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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/262 20210101AFI20230913BHJP
   H01M 50/264 20210101ALI20230913BHJP
   H01G 11/12 20130101ALI20230913BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20230913BHJP
【FI】
H01M50/262 S
H01M50/264
H01M50/262 M
H01G11/12
H01G11/78
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021111890
(22)【出願日】2021-07-06
(65)【公開番号】P2023008369
(43)【公開日】2023-01-19
【審査請求日】2022-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小村 哲司
【審査官】松嶋 秀忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-079183(JP,A)
【文献】国際公開第2019/130936(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/130937(WO,A1)
【文献】特開2019-153518(JP,A)
【文献】国際公開第2021/033476(WO,A1)
【文献】特開2011-129509(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0309877(US,A1)
【文献】国際公開第2018/235556(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-298
H01G 11/12
H01G 11/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電セルが第1方向に積層された積層体と、
前記積層体の前記第1方向の両端に設けられたエンドプレートと、
前記エンドプレートに前記第1方向から当接する拘束部材とを備え、
前記拘束部材は、
前記第1方向に延在する板状部と、
前記第1方向に直交する第2方向に並んだ複数の接合部によって前記板状部と接合され、前記エンドプレートに当接するコンタクトプレート部とを含み、
前記エンドプレートと前記コンタクトプレート部とが前記第1方向から当接する当接面において、前記エンドプレートおよび前記コンタクトプレート部の一方から他方に向けて突出する複数の第1突起部が前記第2方向に並んで設けられており、
前記複数の第1突起部の各々は、前記一方から前記他方に近づくにしたがって前記第2方向の幅が狭くなった先端に頂部を有し、かつ、前記他方と前記頂部にて当接しており、
前記複数の第1突起部は、前記第1方向から見て、前記複数の接合部のうちのいずれか1つの接合部と前記頂部が重なっている第1突起部を含んでいる、蓄電モジュール。
【請求項2】
前記複数の第1突起部同士の間に設けられ、前記一方から前記他方に向けて突出し、かつ、前記一方から前記他方に近づくにしたがって前記第2方向の幅が狭くなっている少なくとも1つ以上の第2突起部をさらに備え、
前記少なくとも1つ以上の第2突起部は、前記他方に当接可能な位置に配置されている、請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項3】
前記少なくとも1つ以上の第2突起部は、前記一方における前記当接面と向かい合っている端面からの前記第1方向における突出高さが、前記複数の第1突起部の各々より低い、請求項2に記載の蓄電モジュール。
【請求項4】
前記少なくとも1つ以上の第2突起部は、前記一方における前記当接面と向かい合っている端面からの前記第1方向における突出高さが前記複数の第1突起部の各々と略同じであり、かつ、前記複数の第1突起部の各々より剛性が低い、請求項2に記載の蓄電モジュール。
【請求項5】
前記複数の接合部のうちのいずれか1つの接合部と前記頂部が重なっている第1突起部は、前記複数の第1突起部のうちの前記第2方向における端の位置に配置されている、請求項4に記載の蓄電モジュール。
【請求項6】
前記複数の第1突起部の各々および前記少なくとも1つ以上の第2突起部は、前記コンタクトプレート部に形成されている、請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の蓄電モジュール。
【請求項7】
前記複数の第1突起部の各々および前記少なくとも1つ以上の第2突起部は、前記エンドプレートに形成されている、請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の蓄電モジュール。
【請求項8】
前記第2方向において、前記複数の第1突起部同士の間に位置し、前記他方から前記一方に向けて突出し、かつ、前記他方から前記一方に近づくにしたがって前記第2方向の幅が狭くなっている少なくとも1つ以上の対向突起部をさらに備え、
前記少なくとも1つ以上の対向突起部は、前記一方に当接可能な位置に配置され、かつ、前記複数の第1突起部の各々より剛性が低い、請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項9】
前記板状部は、前記コンタクトプレート部と重なっていない部分に欠除部が設けられており、
前記複数の接合部の各々は、前記第1方向において、前記欠除部と重なっていない、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電源装置の構成を開示した先行技術文献として、国際公開第2019/130936号(特許文献1)がある。特許文献1に記載された電源装置は、電池積層体と、1対のエンドプレートと、バインドバーとを備える。1対のエンドプレートは、電池積層体の積層方向の両端部に配置される。バインドバーは、1対のエンドプレートに連結され、電池積層体を保持する。バインドバーは、板状バーと、係止ブロックとを含む。板状バーは、電池積層体の積層方向に伸びている。係止ブロックは、溶接構造によって板状バーに固定され、エンドプレートに向かって突出している。エンドプレートは、係止ブロックと当接するストッパ部を含む。係止ブロックのストッパ部側の対向面全体がストッパ部に当接して密着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2019/130936号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンドプレートおよび拘束部材が面接触する場合、接触する面の微視的な凹凸によって互いの当接位置が不安定になることがある。この場合、蓄電セルの積層体が膨張してエンドプレートから拘束部材へ荷重がかかる際に、拘束部材の構成部材同士の接合部に対する荷重のかかり方が不安定になって、接合部の耐力が低下する可能性がある。
【0005】
本技術は、上記の課題を解決するためになされたものであって、拘束部材の構成部材同士の接合部に対する荷重のかかり方を安定化して、接合部の耐力を向上することができる、蓄電モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術に基づく蓄電モジュールは、積層体と、エンドプレートと、拘束部材とを備える。積層体は、蓄電セルが第1方向に積層されている。エンドプレートは、積層体の第1方向の両端に設けられている。拘束部材は、エンドプレートに第1方向から当接する。拘束部材は、板状部と、コンタクトプレート部とを含む。板状部は、第1方向に延在している。コンタクトプレート部は、第1方向に直交する第2方向に並んだ複数の接合部によって板状部と接合され、エンドプレートに当接する。エンドプレートとコンタクトプレート部との当接面において、エンドプレートおよびコンタクトプレート部の一方から他方に向けて突出する複数の第1突起部が第2方向に並んで設けられている。複数の第1突起部の各々は、上記一方から上記他方に近づくにしたがって第2方向の幅が狭くなった先端に頂部を有し、かつ、上記他方と頂部にて当接している。複数の第1突起部は、第1方向から見て、複数の接合部のうちのいずれか1つの接合部と頂部が重なっている第1突起部を含んでいる。
【発明の効果】
【0007】
本技術によれば、拘束部材の構成部材同士の接合部に対する荷重のかかり方を安定化して、接合部の耐力を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本技術の実施形態1に係る蓄電モジュールの構成を示す斜視図である。
図2】本技術の実施形態1に係る蓄電モジュールが備える蓄電セルおよびエンドプレートの構成を示す斜視図である。
図3】本技術の実施形態1に係る蓄電モジュールが備える蓄電セルの構成を示す斜視図である。
図4図1の蓄電モジュールをIV-IV線矢印方向から見た断面図である。
図5】本技術の実施形態1に係る蓄電モジュールの構成を示す模式図である。
図6】本技術の実施形態1に係る蓄電モジュールが備える蓄電セルが膨張した状態を示す模式図である。
図7】第1比較例にかかる蓄電モジュールの構成を示す模式図である。
図8】第2比較例にかかる蓄電モジュールの構成を示す模式図である。
図9】本技術の実施形態2に係る蓄電モジュールの構成を示す模式図である。
図10】本技術の実施形態3に係る蓄電モジュールの構成を示す模式図である。
図11】本技術の実施形態4に係る蓄電モジュールの構成を示す模式図である。
図12】本技術の実施形態5に係る蓄電モジュールの構成を示す模式図である。
図13】本技術の実施形態6に係る蓄電モジュールの構成を示す模式図である。
図14】本技術の実施形態7に係る蓄電モジュールが備える拘束部材の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本技術の実施形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
【0010】
なお、以下に説明する実施形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本技術の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本技術にとって必ずしも必須のものではない。
【0011】
なお、本明細書において、「備える(comprise)」および「含む(include)」、「有する(have)」の記載は、オープンエンド形式である。すなわち、ある構成を含む場合に、当該構成以外の他の構成を含んでもよいし、含まなくてもよい。また、本技術は、本実施形態において言及する作用効果を必ずしもすべて奏するものに限定されない。
【0012】
本明細書において、「電池」は、リチウムイオン電池に限定されず、ニッケル水素電池など他の電池を含み得る。本明細書において、「電極」は正極および負極を総称し得る。また、「電極板」は正極板および負極板を総称し得る。
【0013】
本明細書において、「蓄電セル」ないし「蓄電モジュール」は、電池セルないし電池モジュールに限定されず、キャパシタセルないしキャパシタモジュールを含み得る。
【0014】
なお、図面においては、蓄電セルの積層方向に直交し、かつ、拘束部材の接合部が並ぶ方向に直交する方向を第3方向としてのX方向、蓄電セルの積層方向を第1方向としてのY方向、拘束部材の接合部が並ぶ方向を第2方向としてのZ方向とする。
【0015】
(実施形態1)
図1は、本技術の実施形態1に係る蓄電モジュールの構成を示す斜視図である。図2は、本技術の実施形態1に係る蓄電モジュールが備える蓄電セルおよびエンドプレートの構成を示す斜視図である。
【0016】
図1および図2に示すように、組電池としての蓄電モジュール1は、積層体10と、エンドプレート200と、拘束部材300と、バスバープレート400とを備える。
【0017】
積層体10は、複数の蓄電セル100が第1方向(Y方向)に並ぶように積層されている。蓄電セル100同士の間には、図示しないセパレータが介装されている。2つのエンドプレート200に挟持された複数の蓄電セル100は、エンドプレート200によって押圧され、2つのエンドプレート200の間で拘束されている。
【0018】
エンドプレート200は、積層体10の第1方向(Y方向)の両端に設けられている。エンドプレート200は、蓄電モジュール1を収納するケースなどの基台に固定される。エンドプレート200のX方向の両端には、Y方向における蓄電セル100とは反対側に段差部210が設けられている。エンドプレート200は、たとえば、アルミニウムまたは鉄により構成されている。
【0019】
図1に示すように、拘束部材300は、積層体10およびエンドプレート200のX方向の両端に設けられている。積層された複数の蓄電セル100およびエンドプレート200に対してY方向の圧縮力を作用させた状態で拘束部材300をエンドプレート200に係合させ、その後に圧縮力を解放することにより、2つのエンドプレート200を接続する拘束部材300に引張力が働く。その反作用として、拘束部材300は、2つのエンドプレート200を互いに近づける方向に押圧する。その結果、拘束部材300は、積層体10をY方向に拘束する。
【0020】
拘束部材300は、板状部310と、第1フランジ部311と、第2フランジ部312と、コンタクトプレート部320とを含む。
【0021】
板状部310は、第1方向(Y方向)に延在している部材である。板状部310は、たとえば、鉄により構成されている。
【0022】
第1フランジ部311は、板状部310のY方向の両端に接続されている。第1フランジ部311は、エンドプレート200に固定される。第1フランジ部311は、たとえば、ボルト締結などの公知の固定方法によってエンドプレート200に固定される。これにより、拘束部材300は、2つのエンドプレート200を互いに接続する。
【0023】
第2フランジ部312は、積層体10の側面から積層体10の上面および底面に回り込む。第2フランジ部312を設けることにより、比較的薄く形成された拘束部材300の剛性を確保することができる。
【0024】
コンタクトプレート部320は、板状部310に対してエンドプレート200側に設けられている板状部材である。コンタクトプレート部320は、たとえば、鉄により構成されている。
【0025】
バスバープレート400は、積層体10の上面上に配置されている。バスバープレート400は、X方向の両端において、積層体10および第2フランジ部312に挟持されることによって積層体10に固定されている。
【0026】
バスバープレート400は、X方向における中央部分に蓄電セル100の内部のガスを外部に排出するための図示しないガスダクト領域がY方向に沿って設けられている。ガスダクト領域を挟んでX方向の両端には、図示しない電圧検出線が配置されている。さらに、ガスダクト領域および電圧検出線を挟んでX方向の両端には、蓄電セル100の図示しないバスバーを収容可能なバスバー収納領域が設けられている。
【0027】
図3は、本技術の実施形態1に係る蓄電モジュールが備える蓄電セルの構成を示す斜視図である。図3に示すように、蓄電セル100は、電極端子110と、外装体120と、ガス排出弁130とを含む。
【0028】
電極端子110は、正極端子111と、負極端子112とを含む。電極端子110は、外装体120上に形成されている。外装体120は、略直方体形状に形成されている。外装体120には、図示しない電極体および電解液が収容されている。ガス排出弁130は、外装体120内の圧力が所定値以上となった際に破断する。これにより、外装体120内のガスが外装体120外に排出される。
【0029】
図4は、図1の拘束部材をIV-IV線矢印方向から見た断面図である。図4に示すように、拘束部材300と蓄電セル100との間には、スペーサ500が設けられている。スペーサ500によって、蓄電セル100と拘束部材300とが互いに絶縁される。
【0030】
図5は、本技術の実施形態1に係る蓄電モジュールの構成を示す模式図である。図4および図5に示すように、拘束部材300は、エンドプレート200に第1方向(Y方向)から当接している。具体的には、拘束部材300におけるコンタクトプレート部320が、当接面CSにおいてエンドプレート200に第1方向(Y方向)から当接している。図4に示すように、本実施形態においては、当接面CSは、段差部210に位置している。
【0031】
コンタクトプレート部320は、第1方向(Y方向)に直交する第2方向(Z方向)に並んだ複数の接合部321によって板状部310と接合されている。コンタクトプレート部320は、たとえば、スポット溶接によって板状部310に接合されている。複数の接合部321の各々におけるZ方向の接合の間隔は、たとえば、15mm以上30mm以下である。
【0032】
図5に示すように、蓄電モジュール1は、複数の第1突起部331と、少なくとも1つ以上の第2突起部332とをさらに備えている。
【0033】
複数の第1突起部331の各々および少なくとも1つ以上の第2突起部332は、コンタクトプレート部320に形成されている。本実施形態においては、複数の第1突起部331および複数の第2突起部332の各々が、たとえば、プレス打ち抜き加工によってコンタクトプレート部320に形成されている。
【0034】
エンドプレート200とコンタクトプレート部320との当接面CSにおいて、エンドプレート200およびコンタクトプレート部320の一方から他方に向けて突出する複数の第1突起部331が第2方向(Z方向)に並んで設けられている。本実施形態においては、上記一方としてのコンタクトプレート部320から上記他方としてのエンドプレート200に向けて複数の第1突起部331がZ方向に並んで配置されている。
【0035】
複数の第1突起部331の各々は、コンタクトプレート部320からエンドプレート200に近づくにしたがって第2方向(Z方向)の幅が狭くなった先端に頂部331tを有している。複数の第1突起部331の各々は、当接面CSにおいて、エンドプレート200と頂部331tにて当接している。
【0036】
複数の第1突起部331は、第1方向(Y方向)から見て、複数の接合部321のうちのいずれか1つの接合部321と頂部331tが重なっている第1突起部331を含んでいる。本実施形態においては、Y方向から見て、複数の第1突起部331の各々における頂部331tが、複数の接合部321の各々に1対1で対応して重なっている。
【0037】
複数の第1突起部331の各々は、突出高さH1を有している。突出高さH1は、コンタクトプレート部320における当接面CSと向かい合っている端面320eからのY方向における高さである。突出高さH1は、複数の第1突起部331の各々において同じ高さであることが望ましい。
【0038】
なお、複数の第1突起部331の各々の突出高さH1は、互いに異なっていてもよい。複数の第1突起部331の各々の突出高さH1が異なる場合には、複数の第1突起部331のうちのZ方向における両端の第1突起部331の突出高さH1が他の第1突起部331より高いことが望ましい。Z方向における両端の第1突起部331の突出高さH1が他より高いことによって、蓄電セル100が膨張した場合に、コンタクトプレート部320に対してエンドプレート200の姿勢を傾きにくくして、蓄電モジュール1の形状を安定化することができる。
【0039】
少なくとも1つ以上の第2突起部332は、複数の第1突起部331同士の間に設けられている。本実施形態における第2突起部332は、複数の第1突起部331同士の間に2つずつ設けられている。
【0040】
複数の第2突起部332の各々は、コンタクトプレート部320からエンドプレート200に向けて突出している。複数の第2突起部332の各々は、コンタクトプレート部320からエンドプレート200に近づくにしたがって第2方向(Z方向)の幅が狭くなっている。複数の第2突起部332の各々は、Z方向の幅が狭くなった先端に頂部332tを有している。
【0041】
複数の第2突起部332の各々は、エンドプレート200に当接可能な位置に配置されている。具体的には、複数の第2突起部332の各々は、コンタクトプレート部320における当接面CSと向かい合っている端面320eからの第1方向(Y方向)における突出高さH2が、複数の第1突起部331の各々の突出高さH1より低い。これにより、複数の第1突起部331の各々がエンドプレート200によりY方向から押圧されて変形した後に、複数の第2突起部332の各々がエンドプレート200に当接する。突出高さH2は、突出高さH1に対して、たとえば、0.2mm以上0.4mm以下の範囲で低い。
【0042】
なお、本実施形態における拘束部材300は、板状部310とコンタクトプレート部320とにより積層構造を構成しているが、この構成に限定されず、1枚の板状部材を折り重ねることによって積層構造が構成されていてもよい。
【0043】
また、本実施形態における少なくとも1つ以上の第2突起部332は、複数の第1突起部331同士の間に2つずつ配置されているが、2つ以外の数量で配置されていてもよい。
【0044】
さらに、第1突起部331および第2突起部332の各々の形状は、エンドプレート200に向かって角形状を有しているが、この構成に限定されず、半円形状や、台形形状であってもよい。
【0045】
図6は、本技術の実施形態1に係る蓄電モジュールが備える蓄電セルが膨張した状態を示す模式図である。図6に示すように、蓄電セル100の膨張に伴って、エンドプレート200がY方向においてコンタクトプレート部320側へ移動する。これにより、エンドプレート200からコンタクトプレート部320へ荷重がかかった場合、複数の第1突起部331の各々は、頂部331tが潰れるように変形する。その後、蓄電セル100がさらに膨張すると、エンドプレート200もさらにY方向に移動して、エンドプレート200が複数の第2突起部332の各々に当接して、複数の第2突起部332に荷重がかかる。その結果、複数の第2突起部332の各々は、複数の第1突起部331の各々とともに、頂部332tが潰れるように変形する。
【0046】
ここで、本技術の実施形態1に係る蓄電モジュールの比較例について説明する。以下の比較例に係る蓄電モジュールは、コンタクトプレート部の構成が本技術の実施形態1に係る蓄電モジュールと異なるため、本技術の実施形態1に係る蓄電モジュールと同様である構成については説明を繰り返さない。
【0047】
図7は、第1比較例にかかる蓄電モジュールの構成を示す模式図である。図7に示すように、第1比較例にかかる蓄電モジュール9は、蓄電セル100と、エンドプレート200と拘束部材900とを備える。拘束部材900は、板状部910とコンタクトプレート部920とを含む。板状部910とコンタクトプレート部920とは、複数の接合部921によって互いに接合されている。
【0048】
コンタクトプレート部920は、当接面CSにおいて、エンドプレート200と面接触している。
【0049】
コンタクトプレート部920およびエンドプレート200の各々は、当接面CSにおいて互いに接触する面に微視的な凹凸を有することがある。この場合、コンタクトプレート部920およびエンドプレート200は、微視的な凹凸における任意の位置で互いに当接するため、当接位置が不安定になる。これにより、蓄電モジュール9の形状が不安定になる。
【0050】
また、コンタクトプレート部920およびエンドプレート200同士の当接位置が不安定になるため、蓄電セル100の膨張によってエンドプレート200からコンタクトプレート部920に荷重がかかる位置が不安定になる。これにより、複数の接合部921にかかる荷重の方向が不安定になる。その結果、複数の接合部921の荷重に対する耐力が低下する可能性がある。
【0051】
図8は、第2比較例にかかる蓄電モジュールの構成を示す模式図である。図8に示すように、第2比較例にかかる蓄電モジュール9Aは、蓄電セル100と、エンドプレート200と拘束部材900Aとを備える。拘束部材900Aは、板状部910とコンタクトプレート部920Aとを含む。板状部910とコンタクトプレート部920Aとは、複数の接合部921によって互いに接合されている。
【0052】
コンタクトプレート部920Aは、エンドプレート200に突出した複数の突起部930を有している。複数の突起部930の各々は、Z方向の幅が狭くなった先端に頂部930tを有している。
【0053】
拘束部材900Aは、当接面CSにおいて、エンドプレート200と複数の突起部930の各々の頂部930tにて当接している。
【0054】
複数の突起部930の各々は、複数の接合部921の各々とY方向において重なって配置されていない。蓄電セル100が膨張することによって、エンドプレート200からコンタクトプレート部920Aに荷重がかかる場合、コンタクトプレート部920Aは、複数の突起部930の各々の当接位置からY方向に荷重がかかる。複数の接合部921の各々には、複数の突起部930にかかる荷重が伝播する。この場合、荷重が複数の接合部921にY方向に対して斜めからかかるため、複数の接合部921にはYZ平面上における回転方向の荷重がかかる。これにより、蓄電セル100の膨張による荷重が接合部921に安定的にかかりにくいため、接合部921の荷重に対する耐力が低下する可能性がある。
【0055】
一方、図5および図6に示すように、本実施形態における蓄電モジュール1においては、蓄電セル100が膨張することによって、エンドプレート200からコンタクトプレート部320へY方向に荷重がかかる。複数の接合部321の各々には、複数の第1突起部331および複数の第2突起部332にかかる荷重が伝播する。このとき、複数の接合部321の各々には、Y方向から見て接合部321と頂部331tが重なっている第1突起部331からの荷重を主成分として荷重がかかるため、接合部321にY方向から安定的に荷重をかけることができる。その結果、蓄電セル100の膨張による荷重に対して接合部321の耐力が向上する。
【0056】
なお、本実施形態においては、蓄電セル100の膨張による荷重によって、第1突起部331および第2突起部332が変形し、エンドプレート200は変形していないが、この構成に限定されず、エンドプレート200の第1突起部331および第2突起部332と当接する部分が変形し、第1突起部331および第2突起部332が変形しない構成であってもよい。
【0057】
本技術の実施形態1に係る蓄電モジュール1においては、複数の第1突起部331のうちの少なくとも1つが第1方向(Y方向)において複数の接合部321のうちの1つと並ぶことによって、エンドプレート200からコンタクトプレート部320にかかる荷重を第1突起部331と並んだ接合部321に安定的にかけることができるため、接合部321の耐力を向上することができる。
【0058】
本技術の実施形態1に係る蓄電モジュール1においては、複数の第2突起部332を設けることによって、エンドプレート200からコンタクトプレート部320にかかる荷重を複数の第1突起部331および複数の第2突起部332の各々に分散させることができるため、複数の接合部321の各々の負担を減らしつつ複数の接合部321の各々へ均等に荷重をかけることができる。ひいては、荷重に対する複数の接合部321の各々の負担が減ることによって、蓄電モジュール1全体として強度を高めることができる。
【0059】
本技術の実施形態1に係る蓄電モジュール1においては、複数の第2突起部332の各々の突出高さH2が複数の第1突起部331の突出高さH1より低いことによって、第1突起部331が変形した後に第2突起部332をエンドプレート200に当接させることができるため、第1突起部331から接合部321へ安定的に荷重をかけつつ、第2突起部332によって複数の接合部321の各々へ均等に荷重をかけることができる。
【0060】
本技術の実施形態1に係る蓄電モジュール1においては、第1突起部331および第2突起部332をコンタクトプレート部320に設けることによって、第1突起部331および第2突起部332をエンドプレート200に設ける場合と比較して、接合部321に対する第1突起部331および第2突起部332のZ方向の位置合わせを容易にすることができる。
【0061】
(実施形態2)
以下、本技術の実施形態2に係る蓄電モジュールについて説明する。本技術の実施形態2に係る蓄電モジュールは、第2突起部の構成が本技術の実施形態1に係る蓄電モジュール1と異なるため、本技術の実施形態1に係る蓄電モジュール1と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0062】
図9は、本技術の実施形態2に係る蓄電モジュールの構成を示す模式図である。図9に示すように、実施形態2に係る蓄電モジュール1Aは、蓄電セル100と、エンドプレート200と、拘束部材300Aとを備える。
【0063】
拘束部材300Aは、板状部310と、コンタクトプレート部320Aとを含む。コンタクトプレート部320Aは、エンドプレート200に向かって突出した複数の第1突起部331Aおよび複数の第2突起部332Aを有している。
【0064】
複数の第2突起部332Aは、コンタクトプレート部320Aにおける当接面CSと向かい合っている端面320eからの第1方向(Y方向)における突出高さHが複数の第1突起部331Aの各々と略同じである。
【0065】
複数の第2突起部332Aの各々は、複数の第1突起部331Aの各々より剛性が低い。本実施形態においては、複数の第2突起部332Aの各々は、YZ平面上における専有面積が複数の第1突起部331Aの各々より狭いため、複数の第1突起部331Aに対して剛性が低い。これにより、蓄電セル100の膨張に伴ってエンドプレート200からコンタクトプレート部320Aに荷重がかかる場合、第1突起部331Aおよび第2突起部332Aの各々が変形し、接合部321にかかる荷重は、第1突起部331Aからの荷重が主成分となる。
【0066】
本技術の実施形態2に係る蓄電モジュール1Aにおいては、複数の第1突起部331Aおよび複数の第2突起部332Aの各々が略同じ突出高さを有し、かつ、第2突起部332Aが第1突起部331Aより剛性が低いことによって、エンドプレート200からコンタクトプレート部320Aにかかる荷重を複数の第1突起部331Aおよび複数の第2突起部332Aの各々で分散させつつ、第1突起部331の荷重を主成分として接合部321に荷重をかけることができるため、接合部321の耐力を向上することができる。
【0067】
(実施形態3)
以下、本技術の実施形態3に係る蓄電モジュールについて説明する。本技術の実施形態3に係る蓄電モジュールは、第1突起部および第2突起部の構成が本技術の実施形態1に係る蓄電モジュール1と異なるため、本技術の実施形態1に係る蓄電モジュール1と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0068】
図10は、本技術の実施形態3に係る蓄電モジュールの構成を示す模式図である。図10に示すように、実施形態3に係る蓄電モジュール1Bは、蓄電セル100と、エンドプレート200と、拘束部材300Bとを備える。
【0069】
拘束部材300Bは、板状部310と、コンタクトプレート部320Bとを含む。コンタクトプレート部320Bは、エンドプレート200に向かって突出した複数の第1突起部331Bおよび1つの第2突起部332Bを有している。複数の第1突起部331Bの各々は、先端に頂部331tを有している。1つの第2突起部332Bは、先端に頂部332tを有している。複数の第1突起部331Bの各々は、1つの第2突起部332Bより剛性が高い。
【0070】
Y方向において、複数の接合部321のうちのいずれか1つの接合部321と頂部331tが重なっている第1突起部331は、複数の第1突起部331のうちの第2方向(Z方向)における端の位置に配置されている。本実施形態においては、複数の接合部321のうちのZ方向における両端の接合部321に対して複数の第1突起部331の各々が配置されている。
【0071】
本技術の実施形態3に係る蓄電モジュール1Bにおいては、複数の接合部321のうちのいずれか1つの接合部321と頂部331tが重なっている第1突起部331Bが、複数の第1突起部331Bのうちの第2方向(Z方向)における端の位置に配置されていることにより、Z方向において複数の接合部321のうちの中央に配置された接合部321よりも荷重負荷が少ない端に位置する接合部321に荷重をかけやすくして、複数の接合部321の各々へ均等に荷重をかけることができる。
【0072】
(実施形態4)
以下、本技術の実施形態4に係る蓄電モジュールについて説明する。本技術の実施形態4に係る蓄電モジュールは、第1突起部の構成が本技術の実施形態1に係る蓄電モジュール1と異なるため、本技術の実施形態1に係る蓄電モジュール1と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0073】
図11は、本技術の実施形態4に係る蓄電モジュールの構成を示す模式図である。図11に示すように、実施形態4に係る蓄電モジュール1Cは、蓄電セル100と、エンドプレート200と、拘束部材300Cとを備える。
【0074】
拘束部材300Cは、板状部310と、コンタクトプレート部320Cとを含む。コンタクトプレート部320Cは、エンドプレート200に向かって突出した複数の第1突起部331Cを有している。複数の第1突起部331Cの各々は、先端に頂部331tを有している。
【0075】
複数の接合部321のうちのZ方向における両端の位置に配置されている接合部321の各々に対して、Y方向において接合部321と頂部331tとが重なっている2つの第1突起部331Cが配置されている。
【0076】
本技術の実施形態4に係る蓄電モジュール1Cにおいては、複数の接合部321のうちのZ方向における両端の位置に配置されている接合部321の各々に対して、Y方向において接合部321と頂部331tと重なっている2つの第1突起部331Cが配置されていることにより、複数の接合部321のうちのZ方向の中央に配置された接合部321よりも荷重が少ない両端に位置する接合部321に荷重をかけやすくして、複数の接合部321の各々へ均等に荷重をかけることができる。
【0077】
(実施形態5)
以下、本技術の実施形態5に係る蓄電モジュールについて説明する。本技術の実施形態5に係る蓄電モジュールは、エンドプレートおよびコンタクトプレート部の構成が本技術の実施形態1に係る蓄電モジュール1と異なるため、本技術の実施形態1に係る蓄電モジュール1と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0078】
図12は、本技術の実施形態5に係る蓄電モジュールの構成を示す模式図である。図12に示すように、実施形態5に係る蓄電モジュール1Dは、蓄電セル100と、エンドプレート200Dと、拘束部材300Dとを備える。拘束部材300Dは、板状部310と、コンタクトプレート部320Dとを含む。
【0079】
エンドプレート200Dには、複数の第1突起部221の各々および少なくとも1つ以上の第2突起部222が形成されている。本実施形態におけるエンドプレート200Dには、複数の第2突起部222が形成されている。複数の第2突起部222の各々は、複数の第1突起部221同士の間に位置している。複数の第1突起部221の各々は、複数の第2突起部222より剛性が高い。
【0080】
複数の第1突起部221の各々は、先端に頂部221tを有している。複数の第2突起部222は、先端に頂部222tを有している。本実施形態においては、複数の第1突起部221および複数の第2突起部222の各々が、たとえば、エンドプレート200Dとともに射出成形によって形成されている。
【0081】
本技術の実施形態5に係る蓄電モジュール1Dにおいては、エンドプレート200Dからコンタクトプレート部320Dにかかる荷重を複数の第1突起部221および複数の第2突起部222の各々で分散させつつ、第1突起部221の荷重を主成分として接合部321に荷重をかけることができるため、接合部321の耐力を向上することができる。
【0082】
(実施形態6)
以下、本技術の実施形態6に係る蓄電モジュールについて説明する。本技術の実施形態6に係る蓄電モジュールは、エンドプレートおよびコンタクトプレート部の構成が本技術の実施形態1に係る蓄電モジュール1と異なるため、本技術の実施形態1に係る蓄電モジュール1と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0083】
図13は、本技術の実施形態6に係る蓄電モジュールの構成を示す模式図である。図13に示すように、実施形態6に係る蓄電モジュール1Eは、蓄電セル100と、エンドプレート200Eと、拘束部材300Eとを備える。
【0084】
拘束部材300Eは、板状部310と、コンタクトプレート部320Eとを含む。コンタクトプレート部320Eは、エンドプレート200Eに向かって突出した複数の第1突起部331Eを有している。複数の第1突起部331Eの各々は、先端に頂部331tを有している。複数の第1突起部331Eは、当接面CSにおいてエンドプレート200Eと頂部331tにて当接している。
【0085】
エンドプレート200Eは、複数の対向突起部230が設けられている。複数の対向突起部230の各々は、第2方向(Z方向)において、複数の第1突起部331E同士の間に位置している。
【0086】
複数の対向突起部230の各々は、エンドプレート200Eからコンタクトプレート部320Eに向けて突出している。複数の対向突起部230の各々は、エンドプレート200Eからコンタクトプレート部320Eに近づくにしたがって第2方向(Z方向)の幅が狭くなっている。複数の対向突起部230の各々は、Z方向の幅が狭くなった先端に頂部230tを有している。
【0087】
複数の対向突起部230の各々は、コンタクトプレート部320Eに当接可能な位置に配置されている。具体的には、複数の対向突起部230の各々は、当接面CSからのY方向における突出高さH2が、複数の第1突起部331Eの各々の端面320eからのY方向における突出高さH1より低い。
【0088】
複数の対向突起部230の各々は、複数の第1突起部331Eの各々より剛性が低い。本実施形態においては、エンドプレート200Eが、コンタクトプレート部320Eより剛性が低い材質で構成されていることによって、複数の対向突起部230の各々が、複数の第1突起部331Eの各々より剛性が低くなっている。本実施の形態においては、エンドプレート200Eは、たとえば、アルミニウムにより構成されている。コンタクトプレート部320Eは、たとえば、鉄により構成されている。
【0089】
蓄電セル100の膨張に伴って、エンドプレート200EがY方向においてコンタクトプレート部320E側へ移動する。これにより、エンドプレート200Eからコンタクトプレート部320Eへ荷重がかかった場合、複数の第1突起部331Eの各々は、頂部331tが潰れるように変形する。その後、蓄電セル100がさらに膨張すると、エンドプレート200EがさらにY方向に移動して、複数の対向突起部230の各々が端面320eにおいてコンタクトプレート部320Eに当接して、複数の対向突起部230の各々に荷重がかかる。その結果、複数の対向突起部230の各々は、複数の第1突起部331の各々とともに、頂部230tが潰れるように変形する。複数の対向突起部230の各々は、複数の第1突起部331Eの各々より剛性が低いため、複数の対向突起部230が変形しても、接合部321にかかる荷重は、複数の第1突起部331Eからの荷重が主成分となる。
【0090】
本技術の実施形態6に係る蓄電モジュール1Eにおいては、複数の第1突起部331Eをコンタクトプレート部320Eに配置し、複数の対向突起部230をエンドプレート200Eに配置し、複数の対向突起部230の各々を複数の第1突起部331Eの各々より剛性を低くすることによって、複数の第1突起部331Eの各々から受ける荷重を主成分として接合部321へ安定的に荷重をかけることができるため、接合部321の耐力を向上することができる。
【0091】
(実施形態7)
以下、本技術の実施形態7に係る蓄電モジュールについて説明する。本技術の実施形態7に係る蓄電モジュール1は、拘束部材の構成が本技術の実施形態1に係る蓄電モジュールと異なるため、本技術の実施形態1に係る蓄電モジュール1と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0092】
図14は、本技術の実施形態7に係る蓄電モジュールが備える拘束部材の構成を示す模式図である。図14に示すように、実施形態7に係る蓄電モジュールは、蓄電セルと、エンドプレートと、拘束部材300Fとを備える。拘束部材300Fは、板状部310Fと、コンタクトプレート部320Fとを含む。コンタクトプレート部320Fは、エンドプレートに向かって突出した複数の第1突起部331Fを有している。複数の第1突起部331Fの各々は、先端に頂部331tを有している。
【0093】
板状部310Fは、コンタクトプレート部320Fと重なっていない部分に欠除部313が設けられている。本実施形態における欠除部313は、板状部310Fにおいて、Y方向およびZ方向の各々に間隔を空けて複数設けられている。欠除部313は、Y方向に長手方向を有する矩形形状を有している。
【0094】
コンタクトプレート部320Fは、複数の接合部321によって板状部310Fと接合されている。複数の接合部321の各々は、第1方向(Y方向)において、欠除部313と重なっていない。これにより、エンドプレートからコンタクトプレート部320Fに荷重がかかる場合、複数の第1突起部331Fから伝播して複数の接合部321にかかる荷重がY方向に対して斜めにかかることを抑制することができる。その結果、複数の接合部321の各々に対してYZ平面上における回転方向の荷重がかかることを抑制することができる。
【0095】
本技術の実施形態7に係る蓄電モジュールにおいては、拘束部材300Fに欠除部313が設けられ、欠除部313と接合部321とがY方向に並んでいないことによって、複数の接合部321に対してYZ平面上における回転方向の荷重がかかることを抑制することができるため、接合部321の耐力を向上することができる。
【0096】
以上、本技術の実施形態について説明したが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本技術の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0097】
1,1A,1B,1C,1D,1E,9,9A 蓄電モジュール、10 積層体、100 蓄電セル、110 電極端子、111 正極端子、112 負極端子、120 外装体、130 ガス排出弁、200,200D,200E エンドプレート、210 段差部、221,331,331A,331B,331C,331E,331F 第1突起部、221t,222t,230t,331t,332t,930t 頂部、222,332,332A,332B 第2突起部、230 対向突起部、300,300A,300B,300C,300D,300E,300F,900,900A 拘束部材、310,310F,910 板状部、311 第1フランジ部、312 第2フランジ部、313 欠除部、320,320A,320B,320C,320D,320E,320F,920,920A コンタクトプレート部、320e 端面、321,921 接合部、400 バスバープレート、500 スペーサ、930 突起部、CS 当接面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14