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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】カテーテル組立体
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/14 20060101AFI20230913BHJP
【FI】
A61M25/14 518
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021568261
(86)(22)【出願日】2020-05-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(86)【国際出願番号】 IB2020054639
(87)【国際公開番号】W WO2020230104
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2021-12-17
(31)【優先権主張番号】62/848,333
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516045573
【氏名又は名称】テレフレックス、ライフ、サイエンシーズ、アンリミテッド、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】TELEFLEX LIFE SCIENCES UNLIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100159846
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 尚
(72)【発明者】
【氏名】フォミナス アレクセイウス
(72)【発明者】
【氏名】タイ カハル
(72)【発明者】
【氏名】ティアニー モーガン
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-531696(JP,A)
【文献】特開平10-328306(JP,A)
【文献】特表2007-501656(JP,A)
【文献】特開2016-052597(JP,A)
【文献】特表2018-501058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル組立体であって、
近位部分及び外面を有するカテーテル部材と、
前記カテーテル部材の近位部分を受け入れるように構成された内腔を有するイントロデューサと、を備え、前記イントロデューサが、拡大された近位面を有するキャップ部材を含み、前記イントロデューサが、ユーザによって把持されるように構成された表面を有するハンドル部材を含み、
さらに、前記イントロデューサの内腔に収容された圧縮部を有するスリーブであって、前記スリーブは、前記カテーテル部材が前記イントロデューサの内腔を通って挿入されたときに前記外面を覆って外転するように構成されている、スリーブを備え、前記スリーブの近位部分が、前記イントロデューサに固定され、前記スリーブの遠位部分が、前記イントロデューサの内側肩部によって解除可能に係合されており、
前記カテーテル部材の近位部分が開放されており、前記カテーテル部材が、貫通する内腔を有し、
前記カテーテル部材の近位部分が、スリーブの遠位部分を近位方向に押し進めるように構成されており、前記カテーテル部材が前記イントロデューサの近位開口部から出るときに、前記スリーブの圧縮部が、前記カテーテル組立体の軟質近位先端部を形成し、
前記スリーブが、前記カテーテル部材に固定されておらず、
前記カテーテル組立体が非潤滑性である、
カテーテル組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、2019年5月15日に出願された米国仮特許出願第62/848,333号に対する優先権を主張するものであり、その全ての開示内容は全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般的に、カテーテルに関し、より詳細には、身体内腔に導入されるときのカテーテル部材の摩擦を低減するように構成された二部品カテーテル組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
尿道カテーテルは、尿道から膀胱に挿入されることにより患者の膀胱から尿を排出するのに使用されることが多い。カテーテルと尿道の間の摩擦は、挿入及び/又は抜去の際の不快感を引き起こす可能性がある。本発明は、従来技術のカテーテルに関する1又は2以上の問題を解決するものである。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一態様は、カテーテル部材、イントロデューサ、及びスリーブを含むカテーテル組立体に関する。カテーテル部材は、近位部分と外面とを有することができる。イントロデューサは、カテーテル部材の近位部分を受け入れるように構成された内腔を有することができ、スリーブは、イントロデューサの内腔に収容された圧縮部分を有することができ、スリーブは、カテーテル部材がイントロデューサの内腔を通って挿入されたときに外面を覆って外転するように構成することができる。
【0005】
幾つかの実施形態では、カテーテル部材の近位部分は、スリーブの遠位部分を近位方向に押し進めるように構成されており、スリーブの圧縮部分は、カテーテル部材がイントロデューサの近位開口部から出ると、カテーテル組立体の軟質近位先端を形成する。幾つかの実施形態では、スリーブはカテーテル部材に固定されていない。幾つかの実施形態では、イントロデューサは、拡大された近位面を有するキャップ部材を含む。幾つかの実施形態では、キャップ部材は、イントロデューサ内に収容されているときにスリーブを覆い、カテーテル部材がイントロデューサから近位方向に進むに連れて撓む保持部材を有する。幾つかの実施形態では、保持部材は、複数のフラップを含む。幾つかの実施形態では、保持部材は、拡大された近位面から近位方向に延びる突出部を形成する。幾つかの実施形態では、イントロデューサは、ユーザによって把持されるように構成された表面を有するハンドル部材を含む。幾つかの実施形態では、ハンドル部材の表面は、凹状面及び/又は1又は2以上の隆起を含む。幾つかの実施形態では、スリーブの近位部分がイントロデューサに固定されている。幾つかの実施形態では、キャップ部材及びハンドル部材は、嵌合構成になっている。幾つかの実施形態では、スリーブの遠位部分は、イントロデューサの内側肩部によって解除可能に係合される。幾つかの実施形態では、ハンドル部材は、遠位部分から延びる複数の細長いガイド部材を含む。幾つかの実施形態では、カテーテル部材の近位部分は開放されており、カテーテル部材は、そこを貫通した内腔を有する。幾つかの実施形態では、カテーテル部材は、遠位部分に漏斗部材を含む。幾つかの実施形態では、カテーテル組立体は、非潤滑性である。
【0006】
本発明の別の態様は、カテーテル組立体を身体内腔に挿入する方法に関する。本方法は、スリーブの圧縮部分を含むイントロデューサの内腔にカテーテル部材を挿入するステップと、カテーテル部材が身体内腔に挿入されると、カテーテル部材を覆ってスリーブを外転するステップとを含むことができる。
【0007】
幾つかの実施形態では、本方法は、スリーブの遠位部分を近位方向に押し進めるステップと、カテーテル部材が身体内腔に挿入されると、スリーブの圧縮部分と共にカテーテル組立体の軟質近位先端を形成するステップと、を更に含むことができる。幾つかの実施形態では、本方法は、イントロデューサのドーム部材を身体内腔に挿入するステップを更に含むことができる。幾つかの実施形態では、本方法は、保持部材を用いてスリーブをイントロデューサ内に保持するステップと、スリーブがイントロデューサから近位方向に進むときに保持部材を撓ませるステップを更に含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施形態によるカテーテル組立体の側面図である。
図2図1のカテーテル組立体の分解図である。
図3図1~2のカテーテル組立体のイントロデューサの斜視図である。
図4図1~3のカテーテル組立体のキャップ部材の側面図である。
図5図4のカテーテル組立体のキャップ部材の断面図である。
図6図1~5のカテーテル組立体のスリーブの断面図である。
図7図1~6のカテーテル組立体のハンドル部材の側面図である。
図8図1~7のカテーテル組立体のイントロデューサの断面図である。
図9図1~8のカテーテル組立体の断面図である。
図10図1~9のカテーテル組立体のカテーテル部材の側面図である。
図11A図1-10のカテーテル組立体の使用方法を示す図である
図11B図1-10のカテーテル組立体の使用方法を示す図である
図11C図1-10のカテーテル組立体の使用方法を示す図である
図11D図1-10のカテーテル組立体の使用方法を示す図である
図12A】本発明の第2の実施形態によるカテーテル組立体のイントロデューサの図である。
図12B】本発明の第2の実施形態によるカテーテル組立体のイントロデューサの図である。
図12C】本発明の第2の実施形態によるカテーテル組立体のイントロデューサの図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、一般に、束ねられ、蛇腹にされ、及び/又は折り畳まれた構成で圧縮された薄い柔軟な膜又はスリーブを収容する小型ユニット又はイントロデューサを含むカテーテル組立体及び使用方法に関する。本発明は、摩擦なし概念を小型イントロデューサに組み込んだものであり、デバイスに一体化されることなく何れかのデバイス(例えば、開放又は閉鎖先端管状部材を含む何れかのタイプの細長い部材)と共に使用することができる。本発明はまた、ディスポーザブルスリーブ及び再利用可能なプッシャー及び/又はカテーテル部材を含む、間欠的カテーテルの2部品コンセプトを可能にする。カテーテル部材は、ディスポーザブルスリーブを介して身体内腔(例えば、尿道)に挿入され、イントロデューサがカテーテル部材の外面に沿って相対的に並進するときに、挿入の際の摩擦を最小限に抑えることができる。スリーブ及びカテーテル部材は、共に又は別個に抜去することができる。例えば、最初にカテーテル部材をスリーブから抜去し、次に抜去の際に引き起こされる不快感を軽減することができる。幾つかの実施形態では、イントロデューサは、追加又は代替的に、1ステップでの抜去のためカテーテル部材をクランプするクランプ部材を含むことができる。カテーテル組立体は、ユーザや投与者の衣服への溢流及び汚染を防ぐために非潤滑性とすることができる。本発明は、泌尿器系用途(例えば、間欠カテーテル、フォーリーカテーテル、内部デバイス、送達システム)、血管系用途(例えば、シース)、及び他の外科系用途を含む、多くの用途で使用することができる。本明細書で使用される用語「近位」及び「遠位」は、カテーテル組立体が挿入されている人、動物、物体、又は他の受容体に対する相対的な近接度によって定義される。カテーテル組立体は自己投与することができ、その結果、「近位」及び「遠位」という用語は、投与者及び受容体に対する近接度を意味することができるようになる。
【0010】
図1は、本発明の実施形態によるカテーテル組立体10の側面図を示し、図2は、カテーテル組立体10の分解図を示す。図示されているように、カテーテル組立体10は、イントロデューサ100及びカテーテル部材200を含むことができる。カテーテル部材200は、身体内腔に挿入する前にイントロデューサ100の内腔に挿入されるように構成することができる。図2に更に示されているように、イントロデューサ100は、ハンドル部材120と、キャップ部材140と、スリーブ160とを含むことができる。キャップ部材140は、ハンドル部材120の近位端部分に存在することができ、スリーブ160は、ハンドル部材120及び/又はキャップ部材140によって収容することができる。カテーテル部材200は、ハンドル部材220から近位方向に延びる管状部材210を含むことができる。ハンドル部材120、キャップ部材140、及び/又はスリーブ160は、全体として、管状部材210が身体内腔内に導入されるときに、管状部材210を受け入れるイントロデューサ100の内腔を定めることができる。
【0011】
図3は、イントロデューサ100の等角図を示し、図4~9は、イントロデューサ100の1又は2以上の構成要素を示す。図3~5に示されているように、キャップ部材140は、保管中にイントロデューサ100内のスリーブ160を覆う及び/又は保持するように構成された保持部材を有することができる。保持部材は、カテーテル部材200によって十分な近位押付け力が加えられたときに開放することができる。保持部材は、予め形成された半径方向スロット144によって分離され、近位開口部147を実質的に閉じる複数のフラップ142を含むことができる(図11Bに図示されるような)。フラップ142は、イントロデューサ100内でスリーブ160を十分にカバー及び/又は保持し、病原体が近位開口部147を通ってイントロデューサ100に侵入するのを防ぐために、弾性とすることができる。フラップ142は、カテーテル部材200が近位開口部147を通って近位側から出るときに近位方向に押されると、分離又は弾性撓みをすることができる。スロット144は、中実の管状壁セグメント145まで遠位方向に延びることができる。キャップ部材140は、キャップ部材140から近位方向に延びる細長い部分の形状の突出部146を形成することができる。突出部146は、身体内腔の開口部に挿入されて、イントロデューサ100を身体内腔に対して整列させて最初に保持することができる。突出部146は、フラップ142及び/又は中実の管状壁セグメント145によって形成された中空ドーム構造とすることができる。キャップ部材140は、突出部146の遠位にあるフランジ148を更に含むことができる。フランジ148は、身体内腔内へのイントロデューサの更なる挿入を防止するために、身体内腔の開口部の周囲の組織と係合するように構成された拡大された実質的に平坦な近位面150を有することができる。平坦な近位面150は、解剖学的構造に適合するように、角度付きの及び/又は凸状の側面151を有することができる。また、フランジ148は、角度付きの及び/又は凹状の遠位面152を有し、ユーザが突出部146に接触し、結果として身体内腔内に病原体が導入されるのを防ぐことができる。
【0012】
図5に更に示されているように、キャップ部材140は、ハンドル部材120、スリーブ160、及びカテーテル部材200を受け入れるために貫通して延びた内腔154を有することができる。内腔154は、ハンドル部材120の近位端部分の挿入及び保持を容易にするテーパ付き壁を有する遠位開口部156を含むことができる。内腔154はまた、ハンドル部材120の近位端部分を受け入れるように構成された拡大領域158を有することができる。拡大領域158は、ハンドル部材120を保持して係脱を防止するための締まり嵌め及び/又はスナップ嵌めを提供するために、遠位開口部156よりも幅広にすることができる。
【0013】
図6は、スリーブ160の断面図である。スリーブ160は、近位端部分162及び遠位端部分164を有することができ、スリーブ160の全体は、カテーテル部材200の挿入前にイントロデューサ100内に収容することができる。近位端部分162は、イントロデューサ100に固定することができ、遠位端部分164は、カテーテル部材200によってイントロデューサ100から身体内腔を通って近位側に押し進められるように構成することができる。このため、近位端部分162は、ハンドル部材120とキャップ部材140との間に挟まれることによってイントロデューサ100に固定された折り畳み部分166を有することができる。遠位端部分164は、カテーテル部材200の挿入前にイントロデューサ100内に解除可能に収容された圧縮部分168を有することができる。スリーブ160は、カテーテル部材200の近位端部分がスリーブ160の遠位端部分164を係合して押し進めるように収容することができる。圧縮部分168は、カテーテル部材200が近位開口部147から出て身体内腔を通過するときに広がって、カテーテル部材200を覆って外転することができる。圧縮部分168は、カテーテル部材200が身体内腔を進むときに、カテーテル部材200の近位端部分上に軟質近位先端を形成することができる。圧縮部分168は、貫通した内腔170を維持する均一な構成で圧縮及び/又は折り畳むことができ、従って、スリーブ160が完全に広げられることなく流体の通過を可能にすることができる。これにより、圧縮部分168は、身体内腔の全長にわたってカテーテル部材200上に軟質近位先端を形成することができる。
【0014】
図7は、ハンドル部材120の側面図を示し、図8は、イントロデューサ100の断面図を示し、図9は、カテーテル組立体10の断面図を示している。ハンドル部材120は、例えば、凹状面122及び/又は1又は2以上の円周方向の隆起部123によって形成される、ユーザによって把持されるように構成された凹状面及び/又はテクスチャ付きの表面を有することができる。ハンドル部材120は、キャップ部材140の内腔154に嵌合構成で受け入れられる近位端部分124を更に含むことができる。近位端部分124は、遠位開口部156を通って挿入されて、内腔154の拡大領域158にて保持されるように構成されたバーブ127を有する雄部材125を含むことができる。従って、スリーブ160の折り畳み部分166は、ハンドル部材120の雄部材125上に配置することができ、近位端部分162は、雄部材125のバーブ127とキャップ部材140との間に固定することができる。また、ハンドル部材120は、カテーテル部材200の挿入前にスリーブ160がイントロデューサ100内に収容されたときに、遠位端部分164と解除可能に係合するように構成された内側肩部126によって形成された保持部材を有することができる。ハンドル部材120は、スロット129によって分離された複数の長手方向ガイド部材128を含む遠位端部分を有することができる。イントロデューサ100の操作を容易にするために、ガイド部材128の少なくとも1つにフィンガーグリップ又はパッド130を配置することができる。
【0015】
図10は、カテーテル部材200の管状部材210を更に示している。幾つかの実施形態では、カテーテル組立体10は、(図1~2に示されているように)カテーテル部材200の遠位端部分上にハンドル部材220を有している。ハンドル部材220は、カテーテル部材200を流れる流体(例えば、尿)を収集するために取り付けられた内部漏斗及び/又はバッグを有することができる。幾つかの実施形態では、カテーテル部材200の近位端部分は開放されており、カテーテル部材200は、貫通する内腔を有している。カテーテル部材200は、泌尿器科用途(例えば、間欠的カテーテル、フォーリーカテーテル、内部デバイス、送達システム)、血管系用途(例えば、シース)、及び他の外科系用途で使用することができる。カテーテル組立体10は、外転スリーブ160によって提供される非摩擦挿入により可能となる非潤滑性とすることができる。非潤滑性の特徴は、ユーザ又は管理者の衣服の溢流又は汚染を防止する。
【0016】
図10に示されているように、管状部材210の近位端部分は、近位端部分を管状部材210の残りの部分よりも比較的可撓性にする側壁を通って延びるスロット又は孔230を含むことができる。スロット230は、少なくとも部分的に管状部材210の周囲に延びることができる。例えば、図10に示されているように、スロット230は、対をなして円周方向に延びて、管状部材210の近位端部分に沿って変化することができる。従って、スロット230は、管状部材210の近位端部分の長さに沿って、対をなして円周方向に交互することができる。スロット230の密度は、追加的又は代替的に、管状部材210の近位端部分に沿って近位方向に増加し、管状部材210の第1の長さ232が第1の長さ232の遠位にある第2の長さ234よりも大きなスロット230の密度を有するようにすることができる。また、第2の長さ234は、第2の長さ234の遠位にある管状部材210の第3の長さ236よりも大きなスロット230の密度を有することができる。スロット230の近位方向に増加する密度により、管状部材210の近位先端でより可撓性が提供されて、特に移動経路が湾曲又は蛇行している場合に尿道を介した挿入をより容易にすることができる。使用時には、スロット230が流体の通過に影響を与えないように、スロット230はスリーブ160によって覆われることになる。管状部材210は、スリーブ160に係合するためのテーパ付き及び/又は丸みを帯びた近位先端部240を更に含むことができる。幾つかの実施形態では、スリーブ160は、カテーテル部材200に固定されず(例えば、解除可能に係合するのみ)、スリーブ160とカテーテル部材200が別々に内腔に挿入及び/又は抜去できるようになっている。
【0017】
図11A~Dは、尿道(U)などの身体内腔にカテーテル組立体10を挿入する方法を示している。図11Aに示すように、イントロデューサ100は、イントロデューサ補助として機能を果たし、カテーテル部材200の案内、尿道口(UM)などの身体内腔の周囲の組織の位置決め/係合を容易にすることができる。スリーブ160全体を収容したイントロデューサ100は、尿道口(UM)に接して配置することができる。スリーブ160は、ハンドル部材120の内側肩部126とキャップ部材140の閉じたフラップ142との間でイントロデューサ100内に保持することができる。突出部146は、イントロデューサ100の内腔を尿道(U)と位置合わせするために、最初に尿道口(UM)に挿入することができる。キャップ部材140の近位面150及び/又は側面151は、それ以上の挿入を防ぐために尿道口(UM)と係合することができる。
【0018】
図11Bに図示されているように、管状部材210の近位端部分は、イントロデューサ100の遠位開口部に挿入することができる。長手方向のガイド部材128は、イントロデューサ100の内腔を通って管状部材210を案内することができる。図9に更に示されているように、管状部材210の近位端部分は、スリーブ160の遠位端部分に係合することができる。管状部材210の近位端部分は、スリーブ160の遠位端部分164をイントロデューサ100の内側肩部126から持ち上げることができる。管状部材210及びスリーブ160は、フラップ142を通ってキャップ部材140の近位開口部147から出ることができる。管状部材210が近位方向に並進すると、圧縮部分168が近位方向から遠位方向に向かって徐々に広がり、管状部材210を覆って外転する。スリーブ160の外転は、尿道口(UM)の初期位置から尿道(U)を通って近位方向に向かう病原体の伝達を防止し、更に内側上皮層の摩擦刺激を防止する。圧縮部分168の遠位端部は、管状部材210の近位先端部(断面の切り欠きで示される)上に圧縮構成を維持することができ、カテーテル組立体10の軟質近位先端部を生成し、尿道(U)の敏感な内側上皮内層への損傷を更に低減することができる。圧縮構成であっても、圧縮部分168は内腔170を維持することができ、流体の通過を可能にするために圧縮部分168を広げる必要がないようにする。
【0019】
図11Cに示されているように、カテーテル部材200及びスリーブ160の近位端部分は、膀胱(B)に到達することができる。尿は、ハンドル部材220の漏斗を介してカテーテル部材200の内腔を通過し、トイレに入るか、又はカテーテル部材200の遠位端部分に取り付けられたオプションのバッグに入ることができる。尿が排泄された後、カテーテル部材200は、スリーブ160の前に抜去することができる。スリーブ160は、カテーテル部材200の後に取り外されてもよいが、スリーブ160の柔軟さに起因して快適性が低下する。しかしながら、幾つかの実施形態では、スリーブ160は、ワンステップの抜去プロセスでカテーテル部材200と共に抜去することができる。
【0020】
図12A-Cは、第2の実施形態によるカテーテル組立体のイントロデューサ300の図を示す。イントロデューサ300は、イントロデューサ100と同様のハンドル部材320及びキャップ部材340を含む。イントロデューサ300は、イントロデューサ100に関して上述したのと同様の方法(図示せず)でスリーブを保持することができる。ハンドル部材120、320、キャップ部材140、340、及びスリーブ160に関する上記の議論は、簡潔にするために引用によりここに組み込まれる。しかしながら、イントロデューサ300は、カテーテル組立体をワンステップで抜去するように構成することができる。例えば、ハンドル部材320は、ハンドル部材320の両側面にクランプ部材380を含むことができる。クランプ部材380は、イントロデューサ300の内腔に押し込まれ及び/又は偏向されて、身体内腔に挿入されたときにカテーテル部材200の管状部材210をクランプするように構成することができる。これにより、カテーテル部材200をイントロデューサ300と共にワンステッププロセスで抜去することが可能となる。クランプ部材380は、U字型スロット382を定める片持ち梁構成でハンドル部材320に取り付けることができる。クランプ部材380は各々、ユーザによる押圧を容易にするための突出部384を含むことができる。また、イントロデューサ300は、クランプ部材380に対して円周方向に横断するハンドル部材320の外面にフィンガーグリップ又はパッド330を含むことができる。フィンガーグリップ又はパッド330は、身体内腔の開口部へのイントロデューサ300の乱れのない挿入を可能にすることができる。
【0021】
本発明の多くの特徴及び利点は、詳細な説明から明らかであり、従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神及び範囲内にあるこのような本発明の特徴及び利点を全て包含するものとする。更に、数多くの変更形態及び変形形態が当業者には容易に想起されることになるので、本発明を図示し説明した正確な構造及び動作に限定することは望ましくなく、従って、全ての適切な変更形態及び等価物は、本発明に用いることができ、本発明の範囲内にある。
【符号の説明】
【0022】
10 カテーテル組立体
100 イントロデューサ
200 カテーテル部材
210 管状部材
220 ハンドル部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図12C