(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】ページング指示方法、ページング方法、端末及びネットワーク側機器
(51)【国際特許分類】
H04W 68/00 20090101AFI20230913BHJP
H04W 92/08 20090101ALI20230913BHJP
H04W 76/27 20180101ALI20230913BHJP
H04W 48/18 20090101ALI20230913BHJP
【FI】
H04W68/00
H04W92/08
H04W76/27
H04W48/18
(21)【出願番号】P 2021541171
(86)(22)【出願日】2020-01-17
(86)【国際出願番号】 CN2020072783
(87)【国際公開番号】W WO2020147839
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】201910108510.3
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パオ、ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、フェイ
(72)【発明者】
【氏名】チュー、フォン
【審査官】石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0303203(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0150545(US,A1)
【文献】特表2014-512742(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1937839(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0359813(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末が実行するページング指示方法であって、
ネットワーク側機器に第一の情報を報告することを含み、
前記第一の情報は、
前記ネットワーク側機器が前記端末に第一のページングを発起するトリガ条件を指示することに用いられ、
前述した、第一の情報を報告することは、
第一の加入者識別SIMカードが無線リソース制御RRC接続状態に入った後の第一のタイミングで、前記端末は、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ前記第一の情報を報告することを含み、前記第一のページングにおける前記端末の識別子は、前記第二のSIMカードに対応するRRCエンティティ及び/又は非アクセスレイアNASエンティティに関連する識別子である、
ページング指示方法。
【請求項2】
前記トリガ条件は、
前記第一のページングの発起をトリガする業務情報、又は
前記第一のページングの発起を放棄する業務情報を含み、
そのうち、前記業務情報は、業務タイプ、ページング原因及び業務のサービス品質QoSレベルのうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載のページング指示方法。
【請求項3】
前記第一のタイミングは、前記第二のSIMカードに対応するNASエンティティ又はRRCエンティティによって位置更新がトリガされた後であり、又は
前記第一のタイミングは、第一のSIMカードとネットワーク側機器との間でデータ伝送がないことが検出された後であり、又は、
前記第一のタイミングはページングを受信した後であり、前記ページングにおける前記端末の識別子は、前記第二のSIMカードに対応するRRCエンティティ及び/又はNASエンティティに関連する識別子である、請求項1に記載のページング指示方法。
【請求項4】
前記端末は、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ前記第一の情報を報告した後、前記ページング指示方法は、
RRC接続状態から非接続状態に入るように前記第二のSIMカードを制御することをさらに含む、請求項1に記載のページング指示方法。
【請求項5】
前記端末は、RRC接続状態から非接続状態に入るように前記第二のSIMカードを制御した後、前記ページング指示方法は、
第一のSIMカードがRRC接続状態から非接続状態に入ったことを検出した場合、又は、前記第一のSIMカードの業務が完了したことを検出した場合、前記端末は、非接続状態からRRC接続状態に入るように前記第二のSIMカードを制御し、且つ前記トリガ条件をキャンセルするよう前記ネットワーク側機器に指示するための第二の情報を報告することをさらに含む、請求項4に記載のページング指示方法。
【請求項6】
前述した、第一のSIMカードがRRC接続状態に入った後の第一のタイミングで、前記端末は、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ第一の情報を報告することは、
前記第一のSIMカードの業務が第一の業務である場合、第一のSIMカードがRRC接続状態に入った後の第一のタイミングで、前記端末は、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ第一の情報を報告することを含む、請求項1に記載のページング指示方法。
【請求項7】
前記第一の業務は、指定業務タイプ、指定ページング原因、及び/又は指定QoSレベルの業務である、請求項6に記載のページング指示方法。
【請求項8】
ネットワーク側機器が実行するページング方法であって、
端末からの第一の情報を受信することであって、前記第一の情報は、前記ネットワーク側機器が前記端末に第一のページングを発起するトリガ条件を指示することに用いられる、ことと、
前記端末の業務が到来した後に、前記トリガ条件に基づいて、前記第一のページングを発起するか否かを判断することと、
前記判断が否定された場合、前記第一のページングの発起を放棄することとを含み、
前記第一のページングにおける前記端末の識別子は、第二のSIMカードに対応するRRCエンティティ及び/又はNASエンティティに関連する識別子であり、
前述した、前記端末の業務が到来した後に、前記トリガ条件に基づいて前記第一のページングを発起するか否かを判断することは、
前記第二のSIMカードの業務が到来した後、前記トリガ条件に基づいて前記第一のページングを発起するか否かを判断することを含
み、
前記第一の情報は、第一のSIMカードがRRC接続状態に入った後の第一のタイミングで、前記端末が、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ前記ネットワーク側機器に報告する、
ページング方法。
【請求項9】
前記トリガ条件は、
前記第一のページングの発起をトリガする業務情報、又は
前記第一のページングの発起を放棄する業務情報を含み、
そのうち、前記業務情報は、業務タイプ、ページング原因、及び業務のQoSレベルのうちの少なくとも一つを含む、請求項8に記載のページング方法。
【請求項10】
前記トリガ条件をキャンセルするよう前記ネットワーク側機器に指示するための第二の情報を受信することをさらに含む、請求項8に記載のページング方法。
【請求項11】
前述した、第二の情報を受信した後、前記ページング方法は、
すでに放棄された前記第一のページングを再発起することをさらに含む、請求項10に記載のページング方法。
【請求項12】
端末であって、
ネットワーク側機器に第一の情報を報告することに用いられる処理モジュールを備え、
前記第一の情報は、
前記ネットワーク側機器が前記端末に第一のページングを発起するトリガ条件を指示することに用いられ、
前記処理モジュールは、第一の加入者識別SIMカードが無線リソース制御RRC接続状態に入った後の第一のタイミングで、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ前記第一の情報を報告することに用いられ、前記第一のページングにおける前記端末の識別子は、前記第二のSIMカードに対応するRRCエンティティ及び/又は非アクセスレイアNASエンティティに関連する識別子である、
端末。
【請求項13】
ネットワーク側機器であって、
第一の情報を受信することに用いられる受信モジュールであって、前記第一の情報は、前記ネットワーク側機器が端末に第一のページングを発起するトリガ条件を指示することに用いられる受信モジュールと、
前記端末の業務が到来した後、前記トリガ条件に基づいて、前記第一のページングを発起するか否かを判断することに用いられ、
前記判断が否定された場合、前記第一のページングの発起を放棄
することに用いられる処理モジュールと、を含み、
前記第一のページングにおける前記端末の識別子は、第二の加入者識別SIMカードに対応する無線リソース制御RRCエンティティ及び/又は非アクセスレイアNASエンティティに関連する識別子であり、
前記処理モジュールは、前記第二の加入者識別SIMカードの業務が到来した後、前記トリガ条件に基づいて前記第一のページングを発起するか否かを判断することに用いら
れ、
前記第一の情報は、第一のSIMカードがRRC接続状態に入った後の第一のタイミングで、前記端末が、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ前記ネットワーク側機器に報告する、
ネットワーク側機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、無線通信技術分野に関し、特にページング指示方法、ページング方法、端末及びネットワーク側機器に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術におけるページングメカニズムにおいて、現在の業務がどのような業務であるかにかかわらず、業務が到来すると、端末のページングを行い、端末が高優先度業務(例えばゲーム)を行っている最中である場合、ユーザが、低優先度業務のページングを受信することを希望しない場合があり、さもなければ、高優先度業務の中断をもたらし、ユーザ体験が悪くなる恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の実施例は、関連技術におけるページングメカニズムが、低優先度業務によりトリガされるページングに、進行中の高優先度業務を中断させることになり、高優先度業務が中断させられる恐れがあり、それによってユーザ体験が悪くなるという問題を解決するためのページング指示方法、ページング方法、端末及びネットワーク側機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記技術課題を解決するために、本開示は、以下のように実現される。
【0005】
第一の方面によれば、本開示の実施例は、端末に用いられるページング指示方法を提供する。前記方法は、
第一の情報を報告することを含み、
前記第一の情報は、ネットワーク側機器が前記端末に第一のページングを発起するトリガ条件を指示することに用いられる。
【0006】
第二の方面によれば、本開示の実施例は、ネットワーク側機器に用いられるページング方法を提供する。前記方法は、
第一の情報を受信することであって、前記第一の情報は、前記ネットワーク側機器が端末に第一のページングを発起するトリガ条件を指示することに用いられる、ことと、
前記端末の業務が到来した後に、前記トリガ条件に基づいて、前記第一のページングを発起するか否かを判断することと、
判断が否定された場合、前記第一のページングの発起を放棄することとを含む。
【0007】
第三の方面によれば、本開示の実施例は、端末を提供する。前記端末は、
第一の情報を報告することに用いられる処理モジュールを備え、
前記第一の情報は、ネットワーク側機器が前記端末に第一のページングを発起するトリガ条件を指示することに用いられる。
【0008】
第四の方面によれば、本開示の実施例は、ネットワーク側機器を提供する。前記ネットワーク側機器は、
第一の情報を受信することに用いられる受信モジュールであって、前記第一の情報は、前記ネットワーク側機器が端末に第一のページングを発起するトリガ条件を指示することに用いられる、受信モジュールと、
前記端末の業務が到来した後、前記トリガ条件に基づいて、前記第一のページングを発起するか否かを判断することに用いられ、判断が否定された場合、前記第一のページングの発起を放棄することに用いられる処理モジュールとを含む。
【0009】
第五の方面によれば、本開示の実施例は、端末を提供する。前記端末は、プロセッサと
、メモリと、前記メモリに記憶され且つ前記プロセッサ上で運行できるコンピュータプログラムとを含み、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行される時、上記ページング指示方法のステップを実現させる。
【0010】
第六の方面によれば、本開示の実施例は、ネットワーク側機器を提供する。前記ネットワーク側機器は、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され且つ前記プロセッサ上で運行できるコンピュータプログラムとを含み、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行される時、上記ページング方法のステップを実現させる。
【0011】
第七の方面によれば、本開示の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。前記コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時、上記ページング指示方法のステップを実現させ、又は、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時、上記ページング方法のステップを実現させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示の実施例では、ネットワーク側機器は、端末の業務が到来するたびに、端末のページングを行うのではなく、端末の業務が到来した後、端末から報告された条件に基づいて、端末をページングするか否かを決定することができ、低優先度の業務がページングをトリガして進行中の高優先度の業務を中断させることを回避し、ユーザ体験を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の一実施例によるページング指示方法のフローチャートである。
【
図2】本開示の別の実施例によるページング指示方法のフローチャートである。
【
図3】本開示の実施例によるページング方法のフローチャートである。
【
図4】本開示の一実施例による端末の構造概略図である。
【
図5】本開示の一実施例によるネットワーク側機器の構造概略図である。
【
図6】本開示の別の実施例による端末の構造概略図である。
【
図7】本開示のさらに別の実施例による端末の構造概略図である。
【
図8】本開示の別の実施例によるネットワーク側機器の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の選択的な実施方法の詳細な記述を読むことによって、様々な他の利点及びメリットは、当業者にとって明らかになる。添付図面は選択的な実施方法を示すためにのみ使用され、本開示を限定するものとはみなされない。また、全添付図面において、同じ部品は、同じ参照番号で表されている。
【0015】
以下は、本開示の実施例における添付図面を結び付けながら、本開示の実施例における技術案を明瞭且つ完全に記述する。明らかに、記述された実施例は、本開示の一部の実施例であり、全部の実施例ではない。本開示における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0016】
本出願の明細書及び特許請求の範囲における「含む」という用語及びその変形は非排他的な「包含」を意図的にカバーするものであり、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、明示的にリストされているそれらのステップ又はユニットに限定されるのではなく、明示的にリストされていない、又はこれらのプロセス、方法、製品、又は機器に固有の他のステップ又はユニットを含んでもよい。また、明細書及び特許請求の範囲において使用された「及び/又は」、接続された対象の
少なくともそのうちの一つを表し、例えばA及び/又はBは、単独のA、単独のB、及びAとBとの組み合わせの3つのケースを含むことを表す。
【0017】
本開示の実施例では、「例示的」又は「例えば」などの用語は、例、例証、又は説明として表すために用いられる。本開示の実施例では、「例示的」又は「例えば」と記述される任意の実施例又は設計方案は、他の実施例又は設計方案より好ましいか、又はより優位性があると解釈されるべきではない。正確に言うと、「例示的」又は「例えば」などの用語を使用することは、関連する概念を具体的な方式で提示することを意図する。
【0018】
以下、添付図面を結び付けながら、本開示の実施例を説明する。本開示の実施例によるページング指示方法、ページング方法、端末及びネットワーク側機器が無線通信システムに用いることができる。この無線通信システムは、5Gシステム、又は進化型長期的進化(Evolved Long Term Evolution、eLTE)システム、又は後続の進化通信システムを採用することができる。
【0019】
本開示の実施例は、無線通信システムを提供する。この無線通信システムがネットワーク側機器と端末を含んでもよく、端末がネットワーク側機器に接続することができる。
【0020】
説明すべきことは、上記通信システムは、複数の端末を含んでもよく、ネットワーク側機器は、複数の端末と通信(シグナリングを伝送又はデータを伝送)することができる。
【0021】
本開示の実施例によるネットワーク側機器は、基地局であってもよく、この基地局は、一般的に使用される基地局であってもよく、進化型基地局(evolved node base station、eNB)であってもよく、5Gシステムにおけるネットワーク側機器(例えば次世代基地局(next generation node base
station、gNB)又は送受信ポイント(transmission and reception point、TRP))又はセルcellなどの機器であってもよい。又は、後続の進化通信システムにおけるネットワーク側機器であってもよい。上記用語は制限を構成しない。
【0022】
本開示の実施例によるネットワーク側機器はコアネットワーク機器であってもよい。コアネットワーク機器は、アクセスネットワーク機器を介して前記端末と接続可能である。
【0023】
本開示の実施例による端末は、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコン、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(Ultra-Mobile Personal Computer、UMPC)、ネットブック、又はパーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant、PDA)等であってもよい。当業者であれば理解できるように、用語が制限を構成しない。
【0024】
図1を参照して、
図1は、本開示の実施例による、ページング指示方法のフローチャートである。このページング指示方法は、端末に用いられ、以下のステップを含む。
【0025】
ステップ11:第一の情報を報告し、
前記第一の情報は、ネットワーク側機器が前記端末に第一のページングを発起するトリガ条件を指示することに用いられる。
【0026】
本開示の実施例では、ネットワーク側機器は、端末の業務が到来するたびに、端末のページングを行うのではなく、端末の業務が到来した後、端末から報告された条件に基づいて、端末をページングするか否かを決定することができ、低優先度の業務がページングをトリガして進行中の高優先度の業務を中断させることを回避し、ユーザ体験を向上させることができる。
【0027】
本開示の実施例では、前述した、第一の情報を報告した後、前記方法は、
前記トリガ条件をキャンセルするよう前記ネットワーク側機器に指示するための第二の情報を報告することをさらに含んでもよい。
【0028】
すなわち、端末は、必要に応じて前記トリガ条件をキャンセルすることができる。
【0029】
本開示の実施例では、前記端末はシングルカード端末であってもよく、いわゆるシングルカード端末とは、端末に1つの加入者識別(Subscriber Identity
Module、SIM)カードが搭載されていることである。
【0030】
本開示の実施例では、前記端末は、マルチカードマルチスタンバイシングルパス端末であってもよい。
【0031】
マルチカードマルチスタンバイシングルパス端末は、ハードウェアの制約上、一つの時刻に、1枚のSIMカードのみが端末の上りリンク及び/又は下りリンクを使用してネットワーク側と通信することができる。
【0032】
端末が第一のSIMカードと第二のSIMカードとを含むとすると、端末の第一のSIMカードが上りリンクと下りリンクを使用して通信を行っている最中である場合(第一のSIMカードに対応する無線リソース制御(Radio Resource Control、RRC)状態がRRC接続状態である場合)、端末が他のカード(例えば、第二のSIMカード)のページングメッセージを受信できる(第二のSIMカードに対応するRRC状態は非接続状態であり、非接続状態はアイドル状態又は非アクティブ化状態である)ように、一般的には、時分割多重化(TDM)受信と類似している方式で、第二のSIMカードのページングを受信する。いわゆるTDM方式とは、第二のSIMカードのページングチャンス(Paging Occasion、PO、周期的に現れる)が近づいた時、端末が第一のSIMカードによる下りリンクの使用を一時的に中止し、第二のSIMカードに下りリンクを使用してページングを受信させることである。
【0033】
POの持続時間が短いので、端末はTDMの方式を用いて第二のSIMカードに対応するPOで第二のSIMカードのページングメッセージを受信することを試み、第一のSIMカードのデータ伝送に大きな影響を与えることはない。しかし、一旦第二のSIMカードに対応するPOにおいて第二のSIMカードに対するページングメッセージが受信されると、第二のSIMカードに対応するRRCエンティティは、RRC接続状態に入り、その後、ページングをトリガする業務の詳細情報、例えば、ボイス業務、ショートメッセージ業務、データ業務などの業務タイプを取得する必要がある。第二のSIMカードに対応するRRCエンティティがRRC接続状態に入り、ページングをトリガする業務の詳細情報を取得するプロセスは、比較的長い時間がかかり、この時間において、第一のSIMカードの業務が中断されることになる。第一のSIMカードによる進行中のが高優先度業務(ゲームなど)であり、第二のSIMカードに対するページングが低優先度業務(例えば、データ業務-ウィーチャット)によってトリガされるものである場合、このような第二のSIMカードのページングによる第一のSIMカードの業務中断は回避されるべきである。
【0034】
しかしながら、関連技術におけるページングメカニズムによれば、第二のSIMカードに対応するRRCエンティティが接続状態に入る前に、ページングをトリガする業務がどの業務であるかは知らない。関連技術におけるページングメカニズムは、第二のSIMカードの低優先度業務によってトリガされるページングに、第一のSIMカードによる進行中の高優先度業務を中断させ、悪いユーザ体験をもたらすことになる。
【0035】
上記の問題を解決するために、本開示の実施例はページング指示方法を提供する。
図2を参照して、このページング指示方法は、端末に用いられ、以下のステップを含む。
【0036】
ステップ21:第一のSIMカードがRRC接続状態に入った後の第一のタイミングで、端末は、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ第一の情報を報告し、前記第一の情報は、ネットワーク側機器が前記端末に第一のページングを発起するトリガ条件を指示することに用いられ、前記第一のページングにおける前記端末の識別子は、前記第二のSIMカードに対応するRRCエンティティ及び/又はNASエンティティに関連する識別子である。
【0037】
例えば、上記識別子は、第二のSIMカードに対応するロジックUEのサービングセルに割り当てられるセル無線ネットワーク一時識別子(Cell Radio Network Temporary Identifier、C-RNTI)、又は、第二のSIMカードに対応する国際モバイル加入者識別ナンバー(International Mobile Subscriber Identity Number、IMSI)、又は、第二のSIMカードに対応するロジックUEによってネットワーク側から取得された一時モバイル加入者識別子(S-Temporary Mobile Subscriber Identity、S-TMSI)などであってもよい。いわゆるロジックUEについては後述する。
【0038】
本開示の実施例では、非接続状態はアイドル状態又は非アクティブ化状態である。
【0039】
本開示において、前記端末はマルチカードマルチスタンバイ端末であり、マルチカードマルチスタンバイ端末とは、複数のSIMカードを搭載可能な物理端末機器である。各SIMカードは、一つのロジックUEに対応し、ロジックUEは、物理端末によって各SIMカードのために提供される対応する通信送受信プロトコル機能であり、例えば、非アクセスレイア(NAS)、RRC、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)、無線リンクレイア制御プロトコル(RLC)などのプロトコルスタック機能を含む。異なるロジックUEは、ネットワークのスケジューリング/配置/電力制御コマンドなどをそれぞれ受信し、ネットワークの制御でデータの送受信を行うことができる。そのため、物理端末機器が複数のロジックUE機能の物理キャリアであり、各ロジックUE機能が一つのSIMカードに対応すると理解され得る。本開示では、各SIMカードによって実行される操作は、このSIMカードに対応するロジックUEによって実行される操作として理解されるべきである。例えば、第一のSIMカードがRRC接続状態に入ることは、第一のSIMカードに対応するロジックUEがRRC接続状態に入ることと理解されるべきである。
【0040】
本開示の実施例では、前記SIMカードは、エンティティカードであってもよく、仮想カード、例えば嵌め込み型SIM(Embedded-SIM、eSIM)カードであってもよい。各SIMカードは、それぞれ一つのRRCエンティティに対応してもよく、且つ異なるSIMカードに対応するRRCエンティティは、同じ又は異なるRRC状態にあってもよい。例えば、前記端末は、第一のSIMカード及び第二のSIMカードを含み、第一のSIMカード及び第二のSIMカードのRRCエンティティが同時にアイドル状態にあってもよく、又は、第一のSIMカードのRRCエンティティが接続状態にあり、第二のSIMカードのRRCエンティティがアイドル状態又は非アクティブ化状態にあってもよい。
【0041】
本開示の実施例では、第一のSIMカードと第二のSIMカードとは、同一事業者又は公衆地上移動体ネットワーク(PLMN)に属するSIMカードであってもよく、異なる
事業者又はPLMNに属するSIMカードであってもよい。
【0042】
本開示の実施例では、選択的に、前記端末はマルチカードマルチスタンバイシングルパス端末であり、即ち、一つの時刻に、1つのSIMカードのみが、端末の上りリンク及び/又は下りリンクを使用してネットワーク側と通信することができる。
【0043】
本開示の実施例では、前記第二のSIMカードを介して第一の情報を報告することは、第二のSIMカードの非アクセスレイア(NAS)及び/又はRRCエンティティを介して第一の情報を報告することを指す。
【0044】
本開示では、SIMカードがページングされることは、このSIMカードを搭載した端末がページングされることを指し、ページングメッセージにおける端末の識別子は、SIMカードに対応するRRCエンティティ及び/又はNASエンティティに関連する識別子である。
【0045】
本開示の実施例では、前記ネットワーク側機器はアクセスネットワーク機器又はコアネットワーク機器である。
【0046】
本開示の実施例では、第二のSIMカードが非接続状態からRRC接続状態に入った後、選択的に、前記第一のSIMカードはRRC接続状態のままであり、又は非アクティブ化状態に入り、この時、前記端末の無線周波数チャンネルは前記第二のSIMカードによって占有され、前記第一のSIMカードはネットワーク側機器と通信することができない。
【0047】
本開示の実施例では、前記第一のタイミングは、第一のSIMカードがRRC接続状態に入った後、第二のSIMカードがRRC接続状態に入る前の任意のタイミングであってもよい。
【0048】
本開示のいくつかの実施例では、選択的に、前記第一のタイミングは、前記第一のSIMカードとネットワーク側機器との間でデータ伝送がないことを検出した後(即ち、前記第一のSIMカードの伝送間隔)である。前記第一のSIMカードとネットワーク側機器との間でデータ伝送がないことは、第一のSIMカードがデータの送信もデータの受信も行っていないことを指す。
【0049】
さらに選択的に、前記第一のタイミングは、第一のSIMカードがRRC接続状態に入った後、前記第一のSIMカードとネットワーク側機器との間でデータ伝送がないことを初めて検出した後、又は、前記第一のSIMカードとネットワーク側機器との間でデータ伝送がないことを毎回検出した後であってもよい。
【0050】
本開示の別のいくつかの実施例では、選択的に、前記第一のタイミングはページングを受信した後であり、前記ページングにおける前記端末の識別子は、前記第二のSIMカードに対応するRRCエンティティ及び/又はNASエンティティに関連する識別子である。即ち、第二のSIMカードに対するページングを受信した後である。
【0051】
さらに、選択的に、前記第一のタイミングは、第一のSIMカードがRRC接続状態に入った後、前記第二のSIMカードがページングされたことを初めて検出した後、又は、前記第二のSIMカードがページングされたことを毎回検出した後であってもよい。
【0052】
本開示の別のいくつかの実施例では、選択的に、前記第一のタイミングは、前記第二のSIMカードに対応するRRCエンティティ又はNASエンティティが位置更新を能動的
にトリガした後であってもよい。位置更新がトリガされた後、端末は、RRC接続確立プロセスを発起し、例えば、第二のSIMカードに対応するNASエンティティが、端末による周期的なトラッキングエリアアップデート(Tracking Area Update、TAU)又はイベントによりトリガされたTAUの実行をトリガする時、RRC接続の確立を引き起こし、即ち、端末は、第二のSIMカードのTAUプロセスにおいてRRC接続を確立し、且つ前記第一の情報を報告する。
【0053】
本開示の実施例では、ページングはSIMカードに対応するページングチャンス(PO)で送信され、POは周期的に現れる。端末はSIMカードに対応するPO時間周波数位置において、ページングメッセージの受信を行う。
【0054】
本開示の実施例では、1つのPOの持続時間長が比較的に短く、端末は、TDMの方式に基づいてPOを受信することができる。例えば、第一のSIMカードと第二のSIMカードがいずれもアイドル状態にある場合、第一のSIMカードと第二のSIMカードに対応するPOの時間的位置が重ねない場合には、端末はTDM方式を用いて2枚のSIMカードに対応するPOの受信を行うことができる。第一のSIMカードがRRC接続状態にあり、第二のSIMカードがアイドル状態又は非アクティブ化状態にある場合には、端末は第二のSIMカードのPOの時間位置で第二のSIMカードのページングの受信を行うことができ、それ以外の時間(第二のSIMカードのPOの位置及び第一のSIMカードと第二のSIMカードとの切り替えに対応する無線周波数調整時間を除く)において、端末は第一のSIMカードを利用してネットワーク側と通信することができる。第二のSIMカードがページングを受信することによる第一のSIMカードの伝送中断時間が短いため、その影響は比較的に小さい。
【0055】
本開示の実施例では、選択的に、前記トリガ条件は、
前記第一のページングの発起をトリガする業務情報、又は
前記第一のページングの発起を放棄する業務情報を含み、
前記業務情報は、業務タイプ、ページング原因及び業務のQoSレベルのうちの少なくとも一つを含む。
【0056】
本開示では、ページング原因とは、ページングをトリガする原因、例えば、IMS業務、PS業務、シグナリング伝送、測位要求などである。
【0057】
本開示では、業務のQoSレベルとは、QoSレベルリスト及びQoSレベル閾値である。前者は、ページングをトリガする業務に対応するQoSレベルが前記リストに属する場合、ページングを行うことができ、即ち、リストがホワイトリストであることを指し、又は、ページングをトリガする業務に対応するQoSレベルが前記リストに属する場合、ページングを行うことができなく、即ち、リストがブラックリストであることを指す。後者は、ページングをトリガする業務に対応するQoSレベルが前記閾値よりも高いか又は前記閾値以上である場合にページングをトリガすることを許可し、逆に、ページングをトリガすることを許可しないことを指す。
【0058】
即ち、第二のSIMカードは、どれらの業務/ページング原因/QoSレベルがページングをトリガする必要があるか、又は、どれらの業務/ページング原因/QoSレベルがページングをトリガする必要がないことを報告できる。
【0059】
そのうち、業務タイプは、ボイス業務、ショートメッセージ業務、又はデータ業務などを含んでもよい。
【0060】
本開示の実施例では、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカード
を制御することは、RRC回復(resume)プロセス又はRRC接続確立プロセスによってRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御することを指す。
【0061】
本開示の実施例では、選択的に、前記端末は、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ第一の情報を報告した後、RRC接続状態から非接続状態に入るように前記第二のSIMカードを制御することをさらに含み、それによって第一のSIMカードの業務を続けることができる。
【0062】
本開示の実施例では、選択的に、前記端末は、RRC接続状態から非接続状態に入るように前記第二のSIMカードを制御した後、前記第一のSIMカードがRRC接続状態から非接続状態に入ったことを検出した場合、又は、前記第一のSIMカードの業務が完了したことを検出した場合、前記端末は、非接続状態からRRC接続状態に入るように前記第二のSIMカードを制御し、且つ前記トリガ条件をキャンセルするよう前記ネットワーク側機器に指示するための第二の情報を報告することをさらに含む。
【0063】
即ち、第一のSIMカードがRRC接続状態から非接続状態に入ると、又は、第一のSIMカードの業務が完了すると、前記端末に前記第一のページングを発起するトリガ条件をキャンセルするようネットワーク側機器に指示することができ、ネットワーク側機器が前記トリガ条件をキャンセルした後、前記第二のSIMカードの業務が到来した後、第一のページングを発起し、再度ページングするか否かの判断を行う必要がない。
【0064】
本開示の実施例では、選択的に、前述した、第一のSIMカードがRRC接続状態に入った後の第一のタイミングで、前記端末は、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ第一の情報を報告することは、前記第一のSIMカードの業務が第一の業務である場合、第一のSIMカードがRRC接続状態に入った後の第一のタイミングで、前記端末は、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ第一の情報を報告することを含む。
【0065】
即ち、第一のSIMカードがなんらかの業務(即ち、第一の業務)を実行する時にのみ、前記トリガ条件を報告するように第二のSIMカードを制御し、さもなければ、トリガ条件を報告しない。
【0066】
選択的に、前記第一の業務は、指定業務タイプ、指定ページング原因、及び/又は指定QoSレベルの業務である。例えば、前記第一の業務は、なんらかの高優先度の業務である。
【0067】
本開示の実施例では、選択的に、第一の業務が異なる場合、前記トリガ条件が異なり、例えば、第一のSIMの業務がゲーム業務である場合、前記第二のSIMカードのショートメッセージ業務及び電話業務のページングをトリガすることを許可しなくてもよく、前記第一のSIMカードの業務がビデオ業務である場合、前記第二のSIMカードのショートメッセージ業務のページングをトリガすることを許可しなくてもよい。無論、前記第一の業務が異なる場合、前記トリガ条件が同じであってもよい。
【0068】
関連技術において、非接続状態にあるSIMカードについては、ネットワーク側には、端末に送信する必要がある下りリンクデータがある場合には、ページングがトリガされ、下りリンクデータのタイプに応じて、ページングは、異なるタイプ(又は原因)に分けられてもよく、例えば、ボイス着信によってSIMカードがページングされること、他のデータ業務(例えば、ウィーチャットメッセージ)によってSIMカードがページングされること(本開示の実施例におけるSIMカードがページングされることは、このSIMカードを搭載した端末がページングされると理解できる)に分けられてもよい。関連技術に
おいて、ページングメッセージにはページングタイプが付帯されていない。端末がページングメッセージを受信すると、接続状態に入るように、対応するSIMカードを制御することによって、下りリンクデータを受信する。即ち、関連技術におけるページングメカニズムによれば、一つのSIMカードが接続状態に入る前に、ページングをトリガする業務がどのような業務であるかは知らない。関連技術におけるページングメカニズムは、このSIMカードの低優先度業務によってトリガされるページングに、別のSIMカードによる進行中の高優先度業務を中断させ、悪いユーザ体験をもたらすことになる。
【0069】
本開示の実施例では、端末の第一のSIMカードがRRC接続状態に入った後の第一のタイミングで、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ前記第二のSIMカードを介して、第二のSIMカードのページングをトリガする条件を報告することにより、ネットワーク側機器は、第二のSIMカードの業務が到来するたびに、第二のSIMカードのページングを行うのではなく、第二のSIMカードの業務が到来した後、第二のSIMカードから報告された条件に基づいて、第二のSIMカードをページングするか否かを決定し、第二のSIMカードの低優先度業務がページングをトリガして第一のSIMカードによる進行中の高優先度業務を中断させることを回避し、ユーザ体験を向上させる。
【0070】
図3を参照して、
図3は、本開示の実施例のページング方法のフローチャートであり、このページング方法は、ネットワーク側機器に用いられ、以下のステップを含む。
【0071】
ステップ31:第一の情報を受信し、前記第一の情報は、前記ネットワーク側機器が端末に第一のページングを発起するトリガ条件を指示することに用いられる。
【0072】
ステップ32:前記端末の業務が到来した後、前記トリガ条件に基づいて前記第一のページングを発起するか否かを判断し、判断が肯定された場合、ステップ33に進み、判断が否定された場合、ステップ34に進む。
【0073】
ステップ33:前記第一のページングを発起する。
【0074】
ステップ34:前記第一のページングの発起を放棄する。
【0075】
本開示の実施例では、ネットワーク側機器は、端末の業務が到来するたびに、端末のページングを行うのではなく、端末の業務が到来した後、端末から報告された条件に基づいて、端末をページングするか否かを決定することができ、低優先度の業務がページングをトリガして進行中の高優先度の業務を中断させることを回避し、ユーザ体験を向上させることができる。
【0076】
本開示のいくつかの実施例では、前記端末はマルチカードマルチスタンバイ端末であり、前記第一のページングにおける前記端末の識別子が、前記第二のSIMカードに対応するRRCエンティティ及び/又はNASエンティティに関連する識別子であり、
前述した、前記端末の業務が到来した後、前記トリガ条件に基づいて前記第一のページングを発起するか否かを判断することは、前記第二のSIMカードの業務が到来した後、前記トリガ条件に基づいて前記第一のページングを発起するか否かを判断することを含む。
【0077】
本開示の実施例では、選択的に、前記トリガ条件は、
前記第一のページングの発起をトリガする業務情報、又は
前記第一のページングの発起を放棄する業務情報を含み、
前記業務情報は、業務タイプ、ページング原因及び業務のQoSレベルのうちの少なく
とも一つを含む。
【0078】
本開示の実施例では、ページングはSIMカードに対応するページングチャンス(PO)で送信され、POは周期的に現れる。端末はSIMカードに対応するPO時間周波数位置において、ページングメッセージの受信を行う。
【0079】
本開示の実施例では、選択的に、前記ページング方法は、前記トリガ条件をキャンセルするよう前記ネットワーク側機器に指示するための第二の情報を受信することをさらに含む。
【0080】
ネットワーク側機器は、前記第二の情報を受信した後、前記トリガ条件をキャンセルすることができ、前記端末の業務が到来した後、前記第一のページングを発起し、再度ページングするか否かの判断を行う必要がない。
【0081】
本開示の実施例では、選択的に、前述した、第二の情報を受信した後、すでに放棄された前記第一のページングを再発起することをさらに含み、それによって、端末がページングの業務を逃してしまうことを回避する。
【0082】
本開示の実施例では、ネットワーク側機器は、第二のSIMカードの業務が到来するたびに、第二のSIMカードのページングを行うのではなく、第二のSIMカードによって報告された、第二のSIMカードのページングをトリガする条件を受信し、第二のSIMカードの業務が到来した後、第二のSIMカードから報告された条件に基づいて第二のSIMカードをページングするか否かを決定し、第二のSIMカードの低優先度業務がページングをトリガして第一のSIMカードによる進行中の高優先度業務を中断させることを回避し、ユーザ体験を向上させる。
【0083】
図4を参照して、
図4は、本開示の一つの実施例による端末の構造概略図であり、この端末40は、
第一の情報を報告することに用いられる処理モジュール41を備え、
前記第一の情報は、ネットワーク側機器が前記端末に第一のページングを発起するトリガ条件を指示する
ことに用いられる。
【0084】
本開示の実施例では、ネットワーク側機器は、端末の業務が到来するたびに、端末のページングを行うのではなく、端末の業務が到来した後、端末から報告された条件に基づいて、端末をページングするか否かを決定することができ、低優先度の業務がページングをトリガして進行中の高優先度の業務を中断させることを回避し、ユーザ体験を向上させることができる。
【0085】
本開示のいくつかの実施例では、前記処理モジュール41は、第一のSIMカードがRRC接続状態に入った後の第一のタイミングで、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ第一の情報を報告するために用いられ、前記第一の情報は、ネットワーク側機器が前記端末に第一のページングを発起するトリガ条件を指示することに用いられ、前記第一のページングにおける前記端末の識別子が、前記第二のSIMカードに対応するRRCエンティティ及び/又はNASエンティティに関連する識別子である。
【0086】
選択的に、前記トリガ条件は、
前記第一のページングの発起をトリガする業務情報、又は
前記第一のページングの発起を放棄する業務情報を含み、
前記業務情報は、業務タイプ、ページング原因及び業務のQoSレベルのうちの少なくとも一つを含む。
【0087】
選択的に、前記第一のタイミングは、前記第二のSIMカードに対応するNASエンティティ又はRRCエンティティによって位置更新がトリガされた後であり、又は、
前記第一のタイミングは、前記第一のSIMカードとネットワーク側機器との間でデータ伝送がないことが検出された後であり、又は、
前記第一のタイミングはページングを受信した後であり、前記ページングにおける前記端末の識別子は、前記第二のSIMカードに対応するRRCエンティティ及び/又はNASエンティティに関連する識別子である。
【0088】
選択的に、前記処理モジュールはさらに、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ第一の情報を報告した後に、RRC接続状態から非接続状態に入るように前記第二のSIMカードを制御するために用いられる。
【0089】
選択的に、前記処理モジュールはさらに、RRC接続状態から非接続状態に入るように前記第二のSIMカードを制御した後に、前記第一のSIMカードがRRC接続状態から非接続状態に入ったことを検出した場合、又は、前記第一のSIMカードの業務が完了したことを検出した場合、非接続状態からRRC接続状態に入るように前記第二のSIMカードを制御し、且つ前記トリガ条件をキャンセルするよう前記ネットワーク側機器に指示するための第二の情報を報告するために用いられる。
【0090】
選択的に、前記処理モジュールは、前記第一のSIMカードの業務が第一の業務である場合、第一のSIMカードがRRC接続状態に入った後の第一のタイミングで、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ第一の情報を報告するために用いられる。
【0091】
選択的に、前記第一の業務は、指定業務タイプ、指定ページング原因、及び/又は指定QoSレベルの業務である。
【0092】
本開示の実施例では、端末の第一のSIMカードがRRC接続状態に入った後の第一のタイミングで、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ前記第二のSIMカードを介して、第二のSIMカードのページングをトリガする条件を報告することにより、ネットワーク側機器は、第二のSIMカードの業務が到来するたびに、第二のSIMカードのページングを行うのではなく、第二のSIMカードの業務が到来した後、第二のSIMカードから報告された条件に基づいて、第二のSIMカードをページングするか否かを決定し、第二のSIMカードの低優先度業務がページングをトリガして第一のSIMカードによる進行中の高優先度業務を中断させることを回避し、ユーザ体験を向上させる。
【0093】
図5を参照して、
図5は、本開示の一つの実施例によるネットワーク側機器の構造概略図であり、このネットワーク側機器50は、
第一の情報を受信することに用いられる受信モジュール51であって、前記第一の情報は、前記ネットワーク側機器が端末に第一のページングを発起するトリガ条件を指示する
ことに用いられる、受信モジュール51と、
前記端末の業務が到来した後に、前記トリガ条件に基づいて前記第一のページングを発起するか否かを判断
することに用いられ、
判断が否定された場合、前記第一のページングの発起を放棄する
ことに用いられる処理モジュール52
と、を
備える。
【0094】
本開示の実施例では、ネットワーク側機器は、端末の業務が到来するたびに、端末のページングを行うのではなく、端末の業務が到来した後、端末から報告された条件に基づいて、端末をページングするか否かを決定することができ、低優先度の業務がページングをトリガして進行中の高優先度の業務を中断させることを回避し、ユーザ体験を向上させる
ことができる。
【0095】
本開示の実施例では、処理モジュール52はさらに、前記トリガ条件が、前記第一のページングを発起する必要があることを指示する場合、前記第一のページングを発起するために用いられる。
【0096】
本開示のいくつかの実施例では、前記第一のページングにおける前記端末の識別子は、前記第二のSIMカードに対応するRRCエンティティ及び/又はNASエンティティに関連する識別子である、
前記処理モジュール52は、さらに前記第二のSIMカードの業務が到来した後、前記トリガ条件に基づいて前記第一のページングを発起するか否かを判断するために用いられる。
【0097】
選択的に、前記トリガ条件は、
前記第一のページングの発起をトリガする業務情報、又は
前記第一のページングの発起を放棄する業務情報を含み、
前記業務情報は、業務タイプ、ページング原因及び業務のQoSレベルのうちの少なくとも一つを含む。
【0098】
選択的に、前記受信モジュール51はさらに、前記トリガ条件をキャンセルするよう前記ネットワーク側機器に指示するための第二の情報を受信するために用いられる。
【0099】
選択的に、前記処理モジュール52はさらに、前記受信モジュール51が第二の情報を受信した後に、すでに放棄された前記第一のページングを再発起するためにも用いられる。
【0100】
本開示の実施例では、ネットワーク側機器は、第二のSIMカードの業務が到来するたびに、第二のSIMカードのページングを行うのではなく、第二のSIMカードによって報告された、第二のSIMカードのページングをトリガする条件を受信し、第二のSIMカードの業務が到来した後、第二のSIMカードから報告された条件に基づいて第二のSIMカードをページングするか否かを決定し、第二のSIMカードの低優先度業務がページングをトリガして第一のSIMカードによる進行中の高優先度業務を中断させることを回避し、ユーザ体験を向上させる。
【0101】
図6を参照して、
図6は、本開示の別の実施例の端末の構造概略図であり、この端末60は、無線周波数ユニット61、ネットワークモジュール62、オーディオ出力ユニット63、入力ユニット64、センサ65、表示ユニット66、ユーザ入力ユニット67、インターフェースユニット68、メモリ69、プロセッサ610、及び電源611などの部材を含むが、それらに限らない。当業者であれば理解できるように、
図6に示す端末構造は、端末に対する限定を構成しなく、端末には、図示された部材の数よりも多く又は少ない部材、又は何らかの部材の組み合わせ、又は異なる部材の配置が含まれてもよい。本開示の実施例では、端末は、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコン、パームトップコンピューター、車載端末、ウェアラブルデバイス、及び歩数計などを含むが、それらに限らない。
【0102】
そのうち、プロセッサ610は、第一のSIMカードがRRC接続状態に入った後の第一のタイミングで、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ第一の情報を報告するために用いられる。
【0103】
本開示の実施例では、ネットワーク側機器は、端末の業務が到来するたびに、端末のペ
ージングを行うのではなく、端末の業務が到来した後、端末から報告された条件に基づいて、端末をページングするか否かを決定することができ、低優先度の業務がページングをトリガして進行中の高優先度の業務を中断させることを回避し、ユーザ体験を向上させることができる。
【0104】
理解すべきことは、本開示の実施例では、無線周波数ユニット61は、情報の送受信又は通話中の信号の送受信に用いられてもよい。具体的には、基地局からの下りリンクのデータを受信してから、プロセッサ610に処理させてもよい。また、上りリンクのデータを基地局に送信してもよい。一般的には、無線周波数ユニット61はアンテナ、少なくとも一つの増幅器、送受信機、カプラ、低雑音増幅器、デュプレクサなどを含むが、それらに限らない。なお、無線周波数ユニット61は、無線通信システムやネットワークを介して他の機器との通信を行ってもよい。
【0105】
端末は、ネットワークモジュール62によってユーザに無線のブロードバンドインターネットアクセスを提供し、例えば、ユーザへ電子メールの送受信、ウェブページの閲覧、ストリーミングメディアへのアクセスなどを支援する。
【0106】
オーディオ出力ユニット63は、無線周波数ユニット61やネットワークモジュール62によって受信された又はメモリ69に記憶されたオーディオデータをオーディオ信号に変換して音声として出力してもよい。そして、オーディオ出力ユニット63はさらに、端末60により実行される特定の機能に関連するオーディオ出力(例えば、呼び信号受信音、メッセージ着信音など)を提供してもよい。オーディオ出力ユニット63は、スピーカ、ブザー、受話器等を含む。
【0107】
入力ユニット64は、オーディオ信号又はビデオ信号を受信するために用いられる。入力ユニット64は、グラフィックスプロセッサ(Graphics Processing Unit、GPU)641およびマイクロホン642を含んでもよい。グラフィックスプロセッサ641は、ビデオキャプチャモードまたは画像キャプチャモードにおいて画像キャプチャ装置(例えば、カメラ)によって得られた静止画像またはビデオの画像データを処理する。処理された画像フレームは、表示ユニット66に表示されてもよい。グラフィックスプロセッサ641によって処理された画像フレームは、メモリ69(又は他の記憶媒体)に記憶されてもよく、または、無線周波数ユニット61又はネットワークモジュール62を介して送信されてもよい。マイクロホン642は、音声を受信することができるとともに、そのような音声をオーディオデータとして処理することができる。処理されたオーディオデータは、通話モードの場合、無線周波数ユニット61を介して移動通信基地局に送信可能なフォーマットに変換して出力することができる。
【0108】
端末60は、少なくとも一つのセンサ65、例えば、光センサ、モーションセンサ及び他のセンサをさらに含む。具体的には、光センサは、環境光センサ及び接近センサを含み、そのうち、環境光センサは、環境光の明暗に応じて、表示パネル661の輝度を調整することができ、接近センサは、端末60が耳元に移動した時、表示パネル661及び/又はバックライトをオフにすることができる。モーションセンサの一種として、加速度計センサは、各方向(一般的には、三軸)での加速度の大きさを検出することができ、静止時、重力の大きさ及び方向を検出することができ、端末姿勢(例えば、縦横スクリーン切り替え、関連ゲーム、磁力計姿勢校正)の識別、振動識別関連機能(例えば、歩数計、タップ)などに用いることができる。センサ65はさらに、指紋センサ、圧力センサ、虹彩センサ、分子センサ、ジャイロ、気圧計、湿度計、温度計、赤外線センサなどを含んでもよい。ここでは説明を省略する。
【0109】
表示ユニット66は、ユーザによって入力された情報又はユーザに提供された情報を表
示するために用いられている。表示ユニット66は、表示パネル661を含んでもよい。液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)などの形式で表示パネル661を配置してもよい。
【0110】
ユーザ入力ユニット67は、入力された数字または文字情報の受信、端末のユーザによる設置及び機能制御に関するキー信号入力の発生に用いられてもよい。具体的には、ユーザ入力ユニット67は、タッチパネル671および他の入力機器672を含む。タッチパネル671は、タッチスクリーンとも呼ばれ、その上または付近でのユーザによるタッチ操作(例えば、ユーザが指、タッチペンなどの任意の適切な物体または付属品を使用してタッチパネル671上またはタッチパネル671付近で行う操作)を収集することができる。タッチパネル671は、タッチ検出装置とタッチコントローラの二つの部分を含んでもよい。そのうち、タッチ検出装置は、ユーザによるタッチ方位を検出し、タッチ操作による信号を検出し、信号をタッチコントローラに伝送する。タッチコントローラは、タッチ検出装置からタッチ情報を受信し、それをタッチポイント座標に変換してから、プロセッサ610に送信し、プロセッサ610から送信されてきたコマンドを受信して実行する。なお、抵抗式、静電容量式、赤外線及び表面音波などの様々なタイプを用いてタッチパネル671を実現してもよい。タッチパネル671以外、ユーザ入力ユニット67は、他の入力機器672を含んでもよい。具体的には、他の入力機器672は、物理的なキーボード、機能キー(例えば、ボリューム制御ボタン、スイッチボタンなど)、トラックボール、マウス、操作レバーを含んでもよいが、それらに限られない。ここでは説明を省略する。
【0111】
さらに、タッチパネル671は、表示パネル661上に覆われてもよい。タッチパネル671は、その上又は付近でのタッチ操作を検出すると、プロセッサ610に伝送して、タッチイベントのタイプを決定し、その後、プロセッサ610は、タッチイベントのタイプに応じて表示パネル661上で相応な視覚出力を提供する。
図6では、タッチパネル671と表示パネル661は、二つの独立した部材として端末の入力と出力機能を実現するものであるが、何らかの実施例では、タッチパネル671と表示パネル661を集積して端末の入力と出力機能を実現してもよい。具体的には、ここでは限定しない。
【0112】
インターフェースユニット68は、外部装置と端末60との接続のためのインターフェースである。例えば、外部装置は、有線または無線ヘッドフォンポート、外部電源(または電池充電器)ポート、有線または無線データポート、メモリカードポート、識別モジュールを有する装置への接続用のポート、オーディオ入力/出力(I/O)ポート、ビデオI/Oポート、イヤホンポートなどを含んでもよい。インターフェースユニット68は、外部装置からの入力(例えば、データ情報、電力など)を受信するとともに、受信した入力を端末60内の一つまたは複数の素子に伝送するために用いられてもよく、または端末60と外部装置との間でデータを伝送するために用いられてもよい。
【0113】
メモリ69は、ソフトウェアプログラム及び各種のデータを記憶するために用いられてもよい。メモリ69は、主に記憶プログラム領域及び記憶データ領域を含んでもよい。そのうち、記憶プログラム領域は、オペレーティングシステム、少なくとも一つの機能に必要なアプリケーションプログラム(例えば、音声再生機能、画像再生機能など)などを記憶することができ、記憶データ領域は、携帯電話の使用によって作成されるデータ(例えば、オーディオデータ、電話帳など)などを記憶することができる。また、メモリ69は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、さらに非揮発性メモリ、例えば、少なくとも一つの磁気ディスクメモリデバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の揮発性ソリッドステートメモリデバイスを含んでもよい。
【0114】
プロセッサ610は、端末の制御センターであり、各種のインターフェースと線路によって端末全体の各部分に接続され、メモリ69内に記憶されたソフトウェアプログラム及び/又はモジュールを運行又は実行すること、及びメモリ69内に記憶されたデータを呼び出し、端末の各種の機能を実行し、データを処理することにより、端末全体をモニタリングする。プロセッサ610は、一つ又は複数の処理ユニットを含んでもよい。選択的に、プロセッサ610は、アプリケーションプロセッサとモデムプロセッサを集積してもよい。そのうち、アプリケーションプロセッサは、主にオペレーティングシステム、ユーザインターフェース及びアプリケーションプログラムなどを処理するためのものであり、モデムプロセッサは、主に無線通信を処理するためのものである。理解すべきことは、上記モデムプロセッサは、プロセッサ610に集積されなくてもよい。
【0115】
端末60はさらに、各部材に電力を供給する電源611(例えば、電池)を含んでもよい。選択的に、電源611は、電源管理システムによってプロセッサ610にロジック的に接続されてもよい。それにより、電源管理システムによって充放電管理及び消費電力管理などの機能を実現することができる。
【0116】
また、端末60は、いくつかの示されていない機能モジュールを含む。ここでは説明を省略する。
【0117】
図7を参照して、
図7は、本開示のさらに別の実施例による端末の構造概略図であり、この端末70は、プロセッサ71及びメモリ72を含む。本開示の実施例では、端末70は、さらにメモリ72に記憶され、且つプロセッサ71上で運行できるコンピュータプログラムを含み、コンピュータプログラムがプロセッサ71によって実行される時、以下のようなステップを実現させる。
【0118】
第一の情報を報告し、前記第一の情報は、ネットワーク側機器が前記端末に第一のページングを発起するトリガ条件を指示ことに用いられる。
【0119】
プロセッサ71は、バスアーキテクチャと一般的な処理の管理を担当し、メモリ72は、プロセッサ71の操作実行時に使用されるデータを記憶してもよい。
【0120】
選択的に、前述した、第一の情報を報告することは、
第一の加入者識別SIMカードが無線リソース制御RRC接続状態に入った後の第一のタイミングで、前記端末は、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ前記第一の情報を報告することを含み、前記第一のページングにおける前記端末の識別子は、前記第二のSIMカードに対応するRRCエンティティ及び/又は非アクセスレイアNASエンティティに関連する識別子である。
【0121】
選択的に、前記トリガ条件は、
前記第一のページングの発起をトリガする業務情報、又は
前記第一のページングの発起を放棄する業務情報を含み、
前記業務情報は、業務タイプ、ページング原因及び業務のQoSレベルのうちの少なくとも一つを含む。
【0122】
選択的に、前記第一のタイミングは、前記第二のSIMカードに対応するNASエンティティ又はRRCエンティティによって位置更新がトリガされた後であり、又は、
前記第一のタイミングは、前記第一のSIMカードとネットワーク側機器との間でデータ伝送がないことが検出された後であり、又は、
前記第一のタイミングはページングを受信した後であり、前記ページングにおける前記端末の識別子は、前記第二のSIMカードに対応するRRCエンティティ及び/又はNA
Sエンティティに関連する識別子である。
【0123】
選択的に、コンピュータプログラムがプロセッサ71によって実行される時、さらに以下のようなステップを実現してもよい。前述した、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ第一の情報を報告した後、
RRC接続状態から非接続状態に入るように前記第二のSIMカードを制御することをさらに含む。
【0124】
選択的に、コンピュータプログラムがプロセッサ71によって実行される時、さらに以下のようなステップを実現してもよい。前述した、RRC接続状態から非接続状態に入るように前記第二のSIMカードを制御した後、
前記第一のSIMカードがRRC接続状態から非接続状態に入ったことを検出した場合、又は、前記第一のSIMカードの業務が完了したことを検出した場合、非接続状態からRRC接続状態に入るように前記第二のSIMカードを制御し、且つ前記トリガ条件をキャンセルするよう前記ネットワーク側機器に指示するための第二の情報を報告することをさらに含む。
【0125】
選択的に、コンピュータプログラムがプロセッサ71によって実行される時、さらに以下のようなステップを実現してもよい。前述した、第一のSIMカードがRRC接続状態に入った後の第一のタイミングで、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ第一の情報を報告することは、
前記第一のSIMカードの業務が第一の業務である場合、第一のSIMカードがRRC接続状態に入った後の第一のタイミングで、非接続状態からRRC接続状態に入るように第二のSIMカードを制御し、且つ第一の情報を報告することを含む。
【0126】
選択的に、前記第一の業務は、指定業務タイプ、指定ページング原因、及び/又は指定QoSレベルの業務である。
【0127】
図8を参照して、
図8は、本開示の別の実施例によるネットワーク側機器の構造概略図であり、このネットワーク側機器80は、プロセッサ81とメモリ82を含む。本開示の実施例では、ネットワーク側機器80はメモリ82に記憶され、且つプロセッサ81上で運行できるコンピュータプログラムをさらに含み、コンピュータプログラムがプロセッサ81によって実行される時、以下のようなステップを実現させる。
【0128】
第一の情報を受信し、前記第一の情報は、前記ネットワーク側機器が端末に第一のページングを発起するトリガ条件を指示することに用いられる。
前記端末の業務が到来した後に、前記トリガ条件に基づいて、前記第一のページングを発起するか否かを判断する。
判断が肯定された場合、前記第一のページングを発起する。
判断が否定された場合、前記第一のページングの発起を放棄する。
【0129】
プロセッサ81は、バスアーキテクチャと一般的な処理の管理を担当し、メモリ82は、プロセッサ81の操作実行時に使用されるデータを記憶してもよい。
【0130】
選択的に、コンピュータプログラムは、プロセッサ81によって実行される時、さらに以下のようなステップを実現してもよい。前記第一のページングにおける前記端末の識別子が、前記第二のSIMカードに対応するRRCエンティティ及び/又はNASエンティティに関連する識別子であり、
前述した、前記端末の業務が到来した後に、前記トリガ条件に基づいて前記第一のページングを発起するか否かを判断することは、
前記第二のSIMカードの業務が到来した後、前記トリガ条件に基づいて前記第一のページングを発起するか否かを判断することを含む。
【0131】
選択的に、コンピュータプログラムがプロセッサ81によって実行される時、さらに以下のようなステップを実現してもよい。前記トリガ条件は、
前記第一のページングの発起をトリガする業務情報、又は
前記第一のページングの発起を放棄する業務情報を含み、
前記業務情報は、業務タイプ、ページング原因及び業務のQoSレベルのうちの少なくとも一つを含む。
【0132】
選択的に、コンピュータプログラムがプロセッサ81によって実行される時、さらに以下のようなステップを実現してもよい。前記トリガ条件をキャンセルするよう前記ネットワーク側機器に指示するための第二の情報を受信する。
【0133】
選択的に、コンピュータプログラムがプロセッサ81によって実行される時、さらに以下のようなステップを実現してもよい。前述した、第二の情報を受信した後、
すでに放棄された前記第一のページングを再発起することをさらに含む。
【0134】
本開示の実施例は、さらにコンピュータ可読記憶媒体を提供する。前記コンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時、上記ページング指示方法の実施例の各プロセスを実現させ、且つ同じ技術的効果を達することができる。説明の重複を回避するために、ここで説明を省略する。
【0135】
本開示の実施例は、さらにコンピュータ可読記憶媒体を提供する。前記コンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時、上記ページング方法の実施例の各プロセスを実現させ、且つ同じ技術的効果を達することができる。説明の重複を回避するために、ここで説明を省略する。
【0136】
そのうち、前記コンピュータ可読記憶媒体は、例えばリードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク又は光ディスクなどである。
【0137】
説明すべきことは、本明細書において、「含む」、「包含」という用語又はそれらの他の任意の変形は、非排他的な「包含」を意図的にカバーするものであり、それにより、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素を含むだけではなく、明確にリストされていない他の要素も含み、又はこのようなプロセス、方法、物品又は機器に固有の要素も含む。それ以上の制限がない場合、「…を1つ含む」という文章で限定された要素について、この要素を含むプロセス、方法、物品又は装置には他の同じ要素も存在することが排除されるものではない。
【0138】
以上の実施の形態の記述によって、当業者であればはっきりと分かるように、上記実施例の方法は、ソフトウェアと必要な汎用ハードウェアプラットフォームの形態によって実現されてもよい。無論、ハードウェアによっても実現されるが、多くの場合、前者は、好適な実施の形態である。このような理解を踏まえて、本開示の技術案は、実質には又は関連技術に寄与した部分がソフトウェア製品の形式によって具現化されてもよい。このコンピュータソフトウェア製品は、一つの記憶媒体(例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、一台の端末(携帯電話、コンピュータ、サーバ、エアコン、又はネットワーク機器などであってもよい)に本開示の各実施例に記載の方法を実行させる
ための若干の指令を含む。
【0139】
以上は、添付図面を結び付けながら、本開示の実施例を記述していたが、本開示は、上述した具体的な実施の形態に限らず、上述した具体的な実施の形態は例示的なものに過ぎず、制限性のあるものではない。当業者は、本開示による示唆を基にして、本開示の趣旨や請求項が保護する範囲から逸脱しない限り、多くの形式の変更を行うことができ、それらはいずれも本開示の保護範囲に入っている。
【0140】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2019年1月18日に中国で提出された中国特許出願番号第201910108510.3の優先権を主張しており、同出願の内容の全ては、ここに参照として取り込まれる。