(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】物体を結像するための光学系及び当該光学系の操作方法
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20230913BHJP
G02B 23/00 20060101ALI20230913BHJP
G02B 23/02 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G02B23/00
G02B23/02
(21)【出願番号】P 2021539443
(86)(22)【出願日】2020-01-09
(86)【国際出願番号】 EP2020050421
(87)【国際公開番号】W WO2020144274
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2021-07-06
(31)【優先権主張番号】102019200309.5
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504318164
【氏名又は名称】カール・ツアイス・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】トビシュ,アレクサンダー
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-095490(JP,A)
【文献】独国実用新案第202018106070(DE,U1)
【文献】国際公開第2014/108428(WO,A2)
【文献】特開平11-295774(JP,A)
【文献】特開2014-232278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00ー5/08
G02B 23/00
G02B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体(O)を結像するための光学系(1)であって、
-少なくとも1つの第1の対物レンズ(14A、14B)と、
-少なくとも1つの第1の像安定化ユニット(16A、16B)と、
-少なくとも1つの第1の結像面(24A、24B)、とを備え、
前記第1の対物レンズ(14A、14B)から前記第1の結像面(24A、24B)の方向に見て、最初に前記第1の対物レンズ(14A、14B)、次に前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)、その次に前記第1の結像面(24A、24B)が、第1の光軸(10、11)に沿って配置されており
-前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)は、少なくとも1つの第1の光学ユニット(19A、19B)と、少なくとも1つの第2の光学ユニット(20A、20B)とを有しており、
-前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)の前記第1の光学ユニット(19A、19B)は、第1の回転軸(22A、22B)を中心に回転可能に形成されており、
-前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)の前記第2の光学ユニット(20A、20B)は、第2の回転軸(23A、23B)を中心に回転可能に形成されている、光学系(1)において、
前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)の前記第2の光学ユニット(20A、20B)は、光学ダハユニットであ
り、第1のダハプリズムとして形成され、
前記第1の回転軸(22A、22B)は前記第2の回転軸(23A、23B)と異なり、
前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)は、アッベ・ケーニッヒ・プリズム系であることを特徴とする、光学系(1)。
【請求項2】
前記光学系(1)が、以下の特徴、
-前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)の前記第1の光学ユニット(19A、19B)は、前記第1の対物レンズ(14A、14B)と前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)の前記第2の光学ユニット(20A、20B)との間に配置されていること、
-前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)の前記第2の光学ユニット(20A、20B)は、前記第1の対物レンズ(14A、14B)と前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)の前記第1の光学ユニット(19A、19B)との間に配置されていること、
のうちの1つを備えることを特徴とする、請求項1に記載の光学系(1)。
【請求項3】
前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)の前記第1の光学ユニット(19A、19B)が、少なくとも1つの第1の鏡、少なくとも1つの第1平面鏡、及び/又は、少なくとも1つの第1のプリズムを有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学系(1)。
【請求項4】
前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)の前記第1の光学ユニット(19A、19B)は、第1の平面鏡として形成されており、前記第1の平面鏡は、第1の鏡面(21A、21B)を有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学系(1)。
【請求項5】
前記光学系(1)が、以下の特徴、
(i)前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)の前記第1の光学ユニット(19A、19B)と、前記第1の光学ユニット(19A、19B)のための第1の支持体とを有する少なくとも1つの第1の系が、第1の重心を有し、前記第1の回転軸(22A、22B)が前記第1の重心を通過すること、
(ii)前記第1の光軸(10、11)は、前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)の前記第1の光学ユニット(19A、19B)の第1の鏡ユニット(21A、21B)と第1の交点において交差し、前記第1の回転軸(22A、22B)は前記第1の交点を通過すること、
のうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の光学系(1)。
【請求項6】
-前記第1の回転軸(22A、22B)は第1の平面(yz平面)と交差しており、
-前記第2の回転軸(23A、23B)は前記第1の平面(yz平面)内にある、
ことを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載の光学系(1)。
【請求項7】
前記光学系(1)の非安定状態においては、前記第2の回転軸(23A、23B)は、前記第1の光学ユニット(19A、19B)の光入射面(21A、21B)に対して垂直に配置されていることを特徴とする、請求項1~6の何れか一項に記載の光学系(1)。
【請求項8】
前記光学系(1)が、以下の特徴、
(i)第1の像取得ユニット(15A、15B、17A、17B)が前記第1の結像面(24A、24B)に配置されること、
(ii)第1の像取得ユニットが前記第1の結像面(24A、24B)に配置されており、前記第1の像取得ユニットはイメージセンサとして形成されていること、
(iii)前記光学系(1)は、少なくとも第1の接眼レンズ(17A、17B)を備え、前記第1の対物レンズ(14A、14B)から前記第1の結像面(24A、24B)の方向に見て、最初に前記第1の結像面(24A、24B)、次いで前記第1の接眼レンズ(17A、17B)が配置されていること、
のうちの1つを備えることを特徴とする、請求項1~7の何れか一項に記載の光学系(1)。
【請求項9】
前記光学系(1)は、第1のハウジング(2、3)を備え、前記第1の対物レンズ(14A、14B)、前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)、及び前記第1の結像面(24A、24B)は、前記第1のハウジング(2、3)内に配置されていることを特徴とする、請求項1~8の何れか一項に記載の光学系(1)。
【請求項10】
前記光学系(1)は、少なくとも第1の接眼レンズ(17A、17B)と、第1のハウジング(2、3)と、を備え、
前記第1の接眼レンズ(17A、17B)は、前記第1のハウジング(2、3)内に配置されていることを特徴とする、請求項8又は9に記載の光学系(1)。
【請求項11】
前記光学系(1)が、以下の特徴、
(i)前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)は、第1の反転系として形成されていること、
(ii)前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)は、第1のプリズム反転系として形成されていること、
(iii)前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)は、第1のレンズ反転系として形成されていること、
のうちの1つを備えることを特徴とする、請求項1~10の何れか一項に記載の光学系(1)。
【請求項12】
前記光学系(1)が、以下の特徴、
(i)前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)の前記第1の光学ユニット(19A、19B)及び/又は前記第2の光学ユニット(20A、20B)を動かすための、少なくとも1つの第1の駆動ユニット(25A、25B、26A、26B)、
(ii)前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)の前記第1の光学ユニット(19A、19B)及び/又は前記第2の光学ユニット(20A、20B)を動かすための、少なくとも1つの第1の駆動ユニット(25A、25B、26A、26B)であって、少なくとも1つの第1の圧電セラミックを有する少なくとも1つの第1の駆動ユニット(25A、25B、26A、26B)、
(iii)前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)の前記第1の光学ユニット(19A、19B)及び/又は前記第2の光学ユニット(20A、20B)を動かすための、少なくとも1つの第1の駆動ユニット(25A、25B、26A、26B)であって、少なくとも1つの第1圧電アクチュエータを有する少なくとも1つの第1の駆動ユニット(25A、25B、26A、26B)、
(iv)前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)の前記第1の光学ユニット(19A、19B)及び/又は前記第2の光学ユニット(20A、20B)を動かすための、少なくとも1つの第1の駆動ユニット(25A、25B、26A、26B)であって、少なくとも1つの第1のモータを有する少なくとも1つの第1の駆動ユニット(25A、25B、26A、26B)、
(v)前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)の前記第1の光学ユニット(19A、19B)及び/又は前記第2の光学ユニット(20A、20B)を動かすための、少なくとも1つの第1の駆動ユニット(25A、25B、26A、26B)、及び、前記第1の駆動ユニット(25A、25B、26A、26B)を制御及び/又は調整するための、少なくとも1つの第1の制御及び/又は調整ユニット(27A、27B)、
のうちの1つを備えることを特徴とする、請求項1~11の何れか一項に記載の光学系(1)。
【請求項13】
前記光学系(1)は、前記光学系(1)の動きを検出するための少なくとも1つの第1の動き検出器(27、29B)を備えることを特徴とする、請求項1~12の何れか一項に記載の光学系(1)。
【請求項14】
前記光学系(1)
は、前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)の前記第2の光学ユニット(20A、20B)が、第1の鏡系として形成されている
、請求項1~13の何れか一項に記載の光学系(1)。
【請求項15】
-前記光学系(1)は、少なくとも1つの第2の対物レンズ(14B)と、少なくとも1つの第2の像安定化ユニット(16B)と、少なくとも1つの第2の結像面(24B)とを備え、
-前記第2の対物レンズ(14B)から前記第2の結像面(24B)の方向に見て、最初に前記第2の対物レンズ(14B)、次に前記第2の像安定化ユニット(16B)、その次に前記第2の結像面(24B)が
、第2の光軸(11)に沿って配置されており、
-前記第2の像安定化ユニット(16B)は、少なくとも1つの第3の光学ユニット(19B)と、少なくとも1つの第4の光学ユニット(20B)とを有しており、
-前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第3の光学ユニット(19B)は、第3の回転軸(22B)を中心に回転可能に形成されており、
-前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第4の光学ユニット(20B)は、第4の回転軸(23B)を中心に回転可能に形成されており、
-第2の像安定化ユニット(16B)の前記第4の光学ユニット(20B)は、光学ダハユニットである、
ことを特徴とする、請求項1~14の何れか一項に記載の光学系(1)。
【請求項16】
前記光学系(1)が、以下の特徴、
-前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第3の光学ユニット(19B)は、前記第2の対物レンズ(14B)と前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第4の光学ユニット(20B)との間に配置されていること、
-前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第4の光学ユニット(20B)は、前記第2の対物レンズ(14B)と前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第3の光学ユニット(19B)との間に配置されていること、
のうちの1つを備えることを特徴とする、請求項15に記載の光学系(1)。
【請求項17】
前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第3の光学ユニット(19B)は、少なくとも1つの第2の鏡、少なくとも1つの第2の平面鏡、及び/又は、少なくとも1つの第2のプリズムを有することを特徴とする、請求項15又は16に記載の光学系(1)。
【請求項18】
前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第3の光学ユニット(19B)は、第2の平面鏡として形成されており、前記第2の平面鏡は、第2の鏡面(21B)を有していることを特徴とする、請求項15又は16に記載の光学系(1)。
【請求項19】
前記光学系(1)が、以下の特徴、
(i)前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第3の光学ユニット(19B)と、前記第3の光学ユニット(19B)のための第2の支持体とを有する少なくとも1つの第2の系が、第2の重心を有し、前記第3の回転軸(22B)が前記第2の重心を通過すること、
(ii)前記第2の光軸(11)は、前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第3の光学ユニット(19B)の第2の光入射面(21B)と第2の交点において交差し、前記第3の回転軸(22B)は前記第2の交点を通過すること、
のうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする、請求項15~18の何れか一項に記載の光学系(1)。
【請求項20】
-前記第3の回転軸(22B)は第2の平面(yz平面)と交差しており、
-前記第4の回転軸(23B)は前記第2の平面(yz平面)内にある、
ことを特徴とする、請求項15~19の何れか一項に記載の光学系(1)。
【請求項21】
前記光学系(1)が、以下の特徴、
(i)第2の像取得ユニット(15B、17B)が前記第2の結像面(24B)に配置されていること、
(ii)イメージセンサとして形成された第2の像取得ユニットが前記第2の結像面(24B)に配置されていること、
(iii)前記光学系(1)は、少なくとも1つの第2の接眼レンズ(17B)を備え、前記第2の対物レンズ(14B)から前記第2の結像面(24B)の方向に見て、最初に前記第2の結像面(24B)、次に前記第2の接眼レンズ(17B)が配置されていること、
のうちの1つを備えることを特徴とする、請求項15~20の何れか一項に記載の光学系(1)。
【請求項22】
前記光学系(1)は、第2のハウジング(3)を備え、前記第2の対物レンズ(14B)、前記第2の像安定化ユニット(16B)、及び前記第2の結像面(24B)は、前記第2のハウジング(3)内に配置されていることを特徴とする、請求項15~21の何れか一項に記載の光学系(1)。
【請求項23】
前記第2の接眼レンズ(17B)は、前記第2のハウジング(3)内に配置されていることを特徴とする、請求項21
を引用する請求項22に記載の光学系(1)。
【請求項24】
前記光学系(1)が、以下の特徴、
(i)前記第2の像安定化ユニット(16B)は、第2の反転系として形成されていること、
(ii)前記第2の像安定化ユニット(16B)は、第2のプリズム反転系として形成されていること、
(iii)前記第2の像安定化ユニット(16B)は、第2のレンズ反転系として形成されていること、
のうちの1つを備えることを特徴とする、請求項15~23の何れか一項に記載の光学系(1)。
【請求項25】
前記光学系(1)が、以下の特徴、
(i)前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第3の光学ユニット(19B)及び/又は前記第4の光学ユニット(20B)を動かすための少なくとも1つの第2の駆動ユニット(25B、26B)、
(ii)第2の像安定化ユニット(16B)の前記第3の光学ユニット(19B)及び/又は前記第4の光学ユニット(20B)を動かすための少なくとも1つの第2の駆動ユニット(25B、26B)であって、少なくとも1つの第2の圧電セラミックを有する少なくとも1つの第2の駆動ユニット(25B、26B)、
(iii)第2の像安定化ユニット(16B)の前記第3の光学ユニット(19B)及び/又は前記第4の光学ユニット(20B)を動かすための少なくとも1つの第2の駆動ユニット(25B、26B)であって、少なくとも1つの第2の圧電アクチュエータを有する少なくとも1つの第2の駆動ユニット(25B、26B)、
(iv)前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第3の光学ユニット(19B)及び/又は前記第4の光学ユニット(20B)を動かすための少なくとも1つの第2の駆動ユニット(25B、26B)であって、少なくとも1つの第2のモータを有する少なくとも1つの第2の駆動ユニット(25B、26B)、
(v)前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第3の光学ユニット(19B)及び/又は第4の光学ユニット(20B)を動かすための、少なくとも1つの第2の駆動ユニット(25B、26B)、及び、少なくとも1つの第2の制御及び/又は調整ユニット(27B)、
のうちの1つを備えることを特徴とする、請求項15~24の何れか一項に記載の光学系(1)。
【請求項26】
前記光学系(1)は、前記光学系(1)の動きを検出するための少なくとも1つの第2の動き検出器(27、29B)を備えることを特徴とする、請求項15~25の何れか一項に記載の光学系(1)。
【請求項27】
前記光学系(1)が、以下の特徴、
(i)前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第4の光学ユニット(20B)は、第2の鏡系として形成されていること、
(ii)前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第4の光学ユニット(20B)は、第2のダハプリズムとして形成されていること、
のうちの1つを備えることを特徴とする、請求項15~26の何れか一項に記載の光学系(1)。
【請求項28】
前記光学系(1)が、以下の特徴、
(i)前記第1のハウジング(2)は、チューブとして形成されていること、
(ii)前記第2のハウジング(3)は、チューブとして形成されていること、
のうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする、請求項1~27の何れか一項であって、常に請求項9及び22と組み合わせた一項に記載の光学系(1)。
【請求項29】
-前記第1のハウジング(2)と前記第2のハウジング(3)とが、少なくとも1つの折り曲げブリッジ(4)によって接続されていること、
-前記折り曲げブリッジ(4)は、前記第1のハウジング(2)に配置された少なくとも1つの第1のヒンジ部(5)を有していること、
-前記折り曲げブリッジ(4)は、前記第2のハウジング(3)に配置された少なくとも1つの第2のヒンジ部(6)を有していること、
を特徴とする、請求項1~28の何れか一項であって、常に請求項9及び22と組み合わせた一項に記載の光学系(1)。
【請求項30】
前記光学系(1)は、前記折り曲げブリッジ(4)の折り曲げ角度を検出するための少なくとも1つのセンサ(29)を備えていることを特徴とする、請求項29に記載の光学系(1)。
【請求項31】
前記光学系(1)は、単眼鏡、望遠鏡(Fernrohr)、双眼鏡、望遠鏡(Teleskop)、及び/又は、フィールドスコープとして形成されていることを特徴とする、請求項1~30の何れか一項に記載の光学系(1)。
【請求項32】
像安定化が行われる、請求項1~31の何れか1項に記載の光学系(1)を操作する方法であって、
前記光学系(1)は、
前記光学系(1)の動きを検出するための少なくとも1つの第2の動き検出器(27、29B)と、
前記第1の像安定化ユニット(16A、16B)の前記第1の光学ユニット(19A、19B)及び/又は前記第2の光学ユニット(20A、20B)を動かすための、少なくとも1つの第1の駆動ユニット(25A、25B、26A、26B)、及び、前記第1の駆動ユニット(25A、25B、26A、26B)を制御及び/又は調整するための、少なくとも1つの第1の制御及び/又は調整ユニット(27A、27B)と、
少なくとも1つの第2の像安定化ユニット(16B)と、
前記第2の像安定化ユニット(16B)は、少なくとも1つの第3の光学ユニット(19B)と、少なくとも1つの第4の光学ユニット(20B)とを有しており、前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第3の光学ユニット(19B)及び/又は第4の光学ユニット(20B)を動かすための、少なくとも1つの第2の駆動ユニット(25B、26B)、及び、少なくとも1つの第2の制御及び/又は調整ユニット(27B)と、を備え、
前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第3の光学ユニット(19B)は、第3の回転軸(22B)を中心に回転可能に形成されており、
前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第4の光学ユニット(20B)は、第4の回転軸(23B)を中心に回転可能に形成されており、以下のステップ、
-前記第1の動き検出器(27、29B)及び/又は前記第2の動き検出器(27、29B)によって光学系(1)の動きを取得し、動き信号を生成するステップと、
-前記動き信号に応じて、前記光学系(1)の演算ユニットによって、以下の少なくとも1つのユニットの以下の目標位置、
(i)前記第1の像安定化ユニット(16A)の前記第1の光学ユニット(19A)の第1の目標位置、
(ii)前記第1の像安定化ユニット(16A)の前記第2の光学ユニット(20A)の第2の目標位置、
(iii)前記第2の像安定化ユニット(16B)の第3の光学ユニット(19B)の第3の目標位置、
(iv)第2の像安定化ユニット(16B)の第4の光学ユニット(20B)の第4の目標位置、のうちの少なくとも1つを決定するステップと、
-前記第1の駆動ユニット(25A、26A)の少なくとも1つの第1の位置センサを用いて、及び/又は、前記第2の駆動ユニット(25B、26B)の少なくとも1つの第2の位置センサを用いて、以下の少なくとも1つのユニットの以下の実際位置、
(i)前記第1の像安定化ユニット(16A)の前記第1の光学ユニット(19A)の第1の実際位置、
(ii)前記第1の像安定化ユニット(16A)の前記第2の光学ユニット(20A)の第2の実際位置、
(iii)前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第3の光学ユニット(19B)の第3の実際位置、
(iv)前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第4の光学ユニット(20B)の第4の実際位置、のうちの少なくとも1つを決定するステップと、
-前記第1の制御及び/又は調整ユニット(27A、27B)、及び/又は、前記第2の制御及び/又は調整ユニット(27A、27B)を用いて、以下の位置を比較するステップであって、
(i)前記第1の像安定化ユニット(16A)の前記第1の光学ユニット(19A)の前記第1の実際位置を、前記第1の像安定化ユニット(16A)の前記第1の光学ユニット(19A)の前記第1の目標位置と、
(ii)前記第1の像安定化ユニット(16A)の前記第2の光学ユニット(20A)の前記第2の実際位置を、前記第1の像安定化ユニット(16A)の前記第2の光学ユニット(20A)の前記第2の目標位置と、
(iii)前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第3の光学ユニット(19B)の前記第3の実際位置を、前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第3の光学ユニット(19B)の前記第3の目標位置と、
(iv)前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第4の光学ユニット(20B)の前記第4の実際位置を、前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第4の光学ユニット(20B)の前記第4の目標位置と、比較するステップと、
-以下のステップ、
a)前記第1の像安定化ユニット(16A)の前記第1の光学ユニット(19A)の前記第1の実際位置が、前記第1の像安定化ユニット(16A)の前記第1の光学ユニット(19A)の前記第1の目標位置と異なる場合、前記第1の制御及び/又は調整ユニット(27A、27B)、及び/又は、前記第2の制御及び/又は調整ユニット(27A、27B)を用いて、前記第1の像安定化ユニット(16A)の前記第1の光学ユニット(19A)が、前記第1の回転軸(22A)を中心とした回転によって、特に反復的に前記第1の目標位置に動かされるように、前記第1の駆動ユニット(25A)を制御及び/又は調整するステップ;
b)前記第1の像安定化ユニット(16A)の前記第2の光学ユニット(20A)の前記第2の実際位置が、前記第1の像安定化ユニット(16A)の前記第2の光学ユニット(20A)の前記第2の目標位置と異なる場合、前記第1の制御及び/又は調整ユニット(27A、27B)、及び/又は、前記第2の制御及び/又は調整ユニット(27A、27B)を用いて、前記第1の像安定化ユニット(16A)の前記第2の光学ユニット(20A)が、前記第2の回転軸(23A)を中心とした回転によって、特に反復的に前記第2の目標位置に動かされるように、前記第1の駆動ユニット(26A)を制御及び/又は調整するステップ;
c)前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第3の光学ユニット(19B)の前記第3の実際位置が、前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第3の光学ユニット(19B)の前記第3の目標位置と異なる場合、前記第1の制御及び/又は調整ユニット(27A、27B)、及び/又は、前記第2の制御及び/又は調整ユニット(27A、27B)を用いて、前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第3の光学ユニット(19B)が、前記第3の回転軸(22B)を中心とした回転によって、特に反復的に前記第3の目標位置に動かされるように、前記第2の駆動ユニット(25B)を制御及び/又は調整するステップ;
d)前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第4の光学ユニット(20B)の前記第4の実際位置が、前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第4の光学ユニット(20B)の前記第4の目標位置と異なる場合、前記第1の制御及び/又は調整ユニット(27A、27B)、及び/又は、前記第2の制御及び/又は調整ユニット(27A、27B)を用いて、前記第2の像安定化ユニット(16B)の前記第4の光学ユニット(20B)が、前記第4の回転軸(23B)を中心とした回転によって、特に反復的に前記第4の目標位置に動かされるように、前記第2の駆動ユニット(26B)を制御及び/又は調整するステップ;
のうちの少なくとも1つを実行するステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体を結像するための光学系に関し、この光学系は、対物レンズ、像安定化ユニット、及び結像面を備える。本発明の一実施形態においては、例えば、光学系は、接眼レンズを備える。さらに、本発明は、光学系の操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の光学系は、例えば、望遠鏡又は双眼鏡に使用される。望遠鏡又は双眼鏡を介して観測者によって得られた像は、ユーザの手の震え又は回転のみならず土台の動きが光学系の動きを引き起こすため、ぶれて見えることがよくある。手の震えの典型的な周波数は、0Hzから20Hzの範囲である。回転動きの典型的な振幅は、0°から8°の範囲にある。手ぶれの問題を解決するために、光学系において像を安定化することが知られている。既知の解決策においては、機械装置及び/又は電子装置によって像を安定化するために、像安定化装置が使用されている。
【0003】
望遠鏡の形態の光学系は、独国特許発明第2353101号明細書によって知られており、その望遠鏡は、対物レンズ、プリズム反転系の形態の像安定化ユニット、及び接眼レンズを備えている。プリズム反転系は、望遠鏡のハウジング内にカルダン式に軸受け支持されている。この明細書では、プリズム反転系が、互いに直角に配置された2つの軸を中心に回転可能に軸受け支持されるように、望遠鏡のハウジング内に配置されていることが理解できる。回転可能な軸受けには、ジンバル(Kardanik)と呼ばれる装置が、一般に使用される。ハウジング内にカルダン式に軸受け支持されたプリズム反転系の継手ポイントは、対物レンズの像側主面と接眼レンズの物体側主面との間の中央に配置されている。カルダン式に軸受け支持されたプリズム反転系は、その慣性に基づき、発生した回転震動によって動かない。そのため、それは、空間の中で静止している。この方法によって、ハウジングの回転震動に起因する像のぶれを補償することができる。しかしながら、この純粋に機械的な像安定化によっては、すべての関連する周波数及び/又は振幅の震動を安定化させることができない場合がある。言い換えれば、ある特定の震動や回転動きにおいては、安定化が生じない可能性が大いにあり得る。
【0004】
独国特許発明第3933255号明細書によって、プリズム反転系を有する像安定化機能を有する双眼鏡が知られている。プリズム反転系は、それぞれにチルト軸を持つポロ・プリズムを有する。ポロ・プリズムは、それぞれのチルト軸を中心に旋回可能に形成されている。ポロ・プリズムを旋回させるために、モータが設けられている。この旋回は、像の揺れを引き起こす震動に依存して行われる。
【0005】
独国実用新案第202018106070号明細書によって、望遠鏡における水平及び垂直方向の像安定化のための装置が知られている。この装置は、対物レンズと接眼レンズとの間に配置された像反転系を有している。その像反転系は、像光線経路に斜めに配置された、平面鏡とダハプリズムとから構成されている。平面鏡は、縦軸と横軸の両方を中心に回転するように軸受け支持されており、縦軸と横軸の交点は、対物レンズの光軸が平面鏡に突き当たる点(Auftreffpunkt)と一致している。
【0006】
米国特許第5910859号明細書によって、像安定化ユニットを有するさらなる光学系が知られている。この光学系の像安定化ユニットは、対物レンズと接眼レンズとの間の中央に光学的に中立な位置に配置された反転系の形態に形成されている。光学的に中立な点とは、物体の像の位置を変えることなく、対物レンズ及び接眼レンズを空間内で相対的に回転させることができ、反転系が空間内に固定されている点であると解される。反転系は、光学的に中立な点と、光軸に垂直に配置された2つの軸とを中心に動きが可能なように配置されている。その反転系が震動の際に空間的に安定している場合、この既知の光学系を用いて物体を見たときにも、物体の像は安定化される。また、光学的に中立な点を以下のように表現することもできる。光学的に中立な点とは、対物レンズと接眼レンズとの間の光軸上において、像安定化ユニットが回転可能に配置されている点と解される。それによって、任意の点を中心に回転震動が発生した場合、対物レンズと接眼レンズとを通して見た物体の像の方向は、像安定化ユニットと同様に空間的に固定される。
【0007】
考察によって、米国特許第5910859号明細書において提案されている反転系の状況は、光線をケラレ(vignettieren)させないためには、比較的大きな反転系を前提とすることが理解される。そのため、反転系が配置されるハウジングも同様にかなり大きくなる。それは箱の形状を有している。多くのユーザは、このレンガ状の装置から受ける美学的な印象を、あまり美しくないと感じるようである。さらに、比較的大きな反転系は、反転系の慣性モーメントがかなり大きくなるという結果をもたらす。そのため、反転系を動かすためには比較的大きな力が必要となる。このような比較的大きな力を供給するためには、一般的に高出力のモータが使用されるが、そのためには大きな設置スペースが必要となる。また、このようなモータはエネルギー消費量が大きいため、モータのエネルギー供給用に一般に使用されるバッテリーの稼働時間が短くなる。
【0008】
さらに、従来技術において知られている双眼鏡においては、第1のチューブの第1の光学サブ系と第2のチューブの第2の光学サブ系との両方に1つの像安定化ユニットを併用することが知られている。この1つの像安定化ユニットは、少なくとも第1のチューブと第2のチューブの間の距離と同じ幅を有するように構成が制限されている。さらに、この1つの像安定化ユニットの重量は重い。この1つの像安定化ユニットをモータによって調整する場合、そのモータも強力なものでなければならず、それは上記の問題を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、物体を結像するための光学系を開示するという課題に基づいている。この光学系は、比較的小さい慣性モーメントを有する像安定化ユニットを有しているため、従来技術と比較して、像安定化ユニットを位置調整するための力が小さく、光学系に小型のハウジングを使用することができる。さらに、この光学系を操作するための方法についても開示する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、この課題は、請求項1の特徴を有する光学系によって解決される。本発明による方法は、請求項32の特徴によって与えられる。本発明のさらなる特徴は、以下の説明、以下の特許請求の範囲、及び/又は添付の図面から得られる。
【0011】
本発明による物体を結像するための光学系は、少なくとも1つの対物レンズ、例えば第1の対物レンズと、少なくとも1つの像安定化ユニット、例えば第1の像安定化ユニットと、少なくとも1つの結像面、例えば第1の結像面とを備えている。対物レンズから結像面に向かって見て、最初に対物レンズ、次に像安定化ユニット、その次に結像面が、光学系の光軸、例えば第1の光軸に沿って配置されている。言い換えれば、像安定化ユニットは、対物レンズと結像面との間に配置されている。一実施形態においては、対物レンズがフォーカシングのために形成され、対物レンズの少なくとも1つのユニットが、フォーカシングのために、例えば光軸に沿って変位するように設けられている。さらなる一実施形態においては、対物レンズが、少なくとも1つのフロントユニット、例えば第1のフロントユニットと、少なくとも1つの集束ユニット、例えば第1の集束ユニットとを有し、その集束ユニットが、フォーカシングのために光軸に沿って変位するように設けられている。また、代替的に、フォーカシングは、例えば光学系に設けられた接眼レンズ、例えば第1の接眼レンズによって行われるようになっており、これについては後述する。
【0012】
本発明による光学系は、例えば、単眼鏡、望遠鏡(Fernrohr)、双眼鏡、望遠鏡(Teleskop)、及び/又はフィールドスコープとして形成される。
【0013】
像安定化ユニットは、少なくとも1つの第1の光学ユニットと少なくとも1つの第2の光学ユニットを有する。像安定化ユニットの第1の光学ユニットは、例えば、対物レンズと像安定化ユニットの第2の光学ユニットとの間に配置される。さらに、像安定化ユニットの第1の光学ユニットは、第1の回転軸を中心に回転可能に形成されている。第1の回転軸は、像安定化ユニットの第1の光学ユニットがそれを中心に回転する唯一の回転軸とされている。したがって、本実施形態においては、第1の光学ユニットが他の回転軸を中心に回転しないようになっている。像安定化ユニットの第2の光学ユニットは、第2回転軸を中心に回転可能に形成されている。特に、第2の回転軸は、像安定化ユニットの第2の光学ユニットがそれを中心に回転する唯一の軸とされている。したがって、本実施形態においては、第2の光学ユニットが第2回転軸以外の回転軸を中心に回転しないようになっている。例えば、本発明の一実施形態においては、第1の回転軸と第2の回転軸とが異なる軸とされている。言い換えれば、第1の回転軸と第2の回転軸とは平行ではない。本実施形態においては、第1の回転軸と第2の回転軸とが異なる軸であるため、本実施形態においては、像安定化ユニットの第1の光学ユニットの第1の回転軸を中心とした回転と、像安定化ユニットの第2の光学ユニットの第2の回転軸を中心とした回転とは、互いに独立して行われて得る。言い換えれば、像安定化ユニットの第1の光学ユニットが第1の回転軸を中心に回転することは、必ずしも像安定化ユニットの第2の光学ユニットが第2回転軸を中心に回転することを必要としない。むしろ、第1の回転軸を中心とした像安定化ユニットの第1の光学ユニットの回転が、第2の回転軸を中心とした像安定化ユニットの第2の光学ユニットの回転を任意に引き起こしてもよい。
【0014】
さらに、本発明による光学系では、像安定化ユニットの第2の光学ユニットが光学ダハユニット、例えば第1の光学ダハユニットとされる。例えば、像安定化ユニットの第2の光学ユニットは、第1の鏡系及び/又は第1のダハプリズムとして形成されている。言い換えれば、像安定化ユニットの第2の光学ユニットは、ビームオフセットがない又は小さいビームオフセットしか有さないストレート光学ユニットとして形成されてもよい。なお、第1のダハプリズムとしての説明については、以下の説明も参照されたい。
【0015】
本発明は、第1の光学ユニット及び第2の光学ユニットが軽重量であるため、第1の光学ユニット及び/又は第2の光学ユニットの慣性モーメントが従来技術に比べて低減されるという利点を有する。したがって、本発明による光学系では、第1の光学ユニット及び/又は第2の光学ユニットを調整するために、例えば従来技術に比べて比較的低出力のモータを使用することができる。このようなモータは、従来技術に比べて低い電力しか供給する必要がなく、消費電力も低いという特徴を有する。と同時に、本発明による光学系の結像特性を悪化させることなく、従来技術よりも小さな像安定化ユニットを使用することを可能とする。そのため、本発明による光学系には、従来技術に比べてより小さなハウジングを使用することも可能であり、それにより、多くのユーザにとってより好ましい美学上の印象を与えることができる。さらに、本発明では、第1の光学ユニットの動きや第2の光学ユニットの動きに使用される駆動ユニットを、ハウジング内の第1の光学ユニットの下方又は第2の光学ユニットの下方の領域に配置することができるため、既存の設置スペースに組み込むことができる。
【0016】
上記したように、像安定化ユニットは、第1の光学ユニットと第2の光学ユニットとを有する。第1の光学ユニットを第1の回転軸を中心に回転させることで、第1の方向における像の安定化が図られる。第2の光学ユニットを第2の回転軸を中心に回転させることで、例えば第1の方向に垂直に方向づけられた(ausgerichtet)第2の方向における像の安定化が図られる。これについては、以下において詳説する。
【0017】
本発明による光学系の一実施形態においては、追加的又は代替的に、像安定化ユニットの第2の光学ユニットの回転する第2の回転軸が、光軸に対して10°から89°の角度内において方向づけされており、その範囲限界は前述の範囲に含まれる。特に、第2の回転軸が光軸に対して20°から80°の角度内、又は30°から70°の角度内、又は40°から60°の角度内において方向づけされており、その範囲限界は前述の範囲に含まれる。さらなる実施形態においては、例えば、第2の回転軸が光軸に対して62.5°の角度に方向づけされている。上記の光軸に対する第2の回転軸の向きは、外乱となる像面回転を全く、又はごく少量しか起こさないことが明らかにされている。そのため、上記の向きは特に像安定化に適する。
【0018】
本発明による光学系の一実施形態においては、本発明による光学系が以下の特徴のうちの1つを有することが、追加的又は代替的に提供される。
-像安定化ユニットの第1の光学ユニットが、対物レンズと像安定化ユニットの第2の光学ユニットとの間に配置されていること、
-像安定化ユニットの第2の光学ユニットが、対物レンズと像安定化ユニットの第1の光学ユニットとの間に、配置されていること。
【0019】
本発明による光学系の一実施形態においては、像安定化ユニットの第1の光学ユニットが、少なくとも1つの鏡、例えば第1の鏡、少なくとも1つの平面鏡、例えば第1の平面鏡、及び/又は、少なくとも1つのプリズム、例えば第の1プリズムを有することが、追加又は代替的に提供される。本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、像安定化ユニットの第1の光学ユニットが、表面に入射した光線が反射される個別の平面からなることが、追加的又は代替的に提供される。例えば、像安定化ユニットの第1の光学ユニットが、入射した光線が反射される単一の平面を有することが提供される。言い換えれば、このさらなる実施形態においては、第1の光学ユニットに、入射光線が反射されるさらなる平面が配置されないようになっている。
【0020】
さらに、本発明による光学系の一実施形態においては、追加的又は代替的に、像安定化ユニットの第1の光学ユニットが平面鏡、例えば第1の平面鏡として形成されており、その平面鏡は鏡面、例えば第1の鏡面を有している。平面鏡とは、光の入射側が鏡になっており、その反射面が平面である、つまり平面にほぼ一致している鏡のことである。
【0021】
本発明による光学系の一実施形態においては、第1の像安定化ユニットの第1の光学ユニットと、支持具、例えば第1の光学ユニット用の第1の支持具とによって形成される系、例えば第1の系が、重心、例えば第1の重心を有し、第1の回転軸がその重心を通過することが、追加的又は代替的に提供される。この重心とは、系の質量重心のことである。さらなる一実施形態においては、第1の像安定化ユニットの第2の光学ユニットと第2の光学ユニット用の支持具とによって形成される系が重心を有し、第2の回転軸がその重心を通過することが、追加的又は代替的に提供される。重心とは、系の質量重心のことである。上記の実施形態においては、像安定化ユニットが基本的に平衡状態で支持されていることが有利である。それによって、像安定化ユニットの第1の光学ユニットを回転させるために必要なトルクは、従来技術に比べて少ないため、第1の光学ユニットを動かすための駆動ユニットの機械的要件は低く、また、電動式の駆動ユニットを使用する場合には、従来技術に比べて低電力化が得られる。
【0022】
本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、追加的又は代替的に、第1の光軸が、像安定化ユニットの第1の光学ユニットの第1の鏡ユニットと交点、例えば第1の交点で交差し、第1の回転軸がその交点を通過することが提供される。第1の光軸の突き当り点は、第1の鏡ユニットの平面の中心より少し上にある。像安定化ユニットの第1の光学ユニットの鏡ユニットは、中心点、例えば第1の中心点を有し、第1の回転軸がその中心点を通過するようにしてもよい。後者の2つの実施形態は、例えば、光学系によって特に良好な結像を得たい場合に選択される。
【0023】
本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、第1の光学ユニットが回転する第1の回転軸が平面と交差することが、追加的または代替的に提供される。例えば、その平面は第1の平面である。さらに、このさらなる実施形態においては、第2の光学ユニットが回転する第2の回転軸が上記の平面内にあることが提供される。例えば、第1の回転軸は、座標系のx軸に沿って方向づけされ、座標系はx軸、y軸、z軸によって与えられるようになっている。x軸、y軸、z軸は、互いに直交するように方向づけされ、座標原点という形で共通の交点を有する。そして、第2の回転軸は、y軸とz軸とによって囲まれた平面上にある。これはyz平面である。例えば、第1の光学ユニットがx軸の形態の第1の回転軸を中心に回転すると、本発明による光学系では、y軸に沿った像平面での像の変位を引き起こすように、光線が偏向されることになる。これによって、本発明による光学系によって生成された像の変位を、y軸に沿って打ち消すことができる。これによって、y軸方向の安定化が図られる。上記の平面内にある第2の回転軸を中心に第2の光学ユニットを回転させることによって、本発明による光学系の結像面において、本発明による光学系で生成された像のx軸に沿った変位が生じるように、本発明による光学系における光線の偏向が生じる。これによって、x軸方向の像が安定化する。
【0024】
像安定化ユニットの第2の光学ユニットの任意の軸、例えばyz平面内の任意の軸を中心とした回転は、x軸に沿った像の上記の所望の変位に加えて、本発明による光学系によって生成された像の意図しない回転をも引き起こす可能性がある。この意図しない回転を回避するために、本発明による光学系の一実施形態においては、追加的又は代替的に、第2の回転軸がある軸に対応しており、それによって、第2の光学ユニットがこの軸を中心に回転したときに像の意図しない回転が生じないようになっている。例えば、本発明による光学系の非安定状態においては、第2の回転軸は、鏡面又は像安定化ユニットの第1の光学ユニットの光入射面に対して垂直に配置されている。非安定状態とは、像が安定化されない状態である。本実施形態においては、像のx軸方向の変位だけが発生する。そのため、像の乱れた回転は起きない。本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、追加的又は代替的に、本発明による光学系の非安定状態において、第2の回転軸が、鏡面に対して、又は像安定化ユニットの第1の光学ユニットの光入射面に対して、50°から130°、又は60°から120°、又は70°から110°、又は80°から100°の角度内を成すように方向づけされるようになっており、その範囲限界は、前述の範囲に含まれる。
【0025】
本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、光学系が以下の特徴のいずれか1つを備えることが、追加的又は代替的に提供される。
-像取得ユニット、例えば第1の像取得ユニットが、結像面に配置されていること、
-像取得ユニット、例えば第1の像取得ユニットが、結像面に配置されており、この像取得ユニットは、特にイメージセンサ、特に半導体ベースのイメージセンサとして形成されていること、
-光学系は、少なくとも1つの接眼レンズ、例えば第1の接眼レンズを備え、対物レンズから結像面の方向に見て、最初に結像面、次に接眼レンズが配置されていること。
そのため、対物レンズから結像面の方向に見た場合、上記の実施形態においては、個々のユニットの順序が次のようになっている。対物レンズ-像安定化ユニット-結像面-接眼レンズ。さらなる一実施形態においては、対物レンズの結像面と接眼レンズの結像面が一致していることが提供される。
【0026】
本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、光学系がハウジング、例えば第1のハウジングを備え、対物レンズ、像安定化ユニット及び結像面がそのハウジング内に配置されることが追加的又は代替的に提供される。追加的又は代替的に、本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、接眼レンズがハウジング内に配置されていることが提供される。
【0027】
本発明による光学系のさらにさらなる一実施形態においては、追加的又は代替的に、像安定化ユニットが反転系、例えば第1の反転系として形成されることが提供される。特に、像安定化ユニットが、プリズム反転系として、例えば第1のプリズム反転系として、又はレンズ反転系として、例えば第1のレンズ反転系として形成されていることが提供される。プリズム反転系は、例えば、少なくとも1つのプリズムを有する。レンズ反転系は、例えば、少なくとも1枚のレンズを有する。
【0028】
本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、光学系が以下の特徴のうちの1つを備えることが追加的又は代替的に提供される。
-像安定化ユニットの第1の光学ユニット及び/又は第2の光学ユニットを動かすための少なくとも1つの駆動ユニット、例えば第1の駆動ユニット、
-像安定化ユニットの第1の光学ユニット及び/又は第2の光学ユニットを動かすための、少なくとも1つの駆動ユニット、例えば第1の駆動ユニットであって、少なくとも1つの圧電セラミック、例えば第1の圧電セラミックを有する駆動ユニット、
-像安定化ユニットの第1の光学ユニット及び/又は第2の光学ユニットを動かすための、少なくとも1つの駆動ユニット、例えば第1の駆動ユニットであって、少なくとも1つの圧電アクチュエータ、例えば第1の圧電アクチュエータを有する駆動ユニット、
-像安定化ユニットの第1の光学ユニット及び/又は第2の光学ユニットを動かすための、少なくとも1つの駆動ユニット、例えば第1の駆動ユニットであって、少なくとも1つの圧電曲げアクチュエータ、例えば第1の圧電曲げアクチュエータを有する駆動ユニット、
-像安定化ユニットの第1の光学ユニット及び/又は第2の光学ユニットを動かすための、少なくとも1つの駆動ユニット、例えば第1の駆動ユニットであって、少なくとも1つの圧電超音波アクチュエータ、例えば第1の圧電超音波アクチュエータを有する駆動ユニット、
-像安定化ユニットの第1の光学ユニット及び/又は第2の光学ユニットを動かすための、少なくとも1つの駆動ユニット、例えば第1の駆動ユニットであって、少なくとも1つの圧電進行波アクチュエータ、例えば第1の圧電進行波アクチュエータを有する駆動ユニット、
-像安定化ユニットの第1の光学ユニット及び/又は第2の光学ユニットを動かすための、少なくとも1つの駆動ユニット、例えば第1の駆動ユニットであって、少なくとも1つのモータ、例えば第1のモータを有する駆動ユニット、そのモータは、例えば、DCモータ、ステッピングモータ、又はボイスコイルモータとして形成されている、
-像安定化ユニットの第1の光学ユニット及び/又は第2の光学ユニットを動かすための、少なくとも1つの駆動ユニット、例えば第1の駆動ユニット、及び、その駆動ユニットを制御/調整するための少なくとも1つの制御及び/又は調整ユニット。
【0029】
考察の結果、上記の駆動ユニットのうちの少なくとも1つを圧電技術に基づく駆動ユニットとして形成することが、特に有利であることが認識された。そのような駆動ユニットは低消費電力である。さらに、制御電圧がオフのときに、そのような駆動ユニットは十分に大きい保持力を有するため、可動式に配置された像安定化ユニットを追加でロックする必要がない。光学系を使用していないときには、像安定化ユニットの破損を避けるため、及び/又は、安定化機能をオフにしても、光学系(例えば、双眼鏡)を双眼鏡として使用し続けるために、可動式像安定化ユニットをロックすることが望ましい。このような駆動ユニットのさらなる利点は、供給される制御電圧に直接依存しているため、駆動ユニットの動きが非常に正確であることである。これによって、上記の可動式像安定化ユニットの動きを正確に制御することができる。上記の駆動ユニットには、従来技術による像安定化ユニットの調整には必ずしも十分ではない比較的低い駆動力を利用する。
【0030】
本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、追加的又は代替的に、光学系は、少なくとも1つの動き検出器、例えば第1の動き検出器を備え、光学系の動き、例えば回転する及び/又は並進する震動を検出することが提供される。第1の動き検出器は、例えば、回転速度センサ、ジャイロセンサ、又は磁力計として形成される。本発明は、上記の動き検出器の使用に限定されるものではないことを明示する。むしろ、本発明に適した任意の動き検出器を使用することができる。
【0031】
本発明による光学系の一実施形態においては、像安定化ユニットの第2の光学ユニットが、例えば第1のプリズムのような鏡系として形成されていることが追加的又は代替的に提供される。例えば、鏡系は、反射面を有する装置、特に少なくとも1つの鏡からなる装置、又は第1のプリズムとして形成される。特に、像安定化ユニットの第2の光学ユニットが、ダハプリズム、例えば第1のダハプリズムとして形成されていることが提供される。特に、第1のダハプリズムは、ルーフエッジ(Dachkante)を有するバウエルンファイント・プリズムとして形成されている。さらなる一実施形態においては、第1のダハプリズムのルーフエッジが、アミチ・プリズムのルーフエッジのように形成されていることが追加的又は代替的に提供される。さらなる一実施形態においては、第1のダハプリズムに入射した光線が、第1のダハプリズム内で3回、すなわち、最初に第1のダハプリズムのルーフエッジの第1の表面で、次に第1のダハプリズムのルーフエッジの第2の表面で、続いて第1のダハプリズムの第3の表面で反射されることが、追加的又は代替的に提供される。以上のことは、後述する
図3において説明される。
図3においては、2次元表示のため、3つの反射のうち2つしか見えないが、これは、2つの反射がルーフエッジにおいて重なっているため、1つの反射として見えるためである。
【0032】
本発明による光学系が複数の光チャネル又は複数の光学サブ系からなる場合、本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、本発明による光学系が、少なくとも1つの第2の対物レンズ、少なくとも1つの第2の像安定化ユニット、及び少なくとも1つの第2の結像面を有することが提供される。第2の対物レンズから第2の結像面の方向に見て、最初に第2の対物レンズ、次に第2の像安定化ユニット、その次に第2の結像面が、光学系の第2の光軸に沿って配置されている。言い換えれば、第2の像安定化ユニットは、第2の対物レンズと第2の結像面との間に配置されている。一実施形態においては、第2の対物レンズがフォーカシングのために形成され、第2の対物レンズの少なくとも1つのユニットが、フォーカシングのために、例えば第2の光軸に沿って変位することが提供される。さらなる一実施形態においては、第2の対物レンズが、少なくとも1つの第2のフロントユニットと、少なくとも1つの第2の集束ユニットとを有し、第2の集束ユニットが、フォーカシングのために第2の光軸に沿って変位することが提供される。また、代替的に、フォーカシングは、例えば、光学系に設けられた、後述される第2の接眼レンズによって行われることが提供される。
【0033】
第2の像安定化ユニットは、少なくとも1つの第3の光学ユニットと、少なくとも1つの第4の光学ユニットとを有している。基本的には、第3の光学ユニットは第2の像安定化ユニットの第1の光学ユニットであり、第4の光学ユニットは第2の像安定化ユニットの第2の光学ユニットである。第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットは、例えば、第2の対物レンズと第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットとの間に配置されている。さらに、第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットは、第3の回転軸を中心に回転可能に形成されている。第3の回転軸は、第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットが回転する唯一の軸であることが提供される。したがって、本実施形態においては、第3の光学ユニットが第3の回転軸以外の回転軸を中心に回転しないようになっている。特に、第3の回転軸は、第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットが回転する唯一の軸であることが提供される。したがって、本実施形態においては、第3の光学ユニットは、第3の回転軸以外の回転軸を中心に回転しないように設けられている。第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットは、第4の回転軸を中心に回転可能に形成されている。例えば、本発明の一実施形態においては、第3の回転軸と第4の回転軸とが異なる軸であることが提供される。言い換えれば、第3の回転軸と第4の回転軸とは平行ではない。本実施形態においては、第3の回転軸と第4の回転軸とが異なる軸であるため、本実施形態においては、第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットの第3の回転軸を中心とした回転と、第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットの第4の回転軸を中心とした回転とを、それぞれ独立して行うことができる。言い換えれば、第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットが第3の回転軸を中心に回転することは、必ずしも第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットが第4の回転軸を中心に回転することを必要としない。むしろ、第3の回転軸を中心とした第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットの回転が、第4の回転軸を中心とした第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットの回転を任意に引き起こしてもよい。
【0034】
さらに、本発明による光学系では、第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットが第2の光学ダハユニットであることが提供される。例えば、第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットは、第2の鏡系及び/又は第2のダハプリズムとして形成されている。言い換えれば、第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットは、ビームオフセットがない又は小さいビームオフセットしか有さないストレート光学ユニットとして形成されてもよい。なお、ここにおいても有効な、第2のダハプリズムとしての形成については、上記及び下記の説明も参照されたい。
【0035】
上記したように、第2の像安定化ユニットは、第3の光学ユニットと第4の光学ユニットとを有する。第3の光学ユニットを第3の回転軸を中心に回転させることで、本発明による光学系で形成された像の第1の方向への安定化が図られる。第4の光学ユニットを第4の回転軸を中心に回転させることで、本発明による光学系で形成された像の安定化が、例えば第1の方向に垂直に方向付けられた第2の方向において図られる。これについては、以下において詳説する。
【0036】
本発明による光学系の一実施形態においては、追加的又は代替的に、第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットの回転する第4の回転軸が、光軸に対して10°から89°の角度内において方向づけされていることが提供され、その範囲限界は前述の範囲に含まれる。特に、第4の回転軸が光軸に対して20°から80°までの角度内、又は30°から70°の角度内、又は40°から60°の角度内において方向づけされるようになっており、その範囲限界は前述の範囲に含まれる。さらなる一実施形態においては、例えば、第4の回転軸が第2の光軸に対して62.5°の角度に方向づけされていることが提供される。上記の第2の光軸に対する第4の回転軸の向きは、外乱となる像面回転を全く、又はごく少量しか起こさないことが明らかにされている。そのため、上記の向きは特に像安定化に適する。
【0037】
本発明による光学系の一実施形態においては、本発明による光学系が以下の特徴のうちの1つを有することが、追加的又は代替的に提供される。
-第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットが、第2の対物レンズと第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットとの間に配置されていること、
-第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットが、第2の対物レンズと第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットとの間に、配置されていること。
【0038】
本発明による光学系の一実施形態においては、追加又は代替的に、第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットが、少なくとも1つの第2の鏡、少なくとも1つの第2の平面鏡、及び/又は、少なくとも1つの第2のプリズムを有することが提供される。
【0039】
さらに、本発明による光学系においては、追加的又は代替的に、第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットが第2の平面鏡として形成されており、その第2の平面鏡が第2の鏡面を有することが提供される。
【0040】
本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、追加的又は代替的に、第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットが、表面に入射した光線が反射される個別の平面からなることが提供される。例えば、第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットが、入射した光線が反射される単一の平面を有することを提供する。言い換えれば、このさらなる実施形態においては、第3の光学ユニットに、入射光線が反射されるさらなる平面が配置されないようになっている。
【0041】
本発明による光学系の一実施形態においては、追加的又は代替的に、第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットと、第3の光学ユニット用の第2の支持具とによって形成される第2の系が、第2の重心を有し、第3の回転軸がその重心を通過することが、提供される。この第2の重心とは、第2の系の質量重心のことである。本発明による光学系の一実施形態においては、第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットと第4の光学ユニット用の支持具とによって形成される系が重心を有し、第4の回転軸がその重心を通過することが、追加的又は代替的に提供される。重心とは、系の質量重心のことである。上記の実施形態においては、第2の像安定化ユニットが基本的に平衡状態で支持されていることが有利である。それによって、第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットを回転させるために必要なトルクは、従来技術に比べて少ないため、第3の光学ユニットを動かすための駆動ユニットの機械的要件は低く、また、電動式の駆動ユニットを使用する場合には、従来技術に比べて低電力化が得られる。
【0042】
本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、追加的又は代替的に、第2の光軸が、第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットの第2の鏡ユニットと第2の交点で交差し、第3の回転軸が第2の交点を通過することが提供される。第2の光軸の突き当り点は、第2の鏡ユニットの平面の中心より少し上にある。第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットの第2の鏡ユニットは、第2の中心点を有し、第3の回転軸が第2の中心点を通過する。後者の2つの実施形態は、例えば、光学系によって特に良好な結像を得たい場合に選択される。
【0043】
本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、第3の光学ユニットが回転する第3の回転軸が第2の平面と交差することが、追加的または代替的に提供される。さらに、このさらなる実施形態においては、第4の光学ユニットが回転する第4の回転軸が上記の第2の平面内にあることが提供される。例えば、第3の回転軸は、座標系のx軸に沿って方向づけられていることが提供される。そして、第4の回転軸は、y軸とz軸とによって囲まれた平面上にある。これはyz平面である。例えば、第3の光学ユニットがx軸の形態の第3の回転軸を中心に回転すると、本発明による光学系では、y軸に沿った像の変位を引き起こすように、光線が偏向されることになる。これによって、本発明による光学系によって生成された像の、y軸に沿った結像面における変位を打ち消すことができる。これによって、y軸方向の安定化が図られる。上記の平面内にある第4の回転軸を中心に第4の光学ユニットを回転させることによって、本発明による光学系の結像面において、本発明による光学系で生成された像のx軸に沿った変位が生じるように、本発明による光学系における光線の偏向が生じる。これによって、x軸方向の像が安定化する。
【0044】
第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットの任意の軸、例えばyz平面内の任意の軸を中心とした回転は、x軸に沿った像の上記の所望の変位に加えて、本発明による光学系によって生成された像の意図しない回転をも引き起こす可能性がある。この意図しない回転を回避するために、本発明による光学系の一実施形態においては、追加的又は代替的に、第4の回転軸がある軸に対応しており、それによって、第4の光学ユニットがこの軸を中心に回転したときに像の意図しない回転が生じないことが提供される。例えば、本発明による光学系の非安定状態においては、第4の回転軸は、第2の鏡面又は第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットの光入射面に対して垂直に配置されている。非安定状態とは、像が安定化されない状態である。本実施形態においては、像のx軸方向の変位だけが発生する。そのため、像の乱れた回転は起きない。本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、追加的又は代替的に、本発明による光学系の非安定状態において、第4の回転軸が、第2の像安定化ユニットの鏡面に対して、又は第3の光学ユニットの光入射面に対して、50°から130°、又は60°から120°、又は70°から110°、又は80°から100°の角度内を成すように方向づけされるようになっており、その範囲限界は、前述の範囲に含まれる。
【0045】
本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、追加的又は代替的に、光学系が以下の特徴のいずれかを備えることが提供される。
-第2の像平面には、第2の像取得ユニットが配置されていること、
-第2の像平面には、第2の像取得ユニットが配置されており、このユニットは、特にイメージセンサ、特に半導体ベースのイメージセンサとして形成されていること、
-光学系は、少なくとも1つの第2の接眼レンズを備え、第2の対物レンズから第2の結像面の方向に見て、最初に第2の結像面、次に第2の接眼レンズが配置されていること。そのため、上記の実施形態においては、第2の対物レンズから第2の結像面の方向に見た場合、個々のユニットの順序が次のようになっている。第2の対物レンズ-第2の像安定化ユニット-第2の結像面-第2の接眼レンズ。さらなる一実施形態においては、第2の対物レンズの第2の結像面と第2の接眼レンズの第2の結像面が一致していることが提供される。
【0046】
本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、追加的又は代替的に、光学系が第2のハウジングを備え、第2の対物レンズ、第2の像安定化ユニット及び第2の結像面が第2のハウジング内に配置されることが提供される。追加的又は代替的に、本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、第2の接眼レンズが第2のハウジング内に配置されていることが提供される。
【0047】
本発明による光学系のさらにさらなる一実施形態においては、追加的又は代替的に、第2の像安定化ユニットが第2の反転系として形成されることが提供される。特に、第2の像安定化ユニットが、第2のプリズム反転系として、又は第2のレンズ反転系として形成されていることが提供される。反転系に関しては、上記したことが当てはまる。
【0048】
本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、光学系が以下の特徴のうちの1つを備えることが追加的又は代替的に提供される。
-第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニット及び/又は第4の光学ユニットを動かすための少なくとも1つの第2の駆動ユニット、
-第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニット及び/又は第4の光学ユニットを動かすための、少なくとも1つの第2の駆動ユニットであって、少なくとも1つの第2の圧電セラミックを有する第2の駆動ユニット、
-第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニット及び/又は第4の光学ユニットを動かすための、少なくとも1つの第2の駆動ユニットであって、少なくとも1つの第2の圧電アクチュエータを有する第2の駆動ユニット、
-第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニット及び/又は第4の光学ユニットを動かすための、少なくとも1つの第2の駆動ユニットであって、少なくとも1つの第2の圧電曲げアクチュエータを有する第2の駆動ユニット、
-第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニット及び/又は第4の光学ユニットを動かすための、少なくとも1つの第2の駆動ユニットであって、少なくとも1つの第2の圧電超音波アクチュエータを有する第2の駆動ユニット、
-第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニット及び/又は第4の光学ユニットを動かすための、少なくとも1つの第2の駆動ユニットであって、少なくとも1つの第2の圧電進行波アクチュエータを有する第2の駆動ユニット、
-第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニット及び/又は第4の光学ユニットを動かすための、少なくとも1つの第2の駆動ユニットであって、少なくとも1つの第2のモータを有する第2の駆動ユニット、この第2のモータは、例えば、DCモータ、ステッピングモータ、又はボイスコイルモータとして形成されている、
-第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニット及び/又は第4の光学ユニットを動かすための、少なくとも1つの第2の駆動ユニット、及び、第2の駆動ユニットを制御/調整するための少なくとも1つの第2の制御及び/又は調整ユニット。
【0049】
考察の結果、上記の駆動ユニットのうちの少なくとも1つを圧電技術に基づく駆動ユニットとして形成することが、特に有利であることが認識された。この点については、さらに上記を参照されたい。
【0050】
本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、追加的又は代替的に、光学系は、少なくとも1つの第2の動き検出器を備え、光学系の動き、例えば回転する及び/又は並進する震動を検出することが提供される。第2の動き検出器は、例えば、回転速度センサ、ジャイロセンサ、又は磁力計として形成される。本発明は、上記の動き検出器の使用に限定されるものではないことを明示する。むしろ、本発明に適した任意の動き検出器を使用することができる。
【0051】
本発明による光学系の一実施形態においては、第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットが、第2の鏡系として形成されていることが追加的又は代替的に提供される。特に、第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットが第2のダハプリズムとして形成されていることをが、提供される。特に、上記の第2のダハプリズムは、ルーフエッジを有するバウエルンファイント・プリズムとして形成されている。さらなる一実施形態においては、第2のダハプリズムのルーフエッジがアミチ・プリズムのルーフエッジのように形成されていることが、追加又は代替的に提供される。さらなる一実施形態においては、第2のダハプリズムに入射した光線が、第2のダハプリズム内で3回、すなわち、最初に第2のダハプリズムのルーフエッジの第1の表面で、次に第2のダハプリズムのルーフエッジの第2の表面で、続いて第2のダハプリズムの第3の表面で反射されることが、追加的又は代替的に提供される。
【0052】
本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、追加的又は代替的に、第1のハウジングがチューブとして形成されることが提供される。追加的又は代替的に、第2のハウジングがチューブとして形成されていることが提供される。
【0053】
2つのハウジングを備える本発明による光学系の実施形態は、基本的に2つの光学サブ系を有する。そのため、第1のハウジング内に、第1の光学サブ系が配置されている(例えば、ユーザの両眼のうちの1つの眼のために)。一方、第2のハウジング内には、第2の光学サブ系が配置されている(例えば、ユーザの両眼のうちの他方の眼のために)。
【0054】
本発明による光学系のさらにさらなる一実施形態においては、追加的又は代替的に、第1のハウジングが、少なくとも1つの折り曲げブリッジによって第2のハウジングに接続されることが提供される。その折り曲げブリッジは、第1のハウジングに配置された少なくとも1つの第1のヒンジ部を有している。さらに、その折り曲げブリッジは、第2のハウジングに配置された少なくとも1つの第2のヒンジ部を有している。折り曲げブリッジは、第1のハウジングと第2のハウジングとがユーザの眼間距離に合わせて調整できるように、光学系を調整することができる。そのため、第1のハウジング及び第2のハウジングは、第1のハウジングがユーザの両眼のうちの一方に配置され、第2のハウジングがユーザの両眼のうちの他方に配置されるように、互いに相対的に配置されている。言い換えれば、これは次のように表現できる。第1の接眼レンズは第1の接眼レンズ軸を有し、一方、第2の接眼レンズは第2の接眼レンズ軸を有している。ユーザの第1の眼は第1の眼軸を有し、ユーザの第2の眼は第2の眼軸を有する。したがって、第1のハウジングと第2のハウジングとは、第1の接眼軸と第1の眼軸が一致するように、また、第2の接眼軸と第2の眼軸が一致するように、互いに相対的に配置されている。本実施形態においては、折り曲げブリッジを使用することで、菱形プリズムによる瞳孔距離の調整を行う必要がない。
【0055】
本発明による光学系の一実施形態においては、追加的又は代替的に、光学系が、折り曲げブリッジの折り曲げ角度を検出するための少なくとも1つのセンサを備えることが提供される。例えば、第1の制御及び/又は調整ユニット、及び/又は、第2の制御及び/又は調整ユニットは、座標変換、及び/又は、さらなる数学的手法に基づいて、第1の座標系からの第1の駆動ユニットのための制御及び/又は調整信号を、第2の座標系での第2の駆動ユニットのための制御及び/又は調整信号に変換する。これは、本発明による光学系が単一の動き検出器のみを有する場合、又は単一の動き検出器のみを使用している場合に、特に有利である。
【0056】
上記したように、本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、光学系は、第1の像安定化ユニットの第1の光学ユニット及び/又は第2の光学ユニットを動かすために第1の駆動ユニットを制御/調整するため、及び、第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニット及び/又は第4の光学ユニットを動かすために第2の駆動ユニットを制御/調整するための、単一の制御及び/又は調整ユニットを備える。本実施形態は、2つの駆動ユニット、すなわち第1の駆動ユニット及び第2の駆動ユニットに対して、単一の制御及び/又は調整ユニットを提供する。
【0057】
本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、追加的又は代替的に、第1の動き検出器及び第2の動き検出器が第1のハウジング内に配置されることが提供される。本発明による光学系のさらにさらなる一実施形態においては、追加的又は代替的に、第1の動き検出器及び第2の動き検出器が第2のハウジング内に配置されることが提供される。上記の実施形態においては、第1の動き検出器が第1の方向の動きを検出し、第2の動き検出器が第2の方向の動きを検出する。代替的に、第1の動き検出器を第1のハウジングに配置する、又は、第2の動き検出器を第2のハウジングに配置することもできる。これらの実施形態においては、第1の動き検出器は、少なくとも1つの第1の方向及び少なくとも1つの第2の方向の動きを検出し、第2の動き検出器は、少なくとも1つの第1の方向及び少なくとも1つの第2の方向の動きを検出する。
【0058】
上記したように、本発明による光学系の一実施形態においては、追加的又は代替的に、第1の像安定化ユニットはプリズム反転系として形成されることが提供される。例えば、本発明による光学系のこの実施形態においては、第1の像安定化ユニットの第1の光学ユニットが第1のプリズムとして形成され、第1の像安定化ユニットの第2の光学ユニットが第2のプリズムとして形成されることが提供される。第1のプリズムは、第1の光学ユニットに関して、特に第1の平面鏡に関して上記又は下述した少なくとも1つの特徴又は特徴の組み合わせを有し得る。第2のプリズムは、第2の光学ユニットに関して上記又は下述した少なくとも1つの特徴又は特徴の組み合わせを有し得る。例えば、第1のプリズムは、第1のプリズム内に、全反射又は鏡層によって光線が偏向される面を有している。特に、本発明による光学系の一実施形態においては、第1の像安定化ユニットが、アッベ・ケーニッヒ・プリズム系、シュミット・ぺシャン・プリズム系、又はポロ・プリズム系として形成されていることが提供される。第2のプリズムは、例えば、ダハプリズムとして形成される。
【0059】
上記したように、本発明による光学系のさらなる一実施形態においては、追加的又は代替的に、第2の像安定化ユニットがプリズム反転系として形成されることが提供される。例えば、本発明による光学系のこの実施形態においては、第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットが第3のプリズムとして形成され、第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットが第4のプリズムとして形成されることが提供される。第3のプリズムは、第3の光学ユニットに関して、特に第2平面鏡に関して上記又は後述の少なくとも1つの特徴又は特徴の組み合わせを有していてもよい。第4のプリズムは、第4の光学ユニットに関して上記又は下述した少なくとも1つの特徴又は特徴の組み合わせを有していてもよい。例えば、第3のプリズムは、第3のプリズム内に、全反射又は鏡層によって光線が偏向される面を有している。特に、本発明による光学系の一実施形態においては、第2の像安定化ユニットが、アッベ・ケーニッヒ・プリズム系、シュミット・ぺシャン・プリズム系、又はポロ・プリズム系として形成されていることが提供される。第4のプリズムは、例えば、ダハプリズムとして形成されている。
【0060】
また、本発明は、光学系の操作方法に関するものである。この方法では、像を安定させることができる。この光学系は、上記又は後述の特徴のうち少なくとも1つ、又は上記又は後述の特徴のうち少なくとも2つの組み合わせを有している。この方法は、以下のステップを含む。
-第1の動き検出器及び/又は第2の動き検出器によって光学系の動きを取得し、動き信号を生成するステップ、
-動き信号に応じて、光学系の演算ユニットによって、以下の少なくとも1つのユニットの以下の目標位置、(i)第1の像安定化ユニットの第1の光学ユニットの第1の目標位置、(ii)第1の像安定化ユニットの第2の光学ユニットの第2の目標位置、(iii)第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットの第3の目標位置、(iv)第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットの第4の目標位置、のうちの少なくとも1つを決定するステップ、ここで、目標位置は、特に、異なった基準、及び、望まれた操作モードに応じて、例えば、安定化の所定の強さに応じて、及び/又は、光学系の所定の使用(例えば、動く移動手段内において使用される場合)に応じて決定される、
-第1の駆動ユニットの少なくとも1つの第1の位置センサを用いて、及び/又は、第2の駆動ユニットの少なくとも1つの第2の位置センサを用いて、以下の少なくとも1つのユニットの以下の実際位置、(i)第1の像安定化ユニットの第1の光学ユニットの第1の実際位置、(ii)第1の像安定化ユニットの第2の光学ユニットの第2の実際位置、(iii)第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットの第3の実際位置、(iv)第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットの第4の実際位置、のうちの少なくとも1つを決定するステップ、
-第1の制御及び/又は調整ユニット、及び/又は、第2の制御及び/又は調整ユニットを用いて、以下の位置を比較するステップであって、(i)第1の像安定化ユニットの第1の光学ユニットの第1の実際位置を、第1の像安定化ユニットの第1の光学ユニットの第1の目標位置と、(ii)第1の像安定化ユニットの第2の光学ユニットの第2の実際位置を、第1の像安定化ユニットの第2の光学ユニットの第2の目標位置と、(iii)第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットの第3の実際位置を、第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットの第3の目標位置と、(iv)第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットの第4の実際位置を、第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットの第4の目標位置と、比較するステップ、
-以下のステップ、
a)第1の像安定化ユニットの第1の光学ユニットの第1の実際位置が、第1の像安定化ユニットの第1の光学ユニットの第1の目標位置と異なる場合、第1の制御及び/又は調整ユニット、及び/又は、第2の制御及び/又は調整ユニットを用いて、第1の像安定化ユニットの第1の光学ユニットが、第1の回転軸を中心とした回転によって、特に反復的に第1の目標位置に動かされるように、第1の駆動ユニットを制御及び/又は調整するステップ;
b)第1の像安定化ユニットの第2の光学ユニットの第2の実際位置が、第1の像安定化ユニットの第2の光学ユニットの第2の目標位置と異なる場合、第1の制御及び/又は調整ユニット、及び/又は、第2の制御及び/又は調整ユニットを用いて、第1の像安定化ユニットの第2の光学ユニットが、第2の回転軸を中心とした回転によって、特に反復的に第2の目標位置に動かされるように、第1の駆動ユニットを制御及び/又は調整するステップ;
c)第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットの第3の実際位置が、第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットの第3の目標位置と異なる場合、第1の制御及び/又は調整ユニット、及び/又は、第2の制御及び/又は調整ユニットを用いて、第2の像安定化ユニットの第3の光学ユニットが、第3の回転軸を中心とした回転によって、特に反復的に第3の目標位置に動かされるように、第2の駆動ユニットを制御及び/又は調整するステップ;
d)第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットの第4の実際位置が、第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットの第4の目標位置と異なる場合、第1の制御及び/又は調整ユニット、及び/又は、第2の制御及び/又は調整ユニットを用いて、第2の像安定化ユニットの第4の光学ユニットが、第4の回転軸を中心とした回転によって、特に反復的に第4の目標位置に動かされるように、第2の駆動ユニットを制御及び/又は調整するステップ;のうちの少なくとも1つを実行するステップ。
【0061】
第1の制御及び/又は調整ユニットは、第1のPIDコントローラとして形成されてもよい。さらに、第2の制御及び/又は調整ユニットは、第2のPIDコントローラとして形成されてもよい。
【0062】
以下、図による実施形態を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】折り曲げブリッジを有する双眼鏡の形態の光学系の概略図である。
【
図4】
図3による第2の光学サブ系のさらなる概略図である。
【
図5】双眼鏡の形態のさらなる光学系の概略図である。
【
図6】双眼鏡の形態の別のさらなる光学系の概略図である。
【
図7】
図6による双眼鏡の第2の光学サブ系の概略図である。
【
図8】本発明による方法の一実施形態のフローチャートの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の光学系の第1の実施形態は、両眼用の双眼鏡1(以下、単に双眼鏡と呼ぶ)である。しかしながら、本発明は両眼用の双眼鏡に限定されるものではないことを明示しておく。むしろ、本発明は、以下においてさらに詳説するように、例えば、望遠鏡を含む任意の光学系に適している。例えば、以下に説明する実施形態では、さらに上記した特徴のうちの少なくとも1つを有するか、又は、さらに上記した特徴のうちの少なくとも2つの組み合わせを有することが提供される。
【0065】
図1は、管状の第1のハウジング2と管状の第2のハウジング3とを有する双眼鏡1の第1の概略図を示す。第1の光軸10が、第1のハウジング2を貫通して延びている。一方、第2の光軸11は、第2のハウジング3を貫通して延びている。第1のハウジング2は、第2のハウジング3と、折り曲げブリッジ4を介して互いに結合されている。折り曲げブリッジ4は、第1のハウジング2に配置された第1のヒンジ部5を有している。さらに、折り曲げブリッジ4は、第2のハウジング3に配置された第2のヒンジ部6を有している。第1のヒンジ部5は、第1の受け部7と第2受け部8とを有し、その間に第2のヒンジ部6の第3の受け部9が配置されている。アクスルピン(図示せず)が第1の受け部7、第2の受け部8、及び第3の受け部9を貫通して延びており、それによって、第1のハウジング2と第2のハウジング3との相対的な位置を、ヒンジ軸74を中心に調整することができる。このようにして、第1のハウジング2と第2のハウジング3をユーザの瞳孔距離に合わせて調整することができ、それによって、一方では第1のハウジング2がユーザの両眼のうちの一方に配置され、他方では第2のハウジング3がユーザの両眼のうちの他方に配置される。
【0066】
図2は、双眼鏡1のさらなる図を示している。第1のハウジング2は、第1の光学サブ系12を有している。第1の光学サブ系12は、第1の対物レンズ14Aと、第1の像安定化ユニット16Aと、第1の接眼レンズ17Aとを有している。
【0067】
第1の接眼レンズ17Aには、物体Oを観察するためにユーザの第1の眼15Aを配置することができる。第1の光学サブ系12の第1の光軸10は、第1の像安定化ユニット16Aによって若干横方向にオフセットされており、その結果、第1の光軸10に段差が形成されている。
【0068】
本実施形態においては、第1の対物レンズ14Aは、第1のフロントユニット51Aと、第1の集束ユニット52Aとを有する。第1の対物レンズ14Aのさらなる実施形態は、異なる数の個々のレンズ、又はレンズからなるパテ部材を提供する。双眼鏡1を通して見る物体Oの焦点を合わせるために、第1の接眼レンズ17Aと第1の集束ユニット52Aのいずれかが第1の光軸10に沿って軸方向に変位され得る。さらなる一実施形態においては、第1フロントユニット51A、又は全体の第1の対物レンズ14Aは、第1の光軸10に沿って変位される。さらなる一実施形態においては、第1のフロントユニット51Aと第1の集束ユニット52Aとは、互いに相対的に変位される。
【0069】
第1の像安定化ユニット16Aは、第1の光学ユニット19Aと第2の光学ユニット20Aとを有する。第1の光学ユニット19Aは、第1の対物レンズ14Aと第2の光学ユニット20Aの間に配置されている。本実施形態においては、第1の光学ユニット19Aは、第1の平面鏡として形成されており、第1の光学ユニット19Aは、光入射側に第1の鏡面21Aを有している。第2の光学ユニット20Aは、ダハプリズムとして形成されている。例えば、ダハプリズムは、ダハプリズムに関して上記した特徴のうちの少なくとも1つ、又は、ダハプリズムに関して上記した特徴のうちの少なくとも2つの組み合わせを有している。
【0070】
第1の像安定化ユニット16Aの第1の光学ユニット19Aは、第1の回転軸22Aを中心に回転するように形成されており、第1の回転軸22Aは図面に垂直に延びている。第1の回転軸22Aは、第1の像安定化ユニット16Aの第1の光学ユニット19Aが回転する唯一の回転軸である。したがって、本実施形態においては、第1の光学ユニット19Aが他の回転軸を中心に回転しないようになっている。第1の像安定化ユニット16Aの第2の光学ユニット20Aは、第2の回転軸23Aを中心に回転可能に形成されている。本実施形態においては、第1の回転軸22Aと第2の回転軸23Aとが異なる軸となっている。これについては、以下において詳説される。さらなる一実施形態においては、第1の光学ユニット19Aが、表面に入射した光線を反射する個別の表面を有することが、提供される。例えば、第1の光学ユニット19Aが、表面に入射した光線を反射する唯一の表面を有することが、提供される。言い換えれば、このさらなる実施形態においては、第1の光学ユニット19Aに、入射光線を反射するさらなる面が配置されないようになっている。
【0071】
第2のハウジング3は、第2の光学サブ系13を有する。第2の光学サブ系13は、第2の対物レンズ14Bと、第2の像安定化ユニット16Bと、第2の接眼レンズ17Bと、を有する。第2の接眼レンズ17Bには、物体Oを観察するためにユーザの第2の眼15Bを配置することができる。第2の光学サブ系13の第2の光軸11は、第2の像安定化ユニット16Bによって、若干横方向にオフセットされているため、第2の光軸11には段差が形成されている。
【0072】
本実施形態においては、第2の対物レンズ14Bは、第2のフロントユニット51Bと、第2の集束ユニット52Bとを有する。第2の対物レンズ14Bのさらなる実施形態は、異なる数の個別のレンズ、又はレンズからなるパテ部材を提供する。なお、双眼鏡1を通して見る物体Oのフォーカシングのために、第2の接眼レンズ17Bと第2の集束ユニット52Bのいずれかが第2の光軸11に沿って軸方向に変位してもよい。さらなる一実施形態においては、第2のフロントユニット51B、又は全部の第2対物レンズ14Bは、第2の光軸11に沿って変位される。さらなる一実施形態においては、第2のフロントユニット51Bと第2の集束ユニット52Bとは、互いに相対的に変位する。
【0073】
第2の像安定化ユニット16Bは、第3の光学ユニット19Bと第4の光学ユニット20Bとを有する。第3の光学ユニット19Bは、第2の対物レンズ14Bと第4の光学ユニット20Bとの間に配置されている。本実施形態においては、第3の光学ユニット19Bは、第2の平面鏡として形成されており、第3の光学ユニット19Bは、光入射側に第2の鏡面21Bを有する。第4の光学ユニット20Bは、ダハプリズムとして形成されている。例えば、ダハプリズムは、ダハプリズムに関して上記した特徴のうちの少なくとも1つ、又は、ダハプリズムに関して上記した特徴のうちの少なくとも2つの組み合わせを有している。
【0074】
第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bは、第3の回転軸22Bを中心に回転するように形成されており、第3の回転軸22Bは図面に垂直に延びている。第3の回転軸22Bは、第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bが回転する唯一の回転軸である。したがって、本実施形態においては、第3の光学ユニット19Bが他の回転軸を中心に回転しないことが提供される。第2の像安定化ユニット16Bの第4の光学ユニット20Bは、第4の回転軸23Bを中心に回転可能に形成されている。本実施形態においては、第3の回転軸22Bと第4の回転軸23Bとが異なる軸であることが提供される。これについては、以下で詳説される。
【0075】
さらなる一実施形態においては、第3の光学ユニット19Bは表面に入射した光線を反射する個別の表面を有することが、提供される。例えば、第3の光学ユニット19Bは表面に入射した光線を反射する唯一の面を有することが、提供される。言い換えれば、このさらなる実施形態においては、第3の光学ユニット19Bは入射光線を反射する他の表面を有さないようになっている。
【0076】
上記に示した両光学サブ系12,13において、光学サブ系12,13に入射する光線のビーム方向は以下の様である。物体O-対物レンズ14A、14B-像安定化ユニット16A、16B-接眼レンズ17A、17B-眼15A、15B。
【0077】
フォーカシングのために、ここに示す実施形態においては、折り曲げブリッジ4に回転つまみ53が配置されており、これによって、第1の集束ユニット52A及び第2の集束ユニット52Bは、第1の光軸10と第2の光軸11に沿って一緒に変位させることができる。さらなる一実施形態においては、第1の対物レンズ14A及び第2の対物レンズ14B(又は、第1の対物レンズ14A及び第2の対物レンズ14Bの少なくともユニット)が、互いに相対的に位置調整されることが、提供される。
【0078】
ここに例示する実施形態においては、第1の対物レンズ14A及び第2の対物レンズ14Bの両方は、それぞれの対物レンズ14A,14Bに関連する像面において、見られている物体Oに対して上下逆の実像を生成する。第1の対物レンズ14Aに帰属する第1の像安定化ユニット16Aは、第1の反転系である。さらに、第2の対物レンズ14Bに帰属する第2の像安定化ユニット16Bは、第2の反転系である。上記の反転系は、いずれも像を正立させるために使用される。それによって、上下逆の像を、新たな結像面に、第1のハウジング2の第1の中間結像面24Aに、又は第2のハウジング3の第2の中間結像面24Bに、正立して結像させる。第1の中間結像面24Aには、例えば、視野を鋭く制限する第1のフィールド絞りが配置さる。さらに、第2の中間結像面24Bには、例えば、視野を鋭く制限する第2のフィールド絞りが配置され得る。
【0079】
第1の接眼レンズ17Aは、第1の中間結像面24Aの像を任意の距離、例えば無限遠などに結像するために用いられる。さらに、第2の接眼レンズ17Bは、第2の中間結像面24Bの像を任意の距離、例えば無限遠などに結像するために用いられる。
【0080】
第1の光学サブ系12の第1のアパーチャ絞り54A及び第2の光学サブ系13の第2のアパーチャ絞り54Bは、対応する光学サブ系12,13の光学素子の枠(Fassung)、典型的には第1のフロントユニット51A又は第2のフロントユニット51Bのレンズの枠によって形成されてもよいし、別個の絞りによって形成されてもよい。それは、対応する光学サブ系12又は13によって、ビーム方向において対応する接眼レンズ17A又は17Bの後方に位置し、典型的にはそのレンズから5~25mm離れた面に、結像されてもよい。この面は射出瞳の面と呼ばれる。
【0081】
側方から入射する光からユーザを保護するために、第1の接眼レンズ17Aに、引き抜き可能な、回し外し可能な、又は折り畳み可能な第1のアイカップ55Aを設け、第2の接眼レンズ17Bに、引き抜き可能な、回し外し可能な、又は折り畳み可能な第2のアイカップ55Bを設けてもよい。
【0082】
図3は、第2のハウジング3内に配置された第2の光学サブ系13の概略図を示す。
図3は、
図2に示された第2の光学サブ系13に基づいている。同一のユニットには同一の参照符号が付されている。第1のハウジング2内に配置された第1の光学サブ系12は、第2の光学サブ系13と基本的に同一の構造を有している。そのため、第2の光学サブ系13に関する以下の説明は、第1の光学サブ系12にも適宜適用される。本発明による光学系が、例えば、単眼鏡として、望遠鏡として、又はフィールドスコープとして形成される場合、光学系は基本的には
図3に示すような構造を有している。したがって、以下の詳説はこれらの光学系にも当てはまる。
【0083】
上記したように、第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bは、第3の回転軸22Bを中心に回転可能に形成されており、第3の回転軸22Bは、図面に垂直に延びている。第2の像安定化ユニット16Bの第4の光学ユニット20Bは、第4の回転軸23Bを中心に回転可能に形成されている。本実施形態においては、第3の回転軸22Bと第4の回転軸23Bとが異なる軸であるように設けられている。例えば、すでに先に説明したように、第4の回転軸23Bは、第2の光軸11に関して方向づけられている。
【0084】
第3の光学ユニット19Bと、第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19B用の第2の支持具とによって形成される第2の系は、第2の重心を有し、第3の回転軸22Bは第2の重心を通過する。第2の重心は、第2の系の質量中心である。これによって、第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bが基本的に平衡状態で支持されるという利点がある。それによって、第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bを回転させるために必要なトルクが従来技術よりも少なくなり、その結果、第3の光学ユニット19Bを動かすための駆動ユニットの機械的な要求が低く、従来技術に比べて電気的に動作する駆動ユニットを使用した場合の低消費電力化が実現される。
【0085】
さらに、ここで説明する本発明の実施形態においては、第2の光軸11が第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bの第2鏡面21Bと第2の交点で交差し、第3の回転軸22Bが第2の交点を通過することが提供される。第2の光軸11の突き当り点は、第2の鏡面21Bの中心よりも少し上にある。また、第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bの第2の鏡面21Bは、第2の中心点を有し、第3の回転軸22Bが第2の中心点を通過するようにしてもよい。後者の2つの実施形態は、例えば、光学系、例えば双眼鏡1において特に良好な結像を得たい場合に選択される。
【0086】
本発明の一実施形態においては、第3の光学ユニット19Bが回転する第3の回転軸22Bが第2の平面と交差することが提供される。さらに、本実施形態においては、第4の光学ユニット20Bが回転する第4の回転軸23Bが、上記の第2の平面内にあることが、提供される。例えば、第3の回転軸22Bが、上記の座標系のx軸に沿って配置されていることが、提供される。そして、第4の回転軸23Bは、y軸とz軸とによって囲まれた平面上に位置する。これはyz平面である。例えば、第3の光学ユニット19Bがx軸の形態の第3の回転軸22Bを中心に回転すると、第2の光学サブ系13における光線の偏向は、y軸に沿った像平面内の像の変位を引き起こすような形で起こる。これによって、第2の光学サブ系13において生成された像のy軸方向の変位を打ち消すことができる。これによって、y軸方向の像の安定化が図られる。第4の光学ユニット20Bを上記平面内にある第4の回転軸23Bを中心に回転させることで、第2の光学サブ系13における光線の偏向が起こり、光学サブ系13で生成された像のx軸に沿った結像面内での変位が発生する。これによって、x軸方向の像の安定化が図られる。
【0087】
第2の像安定化ユニット16Bの第4の光学ユニット20Bが、任意の軸、例えばyz平面内の任意の軸を中心に回転すると、x軸に沿った像の上記の所望の変位に加えて、第2の光学サブ系13において生成された像の意図しない回転が発生する可能性がある。この意図しない回転を回避するために、一実施形態においては、第2の光学サブ系13の非安定化状態において、第4の回転軸23Bが、第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bの第2の鏡面21Bに対して垂直に配置されることが提供される。非安定化状態は、像安定化が生じない場合に存在する。本実施形態においては、像のx軸方向の変位のみが生じる。そのため、像の乱れた回転は生じない。
【0088】
さらなる一実施形態においては、追加的又は代替的に、例えば半導体ベースのイメージセンサとして形成された第2の像取得ユニットが、第2の光学サブ系13の結像面に配置されることが提供される。
【0089】
第3の光学ユニット19Bを第3の回転軸22Bを中心に回転させ、第4の光学ユニット20Bを第4の回転軸23Bを中心に回転させるために、本発明では、
図4に示す駆動ユニットを用いる。
図4は
図3を基にしたものである。同一の構成ユニットには同一の参照符号が付される。
【0090】
第2のハウジング3内には、第3の光学ユニット19Bを第3の回転軸22Bを中心に回転させる力を与える第2の鏡駆動ユニット25Bが配置されている。さらに、第2のハウジング3内には、第4の光学ユニット20Bを第4の回転軸23Bを中心に回転させる力を与える第2プリズム駆動ユニット26Bが配置されている。これに加え、第2のプリズム駆動ユニット26Bは、第4の光学ユニット20Bの支持具28Bと協働する。第2の鏡駆動ユニット25B及び/又は第2のプリズム駆動ユニット26Bは、例えば、圧電セラミックス、圧電アクチュエータ、圧電曲げアクチュエータ、圧電超音波アクチュエータ、圧電進行波アクチュエータ、DCモータ、ステッピングモータ、又はボイスコイルモータとして形成されている。本発明は、上記の駆動ユニットの使用に限定されないことを明示しておく。むしろ、本発明に適した任意の駆動ユニットを使用することができる。
【0091】
考察によって、上記の駆動ユニットのうち少なくとも1つを圧電技術に基づく駆動ユニットとして形成することが、特に有利であることが認識された。これに加えて、さらに上記を参照されたい。
【0092】
第2のハウジング3内には、さらに、第2の鏡駆動ユニット25B及び第2のプリズム駆動ユニット26Bに制御信号及び/又は調整信号を送る第2の制御ユニット及び/又は調整ユニット27Bが配置されている。さらに、第2のハウジング3内には、第2の動き検出器29Bが配置されている。第2の動き検出器29Bは、光学系の動き、例えば、回転震動の動き及び/又は並進震動の動きを検出するために使用される。第2の動き検出器29Bは、例えば、回転数センサ、ジャイロセンサ、又は、磁力計として形成される。本発明は、上記の動き検出器の使用に限定されるものではないことを明示しておく。むしろ、本発明に適した任意の動き検出器を使用することができる。
【0093】
図5は、双眼鏡1のさらなる一実施形態を示す。本実施形態の双眼鏡1では、第2の鏡駆動ユニット25B及び第2のプリズム駆動ユニット26Bは、第2のハウジング3内に配置されている。さらに、第1のハウジング2内には、第1の光学サブ系12において、第2の光学サブ系13における第2の鏡駆動ユニット25B及び第2のプリズム駆動ユニット26Bと同様の機能及び効果を有する第1の鏡駆動ユニット25A及び第1のプリズム駆動ユニット26Aが配置されている。折り曲げブリッジ4には動き検出器27が配置されている。さらに、折り曲げブリッジ4には、電圧供給ユニット28が配置されている。電圧供給ユニット28は、例えば、電池又はアキュムレータとして形成されている。さらに、折り曲げブリッジ4には、折り曲げブリッジセンサ29が配置されている。第1のハウジング2内には、さらに第1の制御ユニット及び/又は調整ユニット27Aが配置されており、そのユニット27Aは、第1の鏡駆動ユニット25A、第1のプリズム駆動ユニット26A、第2の鏡駆動ユニット25B、第2のプリズム駆動ユニット26B、動き検出器27、電圧供給ユニット28、及び折り曲げブリッジセンサ29に導電接続されている。
【0094】
折り曲げブリッジセンサ29は、折り曲げブリッジ4の折り曲げ角度を検出するために使用される。動き検出器27によって検出された震動及び/又は回転に基づいて、第1の制御ユニット及び/又は調整ユニット27Aによって第1の鏡駆動ユニット25A及び第1のプリズム駆動ユニット26Aに対して算出された制御信号及び/又は調整信号は、座標変換、及び/又は、さらなる数学的手法に基づいて、第2の鏡駆動ユニット25B及び第2プリズム駆動ユニット26Bに対して、第1の座標系から第2の座標系での制御信号及び/又は調整信号に変換される。
【0095】
図6は、本発明のさらなる一実施形態を示す。
図6の実施形態は、
図2の実施形態に基づいている。同一の構成ユニットには、同一の参照記号が付されている。そのため、本実施形態においても有効な上記の詳述を参考されたい。
【0096】
図6に示す実施形態においては、第1の像安定化ユニット16Aは、プリズム反転系として形成されている。第1の像安定化ユニット16Aは、第1の光学ユニット19Aと第2の光学ユニット20Aとを有する。第1の光学ユニット19Aは、第1のプリズムとして形成されている。第2の光学ユニット20Aは、第2のプリズムとして形成されている。第1の像安定化ユニット16Aは、例えば、アッベ・ケーニッヒ・プリズム系、シュミット・ぺシャン・プリズム系、又はポロ・プリズム系として形成されている。
【0097】
図6に示す第1の像安定化ユニット16Aの第1の光学ユニット19Aは、第1の回転軸22Aを中心に回転するように形成されており、第1の回転軸22Aは図面に垂直に延びている。第1の回転軸22Aは、第1の像安定化ユニット16Aの第1の光学ユニット19Aが回転する唯一の回転軸である。したがって、本実施形態においては、第1の光学ユニット19Aが他の回転軸を中心に回転しないようになっている。第1の像安定化ユニット16Aの第2の光学ユニット20Aは、第2の回転軸23Aを中心に回転可能に形成されている。本実施形態においては、第1の回転軸22Aと第2の回転軸23Aが異なる軸であることが提供される。例えば、上記したように、第2の回転軸23Aは、第1の光軸10に関して方向づけられている。
【0098】
図6による第1の光学ユニット19Aは、
図2による第1の光学ユニット19Aに関して上記した少なくとも1つの特徴又は少なくとも2つの特徴の組み合わせを有していてもよい。
図6による第2の光学ユニット20Aは、
図2による第2の光学ユニット20Aに関して上記した少なくとも1つの特徴又は少なくとも2つの特徴の組み合わせを有していてもよい。例えば、
図6の第1の光学ユニット19A及び第2の光学ユニット20Aは、それぞれ、全反射又は鏡層によって光線が方向転換される反射面を有している。
【0099】
図6に示す実施形態においては、第2の像安定化ユニット16Bは、プリズム反転系として形成されている。第2の像安定化ユニット16Bは、第3の光学ユニット19Bと第4の光学ユニット20Bとを有する。第3の光学ユニット19Bは、第3のプリズムとして形成されている。第4の光学ユニット20Bは、第4のプリズムとして形成されている。第2の像安定化ユニット16Bは、例えば、アッベ・ケーニッヒ・プリズム系、シュミット・ぺシャン・プリズム系、又は、ポロ・プリズム系として形成されている。
【0100】
図6に示す第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bは、第3の回転軸22Bを中心に回転可能に形成されており、第3の回転軸22Bは図面に垂直に延びている。第3の回転軸22Bは、第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bが回転する唯一の回転軸である。したがって、本実施形態においては、第3の光学ユニット19Bは、他の回転軸を中心に回転しないようになっている。第2の像安定化ユニット16Bの第4の光学ユニット20Bは、第4の回転軸23Bを中心に回転可能に形成されている。本実施形態においては、第3の回転軸22Bと第4の回転軸23Bとが異なる軸となっている。
【0101】
図6による第3の光学ユニット19Bは、
図2による第3の光学ユニット19Bに関して上記した少なくとも1つの特徴又は少なくとも2つの特徴の組み合わせを有していてもよい。
図6による第4の光学ユニット20Bは、
図2による第4の光学ユニット20Bに関して上記した少なくとも1つの特徴又は少なくとも2つの特徴の組み合わせを有していてもよい。例えば、
図6の第3の光学ユニット19B及び第4の光学ユニット20Bは、それぞれ、全反射又は鏡層によって光線が方向転換される反射面を有している。
【0102】
図6の実施形態においては、
図4及び
図5で説明したのと同一の駆動ユニット、動き検出器、制御及び/又は調整ユニット、同一の折り曲げブリッジセンサ、及び、同一の電圧供給ユニットを有し得る。したがって、上記の詳述は、
図6の実施形態にも当てはまる。
【0103】
図7は、第2のハウジング3に配置された第2の光学サブ系13の概略図を示す。
図7は、
図6に示された第2の光学サブ系13に基づいている。同一のユニットには同一の参照符号が付される。第1のハウジング2内に配置された第1の光学サブ系12は、第2の光学サブ系13と基本的に同一の構造を有している。そのため、第2の光学サブ系13に関する以下の説明は、第1の光学サブ系12にも適宜適用される。本発明による光学系を、例えば単眼鏡として、望遠鏡として、又はフィールドスコープとして形成する場合、光学系は基本的に
図6に示すような構造を有する。したがって、以下の詳説はこれらの光学系に当てはまる。
【0104】
上記したように、第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bは、第3の回転軸22Bを中心に回転可能に形成されており、第3の回転軸22Bは、図面に垂直に延びている。第2の像安定化ユニット16Bの第4の光学ユニット20Bは、第4の回転軸23Bを中心に回転可能に形成されている。本実施形態においては、第3の回転軸22Bと第4の回転軸23Bとが異なる軸となっている。
【0105】
第3の光学ユニット19Bと、第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19B用の支持具とによって形成される第2の系は、第2の重心を有し、第3の回転軸22Bは第2の重心を通過する。第2の重心は、第2の系の質量中心である。これによって、第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bが基本的に平衡状態で支持されるという利点がある。それによって、第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bを回転させるために必要なトルクが従来技術よりも少なくなり、その結果、第3の光学ユニット19Bを動かすための駆動ユニットの機械的要求が低く、従来技術に比べて電気的に動作する駆動ユニットを使用した場合の低消費電力化が実現される。
【0106】
さらに、ここで説明する本発明の実施形態においては、第2の光軸11が第3の光学ユニット19Bの反射面と第2の交点で交差し、第3の回転軸22Bが第2の交点を通過することが提供される。第2の光軸11の突き当り点は、反射面の中心よりも少し上にある。なお、第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bの反射面は第2の中心点を有し、第3の回転軸22Bが第2の中心点を通過するようにしてもよい。例えば、反射面は、第1のプリズムの形態の第3の光学ユニット19B内の面であり、その面において、入射光線が全反射によって方向転換される。加えて、代替的に、反射面は鏡層である。
【0107】
本発明の一実施形態においては、第3の光学ユニット19Bが回転する第3の回転軸22Bが第2の平面と交差することが提供される。さらに、本実施形態においては、第4の光学ユニット20Bが回転する第4の回転軸23Bが、上記の第2の平面内にあることが、提供される。例えば、第3の回転軸22Bが、上記の座標系のx軸に沿って配置されていることが、提供される。そして、第4の回転軸23Bは、y軸とz軸とによって囲まれた平面上に位置する。これはyz平面である。例えば、第3の光学ユニット19Bがx軸の形態の第3の回転軸22Bを中心に回転すると、第2の光学サブ系13における光線の偏向は、y軸に沿った結像平面内の像の変位を引き起こすような形で起こる。これによって、第2の光学サブ系13において生成された像のy軸方向の変位を打ち消すことができる。これによって、y軸方向の像の安定化が図られる。第4の光学ユニット20Bを上記平面内にある第4の回転軸23Bを中心に回転させることで、第2の光学サブ系13における光線の偏向が起こり、光学サブ系13で生成された像のx軸に沿った結像面内での変位が発生する。これによって、x軸方向の像の安定化が図られる。
【0108】
第2の像安定化ユニット16Bの第4の光学ユニット20Bが、任意の軸、例えばyz平面内の任意の軸を中心に回転すると、x軸に沿った像の上記の所望の変位に加えて、第2の光学サブ系13において生成された像の意図しない回転が発生する可能性がある。この意図しない回転を回避するために、一実施形態においては、第2の光学サブ系13の非安定化状態において、第4の回転軸23Bが、第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bの反射面に対して垂直に配置されることが提供される。非安定化状態は、像安定化が生じない場合に存在する。本実施形態においては、像のx軸方向の変位のみが生じる。そのため、像の乱れた回転は生じない。
【0109】
図8は、
図5による双眼鏡1を操作するための本発明による方法の一実施形態のフローチャートである。この方法によって、双眼鏡1によって生成された像が安定化される。方法ステップS1においては、動き検出器27によって双眼鏡1の動きが取得され、動き信号が生成される。方法ステップS2においては、動き信号に応じて、双眼鏡1の演算ユニットによって、以下の少なくとも1つのユニットの以下の目標位置、(i)第1の像安定化ユニット16Aの第1の光学ユニット19Aの第1の目標位置、(ii)第1の像安定化ユニット16Aの第2の光学ユニット20Aの第2の目標位置、(iii)第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bの第3の目標位置、(iv)第2の像安定化ユニット16Bの第4の光学ユニット20Bの第4の目標位置、のうちの少なくとも1つを決定するステップが行われる。目標位置は、特に、安定化の所定の強さに応じて、及び/又は、双眼鏡1の所定の使用(例えば、動く移動手段内において使用される場合)に応じて決定される。方法ステップS3においては、第1の鏡駆動ユニット25A、第1のプリズム駆動ユニット26A、第2の鏡駆動ユニット25B、及び第2のプリズム駆動ユニット26Bの、少なくとも1つの第1の位置センサを用いて、以下の少なくとも1つのユニットの以下の実際位置、(i)第1の像安定化ユニット16Aの第1の光学ユニット19Aの第1の実際位置、(ii)第1の像安定化ユニット16Aの第2の光学ユニット20Aの第2の実際位置、(iii)第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bの第3の実際位置、(iv)第2の像安定化ユニット16Bの第4の光学ユニット20Bの第4の実際位置、のうちの少なくとも1つを決定するステップが行われる。方法ステップS4においては、第1の制御及び/又は調整ユニット27Aを用いて、以下の位置を比較するステップであって、(i)第1の像安定化ユニット16Aの第1の光学ユニット19Aの第1の実際位置を、第1の像安定化ユニット16Aの第1の光学ユニット19Aの第1の目標位置と、(ii)第1の像安定化ユニット16Aの第2の光学ユニット20Aの第2の実際位置を、第1の像安定化ユニット16Aの第2の光学ユニット20Aの第2の目標位置と、(iii)第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bの第3の実際位置を、第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bの第3の目標位置と、(iv)第2の像安定化ユニット16Bの第4の光学ユニット20Bの第4の実際位置を、第2の像安定化ユニット16Bの第4の光学ユニット20Bの第4の目標位置と、比較するステップが行われる。方法ステップS5においては、以下のステップのうちの少なくとも1つが実行される。
(i)第1の像安定化ユニット16Aの第1の光学ユニット19Aの第1の実際位置が、第1の像安定化ユニット16Aの第1の光学ユニット19Aの第1の目標位置と異なる場合、第1の制御及び/又は調整ユニット27Aを用いて、第1の像安定化ユニット16Aの第1の光学ユニット19Aが、第1の回転軸22Aを中心とした回転によって、第1の目標位置に合致するように、第1の鏡駆動ユニット25Aを調整するステップ;
(ii)第1の像安定化ユニット16Aの第2の光学ユニット20Aの第2の実際位置が、第1の像安定化ユニット16Aの第2の光学ユニット20Aの第2の目的位置と異なる場合、第1の制御及び/又は調整ユニット27Aを用いて、第1の像安定化ユニット16Aの第2の光学ユニット20Aが、第2の回転軸23Aを中心とした回転によって、第2の目標位置に合致するように、第1のプリズム駆動ユニット26Aを調整するステップ;
(iii)第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bの第3の実際位置が、第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bの第3の目標位置と異なる場合、第1の制御及び/又は調整ユニット27Aを用いて、第2の像安定化ユニット16Bの第3の光学ユニット19Bが、第3の回転軸22Bを中心とした回転によって、第3の目標位置に合致するように、第2の鏡駆動ユニット25Bを調整するステップ;
(iv)第2の像安定化ユニット16Bの第4の光学ユニット20Bの第4の実際位置が、第2の像安定化ユニット16Bの第4の光学ユニット20Bの第4の目標位置と異なる場合、第1の制御及び/又は調整ユニット27Aを用いて、第2の像安定化ユニット16Bの第4の光学ユニット20Bが、第4の回転軸23Bを中心とした回転によって、第4の目標位置に合致するように、第2のプリズム駆動ユニット26Bを調整するステップ。
【0110】
方法ステップS5に続いて、方法ステップS4において、それぞれの目的位置が対応する実際位置に対応するか、又は十分に正確に対応すると判断されるまで、すなわち、例えば、第1の像安定化ユニット16Aの第1の光学ユニット19Aの第1の実際位置が、第1の像安定化ユニット16Aの第1の光学ユニット19Aの第1の目標位置に対応するか、又は十分に正確に対応するまで、方法ステップS3からS5が再び実行される。
【0111】
双眼鏡1のさらなる動きが検出された場合には、本方法は、方法ステップS1から再び実行される。
【0112】
本明細書、図面、及び特許請求の範囲に開示されている本発明の特徴は、その様々な実施形態における本発明の実現のために、個別にも、任意の組み合わせにおいても、必須となり得る。本発明は、説明された実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲の範囲内において、及び、当業者の知識を考慮して、変更され得る。
【符号の説明】
【0113】
1 双眼鏡
2 第1のハウジング
3 第2のハウジング
4 折り曲げブリッジ
5 第1のヒンジ部
6 第2のヒンジ部
7 第1の受け部
8 第2の受け部
9 第3の受け部
10 第1の光軸
11 第2の光軸
12 第1の光学サブ系
13 第2の光学サブ系
14A 第1の対物レンズ
14B 第2の対物レンズ
15A 第1の眼
15B 第2の眼
16A 第1の像安定化ユニット
16B 第2の像安定化ユニット
17A 第1の接眼レンズ
17B 第2の接眼レンズ
19A 第1の光学ユニット
19B 第3の光学ユニット
20A 第2の光学ユニット
20B 第4の光学ユニット
21A 第1の鏡面
21B 第2の鏡面
22A 第1の回転軸
22B 第3の回転軸
23A 第2の回転軸
23B 第4の回転軸
24A フィールド絞りを有する第1の中間結像面
24B フィールド絞りを有する第2の中間結像面
25A 第1の鏡駆動ユニット
25B 第2の鏡駆動ユニット
26A 第1のプリズム駆動ユニット
26B 第2のプリズム駆動ユニット
27 動き検出器
27A 第1の制御及び/又は調整ユニット
27B 第2の制御及び/又は調整ユニット
28 電圧供給ユニット
28B 支持具
29 折り曲げブリッジセンサ
29B 第2の動き検出器
51A 第1のフロントユニット
51B 第2のフロントユニット
52A 第1の焦点ユニット
52B 第2の焦点ユニット
53 回転つまみ
54A 第1のアパーチャ絞り
54B 第2のアパーチャ絞り
55A 第1のアイカップ
55B 第2のアイカップ
74 ヒンジ軸
S1~S5 方法ステップ
O 物体