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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】防水手袋の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A41D 19/04 20060101AFI20230913BHJP
   A41D 19/00 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
A41D19/04 A
A41D19/00 P
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022114615
(22)【出願日】2022-07-19
(65)【公開番号】P2023016024
(43)【公開日】2023-02-01
【審査請求日】2022-07-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0095061
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522287581
【氏名又は名称】ビーエヌエイチ アイエヌシー カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】キム ビョンウク
【審査官】横山 綾子
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-532802(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1454001(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0144631(KR,A)
【文献】特開2016-052721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 19/00-19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホットメルト接着剤が塗布されたポリウレタンメンブレーンシートで手袋を製造するメンブレーン手袋製造段階と;
前記メンブレーン手袋製造段階を介して製造されたメンブレーン手袋の内部に裏地手袋を挿入する裏地手袋挿入段階と;
前記裏地手袋挿入段階を介して裏地手袋が挿入されたメンブレーン手袋を表地手袋の内部に挿入するメンブレーン手袋挿入段階と;
前記メンブレーン手袋挿入段階を介してメンブレーン手袋が挿入された表地手袋を加熱し、前記裏地手袋、前記メンブレーン手袋および前記表地手袋を接着する熱接着段階;からなり、
前記ホットメルト接着剤は、ドット式で塗布され、融点が70ないし120℃であるプロピレン繰り返し単位を含むオレフィン系樹脂100重量部、水素化スチレン系ブロック共重合体50ないし400重量部および炭化水素系接着性樹脂400ないし800重量部から成り、軟化点が110ないし130℃であり、
前記メンブレーン手袋製造段階は、ポリウレタンメンブレーンシートの両面にホットメルト接着剤を塗布し、ホットメルト接着剤が塗布されたポリウレタンメンブレーンシート二枚を積層した後に、手の形に裁断し、裁断したメンブレーンシートの積層体の縁のうち、裏地手袋が挿入される部分を除いて熱接着して成り、
前記熱接着段階は、前記メンブレーン手袋挿入段階を介してメンブレーン手袋が挿入された表地手袋を手の形の金型に着用させた後、前記金型を110ないし130℃の温度で5ないし10分間加熱して、前記メンブレーン手袋の両面にドットの形態で塗布された前記ホットメルト接着剤が溶融し、前記表地手袋と前記裏地手袋を結束させ、常温に冷却して成り、
前記オレフィン系樹脂は、メタロセンポリプロピレンおよびエチレン-プロピレン共重合体から選ばれるいずれか一つ、または、これらの混合物であり、
前記裏地手袋は、前記メンブレーン手袋より内部空間が狭く形成されており、
前記メンブレーン手袋は、前記表地手袋より内部空間が狭く形成されており
前記裏地手袋及び前記表地手袋はポリウレタンからなる
防水手袋の製造方法。
【請求項2】
前記ポリウレタンメンブレーンシートは、ポリウレタン溶液を電界紡糸して製造され、
前記ポリウレタン溶液は、溶媒100重量部にポリウレタン10ないし15重量部を混合し加熱して製造され、
前記溶媒は、N,N-ジメチルホルムアミドとテトラヒドロフランとが1:1の重量部で混合されて成ることを特徴とする
請求項1に記載の防水手袋の製造方法。
【請求項3】
前記水素化スチレン系ブロック共重合体は、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体、スチレンエチレンプロピレンブロック共重合体、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体およびスチレンブチレンブタジエンスチレンブロック共重合体からなるグループから選ばれた一つ以上で成ることを特徴とする
請求項1に記載の防水手袋の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水手袋の製造方法に関する。より詳しくは、ホットメルト接着剤が塗布されたメンブレーンシートが適用され、着用感が優れて、裏地と表地とが密着され、優秀な防水性と湿気排出の性能を表し、手袋を着脱する時、裏地や表地が分離せず、製造工程が単純化され、製造時間が短く、製造費用の低い防水手袋の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、手袋は、作業用や防寒用、レジャー用およびスポーツ用などに主に使われているが、作業用手袋は、主に外部から発生する衝撃などから手を保護し、手の傷を防止するために使われ、防寒用は、外部の寒さから手を保護するために使われる。
【0003】
また、スポーツ用やレジャー用で使われている手袋は、外部から発生する手の衝撃やすべりなどのように運動の効率性を低下させる要因を防止するために着用するものであり、特に、野球やゴルフ、テニスなどのように運動道具を使う運動の場合、手袋を着用することによって、外部から発生する衝撃の吸収や滑り止め、または、運動道具の円滑な把持のために着用する必需品と言える。
【0004】
このような従来の手袋は、主に本革や合皮のような皮革材、または、綿やゴムなどの素材を用いて作られるが、単純な形状で着用した時、外部からの衝撃を吸収して、手を保護する効果は望めるが、長時間着用すると、外部との風通しが円滑にできず、着用者の手から発生する汗や湿気のような水分の累積によって、着用したら、その着用感が低下し、長時間の汗などのような水分の発生とその累積によって、手のひらの湿疹のような皮膚疾患が誘発されるなど、衛生上よくない問題があった。
【0005】
また、アウトドア用手袋の場合、防水性能が要求されるが、従来のアウトドア用手袋は、防水性を与えるために適用する材料が通気性を備えることができないため、前記のような問題を誘発するのみならず、内皮と外皮との間に空間が存在し、内皮に防水性能があっても、前記空間に水分が残存し防水性能が低下する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国特許登録第10-1683092号(2016.11.30)
【文献】韓国特許登録第10-2186366号(2020.11.27)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ホットメルト接着剤が塗布されたメンブレーンシートが適用され、着用感が優れて、裏地と表地とが密着され、優秀な防水性と湿気排出の性能を表し、手袋を着脱する時、裏地や表地が分離せず、製造工程が単純化され、製造時間が短く、製造費用が低くなる効果を示す防水手袋の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、ホットメルト接着剤が塗布されたポリウレタンメンブレーンシートで手袋を製造するメンブレーン手袋製造段階と、前記メンブレーン手袋製造段階を介して製造されたメンブレーン手袋の内部に裏地手袋を挿入する裏地手袋挿入段階と、前記裏地手袋挿入段階を介して裏地手袋が挿入されたメンブレーン手袋を表地手袋の内部に挿入するメンブレーン手袋挿入段階と、前記メンブレーン手袋挿入段階を介してメンブレーン手袋が挿入された表地手袋を加熱して、前記裏地手袋、前記メンブレーン手袋および前記表地手袋を接着する熱接着段階とからなることを特徴とする防水手袋の製造方法を提供することによって達成する。
【0009】
本発明の好ましい特徴によると、前記メンブレーン手袋製造段階は、ポリウレタンメンブレーンシートの両面にホットメルト接着剤を塗布し、ホットメルト接着剤が塗布されたポリウレタンメンブレーンシート二枚を積層した後に手の形で裁断して、裁断したメンブレーンシートの積層体の縁のうち、裏地手袋が挿入される部分を除いて熱接着して成る。
【0010】
本発明のさらに好ましい特徴によると、前記ポリウレタンメンブレーンシートは、ポリウレタン溶液を電界紡糸して製造されて、前記ポリウレタン溶液は、溶媒100重量部にポリウレタン10ないし15重量部を混合し加熱して製造され、前記溶媒は、N,N-ジメチルホルムアミドとテトラヒドロフランとが1:1の重量部で混合されて成る。
【0011】
本発明のさらに好ましい特徴によると、前記ホットメルト接着剤は、ドット式で塗布される。
【0012】
本発明のさらに好ましい特徴によると、前記ホットメルト接着剤は、融点が70ないし120℃であるプロピレン繰り返し単位を含むオレフィン系樹脂100重量部、水素化スチレン系ブロック共重合体50ないし400重量部および炭化水素系接着性樹脂400ないし800重量部で成る。
【0013】
本発明のさらに好ましい特徴によると、前記水素化スチレン系ブロック共重合体は、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体、スチレンエチレンプロピレンブロック共重合体、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体およびスチレンブチレンブタジエンスチレンブロック共重合体からなるグループから選ばれた一つ以上で成る。
【0014】
本発明のさらに好ましい特徴によると、前記熱接着段階は、前記メンブレーン手袋挿入段階を介してメンブレーン手袋が挿入された表地手袋を手の形の金型に着用させた後に、前記金型を110ないし130℃の温度で加熱して成る。
【発明の効果】
【0015】
本発明による防水手袋の製造方法は、ホットメルト接着剤が塗布されたメンブレーンシートが適用され、着用感が優れて、裏地と表地とが密着され、優秀な防水性と湿気排出の性能を示して、手袋を着脱する時、裏地や表地が分離せず、製造工程が単純化して製造時間が短く、製造費用の低い防水手袋の製造方法を提供する優れた効果を示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明による防水手袋の製造方法を示したフローチャートである。
図2】本発明に使われるホットメルト接着剤が塗布されたメンブレーン手袋を撮影して示した写真である。
図3】は、本発明による手袋の製造方法で製造した防水手袋の断面を示した写真である。
図4】は、本発明で使われる手の形の金型を示した斜視図である。
図5】は、本発明で使われる手の形の金型で防水手袋が加熱される過程を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施例と各成分の物性を詳しく説明するが、これは本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者が発明を容易に実施する程度で詳しく説明するためのものであって、そのために本発明の技術的事象および範疇が限定されることを意味するのではない。
【0018】
本発明による防水手袋の製造方法は、ホットメルト接着剤が塗布されたポリウレタンメンブレーンシートで手袋を製造するメンブレーン手袋製造段階(S101)と、前記メンブレーン手袋製造段階(S101)を介して製造されたメンブレーン手袋の内部に裏地手袋を挿入する裏地手袋挿入段階(S103)と、前記裏地手袋挿入段階(S103)を介して裏地手袋が挿入されたメンブレーン手袋を表地手袋の内部に挿入するメンブレーン手袋挿入段階(S105)と、前記メンブレーン手袋挿入段階(S105)を介してメンブレーン手袋が挿入された表地手袋を加熱して、前記裏地手袋、前記メンブレーン手袋および前記表地手袋を接着する熱接着段階(S107)からなる。
【0019】
前記メンブレーン手袋製造段階(S101)は、ホットメルト接着剤が塗布されたポリウレタンメンブレーンで手袋を製造する段階で、ポリウレタンメンブレーンシートの両面にホットメルト接着剤を塗布し、ホットメルト接着剤が塗布されたポリウレタンメンブレーンシート二枚を積層した後に手の形に裁断し、裁断したメンブレーンシートの積層体の縁のうち、裏地手袋が挿入される部分を除いて熱接着する過程からなる。
【0020】
そして、前記ホットメルト接着剤は、ポリウレタンメンブレーンシートの両面に全面塗布ではなく、ドット式で塗布されるのが好ましいが、ドット式でホットメルト接着剤が塗布されると、表地と裏地との間に流動性が確保され、柔らかい着用感を備える防水手袋を提供することができる。
【0021】
また、前記ポリウレタンメンブレーンシートは、ポリウレタン溶液を電界紡糸して製造され、前記ポリウレタン溶液は、溶媒100重量部にポリウレタン10ないし15重量部を混合し加熱して製造され、前記溶媒はN,N-ジメチルホルムアミドとテトラヒドロフランとが1:1の重量部で混合されて成ることが好ましい。
【0022】
前記の成分で製造されるポリウレタンメンブレーンシートは、優秀な伸縮性と防水性能を備えながらも、空気は透過するため、柔らかい着用感と防水性能のみならず、防水手袋の内部に湿気が発生することを抑制する。
【0023】
また、前記ホットメルト接着剤は、融点が70ないし120℃であるプロピレン繰り返し単位を含むオレフィン系樹脂100重量部、水素化スチレン系ブロック共重合体50ないし400重量部および炭化水素系接着性樹脂400ないし800重量部からなる。
【0024】
前記のオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン単独重合体およびエチレン-プロピレン共重合体から選ばれるいずれか一つ、または、これらの混合物を使うものであることがある。前記ポリプロピレン単独重合体として好ましくメタロセン触媒下に製造されたポリプロピレン(メタロセンポリプロピレン、Metallocene polypropylene、m-PP)であることがある。
【0025】
また、前記オレフィン系樹脂は、具体的にプロピレン繰り返し単位を高分子主鎖に含む弾性ポリプロピレン系樹脂であることがあり、好ましくは、前記弾性ポリプロピレン系樹脂は、弾性エチレン-プロピレンランダム共重合体であることがあるが、これに制限されることはない。
【0026】
また、前記オレフィン系樹脂の重量平均分子量で制限することではないが、10,000ないし1,000,000g/mol、具体的に20,000ないし500,000g/mol、より具体的に50,000ないし300,000g/molであることがある。
【0027】
前記オレフィン系樹脂の密度は、25℃で0.92g/cm以下、好ましくは、0.91g/cm以下であることがあり、より好ましくは、0.905g/cm以下であることがある。前記オレフィン系樹脂の密度の下限は、0.80g/cm以上であることがある。
【0028】
また、前記水素化スチレン系ブロック共重合体は、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体、スチレンエチレンプロピレンブロック共重合体、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体およびスチレンブチレンブタジエンスチレンブロック共重合体からなるグループから選ばれた一つ以上で成ることが好ましい。
【0029】
また、前記炭化水素系接着性樹脂は、スチレン系単量体および多環芳香族単量体を繰り返し単位で含む炭化水素系樹脂を水添して得られることが好ましい。
【0030】
具体的な一例として、スチレン系単量体としては、スチレン、または、メチルスチレンであることがあり、多環芳香族単量体としては、インデンであることがある。例えば、メチルスチレンおよびインデン共重合体樹脂を水添して得られた水添炭化水素系樹脂が好ましい。
【0031】
前記の成分からなるホットメルト接着剤は、接着力が優秀なだけでなく、水における耐久性が優れているため、水に当たっても接着力の低下によって表地や裏地とポリウレタンメンブレーン手袋との間の剥離現像を抑制する。
【0032】
また、前記ホットメルト接着剤組成物は、軟化点が110ないし130℃であるが、従来に使われるホットメルト接着剤組成物の軟化点が一般的に、150ないし250℃の高温であるに比べ、本発明で使われるホットメルト接着剤は、前記のような範囲の軟化点を有することによって、比較的に低い温度で溶融させて、接着工程を進めることができるため、前記表地や裏地およびポリウレタンメンブレーン手袋の損傷を防ぐことができる。
【0033】
また、前記ホットメルト接着剤には、公知の潤滑剤、ワックス、可塑剤および酸化防止剤からなるグループから選ばれた一つ以上の成分をさらに含むことができる。
【0034】
前記潤滑剤は、パラフィン系オイルおよびナフテン系オイルなどを使うことができるが、前記前記潤滑剤は、前記ホットメルト接着剤の総重量において1ないし30重量パーセントで含まれることができて、好ましくは、10ないし30重量パーセントで含まれることができる。
【0035】
また、前記ワックスは、パラフィンワックスを使うことができるが、前記ワックスは、前記ホットメルト接着剤組成物の総重量において1ないし10重量パーセントで含まれることができて、好ましくは、2ないし8重量パーセントで含まれることができる。
【0036】
また、前記可塑剤は、グリセリン、グリセリンジアセタート、ペンタエリトリトール、ソルビトールおよびエチレングリコールなどを使うことができて、前記ホットメルト接着剤組成物の総重量において1ないし10重量パーセントで含まれることができる。
【0037】
また、前記酸化防止剤は、チオエステル、リン酸塩、芳香族アミン、ヒンダードフェノール、テトラキス(メチレン-3-(3´,5´-ジ-t-ブチル-4´-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸)メタン、2,2´-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、1,1-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ジラウリルチオジプロピオン酸、ペンタエリトリトールテトラキス(β-ラウリルチオプロピオン酸)ポリリン酸塩およびチオ亜リン酸塩などが使われることができて、前記ホットメルト接着剤組成物の総重量において1ないし5重量パーセントで含まれることができる。
【0038】
前記裏地手袋挿入段階(S103)は、前記メンブレーン手袋製造段階(S101)を介して製造されたポリウレタンメンブレーン手袋の内部に裏地手袋を挿入する段階であって、そして、前記裏地手袋の材質は特に限定されることなく、前記ホットメルト接着剤によって、前記ポリウレタンメンブレーン手袋と接着できる成分であればどのような材質でも使うことができるが、前記メンブレーン手袋製造段階を介して製造されたポリウレタンメンブレーン手袋の内部に安着できるように、前記ポリウレタンメンブレーン手袋より内部空間が狭く形成されたものを用いることが好ましい。
【0039】
前記メンブレーン手袋挿入段階(S105)は、前記裏地手袋挿入段階(S103)を介して裏地手袋が挿入されたメンブレーン手袋を表地手袋の内部に挿入する段階であって、そして、前記表地手袋の材質は特に限定されることなく、前記ホットメルト接着剤によって、前記ポリウレタンメンブレーン手袋と接着できる成分であればどのような材質でも使うことができるが、前記メンブレーン手袋製造段階を介して製造されたポリウレタンメンブレーン手袋が内部に安着できるように、前記ポリウレタンメンブレーン手袋より内部空間が広く形成されたものを用いることが好ましい。
【0040】
前記熱接着段階(S107)は、前記メンブレーン手袋挿入段階(S105)を介してメンブレーン手袋が挿入された表地手袋を加熱して、前記裏地手袋、前記メンブレーン手袋および前記表地手袋を接着する段階であって、前記メンブレーン手袋挿入段階(S105)を介してメンブレーン手袋が挿入された表地手袋を図4ないし5に示したように、手の形の金型に着用させた後、前記金型を110ないし130℃の温度で5ないし10分間加熱した後、常温に冷却する過程で成る。
【0041】
前記の過程を介して110ないし130℃の温度で加熱すると、前記メンブレーン手袋の両面にドットの形態で塗布してあるホットメルト接着剤が溶融し、前記表地手袋と前記裏地手袋を結束させる。
【0042】
以下、本発明による防水手袋の製造方法およびその製造方法で製造された防水手袋の物性を実施例で説明する。
【0043】
<製造例1>ホットメルト接着剤の製造
融点が95℃であるプロピレン繰り返し単位を含むオレフィン系樹脂(メタロセンポリプロピレン)100重量部、水素化スチレン系ブロック共重合体(スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体)250重量部および炭化水素系接着性樹脂(メチルスチレンおよびインデン共重合体樹脂)600重量部を混合してホットメルト接着剤を製造した。
【0044】
<製造例2>ポリウレタンメンブレーンシートの製造
溶媒(N,N-ジメチルホルムアミドとテトラヒドロフランとが1:1の重量部)100重量部にポリウレタン12.5重量部を混合し加熱して、ポリウレタン溶液を製造した後、製造されたポリウレタン溶液を電界紡糸して20μm厚さのメンブレーンシートを製造した。
【0045】
<製造例3>ポリウレタンメンブレーン手袋の製造
前記製造例1を介して製造されたホットメルト接着剤を、前記製造例2を介して製造されたポリウレタンメンブレーンシートの両面にドットの形態でコーティングして、ホットメルト接着剤が塗布されたポリウレタンメンブレーンシート二枚を積層した後に手の形に裁断し、裁断したメンブレーンシートの積層体の縁のうち、裏地手袋が挿入される部分を除いて熱接着してポリウレタンメンブレーン手袋を製造した。
【0046】
<製造例4>ポリウレタンメンブレーン手袋の製造
前記製造例3と同一に進行するが、前記製造例1を介して製造されたホットメルト接着剤を、前記製造例2を介して製造されたポリウレタンメンブレーンシートの全面にコーティングして、ポリウレタンメンブレーン手袋を製造した。
【0047】
<製造例5>
製造例2を介して製造されたポリウレタンメンブレーンシート二枚を積層した後に手の形で裁断して、裁断したメンブレーンシートの積層体の縁のうち、裏地手袋が挿入される部分を除いて、熱接着してポリウレタンメンブレーン手袋を製造した。
【0048】
<実施例1>
前記製造例3を介して製造されたポリウレタンメンブレーン手袋の内面にポリウレタンからなる裏地手袋を挿入した後、裏地手袋が挿入されたポリウレタンメンブレーン手袋をポリウレタンからなる表地手袋に挿入し、前記のように、裏地手袋が挿入されたポリウレタンメンブレーン手袋が挿入された表地手袋を、加熱手段を備えた手の形の金型に着用させた後、前記手の形の金型を120℃の温度で8分間加熱した後、前記金型から離脱させ、常温で冷却して防水手袋を製造した。
【0049】
<比較例1>
前記実施例1と同一に進行するが、前記製造例4を介して製造されたポリウレタンメンブレーン手袋を用いて防水手袋を製造した。
【0050】
<比較例2>
前記製造例5を介して製造されたポリウレタンメンブレーン手袋の内面にポリウレタンからなる裏地手袋を挿入した後、裏地手袋が挿入されたポリウレタンメンブレーン手袋をポリウレタンからなる表地手袋に挿入して防水手袋を製造した。
【0051】
前記実施例1および比較例1ないし2を介して製造された防水手袋の防水性能、剥離強度および柔軟性を測定して下の表1に示した。
{但し、防水性能は、前記実施例1および比較例1ないし2を介して製造された手袋を手が挿入される部分に水に浸透されないようにする条件で、水に1分間浸漬した後、手袋の内部に水が浸透されるか否かを確認する方法を用いて、また、剥離強度は、引張強度試験機を用いて25℃で剥離強度を測定したが、ポリウレタンメンブレーン手袋と前記表地手袋との間に引張強度を測定して、表地手袋を引張強度試験機の一側のジグに固定させた状態でポリウレタンメンブレーン手袋を300mm/minのスピードで引っ張って、加えられる剥離強度を10回繰り返し測定して平均値で示した。
また、柔軟性は、被試験者50人を対象に、手袋を着用しようとした後、指の曲げ伸ばしを繰り返した後、柔軟の程度を10点満点として調査した後に、平均値で示して、0~3点は×、4~7点は△、8~10点は○で表記した。}
【0052】
【表1】
【0053】
前記表1に示したように、本発明の実施例1を介して製造された防水手袋は、防水性と剥離強度が優れて、柔軟性が優秀な手袋を製造する反面、比較例1を介して製造された防水手袋は、柔軟性が低く着用感が良くなく、比較例2を介して製造した手袋は、防水性テスト過程で裏地手袋の内部には水が浸透されなく、防水性は確保されたが、表地手袋とポリウレタンメンブレーン手袋との間に空間が存在して、その空間に水が浸透する問題が発生した。
【0054】
従って、本発明による防水手袋の製造方法は、ホットメルト接着剤が塗布されたメンブレーンシートが適用され、着用感が優れて、裏地と表地とが密着され、優秀な防水性と湿気排出の性能を表し、手袋を着脱する時、裏地や表地が分離しなく、製造工程が単純化し、製造時間が短く、製造費用の低い防水手袋を提供する。
【符号の説明】
【0055】
S101;メンブレーン手袋製造段階
S103;裏地手袋挿入段階
S105;メンブレーン手袋挿入段階
S107;熱接着段階
図1
図2
図3
図4
図5