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▶ シンジェンタ パーティシペーションズ アーゲーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】新規な結晶形態
(51)【国際特許分類】
   C07D 213/82 20060101AFI20230913BHJP
   A01N 43/40 20060101ALI20230913BHJP
   A01P 5/00 20060101ALI20230913BHJP
   A61K 31/455 20060101ALN20230913BHJP
   A61P 31/10 20060101ALN20230913BHJP
   A61P 33/10 20060101ALN20230913BHJP
   A61P 33/14 20060101ALN20230913BHJP
【FI】
C07D213/82 CSP
A01N43/40 101D
A01P5/00
A61K31/455
A61P31/10
A61P33/10
A61P33/14
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020543281
(86)(22)【出願日】2019-02-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-10
(86)【国際出願番号】 EP2019053292
(87)【国際公開番号】W WO2019158476
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】18156463.4
(32)【優先日】2018-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519295993
【氏名又は名称】シンジェンタ パーティシペーションズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100136249
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 貴光
(72)【発明者】
【氏名】ホーン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ イアン ケヴィン
【審査官】阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-528201(JP,A)
【文献】特表2010-511689(JP,A)
【文献】平山令明,有機化合物結晶作製ハンドブック,2008年,p.17-23,37-40,45-51,57-65
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A01N
A01P
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
21~26℃の温度にて6.1±0.2、11.2±0.2、14.0±0.2、16.7±0.2、17.2±0.2、18.5±0.2、20.8±0.2、21.3±0.2、22.3±0.2、23.6±0.2、23.9±0.2及び24.5±0.2の群から選択される4以上の2シータ角度値を含むX線粉末回折パターンによって特性決定される、式(I)
【化1】
のN-[(1S,2S)-2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶。
【請求項2】
21~26℃の温度にて6.1±0.2、11.2±0.2、14.0±0.2、16.7±0.2、17.2±0.2、18.5±0.2、20.8±0.2、21.3±0.2、22.3±0.2、23.6±0.2、23.9±0.2及び24.5±0.2の群から選択される6以上の2シータ角度値を含むX線粉末回折パターンによって特性決定される、請求項1に記載の結晶。
【請求項3】
下記の単位格子パラメーター:
a=15.52ű0.01Å、b=7.24ű0.01Å、c=16.64ű0.01Å、α=90°±0.01°、β=105.03±0.01°、γ=90°±0.01°、Z=4によって特性決定される、請求項1又は2に記載の結晶。
【請求項4】
融解ピークが、約65℃におけるものである、請求項1~3のいずれか一項に記載の結晶。
【請求項5】
請求項1~のいずれか一項に記載の結晶及び少なくとも1種の許容される担体又は賦形剤を含む、農業組成物。
【請求項6】
少なくとも1種の殺虫、殺ダニ、殺線虫又は殺真菌活性剤をさらに含む、請求項に記載の組成物。
【請求項7】
線虫有害生物又は真菌によってもたらされる損傷から有用な植物を保護するための、請求項1~のいずれか一項に記載の結晶の使用。
【請求項8】
線虫有害生物によってもたらされる損傷に対して、有用な植物の作物を保護する方法であって、前記植物又はその生息地を、請求項又はに記載の組成物で処理することを含む、方法。
【請求項9】
線虫有害生物によってもたらされる損傷に対して植物繁殖材料を保護する方法であって、この材料を、請求項又はに記載の組成物で処理することを含む、方法。
【請求項10】
真菌によってもたらされる損傷に対して、有用な植物の作物を保護する方法であって、前記植物又はその生息地を、請求項又はに記載の組成物で処理することを含む、方法。
【請求項11】
真菌によってもたらされる損傷に対して植物繁殖材料を保護する方法であって、この材料を、請求項又はに記載の組成物で処理することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶形態、前記結晶形態を含む組成物、及び殺線虫剤又は殺真菌剤としてのそれらの使用の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2013/143811号は、2つのエナンチオマーであるN-[(1S,2S)-2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミド及びN-[(1R,2R)-2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドのラセミ化合物である化合物cis-N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドを調製するための方法について開示している。Cis-N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドは、表57、実施例57.011に例示されている。
【0003】
国際公開第2015/003951号は、エナンチオマーであるN-[(1S,2S)-2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミド(実施例P5)を調製するための方法について開示している。この化合物は、広範囲の線虫に対して活性である殺線虫剤として開示されている。
【0004】
cis-N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミド又はそのエナンチオマーであるN-[(1S,2S)-2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドを含む農芸化学組成物は、国際公開第2013/143811号及び国際公開第2015/003951号の両方において包括的に開示されてきた。しかし、製剤の特定のタイプの施用は、製剤を調製するために使用される特定の形態、すなわち、多形又はアモルファス形態によって決まる。例えば、このようなSC製剤中で懸濁液濃縮物(SC)を調製するために使用される形態が安定ではない場合、多形変換が製剤において起こり、望まれない結晶成長をもたらし得る。このような結晶成長は、製剤の濃厚化及び潜在的に凝固をもたらし得、これによって、施用機器、例えば、農業用施用機械装置におけるスプレーノズルの閉塞がもたらされ得るため、有害であり得る。したがって、その農業製剤又は医薬製剤を調製するための、上記の化合物の安定な結晶形態を提供することが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明に関連して、多形は、固体状態において2つ以上の結晶形で存在し得る化合物の特定の結晶形である。化合物の結晶形は、3つの全ての空間次元に延在する秩序正しく反復するパターンで配置される構成分子を含む(対照的に、非晶質固体は、分子の位置内に長距離秩序を有さない)。化合物の異なる多形は、それらの結晶構造中に原子及び又は分子の異なる配置を有する。化合物が、殺線虫剤などの生物学的に活性な化合物である場合、結晶構造の相違は、異なる化学的、物理的及び生物学的特性を有する異なる多形をもたらし得る。影響され得る特性としては、結晶の形状、密度、硬度、色、化学安定性、融解ピーク、吸湿性、懸濁性、溶解速度及び生物学的利用能が挙げられる。したがって、特定の多形は、同じ化合物の別の多形と比べて特定の使用においてより有利になる特性を有し得る。特に、上に列挙される物理的、化学的及び生物学的特性は、化合物が他の有効成分及び製剤成分と製剤中で容易に組み合わされ得る製造方法及び製剤、並びに殺線虫剤などの植物処理剤の品質及び有効性の開発に著しい影響を与え得る。化合物の固体状態が2つ以上の多形として存在し得るかどうかを予測することはできず、これらの結晶形のいずれかの特性を予測することもできないことが留意される。
【0006】
N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドの4つの多形形態(形態A、B、C及びD)を、本明細書において開示する。形態Aを調製するための方法は、国際公開第2015/003951号(実施例P5)に開示されている。形態Dを調製するための方法は、国際公開第2013/143811号(表57、実施例57.011)に開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの技術が、多形を特性決定するために一般に使用される。例えば、粉末X線回折(pXRD)技術が使用されることが多く、使用し得る他の技術は、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)及びラマン又は赤外分光法、核磁気共鳴(NMR)、ガスクロマトグラフィー、HPLC及び特に、単結晶X線回折を含む。
【発明を実施するための形態】
【0008】
したがって、第1の態様では、本発明は、21~26℃の温度にて6.1±0.2、11.2±0.2、14.0±0.2、16.7±0.2、17.2±0.2、18.5±0.2、20.8±0.2、21.3±0.2、22.3±0.2、23.6±0.2、23.9±0.2及び24.5±0.2の群から選択される4以上の2シータ角度値を含むX線粉末回折パターンによって特性決定される、式(I)
【化1】
のN-[2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶形態(形態B)を提供する。
【0009】
第1の態様の一実施形態では、結晶形態(形態B)は、21~26℃の温度にて6.1±0.2、11.2±0.2、14.0±0.2、16.7±0.2、17.2±0.2、18.5±0.2、20.8±0.2、21.3±0.2、22.3±0.2、23.6±0.2、23.9±0.2及び24.5±0.2の群から選択される6以上の2シータ角度値を含む粉末X線回折パターンによって特性決定される。
【0010】
第1の態様の一実施形態では、結晶形態(形態B)は、21~26℃の温度にて6.1±0.2、11.2±0.2、14.0±0.2、16.7±0.2、17.2±0.2、18.5±0.2、20.8±0.2、21.3±0.2、22.3±0.2、23.6±0.2、23.9±0.2及び24.5±0.2の群から選択される2シータ角度値を含む粉末X線回折パターンによって特性決定される。
【0011】
第1の態様の別の実施形態では、結晶形態(形態B)は、21~26℃の温度にて図5に示すX線粉末回折スペクトルと実質的に同じであるX線粉末回折パターンを有する。
【0012】
第1の態様の別の実施形態では、結晶形態(形態B)は、下記の単位格子パラメーターによってさらに特性決定される:
a=15.52ű0.01Å、b=7.24ű0.01Å、c=16.64ű0.01Å、α=90°±0.01°、β=105.03±0.01°、γ=90°±0.01°、Z=4。
【0013】
形態Bは、エナンチオマーである(1S,2S)N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドの一水和物多形を表す。
【0014】
第1の態様のまた別の実施形態では、結晶形態(形態B)の融解ピークは、約65℃にてDSCトレースにおいて広範な水吸熱反応である(図6)。
【0015】
第2の態様では、本発明は、21~26℃の温度にて10.8±0.2、14.5±0.2、17.5±0.2、19.0±0.2、23.5±0.2、24.5±0.2、26.0±0.2、30.2±0.2、32.6±0.2、33.3±0.2、34.1±0.2及び35.5±0.2の群から選択される4以上の2シータ角度値を含む粉末X線回折パターンによって特性決定される、式(I)
【化2】
のN-[2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶形態(形態C)について記載する。
【0016】
第2の態様の一実施形態では、結晶形態(形態C)は、21~26℃の温度にてX-10.8±0.2、14.5±0.2、17.5±0.2、19.0±0.2、23.5±0.2、24.5±0.2、26.0±0.2、30.2±0.2、32.6±0.2、33.3±0.2、34.1±0.2及び35.5±0.2によって特性決定される。
【0017】
第2の態様の一実施形態では、結晶形態(形態C)は、21~26℃の温度にて10.8±0.2、14.5±0.2、17.5±0.2、19.0±0.2、23.5±0.2、24.5±0.2、26.0±0.2、30.2±0.2、32.6±0.2、33.3±0.2、34.1±0.2及び35.5±0.2の群から選択される2シータ角度値を含むX線粉末回折パターンによって特性決定される。
【0018】
第2の態様の別の実施形態では、X線粉末回折パターンの結晶形態(形態C)は、21~26℃の温度にて図8に示すX線粉末回折スペクトルと実質的に同じである。
【0019】
第2の態様のまた別の実施形態では、結晶形態(形態C)の融解ピークは、約85℃にてDSCトレースにおいて広範な水吸熱反応である。
【0020】
第2の態様の別の実施形態では、結晶形態(形態C)は、下記の単位格子パラメーターによってさらに特性決定される:
a=7.27ű0.01Å、b=9.32ű0.01Å、c=14.11ű0.01Å、α=75.53°±0.01°、β=87.03±0.01°、γ=71.48°±0.01°、Z=2。
【0021】
本発明の多形は、未変化の形態で施用し得るが、より好ましくは、通常の手段によって農芸化学組成物又は医薬組成物、特に、農芸化学組成物中に組み込まれる。したがって、第3の態様では、第1の態様(形態B)、又は第1の態様の実施形態のいずれかによる結晶形態、並びに少なくとも1種の農芸化学的及び/若しくは薬学的に許容される担体又は賦形剤(diluent)を含む、農芸化学組成物又は医薬組成物を提供する。第4の態様では、第2の態様(形態C)、又は第2の態様の実施形態のいずれかによる結晶形態、並びに少なくとも1種の農芸化学的及び/若しくは薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む、農芸化学組成物又は医薬組成物を提供する。
【0022】
従前に記述したように、結晶形態が特定の製剤環境において安定であることは、農芸化学製剤及び/又は医薬製剤の成功した施用のために重大である。種子処理(FS)製剤のためのフロアブル濃縮物を、形態A及び形態Bの両方のために調製した。2つの製剤の間の唯一の差異は使用した多形形態であり、他の構成要素の全ては同一であった。製剤を、図12に示す温度サイクル試験によって重大な安定性について試験した。製剤を、可能な結晶成長について顕微鏡(40×)下で分析したが、結晶成長は、製剤の有害な帰結、例えば、濃厚化及び潜在的に凝固を伴い得、それによって、施用機器、例えば、種子コーティング機器、又は農業用施用機械装置におけるスプレーノズルの閉塞をもたらし得る。(i)開始時(図13a及び14a)、(ii)温度サイクル試験の直後(図13b及び14b)、並びに(iii)室温(RT)にて温度サイクル試験の2日後(図13c及び14c)において、製剤の写真を撮った。形態Aを含む製剤について、図13a、13b及び13cにおいて写真を示し、形態Bを含む製剤について、図14a、14b及び14cにおいて写真を示す。図13a及び14aにおいて、両方の製剤は、温度サイクル試験の前に結晶成長を示さなかったことを見ることができる。図13bは、温度サイクル試験の後で明らかな結晶成長を示した。製剤をさらに2日間RTにて貯蔵することは、またさらなる結晶成長(図13c)をもたらした。驚いたことに及び予想外に、同じ温度サイクル試験は、形態Bを含む製剤についてこのような結晶成長を示さなかったが、図14b及び14cを参照されたい。両方の多形形態は試験した製剤において化学的に安定であることを示し、すなわち、化合物の分解は観察されなかったため、これは予想外である。しかし、形態Bは、典型的な貯蔵条件に曝露されたとき、結晶成長に対して驚くほど抵抗性であることが見出された。したがって、結晶形態Bを含む農芸化学組成物又は医薬組成物が好ましい。
【0023】
多形形態B若しくはCを含む農芸化学組成物は、線虫による攻撃及び損傷に対して動物及び有用な植物を保護し、特に、線虫による攻撃及び損傷に対して、有用な植物を保護するための非常に有利な活性スペクトラムを有する。
【0024】
多形形態B若しくはCを含む農芸化学組成物は、真菌による攻撃及び損傷に対して動物及び有用な植物を保護し、特に、真菌による攻撃及び損傷に対して、有用な植物を保護するための非常に有利な活性スペクトラムを有する。
【0025】
多形形態B若しくはCを含む農芸化学組成物は、特に、植物上、特に、農業、園芸及び森林における有用な植物及び観賞植物上、又はこのような植物の器官、例えば、果物、花、葉、柄、塊茎、種子若しくは根において、場合によって、それどころか、後の時点で形成されてこれらの有害生物に対して保護され続ける植物器官上に発生する、有害生物を防除又は破壊するために使用し得る。本発明の農芸化学組成物は、低い割合の施用においてでさえ有害生物防除の分野において予防的及び/又は治癒的に価値のある有効成分であり、これらは殺有害生物剤抵抗性有害生物、例えば、昆虫及び真菌に対して使用することができ、非常に好ましい殺生物スペクトルを有し、温血種、魚及び植物において良好な忍容性を示す。
【0026】
上述の線虫有害生物の例は、
内部寄生性線虫、半内部寄生性線虫及び外部寄生性線虫、特に、植物寄生線虫、例えば、ネコブ線虫、キタネコブセンチュウ(Meloidogyne hapla)、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、ジャワネコブセンチュウ(Meloidogyne javanica)、アレナリアネコブセンチュウ(Meloidogyne arenaria)及び他のネコブセンチュウ(Meloidogyne)種;嚢腫形成線虫、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)及び他のグロボデラ(Globodera)種;ムギシストセンチュウ(Heterodera avenae)、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、テンサイシストセンチュウ(Heterodera schachtii)、クロバーシストセンチュウ(Heterodera trifolii)、及び他のシストセンチュウ(Heterodera)種;タネコブ線虫、アングイナ(Anguina)種;ナミクキ線虫、アフェレンコイデス属(Aphelenchoides)の種;刺毛線虫、エエロノライムス・ロンギカウダツス(Eelonolaimus longicaudatus)及び他のベロノライムス(Belonolaimus)種;マツ線虫、マツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus xylophilus)及び他のマツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus)種;ワ線虫、クリコネマ(Criconema)種、クリコネメラ(Criconemella)種、クリコネモイデス(Criconemoides)種、メソクリコネマ(Mesocriconema)種;ナミクキ線虫、イモグサレセンチュウ(Ditylenchus destructor)、ナミクキセンチュウ(Ditylenchus dipsaci)及び他のジチレンクス(Ditylenchus)種;キリ線虫、ドリコドルス(Dolichodorus)種;ラセン線虫、ヘリオコチレンクス・マルチシンクツス(Heliocotylenchus multicinctus)及び他のヘリオコチレンクス(Helicotylenchus)種;鞘及び鞘様線虫、ヘミシクリオホラ(Hemicycliophora)種及びヘミクリコネモイデス(Hemicriconemoides)種;ヒルシュマンニエラ(Hirshmanniella)種;ヤリ線虫、ホプロアイムス(Hoploaimus)種;ニセネコブ線虫、ナコッブス(Nacobbus)種;ハリ線虫、ロンギドルス・エロンガツス(Longidorus elongatus)及び他のロンギドルス(Longidorus)種;ピン線虫、プラチレンクス(Pratylenchus)種;病巣線虫、ムギネグサレセンチュウ(Pratylenchus neglectus)、キタネグサレセンチュウ(Pratylenchus penetrans)、プラチレンクス・クルビタツス(Pratylenchus curvitatus)、プラチレンクス・ゴオデイ(Pratylenchus goodeyi)及び他のプラチレンクス(Pratylenchus)種;ネモグリ線虫、ラドホルス・シミリス(Radopholus similis)及び他のラドホルス(Radopholus)種;ニセフクロ線虫、ロチレンクス・ロブスツス(Rotylenchus robustus)、ロチレンクス・レニホルミス(Rotylenchus reniformis)及び他のロチレンクス(Rotylenchus)種;スクテロネマ(Scutellonema)種;ユミハリ線虫、トリコドルス・プリミチブス(Trichodorus primitivus)及び他のトリコドルス(Trichodorus)種、パラトリコドルス(Paratrichodorus)種;イシュク線虫、チレンコリンクス・クライトニ(Tylenchorhynchus claytoni)、チレンコリンクス・ズビウス(Tylenchorhynchus dubius)及び他のチレンコリンクス(Tylenchorhynchus)種;ミカン線虫、チレンクルス(Tylenchulus)種;オオハリ線虫、キシフィネマ(Xiphinema)種;並びに他の植物寄生線虫種、例えば、スバングイナ(Subanguina)亜種、ヒプソペリン(Hypsoperine)亜種、マクロポストニア(Macroposthonia)亜種、メリニウス(Melinius)亜種、プンクトデラ(Punctodera)亜種、及びキニスルシウス(Quinisulcius)亜種
である。
【0027】
上述の真菌の例は、
不完全菌類(fungi imperfecti)(例えば、ボトリチス属(Botrytis)、ピリクラリア属(Pyricularia)、ヘルミントスポリウム属(Helminthosporium)、フザリウム属(Fusarium)、セプトリア属(Septoria)、セルコスポラ属(Cercospora)及びアルテルナリア属(Alternaria));担子菌綱(Basidiomycetes)(例えば、リゾクトニア属(Rhizoctonia)、ヘミレイア属(Hemileia)、プッシニア属(Puccinia));子嚢菌綱(Ascomycetes)(例えば、ベンツリア属(Venturia)及びエリシフ属(Erysiphe)、ポドスファエラ属(Podosphaera)、モニリニア属(Monilinia)、ウンシヌラ属(Uncinula));卵菌綱(Oomycetes)(例えば、フィトフトラ属(Phytophthora)、フィチウム属(Pythium)、プラスモパラ属(Plasmopara));接合菌綱(Zygomycetes)(例えば、リゾプス属(Rhizopus)の種);ファコプソラ科(Phakopsoraceae)、特に、ファコプソラ(Phakopsora)属のもの、例えば、アジアダイズさび病とまた呼ばれるファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)、及びプクキニア科(Pucciniaceae)のもの、特に、プッシニア(Puccinia)属のもの、例えば、穀類用植物における問題のある病害であるムギ黒さび病又は黒さび病としてもまた知られているプッシニア・グラミニス(Puccinia graminis)、及び褐さび病としてまた知られているプッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)
である。
【0028】
植物、及び本発明の方法によって保護されるこれらの植物の可能性がある病害の中で、
-コムギ、下記の種子病害の防除に関して:フザリウム(fusaria)(ミクロドキウム・ニバル(Microdochium nivale)及びフザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum))、ムギ黒穂病(チレチア・カリエス(Tilletia caries)、チレチア・コントロベルサ(Tilletia controversa)又はチレチア・インジカ(Tilletia indica))、セプトリア病(セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum))及び裸黒穂病;
-コムギ、植物の地上部の下記の病害の防除に関して:穀類眼紋病(タペシア・ヤルンダ(Tapesia yallundae)、タペシア・アクイホルミス(Tapesia acuiformis))、立枯れ病(ガオイマンノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis))、赤かび病(フザリウム・クルモルム(F.culmorum)、フザリウム・グラミネアルム(F.graminearum))、ブラックスペック(リゾクトニア・セレアリス(Rhizoctonia cerealis))、ウドンコ病(エリシフェグラミニスフォルマスペキエトリティキ(Erysiphe graminis forma specie tritici))、サビ病(プッシニア・ストリイホルミス(Puccinia striiformis)及びプッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita))並びにセプトリア病(セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)及びセプトリア・ノドルム(Septoria nodorum));
-コムギ及びオオムギ、細菌性及びウイルス性病害の防除に関して、例えば、オオムギ黄色モザイク病;-オオムギ、下記の種子病害の防除に関して:網斑病(ピレノホラ・グラミネア(Pyrenophora graminea)、ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)及びコクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus))、裸黒穂病(ウスチラゴ・ヌダ(Ustilago nuda))並びにフザリウム(fusaria)(ミクロドキウム・ニバル(Microdochium nivale)及びフザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum));
-オオムギ、植物の地上部の下記の病害の防除に関して:穀類眼紋病(タペシア・ヤルンダ(Tapesia yallundae))、網斑病(ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)及びコクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus))、ウドンコ病(エリシフェグラミニスフォルマスペキエホルデイ(Erysiphe graminis forma specie hordei))、小さび病(プッシニア・ホルデイ(Puccinia hordei))並びに葉枯病(リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis));
-ジャガイモ、塊茎の病害の防除に関して(特に、ヘルミントスポリウム・ソラニ(Helminthosporium solani)、ホマ・ツベロサ(Phoma tuberosa)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)、フザリウム・ソラニ((Fusarium solani))、ウドンコ病(プルリトプトラ・インフェスタンス(Plrytopthora infestans))並びに特定のウイルス(ウイルスY);
-ジャガイモ、下記の葉の病害の防除に関して:夏疫病(アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani))、ウドンコ病(フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans));
-ワタ、種子から成長させた若い植物の下記の病害の防除に関して:立枯れ病及び輪紋病(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum))並びに黒根病(チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola));
-タンパク質産生植物、例えば、エンドウマメ、下記の種子病害の防除に関して:炭疽病(アスコキタ・ピシ(Ascochyta pisi)、ミコスファエレラ・ピノデス(Mycosphaerella pinodes))、フザリウム(fusaria)(フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum))、灰色かび病(ポトリティス・シネレア(Botrytis cinerea))並びにウドンコ病(ペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi));
-含油植物、例えば、セイヨウアブラナ、下記の種子病害の防除に関して:ホマ・リンガム(Phoma lingam)、アルテルナリア・ブラッシカ(Alternaria brassicae)及びスクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum);
-トウモロコシ、種子病害の防除に関して:(リゾプス属(Rhizopus)の種、ペニシリウム属(Penicillium)の種、トリコデルマ属(Trichoderma)の種、アスペルギルス属(Aspergillus)の種、及びジベル・エラフジクロイ(Gibber ellafujikuroi));
-アマ、種子病害の防除に関して:アルテルナリア・リニコラ(Alternaria linicola);
-森林樹、立枯れ病の防除に関して(フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani));
-イネ、地上部の下記の病害の防除に関して:いもち病(マグナポルト・グリセア(Magnaporthe grisea))、赤色菌核病(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani));
-マメ科植物、種子又は種子から成長させた若い植物の下記の病害の防除に関して:立枯れ病及び輪紋病(フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)、フィチウム属(Pythium)の種);
-マメ科植物、地上部の下記の病害の防除に関して:灰色かび病(ボトリチス属(Botrytis)の種)、ウドンコ病(特に、エリシフ・シコラセアルム(Erysiphe cichoracearum)、スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)及びレベイルラ・タウリカ(Leveillula taurica))、フザリウム(fusaria)(フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum))、斑点病(クラドスポリウム属(Cladosporium)の種)、アルテルナリア斑点病(アルテルナリア属(Alternaria)の種)、炭疽病(コレトトリクム属(Colletotrichum)の種)、セプトリア斑点病(セプトリア属(Septoria)の種)、ブラックスペック(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani))、ウドンコ病(例えば、ブレミア・ラクツカ(Bremia lactucae)、ペロノスポラ属(Peronospora)の種、プソイドペロノスポラ属(Pseudoperonospora)の種、フィトフトラ属(Phytophthora)の種);
-果樹、地上部の病害に関して:モニリア病(モニリア・フルクチゲナ(Monilia fructigenae)、モニリア・ラキサ(M.laxa))、瘡痂病(ベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis))、ウドンコ病(ポドスファエラ・ロイコトリカ(Podosphaera leucotricha));-つる植物、葉の病害に関して:特に、灰色かび病(ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea))、ウドンコ病(ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator))、黒腐れ病(グイグナルジア・ビウェリ(Guignardia biwelli))並びにウドンコ病(プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola));
-ビートの根、地上部の下記の病害に関して:セルコスポラ葉枯病(セルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola))、ウドンコ病(エリシフ・ベチコラ(Erysiphe beticola))、斑点病(ラムラリア・ベチコラ(Ramularia beticola))
について記述し得る。
【0029】
したがって、第5の態様では、植物又はその生息地を第3若しくは第4の態様、又は第3若しくは第4の態様の任意の実施形態による組成物で処理すること、特に、植物又はその生息地を第3の態様、又は第3の態様の任意の実施形態による組成物で処理することを含む、線虫又は真菌によってもたらされる損傷に対して、有用な植物の作物を保護する方法を提供する。
【0030】
第6の態様では、植物繁殖材料を第3若しくは第4の態様、又は第3若しくは第4の態様の任意の実施形態による組成物で処理すること、特に、植物繁殖材料を第3の態様、又は第3の態様の任意の実施形態による組成物で処理することを含む、線虫又は真菌によってもたらされる損傷に対して植物繁殖材料を保護する方法を提供する。
【0031】
第7の態様では、第3若しくは第4の態様、又は第3若しくは第4の態様の任意の実施形態による組成物、特に、第3の態様、又は第3の態様の任意の実施形態による組成物を注射するか、局所的に適用するか、又は経口的に投与することを含む、温血動物において内部寄生性線虫及び外部寄生性線虫の寄生及び感染を防除及び予防する方法を提供する。
【0032】
さらに、第8の態様では、線虫有害生物又は真菌によってもたらされる損傷に対して、有用な植物を保護することにおいて使用するための、第1及び第2の態様による結晶形態を提供する。
【0033】
用語「植物繁殖材料」は、全ての種類の種子(果物、塊茎、球根、粒粉など)、切り枝、切り若枝などを意味する。
【0034】
適切な標的植物、特に、穀類、例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、オートムギ、イネ、トウモロコシ又はソルガム;ビート、例えば、甜菜又は飼料用ビート;果物、例えば、仁果、石果又は柔らかい果物、例えば、リンゴ、セイヨウナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、又は液果、例えば、イチゴ、ラズベリー若しくはブラックベリー;マメ科植物、例えば、インゲンマメ、レンズマメ、エンドウマメ又はダイズ;油脂植物、例えば、アブラナ、カラシナ、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナツ、トウゴマ、ココア又は挽いたナッツ;ウリ科の植物、例えば、カボチャ、キュウリ又はメロン;繊維植物、例えば、ワタ、アマ、アサ又はジュート;柑橘類果実、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ又はタンジェリン;野菜、例えば、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ又はピーマン;クスノキ科(Lauraceae)、例えば、アボカド、シナモン属(Cinnamonium)又はカンファー;及びまた、タバコ、ナッツ、コーヒー、ナス、サトウキビ、茶、コショウ、ブドウのつる、ホップ、オオバコ科、ラテックス植物及び観賞植物(例えば、花、芝又は芝生)は、本発明の組成物のためである。
【0035】
用語「植物」又は「作物」は、天然のもの、従来の品種改良法によって得られたもの、又は遺伝子組み換えによって得られたものであることが理解されるべきである。それらは、いわゆる出力形質(例えば、向上した貯蔵安定性、より高い栄養価及び向上した風味)を含む植物又は作物を含む。
【0036】
用語「植物」又は「作物」は、ブロモキシニルのような除草剤又はALS-、EPSPS-、GS-、HPPD-及びPPO-阻害剤などの除草剤のクラスに対する耐性を与えられた植物又は作物も含むことが理解されるべきである。従来の品種改良法により、イミダゾリノン、例えばイマザモックスに対する耐性を与えられた植物の例は、Clearfield(登録商標)夏ナタネ(summer canola)である。遺伝子組み換え法によって除草剤に対する耐性を与えられた植物の例としては、商標RoundupReady(登録商標)、Herculex I(登録商標)及びLibertyLink(登録商標)で市販されている、例えばグリホサート-及びグルホシネート-耐性トウモロコシ品種が挙げられる。
【0037】
用語「植物」又は「作物」は、有害な昆虫に対して天然に抵抗性であるか、有害な昆虫に対して抵抗性とされているものを含むと理解される。これは、例えば、毒素を生み出す細菌から公知であるものなど、1種若しくは複数種の選択的に作用する毒素を合成することができるように組換えDNA技術の使用によって形質転換された植物を含む。発現させることができる毒素の例は、δ-内毒素、植物性殺虫性タンパク質(Vip)、細菌コロニー形成線虫の殺虫性タンパク質、並びにサソリ、蛛形類動物、スズメバチ及び真菌によって産生される毒素を含む。
【0038】
バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒素を発現するように変性された植物の例は、BtトウモロコシKnockOut(登録商標)(Syngenta Seeds)である。殺虫耐性をコードする2つ以上の遺伝子を含み、したがって2つ以上の毒素を発現する植物の例は、VipCot(登録商標)(Syngenta Seeds)である。植物又はその種子材料も複数種の有害生物に対して耐性であり得る(いわゆる、遺伝子組み換えによって形成される場合の積み重ねられた(stacked)トランスジェニック事象)。例えば、植物は、例えば、Herculex I(登録商標)(Dow AgroSciences,Pioneer Hi-Bred International)のように除草剤耐性であると同時に、殺虫性タンパク質を発現する能力を有し得る。
【0039】
本発明の農芸化学組成物が施用される割合は、防除される線虫又は真菌などの特定のタイプ、必要とされる防除の程度、並びに施用のタイミング及び方法によって決まり、当業者が決定することができる。一般に、本発明の組成物は、組成物中の有効成分(ここで、「有効成分」は、多形形態B若しくはCを意味する)の総量をベースとして0.005キログラム/ヘクタール(kg/ha)~約5.0kg/haの施用割合で施用することができる。約0.001kg/ha~約0.5kg/haの施用割合が好ましく、約0.01kg/ha~0.04kg/haの施用割合が特に好ましい。
【0040】
実際には、形態B若しくはCの多形を含む農芸化学組成物は、当業界で公知であるか、又は使用されている様々なアジュバント及び担体を含有する製剤として施用する。
【0041】
これらの製剤は、様々な物理的形態、例えば粉剤、ゲル、水和剤、水分散性顆粒、水分散性錠剤、発泡性ペレット、乳化性濃縮物、マイクロ乳化性濃縮物、水中油型乳剤、油フロアブル剤、水性分散体、油性分散体、サスポエマルション、カプセル懸濁液、乳化性顆粒、可溶性液体、水溶性濃縮物(担体として水又は水混和性有機溶媒を含む)、含浸ポリマーフィルムの形態、又は例えばthe Manual on Development and Use of FAO and WHO Specifications for Pesticides,United Nations,First Edition,Second Revision(2010)から公知の他の形態であり得る。このような製剤は、直接使用されるか又は使用前に希釈され得る。希釈は、例えば、水、液体肥料、微量栄養素、生物有機体、油又は溶媒を用いて行われ得る。
【0042】
製剤は、例えば、微粉化された固体、顆粒、溶液、分散体又は乳剤の形態の製剤を得るために多形(「有効成分」)を製剤補助剤と混合することによって調製され得る。有効成分はまた、微粉化された固体、鉱油、植物若しくは動物由来の油、植物若しくは動物由来の変性油、有機溶媒、水、表面活性物質又はそれらの組合せなどの他の補助剤とともに製剤化され得る。
【0043】
有効成分は、微細なマイクロカプセルにも含まれ得る。マイクロカプセルは、多孔質担体中の有効成分を含有する。これにより、有効成分が制御された量で環境中に放出されることが可能になる(例えば、持続放出)。マイクロカプセルは、通常、0.1~500μmの直径を有する。それらは、カプセル重量の約25~95重量%の量の有効成分を含有する。有効成分は、モノリシック固体の形態、固体若しくは液体分散体中の微粒子の形態又は好適な溶液の形態であり得る。封入膜は、例えば、天然若しくは合成ゴム、セルロース、スチレン/ブタジエンコポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ尿素、ポリウレタン又は化学修飾ポリマー及びデンプンザンセート又は当業者に公知の他のポリマーを含み得る。或いは、有効成分が基材の固体マトリックス中に微粉化された粒子の形態で含まれるが、マイクロカプセル自体は封入されていない、微細なマイクロカプセルが形成され得る。
【0044】
本発明に係る製剤の調製に好適な製剤補助剤は、それ自体公知である。液体担体として、以下のものが使用され得る:水、トルエン、キシレン、石油エーテル、植物油、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酸無水物、アセトニトリル、アセトフェノン、酢酸アミル、2-ブタノン、炭酸ブチレン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、酢酸のアルキルエステル、ジアセトンアルコール、1,2-ジクロロプロパン、ジエタノールアミン、p-ジエチルベンゼン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールアビエテート、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ジプロキシトール、アルキルピロリドン、酢酸エチル、2-エチルヘキサノール、炭酸エチレン、1,1,1-トリクロロエタン、2-ヘプタノン、α-ピネン、d-リモネン、乳酸エチル、エチレングリコール、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、γ-ブチロラクトン、グリセロール、グリセロールアセテート、グリセロールジアセテート、グリセロールトリアセテート、ヘキサデカン、ヘキシレングリコール、酢酸イソアミル、酢酸イソボルニル、イソオクタン、イソホロン、イソプロピルベンゼン、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸、ラウリルアミン、酸化メシチル、メトキシプロパノール、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、ラウリン酸メチル、オクタン酸メチル、オレイン酸メチル、塩化メチレン、m-キシレン、n-ヘキサン、n-オクチルアミン、オクタデカン酸、オクチルアミンアセテート、オレイン酸、オレイルアミン、o-キシレン、フェノール、ポリエチレングリコール、プロピオン酸、乳酸プロピル、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、p-キシレン、トルエン、リン酸トリエチル、トリエチレングリコール、キシレンスルホン酸、パラフィン、鉱油、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びより高い分子量のアルコール、例えばアミルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ヘキサノール、オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、N-メチル-2-ピロリドンなど。
【0045】
好適な固体担体は、例えば、タルク、二酸化チタン、パイロフィライト粘土、シリカ、アタパルジャイト粘土、珪藻土、石灰石、炭酸カルシウム、ベントナイト、カルシウムモンモリロナイト、綿実殻、小麦粉、ダイズ粉、軽石、木粉、粉砕クルミ殻、リグニン及び同様の物質である。
【0046】
多数の表面活性物質が、固体及び液体製剤の両方において、特に使用前に担体で希釈され得る製剤において有利に使用され得る。表面活性物質は、アニオン性、カチオン性、非イオン性又はポリマーであり得、それらは、乳化剤、湿潤剤若しくは懸濁化剤として、又は他の目的のために使用され得る。典型的な表面活性物質としては、例えば、アルキルスルフェートの塩、例えばラウリル硫酸ジエタノールアンモニウム;アルキルアリールスルホネートの塩、例えばドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム;アルキルフェノール/アルキレンオキシド付加生成物、例えばノニルフェノールエトキシレート;アルコール/アルキレンオキシド付加生成物、例えばトリデシルアルコールエトキシレート;石鹸、例えばステアリン酸ナトリウム;アルキルナフタレンスルホネートの塩、例えばジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム;スルホスクシネート塩のジアルキルエステル、例えばナトリウムジ(2-エチルヘキシル)スルホスクシネート;ソルビトールエステル、例えばオレイン酸ソルビトール;第四級アミン、例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、例えばポリエチレングリコールステアレート;エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマー;並びにモノ-及びジアルキルホスフェートエステルの塩;並びにさらに例えばMcCutcheon’s Detergents and Emulsifiers Annual,MC Publishing Corp.,Ridgewood New Jersey(1981)に記載されるさらなる物質が挙げられる。
【0047】
殺有害生物製剤に使用され得るさらなる補助剤としては、結晶化阻害剤、粘度調整剤、懸濁化剤、染料、酸化防止剤、発泡剤、光吸収剤、混合補助剤、消泡剤、錯化剤、中和剤又はpH調節物質及び緩衝剤、腐食防止剤、香料、湿潤剤、取り込み促進剤、微量栄養素、可塑剤、滑剤、潤滑剤、分散剤、増粘剤、凍結防止剤、殺菌剤並びに液体及び固体肥料が挙げられる。
【0048】
本発明に係る製剤は、植物若しくは動物由来の油、鉱油、このような油のアルキルエステル又はこのような油の混合物及び油誘導体を含む添加剤を含み得る。本発明に係る製剤中の油添加剤の量は、一般に、施用される混合物を基準にして0.01~10%である。例えば、油添加剤は、スプレー混合物が調製された後、所望の濃度でスプレータンクに加えられ得る。好ましい油添加剤は、鉱油又は植物由来の油、例えばナタネ油、オリーブ油若しくはヒマワリ油、乳化植物油、植物由来の油のアルキルエステル、例えばメチル誘導体又は動物由来の油、例えば魚油若しくは牛脂を含む。好ましい油添加剤は、C8~C22脂肪酸のアルキルエステル、特にC12~C18脂肪酸のメチル誘導体、例えばラウリン酸、パルミチン酸及びオレイン酸のメチルエステル(それぞれラウリン酸メチル、パルミチン酸メチル及びオレイン酸メチル)を含む。多くの油誘導体は、the Compendium of Herbicide Adjuvants,10th Edition,Southern Illinois University,2010から公知である。
【0049】
本発明の製剤は、一般に、0.1~99重量%、特に0.1~95重量%の本発明の多形及び1~99.9重量%の製剤補助剤を含み、製剤補助剤は、好ましくは、0~25重量%の表面活性物質を含む。市販の製品は、好ましくは、濃縮物として製剤化され得るが、最終使用者は、通常、希釈製剤を用いるであろう。
【0050】
施用量は、広い範囲内で変化し、土壌の性質、施用方法、作物、防除される有害生物、現在の気候条件並びに施用方法、施用時期及び標的作物によって左右される他の要因に応じて決まる。一般的な指針として、化合物は、1~2000l/ha、特に10~1000l/haの量で施用され得る。
【0051】
好ましい製剤は、以下の組成(重量%)を有し得る。
乳化性濃縮物:
有効成分:1~95%、好ましくは60~90%
表面活性剤:1~30%、好ましくは5~20%
液体担体:1~80%、好ましくは1~35%
【0052】
ダスト剤:
有効成分:0.1~10%、好ましくは0.1~5%
固体担体:99.9~90%、好ましくは99.9~99%
【0053】
懸濁液濃縮物:
有効成分:5~75%、好ましくは10~50%
水:94~24%、好ましくは88~30%
表面活性剤:1~40%、好ましくは2~30%
【0054】
水和剤:
有効成分:0.5~90%、好ましくは1~80%
表面活性剤:0.5~20%、好ましくは1~15%
固体担体:5~95%、好ましくは15~90%
【0055】
粒剤:
有効成分:0.1~30%、好ましくは0.1~15%
固体担体:99.5~70%、好ましくは97~85%
【0056】
上記の製剤のそれぞれは、製剤の他の成分(賦形剤、乳化剤、界面活性剤など)と一緒に多形形態B若しくはCを含有するパッケージとして調製することができる。製剤はまた、タンクミックス方法によって調製することができ、ここでは、成分を別々に得て、栽培者のサイトにおいて合わせる。
【0057】
これらの製剤は、従来の方法によって、防除が望ましいエリアに施用することができる。例えば、ダスト剤及び液体製剤は、動力散粉機、ほうき及び手回し噴霧機及び噴霧散粉機の使用によって施用することができる。製剤はまた、飛行機からのダスト剤若しくは噴霧剤として、又はロープウィック施用によって施用することができる。固体及び液体製剤の両方はまた、処理される植物の生息地における土壌に施用し得、有効成分が根を通して植物に浸透することを可能とする。本発明の製剤はまた、植物繁殖材料上の粉衣施用のために使用し、植物繁殖材料上の昆虫感染に対する、及び土壌中に発生する昆虫に対する保護を実現し得る。特に、有効成分、すなわち、多形形態B若しくはC、又は多形形態B若しくはCを含む組成物は、多形形態B若しくはCの液体製剤で植物繁殖材料、特に、種子を含浸させることによって、又は植物繁殖材料を固体製剤でコーティングすることによって、保護される植物繁殖材料に施用し得る。特別な場合、他のタイプの施用、例えば、繁殖の役目を果たす植物切り枝又は小枝の特定の処理がまた可能である。
【0058】
適切には、本発明の農芸化学組成物及び製剤は、病害発生の前に施用される。製剤の使用の割合及び頻度は、当技術分野で慣習的に使用されるものであり、昆虫病原体による寄生の危険性によって決まる。
【0059】
通常、作物の管理において、栽培者は、本発明の結晶性多形に加えて1種若しくは複数種の他の農学的化学物質を使用する。農学的化学物質の例は、殺有害生物剤、例えば、殺ダニ剤、殺菌剤、殺真菌剤、除草剤、殺虫剤、殺線虫剤、並びに植物栄養素及び植物肥料を含む。
【0060】
したがって、本発明は、1つ又は複数の殺有害生物剤、植物栄養素又は植物肥料と一緒に、本発明に係る組成物の使用を提供する。この組合せは、任意の手段、例えば従来の品種改良又は遺伝子組み換えを用いて植物に組み込まれる特定の植物の形質も包含し得る。
【0061】
多形形態B又はCと他の活性物質との混合物は、より広義に相乗活性として記載されることもあるさらなる意外な利点も有し得る。例えば、植物によるより良好な耐容性、減少した植物毒性、昆虫がそれらの異なる発育段階で防除され得ること、又は製造、例えば粉砕若しくは混合、貯蔵若しくは使用に関連するより良好な挙動がある。
【0062】
好ましい混合物が以下に示され、ここで、多形形態B又はCは、「I」として示される。
【0063】
補助剤を含む組成物としては、I+石油からなる物質の群から選択される化合物が挙げられる。
【0064】
殺ダニ剤を含む組成物としては、I+1,1-ビス(4-クロロフェニル)-2-エトキシエタノール、I+2,4-ジクロロフェニルベンゼンスルホネート、I+2-フルオロ-N-メチル-N-1-ナフチルアセドアミド、I+4-クロロフェニルフェニルスルホン、I+アバメクチン、I+アセキノシル、I+アセトプロール、I+アクリナトリン、I+アルジカルブ、I+アルドキシカルブ、I+α-シペルメトリン、I+アミジチオン、I+アミドフルメト、I+アミドチオエート、I+アミトン、I+アミトンシュウ酸水素塩、I+アミトラズ、I+アラマイト、I+三酸化二ヒ素、I+AVI 382、I+AZ 60541、I+アジンホス-エチル、I+アジンホス-メチル、I+アゾベンゼン、I+アゾシクロチン、I+アゾトエート、I+ベノミル、I+ベノキサホス、I+ベンゾキシメート、I+安息香酸ベンジル、I+ビフェナゼート、I+ビフェントリン、I+ビナパクリル、I+ブロフェンバレレート、I+ブロモシクレン、I+ブロモホス、I+ブロモホス-エチル、I+ブロモプロピレート、I+ブプロフェジン、I+ブトカルボキシム、I+ブトキシカルボキシム、I+ブチルピリダベン、I+多硫化カルシウム、I+カンフェクロル、I+カーバノレート、I+カルバリル、I+カルボフラン、I+カルボフェノチオン、I+CGA 50’439、I+キノメチオナト、I+クロルベンシド、I+クロルジメホルム、I+クロルジメホルム塩酸塩、I+クロルフェナピル、I+クロルフェネトール、I+クロルフェンソン、I+クロルフェンスルフィド、I+クロルフェンビンホス、I+クロロベンジレート、I+クロロメブホルム、I+クロロメチウロン、I+クロロプロピレート、I+クロルピリホス、I+クロルピリホス-メチル、I+クロルチオホス、I+シネリンI、I+シネリンII、I+シネリン、I+クロフェンテジン、I+クロサンテル、I+クマホス、I+クロタミトン、I+クロトキシホス、I+クフラネブ、I+シアントエート、I+シフルメトフェン、I+シハロトリン、I+シヘキサチン、I+シペルメトリン、I+DCPM、I+DDT、I+デメフィオン、I+デメフィオン-O、I+デメフィオン-S、I+デメトン、I+デメトン-メチル、I+デメトン-O、I+デメトン-O-メチル、I+デメトン-S、I+デメトン-S-メチル、I+デメトン-S-メチルスルホン、I+ジアフェンチウロン、I+ジアリホス、I+ジアジノン、I+ジクロフルアニド、I+ジクロルボス、I+ジクリホス、I+ジコホル、I+ジクロトホス、I+ジエノクロル、I+ジメホックス、I+ジメトエート、I+ジナクチン、I+ジネクス、I+ジネクス-ジクレキシン、I+ジノブトン、I+ジノカップ、I+ジノカップ-4、I+ジノカップ-6、I+ジノクトン、I+ジノペントン、I+ジノスルホン、I+ジノテルボン、I+ジオキサチオン、I+ジフェニルスルホン、I+ジスルフィラム、I+ジスルホトン、I+DNOC、I+ドフェナピン、I+ドラメクチン、I+エンドスルファン、I+エンドチオン、I+EPN、I+エプリノメクチン、I+エチオン、I+エトエート-メチル、I+エトキサゾール、I+エトリムホス、I+フェナザフロル、I+フェナザキン、I+酸化フェンブタスズ、I+フェノチオカルブ、I+フェンプロパトリン、I+フェンピラド、I+フェンピロキシメート、I+フェンソン、I+フェントリファニル、I+フェンバレレート、I+フィプロニル、I+フルアクリピリム、I+フルアズロン、I+フルベンジミン、I+フルシクロクスロン、I+フルシトリネート、I+フルエネチル、I+フルフェノクスロン、I+フルメトリン、I+フルオルベンシド、I+フルバリネート、I+FMC 1137、I+ホルメタネート、I+塩酸ホルメタネート、I+ホルモチオン、I+ホルムパラネート、I+γ-HCH、I+グリオジン、I+ハルフェンプロックス、I+ヘプテノホス、I+ヘキサデシルシクロプロパンカルボキシレート、I+ヘキシチアゾクス、I+ヨードメタン、I+イソカルボホス、I+イソプロピルO-(メトキシアミノチオホスホリル)サリチレート、I+イベルメクチン、I+ジャスモリンI、I+ジャスモリンII、I+ヨードフェンホス、I+リンダン、I+ルフェヌロン、I+マラチオン、I+マロノベン、I+メカルバム、I+メホスホラン、I+メスルフェン、I+メタクリホス、I+メタミドホス、I+メチダチオン、I+メチオカルブ、I+メトミル、I+臭化メチル、I+メトルカルブ、I+メビンホス、I+メキサカルベート、I+ミルベメクチン、I+ミルベマイシンオキシム、I+ミパホックス、I+モノクロトホス、I+モルホチオン、I+モキシデクチン、I+ナレド、I+NC-184、I+NC-512、I+ニフルリジド、I+ニコマイシン、I+ニトリラカルブ、I+ニトリラカルブ1:1塩化亜鉛錯体、I+NNI-0101、I+NNI-0250、I+オメトエート、I+オキサミル、I+オキシデプロホス、I+オキシジスルホトン、I+pp’-DDT、I+パラチオン、I+ペルメトリン、I+石油、I+フェンカプトン、I+フェントエート、I+ホレート、I+ホサロン、I+ホスホラン、I+ホスメット、I+ホスファミドン、I+ホキシム、I+ピリミホス-メチル、I+ポリクロロテルペン、I+ポリナクチン、I+プロクロノール、I+プロフェノホス、I+プロマシル、I+プロパルギット、I+プロペタンホス、I+プロポクサー、I+プロチダチオン、I+プロトエート、I+ピレトリンI、I+ピレトリンII、I+ピレトリン、I+ピリダベン、I+ピリダフェンチオン、I+ピリミジフェン、I+ピリミテート、I+キナルホス、I+キンチオキス、I+R-1492、I+RA-17、I+ロテノン、I+シュラーダン、I+セブホス、I+セラメクチン、I+SI-0009、I+ソファミド、I+スピロジクロフェン、I+スピロメシフェン、I+SSI-121、I+スルフィラム、I+スルフルアミド、I+スルホテップ、I+硫黄、I+SZI-121、I+τ-フルバリネート、I+テブフェンピラド、I+TEPP、I+テルバム、I+テトラクロルビンホス、I+テトラジホン、I+テトラナクチン、I+テトラスル、I+チアフェノックス、I+チオカルボキシム、I+チオファノックス、I+チオメトン、I+チオキノックス、I+ツリンギエンシン、I+トリアミホス、I+トリアラテン、I+トリアゾホス、I+トリアズロン、I+トリクロルホン、I+トリフェノホス、I+トリアクチン、I+バミドチオン、I+バニリプロール及びI+YI-5302が挙げられる。
【0065】
駆虫剤を含む組成物としては、I+アバメクチン、I+クルホメート、I+ドラメクチン、I+エマメクチン、I+エマメクチン安息香酸塩、I+エプリノメクチン、I+イベルメクチン、I+ミルベマイシンオキシム、I+モキシデクチン、I+ピペラジン、I+セラメクチン、I+スピノサド及びI+チオファネートが挙げられる。
【0066】
殺鳥剤を含む組成物としては、I+クロラロース、I+エンドリン、I+フェンチオン、I+ピリジン-4-アミン及びI+ストリキニーネが挙げられる。
【0067】
生物学的防除剤を含む組成物としては、I+コカクモンハマキ(Adoxophyes orana)GV、I+アグロバクテリウム・ラジオバクター(Agrobacterium radiobacter)、I+ムチカブリダニ属(Amblyseius spp.)、I+アナグラファ・ファルシフェラ(Anagrapha falcifera)NPV、I+アナグルス・アトムス(Anagrus atomus)、I+アフェリヌス・アブドミナリス(Aphelinus abdominalis)、I+アフィジウス・コレマニ(Aphidius colemani)、I+アフィドレテス・アフィジミザ(Aphidoletes aphidimyza)、I+オートグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)NPV、I+バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)、I+バチルス・スフェリクス・ネイデ(Bacillus sphaericus Neide)、I+バチルス・チューリンゲンシス・ベルリナー(Bacillus thuringiensis Berliner)、I+バチルス・チューリンゲンシス亜種アイザワイ(Bacillus thuringiensis subsp.aizawai)、I+バチルス・チューリンゲンシス亜種イスラエレンシス(Bacillus thuringiensis subsp.israelensis)、I+バチルス・チューリンゲンシス亜種ジャポネンシス(Bacillus thuringiensis subsp.japonensis)、I+バチルス・チューリンゲンシス亜種クルスターキ(Bacillus thuringiensis subsp.kurstaki)、I+バチルス・チューリンゲンシス亜種テネブリオニス(Bacillus thuringiensis subsp.tenebrionis)、I+ビューベリア・バシアナ(Beauveria bassiana)、I+ビューベリア・ブロングニアルティ(Beauveria brongniartii)、I+ヤマトクサカゲロウ(Chrysoperla carnea)、I+ツマアカオオテントウムシ(Cryptolaemus montrouzieri)、I+コドリンガ(Cydia pomonella)GV、I+ハモグリコマユバチ(Dacnusa sibirica)、I+イサエアヒメコバチ(Diglyphus isaea)、I+オンシツツヤコバチ(Encarsia formosa)、I+サバクツヤコバチ(Eretmocerus eremicus)、I+アメリカタバコガ(Helicoverpa zea)NPV、I+ヘテロラブディティス・バクテリオフォラ(Heterorhabditis bacteriophora)及びH.メギディス(H.megidis)、I+サカハチテントウ(Hippodamia convergens)、I+レプトマスティクス・ダクチロピィ(Leptomastix dactylopii)、I+マクロロフス・カリギノスス(Macrolophus caliginosus)、I+ヨトウガ(Mamestra brassicae)NPV、I+メタフィカス・ヘルボルス(Metaphycus helvolus)、I+メタリジウム・アニソプリエ変種アクリヅム(Metarhizium anisopliae var.acridum)、I+メタリジウム・アニソプリエ変種アニソプリエ(Metarhizium anisopliae var.anisopliae)、I+マツノキハバチ(Neodiprion sertifer)NPV及びN.レコンティ(N.lecontei)NPV、I+オリウス属(Orius spp.)、I+ペシロマイセス・フモソロセウス(Paecilomyces fumosoroseus)、I+チリカブリダニ(Phytoseiulus persimilis)、I+シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)多カプシド核多角体病ウイルス、I+スタイナーネマ・ビビオニス(Steinernema bibionis)、I+スタイナーネマ・カルポカプサエ(Steinernema carpocapsae)、I+スタイナーネマ・フェルチアエ(Steinernema feltiae)、I+スタイナーネマ・グラッセリ(Steinernema glaseri)、I+スタイナーネマ・リオブラベ(Steinernema riobrave)、I+スタイナーネマ・リオブラビス(Steinernema riobravis)、I+スタイナーネマ・スカプテリシ(Steinernema scapterisci)、I+スタイナーネマ属(Steinernema spp.)、I+トリコグラムマ属(Trichogramma spp.)、I+チフロドロムス・オシデンタリス(Typhlodromus occidentalis)及びI+バーティシリウム・レカニ(Verticillium lecanii)が挙げられる。
【0068】
土壌滅菌剤を含む組成物としては、I+ヨードメタン及び臭化メチルが挙げられる。
【0069】
不妊化剤を含む組成物としては、I+アフォレート、I+ビサジル、I+ブスルファン、I+ジフルベンズロン、I+ジマチフ、I+ヘメル、I+ヘンパ、I+メテパ、I+メチオテパ、I+メチルアフォレート、I+モルジド、I+ペンフルロン、I+テパ、I+チオヘンパ、I+チオテパ、I+トレタミン及びI+ウレデパが挙げられる。
【0070】
昆虫フェロモンを含む組成物としては、I+(E)-デカ-5-エン-1-イルアセテート及び(E)-デカ-5-エン-1-オール、I+(E)-トリデカ-4-エン-1-イルアセテート、I+(E)-6-メチルヘプタ-2-エン-4-オール、I+(E,Z)-テトラデカ-4,10-ジエン-1-イルアセテート、I+(Z)-ドデカ-7-エン-1-イルアセテート、I+(Z)-ヘキサデカ-11-エナール、I+(Z)-ヘキサデカ-11-エン-1-イルアセテート、I+(Z)-ヘキサデカ-13-エン-11-イン-1-イルアセテート、I+(Z)-イコサ-13-エン-10-オン、I+(Z)-テトラデカ-7-エン-1-アール、I+(Z)-テトラデカ-9-エン-1-オール、I+(Z)-テトラデカ-9-エン-1-イルアセテート、I+(7E,9Z)-ドデカ-7,9-ジエン-1-イルアセテート、I+(9Z,11E)-テトラデカ-9,11-ジエン-1-イルアセテート、I+(9Z,12E)-テトラデカ-9,12-ジエン-1-イルアセテート、I+14-メチルオクタデカ-1-エン、I+4-メチルノナン-5-オール及び4-メチルノナン-5-オン、I+α-マルチストリアチン、I+ブレビコミン、I+コドレルア、I+コドレモン、I+キュールア、I+ディスパールア、I+ドデカ-8-エン-1-イルアセテート、I+ドデカ-9-エン-1-イルアセテート、I+ドデカ-8、I+10-ジエン-1-イルアセテート、I+ドミニカルア、I+4-メチルオクタン酸エチル、I+オイゲノール、I+フロンタリン、I+ゴシップルア、I+グランドルア、I+グランドルアI、I+グランドルアII、I+グランドルアIII、I+グランドルアIV、I+ヘキサルア、I+イプスジエノール、I+イプセノール、I+ジャポニルア、I+リネアチン、I+リトルア、I+ループルア、I+メドルア、I+メガトモ酸、I+メチルオイゲノール、I+ムスカルア、I+オクタデカ-2,13-ジエン-1-イルアセテート、I+オクタデカ-3,13-ジエン-1-イルアセテート、I+オルフラルア、I+オリクタルア、I+オストラモン、I+シグルア、I+ソルジジン、I+スルカトール、I+テトラデカ-11-エン-1-イルアセテート、I+トリメドルア、I+トリメドルアA、I+トリメドルアB1、I+トリメドルアB2、I+トリメドルアC及びI+トランク-コール(trunc-call)が挙げられる。
【0071】
昆虫忌避剤を含む組成物としては、I+2-(オクチルチオ)エタノール、I+ブトピロノキシル、I+ブトキシ(ポリプロピレングリコール)、I+アジピン酸ジブチル、I+フタル酸ジブチル、I+コハク酸ジブチル、I+ジエチルトルアミド、I+ジメチルカルベート、I+フタル酸ジメチル、I+エチルヘキサンジオール、I+ヘキサアミド、I+メトキン-ブチル、I+メチルネオデカンアミド、I+オキサメート及びI+ピカリジンが挙げられる。
【0072】
殺虫剤を含む組成物としては、I+1-ジクロロ-1-ニトロエタン、I+1,1-ジクロロ-2,2-ビス(4-エチルフェニル)エタン、I+、I+1,2-ジクロロプロパン、I+1,2-ジクロロプロパン及び1,3-ジクロロプロペン、I+1-ブロモ-2-クロロエタン、I+2,2,2-トリクロロ-1-(3,4-ジクロロフェニル)エチルアセテート、I+2,2-ジクロロビニル2-エチルスルフィニルエチルメチルホスフェート、I+2-(1,3-ジチオラン-2-イル)フェニルジメチルカルバメート、I+2-(2-ブトキシエトキシ)エチルチオシアネート、I+2-(4,5-ジメチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)フェニルメチルカルバメート、I+2-(4-クロロ-3,5-キシリルオキシ)エタノール、I+2-クロロビニルジエチルホスフェート、I+2-イミダゾリドン、I+2-イソバレリルインダン-1,3-ジオン、I+2-メチル(プロパ-2-イニル)アミノフェニルメチルカルバメート、I+2-チオシアナトエチルラウレート、I+3-ブロモ-1-クロロプロパ-1-エン、I+3-メチル-1-フェニルピラゾール-5-イルジメチルカルバメート、I+4-メチル(プロパ-2-イニル)アミノ-3,5-キシリルメチルカルバメート、I+5,5-ジメチル-3-オキソシクロヘキサ-1-エニルジメチルカルバメート、I+アバメクチン、I+アセフェート、I+アセタミプリド、I+アセチオン、I+アセトプロール、I+アクリナトリン、I+アクリロニトリル、I+アラニカルブ、I+アルジカルブ、I+アルドキシカルブ、I+アルドリン、I+アレトリン、I+アロサミジン、I+アリキシカルブ、I+α-シペルメトリン、I+α-エクジソン、I+リン化アルミニウム、I+アミジチオン、I+アミドチオエート、I+アミノカルブ、I+アミトン、I+アミトンシュウ酸水素塩、I+アミトラズ、I+アナバシン、I+アチダチオン、I+AVI 382、I+AZ 60541、I+アザジラクチン、I+アザメチホス、I+アジンホス-エチル、I+アジンホス-メチル、I+アゾトエート、I+バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタエンドトキシン、I+ヘキサフルオロケイ酸バリウム、I+多硫化バリウム、I+バルトリン、I+Bayer 22/190、I+Bayer 22408、I+ベンジオカルブ、I+ベンフラカルブ、I+ベンスルタップ、I+β-シフルトリン、I+β-シペルメトリン、I+ビフェントリン、I+ビオアレトリン、I+ビオアレトリンS-シクロペンテニル異性体、I+ビオエタノメトリン、I+ビオペルメトリン、I+ビオレスメトリン、I+ビス(2-クロロエチル)エーテル、I+ビストリフルロン、I+ホウ砂、I+ブロフェンバレレート、I+ブロムフェンビンホス、I+ブロモシクレン、I+ブロモ-DDT、I+ブロモホス、I+ブロモホス-エチル、I+ブフェンカルブ、I+ブプロフェジン、I+ブタカルブ、I+ブタチオホス、I+ブトカルボキシム、I+ブトネート、I+ブトキシカルボキシム、I+ブチルピリダベン、I+カズサホス、I+ヒ酸カルシウム、I+シアン化カルシウム、I+多硫化カルシウム、I+カンフェクロル、I+カーバノレート、I+カルバリル、I+カルボフラン、I+二硫化炭素、I+四塩化炭素、I+カルボフェノチオン、I+カルボスルファン、I+カルタップ、I+カルタップ塩酸塩、I+セバジン、I+クロルビシクレン、I+クロルダン、I+クロルデコン、I+クロルジメホルム、I+クロルジメホルム塩酸塩、I+クロルエトキシホス、I+クロルフェナピル、I+クロルフェンビンホス、I+クロルフルアズロン、I+クロルメホス、I+クロロホルム、I+クロロピクリン、I+クロルホキシム、I+クロルプラゾホス、I+クロルピリホス、I+クロルピリホス-メチル、I+クロルチオホス、I+クロマフェノジド、I+シネリンI、I+シネリンII、I+シネリン、I+シス-レスメトリン、I+シスメトリン、I+クロシトリン、I+クロエトカルブ、I+クロサンテル、I+クロチアニジン、I+アセト亜ヒ酸銅、I+ヒ酸銅、I+オレイン酸銅、I+クマホス、I+クミトエート、I+クロタミトン、I+クロトキシホス、I+クルホメート、I+氷晶石、I+CS 708、I+シアノフェンホス、I+シアノホス、I+シアントエート、I+シクレトリン、I+シクロプロトリン、I+シフルトリン、I+シハロトリン、I+シペルメトリン、I+シフェノトリン、I+シロマジン、I+サイチオアート、I+d-リモネン、I+d-テトラメトリン、I+DAEP、I+ダゾメット、I+DDT、I+デカルボフラン、I+デルタメトリン、I+デメフィオン、I+デメフィオン-O、I+デメフィオン-S、I+デメトン、I+デメトン-メチル、I+デメトン-O、I+デメトン-O-メチル、I+デメトン-S、I+デメトン-S-メチル、I+デメトン-S-メチルスルホン、I+ジアフェンチウロン、
I+ジアリホス、I+ジアミダホス、I+ジアジノン、I+ジカプトン、I+ジクロフェンチオン、I+ジクロルボス、I+ジクリホス、I+ジクレシル、I+ジクロトホス、I+ジシクラニル、I+ジエルドリン、I+ジエチル5-メチルピラゾール-3-イルホスフェート、I+ジフルベンズロン、I+ジロール、I+ジメフルトリン、I+ジメホックス、I+ジメタン、I+ジメトエート、I+ジメトリン、I+ジメチルビンホス、I+ジメチラン、I+ジネクス、I+ジネクス-ジクレキシン、I+ジノプロプ、I+ジノサム、I+ジノセブ、I+ジノテフラン、I+ジオフェノラン、I+ジオキサベンゾホス、I+ジオキサカルブ、I+ジオキサチオン、I+ジスルホトン、I+ジチクロホス、I+DNOC、I+ドラメクチン、I+DSP、I+エクジステロン、I+EI 1642、I+エマメクチン、I+エマメクチン安息香酸塩、I+EMPC、I+エンペントリン、I+エンドスルファン、I+エンドチオン、I+エンドリン、I+EPBP、I+EPN、I+エポフェノナン、I+エプリノメクチン、I+エスフェンバレレート、I+エタホス、I+エチオフェンカルブ、I+エチオン、I+エチプロール、I+エトエート-メチル、I+エトプロホス、I+ギ酸エチル、I+エチル-DDD、I+二臭化エチレン、I+二塩化エチレン、I+エチレンオキシド、I+エトフェンプロックス、I+エトリムホス、I+EXD、I+ファンファー、I+フェナミホス、I+フェナザフロル、I+フェンクロルホス、I+フェネタカルブ、I+フェンフルトリン、I+フェニトロチオン、I+フェノブカルブ、I+フェノキサクリム、I+フェノキシカルブ、I+フェンピリトリン、I+フェンプロパトリン、I+フェンピラド、I+フェンスルホチオン、I+フェンチオン、I+フェンチオン-エチル、I+フェンバレレート、I+フィプロニル、I+フロニカミド、I+フルベンジアミド、I+フルコフロン、I+フルシクロクスロン、I+フルシトリネート、I+フルエネチル、I+フルフェネリム、I+フルフェノクスロン、I+フルフェンプロックス、I+フルメトリン、I+フルバリネート、I+FMC 1137、I+ホノホス、I+ホルメタネート、I+塩酸ホルメタネート、I+ホルモチオン、I+ホルムパラネート、I+ホスメチラン、I+ホスピレート、I+ホスチアゼート、I+ホスチエタン、I+フラチオカルブ、I+フレトリン、I+γ-シハロトリン、I+γ-HCH、I+グアザチン、I+酢酸グアザチン、I+GY-81、I+ハルフェンプロックス、I+ハロフェノジド、I+HCH、I+HEOD、I+ヘプタクロル、I+ヘプテノホス、I+ヘテロホス、I+ヘキサフルムロン、I+HHDN、I+ヒドラメチルノン、I+シアン化水素、I+ハイドロプレン、I+ヒキンカルブ、I+イミダクロプリド、I+イミプロトリン、I+インドキサカルブ、I+ヨードメタン、I+IPSP、I+イサゾホス、I+イソベンザン、I+イソカルボホス、I+イソドリン、I+イソフェンホス、I+イソラン、I+イソプロカルブ、I+イソプロピルO-(メトキシアミノチオホスホリル)サリチレート、I+イソプロチオラン、I+イソチオエート、I+イソキサチオン、I+イベルメクチン、I+ジャスモリンI、I+ジャスモリンII、I+ヨードフェンホス、I+幼若ホルモンI、I+幼若ホルモンII、I+幼若ホルモンIII、I+ケレバン、I+キノプレン、I+λ-シハロトリン、I+ヒ酸鉛、I+レピメクチン、I+レプトホス、I+リンダン、I+リリムホス、I+ルフェヌロン、I+リチダチオン、I+m-クメニルメチルカルバメート、I+リン化マグネシウム、I+マラチオン、I+マロノベン、I+マジドックス、I+メカルバム、I+メカルフォン、I+メナゾン、I+メホスホラン、I+塩化第一水銀、I+メスルフェンホス、I+メタフルミゾン、I+メタム、I+メタム-カリウム、I+メタム-ナトリウム、I+メタクリホス、I+メタミドホス、I+フッ化メタンスルホニル、I+メチダチオン、I+メチオカルブ、I+メトクロトホス、I+メトミル、I+メトプレン、I+メトキン-ブチル、I+メトトリン、I+メトキシクロル、I+メトキシフェノジド、I+臭化メチル、I+メチルイソチオシアネート、I+メチルクロロホルム、I+塩化メチレン、I+メトフルトリン、I+メトルカルブ、I+メトキサジアゾン、I+メビンホス、I+メキサカルベート、I+ミルベメクチン、I+ミルベマイシンオキシム、I+ミパホックス、I+ミレックス、I+モノクロトホス、I+モルホチオン、I+モキシデクチン、I+ナフタロホス、I+ナレド、I+ナフタレン、I+NC-170、I+NC-184、I+ニコチン、I+硫酸ニコチン、I+ニフルリジド、I+ニテンピラム、I+ニチアジン、I+ニトリラカルブ、I+ニトリラカルブ1:1塩化亜鉛錯体、I+NNI-0101、I+NNI-0250、I+ノルニコチン、I+ノバルロン、I+ノビフルムロン、I+O-5-ジクロロ-4-ヨードフェニルO-エチルエチルホスホノチオエート、I+O,O-ジエチルO-4-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-7-イルホスホロチオエート、I+O,O-ジエチルO-6-メチル-2-プロピルピリミジン-4-イルホスホロチオエート、I+O,O,O’,O’-テトラプロピルジチオピロホスフェート、I+オレイン酸、I+オメトエート、I+オキサミル、I+オキシデメトン-メチル、I+オキシデプロホス、I+オキシジスルホトン、I+pp’-DDT、I+パラ-ジクロロベンゼン、I+パラチオン、I+パラチオン-メチル、I+ペンフルロン、I+ペンタクロロフェノール、I+ラウリン酸ペンタクロロフェニル、I+ペルメトリン、I+石油、I+PH 60-38、I+フェンカプトン、I+フェノトリン、I+フェントエート、I+ホレート+TX、I+ホサロン、I+ホスホラン、I+ホスメット、I+ホスニクロール、I+ホスファミドン、I+ホスフィン、I+ホキシム、I+ホキシム-メチル、I+ピリメタホス、I+ピリミカルブ、I+ピリミホス-エチル、I+ピリミホス-メチル、I+ポリクロロジシクロペンタジエン異性体、I+ポリクロロテルペン、I+亜ヒ酸カリウム、I+カリウムチオシアネート、I+プラレトリン、I+プレコセンI、I+プレコセンII、I+プレコセンIII、I+プリミドホス、I+プロフェノホス、I+プロフルトリン、I+プロマシル、I+プロメカルブ、I+プロパホス、I+プロペタンホス、I+プロポクサー、I+プロチダチオン、I+プロチオホス、I+プロトエート、I+プロトリフェンビュート、I+ピメトロジン、I+ピラクロホス、I+ピラゾホス、I+ピレスメトリン、I+ピレトリンI、I+ピレトリンII、I+ピレトリン、I+ピリダベン、I+ピリダリル、I+ピリダフェンチオン、I+ピリミジフェン、I+ピリミテート、I+ピリプロキシフェン、I+クアッシア、I+キナルホス、I+キナルホス-メチル、I+キノチオン、I+キンチオキス、I+R-1492、I+ラフォキサニド、I+レスメトリン、I+ロテノン、I+RU 15525、I+RU 25475、I+リアニア、I+リアノジン、I+サバジラ、I+シュラーダン、I+セブホス、I+セラメクチン、I+SI-0009、I+SI-0205、I+SI-0404、I+SI-0405、I+シラフルオフェン、I+SN 72129、I+亜ヒ酸ナトリウム、I+シアン化ナトリウム、I+フッ化ナトリウム、I+ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム、I+ナトリウムペンタクロロフェノキシド、I+セレン酸ナトリウム、I+ナトリウムチオシアネート、I+ソファミド、I+スピノサド、I+スピロメシフェン、I+スピロテトラマト、I+スルコフロン、I+スルコフロン-ナトリウム、I+スルフルアミド、I+スルホテップ、I+フッ化スルフリル、I+スルプロホス、I+タール油、I+τ-フルバリネート、I+タジムカルブ、I+TDE、I+テブフェノジド、I+テブフェンピラド、I+テブピリムホス、I+テフルベンズロン、I+テフルトリン、I+テメホス、I+TEPP、I+テラレトリン、I+テルバム、I+テルブホス、I+テトラクロロエタン、I+テトラクロルビンホス、I+テトラメトリン、I+θ-シペルメトリン、I+チアクロプリド、I+チアフェノックス、I+チアメトキサム、I+チクロホス、I+チオカルボキシム、I+チオシクラム、I+チオシクラムシュウ酸水素塩、I+チオジカルブ、I+チオファノックス、I+チオメトン、I+チオナジン、I+チオスルタップ、I+チオスルタップ-ナトリウム、I+ツリンギエンシン、I+トルフェンピラド、I+トラロメトリン、I+トランスフルトリン、I+トランスペルメトリン、I+トリアミホス、I+トリアザメート、I+トリアゾホス、I+トリアズロン、I+トリクロルホン、I+トリクロルメタホス-3、I+トリクロロナート、I+トリフェノホス、I+トリフルムロン、I+トリメタカルブ、I+トリプレン、I+バミドチオン、I+バニリプロール、I+ベラトリジン、I+ベラトリン、I+XMC、I+キシリルカルブ、I+YI-5302、I+ζ-シペルメトリン、I+ゼータメトリン(zetamethrin)、I+リン化亜鉛、I+ゾラプロホス及びZXI 8901、I+シアントラニリプロール、I+クロラントラニリプロール、I+シエノピラフェン、I+シフルメトフェン、I+ピリフルキナゾン、I+スピネトラム、I+スピロテトラマト、I+スルホキサフロール、I+フルフィプロール、I+メペルフルトリン、I+テトラメチルフルトリン、I+トリフルメゾピリムが挙げられる。
【0073】
殺軟体動物剤を含む組成物としては、I+ビス(トリブチルスズ)オキシド、I+ブロモアセトアミド、I+ヒ酸カルシウム、I+クロエトカルブ、I+アセト亜ヒ酸銅、I+硫酸銅、I+フェンチン、I+リン酸第二鉄、I+メタアルデヒド、I+メチオカルブ、I+ニクロサミド、I+ニクロサミド-オールアミン、I+ペンタクロロフェノール、I+ナトリウムペンタクロロフェノキシド、I+タジムカルブ、I+チオジカルブ、I+酸化トリブチルスズ、I+トリフェンモルフ、I+トリメタカルブ、I+酢酸トリフェニルスズ及び水酸化トリフェニルスズ、I+ピリプロールが挙げられる。
【0074】
殺線虫剤を含む組成物としては、I+AKD-3088、I+1,2-ジブロモ-3-クロロプロパン、I+1,2-ジクロロプロパン、I+1,2-ジクロロプロパン及び1,3-ジクロロプロペン、I+1,3-ジクロロプロペン、I+3,4-ジクロロテトラヒドロチオフェン1,1-ジオキシド、I+3-(4-クロロフェニル)-5-メチルローダニン、I+5-メチル-6-チオキソ-1,3,5-チアジアジナン-3-イル酢酸、I+6-イソペンテニルアミノプリン、I+アバメクチン、I+アセトプロール、I+アラニカルブ、I+アルジカルブ、I+アルドキシカルブ、I+AZ 60541、I+ベンクロチアズ、I+ベノミル、I+ブチルピリダベン、I+カズサホス、I+カルボフラン、I+二硫化炭素、I+カルボスルファン、I+クロロピクリン、I+クロルピリホス、I+クロエトカルブ、I+サイトカイニン、I+ダゾメット、I+DBCP、I+DCIP、I+ジアミダホス、I+ジクロフェンチオン、I+ジクリホス、I+ジメトエート、I+ドラメクチン、I+エマメクチン、I+エマメクチン安息香酸塩、I+エプリノメクチン、I+エトプロホス、I+二臭化エチレン、I+フェナミホス、I+フェンピラド、I+フェンスルホチオン、I+ホスチアゼート、I+ホスチエタン、I+フルフラール、I+GY-81、I+ヘテロホス、I+ヨードメタン、I+イサミドホス、I+イサゾホス、I+イベルメクチン、I+キネチン、I+メカルフォン、I+メタム、I+メタム-カリウム、I+メタム-ナトリウム、I+臭化メチル、I+メチルイソチオシアネート、I+ミルベマイシンオキシム、I+モキシデクチン、I+クワ暗斑病菌(Myrothecium verrucaria)組成物、I+NC-184、I+オキサミル、I+ホレート、I+ホスファミドン、I+ホスホカルブ、I+セブホス、I+セラメクチン、I+スピノサド、I+テルバム、I+テルブホス、I+テトラクロロチオフェン、I+チアフェノックス、I+チオナジン、I+トリアゾホス、I+トリアズロン、I+キシレノール、I+YI-5302及びゼアチン、I+フルエンスルホンが挙げられる。
【0075】
共力剤を含む組成物としては、I+2-(2-ブトキシエトキシ)エチルピペロニレート、I+5-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-ヘキシルシクロヘキサ-2-エノン、I+ファルネソール及びネロリドール、I+MB-599、I+MGK 264、I+ピペロニルブトキシド、I+ピプロタール、I+プロピル異性体、I+S421、I+セサメクス、I+セサモリン及びI+スルホキシドが挙げられる。
【0076】
動物忌避剤を含む組成物としては、I+アントラキノン、I+クロラロース、I+ナフテン酸銅、I+オキシ塩化銅、I+ジアジノン、I+ジシクロペンタジエン、I+グアザチン、I+酢酸グアザチン、I+メチオカルブ、I+ピリジン-4-アミン、I+チラム、I+トリメタカルブ、I+ナフテン酸亜鉛及びI+ジラムが挙げられる。
【0077】
さらなる組成物としては、I+ブロフルトリネート、I+シクロキサプリド、I+ジフロビダジン、I+フロメトキン、I+フルヘキサホン、I+グアジピル、I+コナガ(Plutella xylostella)顆粒病ウイルス、I+コドリンガ(Cydia pomonella)顆粒病ウイルス、I+ハーピン、I+イミシアホス、I+ニセアメリカタバコガ(Heliothis virescens)核多角体病ウイルス、I+ヘリオティス・プンクティゲラ(Heliothis punctigera)核多角体病ウイルス、I+オオタバコガ(Helicoverpa armigera)核多角体病ウイルス、I+アメリカタバコガ(Helicoverpa zea)核多角体病ウイルス、I+ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)核多角体病ウイルス、I+コナガ(Plutella xylostella)核多角体病ウイルス、I+パスツーリア・ニシザワエ(Pasteuria nishizawae)、I+p-シメン、I+ピフルブミド、I+ピラフルプロール、I+除虫菊、I+QRD 420、I+QRD 452、I+QRD 460、I+テルペノイドブレンド、I+テルペノイド、I+テトラニリプロール及びI+α-テルピネンが挙げられる。
【0078】
組成物は、I+コードAE 1887196(BSC-BX60309)、I+コードNNI-0745 GR、I+コードIKI-3106、I+コードJT-L001、I+コードZNQ-08056、I+コードIPPA152201、I+コードHNPC-A9908(CAS:[660411-21-2])、I+コードHNPC-A2005(CAS:[860028-12-2])、I+コードJS118、I+コードZJ0967、I+コードZJ2242、I+コードJS7119(CAS:[929545-74-4])、I+コードSN-1172、I+コードHNPC-A9835、I+コードHNPC-A9955、I+コードHNPC-A3061、I+コードChuanhua 89-1、I+コードIPP-10、I+コードZJ3265、I+コードJS9117、I+コードSYP-9080、I+コードZJ3757、I+コードZJ4042、I+コードZJ4014、I+コードITM-121、I+コードDPX-RAB55(DKI-2301)、I+コードMe5382、I+コードNC-515、I+コードNA-89、I+コードMIE-1209、I+コードMCI-8007、I+コードBCS-CL73507、I+コードS-1871、I+コードDPX-RDS63及びI+コードAKD-1193など、多形とコードによって参照される活性物質との混合物も含む。
【0079】
多形形態B若しくはC及び別の殺虫剤などを含む組成物は上記で明確に開示されている一方、本発明は、上記の二元混合物を含む、三元、及びさらなる複数の組合せにまで及ぶことを当業者は認識する。
【0080】
疑義を回避するために、上記で明示されていなくても、混合パートナーはまた、例えば、The Pesticide Manual, Fiftheenth Edition, British Crop Protection Council, 2009に記述されているような、任意の適切な農芸化学的に許容されるエステル又は塩の形態であり得る。
【0081】
多形形態B若しくはC及び別の殺虫剤の重量比は、一般に、1000:1~1:100、より好ましくは、500:1~1:100、例えば、250:1~1:66、125:1~1:33、100:1~1:25、66:1~1:10、33:1~1:5及び8:1~1:3である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
図1】形態Aの予測した粉末X線回折パターンを示す。
図2】形態Aの測定した粉末X線回折パターンを示す。
図3】形態AのDSC(示差走査熱量測定)トレースを示す。
図4】形態Bの予測した粉末X線回折パターンを示す。
図5】形態Bの測定した粉末X線回折パターンを示す。
図6】形態BのDSC(示差走査熱量測定)トレースを示す。
図7】形態Cの予測した粉末X線回折パターンを示す。
図8】形態Cの測定した粉末X線回折パターンを示す。
図9】形態CのDSC(示差走査熱量測定)トレースを示す。
図10】形態Dの測定した粉末X線回折パターンを示す。
図11】形態DのDSC(示差走査熱量測定)トレースを示す。
図12】結晶成長を評価する温度サイクル試験を示す。
図13a-13c】図13aは、顕微鏡(40×)で撮った形態Aを有する製剤の、温度サイクルの開始における、図13bは、温度サイクルの後における、及び図13cは、室温にて2日間、温度サイクル及び貯蔵の後における写真である。
図14a-14c】図14aは、顕微鏡(40×)で撮った形態Bを有する製剤の、温度サイクルの開始における、図14bは、温度サイクルの後における、及び図14cは、室温にて2日間、温度サイクル及び貯蔵の後における写真である。
【実施例
【0083】
1.多形の調製
1.1 形態A
形態Aを調製するための方法は、国際公開第2015/003951号(実施例P5)に開示されている。形態Aを調製するための一例は、下記の通りである。
【0084】
(1S,2S)-2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブタンアミンのトルエン(339g、0.40mol)溶液を、固体NaHCO3(47g、0.56mol)に加える。次いで、水(140g、7.79mol)を反応混合物に加え、混合物をTi=50℃に加熱する(Ti=槽中の内部温度)。それに続いて、2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニルクロリドのトルエン(247g、0.42mol)溶液を、53分に亘りTi=50℃にて反応混合物に加える。完全な変換が達成されると、反応混合物をTi=70℃に加熱し、この温度にて20分間撹拌する。相分離の後、有機相を、Ti=80℃にて水(201g、11.1mol)で抽出する。相分離の後で、有機相を約35%溶液まで濃縮し、次いで、メチルシクロヘキサン(140g、1.4mol)をTi=80℃にて20分に亘り濃縮された有機相に加える。次いで、反応混合物を2.5時間に亘りTi=5℃へと冷却し、一方で、種子をTi=72℃にて加える(結晶化はまた、種晶添加を伴わずに行われる)。反応混合物が5℃のTiに達すると反応混合物を30分間撹拌し、その後、懸濁液を濾過し、メチルシクロヘキサン(200g、2.0mol)で洗浄し、高温にて減圧下で乾燥させ、N-[(1S,2S)-2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミド(141.6g)を単離する。
FT-IR3282、3077、2981、2952、1650、1593、1543、1473、1353、1187、1138、1074、1066、1054cm-1
【0085】
1.2 形態B
形態Aを、HPLCバイアル中で10%水/メタノールに溶解した。溶媒を室温にて蒸発させた。
【0086】
代替方法は、下記の通りである:
0.02gの形態AをHPLCバイアル中で秤量し、0.3mlの50%水/メタノールを加えた。試料を25℃にて1週間撹拌し、形態Bの結晶を得た。
【0087】
別の代替方法は、下記の通りである:
N-[(1S,2S)-2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドの形態A(80g)を、Ti=55℃(槽内のTi=温度)にてアセトン(240g、4.1mol)及び水(80g、4.4mol)の混合物に溶解した。次いで、混合物をTi=8℃へと冷却し、種結晶をTi=29℃にて加えた。反応混合物が8℃の温度に達すると、水(86g、4.8mol)を60分に亘り反応混合物に加えた。さらなる一定分量の水(174g、9.7mol)を1時間に亘り加えた後、反応混合物を30分間撹拌した。それに続き、最終の一定分量の水(340g、18.9mol)を加え、懸濁液を80分間撹拌した。懸濁液を濾過し、濾過ケークを水(2×80g、4.)で洗浄し、その後、これを減圧下で35℃にて乾燥させ、N-[(1S,2S)-2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミド(94.6g)の一水和物を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.65(dd,J=4.6Hz,J=1.2Hz,1H),7.60-7.58(m,1H),7.47-7.44(m,1H),7.41-7.40(m,1H),7.33-7.25(m,2H),5.54(br d,J=7.8Hz,1H),5.03(五重項,J=7.3Hz,1H),4.24(q,J=7.8Hz,1H),2.65-2.56(m,1H),2.44-2.28(m,2H),2.10-2.01(m,1H).
FT-IR 3403,3232,3079,2948,1660,1645,1593,1575,1471,1326,1186,1126,1076,1054 cm-1
【0088】
1.3 形態C
Cis-N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドラセミ化合物(調製方法は、国際公開第2013/143811号に開示されている)を、バイアル中で一次溶媒(メタノール、アセトン又はアセトニトリル)に溶解し、水を加えて、化合物を沈殿させた。次いで、懸濁液を10~50℃にて温度サイクルにかけ、室温に冷却し(自然冷却)、48時間静置し、その後、結晶を得た。
【0089】
1.4 形態D
2つのエナンチオマーであるN-[(1S,2S)-2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミド及びN-[(1R,2R)-2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドのラセミ化合物であるCis-N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドは、国際公開第2013/143811号に記載されているように調製することができ、ここで、cis-N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドは、表57、実施例57.011において例示されている。
【0090】
2.多形の特性決定
2.1 実験条件:
粉末X線回折分析(pXRD):
固体材料の粉末X線回折分析を、室温及び40%超の相対湿度にてBruker D8粉末回折計を使用して行った。試料をPerspex試料保持器中に乗せ、試料を平坦化した。試料保持器を回転させ、25~30分のスキャン時間を伴って、パターン強度によって4°から34°の2シータでX線を収集した。多形形態A、B及びCについての測定した粉末X線回折パターンを、それぞれ、図2、5及び8において示す。
【0091】
単結晶強度データ:
形態A:単結晶強度データを、Cu Kα照射(λ=1.5418Å)を使用して黒鉛モノクロメーターを備えたOxford Xcalibar PX Ultra回折計上で収集した。結晶を、データ収集のために100KにてNVH油中で乗せた。CRYSTALSソフトウェアパッケージを使用してデータを解析した。このデータを使用して、多形形態Aについての予測した粉末X線回折パターンを生じさせた(図1)。
【0092】
形態B:単結晶強度データを、Cu Kα照射(λ=1.5418Å)を使用して黒鉛モノクロメーターを備えたOxford Xcalibar PX Ultra回折計上で収集した。結晶を、データ収集のために298KにてNVH油中で乗せた。CRYSTALSソフトウェアパッケージを使用してデータを解析した。このデータを使用して、多形形態Bについての予測した粉末X線回折パターンを生じさせた(図4)。
【0093】
形態C:単結晶強度データを、Cu Kα照射(λ=1.5418Å)を使用して黒鉛モノクロメーターを備えたRigaku XtaLAB SuperNova回折計上で収集した。結晶を、データ収集のために100KにてNVH油中で乗せた。CRYSTALSソフトウェアパッケージを使用してデータを解析した。このデータを使用して、多形形態Cについての予測した粉末X線回折パターンを生じさせた(図7)。
【0094】
示差走査熱量測定(DSC):
Mettler Toledo DSC1を使用して、DSCを行った。概ね5mgの試料充填を使用し、これを10℃/分の速度で25℃から250℃へと加熱した。DSCるつぼの蓋に穴を開け、試料の加熱の間に形成される気体が漏れることを可能とした。
【0095】
2.2 形態A
a)pXRD
形態Aの粉末X線回折パターンを、図2に示す。
【0096】
【表1】
【0097】
b)単結晶の単位格子パラメーター
【0098】
【表2】
【0099】
2.3 形態B:
a)pXRD
形態BのX線粉末回折パターンを、図5に示す。
【0100】
【表3】
【0101】
b)単結晶の単位格子パラメーター
【0102】
【表4】
【0103】
c)DSC(示差走査熱量測定):
結晶形態(形態B)の融解ピークは、約65℃にてDSCトレースにおいて広範な水吸熱反応である。
【0104】
形態Bは、エナンチオマー(1S,2S)N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドの一水和物多形、すなわち(1S,2S)N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミド・H2Oを表す。
【0105】
2.4 形態C:
a)X線粉末回折
形態CのX線粉末回折パターンを、図5に示す。
【0106】
【表5】
【0107】
b)単結晶の単位格子パラメーター
【0108】
【表6】
【0109】
c)DSC(示差走査熱量測定):
結晶形態(形態C)の融解ピークは、約85℃にてDSCトレースにおいて広範な水吸熱反応である。
【0110】
形態Cは、cis-N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドの一水和物多形を表す。形態Cは、1対1の、(1S,2S)-N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドと、(1R,2R)-N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドのエナンチオマー比、すなわち(1S,2S)-N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミド・(1R,2R)-N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミド・H2Oを有する。
【0111】
2.5 形態D:
a)X線粉末回折
形態DのX線粉末回折パターンを、図10に示す。
【0112】
【表7】
【0113】
b)DSC(示差走査熱量測定):
DSCトレースにおける結晶形態(形態D)の融解ピークは、約157℃におけるものである。
【0114】
3.形態A及びBを含む製剤の調製
多形形態A及びBを含む製剤は、同じ処方を使用して種子処理FS200のためにフロアブル濃縮物として製剤化した。使用した処方を、表8において示す。
【0115】
【表8】
【0116】
上記の製剤を、図12に示すような温度サイクル試験において安定性について試験した。次いで、製剤を顕微鏡(40×)下で分析し、可能性がある安定性の問題、特に、結晶成長についてチェックし、写真を撮った。図13b及び13cは、結晶成長を示し、一方、図13a、14a、14b及び14cは、結晶成長を示さない。

本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕21~26℃の温度にて6.1±0.2、11.2±0.2、14.0±0.2、16.7±0.2、17.2±0.2、18.5±0.2、20.8±0.2、21.3±0.2、22.3±0.2、23.6±0.2、23.9±0.2及び24.5±0.2の群から選択される4以上の2シータ角度値を含むX線粉末回折パターンによって特性決定される、式(I)
【化1】
のN-[2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶形態。
〔2〕21~26℃の温度にて6.1±0.2、11.2±0.2、14.0±0.2、16.7±0.2、17.2±0.2、18.5±0.2、20.8±0.2、21.3±0.2、22.3±0.2、23.6±0.2、23.9±0.2及び24.5±0.2の群から選択される6以上の2シータ角度値を含むX線粉末回折パターンによって特性決定される、前記〔1〕に記載の結晶形態。
〔3〕前記X線粉末回折パターンが、21~26℃の温度にて図5に示すX線粉末回折スペクトルと実質的に同じである、前記〔1〕又は〔2〕に記載の結晶形態。
〔4〕下記の単位格子パラメーター:
a=15.52ű0.01Å、b=7.24ű0.01Å、c=16.64ű0.01Å、α=90°±0.01°、β=105.03±0.01°、γ=90°±0.01°、Z=4によって特性決定される、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の結晶形態。
〔5〕融解ピークが、約65℃におけるものである、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の結晶形態。
〔6〕21~26℃の温度にて10.8±0.2、14.5±0.2、17.5±0.2、19.0±0.2、23.5±0.2、24.5±0.2、26.0±0.2、30.2±0.2、32.6±0.2、33.3±0.2、34.1±0.2及び35.5±0.2の群から選択される4以上の2シータ角度値を含むX線粉末回折パターンによって特性決定される、式(I)
【化2】
のN-[2-(2,4-ジクロロフェニル)シクロブチル]-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミドの結晶形態。
〔7〕21~26℃の温度にて10.8±0.2、14.5±0.2、17.5±0.2、19.0±0.2、23.5±0.2、24.5±0.2、26.0±0.2、30.2±0.2、32.6±0.2、33.3±0.2、34.1±0.2及び35.5±0.2の群から選択される6以上の2シータ角度値を含むX線粉末回折パターンによって特性決定される、前記〔6〕に記載の結晶形態。
〔8〕前記X線粉末回折パターンが、21~26℃の温度にて図8に示すX線粉末回折スペクトルと実質的に同じである、前記〔6〕又は〔7〕に記載の結晶形態。
〔9〕融解ピークが、約85℃におけるものである、前記〔6〕~〔8〕のいずれか一項に記載の結晶形態。
〔10〕下記の単位格子パラメーター:
a=7.27ű0.01Å、b=9.32ű0.01Å、c=14.11ű0.01Å、α=75.53°±0.01°、β=87.03±0.01°、γ=71.48°±0.01°、Z=2によって特性決定される、前記〔6〕~〔9〕のいずれか一項に記載の結晶形態。
〔11〕前記〔1〕~〔10〕のいずれか一項に記載の結晶形態及び少なくとも1種の許容される担体又は賦形剤を含む、農業組成物又は医薬組成物。
〔12〕1種の殺虫、殺ダニ、殺線虫又は殺真菌活性剤をさらに含む、前記〔11〕に記載の組成物。
〔13〕線虫有害生物又は真菌によってもたらされる損傷に対する有用な植物の保護において使用するための、前記〔1〕~〔10〕のいずれか一項に記載の結晶形態。
〔14〕線虫有害生物によってもたらされる損傷に対して、有用な植物の作物を保護する方法であって、前記植物又はその生息地を、前記〔11〕又は〔12〕に記載の組成物で処理することを含む、方法。
〔15〕線虫有害生物によってもたらされる損傷に対して植物繁殖材料を保護する方法であって、この材料を、前記〔11〕又は〔12〕に記載の組成物で処理することを含む、方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13a-13c】
図14a-14c】