(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】無線で電力を伝送する装置と方法
(51)【国際特許分類】
H02J 50/12 20160101AFI20230913BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20230913BHJP
H02J 50/60 20160101ALI20230913BHJP
【FI】
H02J50/12
H02J50/80
H02J50/60
(21)【出願番号】P 2019067736
(22)【出願日】2019-03-29
【審査請求日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】10-2018-0105432
(32)【優先日】2018-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509256045
【氏名又は名称】ヒタチ-エルジー データ ストレージ コリア,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】チン チョル
(72)【発明者】
【氏名】イ ホキル
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0141604(US,A1)
【文献】国際公開第2018/106072(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/146030(WO,A1)
【文献】特開2014-150619(JP,A)
【文献】特開2013-215073(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/12
H02J 50/80
H02J 50/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共振回路の動作周波数を変えながら共振周波数を測定する段階と、
前記測定された共振周波数を基準周波数と比較する段階と、
前記測定された共振周波数が前記基準周波数より低いとき、無線で電力を伝送する段階と、を含み、
前記基準周波数は、前記共振回路の自己共振周波数、受信装置について測定した第1共振周波数、基準対象物について測定した第2共振周波数及び前記受信装置と前記基準対象物に対して測定した第3共振周波数の内、二以上を用いて決定されることを特徴とする、無線電力伝送装置の電力伝送方法。
【請求項2】
前記測定された共振周波数が前記基準周波数より
高いとき、電力を伝送しなく、異物があることを知らせる段階をさらに含む、請求項1に記載の無線電力伝送装置の電力伝送方法。
【請求項3】
前記基準周波数、前記自己共振周波数及び無線電力伝送装置に対象物がない状態で自己共振周波数で共振回路を動作させるとき、前記共振回路に含まれたコイルに印加される基準電圧が、前記無線電力伝送装置を出荷する過程に貯蔵される、請求項1に記載の無線電力伝送装置の電力伝送方法。
【請求項4】
前記測定された共振周波数と前記自己共振周波数の差が第1所定値以下である場合、前記共振周波数で前記共振回路を駆動する際、前記コイルに印加される第1電圧と前記基準電圧を比較する段階と、
前記基準電圧と前記第1電圧の差が第2所定値以上のとき、電力を伝送しなく、異物が有ることを知らせる段階と、をさらに含む、請求項3に記載の無線電力伝送装置の電力伝送方法。
【請求項5】
前記基準電圧と前記第1電圧の差が前記第2所定値以下であるとき、前記無線電力伝送装置の上に何もないと判断する、請求項4に記載の無線電力伝送装置の電力伝送方法。
【請求項6】
直流電源を交流に変換するためのインバータ、受信装置の2次コイルとの磁気誘導結合によって電力を伝送するための1次コイルを含む共振回路、及び前記1次コイルに印加される出力電圧を測定するためのセンシング部を含む電力変換部と、
前記共振回路の動作周波数を変えながら、前記センシング部を通じて測定する出力電圧に基づいて共振周波数を測定し、前記測定された共振周波数を基準周波数と比較し、前記測定された共振周波数が前記基準周波数より低いとき、前記インバータの動作を制御して、前記受信装置への無線電力伝送を制御するための制御部と、を含むよう構成され、
前記基準周波数は、前記共振回路の自己共振周波数、前記受信装置に対し測定した第1共振周波数、基準対象物について測定した第2共振周波数及び前記受信装置と前記基準対象物に対して測定した第3共振周波数の内、複数を用いて決定されることを特徴とする、無線電力伝送装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記測定された共振周波数が前記基準周波数より
高いとき、前記受信装置に電力を伝送しなく、異物が有ることを知らせる、請求項6に記載の無線電力伝送装置。
【請求項8】
前記基準周波数、前記自己共振周波数及び無線電力伝送装置に対象物がない状態で自己共振周波数で共振回路を動作させるとき、前記1次コイルに印加される基準電圧が前記無線電力伝送装置を出荷する過程で貯蔵される、請求項6に記載の無線電力伝送装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記測定された共振周波数と前記自己共振周波数の差が第1所定値以下である場合、前記共振周波数で共振回路を駆動する時、前記1次コイルに印加される第1電圧と前記基準電圧を比較し、前記基準電圧と前記第1電圧の差が第2所定値以上の時、前記受信装置に電力を伝送しなく、異物が有ることを知らせる、請求項8に記載の無線電力伝送装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記基準電圧と前記第1電圧の差が前記第2所定値以下である時、前記無線電力伝送装置の上に何もないと判断する、請求項9に記載の無線電力伝送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線で電力を伝送する装置と方法に関し、さらに具体的には伝送装置と受信装置との間の金属異物を効果的に検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信及び情報処理技術が発達するにつれて、スマートフォンなどは、スマート端末の使用が徐々に増加しているが、現在、スマート端末に多く適用されている充電方式は、電源に接続されたアダプタをスマート端末に直接接続して、外部電源の供給を受け、充電したり、またはホストのUSB端子を介してスマート端末に接続して、ホストのUSB電源の供給を受け、充電する方式である。
【0003】
最近では、接続線を介してアダプタまたはホストにスマート端末を直接接続すべき不便さを減らすために、電気的接触なしに、磁気結合を用いて、バッテリーを無線で充電する無線充電方式が徐々にスマート端末に適用されている。
【0004】
無線で電気エネルギーを供給したり、供給を受けるための方法がいくつかあるが、代表的に電磁誘導現象に基づいた誘導結合(Inductive Coupling)方式と、特定の周波数の無線電力信号による電磁気的共振現象に基づく共振結合(Electromagnetic Resonance Coupling)方式がある。
【0005】
2つ方式とも無線充電装置とスマート端末のような電子機器との間で通信チャネルを形成して、データを送受信することにより、電力伝送の安定性を確保して伝送効率を向上させることができる。誘導結合方式は、無線で電力を伝送する間、電力受信装置が移動して伝送効率が低下する問題があり、共振結合方式は、通信チャネルにノイズが発生し、電力伝送が中断される現象が発生する問題がある。
【0006】
伝送装置と受信装置との間にコイン(COIN)のような金属異物があるとき、電力損失が発生し、金属異物に無線伝送電力が集中すると、発熱の危険があるので、安定した電力伝送を妨害する。したがって、最近誘導結合方式の無線充電規格を適用する製品に、伝送装置に金属異物が置かれているかどうかを探知することができるFOD(Foreign Object Detection)機能が必須で実現される。
【0007】
送信パワーと受信パワーとの間の差を検出してパワーの差が所定値以上であるかどうかを判断する技術や伝送コイルの共振周波数でのQファクター(Q-Factor)と受信装置に貯蔵されたQファクターを比較する技術が、金属異物を検出するために、一般的に使用される。しかし、後者の場合、Qファクターが貯蔵されない受信装置には適用できない問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような状況を勘案したものであり、本発明の目的は、伝送装置と受信装置との間、または伝送装置の上に金属異物があるかどうかを効果的に判断する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を実現するための本発明の一実施の形態に係る無線電力伝送方法は、共振回路の動作周波数を変えながら共振周波数を測定し、測定された共振周波数を基準周波数と比較し、測定された共振周波数が基準周波数より低いとき、無線で電力を伝送することを特徴とする。
【0010】
一実施の形態において、基準周波数は、共振回路の自己共振周波数、受信装置について測定した第1共振周波数、基準対象物について測定した第2共振周波数及び受信装置と基準対象物について測定した第3共振周波数の内、複数を用いて決定することができる。
【0011】
一実施の形態において、測定された共振周波数が基準周波数より低いとき、電力を伝送しなく、異物があることを知らせることができる。
【0012】
一実施の形態において、基準周波数、自己共振周波数及び無線電力伝送装置に対象物がない状態で自己共振周波数で共振回路を動作させるとき、共振回路に含まれたコイルに印加される基準電圧が無線電力伝送装置を出荷する過程で貯蔵されることができる。
【0013】
一実施の形態において、測定された共振周波数と自己共振周波数の差が第1所定値以下である場合、共振周波数で共振回路を駆動する時、コイルに印加される第1電圧と基準電圧を比較し、基準電圧と第1電圧の差が第2所定値以上のとき、電力を伝送しなく、異物があることを知らせることができる。
【0014】
一実施の形態において、基準電圧と第1電圧の差が第2所定値以下であるとき、無線電力伝送装置の上に何もないと判断することができる。
【0015】
本発明の他の実施の形態に係る無線電力伝送装置は、直流電源を交流に変換するためのインバータ、受信装置の2次コイルとの磁気誘導結合によって電力を伝送するための1次コイルを含む共振回路、及び1次コイルに印加される出力電圧を測定するためのセンシング部を含む電力変換部と、共振回路の動作周波数を変えながらセンシング部を通じて測定する出力電圧に基づいて共振周波数を測定し、測定された共振周波数を基準周波数と比較し、測定された共振周波数が基準周波数より低いとき、インバータの動作を制御して、受信装置への無線電力伝送を制御するための制御部を含みから構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
したがって、Qファクターを貯蔵しない低価型の受信装置についても、金属材質小型異物から大型の異物まで効果的に金属異物が伝送装置の上や伝送装置と受信装置との間にあるかどうかを判断することができる。
【0017】
また、無線電力伝送時、金属異物に出力が集中して発熱が激しくなる安全の問題を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】無線電力伝送装置から電子機器に電力が無線で伝送されることを概念的に示す図である。
【
図2】電磁誘導方式で電力を無線で伝送するための伝送装置の電力変換部の回路構成を概念的に示す図である。
【
図3】無線電力伝送装置と受信装置が電力とメッセージを送受信するための構成を 示す図である。
【
図4】無線電力伝送装置と受信装置との間の電力伝送を制御するためのループをブロックに示す図である。
【
図5】高い周波数から低い周波数に周波数をスキャンして共振周波数を検出する際の信号を示す図である。
【
図6】共振周波数を検出して貯蔵する方法の動作フローチャートを示す図である。
【
図7】無線電力伝送装置の上に置かれる対象物に応じた共振周波数の変化を示す図である。
【
図8】本発明の一実施の形態に基づいて、外部対象物を検出して電力を無線で伝送する方法の動作フローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る無線電力伝送装置及び方法の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1は、無線電力伝送装置から電子機器に電力が無線で伝送されることを概念的に示したものである。
【0021】
無線電力伝送装置100は、無線電力受信装置または電子機器200が必要とする電力を無線で伝達する電力伝達装置であるか、無線で電力を伝達することにより、電子機器200のバッテリーを充電するための無線充電装置で有り得、または接触しない状態で電源が必要な電子機器200に電力を伝達する多様な形態の装置に実現されることができる。
【0022】
電子機器200は、無線電力伝送装置100から無線で電力を受信して動作が可能な機器で、無線で受信される電力を用いてバッテリーを充電することもできる。無線で電力を受信する電子機器は携帯が可能な電子機器、例えば、スマートフォンやスマート端末、タブレットコンピュータ、マルチメディア端末、キーボード、マウス、映像または音声の補助装置などの入出力装置、補助バッテリーなどを含むことができる。
【0023】
無線電力伝送装置100の無線電力信号による電磁誘導現象に基づいた誘導結合方式、すなわち無線電力伝送装置100から伝送する無線電力信号によって電子機器200で共振が発生し共振現象によって、無線電力伝送装置100から電子機器200に接触せずに無線で電力が伝達されることができるが、電磁誘導現象によって1次コイルから交流電流によって磁場を変化させて2次コイル側に電流を誘導することにより、電力を伝達する。
【0024】
無線電力伝送装置100の1次コイルに流れる電流の強さが変化すると、その電流によって1次コイルまたは伝送コイル(primary coil、TX coil)を通過する磁場が変化し、変化した磁場は、電子機器200内の2次コイルまたは受信コイル(secondary coil、RX coil)側に誘導起電力を発生させる。
【0025】
無線電力伝送装置100側の1次コイルと電子機器200側の2次コイルが近接するように、無線電力伝送装置100及び電子機器200を配置し、無線電力伝送装置100が1次コイルの電流が変化するように制御すれば、電子機器200は、2次コイルに誘導された起電力を用いて、バッテリーのような負荷に電力を供給する。
【0026】
誘導結合方式による無線電力伝達の効率は、無線電力伝送装置100と、電子機器200との間の配置と距離の影響を受けることになるので、無線電力伝送装置100は、平らなインターフェース表面を含むように構成され、インターフェース表面の下部には、1次コイルが装着され、インターフェース表面の上部に1つ以上の電子機器が置けることができる。インターフェース表面の下部に装着された1次コイルとインターフェース表面の上部に位置する2次コイルとの間のスペースを十分に小さくすることによって、誘導結合方式による無線電力伝達の効率を上げることができる。
【0027】
インターフェース表面の上部には、電子機器が置かれる位置を指示するマークが表示されることがあるが、インターフェース表面の下部に装着された1次コイルと2次コイルとの間の配列が適切に行われるようにする電子機器の位置を指示することができる。電子機器の位置を案内するための突出形状の構造物がインターフェース表面の上部に形成されることもあり、インターフェース表面の下部に磁石のような磁性体を形成して、電子機器の内部に設けられた他の極の磁性体との引力によって、1次コイルと2次コイルがよく配列されるように案内することもできる。
【0028】
図2は、電磁誘導方式で電力を無線で伝送するための伝送装置の電力変換部の回路構成を概念的に示したものである。
【0029】
無線電力伝送装置は、大きく、電源及びインバータと共振回路で構成される電力変換部を含みから構成されることがあるが、電源は電圧源や電流源になることがあり、電力変換部は電源から供給される電力を無線電力信号に変換して受信装置に伝達する。無線電力信号は、共振特性を有する磁場または電磁気場の形で形成され、共振回路は、無線電力信号を発生させるコイルを含む。
【0030】
インバータは、スイッチング素子と制御回路を介して直流入力を所望する電圧と周波数の交流波形に変換するが、
図2においてはフルブリッジ(Full-bridge)インバータを示すものであり、ハーフブリッジインバータなど他の種類のインバータも可能である。
【0031】
共振回路は、磁気誘導方式で電力を伝送する1次コイル(Lp)とキャパシタ(Cp)を含みから構成されるが、コイルとキャパシタが電力伝送の基本共振周波数を決定する。1次コイルは、電流の変化に応じて、無線電力信号に対応する磁場を形成し、平板型またはソレノイドの形で実現されることができる。
【0032】
インバータによって変換された交流電流が共振回路を駆動させることで、1次コイルに磁場が形成されるが、インバータが含まれたスイッチのオン/オフのタイミングを制御して、共振回路の共振周波数に近い周波数の交流を生成して伝送装置の伝送効率を高めることができ、インバータを制御することにより、伝送装置の伝送効率を変更することができる。
【0033】
図3は、無線電力伝送装置と受信装置が電力とメッセージを送受信するための構成を示したものである。
【0034】
電力変換部は受信装置の受信状態に関係なく、一方的に電力を伝送するだけなので、受信装置の状態に合うように電力を伝送するためには、受信装置から受信状態に関連するフィードバックを受けるための構成が無線電力伝送装置に必要である。
【0035】
無線電力伝送装置100は、電力変換部110、第1通信部120、第1制御部130及び電源部140を含みから構成されることができ、無線電力受信装置200は、電力受信部210、第2通信部220及び第2制御部230を含みから構成されることができ、受信される電力が供給される負荷250をさらに含みから構成されることができる。
【0036】
電力変換部110は、
図2のインバータと共振回路で構成され、無線電力信号を形成するために使用される周波数、電圧、電流などの特性を調整することができる回路をさらに含むように構成されことができる。
【0037】
第1通信部120は、電力変換部110に接続されて、伝送装置100から磁気誘導によって無線で電力を受信する受信装置200によって変調される無線電力信号を復調して電力制御メッセージを検出することができる。
【0038】
第1制御部130は、に、第1通信部120が検出するメッセージに基づいて、電力変換部110の動作周波数、電圧、電流のいずれか1つ以上の特性を決定し、電力変換部110を制御して電力変換部110がメッセージに適合した無線電力信号を生成するようにすることができる。第1通信部120と、第1制御部130は、一つのモジュールで構成されることができる。
【0039】
電力受信部210は、電力変換部110の1次コイルで発生する磁場の変化に応じて誘導起電力が発生する2次コイルとキャパシタで構成されるマッチング回路を含み、2次コイルに流れる交流電流を整流して直流電流を出力する整流回路を含むことができる。
【0040】
受信装置の第2通信部220は、電力受信部210に接続され、DCでの抵抗負荷及び/またはACでの容量性負荷を調節する方法で電力受信部の負荷を調節することにより、伝送装置と受信装置との間の無線電力信号を変化させて電力制御メッセージを伝送装置に伝送することができる。
【0041】
受信装置の第2制御部230は、受信装置に含まれた各構成要素を制御するために、電力受信部210の出力を電流または電圧の形で測定し、これを根拠に通信部220を制御して、無線電力伝送装置100に電力制御メッセージを伝達することができる。メッセージは、無線電力伝送装置100にとって、無線電力信号の伝達を開始するかまたは終了するように指示することができ、また、無線電力信号の特性を調整するようにすることができる。
【0042】
伝送装置の電力変換部110によって形成された無線電力信号は、電力受信部210によって受信され、受信装置の第2制御部230は、無線電力信号を変調するように、第2通信部220を制御するために、第2制御部230は、第2通信部220のリアクタンス(reactance)を変更させることで、無線電力信号から受信する電力量が変化するようにする変調過程を実行することができる。無線電力信号から受信される電力量が変われば、無線電力信号を形成させる電力変換部110の電流及び/または電圧も変わり、無線電力伝送装置100の第1通信部120は、電力変換部110の電流及び/または電圧の変更を感知して復調過程を行うことができる。
【0043】
受信装置の第2制御部230は、無線電力伝送装置100に伝達しようとするメッセージを含むパケットを生成し、生成されるパケットを含むように、無線電力信号を変調し、伝送装置の第1制御部130は、第1通信部120を介して抽出したパケットをデコードして、電力制御メッセージを獲得することができ、受信装置の第2制御部230は、受信されるパワーを調節するために電力受信部210を介して受信される電力量に基づいて、無線電力信号の特性の変更を要青するメッセージを伝送することができる。
【0044】
図4は、無線電力伝送装置と受信装置との間の電力伝送を制御するためのループをブロックに示したものである。
【0045】
伝送装置100の電力変換部110で発生する磁場の変化に応じて、受信装置200の電力受信部210から電流が誘導されて、電力が伝送され、受信装置の制御部230は、所望の制御点、すなわち、所望の出力電流及び/または電圧を選択し、電力受信部210を介して受信される電力の実際の制御点を決定する。
【0046】
受信装置の第2制御部230は、電力が伝送される間に所望する制御点と実際の制御点を用いて、制御エラー値を計算するのに、例えば、2つの出力電圧または電流の差を制御エラー値に取ることができる。所望の制御点に到達するために、少ない電力が要求されると、例えば、負(-)の値となり、所望の制御点に到達するために、さらに多くの電力が必要すれば正(+)の値になるように制御エラー値を決定することができる。受信装置の第2制御部230は、第2通信部220を介して電力受信部210のリアクタンスを時間に応じて変更する方法に系算された制御エラー値を含むパケットを生成して伝送装置100に伝送することができる。
【0047】
伝送装置の第1通信部120は、受信装置200によって変調される無線電力信号に含まれるパケットを復調して、メッセージを検出するが、制御エラー値を含む制御エラーパケットを復調することができる。
【0048】
伝送装置の第1制御部130は、第1通信部120を介して抽出された制御エラーパケットをデコードして制御エラー値を得て、電力変換部110に、実際に流れる実際の電流値と制御エラー値を用いて、受信装置が所望する電力を伝送するための新しい電流値を決定することができる。
【0049】
伝送装置の第1制御部130は、受信装置から制御エラーパケットを受信する過程が安定化されると、1次コイルに流れる実際の電流値が新しい電流値になるように、新しい動作点、すなわち1次コイルに印加されるAC電圧の大きさ、周波数、デューティ比などが新しい値に達するよう、電力変換部110を制御し、受信装置が追加で制御情報や状態情報を通信できるように、新しい動作点を継続維持するようにする。
【0050】
無線電力伝送装置100と無線電力受信装置200との間の相互作用は、選択(selection)、ピング(ping)、識別/構成(identification&configuration)及びパワー伝送(power transfer)を含みから4つの段階からなることができる。選択段階は、伝送装置がインターフェース表面上に置かれた対象物を発見するための段階であり、ピング(ping)段階は対象物が受信装置を含むかどうかを確認する段階であり、識別/構成段階は、受信装置に電力を送るための準備段階で受信装置から適切な情報を受信し、これに基づいて、受信装置と電力伝送契約(Power Transfer Contract)を締結し、パワー伝送段階は、伝送装置と受信装置との相互作用で実際に電力を無線で受信装置に伝送する段階である。
【0051】
ピング段階においては、受信装置200が1次コイルと受信コイルの磁束結合程度を指す信号強度パケット(Signal Strength Packet、SSP)を共振波形の変調を介して伝送装置100に伝送するが、信号強度のパケット(SSP)は、受信装置で整流した電圧を監視して生成されるメッセージであり、伝送装置100は、これを受信装置200から受信して電力伝送のための初期駆動周波数を選定することに活用することができる。
【0052】
識別/構成段階においては、受信装置200のバージョン、メーカーコード、装置識別情報などを含む識別パケット(Identification Packet)、受信装置200の最大パワー、パワー伝送方法などの情報を含む構成パケット(Configuration Packet)などを受信装置200が伝送装置100に伝送する
【0053】
パワー伝送段階においては、受信装置200が、電力信号を受信する動作点とパワー伝送契約で定めた動作点との差を指す制御エラーパケット(Control Error Packet、CEP)、受信装置200がインターフェース表面を介して受信するパワーの平均値を指す受信パワーパケット(Received Power Packet、RPP)などを受信装置200が伝送装置100に伝送する。
【0054】
受信パワーパケット(RPP)は、受信装置の電力受信部210の整流電圧、負荷電流、オフセット電力などを勘案した受信電力量データで、受信装置200によって電力を受信中に継続して伝送装置100に伝送され、伝送装置100は、これを受信して、電力制御のための演算因子として使用する。
【0055】
伝送装置の第1通信部120は、共振波形の変化からパケットを抽出し、第1制御部130は、抽出されるパケットをデコードして、メッセージを得、これに基づいて、電力変換部110を制御して受信装置200が要請するとおり、パワー伝送特性を変えながら電力を無線で伝送することができる。
【0056】
一方、誘導結合によって電力を無線で伝達する方式で、その効率は、周波数特性による影響は少ないが、伝送装置100と受信装置200との間の配列と距離の影響を受けることになる。
【0057】
無線電力信号が到達できる領域を2つに分けることができるが、伝送装置100が受信装置200に無線で電力を伝送するとき、高効率の磁場が通過することができるインターフェース表面の部分を活動領域とすることができ、伝送装置100が受信装置200の存在を感知することができる領域を感知領域とすることができる。
【0058】
伝送装置の第1制御部130は、受信装置200が活動領域または感知領域に配置されたり削除されたかどうかについて感知することができるが、電力変換部110で形成される無線電力信号を利用したり、別に備えるセンサによって受信装置200が活動領域または感知領域に配置されたかどうかを検出することができる。
【0059】
例えば、伝送装置の第1制御部130は、感知領域に存在する受信装置200により無線電力信号が影響を受け無線電力信号を形成するための電力の特性が変化するかどうかを監視することにより、受信装置200の存在を検出することができる。伝送装置の制御部130は、受信装置200の存在を検出した結果に基づいて、受信装置200を識別するプロセスを実行したり、無線電力伝送を開始するかどうかなどを決定することができる。
【0060】
伝送装置の電力変換部110は、位置決め部をさらに含むことができるが、位置決め部は、誘導結合方式による無線電力伝達の効率を高めるために、1次コイルを移動または回転させることができ、特に受信装置200が伝送装置100の活動領域内に存在しない場合に使用することができる。
【0061】
位置決め部は伝送装置100の1次コイルと受信装置200の2次コイルの中心間距離が一定の範囲内になるように1次コイルを移動させたり、1次コイルと2次コイルの中心が重畳するよう1次コイルを移動させる駆動部を含むように構成することができる。このため、伝送装置100は、受信装置200の位置を感知するためのセンサや感知部をさらに備えることができ、伝送装置の第1制御部130は、感知部のセンサから受信する受信装置200の位置情報に基づいて位置決め部を制御することができる。
【0062】
または、伝送装置の第1制御部130は、第1通信部120を介して受信装置200との配列または距離の制御情報を受信し、これを基礎に位置決め部を制御することもできる。
【0063】
また、伝送装置100は、複数の複数の1次コイルを含むように形成され、複数の1次コイルの内で受信装置200の受信コイルと適合に配列される一部のコイルを選択的に用いて伝送効率を上げることができるが、この場合、位置決め部は複数の1次コイルの内でどれが電力供給のために使用されるかを決定することができる。
【0064】
活動領域を通過する磁場を形成させる単一の1次コイルまたは1つ以上の1次コイルの組み合わせを主セル(primary cell)で指称することができるが、伝送装置の第1制御部130は、受信装置200の位置を感知し、これを基礎に活動領域を決定し、活動領域に対応する主なセルを構成する伝送モジュールを接続し、その伝送モジュールの1次コイルと受信装置200の2次コイルが誘導結合されるように制御することができる。
【0065】
一方、受信装置200は、スマートフォンまたはマルチメディア再生端末のような電子機器の内に内蔵され電子機器が伝送装置100のインターフェース表面上に垂直または水平方向に一定しない方向や位置に置かれるので、伝送装置は、広い活動領域を必要とする。
【0066】
活動領域を広げるために、複数の1次コイルを使用する場合、1次コイル数たけ駆動回路が必要であり、複数の1次コイルの制御が複雑になるので、製品化するときに伝送装置、すなわち無線充電器のコストの増加が発生する。また、活動領域を拡大するために伝送コイルの位置を変える方式を適用する場合にも、1次コイルの位置を移すための移送機構を備えるべきなので、体積と重量が大きくなって製作費用が多くなる問題がある。
【0067】
位置が固定された一つの1次コイルを持っても活動領域を拡張する方法があると効果的であるが、単純に1次コイルの大きさを大きくしたら、1次コイルの単位面積当たりの磁束密度が落ち、送受信コイルの間に磁気結合力が弱くなって、期待するほどの活動領域が増加することもなく、伝送効率も落ちることになる。
【0068】
このように、活動領域の拡大と伝送効率の向上のために、1次コイルの適切な形状と大きさを決定することが重要である。複数の1次コイルを採用する多重コイル方式が無線電力伝送装置の活動領域を拡大する方法として効果的である。
【0069】
図5は、高い周波数から低い周波数に周波数をスキャンして共振周波数を検出する際の信号を示したものであり、
図6は、共振周波数を検出して貯蔵する方法の動作フローチャートを示すものである。
【0070】
無線電力伝送装置100の第1制御部130は、伝送装置に対象物がない状態で、電力変換部110のインバータに含まれたスイッチのオン/オフのタイミングを調整して、共振回路の動作周波数を変更しながら共振回路のコイルに印加される電圧を測定しながら、共振周波数を検出するが、
図2の共振回路で1次コイル(Lp)とキャパシタ(Cp)との間のノード(N1)で1次コイル(Lp)に印加される電圧を測定する。
【0071】
無線電力伝送装置の第1制御部130は、受信装置200と締結される電力伝送契約に基づいて電力を伝送するために、電力変換部110の動作周波数や電圧などを変更するため、動作周波数を所定の周波数間隔で増加または減少させながら、周波数をスキャンすることができる。
【0072】
また、第1制御部130は、周波数スキャンしながら、電力変換部110の1次コイルにかかる出力電圧の入力を受け、これを根拠に、出力電圧が最大となる動作周波数を共振周波数で計算するようにプログラムされることができる。
【0073】
無線電力伝送装置100は、電力変換部110の1次コイルに印加される出力電圧を測定するためのセンシング部を電力変換部110内、または電力変換部100と別にさらに含むことができる。
【0074】
図5のように、高い周波数から低い周波数に周波数をスキャンしながら共振回路を駆動して、コイルに印加される電圧を測定するが、コイル電圧が最も大きいときの周波数が、その共振回路の自己共振周波数(F0)に該当する。
【0075】
まず、内部変数を初期化し、動作周波数をスキャンするときの周波数の変化幅(step)を設定し(S610)、周波数スキャンを開始する初期周波数を設定する(S620)。
【0076】
共振回路の1次コイルに印加されるコイル電圧を測定し、(S630)、コイル電圧と、これまで測定された電圧の内、最大電圧(Max電圧)と比較して(S640)、コイル電圧が最大電圧(Max電圧)より大きいと(S640でYES)共振周波数を、現在の動作周波数に更新し(S650)、そうでなければ(S640でNO)、次の段階に移る。
【0077】
第1制御部130は、電力変換部110を制御して動作周波数をS610段階で設定した変化幅(step)だけ変え(S660)、動作周波数が終了周波数に該当するかを確認し(S670)、動作周波数がまだ終了周波数に行き着かないと(S670でNO)、S660段階で変わった動作周波数のときに1次コイルに印加されるコイル電圧を測定するためにS630段階に進行する。
【0078】
動作周波数が終了周波数に達すると(S670でYES)、S650段階で最も高いコイル電圧を出力する動作周波数で更新された共振周波数を非揮発性メモリに貯蔵する(S680)。
【0079】
図5においては、高い周波数から低い周波数に動作周波数を変えながら共振周波数を検出する例を示したが、低周波数から高い周波数に動作周波数を変えながら共振周波数を検出することもできる。
【0080】
無線電力伝送装置100の制御部130は、電源が印加され、無線電力伝送を開始する前に、受信装置を上げて置くインターフェース表面上に対象物が置かれているかどうかを判断するために、周波数を変えながらコイル電圧を測定して共振周波数を検出することができる。
【0081】
図7は、無線電力伝送装置の上に置かれる対象物に応じた共振周波数の変化を示したものである。
【0082】
例えば、自己共振周波数(F0)が110Khzの共振回路を含む伝送装置のインターフェース表面上にコインのような金属異物が置かれるとき、異物により送信コイルのインダクタンスが減少し、周波数スキャンをすると共振周波数が対象物が全くない時より高い周波数に、例えば、
図7では、116Khzに移動する。
【0083】
しかし、伝送装置のインターフェース表面上に受信装置が置かれるとき、送信コイルと受信コイルの間に誘導起電力が発生し、相互インダクタンスにより、送信コイルのインダクタンスが増加し、周波数スキャンをすると共振周波数が対象物が全くない時より低い周波数に、例えば、
図7では、97KHzに移動する。
【0084】
また、伝送装置のインターフェース表面上に受信装置と金属異物が一緒に置かれるとき、共振周波数は、自己共振周波数(F0)と類似に111KHzとなる。
【0085】
本願発明においては、伝送装置の上に上げられた対象物が金属異物のときは共振周波数が上がり、受信装置であるときは、共振周波数が下がる特徴に基づいて、伝送装置の上に受信装置が上がるときの共振周波数と伝送装置上に受信装置と、金属異物が同時に上がるときの共振周波数の組み合わせで所定の基準周波数を決定し、伝送装置の上に対象物が置かれているときに、共振周波数を測定し、これを所定の基準周波数と比較し、これに基づいて伝送装置の上に金属異物が置かれているか、受信装置が置かれているかどうかを効果的に検出することができる。
【0086】
本願発明に係る伝送装置は、伝送装置のインターフェース表面上に受信装置や異物がない状態で、共振回路のコイルとキャパシタによって決定される自己共振周波数(F0)とこのときの出力電圧(Q -Factor)を測定して基準電圧として貯蔵する。
【0087】
また、伝送装置は、伝送装置のインターフェース表面上に受信装置を載せた状態で、貯蔵された自己共振周波数(F0)の±20%の範囲で動作周波数を変えながら、第1共振周波数(F1)を測定し、貯蔵する。
【0088】
また、伝送装置は、伝送装置のインターフェース表面上に金属材質の所定の基準対象物を載せた状態において、貯蔵された自己共振周波数(F0)の±20%範囲で動作周波数を変えながら、第2共振周波数(F2)を測定して貯蔵する。
【0089】
また、伝送装置は、伝送装置のインターフェース表面上に受信装置と金属材料質の所定の基準対象物を一緒に載せた状態において、貯蔵された自己共振周波数(F0)の±20%の範囲で動作周波数を変えながら、第3共振周波数(F3)を測定して貯蔵する。
【0090】
以降、伝送装置は、自己共振周波数(F0)と、第1乃至第3共振周波数(F1-F3)を用いて、金属の異物か有るかどうかを決定するための基準周波数(Ffod)を計算し、これを非揮発性メモリに貯蔵する。
【0091】
例えば、基準周波数(Ffod)を受信装置の第1共振周波数(F1)と受信装置と基準対象物の第3共振周波数(F3)の組み合わせで決定することできるが、Ffod =(F1 + a * F3/bで決定することができ、ここで、aとbは、実験で決定することができる。たとえば、自己共振周波数(F0)が110Khzである
図7の例で、第1共振周波数(F1)は97KHzであり、第3共振周波数(F3)は111KHzであり、aとbをそれぞれ2と3にするときは、基準周波数(Ffod)は106.3KHzになることがある。
【0092】
または、基準周波数(Ffod)を受信装置の第1共振周波数(F1)と基準対象物の第2共振周波数(F2)の組み合わせで決定することが出来るが、Ffod =(F1 + c * F2)/dで決定することができ、ここでcとdも実験を通じて決定することができる。
【0093】
基準周波数(Ffod)を自己共振周波数(F0)と、第1乃至第3共振周波数(F1-F3)を含む4つの周波数の中から二つ以上を組み合わせて様々な方法で計算することができる。
【0094】
自己共振周波数(F0)及び第1乃至第3共振周波数(F1-F3)を測定し、基準周波数(Ffod)を計算して貯蔵する過程は、伝送装置を出荷する過程で行われることができる。
【0095】
図8は、本発明の一実施の形態に基づいて、外部対象物を検出して電力を無線で伝送する方法の動作フローチャートを示すものである。
【0096】
伝送装置の第1制御部130は、伝送装置のインターフェース表面上に対象物が置かれることが確認されると、貯蔵された自己共振周波数(F0)の±20%範囲で動作周波数を変えながら共振周波数を検出する(S810)。
【0097】
第1制御部130は、検出される共振周波数を基準周波数(Ffod)と比較する(S820)。
【0098】
受信コイルを含む受信装置がインターフェース表面上に置かれるとき、コイルのインダクタンスが増加し、共振周波数が移動し、共振周波数が自己共振周波数(F0)対比減少する方向に変動して基準周波数(Ffod)より小さくされるので、(S820でYES)、第1制御部130は、受信装置の受信コイルが近接したと判断して、電力変換部110と、第1通信部120を制御して、受信装置に無線で電力を伝送する(S830)。
【0099】
第1制御部130は、受信装置の充電が完了するまで、受信装置に電力を伝送する動作を実行する(S840)。
【0100】
一方、金属材質の異物がインターフェース表面上に置かれるときはインダクタンスが減少するにつれて、共振周波数が共振周波数(F0)に比べ増加する方向に移動して基準周波数(Ffod)より大きくなるので(S820でNO)、第1制御部130は、金属異物が近接したと判断して、電力伝送をせずにユーザが異物を除去するように警告するエラーを表示することができる(S850)。
【0101】
また、受信装置と金属異物が同時に伝送装置に近接したときには、受信コイルと金属の相互作用により、初期状態と類似の共振周波数、すなわち自己共振周波数が110Khzである
図7の例で、共振周波数は111KHzになって基準周波数(Ffod)より大きくなるので(S820でNO)、異物が置かれたことを示すエラーを表示することができる。
【0102】
一方、受信装置と金属異物が同時に伝送装置に近接した場合、測定された共振周波数が自己共振周波数(F0)と類似になって、すなわち、測定された共振周波数と自己共振周波数(F0)の差が所定値以下であるとき、共振周波数だけでは伝送装置のインターフェース表面上に何も置かれていない状態と区別するのは難しいこともある。
【0103】
しかし、この場合、異物によるAC抵抗の増加により出力電圧(Q-Factor)が減少するので、貯蔵された出力電圧と比較して、貯蔵された基準電圧と測定される出力電圧の差が所定値以下であるとき伝送装置のインターフェース表面上に何も置かれていない状態と判断し、所定値以上のとき、伝送装置の上に受信装置と金属異物が一緒にあると判断することができる。したがって、伝送装置のインターフェース表面上に何も置かれていない状態と受信装置と金属異物が一緒にある状態を区別することができる。このような動作をS820段階とS850段階の間に行うことができる。
【0104】
したがって、伝送装置が小さいものから大きなものまで、金属異物の有無を効果的に検出することができ、異物がある状態で電力を伝送して発熱する問題を回避することができるようになる。
【0105】
本発明は、記載された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく様々な修正及び変形することができることは、この技術の分野における通常の知識を有する者にとって自明である。したがって、そのような修正例や変形例は、本発明の特許請求の範囲に属するべきである。