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特許7348972レーンコントロール方法、プログラム、および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】レーンコントロール方法、プログラム、および装置
(51)【国際特許分類】
   F17C 5/02 20060101AFI20230913BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
F17C5/02 Z
B65G61/00 520
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022007865
(22)【出願日】2022-01-21
(65)【公開番号】P2023106880
(43)【公開日】2023-08-02
【審査請求日】2022-01-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載年月日:令和3年3月16日 掲載アドレス:https://ssl4.eir-parts.net/doc/8174/announcement15/67297/00.pdf 発行日年月日:令和3年3月16日 発行者名:日本瓦斯株式会社 刊行物名:「DXを実装した無人オペレーションで他社へのLPガスプラットフォームを提供する 託送の共創環境 夢の絆 川崎」,p.9 掲載年月日:令和3年3月16日 掲載アドレス:https://www.atpress.ne.jp/news/250790 掲載年月日:令和3年4月9日 掲載アドレス:https://energy-forum.co.jp/online-content/4600/ 掲載年月日:令和3年3月16日 掲載アドレス:https://www.logi-today.com/425189 会見年月日:令和3年3月16日 会見場所:日本瓦斯株式会社本社(東京都渋谷区代々木4丁目31番地8号)
(73)【特許権者】
【識別番号】595058808
【氏名又は名称】日本瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 眞治
【審査官】永田 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-038198(JP,A)
【文献】特開2003-095424(JP,A)
【文献】実開平07-013831(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 5/02
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の充てん機、搬出場所、カメラ、および分岐ユニットを有する充てん所において、複数の容器の運搬を制御するためのコンピュータに実装される方法であって、
第1のカメラによって読み取られた第1の容器のデータを受信するステップと、
受信した前記第1の容器のデータに基づいて前記第1の容器を識別するステップと、
識別された前記第1の容器に対して、第1の充てん機および第1の搬出場所を決定するステップと、
決定された前記第1の充てん機および前記第1の搬出場所と前記第1の容器との対応関係を示す第1のデータを作成し保持するステップと、
前記第1のカメラによって読み取られた第2の容器のデータを受信するステップと、
受信した前記第2の容器のデータに基づいて前記第2の容器を識別するステップと、
識別された前記第2の容器に対して、第2の充てん機および第2の搬出場所を決定するステップと、
決定された前記第2の充てん機および前記第2の搬出場所と前記第2の容器との対応関係を示す第2のデータを作成し保持するステップと、
前記第1の容器のデータが第2のカメラによって読み取られると、前記第1の充てん機または前記第1の搬出場所が使用可能であるかどうかを判定するステップと、
前記第1の充てん機または前記第1の搬出場所が使用可能ではないと判定される場合、前記第2の充てん機および前記第2の搬出場所が使用可能であるかどうかを判定して、前記第2の充てん機および前記第2の搬出場所が使用可能である場合に、保持された前記第1のデータにおいて前記第1の充てん機および前記第1の搬出場所と前記第1の容器との対応関係を前記第2の充てん機および前記第2の搬出場所と前記第1の容器との対応関係に変更し、保持された前記第2のデータにおいて前記第2の充てん機および前記第2の搬出場所と前記第2の容器との対応関係を前記第1の充てん機および前記第1の搬出場所と前記第2の容器との対応関係に変更して、前記第1の容器に対して前記第2の充てん機および前記第2の搬出場所を使用するためのデータを分岐ユニットに送信するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記充てん所は、物理センサをさらに有し、前記第1の充てん機または前記第1の搬出場所が使用可能であるかどうかを判定するステップは、前記物理センサから受信されるデータに基づいて前記第1の充てん機または前記第1の搬出場所が使用可能であるかどうかを判定するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の容器に対して前記第2の充てん機および前記第2の搬出場所を使用するためのデータを分岐ユニットに送信するステップは、前記第2の容器に対して前記第1の充てん機および前記第1の搬出場所を使用するためのデータを保持するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
受信した前記第1の容器のデータに基づいて前記第1の容器を識別するステップは、前記第1の容器が検査対象の容器であるかどうかを決定するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記充てん所は、容器の検査所をさらに有し、前記第1の容器が検査対象の容器であるかどうかを決定するステップは、前記第1の容器が検査対象の容器である場合、前記第1の容器に対して前記検査所を使用するためのデータを分岐ユニットに送信するステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
請求項1、2、3、4、または5のいずれか一項に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項7】
複数の充てん機、搬出場所、カメラ、および分岐ユニットを有する充てん所において、複数の容器の運搬を制御する装置であって、
第1のカメラによって読み取られた第1の容器のデータを受信する手段と、
受信した前記第1の容器のデータに基づいて前記第1の容器を識別する手段と、
識別された前記第1の容器に対して、第1の充てん機および第1の搬出場所を決定する手段と、
決定された前記第1の充てん機および前記第1の搬出場所と前記第1の容器との対応関係を示す第1のデータを作成し保持する手段と、
前記第1のカメラによって読み取られた第2の容器のデータを受信する手段と、
受信した前記第2の容器のデータに基づいて前記第2の容器を識別する手段と、
識別された前記第2の容器に対して、第2の充てん機および第2の搬出場所を決定する手段と、
決定された前記第2の充てん機および前記第2の搬出場所と前記第2の容器との対応関係を示す第2のデータを作成し保持する手段と、
前記第1の容器のデータが第2のカメラによって読み取られると、前記第1の充てん機または前記第1の搬出場所が使用可能であるかどうかを判定する手段と、
前記第1の充てん機または前記第1の搬出場所が使用可能ではないと判定される場合、前記第2の充てん機および前記第2の搬出場所が使用可能であるかどうかを判定して、前記第2の充てん機および前記第2の搬出場所が使用可能である場合に、保持された前記第1のデータにおいて前記第1の充てん機および前記第1の搬出場所と前記第1の容器との対応関係を前記第2の充てん機および前記第2の搬出場所と前記第1の容器との対応関係に変更し、保持された前記第2のデータにおいて前記第2の充てん機および前記第2の搬出場所と前記第2の容器との対応関係を前記第1の充てん機および前記第1の搬出場所と前記第2の容器との対応関係に変更して、前記第1の容器に対して前記第2の充てん機および前記第2の搬出場所を使用するためのデータを分岐ユニットに送信する手段と
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項8】
前記充てん所は、物理センサをさらに有し、前記第1の充てん機または前記第1の搬出場所が使用可能であるかどうかを判定する手段は、前記物理センサから受信されるデータに基づいて前記第1の充てん機または前記第1の搬出場所が使用可能であるかどうかを判定する手段を含むことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の容器に対して前記第2の充てん機および前記第2の搬出場所を使用するためのデータを分岐ユニットに送信する手段は、前記第2の容器に対して前記第1の充てん機および前記第1の搬出場所を使用するためのデータを保持する手段を含むことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
受信した前記第1の容器のデータに基づいて前記第1の容器を識別する手段は、前記第1の容器が検査対象の容器であるかどうかを決定する手段を含むことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記充てん所は、容器の検査所をさらに有し、前記第1の容器が検査対象の容器であるかどうかを決定する手段は、前記第1の容器が検査対象の容器である場合、前記第1の容器に対して前記検査所を使用するためのデータを分岐ユニットに送信する手段を含むことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーンコントロール方法、プログラム、および装置に関し、より詳細には、LP(液化石油)ガスの容器(ボンベ)の充てん所において容器を運搬するためのレーンコントロール方法、プログラム、および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LPガスは、例えば、タンカーによって産ガス国から港に運ばれて輸入される。輸入されたLPガスは、LPガスを保管する、沿岸部にある輸入基地、内陸部にある中継基地などに保管される。さらに、保管されたLPガスは、例えば、タンクローリーによって、各地のLPガス充てん所に輸送される。輸送されたLPガスは、LPガス充てん所において容器に充てんされる。
【0003】
LPガスが充てんされた容器は、例えば、トラクターが牽引するトレーラーによって、LPガス充てん所から容器の保管庫に運ばれる。運ばれた容器は、トレーラーから保管庫に降ろされまたはトレーラーを保管庫として用いて、一時的に保管庫に保管される。例えば、顧客の家庭において容器の交換が必要になると、保管された容器は、保管庫から各家庭などに運ぶ配送用トラックに積まれて、配送用トラックによって顧客の家庭に届けられる。
【0004】
交換後に回収される容器は、例えば、配送用トラックによって顧客の家庭から容器の保管庫に運ばれる。保管庫に運ばれた容器は、配送用トラックから保管庫に降ろされて、一時的に保管される。保管された容器のうち、充てん期限が切れていない容器は、例えば、トラクターが牽引するトレーラーに積まれて、トレーラーによって保管庫からLPガス充てん所に運ばれる。用語「充てん期限」は、法令に基づく次回の再検査を受けないでLPガスを充てんすることができる期限を示す。LPガス充てん所に運ばれた容器は、LPガスが充てんされる。
【0005】
保管された容器のうち充てん期限が切れている容器は、例えば、容器回収専用トラックに積まれて、容器回収専用トラックによって保管庫から容器の検査所に運ばれる。検査所に運ばれた容器は、次の充てんに向けた検査が行われる。検査に合格した容器は、LPガス充てん所に運ばれて次の充てんが行われる。
【0006】
LPガスの容器を運搬する装置については、残ガス回収、検査、ガス充てんなどの作業を行う各種装置の容器入口、容器出口に連設する搬入路、搬出路と、容器入荷口、出荷口とを連絡する、配送車に対する容器の積み降ろし作業を自動的に行うガス容器搬送装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平09-178092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、充てん所において、容器の搬入場所から、容器の各々に対して割り当てられた充てん機の設置場所を通り、容器の各々に対して割り当てられた容器の搬出場所まで、大量の容器を迅速に運搬することができないという問題があった。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、カメラおよび分岐ユニットを使用することにより、大量の容器を迅速に運搬するためのレーンコントロール方法、プログラム、および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するために、本発明の一態様は、複数の充てん機、搬出場所、カメラ、および分岐ユニットを有する充てん所において、複数の容器の運搬を制御するためのコンピュータに実装される方法であって、第1のカメラによって読み取られた第1の容器のデータを受信するステップと、受信した第1の容器のデータに基づいて第1の容器を識別するステップと、識別された第1の容器に対して、第1の充てん機および第1の搬出場所を決定するステップと、第1のカメラによって読み取られた第2の容器のデータを受信するステップと、受信した第2の容器のデータに基づいて第2の容器を識別するステップと、識別された第2の容器に対して、第2の充てん機および第2の搬出場所を決定するステップと、第1の容器のデータが第2のカメラによって読み取られると、第1の充てん機または第1の搬出場所が使用可能であるかどうかを判定するステップと、第1の充てん機または第1の搬出場所が使用可能ではないと判定される場合、第2の充てん機および第2の搬出場所が使用可能であるかどうかを判定して、第2の充てん機および第2の搬出場所が使用可能である場合に、第1の容器に対して第2の充てん機および第2の搬出場所を使用するためのデータを分岐ユニットに送信するステップと、を備える。
【0011】
本発明の別の態様は、複数の充てん機、搬出場所、カメラ、および分岐ユニットを有する充てん所において、複数の容器の運搬を制御する装置であって、第1のカメラによって読み取られた第1の容器のデータを受信する手段と、受信した第1の容器のデータに基づいて第1の容器を識別する手段と、識別された第1の容器に対して、第1の充てん機および第1の搬出場所を決定する手段と、第1のカメラによって読み取られた第2の容器のデータを受信する手段と、受信した第2の容器のデータに基づいて第2の容器を識別する手段と、識別された第2の容器に対して、第2の充てん機および第2の搬出場所を決定する手段と、第1の容器のデータが第2のカメラによって読み取られると、第1の充てん機または第1の搬出場所が使用可能であるかどうかを判定する手段と、第1の充てん機または第1の搬出場所が使用可能ではないと判定される場合、第2の充てん機および第2の搬出場所が使用可能であるかどうかを判定して、第2の充てん機および第2の搬出場所が使用可能である場合に、第1の容器に対して第2の充てん機および第2の搬出場所を使用するためのデータを分岐ユニットに送信する手段と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、大量の容器を搬入場所から搬出場所まで迅速に運搬しながらLPガスを大量の容器に充てんすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一態様に係る充てんシステムを例示する上面図である。
図2】本発明の一態様に係るレーンコントロール装置を示す構成図である。
図3】本発明の一態様に係るレーンコントロール装置の機能ブロック図である。
図4】本発明の一態様に係る第1のレーンコントロール方法を示すフローチャートである。
図5】本発明の一態様に係る第2のレーンコントロール方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の態様について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一態様に係る充てんシステムを例示する上面図である。LPガスを容器に充てんするための充てんシステムは、容器を識別するための一次元コードが貼られた容器105を連続的に運搬する自動装置であるコンベヤー10101~10109,10111~10115と、運搬されている容器105を予め決定された進行方向に合わせる分岐ユニット1021~1024と、容器105を認識し容器105に貼られた一次元コードを読み取るカメラ1031~1034と、容器にLPガスを充てんする充てん機1041~1043とを含む。
【0016】
容器105は、充てん期限が切れていない容器(ボンベ)であり、例えば、容器105に充てんされていたLPガスが顧客の家庭などにおいて使用された後など、LPガスの充てんが必要である容器である。容器105に貼られた一次元コードは、図示されていないが、例えば、バーコードなどであってもよい。さらに、一次元コードの代わりに、例えば、QRコード(登録商標)などを含む二次元コードなど、容器を一意的に識別できるデータをカメラ1031~1034が読み取ることができるようなものであれば何でもよい。なお、図1に記載された容器105は、説明の目的のために、上面図ではなく側面図のようになっている。
【0017】
本明細書の説明において、コンベヤー10101~10109によって、大量の容器が運搬されることを仮定する。しかしながら、図1に記載される容器は、簡略にする目的のために、容器105の1つのみである。また、本明細書の説明において、充てん所に搬入される容器は、充てん期限が切れている容器を含むことがあることを仮定する。
【0018】
カメラ1031~1034は、例えば、バーコードリーダー、スキャナーなどを含む、容器105に貼られた一次元コードを読み取ることができるものであれば何でもよい。一態様にて、カメラ1031~1034は、コンベヤーの上面から5メートル上に離れた位置に設置される。
【0019】
分岐ユニット1021~1024は、コンベヤー10101~10109,10111~10115によって運搬されている容器105の進行方向を維持したり変更したりすることができる機械であれば何でもよい。本明細書にて使用される用語「分岐ユニット」は、「自動分岐ガイド」と呼ばれることがある。
【0020】
図3、4を参照して後述するが、分岐ユニット1021、1022はカメラ1031と、分岐ユニット1023はカメラ1032と、および分岐ユニット1024はカメラ1034と協働して動作する。
【0021】
コンベヤー10101~10109,10111~10115は、例えば、ベルトコンベヤー、ローラーコンベヤーなど、容器105を安全に自動的に連続運搬する機械装置であれば何でもよい。コンベヤー10101~10109,10111~10115は、1つの向きだけではなく反対の向きにも容器105を運搬することができる。本明細書にて使用される用語「レーン」は、容器を連続的に運搬する自動装置であるコンベヤーによって構成されている装置を示すが、本明細書にて、用語「レーン」と用語「コンベヤー」とを交換可能に使用することがある。レーンの上にある容器105を検知する、例えば、視覚の役割を果たす物理センサなどを、一定の間隔、例えば、20~40cm程度などにおいて取り付けることができる。以後、本明細書にて、レーンに物理センサを取り付けた一態様を説明する。しかしながら、物理センサを使用せずに、一次元コードを読み取るカメラを使用することによって、個々のレーンにおいて一定の間隔ごとに容器を検知するように充てんシステムを構成してもよいことはいうまでもない。
【0022】
コンベヤー10101は、容器105を搬入する場所から続いているが、簡略にする目的のために、図1おいて破断線を用いて省略されている。コンベヤー10107が設置されている場所は、容器105を搬出する場所である。コンベヤー10109は、容器105を搬出する場所が他の容器の使用によって使用できない場合に、一時的に保管される場所まで続いているが、簡略にする目的のために、図1おいて破断線を用いて省略されている。
【0023】
充てん機1041~1043は、各々、1つまたは複数の容器にLPガスを充てんしながら、コンベヤーの速度に合わせて時計回りに回転している。充てん機1041~1043は、例えば、14連全自動回転充てん機など、容器にLPガスを連続的に充てんする自動装置であれば何でもよい。
【0024】
図1に記載されている矢印は、容器105が移動することができる向きを表す。図1に記載されている矢印は、例えば、容器105が、コンベヤー10101によって図1に向かって上から下へ移動する向き、分岐ユニット1021によって容器105の進行方向が変わって、コンベヤー10102によって図1に向かって左から右へ移動する向き、分岐ユニット1022によって容器105の進行方向が変わって、コンベヤー10103によって図1に向かって下から上へ移動する向き、分岐ユニット1023によって容器105の進行方向が変わって、コンベヤー10104によって図1に向かって、左から右へ、下から上へ、充てん機1042を中心に時計回りにほぼ一周して上から下へ移動する向き、次にコンベヤー10105によって左から右へ移動する向きを表す。そして、図1において、簡略にする目的のために、矢印の記載は省略されているが、本明細書にて、容器105は、コンベヤー10106によって下から上へ移動し、容器105の進行方向が変わり、分岐ユニット1024によってコンベヤー10107によって図1に向かって左から右へ移動する場合をおもに説明する。この場合、容器105は、充てん機1042によってLPガスを充てんされ、さらにコンベヤー10107が設置されている場所から搬出されることになる。
【0025】
同様にして、充てん機1041の周辺にある矢印は、分岐ユニット1022によって容器の進行方向が変わらず、コンベヤー10102によって図1に向かって左から右へ容器が移動する場合を表す。この場合、容器は、充てん機1041によってLPガスを充てんされることになる。
【0026】
同様にして、充てん機1043の周辺にある矢印は、分岐ユニット1023によって容器の進行方向が変わらず、コンベヤー10103によって図1に向かって下から上へ容器が移動する場合を表す。この場合、容器は、充てん機1043によってLPガスを充てんされることになる。
【0027】
充てん機1041~1043のすぐ上に記載された矢印は、各々、充てん機1041~1043の回転方向を表す。
【0028】
コンベヤー10111は、カメラ1031によって読み取られたデータにより識別された充てん期限が切れている容器を、図1に向かって左から右へ移動させるのに使用される。コンベヤー10112は、充てん期限が切れている容器を、図1に向かって上から下へ移動させ、容器を検査する検査所まで移動させる。コンベヤー10112は、検査所まで続いているが、簡略にする目的のために、図1おいて破断線を用いて省略されている。
【0029】
コンベヤー10113は、検査所において検査され、検査に合格した容器を検査所から、図1に向かって下から上へ移動させる。コンベヤー10113は、検査所から続いているが、簡略にする目的のために、図1おいて破断線を用いて省略されている。コンベヤー10114は、検査に合格した容器を図1に向かって右から左に移動させる。コンベヤー10115は、コンベヤー10114によって移動された容器をコンベヤー10102に移動させる。この場合、検査に合格した容器は、充てん機1041によってLPガスを充てんされることになる。
【0030】
図1に記載された充てんシステムのコンベヤーと、分岐ユニットと、カメラと、充てん機と、容器をトレーラーから荷下ろしする搬入場所と、容器をトレーラーに積載する搬出場所と、検査所とは、例示の目的のためだけであり、必要に応じて、コンベヤー、分岐ユニット、カメラ、充てん機、搬入場所、搬出場所、および検査所の数をいくつにでも変えることが可能である。本明細書にて使用される用語「搬出場所」は、ストックヤードと呼ばれることがある。
【0031】
当業者であれば、簡略にする目的のために符号が省略されたコンベヤー、分岐ユニット、およびカメラを識別することが可能であり、それらの機能等も上述したことから十分に理解することができるだろう。
【0032】
図2は、本発明の一態様に係るレーンコントロール装置を示す構成図である。レーンコントロール装置200は、レーンコントロール方法に関する演算などを行う中央処理装置201と、カメラから信号を受信するコード読取りインターフェース202と、物理センサから信号を受信する物理センサインターフェース203と、分岐ユニットへ信号を送信する分岐ユニットインターフェース204と、例えば、LANなどのコンピュータネットワークに接続するネットワークインターフェース205と、レーンコントロール方法のプログラムまたはデータなどを中央処理装置201が読み書きする主記憶装置206と、レーンコントロール方法のプログラムまたはデータなどを永続的に格納する二次記憶装置207と、例えば、入出力装置に接続する周辺機器インターフェース208とが、バス209を介して相互に接続されている。
【0033】
中央処理装置201は、二次記憶装置207に格納されたレーンコントロール方法のプログラムおよびデータを主記憶装置206に読み出す。中央処理装置201は、読み出したプログラムおよびデータを用いて、コード読取りインターフェース202および物理センサインターフェース203から、それぞれ、一次元コードを含むデータと容器の有無を示すデータとを受信し、受信した各データに図4、5を参照して後述する処理をして、出力データを分岐ユニットインターフェース204へ送信する。
【0034】
レーンコントロール方法の演算は、1つの中央処理装置により行われるが、代替えとして、マルチCPUにより行ってもよい。さらに別の態様において、例えば、サーバなどのレーンコントロール装置200とは異なる別のコンピューティングシステムを使用して、中央処理装置201が行う処理の一部またはすべてを、ネットワークインターフェース205を介して、別のコンピューティングシステムの中央処理装置が行ってもよい。
【0035】
コード読取りインターフェース202は、カメラによって読み取られた一次元コードを含むデータをカメラから受信し、受信したデータを中央処理装置201に送信するまたは中央処理装置201が読み取れるように主記憶装置206の所定の領域に書き込む。
【0036】
物理センサインターフェース203は、容器の有無を示すデータを物理センサから受信し、受信したデータを中央処理装置201に送信するまたは中央処理装置201が読み取れるように主記憶装置206の所定の領域に書き込む。
【0037】
分岐ユニットインターフェース204は、図4、5を参照して後述する処理により生成された出力データを中央処理装置201から受信しまたは中央処理装置201が書き込んだ主記憶装置206の所定の領域から読み取り、出力データを分岐ユニットに送信する。
【0038】
主記憶装置206は、中央処理装置201の制御下で、レーンコントロール方法の処理をするのに必要なプログラムおよびデータなどを二次記憶装置207から読み込み、読み込んだプログラムおよびデータなどを読み書きする。主記憶装置206は、例えば、RAM(Random Access Memory)、DRAM(Dynamic RAM)、SDRAM(Synchronous DRAM)などのような記憶装置である。
【0039】
二次記憶装置207は、レーンコントロール方法の処理をするのに必要なプログラムおよびデータなどを永続的に格納する。格納されたプログラムおよびデータなどは、主記憶装置206の制御下で、主記憶装置206へ読み出される(ロードされる)。二次記憶装置207は、例えば、磁気ディスク、フラッシュメモリ、光学ディスクなどのような記憶装置である。
【0040】
二次記憶装置207に格納されるデータは、例えば、個々の容器に対して、容器の識別子、一次元コード、および充てん期限などを示すデータを含むことができる。さらに、二次記憶装置207に格納されるデータは、個々のレーンを識別するデータと、個々の分岐ユニットを識別するデータと、個々のカメラを識別するデータと、個々の充てん機を識別するデータと、個々の搬出場所を識別するデータとを含むことができる。二次記憶装置207に格納されるデータは、個々の物理センサに対して、物理センサを識別するデータと、物理センサが取り付けられているレーンとの対応関係を示すデータとを含むことができる。二次記憶装置207に格納されるデータは、個々の充てん機に対して、搬入場所から充てん機まで容器を運搬することが可能なレーンとの対応関係を示すデータと、充てん機から搬出場所まで容器を運搬することが可能なレーンとの対応関係を示すデータとを含むことができる。本明細書にて、個々の充てん機に対して、複数の搬入場所、または複数の搬出場所を対応させることができる場合を含む。二次記憶装置207に格納されるデータは、搬入場所から検査所まで容器を運搬することが可能なレーンを識別するデータを含むことができる。二次記憶装置207に格納されるデータは、分岐ユニットと、分岐ユニットによって容器の進行方向を向けられることが可能なレーンとの対応関係を示すデータを含むことができる。二次記憶装置207に格納されるデータは、分岐ユニットと、分岐ユニットと協働するカメラとの対応関係を示すデータ、およびレーンとレーンの上方に設置されているカメラとの対応関係を示すデータを含むことができる。
【0041】
図3は、本発明の一態様に係るレーンコントロール装置の機能ブロック図である。中央処理装置201は、コード読取りインターフェース202および物理センサインターフェース203からデータを受信する入力データ受信部301と、容器に対して充てん機、搬出場所、または検査所を予約する予約処理部302と、容器を実際に移動させる充てん機の設置場所および搬出場所を決定する最終決定処理部303と、図4、5を参照して後述する処理により生成された出力データを分岐ユニットインターフェース204に送信する出力データ送信部304とを含むことができる。
【0042】
このような構成により、充てん所において、大量の容器を迅速に運搬することが可能になる。
【0043】
図4は、本発明の一態様に係る第1のレーンコントロール方法を示すフローチャートである。第1のレーンコントロール方法の処理が開始されると、レーンによって容器の運搬が始まり、充てん所の入り口に設置されたカメラによって、容器に貼られた一次元コードが読み取られる。次に、処理は、ステップS401に進む。なお、上記の充てん所の入り口に設置されたカメラは、簡略にする目的のために、図1に図示されていない。
【0044】
ステップS401において、読み取られた一次元コードを含むデータを、コード読取りインターフェース202を介してカメラから中央処理装置201(入力データ受信部301)が受信する。次に、処理は、ステップS402に進む。
【0045】
ステップS402において、読み取られた一次元コードから個々の容器を中央処理装置201(入力データ受信部301)が識別する。さらに、識別された容器は、充てん対象の容器であるか、検査対象の容器であるかどうかを中央処理装置201(入力データ受信部301)が決定する。具体的には、例えば、二次記憶装置207から主記憶装置206に読み出された一次元コードのデータを中央処理装置201(入力データ受信部301)が検索して、読み取られた一次元コードに対応する容器の充てん期限を示すデータを中央処理装置201(入力データ受信部301)が読み出す。読み出された容器の充てん期限が期限前であるならば、識別された容器は充てん対象の容器であると、そうでなければ、識別された容器は検査対象の容器であると、中央処理装置201(入力データ受信部301)が決定することができる。次に、処理は、ステップS403に進む。
【0046】
ステップS403において、ステップS402にて決定された充てん対象の容器に対して、充てん機および搬出場所を中央処理装置201(予約処理部302)が予約する。具体的には、例えば、充てん対象の容器の各々に対して、充てん機を対応させた対応関係を示すデータと、搬出場所を対応させた対応関係を示すデータとを中央処理装置201(予約処理部302)が作成して、作成したデータを主記憶装置206に保持することができる。ステップS403において、例えば、容器105に対して、充てん機1042と、搬出場所としてコンベヤー10107が設置されている搬出場所とを予約することができる。
【0047】
さらに、それぞれの対応関係を示すデータに基づいて、二次記憶装置207から主記憶装置206に読み出されたデータを用いて、搬入場所から充てん機まで容器を運搬させるレーンと、充てん機から搬出場所まで容器を運搬させるレーンとを中央処理装置201(予約処理部302)が決定して、決定したデータを主記憶装置206に保持することができる。一態様にて、例えば、物理センサインターフェース203から受信されるデータに基づいて、容器によるレーンの混雑具合を中央処理装置201(予約処理部302)が判定して、容器を運搬させるレーンを中央処理装置201(予約処理部302)が決定することができる。一態様にて、例えば、コード読取りインターフェース202から受信されるデータに基づいて、容器によるレーンの混雑具合を中央処理装置201(予約処理部302)が画像認識により判定して、容器を運搬させるレーンを中央処理装置201(予約処理部302)が決定することができる。一態様にて、例えば、充てん対象の容器の各々に充てん機を対応させた対応関係を示す現時点までのデータに基づいて、容器によるレーンの混雑具合を中央処理装置201(予約処理部302)が判定して、容器を運搬させるレーンを中央処理装置201(予約処理部302)が決定することができる。容器は、決定されたレーンによって搬入場所から運搬され、次に、処理は、ステップS404に進む。
【0048】
ステップS403において、ステップS402にて決定された検査対象の容器に対して、搬入場所から検査所まで容器を運搬させるレーンを中央処理装置201(予約処理部302)が予約する。具体的には、例えば、検査対象の容器に対して、搬入場所から検査所まで容器を運搬させるレーンを中央処理装置201(予約処理部302)が決定して、決定したデータを主記憶装置206に保持することができる。一態様にて、例えば、物理センサインターフェース203から受信されるデータに基づいて、容器によるレーンの混雑具合を中央処理装置201(予約処理部302)が判定して、容器を運搬させるレーンを中央処理装置201(予約処理部302)が決定することができる。一態様にて、例えば、コード読取りインターフェース202から受信されるデータに基づいて、容器によるレーンの混雑具合を中央処理装置201(予約処理部302)が画像認識し判定して、容器を運搬させるレーンを中央処理装置201(予約処理部302)が決定することができる。一態様にて、例えば、検査対象の容器の各々に決定されたレーンを示す現時点までのデータに基づいて、容器によるレーンの混雑具合を中央処理装置201(予約処理部302)が判定して、容器を運搬させるレーンを中央処理装置201(予約処理部302)が決定することができる。容器は、決定されたレーンによって搬入場所から運搬され、次に、処理は、ステップS404に進む。
【0049】
ステップS404において、ステップS403にて決定されたレーンによって運搬されている容器が次のカメラによって認識されると、容器を運搬させる次のレーンに関するデータを分岐ユニットに中央処理装置201(出力データ送信部304)が送信する。具体的には、ステップS403にて決定されたレーン(例えば、コンベヤー10101)によって運搬されている容器に貼られた一次元コードが次のカメラ(例えば、カメラ1031)によって読み取られると、容器を運搬させる次のレーンとして、レーンとレーンの上方に設置されているカメラとの対応関係を示すデータに基づいて、ステップS403にて決定されたレーンから、カメラ(例えば、カメラ1031)と対応関係にあるレーン(例えば、コンベヤー10102)を中央処理装置201(出力データ送信部304)が識別する。分岐ユニットと、分岐ユニットと協働するカメラとの対応関係を示すデータに基づいて、カメラ(例えば、カメラ1031)と対応関係にある分岐ユニット(例えば、分岐ユニット1021)に、分岐ユニットインターフェース204を介して、識別されたレーン(例えば、コンベヤー10102)を示すデータを次のレーンとして中央処理装置201(出力データ送信部304)が送信する。ステップS404の処理は、充てん所の入り口に設置されたカメラ以外のカメラ(例えば、カメラ1031~1034)が容器を認識するたびに実行されることが可能である。
【0050】
識別されたレーンを示すデータを受信した分岐ユニットは、受信したデータが示すレーンに容器の進行方向を合わせるように動作して、第1のレーンコントロール方法の処理が終了する。第1のレーンコントロール方法の処理は、充てん所に搬入されるすべての容器に対して繰り返し実行されることになる。
【0051】
このような処理により、充てん所において、大量の容器を迅速に運搬することが可能になる。
【0052】
図5は、本発明の一態様に係る第2のレーンコントロール方法を示すフローチャートである。第2のレーンコントロール方法の処理は、図4を参照して説明したステップS404の処理を代替すること可能である処理である。第2のレーンコントロール方法の処理は、図4を参照して説明したステップS401からステップS403までの処理が終了して、ステップS403にて決定されたレーンによって容器が運搬されている状態から開始する。第2のレーンコントロール方法の処理が開始されると、処理は、ステップS501に進む。
【0053】
ステップS501において、ステップS403にて決定されたレーンによって運搬されている容器に貼られた一次元コードを含むデータを、コード読取りインターフェース202を介してカメラから中央処理装置201(入力データ受信部301)が受信する。次に、処理は、ステップS502に進む。
【0054】
ステップS502において、読み取られた一次元コードから個々の容器を中央処理装置201(入力データ受信部301)が識別する。さらに、一次元コードを読み取ったカメラ(例えば、カメラ1031)を中央処理装置201(入力データ受信部301)が識別する。レーンとレーンの上方に設置されているカメラとの対応関係を示すデータに基づいて、ステップS403にて決定されたレーンから、カメラと対応関係にあるレーン(例えば、コンベヤー10101)を中央処理装置201(入力データ受信部301)が識別する。
【0055】
ステップS503において、ステップS403にて予約された充てん機または搬出場所に対して、空きがないかどうかを中央処理装置201(最終決定処理部303)が決定する。具体的には、充てん機に対して、ステップS403にて予約された充てん機(例えば、充てん機1042)までのレーン(例えば、コンベヤー10104)に取り付けられた物理センサから受信されるデータが、容器が連続的に検知されることを示すとき、充てん機(例えば、充てん機1042)に空きがないと、中央処理装置201(最終決定処理部303)が決定する。搬出場所に対して、充てん機(例えば、充てん機1042)から搬出場所(例えば、コンベヤー10107が設置されている搬出場所)までのステップS403にて予約されたレーン(例えば、コンベヤー10107)に取り付けられた物理センサから受信されるデータが、容器が連続的に検知されることを示すとき、搬出場所(例えば、コンベヤー10107が設置されている搬出場所)に空きがないと決定する。次に、処理は、ステップS504に進む。
【0056】
ステップS503において、充てん機に対して、ステップS403にて予約された搬出場所までのレーンに取り付けられた物理センサから受信されるデータが、容器が連続的に検知されることを示さないとき、充てん機に空きがあると、中央処理装置201(最終決定処理部303)が決定する。搬出場所に対して、充てん機から搬出場所までのステップS403にて予約されたレーンに取り付けられた物理センサから受信されるデータが、容器が連続的に検知されることを示さないとき、搬出場所に空きがあると決定する。充てん機および搬出場所に空きがあると決定されると、処理は、ステップS505に進む。
【0057】
ステップS504において、ステップS403にて予約された充てん機または搬出場所を中央処理装置201(最終決定処理部303)が変更する。具体的には、S503と同様にして、他の容器に予約されている充てん機(例えば、充てん機1043)および搬出場所(例えば、コンベヤー10108が設置されている搬出場所)に対して、空きがあるかどうかを中央処理装置201(最終決定処理部303)が決定する。空きがあると決定された、他の容器に対して主記憶装置206に保持されている充てん機(例えば、充てん機1043)および搬出場所(例えば、コンベヤー10108が設置されている搬出場所)に関するデータと、ステップS503にて空きがないと決定された、容器(例えば、容器105)に対して主記憶装置206に保持された充てん機(例えば、充てん機1042)および搬出場所(例えば、コンベヤー10107が設置されている搬出場所)に関するデータとを中央処理装置201(最終決定処理部303)が入れ替える。すると、搬入場所から充てん機まで容器(例えば、容器105)を運搬させるレーンとして、および充てん機から搬出場所まで容器(例えば、容器105)を運搬させるレーンとして、上記他の容器に対して決定されていたそれぞれのレーンを使用することができる。結果として、容器(例えば、容器105)は、上記他の容器に対して予約されていた充てん機(例えば、充てん機1043)によりLPガスを充てんされ、さらに、上記他の容器に対して予約されていた搬出場所(例えば、コンベヤー10108が設置されている搬出場所)から搬出されることになる。次に、処理は、ステップS505に進む。
【0058】
ステップS504において、すべての容器に対して、予約されている充てん機および搬出場所に空きがない場合、主記憶装置206において、ステップS403にて予約された充てん機または搬出場所に関するデータが保持される。そして、搬出場所に空きがあるかどうかを最後に決定するのに使用されるカメラ(例えば、カメラ1034)によって、レーン(例えば、コンベヤー10106)によって運搬されている容器(例えば、容器105)が認識されたときも搬出場所(例えば、コンベヤー10107が設置されている搬出場所)に空きがないと中央処理装置201(最終決定処理部303)が決定するならば、容器(例えば、容器105)は、別のレーン(例えば、コンベヤー10109)によって運搬されて一時的に保管されることがある。
【0059】
ステップS505において、容器を運搬させる次のレーンに関するデータを分岐ユニットに中央処理装置201(出力データ送信部304)が送信する。具体的には、分岐ユニットと、分岐ユニットと協働するカメラとの対応関係を示すデータに基づいて、カメラと対応関係にある分岐ユニットに、分岐ユニットインターフェース204を介して、変更されたレーンを示すデータを中央処理装置201(出力データ送信部304)が送信する。ステップS505の処理は、充てん所の入り口に設置されたカメラ以外のカメラ(例えば、カメラ1031~1034)が容器を認識するたびに実行されることが可能である。
【0060】
変更されたレーンを示すデータを受信した分岐ユニットは、受信したデータが示すレーンに容器の進行方向を合わせるように動作して、第2のレーンコントロール方法の処理が終了する。第2のレーンコントロール方法の処理は、充てん所に搬入されるすべての容器に対して繰り返し実行されることになる。
【0061】
このような処理により、充てん所において、大量の容器に対して、迅速な運搬、LPガスの充てん、搬出をすることが可能になる。
【0062】
上記ステップS504において、空きがあると決定された、他の容器に対して主記憶装置206に保持されている充てん機(例えば、充てん機1043)および搬出場所(例えば、コンベヤー10108が設置されている搬出場所)に関するデータと、ステップS503にて空きがないと決定された、容器(例えば、容器105)に対して主記憶装置206に保持された充てん機(例えば、充てん機1042)および搬出場所(例えば、コンベヤー10107が設置されている搬出場所)に関するデータとを中央処理装置201(最終決定処理部303)が入れ替えるという処理を説明した。別の態様において、充てん機および搬出場所に対して空きがあると決定される他の容器が複数ある場合、充てん機から搬出場所までのステップS403にて予約されたレーンに取り付けられた物理センサから受信されるデータによって容器の検知が示される回数が予め定められた時間にてより少ない方の他の容器に対して、主記憶装置206に保持されている充てん機(例えば、充てん機1043)および搬出場所(例えば、コンベヤー10108が設置されている搬出場所)に関するデータと、ステップS503にて空きがないと決定された容器(例えば、容器105)に対して主記憶装置206に保持された充てん機(例えば、充てん機1042)および搬出場所(例えば、コンベヤー10107が設置されている搬出場所)に関するデータを中央処理装置201(最終決定処理部303)が入れ替えることができる。
【0063】
また、上記ステップS504において、空きがあると決定された、他の容器に対して主記憶装置206に保持されている充てん機(例えば、充てん機1043)および搬出場所(例えば、コンベヤー10108が設置されている搬出場所)に関するデータと、ステップS503にて空きがないと決定された、容器(例えば、容器105)に対して主記憶装置206に保持された充てん機(例えば、充てん機1042)および搬出場所(例えば、コンベヤー10107が設置されている搬出場所)に関するデータとを中央処理装置201(最終決定処理部303)が入れ替えるという処理を説明した。別の態様において、予約された充てん機(例えば、充てん機1042)によって充てんされた容器に対して、予約されている搬出場所に空きがなく、別の容器に対して予約されている異なる搬出場所(例えば、コンベヤー10108が設置されている搬出場所)に空きがある場合、空きがあると決定された、別の容器に対して主記憶装置206に保持されている搬出場所(例えば、コンベヤー10108が設置されている搬出場所)に関するデータと、ステップS503にて空きがないと決定された、容器(例えば、容器105)に対して主記憶装置206に保持された搬出場所(例えば、コンベヤー10107が設置されている搬出場所)に関するデータを中央処理装置201(最終決定処理部303)が入れ替えることができる。この場合、充てん機1042によってLPガスを充てんされて、さらにコンベヤー10108が設置されている搬出場所から搬出されることになる。
【0064】
また、上記ステップS504において、すべての容器に対して、予約されている充てん機および搬出場所に空きがない場合、主記憶装置206において、ステップS403にて予約された充てん機または搬出場所に関するデータが保持される処理を説明した。別の態様において、別の容器の異なる充てん機(例えば、充てん機1043)に空きがある場合、ステップS403にて予約された搬出場所(例えば、コンベヤー10107が設置されている搬出場所)を保持し、空きがあると決定された、別の容器に対して主記憶装置206に保持されている充てん機(例えば、充てん機1043)に関するデータと、ステップS503にて空きがないと決定された、容器(例えば、容器105)に対して主記憶装置206に保持された充てん機(例えば、充てん機1042)に関するデータを中央処理装置201(最終決定処理部303)が入れ替えることができる。この場合、容器105は、充てん機1043によってLPガスを充てんされ、さらにコンベヤー10106は、容器105を図1に向かって上から下へ運搬して、容器105は、コンベヤー10107が設置されている搬出場所から搬出されることになる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
自社の容器だけでなく他社の容器に対しても同一の充てん所を使用することが容易になる。
【符号の説明】
【0066】
10101 コンベヤー
10102 コンベヤー
10103 コンベヤー
10104 コンベヤー
10105 コンベヤー
10106 コンベヤー
10107 コンベヤー
10108 コンベヤー
10109 コンベヤー
10111 コンベヤー
10112 コンベヤー
10113 コンベヤー
10114 コンベヤー
10115 コンベヤー
1021 分岐ユニット
1022 分岐ユニット
1023 分岐ユニット
1024 分岐ユニット
1031 カメラ
1032 カメラ
1033 カメラ
1034 カメラ
1041 充てん機
1042 充てん機
1043 充てん機
105 容器
200 レーンコントロール装置
201 中央処理装置
202 インターフェース
203 物理センサインターフェース
204 分岐ユニットインターフェース
205 ネットワークインターフェース
206 主記憶装置
207 二次記憶装置
208 周辺機器インターフェース
209 バス
301 入力データ受信部
302 予約処理部
303 最終決定処理部
304 出力データ送信部
図1
図2
図3
図4
図5