(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】気泡安定化製剤
(51)【国際特許分類】
C09K 23/56 20220101AFI20230913BHJP
A21D 13/00 20170101ALI20230913BHJP
A23L 29/00 20160101ALI20230913BHJP
A23L 7/161 20160101ALI20230913BHJP
A23L 29/206 20160101ALI20230913BHJP
A23L 29/231 20160101ALI20230913BHJP
A23L 29/238 20160101ALI20230913BHJP
A23G 3/52 20060101ALI20230913BHJP
C09K 23/52 20220101ALI20230913BHJP
【FI】
C09K23/56
A21D13/00
A23L29/00
A23L7/161
A23L29/206
A23L29/231
A23L29/238
A23G3/52
C09K23/52
(21)【出願番号】P 2019223830
(22)【出願日】2019-12-11
【審査請求日】2022-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】306007864
【氏名又は名称】ユニテックフーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000774
【氏名又は名称】弁理士法人 もえぎ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 美里
【審査官】福山 駿
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-196359(JP,A)
【文献】特開平03-035759(JP,A)
【文献】特開2009-082097(JP,A)
【文献】特開2009-242356(JP,A)
【文献】特開2018-157802(JP,A)
【文献】特開2004-194519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 23/00-23/56
A21D 13/00
A23L 29/00
A23L 7/161
A23L 29/206
A23L 29/231
A23L 29/238
A23G 3/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シロキクラゲ由来の多糖体と、グァガム及び/又はペクチンを含有する気泡安定化製剤。
【請求項2】
さらにカルシウム及び/又はナトリウムを含有する請求項1に記載の気泡安定化製剤。
【請求項3】
穀粉100重量部に対して、請求項1又は2に記載の気泡安定化製剤を0.05~0.5重量部含有する小麦膨化食品。
【請求項4】
小麦膨化食品の穀粉100重量部に対して、請求項1又は2に記載の気泡安定化製剤を0.05~0.5重量部含有させる工程を含む、小麦膨化食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気泡安定化製剤に関する。さらに詳しくは、シロキクラゲ由来の多糖体と、グァガム及び/又はペクチンを含有する気泡安定化製剤、及び該剤を含有する小麦膨化食品やこの小麦膨化食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にスポンジケーキ等の小麦膨化食品は卵の起泡性を利用して生地を膨らませている。卵の気泡物は時間の経過によって減少するため、製造工程にあわせて気泡の状態を調整する必要がある。しかし、工場等で大量に生産する場合、最初の方に製造を開始したものと最後の方で製造を開始したものでは大幅な時間の差が生じるため、気泡の状態を一定に保つことが難しかった。そこで、工場等での製造においては、乳化剤等を生地に添加することで気泡の安定化が行われてきた。しかし、近年、乳化剤を使用しない食品の提供が望まれており、乳化剤に替わって気泡を安定化し得る様々な添加物の開発が進んでいる。
【0003】
このような添加物として、例えば、特許文献1、2にはゼロオリゴ糖と増粘多糖類を特定の質量比で含有するメレンゲ用起泡安定剤や、増粘剤とpH調整剤が含まれたことを特徴とする卵白起泡安定剤が開示されている。また、特許文献3には寒天やカラギナン等を糊料として含むケーキ生地を用いることが開示されており、特許文献4にはスポンジ状食品の製造にあたり、卵白起泡物にペクチンを併用することが開示されている。
【0004】
これらの増粘多糖類や糊料も気泡の安定に一定の効果を示すものであるが、より気泡の状態の維持に有効な気泡安定化製剤の提供にあたり、本発明者らはシロキクラゲ由来の多糖体に着目した。
特許文献5に示すように、本発明者らはシロキクラゲ由来の多糖体をパンやスポンジケーキ等の小麦膨化食品に含有させた場合に、ソフト感、しっとり感や口溶けが優れたものが得られることを確認している。このような小麦膨化食品の製造におけるシロキクラゲ由来の多糖体の効果を生かしつつ、大量生産の場においても長時間にわたって気泡の状態を維持できる気泡安定化製剤の提供を試みた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-112219号公報
【文献】特開2004-194519号公報
【文献】特開2016-63767号公報
【文献】特開平4-135440号公報
【文献】特開2018-61485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、工場等の大量生産の場においても長時間にわたって気泡の状態を維持できる気泡安定化製剤の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは鋭意研究に取り組んだ結果、シロキクラゲ由来の多糖体と、グァガム及び/又はペクチンを含有する気泡安定化製剤が長時間にわたって気泡の状態を維持できる気泡安定化製剤となり得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は次の(1)~(4)に示される気泡安定化製剤等に関する。
(1)シロキクラゲ由来の多糖体と、グァガム及び/又はペクチンを含有する気泡安定化製剤。
(2)さらにカルシウム及び/又はナトリウムを含有する上記(1)に記載の気泡安定化製剤。
(3)穀粉100重量部に対して、上記(1)又は(2)に記載の気泡安定化製剤を0.05~0.5重量部含有する小麦膨化食品。
(4)小麦膨化食品の穀粉100重量部に対して、上記(1)又は(2)に記載の気泡安定化製剤を0.05~0.5重量部含有させる工程を含む、小麦膨化食品の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によって、長時間にわたって気泡の状態を維持できる気泡安定化製剤の提供が可能となる。また、該気泡安定化製剤を用いることにより、気泡の状態にむらがなく、均一な小麦膨化食品を一度に大量生産することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の「気泡安定化製剤」とは、シロキクラゲ由来の多糖体と、グァガム及び/又はペクチンを含有する気泡安定化製剤のことを言う。この「気泡安定化製剤」は、さらにカルシウム及び/又はナトリウムを含有するものであっても良く、気泡の安定化を向上又は維持できるその他の成分を含むものであっても良い。また、製剤化にあたりパインデックス#2(松谷化学工業株式会社)等のデキストリン等を賦形剤として含むものであっても良い。
【0011】
本発明における「シロキクラゲ由来の多糖体」とは、アジアの温帯地域で広く見られるキノコの一種であるシロキクラゲから得られる多糖体のことを指し、主鎖にα-1,3-マンノース、側鎖にD-フコース、D-キシロース、D-グルクロン酸を構成糖として含む多糖体のことをいう。
本発明で用いるシロキクラゲ由来の多糖体は、シロキクラゲより従来知られている方法等により独自に調製したものであっても良く、市販のものであっても良い。特にUT-WC(ユニテックフーズ社製)を用いることが好ましい。
【0012】
本発明で用いるグァガムやペクチンは小麦膨化食品の製造に安全に使用できるものであれば従来知られている方法等により独自に調製したものであっても良く、市販のものであっても良い。
グァガムは低分子グァガムを用いることが好ましく、このようなグァガムとして例えばUT-GA(ユニテックフーズ株式会社)が挙げられる。また、ペクチンはLMペクチンを用いることが好ましく、このようなペクチンとして例えばUTLP-1000(ユニテックフーズ株式会社)が挙げられる。
カルシウムやナトリウムも小麦膨化食品の製造に安全に使用できるものであれば従来知られているいずれのものも用いることができる。乳酸カルシウムや乳酸ナトリウムを用いることが好ましく、これらが混合された状態のものも用いることができる。このようなものとして例えばLNパウダーF(武蔵野化学研究所ST社)が挙げられる。
【0013】
本発明の「気泡安定化製剤」は、製造する小麦膨化食品の種類によって添加量の調整が必要となるが、小麦粉膨化食品の生地中の小麦粉を含む穀紛100重量部に対し、0.05~0.5重量部含有させることが好ましい。
即ち、小麦粉膨化食品の生地中の小麦粉を含む穀紛100重量部に対し、シロキクラゲ由来の多糖体であれば0.005~0.1重量部含有させることが好ましく、0.005~0.01重量部となるように含有させることがより好ましい。グァガムであれば0.01~0.3重量部含有させることが好ましく、0.01~0.1重量部となるように含有させることがより好ましい。ペクチンであれば0.01~0.3重量部含有させることが好ましく、0.01~0.1重量部となるように含有させることがより好ましい。また、カルシウムやナトリウムは0.01~0.3重量部含有させることが好ましく、0.01~0.1重量部となるように含有させることがより好ましい。
【0014】
本発明の「小麦膨化食品」とは、小麦粉を原料に含み、これを焼成等することにより膨張させて得られる食品のことをいう。このような小麦膨化食品として、例えば食パン、食事パン、菓子パン、スポンジケーキ、シフォンケーキ、ソフトパウンドケーキ、ホットケーキ、蒸しケーキ、焼菓子、中華まん、どら焼き、カステラ等が挙げられる。
【0015】
本発明の「小麦膨化食品の製造方法」は、小麦膨化食品の穀粉100重量部に対して、本発明の気泡安定化製剤を0.05~0.5重量部含有させる工程を含む製造方法であれば良く、その他の小麦膨化食品の製造に有用なその他の工程を含む製造方法であっても良い。
【0016】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明の具体的な実施態様について説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0017】
〔実施例1〕
気泡安定化製剤の調製
次の各試料を用い、気泡安定化製剤A~Dを調製した。
各気泡安定化製剤は穀粉100%に対して各試料が表1に記載の量となるように組み合わせた。
<試料>
シロキクラゲ由来の多糖体:UT-WC(ユニテックフーズ社)
グァガム:UT-GA(ユニテックフーズ社)
ペクチン:UTLP-1000(ユニテックフーズ社)
カルシウムとナトリウム:LNパウダーF(武蔵野化学研究所ST社)
【0018】
【0019】
〔実施例2〕
小麦膨化食品の製造(1)
上記実施例1において調製した気泡安定化製剤を用い、実施例2A~Dとして、次の工程によりスポンジケーキを製造した。なお、比較として各試料を何も添加しない無添加のもの、UT-WCのみ0.005%、グァガムのみ0.02%又はペクチンのみ0.02%を用いたスポンジケーキも製造した。
【0020】
[製造工程]
スポンジケーキを共立て法にて製造した。
1.薄力粉100gと気泡安定化製剤A~Dをそれぞれ混合して振るい、マーガリン40gを湯煎で溶かした。
2.全卵200gとグラニュー糖100gを混ぜて約60℃の湯煎で加熱した。
3.上記2を攪拌して10分泡立てた。
4.上記3に上記1の粉類を入れて2回以上に分けて混ぜ合わせた。
5.上記4に上記1のマーガリンを入れて混ぜた。
6.上記5にて調製された生地種を型1台あたり180g流し込んだ。
7.上記6を0分、15分又は30分静置した。
8.上記7を上火170℃下火160℃に設定したオーブンで24分間焼成し、スポンジケーキを得た。
【0021】
[評価方法]
1.気泡安定性
上記製造工程3、4、5及び7の各工程において、卵泡立て比重(工程3)、粉あわせ比重(工程4)、油あわせ比重(工程5)、15分静置後比重(工程7)、30分静置後比重(工程7)をそれぞれ調べて比較することで、気泡させた泡が安定して維持されるかを調べた。
また、得られた各スポンジケーキについて、体積(mm)、高さ(mm)、重さ(g)及び比容積を調べ、気泡安定化製剤を用いたことによって好ましいスポンジケーキが製造できたか否かを検討した。
2.テクスチャーアナライザー
焼成翌日の各スポンジケーキを、次の測定条件によりテクスチャーアナライザーTA XT Plus(英弘精機社)にて分析し、静置時間の経過が生地種及び製造されるスポンジケーキに与える影響を調べた。
測定条件:
P/20 20mm円柱を測定冶具とし、貫入速度1mm/secで貫入距離が80%Strainの時の測定数値を固さ(Force(g))とした。
【0022】
[結果]
気泡安定性(比重)の結果を表2に示し、気泡安定性(体積、比容積)の結果を表3に示した。また、テクスチャーアナライザーによる分析結果を表4に示した。
表2に示されるように無添加の場合、スポンジケーキの製造工程や静置時間の経過に応じで泡の比重が高くなり、気泡させた泡が消失していくが、気泡安定化製剤A~Dを添加することにより、気泡の消失が抑制できることが示された。また、表3に示されるように気泡安定化製剤A~Dを添加することにより、すぐに焼成したもの(静置0分)、15分又は30分静置後に焼成したものは無添加のものと比べていずれも比容積の大きいスポンジケーキとなることが確認できた。
【0023】
さらに表4に示されるようにテクスチャーアナライザーで分析した結果、無添加の場合、生地種の状態で長い時間静置する生地が固くなり、製造されるスポンジケーキも固くなるが、気泡安定化製剤A~Dを添加することにより固くなるのが抑制できることが示された。
なお、いずれの結果においてもUT-WCのみ添加、グァガムのみ添加又はペクチンのみ添加した場合は無添加の場合と比べて若干効果が見られるものの、気泡安定化製剤A~Dを添加した場合と同等の効果が得られるとはいえなかった。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
〔実施例3〕
小麦膨化食品の製造(2)
上記実施例1において調製した気泡安定化製剤Dを用い、様々な小麦膨化食品を製造した。各小麦膨化食品は生地種作成後、静置は行わずすぐに焼成した。比較として無添加のものも製造し、テクスチャーアナライザーによる分析と官能評価(ソフト感、口どけ感、しっとり感)によって効果を調べた。
なお、テクスチャーアナライザーによる分析は実施例2と同様に行ったが、カステラについては貫入距離が40%Strainの時の測定数値を固さ(Force(g))とした。
【0028】
[官能評価]
各小麦膨化食品及び比較のものは、2人のパネラーにより、表5に示す基準に沿って食感(ソフト感、しっとり感、口溶け感)について評価した。無添加のものの評価点を3とし、各小麦膨化食についてはこれらの総合評価が平均3以上であれば良好とした。
【0029】
【0030】
[製造工程]
<スポンジケーキ>
実施例2と同様の方法によりスポンジケーキを製造した。
【0031】
<ソフトパウンドケーキ>
1.薄力粉100g、ベーキングパウダー2.8g、重曹0.3g、気泡安定化製剤Dを一緒にして振るい、マーガリン45gを60℃の湯煎で溶かした。
2.全卵130g、グラニュー糖95g、液糖15g、塩0.3g、牛乳30g、バニラエッセンス0.2gを混ぜ合わせ、湯煎で36.6℃まで加熱した。
3.上記2に上記1の粉類を入れて混ぜ、ミキサーで8分泡立てた。
4.上記3に上記1のマーガリンを入れて合わせた。
5.上記4にて調製された生地種を型に流しこみ、サラダ油を付けたカードで中心に筋を入れた。
6.上記5を上火180℃下火180℃に設定したオーブンで約40分間焼成し、ソフトパウンドケーキを得た。
【0032】
<蒸しケーキ>
1.薄力粉200g、ベーキングパウダー1g、気泡安定化製剤Dを合わせて振るった。
2.全卵250g、グラニュー糖150gを混ぜて約60℃の湯煎で36.6℃に温めた。
3.上記2をミキサーで6分泡立てた。
4.牛乳60g、サラダ油80gを入れてミキサーで3分泡立てた。
5.上記1の粉類に、上記4を3~4回に分けて混ぜた。
6.上記5にて調製された生地種を型1個あたり140g流し込み、これをスチームコンベクション(90℃)で30分蒸し、蒸しケーキを得た。
【0033】
<カステラ>
1.薄力粉100g、ベーキングパウダー1g、気泡安定化製剤Dを合わせて振るった。
2.全卵180g、グラニュー糖110g、蜂蜜10g、塩0.6gを混ぜて約60℃の湯煎で36.6℃に温めた。
3.上記2に上記1の粉類を入れて混ぜた。
4.上記3をミキサーで6分泡立てた。
5.蒸気4にて調製された生地種を型に全量流して、上火175℃下火170℃に設定したオーブンで約35分焼成した。
【0034】
<ホットケーキ>
1.薄力粉100g、グラニュー糖25g、ベーキングパウダー6gを混ぜた。
2.上記1に溶いた全卵50gを入れて混ぜた。
3.上記2に牛乳80gを2回に分けて混ぜた。
4.1分温めたIHコンロ(火加減4)の上に油を薄く塗ったフライパンを乗せ、上記3にて調製された生地種100gを流しこみ、4分焼いた後、もう片面を3分30秒焼くことでホットケーキを得た。
【0035】
<ドラ焼き>
1.薄力粉115g、気泡安定化製剤Dを合わせて振るった。
2.全卵150gをほぐし、グラニュー糖105gを入れ、泡立てない様に混ぜた。
3.上記2に蜂蜜15gとみりん15gを合わせた。
4.上記3に水10gに溶いた重曹1.5gを合わせた。
5.上記4に上記1の粉類を合わせた。
6.上記5にて調製した生地種が30g/1枚となるようにフライパンに流し焼成することでドラ焼き(皮)を得た。
【0036】
[結果]
各小麦膨化食品のテクスチャーアナライザーによる分析結果及び官能評価の結果を表6に示した。
表6に示されるように、テクスチャーアナライザーで分析した結果、無添加の場合、得られた小麦膨化食品はいずれも生地が固くなるが、気泡安定化製剤Dを添加することにより固くなるのが抑制できることが示された。
また、気泡安定化製剤Dを添加することにより、いずれの小麦膨化食品においても食感(ソフト感、しっとり感、口溶け感)が向上することが確認できた。
【0037】
【0038】
〔実施例4〕
小麦膨化食品の製造(3)
<スポンジケーキ>
上記実施例1において調製した気泡安定化製剤Cを用い、実施例2と同様の方法によりスポンジケーキを製造した。比較として無添加のもの、市販の乳化剤(ステアロイル乳酸塩類)を同量添加したものを製造した。
これらについて実施例2と同様の方法により気泡安定性(比重)を調べ、実施例3と同様の方法により官能評価を行った。
その結果、表7に示すように、気泡安定化製剤Cは30分静置した場合でも、乳化剤と同等又はより好ましい気泡安定性を示し、気泡安定化製剤Cを添加することにより食感の良いスポンジケーキが得られることが確認できた。
【0039】
【0040】
<蒸しケーキ>
上記実施例1において調製した気泡安定化製剤Cを用い、小麦粉(100g)に対して気泡安定化製剤Cの添加量が0.2%又は0.3%となるように調整し、実施例2と同様の方法により蒸しケーキを製造した。
これらについて実施例2と同様の方法により、得られた蒸しケーキの体積、高さ、重さ及び比容積を調べ、気泡安定化製剤Cを用いたことによって好ましい蒸しケーキが製造できたか否かを検討した。また、テクスチャーアナライザーによる分析も行った。
その結果、表8に示すように気泡安定化製剤Cを添加することにより、気泡安定性が向上し、よりソフトな蒸しケーキが得られることが確認できた。
【0041】
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明によって、長時間にわたって気泡の状態を維持できる気泡安定化製剤の提供が可能となる。また、該気泡安定化製剤を用いることにより、気泡の状態にむらがなく、均一な小麦膨化食品を一度に大量生産することが可能となる。