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特許7348940傾斜構造を有する光学フィルムのバックライトモジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】傾斜構造を有する光学フィルムのバックライトモジュール
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230913BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20230913BHJP
   F21V 5/02 20060101ALI20230913BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20230913BHJP
   G02B 5/02 20060101ALI20230913BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230913BHJP
【FI】
F21S2/00 481
F21V5/04 350
F21V5/02 300
G02F1/13357
G02B5/02 C
F21Y115:10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021187133
(22)【出願日】2021-11-17
(65)【公開番号】P2022122244
(43)【公開日】2022-08-22
【審査請求日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】110105143
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】521504429
【氏名又は名称】暘旭光電股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Sunrise Optronics Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】No.58-8,Shangqingpu,Xinwu Dist.,Taoyuan City327001,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100185694
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 隆志
(72)【発明者】
【氏名】鄭文峰
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-237978(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0033957(US,A1)
【文献】国際公開第2010/010840(WO,A1)
【文献】特開2011-150078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 5/04
F21V 5/02
G02F 1/13357
G02B 5/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
第1方向及び第2方向に前記基板上に配列される複数の発光部材と、
垂直に堆積された複数の光学フィルムと、
を備え、
前記複数の光学フィルムは、
複数の下向きに凹んだ錐形構造を有し、前記錐形構造の辺縁に複数の第1稜線を形成する第1面と、
前記第1面に対向し、前記基板に面する第2面と、を備え、
前記第1稜線と前記第1方向との挟み角の角度がθであり、
前記第1方向の前記発光部材及び隣り合う前記発光部材の距離は、Xであり、前記第2方向の前記発光部材及び隣り合う前記発光部材の距離は、Yであり、前記角度θが下記式(1)を満たし、
前記第2面は、複数の円柱構造を更に含み、前記円柱構造は、第2稜線を更に含み、前記第2稜線と前記第1方向との挟み角は、前記角度θであることを特徴とするバックライトモジュール。
【数1】
【請求項2】
前記角度θが下記式(2)を満たす請求項に記載のバックライトモジュール。
【数2】
【請求項3】
前記錐形構造が下向きに凹んだ四角錐であることを特徴とする請求項1に記載のバックライトモジュール。
【請求項4】
前記錐形構造が下向きに凹んだ多角錐であることを特徴とする請求項1に記載のバックライトモジュール。
【請求項5】
前記第2面は、複数の円柱構造を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のバックライトモジュール。
【請求項6】
前記光学フィルムの上方に設置される少なくとも1つのプリズムシートを更に備えることを特徴とする請求項1に記載のバックライトモジュール。
【請求項7】
前記発光部材は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項1に記載のバックライトモジュール。
【請求項8】
前記光学フィルムの厚さは、0.05~0.5mmであることを特徴とする請求項1に記載のバックライトモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライトモジュール、特にディスプレイに適用されるバックライトモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
バックライトモジュールは、現代の液晶スクリーンの主要部材の1つであり、バックライトモジュールは、液晶スクリーンに表示される画面を形成するための複数の発光部材を有する。発光部材の光線をより均一にするために、液晶スクリーン表示画面の品質を向上させている。その方法は、直下型バックライトモジュールに拡散板(Diffuser plate)を設置し、拡散板は、光線の屈折、反射又は散乱等の物理現象を利用し、光線を更に均一に分布させることである。
【0003】
ディスプレイのコントラストを向上させる技術の発展に伴って、バックライトモジュールの発光部材は、徐々にミニLEDが通常のLEDに取って代わっている。但し、ミニLEDの発光面積は小さく、従来の拡散板では光源を効果的に分散させることができない。図1A図1D及び図1Fを参照し、図1Aは、バックライトモジュールを示し、図1Bは、オフセット構造のない従来の微細構造の説明図を示し、図1Cは、輝度分布図を示し、図1Dは、オフセット構造のない従来の光学フィルムを示している。図1Fは、光学シミュレーションの結果を示している。このようなバックライトモジュール10は、基板11、ミニLED12及びオフセット構造のない従来の光学フィルム13を含む。オフセット構造のないこのような従来の光学フィルム13の微細構造14は、ミニLED12の配置に対応する。
【0004】
図1Fは、図1Aの部材の構成で4つの隣接するミニLED12の光学シミュレーションによって生成されたシミュレーション結果を得た図であり、図1Cは、図1Fは、A-A断面線によって生成された輝度分布図である。図1Cでは、ミニLED12は、横軸の-2、-1の間と1、2の間に設置されており、ミニLED12の位置の輝度が明らかに比較的高く、他の位置は輝度が比較的低くなっていることがわかり、このような光線の性能は、良好ではない。
【0005】
従って、上記の問題を如何に解決するかは、当業者にとって検討すべきことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実用新案登録第3233939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、オフセット微細構造の拡散板を備えたバックライトモジュールを提供し、本発明の有益な効果は、光線拡散の性能を効果的に改善できることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、基板と、複数の発光部材と、少なくとも1つの光学フィルムと、を備えるバックライトモジュールを提供する。発光部材は、それぞれ第1方向及び第2方向に前記基板上に配列される。光学フィルムは、第1面及び第2面を含む。第1面は、複数の錐形構造を有し、複数の第1稜線を形成し、前記第1稜線と前記第1方向との挟み角の角度がθである。第2面は、前記第1面に対向し、前記基板に面する。前記第1方向の前記発光部材及び隣り合う前記発光部材の距離は、Xであり、前記第2方向の前記発光部材及び隣り合う前記発光部材の距離は、Yであり、前記角度θの範囲が下記式(1)を満たすことを特徴とする。
【数1】
【0009】
上記バックライトモジュールは、前記角度θが下記式(2)を満たすことを特徴とする。
【数2】
【0010】
上記バックライトモジュールは、前記錐形構造が下向きに凹んだ四角錐であることを特徴とする。
【0011】
上記バックライトモジュールは、前記錐形構造が下向きに凹んだ多角錐であることを特徴とする。
【0012】
上記バックライトモジュールは、前記第2面は、複数の円柱構造を更に含むことを特徴とする。
【0013】
上記バックライトモジュールは、前記円柱構造は、第2稜線を更に含み、前記第2稜線と第1方向と挟み角は、前記角度θであることを特徴とする。
【0014】
上記バックライトモジュールは、前記光学フィルムの上方に設置される少なくとも1つのプリズムシートを更に備えることを特徴とする。
【0015】
上記バックライトモジュールは、前記発光部材は、ミニ発光ダイオードであることを特徴とする。
【0016】
上記バックライトモジュールは、前記光学フィルムの厚さは、0.05~0.5mmであることを特徴とする。
【0017】
上記バックライトモジュールは、前記光学フィルムの材質が、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はPC、PMMA、PETの積層複合材質であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明のバックライトモジュールは、優れた光性能を提供すると同時に発光部材の密度を下げても、相当な光性能を実現することができ、バックライトモジュールの製造コストを更に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】バックライトモジュールを示す図である。
図1B】拡散板の微細構造の説明図である。
図1C】輝度分布図である。
図1D】オフセット構造のない従来の光学フィルムを示す図である。
図1E】オフセット構造のない従来の円柱構造の光学フィルムを示す図である。
図1F】光学シミュレーション結果を示す図である。
図2A】一実施形態の光学フィルムを示す図である。
図2B】光学フィルムの部分拡大図を示している。
図2C】光学フィルムの側面断面図を示す。
図3A】錐形構造の傾斜の説明図である。
図3B】錐形構造の傾斜の説明図である。
図3C】別の配列方式の発光部材を示す図である。
図4A】第1実施形態のバックライトモジュールを示す図である。
図4B】第1実施形態のバックライトモジュールの輝度分布図である。
図5A】第2実施形態のバックライトモジュールを示す図である。
図5B】オフセット微細構造がないバックライトモジュールのプリズムシートの輝度分布図である。
図5C】第2実施形態のバックライトモジュール輝度の分布図である。
図6A】別の実施形態の光学フィルムの背面図である。
図6B】光学フィルムの背面の部分拡大図である。
図6C】光学フィルムの側面断面図である。
図6D】別の実施形態の円柱構造を示す図である。
図7A】第3実施形態のバックライトモジュールを示す図である。
図7B】オフセット微細構造のない輝度分布図を示す図である。
図7C】第3実施形態のバックライトモジュールの輝度分布図である。
図8A】第4実施形態のバックライトモジュールを示す図である。
図8B】オフセット微細構造のないバックライトモジュールの輝度分布図である。
図8C】第4実施形態のバックライトモジュールの輝度分布図である。
図9A】第5実施形態の光学フィルムの部分説明図である。
図9B】第5実施形態の光学フィルムの部分説明図である。
図9C】第6実施形態の光学フィルムを示す図である。
図9D】第6実施形態の光学フィルムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
これに鑑み、本発明は、光学フィルムがミニLEDアレイの角度オフセットに対応する微細構造を有し、ミニLEDの光線拡散を効果的に改善し、光性能を向上させることができるバックライトモジュールを提供する。
【0021】
図4Aを参照し、図4Aは、本発明の第1実施形態のバックライトモジュールを示している。第1実施形態のバックライトモジュール100は、基板120、複数の発光部材130及び複数の光学フィルム110を含む。発光部材130は、基板120上に配置され、発光部材130は、それぞれ第1方向及び第2方向に基板120上に配列され、基板120は、例えば、フレキシブル基板である。図3Bを参照し、発光部材130の配列は、それぞれ第1方向131及び第2方向132に配置され、第1方向131及び第2方向132は、垂直方向に互い違いに配置される。
【0022】
本実施形態において、発光部材130は、例えば、発光ダイオード(LED)であり、好適実施形態としては、発光部材130は、ミニ発光ダイオード(ミニLED)である。光学フィルム110は、発光部材130の上方に設置される。好適実施形態では、光学フィルム110の厚さは、0.05~0.5mmであり、且つ光学フィルム110の数は、3~5枚である。また、光学フィルム110の材質は、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はPC、PMMA、PETの積層複合材質であることができる。
【0023】
図2A図2Cを参照し、図2Aは、一実施形態の光学フィルムを示し、図2Bは、光学フィルムの部分拡大図を示し、図2Cは、光学フィルムの側面断面図を示している。光学フィルム110は、第1面111及び第2面112を含み、第1面111及び第2面112は、向かい合って配置され、第2面112は、発光部材130に面して配置されている。
【0024】
光学フィルム110の第1面111は、複数の錐形構造113を更に含み、錐形構造113は、頂点114を含み、頂点114は、第2面112に向かって延びる。即ち、錐形構造113は、下向きに凹んで第1面111に設置される。更に、本実施形態では、錐形構造113は、下向きに凹んだ四角錐である。このような錐形構造113は、緊密に配列されて複数の第1稜線116を形成し、第1稜線116と第1方向との間の挟み角は、角度θである。
【0025】
図3A及び図3Bを参照し、図3A及び3Bは、錐形構造の傾斜の説明図である。錐形構造113の傾斜角度は、発光部材130の配置に関連している。また、図3Bでは、4つの隣接する発光部材130でその配列方法を示しており、全ての発光部材130を表していない。先ず、図3Aを参照し、図3Aの実施形態は、錐形構造113が四角錐である場合を例とし、且つ図を明確に保つために、図3Aでは、頂点114を図示していない。複数の錐形構造113の辺縁に複数の第1稜線116が形成される。第1稜線116及び第1方向131(破線で示す)は、角度θの挟み角である。
【0026】
次に、図3Bを参照し、角度θは、発光部材130の配列によって決定され、発光部材130と斜角発光部材130の挟み角は、角度θである。即ち、角度θのタンジェント関数は、第2方向132上の発光部材130の距離Yを第1方向131上の発光部材130の距離Xで割ったもの、即ち、下記の式に等しくなる。
【数3】
従って、錐形構造113の傾斜角度θは、発光部材130の配列と対応する。
【0027】
言い換えると、第2方向132上の発光部材130の距離Yを第1方向131上の発光部材130の距離Xで割ったアークタンジェント関数は角度θであり、即ち、下記の式(2)が成立する。
【数4】
また、角度θは、一定の範囲の公差を許容し、好適実施形態では、公差は10°であり、即ち、角度θ±10°であり、具体的には、角度θが下記式(1)を満たす。
【数5】
【0028】
図3Cを参照し、図3Cが示すのは、別の配列方式の発光部材である。図3Cの実施形態では、発光部材130は、ひし形アレイに配列されている。本実施形態では、発光部材130は、依然として第1方向131と第2方向132に配列され、角度θの定義は、第2方向132の発光部材130の距離Y’及び第1方向の発光部材130の距離X’に関連し、即ち、下記式で表される。
【数6】
更に、光学フィルム110上の錐形構造113の第1稜線116は、何れも発光部材130の配置と角度θの挟み角を示す。
【0029】
図4A及び図4Bを参照し、図4Aが示すのは、第1実施形態のバックライトモジュールである。図4Bが示すのは、第1実施形態のバックライトモジュールの輝度分布図である。図4Bは、図3Bの発光部材130の配置の光学シミュレーションであり、図3Bの対角線Dに沿って取得される輝度分布図である。そのうち、発光部材130は、横軸の-2、-1の間、及び1、2の間に設置される。また、図5B図5C図7B図7C図8B及び図8Cは、図3Bの対角線Dに沿って取られた輝度分布図である。
【0030】
第1実施形態のバックライトモジュール100は、3つの光学フィルム110を含み、且つ傾斜した錐形構造113を有する。図1Cの従来技術の輝度分布図と比較して、図4Bの輝度分布図から、横軸-1と1との間の輝度が向上され、光学フィルム110が発光部材130の光拡散の性能を明らかに改善していることが分かる。
【0031】
図5Aを参照し、図5Aが示すのは、第2実施形態のバックライトモジュールである。第2実施形態のバックライトモジュール200は、光学フィルム110の上方に複数のプリズムシート150を設置し、プリズムシート150は、第1プリズムシート151及び第2プリズムシート152を含み、第1プリズムシート151と第2プリズムシート152の構造方向は、直交して配置されている。具体的には、第1プリズムシート151と第2プリズムシート152は、方向特性を有する微細構造を含み、第1プリズムシート151と第2プリズムシート152は、設置される時、2つのプリズムシートの微細構造の延長方向が互いに垂直である。
【0032】
次に、図5B及び図5Cを参照し、図5Bが示すのは、従来技術の輝度分布図である。図5Bは、第2実施形態のバックライトモジュール200を基礎とし、光学フィルム110をオフセット構造のない従来の光学フィルム13(例えば図1Dの光学フィルム13)に置き換え、更に生成した輝度分布図である。図5Cは、第2実施形態のバックライトモジュールの輝度分布図である。図5B及び図5Cの輝度分布図を比較すると、図5Bでは高輝度の領が少なく、ほとんどが発光点(横軸-2と-1の間、横軸1と2の間)に集中していることが分かる。これに比較し、図5Cの高輝度領域は明らかに拡散しており、且つ中央領域(横軸-1と1の間)に光線を効果的に拡散する。
【0033】
図6A図6Cを参照し、図6Aが示すのは、別の実施形態の光学フィルムの背面図である。図6Bが示すのは、光学フィルムの背面の部分拡大図である。図6Cが示すのは、光学フィルムの側面断面図である。本実施形態において、光学フィルム310は、第1面311及び第2面312を含み、且つ第1面311は、複数の錐形構造313を含み、第1面311及び錐形構造313の技術的特徴は、図2Cの実施形態の技術的特徴と同等であり、ここでは繰り返し記載しない。本実施形態の特徴は、第2面312が複数の円柱構造317(Lenticular)を更に含むことである。また、円柱構造317は、第2稜線318を更に含む。第2稜線318と発光部材130の第1方向131とは、角度θで傾斜し、即ち、円柱構造317の設置方向は、第1面311の錐形構造313と同等である。図6Dを参照し、図6Dが示すのは、別の実施形態の円柱構造317’であり、本実施形態の円柱構造317’は、異なる方向の円柱体が重なり合って形成された曲面であるため、2つの第2稜線318a、318bを有し、2つの異なる方向の円柱体を示し、2つの第2稜線318a、318bは、互いに垂直であり、そのうち1つの第2稜線318aは、発光部材130の第1方向131から角度θだけ傾斜している。
【0034】
図1Eを参照し、図1Eが示すのは、従来の円柱構造を有する光学フィルムであり、図6A図1Eを比較し、本実施形態(図6A)の光学フィルム310の円柱構造317と発光部材130第1方向131は、挟み角の傾斜があることが分かる。オフセットのない円柱構造の従来の光学フィルム13’(図1E)の円柱体は、平行に配置される。
【0035】
図7Aを参照し、図7Aが示すのは、第3実施形態のバックライトモジュールである。第3実施形態のバックライトモジュール300は、発光部材130の上に配置された複数の光学フィルム310を含み、光学フィルム310の円柱構造317は、発光部材130に面して配置されている。
【0036】
次に、図7B及び図7Cを参照し、図7Bが示すのは、従来技術の輝度分布図であり、即ち、第3実施形態のバックライトモジュール300の基礎に、光学フィルム310が、図1Eで示すオフセットのない円柱構造の従来の光学フィルム13’に置き換えられて生成される輝度分布図である。図7Cは、第3実施形態のバックライトモジュールの輝度分布図である。図7Bから、高輝度領域は発光点(横軸-2と-1の間、横軸1と2の間)に相対的に集中し、中間領域(横軸-1と1の間)は、明らかに暗いことが分かる。図7Cに示すように、錐形構造113と円柱構造317をオフセットした後、輝度をより均一に分布させることができ、中央領域の薄暗さを埋めることができ、光線の性能を効果的に改善することができる。
【0037】
図8Aを参照し、図8Aが示すのは、第4実施形態のバックライトモジュールである。第4実施形態のバックライトモジュール400は、光学フィルム310の上にプリズムシート150を設置しており、プリズムシート150の技術的特徴は、第2実施形態と同等であり(図5A)、ここでは繰り返し記載しない。次に、図8B及び図8Cを参照し、図8Bが示すのは、従来技術の輝度分布図であり、即ち、第4実施形態のバックライトモジュール400の基礎に、光学フィルム310を図1Eに示すオフセットのない円柱構造の従来の光学フィルム13’に置き換えて発生する輝度分布図である。図8Cは、第4実施形態のバックライトモジュールの輝度分布図である。図8Bから、図7Bと比較して、プリズムシート150を加えた後、光線は、より分散しているが、依然として高輝度領域が発光箇所の周辺(横軸-2と-1の間;横軸1と2の間)に集中していることが分かる。図8Cに示されているように、錐形構造113と円柱構造317をオフセットした後、輝度をより均等に分散させることができている。
【0038】
図9A図9Dを参照し、図9A及び図9Bが示すのは、第5実施形態の光学フィルムの部分説明図を示し、図9C及び図9Dが示すのは、第6実施形態の光学フィルムである。前述の実施形態では、錐形構造113は四角錐であるが、これに限定するものではなく、異なるタイプの錐体で形成する錐形構造113であってよい。図9A及び図9Bの光学フィルム500は、下に凹んだ等辺三角錐を錐形構造113とし、且つ三角錐のうちの一辺は、第1稜線116とされ、発光部材130の第1方向131から角度θだけ傾斜している。
【0039】
図9C及び図9Dでは、光学フィルム600は、下に凹んだ二等辺三角錐601を錐形構造113とし、図9C及び図9Dは、斜線領域に二等辺三角錐601の形状を描画し、二等辺三角錐601のうちの一底辺を第1稜線116とし、発光部材130の第1方向131から角度θで傾斜している。
【0040】
本発明が提供するバックライトモジュールが含む光学フィルム110、310は、オフセットのある錐形構造131及び円柱構造317を備え、発光部材130の光拡散効果を効果的に向上し、光線が表示領域をカバーできるようにしている。従来技術のバックライトモジュールと比較して、本発明のバックライトモジュールは、より優れた光性能を提供すると同時に、発光部材130の密度を低減しても同等の光線性能を達成することができ、バックライトモジュールの製造コストを更に低減することができる。
【0041】
本発明は、以上のように説明したが、本発明が主張する特許請求の範囲を限定することに用いるものではない。その特許保護範囲は、後述の特許請求の範囲及びそれらの均等の領域によって決定されるものである。当業者が本発明の精神を逸脱しない範囲内で行う変更又は修飾は、何れも本発明の開示する精神において完成できる均等の変更又は設計であり、且つ後述の請求項内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0042】
10 バックライトモジュール
100 バックライトモジュール
11 基板
110 光学フィルム
111 第1面
112 第2面
113 錐形構造
114 頂点
116 第1稜線
12 ミニLED
120 基板
13 光学フィルム
130 発光部材
131 第1方向
132 第2方向
14 微細構造
150 プリズムシート
151 第1プリズムシート
152 第2プリズムシート
200 バックライトモジュール
300 バックライトモジュール
310 光学フィルム
311 第1面
312 第2面
313 錐形構造
317 円柱構造
317’ 円柱構造
318 第2稜線
318a 第2稜線
318b 第2稜線
400 バックライトモジュール
500 光学フィルム
600 光学フィルム
601 二等辺三角錐
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図9D