IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スーパーサンシ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-商品の購入及び配送方法並びに受付表 図1
  • 特許-商品の購入及び配送方法並びに受付表 図2
  • 特許-商品の購入及び配送方法並びに受付表 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】商品の購入及び配送方法並びに受付表
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/20 20120101AFI20230913BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20230913BHJP
   G06Q 10/08 20230101ALI20230913BHJP
【FI】
G06Q20/20 370
G07G1/12 351C
G07G1/12 361Z
G06Q10/08
G06Q20/20 320
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019116579
(22)【出願日】2019-06-24
(65)【公開番号】P2021002284
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】519030121
【氏名又は名称】スーパーサンシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】高倉 護
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-026520(JP,A)
【文献】特開2002-366822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の演算装置を含むシステムにおける商品配送方法であって、
購入者が購入する商品と、前記購入者の識別情報、第1演算装置が受け取る受取ステップと、
前記識別情報に基づいて第1の会員か否かを第2演算装置が判断するステップと、
前記購入者が前記第1の会員であると判断された場合に、前記購入者の会員番号を示す第1コードと、前記商品を車両に積載する際に使用される第2コードと、前記購入者が購入した商品を収納する容器に貼り付けるための複数の第3コードと、前記購入者の配送先住所とが印刷された受付表を、前記第1演算装置がプリンタを用いて印刷する受付表印刷ステップと、
を含み、
前記第1コードは、前記商品を精算する際に読み取られるものであり、精算された前記商品を識別する情報を含む領収書が印刷され、前記領収書は前記受付表に貼り付けられるものであり、
前記第3コードは、少なくとも前記商品を収納する前記容器に、前記受付表から分離した前記第3コードが印刷された部分がそれぞれ貼り付けられ、
前記第2コード及び前記第3コードは、前記車両に前記商品が収容された容器を積載する際に、前記受付表の前記第2コード及び前記商品が収納された容器に貼り付けられた前記第3コードを読み取ることで、前記第3コードが貼り付けられた前記容器に収納される商品が積載対象であることを確認するために用いられる、
品配送方法。
【請求項2】
前記識別情報は、前記購入者が所持するカードに記録されており、
前記カードから前記識別情報が読み取られた後に前記カード購入者に返却された後に、前記商品の精算実行される、
請求項に記載の商品配送方法。
【請求項3】
第2購入者が購入する商品と、前記第2購入者の第2識別情報、前記第1演算装置が受け取る第2受取ステップとを更に含み、
前記商品の算は、前記第2受取ステップの後に実行される、
請求項に記載の商品配送方法。
【請求項4】
前記受付表には、前記第3コードごとに前記購入者の名前が印刷されている、
請求項1からの何れか一項に記載の商品配送方法。
【請求項5】
前記第1コードと前記第2コードは、異なるコードである、
請求項1からの何れか一項に記載の商品配送方法。
【請求項6】
購入者が購入する商品と、前記購入者の識別情報とを受け取る手段を備える第1演算装置と、
前記識別情報に基づいて第1の会員か否かを判断する手段を備える第2演算装置と、
を含む商品配送システムであって、
前記第1演算装置は、前記購入者が前記第1の会員であると判断された場合に、前記購入者の会員番号を示す第1コードと、前記商品を車両に積載する際に使用される第2コードと、前記購入者が購入した商品を収納する容器に貼り付けるための複数の第3コードと、前記購入者の配送先住所とが印刷された受付表を、プリンタを用いて印刷する手段をさらに備え、
前記第1コードは、前記商品を精算する際に読み取られるものであり、精算された前記商品を識別する情報を含む領収書が印刷され、前記領収書は前記受付表に貼り付けられるものであり、
前記第3コードは、少なくとも前記商品を収納する前記容器に、前記受付表から分離した前記第3コードが印刷された部分がそれぞれ貼り付けられ、
前記第2コード及び前記第3コードは、前記車両に前記商品が収容された容器を積載する際に、前記受付表の前記第2コード及び前記商品が収納された容器に貼り付けられた前記第3コードを読み取ることで、前記第3コードが貼り付けられた前記容器に収納される商品が積載対象であることを確認するために用いられる、
商品配送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の購入及び配送方法並びに受付表に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットなどの店舗において購入される商品は、レジスター機器を用いて精算される。通常は、商品に貼り付けられたバーコードをレジのスキャナーでスキャンすることにより、精算が行われる。
【0003】
ところで、夕方などの繁忙時間や、特売日などの繁忙日に、レジ前には、精算を待つ顧客の長蛇の列ができることがある。このことは、顧客の購買意欲を減退させる。
【0004】
また、大量の商品や重い商品を購入すると、持ち帰ることが大きな負担となる。このことも、顧客の購買意欲を減退させる。
【0005】
特許文献1には、レジでの精算処理の手間を減らし、レジでの待ち時間を大幅に短縮するセルフレジシステムが記載されている。
【0006】
また、インターネット等を用いて遠隔地からの商品の購入を可能にし、所定の住所に商品を配送する通信販売システムは知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2016-071787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載されるセルフレジシステムは、顧客自身がレジを操作し精算に係る商品のバーコードをスキャンするものである。このため、レジの扱いに不慣れな顧客によっては、かえって、長大な時間を要する場合もある。また、セルフレジシステムとはいえその設置台数には限りがあるから、レジ扱いに不慣れな顧客を待たなければならない場合も発生する。
【0009】
また、通信販売システムを利用すると、顧客は実際の商品を見たり触ったりして購入することができない。特に、商品の個体差が大きい生鮮食品については、実際に見てから購入したいという要望が大きい。通信販売システムを用いる限りこの要望に応えることはできない。
【0010】
そこで本発明は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなど顧客が商品を見ることが可能な店舗において、レジでの待ち時間を短縮することが可能となり、かつ、商品の配送を可能とするための商品の購入及び配送方法並びに受付表を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示は、商品の購入及び配送方法に関する。この方法は、購入者が購入する商品と、購入者の識別情報を受け取る受取ステップと、識別情報に基づいて、購入者を識別する第1コードと、購入者を識別する第2コードと、購入者を識別する複数の第3コードと、購入者の配送先住所とが印刷された受付表を印刷する受付表印刷ステップと、第1コードを読み取り、商品を精算する精算ステップと、精算された商品を識別する情報が印刷された領収書を印刷する領収書印刷ステップと、領収書を受付表に貼り付ける領収書貼付ステップと、少なくとも商品を収納する容器に、受付表から分離した第3コードが印刷された部分をそれぞれ貼り付けるコード貼付ステップと、第2コード及び第3コードを読み取り、第3コードが貼り付けられた容器を車両に積載する積載ステップを含む。なお、購入者の識別情報に基づいて会員か否か判断し、会員と判断された場合に、第1コード、第2コード、第3コード及び受付表を印刷してもよい。また、受付表は、印刷以外の方法で出力するようにしてもよい。
【0012】
ここで、識別情報は、購入者が所持するカードに磁気又はその他の手段により記録されていてもよい。また、カードを購入者に返却する返却ステップを更に含み、精算ステップは、返却ステップ後に実行されてもよい。なお、本実施形態におけるレジ用会員様コードBC1は、第1コードの一例である。また、積込用会員様コードBC2は、第2コードの一例である。また、商品に貼り付けるためのバーコードBC4は、第3コードの一例である。
【0013】
また、第2購入者が購入する商品と、第2購入者の第2識別情報を受け取る第2受取ステップとを更に含み、精算ステップは、第2受取ステップの後に実行されてもよい。更に、第2識別情報は、第2購入者が所持する第2カードに記録されていてもよい。また、第2カードを第2購入者に返却した後に、精算ステップは、実行されてもよい。受付表には、第3コードごとに購入者の名前が印刷されていてもよい。また、精算された商品を識別する情報が印刷された第2領収書を印刷する第2領収書印刷ステップを含み、積載ステップは、第2領収書を車両に積載することを含んでもよい。第1コードと第2コードは、異なるコードであってもよい。
【0014】
また本開示は、購入者が購入する商品を配送するために使用する受付表に関する。この受付表には、購入者を識別する第1コードと、購入者を識別し、第1コードと異なる第2コードと、購入者を識別する複数の第3コードと、購入者の配送先住所とが印刷される。
【0015】
第3コードが印刷される領域の裏面側に接着剤を備えてもよい。また、受付表から分離された第3コードの数を記入するための記入欄が更に印刷されてもよい。
【0016】
識別情報の受け取りは、識別情報が記録された磁気等のカードを受け取ることによって行われてよいが、これに限られるものではなく、購入者の電話番号や名前など購入者を識別するための情報を口頭で聞き、これに基づいてデータベースを検索して、会員番号などの識別情報を取得するように構成してもよい。
【0017】
ここで、精算とは、購入者が購入した商品の金額を確定することをいう。
【0018】
また、第1コード乃至第3コードは、例えば、バーコード又はQRコード(登録商標)などの符号である。但しそれ以外の印刷可能な識別情報を記録する符号であってもよい。
【0019】
また、容器に収納されない商品に第3コードを貼り付けてもよい。また、第2コードと第3コードの読み取り、第3コードの容器への貼り付け、容器の車両への積載は、順不同である。例えば、車両に容器を積載した後に、第3コードを貼り付けて、第3コードを読み取ってもよい。但し、第3コードを貼り付けた後に、第3コードを読み取って、車両に第3コードが貼り付けられた容器を搭載することが好ましい。但し、車両に容器を搭載した後に、第3コードを読み取ってもよい。
【0020】
また、受付表に形成される接着剤は露出している必要はなく、剥離紙等で覆われていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態に係る商品の購入及び配送方法のフロー及びシステムを説明するための模式図
図2】受付表RTの一例
図3】受付控CRの一例
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施形態のみに限定する趣旨ではない。
[第1実施形態]
【0023】
図1は、第1実施形態に係る商品の購入及び配送方法のフロー及びシステムを説明するための模式図である。なお、図における黒色の矢印は、電気的、磁気的、光学的その他の手段を備える装置を用いて情報がやり取りされることを意味し、白色の矢印は、人間がマニュアルで行うことができるプロセスを意味している。但し、一部プロセスを装置によって行うことも可能である。
【0024】
顧客CSは、店舗内で買い物を行う。店舗は、例えば、スーパーマーケットである。ただし、コンビニエンスストアやデパートメントなどの店舗であってもよい。店舗には、野菜、果実等の青果物、魚介類等の水産物、食肉類、肉加工品等の畜産物の生鮮品の他、弁当、惣菜等の惣菜類、牛乳、乳製品、調味料、缶詰等の加工食品、米、チーズ等を含む一般食品、日用雑貨品、医薬品、化粧品、書籍、家具、衣料品等の非食品の商品が陳列されている。顧客CSは、購入しようとする商品をカートCTや買い物かごに収納しながら、店舗内を移動する。
【0025】
顧客CSは、購入しようとする全商品をカートCT等に収納すると、店舗内の専用レジRGがある場所に移動する。ここで、専用レジRGとは、第1実施形態に係る商品の購入及び配送方法を実施するためのレジである。顧客CSは、第1実施形態に係る商品の購入及び配送方法を利用するためのサービス(以下、「購入配送サービス」という。)を事前に申し込み、顧客CSの名前、電話番号、配送先住所等の顧客情報を店舗に提供している。店舗会員のデータベースDB1は、顧客CSの名前、電話番号、配送先住所等の顧客情報を会員番号と関連付けてマスターデータとして記録している。また、店舗は、顧客CSの会員番号等が磁気記録されるカードCDを顧客CSに提供している。カードCDは、複数種類存在する。例えば、顧客CSの要望に応じて、クレジット機能を備えるカードCD又はクレジット機能を備えず単に顧客CSの購入額に応じたポイントを格納するカードCDが顧客CSに提供される。
【0026】
顧客CSは、この購入配送サービスに登録していない通常の顧客が利用する通常のレジとは異なる専用レジRGで商品を購入することができる。このため、従来よりもレジの待ち時間を軽減することができる。
【0027】
専用レジRGにおいて顧客CSは、店舗のスタッフSTに、カードCD及び顧客CSが購入しようとする商品を収納するカートCT等を手渡す。
【0028】
スタッフSTは、カードCDを顧客CSから受け取ると、専用端末TEを用いてカードCDに磁気情報として記録される顧客CSの識別情報等を読み込む。専用端末TEとデータベースDB1乃至DB4は、LANなどの有線又は無線のネットワークで接続されている。専用端末TEに搭載される演算装置は、専用端末TEに搭載される磁気読み取り装置から、顧客CSの識別情報を取得すると、この識別情報をネットワークを介してデータベースDB1に送信し、問い合わせを行う。
【0029】
データベースDB1の演算装置TE2は、専用端末TEから受信した顧客CSの識別情報に基づいて、顧客CSが購入配送サービスを利用できる者としてデータベースDB1に登録されているか否か判断する。登録されていると判断された場合、顧客CSの名前、電話番号、住所等の顧客情報を専用端末TEに送信する。
【0030】
更にデータベースDB1の演算装置は、顧客CSが商品の購入代金及び商品の配送代金を請求するためのクレジットカード番号又は銀行口座情報等の請求情報の事前登録を要する宅配サービスの利用者であるか否かを確認する。データベースDB1の演算装置は、顧客CSが宅配サービスの利用者であることが確認されなかった場合、専用端末TEにその旨の情報を送信する。なお、宅配サービスの利用者登録をすることにより、自動的に購入配送サービスを利用できる者としてデータベースDB1に登録されるように構成することができる。
【0031】
専用端末TEは、データベースDB1から、顧客情報を受信すると、プリンタを用いて受付表RTを印刷する。受付表RTの内容については後に詳述する。
【0032】
スタッフSTは、カードCDを顧客CSに返却する。
【0033】
購入配送サービスの利用者として登録されていない顧客CSに対し、スタッフSTは、カードCDを返却するとともに購入配送サービスへの申し込みを促すことができる。顧客CSは、住所等の所定の事項を記入した登録用紙を提出するだけで、購入配送サービスを利用できる。スタッフSTは、登録用紙に記載された事項をデータベースDB1に登録する。
【0034】
宅配サービスの利用者として登録されていないが、購入配送サービスの利用者として登録されている顧客CSに対し、スタッフSTは、専用レジRGを用いて顧客CSが購入しようとする商品を登録し、カードCDを返却するとともに、商品を精算し、代金の支払いを要求する。顧客CSは、精算代金の支払い後、店舗を出て帰宅することができる。
【0035】
宅配サービスの利用者として登録されている顧客CS又はクレジット機能を備えるカードCDを所有する顧客CSに対し、スタッフSTは、商品の精算を行うことなくカードCDを返却することができる。顧客CSは、カードCDを受け取ると精算代金を支払うことなく店舗を出て帰宅することができる。従って、顧客CSは、スタッフSTにカードCDと購入する商品を渡し、カードCDを受け取るだけで、購入手続きを終了することができる。
【0036】
なお、顧客CSは、カードCDを忘れた場合等に、名前、電話番号又は会員番号等の識別情報をスタッフSTに口頭で提供してもよい。このような場合であっても、スタッフSTは、専用端末TEを用いて受け取った識別情報を入力し、データベースDB1を識別情報で検索することにより、顧客CSが購入配送サービス又は宅配サービスを利用できる者であることを確認することができる。顧客CSが宅配サービスを利用できる者である場合、顧客CSは、スタッフSTに購入する商品を渡し、自身を特定する識別情報を伝えるだけで、購入手続きを終了することができる。
【0037】
図2には、専用端末TEによって印刷される受付表RTを示す。受付表RTは、宅配サービスの利用者として登録されていないが、購入配送サービスの利用者として登録されている顧客CSのために印刷される受付表RTを示している。
【0038】
同図に示されるように受付表RTには、購入配送サービスが専用端末TEによって受け付けられた受付日及び受付時刻が印刷される。また、宅配サービスの利用者として登録されていないが、購入配送サービスの利用者として登録されている顧客CSには、現金精算が必要である旨のテキストが印刷される。また、購入した製品の登録に利用する専用レジRGの番号と、精算時に発行される領収書の番号を後に記入するための領域が印刷される。更に、ドライアイスが使用されているか否かを後に記入するための領域が印刷される。
【0039】
図2に示されるレジ用会員様コードBC1は、カードCDに記録される識別情報に基づいて出力されるバーコードであり、例えば、顧客CSの会員番号を示すバーコード(「第1コード」の一例)である。
【0040】
領域AR1には、専用端末TEがデータベースDB1から受信した顧客情報が印刷されており、具体的には、顧客CSの会員番号、氏名、住所、電話番号、顧客CSの住所を含む地図データを識別する情報、電話番号等が印刷される。また、配送において注意すべき特記事項がデータベースDB1に登録されている場合は、特記事項も印刷される。
【0041】
領域AR2は、顧客CSが購入した商品を収納するために使用し、顧客CSに実際に配送する容器の数を後に記入するための領域として利用される。商品を収納するための容器は、複数種類準備されている。通い箱は、例えば、断熱性、耐水性、緩衝性に優れた軽量な発泡スチロール製の箱である。保冷箱は、通い箱よりも保冷に適した構造を有し、例えば、通い箱よりも肉厚に形成され、蓋に蓄冷体がセットされた箱である。冷凍箱は、冷凍品を収納するのに適したより断熱性に優れ、冷凍状態を維持するために内部にドライアイスを収納するための箱である。これら通い箱、保冷箱及び冷凍箱は、いずれも、繰り返し利用される。
【0042】
容器に入らない大きな商品の数は、領域AR2に記載される。例えば、領域AR2の「特殊」と記載されている欄は、容器に入らない商品の数を記入するための領域として利用される。例えば、大型のトイレットペーパー、米などは、容器に入らないため、この領域に記入される商品の数として計上される。なお、1ダースのビールケースなど、ひとまとまりに一体化されている商品は、1つの商品として計上される。
【0043】
従って、領域AR2には、商品が収納される容器の数を種類ごとに記入するための記入欄が設けられ、更に、容器に収納されない商品の数を記入するための記入欄が設けられる。
【0044】
積込用会員様コードBC2(「第2コード」の一例)は、商品をトラック等の車両TRに搭載する際に使用されるバーコードである。積込用会員様コードBC2は、レジ用会員様コードBC1と異なるバーコードでもよい。例えば、積込用会員様コードBC2は、顧客CSの会員番号と、顧客CSの住所に基づいて形成される。別の例では、積込用会員様コードBC2は、積込用認識コードと顧客CSの会員番号に基づいて形成される。このように積込用会員様コードBC2には、顧客CSの識別情報と共に積込又は配送に有用な情報が記録されていてもよい。
【0045】
ロッカー用会員様コードBC3は、宅配サービスの利用者として登録されていない顧客CSなど、配送先の住所に商品を収納するための専用ロッカーを設置していない場合に使用する処理用バーコードである。従ってロッカー用会員様コードBC3は、配送先で使用されるバーコードである。ロッカー用会員様コードBC3は、積込用会員様コードBC2及びレジ用会員様コードBC1と異なるバーコードでもよい。
【0046】
領域AR3は、後に、レシートRCを貼り付けるための領域である。レシートRCには、少なくとも、購入した各商品及びサービスを識別するための識別情報と購入した個数が印刷される。顧客CSが購入配送サービスを利用する場合、レシートRCには、サービスの利用に伴って顧客CSが精算する各項目の識別情報を印刷される。例えば、顧客CSが精算する配送料やドライアイス代は、レシートRCに印刷される。更に、レシートRCには、購入店舗名、精算した専用レジRGの番号、レシート番号、購入日、購入時刻、購入した各商品の単価、購入した各商品の割引額、合計売上金額、支払方法、支払額等が印刷される。
【0047】
領域AR4は、顧客CSが購入した商品を収納する容器及び顧客CSが購入し容器に入らない商品に貼り付けるための複数のバーコードBC4(「第3コード」の一例)が印刷された領域である。領域AR4には、例えば、10個のバーコードBC4が印刷されている。バーコードBC4は、顧客CSの識別情報、例えば、会員番号に基づいて形成されている。バーコードBC4は、レジ用会員様コードBC1と同一であってもよい。別の例では、バーコードBC4は、通い箱、保冷箱、冷凍箱、特殊を識別する識別情報と顧客CSの会員番号に基づいて形成されてもよい。領域AR4は、バーコードBC4が印刷される領域ごとに、例えば、10個の領域AR40乃至領域AR49に細分化される。また、各領域AR40乃至領域AR49には、顧客CSの名称、受付日及び容器の種類を示す情報が更に印刷されている。
【0048】
領域AR4の裏面には、後に容器等に貼り付けるために、接着剤が設けられていてもよい。接着剤が剥離紙で覆われた状態で受付表RTを印刷するように構成することにより、必要なときに剥離紙をはがして接着剤を露出させて、容器等にシールとして貼り付けることができる。
【0049】
同図に示されるとおり、受付表RTには、検品数の記入欄、持ち帰りした商品数の記入欄が設けられている。検品数は、精算された商品(ドライアイス等の配送のために購入した商品及び配送料を含む)の数を示している。スタッフSTは、受付表RTに貼り付けられるレシートRCの点数と検品数を比較することにより、購入された商品の全てが配送されることを確認することができる。
【0050】
また、持ち帰り商品数とは、顧客CSが配送を希望せず自分で持ち帰った商品の数である。受付表RTに持ち帰られた商品の数を記入できるようにしておくことにより、レシートRCに示される項目数から持ち帰られた商品数を差し引いた数を検品数と比較することにより、購入された商品のうち持ち帰られた商品を除く全ての商品が配送されることを確認することができる。受付表RTには、QRコード(登録商標)など他の種類の識別情報が表示されていてもよい。
【0051】
専用端末TEが受付表RTを発行すると、購入配送サービスを登録するデータベースDB2に、受付表RTに表示される内容が記録される。
【0052】
スタッフSTは、専用レジRGのバーコードスキャナー又は専用端末TEのバーコードスキャナーを用いて受付表RTに印刷されるレジ用会員様コードBC1を読み取り、専用レジRGを用いてカートCTに収納されている商品の精算を行う。なおスタッフSTは、冷凍品のためにドライアイスを使用する場合は、ドライアイスの代金を精算に含める点に留意しなければならない。また、配達料及びレジ袋も、精算に含めなければならない点に留意しなければならない。清算の際、スタッフSTは、受付表RTに、顧客CSが持ち帰りした商品数を記入することができる。また、受付表RTに、ドライアイスを使用しているか、していないかを記入することができる。
【0053】
なお、精算とは、顧客CSが購入した商品の金額を確定することをいう。精算データは、顧客CSと関連付けて、全ての精算データを格納するデータベースDB3に記録される。
【0054】
以上のような精算処理は、宅配サービスの利用者として登録されている顧客CS又はクレジット機能を有するカードCDを所有する顧客CSにカードCDを返却した後に行ってもよい。従って、例えば、宅配サービスの利用者として登録されている顧客CSが複数人いる場合は、各顧客CSからカードCDを受け取り、順番にカードCDの読み取りと、各顧客CSの受付表RTの発行と、カードCDの顧客CSへの返却を、2回以上繰り返し、各顧客CSが立ち去った後に、精算処理を行うことができる。受付表RTのレジ用会員様コードBC1には、カードCDに記録される識別情報と同一の情報が記録されているから、スタッフSTは、カードCDを返却した後であっても、受付表RTに表示されるレジ用会員様コードBC1を読み取ることにより、各顧客CSと関連付けて商品の精算を行うことができる。従って、顧客CSは、自分又は他の顧客CSの精算処理に要する時間を待つ必要がなくなる。
【0055】
以上のとおり、本実施形態に係る受付表RTには、顧客CSから受け取ったカードCDから読み取った識別情報をレジ用会員様コードBC1が印刷されるから、他の顧客CSから商品及びカードCDを受け取り他の顧客CSのための受付表RTを印刷してから、前の顧客CSの商品の精算を実施することができる。
【0056】
そのため、各顧客CSの待ち時間を劇的に短縮することが可能になる。
【0057】
また受付表RTには受付時刻も表示されるから、タイムセールなど一時的に安売りの適用を受けた商品についても、安売りの適用を受けて精算することが可能になる。
【0058】
専用レジRGのプリンタは、商品の精算が終了すると、レシートRCを発行する。宅配サービスの利用者として登録されていないが、購入配送サービスの利用者として登録されている顧客CSの場合、顧客CSから現金又はクレジットカード等を受け取り支払いが完了した後にレシートRCが発行される。宅配サービスの利用者として登録される顧客CSの場合、商品の精算確定と同時にレシートRCが発行される。
【0059】
本実施形態において、専用レジRGのプリンタは、レシートRCを2部印刷する。一方のレシートRCには、再発行版である旨が印刷される。
【0060】
スタッフSTは、空き時間等に、精算済みの商品を容器に収納する。スタッフSTは、店舗の専用レジRG付近で商品を容器に収納してもよいし、バックヤードまでカートCTごと商品を移動し、そこで容器に収納してもよい。スタッフSTは、商品数を一つ一つ計上しながら、パン、冷蔵することを必要としないジャガイモ等の野菜、乾燥果物等の通常の商品は通い箱に収納し、たまご、冷蔵することを必要とするトマト等の野菜、果物などの冷蔵品は保冷箱に収納し、冷凍品は冷凍箱に収納する。また、レジ袋、ドライアイス及び配送料など、顧客CSが料金を支払った商品又はサービスは、一つの商品として計上し、合計数を受付表RTの検品数欄に記入する。
【0061】
スタッフSTは、検品数欄に記入しようとする数と、レシートRCに表示される項目数が一致することを確認する。一致したことを確認すると、スタッフSTは、再発行版のレシートRCを受付表RTの領域AR3に貼り付ける。
【0062】
スタッフSTは、領域AR4内の各領域AR40乃至AR49のうち、商品を収納するために使用した容器に相当する部分を切り取って受付表RTから分離し、その容器に貼り付ける。例えば、通い箱を2つ使用し、冷凍箱を1つ使用し、容器に入らない商品が2つある場合は、領域AR40と領域AR43を切り取って、それぞれ通い箱に貼り付け、AR49を切り取って冷凍箱に貼り付け、領域AR42と領域AR45を切り取って、それぞれ容器に入らない商品に貼り付ける。領域AR4の裏面に接着剤を設ける場合、これら各領域AR40乃至AR49は、裏面の剥離紙をはがすことにより接着剤が露出する。このため、スタッフSTは、容易に受付表RTから分離した部分を容器等に貼り付けることができる。スタッフSTは、領域AR2に通い箱の記入欄に「2個」、冷凍箱の記入欄に「1個」、特殊の記入欄に「2個」と記入し、合計の記入欄に「5個」と記入する。記入される数字は、受付表RTから分離した部分の数、即ち、受付表RTから分離し容器等に貼り付けられたバーコードBC4の数と一致することになる。
【0063】
スタッフSTは、受付表RTの所定欄に専用レジRGの番号、レシートRCの番号、ドライアイスの有無、受付担当者名である自身の名前を記入する。更に、使用した容器の数を領域AR2に記入する。通い箱に入らない大きな商品は、領域AR2の「特殊」欄にそのような商品数を記入する。領域AR2への記載により、車両TRに積載すべき容器数及び容器に入らないため直接車両に搭載すべき商品数を明示することができる。従って、別のスタッフSTが、後に容器等を車両TRに搭載するときに、全ての容器等を車両TRに搭載することが可能になる。スタッフSTは、必要な情報が記入され、再発行版のレシートRCが貼り付けられた受付表RTと、顧客CSのレシートRCをクリアケースなどに収容し、容器と共に、例えば、通い箱内に収納する。クリアケースが一部外部に露出するように、容器のふたと容器で受付表RTを収容するクリアケースを挟んでもよい。その後、スタッフSTは、これら容器及び容器に入らない商品を所定の配送用容器置場に移送する。
【0064】
その後、車両TRのドライバーは、受付表RTの積込用会員様コードBC2と、商品が収納された容器等に貼り付けられたバーコードBC4をスキャンして顧客CSのための商品等が収納される容器であることを確認しながら、容器等を車両TRに積載する。積込用会員様コードBC2が積込用認識コードを含む場合、ドライバーは、その容器等に収納される商品が積載対象であることを確認することができる。ドライバーは、車両TRに搭載される容器等の数と、受付表RTの領域AR2に記入された容器等の数が一致することを確認した後、車両TRを発車させ、商品等を収納する容器等を顧客CSの住所等に配送する。受付表RTは、車両TRに搭載した後、ドライバーが持ち帰ってもよいし、そもそも車両TRに搭載しなくてもよい。
【0065】
その後、スタッフST又は車両TRのドライバーは、端末TE1を用いて、受付表RTに記載されたデータを、購入配送サービスを格納するデータベースDB4に記録することができる。
【0066】
以上のような商品の購入及び配送方法並びに受付表によれば、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなど顧客が商品を見ることが可能な店舗において、レジでの待ち時間を短縮することが可能となり、かつ、商品の配送を可能とする。
【0067】
なお、演算装置TE2は、データベースDB1乃至DB4のデータベースサーバとして機能させてもよい。その場合、演算装置TE2は、データベースDB1乃至DB4にアクセスし、上述した各機能を制御するサーバ装置として機能することができる。また、本開示に示した各機能を、データベースサーバとして機能する演算装置TE2によって実行し、全体的なプロセスを演算装置TE2により管理・制御するように構成してもよい。
[変形例]
【0068】
以下、第1実施形態の変形例について説明する。
【0069】
この変形例において、専用端末TEは、プリンタを用いて受付表RTを印刷する際、同時に受付の控えとなる受付控CRを印刷する。例えば、専用端末TEは、受付表RTを2枚印刷し、同時に、受付控CRを1枚印刷する。以下では、受付控CRに関する部分を中心に説明する。受付表RTに関する部分は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0070】
図3には、専用端末TEによって印刷される受付控CRの一例が示されている。受付控CRの領域AR5には、購入配送サービスが専用端末TEによって受け付けられた受付日、受付時刻及び受付番号が印刷される。
【0071】
また、領域AR5には、購入した商品の顧客CSへの配達日を示す情報を記入するための領域が設けられる。本変形例においては、「当日・翌日」と印刷される。スタッフSTは、受付日に商品を配達する場合、「当日」を丸で囲み、受付日の翌日に商品を配達する場合、「翌日」を丸で囲む。なお、購入した商品の顧客CSへの配達時刻を示す情報を更に記入できるようにしてもよい。
【0072】
また、領域AR5には、専用端末TEがデータベースDB1から受信した顧客情報が印刷されており、具体的には、顧客CSの会員番号、氏名、住所及び電話番号等が印刷される。
【0073】
更に領域AR5には、お問い合わせ番号が印刷される。お問い合わせ番号は、顧客CSによる購入ごとに付与される識別番号である。お問い合わせ番号は、例えば、店舗の識別番号、受付日及び受付番号を含んでいてもよい。スタッフSTは、顧客CSからの購入した商品の配送状況その他の商品等に関する問い合わせに対応する際、顧客CSから識別番号を聞くことによって、対象の店舗や、受付日を把握することができる。
【0074】
受付控CRの領域AR6には、店舗の電話番号等、購入された商品等に関する問い合わせ先を示す情報が印刷される。
【0075】
受付控CRの領域AR7は、領域AR70乃至領域AR75に細分化される。各領域AR70乃至AR75には、受付日、受付番号及び顧客CSの氏名がそれぞれ印刷される。また、各領域AR70乃至AR75には、1乃至6の番号が印刷される。
【0076】
このような受付控CRの使用例について以下に説明する。
【0077】
専用端末TEが受付表RTと共に受付控CRを印刷すると、スタッフSTは、領域AR7と、領域AR5及び領域AR6を含む領域との境界に印刷された切取線L1に沿って、受付控CRを切断し、領域AR5及び領域AR6を含む紙片を顧客CSに渡す。一方、領域AR7を含む紙片は、顧客CSの商品を収納するカートCT又は買い物カゴが複数に亘る場合、仕分用カードとして使用される。
【0078】
具体的には、スタッフSTは、領域AR70乃至領域AR75に切り分け、顧客CSから預かったカートCT又は買い物カゴに番号順に貼り付ける。例えば、顧客CSが購入した商品が収納される買い物カゴが2つの場合、領域AR70の紙片を1つ目の買い物カゴに貼り付け、領域AR71の紙片を2つ目の買い物カゴに貼り付ける。更に、スタッフSTは、受付表RTにも、顧客CSから預かったカートCT又は買い物カゴの数を記入する。
【0079】
このように受付控CRを使用することにより、顧客CSが複数のカートCT又は買い物カゴで多量の商品を購入した場合であっても、各カートCT及び買い物カゴを、特定の顧客CSと関連づけることができる。また、受付表RTにも、顧客CSが使用したカートCT又は買い物カゴの数が記入されるから、スタッフSTが精算済みの商品を容器に収納する際にも、収納漏れのリスクを低減することが可能になる。
【0080】
なお、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。たとえば、当業者の通常の創作能力の範囲内で、ある実施形態における一部の構成要素を、他の実施形態に追加することができる。また、ある実施形態における一部の構成要素を、他の実施形態の対応する構成要素と置換することができる。
【0081】
例えば、受付表RTには、配達日を示す情報を印刷するようにしてもよい。一例として、顧客CSから当日の宅配注文があった場合、受付表RTに当日分の宅配が有ることを示す情報を領域AR1と領域AR2の間に印刷するようにしてもよい。当日分の宅配が有ることを示す情報は、例えば、「宅配あり」といった表示でもよい。スタッフSTは、受付表RTに「宅配あり」と印刷されている場合、当日配送のために商品の容器への収納を急がなければならないことを認識することができる。なお、所定時刻以前に受け付けられた場合にのみ、当日の宅配注文を承るようにしてもよい。
【0082】
また、受付表RTの領域AR2内に、通い箱に入れる商品の点数、保冷箱に入れる商品の点数、ドライアイスが必要な冷凍用の箱に入れる商品の点数、宅配用の箱に入らない商品点数、宅配で配達する商品点数の合計を、それぞれ、「通い箱」、「保冷箱」、「冷凍」、「特殊」、「合計」に対応させて印刷又は記入できるようにしてもよい。このように各容器に収納する商品の点数を印刷することによって、商品を誤った容器に収納するミスを抑制することができる。このような情報は、商品清算時等に熟練したスタッフSTによって入力されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0083】
AR1乃至AR7 領域
AR40乃至AR49 領域
AR70乃至AR75 領域
BC1 レジ用会員様コード
BC2 積込用会員様コード
BC3 ロッカー用会員様コード
BC4 バーコード
CD カード
CR 受付控
CS 顧客
DB1乃至DB4 データベース
RC レシート
RG 専用レジ
RT 受付表
ST スタッフ
TE 専用端末
TR 車両
図1
図2
図3