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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20230913BHJP
【FI】
A63F5/04 631
A63F5/04 661
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019202791
(22)【出願日】2019-11-07
(65)【公開番号】P2021074245
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河江 大輔
(72)【発明者】
【氏名】菅野 翔太
(72)【発明者】
【氏名】雪江 武史
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊
【審査官】高木 亨
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-043859(JP,A)
【文献】特開2016-010620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリールと、
複数のストップボタンと、
役の内部抽選を行う内部抽選手段と
遊技に関する演出を制御する演出制御手段と、を備え、
前記複数のリールは、第1リールと、第2リールと、を含み、
前記複数のストップボタンは、前記第1リールに対応する第1ストップボタンと、前記第2リールに対応する第2ストップボタンと、を含み、
前記内部抽選手段は、第1当選態様と、第2当選態様と、第3当選態様と、を抽選の対象に含む前記内部抽選を実行し、
前記第1当選態様は、第1小役を含み、
前記第2当選態様は、特定リプレイを含み、
前記第3当選態様は、第2小役を含み、
前記第1小役と、前記第2小役と、は、異なる配当が設定され、
前記第1当選態様に当選し、且つ前記第1ストップボタンを最初に停止操作する第1操作態様で操作された場合に、前記第1小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、且つ前記第2ストップボタンを最初に停止操作する第2操作態様で操作された場合に、前記第1小役が入賞せず、
前記第2当選態様に当選し、且つ前記第1操作態様で操作された場合に、前記特定リプレイが入賞可能であり、
前記第2当選態様に当選し、且つ前記第2操作態様で操作された場合に、前記特定リプレイが入賞せず、
前記第3当選態様に当選し、且つ前記第1操作態様で操作された場合に、前記第2小役が入賞可能であり、
前記第3当選態様に当選し、且つ前記第2操作態様で操作された場合に、前記第2小役が入賞せず、
前記第1小役の入賞を示す図柄組合せを構成する前記第1リールの図柄と、前記特定リプレイの入賞を示す図柄組合せを構成する前記第1リールの図柄と、は、少なくとも一部が共通の図柄であり、
前記第1小役の入賞を示す図柄組合せを構成する前記第1リールの図柄と、前記第2小役の入賞を示す図柄組合せを構成する前記第1リールの図柄と、は、異なる図柄であり、
前記演出制御手段は、
前記第1当選態様に当選した場合に、前記第1操作態様の入賞補助演出である第1演出を実行可能であり、
前記第2当選態様に当選した場合に、前記第1演出を実行可能であり、
前記第3当選態様に当選した場合に、前記第1操作態様の入賞補助演出である第2演出を実行可能であり、
前記第1演出と、前記第2演出と、は、異なる演出態様である、
ことを特徴とする遊技機
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
上述した遊技機においては、遊技状態ごとに異なる規定投入数を設定することで、ボーナスや小役の当選確率を変動させ、遊技媒体を獲得しやすくすることができる構成が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-183133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の遊技機においては、ボーナスが終了した後の遊技状態において、予め設定された図柄組合せが有効ライン上に停止表示された場合に、他の遊技状態とは異なる規定投入数に設定されたリプレイタイム状態を開始するとともに、該リプレイタイム状態においてはボーナスや小役の当選確率が他のボーナス非当選中における遊技状態とは異なるように設定されており、遊技者の関心を惹きつけることができるように構成されている。しかしながら、特許文献1に記載の遊技機においては、遊技媒体の獲得しやすさを変更するために、規則上制限が厳しいリプレイの当選態様の変動や、規定投入数の変更といった構成を用いており、設計上の制約が多く遊技機の設計自由度を維持しつつ遊技者の関心を惹きつけることが難しかった。
【0006】
そこで、本発明は、遊技機の設計自由度を維持しつつ遊技者の関心を惹きつけることができる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数のリールと、
複数のストップボタンと、
役の内部抽選を行う内部抽選手段と
遊技に関する演出を制御する演出制御手段と、を備え、
前記複数のリールは、第1リール(例えば、第1リールR1)と、第2リール(例えば、第2リールR2)と、を含み、
前記複数のストップボタンは、前記第1リールに対応する第1ストップボタン(例えば、ストップボタンB1)と、前記第2リールに対応する第2ストップボタン(例えば、ストップボタンB2)と、を含み、
前記内部抽選手段は、第1当選態様(例えば、当選エリア「打順特別役A1」)と、第2当選態様(例えば、当選エリア「打順リプレイ1」)と、第3当選態様(例えば、当選エリア「打順ベル1」)と、を抽選の対象に含む前記内部抽選を実行し、
前記第1当選態様は、第1小役(例えば、特別役A)を含み、
前記第2当選態様は、特定リプレイ(例えば、リプレイC)を含み、
前記第3当選態様は、第2小役(例えば、ベルA)を含み、
前記第1小役と、前記第2小役と、は、異なる配当が設定され、
前記第1当選態様に当選し、且つ前記第1ストップボタンを最初に停止操作する第1操作態様で操作された場合に、前記第1小役が入賞可能であり、
前記第1当選態様に当選し、且つ前記第2ストップボタンを最初に停止操作する第2操作態様で操作された場合に、前記第1小役が入賞せず、
前記第2当選態様に当選し、且つ前記第1操作態様で操作された場合に、前記特定リプレイが入賞可能であり、
前記第2当選態様に当選し、且つ前記第2操作態様で操作された場合に、前記特定リプレイが入賞せず、
前記第3当選態様に当選し、且つ前記第1操作態様で操作された場合に、前記第2小役が入賞可能であり、
前記第3当選態様に当選し、且つ前記第2操作態様で操作された場合に、前記第2小役が入賞せず、
前記第1小役の入賞を示す図柄組合せを構成する前記第1リールの図柄と、前記特定リプレイの入賞を示す図柄組合せを構成する前記第1リールの図柄と、は、少なくとも一部が共通の図柄(例えば、ベル図柄「BL」)であり、
前記第1小役の入賞を示す図柄組合せを構成する前記第1リールの図柄(例えば、ベル図柄「BL」)と、前記第2小役の入賞を示す図柄組合せを構成する前記第1リールの図柄(例えば、リプレイ図柄「RP」)と、は、異なる図柄であり、
前記演出制御手段は、
前記第1当選態様に当選した場合に、前記第1操作態様の入賞補助演出である第1演出を実行可能であり、
前記第2当選態様に当選した場合に、前記第1演出を実行可能であり、
前記第3当選態様に当選した場合に、前記第1操作態様の入賞補助演出である第2演出を実行可能であり、
前記第1演出と、前記第2演出と、は、異なる演出態様である、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技機の設計自由度を維持しつつ遊技者の関心を惹きつけることができる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
図2】本発明の第1の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
図3】本発明の第1の実施形態の遊技機の内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルCを示す図である。
図4】本発明の第1の実施形態の遊技機の当選エリア「打順チャンス役1A」~当選エリア「打順チャンス役6A」の当選時における打順ごとに入賞可能となる小役を示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態の遊技機の当選エリア「打順チャンス役1B」~当選エリア「打順チャンス役6B」の当選時における打順ごとに入賞可能となる小役を示す図である。
図6】本発明の第1の実施形態の遊技機の当選エリア「打順チャンス役1C」~当選エリア「打順チャンス役6C」の当選時における打順ごとに入賞可能となる小役を示す図である。
図7】本発明の第1の実施形態の遊技機の当選エリア「打順チャンス役1D」~当選エリア「打順チャンス役6D」の当選時における打順ごとに入賞可能となる小役を示す図である。
図8】本発明の第1の実施形態の遊技機におけるリールの図柄配列を説明する図である。
図9】本発明の第1の実施形態の遊技機における小役の入賞時に有効ライン上に表示される図柄組合せを示す図である。
図10】本発明の第1の実施形態の遊技機における小役の入賞時に有効ライン上に表示される図柄組合せを示す図である。
図11】(A)は、本発明の第1の実施形態の遊技機における遊技状態の状態遷移図、(B)は、有利期間制御手段が制御する非有利期間及び有利期間と、指示機能制御手段が制御する指示機能状態と、に係る遷移図である。
図12】本発明の第1の実施形態の遊技機における当選エリア「打順チャンス役1A」の当選時に特定打順でストップボタンが押下操作された場合を示す図である。
図13】本発明の第1の実施形態の遊技機において、第1リールの中段にベル図柄が表示され、第2リールの中段にスイカ図柄が表示された場合に入賞可能な役と、入賞可能な役を入賞させる押下タイミングと、を示す図である。
図14】本発明の第1の実施形態の遊技機における当選エリア「打順チャンス役1A」の当選時に特定打順とは異なる打順でストップボタンが押下操作された場合を示す図である。
図15】本発明の第1の実施形態の遊技機においてチャンス役の入賞時に指示機能制御手段が実行する制御を示すフローチャート。
図16】本発明の第2の実施形態の遊技機の内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルCを示す図である。
図17】本発明の第2の実施形態の遊技機の当選エリア「打順特別役1A」~当選エリア「打順特別役6A」の当選時における打順ごとに入賞可能となる小役を示す図である。
図18】本発明の第2の実施形態の遊技機の当選エリア「打順特別役1B」~当選エリア「打順特別役6B」の当選時における打順ごとに入賞可能となる小役を示す図である。
図19】本発明の第2の実施形態の遊技機の当選エリア「打順特別役1C」~当選エリア「打順特別役6C」の当選時における打順ごとに入賞可能となる小役を示す図である。
図20】本発明の第2の実施形態の遊技機の当選エリア「打順特別役1D」~当選エリア「打順特別役6D」の当選時における打順ごとに入賞可能となる小役を示す図である。
図21】本発明の第2の実施形態の遊技機の当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」の当選時における打順ごとに入賞可能となるリプレイを示す図である。
図22】本発明の第2の実施形態の遊技機における小役の入賞時に有効ライン上に表示される図柄組合せを示す図である。
図23】本発明の第2の実施形態の遊技機における小役の入賞時に有効ライン上に表示される図柄組合せを示す図である。
図24】本発明の第2の実施形態の遊技機における小役及びリプレイの入賞時に有効ライン上に表示される図柄組合せを示す図である。
図25】(A)は、本発明の第2の実施形態の遊技機において入賞補助演出が実行された状態を示す図、(B)は、入賞補助演出の実行時に入賞補助演出に従った第1停止操作が実行された状態を示す図である。
図26】本発明の第2の実施形態の遊技機において、図柄組合せとして第1リールの中段にベル図柄が表示された場合に入賞可能な役と、入賞可能な役を入賞させる押下タイミングと、を示す図である。
図27】本発明の第2の実施形態の遊技機においてリプレイC~リプレイEの入賞時に指示機能制御手段が実行する制御を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第1の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、第1の実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0011】
1.遊技機の構成の概要
図1は、本発明の第1の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。第1の実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
【0012】
第1の実施形態のスロットマシン1は、収納箱BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての第1リールR1~第3リールR3からなるリールユニット310(図2参照)が収められている。また、筐体内のリールユニット310の下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(図2参照)が収められている。また、第1の実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
【0013】
図1に示す第1リールR1~第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。
【0014】
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、第1リールR1~第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1~第3リールR3の停止状態では、第1リールR1~第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
【0015】
また、第1の実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによる有効ラインについて、有効ラインL1が設定されている。第1の実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数がいずれの遊技状態においても3枚に設定されており、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1~第3リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
【0016】
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
【0017】
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1~ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
【0018】
遊技情報表示部DSには、7セグメント表示器から構成される主制御表示装置500が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選コマンドに対応する表示である報知表示が表示され、報知表示の表示後第1リールR1~第3リールR3が停止した際に、報知表示が終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。第1の実施形態のスロットマシン1では、当選コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯及び消灯する報知表示が実行される。
【0019】
また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、後述する有利期間制御手段200A(図2参照)によって有利期間が開始され、小役の入賞が補助されることでメダルの獲得期待値が1以上となっている場合に点灯する有利期間報知部500Aが設けられている。また、第1の実施形態のスロットマシン1では、音を用いた演出を行うための音響装置340が前面上扉UDと前面下扉DDとに複数設けられている。音響装置340からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0020】
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMB、第1リールR1~第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1~ストップボタンB3及びクレジットされたメダルを清算するための清算ボタンBSも設けられている。
【0021】
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、清算ボタンBSが押下された場合、清算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す清算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
【0022】
図2は、第1の実施形態のスロットマシン1の機能ブロック図である。第1の実施形態のスロットマシン1は、制御基板としての遊技制御手段10によって制御される。遊技制御手段10は、複数の操作検出手段としてのメダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、設定変更スイッチ250及びリセットスイッチ260の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて演出装置300、リールユニット310、ホッパーユニット320及び主制御表示装置500等の出力手段の動作を制御する。
【0023】
また、遊技制御手段10は、設定変更手段100、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190、有利期間制御手段200A及び指示機能制御手段200Bを含む。遊技制御手段10を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、記憶手段190に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
【0024】
設定変更手段100は、記憶手段190の設定値記憶手段191に記憶されている設定値を変更する制御(設定変更制御)を行う。設定変更手段100は、設定変更スイッチ250がON状態となり設定変更を許可する状態である設定変更許可状態において、設定変更手段100は、電源装置に設けられているリセットスイッチ260からの入力信号を受け付けるごとに、設定値記憶手段191に記憶されている設定値を設定1→設定2・・・設定6→設定1→・・・の順序で循環的に変動させる。また、スロットマシン1では、設定変更許可状態におけるスタートレバーSLの操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて設定値記憶手段191に記憶されている設定値を確定させて設定変更許可状態を終了する。第1の実施形態のスロットマシン1では、設定値記憶手段191において確定された設定値に応じて、内部抽選手段120による内部抽選で当選可能な当選エリアのうち一部の当選エリアの当選確率が変更される。つまり、設定変更手段100は、内部抽選手段120による内部抽選における役の当選確率を変更可能な値である設定値を変更可能に構成されている。
【0025】
なお、第1の実施形態のスロットマシン1においては、設定変更手段100による設定変更制御が実行された場合に、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態に係る制御及び有利期間制御手段200Aが実行する有利期間に係る制御が初期化されるように構成されており、遊技状態が後述する非リプレイタイム(以下、リプレイタイムを「RT」とも記載)状態に設定され、非有利期間が設定されるように構成されている。このため、スロットマシン1では、指示機能制御手段200Bが設定変更前において指示機能に係る制御についても、初期化されるように構成されている。一方、スロットマシン1においては、遊技制御手段10への電力の供給が遮断(電断)され、その後再度電力の供給が再開された場合、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態に係る制御及び有利期間制御手段200Aが実行する有利期間に係る制御について、電断前の状態から再開されるように構成されている。このため、スロットマシン1においては、指示機能制御手段200Bが実行する指示機能に係る制御についても、電断が発生しその後電力の供給が再開された場合に、電断前の状態が維持されるように構成されている。
【0026】
投入受付手段105は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間内において、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口MI(図1参照)にメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段105は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
【0027】
なお、第1の実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、第1リールR1~第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段120が内部抽選を実行する契機となっている。
【0028】
乱数生成手段110は、抽選用の乱数を発生させる手段である。なお、第1の実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能し得る値も含まれる。
【0029】
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
【0030】
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段192に格納されており、それぞれ抽選の対象となる当選エリア(当選態様)が設定されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役や不当選(ハズレ)が対応付けられている。
【0031】
なお、以下の記載において、ボーナスとは、入賞することで役物又は役物連続作動装置を作動させる役を意味し、ボーナスが作動とは、ボーナスが入賞し役物又は役物連続作動装置を作動することを意味し、ボーナス状態とは、役物又は役物連続作動装置が作動した状態を意味する。
【0032】
乱数判定処理では、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段110が生成する乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
【0033】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非成立状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から成立状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。第1の実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが成立状態に設定される。なお、第1の実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に成立状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に成立状態を持ち越さずに非成立状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)が用意されている。また、抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段193に格納される。
【0034】
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ230からスタート信号が出力されたことに基づいて、第1リールR1~第3リールR3の回転駆動を開始し第1リールR1~第3リールR3の回転態様を制御するリール回転制御を実行する。また、リール制御手段130は、第1リールR1~第3リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されることでストップスイッチ240によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段130は、停止操作を検出したストップスイッチ240からリール停止信号が出力された場合に、停止操作を検出したストップスイッチ240に対応する第1リールR1~第3リールR3の各リールを停止させる制御(リール停止制御)を行う。
【0035】
なお、以下の記載において、リール制御手段130によって第1リールR1~第3リールR3の回転が開始され、遊技者が有効なストップボタンB1~ストップボタンB3をそれぞれ押下操作することについて、最初の押下操作を第1停止操作、2番目の押下操作を第2停止操作、3番目の押下操作を第3停止操作とも記載する。
【0036】
第1の実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1~第3リールR3について、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された時点(ストップスイッチ240が停止操作を検出した時点)から所定の期間としての190msが経過するまでに、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されており、第1リールR1~第3リールR3について、ストップボタンの押下時点で有効ラインL1上に表示されているコマから4コマ回転するまでの計5コマが、有効ラインL1上に図柄を引き込み可能な範囲(引き込み範囲)となっており、回転している第1リールR1~第3リールR3が停止可能である場合、ストップボタンが押下操作されストップスイッチ240が停止操作を検出してから停止可能な範囲内(5コマ)に配列された図柄が有効ラインL1を通過するまでの間に停止操作に対応するリールを停止させるように構成されている。
【0037】
リール制御手段130は、リール停止制御の実行時において、抽選フラグが成立状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるように回転中のリールを停止させる引き込み処理と、抽選フラグが非成立状態に設定された役を入賞させることができないように回転中のリールを停止させる蹴飛ばし処理と、を含むロジック演算により予め設定された優先順位に基づき回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理と、を行い、回転中のリールを停止させ有効ラインL1上に図柄を表示(以下、リール停止制御によって回転中のリールを停止させて有効ラインL1上に図柄を表示することを「停止表示」とも記載)している。
【0038】
なお、第1の実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法(個数優先制御)と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法(枚数優先制御)とが存在する。ただし、枚数優先制御を実行する場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0039】
入賞判定手段140は、第1リールR1~第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段195に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1~第3リールR3のすべてが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインL1上に表示された図柄組合せによって、ボーナス、リプレイ、小役の入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。なお、以下の記載において、役の入賞形態を示す図柄組合せを「入賞図柄組合せ」とも記載する。
【0040】
第1の実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段140の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナス等の遊技状態を移行させる契機となる役が入賞した場合には遊技状態移行制御手段170に遊技状態を移行させる処理が行われる。
【0041】
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット320に払い出させる制御を行う。
【0042】
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出すごとに作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられている。払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいて、ホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお、メダルのクレジットが許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0043】
リプレイ処理手段160は、入賞判定手段140により有効ラインL1上に後述する複数種類のリプレイ役のうちいずれかのリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに遊技を実行可能にする準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、第1の実施形態のスロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、規定投入数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
【0044】
遊技状態移行制御手段170は、複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる処理と、ボーナスの作動及び終了に係る処理と、を行う。ここで、各遊技状態の移行条件は、1つの条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうちいずれか1つの条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件のすべてが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0045】
演出制御手段180は、演出データ記憶手段196に記憶されている演出データに基づいて、例えば、表示装置330を用いて行う映像演出や、音響装置340を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出に係る制御を行う。具体的には、メダルの投入、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対する操作等への遊技者によるスロットマシン1の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプ及びLEDの点灯あるいは点滅、音響装置340からの音の出力、スタートスイッチ230からスタート信号が出力された状態で第1リールR1~第3リールR3の回転開始を遅延させる第1リールR1~第3リールR3を用いた演出等を実行することにより、遊技を盛り上げる演出や、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
【0046】
また、演出制御手段180は、各演出状態に基づく演出を演出装置300を構成する各構成に実行させる。なお、第1の実施形態において、演出制御手段180は、乱数を用いる抽選処理ごとに、乱数生成手段110の乱数格納領域から乱数を取得し、演出抽選テーブル記憶手段197に記憶されている複数の演出抽選テーブルのうち、各抽選処理に必要な演出抽選テーブルを用いて各抽選処理を実行する。
【0047】
有利期間制御手段200Aは、特定役の入賞を補助する入賞補助制御を実行可能な遊技が実行される期間である有利期間(有利区間)と、入賞補助制御が実行されない遊技が実行される期間である非有利期間(非有利区間)と、の間での移行に係る制御を、有利期間制御データ記憶手段198に記憶されているデータを用いて実行する。有利期間制御データ記憶手段198には、非有利期間において有利期間を開始するか否かを決定する有利期間移行抽選で用いられる有利期間移行抽選テーブルや、有利期間制御手段200Aが有利期間内において実行する所定の制御処理でON状態又はOFF状態にセットする各種フラグ、カウンタが格納されている。
【0048】
有利期間制御手段200Aは、有利期間を終了する条件が成立した際に、有利期間を終了し次ゲームから非有利期間を開始するとともに、有利期間内において設定した各種フラグ、数値等を初期化する処理である終了処理を実行する。また、有利期間制御手段200Aは、有利期間を開始し、かつ入賞補助制御が実行されることで、メダルの獲得期待値が1以上となる場合に有利期間報知部500Aを点灯させる。このため、有利期間制御手段200Aは、有利期間を開始している場合であっても、後述する指示機能制御手段200Bによって入賞補助制御が実行されない指示機能状態である場合には、有利期間報知部500Aを消灯可能に構成されている。
【0049】
非有利期間は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく指示機能制御手段200Bによる指示機能に係る制御が実行されない期間であり、有利期間は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく指示機能制御手段200Bによる指示機能に係る制御が実行可能な期間である。
【0050】
有利期間制御手段200Aは、有利期間を開始した遊技から1回の遊技が実行されるごとに、1ゲームに相当する値である値「1」を有利期間ゲーム数カウンタに加算し、有利期間ゲーム数カウンタに記憶される値(記憶値)を累積的にインクリメント更新するゲーム数更新処理を実行する。また、有利期間制御手段200Aは、有利期間を開始した遊技からメダルの払出数をメダルの投入数で減算した値(差枚数)を有利期間差枚数カウンタに累積的に記録する差枚数更新処理を実行する。
【0051】
ここで、有利期間ゲーム数カウンタは、有利期間制御データ記憶手段198に含まれるカウンタであり、有利期間制御手段200Aによって更新される値(遊技回数)を記憶するカウンタである。また、有利期間差枚数カウンタは、有利期間制御データ記憶手段198に含まれるカウンタであり、有利期間制御手段200Aによって更新される値として、メダルが投入された場合に投入数に対応する値を減算し、メダルが払い出された場合に払出数に対応する値を加算することで差枚数を記憶するカウンタである。
【0052】
第1の実施形態の有利期間制御手段200Aは、有利期間に制御している場合、遊技状態である場合にも、1回の遊技が実行されるごとに1ゲームに相当する値である値「1」ずつ有利期間ゲーム数カウンタの記憶値に累積的に加算(更新)するゲーム数更新処理と、メダルの差枚数に相当する値を有利期間差枚数カウンタの記憶値に累積的に更新する差枚数更新処理と、を実行する。
【0053】
ここで、有利期間制御手段200Aは、有利期間差枚数カウンタの記憶値を更新する差枚数更新処理において、当該遊技におけるメダルの払出数が規定投入数未満であることで有利期間差枚数カウンタの記憶値を減算した際に、有利期間差枚数カウンタの記憶値が値「0」未満となる場合、有利期間差枚数カウンタの記憶値を値「0」にセットする。これにより、有利期間制御手段200Aは、有利期間差枚数カウンタの記憶値が最下点となる際の値について、値「0」に固定することができるため、有利期間差枚数カウンタの記憶値を用いた制御処理において、最下点における具体的な数値に応じて判定の閾値となる値を変動させる必要がなくなり、有利期間差枚数カウンタの記憶値を用いた制御処理の負荷を軽減させることができる。
【0054】
有利期間制御手段200Aは、1500ゲームの遊技が実行された場合、つまり有利期間ゲーム数カウンタの記憶値が値「1500」になった場合又は有利期間において最もメダルを消費した時点から2400枚のメダルを遊技者が獲得した場合、つまり有利期間差枚数カウンタの記憶値が最も低い値(最下点)であった時点から値「2400」になった場合に、有利期間を終了させる条件として特定終了条件が成立したと判定し、有利期間を終了させて次ゲームから非有利期間を開始する終了処理を実行する。
【0055】
有利期間制御手段200Aは、終了処理において、有利期間においてON状態にセットした各フラグや有利期間において設定した値等の有利期間における各種制御処理で用いた情報をすべて初期化する。なお、有利期間制御手段200Aは、特定終了条件以外の予め設定されている条件(通常終了条件)が成立した場合にも有利期間を終了可能であり、通常終了条件が成立した場合にも終了処理を実行する。
【0056】
指示機能制御手段200Bは、有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始されている場合に、特定役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理(入賞補助制御)と、入賞補助制御を実行可能な状態であるアシストタイム状態(以下、アシストタイムを「AT」とも記載)を含む複数の指示機能状態の間での指示機能状態の移行に係る処理と、等の指示機能に係る制御(アシストタイム制御)を行う。第1の実施形態のスロットマシン1では、指示機能制御手段200Bによるアシストタイム制御において用いるプログラムデータやデータテーブル、カウンタ、ON状態又はOFF状態にセットする各種フラグについて、記憶手段190の指示機能制御データ記憶手段199に記憶されている。
【0057】
第1の実施形態において、指示機能制御手段200Bは、指示機能状態が入賞補助制御を実行可能な状態である場合に、指示機能作動処理として、内部抽選手段120に当選した当選エリアに応じてそれぞれ異なる当選コマンドを作成させ、作成させた当選コマンドを主制御表示装置500に送信させることで、内部抽選で当選した当選エリアがいずれの当選エリアであるかを報知し、遊技者にストップボタンB1~ストップボタンB3の操作方法を指示する機能(指示機能)である報知表示が主制御表示装置500に実行される制御である入賞補助制御を実行可能となるように構成されている。
【0058】
2.第1の実施形態における遊技機が備える構成
次に、図3図14を参照して、第1の実施形態におけるスロットマシン1が備える各構成の詳細について説明する。
【0059】
<内部抽選手段>
図3は、第1の実施形態のスロットマシン1における各遊技状態で選択される内部抽選テーブルである内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルCを示す図である。内部抽選テーブルAは、遊技状態が非RT状態である場合に選択される。内部抽選テーブルAでは、小役に当選する当選エリアと、リプレイに当選する当選エリアと、ボーナスに当選する当選エリアと、小役とボーナスとが重複して当選する当選エリアと、に乱数が対応付けられており、小役、リプレイ又はボーナスのいずれかに当選するように構成されている。また、内部抽選テーブルAでは、リプレイの当選確率、つまり通常リプレイの当選確率が、約1/7.3に設定されている。
【0060】
第1の実施形態のスロットマシン1では、ボーナスとして第1種特別役物に係る役物連続作動装置としてのレギュラービッグボーナス(以下、レギュラービッグボーナスを「RBB」とも記載)を備えており、当選エリア「RBB」又は当選エリア「RBB&全1枚役」の当選にすることでRBBが成立状態に設定される。
【0061】
内部抽選テーブルBは、非RT状態においてRBBが成立状態に設定されたことによって移行される遊技状態であるボーナス成立状態である場合に選択される。内部抽選テーブルBは、内部抽選テーブルAにおいて小役に対応付けられていた乱数と、小役とボーナスとが重複して当選エリアに対応付けられていた乱数と、が小役に対応付けられており、内部抽選テーブルAにおいてリプレイに対応付けられていた乱数と、ボーナスに対応付けられていた乱数と、がリプレイに対応付けられており、小役又はリプレイのいずれかに当選するように構成されている。
【0062】
内部抽選テーブルCは、RBBが作動した場合に移行される遊技状態であるRBB作動状態において選択される。内部抽選テーブルCは、小役の当選確率について、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBのいずれの内部抽選テーブルにおいて設定されている小役の当選確率よりも高くなるように設定されている。
【0063】
第1の実施形態のスロットマシン1では、内部抽選で当選した場合に入賞可能な小役(以下、「入賞役」と記載)として、ベルA~ベルC、チャンス役A~チャンス役L、1枚役A~1枚役H及びレア役が用意されており、複数種類の入賞役が重複して当選する小役の当選エリア(当選態様)として、当選エリア「打順ベル1」~「打順ベル12」と、当選エリア「打順チャンス役1A」~当選エリア「打順チャンス役6A」、当選エリア「打順チャンス役1B」~当選エリア「打順チャンス役6B」、当選エリア「打順チャンス役1C」~当選エリア「打順チャンス役6C」、当選エリア「打順チャンス役1D」~当選エリア「打順チャンス役6D」(以下、当選エリア「打順チャンス役1A」~当選エリア「打順チャンス役6D」のすべてをまとめて「当選エリア「打順チャンス役」」とも記載する)、当選エリア「全1枚役」と、が設定されている。ここで、「打順」とは、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対して押下操作を実行する順番を意味する。また、以下の記載において、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されるタイミングを「押下タイミング」とも記載する。
【0064】
当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」は、ベルAと、1枚役A~1枚役Gのうち少なくとも1つと、に重複当選する当選エリアであり、それぞれ重複当選する入賞役が異なる構成となっている。当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」には、それぞれベルAを入賞可能にする打順(正解打順)が設定されている。当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」の当選時において、スロットマシン1では、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、ベルAが入賞し、正解打順とは異なる打順(不正解打順)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、かつ押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Gのいずれかを入賞可能なタイミングである場合に、当選している1枚役A~1枚役Gのいずれかが入賞し、不正解打順でかつ押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Gのいずれかを入賞できないタイミングである場合に、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。
【0065】
当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」は、ベルBと、1枚役A~1枚役Gのうち少なくとも1つと、に重複当選する当選エリアであり、それぞれ重複当選する入賞役が異なる構成となっている。当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」には、それぞれベルBを入賞可能にする打順(正解打順)が設定されている。当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」の当選時において、スロットマシン1では、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、ベルBが入賞し、正解打順とは異なる打順(不正解打順)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、かつ押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Gのいずれかを入賞可能なタイミングである場合に、当選している1枚役A~1枚役Gのいずれかが入賞し、不正解打順でかつ押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Gのいずれかを入賞できないタイミングである場合に、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。
【0066】
図4図7を用いて、当選エリア「打順チャンス役」の詳細について説明する。当選エリア「打順チャンス役1A」~当選エリア「打順チャンス役6A」は、それぞれ図4に示す打順に対応する入賞役が入賞可能となり、当選エリア「打順チャンス役1B」~当選エリア「打順チャンス6B」は、それぞれ図5に示す打順に対応する入賞役が入賞可能となり、当選エリア「打順チャンス役1C」~当選エリア「打順チャンス6C」は、それぞれ図6に示す打順に対応する入賞役が入賞可能となり、当選エリア「打順チャンス役1D」~当選エリア「打順チャンス6D」は、それぞれ図7に示す打順に対応する入賞役が入賞可能となる。当選エリア「打順チャンス役」は、それぞれ重複当選する小役の組合せが異なるように構成されている。なお、以下の記載において、当選エリア「打順チャンス役」の当選時にチャンス役A~チャンス役Lを入賞可能な打順を特定打順とも記載する。
【0067】
当選エリア「打順チャンス役」の当選時において、スロットマシン1では、ストップボタンB1~ストップボタンB3が特定打順で押下操作された場合、リール制御手段130によるリール停止制御として枚数優先制御が実行され、当選しているチャンス役A~チャンス役Lのいずれかを1/4の確率で入賞可能にするリール停止制御が実行され、ストップボタンB1~ストップボタンB3が特定打順以外の打順で押下操作された場合に、リール制御手段130によるリール停止制御として個数優先制御が実行され、当選しているベルA~ベルCのいずれかを入賞可能にするリール停止制御が実行される。リール停止制御の詳細については、後述する。
【0068】
当選エリア「全1枚役」は、1枚役A~1枚役Hに重複して当選するエリアであり、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順及び押下タイミングによらず1枚役Hを入賞可能に構成されている。当選エリア「レア役」は、レア役に当選し、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合にレア役を入賞可能に構成されており、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押下タイミングがレア役を入賞させることができないタイミングであった場合には、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。なお、第1の実施形態の内部抽選手段120は、小役を含む各当選態様の当選確率について、当選エリア「レア役」に当選する確率が、他の小役を含む当選態様のいずれかに当選する確率よりも低い確率となる、いわゆるレア役として構成されている。
【0069】
ここで、第1の実施形態のスロットマシン1では、持越可能フラグが対応付けられる役としては、RBBがあり、小役及びリプレイは、持越不可フラグに対応付けられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でRBBを含む当選エリアに当選すると、当選したRBBの抽選フラグの成立状態を、RBBが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段120は、RBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技でも、小役及びリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、RBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているRBBの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを成立状態に設定する。
【0070】
<図柄の配列>
図8は、第1の実施形態のスロットマシン1における第1リールR1~第3リールR3の周面に配列された各図柄を示す図である。第1の実施形態では、図8に示すように、第1リールR1~第3リールR3の外周面に、赤7図柄「赤7」、BAR図柄「BAR」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄「BL」、チェリー図柄「CH」、スイカ図柄「WM」、星A図柄「STA」、星B図柄「STB」、ブランクA図柄「BKA」及びブランクB図柄「BKB」が配列されている。また、第1リールR1~第3リールR3の周面には、それぞれ20コマの図柄が配列されている。
【0071】
<リール制御手段>
第1の実施形態のスロットマシン1では、いずれの遊技状態である場合にも、リール停止制御において有効ラインL1上に停止させる役の優先順序が「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。
【0072】
<小役の入賞図柄組合せ>
図9図10は、第1の実施形態のスロットマシン1が有する小役の入賞図柄組合せを示す図である。図9に示すように、チャンス役Aの入賞図柄組合せは「BL-WM-赤7」であり、チャンス役Bの入賞図柄組合せは「BL-WM-STA」であり、チャンス役Cの入賞図柄組合せは「BL-WM-CH」であり、チャンス役Dの入賞図柄組合せは「BL-WM-BKB」である。図8に示すように、第1リールR1には、ベル図柄「BL」が4コマ以内の間隔で配置され、第2リールR2には、スイカ図柄「WM」が4コマ以内の間隔で配置されている。一方、第3リールR3には、星A図柄「STA」が停止番号3番のコマに配列され、チェリー図柄「CH」が停止番号8番のコマに配列され、赤7図柄「赤7」が停止番号13番のコマに配列され、ブランクB図柄「BKB」が停止番号18番のコマに配列されている。
【0073】
つまり、チャンス役A~チャンス役Dの入賞図柄組合せを構成する図柄は、第1リールR1に配列された図柄と第2リールR2に配列された図柄と、について、ストップボタンB1、ストップボタンB2の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示され、第3リールR3に配列された図柄について、ストップボタンB3の押下タイミングがチャンス役A~チャンス役Dのそれぞれに設定された特定のタイミングである場合に、有効ラインL1上に停止表示されるように構成されている。
【0074】
具体的には、チャンス役Aは、停止番号17番のブランクA図柄「BKA」~停止番号13番の赤7図柄「赤7」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB3が押下操作された場合に、赤7図柄「赤7」を有効ラインL1上に停止表示可能となり、チャンス役Bは、停止番号7番のブランクA図柄「BKA」~停止番号3番の星A図柄「STA」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB3が押下操作された場合に、星A図柄「STA」を有効ラインL1上に停止表示可能となり、チャンス役Cは、停止番号12番のブランクA図柄「BKA」~停止番号8番のチェリー図柄「CH」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB3が押下操作された場合に、チェリー図柄「CH」を有効ラインL1上に停止表示可能となり、チャンス役Dは、停止番号2番のブランクA図柄「BKA」~停止番号0番のリプレイ図柄「RP」、停止番号19番のスイカ図柄「WM」、停止番号18番のブランクB図柄「BKB」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB3が押下操作された場合に、ブランクB図柄「BKB」を有効ラインL1上に停止表示可能となる。
【0075】
チャンス役Eの入賞図柄組合せは「BL-赤7-RP」であり、チャンス役Fの入賞図柄組合せは「BL-STA-RP」であり、チャンス役Gの入賞図柄組合せは「BL-CH-RP」であり、チャンス役Hの入賞図柄組合せは「BL-BKB-RP」である。図8に示すように、第3リールR3には、リプレイ図柄「RP」が4コマ以内の間隔で配置されている。一方、第2リールR2には、星A図柄「STA」が停止番号2番のコマに配列され、チェリー図柄「CH」が停止番号7番のコマに配列され、赤7図柄「赤7」が停止番号12番のコマに配列され、ブランクB図柄「BKB」が停止番号17番のコマに配列されている。
【0076】
つまり、チャンス役E~チャンス役Hの入賞図柄組合せを構成する図柄は、第1リールR1に配列された図柄と第3リールR3に配列された図柄と、について、ストップボタンB1、ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示され、第2リールR2に配列された図柄について、ストップボタンB2の押下タイミングがチャンス役E~チャンス役Hのそれぞれに設定された特定のタイミングである場合に、有効ラインL1上に停止表示されるように構成されている。
【0077】
具体的には、チャンス役Eは、停止番号16番のスイカ図柄「WM」~停止番号12番の赤7図柄「赤7」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB2が押下操作された場合に、赤7図柄「赤7」を有効ラインL1上に停止表示可能となり、チャンス役Fは、停止番号6番のスイカ図柄「WM」~停止番号2番の星A図柄「STA」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB2が押下操作された場合に、星A図柄「STA」を有効ラインL1上に停止表示可能となり、チャンス役Gは、停止番号11番のスイカ図柄「WM」~停止番号7番のチェリー図柄「CH」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB2が押下操作された場合に、チェリー図柄「CH」を有効ラインL1上に停止表示可能となり、チャンス役Hは、停止番号1番のスイカ図柄「WM」、停止番号0番のベル図柄「BL」、停止番号19番のリプレイ図柄「RP」~停止番号17番のブランクB図柄「BKB」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB2が押下操作された場合に、ブランクB図柄「BKB」を有効ラインL1上に停止表示可能となる。
【0078】
チャンス役Iの入賞図柄組合せは「赤7-WM-RP」であり、チャンス役Jの入賞図柄組合せは「STA-WM-RP」であり、チャンス役Kの入賞図柄組合せは「CH-WM-RP」であり、チャンス役Lの入賞図柄組合せは「BKB-WM-RP」である。図8に示すように、第1リールR1には、星A図柄「STA」が停止番号3番のコマに配列され、チェリー図柄「CH」が停止番号8番のコマに配列され、赤7図柄「赤7」が停止番号13番のコマに配列され、ブランクB図柄「BKB」が停止番号18番のコマに配列されている。
【0079】
つまり、チャンス役I~チャンス役Lの入賞図柄組合せを構成する図柄は、第2リールR2に配列された図柄と第3リールR3に配列された図柄と、について、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示され、第1リールR1に配列された図柄について、ストップボタンB1の押下タイミングがチャンス役I~チャンス役Lのそれぞれに設定された特定のタイミングである場合に、有効ラインL1上に停止表示されるように構成されている。
【0080】
具体的には、チャンス役Iは、停止番号17番のBAR図柄「BAR」~停止番号13番の赤7図柄「赤7」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB1が押下操作された場合に、赤7図柄「赤7」を有効ラインL1上に停止表示可能となり、チャンス役Jは、停止番号7番の星B図柄「STB」~停止番号3番の星A図柄「STA」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB1が押下操作された場合に、星A図柄「STA」を有効ラインL1上に停止表示可能となり、チャンス役Kは、停止番号12番のブランクA図柄「BKA」~停止番号8番のチェリー図柄「CH」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB1が押下操作された場合に、チェリー図柄「CH」を有効ラインL1上に停止表示可能となり、チャンス役Lは、停止番号2番のブランクA図柄「BKA」~停止番号0番のベル図柄「BL」、停止番号19番のスイカ図柄「WM」、停止番号18番のブランクB図柄「BKB」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB1が押下操作された場合に、ブランクB図柄「BKB」を有効ラインL1上に停止表示可能となる。
【0081】
ベルAの入賞図柄組合せは「RP-WM-BKA」である。図8に示すように、第1リールR1には、リプレイ図柄「RP」が4コマ以内の間隔で配置され、第3リールR3には、ブランクA図柄「BKA」が4コマ以内の間隔で配置されている。ベルBの入賞図柄組合せは「RP-BL-RP」である。図8に示すように、第2リールR2には、ベル図柄「BL」が4コマ以内の間隔で配置されている。ベルCの入賞図柄組合せは「BL-BL-BL」である。図8に示すように、第3リールR3には、ベル図柄「BL」が4コマ以内の間隔で配置されている。
【0082】
このため、ベルA~ベルCは、それぞれ入賞可能な打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に入賞図柄組合せが表示されるように構成されている。
【0083】
1枚役Aの入賞図柄組合せは「BL-BL-BKB」であり、1枚役Bの入賞図柄組合せは「BL-BKB-BL」であり、1枚役Cの入賞図柄組合せは「BKB-BL-BL」であり、1枚役Dの入賞図柄組合せは「BKB-WM-BKA」であり、1枚役Eの入賞図柄組合せは「RP-WM-BKB」であり、1枚役Fの入賞図柄組合せは「BKB-BL-RP」であり、1枚役Gの入賞図柄組合せは「RP-BKB-RP」であり、1枚役Hの入賞図柄組合せは「RP-BL-BL」である。
【0084】
レア役の入賞図柄組合せは「RP-STA(BKB)-赤7(CH)」である。このため、レア役は、停止番号13番のブランクA図柄「BKA」~停止番号19番のリプレイ図柄「RP」、停止番号0番のベル図柄「BL」~停止番号2番の星A図柄「STA」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB2が押下操作された場合に、第2リールR2に配列された星A図柄「STA」又はブランクB図柄「BKB」を有効ラインL1上に停止表示可能となり、かつ、停止番号4番のスイカ図柄「WM」~停止番号13番の赤7図柄「赤7」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB3が押下操作された場合に、第3リールR3に配列された赤7図柄「赤7」又はチェリー図柄「CH」を有効ラインL1上に停止表示可能となる。
【0085】
<小役の配当>
図9図10に示すように、第1の実施形態において、チャンス役A~チャンス役Lの配当は、規定投入数(3枚)よりも多い枚数の払出数(例えば10枚)に設定されている。また、ベルA~ベルCの配当は、規定投入数よりも多く、かつチャンス役A~チャンス役Lよりも少ない枚数の払出数(例えば9枚)に設定されている。また、1枚役A~1枚役H及びレア役の配当は、規定投入数よりも少ない枚数の払出数(例えば1枚)に設定されている。
【0086】
<遊技状態移行制御手段>
図11(A)は、本実施形態の遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態の移行に係る制御において、各遊技状態から移行可能な遊技状態を示す状態遷移図である。
【0087】
図11(A)に示すように、非RT状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態(初期遊技状態、通常遊技状態)であり、ボーナスが作動及び成立していない非ボーナス状態となっている。非RT状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120に内部抽選テーブルAを用いた内部抽選を実行させる。
【0088】
ボーナス成立状態は、非RT状態における内部抽選で当選エリア「RBB」又は当選エリア「RBB&全1枚役」に当選し、RBBが成立状態に設定された場合に移行する遊技状態である。ボーナス成立状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120に内部抽選テーブルBを用いた内部抽選を実行させる。
【0089】
RBB作動状態は、RBBが入賞することで移行される遊技状態(ボーナス状態)である。RBB作動状態において、遊技状態移行制御手段170は、払い出されたメダルの合計数によって作動しているRBBの終了条件が成立したかを判定し、予め定められた所定の払出数(例えば、200枚)を超えるメダルが払い出された場合に、RBBの作動を終了させることでボーナス状態を終了させて、遊技状態を非ボーナス状態へ移行させる。RBB作動状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120に内部抽選テーブルCを用いた内部抽選を実行させる。図3に示すように、内部抽選テーブルCでは、ベルA、ベルB、1枚役A~1枚役H、レア役に当選する当選エリア「JAC1」と、ベルA~ベルC、チャンス役A~チャンス役Lを含むすべての小役に当選する当選エリア「JAC2」と、すべての1枚役に当選する当選エリア「JAC3」と、に乱数が対応付けられている。
【0090】
図3を用いてRBB作動状態について詳細に説明する。第1の実施形態のスロットマシン1において、内部抽選テーブルCが選択されるRBB作動状態において当選エリア「JAC1」、当選エリア「JAC2」又は当選エリア「JAC3」に当選する確率は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBのいずれかが選択されるRB非作動時の状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「打順チャンス役」、当選エリア「全1枚役」又は当選エリア「レア役」に当選する確率、つまりRBB作動状態以外の遊技状態においていずれかの小役に当選する確率よりも高い確率に設定されている。また、内部抽選テーブルCにおいて、当選エリア「JAC1」に当選する確率は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBにおいて当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」のそれぞれに当選する確率よりも高い確率に設定されている。また、当選エリア「JAC2」に当選する確率は、当選エリア「打順チャンス役1A」~当選エリア「打順チャンス役6D」のそれぞれに当選する確率よりも高い確率に設定されている。
【0091】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1は、RBB作動状態において、ボーナスの非作動時である非RT状態及びボーナス成立状態である場合よりもすべての小役の当選確率が上昇するとともに、いずれかの小役に当選する確率も上昇するように構成されている。
【0092】
また、スロットマシン1は、RBB作動状態において、当選エリア「JAC1」に当選する確率が、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」の各当選確率を合算した当選確率)及び当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」の各当選確率を合算した当選確率)よりも低く、かつ、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の各当選確率を合算した当選確率)よりも低くなるように構成されている。
【0093】
また、スロットマシン1は、RBB作動状態において、当選エリア「JAC2」に当選する確率が、当選エリア「打順チャンス役1A」~当選エリア「打順チャンス役6A」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順チャンス役1A」~当選エリア「打順チャンス役6A」の各当選確率を合算した当選確率)、当選エリア「打順チャンス役1B」~当選エリア「打順チャンス役6B」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順チャンス役1B」~当選エリア「打順チャンス役6B」の各当選確率を合算した当選確率)、当選エリア「打順チャンス役1C」~当選エリア「打順チャンス役6C」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順チャンス役1C」~当選エリア「打順チャンス役6C」の各当選確率を合算した当選確率)及び当選エリア「打順チャンス役1D」~当選エリア「打順チャンス役6D」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順チャンス役1D」~当選エリア「打順チャンス役6D」の各当選確率を合算した当選確率)よりも高く、かつ、当選エリア「打順チャンス役1A」~当選エリア「打順チャンス役6D」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順チャンス役1A」~当選エリア「打順チャンス役6D」の各当選確率を合算した当選確率)よりも低くなるように構成されている。
【0094】
このため、第1の実施形態のスロットマシン1は、RBB作動状態について、メダルの獲得率の期待値が100%未満となっている。
【0095】
ここで、RBB作動状態以外の遊技状態においては、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時に、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下操作しないとベルA、ベルBを入賞させることができない構成であることから、ベルA、ベルBのいずれかが入賞する確率は、6種類の打順から正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下操作できた場合に限定される。一方、後述する指示機能制御手段200Bによって入賞補助制御が実行されるAT遊技が実行された場合には、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時に、正解打順が報知されるため、ベルA、ベルBのいずれかが入賞する確率について、入賞補助制御が実行されない場合に対して最大で6倍まで高めることができる。
【0096】
このように、第1の実施形態においては、正解打順で停止操作した場合に入賞する規定投入枚数よりも多くのメダルを払い出す入賞役(特定役)として、ベルA、ベルBの2種類を設定している。そして、RBB作動状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を、RBB作動状態以外の遊技状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約1/2に圧縮している。このように構成することで、RBB作動状態以外の遊技状態においてN種類の特定役を互いに重複せずに当選させる態様を設けて内部抽選を行い、RBB作動状態においてN種類の特定役を重複して当選させる態様を設けて内部抽選を行うことによって、RBB作動状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を、RBB作動状態以外の遊技状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約1/Nに圧縮することができる。これにより、ボーナス状態でのメダルの獲得率の期待値の下限を100%未満にまで引き下げた上でAT遊技に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0097】
<演出制御手段>
第1の実施形態において、演出制御手段180は、指示機能制御手段200Bによる入賞補助制御の実行時において、入賞補助制御で報知される内容(例えば、当選エリア「打順ベル1」の当選時における打順1の報知等)を演出装置300を用いた演出によって報知する入賞補助演出を実行する。演出制御手段180は、AT状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合に、正解打順を報知する入賞補助演出を実行する。また、演出制御手段180は、非AT状態又はCZ状態において当選エリア「打順チャンス役」に当選した場合に、特定打順を報知する入賞補助演出を実行する。
【0098】
<有利期間制御手段と指示機能制御手段>
図11(B)は、本実施形態の有利期間制御手段200Aによって制御される期間と、指示機能制御手段200Bによって制御される指示機能状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。
【0099】
図11(B)に示すように、非有利期間は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく指示機能制御手段200Bによる指示機能に係る制御が実行されない期間である。有利期間制御手段200Aは、非有利期間内における遊技のうち、ボーナスが作動していない遊技において、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアのうち、当選確率が1/17500以上に設定された当選エリアに当選した場合に、非有利期間を終了し有利期間を開始するか否かを決定する抽選である有利期間抽選を実行する。
【0100】
有利期間抽選において、有利期間制御手段200Aは、まず、記憶手段190のうち有利期間に係るデータを記憶している有利期間制御データ記憶手段198から、複数の乱数のそれぞれに対して「有利期間の開始」、「ハズレ(不当選)」が対応付けられているデータテーブルである有利期間移行抽選テーブルを取得する。そして、有利期間制御手段200Aは、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を有利期間移行抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき、有利期間を開始するか否かを決定する。なお、有利期間制御データ記憶手段198には、有利期間制御手段200Aが有利期間内において実行する所定の制御処理でON状態又はOFF状態にセットする各種フラグも格納されている。なお、有利期間制御手段200Aは、内部抽選で当選した当選エリアの当選確率と、有利期間抽選における「有利期間の開始」の当選確率と、を乗算した確率について、1/17500以上となるように有利期間抽選を実行する。
【0101】
有利期間において、指示機能制御手段200Bは、指示機能に係る状態(指示機能状態)として、非AT状態と、チャンスゾーン(CZ)状態と、AT状態と、有している。指示機能制御手段200Bは、指示機能制御データ記憶手段199に記憶されている各種抽選テーブルを参照し、各指示機能状態に応じた抽選に係る処理を実行する。
【0102】
非AT状態は、有利期間制御手段200Aによって有利期間が開始され、かつ他の指示機能状態に移行していない場合に設定される、複数種類の指示機能状態の中で通常状態に相当する指示機能状態(通常指示機能状態)である。非AT状態において、指示機能制御手段200Bは、内部抽選手段120による内部抽選で、当選エリア「打順チャンス役」に当選した場合に、チャンス役A~チャンス役Lを入賞可能にする特定打順を報知する入賞補助制御を実行する。
【0103】
また、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順チャンス役」に当選し、かつ当選したチャンス役A~チャンス役Lのいずれかが入賞した場合に、指示機能状態をCZ状態に移行するか否かを決定するCZ抽選を実行する。なお、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順チャンス役」に当選し、かつ当選したチャンス役A~チャンス役Lが入賞しなかった場合、具体的にはチャンス役A~チャンス役Lを取りこぼした(非入賞)場合と、ベルA~ベルCのいずれかが入賞した場合と、において、CZ抽選を実行しないように構成されている。
【0104】
指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選した当選エリアの当選確率と、CZ抽選における「CZ状態への移行」の当選確率と、を乗算した確率について、1/17500以上となるようにCZ抽選を実行する。
【0105】
また、指示機能制御手段200Bは、非AT状態において、有利期間を開始してから1200ゲームの遊技が実行された場合と、有利期間を開始してから最もメダルを消費した後に2000枚のメダルを遊技者が獲得した場合と、に、指示機能状態を非AT状態からCZ状態に移行させる。
【0106】
CZ状態は、非AT状態から移行可能な指示機能状態である。CZ状態において、指示機能制御手段200Bは、CZ状態の開始時に指示機能制御データ記憶手段199のCZ終了判定カウンタ(不図示)に所定の遊技回数に対応する値(例えば、10ゲーム)をセットし、遊技が実行される都度、CZ終了判定カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。指示機能制御手段200Bは、CZ状態において10ゲームの遊技が実行されるまでの間、毎ゲームごとにAT状態の実行を決定するか否かを抽選するAT抽選を実行するように構成されており、当選エリア「打順チャンス役」に当選し、かつ当選したチャンス役A~チャンス役Lのいずれかが入賞した場合にのみCZ抽選が実行される非AT状態よりもAT状態に移行しやすい状態となっている。
【0107】
CZ状態において、指示機能制御手段200Bは、内部抽選手段120による内部抽選で、当選エリア「打順チャンス役」に当選した場合に、チャンス役A~チャンス役Lを入賞可能にする特定打順を報知する入賞補助制御を実行する。また、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順チャンス役」に当選し、かつ当選したチャンス役A~チャンス役Lのいずれかが入賞した場合に、他の当選エリアに当選した場合に実行するAT抽選よりも「AT状態への移行」に当選する確率が高い特別AT抽選を実行する。なお、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順チャンス役」に当選し、かつ当選したチャンス役A~チャンス役Lが入賞しなかった場合、具体的にはチャンス役A~チャンス役Lを取りこぼした(非入賞)場合と、ベルA~ベルCのいずれかが入賞した場合と、において、特別AT抽選ではなくAT抽選を実行するように構成されている。
【0108】
CZ状態において10ゲームの遊技が実行されるまでにAT抽選又は特別AT抽選で「AT状態への移行」に当選した場合、指示機能制御手段200Bは、CZ状態の開始から10ゲームの遊技が実行された後に指示機能状態をCZ状態からAT状態に移行する。一方、CZ状態において10ゲームの遊技が実行されるまでにAT抽選又は特別AT抽選で「AT状態への移行」に当選しなかった場合、指示機能制御手段200Bは、CZ状態の開始から10ゲームの遊技が実行された後に指示機能状態をCZ状態から非AT状態に移行する。なお、指示機能制御手段200Bは、CZ状態におけるAT抽選又は特別AT抽選において「AT状態への移行」に当選した遊技において、指示機能状態をCZ状態からAT状態に移行するように構成されていてもよい。また、指示機能制御手段200Bは、CZ状態において、有利期間を開始してから1210ゲームの遊技が実行された場合と、有利期間を開始してから最もメダルを消費した後に2010枚のメダルを遊技者が獲得した場合と、に、指示機能状態をCZ状態からAT状態に移行させる。
【0109】
AT状態は、非AT状態又はCZ状態においてAT状態への移行条件が成立することで移行する指示機能状態である。AT状態において、指示機能制御手段200Bは、内部抽選手段120による内部抽選において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞役が変化する当選エリアに当選したことに基づき入賞補助制御を実行可能に構成されている。ここで、入賞補助制御によって入賞する確率が上がる役(特定の役)は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、の当選時のベルA、ベルBである。なお、指示機能制御手段200Bは、AT状態における内部抽選で当選エリア「打順チャンス役」に当選した場合に、特定打順を報知する入賞補助制御を実行しないように構成されている。
【0110】
指示機能制御手段200Bは、AT状態を開始した場合に、AT状態において実行された遊技回数を計数するカウンタであるAT状態遊技回数カウンタに、AT状態で実行可能な遊技回数に相当する初期値をセットし、1回の遊技が実行されるごとに1ゲームに相当する値「1」でAT状態遊技回数カウンタの記憶値を減算するデクリメント更新を実行する。第1の実施形態において、指示機能制御手段200Bは、遊技状態が非RT状態である状態で有利期間が開始された場合、AT状態遊技回数カウンタに初期値として値「50」をセットする。
【0111】
また、第1の実施形態において、指示機能制御手段200Bは、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「レア役」に当選した場合に、指示機能に係る制御として、AT状態遊技回数カウンタの記憶値に抽選により決定された値を加算するか否かを決定することで、AT状態が継続する期間を加算(上乗せ)するか否かを決定する上乗せ抽選を実行する。
【0112】
AT状態においてAT状態遊技回数カウンタの記憶値が値「0」になった場合、つまり、AT状態が終了した場合、有利期間制御手段200Aは、通常終了条件が成立したと判定し、有利期間を終了して非有利期間に制御するとともに、終了処理を実行する。終了処理が実行されることで、スロットマシン1では、有利期間制御データ記憶手段198に含まれる有利期間中に更新されたデータ(例えば有利期間ゲーム数カウンタの記憶値等)と、指示機能制御データ記憶手段199に含まれる有利期間中に更新されたデータ(例えば、AT状態遊技回数カウンタの記憶値等)と、が初期化される。
【0113】
3.当選エリア「打順チャンス役」当選時の詳細
次に、第1の実施形態のスロットマシン1において、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「打順チャンス役」に当選した場合におけるリール制御手段130によるリール停止制御の詳細と、チャンス役A~チャンス役Lの入賞時における指示機能制御手段200Bが実行する指示機能に係る制御の詳細と、について説明する。
【0114】
<特定打順でストップボタンが押下操作された場合>
図12は、当選エリア「打順チャンス役1A」に当選し、チャンス役Aを入賞可能な特定打順である打順1でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作される場合におけるリール制御手段130によるリール停止制御を説明する図である。
【0115】
当選エリア「打順チャンス役1A」に当選した場合、リール制御手段130は、リール停止制御によってチャンス役A、ベルC、1枚役A~1枚役Cの入賞図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能に構成されている。リール制御手段130は、第1停止操作がストップボタンB1になされたことをストップスイッチ240が検出した場合に、ベル図柄「BL」を有効ラインL1上に停止表示することで、入賞した場合に10枚の払い出しがなされるチャンス役Aの入賞図柄組合せ「BL-WM-赤7」と、入賞した場合に9枚の払い出しがなされるベルCの入賞図柄組合せ「BL-BL-BL」と、入賞した場合に1枚の払い出しがなされる1枚役Aの入賞図柄組合せ「BL-BL-BKB」と、入賞した場合に1枚の払い出しがなされる1枚役Bの入賞図柄組合せ「BL-BKB-BL」と、を有効ラインL1上に停止表示可能になる。また、リール制御手段130は、第1停止操作がストップボタンB1になされたことをストップスイッチ240が検出した場合に、ブランクB図柄「BKB」を有効ラインL1上に停止表示することで、入賞した場合に1枚の払い出しがなされる1枚役Cの入賞図柄組合せ「BKB-BL-BL」を有効ラインL1上に停止表示可能になる。
【0116】
このため、リール制御手段130は、枚数優先制御を実行して入賞した場合における払出数が最も多い10枚であるチャンス役Aの入賞図柄組合せ「BL-WM-赤7」を構成するベル図柄「BL」を有効ラインL1上に停止表示するリール停止制御を実行し、第1リールR1の中段にベル図柄「BL」を停止表示する。
【0117】
第1リールR1の中段にベル図柄「BL」を停止表示した状態で第2停止操作がストップボタンB2になされたことをストップスイッチ240が検出した場合、リール制御手段130は、スイカ図柄「WM」を有効ラインL1上に停止表示することで、入賞した場合に10枚の払い出しがなされるチャンス役Aの入賞図柄組合せ「BL-WM-赤7」を有効ラインL1上に停止表示可能となり、ベル図柄「BL」を有効ラインL1上に停止表示することで、入賞した場合に9枚の払い出しがなされるベルCの入賞図柄組合せ「BL-BL-BL」と、入賞した場合に1枚の払い出しがなされる1枚役Aの入賞図柄組合せ「BL-BL-BKB」と、を有効ラインL1上に停止表示可能になり、ブランクB図柄「BKB」を有効ラインL1上に停止表示することで、入賞した場合に1枚の払い出しがなされる1枚役Bの入賞図柄組合せ「BL-BKB-BL」を有効ラインL1上に停止表示可能になる。
【0118】
このため、リール制御手段130は、枚数優先制御を実行して入賞した場合における払出数が最も多い10枚であるチャンス役Aの入賞図柄組合せ「BL-WM-赤7」を構成するスイカ図柄「WM」を有効ラインL1上に停止表示するリール停止制御を実行し、第2リールR2の中段にスイカ図柄「WM」を停止表示する。これにより、スロットマシン1では、今回の遊技において入賞可能な役がチャンス役Aに限定される。
【0119】
図13は、チャンス役A~チャンス役Lのうち第1リールR1にベル図柄「BL」、第2リールR2にスイカ図柄「WM」が含まれる入賞図柄組合せを有するチャンス役A~チャンス役Dを示す図である。図13に示すように、チャンス役A~チャンス役Dの入賞図柄組合せは、それぞれ第1リールR1にベル図柄「BL」が含まれ、第2リールR2にスイカ図柄「WM」が含まれている。そして、チャンス役A~チャンス役Dの入賞図柄組合せは、それぞれ第3リールR3の図柄が異なる図柄となっている。
【0120】
図8図13に示すように、チャンス役Aを入賞可能にする押下タイミングは、第3リールR3の停止番号17番のブランクA図柄「BKA」~停止番号13番の赤7図柄「赤7」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB3が押下操作された場合であり、第3リールR3の周面に配列された20コマの図柄のうち5コマの図柄が表示されているタイミングである。また、チャンス役Bを入賞可能にする押下タイミングは、第3リールR3の停止番号7番のブランクA図柄「BKA」~停止番号3番の星A図柄「STA」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB3が押下操作された場合であり、第3リールR3の周面に配列された20コマの図柄のうち5コマの図柄が表示されているタイミングである。また、チャンス役Cを入賞可能にする押下タイミングは、第3リールR3の停止番号12番のブランクA図柄「BKA」~停止番号8番のチェリー図柄「CH」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB3が押下操作された場合であり、第3リールR3の周面に配列された20コマの図柄のうち5コマの図柄が表示されているタイミングである。そして、チャンス役Dを入賞可能にする押下タイミングは、第3リールR3の停止番号2番のブランクA図柄「BKA」~停止番号0番のリプレイ図柄「RP」、停止番号19番のスイカ図柄「WM」、停止番号18番のブランクB図柄「BKB」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB3が押下操作された場合であり、第3リールR3の周面に配列された20コマの図柄のうち5コマの図柄が表示されているタイミングである。
【0121】
このように、チャンス役A~チャンス役Dの入賞図柄組合せを構成する図柄のうち、第3リールR3に配列された図柄は、入賞可能になるストップボタンB3の押下タイミングが重複しない位置に配列されているとともに、入賞可能となる押下タイミングがそれぞれ20コマ中5コマの図柄が配列されている範囲内となるように設定されている。
【0122】
また、図4図7に示すように、チャンス役Aを含む当選エリア「打順チャンス役1A」、当選エリア「打順チャンス役3A」と、チャンス役Bを含む当選エリア「打順チャンス役1B」、当選エリア「打順チャンス役3B」と、チャンス役Cを含む当選エリア「打順チャンス役1C」、当選エリア「打順チャンス役3C」と、チャンス役Dを含む当選エリア「打順チャンス役1D」、当選エリア「打順チャンス役3D」と、は、それぞれ特定打順について、第3停止操作をストップボタンB3に実行する打順に設定されている。
【0123】
このため、チャンス役A~チャンス役Dは、その当選時において、第2停止操作が終了した時点で、第1リールR1の中段にベル図柄「BL」が停止表示され、第2リールR2の中段にスイカ図柄「WM」が停止表示された状態となり、遊技者にはチャンス役A~チャンス役Dのいずれが当選しているかが判別されない状態となるように構成されている。そして、チャンス役A~チャンス役Dの入賞図柄組合せは、第3リールR3に配列された図柄について、それぞれ停止可能なコマ数が20コマ中5コマに設定され、かつ停止可能なタイミングが互いに重複しないタイミングに設定されている。
【0124】
このような構成により、チャンス役A~チャンス役Dは、その当選時でかつ特定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作される場合において、入賞する確率が、第3リールR3に配列された20コマの図柄中5コマの図柄が有効ラインL1上に表示されているタイミングとなるため、1/4の確率で入賞する。
【0125】
なお、図4図10に示すように、チャンス役E~チャンス役Hの入賞図柄組合せは、第1リールR1と第3リールR3とについて、互いに共通の図柄から構成され、かつ、第2リールR2について、停止可能なコマ数が20コマ中5コマに設定され、かつ停止可能なタイミングが互いに重複しないタイミングに設定された異なる図柄から構成され、特定打順について、第3停止操作がストップボタンB2に実行される構成となっている。また、チャンス役I~チャンス役Lの入賞図柄組合せは、第1リールR1と第3リールR3とについて、互いに共通の図柄から構成され、かつ、第1リールR1について、停止可能なコマ数が20コマ中5コマに設定され、かつ停止可能なタイミングが互いに重複しないタイミングに設定された異なる図柄から構成され、特定打順について、第3停止操作がストップボタンB1に実行される構成となっている。
【0126】
このような構成であるため、チャンス役A~チャンス役Lは、それぞれ入賞確率が1/4となる。そのため、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス役」の当選時において、特定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合、1/4の確率で10枚のメダルが払い出され、3/4の確率で取りこぼし(非入賞)となることから、1回の遊技において獲得できるメダルの枚数と投入するメダルの枚数との差分の平均値である純増枚数が-0.5枚となる。
【0127】
<特定打順とは異なる打順でストップボタンが押下操作された場合>
図14は、当選エリア「打順チャンス役1A」に当選し、チャンス役Aを入賞可能な特定打順である打順1とは異なる打順として、第1停止操作がストップボタンB2に実行される場合におけるリール制御手段130によるリール停止制御を説明する図である。
【0128】
当選エリア「打順チャンス役1A」に当選した場合、リール制御手段130は、リール停止制御によってチャンス役A、ベルC、1枚役A~1枚役Cの入賞図柄組合せを有効ラインL1上に表示可能に構成されている。リール制御手段130は、第1停止操作がストップボタンB2になされたことをストップスイッチ240が検出した場合に、スイカ図柄「WM」を有効ラインL1上に停止表示することで、チャンス役Aの入賞図柄組合せ「BL-WM-赤7」の1個の入賞図柄組合せを有効ラインL1上に停止表示可能になる。また、リール制御手段130は、第1停止操作がストップボタンB2になされたことをストップスイッチ240が検出した場合に、ベル図柄「BL」を有効ラインL1上に停止表示することで、ベルCの入賞図柄組合せ「BL-BL-BL」と、1枚役Aの入賞図柄組合せ「BL-BL-BKB」と、1枚役Cの入賞図柄組合せ「BKB-BL-BL」と、の3個の入賞図柄組合せを有効ラインL1上に停止表示可能になる。そして、リール制御手段130は、第1停止操作がストップボタンB2になされたことをストップスイッチ240が検出した場合に、ブランクB図柄「BKB」を有効ラインL1上に停止表示することで、1枚役Bの入賞図柄組合せ「BL-BKB-BL」を有効ラインL1上に停止表示可能になる。
【0129】
このため、リール制御手段130は、個数優先制御を実行して、ベルCの入賞図柄組合せ「BL-BL-BL」と、1枚役Aの入賞図柄組合せ「BL-BL-BKB」と、1枚役Cの入賞図柄組合せ「BKB-BL-BL」と、の3個の入賞図柄組合せを有効ラインL1上に停止表示可能にするベル図柄「BL」を有効ラインL1上に停止表示するリール停止制御を実行し、第2リールR2の中段にベル図柄「BL」を停止表示する。
【0130】
これにより、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス役1A」の当選時において、特定打順とは異なる停止操作が実行された時点で、チャンス役Aを入賞させることができなくなる図柄が有効ラインL1上に停止表示される。また、リール制御手段130は、チャンス役Aを入賞させることができなくなる図柄が有効ラインL1上に停止表示された以降のリール停止制御において、枚数優先制御を実行し、ベルCの入賞図柄組合せ「BL-BL-BL」を構成する図柄を有効ラインL1上に停止表示するリール停止制御を実行する。そして、図8に示すように、第1リールR1~第3リールR3の周面には、いずれも4コマ以内の間隔でベル図柄「BL」が配列されている。
【0131】
このような構成であることから、スロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス役1A」の当選時において、特定打順とは異なる停止操作が実行された場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず9枚のメダルが払い出されるベルCが入賞するため、メダルの純増枚数が6枚となる。
【0132】
この、ベルCと1枚役A、1枚役Cとに共通する第2リールR2に配列されたベル図柄「BL」が、第1の実施形態における共通図柄を構成し、1枚役A~1枚役Cが、第1の実施形態における第3小役を構成し、1枚役A~1枚役Cの配当である1枚が本実施形態における第3配当を構成する。
【0133】
<チャンス役入賞時における指示機能制御手段による制御>
図15は、当選エリア「打順チャンス役」の当選時において、指示機能制御手段200Bが実行する指示機能に係る制御を示すフローチャートである。図15に示す指示機能に係る制御は、第3停止操作が実行され、入賞判定手段140によって入賞判定が実行された後に、入賞判定の結果に基づき実行される。
【0134】
まず、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順チャンス役」に当選していたか否かを判定する(S1)。この処理において、指示機能制御手段200Bは、チャンス役A~チャンス役Lを含む当選エリアとして、当選エリア「JAC2」ではなく当選エリア「打順チャンス役」であるか否かを判定しており、内部抽選で当選エリア「打順チャンス役」に当選していないと判定した場合には(NO)、処理を終了する。
【0135】
ステップS1の処理において、内部抽選で当選エリア「打順チャンス役」に当選していたと判定した場合には(YES)、指示機能制御手段200Bは、チャンス役A~チャンス役Lのいずれかが入賞したか否かを判定する(S2)。この処理において、指示機能制御手段200Bは、入賞判定手段140が実行した入賞判定の結果、チャンス役A~チャンス役Lのいずれかが入賞したか否かを判定し、チャンス役A~チャンス役Lが入賞していないと判定した場合には(NO)、処理を終了する。
【0136】
ステップS2の処理において、チャンス役A~チャンス役Lのいずれかが入賞したと判定した場合には(YES)、指示機能制御手段200Bは、CZ抽選や特別AT抽選等の状態移行抽選を含む状態移行制御を実行し(S3)、処理を終了する。状態移行制御において、指示機能制御手段200Bは、チャンス役A~チャンス役Lの入賞に基づくCZ抽選や特別AT抽選等の状態移行抽選を実行し、抽選の結果指示機能状態の移行に係る制御を実行する必要があれば指示機能状態の移行に係る制御を実行する。
【0137】
4.第1の実施形態のまとめ
上述した通り、第1の実施形態の指示機能制御手段200Bは、非AT状態及びCZ状態における当選エリア「打順チャンス役」の当選時において、チャンス役A~チャンス役Lを入賞可能にする入賞補助制御として、特定打順を報知する入賞補助制御を実行する。また、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順チャンス役」に当選し、かつチャンス役A~チャンス役Lのいずれかが入賞した場合に、図15のステップS3に示す状態移行抽選を含む状態移行制御を実行するように構成されており、CZ抽選や特別AT抽選を実行し、抽選の結果に応じて非AT状態から非AT状態よりも遊技者にとって有利なCZ状態や、CZ状態からCZ状態よりも遊技者にとって有利なAT状態へ指示機能状態を移行可能に構成されている。また、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順チャンス役」に当選し、かつ当選したチャンス役A~チャンス役Lが入賞しなかった場合、具体的にはチャンス役A~チャンス役Lを取りこぼした(非入賞)場合と、ベルA~ベルCのいずれかが入賞した場合と、において、CZ抽選や特別AT抽選を実行しないように構成されている。
【0138】
このため、第1の実施形態のスロットマシン1においては、非AT状態及びCZ状態における当選エリア「打順チャンス役」の当選時に入賞補助制御に従って特定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下操作し、かつチャンス役A~チャンス役Lのいずれかを入賞させることで、遊技者にとって有利な特典の付与に係る制御として状態移行制御が実行され、かつ特定打順に従わない遊技を実行した場合に、遊技者にとって有利な特典の付与に係る制御として状態移行制御が実行されないように構成されていることから、特定打順に従った遊技を行った際に遊技者にとって有利な特典を付与可能にし、特定打順に従った遊技に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0139】
この、当選エリア「打順チャンス役」に当選し、チャンス役A~チャンス役Lの入賞時に遊技者にとって有利な特典としてCZ状態やAT状態への移行を付与可能な状態移行制御を実行する指示機能制御手段200Bが、第1の実施形態における特典付与手段を構成する。
【0140】
また、第1の実施形態のスロットマシン1では、当選エリア「打順チャンス役」の当選時において、特定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下操作した場合、チャンス役A~チャンス役Lよりも配当が少なく、かつ押下タイミングによらず入賞可能なベルA~ベルCに優先してチャンス役A~チャンス役Lを入賞可能になるとともに、第3停止操作を実行した際に1/4の確率で当選しているチャンス役A~チャンス役Lが入賞するように構成されている。
【0141】
このような構成であるため、スロットマシン1は、当選エリア「打順チャンス役」の当選時に特定打順の入賞補助制御が実行され、入賞補助制御に従った遊技が実行された場合に、チャンス役A~チャンス役Lを入賞可能な押下タイミングで第3停止操作が実行されないとチャンス役A~チャンス役Lが入賞しないため、非AT状態及びCZ状態において入賞補助制御に従った遊技が実行される場合のメダルの獲得率の期待値の下限を引き下げた上でAT状態におけるメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を維持しつつAT遊技に対する遊技者の関心を惹きつけることができる。
【0142】
また、スロットマシン1は、当選エリア「打順チャンス役」の当選時に特定打順の入賞補助制御が実行され、入賞補助制御に従った遊技が実行された場合に、チャンス役A~チャンス役Lを入賞可能な押下タイミングで第3停止操作が実行されないとチャンス役A~チャンス役Lが入賞しないことで、入賞補助された打順に従った結果チャンス役A~チャンス役Lの入賞が1/4の確率で発生する遊技性を遊技者に提供することができ、小役の入賞を意図的に外す遊技を強いらされていると感じさせ遊技者の遊技に対する興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
【0143】
この、第1配当として10枚の配当が設定されたチャンス役A~チャンス役Lが、第1の実施形態における第1小役(特定役)を構成し、第2配当として10枚よりも少ない9枚の配当が設定されたベルA~ベルCが、第1の実施形態における第2小役を構成し、チャンス役A~チャンス役LのいずれかとベルA~ベルCのいずれかとを含む当選エリア「打順チャンス役1A」~当選エリア「打順チャンス役6D」が、第1の実施形態における特定当選態様を構成し、当選エリア「打順チャンス役1A」~当選エリア「打順チャンス役6D」の当選時においてチャンス役A~チャンス役Lを入賞可能にする特定打順が、第1の実施形態における特定の順序の停止操作を構成し、チャンス役A~チャンス役Lを入賞可能にする第3停止操作の押下タイミングが、第1の実施形態における特定のタイミングを構成する。
【0144】
また、第1の実施形態のスロットマシン1では、指示機能状態が非AT状態又はCZ状態である場合、内部抽選で当選エリア「打順チャンス役」に当選した際に、入賞補助手段としての指示機能制御手段200Bによって実行される入賞補助制御に従った遊技を実行した場合に、入賞すれば10枚の払い出しが実行されるものの入賞確率が1/4に設定されているチャンス役A~チャンス役Lを入賞可能な遊技となり、入賞補助制御に従わない遊技を実行した場合に、入賞時の払出数がチャンス役A~チャンス役Lよりも少ない9枚であるもののストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず入賞することで純増枚数が6枚となっているベルA~ベルCを入賞可能な遊技となる構成となっている。
【0145】
このような構成であるため、スロットマシン1は、入賞補助制御に従って遊技が進行された場合における所定遊技回数の遊技で投入したメダルの総投入数に対する総払出数の比率が、入賞補助制御に従わずに遊技が進行された場合における所定遊技回数の遊技で投入したメダルの総投入数に対する総払出数の比率よりも低くなるように構成されている。
【0146】
また、第1の実施形態の指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順チャンス役」に当選し、かつチャンス役A~チャンス役Lのいずれかが入賞した場合に、チャンス役A~チャンス役Lを取りこぼした(非入賞)場合やベルA~ベルCのいずれかが入賞した場合に付与可能な特典(CZ状態におけるAT抽選)よりも遊技者にとって有利な特典として、非AT状態におけるCZ抽選やCZ状態における特別AT抽選を実行するように構成されている。
【0147】
このような構成であることから、第1の実施形態のスロットマシン1は、非AT状態及びCZ状態における当選エリア「打順チャンス役」の当選時において指示機能制御手段200Bによって実行される入賞補助制御に従った遊技を実行した場合に、入賞補助制御に従わない遊技を実行する場合よりも所定遊技回数の遊技で投入したメダルの総投入数に対する総払出数の比率が低下するものの、チャンス役A~チャンス役Lを入賞させることで遊技者にとって有利なAT状態に移行する確率が高まることで、メダルの獲得期待値が非AT状態やCZ状態よりも高いAT状態で遊技を実行できるようになる確率が高まるため、遊技者に入賞補助制御に従った遊技を実行させる動機付けをすることができ、非AT状態及びCZ状態において入賞補助制御に従った遊技が実行される場合のメダルの獲得率の期待値の下限を引き下げた上でAT状態におけるメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を維持しつつAT遊技に対する遊技者の関心を惹きつけることができる。
【0148】
また、第1の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順チャンス役」の当選時において、特定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されなかった場合に、リール制御手段130が個数優先制御を実行し、チャンス役A~チャンス役Lと重複して当選しているベルA~ベルCと、1枚役A~1枚役Gと、に共通する図柄を有効ラインL1上に停止表示するリール停止制御を実行し、入賞可能な役をベルA~ベルCと、1枚役A~1枚役Gと、のいずれかに限定する。
【0149】
そして、第1の実施形態のスロットマシン1は、指示機能状態がAT状態になった場合、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」に当選した際には、正解打順を報知する入賞補助制御を実行するものの、当選エリア「打順チャンス役」に当選した際に、特定打順を報知する入賞補助制御を実行しないように構成されており、内部抽選で当選エリア「打順チャンス役」に当選した際に、5/6の確率で、9枚の払い出しがなされるベルA~ベルCのいずれかが入賞し、1/24の確率で、10枚の払い出しがなされるチャンス役A~チャンス役Lのいずれかが入賞する。
【0150】
このような構成であるため、スロットマシン1は、AT状態において内部抽選で当選エリア「打順チャンス役」に当選した際に、特定打順を報知する入賞補助制御を実行しないことで、特定打順とは異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、個数優先制御によりベルA~ベルCの入賞させることができ、AT状態におけるメダルの獲得性能を向上させることができる。
【0151】
また、スロットマシン1は、AT状態において内部抽選で当選エリア「打順チャンス役」に当選した際に、特定打順を報知する入賞補助制御を実行しないことで、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず入賞可能なベルA~ベルCを5/6の確率と、特定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に1/4の確率で入賞するチャンス役A~チャンス役Lよりも高確率で入賞させることができ、遊技者の技量によらず遊技者にメダルを付与することができ、遊技機の技術介入性を低下させて商品性を向上させることができる。
【0152】
以上のように、第1の実施形態の遊技機(1)は、
複数のリール(R1,R2,R3)と、
役の内部抽選を行う内部抽選手段(120)と、
前記リールの回転態様及び停止態様を制御するリール制御手段(130)と、
前記複数のリールが停止した場合における有効ライン(L1)上の図柄組合せに基づいて、役の入賞判定を行う入賞判定手段(140)と、
小役の入賞に伴い、入賞した小役の配当に応じた遊技価値を払い出す払出制御手段(150)と、を備え、
前記内部抽選手段は、第1配当が設定された第1小役と、前記第1配当よりも少ない第2配当が設定された第2小役と、を含む特定当選態様を抽選の対象に含む前記内部抽選を実行し、
前記リール制御手段は、
回転している前記複数のリールを停止可能である場合、ストップスイッチが停止操作を検出してから停止可能な範囲内に配列された図柄が有効ラインを通過するまでの間に停止操作に対応するリールを停止させ、
前記内部抽選で前記特定当選態様に当選し、かつ前記ストップスイッチが検出した停止操作が特定の順序の停止操作である場合に、前記第2小役に優先して前記第1小役の入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に停止可能にする停止制御を実行し、
前記内部抽選で前記特定当選態様に当選し、前記ストップスイッチが検出した停止操作が前記特定の順序であり、かつ少なくとも1つのリールを停止させる停止操作が特定のタイミングの停止操作であった場合に、前記第1小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され、
前記内部抽選で前記特定当選態様に当選し、前記ストップスイッチが検出した停止操作が前記特定の順序であり、かつ少なくとも1つのリールを停止させる停止操作が前記特定のタイミングとは異なるタイミングの停止操作であった場合に、前記第1小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されない。
【0153】
この構成により、第1の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順チャンス役」の当選時に特定打順で遊技が実行された場合に、チャンス役A~チャンス役Lを入賞可能な押下タイミングで第3停止操作が実行されないとチャンス役A~チャンス役Lが入賞しないため、当選エリア「打順チャンス役」の当選時に最も配当が多いチャンス役A~チャンス役Lを入賞可能にする特定打順で遊技が実行される場合のメダルの獲得率の期待値の下限を引き下げることができ、スロットマシン1の設計自由度を維持しつつ遊技者の関心を惹きつけることができる。
【0154】
また、第1の実施形態の遊技機(1)は、
遊技者にとって有利な特典の付与に係る制御を行う特典付与手段(200B)を備え、
前記特典付与手段は、前記内部抽選で前記特定当選態様に当選し、前記第1小役が入賞した場合に、前記特典を付与可能である。
【0155】
この構成により、第1の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順チャンス役」の当選時に特定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下操作し、かつチャンス役A~チャンス役Lのいずれかを入賞させることで、遊技者にとって有利な特典の付与に係る制御として状態移行制御が実行されることから、特定打順に従った遊技を行った際に遊技者にとって有利な特典を付与可能にし、特定打順に従った遊技に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0156】
また、第1の実施形態の遊技機(1)は、
複数のリール(R1,R2,R3)と、
役の内部抽選を行う内部抽選手段(120)と、
前記リールの回転態様及び停止態様を制御するリール制御手段(130)と、
前記複数のリールが停止した場合における有効ライン(L1)上の図柄組合せに基づいて、役の入賞判定を行う入賞判定手段(140)と、
小役の入賞に伴い、入賞した小役の配当に応じた遊技価値を払い出す払出制御手段(150)と、
特定役の入賞補助を行う入賞補助手段(180,200B)と、
遊技者にとって有利な特典の付与に係る制御を行う特典付与手段(200B)と、を備え、
前記内部抽選手段は、前記特定役を含む特定当選態様を抽選の対象に含む前記内部抽選を実行し、
前記内部抽選で前記特定当選態様に当選した場合において、前記入賞補助に従って遊技が進行された場合における所定遊技回数の遊技で投入した遊技価値の総投入数に対する総払出数の比率が、前記入賞補助に従わずに遊技が進行された場合における所定遊技回数の遊技で投入した遊技価値の総投入数に対する総払出数の比率よりも低く、
前記特典付与手段は、前記内部抽選で前記特定当選態様に当選し、前記特定役が入賞した場合に、前記特定役が入賞しなかった場合に付与可能な特典よりも遊技者にとって有利な特典を付与可能である。
【0157】
この構成により、第1の実施形態のスロットマシン1は、非AT状態及びCZ状態における当選エリア「打順チャンス役」の当選時において指示機能制御手段200Bによって実行される入賞補助制御に従った遊技を実行した場合に、入賞補助制御に従わない遊技を実行する場合よりも所定遊技回数の遊技で投入したメダルの総投入数に対する総払出数の比率が低下するものの、チャンス役A~チャンス役Lを入賞させることで遊技者にとって有利なAT状態に移行する確率が高まることで、メダルの獲得期待値が非AT状態やCZ状態よりも高いAT状態で遊技を実行できるようになる確率が高まるため、遊技者に入賞補助制御に従った遊技を実行させる動機付けをすることができ、非AT状態及びCZ状態において入賞補助制御に従った遊技が実行される場合のメダルの獲得率の期待値の下限を引き下げた上でAT状態におけるメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を維持しつつAT遊技に対する遊技者の関心を惹きつけることができる。
【0158】
また、第1の実施形態の遊技機(1)は、
複数のリール(R1,R2,R3)と、
役の内部抽選を行う内部抽選手段(120)と、
前記リールの回転態様及び停止態様を制御するリール制御手段(130)と、
前記複数のリールが停止した場合における有効ライン(L1)上の図柄組合せに基づいて、役の入賞判定を行う入賞判定手段(140)と、
小役の入賞に伴い、入賞した小役の配当に応じた遊技価値を払い出す払出制御手段(150)と、を備え、
前記内部抽選手段は、第1配当が設定された第1小役と、前記第1配当よりも少ない第2配当が設定された第2小役と、を含む特定当選態様を抽選の対象に含む前記内部抽選を実行し、
前記リール制御手段は、
回転している前記複数のリールを停止可能である場合、ストップスイッチが停止操作を検出してから停止可能な範囲内に配列された図柄が有効ラインを通過するまでの間に停止操作に対応するリールを停止させ、
前記内部抽選で前記特定当選態様に当選し、かつ前記ストップスイッチが検出した停止操作が特定の順序の停止操作である場合に、前記第2小役に優先して前記第1小役の入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に停止可能にする停止制御を実行し、
前記内部抽選で前記特定当選態様に当選し、前記ストップスイッチが検出した停止操作が前記特定の順序であり、かつ少なくとも1つのリールを停止させる停止操作が特定のタイミングの停止操作であった場合に、前記第1小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示され、
前記内部抽選で前記特定当選態様に当選し、前記ストップスイッチが検出した停止操作が前記特定の順序であり、かつ少なくとも1つのリールを停止させる停止操作が前記特定のタイミングとは異なるタイミングの停止操作であった場合に、前記第1小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されず、
前記第2小役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄と、前記第3小役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄と、には、共通するリールに共通図柄が含まれ、
前記リール制御手段は、前記内部抽選で前記特定当選態様に当選した場合において、
前記ストップスイッチが検出した停止操作が前記特定の順序である場合、有効ライン上に停止表示することで遊技価値の払出数が最も多い小役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄を停止表示する枚数優先制御を実行して前記第1小役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄を停止表示可能であり、
前記ストップスイッチが検出した停止操作が前記特定の順序とは異なる順序である場合、有効ライン上に停止表示することで有効ライン上に表示可能となる入賞形態を示す図柄組合せが最も多くなる図柄を停止表示する個数優先制御を実行して前記共通図柄を有効ライン上に停止表示可能である。
【0159】
この構成により、第1の実施形態のスロットマシン1は、内部抽選で当選エリア「打順チャンス役」に当選した際に、特定打順とは異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、個数優先制御によりベルA~ベルCの入賞させることができ、特定打順とは異なる打順で遊技が実行される場合におけるメダルの獲得性能を向上させることができる。
【0160】
[第2の実施形態]
次に、第1の実施形態を一部変更した第2の実施形態のスロットマシン1について説明する。第2の実施形態のスロットマシン1は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBにおいて打順によって入賞するリプレイが異なる当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」に当選可能であるとともに、指示機能制御手段200Bが実行する状態移行制御に係る処理の契機が、打順によって入賞可能になるリプレイの入賞時となっており、この点について、第1の実施形態とは異なっている。また、第2の実施形態のスロットマシン1は、小役を含む当選エリアの構成と、入賞補助に係る構成と、についても、第1の実施形態とは異なっている。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態と共通する構成要素には同符号を付して説明を省略する。
【0161】
1.第2の実施形態における遊技機が備える構成
<内部抽選手段>
図16は、第2の実施形態のスロットマシン1における各遊技状態で選択される内部抽選テーブルである内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルCを示す図である。内部抽選テーブルAは、遊技状態が非RT状態である場合に選択される。内部抽選テーブルAでは、小役に当選する当選エリアと、リプレイに当選する当選エリアと、ボーナスに当選する当選エリアと、小役とボーナスとが重複して当選する当選エリアと、に乱数が対応付けられており、小役、リプレイ又はボーナスのいずれかに当選するように構成されている。また、内部抽選テーブルAでは、リプレイの当選確率、つまり通常リプレイの当選確率が、約1/7.3に設定されている。
【0162】
内部抽選テーブルBは、非RT状態においてRBBが成立状態に設定されたことによって移行される遊技状態であるボーナス成立状態である場合に選択される。内部抽選テーブルBは、内部抽選テーブルAにおいて小役に対応付けられていた乱数と、小役とボーナスとが重複して当選エリアに対応付けられていた乱数と、が小役に対応付けられており、内部抽選テーブルAにおいてリプレイに対応付けられていた乱数と、ボーナスに対応付けられていた乱数と、がリプレイに対応付けられており、小役又はリプレイのいずれかに当選するように構成されている。
【0163】
内部抽選テーブルCは、RBBが作動した場合に移行される遊技状態であるRBB作動状態において選択される。内部抽選テーブルCは、小役の当選確率について、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBのいずれの内部抽選テーブルにおいて設定されている小役の当選確率よりも高くなるように設定されている。
【0164】
第2の実施形態のスロットマシン1では、内部抽選で当選した場合に入賞可能な小役(以下、「入賞役」と記載)として、ベルA、ベルB、特別役A~特別役X、13枚役、1枚役I~1枚役M及びレア役が用意されており、複数種類の入賞役が重複して当選する小役の当選エリア(当選態様)として、当選エリア「打順ベル1」~「打順ベル12」と、当選エリア「打順特別役1A」~当選エリア「打順特別役6A」、当選エリア「打順特別役1B」~当選エリア「打順特別役6B」、当選エリア「打順特別役1C」~当選エリア「打順特別役6C」、当選エリア「打順特別役1D」~当選エリア「打順特別役6D」(以下、当選エリア「打順特別役1A」~当選エリア「打順特別役6D」のすべてをまとめて「当選エリア「打順特別役」」とも記載する)、当選エリア「全1枚役」と、が設定されている。ここで、「打順」とは、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対して押下操作を実行する順番を意味する。また、以下の記載において、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されるタイミングを「押下タイミング」とも記載する。
【0165】
当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」は、ベルAと、1枚役I~1枚役Mのうち少なくとも1つと、に重複当選する当選エリアであり、それぞれ重複当選する入賞役が異なる構成となっている。当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」には、それぞれベルAを入賞可能にする打順(正解打順)が設定されている。当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」の当選時において、スロットマシン1では、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、ベルAが入賞し、正解打順とは異なる打順(不正解打順)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、かつ押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Gのいずれかを入賞可能なタイミングである場合に、当選している1枚役I~1枚役Mのいずれかが入賞し、不正解打順でかつ押下タイミングが当選している1枚役I~1枚役Mのいずれかを入賞できないタイミングである場合に、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。
【0166】
当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」は、ベルBと、1枚役I~1枚役Mのうち少なくとも1つと、に重複当選する当選エリアであり、それぞれ重複当選する入賞役が異なる構成となっている。当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」には、それぞれベルBを入賞可能にする打順(正解打順)が設定されている。当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」の当選時において、スロットマシン1では、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、ベルBが入賞し、正解打順とは異なる打順(不正解打順)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、かつ押下タイミングが当選している1枚役I~1枚役Mのいずれかを入賞可能なタイミングである場合に、当選している1枚役I~1枚役Mのいずれかが入賞し、不正解打順でかつ押下タイミングが当選している1枚役I~1枚役Mのいずれかを入賞できないタイミングである場合に、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。
【0167】
図17図20を用いて、当選エリア「打順特別役」の詳細について説明する。当選エリア「打順特別役1A」~当選エリア「打順特別役6A」は、それぞれ図17に示す打順に対応する入賞役が入賞可能となり、当選エリア「打順特別役1B」~当選エリア「打順特別役6B」は、それぞれ図18に示す打順に対応する入賞役が入賞可能となり、当選エリア「打順特別役1C」~当選エリア「打順特別役6C」は、それぞれ図19に示す打順に対応する入賞役が入賞可能となり、当選エリア「打順特別役1D」~当選エリア「打順特別役6D」は、それぞれ図20に示す打順に対応する入賞役が入賞可能となる。当選エリア「打順特別役」は、それぞれ重複当選する小役の組合せが異なるように構成されている。なお、以下の記載において、当選エリア「打順特別役」の当選時に特別役A~特別役Xを入賞可能な打順を特定特別打順とも記載する。
【0168】
当選エリア「打順特別役」の当選時において、スロットマシン1では、ストップボタンB1~ストップボタンB3が特定特別打順で押下操作された場合、リール制御手段130によるリール停止制御として枚数優先制御が実行され、当選している特別役A~特別役Xのいずれかを1/8の確率で入賞可能にするリール停止制御が実行され、ストップボタンB1~ストップボタンB3が特定特別打順以外の打順で押下操作された場合に、リール制御手段130によるリール停止制御として個数優先制御が実行され、当選しているベルA、ベルBのいずれかを入賞可能にするリール停止制御が実行される。リール停止制御の詳細については、後述する。
【0169】
当選エリア「全1枚役」は、1枚役H~1枚役Mに重複して当選するエリアであり、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順及び押下タイミングによらず1枚役Hを入賞可能に構成されている。当選エリア「レア役」は、レア役に当選し、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合にレア役を入賞可能に構成されており、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押下タイミングがレア役を入賞させることができないタイミングであった場合には、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。なお、第2の実施形態の内部抽選手段120は、小役を含む各当選態様の当選確率について、当選エリア「レア役」に当選する確率が、他の小役を含む当選態様のいずれかに当選する確率よりも低い確率となる、いわゆるレア役として構成されている。
【0170】
次に、リプレイを含む当選エリアについて説明する。図16図21に示すように、第2の実施形態のスロットマシン1では、リプレイのみを含む当選エリアとして、当選エリア「通常リプレイ」と、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」(以下、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」をまとめて当選エリア「打順リプレイ」とも記載)と、が設定されている。
【0171】
当選エリア「通常リプレイ」は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、通常リプレイに当選し、打順及び押下タイミングによらずリプレイAを入賞可能に構成されている。
【0172】
当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、それぞれ図21に示す打順に対応するリプレイが入賞するように構成されている。このため、スロットマシン1では、当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」に当選した遊技において、リプレイA~リプレイEのいずれが入賞した場合であっても、リプレイの入賞に基づきリプレイ処理手段160によるリプレイ処理が実行される、つまり、リプレイA~リプレイEについて、当選した遊技におけるメダルの払い出しに関する遊技結果が同一に設定されている。
【0173】
なお、リール制御手段130は、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「打順リプレイ1」~当選エリア「打順リプレイ6」に当選した場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3がいずれの打順及び押下タイミングで押下操作された場合にも、リプレイBの入賞図柄組合せが表示されないリール停止制御を実行するように構成されている。また、以下の記載において、当選エリア「打順リプレイ」の当選時に、当選しているリプレイC~リプレイEを入賞可能にする打順を、特定リプレイ打順とも記載する。
【0174】
<小役、リプレイの入賞図柄組合せ>
図22図24は、第2の実施形態のスロットマシン1が有する小役、リプレイの入賞図柄組合せを示す図である。なお、第1リールR1~第3リールR3の周面に配列されている図柄は、第1の実施形態のスロットマシン1と同様に、図8に示す図柄が配列されている。
【0175】
図22に示すように、特別役Aの入賞図柄組合せは「BL-赤7(CH)-赤7」であり、特別役Bの入賞図柄組合せは「BL-赤7(CH)-STA」であり、特別役Cの入賞図柄組合せは「BL-赤7(CH)-CH」であり、特別役Dの入賞図柄組合せは「BL-赤7(CH)-BKB」である。
【0176】
つまり、特別役A~特別役Dの入賞図柄組合せを構成する図柄は、第1リールR1に配列された図柄について、ストップボタンB1の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示され、第2リールR2に配列された図柄と第3リールR3に配列された図柄とについて、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押下タイミングが特別役A~特別役Dのそれぞれに設定された特定のタイミングである場合に、有効ラインL1上に停止表示されるように構成されている。
【0177】
特別役Eの入賞図柄組合せは「BL-STA(BKB)-赤7」であり、特別役Fの入賞図柄組合せは「BL-STA(BKB)-STA」であり、特別役Gの入賞図柄組合せは「BL-STA(BKB)-CH」であり、特別役Hの入賞図柄組合せは「BL-STA(BKB)-BKB」である。
【0178】
つまり、特別役E~特別役Hの入賞図柄組合せを構成する図柄は、第1リールR1に配列された図柄について、ストップボタンB1の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示され、第2リールR2に配列された図柄と第3リールR3に配列された図柄とについて、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押下タイミングが特別役A~特別役Dのそれぞれに設定された特定のタイミングである場合に、有効ラインL1上に停止表示されるように構成されている。
【0179】
特別役Iの入賞図柄組合せは「赤7-BL-赤7(CH)」であり、特別役Jの入賞図柄組合せは「STA-BL-赤7(CH)」であり、特別役Kの入賞図柄組合せは「CH-BL-赤7(CH)」であり、特別役Lの入賞図柄組合せは「BKB-BL-赤7(CH)」である。
【0180】
つまり、特別役I~特別役Lの入賞図柄組合せを構成する図柄は、第2リールR2に配列された図柄について、ストップボタンB2の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示され、第1リールR1に配列された図柄と第3リールR3に配列された図柄とについて、ストップボタンB1、ストップボタンB3の押下タイミングが特別役I~特別役Lのそれぞれに設定された特定のタイミングである場合に、有効ラインL1上に停止表示されるように構成されている。
【0181】
図23に示すように、特別役Mの入賞図柄組合せは「赤7-BL-STA(BKB)」であり、特別役Nの入賞図柄組合せは「STA-BL-STA(BKB)」であり、特別役Oの入賞図柄組合せは「CH-BL-STA(BKB)」であり、特別役Pの入賞図柄組合せは「BKB-BL-STA(BKB)」である。
【0182】
つまり、特別役M~特別役Pの入賞図柄組合せを構成する図柄は、第2リールR2に配列された図柄について、ストップボタンB2の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示され、第1リールR1に配列された図柄と第3リールR3に配列された図柄とについて、ストップボタンB1、ストップボタンB3の押下タイミングが特別役M~特別役Pのそれぞれに設定された特定のタイミングである場合に、有効ラインL1上に停止表示されるように構成されている。
【0183】
特別役Qの入賞図柄組合せは「赤7(CH)-赤7-BKA」であり、特別役Rの入賞図柄組合せは「赤7(CH)-STA-BKA」であり、特別役Sの入賞図柄組合せは「赤7(CH)-CH-BKA」であり、特別役Tの入賞図柄組合せは「赤7(CH)-BKB-BKA」である。
【0184】
つまり、特別役Q~特別役Tの入賞図柄組合せを構成する図柄は、第3リールR3に配列された図柄について、ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示され、第1リールR1に配列された図柄と第2リールR2に配列された図柄にとついて、ストップボタンB1、ストップボタンB2の押下タイミングが特別役Q~特別役Tのそれぞれに設定された特定のタイミングである場合に、有効ラインL1上に停止表示されるように構成されている。
【0185】
特別役Uの入賞図柄組合せは「STA(BKB)-赤7-BKA」であり、特別役Vの入賞図柄組合せは「STA(BKB)-STA-BKA」であり、特別役Wの入賞図柄組合せは「STA(BKB)-CH-BKA」であり、特別役Xの入賞図柄組合せは「STA(BKB)-BKB-BKA」である。
【0186】
つまり、特別役U~特別役Xの入賞図柄組合せを構成する図柄は、第3リールR3に配列された図柄について、ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示され、第1リールR1に配列された図柄と第2リールR2に配列された図柄にとついて、ストップボタンB1、ストップボタンB2の押下タイミングが特別役U~特別役Xのそれぞれに設定された特定のタイミングである場合に、有効ラインL1上に停止表示されるように構成されている。
【0187】
13枚役の入賞図柄組合せは「RP-WM-BL」である。このため、13枚役は、入賞可能な打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に入賞図柄組合せが表示されるように構成されている。
【0188】
ベルAの入賞図柄組合せは「RP-WM-BKA」である。ベルBの入賞図柄組合せは「RP-BL-RP」である。このため、ベルA、ベルBは、それぞれ入賞可能な打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に入賞図柄組合せが表示されるように構成されている。
【0189】
1枚役Hの入賞図柄組合せは「RP-BL-BL」であり、1枚役Iの入賞図柄組合せは「赤7(CH)-WM-STA(BKB)」であり、1枚役Jの入賞図柄組合せは「STA(BKB)-WM-STA(BKB)」であり、1枚役Kの入賞図柄組合せは「赤7(CH)-STA(BKB)-BL」であり、1枚役Lの入賞図柄組合せは「STA(BKB)-赤7(CH)-BL」であり、1枚役Mの入賞図柄組合せは「STA(BKB)-STA(BKB)-BL」である。
【0190】
レア役の入賞図柄組合せは「RP-STA(BKB)-赤7(CH)」である。このため、レア役は、停止番号13番のブランクA図柄「BKA」~停止番号19番のリプレイ図柄「RP」、停止番号0番のベル図柄「BL」~停止番号2番の星A図柄「STA」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB2が押下操作された場合に、第2リールR2に配列された星A図柄「STA」又はブランクB図柄「BKB」を有効ラインL1上に停止表示可能となり、かつ、停止番号4番のスイカ図柄「WM」~停止番号13番の赤7図柄「赤7」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングでストップボタンB3が押下操作された場合に、第3リールR3に配列された赤7図柄「赤7」又はチェリー図柄「CH」を有効ラインL1上に停止表示可能となる。
【0191】
リプレイAの入賞図柄組合せは「RP-RP-RP」であり、リプレイBの入賞図柄組合せは「BL-WM-BL」であり、リプレイCの入賞図柄組合せは「BL-WM-WM」であり、リプレイDの入賞図柄組合せは「BL-BL-RP」であり、リプレイEの入賞図柄組合せは「WM-WM-BKA」である。
【0192】
<小役の配当>
図22図24に示すように、第2の実施形態において、特別役A~特別役Xの配当は、規定投入数(3枚)よりも多い枚数の払出数(例えば14枚)に設定されている。また、13枚役の配当は、規定投入数よりも多く、かつ特別役A~特別役Xよりも少ない枚数の払出数(例えば13枚)に設定されている。また、ベルA、ベルBの配当は、規定投入数よりも多く、かつ特別役A~特別役Xよりも少ない枚数の払出数(例えば9枚)に設定されている。また、1枚役H~1枚役M及びレア役の配当は、規定投入数よりも少ない枚数の払出数(例えば1枚)に設定されている。
【0193】
<演出制御手段>
第2の実施形態において、演出制御手段180は、指示機能状態が非AT状態又はCZ状態であり、かつ内部抽選で当選エリア「打順特別役」に当選した場合に、当選している特別役A~特別役Xを入賞可能にする特定特別打順を報知する入賞補助演出を実行する。また、演出制御手段180は、指示機能状態が非AT状態又はCZ状態であり、かつ内部抽選で当選エリア「打順リプレイ」に当選した場合に、当選しているリプレイC~リプレイEを入賞可能にする特定リプレイ打順を報知する入賞補助演出を実行する。そして、演出制御手段180は、特定特別打順を報知する入賞補助演出と、特定リプレイ打順を報知する入賞補助演出と、において、共通の報知態様に設定された入賞補助演出を実行する。
【0194】
図25は、演出制御手段180が表示装置330に打順1の入賞補助演出を表示している状態を示す図である。図25(A)に示すように、演出制御手段180は、指示機能状態が非AT状態又はCZ状態であり、かつ内部抽選で当選エリア「打順特別役」又は当選エリア「打順リプレイ」に当選した場合に、表示装置330に、特定特別打順又は特定リプレイ打順のうち第1停止操作を実行するストップボタンを報知する第1入賞補助演出指標330aと、特定特別打順又は特定リプレイ打順のうち第2停止操作を実行するストップボタンを報知する第2入賞補助演出指標330bと、特定特別打順又は特定リプレイ打順のうち第3停止操作を実行するストップボタンを報知する第3入賞補助演出指標330cと、を表示する。
【0195】
なお、演出制御手段180は、特定特別打順及び特定リプレイ打順について、各当選エリアに2つの打順が設定されている(例えば、当選エリア「打順特別役1A」において特別役Aを入賞可能にする特定特別打順は、図17に示すように打順1、打順2)ことから、2つの打順のうちいずれの打順を報知するかを決定する抽選である報知打順抽選を実行し、報知打順抽選の結果に基づき2つの打順のうちのいずれかの打順を報知する。
【0196】
図25(B)は、図25(A)に示した状態から第1停止操作が実行された場合を示す図である。図25(B)に示すように、スロットマシン1では、特定特別打順が打順1、打順2に設定された当選エリア「打順特別役1A」、当選エリア「打順特別役1B」、当選エリア「打順特別役1C」、当選エリア「打順特別役1D」、当選エリア「打順特別役2A」、当選エリア「打順特別役2B」、当選エリア「打順特別役2C」、当選エリア「打順特別役2D」(図17図20参照)に当選した場合において、第1停止操作がストップボタンB1に実行された場合、リール制御手段130によるリール停止制御において枚数優先制御が実行されることで、特別役A~特別役Hの入賞図柄組合せを構成する図柄であるベル図柄「BL」(図22参照)が第1リールR1の中段に停止表示される。また、スロットマシン1では、特定リプレイ打順が打順1、打順2に設定された当選エリア「打順リプレイ1」、当選エリア「打順リプレイ2」(図21参照)に当選した場合において、第1停止操作がストップボタンB1に実行された場合、リール制御手段130によるリール停止制御においてテーブル停止制御が実行されることで、リプレイCの入賞図柄組合せを構成する図柄であるベル図柄「BL」(図24参照)が第1リールR1の中段に停止表示される。
【0197】
このように、第2の実施形態において、スロットマシン1では、指示機能状態が非AT状態又はCZ状態であり、かつ内部抽選で当選エリア「打順特別役1A」、当選エリア「打順特別役1B」、当選エリア「打順特別役1C」、当選エリア「打順特別役1D」、当選エリア「打順特別役2A」、当選エリア「打順特別役2B」、当選エリア「打順特別役2C」、当選エリア「打順特別役2D」、当選エリア「打順リプレイ1」、当選エリア「打順リプレイ2」に当選した場合、演出制御手段180による入賞補助演出に従った第1停止操作が実行された場合に、特別役A~特別役Hの入賞図柄組合せとリプレイCとに共通する図柄であるベル図柄「BL」が有効ラインL1上に停止表示されるため、入賞補助演出が表示されている場合における第1停止操作を実行した時点で当選しているのが小役である特別役A~特別役Hと、リプレイであるリプレイCと、のいずれであるのかが遊技者に判別されないように構成されている。
【0198】
なお、図25には、特定特別打順及び特別リプレイ打順として、打順1、打順2である場合を例示したが、また、特定特別打順及び特別リプレイ打順として打順3、打順4が設定された当選エリア「打順特別役3A」、当選エリア「打順特別役3B」、当選エリア「打順特別役3C」、当選エリア「打順特別役3D」、当選エリア「打順特別役4A」、当選エリア「打順特別役4B」、当選エリア「打順特別役4C」、当選エリア「打順特別役4D」、当選エリア「打順リプレイ3」、当選エリア「打順リプレイ4」(図17図21参照)の当選時において入賞補助演出に従った第1停止操作(ストップボタンB2の押下操作)が実行された場合、図22図24に示すように、特別役I、特別役K、特別役M、特別役Oの入賞図柄組合せとリプレイDの入賞図柄組合せとに共通する図柄であるベル図柄「BL」が第2リールR2の中段に停止表示される。
【0199】
また、特定特別打順及び特別リプレイ打順として打順5、打順6が設定された当選エリア「打順特別役5A」、当選エリア「打順特別役5B」、当選エリア「打順特別役5C」、当選エリア「打順特別役5D」、当選エリア「打順特別役6A」、当選エリア「打順特別役6B」、当選エリア「打順特別役6C」、当選エリア「打順特別役6D」、当選エリア「打順リプレイ5」、当選エリア「打順リプレイ6」(図17図21参照)の当選時において入賞補助演出に従った第1停止操作(ストップボタンB3の押下操作)が実行された場合、図22図24に示すように、特別役Q、特別役S、特別役U、特別役Wの入賞図柄組合せとリプレイEの入賞図柄組合せとに共通する図柄であるブランクA図柄「BKA」が第3リールR3の中段に停止表示される。
【0200】
つまり、第2の実施形態において、スロットマシン1では、指示機能状態が非AT状態又はCZ状態であり、かつ内部抽選で当選エリア「打順特別役」、当選エリア「打順リプレイ」に当選した場合、演出制御手段180による入賞補助演出に従った第1停止操作が実行された場合に、特別役A~特別役Xの入賞図柄組合せとリプレイC~リプレイEとに共通する図柄が有効ラインL1上に停止表示されるため、入賞補助演出が表示されている場合における第1停止操作を実行した時点で当選しているのが小役である特別役A~特別役Xと、リプレイであるリプレイC~リプレイEと、のいずれであるのかが遊技者に判別されないように構成されている。
【0201】
なお、演出制御手段180は、指示機能状態がAT状態である場合、内部抽選で当選エリア「打順特別役」に当選した際に、特定特別打順を報知する入賞補助演出を実行しないように構成されている。
【0202】
<指示機能制御手段>
第2の実施形態において、指示機能制御手段200Bは、指示機能状態が非AT状態又はCZ状態であり、かつ内部抽選で当選エリア「打順特別役」に当選した場合に、当選している特別役A~特別役Xを入賞可能にする特定特別打順を報知する入賞補助制御を実行する。また、指示機能制御手段200Bは、指示機能状態が非AT状態又はCZ状態であり、かつ内部抽選で当選エリア「打順リプレイ」に当選した場合に、当選しているリプレイC~リプレイEを入賞可能にする特定リプレイ打順を報知する入賞補助制御を実行する。そして、指示機能制御手段200Bは、特定特別打順を報知する入賞補助制御と、特定リプレイ打順を報知する入賞補助制御と、において、共通の報知態様(共通した7セグの点灯態様)に設定された入賞補助制御を主制御表示装置500に実行する。
【0203】
非AT状態において、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順リプレイ」に当選し、かつ当選したリプレイC~リプレイEのいずれかが入賞した場合に、指示機能状態をCZ状態に移行するか否かを決定するCZ抽選を実行する。なお、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順リプレイ」に当選し、かつ当選したリプレイC~リプレイEが入賞しなかった場合、具体的には特定リプレイ打順とは異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されることでリプレイAが入賞した場合において、CZ抽選を実行しないように構成されている。また、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順特別役」に当選した場合、いずれの役が入賞した場合及びいずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)である場合においても、CZ抽選を実行しないように構成されている。
【0204】
CZ状態において、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順リプレイ」に当選し、かつ当選したリプレイC~リプレイEのいずれかが入賞した場合に、他の当選エリアに当選した場合に実行するAT抽選よりも「AT状態への移行」に当選する確率が高い特別AT抽選を実行する。なお、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順リプレイ」に当選し、かつ当選したリプレイC~リプレイEが入賞しなかった場合、具体的には特定リプレイ打順とは異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されることでリプレイAが入賞した場合において、特別AT抽選を実行せずAT抽選を実行するように構成されている。また、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順特別役」に当選した場合、いずれの役が入賞した場合及びいずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)である場合においても、特別AT抽選を実行せずAT抽選を実行するように構成されている。
【0205】
AT状態において、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順特別役」に当選した場合に、特定特別打順を報知する入賞補助制御を実行しないように構成されている。
【0206】
2.当選エリア「打順特別役」当選時の詳細
次に、第2の実施形態のスロットマシン1において、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「打順特別役」に当選した場合におけるリール制御手段130によるリール停止制御の詳細と、特別役A~特別役Xの入賞時における指示機能制御手段200Bが実行する指示機能に係る制御の詳細と、について説明する。
【0207】
<特別役A~特別役Hの入賞確率の詳細>
図26は、入賞図柄組合せのうち第1リールR1に配列された図柄がベル図柄「BL」であり、かつ第1停止操作がストップボタンB1に実行された場合に入賞可能になる役を示す図である。図26に示すように、第2の実施形態のスロットマシン1において、入賞図柄組合せを構成する図柄のうち第1リールR1の図柄がベル図柄「BL」であり、かつ第1停止操作がストップボタンB1に実行された場合に入賞可能になる役は、特別役A~特別役Hと、リプレイCと、である。
【0208】
特別役A~特別役Dの入賞図柄組合せは、第2リールR2の図柄が赤7図柄「赤7」又はチェリー図柄「CH」であり、第3リールR3の図柄がそれぞれ異なる図柄となっている。特別役E~特別役Hの入賞図柄組合せは、第2リールR2の図柄が星A図柄「STA」又はブランクB図柄「BKB」であり、第3リールR3の図柄がそれぞれ異なる図柄となっている。そして、リプレイCの入賞図柄組合せは、第2リールR2及び第3リールR3の図柄が、特別役A~特別役Hの入賞図柄組合せを構成する図柄とは異なる図柄となっている。
【0209】
図8図26に示すように、ストップボタンB2を押下操作する場合において、特別役A~特別役Dを入賞可能にする押下タイミングは、第2リールR2の停止番号1番のスイカ図柄「WM」、停止番号0番のベル図柄「ベル」、停止番号19番のリプレイ図柄「RP」~停止番号12番の赤7図柄「赤7」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングであり、第2リールR2の周面に配列された20コマの図柄のうち10コマの図柄が表示されているタイミングである。また、ストップボタンB2を押下操作する場合において、特別役E~特別役Hを入賞可能にする押下タイミングは、第2リールR2の停止番号11番のスイカ図柄「WM」~停止番号2番の星A図柄「STA」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングであり、第2リールR2の周面に配列された20コマの図柄のうち10コマの図柄が表示されているタイミングである。そして、ストップボタンB2を押下操作する場合において、リプレイCについては、いずれの押下タイミングであってもスイカ図柄「WM」を有効ラインL1上に停止表示可能に構成されている。
【0210】
このように、特別役A~特別役Dの入賞図柄組合せのうち第2リールR2に配列された図柄と、特別役E~特別役Hの入賞図柄組合せのうち第2リールR2に配列された図柄と、は、入賞可能になるストップボタンB2の押下タイミングが重複しない位置に配列されているとともに、入賞可能となる押下タイミングがそれぞれ20コマ中10コマの図柄が配列されている範囲内となるように設定されている。
【0211】
ストップボタンB3を押下操作する場合において、特別役A、特別役Eを入賞可能にする押下タイミングは、第3リールR3の停止番号17番のブランクA図柄「BKA」~停止番号13番の赤7図柄「赤7」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングであり、第3リールR3の周面に配列された20コマの図柄のうち5コマの図柄が表示されているタイミングである。ストップボタンB3を押下操作する場合において、特別役B、特別役Fを入賞可能にする押下タイミングは、第3リールR3の停止番号7番のブランクA図柄「BKA」~停止番号3番の星A図柄「STA」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングであり、第3リールR3の周面に配列された20コマの図柄のうち5コマの図柄が表示されているタイミングである。また、ストップボタンB3を押下操作する場合において、特別役C、特別役Gを入賞可能にする押下タイミングは、第3リールR3の停止番号12番のブランクA図柄「BKA」~停止番号8番のチェリー図柄「CH」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングであり、第3リールR3の周面に配列された20コマの図柄のうち5コマの図柄が表示されているタイミングである。そして、ストップボタンB3を押下操作する場合において、特別役D、特別役Hを入賞可能にする押下タイミングは、第3リールR3の停止番号2番のブランクA図柄「BKA」~停止番号0番のリプレイ図柄「RP」、停止番号19番のスイカ図柄「WM」、停止番号18番のブランクB図柄「BKB」が有効ラインL1上に回転表示されているタイミングであり、第3リールR3の周面に配列された20コマの図柄のうち5コマの図柄が表示されているタイミングである。
【0212】
このように、特別役A、特別役Eの入賞図柄組合せのうち第3リールR3に配列された図柄と、特別役B、特別役Fの入賞図柄組合せのうち第3リールR3に配列された図柄と、特別役C、特別役Gの入賞図柄組合せのうち第3リールR3に配列された図柄と、特別役D、特別役Hの入賞図柄組合せのうち第3リールR3に配列された図柄と、は、入賞可能になるストップボタンB3の押下タイミングが重複しない位置に配列されているとともに、入賞可能となる押下タイミングがそれぞれ20コマ中5コマの図柄が配列されている範囲内となるように設定されている。
【0213】
ここで、図17図20に示すように、特別役Aを含む当選エリア「打順特別役1A」と、特別役Bを含む当選エリア「打順特別役2A」と、特別役Cを含む当選エリア「打順特別役1B」と、特別役Dを含む当選エリア「打順特別役2B」と、特別役Eを含む当選エリア「打順特別役1C」と、特別役Fを含む当選エリア「打順特別役2C」と、特別役Gを含む当選エリア「打順特別役1D」と、特別役Hを含む当選エリア「打順特別役2D」と、は、それぞれ特定特別打順について、第1停止操作をストップボタンB1に実行する打順に設定されている。また、上述した通り、スロットマシン1は、第1停止操作をストップボタンB1に実行した際に、第1リールR1の中段にベル図柄「BL」が停止表示された場合に、特別役A~特別役H、リプレイCのいずれが当選しているかが判別されない状態となるように構成されている。
【0214】
そして、特別役A~特別役Dの入賞図柄組合せは、第2リールR2に配列された図柄について、停止可能なコマ数が20コマ中10コマに設定された共通の図柄に設定され、かつ第3リールR3に配列された図柄について、それぞれ停止可能なコマ数が20コマ中5コマに設定され、かつ停止可能なタイミングが互いに重複しないタイミングに設定されている。また、特別役E~特別役Hの入賞図柄組合せは、第2リールR2に配列された図柄について、停止可能なコマ数が20コマ中10コマに設定され、かつ特別役A~特別役Dの入賞図柄組合せを構成する第2リールR2の図柄とは停止可能なタイミングが互いに重複しないタイミングに設定された共通の図柄に設定され、かつ第3リールR3に配列された図柄について、それぞれ停止可能なコマ数が20コマ中5コマに設定され、かつ停止可能なタイミングが互いに重複しないタイミングに設定されている。
【0215】
このような構成により、特別役A~特別役Hは、その当選時でかつ特定特別打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作される場合において、入賞する確率が、第2リールR2に配列された20コマの図柄中10コマの図柄が有効ラインL1に表示されているタイミングで、かつ第3リールR3に配列された20コマの図柄中5コマの図柄が有効ラインL1上に表示されているタイミングとなるため、1/8の確率で入賞する。
【0216】
なお、図8図17図22に示すように、特別役I~特別役Pの入賞図柄組合せは、第2リールR2について、互いに共通の図柄から構成される。また、特別役I~特別役Lの入賞図柄組合せは、第3リールR3に配列された図柄について、停止可能なコマ数が20コマ中10コマに設定された共通の図柄に設定され、かつ第1リールR1に配列された図柄について、それぞれ停止可能なコマ数が20コマ中5コマに設定され、かつ停止可能なタイミングが互いに重複しないタイミングに設定されている。また、特別役M~特別役Pの入賞図柄組合せは、第3リールR3に配列された図柄について、停止可能なコマ数が20コマ中10コマに設定され、かつ特別役I~特別役Lの入賞図柄組合せを構成する第3リールR3の図柄とは停止可能なタイミングが互いに重複しないタイミングに設定された共通の図柄に設定され、かつ第1リールR1に配列された図柄について、それぞれ停止可能なコマ数が20コマ中5コマに設定され、かつ停止可能なタイミングが互いに重複しないタイミングに設定されている。
【0217】
また、特別役Q~特別役Xの入賞図柄組合せは、第3リールR3について、互いに共通の図柄から構成される。また、特別役Q~特別役Tの入賞図柄組合せは、第1リールR1に配列された図柄について、停止可能なコマ数が20コマ中10コマに設定された共通の図柄に設定され、かつ第2リールR2に配列された図柄について、それぞれ停止可能なコマ数が20コマ中5コマに設定され、かつ停止可能なタイミングが互いに重複しないタイミングに設定されている。また、特別役U~特別役Xの入賞図柄組合せは、第1リールR1に配列された図柄について、停止可能なコマ数が20コマ中10コマに設定され、かつ特別役Q~特別役Tの入賞図柄組合せを構成する第1リールR1の図柄とは停止可能なタイミングが互いに重複しないタイミングに設定された共通の図柄に設定され、かつ第2リールR2に配列された図柄について、それぞれ停止可能なコマ数が20コマ中5コマに設定され、かつ停止可能なタイミングが互いに重複しないタイミングに設定されている。
【0218】
このような構成であるため、特別役A~特別役Xは、それぞれ入賞確率が1/8となる。そのため、スロットマシン1では、当選エリア「打順特別役」の当選時において、特定特別打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合、1/8の確率で14枚のメダルが払い出され、7/8の確率で取りこぼし(非入賞)となることから、1回の遊技において獲得できるメダルの枚数と投入するメダルの枚数との差分の平均値である純増枚数が―1.25枚となる。
【0219】
なお、第2の実施形態のスロットマシン1は、非AT状態又はCZ状態において、当選エリア「打順特別役」の当選時に入賞補助演出及び入賞補助制御に従う遊技が所定遊技回数の遊技において実行された場合に、投入したメダルの総投入数に対する総払出数の比率が60%を下回らない比率となるように構成されている。
【0220】
<リプレイC~リプレイEの入賞時における指示機能制御手段による制御>
図27は、当選エリア「打順リプレイ」の当選時において、指示機能制御手段200Bが実行する指示機能に係る制御を示すフローチャートである。図27に示す指示機能に係る制御は、第3停止操作が実行され、入賞判定手段140によって入賞判定が実行された後に、入賞判定の結果に基づき実行される。
【0221】
まず、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順リプレイ」に当選していたか否かを判定する(S11)。この処理において、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順リプレイ」に当選していないと判定した場合には(NO)、処理を終了する。
【0222】
ステップS11の処理において、内部抽選で当選エリア「打順リプレイ」に当選していたと判定した場合には(YES)、指示機能制御手段200Bは、リプレイC~リプレイEのいずれかが入賞したか否かを判定する(S12)。この処理において、指示機能制御手段200Bは、入賞判定手段140が実行した入賞判定の結果、リプレイC~リプレイEのいずれかが入賞したか否かを判定し、リプレイC~リプレイEが入賞していないと判定した場合には(NO)、処理を終了する。
【0223】
ステップS12の処理において、リプレイC~リプレイEのいずれかが入賞したと判定した場合には(YES)、指示機能制御手段200Bは、CZ抽選や特別AT抽選等の状態移行抽選を含む状態移行制御を実行し(S13)、処理を終了する。状態移行制御において、指示機能制御手段200Bは、リプレイC~リプレイEの入賞に基づくCZ抽選や特別AT抽選等の状態移行抽選を実行し、抽選の結果指示機能状態の移行に係る制御を実行する必要があれば指示機能状態の移行に係る制御を実行する。
【0224】
3.第2の実施形態のまとめ
上述した通り、第2の実施形態の演出制御手段180及び指示機能制御手段200Bは、非AT状態及びCZ状態における当選エリア「打順特別役」の当選時において、特別役A~特別役Xを入賞可能にする入賞補助演出及び入賞補助制御として、特定特別打順を報知する入賞補助演出及び入賞補助制御を実行する。また、演出制御手段180及び指示機能制御手段200Bは、非AT状態及びCZ状態における当選エリア「打順リプレイ」の当選時において、リプレイC~リプレイEを入賞可能にする入賞補助演出及び入賞補助制御として、特定リプレイ打順を報知する入賞補助演出及び入賞補助制御を実行する。
【0225】
上述した通り、演出制御手段180及び指示機能制御手段200Bは、非AT状態及びCZ状態において、特定特別打順を報知する入賞補助演出及び入賞補助制御と、特定リプレイ打順を報知する入賞補助演出及び入賞補助制御と、で、共通の報知態様の入賞補助演出及び入賞補助制御を実行する。また、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順リプレイ」に当選し、かつリプレイC~リプレイEのいずれかが入賞した場合に、図27のステップS13に示す状態移行抽選を含む状態移行制御を実行するように構成されており、CZ抽選や特別AT抽選を実行し、抽選の結果に応じて非AT状態から非AT状態よりも遊技者にとって有利なCZ状態や、CZ状態からCZ状態よりも遊技者にとって有利なAT状態へ指示機能状態を移行可能に構成されている。ここで、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順リプレイ」に当選し、かつ当選したリプレイC~リプレイEが入賞しなかった場合、具体的には入賞補助演出及び入賞補助制御で報知された特定リプレイ打順とは異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、リプレイAが入賞した場合において、CZ抽選や特別AT抽選を実行しないように構成されている。
【0226】
このため、第2の実施形態のスロットマシン1においては、非AT状態及びCZ状態において、入賞補助演出及び入賞補助制御に従って遊技を実行し、リプレイC~リプレイEを入賞させることで、遊技者にとって有利な特典の付与に係る制御として状態移行制御が実行され、かつ入賞補助演出及び入賞補助制御に従わない遊技を実行した場合に、遊技者にとって有利な特典の付与に係る制御として状態移行制御が実行されないように構成されていることから、入賞補助演出及び入賞補助制御に従った遊技を行った際に遊技者にとって有利な特典を付与可能にし、入賞補助演出及び入賞補助制御に従った遊技に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0227】
また、第2の実施形態のスロットマシン1では、当選エリア「打順特別役」の当選時において、特定特別打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下操作した場合、特別役A~特別役Xよりも配当が少なく、かつ押下タイミングによらず入賞可能なベルA、ベルBに優先して特別役A~特別役Xを入賞可能になるとともに、第2停止操作及び第3停止操作を実行した際に1/8の確率で当選している特別役A~特別役Xが入賞するように構成されている。
【0228】
このような構成であるため、スロットマシン1は、当選エリア「打順特別役」の当選時に、特定リプレイ打順の入賞補助演出及び入賞補助制御と共通の報知態様である特定特別打順の入賞補助演出及び入賞補助制御が実行され、入賞補助演出及び入賞補助制御に従った遊技が実行された場合に、特別役A~特別役Xを入賞可能な押下タイミングで第2停止操作及び第3停止操作が実行されないと特別役A~特別役Xが入賞しないため、非AT状態及びCZ状態において入賞補助演出及び入賞補助制御に従った遊技が実行される場合のメダルの獲得率の期待値の下限を引き下げた上でAT状態におけるメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を維持しつつAT遊技に対する遊技者の関心を惹きつけることができる。
【0229】
また、第2の実施形態のスロットマシン1では、非AT状態及びCZ状態において当選エリア「打順特別役」に当選した場合に、入賞補助演出及び入賞補助制御に従い特定特別打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、特別役A~特別役Xが入賞した場合と、入賞補助演出及び入賞補助制御に従い特定特別打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、特別役A~特別役Xが入賞しなかった場合と、入賞補助演出及び入賞補助制御に従わず特定特別打順とは異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、13枚役が入賞した場合と、で、いずれの場合においても、状態移行制御を実行しないように構成されている。
【0230】
このような構成であるため、スロットマシン1は、当選エリア「打順特別役」の当選時において、規定投入数(3枚)で開始され、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず入賞して13枚の払い出しがなされることで純増枚数が10枚に設定された13枚役が入賞した場合と、規定投入数(3枚)で開始され、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングが1/8の適切なタイミングである場合に入賞して14枚の払い出しがなされるものの、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングが適切なタイミングとは異なる7/8のタイミングである場合に取りこぼし(非入賞)となることで13枚役よりも遊技者にとって不利な純増枚数である1.75枚となる特別役A~特別役Xが入賞した場合と、で指示機能に係る性能に差異を有しないため、当選エリア「打順特別役」の当選時において遊技者に不利となる遊技の進行を強いることがなく、公正な遊技の進行を実現することができる。
【0231】
そして、第2の実施形態のスロットマシン1は、指示機能状態がAT状態になった場合、内部抽選で当選エリア「打順特別役」に当選した際に、特定特別打順を報知する入賞補助制御を実行しないように構成されており、内部抽選で当選エリア「打順特別役」に当選した際に、5/6の確率で、13枚の払い出しがなされる13枚役が入賞し、1/48の確率で、14枚の払い出しがなされる特別役A~特別役Xのいずれかが入賞する。
【0232】
このような構成であるため、スロットマシン1は、AT状態において内部抽選で当選エリア「打順特別役」に当選した際に、特定特別打順を報知する入賞補助制御を実行しないことで、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず入賞可能な13枚役を5/6の確率と、特定特別打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に1/8の確率で入賞する特別役A~特別役Xよりも高確率で入賞させることができ、遊技者の技量によらず遊技者にメダルを付与することができ、遊技機の技術介入性を低下させて商品性を向上させることができる。
【0233】
この、当選エリア「打順特別役」の当選時に特別役A~特別役Xの入賞補助を行い、当選エリア「打順リプレイ」の当選時にリプレイC~リプレイEの入賞補助を行う演出制御手段180及び指示機能制御手段200Bが、第2の実施形態における入賞補助手段を構成する。また、第1小役としての特別役A~特別役Xと、第2小役としての13枚役を含む当選エリア「打順特別役」が、第2の実施形態における第1特定当選態様を構成する。また、当選エリア「打順特別役1A」~当選エリア「打順特別役6D」の当選時において特別役A~特別役Xを入賞可能にする特定特別打順が、第2の実施形態における特定の順序の停止操作を構成し、特別役A~特別役Xを入賞可能にするストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングが、第2の実施形態における特定のタイミングを構成する。
【0234】
また、当選した遊技において入賞した際にリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が実行されることで、それぞれ当選した遊技におけるメダルの払い出しに関する遊技結果が同一に設定された第1役としてのリプレイC~リプレイEと第2役としてのリプレイAとを含む当選エリア「打順リプレイ」が、第2の実施形態における第2特定当選態様を構成する。そして、当選エリア「打順リプレイ」に当選し、リプレイC~リプレイEの入賞時に遊技者にとって有利な特典としてCZ状態やAT状態への移行を付与可能な状態移行制御を実行する指示機能制御手段200Bが、第2の実施形態における特典付与手段を構成する。
【0235】
以上のように、第2の実施形態の遊技機(1)は、
特定役の入賞補助を行う入賞補助手段(180,200B)と、
遊技者にとって有利な特典の付与に係る制御を行う特典付与手段(200B)と、を備え、
前記特定当選態様は、第1特定当選態様であり、
前記内部抽選手段は、それぞれ当選した遊技における遊技価値に関する遊技結果が同一に設定された第1役と第2役とを含む第2特定当選態様を抽選の対象に含む前記内部抽選を実行し、
前記特定役には、前記第1小役と、前記第1役と、が含まれ、
前記入賞補助手段は、前記内部抽選で前記第1特定当選態様に当選した場合と、前記第2特定当選態様に当選した場合と、で共通の報知態様に設定された入賞補助を実行し、
前記特典付与手段は、前記内部抽選で前記第2特定当選態様に当選し、かつ前記第1役が入賞した場合に、前記特典を付与可能である。
【0236】
この構成により、第2の実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順特別役」の当選時に、特定リプレイ打順の入賞補助演出及び入賞補助制御と共通の報知態様である特定特別打順の入賞補助演出及び入賞補助制御が実行され、入賞補助演出及び入賞補助制御に従った遊技が実行された場合に、特別役A~特別役Xを入賞可能な押下タイミングで第2停止操作及び第3停止操作が実行されないと特別役A~特別役Xが入賞しないため、非AT状態及びCZ状態において入賞補助演出及び入賞補助制御に従った遊技が実行される場合のメダルの獲得率の期待値の下限を引き下げた上でAT状態におけるメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を維持しつつAT遊技に対する遊技者の関心を惹きつけることができる。
【0237】
また、スロットマシン1は、入賞補助演出及び入賞補助制御に従って遊技を実行し、リプレイC~リプレイEを入賞させることで、遊技者にとって有利な特典の付与に係る制御として状態移行制御が実行され、かつ入賞補助演出及び入賞補助制御に従わない遊技を実行した場合に、遊技者にとって有利な特典の付与に係る制御として状態移行制御が実行されないように構成されていることから、入賞補助演出及び入賞補助制御に従った遊技を行った際に遊技者にとって有利な特典を付与可能にし、入賞補助演出及び入賞補助制御に従った遊技に対する遊技者の興趣を向上させることができるとともに、当選エリア「打順特別役」の当選時において、純増枚数が10枚に設定された13枚役が入賞した場合と、13枚役よりも遊技者にとって不利な純増枚数である1.75枚となる特別役A~特別役Xが入賞した場合と、で指示機能に係る性能に差異を有しないため、当選エリア「打順特別役」の当選時において遊技者に不利となる遊技の進行を強いることがなく、公正な遊技の進行を実現することができる。
【0238】
[他の実施形態]
なお、第1、第2の実施形態において、スロットマシン1は、第1小役として規定投入数よりも多い第1配当が設定されたチャンス役A~チャンス役L、特別役A~特別役Xを有し、第2小役として、第1小役として規定投入数よりも多く、かつ第1配当よりも少ない第2配当が設定されたベルA~ベルC、13枚役を有しているが、これに限定されない。スロットマシン1は、第2小役として、第1配当よりも少ない配当に設定された小役を有していればよく、必ずしも規定投入数よりも多い払出数である必要はない。
【0239】
また、第1、第2の実施形態において、演出制御手段180は、非AT状態又はCZ状態において、当選エリア「打順チャンス役」(当選エリア「打順特別役」)に当選した際に、特定打順(特定特別打順)を報知する入賞補助演出を実行するように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段180は、非AT状態又はCZ状態において、当選エリア「打順チャンス役」(当選エリア「打順特別役」)に当選した際に、特定打順(特定特別打順)だけでなく、チャンス役A~チャンス役L(特別役A~特別役X)を入賞可能にする押下タイミングも含めて報知する入賞補助演出を実行するように構成されていてもよい。
【0240】
また、第1、第2の実施形態において、スロットマシン1は、チャンス役A~チャンス役L(特別役A~特別役X)の入賞図柄組合せのうち押下タイミングが適切な際に有効ラインL1上に停止表示される図柄について、有効ラインL1上に停止表示可能となる押下タイミングが互いに重複しない位置にそれぞれ配置される(具体的には、チャンス役A~チャンス役Dの入賞図柄組合せを構成する図柄のうち第3リールR3に配列された停止番号13番の赤7図柄「赤7」、停止番号3番の星A図柄「STA」、停止番号8番のチェリー図柄「CH」、停止番号18番のブランクB図柄「BKB」等)ように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、チャンス役A~チャンス役L(特別役A~特別役X)の入賞図柄組合せのうち押下タイミングが適切な際に有効ラインL1上に停止表示される図柄について、有効ラインL1上に停止表示可能となる押下タイミングが互いに重複する位置に配置されるように構成されていてもよい。
【0241】
具体的には、スロットマシン1は、チャンス役A~チャンス役Dの入賞図柄組合せを構成する図柄のうち第3リールR3に配列された図柄において、停止番号2番のコマに赤7図柄「赤7」を配置し、停止番号3番のコマに星A図柄「STA」を配置し、停止番号4番のコマにチェリー図柄「CH」を配置し、停止番号18番のコマにブランクB図柄「BKB」を配置してもよい。
【0242】
このように構成された場合、スロットマシン1では、第2停止操作が終了した時点でチャンス役A~チャンス役Dのいずれかを入賞可能となっている状態で、ストップボタンB3への第3停止操作を実行する場合に、停止番号6番の図柄が有効ラインL1上に停止表示されている際に第3停止操作を実行することで、チャンス役A~チャンス役Cを入賞可能になり、停止操作を実行するタイミングとして遊技者にとって有利な第1タイミングと、第1タイミングよりも遊技者にとって有利ではない第2タイミングと、を設けることができる。
【0243】
また、第1、第2の実施形態において、スロットマシン1は、当選エリア「打順チャンス役」(当選エリア「打順特別役」)に当選し、特定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された際に、チャンス役A~チャンス役L(特別役A~特別役X)の入賞図柄組合せのうち押下タイミングが適切な際に有効ラインL1上に停止表示される図柄を停止表示できない押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、取りこぼし(非入賞)となるように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、特定打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、チャンス役A~チャンス役L(特別役A~特別役X)の入賞図柄組合せを有効ラインL1上に停止表示できない押下タイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、入賞時に1枚の払い出しが実行される小役等、チャンス役A~チャンス役L(特別役A~特別役X)よりも少ない配当に設定された小役が入賞するように構成されていてもよい。
【0244】
また、第2の実施形態において、スロットマシン1は、特定特別打順として2つの打順が設定されている当選エリア「打順特別役」を有しているが、これに限らず、特定特別打順として、1つの打順が設定されていてもよい。
【0245】
また、第2の実施形態において、演出制御手段180及び指示機能制御手段200Bは、非AT状態又はCZ状態において、当選エリア「打順特別役」の当選時と、当選エリア「打順リプレイ」の当選時と、に共通の報知態様の入賞補助演出及び入賞補助制御を実行するように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段180及び指示機能制御手段200Bは、AT状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合においても、非AT状態又はCZ状態において、当選エリア「打順特別役」の当選時と、当選エリア「打順リプレイ」の当選時と、に実行する入賞補助演出及び入賞補助制御と共通の報知態様の入賞補助演出及び入賞補助制御を実行するように構成されていてもよい。
【0246】
また、第2の実施形態において、スロットマシン1は、第2特定当選態様として、それぞれ当選した遊技におけるメダルに関する遊技結果が同一に設定されたリプレイC~リプレイEのいずれかとリプレイAとを含む当選エリア「打順リプレイ」を有しているが、これに限定されない。スロットマシン1は、それぞれ当選した遊技におけるメダルに関する遊技結果が同一に設定された第1役と第2役ととして、配当が同じ枚数に設定された第1特定小役と第2特定小役とを含む第2特定当選態様を有するように構成されていてもよい。
【0247】
また、第2の実施形態において、スロットマシン1は、非AT状態又はCZ状態において、当選エリア「打順特別役」の当選時に入賞補助演出及び入賞補助制御に従う遊技が所定遊技回数の遊技において実行された場合に、投入したメダルの総投入数に対する総払出数の比率が60%を下回らない比率となるように構成されているが、60%を下回る比率となるように構成されていてもよい。
【0248】
また、第1、第2の実施形態において、スロットマシン1は、各カウンタや記憶手段の記憶値に初期値として値をセットし、毎回の遊技の実行時に1ずつ減算するデクリメント更新や、毎回の遊技の実行時に1ずつ加算するインクリメント更新を実行するように構成されているが、これに限らず、各カウンタや記憶手段の更新方法については乗算や除算等を実行するように構成されていてもよく、特に限定されない。
【符号の説明】
【0249】
1 スロットマシン(遊技機)
120 内部抽選手段
130 リール制御手段
140 入賞判定手段
150 払出制御手段
180 演出制御手段(入賞補助手段)
200B 指示機能制御手段(入賞補助手段、特典付与手段)
L1 有効ライン
R1 第1リール
R2 第2リール
R3 第3リール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27