(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 25/00 20060101AFI20230913BHJP
【FI】
F25D25/00 E
F25D25/00 G
(21)【出願番号】P 2019214601
(22)【出願日】2019-11-27
【審査請求日】2022-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】早川 隆人
(72)【発明者】
【氏名】守谷 雅秀
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-022353(JP,A)
【文献】特開平11-142050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の貯蔵室を備える本体と、
前記貯蔵室に収容されている下段容器と、
前記貯蔵室に収容されており、前記下段容器の上部に設けられている上段容器と、
前記上段容器又は前記下段容器を載置する載置部と、を備え、
前記上段容器及び前記下段容器のうち前記載置部に載置される容器である特定容器には、第1収容領域と、前記第1収容領域とは異なる第2収容領域が設けられており、
前記特定容器は、第1状態、及び、前記第1状態に対して、前記特定容器の前後及び左右を反転させた状態にある第2状態のいずれの状態においても、前記載置部に載置可能に構成されて
おり、
前記載置部には、前記載置部に対して、前記特定容器を位置決めするための第1位置決め部が設けられており、
前記特定容器には、前記第1位置決め部に対応する第2位置決め部であって、前記第1状態及び前記第2状態のいずれの状態においても、前記第1位置決め部上に配置させることが可能な前記第2位置決め部と、前記第1位置決め部に対応し、前記第2位置決め部と前後方向に並んで配置されている第3位置決め部であって、少なくとも前記第1状態において、前記第1位置決め部上に配置させることが可能な前記第3位置決め部と、が設けられている、冷蔵庫。
冷蔵庫。
【請求項2】
前記特定容器は、前記特定容器の底部を画定する底壁を備え、
前記底壁は、前記第1収容領域の底部を画定する第1底壁と、前記第2収容領域の底部を画定する第2底壁と、を備え、
上下方向において、前記第2底壁は、前記第1底壁よりも下方に位置している、請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記特定容器は、
前記特定容器の底部を画定する底壁と、
前記底壁から上方に延びる複数の側壁
と、
前記複数の側壁及び前記底壁のうちの少なくとも1個の壁に接続され、前記特定容器内を前記第1収容領域と前記第2収容領域に分割する分割壁
と、を備える、請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記特定容器は、
前記特定容器の底部を画定する底壁と、
前記底壁から上方に延びる複数の側壁
と、
前記複数の側壁及び前記底壁のうちの少なくとも1個の壁に接続され、前記特定容器内を前記第1収容領域と前記第2収容領域に分割する分割壁
と、を備
え、
前記第1収容領域の底部を画定する第1底壁と、前記第2収容領域の底部を画定する第2底壁と、の上下方向の位置が一致する、請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記少なくとも1個の壁は、前記底壁を含む、請求項4に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記少なくとも1個の壁は、前記複数の側壁のうちの特定の側壁を含み、
上下方向において、前記分割壁と前記
特定の側壁との接続部における前記分割壁の上端の位置と、前記接続部における前記
特定の側壁の上端の位置と、は同じである、請求項3
~5のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記分割壁の上面は、前記分割壁が延びる方向に沿って傾斜している、請求項3~6のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記特定容器は、
前記特定容器の底部を画定する底壁と、
前記底壁から上方に延び、第1取っ手部を有する第1側壁と、
前記底壁から上方に延び、第2取っ手部を有し、前記第1側壁に対向する第2側壁と、を備え、
上下方向において、前記第1取っ手部の位置と前記第2取っ手部の位置とが一致する、請求項1~
7のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記第1状態において、前記第2位置決め部は、前記第3位置決め部よりも後方に位置しており、
前記第3位置決め部は、
前記第1状態において、前記第1位置決め部上に配置させることが可能であり、
前記第2状態において、前記第1位置決め部上に配置させることができない、請求項1~8のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の貯蔵室を備える本体と、貯蔵室に収容されている下段容器と、貯蔵室に収容されており、下段容器の上部に設けられている上段容器と、を備える冷蔵庫が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
冷蔵庫において、上段容器又は下段容器が、第1収容領域と、第1収容領域とは異なる第2収容領域と、を備えている場合がある。この場合において、第1収容領域と第2収容領域を備える容器の載置状態を変更させ、当該容器内の第1収容領域と第2収容領域の配置を変更できることが望ましい。
【0005】
本明細書では、冷蔵庫において、第1収容領域と第2収容領域を備える容器の載置状態を変更させ、当該容器内の第1収容領域と第2収容領域の配置を容易に変更することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示する冷蔵庫は、複数の貯蔵室を備える本体と、前記貯蔵室に収容されている下段容器と、前記貯蔵室に収容されており、前記下段容器の上部に設けられている上段容器と、前記上段容器又は前記下段容器を載置する載置部と、を備える。前記上段容器及び前記下段容器のうち前記載置部に載置される容器である特定容器には、第1収容領域と、前記第1収容領域とは異なる第2収容領域が設けられている。前記特定容器は、第1状態、及び、前記第1状態に対して、前記特定容器の前後及び左右を反転させた状態にある第2状態のいずれの状態においても、前記載置部に載置可能に構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施例に係る冷蔵庫を前方から見た全面図である。
【
図2】第1実施例に係る冷蔵庫を左方から見た断面図である。
【
図3】第1実施例において、第1載置状態における第1上段容器及び第1下段容器の斜視図である。
【
図4】第1実施例において、第1載置状態における第1上段容器及び第1下段容器を左方から見た断面図である。
【
図5】第1実施例において、第2載置状態における第1上段容器及び第1下段容器の斜視図である。
【
図6】第1実施例において、第2載置状態における第1上段容器及び第1下段容器を左方から見た断面図である。
【
図7】第2実施例において、第1載置状態における第1上段容器及び第1下段容器の斜視図である。
【
図8】第2実施例において、第1載置状態における第1上段容器及び第1下段容器を前方から見た断面図である。
【
図9】第2実施例において、第2載置状態における第1上段容器及び第1下段容器の斜視図である。
【
図10】第2実施例において、第2載置状態における第1上段容器及び第1下段容器を前方から見た断面図である。
【
図11】第3実施例において、第1載置状態における第1上段容器及び第1下段容器の斜視図である。
【
図12】第3実施例において、第2載置状態における第1上段容器及び第1下段容器の斜視図である。
【
図13】第3変形例において、第1載置状態における第1上段容器及び第1下段容器の斜視図である。
【
図14】第4変形例において、第1載置状態における第1上段容器及び第1下段容器の斜視図である。
【
図15】第5変形例において、第1載置状態における第1上段容器及び第1下段容器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施例)
(冷蔵庫10の構成)
図面を参照して、実施例の冷蔵庫10について説明する。
図1、2に示すように、冷蔵庫10は、断熱性を有する本体12と、回動扉30と、引出扉32、34、36、38を備えている。以下では、冷蔵庫10の奥行き方向を前後方向といい、冷蔵庫10の長手方向を上下方向といい、前後方向及び上下方向に直交する方向を左右方向という。また、冷蔵庫10の前後方向において、本体12の正面側を「前方」といい、本体12の裏面側を「後方」という。
【0009】
(本体12の構成)
図1、
図2に示すように、本体12には、その内部に、冷蔵室20、野菜室22、製氷室24、上部冷凍室26、及び、下部冷凍室28が設けられている。冷蔵室20と野菜室22は、冷蔵温度帯の貯蔵室であり、製氷室24と上部冷凍室26と下部冷凍室28は、冷凍温度帯の貯蔵室である。
【0010】
各貯蔵室20、22、26、28は、上から下に向かって、冷蔵室20、野菜室22、上部冷凍室26、下部冷凍室28の順に並んでいる。製氷室24の上下方向の位置は、上部冷凍室26の上下方向の位置と同じである。
【0011】
(回動扉30、及び、引出扉32、34、36、38の構成)
図1に示すように、回動扉30は、右扉30aと、左扉30bと、を備えている。右扉30a及び左扉30bは、ぞれぞれ、本体12に回動可能に支持されている。右扉30a及び左扉30bは、いわゆる観音開き式の扉である。右扉30a及び左扉30bが回動することによって、冷蔵室20の前面開口20a(
図2参照)が開放される開放状態と、冷蔵室20の前面開口20aが閉塞される閉塞状態が切り替えられる。
【0012】
図2に示す引出扉32、34、36、38は、スライド式の扉である。ユーザは、引出扉32、34、36、38を前後方向にスライドさせることができる。引出扉32、34、38を前後方向にスライドさせることによって、各貯蔵室22、24、28の前面開口22a、24a、28a(
図2参照)が開放される開放状態と、各貯蔵室22、24、28の前面開口22a、24a、28aが閉塞される閉塞状態と、が切り替えられる。また、製氷室24に対応する引出扉36を前後方向にスライドさせることによって、製氷室24の前面開口(図示省略)が開放される開放状態と、製氷室24の前面開口が閉塞される閉塞状態と、が切り替えられる。
【0013】
図2に示すように、引出扉32には、第1下段容器40が取付けられている。また、第1下段容器40上には、第1上段容器42が載置されている。ユーザは、引出扉32を前後方向にスライドさせることで、第1下段容器40及び第1上段容器42を前後方向にスライドさせることができる。第1下段容器40及び第1上段容器42については後で詳しく説明する。
【0014】
引出扉36には、食品を収容する収容容器50が取付けられている。ユーザは、引出扉36を前後方向にスライドさせることで、収容容器50を前後方向にスライドさせることができる。
【0015】
引出扉38には、第2下段容器60が取付けられている。また、第2下段容器60上には、第2上段容器62が載置されている。第2下段容器60、第2上段容器62は、サイズが異なる点を除いて、それぞれ、第1下段容器40、第1上段容器42と同様の構造を有する。ユーザは、引出扉38を前後方向にスライドさせることで、第2下段容器60及び第2上段容器62を前後方向にスライドさせることができる。
【0016】
(第1下段容器40、第1上段容器42の構成)
図3(a)、
図4に示すように、第1下段容器40は、底壁70と、前壁72と、左壁74と、後壁76と、右壁78を備えている。各壁70、72、74、76、78によって、第1下段容器40内の収容領域が画定される。
【0017】
図4に示すように、第1下段容器40の前壁72の上端は、後壁76の上端よりも上方に位置する。
図3(a)に示すように、第1下段容器40の左壁74の上部には、左壁74から左方に延びる延伸部80が設けられている。
図3(b)に示すように、延伸部80には、上方に突出する凸部82が設けられている。また、第1下段容器40の右壁78の上部には、右壁78から右方に延びる延伸部84が設けられている。そして、延伸部84には、凸部82と同様の構造を有する凸部が設けられている。延伸部80に設けられている凸部82と延伸部84に設けられている凸部の前後方向及び上下方向の位置は一致する。
【0018】
図3(a)、
図5に示すように、第1上段容器42は、底壁90と、第1側壁92と、第2側壁94と、第3側壁96と、第4側壁98と、を備えている。第1側壁92~第4側壁98は、底壁90から上方に延びている。第1側壁92と第2側壁94は、前後方向において対向しており、第3側壁96と第4側壁98は、左右方向において対向している。底壁90によって、第1上段容器42の底部が画定される。底壁90、第1側壁92、第2側壁94、第3側壁96、及び、第4側壁98によって、第1上段容器42内の収容領域が画定される。なお、
図3(a)の状態では、第1側壁92、第3側壁96、第2側壁94、第4側壁98が、それぞれ、「前壁」、「左壁」、「後壁」、「右壁」を構成している。また、
図5の状態では、第2側壁94、第4側壁98、第1側壁92、第3側壁96が、それぞれ、「前壁」、「左壁」、「後壁」、「右壁」を構成している。即ち、
図5は、
図3(a)の第1上段容器42を、前後及び左右に反転させた状態を示す図である。なお、以下では、
図3(a)の第1上段容器42の状態、
図5の第1上段容器42の状態を、それぞれ、「第1状態」、「第2状態」と記載する。また、第1状態の第1上段容器42が第1下段容器40に載置されている状態(即ち
図3(a)の状態)、第2状態の第1上段容器42が第1下段容器40に載置されている状態(即ち、
図5の状態)を、それぞれ、「第1載置状態」、「第2載置状態」と記載する。
【0019】
図4に示すように、第1上段容器42の底壁90は、第1底壁90aと第2底壁90bで構成されている。第1底壁90aは、第1側壁92側(
図4では前方側)に設けられており、第2底壁90bは、第2側壁94側(
図4では後方側)に設けられている。上下方向において、第2底壁90bは、第1底壁90aよりも下方に位置している。第1底壁90a及び第2底壁90bによって、第1上段容器42内の収容領域が、第1側壁92側の第1収容領域R1と、第2側壁94側の第2収容領域R2と、に分割される。即ち、第1底壁90aによって第1収容領域R1の底部が画定され、第2底壁90bによって第2収容領域R2の底部が画定される。第1上段容器42が第1下段容器40上に載置されている状態において、第2底壁90bは、第1下段容器40の後壁76の上端よりも上方に位置する。
【0020】
図3(a)に示すように、第1側壁92は、第1中央部92aと、第1中央部92aの左右に配置される第1外側部92bと、を備えている。上下方向において、第1中央部92aの上端は、第1外側部92bの上端よりも下方に位置する。第1中央部92aの上部には、第1取っ手部93が設けられている。
図4に示すように、第1取っ手部93は、凹部形状を有し、ユーザが指を引っ掛けることができる。また、
図5に示すように、第2側壁94は、第2中央部94aと、第2中央部94aの左右に配置される第2外側部94bと、を備えている。上下方向において、第2中央部94aの上端は、第2外側部94bの上端よりも下方に位置する。
図5に示すように、第2中央部94aの上部には、第2取っ手部95が設けられている。
図6に示すように、第2取っ手部95は、凹部形状を有し、ユーザが指を引っ掛けることができる。第1側壁92の第1中央部92aの高さと、第2側壁94の第2中央部94aの高さは同じである。即ち、上下方向において、第1取っ手部93の位置と第2取っ手部95の位置は同じである。
【0021】
図3(a)に示すように、第1上段容器42の第3側壁96には、第3側壁96の外側(
図3(a)では右方)に延伸する第1延伸部100及び第2延伸部102が設けられている。第1載置状態において、第1延伸部100は、第2延伸部102よりも後方に設けられている。
図3(b)に示すように、第1延伸部100には、第1下段容器40の凸部82に対応する形状を有する凹部104が設けられている。凹部104内に凸部82に配置されている状態では、第1上段容器42が第1下段容器40に対して意図せず移動することが抑制される。即ち、凹部104及び凸部82は、第1下段容器40に対する第1上段容器42の位置決めのために利用されるとともに、第1下段容器40に対する第1上段容器42の相対的な移動を規制するために利用される。第2延伸部102にも、凹部104が設けられている。このため、第2延伸部102に設けられている凹部104内に第1下段容器40の凸部82を配置させることもできる。
【0022】
図5に示すように、第4側壁98には、第4側壁98の外側(
図5では右方)に延伸する第3延伸部106と第4延伸部108が設けられている。第3延伸部106、第4延伸部108は、それぞれ、第3側壁96に設けられている第1延伸部100、第2延伸部102と同様の構造を有する。即ち、第3延伸部106及び第4延伸部108にも、凹部104が設けられている。また、第1延伸部100の前後方向の位置は第3延伸部106の前後方向の位置と一致し、第2延伸部102の前後方向の位置は第4延伸部108の前後方向の位置と一致する。このため、第1上段容器42が、第1状態及び第2状態のいずれの状態においても、第1下段容器40上に載置することができる。なお、本実施例において「載置」とは、第1上段容器42の延伸部100、106の凹部104内に第1下段容器40の延伸部80、84の凸部82が配置されている状態を示す。
【0023】
第1載置状態を示す
図3(a)では、第1収容領域R1が前側に配置され、第2収容領域R2が後側に配置される。一方、第2載置状態を示す
図5では、第2収容領域R2が前側に配置され、第1収容領域R1が後側に配置される。
【0024】
上述のように、
図1~
図6に示すように、本実施例に係る冷蔵庫10は、複数の貯蔵室20、22、24、26を備える本体12と、野菜室22に収容されている第1下段容器40と、野菜室22に収容されており、第1下段容器40の上部に設けられている第1上段容器42と、第1上段容器42を載置する延伸部80、84と、を備えている。第1上段容器42には、第1収容領域R1と、第1収容領域R1とは異なる第2収容領域R2が設けられている。第1上段容器42は、第1状態(
図3(a)参照)、及び、第1状態に対して、第1上段容器42の前後及び左右を反転させた状態にある第2状態(
図5参照)のいずれの状態においても、第1下段容器40の延伸部80、84に載置可能に構成されている。上記の構成によれば、ユーザは、第1上段容器42の状態を容易に変更することができる。従って、第1上段容器42内の第1収容領域R1と第2収容領域R2の配置を容易に変更することができる。
【0025】
また、
図4に示すように、第1上段容器42は、第1上段容器42の底部を画定する底壁90を備えている。底壁90は、第1収容領域R1の底部を画定する第1底壁90aと、第2収容領域R2の底部を画定する第2底壁90bと、を備えている。上下方向において、第2底壁90bは、第1底壁90aよりも下方に位置する。上記の構成によれば、ユーザの好みに合わせて、第1上段容器42の第1底壁90a及び第2底壁90bの配置を容易に変更することができる。
【0026】
また、
図4に示すように、第1上段容器42は、第1取っ手部93を有する第1側壁92と、第2取っ手部95を有し、第1側壁92に対向する第2側壁94と、を備えている。上下方向において、第1取っ手部93の位置と第2取っ手部95の位置とが一致する。第1上段容器42が第1状態から第2状態に変更されると、第1状態において第1側壁92が位置していた領域(以下では、「第1領域」と呼ぶ)に、第2側壁94が配置され、第1状態において第2側壁94が位置していた領域(以下では、「第2領域」と呼ぶ)に、第1側壁92が配置される。仮に、上下方向において、第1取っ手部93の位置と第2取っ手部95の位置とが異なっている場合、第1状態と第2状態とで、第1領域及び第2領域における取っ手部93、97の位置が異なることになる。一方、上下方向において、第1取っ手部93の位置と第2取っ手部95の位置とが同じ場合、第1上段容器42が第1状態から第2状態に変更されても、第1領域及び第2領域における取っ手部93、97の位置は同じである。この場合、ユーザは、第1上段容器42を第1状態から第2状態に変更しても、取っ手部93、97を違和感なく掴むことができる。
【0027】
また、
図3(b)に示すように、第1下段容器40の延伸部80、84には、凸部82が設けられており、第1上段容器42には、凸部82に対応する形状を有する凹部104が設けられている。上記の構成によれば、第1上段容器42が第1下段容器40上に載置されている状態において、第1下段容器40に対する第1上段容器42の相対的な移動を規制することができる。
【0028】
(対応関係)
第1上段容器42が、「特定容器」の一例である。第1下段容器40の延伸部80、84が「載置部」の一例である。第1下段容器40の延伸部80、84の凸部82が、「第1位置決め部」の一例である。第1上段容器42の第1延伸部100の凹部104が、「第2位置決め部」の一例である。
【0029】
(第2実施例)
図7~
図10を参照して、第1実施例の冷蔵庫10と異なる点について説明する。なお、以下では、実施例間で共通する構成については、同じ符号を付して説明を省略する。本実施例の冷蔵庫10は、第1上段容器242の構造が、第1実施例の第1上段容器42と異なる。なお、
図9は、
図7の第1上段容器242を前後及び左右に反転させた状態を示す図である。
【0030】
図7、
図8に示すように、第1上段容器242は、底壁290と、第1側壁92と、第2側壁94と、第3側壁96と、第4側壁98と、を備えている。
図8に示すように、底壁290は、第1底壁290aと第2底壁290bで構成されている。第1底壁290aは、第3側壁96側(
図8では左側)に設けられており、第2底壁290bは、第4側壁98側(
図8では右側)に設けられている。上下方向において、第2底壁290bは、第1底壁290aよりも下方に位置している。第1底壁290a及び第2底壁290bによって、第1上段容器42内の収容領域が、第3側壁96側の第1収容領域R21と、第4側壁98側の第2収容領域R22と、に分割される。第1上段容器242が第1下段容器40に取付けられている状態において、第1底壁290aは、第1下段容器40の後壁76の上端よりも上方に位置する。第1載置状態を示す
図7では、第1収容領域R21が右側に配置され、第2収容領域R22が左側に配置されている。一方、第2載置状態を示す
図9では、第2収容領域R22が右側に配置され、第1収容領域R21が左側に配置されている。上記の構成によれば、ユーザの好みに合わせて、第1上段容器242の第1底壁290a及び第2底壁290bの配置を容易に変更することができる。
【0031】
(第3実施例)
図11、
図12を参照して、第1実施例の冷蔵庫10と異なる点について説明する。本実施例の冷蔵庫10は、第1上段容器442の構造が、第1実施例の第1上段容器42と異なる。なお、
図12は、
図11の第1上段容器442を前後方向に反転させた状態を示す図である。
【0032】
図11、
図12に示すように、第1上段容器442は、底壁490と、第1側壁92と、第2側壁94と、第3側壁96と、第4側壁98と、分割壁500と、を備えている。本実施例において、底壁490は、面一である。分割壁500は、第1側壁92の第1中央部92aから第2側壁94の第2中央部94aまで延びている。分割壁500と第1側壁92の接続部510aにおいて、分割壁500の上端の位置と、第1側壁92の第1中央部92aの上端の位置と、は同じである。また、分割壁500と第2側壁94の接続部510bにおいて、分割壁500の上端の位置と、第2側壁94の第2中央部94aの上端の位置と、は同じである。分割壁500の高さは、前後方向において一定である。分割壁500は、第1上段容器442内の収容領域を第4側壁98側の第1収容領域R31と、第3側壁96側の第2収容領域R32と、に分割する。第1収容領域R31の左右方向の長さは、第2収容領域R32の左右方向の長さよりも小さい。このため、第1収容領域R31の体積は、第2収容領域R32の体積よりも小さい。第1載置状態を示す
図11では、第1収容領域R31が右側に配置され、第2収容領域R32が左側に配置される。一方、第2載置状態を示す
図12では、第2収容領域R32が右側に配置され、第1収容領域R31が左側に配置される。
【0033】
上記の構成によれば、ユーザの好みに合わせて、分割壁500によって画定される第1収容領域R31及び第2収容領域R32の配置を容易に変更することができる。
【0034】
また、
図11に示すように、接続部510aにおいて、分割壁500の上端の位置と、第1側壁92の第1中央部92aの上端の位置と、は同じである。仮に、上下方向において、分割壁500の上端の位置が、第1側壁92の第1中央部92aの上端の位置よりも上方に位置している場合、食材を第1上段容器442に収容させる際に、ユーザの指等が分割壁500に引っ掛かってしまう可能性がある。また、仮に、分割壁500の上端の位置が、第1側壁92の第1中央部92aの上端の位置よりも下方に位置している場合、第1収容領域R31に収容されている食材が、第2収容領域R32に意図せず移動しやすくなる。上記の構成によれば、食材を第1上段容器442に収容させる際に、ユーザの指等が分割壁500に引っ掛かることを抑制することができ、かつ、第1収容領域R31に収容されている食材が、第2収容領域R32に意図せず移動することを抑制することができる。
【0035】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0036】
(第1変形例)第1下段容器40が、第1収容領域と、第2収容領域と、を備えていてもよい。本変形例では、本体12の内壁に、第1下段容器40を載置可能な載置部が設けられている。また、本変形例では、第1下段容器40は、
図3(a)に示す状態と、
図3(a)に示す状態に対して前後及び左右を反転させた状態においても、本体12の内壁に設けられている載置部(例えば、第1下段容器40の延伸部84が載置可能な本体12の内壁の凸部等)に載置可能である。このような構成によると、第1下段容器40の載置状態を変更することで、第1下段容器40内の第1収容領域と第2収容領域の配置を変更することができる。本変形例では、第1下段容器40が、「特定容器」の一例である。
【0037】
(第2変形例)第1上段容器42内の収容領域の数は2個以上であればよい。
【0038】
(第3変形例)
図13に示すように、第1下段容器642の分割壁700が底壁490にのみ接続されていてもよい。本変形例では、分割壁700と、第1側壁92と、第2側壁94との間には、隙間が設けられている。このような構成によっても、第1下段容器642内が第1収容領域R41と第2収容領域R42とに分割される。
【0039】
(第4変形例)
図14に示すように、第1下段容器842の分割壁900が第1側壁92及び第2側壁94にのみ接続されていてもよい。本変形例では、分割壁900と、底壁490と、の間には、隙間が設けられている。このような構成によっても、第1下段容器842内が第1収容領域R51と第2収容領域R52とに分割される。
【0040】
(第5変形例)
図15に示すように、第1下段容器1042の分割壁1100の高さが、上下方向において一定でなくてもよい。本変形例では、分割壁1100の上面は、前側が下方に傾くように傾斜している。本変形例では、分割壁1100と第1側壁92の第1中央部92aの接続部において、分割壁1100の上端は、第1側壁92の第1中央部92aの上端よりも下方に位置する。このような構成によっても、第1下段容器1042内が第1収容領域R61と第2収容領域R62とに分割される。なお、別の変形例では、分割壁1100の上面は、前側が上方に傾くように傾斜していてもよい。
【0041】
(第6変形例)第1実施例の第1上段容器42において、第1収容領域R1と第2収容領域R2との間に分割壁が設けられていてもよい。
【0042】
(第7変形例)第1取っ手部93と第2取っ手部95の上下方向の位置が異なっていてもよい。
【0043】
(第8変形例)第3側壁96に第1取っ手部が設けられており、第4側壁98に第2取っ手部が設けられていてもよい。
【0044】
(第9変形例)第1下段容器40の延伸部80、84に凹部が設けられており、第1上段容器42の延伸部100、106に凸部が設けられていてもよい。本変形例では、第1下段容器40の延伸部80、84の凹部、第1上段容器42の延伸部100、106の凸部が、それぞれ、「第1位置決め部」、「第2位置決め部」の一例である。
【0045】
(第10変形例)
図1に示す冷蔵庫10は、右扉30aと左扉30bとを備える回動扉を図示しているが、回動扉30が1枚の扉で構成されていてもよい。即ち、回動扉30が片開き式の扉であってもよい。
【0046】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的な有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0047】
10:冷蔵庫、12:本体、20:冷蔵室、20a:前面開口、22:野菜室、22a:前面開口、24:製氷室、24a:前面開口、26:上部冷凍室、28:下部冷凍室、28a:前面開口、30:回動扉、30a:右扉、30b:左扉、32:引出扉、34:引出扉、36:引出扉、38:引出扉、40:第1下段容器、42:第1上段容器、50:収容容器、60:第2下段容器、62:第2上段容器、70:底壁、72:前壁、74:左壁、78:右壁、80:延伸部、82:凸部、84:延伸部、90:底壁、90a:第1底壁、90b:第2底壁、92:第1側壁、92a:第1中央部、92b:第1外側部、93:第1取っ手部、94:第2側壁、94a:第2中央部、94b:第2外側部、95:第2取っ手部、96:第3側壁、98:第4側壁、100:第1延伸部、102:第2延伸部、104:凹部、106:第3延伸部、108:第4延伸部、242:第1上段容器、290:底壁、290a:第1底壁、290b:第2底壁、442:第1上段容器、490:底壁、500:分割壁、510a:接続部、510b:接続部、642:第1下段容器、700:分割壁、842:第1下段容器、900:分割壁、1042:第1下段容器、1100:分割壁