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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】キャブおよび作業車両
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/16 20060101AFI20230913BHJP
【FI】
E02F9/16 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019179013
(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公開番号】P2021055379
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 靖也
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-063891(JP,A)
【文献】特開2004-245025(JP,A)
【文献】特開2008-063889(JP,A)
【文献】特開2003-090063(JP,A)
【文献】特開平09-291564(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席の側方に設けられるコンソールと、
支持部を有し、前記支持部によって、前記コンソールを、前記支持部から前方に向けて配置される第1姿勢と、前記支持部から上方に向けて配置される第2姿勢との間で回動可能に支持するベース部材と、
前記第1姿勢とされた前記コンソールと係合され、前記第2姿勢とされた前記コンソールから分離される係合部を有し、前記第1姿勢とされた前記コンソールの角度を調整可能なチルト機構とを備え
前記チルト機構は、前記係合部が一体に設けられ、回動可能な可動部をさらに有し、
前記可動部は、前記支持部によって回動可能に支持される、キャブ。
【請求項2】
前記可動部には、前記可動部の回動中心軸の軸方向に貫通し、前記可動部の回動中心軸の周方向に沿って長孔状に延びる貫通孔が設けられ、
前記チルト機構は、前記貫通孔に挿入され、前記ベース部材に接続される軸部材と、前記軸部材に嵌め合わされ、前記軸部材の軸方向において前記可動部の両側に配置される第1ワッシャおよび第2ワッシャとをさらに有する、請求項に記載のキャブ。
【請求項3】
前記可動部には、前記可動部の回動中心軸の周方向において互いに間隔を設けて並ぶ複数のピン挿入孔が設けられ、
前記チルト機構は、複数の前記ピン挿入孔のうちのいずれか1つに選択的に挿入されることによって、前記可動部を固定するピンをさらに有する、請求項1または2に記載のキャブ。
【請求項4】
前記ベース部材および前記コンソールに接続され、前記コンソールを、前記第1姿勢から前記第2姿勢に変化させるように付勢する付勢部材をさらに備える、請求項1からのいずれか1項に記載のキャブ。
【請求項5】
前記チルト機構に取り付けられ、前記第1姿勢とされた前記コンソールを検出するセンサをさらに備える、請求項1からのいずれか1項に記載のキャブ。
【請求項6】
請求項1からのいずれか1項に記載のキャブを備える、作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、キャブおよび作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特開平10-252100号公報(特許文献1)には、運転室を備えたホイールローダが開示されている。ホイールローダには、アームレストと一体のコンソールを、運転席に着座するオペレータの側方に配置される姿勢(通常姿勢)から、運転席に対して跳ね上げた姿勢(跳ね上げ姿勢)に変化させるための跳ね上げ機構と、通常姿勢とされたコンソールの角度を調整するためのチルト機構とが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-252100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1に開示されるホイールローダにおいて、跳ね上げ機構とチルト機構との関係によっては、チルト機構によるコンソールの角度調整に伴って、跳ね上げ姿勢とされたコンソールの傾きも変化する場合がある。このような場合、跳ね上げ姿勢とされたコンソールと、運転席の背もたれ等との干渉によって、コンソールの動作に制限が生じたり、跳ね上げ姿勢とされたアームレストの一部が、運転席に出入りするオペレータの動線に掛かったりする可能性がある。
【0005】
また、特許文献1に開示されたホイールローダでは、通常姿勢とされたコンソールを拘束する手段が設けられていない。この場合、ホイールローダの運転時に生じる振動などを理由に、通常姿勢とされたコンソールが位置ずれを起こす可能性がある。
【0006】
そこで本開示の目的は、跳ね上げ姿勢とされたコンソールの傾きを一定にするとともに、通常姿勢とされたコンソールが位置ずれを起こし難いキャブと、そのようなキャブを備える作業車両とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に従ったキャブは、コンソールと、ベース部材と、チルト機構とを備える。コンソールは、運転席の側方に設けられる。ベース部材は、支持部を有する。ベース部材は、支持部によって、コンソールを第1姿勢および第2姿勢の間で回動可能に支持する。コンソールは、第1姿勢において、支持部から前方に向けて配置される。コンソールは、第2姿勢において、支持部から上方に向けて配置される。チルト機構は、係合部を有する。係合部は、第1姿勢とされたコンソールと係合され、第2姿勢とされたコンソールから分離される。チルト機構は、第1姿勢とされたコンソールの角度を調整可能である。
【0008】
本開示に従った作業車両は、上記のキャブを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示に従えば、跳ね上げ姿勢とされたコンソールの傾きを一定にするとともに、通常姿勢とされたコンソールが位置ずれを起こし難いキャブと、そのようなキャブを備える作業車両とを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ホイールローダを示す側面図である。
図2図1中のキャブ内の運転席周りの構造(コンソールの通常姿勢時)を示す側面図である。
図3図1中のキャブ内の運転席周りの構造(コンソールの通常姿勢時)を示す前面図である。
図4図1中のキャブ内の運転席周りの構造(コンソールの跳ね上げ姿勢時)を示す側面図である。
図5図1中のキャブ内の運転席周りの構造(コンソールの跳ね上げ姿勢時)を示す前面図である。
図6】チルト機構により標準角度に調整されたコンソールを示す側面図である。
図7】チルト機構により前傾角度に調整されたコンソールを示す側面図である。
図8】チルト機構により後傾角度に調整されたコンソールを示す側面図である。
図9図6中のIX-IX線上の矢視方向に見たベース部材およびチルト機構を示す断面図である。
図10図6中のX-X線上の矢視方向に見たベース部材およびチルト機構を示す断面図である。
図11図6中の2点鎖線XIで囲まれた範囲を拡大して示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0012】
図1は、ホイールローダを示す側面図である。まず、ホイールローダ10の全体構造について説明する。
【0013】
図1に示されるように、ホイールローダ10は、フロントフレーム12と、リアフレーム14と、前輪27と、後輪28と、作業機16と、キャブ(運転室)30と、エンジンフード17とを有する。キャブ30は、運転席41を有する。
【0014】
以下の説明において、前後方向とは、キャブ30内の運転席41に着座したオペレータの前後方向である。運転席41に着座したオペレータの正面方向が、前方であり、運転席41に着座したオペレータの背後方向が、後方である。左右方向(側方)とは、運転席41に着座したオペレータの左右方向である。運転席41に着座したオペレータが正面を向いたときの右側が、右方であり、運転席41に着座したオペレータが正面を向いたときの左側が、左方である。上下方向とは、前後方向および左右方向を含む平面に直交する方向である。地面のある側が、下方であり、空のある側が、上方である。
【0015】
フロントフレーム12およびリアフレーム14により、アーティキュレート構造の車体フレームが構成されている。フロントフレーム12は、リアフレーム14の前方に設けられている。フロントフレーム12は、センターピン(不図示)により、リアフレーム14に回動可能に接続されている。リアフレーム14に対するフロントフレーム12の回動中心は、上下方向に延びる軸である。
【0016】
フロントフレーム12およびリアフレーム14は、ステアリングシリンダ(不図示)により連結されている。ステアリングシリンダは、左右一対に設けられている。ステアリングシリンダが伸縮駆動することによって、フロントフレーム12は、上記のセンターピンを中心に左右に回動する。
【0017】
前輪27および後輪28は、ホイールローダ10の走行輪である。前輪27は、フロントフレーム12に設けられている。前輪27は、左右一対に設けられている。後輪28は、リアフレーム14に設けられている。後輪28は、左右一対に設けられている。
【0018】
作業機16は、フロントフレーム12に設けられている。作業機16は、ブーム21と、バケット24と、ブームシリンダ25と、ベルクランク22と、バケットシリンダ26と、リンク23とを有する。
【0019】
キャブ30およびエンジンフード17は、リアフレーム14に設けられている。キャブ30は、作業機16の後方に設けられている。エンジンフード17は、キャブ30の後方に設けられている。エンジンフード17内には、作動油タンク、エンジン、油圧ポンプおよびエアクリーナなどが収容されている。
【0020】
キャブ30は、オペレータが搭乗する室内空間を区画形成している。キャブ30の側面には、ドア32が設けられている。ドア32は、キャブ30の左側面に設けられている。ドア32は、オペレータがキャブ30に入退室する時に開閉される。運転席41は、キャブ30が区画形成する室内空間に設けられている。オペレータは、キャブ30において、運転席41に着座してホイールローダ10を操作する。
【0021】
なお、本開示は、運転席が外部空間に設けられるタイプの作業車両のキャブにも適用可能である。
【0022】
図2は、図1中のキャブ内の運転席周りの構造(コンソールの通常姿勢時)を示す側面図である。図3は、図1中のキャブ内の運転席周りの構造(コンソールの通常姿勢時)を示す前面図である。
【0023】
図2および図3に示されるように、運転席41は、シートクッション43と、シートバック42と、ヘッドレスト44と、サスペンション機構部46とを有する。
【0024】
シートクッション43は、水平方向に横たわって設けられている。シートクッション43は、オペレータが腰をおろすシート部位である。シートバック42は、シートクッション43の後端部から上方に立ち上がるように設けられている。シートバック42は、オペレータの背凭れとなるシート部位である。ヘッドレスト44は、シートバック42の上端部に取り付けられている。ヘッドレスト44は、オペレータの頭を支えるシート部位である。
【0025】
サスペンション機構部46は、上下方向において、キャブ30の床面FLと、シートクッション43との間に設けられている。サスペンション機構部46は、シートクッション43を弾性的に支持している。
【0026】
キャブ30は、コンソール51をさらに有する。コンソール51は、運転席41の側方に設けられている。コンソール51は、運転席41の左側方に設けられている。コンソール51は、左右方向において、運転席41およびドア32(図1を参照のこと)の間に設けられている。コンソール51は、シートクッション43よりも上方に設けられている。コンソール51は、前後方向が長手方向となり、左右方向が短手方向となる長尺形状を有する。
【0027】
コンソール51は、メインフレーム52と、アームレスト53と、操作レバー支持部54と、操作レバー55と、下部フレーム57と、キャッチャー58とを有する。
【0028】
メインフレーム52は、前後方向に沿って延びる金属製のフレーム体からなる。アームレスト53は、メインフレーム52により支持されている。アームレスト53は、メインフレーム52の上方に設けられている。アームレスト53は、ウレタンフォーム等からなるクッション材を有しており、オペレータの肘掛けとして用いられる。
【0029】
操作レバー支持部54は、メインフレーム52の前端部に接続されている。操作レバー支持部54は、略直方体の外観をなしている。操作レバー支持部54は、キャブ30の床面FLを基準とする操作レバー支持部54の高さがメインフレーム52から前方に向かうほど低くなる前傾姿勢により設けられている。
【0030】
操作レバー55は、オペレータによってホイールローダ10を動作させるために操作される操作部である。操作レバー55は、傾倒操作されるレバー形状を有する。操作レバー55は、フロントフレーム12とリアフレーム14とを回動動作させるために操作される。操作レバー55は、操作レバー支持部54により支持されている。操作レバー55は、操作レバー支持部54の頂面から上方に向けて突出している。操作レバー55は、アームレスト53の前方に設けられている。操作レバー55は、作業機16を動作させるために操作される操作部であってもよい。
【0031】
下部フレーム57は、メインフレーム52と一体のフレーム体からなる。下部フレーム57は、メインフレーム52の底部に設けられている。下部フレーム57は、メインフレーム52から下方に向けて突出している。下部フレーム57は、アームレスト53の下方に設けられている。
【0032】
キャッチャー58は、下部フレーム57に取り付けられている。キャッチャー58は、下部フレーム57の下端部に設けられている。キャッチャー58は、アームレスト53の下方に設けられている。キャッチャー58は、操作レバー55および操作レバー支持部54よりも後方に設けられている。キャッチャー58は、爪部(不図示)を有しており、この爪部と、後述するストライカー73とが、係合可能である。
【0033】
なお、本開示におけるコンソールには、操作レバー等の操作部が設けられなくてもよい。本開示におけるコンソールには、アームレストが設けられなくてもよい。
【0034】
図4は、図1中のキャブ内の運転席周りの構造(コンソールの跳ね上げ姿勢時)を示す側面図である。図5は、図1中のキャブ内の運転席周りの構造(コンソールの跳ね上げ姿勢時)を示す前面図である。
【0035】
図2から図5に示されるように、キャブ30は、ベース部材61をさらに有する。ベース部材61は、コンソール51を支える土台として設けられている。ベース部材61は、サスペンション機構部46に接続されている。
【0036】
ベース部材61は、横板部62と、縦板部63と、後板部65(図5を参照のこと)と、対向部66と、支持部67とを有する。
【0037】
横板部62は、水平方向に平行な板形状を有する。横板部62は、サスペンション機構部46の上端部に締結されている。横板部62は、サスペンション機構部46の上端部から左方に張り出している。縦板部63は、左右方向に交わる板形状を有する。縦板部63は、横板部62の左端部から上方に向けて延在している。縦板部63は、運転席41の側方において前後方向に沿って延在している。
【0038】
後板部65は、前後方向に交わる板形状を有する。後板部65は、縦板部63の後端部から、左右方向において運転席41から遠ざかる方向に延在している。後板部65は、縦板部63の後端部から左方に向けて延在している。対向部66は、左右方向に交わる板形状を有する。対向部66は、後板部65の左端部から前方に向けて延在している。対向部66は、左右方向において縦板部63と間隔を設けて対向している。
【0039】
図5に示されるように、支持部67は、左右方向に沿って延びる軸形状を有する。支持部67は、円柱形状を有する。支持部67のその軸方向における一方端(右端部)は、縦板部63に接続され、支持部67のその軸方向における他方端(左端部)は、対向部66に接続されている。支持部67は、縦板部63および対向部66の間に掛け渡されている。
【0040】
図2から図5に示されるように、支持部67は、前後方向において、ベース部材61の後端部寄りの位置に設けられている。支持部67は、シートクッション43よりも後方に設けられている。支持部67は、シートクッション43よりも上方に設けられている。支持部67は、横板部62よりも上方に設けられている。
【0041】
ベース部材61は、支持部67によりコンソール51を回動可能に支持している。支持部67は、メインフレーム52に挿通されることによって(図5を参照のこと)、コンソール51を回動可能に支持している。コンソール51は、回動中心軸201を中心に回動可能である。支持部67は、回動中心軸201の軸上において延びている。
【0042】
コンソール51は、通常姿勢(図2および図3に示されるコンソール51の姿勢)と、跳ね上げ姿勢(図4および図5に示されるコンソール51の姿勢)との間で回動可能である。
【0043】
図2および図3に示されるように、通常姿勢において、コンソール51は、支持部67から前方に向けて配置されている。コンソール51は、運転席41に着座するオペレータの側方に配置されている。操作レバー55およびアームレスト53は、前後方向に並んでいる。アームレスト53は、前後方向において、操作レバー55および支持部67の間に位置している。
【0044】
運転席41に着座したオペレータがホイールローダ10を運転するとき、コンソール51は、通常姿勢とされている。運転席41に着座したオペレータがアームレスト53を肘掛けとして使用するとき、コンソール51は、通常姿勢とされている。運転席41に着座したオペレータが操作レバー55を操作するとき、コンソール51は、通常姿勢とされている。
【0045】
図4および図5に示されるように、跳ね上げ姿勢において、コンソール51は、支持部67から上方に向けて配置されている。コンソール51は、シートバック42に側方において、支持部67から上方に立ち上がるように設けられている。アームレスト53は、シートクッション43よりも後方に位置している。操作レバー55およびアームレスト53は、上下方向に並んでいる。アームレスト53は、上下方向において、操作レバー55および支持部67の間に位置している。
【0046】
オペレータが運転席41に出入りするとき、コンソール51は、跳ね上げ姿勢とされる。これにより、オペレータは、運転席41に出入りする動作を、コンソール51により阻害されることなく円滑に行なうことができる。
【0047】
図2および図4に示されるように、コンソール51の回動中心軸201と、キャブ30の床面FLとの間で延びる鉛直線251が想定されている。鉛直線251から、回動中心軸201を中心とする時計回りに角度が測定される場合に、回動中心軸201を中心に、鉛直線251と、跳ね上げ姿勢とされたコンソール51とがなす角度は、回動中心軸201を中心に、鉛直線251と、通常姿勢とされたコンソール51とがなす角度よりも大きい。
【0048】
図6は、チルト機構により標準角度に調整されたコンソールを示す側面図である。図7は、チルト機構により前傾角度に調整されたコンソールを示す側面図である。図8は、チルト機構により後傾角度に調整されたコンソールを示す側面図である。
【0049】
図6から図8に示されるように、キャブ30は、チルト機構71をさらに有する。チルト機構71は、通常姿勢とされたコンソール51の角度を調整可能なように構成されている。
【0050】
チルト機構71は、可動部72を有する。可動部72は、縦板部63に平行な板形状を有する。可動部72は、側方から縦板部63に重ね合わされている。縦板部63は、左右方向において、運転席41および可動部72の間に位置している。可動部72は、左右方向において、縦板部63および対向部66の間に位置している。可動部72は、通常姿勢とされたコンソール51の下方に設けられている。
【0051】
可動部72は、回動可能に構成されている。可動部72は、支持部67により回動可能に支持されている。支持部67は、可動部72に挿通されることによって(図5を参照のこと)、可動部72を回動可能に支持している。可動部72は、回動中心軸201を中心に回動可能である。
【0052】
チルト機構71は、取り付け台74と、ストライカー73と、第1ストッパー75とをさらに有する。取り付け台74は、可動部72から側方(左方)に向けて突出している。取り付け台74は、左右方向において、可動部72を挟んで縦板部63の反対側に設けられている。取り付け台74は、通常姿勢とされたコンソール51の下部フレーム57と上下方向に間隔を設けて対向している。
【0053】
ストライカー73は、可動部72と一体に設けられている。ストライカー73は、取り付け台74に取り付けられている。ストライカー73は、回動中心軸201からその半径方向に離れた位置に設けられている。ストライカー73およびキャッチャー58は、回動中心軸201を中心とする同一半径の円弧上に設けられている。ストライカー73は、取り付け台74から上方に向けて突出するバー形状を有する。
【0054】
ストライカー73は、通常姿勢とされたコンソール51と係合されている。ストライカー73は、通常姿勢とされたコンソール51のキャッチャー58と係合されている。キャッチャー58およびストライカー73の係合によって、コンソール51は、通常姿勢に保持されている。
【0055】
第1ストッパー75は、可動部72と一体に設けられている。第1ストッパー75は、取り付け台74に取り付けられている。第1ストッパー75は、ストライカー73よりも、回動中心軸201の半径方向内側に位置している。第1ストッパー75は、通常姿勢とされたコンソール51(下部フレーム57)と当接する。これにより、第1ストッパー75は、通常姿勢側のコンソール51の回動端を規定している。
【0056】
なお、ベース部材61には、跳ね上げ姿勢側のコンソール51の回動端を規定する第2ストッパー68が取り付けられている(図2を参照のこと)。コンソール51は、第1ストッパー75に当接する位置と、第2ストッパー68に当接する位置との間で回動可能である。コンソール51が回動する角度範囲は、可動部72が回動する角度範囲よりも大きい。
【0057】
図9は、図6中のIX-IX線上の矢視方向に見たベース部材およびチルト機構を示す断面図である。
【0058】
図6および図9に示されるように、可動部72には、複数のピン挿入孔76が設けられている。ピン挿入孔76は、左右方向において可動部72を貫通している。ピン挿入孔76は、回動中心軸201の軸方向において可動部72を貫通している。複数のピン挿入孔76は、互いに間隔を設けて並んでいる。複数のピン挿入孔76は、回動中心軸201の周方向において、互いに間隔を設けて並んでいる。
【0059】
キャブ30は、位置決めレバー96をさらに有する。位置決めレバー96は、ベース部材61に取り付けられている。位置決めレバー96は、可動部72を回動中心軸201の周方向にずれた複数の割り出し位置に位置決めするために、オペレータにより操作される。
【0060】
位置決めレバー96は、把持部97と、アーム部98と、ピン86とを有する。アーム部98は、左右方向において、縦板部63および運転席41の間に設けられている。アーム部98は、縦板部63により回動可能に支持されている。アーム部98は、回動中心軸206を中心に回動可能に支持されている。回動中心軸206は、上下方向に延びている。アーム部98は、回動中心軸206から前方に向けてアーム状に延びている。
【0061】
アーム部98の前端部には、把持部97が設けられている。把持部97は、シートクッション43の下方に設けられている。把持部97は、図6に示される側面視において、縦板部63から露出している。把持部97は、オペレータが把持可能な形状を有する。
【0062】
ピン86は、アーム部98に取り付けられている。ピン86は、アーム部98から縦板部63に進退可能に挿通され、さらに可動部72に向けて延びている。ピン86は、ピン挿入孔76に対して抜き差し可能に設けられている。ピン86は、複数のピン挿入孔76のうちのいずれか1つに選択的に挿入されることによって、可動部72を固定する。ピン86が複数のピン挿入孔76のうちのいずれか1つに選択的に挿入されることによって、回動中心軸201の周方向における可動部72の位置が保持される。
【0063】
コンソール51の角度調整時、オペレータが、把持部97を把持しつつ、位置決めレバー96を可動部72から遠ざかる方向(図9中の矢印217に示す方向)に回動させると、ピン86がピン挿入孔76から抜ける。オペレータは、可動部72を回動中心軸201を中心に回動させることによって、可動部72と一体に設けられたストライカー73を回動中心軸201の周方向に移動させる。
【0064】
次に、オペレータは、把持部97を把持しつつ、位置決めレバー96を可動部72に近づく方向(図9中の矢印218に示す方向)に回動させると、ピン86がピン挿入孔76に挿入される。これにより、可動部72が、ピン86が挿入されたピン挿入孔76の位置に対応する割り出し位置に位置決めされる。以上の操作により、キャッチャー58およびストライカー73が係合する位置が変化するため、通常姿勢におけるコンソール51の角度を調整することができる。
【0065】
代表的に、図6中には、コンソール51が、キャブ30の床面FLを基準とするアームレスト53の頂面の高さが前後方向に沿って一定となる標準角度に調整された場合が示されている。図7中には、コンソール51が、キャブ30の床面FLを基準とするアームレスト53の頂面の高さが前方に向かうほど低くなる前傾角度に調整された場合が示されている。図8中には、コンソール51が、キャブ30の床面FLを基準とするアームレスト53の頂面の高さが後方に向かうほど低くなる後傾角度に調整された場合が示されている。
【0066】
図4および図5に示されるように、キャッチャー58およびストライカー73の係合が解除され、コンソール51が跳ね上げ姿勢とされる。ストライカー73は、跳ね上げ姿勢とされたコンソール51から分離されている。ストライカー73は、跳ね上げ姿勢とされたコンソール51のキャッチャー58から分離されている。
【0067】
このような構成によれば、コンソール51が跳ね上げ姿勢とされた場合に、ストライカー73がコンソール51のキャッチャー58から分離されているため、通常姿勢とされたコンソール51の角度調整に伴って生じるストライカー73の位置の変化が、跳ね上げ姿勢とされたコンソール51の傾きに影響を与えるということがない。通常姿勢におけるコンソール51の調整角度に拘わらず、跳ね上げ姿勢とされたコンソール51の傾きを一定にすることができる。
【0068】
図2および図3に示されるように、コンソール51が通常姿勢とされた場合に、ストライカー73がコンソール51のキャッチャー58と係合されている。このような構成により、チルト機構71によってコンソール51を強固に固定することができる。結果、ホイールローダ10の運転時に過大な振動が生じた場合であっても、コンソール51が位置ずれを起こすことをより確実に防止できる。
【0069】
また、可動部72を回動可能に支持する部材として、コンソール51を回動可能に支持する支持部67が共用されている。このような構成により、チルト機構71における可動部72の支持機構を簡易に構成することができる。
【0070】
図6から図8に示されるように、キャブ30は、ガススプリング91をさらに有する。ガススプリング91は、ベース部材61およびコンソール51に接続されている。ガススプリング91は、コンソール51を、通常姿勢から跳ね上げ姿勢に変化させるように付勢している。
【0071】
ガススプリング91は、シリンダ側端部92と、ロッド側端部93とを有する。シリンダ側端部92は、ベース部材61に接続されている。シリンダ側端部92は、対向部66に回動可能に接続されている。シリンダ側端部92は、支持部67(回動中心軸201)よりも下方に位置している。ロッド側端部93は、コンソール51に接続されている。ロッド側端部93は、下部フレーム57に回動可能に接続されている。
【0072】
図2に示されるように、コンソール51が通常姿勢とされている場合、ガススプリング91は、シリンダ側端部92およびロッド側端部93間において前後方向に沿って延びている。図4に示されるように、コンソール51が跳ね上げ姿勢とされている場合、ガススプリング91は、シリンダ側端部92およびロッド側端部93間において上下方向に沿って延びている。
【0073】
図2および図4に示されるように、コンソール51が通常姿勢とされている場合のシリンダ側端部92およびロッド側端部93間のガススプリング91の長さは、コンソール51が跳ね上げ姿勢とされている場合のシリンダ側端部92およびロッド側端部93間のガススプリング91の長さよりも短い。
【0074】
コンソール51を通常姿勢から跳ね上げ姿勢に向けて回動させるとき、ロッド側端部93が、下部フレーム57とともに回動中心軸201の周方向に移動する。このとき、ガススプリング91は、内部に封入された圧縮ガスの反力によって、シリンダ側端部92およびロッド側端部93間の長さが増大するように伸張動作する。これにより、ガススプリング91からコンソール51に対して、コンソール51を通常姿勢から跳ね上げ姿勢に変化させる付勢力が作用する。
【0075】
このような構成によれば、オペレータは、ガススプリング91の付勢力によるアシストによって、コンソール51を通常姿勢から跳ね上げ姿勢に容易に動作させることができる。
【0076】
また、ガススプリング91のシリンダ側端部92およびロッド側端部93は、それぞれ、ベース部材61の対向部66およびコンソール51の下部フレーム57に接続されているため、ストライカー73とキャッチャー58との係合時であっても、ガススプリング91からの付勢力がチルト機構71に直接的に作用しない。このため、通常姿勢とされたコンソール51の角度調整を行なう場合に、オペレータは、ガススプリング91からの付勢力の影響を大きく受けることなく、チルト機構71の可動部72を回動動作させることができる。これにより、チルト機構71の操作が容易となる。
【0077】
図10は、図6中のX-X線上の矢視方向に見たベース部材およびチルト機構を示す断面図である。
【0078】
図6および図10に示されるように、可動部72には、貫通孔77が設けられている。貫通孔77は、左右方向において可動部72を貫通している。貫通孔77は、回動中心軸201の軸方向において可動部72を貫通している。貫通孔77は、回動中心軸201の周方向に沿って長孔状に延びている。回動中心軸201の周方向における貫通孔77の長さは、回動中心軸201の半径方向における貫通孔77の幅よりも大きい。
【0079】
貫通孔77は、複数のピン挿入孔76よりも、回動中心軸201の半径方向内側に位置している。
【0080】
チルト機構71は、ボルト78と、ナット83と、第1ワッシャ81および第2ワッシャ82と、カラー84とをさらに有する。
【0081】
ボルト78は、貫通孔77に挿入されている。ボルト78は、ナット83を用いて、ベース部材61に接続されている。
【0082】
ボルト78は、頭部79と、軸部80とを有する。軸部80は、左右方向に延びる軸形状を有する。軸部80は、回動中心軸201の軸方向に延びる軸形状を有する。軸部80の外周面には、雄ねじが設けられている。軸部80は、回動中心軸201の半径方向における貫通孔77の幅よりも小さい直径を有する。頭部79は、軸部80の端部に設けられている。頭部79は、軸部80よりも大きい直径を有する。
【0083】
軸部80は、可動部72を挟んで縦板部63の反対側から貫通孔77に挿入され、さらに縦板部63に挿通されている。ナット83は、縦板部63から突出する軸部80の部分に螺合されている。
【0084】
第1ワッシャ81および第2ワッシャ82は、中空の平板形状を有する。第1ワッシャ81および第2ワッシャ82は、軸部80に嵌め合わされている。第1ワッシャ81および第2ワッシャ82は、軸部80の軸方向において、可動部72の両側に配置されている。第1ワッシャ81および第2ワッシャ82は、軸部80の軸方向における両側から可動部72を挟持するように設けられている。
【0085】
第1ワッシャ81は、頭部79および可動部72の間に介挿されている。第2ワッシャ82は、可動部72および縦板部63の間に介挿されている。可動部72および縦板部63は、第2ワッシャ82により互いに非接触とされている。カラー84は、円筒形状を有する。カラー84は、軸部80に嵌め合わされている。カラー84は、軸部80の半径方向において、軸部80の外周面と、貫通孔77の内周面との間に介挿されている。カラー84は、軸部80の軸方向において、第1ワッシャ81および縦板部63の間に介挿されている。
【0086】
このような構成によれば、長孔形状を有する貫通孔77に挿入される軸部80と、軸部80の軸方向において可動部72の両側に配置される第1ワッシャ81および第2ワッシャ82とによって、可動部72を回動中心軸201の周方向に案内するとともに、回動中心軸201の軸方向において可動部72を保持することができる。これにより、チルト機構71における可動部72の支持機構を簡易に構成することができる。
【0087】
なお、本実施の形態では、本開示における軸部材がボルト78の軸部80である場合を説明したが、これに限られない。本開示における軸部材は、たとえば、スタッドボルトであってもよく、この場合に、スタッドボルトの両端の各々にナットが締め付けられる構成であってもよい。
【0088】
図11は、図6中の2点鎖線XIで囲まれた範囲を拡大して示す側面図である。図11中では、図6中のガススプリング91の図示が省略されている。
【0089】
図11に示されるように、キャブ30は、センサ121をさらに有する。センサ121は、通常姿勢とされたコンソール51を検出する。センサ121は、チルト機構71に取り付けられている。センサ121は、可動部72に取り付けられている。センサ121は、ストライカー73および第1ストッパー75よりも、回動中心軸201の半径方向内側に位置している。
【0090】
センサ121は、検出対象に接触することによって検出対象を検出する接触式センサである。コンソール51は、検出子111をさらに有する。検出子111は、メインフレーム52から下方に向けて突出している。センサ121は、検出子111と接触することによって、通常姿勢とされたコンソール51を検出する。
【0091】
このような構成によれば、ストライカー73が一体に設けられた可動部72にセンサ121が取り付けられるため、可動部72の割り出し位置に拘わらず、センサ121と、ストライカー73との位置関係は一定である。これにより、コンソール51の角度調整に関係なく、通常姿勢とされたコンソール51をセンサ121に確実に検出することができる。
【0092】
なお、本開示におけるセンサの種類は、上記の接触式に限られず、検出対象に接触することなく検出対象を検出する非接触式センサであってもよい。
【0093】
以上に説明した、本実施の形態におけるキャブ30およびホイールローダ10の構成および効果についてまとめて説明する。
【0094】
キャブ30は、コンソール51と、ベース部材61と、チルト機構71とを備える。コンソール51は、運転席41の側方に設けられる。ベース部材61は、支持部67を有する。ベース部材61は、支持部67によって、コンソール51を第1姿勢としての通常姿勢と、第2姿勢としての跳ね上げ姿勢との間で回動可能に支持する。コンソール51は、通常姿勢において、支持部67から前方に向けて配置される。コンソール51は、跳ね上げ姿勢において、支持部67から上方に向けて配置される。チルト機構71は、係合部としてのストライカー73を有する。ストライカー73は通常姿勢とされたコンソール51と係合され、跳ね上げ姿勢とされたコンソール51から分離される。チルト機構71は、通常姿勢とされたコンソール51の角度を調整可能である。
【0095】
このような構成によれば、ストライカー73は、跳ね上げ姿勢とされたコンソール51から分離されるため、チルト機構71におけるコンソール51の角度調整が跳ね上げ姿勢とされたコンソール51の傾きに影響を与えることを防止できる。これにより、跳ね上げ姿勢とされたコンソール51の傾きを一定にすることができる。また、ストライカー73は、通常姿勢とされたコンソール51と係合されるため、チルト機構71によってコンソール51を強固に固定することができる。これにより、通常姿勢とされたコンソール51が位置ずれを起こし難くなる。
【0096】
また、チルト機構71は、回動可能な可動部72をさらに有する。可動部72には、ストライカー73が一体に設けられる。
【0097】
このような構成によれば、可動部72が回動することによって、可動部72に一体に設けられたストライカー73も、可動部72の回動中心軸201の周方向に移動する。これにより、ストライカー73に対するコンソール51の係合位置が変化するため、通常姿勢とされたコンソール51の角度を調整することができる。
【0098】
また、可動部72は、支持部67によって回動可能に支持される。このような構成によれば、可動部72が、コンソール51と共通の支持部67によって回動可能に支持されるため、チルト機構71における可動部72の支持機構を簡易に構成することができる。
【0099】
また、可動部72には、貫通孔77が設けられる。貫通孔77は、可動部72の回動中心軸201の軸方向に貫通する。貫通孔77は、可動部72の回動中心軸201の周方向に沿って長孔状に延びる。チルト機構71は、軸部材としてのボルト78の軸部80と、第1ワッシャ81および第2ワッシャ82とをさらに有する。軸部80は、貫通孔77に挿入される。軸部80は、ベース部材61に接続される。第1ワッシャ81および第2ワッシャ82は、軸部80に嵌め合わされる。第1ワッシャ81および第2ワッシャ82は、軸部80の軸方向において可動部72の両側に配置される。
【0100】
このような構成によれば、簡易な構成により、回動中心軸201の周方向において可動部72を案内しつつ、回動中心軸201の軸方向において可動部72を保持することができる。
【0101】
また、可動部72には、複数のピン挿入孔76が設けられる。複数のピン挿入孔76は、回動中心軸201の周方向において互いに間隔を設けて並ぶ。チルト機構71は、ピン86をさらに有する。ピン86は、複数のピン挿入孔76のうちのいずれか1つに選択的に挿入されることによって、可動部72を固定する。
【0102】
このような構成によれば、オペレータは、ピン86をピン挿入孔76に抜き差しするだけの簡単な作業で、可動部72を固定したり、可動部72の固定を解除したりすることができる。このため、コンソール51の角度調整時におけるチルト機構71の操作性を向上させることができる。
【0103】
また、キャブ30は、付勢部材としてのガススプリング91をさらに備える。ガススプリング91は、ベース部材61およびコンソール51に接続される。ガススプリング91は、コンソール51を、通常姿勢から跳ね上げ姿勢に変化させるように付勢する。
【0104】
このような構成によれば、コンソール51を通常姿勢から跳ね上げ姿勢に変化させる動作を、ガススプリング91の付勢力によりアシストすることができる。また、ストライカー73が通常姿勢とされたコンソール51と係合された場合にも、ガススプリング91の付勢力がチルト機構71に直接的に作用しないため、チルト機構71によるコンソール51の角度調整を容易に行なうことができる。
【0105】
また、キャブ30は、センサ121をさらに備える。センサ121は、チルト機構71に取り付けられる。センサ121は、通常姿勢とされたコンソール51を検出する。
【0106】
このような構成によれば、センサ121がチルト機構71に取り付けられるため、チルト機構71によるコンソール51の角度調整を行なわれた場合に、センサ121の位置もコンソール51に対して同様に変化する。このため、コンソール51の角度調整に関係なく、通常姿勢とされたコンソール51をセンサ121により確実に検出することができる。
【0107】
作業車両としてのホイールローダ10は、キャブ30を備える。このような構成によれば、ホイールローダ10が、跳ね上げ姿勢とされたコンソール51の傾きを一定にするとともに、通常姿勢とされたコンソール51が位置ずれを起こし難いキャブ30を備えるため、オペレータによるキャブ30の使い勝手を良好にできる。
【0108】
なお、本開示は、ホイールローダのキャブに限られず、コンソールを備える各種作業車両のキャブに適用される。
【0109】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0110】
10 ホイールローダ、12 フロントフレーム、14 リアフレーム、16 作業機、17 エンジンフード、21 ブーム、22 ベルクランク、23 リンク、24 バケット、25 ブームシリンダ、26 バケットシリンダ、27 前輪、28 後輪、30 キャブ、32 ドア、41 運転席、42 シートバック、43 シートクッション、44 ヘッドレスト、46 サスペンション機構部、51 コンソール、53 アームレスト、52 メインフレーム、54 操作レバー支持部、55 操作レバー、57 下部フレーム、58 キャッチャー、61 ベース部材、62 横板部、63 縦板部、65 後板部、66 対向部、67 支持部、68 第2ストッパー、71 チルト機構、72 可動部、73 ストライカー、74 取り付け台、75 第1ストッパー、76 ピン挿入孔、77 貫通孔、78 ボルト、79 頭部、80 軸部、81 第1ワッシャ、82 第2ワッシャ、83 ナット、84 カラー、91 ガススプリング、92 シリンダ側端部、93 ロッド側端部、96 位置決めレバー、97 把持部、98 アーム部、111 検出子、121 センサ、201,206 回動中心軸、251 鉛直線。
図1
図2
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図4
図5
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図11