示される。ユーザが辞退した場合、プログラムはホーム画面ブロック201に戻る。ステップ204で、ユーザが測定装置を識別することを選択した場合、プログラムはステップ206に進み、そこで、プログラムはQRスキャン機能を起動して、ユーザに測定装置のQRコードをスキャンするように促し、そして、ホーム画面ブロック201に戻る。
【0127】
プログラムが決定ブロック202にあり、ユーザが温度を設定しないことを選択すると、プログラムはモード選択画面ブロック208に進む。モード選択画面ブロック208において、ユーザは制御されるべき装置および所望の動作を選択するように促される。
【0128】
ブロック208のモード選択画面は、いくつかのアイコン(ボタン)を提供し、ユーザに、アプリが提供できる所望の操作を選択することを可能にする。モード選択画面ブロック208は、「温度」、「半田こて、温度」、および「半田こて、測定者、温度」のアイコンを表示することができる。ユーザが選択するアイコンは、プログラムがいずれのサブルーチンに進むかどうかを決定する。サブルーチンは、ブロック210の温度測定を開始するモード、ブロック226の温度測定・半田こて管理を開始するモード、または、ブロック228の温度測定・半田こて管理・測定者管理を開始するモードである。
【0129】
ブロック208のモード選択画面で、ユーザが「温度」を選択した場合、プログラムはブロック210の温度測定を開始するモードに進む。そして、プログラムはブロック212の登録画面モードに進む。この登録画面は、図5に示すブロック104で示す画面において、日時欄と温度欄との間に測定装置ID欄がある。日時欄に測定の日時が示され、測定装置ID欄にブロック206で得られた測定装置(温度計50)のID(識別情報)が示されている。温度欄は空欄である。また、スマートデバイス12は、ブロック212において、スマートデバイス12と温度計50との間の通信リンクを確立する。
【0130】
そして、プログラムは、赤外線こて先温度データの受信モードのブロック214に進む。その時点で、スマートデバイス12は温度計50に問い合わせて、正確なこて先温度の測定値を得る。こて先温度データを取得した後、プログラムは、測定されたこて先温度を表示するモードのブロック216に進み、そこで温度計50によって測定されたこて先温度の測定値がスマートデバイス12上にユーザへ表示される。プログラムは次に決定ブロック218に進み、そこでスマートデバイス12は温度データを登録するオプションを表示する。次に、ユーザは、温度データを保存する必要があるかどうかを決定する。ユーザがデータを保存しないことを決定した場合、ユーザは登録を拒否し、こて先温度の測定値はクリアされ、そしてプログラムはブロック214に戻る。決定ブロック218でユーザが登録を受諾すると、プログラムはデータ保存ブロック220に進み、そこで、こて先温度の測定データをスマートデバイス12またはホストマシン40(図1A)に保存する。なお、温度データがステップ203で設定した温度範囲内であれば、プログラムは自動的にデータ保存ブロック220に進み、範囲外であれば、プログラムは自動的にブロック214に戻るようにしてもよい。保存されるデータは、測定の日時、測定装置(温度計50)のID(識別情報)およびこて先温度の測定値を含む。データが保存された後、プログラムは決定ブロック222に進み、そこで、ユーザは別の半田付け装置80、82について、温度測定をするか(Yes)、しないか(No)を尋ねられる。ユーザが「Yes」を選択した場合、プログラムはブロック214に戻る。ユーザが「No」を選択した場合、プログラムはアプリ終了ブロック224に進み、そこでアプリはスマートデバイス12上で閉じられる。
【0131】
ブロック208のモード選択画面で、ユーザが「半田こて、温度」を選択した場合、プログラムは温度測定開始・半田こて管理のモードのブロック226に進む。プログラムが「半田こて、温度」サブルーチンに入ると、プログラムは半田こてのQRスキャンモードのブロック230へ進む。この時点で、アプリはスマートデバイス12にQRスキャンプログラムを開かせ、ユーザにスマートデバイス12のカメラが半田付け装置80、82のQRコードを識別するように促し、スキャンされたQRコードをブロック232のプログラムで識別する。次に、プログラムはブロック234の登録画面モードに進む。この登録画面は、図5に示すブロック110で示す画面において、日時欄と温度欄との間に測定装置ID欄がある。日時欄に測定の日時が示され、測定装置ID欄にブロック206で得られた測定装置(温度計50)のID(識別情報)が示されている。温度欄は空欄である。温度欄の下にある半田こてID欄には、ブロック232で識別されたIDが示される。また、スマートデバイス12は、ブロック234において、スマートデバイス12と温度計50との間の通信リンクを確立する。次に、プログラムはブロック236の赤外線こて先温度の受信に進み、スマートデバイス12は温度計50から温度データを受信する。
【0132】
その後、プログラムは測定温度および半田こてコードを表示するモードのブロック238に進む。アプリは測定された温度および特定の半田付け装置80、82を識別するコードをスマートデバイス12に表示する。次に、決定ブロック240で、ユーザはデータを登録するように促される。ユーザがデータを登録しないことを決定した場合、プログラムはブロック236に戻る。ユーザがデータを登録することを選択した場合、プログラムはデータの保存に進み、ブロック242でログファイルにデータを追加し、ブロック238で得られた温度データおよび対応する半田付け装置80、82のデータをスマートデバイス12またはホストマシン40(図1A)のメモリに保存する。なお、温度データがステップ203で設定した温度範囲内であれば、プログラムは自動的にブロック242に進み、範囲外であれば、プログラムは自動的にブロック236に戻るようにしてもよい。保存されるデータは、測定の日時、測定装置(温度計50)のID(識別情報)、こて先温度の測定値、および、半田こて(半田付け装置80、82)のID(識別情報)を含む。ブロック242でデータが保存された後、プログラムは、再度測定決定ブロック244に進む。次に、ユーザは別の測定を行うことを選択し、それに応じてプログラムはブロック230に戻るか、ユーザは別の測定を行わないことを選択し、プログラムはアプリ終了ブロック224に進む。
【0133】
ブロック208のモード選択画面で、ユーザが「半田こて、測定者、温度」を選択した場合、プログラムは、温度測定開始・半田こての管理・測定者管理のモードのブロック228に進む。ユーザが次に「半田こて、測定者、温度」サブルーチンに進んだ時、プログラムはブロック250の半田こてQRスキャンモードに進む。この時点で、アプリはスマートデバイス12にそのQRスキャンプログラムを開かせ、ユーザにスマートデバイス12のカメラが半田付け装置80、82のQRコードを識別するように促し、次にブロック252で、スキャンされたQRコードをプログラムに対して識別する。次にプログラムはユーザのQRスキャンのブロック254に進む。この時点で、アプリはスマートデバイス12にそのQRスキャンプログラムを再度開かせ、ユーザのQRコードをスマートデバイス12のカメラに識別させるようにユーザに促す。そしてブロック256で、スキャンされたQRコードをプログラムに識別させる。QRコードがスキャンされた後、プログラムはブロック258の登録画面モードに進む。この登録画面は、図5に示すブロック116で示す画面において、日時欄と温度欄との間に測定装置ID欄がある。日時欄に測定の日時が示され、測定装置ID欄にブロック206で得られた測定装置(温度計50)のID(識別情報)が示されている。温度欄は空欄である。温度欄の下にある半田こてID欄には、ブロック252で識別されたID(識別情報)が示される。半田こてID欄の下にある測定者欄には、ブロック256で識別されたID(識別情報)に含まれるユーザ(測定者)の氏名が示される。また、スマートデバイス12は、ブロック258において、スマートデバイス12と温度計50との間の通信リンクを確立する。
【0134】
次にプログラムは赤外線こて先温度を受信するブロック260に進む。そこでスマートデバイス12は、温度計50から温度データを受信する。プログラムは、測定温度、半田こてコード、および測定者コードの表示ブロック262に進む。アプリは、測定された温度と特定の半田付け装置80、82を識別するコード、そして測定者に関連付けられたコード(ユーザまたはユーザのワークステーション)をスマートデバイス12上に表示する。次に、決定ブロック264で、ユーザはデータを登録するように促される。ユーザがデータを登録しないことを決定した場合、プログラムはブロック260に戻る。ユーザがデータを登録することを選択した場合、プログラムはブロック266でデータを保存してログファイルにデータを追加し、そこで温度データおよび対応する半田付け装置データおよび測定者データがスマートデバイス12内またはホストマシン40(図1A)のメモリに保存される。なお、温度データがステップ203で設定した温度範囲内であれば、プログラムは自動的にブロック266に進み、範囲外であれば、プログラムは自動的にブロック260に戻るようにしてもよい。保存されるデータは、測定の日時、測定装置(温度計50)のID(識別情報)、こて先温度の測定値、半田こて(半田付け装置80、82)のID(識別情報)、および、測定者のID(識別情報)を含む。ブロック266でデータが保存された後、プログラムは決定測定ブロック268へ進む。次に、ユーザは別の測定をすることを選択し、それに応じてプログラムはブロック250に戻るか、またはユーザは別の測定を行わないことを選択してプログラムはアプリ終了ブロック224に進む。
【0135】
測定対象が図4Aに示す半田付け装置80、82のこて先温度を例にして説明したが、図1Aに示す半田付けシステム10に備えらえる半田こて(ハンドル24とカートリッジ26)のこて先温度を測定対象にしてもよい。
【0136】
半田付け装置80、82のユーザが測定者である場合で説明したが、半田付け装置80、82のユーザと測定者とが異なる場合もある。この場合、ブロック254、256で測定者のQRコードのスキャンと識別を、スマートデバイス12に実行させ、その後、ユーザのQRコードまたはこのユーザのワークステーションのQRコードのスキャンと識別を、スマートデバイス12に実行させる。ユーザのQRコードまたはこのユーザのワークステーションのQRコードも上記保存されるデータに含まれる。
【0137】
図7Aは、静電放電(ESD)安全装置を備えたワークステーションの半田付けシステム10を示す。ワークステーションはESDセーフ作業マット16およびESDセーフ床マット18を備えたテーブル14を含む。ワークステーションの半田付けシステム10は、図1Aに関して上述したように、制御ステーション20、ケーブルアセンブリ22、カートリッジ26を備えたハンドル24を含む。ワークステーション上では、作業マット16および床マット18は電気的アースに電気的に接続されている。半田付けシステム10のユーザは、ESDセーフ服120を着用し、リストストラップ122と帯電防止靴124を着用するように示されている。制御ステーション20に加えて、温度、こて先-アース間抵抗およびリーク電圧を検出する検出装置130やリストストラップテスタ132およびイオナイザーファン134もテーブル14上にある。図7Aにおいて、リストストラップ122はアースされているが、リストストラップ-アース間抵抗が測定される場合、リストストラップ122とアースとを接続する配線がアースから外されて、リストストラップテスタ132に接続される。
【0138】
検出装置130(測定装置)は、半田付けシステム10に備えられる半田こて(ハンドル24とカートリッジ26)について、こて先温度、こて先-アース間抵抗およびリーク電圧を測定する。こて先-アース間抵抗は、こて先38とアースとの間の抵抗である。リーク電圧(半田こてのリーク電圧)は、こて先38からのリーク電流で生じる電圧である。測定対象は、半田付けシステム10に備えらえる半田こてに限らず、例えば、図4Aに示す半田付け装置80、82を測定対象にしてもよい。
【0139】
図7Bは、検出装置130の電気的構成を示すブロック図である。検出装置130は、温度センサ1301と、抵抗測定回路1302と、電圧測定回路1303と、無線通信インターフェース1304と、マイコン1305と、を備える。
【0140】
温度センサ1301は、例えば、熱電対であり、こて先温度の測定に用いられる。抵抗測定回路1302は、こて先-アース間抵抗の測定に用いられる。リーク電流の大部分は、こて先38からアース線を経て、コンセントのアースターミナルに流れる。これにより、電子部品への悪影響を防止できる。よって、こて先-アース間抵抗の管理は重要である。電圧測定回路1303は、リーク電圧の測定に用いられる。リーク電圧は、こて先38から、ワーク(基板、電子部品)に漏れるリーク電流で生じる電圧である。リーク電圧は、リーク電流のレベルを具体的に示している。リーク電流は、電子部品に悪影響を与えるので、リーク電圧の管理は重要である。
【0141】
無線通信インターフェース1304は、ブルートゥース規格に従った通信方式によって、スマートデバイス12と無線通信する機能を有する。通信方式は、ブルートゥース規格に限らず、例えば、赤外線通信規格でもよい。マイコン1305は、検出装置130の機能を実現するための各種の処理および制御をする。
【0142】
リストストラップテスタ132(測定装置)は、リストストラップ122とアースとの間の抵抗(リストストラップ抵抗)を測定することにより、リストストラップの故障(リストストラップ122の断線)やリストストラップ122の装着の不具合を検知する。なお、正確に言えば、リストストラップテスタ132は、リストストラップ122を装着したユーザとアースとの間の抵抗(ユーザおよびリストストラップ122の抵抗)を測定する。
【0143】
図7Cは、リストストラップテスタ132の電気的構成を示すブロック図である。リストストラップテスタ132は、抵抗測定回路1321と、無線通信インターフェース1322と、マイコン1323と、を備える。
【0144】
抵抗測定回路1321は、リストストラップ122とアースとの間の抵抗の測定に用いられる。無線通信インターフェース1322は、ブルートゥース規格に従った通信方式によって、スマートデバイス12と無線通信する機能を有する。通信方式は、ブルートゥース規格に限らず、例えば、赤外線通信規格でもよい。マイコン1323は、リストストラップテスタ132の機能を実現するための各種の処理および制御をする。
【0145】
図8および図9のプログラム論理フローチャートに関して以下に説明するように、温度、こて先-アース間抵抗およびリーク電圧を検出する検出装置130ならびにリストストラップテスタ132はQRコードを有し、ならびに本実施形態のアプリおよびプログラムと共に使用するための無線通信回路を備えるようにアップグレードされる。
【0146】
図8は、図7AのESDセーフ用半田付けシステム10およびリストストラップテスタ132と協働するスマートデバイスアプリのための追加のプログラムロジックを図示するフローチャートである。ユーザ(以下、図8の説明において、ユーザは測定者を意味する)がスマートデバイス12上の半田付け制御アプリを開くと、図8のフローチャートに示されるプログラムが開始ブロック300で開始される。起動時に、アプリはスマートデバイス12に「ホーム」画面のブロック301を開始させる。プログラムは次に決定ブロック302に進み、そこでユーザは、測定を設定するか否かを促される。ユーザが、リストストラップ-アース間抵抗(リストストラップ122の抵抗)の測定を設定することを選択した場合、プログラムはブロック303に進み、そこでユーザはリストストラップ-アース間抵抗の合格範囲を設定するように促される。ユーザが応答した後、プログラムは決定ブロック304に進み、ここでユーザは、測定装置(リストストラップテスタ132)を識別する選択肢を提示される。ユーザが辞退した場合、プログラムはホーム画面起動ブロック301に戻る。ステップ304でユーザが測定装置を識別することを選択した場合、プログラムはステップ306に進み、そこでQRスキャン機能を起動してユーザに測定装置のQRコードをスキャンするように促す。その後、プログラムはホームス画面起動ブロック301に戻る。
【0147】
プログラムが決定ブロック302にあり、ユーザが測定を設定しないことを選択すると、プログラムはモード選択画面ブロック308に進む。モード選択画面ブロック308で、ユーザは所望の動作を選択するように促される。
【0148】
ブロック308のモード選択画面は、いくつかのアイコン(ボタン)を提供して、ユーザが、アプリが提供できる所望の追加の操作を選択することを可能にする。ブロック308のモード選択画面は、「リストストラップ-アース間抵抗の管理」、「リストストラップ-アース間抵抗の管理、リストストラップの管理」、および「リストストラップ-アース間抵抗の管理、リストストラップの管理、測定者の管理」のアイコンを表示することができる。ユーザが選択するアイコンは、プログラムがどのサブルーチンに進むか否かを決定する。サブルーチンには、リストストラップ-アース間抵抗の管理を開始するブロック310と、リストストラップ-アース間抵抗の管理、リストストラップの管理を開始するブロック326と、リストストラップ-アース間抵抗の管理、リストストラップの管理、測定者の管理を開始するブロック328と、がある。
【0149】
ブロック308のモード選択画面で、ユーザが「リストストラップ-アース間抵抗の管理」を選択した場合、プログラムは、リストストラップ-アース間抵抗の管理開始モードのブロック310に進む。次にプログラムは登録画面モードのブロック312に進み、そこでプログラムはスマートデバイス12とリストストラップテスタ132間の通信リンクを確立する。この登録画面は、日時欄、測定装置ID欄、および、リストストラップ-アース間抵抗欄を含む。日時欄に測定の日時が示され、測定装置ID欄にブロック306で得られた測定装置(リストストラップテスタ132)のIDが示されている。リストストラップ-アース間抵抗欄は空欄である。プログラムはリストストラップテスタ132から赤外線測定データを受信するブロック314に進む。その時点で、スマートデバイス12は、リストストラップ-アース間抵抗の測定値を得るためにリストストラップテスタ132に問い合わせる。リストストラップ-アース間抵抗の測定値を得た後、プログラムは、この測定値の表示画面のブロック316に進み、そこでスマートデバイス12に、リストストラップ-アース間抵抗の測定値がユーザに対して表示される。次にプログラムは決定ブロック318に進み、リストストラップ-アース間抵抗の測定値が、ブロック303で設定した合格範囲内か否かを判断する。リストストラップ-アース間抵抗の測定値が合格範囲外の場合、プログラムはブロック314に戻る。リストストラップ-アース間抵抗の測定値が合格範囲内の場合、スマートデバイス12は、リストストラップ-アース間抵抗の測定値を登録するオプションを表示する。次に、ユーザは、リストストラップ-アース間抵抗の測定値データを保存する必要があるかどうかを決定する。ユーザがデータを保存しないことを決定した場合、ユーザは登録を拒否し、リストストラップ-アース間抵抗の測定値はクリアされ、プログラムはブロック314に戻る。決定ブロック318でユーザが登録を受け入れる場合、プログラムはデータ保存のブロック320に進む。ここで、リストストラップ-アース間抵抗の測定値データは、スマートデバイス12またはホストマシン40(図1A)に保存される。保存されるデータは、測定の日時、測定装置(リストストラップテスタ132)のID、および、リストストラップ-アース間抵抗の測定値を含む。データが保存された後、プログラムは判断ブロック322に進み、そこでユーザは別のリストストラップ122について、リストストラップ-アース間抵抗の測定を行うか(Yes)、行わないか(No)が問われる。ユーザが「Yes」を選択した場合、プログラムはブロック314に戻る。ユーザが「No」を選択した場合、プログラムはアプリ終了ブロック324に進み、そこでアプリはスマートデバイス12上で閉じられる。
【0150】
ブロック308のモード選択画面でユーザが「リストストラップ-アース間抵抗の管理、リストストラップの管理」を選択した場合、プログラムは、リストストラップ-アース間抵抗の管理、リストストラップ管理のモードを開始するブロック326に進む。
【0151】
その後、プログラムがリストストラップ-アース間抵抗の管理、リストストラップ管理を開始するサブルーチンに入ると、プログラムはリストストラップ122のQRスキャン起動モードのブロック330に進む。ブロック332で、アプリはスマートデバイス12にQRスキャンプログラムを開かせ、スマートデバイス12のカメラでリストストラップ122のQRコードを識別するようにユーザに促し、次にプログラムはスキャンされたQRコードを識別する。次に、プログラムはブロック334で登録画面に進み、そこでプログラムはスマートデバイス12とリストストラップテスタ132との間の通信リンクを確立する。この登録画面は、日時欄、測定装置ID欄、リストストラップ-アース間抵抗欄、および、リストストラップID欄を含む。日時欄に測定の日時が示され、測定装置ID欄にブロック306で得られた測定装置(リストストラップテスタ132)のIDが示されている。リストストラップ-アース間抵抗欄は空欄である。リストラップID欄にブロック332で得られたリストストラップ132のIDが示されている。次に、プログラムはリストストラップテスタ132から赤外線測定データを受信するブロック336に進み、スマートデバイス12はリストストラップテスタ132からリストストラップ-アース間抵抗の測定値データを受信する。その後、プログラムはブロック338の測定値およびリストストラップコードの表示モードに進む。アプリはスマートデバイス12に、リストストラップ-アース間抵抗の測定値およびリストストラップ122を識別するコード(ID)を表示する。次に、プログラムは決定ブロック340に進み、リストストラップ-アース間抵抗の測定値が、ブロック303で設定した合格範囲内か否かを判断する。リストストラップ-アース間抵抗の測定値が合格範囲外の場合、プログラムはブロック336に戻る。リストストラップ-アース間抵抗の測定値が合格範囲内の場合、ユーザは、データ(リストストラップ-アース間抵抗、リストストラップ122の識別コード)の登録を促される。ユーザがデータを登録しないことを決定した場合、データはクリアされ、次いでプログラムはブロック336に戻る。ユーザがデータを登録することを選択した場合、プログラムはブロック342でデータの保存およびログファイルへのデータの追加に進む。ブロック338で得られたリストストラップ-アース間抵抗の測定値および対応するリストストラップ122の識別コード(ID)は、スマートデバイス12内のメモリまたはホストマシン40(図1A)に保存される。保存されるデータは、測定の日時、測定装置(リストストラップテスタ132)のID、リストストラップ-アース間抵抗の測定値、および、リストストラップ122のIDを含む。データがブロック342で保存された後、プログラムは再測定決定ブロック344に進む。次に、ユーザは別の測定を行うことを選択し、それに応じてプログラムはブロック330に戻るか、ユーザは別の測定を行わないことを選択し、プログラムはアプリ終了ブロック324に進む。
【0152】
ブロック308のモード選択画面で、ユーザが「リストストラップ-アース間抵抗の管理、リストストラップの管理、測定者の管理」を選択した場合、プログラムは、リストストラップ-アース間抵抗の管理、リストストラップの管理、測定者の管理を開始するモードのブロック328に進む。次に、「リストストラップ-アース間抵抗管理、リストストラップ管理、測定者管理」のサブルーチンに入ると、プログラムはリストストラップ122のQRスキャン起動のブロック350に進む。
【0153】
ブロック352で、アプリはスマートデバイス12にそのQRスキャンプログラムを開かせ、スマートデバイス12のカメラへリストストラップ122のQRコードを識別するようにユーザに促し、次にスキャンされたQRコードを識別する。プログラムはユーザのQRスキャン起動のブロック354に進む。この時点で、アプリはスマートデバイス12にQRスキャンプログラムを再度開かせ、ユーザのQRコードをスマートデバイス12のカメラに識別させるようユーザに促す。そして、ブロック356において、スキャンされたQRコードを識別する。QRコードがスキャンされた後、プログラムは登録画面起動のブロック358に進み、そこでプログラムはスマートデバイス12とリストストラップテスタ132間の通信リンクを確立する。この登録画面は、日時欄、測定装置ID欄、リストストラップ-アース間抵抗欄、リストストラップID欄および測定者欄を含む。日時欄に測定の日時が示され、測定装置ID欄にブロック306で得られた測定装置(リストストラップテスタ132)のIDが示されている。リストストラップ-アース間抵抗欄は空欄である。リストラップID欄にブロック352で得られたリストストラップ132のIDが示されている。測定者欄にブロック356で得られたユーザのIDに含まれるユーザの氏名が示されている。次に、プログラムはリストストラップ-アース間抵抗受信のブロック360に進み、スマートデバイス12はリストストラップテスタ132からリストストラップ-アース間抵抗の測定値データの赤外線信号を受信する。次に、プログラムは測定値、リストストラップコードおよびユーザコードをスマートデバイス12に表示させるブロック362に進む。次に、プログラムは決定ブロック364に進み、リストストラップ-アース間抵抗の測定値が、ブロック303で設定した合格範囲内か否かを判断する。リストストラップ-アース間抵抗の測定値が合格範囲外の場合、プログラムはブロック360に戻る。リストストラップ-アース間抵抗の測定値が合格範囲内の場合、ユーザはデータ(リストストラップ-アース間抵抗の測定値、リストストラップ122の識別コード(ID)、ユーザの識別コード(ID))を登録するように促される。ユーザがデータを登録しないことを決定した場合、データはクリアされ、その後、プログラムはブロック360に戻る。ユーザがデータの登録を選ぶと、それからプログラムはブロック366でデータを保存してログファイルにデータを追加し、そこで抵抗値、リストストラップコードおよびユーザコードのデータがスマートデバイス12またはホストマシン40(図1A)内のメモリに保存される。保存されるデータは、測定の日時、測定装置(リストストラップテスタ132)のID(識別情報)、リストストラップ-アース間抵抗の測定値、リストストラップ122のID(識別情報)およびユーザ(測定者)のID(識別情報)を含む。ブロック366でデータが保存された後、プログラムは測定決定ブロック368に進む。ユーザが別の測定を行うことを選択すると、それに応じてプログラムはブロック350に戻る。ユーザが別の測定を行わないことを選択すると、プログラムはアプリ終了ブロック324に進む。リストストラップ122の監視に関連するこのプログラムは、図7Aの帯電防止靴124、作業マット16またはフロアマット18を監視するように変更することができることを理解されたい。
【0154】
図7Aに示すワークステーション(静電放電安全装置を備えたワークステーションの半田付けシステム10)のユーザが測定者である場合で説明したが、ユーザと測定者とが異なる場合もある。この場合、ブロック354、356で測定者のQRコードのスキャンと識別を、スマートデバイス12に実行させ、その後、ユーザのQRコードまたはこのユーザのワークステーションのQRコードのスキャンと識別を、スマートデバイス12に実行させる。ユーザのQRコードまたはこのユーザのワークステーションのQRコードも上記保存されるデータに含まれる。
【0155】
図9は、スマートデバイスアプリが、図7Aの検出装置130(安全装置、測定装置)と共に動作するための別の追加のプログラムロジックを示すフローチャートを提供する。検出装置130は、こて先温度、こて先-アース間抵抗およびリーク電圧を検出する。ユーザ(以下、図9の説明において、ユーザは測定者を意味する)がスマートデバイス12の半田付け制御アプリを開くと、図9のフローチャートに示されるプログラムは開始ブロック400で開始される。起動すると、アプリはブロック401でスマートデバイス12に「ホーム」画面を起動させる。次にプログラムは決定ブロック402に進み、そこでユーザは温度および測定値を設定するように促される。ユーザが半田付け装置80、82の温度および測定値を設定することを選択した場合、プログラムはブロック403に進み、そこでユーザは、こて先温度、こて先温度の範囲、最大リーク電圧および最大こて先-アース間抵抗をそれぞれ設定するように促される。ユーザが応答した後、プログラムは決定ブロック404に進み、そこでユーザに測定装置(検出装置130)を識別する選択肢が提示される。ユーザが拒否した場合、プログラムはホーム画面起動のブロック401に戻る。ステップ404において、ユーザは測定装置、例えば検出装置130を識別することを選択した場合、プログラムはステップ405に進み、そこでプログラムは測定装置のQRコードをスキャンするようにQRスキャン機能を起動し、プログラムはホーム画面起動のブロック401に戻る。
【0156】
プログラムが決定ブロック402にあり、ユーザが温度および測定値を設定しないことを選択した場合、プログラムはモード選択画面ブロック406に進む。モード選択画面ブロック406で、ユーザは所望の動作を選択するように促される。
【0157】
ブロック406のモード選択画面は、次に、アプリが提供することができる所望の追加の操作をユーザが選択することを可能にするいくつかのアイコンを提供する。ブロック406のモード選択画面は、「温度測定」、「温度測定、半田こての管理」、および「温度測定、半田こての管理、測定者の管理」のアイコンを表示することができる。図9で説明する温度測定とは、こて先温度、こて先-アース間抵抗およびリーク電圧の測定を意味する。なお、ユーザが、これらの中から一つまたは二つを選択して測定をする場合にも、図9で説明する実施形態は適用することができる。
【0158】
ユーザが選択したアイコンによって、プログラムが温度測定ブロック408か、温度測定、半田こて管理ブロック426もしくは温度測定、半田こて管理、測定者管理ブロック450のいずれかのサブルーチンに進むかが決まる。
【0159】
ブロック406のモード選択画面でユーザが「温度測定」を選択した場合、プログラムはブロック408の測定開始モードに進む。次にプログラムは登録画面起動モードのブロック410に進み、そこでプログラムはスマートデバイス12と検出装置130との間の通信リンクを確立する。この登録画面は、日時欄、測定装置ID欄、温度欄、こて先-アース間抵抗欄およびリーク電圧欄を含む。日時欄に測定の日時が示され、測定装置ID欄にブロック405で得られた測定装置(検出装置130)のIDが示されている。温度欄、こて先-アース間抵抗欄およびリーク電圧欄は空欄である。プログラムは、赤外線こて先温度受信モードのブロック412に進む。その時点で、スマートデバイス12は、検出装置130に問い合わせて、こて先温度の測定値を取得する。こて先温度を取得した後、プログラムは、検出装置130に問い合わせて、ブロック414において、リーク電圧の測定値を取得する。次に、プログラムは、検出装置130に問い合わせて、ブロック416において、こて先-アース間抵抗の測定値を取得する。3つの測定値を得た後、プログラムは表示ブロック418に進み、スマートデバイス12に、こて先温度の測定値、リーク電圧の測定値およびこて先-アース間抵抗の測定値を表示させる。プログラムは次に決定ブロック420に進み、そこでスマートデバイス12はデータを登録するオプションを表示する。プログラムは、3つの測定値が、ブロック403で設定した範囲内にあるか否かを判断する。測定値の少なくとも一つが設定範囲内にない場合、プログラムはブロック412に戻る。3つの測定値が設定範囲内にある場合、プログラムはデータ保存ブロック422に進み、そこで、こて先温度の測定値データ、リーク電圧の測定値データおよびこて先-アース間抵抗の測定値データはスマートデバイス12またはホストマシン40(図1A)に保存される。保存されるデータは、測定の日時、測定装置(検出装置130)のID、および、3つの測定値を含む。データが保存された後、プログラムは決定ブロック424に進み、そこでユーザは別の半田付け装置80、82について、測定をするか(Yes)、しないか(No)、を尋ねられる。ユーザがYesを選択した場合、プログラムはブロック412に戻る。
【0160】
ユーザがNoを選択した場合、プログラムはアプリ終了ブロック425に進み、そこでアプリがスマートデバイス12上で閉じられる。
【0161】
ブロック406のモード選択画面で、ユーザが「温度測定、半田こて管理」を選択した場合、プログラムは温度測定、半田こて管理を開始するモードのブロック426に進む。プログラムが、温度測定、半田こて管理を開始するサブルーチンに入ると、プログラムはブロック428で半田こてのQRスキャン起動モードに進む。ブロック430で、アプリはスマートデバイス12にそのQRスキャンプログラムを開かせ、それはユーザにスマートデバイス12のカメラが半田こてのQRコードを識別するように促し、次にスキャンされたQRコードを識別する。次に、プログラムは登録画面起動のブロック432に進み、そこでプログラムはスマートデバイス12と検出装置130との間の通信リンクを確立する。この登録画面は、日時欄、測定装置ID欄、温度欄、こて先-アース間抵抗欄、リーク電圧欄、および、半田こてID欄を含む。日時欄に測定の日時が示され、測定装置ID欄にブロック405で得られた測定装置(検出装置130)のIDが示されている。温度欄、こて先-アース間抵抗欄およびリーク電圧欄は空欄である。半田こてID欄にブロック430で得られた半田付け装置80、82のIDが示されている。次に、プログラムは、ブロック434において、検出装置130からこて先温度の測定データを受信するステップに進み、スマートデバイス12は、こて先温度の測定値を受信する。次にプログラムはブロック436に進み、検出装置130からリーク電圧の測定値を取得する。次にプログラムはブロック438に進み、検出装置130からこて先-アース間抵抗の測定値を取得する。次に、プログラムはデータ表示ブロック440に進み、ここでプログラムはスマートデバイス12にブロック434、436および438で得られた測定値(こて先温度の測定値、リーク電圧の測定値およびこて先-アース間抵抗の測定値)を表示させる。次に、決定ブロック442において、ユーザはデータを登録するように促される。プログラムは、3つの測定値が、ブロック403で設定した範囲内にあるか否かを判断する。測定値の少なくとも一つが設定範囲内にない場合、プログラムはブロック434に戻る。3つの測定値が設定範囲内にある場合、プログラムはブロック444でデータを保存し、ログファイルにデータを追加する。こて先温度、こて先-アース間抵抗、リーク電圧は、スマートデバイス12内のメモリまたはホストマシン40(図1A)に保存される。保存されるデータは、測定の日時、測定装置(検出装置130)のID、3つの測定値および半田付け装置80、82のIDを含む。
【0162】
ブロック444でデータが保存された後、プログラムは次に再度測定ブロック446に進む。ユーザは次に別の測定を行うことを選択し、それに応じてプログラムはブロック428に戻るか、ユーザは別の測定をしないことを選択し、プログラムはアプリ終了ブロック425に進む。
【0163】
ブロック406のモード選択画面で、ユーザが「温度測定、半田こて管理、測定者管理」を選択すると、プログラムは温度測定、半田こて管理、測定者管理モードのブロック450に進む。次に、ブロック450で、「温度測定、半田こて管理、測定者管理」サブルーチンに入ると、プログラムは、半田こてのQRスキャン起動のブロック452に進む。この時点で、アプリはスマートデバイス12にQRスキャンプログラムを開かせ、ユーザにスマートデバイス12のカメラが半田こてのQRコードを識別するように促し、次に、ブロック454において、スキャンされたQRコードをプログラムで識別する。その後、プログラムはブロック456において、測定者のQRスキャンの開始に進む。ブロック458において、アプリはスマートデバイス12にQRスキャンプログラムを再度開かせ、測定者のQRコードをスマートデバイス12のカメラに識別させ、スキャンされたQRコードを識別する。QRコードがスキャンされた後、プログラムは登録画面起動のブロック460に進み、そこでプログラムはスマートデバイス12と検出装置130との間の通信リンクを確立する。この登録画面は、日時欄、測定装置ID欄、温度欄、こて先-アース間抵抗欄、リーク電圧欄、半田こてID欄および測定者欄を含む。日時欄に測定の日時が示され、測定装置ID欄にブロック405で得られた測定装置(検出装置130)のIDが示されている。温度欄、こて先-アース間抵抗欄およびリーク電圧欄は空欄である。半田こてID欄にブロック454で得られた半田付け装置80、82のIDが示されている。測定者欄にブロック458で得られた測定者のIDに含まれる測定者の氏名が示されている。
【0164】
次に、プログラムは、ブロック462において、検出装置130からこて先温度測定データを受信するステップに進み、スマートデバイス12はこて先温度の測定値を受信する。次にプログラムはブロック464に進み、検出装置130から半田こてのリーク電圧の測定値を取得する。
【0165】
次に、プログラムはブロック466に進み、検出装置130からこて先-アース間抵抗の測定値を取得する。次に、プログラムはデータ表示ブロック468に進み、ここでプログラムはスマートデバイス12にブロック462、464および466で得られた測定値(こて先温度の測定値、リーク電圧の測定値およびこて先-アース間抵抗の測定値)を表示させる。その後、決定ブロック470でユーザはデータを登録するように促される。プログラムは、3つの測定値が、ブロック403で設定した範囲内であるか否か判定する。測定値の少なくとも一つが設定範囲内にない場合、プログラムはブロック462に戻る。3つの測定値が設定範囲内にある場合、プログラムはブロック472でデータを保存し、ログファイルにデータを追加する。こて先温度、こて先-アース間抵抗、リーク電圧は、スマートデバイス12内のメモリまたはホストマシン40(図1A)に保存される。保存されるデータは、測定の日時、測定装置(検出装置130)のID、3つの測定値、半田付け装置80、82のIDおよび測定者のIDを含む。
【0166】
データがブロック472で保存された後、プログラムは再測定決定ブロック474に進む。次に、ユーザは別の測定を行うことを選択し、それに応じてプログラムはブロック452に戻るか、別の測定を行わないことを選択してプログラムはアプリ終了ブロック425に進む。
【0167】
測定対象が図4Aに示す半田付け装置80、82のこて先温度を例にして説明したが、図1Aおよび図7Aに示す半田付けシステム10に備えらえる半田こて(ハンドル24とカートリッジ26)を測定対象にしてもよい。
【0168】
半田付け装置80、82のユーザが測定者である場合で説明したが、半田付け装置80、82のユーザと測定者とが異なる場合もある。この場合、ブロック456、458で測定者のQRコードのスキャンと識別を、スマートデバイス12に実行させ、その後、ユーザのQRコードまたはこのユーザのワークステーションのQRコードのスキャンと識別を、スマートデバイス12に実行させる。ユーザのQRコードまたはこのユーザのワークステーションのQRコードも上記保存されるデータに含まれる。
【0169】
アプリのプログラムの説明は、スマートデバイス12と無線通信回路を有する半田付けシステム10または半田除去システムとの間の制御アプリの機能、およびスマートデバイス12上のアプリに制御されるスマートデバイス12の機能の例示的な説明として提供される。本発明は、同じ結果を達成するための代替の論理ルーチン、ならびに追加の機能を可能にするための修正がなされてもよい。
【0170】
例えば、本発明は、上述したサブルーチンに対する改良されたプログラムおよび代替案を示している。例えば、上述のように、アプリは、モード選択画面(ブロック208)で、「温度」、「半田こて、温度」、および「半田こて、測定者、温度」のアイコンを表示するが、アプリは、上述のプログラムの強化として、例えば、「温度設定」、「ワークステーションの登録」、「半田付け装置の管理」、および「チュートリアル」という追加のアイコンをモード選択画面(ブロック208)に表示させるようにプログラムすることができる。
【0171】
強化プログラムでは、モード選択画面(ブロック208)で、ユーザがどのアイコンを選択するかによって、開始されるサブプログラムが決まる。
【0172】
ユーザがモード選択画面(ブロック208)で「温度設定」アイコンを選択すると、プログラムは「温度設定」サブルーチンに進む。ユーザがモード選択画面(ブロック208)で「ワークステーション登録」アイコンを選択すると、プログラムは「ワークステーション登録」サブルーチンに進む。ユーザがモード選択画面(ブロック208)で「半田付け装置管理」アイコンを選択すると、プログラムは「半田付け装置管理」サブルーチンに進む。ユーザがモード選択画面(ブロック208)で「チュートリアル」アイコンを選択すると、プログラムは「チュートリアル」サブルーチンに進む。
【0173】
ユーザが「温度設定」サブルーチンを選択すると、スマートデバイス12は、制御ステーション20、または制御ステーション20がない場合は半田付け装置80、82に問い合わせて、カートリッジ26およびカートリッジ26の設定温度を識別する。次いで、スマートデバイス12は、温度計50によって提供された実際の温度データを取得して、実際の温度を、設定温度および一体型ヒータ/センサ36で測定されたこて先温度と比較することができる。調整が必要でない場合、ユーザは「ホーム」アイコンを起動してホーム画面ブロック201に戻ることができる。しかしながら、ユーザが新しい温度を設定することを決定した場合、スマートデバイス12は「設定温度」アイコンを表示し、これが開始されるとプログラムは「温度選択」表示画面に進む。その時点で、ユーザはスマートデバイス12のディスプレイ上で所望のこて先温度を選択または調整することができる。所望の温度を選択すると、スマートデバイス12は温度変更信号を制御ステーション20または半田付け装置80、82に送信する。制御ステーション20または半田付け装置80、82から温度変更の確認を受信すると、スマートデバイス12は新しい設定温度を表示する。次に、スマートデバイス12は、実際の温度が所望の設定温度にほぼ等しいかどうかを判断するために温度計50に再度問い合わせる。もしそうでなければ、プログラムは、「温度設定」アイコンを表示する上述のステップを繰り返し、ユーザは「温度選択」ルーチンに進むことができる。
【0174】
実際の温度が所望の設定温度にほぼ等しい場合、スマートデバイス12は温度変更完了画面に進み、ユーザはホーム画面ブロック201に戻ることを選択することができる。
【0175】
あるいは、ユーザが「温度設定」サブルーチンプログラムをステップ203で選択すると、スマートデバイス12は、制御ステーション20、または制御ステーション20がない場合は半田付け装置80、82に問い合わせてカートリッジ26を識別し、次いでユーザは所望のこて先温度を選択することができる。所望の温度を選択すると、スマートデバイス12は温度変更信号を制御ステーション20に送るか、または直接、半田付け装置80、82に送る。
【0176】
ホーム画面ブロック201において、ユーザが「ワークステーション登録」サブルーチンを選択すると、スマートデバイス12は制御ステーション20または半田付け装置80、82を照会して制御ステーション20または半田付け装置80、82を識別し、識別情報をスマートデバイス12に表示し、「ワークステーション登録」をユーザに表示する。次に、アプリは、スマートデバイス12に「QRコードの読み取り」を表示させ、スマートデバイス12のQRコードリーダープログラムとスマートデバイス12のカメラにアクセスして、ユーザにQRコードを読み取るように促す表示を開始する。次に、ユーザは、カメラを読み取られるQRコードに位置合わせし、それぞれ固有のQRコードを有するカートリッジ26、ワークステーションまたはユーザ/オペレータに対応するアイコンを選択する。次いで、スマートデバイス12は、すべてのQRコードデータをユーザに表示し、ユーザは、「保存」アイコンまたは「クリア」アイコンのいずれかを選択して、スマートデバイス12に制御ステーション20、カートリッジ26、ワークステーション、オペレータに関する情報を格納させるか、または情報を消去してホーム画面ブロック201に戻る。
【0177】
ホーム画面ブロック201において、ユーザが「半田付け装置管理」サブルーチンを選択すると、スマートデバイスアプリは「半田付け装置管理」サブルーチンを起動する。プログラムサブルーチンは、スマートデバイス12にデータ取得および保存プロセスを開始させる。次いで、スマートデバイス12は、スマートデバイス12によって照会され得る無線接続範囲内の半田付け装置80、82または半田付けシステム10の識別番号を表示する。
【0178】
次いで、ユーザは、識別された装置から制御されるべき特定の装置を選択し、そしてプログラムは「データ記録」表示に移動する。スマートデバイス12は、選択された制御ステーション20または半田付け装置80、82に、制御ステーション20、もしくは特定の半田付け装置80,82に関連づいたメモリ内に保存されている指定されたデータ、たとえばカートリッジID、カートリッジタイプ、設定温度、半田付けサイクル時間、半田付けイベントの数、および格納され得る他のタイプのデータをアップロードするように指示する。データがスマートデバイス12にアップロードされると、アプリは「保存」、「アップロード」、「クリア」機能のそれぞれについてアイコンを表示させる。「保存」アイコンは、データをスマートデバイス12に保存させる。「アップロード」アイコンは、データをホストマシン40(図1A)にアップロードさせる。「クリア」アイコンは、データをクリアし、プログラムをホームス画面ブロック201に戻す。
【0179】
ホーム画面ブロック201において、ユーザが「チュートリアル」サブルーチンを選択すると、スマートデバイスアプリは、スマートデバイス12に制御ステーション20を識別するために制御ステーション20に問い合わせさせるか、または特定の半田づけデバイスを識別するために半田付け装置80、82を問い合わせることから始まる「チュートリアル」サブルーチンを起動する。そして設定温度と同様に通電されているカートリッジ26のタイプを識別することで、ユーザに適切な半田付け技術、特定のカートリッジ26の温度を教えるため、プログラムが特定のタイプの半田付けシステム10または半田付け装置80、82に関する情報オプションをユーザに提供する「チュートリアル」画面を表示できるようする。例えば、アイコンは「教育用ビデオ」、「こて先形状用途」、「半田付け写真」、「操作設定」、および「作業履歴」であり得る。ユーザがチュートリアルアイコンのうちの1つを選択すると、アプリは、スマートデバイス12に、メモリ、インターネットまたはイントラネットシステムのいずれかから、データ、画像またはビデオを引き出させ、スマートデバイス12に表示させる。
【0180】
本発明を図面に関連して上記で詳細に説明したが、システムは他の構成要素を含み、他の機能を可能にすることができることを理解されたい。当業者であれば、前述の開示は例示および明細書であることを意味し、図面は本発明を説明するために提供されるものであり、本発明を実施する潜在的な様式を限定することを意図するものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によってのみ定義される。
【0181】
本出願の基礎となる米国特許出願(16/174,414)において、発明の名称は、半田付け装置の制御方法および装置とされている。
【0182】
その米国特許出願において、アブストラクトとして、以下の記載がされている。半田付けシステム制御方法および装置に基づくスマートフォン、タブレットまたはモバイルコンピュータは、ユーザまたはユーザの監督者が半田付け装置または測定装置の動作パラメータを監視および制御することを可能にする。制御方法および装置は、カートリッジ管理、温度較正および制御、ユーザパフォーマンスならびに無線双方向制御のための特徴を有する。制御方法は、電源に直接接続された半田付け装置、およびオプションの半田付け装置に電力を供給するための制御ステーションを含む半田付けシステムの半田付け装置を双方向性制御することができる。
【0183】
その米国特許出願において、発明の概要として、以下の記載がされている。本発明は、スマートフォン、タブレットまたはポータブルコンピューティングデバイス(本明細書ではこれらをまとめてスマートデバイス)を使用して、半田付け装置または半田付けシステムの動作をユーザおよび監督者が監視および制御することを可能にする方法および装置に関する。スマートデバイスは、アプリケーション(またはアプリ)でプログラムされており、無線通信技術およびスキャナを含むか、または、拡張されている。無線通信技術は、ブルートゥース、赤外線、または無線周波数通信技術を含み得る。スマートデバイスは、無線通信技術を使用して、半田付け装置または半田付けシステム制御ステーション、ハンドルおよび複数の交換可能なカートリッジを含むことができる加熱工具、センサ装置(例えば温度センサ)、および、イントラネットまたはインターネットを介してホストまたはサーバと通信する。スマートデバイスは、制御ステーションと双方向的であり、ユーザまたは監督者が半田付け加熱工具の動作パラメータを監視および制御し、カートリッジ管理、温度校正および制御、ユーザパフォーマンスならびに無線相互制御を提供することを可能にする。
【0184】
米国特許出願のクレームには、以下の記載がされている。
【0185】
(1)スマートデバイスで実行され、半田付け工具を無線で制御するアプリケーション制御プログラムであって、
前記スマートデバイスにホーム画面を表示させ、ユーザにリモートで監視または制御される前記半田付け工具を選択させるステップ、
前記スマートデバイスに前記半田付け工具との無線通信リンクを確立させるステップ、
前記スマートデバイスに前記半田付け工具の動作パラメータを表示させるステップ、および
記録、修正または消去される、前記半田付け工具の動作パラメータを選択するように前記スマートデバイスが前記ユーザに促すステップを含む。
【0186】
(2)上記(1)に記載のアプリケーション制御プログラムであって、
ユーザにリモートで監視または制御される前記半田付け工具を選択させるステップは、さらに、
前記スマートデバイスのカメラ機能を使用して、前記半田付け工具の識別コードをスキャンするように前記ユーザに促し、前記識別コードに関連する前記半田付け工具のタイプおよびその制御を機能的に識別するステップを含む。
【0187】
(3)上記(1)に記載のアプリケーション制御プログラムであって、
前記スマートデバイスに前記半田付け工具との無線通信リンクを確立させるステップは、さらに、
前記半田付け工具の半田付けこて先の温度測定値を得るために、温度計への無線通信リンクを確立するステップを含む。
【0188】
(4)上記(1)に記載のアプリケーション制御プログラムであって、
前記スマートデバイスに前記半田付け工具の動作パラメータを表示させるステップは、さらに、
前記スマートデバイスに、「温度」、「半田こて、温度」および「半田こて、測定者、温度」のサブルーチンに関連するアイコンを表示させ、選択されたサブルーチンを起動するように前記ユーザに促すステップを含む。
【0189】
(5)上記(1)に記載のアプリケーション制御プログラムであって、
記録、修正または消去される、前記半田付け工具の動作パラメータを選択するように前記スマートデバイスが前記ユーザに促すステップは、さらに
前記スマートデバイスに「温度」、「半田こて、温度」、「半田こて、測定者、温度」のアイコンを表示させ、温度測定サブルーチンの開始、温度測定と半田こて管理のサブルーチンの開始、または、温度測定と半田こて管理と測定者管理のサブルーチンの開始を選ぶよう前記ユーザに促すステップ、
前記ユーザが前記温度サブルーチンを選択すると、前記プログラムは、前記スマートデバイスに温度測定モードを開始させ、前記半田付け工具のこて先温度を取得させ、前記こて先温度を前記ユーザに表示し、前記こて先温度測定値を記録または消去するように前記ユーザに促すステップ、
前記ユーザが前記半田こて、温度サブルーチンを選択すると、前記プログラムは、前記半田付け工具のこて先温度を取得するために前記スマートデバイスに温度測定モードを開始させ、前記半田付け工具に関連付けられた識別コードをスキャンするように前記ユーザに促し、前記識別された半田付け工具に関連する前記こて先温度測定値を記録または消去するように前記ユーザに促すステップ、
前記ユーザが前記半田こて、測定者、温度サブルーチンを選択すると、前記プログラムは、前記半田付け工具のこて先温度を取得するために前記スマートデバイスに温度測定モードを開始させ、前記半田付け工具に関連付けられた識別コードをスキャンするように前記ユーザに促し、前記ユーザまたは前記ユーザのワークステーションに関連する識別コードをスキャンするように前記ユーザに促し、前記識別された半田こて、ユーザまたはワークステーションと関連付けされた前記こて先温度測定値を記録または消去するように前記ユーザに促すステップを含む。
【0190】
(6)上記(1)に記載のアプリケーション制御プログラムであって、
前記スマートデバイスにおいて、記録、修正または消去される前記半田付け工具の前記動作パラメータを選択させるように前記ユーザに促すステップは、さらに
前記スマートデバイスに「温度設定」、「ワークステーションの登録」、「半田付け装置の管理」、および「チュートリアル」のアイコンを表示させ、前記アイコンで識別されるサブルーチンを選択するように前記ユーザに促すステップ、
前記ユーザが「温度設定」サブルーチンを選択すると、前記スマートデバイスは、制御ステーションまたは半田付け装置に問い合わせてカートリッジおよびカートリッジの設定温度を識別し、前記プログラムは、実際の温度を設定温度およびカートリッジこて先センサが測定したこて先温度と比較するために、前記スマートデバイスに温度計によって提供される実際の温度データを取得させ、前記プログラムは、前記スマートデバイスを使って、新しい温度を設定して前記カートリッジに供給される電力を制御することを可能にするステップ、
前記ユーザが「ワークステーション登録」サブルーチンを選択すると、前記スマートデバイスは、制御ステーションまたは半田付け装置に問い合わせて制御ステーションまたは半田付け装置を識別し、前記スマートデバイスのディスプレイに識別情報を表示させ、制御ステーション、カートリッジ、ワークステーションおよびオペレータに関する情報を格納またはクリアするために、ワークステーションを登録するように前記ユーザに促すステップ、または
前記ユーザが「半田付け装置の管理」サブルーチンを選択すると、前記スマートデバイスは、データ取得および保持プロセスに入り、そこで前記スマートデバイスは、前記スマートデバイスによる無線接続範囲内の半田付け装置または半田付けシステムの識別番号を表示し、識別された装置から制御されるべき特定の装置を選択することを前記ユーザに促し、特定の装置の制御を開始するステップを含む。
【0191】
(7)上記(1)に記載のアプリケーション制御プログラムであって、
前記スマートデバイスにホーム画面を表示させ、ユーザにリモートで監視または制御される半田付け工具を選択させるステップは、さらに
リモートに監視または制御される前記半田付け工具と関連付けされている安全装置を選択するように前記ユーザに促すステップ、
前記スマートデバイスに前記安全装置との無線通信リンクを確立させるステップ、
前記スマートデバイスに前記安全装置の動作パラメータを表示させるステップ、および
前記スマートデバイスは、記録、修正または消去される、前記安全装置の動作パラメータを選択させるように前記ユーザに促すステップを含む。
【0192】
(8)上記(7)に記載のアプリケーション制御プログラムであって、
前記安全装置は、リストストラップ、リーク電圧検出器またはこて先-アース間抵抗測定装置である。
【0193】
(9)上記(1)に記載のアプリケーション制御プログラムであって、
記録、修正または消去される、前記半田付け工具の動作パラメータを選択するように前記スマートデバイスが前記ユーザに促すステップは、さらに
前記スマートデバイスに「温度」のアイコンを表示させ、そして、温度測定サブルーチンを開始するためにサブルーチンを選択するようにユーザに促すステップ、および
前記ユーザが前記温度サブルーチンを選択すると、前記プログラムは前記スマートデバイスに温度測定モードを開始させ、前記半田付け工具のこて先温度を取得させ、前記ユーザに前記こて先温度を表示し、そして、前記こて先温度測定値を記録または消去するように前記ユーザに促すステップを含む。
【0194】
(10)上記(1)に記載のアプリケーション制御プログラムであって、
記録、修正または消去される、前記半田付け工具の動作パラメータを選択するように前記スマートデバイスが前記ユーザに促すステップは、さらに
前記スマートデバイスに「半田こて、温度」のアイコンを表示させ、そして、温度測定、半田こて管理のサブルーチンを開始させるサブルーチンを選択するように前記ユーザに促すステップ、および
前記ユーザが前記半田こて、温度サブルーチンを選択すると、前記プログラムは前記スマートデバイスに温度測定モードを開始させ、前記半田付け工具のこて先温度を取得させ、前記半田付け工具に関連する識別コードをスキャンするように前記ユーザに促し、前記識別された半田付け工具に関連する前記こて先温度測定値を記録または消去するように前記ユーザに促すステップを含む。
【0195】
(11)上記(1)に記載のアプリケーション制御プログラムであって、
記録、修正または消去される、前記半田付け工具の動作パラメータを選択するように前記スマートデバイスが前記ユーザに促すステップは、さらに
前記スマートデバイスに「半田こて、測定者、温度」のアイコンを表示させ、そして、温度測定、半田こて管理、測定者管理のサブルーチンを開始させるサブルーチンを選択するように前記ユーザに促すステップ、および
前記ユーザが前記半田こて、測定者、温度サブルーチンを選択すると、前記プログラムは前記スマートデバイスに温度測定モードを開始させ、前記半田付け工具のこて先温度を取得させ、前記半田付け工具に関連する識別コードをスキャンするように前記ユーザに促し、前記ユーザまたは前記ユーザのワークステーションに関連する識別コードをスキャンするように前記ユーザに促し、前記識別された半田付け工具およびユーザまたはワークステーションに関連する前記こて先温度測定値を記録または消去するように前記ユーザに促すステップを含む。
【0196】
(12)スマートデバイスで実行され、半田付け工具を無線で制御するアプリケーション制御プログラムであって、
前記スマートデバイスに、リモートで監視または制御される前記半田付け工具を選択するように前記ユーザに促し、そして、リモートで監視または制御される前記半田付け工具に関連する安全装置を選択するように前記ユーザに促すホーム画面を表示させるステップ、
前記スマートデバイスに前記安全デバイスとの無線通信リンクを確立させるステップ、
前記スマートデバイスに前記安全デバイスの動作パラメータを表示させるステップ、および
記録、修正または消去される、前記安全デバイスの動作パラメータを選択するように前記スマートデバイスが前記ユーザに促すステップを含む。
【0197】
(13)半田付け装置のための電源と無線通信するスマートデバイスを使用して前記半田付け装置を制御する方法であって、
前記スマートデバイスに半田付け装置制御ソフトウェアプログラムアプリケーション(App)をロードし、前記スマートデバイスはディスプレイ、カメラ、無線接続機能および前記スマートデバイスが識別コードを識別および読み取ることを可能にするアプリケーションを含むオペレーティングシステムを含み、
前記スマートデバイスの前記ディスプレイにアイコンを生成して、ユーザが前記アプリケーションの動作を開始して前記半田付け装置を制御することを可能にし、
前記スマートデバイスを使用して、前記半田付け装置に関連する識別コードを読み取り、前記半田付け装置の半田付けこて先温度を測定する温度計の識別コードを読み取り、
前記スマートデバイスと前記温度計および前記半田付け装置との間の無線通信を確立し、
前記スマートデバイスに、前記半田付け装置および前記温度計から温度情報を取得させ、そして
前記スマートデバイスに、前記スマートデバイスの前記ディスプレイに一連の情報を表示させて、前記ユーザに温度情報を記録させるか、または、前記半田付け装置の温度設定を変更するように促す。
【0198】
(14)上記(13)に記載のスマートデバイスを用いた半田付け装置の制御方法であって、
前記半田付け装置の温度を上昇または下降させるように電力供給を変更させるために、前記スマートデバイスが前記半田付け装置に指示する。
【0199】
(15)上記(13)に記載のスマートデバイスを用いた半田付け装置の制御方法であって、
前記半田付け装置に取り付けられたカートリッジの動作特性を識別するように前記半田付け装置を促す。
【0200】
(16)AC給電半田付け装置であって、
AC電源コードに接続されたグリップハンドルを備え、前記グリップハンドルは交換可能な半田付けカートリッジで動作可能であり、
前記グリップハンドルは、さらに
ヒータ回路、こて先温度回路、AC-DC電力インバータ回路、表示回路および無線通信回路に接続され、これらを制御するCPU(Central Processing Unit)を備える。
【0201】
(17)上記(16)に記載のAC給電半田付け装置であって、
前記ヒータ回路は、前記CPUによって制御されて前記カートリッジに電力を供給し、前記センサ回路は、前記カートリッジの特性を監視して、前記半田付け装置の動作中にこて先温度を決定し、前記AC-DC電力インバータ回路は、整流された直流電力を前記CPUに供給するためにAC電源にタップし、前記表示回路は、前記CPUによって制御されて、前記半田付け装置の動作データを表示し、前記CPUに接続された前記無線通信回路は、ブルートゥース、赤外線または無線周波数通信回路を用いて、制御装置への無線接続を可能にする。
【0202】
(18)上記(16)に記載のAC給電半田付け装置であって、
前記無線通信回路により、前記CPUは、プログラムされたスマートデバイスに接続し、半田付けプロセスで使用される前記カートリッジの前記温度設定および電力レベル要件に関する更新命令を取得することを可能にする。
【0203】
(19)半田付けシステムの測定装置への無線通信リンクを確立するためにスマートデバイスで実行されるアプリケーション制御プログラムであって、
前記プログラムは、
前記スマートデバイスに前記測定装置の動作パラメータを表示させるステップ、および、
記録、修正または消去される、前記測定装置の動作パラメータを選択するように前記スマートデバイスがユーザに促すステップを含む。
【0204】
(20)上記(19)に記載のアプリケーション制御プログラムであって、
前記測定装置への無線通信リンクを確立するための前記スマートデバイスにおいて、前記スマートデバイスのカメラ機能を使用して前記測定装置の識別コードをスキャンするように前記ユーザに促し、前記測定装置を識別するステップをさらに含む。
【0205】
(21)上記(19)に記載のアプリケーション制御プログラムであって、
前記測定装置は、半田こてのこて先の温度測定値を取得する温度計であり、
前記スマートデバイスに前記温度計の動作パラメータを表示させるステップは、さらに
前記スマートデバイスに「温度」、「半田こて、温度」および「半田こて、測定者、温度」サブルーチンに関連するアイコンを表示させ、選択されたサブルーチンを起動するように前記ユーザに促すステップを含む。
【0206】
(22)上記(21)に記載のアプリケーション制御プログラムであって、
記録、修正または消去される、前記半田付け工具の動作パラメータを選択するように前記スマートデバイスが前記ユーザに促すステップは、さらに
前記スマートデバイスに「温度」のアイコンを表示させ、前記ユーザに温度測定サブルーチンを開始させる前記サブルーチンを選択することを促すステップ、および
前記ユーザが前記温度サブルーチンを選択すると、前記プログラムは前記スマートデバイスに温度測定モードを開始させ、前記半田付け工具のこて先温度を取得させ、前記こて先温度を前記ユーザに表示させ、前記こて先温度測定値を記録または消去するように前記ユーザに促すステップを含む。
【0207】
(23)上記(21)に記載のアプリケーション制御プログラムであって、
記録、修正または消去される、前記半田付け工具の動作パラメータを選択するように前記スマートデバイスが前記ユーザに促すステップは、さらに
前記スマートデバイスに「半田こて、温度」のアイコンを表示させ、温度測定、半田こて管理サブルーチンを開始させる前記サブルーチンを選択することを前記ユーザに促すステップ、
前記ユーザが前記半田こて、温度サブルーチンを選択すると、前記プログラムは前記スマートデバイスに温度測定モードを開始させて前記半田付け工具の前記こて先温度を取得させ、前記ユーザに前記半田付け工具に関連する識別コードをスキャンさせ、前記識別された半田付け工具に関連する前記こて先温度測定値を記録または消去することを前記ユーザに促すステップを含む。
を含む。
【0208】
(24)上記(21)に記載のアプリケーション制御プログラムであって、
記録、修正または消去される、前記半田付け工具の動作パラメータを選択するように前記スマートデバイスが前記ユーザに促すステップは、さらに
前記スマートデバイスに「半田こて、測定者、温度」のアイコンを表示させ、温度測定、半田こて管理、測定者管理サブルーチンを開始させるために識別された前記サブルーチンを選択することを前記ユーザに促すステップ、
前記ユーザが前記半田こて、測定者、温度サブルーチンを選択すると、前記プログラムは前記スマートデバイスに温度測定モードを開始させて前記半田付け工具の前記こて先温度を取得させ、前記ユーザに前記半田付け工具に関連する識別コードをスキャンすることを促し、前記ユーザまたはユーザのワークステーションに関連する識別コードをスキャンすることを前記ユーザに促し、前記識別された半田付け工具およびユーザまたはワークステーションに関連する前記こて先温度測定値を記録または消去するように前記ユーザに促すステップを含む。
【0209】
(25)上記(21)に記載のアプリケーション制御プログラムであって、
前記プログラムは、さらに
ユーザによるこて先温度の範囲の設定を受け付けるステップ、および
前記スマートデバイスに、前記半田付け工具の前記こて先温度が、前記ユーザが設定した前記範囲内であるかどうかを判断させるステップを含む。
【符号の説明】
【0210】
10 半田付けシステム
12 スマートデバイス
20 制御ステーション
24 ハンドル
26 カートリッジ
36 一体型ヒータ/センサ
38 こて先
40 ホストマシン
50 温度計
80、82 半田付け装置
84 ハンドル
95 無線通信回路
122 リストストラップ
132 リストストラップテスタ
130 検出装置
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9