IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コイト電工株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-表示制御装置 図1
  • 特許-表示制御装置 図2
  • 特許-表示制御装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】表示制御装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 21/04 20060101AFI20230913BHJP
   B61D 37/00 20060101ALI20230913BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20230913BHJP
【FI】
G09F21/04 L
B61D37/00 G
H05B33/14 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019196312
(22)【出願日】2019-10-29
(65)【公開番号】P2021072170
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】390010054
【氏名又は名称】コイト電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 和弥
(72)【発明者】
【氏名】新山 博幸
(72)【発明者】
【氏名】荒木 貴之
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-070740(JP,A)
【文献】特開2000-241796(JP,A)
【文献】特開2021-056280(JP,A)
【文献】特開2018-025759(JP,A)
【文献】特開2016-191948(JP,A)
【文献】特開2005-122981(JP,A)
【文献】特開2005-067367(JP,A)
【文献】特開2009-014954(JP,A)
【文献】特開2012-126175(JP,A)
【文献】特開2017-178185(JP,A)
【文献】国際公開第2009/147880(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/013507(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0146204(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 13/00-13/46
21/04
B61D 37/00
H05B 33/00-33/28
39/00-39/10
44/00-45/60
47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の窓開口部に設けられる調光部と表示部とが重ねられて構成された表示装置を制御する表示制御装置において、
前記移動体の走行環境情報を取得する走行環境情報取得部と、
前記走行環境情報取得部が取得した前記走行環境情報に基づいて前記調光部の調光度を制御する制御部と、
を備え
前記表示装置が扉部に設けられ、
前記走行環境情報取得部は、前記扉部の開閉を示す扉開閉情報、前記移動体の運行情報及び前記移動体の走行速度に関する情報を取得し、
前記制御部は、前記扉開閉情報、前記運行情報及び前記走行速度に関する情報に基づいて前記調光部の調光度を制御する、
ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記走行環境情報取得部は、前記移動体外部の明るさを検出する光センサの検出情報を取得し、
前記制御部は、前記光センサの検出情報に基づいて前記調光部の調光度を制御する、
ことを特徴とする請求項に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示部は、エレクトロルミネッセンス素子により構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調光部と表示部とが貼り合わされて構成された表示装置を制御する表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、鉄道車両等の移動体においては、停車駅や広告等の情報表示は、客室の出入口上方に設置された表示装置により行われている。このような表示装置により、動画像が使用可能となり、運行状態に合わせた表示も可能となる。
【0003】
上記した表示装置が、鉄道車両の窓部に設けられる場合、表示部の背面から外光等が流入するため、映像の鮮明度が落ち、コントラスト比がよくないという問題が生じる。そこで、特許文献1に記載されているディスプレイ装置を適用することが考えられる。
【0004】
特許文献1には、透明なOLED発光素子を用いてディスプレイを行う第1パネル110と、第1パネルの背面に配置し、背面からの光を遮断または透過させる、高分子分散型液晶を用いた第2パネル120と、第2パネルを透明な状態または不透明な状態に切り替える制御部130とを備えることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-156635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1には、当該ディスプレイ装置を鉄道車両の窓等に適用した場合に適切な輝度で表示するための方法は何ら記載されていない。鉄道車両等の移動体は、様々な時間で様々な場所を移動するため、走行環境により適切な制御が必要となる。
【0007】
そこで、本発明は、移動体の窓開口部に設けられる調光部と表示部とが重ねられて構成された表示装置を適切な輝度で表示することができる表示制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた発明は、移動体の窓開口部に設けられる調光部と表示部とが重ねられて構成された表示装置を制御する表示制御装置において、前記移動体の走行環境情報を取得する走行環境情報取得部と、前記走行環境情報取得部が取得した前記走行環境情報に基づいて前記調光部の調光度を制御する制御部と、を備え、前記表示装置が扉部に設けられ、前記走行環境情報取得部は、前記扉部の開閉を示す扉開閉情報、前記移動体の運行情報及び前記移動体の走行速度に関する情報を取得し、前記制御部は、前記扉開閉情報、前記運行情報及び前記走行速度に関する情報に基づいて前記調光部の調光度を制御する、ことを特徴とする表示制御装置である。
【0011】
また、前記走行環境情報取得部は、前記移動体外部の明るさを検出する光センサの検出情報を取得し、前記制御部は、前記光センサの検出情報に基づいて前記調光部の調光度を制御する、ことを特徴とすることができる。
【0012】
また、前記表示部は、エレクトロルミネッセンス素子により構成されていることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、制御部が、走行環境情報取得部が取得した走行環境情報に基づいて調光部の調光度を調整するので、鉄道車両等の移動体の走行状況に基づいた適切な輝度で表示装置を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態にかかる表示制御装置と表示制御装置により制御される表示装置との機能構成図である。
図2図1に示された条件演算部の動作のフローチャートである。
図3】本発明の他の実施形態にかかる表示制御装置と表示制御装置により制御される表示装置との機能構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係る表示制御装置を図1図3を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る表示制御装置1と表示制御装置1により制御される表示装置2との機能構成図である。表示制御装置1と表示装置2は、鉄道車両に搭載されている。そして、表示装置2は、例えば客室内の出入口の扉部に形成された窓開口部に設けられ、表示制御装置1は、扉部内に設けられている。なお、以下の実施形態は移動体として鉄道車両で説明するが、予め定められた運行計画に沿って運行される移動体であればバス等であってもよい。
【0016】
表示制御装置1は、条件演算部11と、運行データ格納部12と、表示制御部13と、調光制御部14と、を備えている。
【0017】
条件演算部11は、運行データ格納部12に格納されている運行データと、鉄道車両の速度を示す速度信号と、扉の開閉状態を示す扉開閉信号と、鉄道車両の外部の明るさを検出する光センサの出力信号と、に基づいて表示装置2の調光部22の調光度を調整する。即ち、条件演算部11は、鉄道車両の走行環境情報を取得する走行環境情報取得部として機能し、さらに、走行環境情報に基づいて調光部22の調光度を調整する制御部として機能する。そして、運行データは運行情報、速度信号は走行速度に関する情報、扉開閉信号は扉開閉情報、光センサ出力信号が光センサの検出情報となり、これらの情報は走行環境情報となる。
【0018】
運行データ格納部12は、当該鉄道車両が属する列車の運行データが格納されている。運行データには、列車番号、行先、停車駅、種別、設定地点及び調光設定データ等が含まれる。列車番号は、ダイヤグラム上当該鉄道車両が属する列車に付与される固有の番号である。行先は、当該列車番号が付与された列車の行先である。停車駅は、当該列車番号が付与された列車の停車駅である。種別は、当該列車番号が付与された列車の各駅停車や急行等の種別である。設定地点は、トンネル等の施設や地点(ポイント)について、例えば駅からの距離が設定されている。本実施形態では、設定地点として後述する調光制御を行う地点(ポイント)も設定されている。調光設定データは、後述する調光部22の調光度の設定データである。
【0019】
また、運行データ格納部12には、表示装置2の表示部21に表示される表示データも含まれている。また、運行データ格納部12は、上記したようにデータの性質上変更される場合があるので、更新可能となっているのが好ましい。例えば、運行データ格納部12は半導体メモリ等で構成されてもよく、その場合は、外部と通信する手段を有し、通信により書き換え可能とすればよい。本実施形態は扉部に表示制御装置1が設けられているので、通信手段は有線でもよいが無線で行うのが好ましい。また、本実施形態では運行データを表示制御装置1内に予め格納しているが、例えば必要に応じて鉄道車両内の他装置や外部サーバや等からダウンロード等により取得するようにしてもよい。
【0020】
表示制御部13は、条件演算部11が運行データ格納部12から読みだした表示データを表示装置2への出力形式に合わせて変換して出力する。
【0021】
調光制御部14が、条件演算部11が出力した調光データに基づいて表示装置2の調光部22の調光度を調整する。
【0022】
表示装置2は、表示部21と、調光部22と、を備えている。表示部21は、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイで構成されている。表示部21は、表示制御部13から出力された表示データを鉄道車両の客室内へ向けて表示する。本実施形態のELディスプレイは、画像等が非表示の際は透明となる周知の透明ディスプレイである。本実施形態は、画像等が非表示時には窓としても機能させるため、透明ディスプレイとしている。なお、透明ディスプレイであれば、ELディスプレイに限らず、液晶ディスプレイ等他の種類のディスプレイであってもよい。
【0023】
調光部22は、表示部21の裏側(鉄道車両の外側)に位置するように重ねて貼り合わされて設けられている。調光部22は、光透過率を変更可能なガラスであり、例えば2枚のガラスと、2枚のガラスの間に形成された光透過率が可変な材料からなる層と、から構成されている。光透過率が可変な材料は、例えば、液晶やEC(エレクトロクロミック)といった電圧の印加/非印加によって光透過率を変化させることが可能な材料である。そして、このような材料からなる層は、2枚のガラスに形成された透明基板から電圧が印加されることで、調光部22としての光透過率が制御される。つまり、光透過率を変化させることで調光度を変化させることができる。
【0024】
速度信号は、例えば鉄道車両に設けられている速度発電機等の速度検出手段が出力する信号である。扉開閉信号は、表示装置2が設けられる扉の開閉を示す信号である。光センサ出力信号は、例えば表示装置2が設けられる窓開口部等に設けられた光センサの出力する信号である。光センサは、鉄道車両の外部の明るさが検出できる位置に設置されていればよい。また、光センサは、鉄道車両の外部の明るさが検出できるものであれば、既存のセンサを利用してもよい。
【0025】
次に、上述した構成の表示制御装置1の動作について図2に示したフローチャートを参照して説明する。図2に示したフローチャートは主に条件演算部11で実行される。
【0026】
まず、条件演算部11は、運行データによる表示制御が有りか判断する(ステップS1)。これは、運行データによる表示制御を行うか否か例えば運転台等から設定可能とし、その設定を参照して判断している。運行データによる表示制御が無しの場合は(ステップS1:No)、後述するステップS9に進む。
【0027】
一方、運行データによる表示制御が有りの場合は(ステップS1:Yes)、条件演算部11は、運行データを認識中か判断する(ステップS2)。運行データが運行データ格納部12に格納されていない等により運行データが認識中でない場合は後述するステップS9に進む。
【0028】
一方、運行データが認識中である場合は(ステップS2:Yes)、条件演算部11は、運行データ内の調光制御ポイントが現在の走行ポイントか判断する(ステップS3)。このステップS3では、条件演算部11が、運行データに設定された調光制御を行う地点(調光ポイント)であるかを、扉が閉まってから速度信号が示す走行速度を基に走行距離を演算して求めた走行ポイントと比較して判断している。つまり、扉開閉信号が扉部が閉じたことを示した後から速度信号に基づいて駅からの距離(扉部が閉まってからの距離)を求めている。そして、求めた距離と調光制御ポイントとを比較している。このような調光制御ポイントとしては、例えばトンネルが挙げられる。
【0029】
調光制御ポイントが現在の走行ポイントと一致する場合は(ステップS3:Yes)、条件演算部11は、運行データにて指示される調光設定データは直値か判断する(ステップS4)。調光設定データが直値とは、調光設定データに指定されている値がそのまま調光部22の調光度を示すデータであることを意味する。この調光設定データに設定される調光度は、当該地点の特性(トンネル等)に基づくに限らず、表示するコンテンツの内容に応じて設定してもよいし、地点特性とコンテンツの内容の双方に基づいて設定してもよい。
【0030】
調光設定データが直値である場合は(ステップS4:Yes)、条件演算部11は、光センサ使用フラグをOFFに設定し、運行データに指示される調光設定データにて調光制御を行う(ステップS5)。つまり、調光設定データが示す調光度を調光制御部14に出力する。そして、調光制御部14は、条件演算部11から得た調光度に基づいて調光部22の調光度を調整(制御)する。
【0031】
一方、調光設定データが直値でない場合は(ステップS4:No)、条件演算部11は、光センサ使用フラグをONに設定する(ステップS6)。以降は光センサ出力信号に基づいて調光制御が行われる。
【0032】
また、調光制御ポイントが現在の走行ポイントと一致しない場合は(ステップS3:No)、条件演算部11は、光センサ使用フラグがOFFか判断する(ステップS7)。光センサ使用フラグがOFFの場合は(ステップS7:Yes)、条件演算部11は、前回の制御状態を維持する(ステップS8)。つまり、前回の制御状態が運行データによる場合は運行データにより制御し、前回の制御状態が光センサの場合は光センサにより制御する。
【0033】
また、ステップS1がNo、ステップS2がNo、光センサ使用フラグがONのいずれかの場合は(ステップS7:No)、条件演算部11は、光センサ入力値(光センサ出力信号)が条件テーブルに合致しているか判断する(ステップS9)。つまり、光センサ出力信号に基づいて調光制御を行う。条件テーブルとは、以下に示すように、日中、夕方、夜等の時間帯や晴れ、曇り等の天候に応じて設定されたテーブルであり、条件演算部11は、この条件テーブルに光センサが出力した信号(輝度)が合致しているか判断している。
【0034】
ステップS9の判断によって、光センサ検出輝度が晴れの日中を示す輝度よりも高い場合は、条件演算部11は、調光部22の濃さを100%に制御する(ステップS10)。つまり、条件演算部11は、調光制御部14に対して調光度を最も外光を通さない状態(100%)とするように指示する。
【0035】
ステップS9の判断によって、光センサ検出輝度が曇りの日中を示す輝度より高く、かつ、晴れの日中を示す輝度未満である場合は、条件演算部11は、調光部22の濃さを80%に制御する(ステップS11)。つまり、条件演算部11は調光制御部14に対して調光度を80%とするように指示する。
【0036】
ステップS9の判断によって、光センサ検出輝度が夕方を示す輝度より高く、かつ、曇りの日中を示す輝度未満である場合は、条件演算部11は、調光部22の濃さを60%に制御する(ステップS12)。つまり、条件演算部11は調光制御部14に対して調光度を60%とするように指示する。
【0037】
ステップS9の判断によって、光センサ検出輝度が夜を示す輝度未満である場合は、条件演算部11は、調光部22の濃さを0%に制御する(ステップS13)。つまり、条件演算部11は調光制御部14に対して調光度を外光を全て通す状態(0%)とするように指示する。なお、ステップS12とステップS13との間に1ないし複数ステップを設けて、0%から60%まで間の調光度に制御するようにしてもよい。
【0038】
そして、光センサの入力値が条件テーブルに合致しない(条件範囲外)場合は、条件演算部11は、デフォルトで定義した割合に調光部22の濃さ(調光度)を制御する(ステップS14)。
【0039】
上述したステップS10~S13では、調光部22の濃さ(調光度)は段階的に調整していたが、光センサの輝度値に応じてリニアに調光度を調整するようにしてもよい。
【0040】
また、図2のフローチャートでは、運行データと光センサの使用を分けていたが、組み合わせてもよい。例えば、運行データに設定された直値をベースとして、光センサの検出結果によって直値を微調整するような構成でもよい。
【0041】
本実施形態によれば、表示制御装置1は、条件演算部11が、鉄道車両の走行環境情報としての運行データ、速度信号、扉開閉情報、光センサ出力信号に基づいて調光部22の調光度を調整しているので、走行位置や時間帯、天候等に応じて調光度を調整することが可能となり、表示装置2に表示された内容が、外光等によりコントラスト比が低下して視認性が下がることがなくなり、適切な輝度で表示することが可能となる。また、自動的に調光度が切り替わるため、乗務員等の負担が軽減される。
【0042】
また、条件演算部11が運行データを取得しているので、トンネル等の調光すべき地点において適切に調整することができる。また、条件演算部11が鉄道車両の走行速度に関する情報を取得しているので、例えば駅からの距離を算出することが可能となり、調光すべき地点を容易に検出することができる。また、GPSといった位置検出手段も不要となる。
【0043】
また、条件演算部11が扉開閉信号を取得しているので、扉開閉信号に基づいて鉄道車両の発車や停車を検出することができる。
【0044】
また、表示装置2が扉部に設けられているので、乗客の目を引く位置で各種情報を表示することができる。
【0045】
また、表示部21が、ELディスプレイで構成されているので、自発光表示手段であり、バックライト等が不要で、表示部21を薄く構成することができる。
【0046】
なお、上述した実施形態では、表示装置2だけでなく表示制御装置1も扉部に設けられていたが、図3に示すような構成であってもよい。図3に示した構成は、扉部100には、表示装置2と、第2制御装置1bと、が設けられている。図3に示した第1制御装置1aは、扉部100以外の鉄道車両内に設けられている。
【0047】
図3において、運行データ格納部12、表示制御部13、調光制御部14は図1で説明したものと同様である。第1制御装置1aの第1条件演算部11aは、図1で説明した条件演算部11に相当する制御を行う。つまり、図2のフローチャートを実行する。第2制御装置1bの第2条件演算部11bは、第1条件演算部1aから送信された表示制御に関する情報(表示内容等)や調光制御に関する情報(調光度等)を受信して、表示制御部13及び調光制御部14に出力する。
【0048】
図3に示した構成は、扉部100に設けられる第2制御装置1bが最低限の構成とすることができるので、第2制御装置1bを小型化することができ、扉部内における配置も容易となる。また、第1制御装置1aは、複数の表示装置2の制御をすることも可能となる。
【0049】
また、上述した実施形態では、扉開閉信号により扉部が閉まったことを検出して駅からの距離を求めていたが、他の方法で駅からの発車を検出してもよい。例えば、速度が0km/hから変化したのを検出する等としてもよい。この場合は、扉開閉信号が不要となる。
【0050】
また、上述した実施形態では、扉部に表示装置2が設けられる例で説明したが、扉部に限らず、客室内の窓部に設けてもよい。さらには、運転台の正面に設けられた窓等に表示装置2を設けることで、ヘッドアップディスプレイのように利用することもできる。
【0051】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の表示制御装置の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0052】
1 表示制御装置
11 条件演算部(走行環境取得部、制御部)
12 運行データ格納部(運行情報)
2 表示装置
21 表示部
22 調光部
図1
図2
図3