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特許7348901濃い浸出液及び滴下のための剥がして貼るドレッシング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】濃い浸出液及び滴下のための剥がして貼るドレッシング
(51)【国際特許分類】
   A61M 27/00 20060101AFI20230913BHJP
【FI】
A61M27/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020536676
(86)(22)【出願日】2019-01-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-04-01
(86)【国際出願番号】 US2019012203
(87)【国際公開番号】W WO2019136164
(87)【国際公開日】2019-07-11
【審査請求日】2021-12-28
(31)【優先権主張番号】PCT/US2018/035968
(32)【優先日】2018-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/997,833
(32)【優先日】2018-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/613,494
(32)【優先日】2018-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】キャロル,クリストファー,エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ライス,ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】ロック,クリストファー,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン,ティモシー,マーク
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/193257(WO,A1)
【文献】特表2013-502983(JP,A)
【文献】特表2017-518794(JP,A)
【文献】特表2020-523085(JP,A)
【文献】特表2003-532504(JP,A)
【文献】特表2013-521015(JP,A)
【文献】特表2010-516387(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陰圧を用いて組織部位を治療するためのドレッシングにおいて、
可変密度を有するマニホールドを備える第1層と、
前記第1層に隣接する第2層であって、ポリマーフィルムを備え、前記ポリマーフィルムが、前記ポリマーフィルムにわたる圧力勾配に応答して拡張するように構成されている複数の流体制限部を有する、第2層と、
前記第1層に隣接するカバーであって、ポリマードレープを備えるカバーと、
前記第2層に隣接して前記第1層の反対側に配置された第3層であって、当該第3層が、複数のアパーチャを有するゲルを有しており、前記アパーチャは、1つまたは複数の前記流体制限部および前記第2層の一部分、第3層にある少なくとも1つのアパーチャを通して露出するとともに、当該少なくとも1つのアパーチャにわたって延在するサイズである、第3層と、
を備えることを特徴とするドレッシング。
【請求項2】
請求項に記載のドレッシングにおいて、前記マニホールドが、第1密度を有する第1領域と第2密度を有する第2領域とを備えることを特徴とするドレッシング。
【請求項3】
請求項に記載のドレッシングにおいて、前記第1領域が第1材料を備え、前記第2領域が第2材料を備えることを特徴とするドレッシング。
【請求項4】
請求項に記載のドレッシングにおいて、前記マニホールドが、異なる密度を有する領域のパターンを含むことを特徴とするドレッシング。
【請求項5】
請求項に記載のドレッシングにおいて、前記パターンがアレイであることを特徴とするドレッシング。
【請求項6】
請求項に記載のドレッシングにおいて、前記領域が矩形であることを特徴とするドレッシング。
【請求項7】
請求項に記載のドレッシングにおいて、前記パターンが同心環を含むことを特徴とするドレッシング。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載のドレッシングにおいて、前記マニホールドが連続気泡フォームを備えることを特徴とするドレッシング。
【請求項9】
陰圧を用いて組織を治療するためのシステムにおいて、
陰圧源と、
前記陰圧源に流体的に結合された請求項1~8の何れか一項に記載のドレッシングと、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項に記載のシステムにおいて、前記ドレッシングに流体的に結合された滴下溶液源をさらに備えることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2018年6月5日に出願された、「PEEL AND PLACE DRESSING FOR THICK EXUDATE AND INSTILLATION」と題する国際特許出願PCT/US2018/035968号明細書、2018年6月5日に出願された、「PEEL AND PLACE DRESSING FOR THICK EXUDATE AND INSTILLATION」と題する米国特許出願第15/997,833号明細書、及び2018年1月4日に出願された、「PEEL AND PLACE DRESSING FOR THICK EXUDATE AND INSTILLATION」と題する米国仮特許出願第62/613,494号明細書の出願の利益を主張し、それら出願の各々は、すべての目的で参照により本明細書に援用される。
【0002】
添付の特許請求の範囲に示す本発明は、概して、組織治療システムに関し、より詳細には、ただし限定なしに、陰圧療法環境において組織を治療するためのシステム、装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
臨床研究及び診療により、組織部位に近接して減圧を行うことによって、組織部位における新しい組織の増殖を高め加速させることができることが示されている。この現象の適用例は多数あるが、この現象は創傷の治療に特に有利であることが証明されている。外傷、手術又は別の原因のいずれであっても創傷の病因に関わらず、創傷の適切なケアが、転帰に対し重要である。減圧による創傷又は他の組織の治療は、一般に「陰圧療法」と称され得るが、たとえば、「陰圧創傷療法」、「減圧療法」、「真空療法」、「真空補助閉鎖」及び「局所陰圧」を含む他の名称によっても知られている。陰圧療法は、上皮組織及び皮下組織の移動、血流の改善、並びに創傷部位における組織の微小変形を含む、多くの利点を提供することができる。これらの利点により、併せて、肉芽組織の成長を促進し、治癒時間を短縮することができる。
【0004】
組織部位を洗浄することは、新たな組織の増殖のために非常に有益であり得るということも広く許容されている。たとえば、創傷を液体溶液の流れで洗うことができ、又は、治療目的で液体溶液を使用して腔を洗うことができる。これらの行為は、一般にそれぞれ「灌注」及び「洗浄」と呼ばれる。「滴下」は、一般に、組織部位に徐々に流体を導入し、流体を除去する前に所定期間、流体を放置するプロセスを指す、別の行為である。たとえば、創傷床の上への局所治療溶液の滴下を陰圧療法と組み合わせて、創傷床内の可溶性汚染物質を緩めて感染性物質を除去することにより、創傷治癒をさらに促進することができる。その結果、可溶性細菌負荷を低減させ、汚染物質を除去し、創傷を洗浄することができる。
【0005】
陰圧療法及び/又は滴下療法の臨床的利点は広く知られているが、治療システム、構成要素及びプロセスに対する改善により、医療提供者及び患者に利益をもたらすことができる。
【発明の概要】
【0006】
添付の特許請求の範囲に、陰圧療法環境において組織を治療する、新たな且つ有用なシステム、装置及び方法を示す。当業者が請求項に係る主題を作成し使用することができるように、例示的な実施形態も提供する。
【0007】
たとえば、いくつかの実施形態では、組織を治療するためのドレッシングは、多孔質マニホールディング材料の第1層を備えることができる。第1層は、いくつかの例では網状フォームから形成され得る。第1層に、一連の孔を形成することができる。孔は、いくつかの例では約2ミリメートル~約10ミリメートルの直径を有することができ、いくつかの例では約2ミリメートル~約10ミリメートルの中心間隔を有することができる。第1層に隣接して第2層を配置することができる。第2層は、穿孔ポリマーから形成され得る。いくつかの実施形態に対して、疎水性ポリマーが有利であり得る。第2層のいくつかの実施形態に対して、25~50ミクロンの厚さが好適であり得る。いくつかの実施形態では、穿孔はスロットであり得る。スロットの幅は、いくつかの例では0.5ミリメートル~2ミリメートルとすることができ、いくつかの例では、約3ミリメートル~約5ミリメートルの長さを有することができる。穿孔は、第1層における孔と位置合わせされる場合もあればされない場合もある。穿孔は、孔と位置合わせされ又は整列する長い又は交差した開窓とすることができ、穿孔は、肉芽組織が孔の側面と接触するのを防止するようにフラップとして作用することができる。第2層は、概して、組織部位に面するように向けられる。ドレッシングは、任意選択的に、軟質ポリマーから形成された第3層を含むことができる。軟質ポリマーは、たとえば、シリコーンゲルであり得る。いくつかの構成では、シリコーンゲルに対し、約450グラム/平方メートルの付着量が好適であり得る。好適であり得る他のポリマー例としては、ポリウレタン、親水コロイド及びアクリル樹脂が挙げられる。第3層もまた穿孔又はアパーチャを有することができる。第3層は、概して、組織部位に面するように向けられ、第1層が第3層と第1層との間に配置されるように、第1層に隣接して配置され得る。第3層における穿孔又はアパーチャは、第1層における1つ又は複数の穿孔と位置合わせされ得る。穿孔を位置合わせするか又は整列させることにより、濃い滲出液の圧力降下の影響を低減させ、滴下溶液がドレッシングを通って組織まで迅速に移動するのを可能にすることができる。第1層及び第3層における穿孔及びアパーチャは、いくつかの実施形態では、場所に応じて異なるサイズとすることができる。たとえば、ドレッシングの縁に向かう相対的に小さい穿孔は、ドレッシングの中心部分に向かい且つドレッシングの外周部から離れる方向に滴下溶液を向けることができる。
【0008】
より全体的には、陰圧を用いて組織部位を治療するための装置は、積層関係で互いに隣接して配置された第1層及び第2層と、第1層の上に配置されたカバーとを備えるドレッシングであり得る。第1層は、複数の貫通孔を有するマニホールドを備えることができ、第2層は、ポリマーフィルムを備えることができ、ポリマーフィルムは、ポリマーフィルムにわたる圧力勾配に応答して拡張するように構成されている複数の流体制限部を有する。カバーは、いくつかの例では、ポリマードレープを備えるか又はポリマードレープから本質的に構成され得る。いくつかの実施形態では、複数の貫通孔の各々は、約2ミリメートル~約10ミリメートルの有効径を有することができ、中心において約2ミリメートル~約10ミリメートル間隔を空けて配置され得る。いくつかの実施形態では、貫通孔は、アレイで配置され得る。貫通孔は、流体制限部からずらすことができ、又は、流体制限部のうちの少なくともいくつかと位置合わせすることができる。
【0009】
さらに、ドレッシングは、いくつかの実施形態では第3層を備えることができる。第3層は、第2層に隣接して配置することができ、複数のアパーチャを有するゲル層を備えるか又はそうしたゲル層から本質的に構成され得る。ゲル層は、いくつかの実施形態では疎水性であり得る。第3層のいくつかの実施形態に対して、約250グラム/平方センチメートルの付着量を有するポリマーゲルが、好適であり得る。
【0010】
いくつかの例では、ドレッシングは、カバーと第1層との間に配置された保持層を備えることができる。より詳細な例では、保持層は、第1層の貫通穴に隣接して配置されたマニホールドを備えるか又はそうしたマニホールドから本質的に構成され得る。いくつかの実施形態では、保持層は、第1層より圧縮率が高いものであり得る。
【0011】
さらに又は別法として、第1層は、いくつかの実施形態では、辺縁部及び内側部を備えることができる。いくつかの例では、貫通穴は辺縁部から排除され得る。他の例では、辺縁部の貫通穴は、内側部の貫通穴より小さいものであり得る。
【0012】
いくつかの例では、第1層は、可変密度を有するマニホールドを備えることができる。可変密度は、第1密度を有する第1領域と第2密度を有する第2領域とによって形成され得る。たとえば、第1領域は、第2領域における材料の密度より高いか又は低い密度を有する第1材料を備えることができる。いくつかの例では、第1領域及び第2領域は、同じ材料又は同様の密度を有する材料を備えることができ、第1領域又は第2領域のうちの少なくとも一方は、材料の密度を変更するように処理され得る。
【0013】
請求項に係る主題を作成し使用する目的、利点及び好ましい形態は、例示的な実施形態の以下の詳細な説明と併せて添付図面を参照することにより最もよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本明細書による、陰圧治療及び滴下治療を提供することができる治療システムの実施形態例の機能ブロック図である。
図2図2は、図1の治療システムのいくつかの実施形態に関連付けることができる圧力制御モード例のさらなる詳細を示すグラフである。
図3図3は、図1の治療システムのいくつかの実施形態における別の圧力制御モード例に関連付けることができるさらなる詳細を示すグラフである。
図4図4は、図1の治療システムのいくつかの実施形態に関連付けることができるドレッシングの一例の組立図である。
図5図5は、図4のドレッシングのいくつかの実施形態に関連付けることができる層の一例の概略図である。
図6図6は、図1の治療システムのいくつかの実施形態に関連付けることができるドレッシングの別の例の組立図である。
図7図7は、図6のドレッシングの層のいくつかの実施形態に関連付けることができるアパーチャの構成例の概略図である。
図8図8は、図5の層例の上に重ね合わされた図7の層例の概略図である。
図9図9は、図1のドレッシングのいくつかの実施形態に関連付けることができる別の例の層の上面図である。
図10図10は、図1のドレッシングのさまざまな層に関連付けることができる弁の他の構成例を示す。
図11図11は、図1のドレッシングのさまざまな層に関連付けることができる弁の他の構成例を示す。
図12図12は、図1のドレッシングの一例の概略断面図である。
図13図13は、図1のドレッシングの別の例の概略断面図である。
図14図14は、図1のドレッシングのいくつかの実施形態に関連付けることができる穿孔を有するマニホールド層の一例の平面図である。
図15図15は、図1のドレッシングのいくつかの実施形態に関連付けることができるマニホールド層の穿孔の他の例の平面図である。
図16図16は、図1のドレッシングのいくつかの実施形態に関連付けることができるマニホールド層の穿孔の他の例の平面図である。
図17図17は、図1のドレッシングのいくつかの実施形態に関連付けることができるマニホールド層の穿孔の別の例の平面図である。
図18図18は、図1のドレッシングのいくつかの実施形態に関連付けることができる層の別の例の上面図である。
図19図19は、図1のドレッシングのいくつかの実施形態に関連付けることができる層の別の例の上面図である。
図20図20は、図1のドレッシングのいくつかの実施形態に関連付けることができる層の別の例の上面図である。
図21図21は、いくつかの実施形態に関連付けることができるさらなる詳細を示す、図1のドレッシングの別の例の組立図である。
図22図22は、図1の治療システムを動作させる方法例に関連付けることができる詳細を示すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施形態例の以下の説明は、当業者が、添付の特許請求の範囲に示す主題を作成し使用することができるようにする情報を提供するが、本技術分野においてすでに周知であるいくつかの詳細は省略している場合がある。したがって、以下の詳細な説明は、限定的ではなく例示的であるものとして解釈されるべきである。
【0016】
本明細書では、添付図面に示すさまざまな要素の間の空間的な関係、又はさまざまな要素の空間的な向きに関して、実施形態例を説明する場合もある。概して、こうした関係又は向きは、治療を受ける位置にある患者と一致する又はそうした患者に対する基準系を想定する。しかしながら、当業者であれば認識されるはずであるように、この基準系は、厳密な規定ではなく、単に説明上の好都合な手段である。
【0017】
図1は、本明細書に従って、組織部位への局所治療溶液の滴下とともに陰圧療法を提供することができる治療システム100の実施形態例の簡易機能ブロック図である。
【0018】
この文脈での「組織部位」という用語は、限定されないが、骨組織、脂肪組織、筋組織、神経組織、皮膚組織、血管組織、結合組織、軟骨、腱又は靭帯を含む組織の上又は中に位置する、創傷、欠損又は他の治療標的を広く指す。創傷は、たとえば、慢性の、急性の、外傷性の、亜急性の、及び離開した創傷、中間層熱傷、潰瘍(糖尿病性潰瘍、圧迫性潰瘍又は静脈不全潰瘍等)、弁及びグラフトを含み得る。「組織部位」という用語はまた、必ずしも傷つき又は欠損していない任意の組織の領域を指し得るが、代わりに、さらなる組織の増殖をもたらすか又は促進することが望ましい可能性がある領域である。たとえば、採取し移植することができるさらなる組織を増殖させるために、組織部位に陰圧を印加することができる。
【0019】
治療システム100は、たとえば、陰圧源105等、陰圧の供給源又は供給部と、ドレッシング110と、容器115等の流体容器と、コントローラ120等の調節器又はコントローラとを含むことができる。さらに、治療システム100は、動作パラメータを測定し、動作パラメータを示すフィードバック信号をコントローラ120に提供するセンサを含むことができる。図1に示すように、たとえば、治療システム100は、コントローラ120に結合された第1センサ125及び第2センサ130を含むことができる。図1の例に示すように、ドレッシング110は、いくつかの実施形態では、組織インタフェース135、カバー140又は両方を備え、又はそうしたものから本質的に構成され得る。
【0020】
治療システム100は、滴下溶液の供給源も含むことができる。たとえば、溶液源145は、図1の実施形態例に示すように、ドレッシング110に流体的に結合され得る。溶液源145は、いくつかの実施形態では、陽圧源150等の陽圧源、陰圧源105等の陰圧源、又は両方に流体的に結合され得る。組織部位への適切な用量の滴下溶液(たとえば、生理食塩水)を確保するために、溶液源145及びドレッシング110に滴下調節器155等の調節器もまた流体的に結合することができる。たとえば、滴下調節器155はピストンを備えることができ、ピストンを、陰圧間隔中に溶液源から滴下溶液を引き出すように、且つ、排気間隔中にドレッシングに溶液を滴下するように、陰圧源105によって空気圧式に作動させることができる。さらに又は別法として、組織部位への滴下溶液の用量を制御するために、陰圧源105、陽圧源150又は両方に、コントローラ120を結合することができる。いくつかの実施形態では、図1の例に示すように、滴下調節器155もまた、ドレッシング110を通して陰圧源105に流体的に結合することができる。
【0021】
治療システム100のいくつかの構成要素は、センサ、処理ユニット、アラームインジケータ、メモリ、データベース、ソフトウェア、表示デバイス、又は治療をさらに容易にするユーザインタフェース等、他の構成要素内に収容するか又はそれらと併せて使用することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、陰圧源105を、溶液源145、コントローラ120及び他の構成要素と結合して治療ユニットとすることができる。
【0022】
概して、治療システム100の構成要素は、直接にも間接的にも結合することができる。たとえば、陰圧源105は、容器115に直接結合することができ、容器115を通してドレッシング110に間接的に結合することができる。結合としては、状況により、流体結合、機械的結合、熱的結合、電気的結合若しくは化学的結合(化学結合等)、又は結合の何らかの組合せを挙げることができる。たとえば、陰圧源105は、コントローラ120に電気的に結合することができ、組織部位への流体経路を提供するために1つ又は複数の分配構成要素に流体的に結合することができる。いくつかの実施形態では、物理的な近接、単一構造への一体化、又は同じ材料片からの形成により、構成要素を結合することも可能である。
【0023】
分配構成要素は、好ましくは、着脱可能であり、使い捨て、再使用可能又はリサイクル可能であり得る。ドレッシング110及び容器115は、分配構成要素の例示である。流体伝導体が、分配構成要素の別の例示的な例である。これに関して、「流体伝導体」は、チューブ、パイプ、ホース、導管、又は2つの端部の間で流体を搬送するように適合された1つ又は複数の内腔若しくは開放した経路を備えた他の構造体を広く含む。典型的には、チューブは、幾分かの可撓性がある細長い円筒状構造体であるが、形状及び剛性は変更することができる。さらに、いくつかの流体伝導体は、他の構成要素に成形するか、又は他の方法で一体的に結合することができる。分配構成要素はまた、他の構成要素の結合及び分離を容易にするインタフェース又は流体ポートも含むか又は備えることができる。いくつかの実施形態では、たとえば、ドレッシングインタフェースは、流体伝導体のドレッシング110への結合を容易にすることができる。たとえば、こうしたドレッシングインタフェースは、San Antonio、TexasのKinetic Concepts,Inc.から入手可能なSENSAT.R.A.C.(商標)パッドであり得る。
【0024】
陰圧源105等の陰圧供給部は、陰圧での空気のリザーバであり得るか、又は、たとえば、真空ポンプ、吸引ポンプ、多くの医療施設で利用可能な壁の吸引ポート、若しくはマイクロポンプ等、手動若しくは電動式デバイスであり得る。「陰圧」は、概して、密閉された治療環境の外部の局所環境における周囲圧力等の局所周囲圧力より低い圧力を指す。多くの場合、局所周囲圧力はまた、組織部位が位置する大気圧でもあり得る。別法として、圧力は、組織部位において組織に関連する静水圧未満であり得る。別段の指示がない限り、本明細書で述べる圧力の値はゲージ圧である。陰圧の上昇に言及する場合、それは、典型的には、絶対圧の低下を指し、陰圧の低下は、典型的には、絶対圧の上昇を指す。組織部位に印加される陰圧の量及び性質は、治療要件に従って変更することができるが、圧力は、概して、-5mmHg(-667Pa)~-500mmHg(-66.7kPa)の、一般に、低真空(rough vacuum)とも称する低真空(low vacuum)である。一般的な治療範囲は、-50mmHg(-6.7kPa)~-300mmHg(-39.9kPa)である。
【0025】
容器115は、組織部位から引き出された浸出液及び他の流体を管理するために使用することができる、容器、キャニスタ、パウチ又は他の貯蔵構成要素を表す。多くの環境において、流体を収集し、貯蔵し、廃棄するために、剛性容器が好ましく又は必要である場合がある。他の環境では、流体は、剛性容器に貯蔵することなく、適切に廃棄することができ、再使用可能な容器により、陰圧療法に関連する廃棄物を低減させコストを削減することができる。
【0026】
コントローラ120等のコントローラは、陰圧源105等、治療システム100の1つ又は複数の構成要素を動作させるようにプログラムされたマイクロプロセッサ又はコンピュータであり得る。いくつかの実施形態では、たとえば、コントローラ120は、概して、治療システム100の1つ又は複数の動作パラメータを直接又は間接的に制御するようにプログラムされた、プロセッサコア及びメモリを含む集積回路を備える、マイクロコントローラであり得る。動作パラメータとしては、たとえば、陰圧源105に印加される電力、陰圧源105によって生成される圧力、又は組織インタフェース135に分配される圧力を挙げることができる。コントローラ120はまた、好ましくは、フィードバック信号等、1つ又は複数の入力信号を受け取るように構成され、入力信号に基づいて1つ又は複数の動作パラメータを変更するようにプログラムされている。
【0027】
第1センサ125及び第2センサ130等のセンサは、本技術分野において概して、物理的現象又は特性を検出又は測定し、検出又は測定された現象又は特性を示す信号を概して提供するように動作可能である、任意の装置として既知である。たとえば、第1センサ125及び第2センサ130は、治療システム100の1つ又は複数の動作パラメータを測定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1センサ125は、空気経路における圧力を測定し、その測定値を測定された圧力を示す信号に変換するように構成された、トランスデューサであり得る。いくつかの実施形態では、たとえば、第1センサ125は、ピエゾ抵抗ひずみゲージであり得る。第2センサ130は、任意選択的に、いくつかの実施形態では、電圧又は電流等、陰圧源105の動作パラメータを測定することができる。好ましくは、第1センサ125及び第2センサ130からの信号は、コントローラ120への入力信号として好適であるが、いくつかの実施形態では、何らかの信号調整が適切であり得る。たとえば、信号は、コントローラ120によって処理することができる前に、フィルタリングするか又は増幅する必要がある場合がある。典型的には、信号は電気信号であるが、光信号等、他の形式で表すことができる。
【0028】
組織インタフェース135は、概して、部分的に又は完全に組織部位と接触するように適合させることができる。組織インタフェース135は、多くの形態をとることができ、実施されている治療のタイプ又は組織部位の性質及びサイズ等、種々の要素に応じて、多くのサイズ、形状又は厚さを有することができる。たとえば、組織インタフェース135のサイズ及び形状は、深く且つ不規則な形状の組織部位の輪郭に適合させることができる。さらに、組織インタフェース135の表面のうちの任意のもの又はすべてが、組織部位においてひずみ及び応力を引き起こすことができる、突起、又は凹凸のある、粗い、又はぎざぎざの外形を有することができ、それにより、組織部位における肉芽形成を促進することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、カバー140は、細菌バリア、及び物理的外傷からの保護を提供することができる。カバー140はまた、蒸発損失を低減させるとともに、治療環境と局所外部環境との間等、2つの構成要素又は2つの環境の間の流体シールを提供することができる、材料から構成することも可能である。カバー140は、たとえば、所与の陰圧源に対して組織部位において陰圧を維持するために適したシールを提供することができる、エラストマーフィルム又は膜を備えるか又はそうしたものから構成され得る。カバー140は、いくつかの応用では、高い水蒸気透過率(MVTR)を有することができる。たとえば、MVTRは、いくつかの実施形態では、38℃及び10%相対湿度(RH)でASTM E96/E96M Upright Cup Methodによる直立カップ技法を用いて測定された、少なくとも250グラム/平方メートル/24時間であり得る。いくつかの実施形態では、最大5,000グラム/平方メートル/24時間のMVTRが、有効な通気性及び機械的特性を提供することができる。
【0030】
いくつかの実施形態例では、カバー140は、水蒸気に対して透過性であるが液体に対して不透過性である、ポリウレタンフィルム等のポリマードレープであり得る。こうしたドレープは、通常、25~50ミクロンの範囲の厚さを有する。透過性材料の場合、透過率は、概して、所望の陰圧を維持することができるのに十分低いものであるべきである。カバー140は、たとえば以下の材料:親水性ポリウレタン等のポリウレタン(PU);セルロース系材料;親水性ポリアミド;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;親水性アクリル樹脂;親水性シリコーンエラストマー等のシリコーン;天然ゴム;ポリイソプレン;スチレンブタジエンゴム;クロロプレンゴム;ポリブタジエン;ニトリルゴム;ブチルゴム;エチレンプロピレンゴム;エチレンプロピレンジエンモノマー;クロロスルホン化ポリエチレン;多硫化ゴム;エチレンビニルアセテート(EVA);コ-ポリエステル及びポリエーテルブロックポリアミドコポリマーのうちの1種又は複数種を含むことができる。こうした材料は、たとえば、Minneapolis、Minnesotaの3M Companyから市販されているTegaderm(登録商標)ドレープ;Pasadena、CaliforniaのAvery Dennison Corporationから市販されているポリウレタン(PU)ドレープ;たとえばColombes、FranceのArkema S.A.からのポリエーテルブロックポリアミドコポリマー(PEBAX);及びWrexham、United KingdomのExpopack Advanced Coatingsから市販されているInspire 2301及びInpsire2327ポリウレタンフィルムとして市販されている。いくつかの実施形態では、カバー140は、2600g/m/24時間のMVTR(直立カップ技法)と約30ミクロンの厚さとを有するINSPIRE2301を備えることができる。
【0031】
取付デバイスを使用して、無傷の表皮、ガスケット又は別のカバー等の取付面にカバー140を取り付けることができる。取付デバイスは、多くの形態をとることができる。たとえば、取付デバイスは、組織部位の周囲の表皮にカバー140を接着するように構成された、医学的に許容可能な感圧接着剤であり得る。いくつかの実施形態では、たとえば、カバー140の一部又はすべてに、25~65グラム/平方メートル(g.s.m)の付着量を有することができる、アクリル接着剤等の接着剤をコーティングすることができる。いくつかの実施形態では、カバー140の周囲の辺縁部に接着剤を配置することができる。密閉性を向上させ漏れを低減させるために、いくつかの実施形態では、より厚い接着剤、又は接着剤の組合せを塗布することができる。取付デバイスの他の実施形態例としては、両面テープ、ペースト、親水コロイド、ヒドロゲル、シリコーンゲル又はオルガノゲルを挙げることができる。
【0032】
溶液源145は、滴下療法用の溶液を提供することができる、容器、キャニスタ、パウチ、バッグ又は他の貯蔵構成要素も表すことができる。溶液の組成は、指示される療法に従って変更することができるが、いくつかの処方に対して好適であり得る溶液の例としては、次亜塩素酸塩系溶液、硝酸銀(0.5%)、硫黄系溶液、ビグアニド、陽イオン溶液及び等張液が挙げられる。
【0033】
図2は、コントローラ120のいくつかの実施形態に関連付けることができる制御モード例のさらなる詳細を示すグラフである。いくつかの実施形態では、コントローラ120は、連続圧力モードを有することができ、そこでは、線205及び線210によって示すように、陰圧源105は、治療の期間、又は手動で停止されるまで、一定の目標陰圧を提供するように動作する。さらに又は別法として、コントローラは、図2の例に示すように、間欠圧力モードを有することができる。図2では、x軸は時間を表し、y軸は、経時的に陰圧源105によって発生する陰圧を表す。図2の例では、コントローラ120は、目標圧力と大気圧との間で循環するように陰圧源105を動作させることができる。たとえば、指定された期間(たとえば、5分間)、線205によって示すように125mmHgの値で目標圧力を設定することができ、その後、実線215及び220の間の間隙によって示すように、指定された期間(たとえば、2分間)の停止が続く。このサイクルは、線220によって示すように、陰圧源105を起動することによって繰り返すことができ、それにより、目標圧力と大気圧との間の矩形波パターンを形成することができる。
【0034】
いくつかの実施形態例では、周囲圧力から目標圧力までの陰圧の上昇は、瞬間的ではない場合がある。たとえば、破線225によって示すように、陰圧源105及びドレッシング110は、初期立上り時間を有する場合がある。初期立上り時間は、使用されているドレッシング及び治療機器のタイプに応じて変化する可能性がある。たとえば、1つの治療システムに対する初期立上り時間は、約20~30mmHg/秒の範囲であり、別の治療システムの場合は約5~10mmHg/秒の範囲である場合がある。治療システム100が間欠モードで動作している場合、実線220によって示すような繰返しの立上り時間は、破線225によって示すような初期立上り時間と実質的に等しい値であり得る。
【0035】
図3は、治療システム100のいくつかの実施形態において別の圧力制御モード例に関連付けることができるさらなる詳細を示すグラフである。図3では、x軸は時間を表し、y軸は、陰圧源105によって発生する陰圧を表す。図3の例における目標圧力は、動的圧力モードにおいて時間によって変化する可能性がある。たとえば、目標圧力は、三角波形の形態で変化し、それぞれ立上り時間305が+25mmHg/分の速度で設定され立下り時間310が-25mmHg/分の速度で設定されて、50~125mmHgの最小陰圧と最大陰圧との間で変化する場合がある。治療システム100の他の実施形態では、三角波形は、立上り時間305が+30mmHg/分の速度で設定され立下り時間310が-30mmHg/分で設定されて、25~125mmHgの陰圧の間で変化する場合がある。
【0036】
いくつかの実施形態では、コントローラ120は、動的圧力モードにおいて可変目標圧力を制御又は決定することができ、可変目標圧力は、所望の陰圧の範囲としてオペレータによって指示される入力として設定することができる、最大圧力値と最小圧力値との間で変化することができる。可変目標圧力はまた、コントローラ120によって処理及び制御することも可能であり、コントローラ120は、三角波形、正弦波形又は鋸歯状波形等の所定波形に従って目標圧力を変化させることができる。いくつかの実施形態では、波形は、オペレータにより、療法に望まれる所定の又は時間変化する陰圧として設定することができる。
【0037】
図4は、図1のドレッシング110の一例の組立図であり、組織インタフェース135が2つ以上の層を備えるいくつかの実施形態に関連付けることができるさらなる詳細を示す。図4の例では、組織インタフェース135は、第1層405及び第2層410を備える。いくつかの実施形態では、第1層405は、第2層410に隣接して配置され得る。たとえば、第1層405及び第2層410は、第1層405が第2層410に接触するように積み重ねることができる。いくつかの実施形態では、第2層410に第1層405を接着することも可能である。
【0038】
第1層405は、概して、複数の穿孔415を有するマニホールド又はマニホールド層を備えるか又はそうしたものから本質的に構成される。第1層405は、圧力下で組織インタフェース135にわたって流体を収集又は分配する手段を提供することができる。たとえば、第1層405は、陰圧源から陰圧を受け取り、組織インタフェース135にわたって複数のアパーチャを通して陰圧を分配するように適合させることができ、それには、組織部位から流体を収集し、陰圧源に向かって流体を引き込むという効果があり得る。いくつかの実施形態では、滴下溶液源から等の流体の組織インタフェース135にわたる送達を促進するために、流体経路を反転させることができ、又は第2流体路を設けることができる。
【0039】
いくつかの例示的な実施形態では、流体の分配又は収集を促進するために、第1層405の経路を相互接続することができる。いくつかの例示的な実施形態では、第1層405は、相互接続された流体経路を有する多孔質材料を備えるか又はそうした材料から本質的に構成され得る。たとえば、連続気泡フォーム、多孔質組織集合体、及びガーゼ又はフェルトマット等の他の多孔質材料は、一般に、相互接続された流体流路を形成するように適合された、細孔、縁部及び/又は壁を含む。他の好適な材料としては、たとえば、3Dテキスタイル(Baltex、Muller、Heathcoates)、不織布(Libeltex、Freudenberg)、3Dポリマー構造体(成形ポリマー、エンボス加工され成形されたフィルム、及び融着フィルム[Supracore])及びメッシュを挙げることができる。液体、ゲル及び他のフォームはまた、アパーチャ及び流体経路を含むことができ、又は含むように硬化させることができる。いくつかの実施形態では、第1層405は、さらに又は別法として、相互接続された流体経路を形成する突出部を備えることができる。たとえば、第1層405は、相互接続された流体経路を画定する表面突出部を提供するように成形することができる。第1層405の表面のうちの何れか又はすべては、凹凸のある、粗い又はぎざぎざの外形を有することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、第1層405は、指示される療法の必要に従って変更することができる細孔サイズ及び自由体積を有する、網状フォームを備えるか又はそうしたものから本質的に構成され得る。たとえば、多くの治療用途に対して、少なくとも90%の自由体積を有する網状フォームが好適である可能性があり、いくつかのタイプの療法に対して、400~600ミクロンの範囲の平均細孔径を有するフォームが特に好適である可能性がある。第1層405の引張強度もまた、指示される療法の必要に従って変更することができる。たとえば、局所治療溶液の滴下の場合、第1層405の引張強度を増大させることができる。第1層405の25%圧縮荷重たわみは、少なくとも0.35ポンド/平方インチである可能性があり、65%の圧縮荷重たわみは、少なくとも0.43ポンド/平方インチである可能性がある。いくつかの実施形態では、第1層405の引張強度は、少なくとも10ポンド/平方インチであり得る。第1層405は、少なくとも2.5ポンド/インチの引裂強度を有することができる。いくつかの実施形態では、第1層405は、ポリエステル又はポリエーテル等のポリオール、トルエンジイソシアネート等のイソシアネート、並びにアミン及び錫化合物等の重合調整剤からなるフォームであり得る。1つの非限定的な例では、第1層405は、ともにSan Antonio、TexasのKinetic Concepts,Inc.から入手可能なGRANUFOAM(商標)ドレッシング又はV.A.C.VERAFLO(商標)ドレッシングで使用されるような、網状ポリウレタンフォームであり得る。
【0041】
第1層405は、概して、第1平面と、第1平面とは反対側の第2平面とを有する。第1平面と第2平面との間の第1層405の厚さもまた、指示される療法の必要に従って変更することができる。たとえば、他の層に対する応力を緩和するように且つ周辺組織に対する張力を低減させるように、第1層405の厚さを低減させることができる。第1層405の厚さはまた、第1層405の順応性にも影響を与える可能性がある。いくつかの実施形態では、約5ミリメートル~10ミリメートルの範囲の厚さが好適であり得る。
【0042】
第2層410は、流体流を制御又は管理する手段を備えるか又はそうした手段から本質的に構成されている分流層であり得る。いくつかの実施形態では、第2層410は、液体不透過性、エラストマー材料を備えるか又はそうした材料から本質的に構成され得る。たとえば、第2層410は、ポリマーフィルムを備えるか又はポリマーフィルムから本質的に構成され得る。第2層410はまた、いくつかの実施形態では、平滑な又は艶消しの表面性状も有することができる。いくつかの応用に対して、SPI(米国プラスチック産業協会)標準規格による等級B3より優れた又はそれに等しい艶出し又は光沢仕上げが特に有利であり得る。いくつかの実施形態では、表面高さのばらつきを許容可能な許容差まで制限することができる。たとえば、第2層の表面は、実質的に平坦な面を有することができ、高さのばらつきが1センチメートルに対して0.2ミリメートルに制限される。
【0043】
いくつかの実施形態では、第2層410は疎水性であり得る。第2層410の疎水性は、変更することができるが、いくつかの実施形態では少なくとも90度の水接触角を有することができる。いくつかの実施形態では、第2層410は、150度以下の水接触角を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、第2層410の接触角は、少なくとも90度~約120度の範囲、又は、少なくとも120度~150度の範囲であり得る。水接触角は、任意の標準装置を使用して測定することができる。接触角を視覚的に近似するために手動のゴニオメータを使用することができるが、接触角測定器具は、多くの場合、特に、水平ステージ、シリンジ等の液体滴下器、カメラ、及び接触角をより正確に且つ精密に計算するように設計されたソフトウェアを伴う一体化システムを含む可能性がある。こうした一体化システムの非限定的な例としては、すべてPortsmouth、VAのFirst Ten Angstroms,Inc.,から市販されているFTÅ125、FTÅ200、FTÅ2000及びFTÅ4000システムと、すべてHamburg、GermanyのKruss GmbHから市販されているDTA25、DTA30及びDTA100システムとを挙げることができる。別段の指定がない限り、本明細書における水接触角は、20~25℃及び20~50%の相対湿度の空気中で5cm以下の高さから追加された静滴に対して、水平サンプル面上の脱イオン・蒸留水を使用して測定される。本明細書で報告する接触角は、最高測定値及び最低測定値をともに捨てた、5~9の測定値の平均を表す。第2層410の疎水性は、液体からコーティングされるか又はプラズマコーティングされるものとして、シリコーン及びフルオロカーボン等の他の材料の疎水性コーティングによってさらに強化することができる。
【0044】
第2層410はまた、第1層405を含む他の層に溶接するのにも好適であり得る。たとえば、第2層410は、熱、高周波(RF)溶接、又は超音波溶接等、熱を発生させる他の方法を使用して、ポリウレタンフォームに溶接されるように適合させることができる。ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル及びアクリル酸塩等、より極性の高い材料に対して、RF溶接は特に好適であり得る。ポリエチレン等のより極性の低いフィルム材料のRF溶接を容易にするために、犠牲極性インタフェースを使用することができる。
【0045】
第2層410の面密度は、指示される療法又は応用に従って変更することができる。いくつかの実施形態では、40グラム/平方メートル未満の面密度が好適である可能性があり、いくつかの応用に対して、約20~30グラム/平方メートルの面密度が特に有利であり得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、たとえば、第2層410は、ポリエチレンフィルム等の疎水性ポリマーを備えるか又はそうした疎水性ポリマーをから本質的に構成され得る。ポリエチレンの単純且つ不活性構造は、生体組織及び流体とあるとしてもごくわずかに相互作用する面を提供し、液体の自由な流れと低い付着力とを促進することができる表面を提供することができ、これは、多くの応用に対して特に有利であり得る。他の好適なポリマーフィルムとしては、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリオレフィン(環状オレフィンコポリマー等)、ポリアセテート、ポリアミド、ポリエステル、コポリエステル、PEBAXブロックコポリマー、熱可塑性エラストマー、熱可塑性加硫物、ポリエーテル、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリカーボネート、スチレン系、シリコーン、フルオロポリマー及びアセテートが挙げられる。多くの応用に対して、20ミクロン~100ミクロンの厚さが好適であり得る。フィルムは、透明であるか、着色されているか、又は印刷されている場合がある。ポリエチレンフィルムに貼り合わせるのに好適なより極性の高いフィルムとしては、ポリアミド、コ-ポリエステル、イオノマー及びアクリル樹脂が挙げられる。ポリエチレンと極性フィルムとの結合に役立つために、エチレンビニルアセテート又は変性ポリウレタン等の結合層を使用することができる。エチルメチルアクリレート(EMA)フィルムもまた、いくつかの構成に対して好適な疎水性及び溶接特性を有することができる。
【0047】
図4の例に示すように、第2層410は、1つ又は複数の流体制限部420を有することができ、流体制限部420は、第2層410にわたって均一に又はランダムに分散させることができる。流体制限部420は、双方向であり且つ圧力応答型であり得る。たとえば、流体制限部420の各々は、概して、液体流を実質的に低減させるように通常はひずんでいない弾性通路を備えるか又はそうした弾性通路から本質的に構成することができ、圧力勾配に応答して拡張又は開放することができる。いくつかの実施形態では、流体制限部420は、第2層410に穿孔を備え又は穿孔から本質的に構成され得る。穿孔は、第2層410から材料を除去することによって形成することができる。たとえば、穿孔は、第2層410を切り込むことによって形成することができ、そうした切込みにより、いくつかの実施形態では、穿孔の縁も変形させることができる。穿孔にわたって圧力勾配がない場合、通路は、シール又は流体制限部を形成するのに十分小さくすることができ、それにより、液体流を実質的に低減させるか又は阻止することができる。さらに又は別法として、流体制限部420のうちの1つ又は複数はエラストマー弁とすることができ、それは、ひずんでいないときは液体流を実質的に阻止するために通常閉鎖されており、圧力勾配に応じて開放することができる。いくつかの応用に対して、第2層410における開窓が、好適な弁であり得る。開窓もまた、第2層410から材料を除去することによって形成することができるが、除去される材料の量と開窓の結果としての寸法とは、最大でも穿孔より桁が小さいものとすることができ、縁を変形させる可能性はない。
【0048】
たとえば、流体制限部420のいくつかの実施形態は、第2層410における1つ又は複数のスリット、スロット、又はスリット及びスロットの組合せを備え、又はそうしたものから本質的に構成され得る。いくつかの例では、流体制限部420は、6ミリメートル未満の長さと3ミリメートル未満の幅とを有する直線状スロットを備え又はそうしたものから構成され得る。いくつかの実施形態では、長さは少なくとも2ミリメートルとすることができ、幅は少なくとも0.4ミリメートルとすることができる。多くの応用に対して、約3ミリメートル~約5ミリメートルの長さと約0.5ミリメートル~約2ミリメートルの幅とが特に好適である可能性があり、約0.1ミリメートルの許容差が許容可能であり得る。こうした寸法及び許容差は、たとえばレーザカッタを用いて達成することができる。こうした構成のスロットは、通常は閉鎖した又は静止状態で液体流を実質的に低減させる不完全弁として機能することができる。たとえば、こうしたスロットは、完全に閉鎖又は封止されることなく流体制限部を形成することができる。スロットは、圧力勾配に応答してより広く拡張又は開放して、液体流の増大を可能にすることができる。
【0049】
図4の例では、ドレッシング110は、接着剤440等の取付デバイスをさらに含むことができる。接着剤440は、たとえば、カバー140の周縁部、一部又は全体に延在する医学的に許容可能な感圧接着剤であり得る。いくつかの実施形態では、たとえば、接着剤440は、25~65グラム/平方メートル(g.s.m.)の付着量を有するアクリル接着剤であり得る。図4の例では、カバーは、第1層405及び第2層410を越えて延在する辺縁部を含み、接着剤440はその辺縁部に配置され得る。いくつかの実施形態では、密閉性を向上させ漏れを低減させるように、より厚い接着剤、又は接着剤の組合せを付与することができる。いくつかの実施形態では、接着剤440のこうした層は、連続的である場合もあれば不連続である場合もある。接着剤440における不連続性は、接着剤440におけるアパーチャ又は孔(図示せず)によって提供することができる。接着剤440におけるアパーチャ又は孔は、接着剤440の塗布の後に、又は、たとえばカバー140の片面等、キャリア層の上にいくつかのパターンで接着剤440をコーティングすることにより、形成することができる。接着剤440におけるアパーチャ又は孔は、いくつかの実施形態例では、ドレッシング110の水蒸気透過率を向上させるようなサイズとすることも可能である。
【0050】
図4の例に示すように、いくつかの実施形態では、ドレッシング110は、使用の前に接着剤440を保護するためにリリースライナ445を含むことができる。リリースライナ445はまた、ドレッシング110の展開を促進することができる剛性も提供することができる。リリースライナ445は、たとえば、工程紙、フィルム又はポリエチレンであり得る。さらに、いくつかの実施形態では、リリースライナ445は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル材料、又は同様の極性半結晶性ポリマーであり得る。リリースライナ445に対する極性半結晶ポリマーの使用により、ドレッシング110のしわ又は他の変形を実質的に排除することができる。たとえば、極性半結晶ポリマーは、高配向性であり、ドレッシング110の構成要素と接触したとき、又は温度若しくは環境の変動又は滅菌を受けたときに発生する可能性がある軟化、膨張又は他の変形に耐性があり得る。さらに、リリースライナ445の、第2層410と接触するように構成される側に、剥離剤を配置することができる。たとえば、剥離剤は、シリコーンコーティングとすることができ、手による、ドレッシング110に損傷を与えることもドレッシング110を変形させることもない、リリースライナ445の除去を容易にするのに好適な剥離因子を有することができる。いくつかの実施形態では、剥離剤は、たとえば、フルオロカーボン又はフルオロシリコーンであり得る。他の実施形態では、リリースライナ445は、コーティングされないものとし、又は他の方法で剥離剤なしに使用することができる。
【0051】
図4はまた、流体伝導体450及びドレッシングインタフェース455の一例も示す。図4の例に示すように、流体伝導体450は、一端においてドレッシングインタフェース455に流体的に結合することができる可撓性チューブであり得る。ドレッシングインタフェース455は、図4の例に示すように、流体伝導体450と組織インタフェース135との間に流体路を提供するようにカバー140のアパーチャ460の上に配置することができる、エルボコネクタであり得る。
【0052】
図5は、第2層410の一例の概略図であり、いくつかの実施形態に関連付けることができるさらなる詳細を示す。図5の例に示すように、流体制限部420は、各々、約3ミリメートルの長さを有する1つ又は複数の直線状スロットから本質的に構成され得る。図5は、流体制限部420の均一な分散パターンの一例をさらに示す。図5において、流体制限部420は、第2層410と実質的に同一の広がりを有し、平行な行及び列の格子で第2層410にわたって分散され、そこでは、スロットはまた互いに対して相互に平行である。いくつかの実施形態では、図5の例に示すように、行は、中心において約3ミリメートル間隔を空けて配置することができ、行の各々における流体制限部420は、中心において約3ミリメートル間隔を空けて配置することができる。隣接する行における流体制限部420は、整列する場合もあればずれている場合もある。たとえば、図5に示すように、流体制限部420が、1つおきの行で整列し約6ミリメートル間隔が空けられるように、隣接する行をずらすことができる。流体制限部420の間隔は、いくつかの実施形態では、治療要件に従って流体制限部420の密度を増大させるように変更することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、ドレッシング110の構成要素のうちの1つ又は複数に対して、抗菌剤を用いてさらに処理することができる。たとえば、第1層405は、抗菌剤でコーティングされた、フォーム、メッシュ又は不織布であり得る。いくつかの実施形態では、第1層405は、抗菌剤でコーティングされた繊維等、抗菌要素を備えることができる。さらに又は別法として、第2層410のいくつかの実施形態は、抗菌剤でコーティングされ又は抗菌剤が混合されたポリマーであり得る。他の例では、流体伝導体450は、さらに又は別法として、1種又は複数種の抗菌剤を用いて処理することができる。好適な抗菌剤としては、たとえば、金属銀、PHMB、ポビドンヨード等、ヨウ素又はその錯体及び混合物、銅金属化合物、クロルヘキシジン又はこれらの物質の何らかの組合せを挙げることができる。
【0054】
さらに又は別法として、構成要素のうちの1つ又は複数に対して、バイオフィルム及び感染を低減させることができる、クエン酸及びコラーゲンを含むことができる混合物でコーティングすることができる。たとえば、第1層405は、こうした混合物でコーティングされたフォームであり得る。
【0055】
ドレッシング110の個々の構成要素は、たとえば、溶剤接着剤若しくは非溶剤接着剤で、又は熱溶接で、流体管理に悪影響を与えることなく、互いに接合し又は他の方法で固定することができる。
【0056】
カバー140、第1層405及び第2層410又はさまざまな組合せは、適用前に又はインサイチュで組み立てることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、カバー140は第1層405に貼り合わせることができ、第2層410は、カバー140と反対側で第1層405に貼り合わせることができる。第2層410は、第1層405と反対側に平滑面を提供することができる。いくつかの実施形態では、組織インタフェース135の1つ又は複数の層は同一の広がりを有することができる。たとえば、図4の実施形態に示すように、第2層410は、第1層405の縁と同一平面で切断されて、第1層405の縁を露出させることができる。他の実施形態では、第2層410は、第1層405の縁にオーバーラップすることができる。いくつかの実施形態では、ドレッシング110は、単一の複合ドレッシングとして提供することができる。たとえば、第1層405を封入するように、カバー140に第2層410を結合することができ、第2層410は組織部位に面するように構成される。
【0057】
使用時、リリースライナ445(含まれる場合)を除去して第2層410を露出させることができ、第2層410は、組織部位、特に表面組織部位及び隣接する表皮内に、それにわたり、その上に又は他の方法でそれに近接して配置することができる。第2層410は、第1層405と組織部位及び隣接する表皮との間に介在することができ、それにより、第1層405との不都合な相互作用を実質的に低減させるか又はなくすことができる。たとえば、第1層405との直接的な接触を防止するように、表面創傷(創傷の縁を含む)及び無傷の表皮の上に第2層410を配置することができる。表面創傷の治療又は表面創傷上のドレッシング110の配置は、ドレッシング110を身体の表面にすぐ隣接して配置し、又は、身体の表面の少なくとも一部の上に広げることを含む。表面創傷の治療は、ドレッシングを腹腔内に配置すること等、ドレッシング110を体内に完全に又は身体の表面の下に完全に配置することは含まない。第1層405及び第2層410の周囲で、組織部位の周辺の表皮等の取付面に、カバー140を封止することができる。
【0058】
組織インタフェース135、カバー140又は両方の幾何学的形状及び寸法は、特定の応用又は解剖学的構造に適合するように変更することができる。たとえば、組織インタフェース135及びカバー140の幾何学的形状又は寸法は、組織部位において且つ組織部位の周囲において、肘又は踵等の封止が困難な解剖学的表面に対して有効且つ確実なシールを提供するように適合させることができる。さらに又は別法として、寸法は、組織部位における上皮細胞の移動及び増殖を促進し、肉芽組織の内部成長の可能性を低減させるように、第2層410に対する表面積を増大させるように変更することができる。
【0059】
したがって、図4の例におけるドレッシング110は、外部環境から実質的に隔離された、組織部位に近接する密閉された治療環境を提供することができ、陰圧源105は、密閉された治療環境において減圧することができる。
【0060】
密閉された治療環境内等、別の構成要素又は場所において減圧するために陰圧源を使用する流体力学は、数学的に複雑である可能性がある。しかしながら、陰圧療法及び滴下に適用可能な流体力学の基本原理は、一般に、当業者には周知であり、本明細書では、減圧するプロセスは、たとえば、陰圧を「送達する」、「分配する」又は「発生させる」として例示的に記載するものとする。
【0061】
概して、滲出液及び他の流体は、流体路に沿って圧力の低い方に向かって流れる。したがって、「下流」という用語は、通常、流体路において、相対的に陰圧源により近いか又は陽圧源からより離れることを意味する。逆に、「上流」という用語は、相対的に陰圧源からより離れるか又は陽圧源により近いことを意味する。同様に、こうした基準系における流体「入口」又は「出口」に関していくつかの特徴を記載することが好都合である場合がある。この向きは、概して、本明細書におけるさまざまな特徴及び構成要素を説明する目的で想定されている。しかしながら、流体路は、いくつかの応用では(陰圧源の代わりに陽圧源を用いること等により)反転させることも可能であり、この説明的な慣例は限定的な慣例として解釈されるべきではない。
【0062】
密閉された環境における陰圧は、第1層405を第2層410内に押し込むことができ、それにより、いくつかの実施形態では、組織部位においてマクロひずみ及び微小ひずみを引き起こすことができる、凹凸のある、粗い又はぎざぎざの外形を提供するように、第2層410の表面を変形させることができる。組織インタフェース135を通して印加される陰圧により、第2層410において流体制限部420にわたって負の差圧をもたらすことも可能であり、それにより、流体制限部420を通る第1層405及び容器115内への滲出液及び他の液体の移動を可能にするように、流体制限部420を開放することができる。たとえば、流体制限部420が第2層410を通る穿孔を備えることができるいくつかの実施形態では、穿孔にわたる圧力勾配により、ダックビル弁の動作と同様に、第2層410の隣接する材料をひずませ、穿孔の寸法を、その中を通る液体移動を可能にするように増大させることができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、コントローラ120は、第1センサ125等の1つ又は複数のセンサからデータを受け取り、それを処理することができる。コントローラ120はまた、組織インタフェース135に送達される圧力を管理するように、治療システム100の1つ又は複数の構成要素の動作も制御することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ120は、所望の目標圧力を受け取る入力を含むことができ、組織インタフェース135に印加すべき目標圧力の設定及び入力に関するデータを処理するようにプログラムされ得る。いくつかの実施形態例では、目標圧力は、組織部位において治療のために望まれる目標陰圧としてオペレータによって設定され、その後、コントローラ120への入力として提供される、固定圧力値であり得る。目標圧力は、組織部位を形成する組織のタイプと、損傷又は創傷(あるとすれば)のタイプと、患者の医学的状態と、担当医の選好とに基づいて、組織部位ごとに変更することができる。所望の目標圧力を選択した後、コントローラ120は、その目標圧力に基づいて1つ又は複数の制御モードで陰圧源105を動作させることができ、組織インタフェース135において目標圧力を維持するように1つ又は複数のセンサからフィードバックを受け取ることができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、第1層405は、ドレッシング110における液体の保持又は貯蔵を最小限にするために疎水性であり得る。他の実施形態では、第1層405は、浸出液又は滴下溶液を保持するために親水性であり得る。第1層405が親水性であり得る例では、第1層405はまた、組織部位に陰圧を分配し続けている間、組織部位から流体を吸い上げることも可能である。第1層405のウィッキング特性は、たとえば、毛細管流又は他のウィッキング機構により、組織部位から流体を引き離すことができる。第1層405に好適であり得る親水性材料の一例は、San Antonio、TexasのKCIから入手可能なV.A.C.WHITEFOAM(商標)ドレッシング等のポリビニルアルコール、連続気泡フォームである。他の親水性フォームとしては、ポリエーテルから作製されたものを挙げることができる。親水性の特徴を示すことができる他のフォームとしては、親水性を提供するように処理され又はコーティングされた疎水性フォームが挙げられる。
【0065】
陰圧源105が取り除かれる又はオフにされると、流体制限部420にわたる差圧は消失することができ、それにより、流体制限部420は、ひずんでいない又は静止した状態に戻り、滲出液又は他の液体が第2層410を通って組織部位まで移動するのを阻止するか又はその戻り速度を低減させることができる。
【0066】
いくつかの応用では、組織部位と第2層410との間に充填材も配置することができる。たとえば、組織部位が表面創傷である場合、創傷周囲に対して内側に創傷充填材を適用することができ、創傷周囲及び創傷充填材の上に第2層410を配置することができる。いくつかの実施形態では、充填材は、連続気泡フォーム等のマニホールドであり得る。充填材は、いくつかの実施形態では、第1層405と同じ材料を備えるか又はそうした材料から本質的に構成され得る。
【0067】
さらに又は別法として、ドレッシング110に滴下溶液又は他の流体を分配することができ、それにより、組織インタフェース135内の圧力を上昇させることができる。組織インタフェース135内の圧力の上昇により、第2層410における流体制限部420にわたる正の差圧をもたらすことができ、それにより、流体制限部420をそれらの静止状態から開放又は拡張し、滴下溶液又は他の流体が組織部位に分配されるのを可能にすることができる。
【0068】
図6は、図1のドレッシング110の別の例の組立図であり、組織インタフェース135がさらなる層を備えることができるいくつかの実施形態に関連付けることができるさらなる詳細を示す。図6の例では、組織インタフェース135は、第1層405及び第2層410に加えて第3層605を備える。いくつかの実施形態では、第3層605は、第1層405とは反対側で第2層410に隣接することができる。いくつかの実施形態では、第3層605を第2層410に接合することも可能である。
【0069】
第3層605は、粘着面を有し、且つ、組織部位との流体シールを提供するのに好適な軟質ポリマーから形成された、固定層を備え又はそうした固定層から本質的に構成され得る。第3層は、約250g.s.m.の付着量を有するポリマーゲルとすることができ、いくつかの例では、実質的に平坦な面を有することができる。たとえば、第3層605は、シリコーンゲル、軟質シリコーン、親水コロイド、ヒドロゲル、ポリウレタンゲル、ポリオレフィンゲル、水素化スチレンコポリマーゲル、発泡ゲル、接着剤でコーティングされたポリウレタン及びポリオレフィン等の独立気泡フォーム、又はアクリル樹脂を備えることができる。いくつかの実施形態では、第3層605は、約200ミクロン(μm)~約1000ミクロン(μm)の厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、第3層605は、約5ショアOO~約80ショアOOの硬度を有することができる。さらに、第3層605は、疎水性又は親水性材料から構成することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、第3層605は、疎水性コーティングされた材料であり得る。たとえば、第3層605は、たとえば、織、不織、成形又は押出メッシュ等の間隔の空いた材料を疎水性材料でコーティングすることによって形成することができる。コーティングのための疎水性材料は、たとえば、軟質シリコーンであり得る。
【0071】
第3層605は、内側部分615を包囲するか又はその周囲の周縁部610を有することができ、且つ、周縁部610及び内側部分615を通して配置されたアパーチャ620を有することができる。内側部分615は、いくつかの例では、第1層405の表面領域に対応することができる。第3層605は、角部625及び縁部630も有することができる。角部625及び縁部630は、周縁部610の一部であり得る。第3層605は、内側部分615と周縁部610との間に配置された、内側部分615の周囲の内側境界部635を有することができる。図6の例に示すように、内側境界部635には、実質的にアパーチャ620がないものとすることができる。いくつかの例では、図6に示すように、内側部分615は、対称であり、第3層605において中心に配置され得る。
【0072】
アパーチャ620は、たとえば、切断により、若しくは局所RF若しくは超音波エネルギーの印加により、又は、開口部を形成するための他の好適な技法により、形成することができる。アパーチャ620は、均一分布パターンを有することができ、又は第3層605の上でランダムに分散させることができる。第3層605におけるアパーチャ620は、たとえば、円形、正方形、星形、卵形、多角形、スリット、複雑な曲線、直線形状、三角形を含む、多くの形状を有することができ、又はこうした形状の何らかの組合せを有することができる。
【0073】
アパーチャ620の各々は、一様の又は同様の幾何学的特性を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、アパーチャ620の各々は、実質的に同じ直径を有する円形アパーチャであり得る。いくつかの実施形態では、アパーチャ620の各々の直径は、約1ミリメートル~約50ミリメートルであり得る。他の実施形態では、アパーチャ620の各々の直径は、約1ミリメートル~約20ミリメートルであり得る。いくつかの実施形態では、アパーチャ620の各々の直径は、約2ミリメートル~約5ミリメートルであり得る。
【0074】
他の実施形態では、アパーチャ620の幾何学的特性を変更することができる。たとえば、図6に示すように、第3層605におけるアパーチャ620の位置に応じて、アパーチャ620の直径を変更することができる。いくつかの実施形態では、第3層605の周縁部610におけるアパーチャ620の直径は、第3層605の内側部分615におけるアパーチャ620の直径より大きくすることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、周縁部610に配置されたアパーチャ620は、約9.8ミリメートル~約10.2ミリメートルの直径を有することができる。いくつかの実施形態では、角部625に配置されたアパーチャ620は、約7.75ミリメートル~約8.75ミリメートルの直径を有することができる。いくつかの実施形態では、内側部分615に配置されたアパーチャ620は、約2ミリメートル~約5ミリメートルの直径を有することができる。
【0075】
第3層605の周縁部610におけるアパーチャ620のうちの少なくとも1つは、周縁部610の縁部630に位置決めすることができ、縁部630と横方向に流体連通している、縁部630において開放した又は露出された内部切取部を有することができる。横方向は、縁部630に向かう、第3層605と同じ平面における方向を指すものとしてもよい。図6の例に示すように、周縁部610におけるアパーチャ620は、縁部630に近接して又は縁部630に、縁部630と横方向に流体連通して位置決めすることができる。図6の例に示すように、縁部630に近接して又は縁部630に位置決めされたアパーチャ620は、周縁部610にわたって実質的に等距離に間隔を空けて配置することができる。別法として、縁部630に近接する又は縁部630におけるアパーチャ620の間隔は、不規則であり得る。
【0076】
図6の例に示すように、いくつかの実施形態では、使用前に接着剤440を保護するために、リリースライナ445を第3層605に取り付けるか又は第3層605に隣接して位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、リリースライナ445は、第3層605等の隣接する層の上に刻み込むことができる表面性状を有することができる。さらに、第3層605と接触するように構成されるリリースライナ445の側に、剥離剤を配置することができる。
【0077】
図7は、アパーチャ620の構成例の概略図であり、第3層605のいくつかの実施形態に関連付けることができるさらなる詳細を示す。いくつかの実施形態では、図7に示すアパーチャ620は、内側部分615にのみ関連付けることができる。図7の例では、アパーチャ620は、概して円形であり、約2ミリメートルの直径を有する。図7はまた、内側部分615におけるアパーチャ620の均一な分散パターンの一例も示す。図7において、アパーチャ620は、平行な行及び列の格子で分散されている。図7の例に示すように、各行及び列内で、アパーチャ620は、互いから等距離であり得る。図7は、多くの応用に対して特に好適であり得る1つの構成例を示し、そこでは、アパーチャ620は、各行及び列に沿って約6ミリメートル離れて間隔が開けられ、3ミリメートルずれている。
【0078】
図8は、図5の流体制限部420の上に重ね合わされた図7のアパーチャ620の概略図であり、組織インタフェース135のいくつかの実施形態例に関連付けることができるさらなる詳細を示す。たとえば、図8に示すように、いくつかの実施形態では、流体制限部420は、アパーチャ620と整列し、アパーチャ620にオーバーラップし、アパーチャ620と位置合わせされ、又は他の方法でアパーチャ620に流体結合することができる。いくつかの実施形態では、流体制限部420のうちの1つ又は複数は、内側部分615においてのみアパーチャ620と位置合わせするか、又はアパーチャ620と部分的にのみ位置合わせすることができる。図8の例における流体制限部420は、概して、流体制限部420の各々がアパーチャ620のうちの1つのみと位置合わせされるように構成される。他の例では、流体制限部420のうちの1つ又は複数は、アパーチャ620のうちの2つ以上と位置合わせすることができる。たとえば、流体制限部420のうちの任意の1つ又は複数は、アパーチャ620のうちの2つ以上にわたって延在する穿孔又は開窓であり得る。さらに又は別法として、流体制限部420のうちの1つ又は複数は、アパーチャ620のうちの任意のものと位置合わせされない場合もある。
【0079】
図8の例に示すように、アパーチャ620は、第2層410、流体制限部420又は両方の一部を、第3層605を通して露出させるようなサイズであり得る。いくつかの実施形態では、アパーチャ435のうちの1つ又は複数は、流体制限部420のうちの2つ以上を露出させるようなサイズであり得る。たとえば、アパーチャ435のうちのいくつか又はすべてが、流体制限部420のうちの2つ又は3つを露出させるようなサイズであり得る。いくつかの例では、流体制限部420の各々の長さは、アパーチャ620の各々の直径と実質的に等しくすることができる。より全体的には、流体制限部420の平均寸法は、アパーチャ620の平均寸法と実質的に同様である。たとえば、アパーチャ620は、いくつかの実施形態では楕円形とすることができ、流体制限部420の各々の長さは、長軸又は短軸と実質的に等しくすることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、流体制限部420の寸法は、アパーチャ620の寸法を超えることができ、アパーチャ620のサイズは、ドレッシング110の下面に露出された流体制限部420の有効サイズを制限することができる。
【0080】
図6の例におけるドレッシング110の個々の構成要素は、流体管理に悪影響を与えることなく、たとえば、溶剤接着剤若しくは非溶剤接着剤により、又は熱溶接により、互いに接合するか又は他の方法で固定することができる。さらに、第2層410又は第1層405は、たとえば、溶接又は接着剤等を用いる任意の好適な方法で、第3層605の境界部635に結合することができる。
【0081】
カバー140、第1層405、第2層410、第3層605又はさまざまな組合せは、適用前に又はインサイチュで組み立てることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、カバー140は第1層405に貼り合わせることができ、第2層410は、カバー140の反対側で第1層405に貼り合わせることができる。いくつかの実施形態では、第3層605はまた、第1層405とは反対側で第2層410に結合することができる。いくつかの実施形態では、組織インタフェース135の1つ又は複数の層は同一の広がりを有することができる。たとえば、図6の実施形態に示すように、第2層410、第3層605又は両方は、第1層405の縁と同一平面で切断することができ、第1層405の縁を露出させる。他の実施形態では、第2層410、第3層605又は両方は、第1層405の縁にオーバーラップすることができる。いくつかの実施形態では、ドレッシング110は、単一の複合ドレッシングとして提供することができる。たとえば、第1層405及び第2層410を封入するように、第3層605をカバー140に結合することができ、第3層605は組織部位に面するように構成される。さらに又は別法として、第2層410、第3層605又は両方は、第1層405の両側に配置され、第1層405を封入するように合わせて接合することができる。
【0082】
図6の例におけるリリースライナ445を除去することによって、接着剤440も露出させることができ、第1層405及び第2層410の周囲で、組織部位に対して周縁の表皮等の取付面に、カバー140を取り付けることができる。たとえば、接着剤440は、第3層605の少なくとも周縁部610において、アパーチャ620を通して取付面と流体連通することができる。接着剤440はまた、縁部630において露出したアパーチャ620を通して縁部630と流体連通することも可能である。
【0083】
ドレッシング110が所望の位置になると、接着剤440をアパーチャ620に押し通して、ドレッシング110を取付面に接着することができる。縁部630におけるアパーチャ620により、縁部630の取付面への付着を促進するために、接着剤440は縁部630の周囲を流れることができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、第3層605におけるアパーチャ又は孔は、アパーチャ620と流体連通する接着剤440の量を制御するようなサイズであり得る。角部625の所与の幾何学的形状に対して、アパーチャ620の相対的なサイズは、露出した、且つ角部625においてアパーチャ620を通して流体連通する接着剤440の表面積を最大化するように構成され得る。たとえば、図6に示すように、縁部630は、実質的に直角すなわち約90度で交差して、角部625を画定することができる。いくつかの実施形態では、角部625は、約10ミリメートルの半径を有することができる。さらに、いくつかの実施形態では、約7.75ミリメートル~約8.75ミリメートルの直径を有するアパーチャ620のうちの3つを、角部625において三角形構成で位置決めして、接着剤440に対する露出した表面積を最大化することができる。他の実施形態では、角部625の選択された幾何学的形状に応じて、接着剤440の露出した表面積を最大化するように、角部625におけるアパーチャ620のサイズ及び数を必要に応じて調整することができる。さらに、角部625におけるアパーチャ620は、第3層605内に完全に収容して、角部625の外側への横方向の流体連通を実質的に妨げることができる。角部625においてアパーチャ620が第3層605内に完全に収容されることにより、角部625の外側の接着剤440の流体連通を実質的に妨げることができ、組織部位における展開中のドレッシング110の取扱いを改善することができる。さらに、角部625の外側に実質的に接着剤440がないことにより、角部625の可撓性を増大させて、快適さを向上させることができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、接着剤440の接着強度は、ドレッシング110の異なる場所で変更することができる。たとえば、接着剤440は、アパーチャ620が相対的に大きい第3層605に隣接する場所では、相対的に低い接着強度を有することができ、アパーチャ620が相対的に小さい場所では、相対的に高い接着強度を有することができる。相対的に大きいアパーチャ620と組み合わせて相対的に低い接着強度を有する接着剤440は、相対的に小さいアパーチャ620を有する場所における相対的に高い接着強度を有する接着剤440と匹敵する接着を提供することができる。
【0086】
組織インタフェース135、カバー140又は両方の幾何学的形状及び寸法は、特定の応用又は解剖学的構造に適合するように変更することができる。たとえば、組織インタフェース135及びカバー140の幾何学的形状又は寸法は、組織部位において且つ組織部位の周囲において、肘又は踵等、封止が困難な解剖学的構造に対して有効且つ確実なシールを提供するように適合させることができる。さらに又は別法として、組織部位における上皮細胞の移動及び増殖を促進し、肉芽組織の内部成長の可能性を低減させるように、第3層605に対する表面積を増大させるように寸法を変更することができる。
【0087】
したがって、図6の例におけるドレッシング110は、外部環境から実質的に隔離された、組織部位に近接する密閉された治療環境を提供することができ、陰圧源105は、密閉された治療環境において減圧することができる。第3層605は、組織部位において且つ組織部位の周囲において、肘又は踵等、封止が困難な解剖学的表面に対して有効且つ確実なシールを提供するように適合させることができる。さらに、ドレッシング110は、たとえば、再適用又は再配置により、ドレッシング110の折目及び他の不連続性によってもたらされる空気漏れを補正するのを可能にすることができる。漏れを修正することができることにより、いくつかの実施形態では、治療の効力を増大させ、電力消費量を低減させることができる。
【0088】
まだ構成されていない場合、ドレッシングインタフェース455は、アパーチャ460の上に配置し、カバー140に取り付けることができる。流体伝導体450は、ドレッシングインタフェース455に且つ陰圧源105に流体的に結合することができる。
【0089】
組織インタフェース135を通して印加される陰圧により、第2層410における流体制限部420にわたって負の差圧をもたらすことができ、それにより、流体制限部420を開放又は拡張することができる。たとえば、流体制限部420が第2層410を通る実質的に閉鎖された開窓を備えることができるいくつかの実施形態では、開窓にわたる圧力勾配により、ダックビル弁の動作と同様に、第2層410の隣接材料をひずませ、開窓の寸法を増大させて、そこを通る液体の移動を可能にすることができる。流体制限部420を開放することにより、流体制限部420を通る第1層405及び容器115内への滲出液及び他の液体の移動を可能にすることができる。圧力の変化によってまた、第1層405を拡張及び収縮させることも可能であり、内側境界部635は、刺激から表皮を保護することができる。第2層410及び第3層605はまた、第1層405への組織の露出を実質的に低減させるか又は防止することも可能であり、それにより、第1層405内への組織の成長を阻止することができる。
【0090】
陰圧源105が取り除かれるか又はオフにされると、流体制限部420にわたる差圧は消失することができ、流体制限部420は、閉鎖し、滲出液又は他の液体が第2層410を通って組織部位に戻るのを阻止することができる。
【0091】
いくつかの応用では、組織部位と第3層605との間に充填材も配置することができる。たとえば、組織部位が表面創傷である場合、創傷周囲の内側に創傷充填材を適用することができ、創傷周囲及び創傷充填材の上に第3層605を配置することができる。いくつかの実施形態では、充填材は、連続気泡フォーム等のマニホールドであり得る。いくつかの実施形態では、充填材は、第1層405と同じ材料を備えるか又は同じ材料から本質的に構成され得る。
【0092】
さらに又は別法として、ドレッシング110に滴下溶液又は他の流体を分配することができ、それにより、組織インタフェース135において圧力を上昇させることができる。組織インタフェース135における圧力の上昇により、第2層410において流体制限部420にわたって正の差圧をもたらすことができ、それにより、滴下溶液又は他の流体が組織部位に分配されるのを可能にするように流体制限部420を開放することができる。
【0093】
図9は、別の例第3層605の上面図であり、いくつかの実施形態に関連付けることができるさらなる詳細を示す。図9の例に示すように、第3層605は、内側部分615におけるアパーチャ620の代わりに又はそれに加えて、1つ又は複数のエラストマー弁905を有することができる。弁905は、第2層410に加えて又は第2層410の代わりに、第3層605に含めることができる。第3層605が弁905のうちの1つ又は複数を含むいくつかの実施形態では、第2層410を省略することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、組織インタフェース135は、図9の第1層405及び第3層605から本質的に構成することができ、弁905は内側部分615に配置される。
【0094】
図10及び図11は、弁905の他の構成例を示し、そこでは、弁905は、各々、交差スリット又は十字スリットの組合せを一般的に備える。
【0095】
図12は、ドレッシング110の一例の概略断面図であり、いくつかの実施形態に関連付けることができるさらなる詳細を示す。図12の例では、組織インタフェース135は、第1層405、第2層410及び第3層605を含み、それらは、第2層410が第1層405と第3層605との間に配置される積層構成で組み立てられている。図12のカバー140は、第1層405の上に配置されている。カバー140は、組織インタフェース135の縁部を実質的に封入している。
【0096】
図12の構成例に示すように、穿孔415は、第1層405を通って延在することができる。穿孔415のうちの1つ又は複数は、カバー140に隣接する第1面から第2層410に隣接する第2面まで第1層405を通って延在する貫通孔であり得る。他の実施形態では、穿孔415のうちの1つ又は複数は、第1層405を完全に貫通しない止まり穴であり得る。たとえば、穿孔415のうちの1つ又は複数は、第1面から第1層405内に延在することができ、第1層405の厚さより小さい深さを有することができる。
【0097】
穿孔415は、第1層405において壁1205を形成することができる。いくつかの実施形態では、壁1205は円筒状であり得る。さらに他の実施形態では、穿孔415は、テーパ状とすることができ、円錐形、角錐形又は他の不規則な幾何学的形状を有することができる。
【0098】
図13は、組織インタフェース135の別の構成例の概略断面図である。図13の例では、流体制限部420のうちの1つ又は複数は、壁1205の少なくとも一部と接触するように、圧力勾配下で拡張するように構成することができる。たとえば、流体制限部420のうちの1つ又は複数は、壁1205の少なくとも一部と接触することができるフラップを形成することができる、十字スリットを備えるか又はそうした十字スリットから構成され得る。フラップは、第1層405内への組織成長を阻止するか又は低減させることができる。いくつかの例では、肉芽組織もまた、流体制限部420の拡張をもたらす可能性がある。第3層605を有するいくつかの実施形態では、流体制限部420のうちの1つ又は複数は、アパーチャ620のうちの1つ又は複数と位置合わせされ得る。
【0099】
図14は、第1層405の一例の平面図であり、いくつかの実施形態に関連付けることができるさらなる詳細を示す。たとえば、穿孔415のいくつかの実施形態は、図14に示すように円形断面を有することができる。いくつかの実施形態では、穿孔415は、約2ミリメートル~約10ミリメートルの平均径を有することができ、穿孔415の中心は、約2ミリメートル~約10ミリメートル間隔を空けて配置され得る。穿孔415は、流体制限部420及びアパーチャ620のすべて、若しくはそのうちのいくつかと位置合わせされる場合があり、又はいずれとも位置合わせされない場合もある。
【0100】
いくつかの実施形態では、第1層405は、第1方向線1405と、第1方向線1405に対して垂直である第2方向線1410とを有することができる。第1方向線1405及び第2方向線1410は、第1層405を通る対称の線であり得る。図14の例では、第1層405は、長手方向縁部1415及び短手方向縁部1420を備えた略矩形形状を有する。いくつかの実施形態では、第1方向線1405は、長手方向縁部1415に対して平行であり得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、第1層405の長手方向縁部1415及び短手方向縁部1420は、直線状の縁部でない場合がある。たとえば、穿孔415のうちの1つ又は複数は、長手方向縁部1415又は短手方向縁部1420とオーバーラップして、縁部が非線形輪郭を有するようにすることができ、それにより、ケラチン生成細胞移動の妨害を低減させ、陰圧療法による再上皮化を促進することができる。
【0102】
第1層405はまた、種々の他の好適な形状を有することも可能である。たとえば、第1層405は、菱形、正方形又は円形の形状を有することができる。いくつかの実施形態では、第1層405の形状は、組織部位の形状又はタイプに適応するように選択され得る。たとえば、第1層405は、卵形又は円形の組織部位に適応するように、卵形又は円形の形状を有することができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、図14の例に示すように、穿孔415は、アレイを形成するように平行な行で位置合わせされ得る。いくつかの実施形態では、1つの行における穿孔415のうちの2つ以上の外周部の間の壁1205の幅は、約5ミリメートルであり得る。隣接する行における穿孔415の各々の中心は、第1方向線1405に沿ってずれているものとして特徴付けることができる。
【0104】
図15及び図16は、第1層405の他の例の平面図であり、いくつかの実施形態に関連付けることができるさらなる詳細を示す。図15及び図16に示すように、穿孔415のいくつかの実施形態は、多角形断面を有することができる。図15は、穿孔の各々が六角形断面を有する例を示す。図16は、穿孔の各々が三角形断面を有する例を示す。いくつかの実施形態では、穿孔415は、約2ミリメートル~約10ミリメートルの有効径を有することができる。非円形領域の有効径は、非円形領域と同じ表面積を有する円形領域の直径である。
【0105】
図17は、第1層405の別の例の平面図であり、いくつかの実施形態に関連付けることができるさらなる詳細を示す。図17の例では、穿孔415の各々は、楕円形断面を有する。
【0106】
図18は、第1層405の別の例の上面図であり、いくつかの実施形態に関連付けることができるさらなる詳細を示す。たとえば、図18は、内側部1805と内側部1805の周囲に延在する辺縁部1810とを有する第1層405の一実施形態を示す。図18の穿孔415は、内側部1805のみに配置され、辺縁部1810は、内側部1805と繋がっており、穿孔がない。穿孔415の輪郭は、図18の例に示すように円形とすることができ、又は、他の例に示すように他の輪郭を有することができる。内側部1805及び辺縁部1810の寸法もまた変更することができる。たとえば、辺縁部1810は、約1センチメートル~約5センチメートルの幅W1を有することができる。いくつかの例では、内側部1805は、第2層410と同様の形状及びサイズであり得る。
【0107】
図19は、第1層405の別の例の上面図であり、いくつかの実施形態に関連付けることができるさらなる詳細を示す。図19の例では、穿孔415のうちの少なくともいくつかは、内側部1805に加えて辺縁部1810に配置され得る。辺縁部1810の穿孔415は幅W2を有することができ、内側部1805の穿孔415は第2幅W3を有することができる。幅W2は、概して、幅W3より小さい。たとえば、幅W3は、少なくともW2の幅の2倍であり得る。いくつかの例では、幅W2は、約1ミリメートル~約8ミリメートルとすることができ、幅W3は、約2ミリメートル~約10ミリメートルとすることができる。
【0108】
図20は、第1層405の別の例の上面図であり、いくつかの実施形態に関連付けることができるさらなる詳細を示す。図20の例では、第1層405は、可変密度を有することができる。たとえば、第1層405は、第1密度を有する領域2005と第2密度を有する領域2010とを有することができる。いくつかの実施形態では、第2密度は第1密度より高い。いくつかの例では、領域2005及び領域2010は、異なる密度を有する異なる材料を備えるか又はそうした材料から本質的に構成され得る。他の例では、領域2005及び領域2010は、密度を変更するように処理することができる、同じか又は同様の材料を備えるか又はそうした材料から本質的に構成され得る。たとえば、領域2005は、非圧縮連続気泡フォームを備えるか又は非圧縮連続気泡フォームから本質的に構成することができ、領域2010は、圧縮連続気泡フォームを備えるか又は圧縮連続気泡フォームから本質的に構成することができる。いくつかの実施形態では、第2密度は、第1密度の約3倍~約5倍であり得る。
【0109】
圧縮フォームは、周囲圧力でフォームの密度を上昇させるように機械的に又は化学的に圧縮されるフォームである。圧縮フォームは、圧縮状態にあるフォームの密度の非圧縮状態にある同じフォームの密度に対する比として定義される硬度係数によって特徴付けることができる。いくつかの例では、領域2010は、約5の硬度係数を有するフォームを備えるか又はそうしたフォームから本質的に構成され得る。フォームの硬度係数を増大させることにより、フォームの厚さに対して平行な方向においてフォームの剛性を増大させることができる。たとえば、領域2010の硬度係数を増大させることにより、第1層405の厚さに対して平行な方向における第1層405の剛性を増大させることができる。
【0110】
圧縮フォームは、フェルトフォームとも称され得る。フェルトフォームは、フォームの密度を上昇させるようにフォームを永久的に圧縮する熱成形プロセスを受ける。フェルトフォームもまた、他のフェルトフォーム又は圧縮フォームと、フェルトフォームの硬度係数を他の圧縮又は非圧縮フォームの硬度係数と比較することにより、比較することができる。概して、圧縮又はフェルトフォームは、1より大きい硬度係数を有することができる。
【0111】
概して、圧縮フォームは、陰圧を受けると、同様の非圧縮フォームより変形を示さない。いくつかの実施形態では、領域2005は、領域2010より圧縮率が高いものであり得る。たとえば、領域2005が非圧縮フォームから形成され、領域2010が圧縮フォームから形成される場合、領域2010は領域2005ほど変形しない可能性がある。変形の低減は、硬度係数によって反映されるような剛性の増大によってもたらされ得る。陰圧の応力を受けると、圧縮フォームから形成される領域2010は、非圧縮フォームから形成される領域2005ほどつぶれない可能性がある。圧縮の程度は、フェルト化の程度に反比例する可能性がある。たとえば、2の硬度係数を有する10mm厚さのフォーム片は、1の硬度係数を有する10mm厚さのフォーム片の半分程度圧縮する。いくつかの実施形態では、第1層405は約8mmの厚さを有することができ、領域2010は、陰圧下で領域2005ほど圧縮しない可能性がある。たとえば、領域2010は、約6mmの厚さまで収縮する可能性があり、領域2005は、約3mmの厚さまで収縮する可能性がある。
【0112】
いくつかの実施形態では、図20の第1層405は、フォームのブロックから形成され得る。6つの辺を有するフォームの非圧縮ブロックを提供することができる。ブロックの第1面に、複数のチャネルを形成することができる。たとえば、第1面を、チャネルを形成するように切断することができる。切断としては、レーザ切断、コンピュータ数値制御(「CNC」)熱線切断、及び、材料を切り離すように構成されたプレートの孔にフォームブロックを押し通した後、フォームを切り裂くことによる切断を挙げることができる。切断はまた、エッグクレート状にすること、たとえば、可変深さでフォームを同時に切断するように動作可能な特別に設計された帯鋸を用いてフォームを切断することも含むことができる。いくつかの実施形態では、ブロックの第2面にもチャネルを形成することができる。たとえば、第2面は、ブロックの、第1面から反対側にあり得る。第2面のチャネルは、第1面のチャネルと位置合わせされ得る。チャネルは平行とすることができ、各チャネルは、ブロックの長さ又は幅を通して伸び、領域2005の幅に実質的に等しい幅又は長さを有することができる。いくつかの実施形態では、チャネルは、正方形又は矩形の形状を有する。チャネルの形成により、フォームのブロックの第1面から延在する一続きの平行な壁がもたらされる。第1面に対して垂直な側から見ると、第1面は、矩形波形状に類似する波状形態を有することができる。他の実施形態では、円形、三角形又は不定形の形状を有し、正弦波、鋸歯状(三角)波又は不定形波の外形をもたらす、チャネルをそれぞれ形成することができる。
【0113】
チャネルの形成に続き、ブロックを圧縮するか又はフェルト化することができる。たとえば、ブロックを加熱するように設計された2枚のプレートの間に、第1面及び第2面を位置決めすることができる。プレートは、特定のフォームに対して最適な温度まで加熱された後、フォームを圧縮することができる。フォームが周囲温度まで冷めるまで、プレートは、フォームを圧縮状態で保持し、圧縮状態の厚さを維持する。いくつかの実施形態では、ブロックが実質的に均一な厚さを有するまで、ブロックをフェルト化又は圧縮して、実質的に均一な厚さを有する第1層405を形成することができる。実質的に均一な厚さを有するようなフォームのブロックのフェルト化により、壁が圧縮され、それにより、壁は、隣接するチャネルより高い密度を有する。フェルト化の後、チャネルは領域2005を形成し、圧縮壁は領域2010を形成する。フェルト化プロセスにより、領域2010においてフェルト化プロセスによって生成された新たな容積に、領域2005に比較してより多くの材料が圧縮されるため、異なる密度を有する領域2005及び領域2010が生成される。他の実施形態では、第1層405は、領域2005と領域2010との間に厚さのわずかな差異を有することができる。
【0114】
図20の例に示すように、領域2005及び領域2010は、矩形の外形を有することができる。他の例では、領域2005、領域2010又は両方の少なくとも幾分かが、円形又は六角形等、他の幾何学的外形を有することができる。図20の例に示すように、領域2005及び領域2010は、規則的なパターンで分散させることも可能である。いくつかの例では、図20におけるように、パターンは、行又は平行なストライプとして特徴付けられ得る。他の例では、好適なパターンは、アレイ、格子又はクロスハッチングとして特徴付けられ得る。いくつかの例に対して、同心環も好適であり得る。
【0115】
図21は、図1のドレッシング110の別の例の組立図であり、いくつかの実施形態に関連付けることができるさらなる詳細を示す。図21の例では、組織インタフェース135は、カバー140と第1層405との間に配置された保持層2105を備える。いくつかの実施形態では、保持層2105は、穿孔415に隣接して配置することができる、連続気泡フォーム等のマニホールドを備えるか又はそうしたマニホールドから本質的に構成され得る。たとえば、保持層2105は、比較的大きい細孔径を有する網状フォームを備えるか又はそうした網状フォームから実質的に構成され得る。いくつかの例では、10~80細孔/インチを有するフォームが好適であり得る。保持層2105は、可撓性、半剛性又は剛性であり得る。いくつかの実施形態では、保持層2105は、第1層405より可撓性又は圧縮性が高いものであり得る。いくつかの例では、保持層2105は、第1層405より低密度であり得る。いくつかの実施形態では、保持層2105は、第1層405より薄いものであり得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、第1層405及び保持層2105は、1つの構成要素又は一体化層に統合することができ、分離不可能であり得る。たとえば、いくつかの実施形態では、第1層405に保持層2105を貼り合わせることができる。
【0117】
図22は、組織インタフェース135に陰圧治療及び滴下治療を提供する治療システム100の動作の方法例に関連付けることができる詳細を示すチャートである。いくつかの実施形態では、コントローラ120は、組織インタフェース135に提供される滴下溶液に関連するデータ等、データを受け取り且つ処理することができる。こうしたデータとしては、臨床医によって処方された滴下溶液のタイプと、組織部位に滴下すべき流体又は溶液の容量(「充填容量」)と、組織部位に陰圧を印加する前に組織部位に溶液を放置するために指示された時間(「滞留時間」)とを挙げることができる。充填容量は、たとえば、10~500mLとすることができ、滞留時間は、1秒~30分とすることができる。コントローラ120はまた、2205に示すように、溶液を滴下するように治療システム100の1つ又は複数の構成要素の動作を制御することができる。たとえば、コントローラ120は、溶液源145から組織インタフェース135まで分配される流体を管理することができる。いくつかの実施形態では、2210に示すように、組織部位において減圧するように陰圧源105から陰圧を印加し、組織インタフェース135内に溶液を引き込むことによって、組織部位に流体を滴下することができる。いくつかの実施形態では、2215に示すように、溶液源145から組織インタフェース135に溶液を移動させるように陽圧源150から陽圧を印加することにより、組織部位に溶液を滴下することができる。さらに又は別法として、2220に示すように、重力により溶液を組織インタフェース135内に移動させることができるために十分な高さまで、溶液源145を持ち上げることができる。
【0118】
コントローラ120は、2230において溶液の連続流を提供するか又は2235において溶液の間欠流を提供することにより、2225において滴下の流体動態も制御することができる。2240において、連続流又は間欠流の何れかを提供するために陰圧を印加することができる。陰圧の印加は、組織インタフェース135を通る滴下溶液の連続流量を達成するように2245において動作の連続圧力モードを提供するように実施することができ、又は、組織インタフェース135を通る滴下溶液の流量を変更するように2255において動作の動的圧力モードを提供することができる。別法として、陰圧の印加は、滴下溶液が組織インタフェース135において滞留することができるように2260において動作の間欠モードを提供するように実施することができる。間欠モードでは、たとえば、治療されている組織部位のタイプと利用されているドレッシングのタイプとに応じて、所定の充填容量及び滞留時間を提供することができる。溶液の滴下後又は滴下中、2265において陰圧治療を適用することができる。コントローラ120を利用して、2205においてさらなる溶液を滴下することにより2270において別の滴下サイクルを開始する前に、動作のモード及び陰圧治療の持続時間を選択することができる。
【0119】
本明細書に記載したシステム、装置及び方法は、著しい利点を提供することができる。ドレッシング110は、サイジングなしに無傷の皮膚の上に適用することができ、浸軟のリスクを低減させることができる。いくつかの構成では、ドレッシング110は、組織内部成長又はマニホールドの有効性の損失に関して低リスクで、最大7日間、創傷の上に放置することができる。ドレッシング110は、中~高レベルの滲出液がある中位の深さの創傷の治療で使用するのに特に有利であり得る。たとえば、いくつかの創傷、特に高度に感染している創傷は、非常に粘着性の高い滲出液をもたらす可能性があり、それにより、創傷部位に送達される陰圧のレベルが低下する可能性がある。穿孔415は、ドレッシング110による滲出液除去の効力を増大させることができる。さらに、濃い滲出液をもたらす損傷はまた、原因となる感染を治療し、創傷及びドレッシングから滲出液を出し、又は両方を行うように、滴下療法によってもまた治療することができる。穿孔415により、ドレッシング110から滲出液を除去し且つ創傷に溶液を送達するように、適用される滴下溶液の効率を向上させることができる。
【0120】
いくつかの例示的な実施形態で示したが、当業者であれば、本明細書に記載したシステム、装置及び方法に対して、添付の請求項の範囲内にあるさまざまな変形及び変更が可能であることを理解するであろう。さらに、「又は」等の用語を使用するさまざまな代替例の記載は、文脈から明らかに必要でない限り、相互排他性を必要とせず、「1つの(a)」又は「1つの(an)」という不定冠詞は、文脈から明らかに必要でない限り、対象を単一の例に限定するものではない。
【0121】
販売、製造、組立又は使用の目的で、いくつかの構成要素及び特徴をさまざまな構成で組み合わせるか又はなくすことも可能である。たとえば、いくつかの構成では、容器115、コントローラ120又は他の構成要素を、他の構成要素からは独立して製造し、構成し、組み立て又は販売することができる。さらに、第3層605及び保持層2105等のいくつかの層を組み合わせるか又はさまざまな構成から省略することができる。たとえば、保持層2105を図6の例と組み合わせることができ、穿孔415のパターン及び形状の例を他の例及び特徴と組み合わせることができる。
【0122】
添付の特許請求の範囲は、上述した主題の新規性のある且つ進歩性のある態様を示すが、具体的に詳細に記載していない追加の主題も包含することができる。たとえば、当業者には既知であることから新規性のある且つ進歩性のある特徴を識別するために必要ではない場合、いくつかの特徴、要素又は態様を特許請求の範囲から省略している場合がある。いくつかの実施形態に関連して記載した特徴、要素及び態様はまた、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、省略するか、組み合わせるか、又は、同じ、等価の若しくは同様の目的にかなう代替的な特徴と置き換えることも可能である。
図1
図2
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