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7349004ゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム装置およびゲーム制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム装置およびゲーム制御方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/5375 20140101AFI20230913BHJP
   A63F 13/814 20140101ALI20230913BHJP
   A63F 13/44 20140101ALI20230913BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20230913BHJP
   A63F 13/48 20140101ALI20230913BHJP
   A63F 13/54 20140101ALI20230913BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20230913BHJP
【FI】
A63F13/5375
A63F13/814
A63F13/44
A63F13/55
A63F13/48
A63F13/54
A63F13/52
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022162947
(22)【出願日】2022-10-11
【審査請求日】2023-04-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090181
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 義人
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(74)【代理人】
【識別番号】100168217
【弁理士】
【氏名又は名称】大村 和史
(72)【発明者】
【氏名】菱田 大暉
(72)【発明者】
【氏名】ティナリ アビビ
(72)【発明者】
【氏名】山口 孝明
(72)【発明者】
【氏名】進藤 美咲
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-059425(JP,A)
【文献】特開2003-117233(JP,A)
【文献】特開2015-039383(JP,A)
【文献】特開2006-314434(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータを、
任意の方向に傾倒操作またはスライド操作可能なスティックを備える操作装置から送信される、前記スティックが操作された方向を示す操作方向データを取得する操作データ取得手段と、
第1ゲームを実行させる第1ゲーム実行手段として機能させるゲームプログラムであって、
前記第1ゲーム実行手段は、
仮想空間内において、第1マーカを周回軌道に沿って周回移動させる第1マーカ移動手段と、
前記周回軌道に沿った位置を示す第2マーカを配置する第2マーカ配置手段と、
前記第1マーカが、前記第2マーカが示す位置を含む所定範囲にあるときに、前記操作方向データが前記周回軌道内の所定の位置から前記第2マーカが示す位置へ向かう所定の方向に操作されたことを示すときに、スティック操作の成功を判定する成功判定手段を含む、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記第1ゲームと異なる第2ゲームを実行させる第2ゲーム実行手段として機能させ、
前記第2ゲーム実行手段は、前記操作方向データに基づいて前記仮想空間内においてプレイヤキャラクタを移動させるプレイヤキャラクタ移動手段を備え、
前記第1ゲーム実行手段は、前記周回軌道を、前記プレイヤキャラクタを囲うように設定する、請求項1記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記第1ゲーム実行手段は、前記第2ゲームの実行中に、前記プレイヤキャラクタが所定のアクションを行うことに応じて前記第1ゲームを開始する、請求項2記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記所定のアクションは、前記プレイヤキャラクタが前記仮想空間内に配置されたオブジェクトの方向を向いて行うアクションであり、
前記第2マーカ配置手段は、前記第2マーカが示す位置を、前記プレイヤキャラクタの向きと前記オブジェクトとの位置関係に基づいて設定する、請求項3記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記第1ゲーム実行手段は、前記第2ゲームの実行中に前記第1ゲームが開始された際に、前記第2ゲームで再生されている楽曲を継続して再生し、
前記第2マーカ配置手段は、前記楽曲の拍子に対応する最大配置数以下の数の位置を示すように前記第2マーカを配置する、請求項3記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記第1ゲーム実行手段は、前記第2ゲームの実行中に前記第1ゲームが開始された際に、前記第2ゲームで再生されている楽曲を継続して再生し、
前記第2マーカが示す位置は、前記周回軌道に沿った位置、かつ、前記楽曲の拍子に基づいて設定される複数の候補位置の中から決定される、請求項3記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記第1ゲームは複数回連続して実行され、
前記第2マーカ配置手段は、前記第1ゲームごとに前記候補位置の中から前記第2マーカが示す位置を決定し、
前記第1マーカが前記候補位置と重なる位置にある場合に効果音を発生させる、請求項6記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記第1マーカが、前記候補位置のうち前記第2マーカが示す位置と重なる位置にある場合に異なる他の効果音を発生させる、請求項7記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記第1ゲーム実行手段は、前記第2ゲームの実行中に前記第1ゲームが開始された際に、前記第2ゲームで再生されている楽曲を継続して再生し、
前記第1マーカ移動手段は、前記楽曲のテンポに基づいて、前記第1マーカを移動させる速度を設定する、請求項3記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記第1ゲームにおいて、前記第1マーカが前記周回軌道を複数回周回し、1周する間に設定された順番通りにすべての前記第2マーカに対する操作が成功したときにクリアしたと判定するクリア判定手段をさらに含む、請求項1記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記順番を設定された第2マーカのうち、最初または最後の順番に設定された前記第2マーカは、前記他の第2マーカとは異なる視覚的特徴を有する、請求項10記載のゲームプログラム。
【請求項12】
前記第2マーカ配置手段は、前記最初または最後の順番に設定された第2マーカを、前記周回軌道に沿った位置のうち、プレイヤキャラクタが向いている方向に基づいた位置を示すように配置される、請求項11記載のゲームプログラム。
【請求項13】
前記第1ゲームにおいて、前記第1マーカが前記最初または最後の順番に設定された第2マーカが示す位置と重なる位置にある場合に発生させる効果音と、前記第1マーカが前記最初または最後の順番に設定された第2マーカとは異なる第2マーカが示す位置と重なる位置にある場合に発生させる効果音とを異ならせる、請求項11記載のゲームプログラム。
【請求項14】
前記第2マーカ配置手段により配置された複数の第2マーカが示す位置のうち、隣り合う位置同士がなす中心角は90°以上である、請求項1から請求項13までのいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項15】
前記第1マーカ移動手段によって前記第1マーカが移動した軌跡を所定期間表示する、請求項1から請求項13までのいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項16】
任意の方向に傾倒操作またはスライド操作可能なスティックを備える操作装置から送信される、前記スティックが操作された方向を示す操作方向データを取得する操作データ取得手段と、
ゲームを実行させるゲーム実行手段を備える、ゲームシステムであって、
前記ゲーム実行手段は、
仮想空間内において、第1マーカを周回軌道に沿って周回移動させる第1マーカ移動手段と、
前記周回軌道に沿った位置を示す第2マーカを配置する第2マーカ配置手段と、
前記第1マーカが、前記第2マーカが示す位置を含む所定範囲にあるときに、前記操作方向データが前記周回軌道内の所定の位置から前記第2マーカが示す位置へ向かう所定の方向に操作されたことを示すときに、スティック操作の成功を判定する成功判定手段を含む、ゲームシステム。
【請求項17】
任意の方向に傾倒操作またはスライド操作可能なスティックを備える操作部から、前記スティックが操作された方向を示す操作方向データを取得する操作データ取得手段と、
ゲームを実行させるゲーム実行手段を備える、ゲーム装置であって、
前記ゲーム実行手段は、
仮想空間内において、第1マーカを周回軌道に沿って周回移動させる第1マーカ移動手段と、
前記周回軌道に沿った位置を示す第2マーカを配置する第2マーカ配置手段と、
前記第1マーカが、前記第2マーカが示す位置を含む所定範囲にあるときに、前記操作方向データが前記周回軌道内の所定の位置から前記第2マーカが示す位置へ向かう所定の方向に操作されたことを示すときに、スティック操作の成功を判定する成功判定手段を含む、ゲーム装置。
【請求項18】
ゲーム装置のゲーム制御方法であって、
前記ゲーム装置のプロセッサに、
(a)任意の方向に傾倒操作またはスライド操作可能なスティックを備える操作装置から送信される、前記スティックが操作された方向を示す操作方向データを取得するステップと、
(b)ゲームを実行させるステップを実行させ、
前記ステップ(b)において、
(b-1)仮想空間内において、第1マーカを周回軌道に沿って周回移動させるステップと、
(b-2)前記周回軌道に沿った位置を示す第2マーカを配置するステップと、
(b-3)前記第1マーカが、前記第2マーカが示す位置を含む所定範囲にあるときに、前記操作方向データが前記周回軌道内の所定の位置から前記第2マーカが示す位置へ向かう所定の方向に操作されたことを示すときに、スティック操作の成功を判定するステップを実行させる、ゲーム制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム装置およびゲーム制御方法に関し、特にたとえば、リズムゲームをプレイする、ゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム装置およびゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム画面の一方から他方に向けてノーツ(マーカまたはリズムアイコンとも呼ばれる)が流れてきて、プレイヤが所定のタイミングに合わせてタッチまたはボタンを押すリズムゲームが知られている。
【0003】
この種の背景技術の一例が特許文献1に開示される。この特許文献1のゲーム装置では、リズムゲームの指示指標として敵キャラクタが画面右側から登場し、画面左方向に向けて移動する。ユーザは、所定のタイミングでタップ操作をすることで、敵キャラクタを攻撃し、その敵キャラクタを倒して画面から消去する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-129971号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1のゲーム装置では、入力装置として主にタッチパネルを使用してタップ操作を行うことが想定されている。他の例として、各種ポインティングデバイス、各種押下式のボタンまたはアナログスティックなどを使用することができ、ダブルタップ操作、所定方向へのスライド操作、所定方向へのフリック操作、長押し操作などの他の操作方法を用いても良いことも開示されている。傾倒操作またはスライド操作可能なスティックを有する入力装置または操作装置を用いて直感的な操作を行うためには改善の余地がある。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、ゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム装置およびゲーム制御方法を提供することである。
【0007】
また、この発明の他の目的は、傾倒操作またはスライド操作可能な操作装置を用いて直感に従う新規なリズムゲームをプレイすることができる、ゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム装置およびゲーム制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(構成1)
構成1は、情報処理装置のコンピュータを、任意の方向に傾倒操作またはスライド操作可能なスティックを備える操作装置から送信される、スティックが操作された方向を示す操作方向データを取得する操作データ取得手段と、第1ゲームを実行させる第1ゲーム実行手段として機能させるゲームプログラムであって、第1ゲーム実行手段は、仮想空間内において、第1マーカを周回軌道に沿って周回移動させる第1マーカ移動手段と、周回軌道に沿った位置を示す第2マーカを配置する第2マーカ配置手段と、第1マーカが、第2マーカが示す位置を含む所定範囲にあるときに、操作方向データが周回軌道内の所定の位置から第2マーカが示す位置へ向かう所定の方向に操作されたことを示すときに、スティック操作の成功を判定する成功判定手段を含む、ゲームプログラムである。
【0009】
構成1によれば、第1マーカが第2マーカが示す位置を含む所定範囲にあるときに、周回軌道内の所定の位置と第2マーカが示す位置とに基づく方向に傾倒操作またはスライド操作することで成功を判定するので、傾倒操作またはスライド操作可能な操作装置を用いて直感に従う新規なリズムゲームをプレイすることができる。
【0010】
(構成2)
構成2は、構成1において、第1ゲームと異なる第2ゲームを実行させる第2ゲーム実行手段として機能させ、第2ゲーム実行手段は、操作方向データに基づいて仮想空間内においてプレイヤキャラクタを移動させるプレイヤキャラクタ移動手段を備え、第1ゲーム実行手段は、周回軌道を、プレイヤキャラクタを囲うように設定する。
【0011】
構成2によれば、周回軌道がプレイヤキャラクタを囲うことで、第1ゲームにおいて傾倒操作またはスライド操作により入力する方向がプレイヤキャラクタの位置に対する第2マーカが示す位置までの方向とほぼ一致するため、より直感的な操作が可能である。
【0012】
(構成3)
構成3は、構成2において、第1ゲーム実行手段は、第2ゲームの実行中に、プレイヤキャラクタが所定のアクションを行うことに応じて第1ゲームを開始する。
【0013】
構成3によれば、第2ゲームから第1ゲームを円滑に開始することができる。
【0014】
(構成4)
構成4は、構成3において、所定のアクションは、プレイヤキャラクタが仮想空間内に配置されたオブジェクトの方向を向いて行うアクションであり、第2マーカ配置手段は、第2マーカが示す位置を、プレイヤキャラクタの向きとオブジェクトとの位置関係に基づいて設定する。
【0015】
構成4によれば、所定のアクションを行ったプレイヤキャラクタの向きに応じて第2マーカが配置されるので、プレイヤが任意のタイミングで見易く操作し易い位置でリズムゲームを開始することができる。
【0016】
(構成5)
構成5は、構成3または構成4において、第1ゲーム実行手段は、第2ゲームの実行中に第1ゲームが開始された際に、第2ゲームで再生されている楽曲を継続して再生し、第2マーカ配置手段は、楽曲の拍子に対応する最大配置数以下の数の位置を示すように第2マーカを配置する。
【0017】
構成5によれば、第2ゲームで再生されている楽曲に合わせて第2マーカが配置される個数が決定されるので、プレイヤは違和感なく第1ゲームに移行することができる。
【0018】
(構成6)
構成6は、構成3または構成4において、第1ゲーム実行手段は、第2ゲームの実行中に第1ゲームが開始された際に、第2ゲームで再生されている楽曲を継続して再生し、第2マーカが示す位置は、周回軌道に沿った位置、かつ、楽曲の拍子に基づいて設定される複数の候補位置の中から決定される。
【0019】
構成6によれば、第2ゲームで再生されている楽曲に合わせて第2マーカが配置されるので、プレイヤは違和感なく第1ゲームをプレイすることができる。
【0020】
(構成7)
構成7は、構成6において、第1ゲームは複数回連続して実行され、第2マーカ配置手段は、第1ゲームごとに候補位置の中から第2マーカが示す位置を決定し、第1マーカが候補位置と重なる位置にある場合に効果音を発生させる。
【0021】
構成7によれば、1回目の第1ゲームでは第2マーカが配置されなかった位置に、2回目の第1ゲームで第2マーカが配置されたとしても、プレイヤは連続した複数の第1ゲーム中変わらずに効果音でリズムをとることができるので、プレイヤは入力し易い。
【0022】
(構成8)
構成8は、構成7において、第1マーカが、候補位置のうち第2マーカが示す位置と重なる位置にある場合に異なる他の効果音を発生させる。
【0023】
構成8によれば、第2マーカが示す位置と第2マーカが配置されていない候補位置とで異なる効果音を発生させるので、音の違いで操作対象の第2マーカを容易に知ることができる。
【0024】
(構成9)
構成9は、構成3から構成8までのいずれかにおいて、第1ゲーム実行手段は、第2ゲームの実行中に第1ゲームが開始された際に、第2ゲームで再生されている楽曲を継続して再生し、第1マーカ移動手段は、楽曲のテンポに基づいて、第1マーカを移動させる速度を設定する。
【0025】
構成9によれば、第2ゲームで再生される楽曲に合わせて第1マーカの移動速度がdon決定されるので、プレイヤは違和感なく第1ゲームに移行することができる。
【0026】
(構成10)
構成10は、構成1から構成9までのいずれかにおいて、第1ゲームにおいて、第1マーカが周回軌道を複数回周回し、1周する間に設定された順番通りにすべての第2マーカに対する操作が成功したときにクリアしたと判定するクリア判定手段をさらに含む。
【0027】
(構成11)
構成11は、構成10において、順番を設定された第2マーカのうち、最初または最後の順番に設定された第2マーカは、他の第2マーカとは異なる視覚的特徴を有する。
【0028】
構成11によれば、第1マーカが周回軌道をぐるぐる回る場合であっても、最初または最後の順番に設定された第2マーカに、他の第2マーカとは異なる視覚特徴を持たせることで、どの第2マーカを最初に指示し、どの第2マーカを最後に指示するべきかを容易に知ることができる。
【0029】
(構成12)
構成12は、構成11において、第2マーカ配置手段は、最初または最後の順番に設定された第2マーカを、周回軌道に沿った位置のうち、プレイヤキャラクタが向いている方向に基づいた位置を示すように配置される。
【0030】
構成12によれば、最初または最後の順番に設定された第2マーカに対する入力方向がプレイヤキャラクタの向いている方向になるため、プレイヤが任意のタイミングで見易く操作し易い位置でリズムゲームを開始することができる。
【0031】
(構成13)
構成13は、構成11において、第1ゲームにおいて、第1マーカが最初または最後の順番に設定された第2マーカが示す位置と重なる位置にある場合に発生させる効果音と、第1マーカが最初または最後の順番に設定された第2マーカとは異なる第2マーカが示す位置と重なる位置にある場合に発生させる効果音とを異ならせる。
【0032】
構成13によれば、第1マーカが周回軌道をぐるぐる回る場合であっても、第1マーカが最初または最後の順番に設定された第2マーカが示す位置と重なる位置にある場合に発生させる効果音を、第1マーカが他の第2マーカが示す位置と重なる位置にある場合に発生させる効果音と異ならせることで、どの第2マーカを最初に指示し、どの第2マーカを最後に指示するべきかを容易に知ることができる。
【0033】
(構成14)
構成14は、構成1から構成13までのいずれかにおいて、記第2マーカ配置手段により配置された複数の第2マーカが示す位置のうち、隣り合う位置同士がなす中心角は90°以上である。
【0034】
構成14によれば、スティックを傾倒操作する場合のプレイヤの入力方向を判別し易くすることができる。
【0035】
(構成15)
構成15は、構成1から構成13までのいずれかにおいて、第1マーカ移動手段によって第1マーカが移動した軌跡を所定期間表示する。
【0036】
構成15によれば、第1マーカが回転している方向を分かり易くすることができる。また、第1マーカがプレイヤキャラクタなどの陰に隠れていても、第1マーカのおおよその位置を把握することができる。
【0037】
(構成16)
構成16は、任意の方向に傾倒操作またはスライド操作可能なスティックを備える操作装置から送信される、スティックが操作された方向を示す操作方向データを取得する操作データ取得手段と、ゲームを実行させるゲーム実行手段を備える、ゲームシステムであって、ゲーム実行手段は、仮想空間内において、第1マーカを周回軌道に沿って周回移動させる第1マーカ移動手段と、周回軌道に沿った位置を示す第2マーカを配置する第2マーカ配置手段と、第1マーカが、第2マーカが示す位置を含む所定範囲にあるときに、操作方向データが周回軌道内の所定の位置から第2マーカが示す位置へ向かう所定の方向に操作されたことを示すときに、スティック操作の成功を判定する成功判定手段を含む、ゲームシステムである。
【0038】
(構成17)
構成17は、任意の方向に傾倒操作またはスライド操作可能なスティックを備える操作部から、スティックが操作された方向を示す操作方向データを取得する操作データ取得手段と、ゲームを実行させるゲーム実行手段を備える、ゲーム装置であって、ゲーム実行手段は、仮想空間内において、第1マーカを周回軌道に沿って周回移動させる第1マーカ移動手段と、周回軌道に沿った位置を示す第2マーカを配置する第2マーカ配置手段と、第1マーカが、第2マーカが示す位置を含む所定範囲にあるときに、操作方向データが周回軌道内の所定の位置から第2マーカが示す位置へ向かう所定の方向に操作されたことを示すときに、スティック操作の成功を判定する成功判定手段を含む、ゲーム装置である。
【0039】
(構成18)
構成18は、ゲーム装置のゲーム制御方法であって、ゲーム装置のプロセッサに、(a)任意の方向に傾倒操作またはスライド操作可能なスティックを備える操作装置から送信される、スティックが操作された方向を示す操作方向データを取得するステップと、(b)ゲームを実行させるステップを実行させ、ステップ(b)において、(b-1)仮想空間内において、第1マーカを周回軌道に沿って周回移動させるステップと、(b-2)周回軌道に沿った位置を示す第2マーカを配置するステップと、(b-3)第1マーカが、第2マーカが示す位置を含む所定範囲にあるときに、操作方向データが周回軌道内の所定の位置から第2マーカが示す位置へ向かう所定の方向に操作されたことを示すときに、スティック操作の成功を判定するステップを実行させる、ゲーム制御方法である。
【0040】
構成16ないし構成18においても、構成1と同様に、傾倒操作またはスライド操作可能な操作装置を用いて直感に従う新規なリズムゲームをプレイすることができる。
【発明の効果】
【0041】
この発明によれば、傾倒操作またはスライド操作可能な操作装置を用いて直感に従う新規なリズムゲームをプレイすることができる。
【0042】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1図1はこの実施例の本体装置に左コントローラおよび右コントローラを装着した状態の限定しない一例を示す図である。
図2図2は本体装置から左コントローラおよび右コントローラをそれぞれ外した状態の限定しない一例を示す図である。
図3図3図1および図2に示した本体装置の限定しない一例を示す六面図である。
図4図4図1および図2に示した左コントローラの限定しない一例を示す六面図である。
図5図5図1および図2に示した右コントローラの限定しない一例を示す六面図である。
図6図6図1および図2に示した本体装置の内部構成の限定しない一例を示すブロック図である。
図7図7図1および図2に示した本体装置と左コントローラおよび右コントローラとの内部構成の限定しない一例を示すブロック図である。
図8図8はこの実施例のゲーム画面の限定しない第1の例を示す図である。
図9図9はこの実施例のゲーム画面の限定しない第2の例を示す図である。
図10図10はこの実施例のゲーム画面の限定しない第3の例を示す図である。
図11図11図10に示すプレイヤキャラクタ、第1マーカ、2つの第2マーカおよび第3マーカを仮想空間の真上から見た場合の限定しない一例を示す図である。
図12図12はプレイヤキャラクタ、第1マーカおよび4つの第2マーカを仮想空間の真上から見た場合の限定しない一例を示す図である。
図13図13はプレイヤキャラクタ、第1マーカおよび3つの第2マーカを仮想空間の真上から見た場合の限定しない一例を示す図である。
図14図14(A)はBGMが4分の3拍子でありテンポが60である場合の各候補位置すなわち拍数毎のタイミング判定範囲の限定しない一例を説明するための図であり、図14(B)はBGMが4分の4拍子でありテンポが60である場合の各候補位置すなわち拍数毎のタイミング判定範囲の限定しない一例を説明するための図であり、図14(C)はBGMが4分の3拍子でありテンポが120である場合の各候補位置すなわち拍数毎のタイミング判定範囲の限定しない一例を説明するための図である。
図15図15は第2マーカ232の方向判定範囲の限定しない一例を説明するための図である。
図16図16図6に示す本体装置のDRAMのメモリマップの限定しない一例を示す図である。
図17図17図16に示すDRAMのデータ記憶領域の具体的な内容の限定しない一例を示す図である。
図18図18図6に示す本体装置のプロセッサの全体処理の限定しない一例を示すフロー図である。
図19図19図6に示す本体装置のプロセッサのゲーム制御処理の限定しない一例を示すフロー図である。
図20図20図6に示す本体装置のプロセッサのリズムゲーム制御処理の限定しない一例の第1の一部を示すフロー図である。
図21図21図6に示す本体装置のプロセッサのリズムゲーム制御処理の限定しない一例の第2の一部であって、図20に後続するフロー図である。
図22図22図6に示す本体装置のプロセッサのリズム制御処理の限定しない一例の第3の一部であって、図21に後続するフロー図である。
図23図23図6に示す本体装置のプロセッサのリズムゲーム制御処理の限定しない一例の第4の一部であって、図22に後続するフロー図である。
図24図24図6に示す本体装置のプロセッサのリズムゲーム制御処理の限定しない一例の第5の一部であって、図23に後続するフロー図である。
図25図25図6に示す本体装置のプロセッサのリズムゲーム制御処理の限定しない一例の第6の一部であって、図24に後続するフロー図である。
図26図26図6に示す本体装置のプロセッサのリズムゲーム制御処理の限定しない一例の第7の一部であって、図25に後続するフロー図である。
図27図27図6に示す本体装置のプロセッサのリズムゲーム制御処理の限定しない一例の第8の一部であって、図25および図26に後続するフロー図である。
図28図28はプレイヤキャラクタ、第1マーカ、2つの第2マーカおよび第3マーカおよび連結オブジェクトを仮想空間の真上から見た場合の限定しない一例を示す図である。
図29図29はプレイヤキャラクタ、第1マーカ、種類の異なる2つの第2マーカおよび2つの第3マーカを仮想空間の真上から見た場合の限定しない一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、この実施例の限定しない一例に係るゲームシステムについて説明する。この実施例におけるゲームシステム1の一例は、本体装置(ゲーム装置;この実施例ではゲーム本体装置として機能する)2と左コントローラ3および右コントローラ4とを含む。本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4がそれぞれ着脱可能である。つまり、ゲームシステム1は、左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ本体装置2に装着して一体化された装置として利用できる。また、ゲームシステム1は、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4とを別体として利用することもできる(図2参照)。以下では、この実施例のゲームシステム1のハードウェア構成について説明し、その後に、この実施例のゲームシステム1の制御について説明する。
【0045】
図1は、本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4を装着した状態の一例を示す図である。図1に示すように、左コントローラ3および右コントローラ4は、それぞれ本体装置2に装着されて一体化されている。本体装置2は、ゲームシステム1における各種の処理(例えば、ゲーム処理)を実行する装置である。本体装置2は、ディスプレイ12を備える。左コントローラ3および右コントローラ4は、ユーザが入力を行うための操作部を備える装置である。
【0046】
図2は、本体装置2から左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ外した状態の一例を示す図である。図1および図2に示すように、左コントローラ3および右コントローラ4は、本体装置2に着脱可能である。なお、以下において、左コントローラ3および右コントローラ4の総称として「コントローラ」と記載することがある。
【0047】
図3は、本体装置2の一例を示す六面図である。図3に示すように、本体装置2は、略板状のハウジング11を備える。この実施例において、ハウジング11の主面(換言すれば、表側の面、すなわち、ディスプレイ12が設けられる面)は、大略的には矩形形状である。
【0048】
なお、ハウジング11の形状および大きさは、任意である。一例として、ハウジング11は、携帯可能な大きさであってよい。また、本体装置2単体または本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4が装着された一体型装置は、携帯型装置となってもよい。また、本体装置2または一体型装置が手持ち型の装置となってもよい。また、本体装置2または一体型装置が可搬型装置となってもよい。
【0049】
図3に示すように、本体装置2は、ハウジング11の主面に設けられるディスプレイ12を備える。ディスプレイ12は、本体装置2が生成した画像を表示する。この実施例においては、ディスプレイ12は、液晶表示装置(LCD)とする。ただし、ディスプレイ12は任意の種類の表示装置であってよい。
【0050】
また、本体装置2は、ディスプレイ12の画面上にタッチパネル13を備える。この実施例においては、タッチパネル13は、マルチタッチ入力が可能な方式(例えば、静電容量方式)のものである。ただし、タッチパネル13は、任意の種類のものであってよく、例えば、シングルタッチ入力が可能な方式(例えば、抵抗膜方式)のものであってもよい。
【0051】
本体装置2は、ハウジング11の内部においてスピーカ(すなわち、図6に示すスピーカ88)を備えている。図3に示すように、ハウジング11の主面には、スピーカ孔11aおよび11bが形成される。そして、スピーカ88の出力音は、これらのスピーカ孔11aおよび11bからそれぞれ出力される。
【0052】
また、本体装置2は、本体装置2が左コントローラ3と有線通信を行うための端子である左側端子17と、本体装置2が右コントローラ4と有線通信を行うための右側端子21を備える。
【0053】
図3に示すように、本体装置2は、スロット23を備える。スロット23は、ハウジング11の上側面に設けられる。スロット23は、所定の種類の記憶媒体を装着可能な形状を有する。所定の種類の記憶媒体は、例えば、ゲームシステム1およびそれと同種のゲーム装置に専用の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)である。所定の種類の記憶媒体は、例えば、本体装置2で利用されるデータ(例えば、アプリケーションのセーブデータ等)、および/または、本体装置2で実行されるプログラム(例えば、アプリケーションのプログラム等)を記憶するために用いられる。また、本体装置2は、電源ボタン28を備える。
【0054】
本体装置2は、下側端子27を備える。下側端子27は、本体装置2がクレードルと通信を行うための端子である。この実施例において、下側端子27は、USBコネクタ(より具体的には、メス側コネクタ)である。上記一体型装置または本体装置2単体をクレードルに載置した場合、ゲームシステム1は、本体装置2が生成して出力する画像を据置型モニタに表示することができる。また、この実施例においては、クレードルは、載置された上記一体型装置または本体装置2単体を充電する機能を有する。また、クレードルは、ハブ装置(具体的には、USBハブ)の機能を有する。
【0055】
図4は、左コントローラ3の一例を示す六面図である。図4に示すように、左コントローラ3は、ハウジング31を備える。この実施例においては、ハウジング31は、縦長の形状、すなわち、上下方向(すなわち、図1および図4に示すy軸方向)に長い形状である。左コントローラ3は、本体装置2から外された状態において、縦長となる向きで把持されることも可能である。ハウジング31は、縦長となる向きで把持される場合に片手、特に左手で把持可能な形状および大きさをしている。また、左コントローラ3は、横長となる向きで把持されることも可能である。左コントローラ3が横長となる向きで把持される場合には、両手で把持されるようにしてもよい。
【0056】
左コントローラ3は、アナログスティック32を備える。図4に示すように、アナログスティック32は、ハウジング31の主面に設けられる。アナログスティック32は、方向を入力することが可能な方向入力部として用いることができる。ユーザは、アナログスティック32を傾倒することによって傾倒方向に応じた方向の入力(および、傾倒した角度に応じた大きさの入力)が可能である。なお、左コントローラ3は、方向入力部として、アナログスティックに代えて、十字キーまたはスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、この実施例においては、アナログスティック32を押下する入力が可能である。
【0057】
左コントローラ3は、各種操作ボタンを備える。左コントローラ3は、ハウジング31の主面上に4つの操作ボタン33~36(具体的には、右方向ボタン33、下方向ボタン34、上方向ボタン35、および左方向ボタン36)を備える。さらに、左コントローラ3は、録画ボタン37および-(マイナス)ボタン47を備える。左コントローラ3は、ハウジング31の側面の左上にLボタン38およびZLボタン39を備える。また、左コントローラ3は、ハウジング31の側面のうち、本体装置2に装着される際に装着される側の面に、SLボタン43およびSRボタン44を備える。これらの操作ボタンは、本体装置2で実行される各種プログラム(例えば、OSプログラムやアプリケーションプログラム)に応じた指示を行うために用いられる。
【0058】
また、左コントローラ3は、左コントローラ3が本体装置2と有線通信を行うための端子42を備える。
【0059】
図5は、右コントローラ4の一例を示す六面図である。図5に示すように、右コントローラ4は、ハウジング51を備える。この実施例においては、ハウジング51は、縦長の形状、すなわち、上下方向に長い形状である。右コントローラ4は、本体装置2から外された状態において、縦長となる向きで把持されることも可能である。ハウジング51は、縦長となる向きで把持される場合に片手、特に右手で把持可能な形状および大きさをしている。また、右コントローラ4は、横長となる向きで把持されることも可能である。右コントローラ4が横長となる向きで把持される場合には、両手で把持されるようにしてもよい。
【0060】
右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、方向入力部としてアナログスティック52を備える。この実施例においては、アナログスティック52は、左コントローラ3のアナログスティック32と同じ構成である。また、右コントローラ4は、アナログスティックに代えて、十字キーまたはスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、ハウジング51の主面上に4つの操作ボタン53~56(具体的には、Aボタン53、Bボタン54、Xボタン55、およびYボタン56)を備える。さらに、右コントローラ4は、+(プラス)ボタン57およびホームボタン58を備える。また、右コントローラ4は、ハウジング51の側面の右上にRボタン60およびZRボタン61を備える。また、右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、SLボタン65およびSRボタン66を備える。
【0061】
また、右コントローラ4は、右コントローラ4が本体装置2と有線通信を行うための端子64を備える。
【0062】
図6は、本体装置2の内部構成の一例を示すブロック図である。本体装置2は、図3に示す構成の他、図6に示す各構成要素81~91、97、および98を備える。これらの構成要素81~91、97、および98のいくつかは、電子部品として電子回路基板上に実装されてハウジング11内に収納されてもよい。
【0063】
本体装置2は、プロセッサ81を備える。プロセッサ81は、本体装置2において実行される各種の情報処理を実行する情報処理部であって、例えば、CPU(Central Processing Unit)のみから構成されてもよいし、CPU機能、GPU(Graphics Processing Unit)機能等の複数の機能を含むSoC(System-on-a-chip)から構成されてもよい。プロセッサ81は、記憶部(具体的には、フラッシュメモリ84等の内部記憶媒体、あるいは、スロット23に装着される外部記憶媒体等)に記憶される情報処理プログラム(例えば、ゲームプログラム)を実行することによって、各種の情報処理を実行する。
【0064】
本体装置2は、自身に内蔵される内部記憶媒体の一例として、フラッシュメモリ84およびDRAM(Dynamic Random Access Memory)85を備える。フラッシュメモリ84およびDRAM85は、プロセッサ81に接続される。フラッシュメモリ84は、主に、本体装置2に保存される各種のデータ(プログラムであってもよい)を記憶するために用いられるメモリである。DRAM85は、情報処理において用いられる各種のデータを一時的に記憶するために用いられるメモリである。
【0065】
本体装置2は、スロットインターフェース(以下、「I/F」と略記する)91を備える。スロットI/F91は、プロセッサ81に接続される。スロットI/F91は、スロット23に接続され、スロット23に装着された所定の種類の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)に対するデータの読み出しおよび書き込みを、プロセッサ81の指示に応じて行う。
【0066】
プロセッサ81は、フラッシュメモリ84およびDRAM85、ならびに上記各記憶媒体との間でデータを適宜読み出したり書き込んだりして、上記の情報処理を実行する。
【0067】
本体装置2は、ネットワーク通信部82を備える。ネットワーク通信部82は、プロセッサ81に接続される。ネットワーク通信部82は、ネットワークを介して外部の装置と通信(具体的には、無線通信)を行う。この実施例においては、ネットワーク通信部82は、第1の通信態様としてWi-Fiの規格に準拠した方式により、無線LANに接続して外部装置と通信を行う。また、ネットワーク通信部82は、第2の通信態様として所定の通信方式(例えば、独自プロトコルによる通信や、赤外線通信)により、同種の他の本体装置2との間で無線通信を行う。なお、上記第2の通信態様による無線通信は、閉ざされたローカルエリアネットワーク内に配置された他の本体装置2との間で無線通信可能であり、複数の本体装置2の間で直接通信することによってデータが送受信される、いわゆる「ローカル通信」を可能とする機能を実現する。
【0068】
本体装置2は、コントローラ通信部83を備える。コントローラ通信部83は、プロセッサ81に接続される。コントローラ通信部83は、左コントローラ3および/または右コントローラ4と無線通信を行う。本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との通信方式は任意であるが、この実施例においては、コントローラ通信部83は、左コントローラ3との間および右コントローラ4との間で、Bluetooth(登録商標)の規格に従った通信を行う。
【0069】
プロセッサ81は、上述の左側端子17、右側端子21、および下側端子27に接続される。プロセッサ81は、左コントローラ3と有線通信を行う場合、左側端子17を介して左コントローラ3へデータを送信するとともに、左側端子17を介して左コントローラ3から操作データを受信(または、取得)する。また、プロセッサ81は、右コントローラ4と有線通信を行う場合、右側端子21を介して右コントローラ4へデータを送信するとともに、右側端子21を介して右コントローラ4から操作データを受信(または、取得)する。また、プロセッサ81は、クレードルと通信を行う場合、下側端子27を介してクレードルへデータを送信する。このように、この実施例においては、本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4との間で、それぞれ有線通信と無線通信との両方を行うことができる。また、左コントローラ3および右コントローラ4が本体装置2に装着された一体型装置または本体装置2単体がクレードルに装着された場合、本体装置2は、クレードルを介してデータ(例えば、表示用画像データや音声データ)を据置型モニタ等に出力することができる。
【0070】
ここで、本体装置2は、複数の左コントローラ3と同時に(換言すれば、並行して)通信を行うことができる。また、本体装置2は、複数の右コントローラ4と同時に(換言すれば、並行して)通信を行うことができる。したがって、複数のユーザは、左コントローラ3および右コントローラ4のセットをそれぞれ用いて、本体装置2に対する入力を同時に行うことができる。一例として、第1ユーザが左コントローラ3および右コントローラ4の第1セットを用いて本体装置2に対して入力を行うと同時に、第2ユーザが左コントローラ3および右コントローラ4の第2セットを用いて本体装置2に対して入力を行うことが可能となる。
【0071】
本体装置2は、タッチパネル13の制御を行う回路であるタッチパネルコントローラ86を備える。タッチパネルコントローラ86は、タッチパネル13とプロセッサ81との間に接続される。タッチパネルコントローラ86は、タッチパネル13からの信号に基づいて、例えばタッチ入力が行われた位置を示すデータを生成して、プロセッサ81へ出力する。
【0072】
また、ディスプレイ12は、プロセッサ81に接続される。プロセッサ81は、(例えば、上記の情報処理の実行によって)生成した画像および/または外部から取得した画像をディスプレイ12に表示する。
【0073】
本体装置2は、コーデック回路87およびスピーカ(具体的には、左スピーカおよび右スピーカ)88を備える。コーデック回路87は、スピーカ88および音声入出力端子25に接続されるとともに、プロセッサ81に接続される。コーデック回路87は、スピーカ88および音声入出力端子25に対する音声データの入出力を制御する回路である。
【0074】
本体装置2は、電力制御部97およびバッテリ98を備える。電力制御部97は、バッテリ98およびプロセッサ81に接続される。また、図示しないが、電力制御部97は、本体装置2の各部(具体的には、バッテリ98の電力の給電を受ける各部、左側端子17、および右側端子21)に接続される。電力制御部97は、プロセッサ81からの指令に基づいて、バッテリ98から上記各部への電力供給を制御する。
【0075】
また、バッテリ98は、下側端子27に接続される。外部の充電装置(例えば、クレードル)が下側端子27に接続され、下側端子27を介して本体装置2に電力が供給される場合、供給された電力がバッテリ98に充電される。
【0076】
図7は、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との内部構成の一例を示すブロック図である。なお、本体装置2に関する内部構成の詳細については、図6で示しているため図7では省略している。
【0077】
左コントローラ3は、本体装置2との間で通信を行う通信制御部101を備える。図7に示すように、通信制御部101は、端子42を含む各構成要素に接続される。この実施例においては、通信制御部101は、端子42を介した有線通信と、端子42を介さない無線通信との両方で本体装置2と通信を行うことが可能である。通信制御部101は、左コントローラ3が本体装置2に対して行う通信方法を制御する。すなわち、左コントローラ3が本体装置2に装着されている場合、通信制御部101は、端子42を介して本体装置2と通信を行う。また、左コントローラ3が本体装置2から外されている場合、通信制御部101は、本体装置2(具体的には、コントローラ通信部83)との間で無線通信を行う。コントローラ通信部83と通信制御部101との間の無線通信は、例えばBluetooth(登録商標)の規格に従って行われる。
【0078】
また、左コントローラ3は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ102を備える。通信制御部101は、例えばマイコン(マイクロプロセッサとも言う)で構成され、メモリ102に記憶されるファームウェアを実行することによって各種の処理を実行する。
【0079】
左コントローラ3は、各ボタン103(具体的には、ボタン33~39、43、44、および47)を備える。また、左コントローラ3は、アナログスティック(図7では「スティック」と記載する)32を備える。各ボタン103およびアナログスティック32は、自身に対して行われた操作に関する情報を、適宜のタイミングで繰り返し通信制御部101へ出力する。
【0080】
通信制御部101は、各入力部(具体的には、各ボタン103、アナログスティック32、各センサ104および105)から、入力に関する情報(具体的には、操作に関する情報、またはセンサによる検出結果)を取得する。通信制御部101は、取得した情報(または取得した情報に所定の加工を行った情報)を含む操作データを本体装置2へ送信する。なお、操作データは、第1所定時間に1回の割合で繰り返し送信される。なお、入力に関する情報が本体装置2へ送信される間隔は、各入力部について同じであってもよいし、同じでなくてもよい。
【0081】
上記操作データが本体装置2へ送信されることによって、本体装置2は、左コントローラ3に対して行われた入力を得ることができる。すなわち、本体装置2は、各ボタン103およびアナログスティック32に対する操作を、操作データに基づいて判断することができる。
【0082】
左コントローラ3は、電力供給部108を備える。この実施例において、電力供給部108は、バッテリおよび電力制御回路を有する。図示しないが、電力制御回路は、バッテリに接続されるとともに、左コントローラ3の各部(具体的には、バッテリの電力の給電を受ける各部)に接続される。
【0083】
図7に示すように、右コントローラ4は、本体装置2との間で通信を行う通信制御部111を備える。また、右コントローラ4は、通信制御部111に接続されるメモリ112を備える。通信制御部111は、端子64を含む各構成要素に接続される。通信制御部111およびメモリ112は、左コントローラ3の通信制御部101およびメモリ102と同様の機能を有する。したがって、通信制御部111は、端子64を介した有線通信と、端子64を介さない無線通信(具体的には、Bluetooth(登録商標)の規格に従った通信)との両方で本体装置2と通信を行うことが可能であり、右コントローラ4が本体装置2に対して行う通信方法を制御する。
【0084】
右コントローラ4は、左コントローラ3の各入力部と同様の各入力部を備える。具体的には、各ボタン113、アナログスティック52を備える。これらの各入力部については、左コントローラ3の各入力部と同様の機能を有し、同様に動作する。
【0085】
右コントローラ4は、電力供給部118を備える。電力供給部118は、左コントローラ3の電力供給部108と同様の機能を有し、同様に動作する。
【0086】
次に、図8図15を参照して、この実施例のゲームシステム1において実行される仮想のゲームの本編のゲーム処理およびリズムゲームのゲーム制御処理についての概要を説明する。リズムゲームは、仮想のゲームの本編において所定の条件を満たす場合に実行される。
【0087】
図8は、この実施例の仮想のゲームのアプリケーションを実行した場合に、表示装置(たとえば、ディスプレイ12)に表示される仮想のゲームの本編についてのゲーム画像の限定しない一例を示す図である。
【0088】
本体装置2は、画像処理装置としても機能し、ゲーム画像などの各種画面に対応する表示用画像データを生成および出力(表示)する。プロセッサ81は、3次元の仮想空間に各種のオブジェクトおよびキャラクタを配置し、或る情景または場面(シーン)が生成される。このシーンを仮想カメラで撮影した(視点から見た)画像がゲーム画像としてディスプレイ12に表示される。
【0089】
また、本体装置2は、仮想のゲームの本編のゲーム中に楽曲すなわちBGMを再生する。つまり、本体装置2は、BGMデータを、コーデック回路87を介してスピーカ88に出力する。テンポまたは/および拍子の異なる複数のBGMデータが用意されており、シーンまたは仮想のゲームの進行状況に応じて再生されるBGMデータが変化(または、決定)される。
【0090】
図8に示すゲーム画像はゲーム画面200の限定しない一例である。ゲーム画面200は、プレイヤキャラクタ202、敵キャラクタ204および複数の背景オブジェクト210を含む。また、ゲーム画面200には、アイテムまたは/およびノンプレイヤキャラクタが含まれる場合もある。
【0091】
プレイヤキャラクタ202は、ユーザまたはプレイヤ(以下、単に「プレイヤ」という)によって動作を制御されるオブジェクトである。この実施例では、プレイヤキャラクタ202は、人間を模した主人公のオブジェクトである。プレイヤキャラクタ202の動作としては、仮想の或る場所すなわち仮想空間内において、移動したり、アイテムを取得したり、アイテムを使用したり、敵キャラクタ204を攻撃したり、ノンプレイヤキャラクタと会話したりすることなどが該当する。また、この実施例において、アイテムは、プレイヤキャラクタ202が使用するまたは所持する道具(武器、防具を含む)、お宝およびお金などの様々なオブジェクトを意味する。
【0092】
敵キャラクタ204を含むノンプレイヤキャラクタは、プレイヤではなくコンピュータ(図6のプロセッサ81)によって動作を制御されるオブジェクトである。この実施例では、敵キャラクタ204は動物を模したオブジェクトである。図示は省略するが、敵キャラクタ204以外のノンプレイヤキャラクタは、プレイヤキャラクタ202以外の人間を模したオブジェクトである。あるいは、敵キャラクタ204以外のノンプレイヤキャラクタは、敵キャラクタ204以外の動物を模したオブジェクトである。敵キャラクタ204の動作としては、仮想空間において、移動したり、プレイヤキャラクタ202に攻撃したりすることなどが該当する。敵キャラクタ204以外のノンプレイヤキャラクタの動作としては、仮想空間において、移動したり、プレイヤキャラクタ202と会話したり、プレイヤキャラクタ202にアイテムを渡したりすることが該当する。
【0093】
背景オブジェクト210は、仮想空間に配置されたる地形のオブジェクトである。この実施例において、地形とは、地面(道路、陸地、花畑、農地などを含む)、坂、床、木、草、花、建物、階段、橋、水面(川、池、湖、海などを含む)、穴、洞窟、崖、柱、壁、塀、柵などを意味する。
【0094】
この実施例では、プレイヤは、仮想空間において、プレイヤキャラクタ202を移動させるなどして、敵キャラクタ204を倒したり、アイテムを取得したり、アイテムを使用したり、仮想空間に設けられた仕掛けを解いたりして、仮想のゲームの本編を進行させる。プレイヤキャラクタ202がボス(最後)の敵キャラクタ204を倒すと、ゲームクリアとなる。
【0095】
一例として、プレイヤキャラクタ202は、アナログスティック32を傾倒した方向に移動される。また、ZLボタン39が操作されると、プレイヤキャラクタ202が向いている方向に魔法陣220が出現される。また、ZLボタン39を操作しながらアナログスティック32を傾倒すると、プレイヤキャラクタ202は魔法陣220を出しながら移動し、その際に魔法陣220はプレイヤキャラクタ202の前方に位置し、プレイヤキャラクタ202の移動に従って移動する。
【0096】
さらに、プレイヤキャラクタ202の近傍に所定の花オブジェクト210aが配置されている場合に、ZLボタン39が操作されると、プレイヤキャラクタ202が向いている方向に魔法陣220が出現され、リズムゲームが開始される。ZLボタン39が操作されている間は、リズムゲームが継続される。ZLボタン39の操作を止めると、リズムゲームが終了される。これは一例であり、ZLボタン39が操作されると、リズムゲームが開始され、再度、ZLボタン39が操作されると、リズムゲームが終了されるようにすることもできる。
【0097】
図9に示すゲーム画像はゲーム画面200の限定しない他の例である。図9に示すゲーム画面200は、図8に示したゲーム画面200において、プレイヤキャラクタ202が仮想空間内を移動し、所定のオブジェクトが配置されている場所に到達した状態を示す。所定のオブジェクトは、所定の背景オブジェクト210であり、一例として、所定の花についてのオブジェクト(花オブジェクト)210aである。他の例では、所定のオブジェクトは、所定の宝石または鏡のようなアイテムについてのオブジェクトでもよい。また、その他の例では、所定のオブジェクトは、所定の記号または/および図形が記載された地面のオブジェクトすなわち背景オブジェクト210の部分であってもよい。また、所定のオブジェクトは、所定の敵キャラクタ204でもよい。
【0098】
上述したように、プレイヤキャラクタ202と所定の花オブジェクト210aの距離が所定距離以内のときに、プレイヤキャラクタ202をこの所定の花オブジェクト210aの方向に向けた状態でプレイヤがZLボタン39を操作すると、プレイヤキャラクタ202は前方に魔法陣220を生み出す動作を行い、魔法陣220が出現すると、この実施例のリズムゲームが開始される。または、プレイヤがZLボタン39およびアナログスティック32を操作することで、魔法陣220を出した状態でプレイヤキャラクタ202が移動する場合に、魔法陣220が所定の花オブジェクト210aと重なる、または、所定距離以内に近づいたときに、リズムゲームが開始される。
【0099】
ただし、所定の花オブジェクト210aの方向とは、厳密に所定の花オブジェクト210aが位置する方向だけでなく、所定の花オブジェクト210aを含む所定の範囲に対する方向でもよい。
【0100】
図10に示すゲーム画像はゲーム画面200の限定しないその他の例である。図11図10に示すプレイヤキャラクタ202、第1マーカ230、第2マーカ232および第3マーカ234の位置関係を仮想空間の真上から見た場合の限定しない一例を示す。ただし、図11では、プレイヤキャラクタ202の向きが上向きとなるように、プレイヤキャラクタ202、第1マーカ230、第2マーカ232、第3マーカ234、周回軌道240および候補位置を示してある。このことは、図12についても同じである。
【0101】
図10に示すゲーム画面200は、図9に示したゲーム画面200において、リズムゲームを開始することが指示され、リズムゲームが開始されてから少し時間が経過した状態の限定しない一例である。また、図10に示すゲーム画面200では、所定の花オブジェクト210aに代えて魔法陣220が表示されるが、所定の花オブジェクト210aに重ねて魔法陣220が表示されてもよい。
【0102】
また、図10および図11に示すように、ゲーム画面200では、プレイヤキャラクタ202の周りを第1マーカ230が周回軌道240に沿って(または、周回軌道240上を)移動される。この実施例では、周回軌道240は所定の大きさの円であり、周回軌道240の中心は、プレイヤキャラクタ202の位置に重なる位置に設定される。プレイヤキャラクタ202の位置は、プレイヤキャラクタ202の胴体の中心であり、プレイヤキャラキャラクタ202の足元の位置である。また、周回軌道240の高さ方向の位置は、プレイヤキャラクタ202の腰の位置に設定される。
【0103】
ただし、周回軌道240の中心は、プレイヤキャラクタ202の前方の位置(たとえば、周回軌道240の円の半径rの半分の距離だけ前方の位置)に設定されてもよい。このような位置に周回軌道240の中心を設定すれば、図10に示すように、仮想空間をプレイヤキャラクタ202の斜め後方から見たゲーム画像を表示する場合であっても、プレイヤキャラクタ202の前方に配置される第2マーカ232が見えにくくなるのを防止することができる。
【0104】
第1マーカ230は、二重丸を記載した円のオブジェクトであり、反時計回りに移動する。この実施例では、尾のオブジェクト(以下、単に「尾」という)230aが第1マーカ230に付加されている。尾230aは、第1マーカ230の移動方向(または、周回方向)を分かり易く示すために付加されている。また、尾230aが付加されることで、第1マーカ230がプレイヤキャラクタ202などの陰に隠れていても、第1マーカ230のおおよその位置を把握することができる。ただし、尾230aは第1マーカ230に付加されなくてもよい。また、尾230aはオブジェクトではなく単なるエフェクトとして表示されてもよい。さらに、尾230aはBGMのテンポに応じて長さまたは/および形状が変化されてもよい。
【0105】
なお、図10および図11では、周回軌道240を点線で示すが、実際のゲーム画面200に表示されることはない。このことは他の図においても同じである。
【0106】
また、周回軌道240上には、複数(図10および図11では、2個)の第2マーカ232が表示されるとともに、1つの第3マーカ234が表示される。第2マーカ232および第3マーカ234は、リズムゲーム中に再生されるBGMにおいて拍を刻む位置を示すマーカ(以下、「リズムマーカ」と呼ぶことがある)である。リズムゲーム中に再生されるBGMは本編で再生されるBGMである。つまり、本編で再生されるBGMがリズムゲームでも継続して再生される。また、本編で再生されるBGMと同じテンポで別のBGMを再生することもできる。たとえば、別のBGMは、本編で再生されているオーケストラのBGMがピアノバージョンなどにアレンジされたBGMである。したがって、仮想のゲームの本編からリズムゲームを円滑に開始することができる。
【0107】
この実施例のリズムゲームでは、プレイヤは、周回軌道240上を移動する第1マーカ230が第2マーカ232の配置された位置に到達するタイミングで、周回軌道240の中心から当該第2マーカ232の配置された方向にアナログスティック32を傾倒させるように操作する。複数の第2マーカ232が周回軌道240上に配置される場合もあり、操作対象の第2マーカ232は、第1マーカ230が次に到達する(または、重なる)第2マーカ232である。
【0108】
また、第2マーカ232は、プレイヤの傾倒操作の成否を判断する位置も示す。第3マーカ234は、プレイヤの傾倒操作の成否を判断しない位置を示す。第2マーカ232は、円または円盤の一部が侵食された形状(たとえば、三日月のような形状)のオブジェクトであり、円の形状とした場合の中心が周回軌道240と重なるように配置される。第3マーカ234は、黒丸(または、黒点)のオブジェクトであり、黒丸の中心が周回軌道240と重なるように配置される。
【0109】
周回軌道240の1周が1小節に相当し、BGMの拍子に応じて第2マーカ232を配置する候補位置の個数が決定されるとともに、各候補位置が周回軌道240上に決定される。候補位置の個数は1小節における拍の数である。また、この実施例では、プレイヤキャラクタ202の前方に第2マーカ232を表示するようにしてあるため、リズムゲームを開始することが指示されたときのプレイヤキャラクタ202が向いている方向に基準の候補位置が決定される。他の候補位置は、基準の候補位置に基づいて決定される。
【0110】
BGMが4分の3拍子である場合には、1小節における拍の数が3であるため、基準の候補位置と他の2つの候補位置の間隔が等間隔となるように、つまり、隣接する2つの候補位置の中心角が120°となるように、3つの候補位置が周回軌道240上に決定される。同様に、BGMが4分の4拍子である場合には、1小節における拍の数が4であるため、基準の候補位置と他の3つの候補位置の間隔が等間隔となるように、つまり、隣接する2つの候補位置の中心角が90°となるように、4つの候補位置が周回軌道240上に決定される。他の拍子のBGMについても同様に候補位置の個数および各候補位置が周回軌道240上に決定される。
【0111】
ただし、候補位置の個数は、予めプレイヤによって設定された難易度または仮想のゲームの進行度によって決定されてもよい。また、難易度または進行度に応じて候補位置の個数毎の抽選確率が決定され、その抽選確率に従って候補位置の個数が抽選により決定されてもよい。
【0112】
配置する第2マーカ232の数は、候補位置の個数を最大値としてランダムに決定される。また、配置する1または複数の第2マーカ232のうちの1個は、基準の候補位置に配置される。残りの第2マーカ232は、基準の候補位置以外の候補位置にランダムに配置される。ただし、配置する第2マーカ232の数が候補位置の個数と一致する場合には、候補位置の各々に第2マーカ232が配置される。第3マーカ234は、第2マーカ232を配置しない1または複数の候補位置の各々に配置される。また、基準の候補位置に配置される第2マーカ232が1小節において最後に拍を刻む位置を示す終点の第2マーカ232(以下、「終点マーカ232」という)である。
【0113】
このように、リズムゲームでは、仮想のゲームの本編で再生されるBGMの拍子に合わせて第2マーカ232が配置される個数が決定されるので、プレイヤは違和感なくリズムゲームに移行することができる。
【0114】
図12はプレイヤキャラクタ202、第1マーカ230および4個の第2マーカ232の位置関係を仮想空間の真上から見た場合の限定しない一例を示す。図12の例では、BGMは4分の4拍子であり、4個の第2マーカ232が配置される。上述したように、4分の4拍子の場合には、4個の候補位置が90°間隔で周回軌道240上に決定される。ただし、基準の候補位置は、プレイヤキャラクタ202の向きに決定される。なお、図12に示す例では、すべての候補位置の各々に第2マーカ232が配置されるため、第3マーカ234は配置されていない。
【0115】
上述したように、リズムゲームを開始することが指示されたときのプレイヤキャラクタ202の向きに基準の候補位置が設定され、この基準の候補位置に終点マーカ232が配置される。したがって、図13に示すように、プレイヤキャラクタ202の向きが、図11および図12に示した場合と異なる場合には、終点マーカ232の位置も異なる。同様に、他のリズムマーカの位置も異なる。図13に示す例では、図11および図12に示した向きから左に30°回転した方向をプレイヤキャラクタ202が向いている。このため、基準の候補位置も、図11および図12に示した場合から左(反時計周り)に30°回転した位置に決定され、この基準の候補位置に終点マーカ232が配置される。図13では図11および図12に示した場合と異なり、3つの候補位置の各々に第2マーカ232が配置される。
【0116】
このように、魔法陣220を生み出したプレイヤキャラクタ202の向きに応じて1または複数の第2マーカ232が配置されるため、プレイヤが任意のタイミングで見易く操作し易い位置でリズムゲームを開始することができる。
【0117】
また、終点マーカ232に対する傾倒操作の方向はプレイヤキャラクタ202が向いている方向であるため、プレイヤが任意のタイミングで見易く操作し易い位置でリズムゲームを開始することもできる。
【0118】
さらに、この実施例では、候補位置に配置された第2マーカ232を指示するようにプレイヤはアナログスティック32を傾倒操作する。アナログスティック32の傾倒操作で方向を指示する場合、方向の判別が難しいため、図11および図12に示したように、周回軌道240上に、一定の間隔をあけて、3つの候補位置または4つの候補位置が配置される。この判別を行い易くするために、最大で4つの候補位置を配置し、隣接する2つの候補位置の中心角が90°以上となるようにしてある。
【0119】
また、第1マーカ230の移動速度は、リズムゲーム中に再生されるBGMのテンポおよび拍子に基づいて決定される。BGMのテンポおよび拍子は、汎用のミドルウェアによって自動的に解析されて出力される。たとえば、BGMのテンポが60である場合には、1分間に4分音符が60回刻まれる。このため、このBGMが4分の3拍子である場合には、1小節の長さは3秒である。また、このBGMが4分の4拍子である場合には、1小節の長さは4秒である。したがって、周回軌道240の長さを仮想空間においてL(m)とすると、BGMのテンポが60であり、このBGMが4分の3拍子である場合には、第1マーカ230の移動速度vは、L/3(m/s)である。同様に、BGMのテンポが60であり、このBGMが4分の4拍子である場合には、第1マーカ230の移動速度vは、L/4(m/s)である。ただし、周回軌道240の長さLは、周回軌道240の円の半径をrとした場合に、2πrである。πは円周率である。
【0120】
このように、第1マーカ230の移動速度vはBGMのテンポに合わせて決定されるので、プレイヤは違和感なく仮想のゲームの本編からリズムゲームに移行することができる。
【0121】
なお、同じ拍子であれば、テンポが80の場合には、テンポが60の場合と比較して、移動速度vが4/3倍となり、テンポが120の場合には、テンポが60の場合と比較して、移動速度vが2倍となる。
【0122】
第1マーカ230は、リズムゲームを開始すると移動を開始し、リズムゲーム中では、BGMのテンポに基づいて算出された移動速度vで周回軌道240に沿って反時計回りに移動し続ける。ただし、第1マーカ230は、1小節におけるBGMの再生位置に対応する周回軌道240上の位置から移動を開始する。1小節におけるBGMの再生位置は、上述した汎用のミドルウェアによって自動的に解析される。つまり、BGMの1小節の時間(つまり、時間の長さ)に対する1小節の始まりから再生位置までの時間の割合を、周回軌道240の長さLに乗じた長さだけ基準の候補位置から反時計周りに進んだ位置から第1マーカ230は移動を開始する。なお、1小節におけるBGMの再生位置は、その他の方法によって特定されてもよい。
【0123】
また、上述したように、プレイヤが任意のタイミングでリズムゲームが開始されるため、第1マーカ230および第2マーカ232は、それぞれ、所定のタイミングでゲーム画面200に表示される。この実施例では、第1マーカ230は、現在の1小節において、移動を開始する位置が基準の候補位置(すなわち、直前の1小節の最後の拍を刻む位置)から1拍目の候補位置までの間である場合には、移動を開始するタイミングすなわち周回軌道240上に配置されたタイミングで表示される。また、第1マーカ230は、現在の1小節において、移動を開始する位置が1拍目の候補位置を超えている場合には、現在の1小節の最後の拍を刻む位置すなわち基準の候補位置と重なるタイミングで表示される。
【0124】
また、第2マーカ232は、第1マーカ230が表示された後に、第1マーカ230の位置が基準の候補位置と重なるタイミングで表示される。このため、この実施例では、リズムゲームが開始されてから第2マーカ232が表示されるまでの間においては、周回軌道240上において、すべての候補位置の各々に第3マーカ234が配置される。
【0125】
したがって、プレイヤは、リズムゲームが開始されてから、第2マーカ232が表示されるまで、リズムゲームのプレイを開始するのを待機し、第1マーカ230が表示されると、第1マーカ230と第3マーカ234が重なるタイミングをゲーム画像およびゲーム音声で認識する。これにより、プレイヤは操作のタイミングを計る。
【0126】
このように、リズムゲームにおいては、第1マーカ230は周回軌道240を移動し、基準の候補位置は1小節において第1マーカ230が移動を開始する位置であるため、上述したように、この基準の候補位置に配置される終点マーカ232は最初の順番に設定された第2マーカ232とも言える。
【0127】
また、第1マーカ230の表示が開始されるのは、一例として、基準の候補位置であるが、基準の候補位置以外の候補位置に設定することもできる。
【0128】
また、この実施例では、基準の候補位置に配置された第2マーカ232すなわち終点マーカ232と、他の候補位置に配置された第2マーカ232を区別するために、終点マーカ232には斜線を付してある。このため、第1マーカ230が周回軌道240に沿って移動し、ぐるぐる回る場合であっても、第2マーカ232の表示態様によって、どの第2マーカに対して1小節の最後に操作するかを容易に知ることができるとともに、どの第2マーカに対して1小節の最初に操作するかを容易に判別することができる。ただし、実際のゲーム画面200では、終点マーカ232にのみ模様が付されたり、終点マーカ232に他の第2マーカ232と異なる色が付されたり、終点マーカ232が他の第2マーカ232と異なる形状または/および大きさで表示されたりする。つまり、終点マーカ232は、他の第2マーカ232とは異なる視覚的特徴を有している。
【0129】
さらに、この実施例では、プレイヤにBGMのリズムまたは拍を刻む位置を知らせるとともに、プレイヤが操作すべき位置を知らせるために、第1マーカ230がリズムマーカの配置されている位置に到達したときにBGMとは別に効果音を鳴らす(または、再生する)ようにしてある。つまり、第1マーカ230の位置がリズムマーカの位置に重なるときに効果音が発生される。終点マーカ232以外の第2マーカ232が配置された位置と第3マーカ234が配置された位置では所定の効果音(以下、「第1効果音」という)が再生され、終点マーカ232が配置された位置では第1効果音とは異なる所定の効果音(以下、「第2効果音」という)が再生される。また、第2効果音は、一例として、第1効果音よりも高い音に設定されるが、第1効果音よりも低い音に設定されたり、第1効果音と同じ音で異なる音量に設定されたりしてもよい。ただし、リズムマーカすなわち第2マーカ232または第3マーカ234が配置されている位置は候補位置である。以下、同様である。
【0130】
このように、第1効果音および第2効果音を鳴らすので、音の高さの違いによって、終点マーカ232の位置を知ることができる。したがって、効果音の特徴によって、どのリズムマーカが1拍目であるかを容易に判別することもできる。
【0131】
ただし、終点マーカ232以外の第2マーカ232が配置された位置と第3マーカ234が配置された位置では異なる効果音を鳴らすようにすることもできる。この場合、第3マーカ234が配置された位置では、第1効果音および第2効果音とは異なる第3効果音が鳴らされる。また、第3効果音は、第1効果音および第2効果音よりも低い音に設定される。このように、第1効果音、第2効果音および第3効果音を鳴らすようにすれば、終点マーカ232の位置を知ることができるとともに、傾倒操作を行うべき第2マーカ232の位置を知ることができる。
【0132】
プレイヤは、第1マーカ230が第2マーカ232の配置されている位置に到達したタイミングで、当該第2マーカ232が配置された位置(または、方向)を指示するように、アナログスティック(以下、「Lスティック」ということがある)32を傾倒させる。上述したように、第2マーカ232が配置されている位置毎に、プレイヤの傾倒操作の成否が判定される。
【0133】
また、第1マーカ230が周回軌道240を1周する間に、1または複数の第2マーカ232に対するプレイヤの傾倒操作がすべて成功であることが判定されると、その周回についてのプレイヤの傾倒操作は成功であることが判定される。一方、第1マーカ230が周回軌道240を1周する間に、1または複数の第2マーカ232に対するプレイヤの傾倒操作が失敗であることが一度でも判定されると、その周回についてのプレイヤの傾倒操作は失敗であることが判定される。以下、リズムゲームのうちの第1マーカ230が周回軌道240を1周する間にプレイヤが傾倒操作を行うゲームを小リズムゲームと呼ぶことにする。したがって、第1マーカ230が周回軌道240を1周する間に、1または複数の第2マーカ232に対するプレイヤの傾倒操作がすべて成功であることが判定されると、小リズムゲームの成功(または、クリア)となる。また、1回でも傾倒操作が失敗であることが判定されると、小リズムゲームの失敗となる。
【0134】
この実施例では、小リズムゲームに成功すると、配置する第2マーカ232の数および1または複数の第2マーカ232を配置する位置がランダムに変化される。つまり、ランダムに決定された1または複数の第2マーカ232がランダムに再配置される。配置する第2マーカ232の数を決定する方法および1または複数の第2マーカ232を配置する位置を決定する方法は、リズムゲームの開始時におけるそれぞれの方法と同じである。小リズムゲームに失敗すると、第2マーカ232が再配置されることはない。
【0135】
このように、この実施例では、リズムゲームが継続している場合には、今回成功した小リズムゲームで第2マーカ232が配置されなかった位置に、次の小リズムゲームで第2マーカ232が配置されたとしても、BGMが変化されることはなく、複数の候補位置は固定されているため、プレイヤは効果音でリズムをとることができる。したがって、プレイヤは操作し易い。
【0136】
所定の回数(この実施例では、3回)小リズムゲームに成功すると、所定の効果が発動する。以下においては、小リズムゲームに所定の回数成功することで、クリアと判定され、所定の効果が発動される小リズムゲームのまとまりを大リズムゲームと呼ぶことにする。
【0137】
ただし、所定の回数は1回または2回或いは4回以上でもよい。また、所定の回数は連続する複数の回数でもよい。所定の回数は、予め決定されていたり、リズムゲームが開始されるときに、難易度または仮想のゲームの進行度合に応じてランダムに決定されたりする。
【0138】
上述したように、ZLボタン39が操作されている間は、リズムゲームが継続される。つまり、プレイヤが大リズムゲームをクリアするまでZLボタン39を操作し続ける場合には、大リズムゲームは継続される。
【0139】
所定の効果が発動されると、プレイヤキャラクタ202の体力値が所定値または全部回復されたり、プレイヤまたはプレイヤキャラクタ202が所定枚数のコインを取得したり、仮想空間における所定の仕掛けが解かれたりする。所定の仕掛けが解かれると、隠し扉またはダンジョンが現れたり、扉の鍵が開いたり、跳ね橋が下りたり、進路を塞ぐ岩などが消滅さたりする。
【0140】
この実施例では、大リズムゲームがクリアされると、所定の効果が発動され、大リズムゲームすなわちリズムゲーム制御処理は終了される。すると、第1マーカ230およびすべてのリズムマーカが消去されるとともに、所定の効果が発動されたことを表現するゲーム画面200がディスプレイ12に表示される。
【0141】
この実施例では、小リズムゲームを所定の回数成功した場合に大リズムゲームのクリアとなり、大リズムゲームをクリアしたことを契機として所定の効果を発動させるが、小リズムゲームを成功したことが判定されたことを契機として所定の効果を発動させるようにしてもよい。
【0142】
ここで、第2マーカ232に対するプレイヤの傾倒操作の成否を判定する方法について説明する。この実施例では、第1マーカ230が第2マーカ232が配置される位置に到達するタイミングで、周回軌道240の中心から第2マーカ232が配置される位置までの方向を指示しているかどうかが判定される。つまり、プレイヤの傾倒操作の成否は、アナログスティック32を傾倒したタイミングの成否とアナログスティック32を傾倒した方向の成否に基づいて判定される。アナログスティック32を傾倒したタイミングおよび傾倒した方向の両方が成功であれば、第2マーカ232に対するプレイヤの傾倒操作が成功であることが判定される。タイミングまたは/および方向が失敗であれば、第2マーカ232に対するプレイヤの傾倒操作が失敗であることが判定される。
【0143】
アナログスティック32を傾倒するタイミングの成否を判定する方法と、アナログスティック32を傾倒する方向の成否を判定する方法について説明する。
【0144】
アナログスティック32を傾倒するタイミングが、第1マーカ230の位置が第2マーカ232の配置された位置に到達する丁度のタイミングを含む固定の期間または範囲(以下、「タイミング判定範囲」)内である場合に、アナログスティック32を傾倒するタイミングが成功であることが判定される。ただし、タイミング判定範囲は、第1マーカ230の位置が第2マーカ232の配置された位置に到達する丁度のタイミングの0.3秒前に開始し、丁度のタイミングの0.5秒後に終了する。
【0145】
ただし、タイミング判定範囲は、丁度のタイミングを中心に前後の長さを同じにしてもよく、丁度のタイミングを中心に後の長さよりも前の長さを長くしてもよい。
【0146】
タイミング判定範囲の長さは固定であり、第2マーカ232は、BGMの拍子で決定される複数の候補位置の全部または一部に設定されるため、複数の候補位置が決定されたときに、各候補位置に対してタイミング判定範囲が決定される。ただし、各候補位置で拍を刻む時間はテンポに応じて決定される。
【0147】
図14(A)はBGMが4分の3拍子でありテンポが60である場合の各候補位置すなわち拍数毎のタイミング判定範囲の限定しない一例を説明するための図である。図14(B)はBGMが4分の4拍子でありテンポが60である場合の各候補位置すなわち拍数毎のタイミング判定範囲の限定しない一例を説明するための図である。図14(C)はBGMが4分の3拍子でありテンポが120である場合の各候補位置すなわち拍数毎のタイミング判定範囲の限定しない一例を説明するための図である。
【0148】
上述したように、BGMが4分の3拍子でありテンポが60である場合には、周回軌道240上に3個の候補位置が等間隔で配置される。図14(A)に示すように、周回軌道240を直線状に記載すると、3個の候補位置は、それぞれ、始点から長さL/3(m)、長さ2L/3(m)および長さL(m)の位置に配置される。また、3個の候補位置は、始点から終点に向かう順番で、1拍目、2拍目および3拍目を刻む位置である。
【0149】
BGMが4分の3拍子でありテンポが60である場合には、1秒毎に拍が刻まれるため、1拍目の候補位置に対して0.7秒から1.5秒のタイミング判定範囲が設定され、2拍目の候補位置に対して1.7秒から2.5秒のタイミング判定範囲が設定され、3拍目の候補位置に対して2.7秒から3.5秒のタイミング判定範囲が設定される。ただし、後述するように、第1マーカ230が周回軌道240を1周する毎にタイマ854x(図17参照)をリセットおよびスタートするため、3拍目の候補位置に対するタイミング判定範囲は、2.7秒から3.0秒と次の周回の0秒から0.5秒までの期間である。このことは他の場合についても同様である。
【0150】
各タイミング判定範囲において、アナログスティック32の傾倒操作が行われた場合に、アナログスティック32を傾倒するタイミングが成功であることが判定される。アナログスティック32の傾倒操作が行われたタイミングが各タイミング判定範囲よりも前である場合および各タイミング判定範囲内でアナログスティック32の傾倒操作が行われない場合に、アナログスティック32を傾倒するタイミングが失敗であることが判定される。これらのことは他の場合についても同様である。
【0151】
上述したように、BGMが4分の4拍子でありテンポが60である場合には、周回軌道240上に4個の候補位置が等間隔で配置される。図14(B)に示すように、周回軌道240を直線状に記載すると、4個の候補位置は、それぞれ、始点から長さL/4(m)、長さL/2(m)、長さ3L/4(m)および長さL(m)の位置に配置される。また、4個の候補位置は、始点から終点に向かう順番で、1拍目、2拍目、3拍目および4拍目を刻む位置である。
【0152】
BGMが4分の4拍子でありテンポが60である場合には、1秒毎に拍が刻まれるため、1拍目の候補位置に対して0.7秒から1.5秒のタイミング判定範囲が設定され、2拍目の候補位置に対して1.7秒から2.5秒のタイミング判定範囲が設定され、3拍目の候補位置に対して2.7秒から3.5秒のタイミング判定範囲が設定され、4拍目の候補位置に対して3.7秒から4.5秒のタイミング判定範囲が設定される。ただし、4拍目の候補位置に対するタイミング判定範囲は、3.7秒から4.0秒と次の周回の0秒から0.5秒までの期間である。
【0153】
また、BGMが4分の3拍子でありテンポが120である場合にも、テンポが60の場合と同様に、周回軌道240上に3個の候補位置が等間隔で配置される。図14(C)に示すように、周回軌道240を直線状に記載すると、3個の候補位置は、それぞれ、始点から長さL/3(m)、長さ2L/3(m)および長さL(m)の位置に配置される。また、3個の候補位置は、始点から終点に向かう順番で、1拍目、2拍目および3拍目を刻む位置である。
【0154】
BGMが4分の3拍子でありテンポが120である場合には、0.5秒毎に拍が刻まれるため、1拍目の候補位置に対して0.2秒から1.0秒のタイミング判定範囲が設定され、2拍目の候補位置に対して0.7秒から1.5秒のタイミング判定範囲が設定され、3拍目の候補位置に対して1.2秒から2.0秒のタイミング判定範囲が設定される。ただし、3拍目の候補位置に対するタイミング判定範囲は、1.2秒から1.5秒と次の周回の0秒から0.5秒までの期間である。
【0155】
この実施例では、タイミング判定範囲の長さは固定されているため、テンポが速い場合には、図14(C)からも分かるように、隣接する2つの候補位置すなわち拍数に対するタイミング判定範囲が互いに重なることがある。この場合、時間的に前のタイミング判定範囲を用いた判定を終える前に、時間的に次のタイミング判定範囲を用いた判定に移行する場合がある。ただし、隣接する2つの候補位置に対するタイミング判定範囲が互いに重なり、その重なるタイミングでプレイヤの傾倒操作がある場合には、時間的に前のタイミング判定範囲に対応する候補位置に配置された第2マーカ232に対するプレイヤの傾倒操作として成否が判定される。
【0156】
方向判定範囲は、操作対象の第2マーカ232が配置された候補位置を含む周回軌道240上の範囲であり、この第2マーカ232に対するプレイヤの傾倒操作の方向が正しいかどうかを判定するための範囲である。
【0157】
プレイヤがゲーム画面200を正面から見た場合のゲーム画面200の上下左右の方向と、プレイヤがアナログスティック32の設けられたコントローラ3の面を正面から見た場合のアナログスティック32の上下左右の方向は一致している。したがって、第2マーカ232に対するプレイヤの傾倒操作の方向が正しいかどうかについても、ゲーム画面200上の位置を用いて行われる。ゲーム画面200上において、第2マーカ232が配置されている方向は、周回軌道240の中心から見て第2マーカ232が配置される位置までの方向である。
【0158】
周回軌道240の中心から見て第2マーカ232が配置される位置までの方向は、2次元のゲーム画面200における角度で示され、この角度に対して所定角度(たとえば、±75°)の幅を持たせた範囲が当該第2マーカ232に対する方向判定範囲である。一例として、ゲーム画面200に表示された周回軌道240の中心を基準点とし、ゲーム画面200の右方向を基準の方向(つまり、0°)として、その基準点と候補位置を結ぶ線分が基準の方向となす角度が、基準点から第2マーカ232が配置される位置までの方向である。ただし、基準の方向に対して反時計周りに角度の値が大きくされる。
【0159】
また、アナログスティック32を傾倒することで指示する方向は、アナログスティック32の右方向を基準の方向(つまり、0°)として、この基準の方向となす角度で決定される。ただし、基準の方向に対して反時計周りに角度の値が大きくされる。
【0160】
図15は第2マーカ232の方向判定範囲の限定しない一例を説明するための図である。図15には、図10に示したゲーム画面200のうちの周回軌道240と終点マーカ232が示される。図15に示すように、終点マーカ232は、周回軌道240の中心から見て65°の方向に配置される。したがって、この終点マーカ232に対する方向判定範囲は-10°(すなわち、350°)から140°の範囲に設定される。プレイヤがアナログスティック32を傾倒した場合に、傾倒した方向が方向判定範囲内である場合に、この方向判定範囲が設定された第2マーカ232に対するプレイヤの傾倒操作の方向が成功であることが判定される。一方、傾倒した方向が方向判定範囲外である場合に、この方向判定範囲が設定された第2マーカ232に対するプレイヤの傾倒操作の方向が失敗であることが判定される。
【0161】
このように、プレイヤは、プレイヤキャラクタ202を囲う周回軌道240に沿って移動する第1マーカ230の位置がこの周回軌道240上に配置された1または複数の第2マーカ232を指示するようにアナログスティック32を操作する。第2マーカ232の方向は、ゲーム画面200上において、周回軌道240の中心から第2マーカ232が配置された位置に向かう方向である。また、上述したように、アナログスティック32で指示する上下左右の方向はゲーム画面200の上下左右の方向と一致する。つまり、プレイヤが指示する方向は、プレイヤキャラクタ202の位置に対する第2マーカ232が配置された位置までの方向と一致するため、より直感的な操作が可能である。
【0162】
なお、この実施例のリズムゲームでは傾倒された方向がプレイヤの傾倒操作の成否の判定に用いられるが、傾倒された量はプレイヤの傾倒操作の成否の判定に用いられない。ただし、プレイヤはリズムゲームのプレイ中では、ZLボタン39を操作し続けるため、意図しない傾倒操作を検出しないように、傾倒された量が所定量よりも少ない場合には、傾倒操作が無いものとして扱うようにしてもよい。
【0163】
図16図6に示したDRAM85のメモリマップ850の限定しない一例を示す図である。図16に示すように、DRAM85は、プログラム記憶領域852およびデータ記憶領域854を含む。プログラム記憶領域852には、ゲームアプリケーションのプログラム(つまり、ゲームプログラム)が記憶される。図16に示すように、ゲームプログラムは、メイン処理プログラム852a、画像生成プログラム852b、操作検出プログラム852c、音再生プログラム852d、本編のゲーム制御プログラム852e、リズムゲーム制御プログラム852f、楽曲解析プログラム852gおよび画像表示プログラム852hなどを含む。ただし、楽曲解析プログラム852gは、汎用のミドルウェアあり、本体装置2が備える機能であるため、ゲームプログラムには含まれない。また、ゲーム画像などの画像を表示する機能は本体装置2が備える機能である。したがって、画像表示プログラム852hもゲームプログラムに含まれない。
【0164】
詳細な説明は省略するが、各プログラム852a-852hは、本体装置2に電源が投入された後の適宜のタイミングで、フラッシュメモリ84および/またはスロット23に装着された記憶媒体からその一部または全部が読み込まれてDRAM85に記憶される。ただし、各プログラム852a-852hの一部または全部は、本体装置2と通信可能な他のコンピュータから取得するようにしてもよい。
【0165】
メイン処理プログラム852aは、この実施例の仮想のゲームの全体的な処理(以下、「全体処理」という)を実行するためのプログラムである。
【0166】
画像生成プログラム852bは、後述する画像生成データ854bを用いて、ゲーム画像などの各種の表示用画像に対応する表示用画像データを生成するためのプログラムである。ゲーム画像には、プレイヤキャラクタ202、敵キャラクタ204などのノンプレイヤキャラクタおよび背景オブジェクト210などが含まれ、さらに、アイテムのオブジェクトおよび魔法陣220が含まれる場合もある。ただし、周回軌道240は含まれない。
【0167】
操作検出プログラム852cは、左コントローラ3または/および右コントローラ4からの操作データ854aを取得するためのプログラムである。また、1または複数の他のコントローラが用いられる場合には、操作検出プログラム852cは、1または複数の他のコントローラからの操作データ854aも取得する。
【0168】
音再生プログラム852dは、後述する音データ854cを用いて、BGM、効果音、プレイヤキャラクタ202および敵キャラクタ204などのノンプレイヤキャラクタの音声を再生するためのプログラムである。音再生プログラム852dに従って再生された音ないし音楽はスピーカ88から出力される。
【0169】
本編のゲーム制御プログラム852eは、仮想のゲームの本編についてのゲーム制御処理を実行するためのプログラムである。
【0170】
リズムゲーム制御プログラム852fは、リズムゲームについてのゲーム制御処理を実行するためのプログラムである。
【0171】
楽曲解析プログラム852gは、BGMのテンポおよび拍子などを解析するためのプログラムである。また、楽曲解析プログラム852gは、BGMの各小節において拍数毎に拍を刻むタイミングも解析される。
【0172】
画像表示プログラム852hは、画像生成プログラム852bに従って生成した表示用画像データを表示装置に出力するためのプログラムである。したがって、表示用画像データに対応する表示用画像(ゲーム画面200など)がディスプレイ12などの表示装置に表示される。
【0173】
なお、プログラム記憶領域852には、他の機器と通信するための通信プログラム、データをフラッシュメモリ84などの不揮発性の記憶媒体に記憶するためのバックアッププログラムなども記憶される。
【0174】
また、データ記憶領域854には、操作データ854a、画像生成データ854b、音データ854c、プレイヤキャラクタデータ854d、解析データ854e、移動速度データ854f、候補位置データ854g、第1マーカデータ854h、第2マーカデータ854i、第3マーカデータ854j、現在のタイミング判定範囲データ854k、現在の方向判定範囲データ854m、小リズムゲーム成功判定データ854nおよび大リズムゲームクリア判定データ854pなどが記憶される。また、データ記憶領域854には、第1マーカ表示フラグ854q、待機フラグ854r、小リズムゲーム成功フラグ854s、大リズムゲームクリアフラグ854t、第1出力フラグ854u、第2出力フラグ854v、効果発動フラグ854wおよびタイマ854xが設けられる。
【0175】
操作データ854aは、左コントローラ3または/および右コントローラ4から受信される操作データである。この実施例においては、本体装置2が左コントローラ3および右コントローラ4の両方から操作データを受信する場合には、本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4のそれぞれを識別可能にして操作データ854aを記憶する。また、1または複数の他のコントローラが用いられる場合には、本体装置2は、1または他のコントローラを識別可能にして操作データ854aを記憶する。
【0176】
画像生成データ854bは、ポリゴンデータおよびテクスチャデータなど、表示用画像データを生成するために必要なデータである。
【0177】
音データ854cは、複数のBGM、各種の効果音、プレイヤキャラクタ202およびノンプレイヤキャラクタの音声についてのデータである。
【0178】
プレイヤキャラクタデータ854dは、プレイヤキャラクタ202の現在位置データ、向きデータおよびアイテムデータを含む。現在位置データは、仮想空間における、プレイヤキャラクタ202の現在の位置の3次元座標のデータである。向きデータは、仮想空間における、プレイヤキャラクタ202の現在の向きのデータである。アイテムデータは、プレイヤキャラクタ202が所持するアイテムの種類および個数のデータである。
【0179】
解析データ854eは、楽曲解析プログラム852gに従って解析された、ゲーム中に再生されるBGMのテンポ、拍子および現在の再生位置についてのデータである。ただし、現在の再生位置は、現在再生中のBGMの1小節における再生位置である。
【0180】
移動速度データ854fは、第1マーカ230の移動速度についてのデータである。候補位置データ854gは、周回軌道240上に決定された複数の候補位置の各々の3次元座標のデータおよび複数の候補位置の各々についてのタイミング判定範囲のデータである。
【0181】
第1マーカデータ854hは、第1マーカ230の現在の位置の3次元座標データである。第2マーカデータ854iは、1または複数の第2マーカ232の各々が配置される位置の3次元座標データである。第3マーカデータ854jは、1または複数の第3マーカ234の各々が配置される位置の3次元座標データである。ただし、第3マーカ234が配置されない場合には、第3マーカデータ854jは記憶されない。
【0182】
現在のタイミング判定範囲データ854kは、第1マーカ230が次に到達する候補位置に対して設定される傾倒操作のタイミングの判定範囲についてのデータである。ただし、第1マーカ230が次に到達する候補位置に第3マーカ234が配置されている場合には、現在のタイミング判定範囲データ854kとしてNULLデータが記憶される。現在の方向判定範囲データ854mは、第1マーカ230が次に到達する候補位置に対して設定される傾倒操作の方向の判定範囲についてのデータである。
【0183】
小リズムゲーム成功判定データ854nは、小リズムゲームの成功であるかを判定するためのデータである。具体的には、小リズムゲーム成功判定データ854nは、第1マーカ230が周回軌道240を1周する間に、周回軌道240に配置された各第2マーカ232に対するプレイヤの傾倒操作の成否の判定結果を示すデータである。この実施例では、最大で4個の第2マーカ232が周回軌道240上に配置されるため、小リズムゲーム成功判定データ854nは4ビットのデータであり、各ビットが各第2マーカ232に対するプレイヤの傾倒操作の成否を示す。第1マーカ230が各周回を開始するときに、小リズムゲーム成功判定データ854nのすべてのビットに1が設定され、第2マーカ232に対するプレイヤの傾倒操作の成否を判定した結果を最上位ビットから最下位ビットに向けて順に書き込む。第2マーカ232に対するプレイヤの傾倒操作が成功であることが判定されると、対応するビットの値は1のままであり、第2マーカ232に対応するプレイヤの傾倒操作が失敗であることが判定されると、対応するビットに0が設定される。第1マーカ230が周回軌道240を1周したときに、小リズムゲーム成功判定データ854nのすべてのビットに1が設定されている場合に、小リズムゲームの成功であることが判定される。一方、小リズムゲーム成功判定データ854nのいずれか1つのビットでも0が設定されている場合に、小リズムゲームの失敗であることが判定される。
【0184】
大リズムゲームクリア判定データ854pは、大リズムゲームのクリアであるかを判定するためのデータであって、小リズムゲームの成功回数を示す数値データである。小リズムゲームの成功回数が所定の回数を示す場合に、大リズムゲームのクリアであることが判定される。
【0185】
第1マーカ表示フラグ854qは、第1マーカ230を表示するかを示すフラグである。第1マーカ230を表示する場合には、第1マーカ表示フラグ854qはオンされる。第1マーカ230を表示しない場合には、第1マーカ表示フラグ854qはオフされる。
【0186】
待機フラグ854rは、1または複数の第2マーカ232の各々を候補位置に配置するのを待機するかを示すフラグである。リズムゲームが開始されたときと、大リズムゲームのクリアであることが判定されたときに、待機フラグ854rはオンされる。すべての候補位置に第2マーカ232が配置されていない状態で、第1マーカ230が周回軌道240を1周したときに、待機フラグ854rはオフされる。
【0187】
小リズムゲーム成功フラグ854sは、小リズムゲームの成功であるかを示すフラグである。小リズムゲームの成功であることが判定された場合に、小リズムゲーム成功フラグ854sはオンされる。小リズムゲームの成功でない場合に、小リズムゲーム成功フラグ854sはオフされる。ただし、小リズムゲームの成功でない場合には、小リズムゲームの成否を判定していない場合と小リズムゲームに失敗した場合が含まれる。
【0188】
大リズムゲーム成功フラグ854tは、大リズムゲームのクリアであるかを示すフラグである。大リズムゲームのクリアであることが判定された場合に、大リズムゲーム成功フラグ854tはオンされる。大リズムゲームのクリアでない場合に、大リズムゲーム成功フラグ854tはオフされる。
【0189】
第1出力フラグ854uは、第1マーカ230が第3マーカ234の配置されている候補位置または終点マーカ232以外の第2マーカ232の配置されている候補位置に到達した場合の第1効果音を再生するかどうかを示すフラグである。第1効果音を再生する場合には、第1出力フラグ854はオンされる。第1効果音を再生しない場合には、第1出力フラグ854uはオフされる。
【0190】
第2出力フラグ854vは、第1マーカ230が終点マーカ232の配置されている候補位置に到達した場合の第2効果音を再生するかどうかを示すフラグである。第2効果音を再生する場合には、第2出力フラグ854vはオンされる。第2効果音を再生しない場合には、第2出力フラグ854vはオフされる。
【0191】
効果発動フラグ854wは、リズムゲームがクリアされたことによる効果を発動するかどうかを示すフラグである。効果を発動する場合には、効果発動フラグ854wはオンされる。効果を発動しない場合には、効果発動フラグ854wはオフされる。
【0192】
タイマ854xは、第1マーカ230が周回軌道230に沿って移動する場合に、第1マーカが基準の候補位置から現在の位置まで移動するのに要した時間をカウントするためのカウンタであり、第1マーカ230が周回軌道230を1周する毎にリセットおよびスタートされる。
【0193】
図示は省略するが、データ記憶領域854には、仮想空間に配置されている敵キャラクタ204を含むノンプレイヤキャラクタおよび背景オブジェクトについてのデータおよび1または複数の第3マーカ234の各々が配置される位置の3次元座標データについての第3マーカデータなどの他のデータが記憶されたり、他のフラグおよびタイマ(またはカウンタ)が設けられたりする。
【0194】
図18は、本体装置2のプロセッサ81(またはコンピュータ)のゲームプログラムの処理(全体処理)の限定しない一例を示すフロー図である。図19は、本体装置2のプロセッサ81のゲーム制御処理の限定しない一例を示すフロー図である。図20図27は、本体装置2のプロセッサ81のリズムゲーム制御処理の限定しない一例を示すフロー図である。以下、図18図27を用いて、全体処理、ゲーム制御処理およびリズムゲーム制御処理について説明する。
【0195】
ただし、図18図27に示すフロー図の各ステップの処理は、単なる一例に過ぎず、同様の結果が得られるのであれば、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。また、この実施例では、基本的には、図18図27に示すフロー図の各ステップの処理をプロセッサ81が実行するものとして説明するが、プロセッサ81以外のプロセッサや専用回路が一部のステップを実行するようにしてもよい。
【0196】
本体装置2の電源が投入されると、全体処理の実行に先だって、プロセッサ81は、図示しないブートROMに記憶されている起動プログラムを実行し、これによってDRAM85等の各ユニットが初期化される。本体装置2は、プレイヤによって、この実施例のゲームプログラムの実行が指示されると、全体処理を開始する。
【0197】
図18に示すように、プロセッサ81は、全体処理を開始すると、つまり、仮想のゲームの本編を開始すると、ステップS1で、初期設定を実行する。ここでは、プロセッサ81は、仮想空間において、プレイヤキャラクタ202、ノンプレイヤキャラクタ(敵キャラクタ204を含む)および背景オブジェクト210を配置する位置および向きを初期位置および初期の向きに決定する。ただし、前回の続きから仮想のゲームを開始する場合には、プレイヤキャラクタ202、ノンプレイヤキャラクタ(敵キャラクタ204を含む)および背景オブジェクト210を配置する位置および向きを、セーブされた時点における位置および向きに決定する。したがって、プレイヤキャラクタ202の初期位置またはセーブされた時点における位置データおよび向きデータが現在位置データおよび向きデータとして設定されたプレイヤキャラクタデータ854dがデータ記憶領域854に記憶される。
【0198】
続くステップS3では、左コントローラ3または/および右コントローラ4から送信された操作データを取得し、ステップS5では、後述するゲーム制御処理(図19参照)を実行する。
【0199】
次のステップS7では、ゲーム画像(つまり、表示用画像)を生成する。ここでは、プロセッサ81は、ステップS5のゲーム制御処理の結果に基づいて、3次元の仮想空間に各種のオブジェクトおよびキャラクタを配置して、或る情景または場面(シーン)を生成し、生成したシーンを仮想カメラで撮影したゲーム画像(ゲーム画面200など)に対応するゲーム画像データを生成する。ただし、リズムゲームにおいては、第1マーカ表示フラグ854pがオフである場合には、第1マーカ230はゲーム画面200に表示されないため、第1マーカ230は仮想空間に配置されない。一方、第1マーカ表示フラグ854pがオンである場合には、第1マーカ230はゲーム画面200に表示されるため、第1マーカ230は仮想空間に配置される。また、後述するように、ゲーム制御処理において、所定の効果が発動された場合には、所定の効果が発動したことを表現するゲーム画像に対応するゲーム画像データが生成される。
【0200】
次のステップS9では、ゲーム音声を生成する。ここでは、プロセッサ81は、ステップS5のゲーム制御処理の結果に応じたゲーム音声に対応する音声データを生成する。ただし、ゲーム音声は、プレイヤキャラクタ202および敵キャラクタ204などのノンプレイヤキャラクタの音声、BGMおよび効果音などのゲームに必要な音を意味する。したがって、仮想のゲームの本編またはリズムゲームにおいて、BGMを含むゲーム音声が生成される。また、リズムゲームにおいては、第1出力フラグ854uがオンである場合には、BGMおよび第1効果音を含むゲーム音声が生成され、第2出力フラグ854vがオンである場合には、BGMおよび第2効果音を含むゲーム音声が生成される。また、必要に応じて、プレイヤキャラクタ202および敵キャラクタ204などのノンプレイヤキャラクタの音声がゲーム音声に含まれる。上述したように、シーンまたは仮想のゲームの進行状況に応じて再生されるBGMが変化(または、決定)される。
【0201】
続いて、ステップS11は、ゲーム画像を表示する。ここでは、プロセッサ81は、ステップS7で生成したゲーム画像データをディスプレイ12に出力する。また、ステップS13では、ゲーム音声を出力する。ここでは、プロセッサ81は、ステップS9で生成したゲーム音声データを、コーデック回路87を介してスピーカ88に出力する。したがって、仮想のゲームの本編またはリズムゲームにおいて、BGMが再生され、リズムゲームにおいては、第1マーカ230の位置が終点マーカ232以外のリズムマーカの位置と重なったときに第1効果音がさらに鳴らされ、第1マーカ230の位置が終点マーカ232の位置と重なったときに第2効果音がさらに鳴らされる。また、必要に応じて、プレイヤキャラクタ202および敵キャラクタ204などのノンプレイヤキャラクタの音声が出力される。
【0202】
そして、ステップS15では、ゲームを終了するかどうかを判断する。ステップS15の判断は、プレイヤがゲームを終了する指示を行ったか否か等によって行われる。ステップS15で“NO”であれば、つまりゲームを終了しない場合には、ステップS3に戻る。一方、ステップS15で“YES”であれば、つまりゲームを終了する場合には、全体処理を終了する。
【0203】
図19に示すように、プロセッサ81は、ステップS5に示したゲーム制御処理を開始すると、ステップS31で、リズムゲーム制御処理の実行中であるかどうかを判断する。ステップS31で“YES”であれば、つまり、リズムゲーム制御処理の実行中であれば、ステップS33で、リズムゲームの終了であるかどうかを判断する。ここでは、プロセッサ81は、ステップS3で取得した操作データがZLボタン39の操作を示していないかどうかを判断する。または、プロセッサ81は、ステップS3で操作データを取得していないかどうかを判断する。あるいは、プロセッサ81は、大リズムゲームクリアフラグ854tがオンであるかどうかを判断する。
【0204】
ステップS33で“NO”であれば、つまり、リズムゲームの終了でなければ、ステップS35で、後述するリズムゲーム制御処理(図20図26参照)を実行して、ステップS55に進む。一方、ステップS33で“YES”であれば、つまり、リズムゲームの終了であれば、ステップS37で、リズムゲーム制御処理を終了し、ステップS55に進む。
【0205】
ステップS31で“NO”であれば、つまり、リズムゲーム制御処理の実行中でなければ、ステップS39で、プレイヤキャラクタ202の移動かどうかを判断する。ここでは、プロセッサ81は、ステップS3で取得した操作データがアナログスティック32の傾倒操作を示すかどうかを判断する。
【0206】
ステップS39で“YES”であれば、つまり、プレイヤキャラクタ202の移動であれば、ステップS41で、操作入力に従ってプレイヤキャラクタ202を移動させる。このステップS41では、プロセッサ81は、アナログスティック32の傾倒操作に従う方向に、プレイヤキャラクタ202の位置および向きを変更する。つまり、プレイヤキャラクタ202の現在位置データおよび向きデータが更新される。図示は省略するが、プレイヤキャラクタ202がアイテムの位置に接近または到達した場合には、当該アイテムを取得する。プレイヤキャラクタ202がアイテムを取得した場合には、プレイヤキャラクタデータ854dのアイテムデータが更新される。つまり、取得したアイテムの個数が増加される。
【0207】
次のステップS43では、魔法陣220が出現しているかどうかを判断する。ステップS43で“NO”であれば、つまり、魔法陣220が出現していない場合には、ステップS55に進む。一方、ステップS43で“YES”であれば、つまり、魔法陣220が出現している場合には、ステップS45で、プレイヤキャラクタ202の移動に従って魔法陣220を移動させて、ステップS55に進む。
【0208】
ステップS39で“NO”であれば、つまり、プレイヤキャラクタ202の移動でなければ、ステップS47で、魔法陣220を出現させるかどうかを判断する。ここでは、プロセッサ81は、ステップS3で取得した操作データがZLボタン39の操作を示すかどうかを判断する。
【0209】
ステップS47で“YES”であれば、つまり、魔法陣220を出現させる場合には、ステップS49で、プレイヤキャラクタ220の前方に魔法陣220を出現させて、ステップS55に進む。一方、ステップS47で“NO”であれば、つまり、魔法陣220の出現させない場合には、ステップS51で、リズムゲームの開始かどうかを判断する。ここでは、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタ202の近傍に所定の花オブジェクト210aが配置された状態で、魔法陣220が出現されたかどうかを判断する。または、プロセッサ81は、プレイヤキャラクタ202の移動に従って移動される魔法陣220が所定の花オブジェクト210aと重なる、または、所定距離以内に近づいたかどうかを判断する。
【0210】
ステップS51で“YES”であれば、つまり、リズムゲームの開始であれば、ステップS53で、リズムゲーム制御処理を開始し、ステップS55に進む。プロセッサ81は、ステップS53で、リズム制御処理を開始するとき、小リズムゲーム成功判定データ854nおよび大リズムゲームクリア判定データ854pをリセットするとともに、所リズムゲーム成功フラグ854s、大リズムゲームクリアフラグ854t、第1出力フラグ854u、第2出力フラグ854vおよび効果発動フラグ854wをオフする。
【0211】
一方、ステップS51で“NO”であれば、つまり、リズムゲームの開始でなければ、ステップS55で、その他のゲーム処理を実行し、ゲーム制御処理を終了して、図18に示した全体処理にリターンする。ステップS55では、プロセッサ81は、プレイヤの操作に従ってプレイヤキャラクタ202に敵キャラクタ204を攻撃させたり、プレイヤの操作に従ってプレイヤキャラクタ202にアイテムを使用させたり、敵キャラクタ204を移動させたり、敵キャラクタ204にプレイヤキャラクタ202を攻撃させたり、アイテムを出現させたりするなどのゲーム処理を実行する。また、効果発動フラグ854wがオンであれば、ステップS55では、プロセッサ81は、所定の効果を発動する。さらに、ステップS55では、プロセッサ81は、ゲームクリアまたはゲームオーバを判断する。
【0212】
図20に示すように、プロセッサ81は、リズムゲーム制御処理を開始すると、ステップS101では、第1マーカ表示フラグ854qがオンであるかどうかを判断する。ステップS101で“YES”であれば、つまり、第1マーカ表示フラグ854qがオンであれば、図22に示すステップS127に進む。一方、ステップS101で“NO”であれば、つまり、第1マーカ表示フラグ854qがオフであれば、ステップS103で、候補位置の決定済みであるかどうかを判断する。
【0213】
ステップS103で“YES”であれば、つまり、候補位置の決定済みであれば、図21に示すステップS117に進む。一方、ステップS103で“NO”であれば、つまり、候補位置の決定済みでなければ、ステップS105で、汎用のミドルウェアによって解析されたBGMの解析結果を取得する。つまり、プロセッサ81は、BGMのテンポ、拍子および現在の再生位置のデータを取得する。このとき、プロセッサ81は、解析結果についての解析データ854eをデータ記憶領域854に記憶する。
【0214】
次のステップS107では、取得した解析結果に含まれるBGMの拍子に応じて複数の候補位置を決定し、取得した解析結果に含まれるBGMのテンポに応じて各候補位置のタイミング判定範囲を設定する。ただし、候補位置の数はBGMの1小節における拍子の数である。また、プレイヤキャラクタ202の正面の位置に決定された候補位置が1小節における第1マーカ230の移動開始位置であり、拍数に従う順序で各候補位置のタイミング判定範囲が設定される。
【0215】
続くステップS109では、取得した解析結果に含まれるBGMのテンポに応じた第1マーカ230の移動速度を決定する。次のステップS111では、第1マーカ表示フラグ854qをオフし、ステップS113では、取得した解析結果に含まれるBGMの現在の再生位置に相当する周回軌道240上の位置に第1マーカ230の位置を決定する。続いて、ステップS115では、すべての候補位置の各々に第3マーカ234を配置して、ステップS117に進む。
【0216】
図21に示すステップS117では、第1マーカ230の表示タイミングであるかどうかを判断する。上述したように、プロセッサ81は、現在の再生位置が直前の1小節の最後の拍数から現在の1小節における1拍目までの間であるかどうかを判断し、現在の再生位置が現在の1小節における1拍目を超えてから最後の拍数の前までの間である場合には、現在の1小節における最後の拍数を刻むタイミングであるかどうかを判断する。
【0217】
ステップS117で“YES”であれば、つまり、第1マーカ230の表示タイミングである場合には、ステップS119で、第1マーカ表示フラグ854qをオンし、ステップS121で、待機フラグ854rをオンし、リズムゲーム制御処理を終了して、ゲーム制御処理にリターンする。
【0218】
ステップS117で“NO”であれば、つまり、第1マーカ230の表示タイミングでない場合には、ステップS123で、現フレームがステップS113で第1マーカ230の位置を決定したフレームであるかどうかを判断する。ステップS123で“YES”であれば、つまり、現フレームがステップS113で第1マーカ230の位置を決定したフレームであれば、リズムゲーム制御処理を終了して、ゲーム制御処理にリターンする。一方、ステップS123で“NO”であれば、つまり、フレームがステップS113で第1マーカ230の位置を決定したフレームでなければ、ステップS125で、第1マーカ230の位置を周回軌道230に沿って1フレーム分移動させ、リズムゲーム制御処理を終了して、ゲーム制御処理にリターンする。ステップS125では、第1マーカデータ854hが更新される。つまり、第1マーカ230の現在の位置の3次元座標データが更新される。
【0219】
上述したように、ステップS101で“YES”であれば、図22に示すステップS127で、待機フラグ854rがオンであるかどうかを判断する。ステップS127で“YES”であれば、つまり、待機フラグ854rがオンであれば、ステップS129で、第1マーカ230の位置を周回軌道230に沿って1フレーム分移動させ、ステップS131で、第1マーカ230の位置が基準の候補位置と重なるかどうかを判断する。
【0220】
ステップS131で“NO”であれば、つまり、第1マーカ230の位置が基準の候補位置と重ならない場合には、リズムゲーム制御処理を終了して、ゲーム制御処理にリターンする。一方、ステップS131で“YES”であれば、つまり、第1マーカ230の位置が基準の候補位置と重なる場合には、ステップS133で、ランダムに決定された1または複数の第2マーカ232をランダムに配置する1または複数の候補位置を決定する。このとき、第2マーカ232が配置されない1または複数の候補位置に、1または複数の第3マーカ234を配置することが決定される。後述するステップS189も同様である。
【0221】
次のステップS135では、待機フラグ854rをオフし、ステップS137で、タイマ854xをリセットおよびスタートする。続いて、ステップS139では、ステップS125では、第2マーカデータ854iを参照して、第2マーカ232が1番目(すなわち、1拍目)の候補位置に配置されているかどうかを判断する。
【0222】
ステップS139で“YES”であれば、つまり、第2マーカ232が1番目の候補位置に配置されていれば、ステップS141で、現在のタイミング判定範囲に、1番目の候補位置のタイミング判定範囲を設定し、リズムゲーム制御処理を終了して、ゲーム制御処理にリターンする。ステップS141では、ステップS107で設定した1番目の候補位置のタイミング判定範囲が現在のタイミング判定範囲として設定される。
【0223】
一方、ステップS139で“NO”であれば、つまり、第2マーカ232が最初の候補位置に配置されていなければ、ステップS143で、現在のタイミング判定範囲にNULLを設定し、リズムゲーム制御処理を終了して、ゲーム制御処理にリターンする。ステップS143では、プロセッサ81は、現在のタイミング判定範囲データ854kとしてNULLデータを設定する。
【0224】
また、ステップS127で“NO”であれば、つまり、待機フラグ854rがオフであれば、図23に示すステップS145で、小リズムゲーム成功フラグ854sと大リズムゲームクリアフラグ854tがオフであるかどうかを判断する。ステップS145で“YES”であれば、つまり、小リズムゲーム成功フラグ854sと大リズムゲームクリアフラグ854tがオフであれば、ステップS147で、Lスティックの傾倒操作が有るかどうかを判断する。ここでは、プロセッサ81は、ステップS3で取得した操作データがアナログスティック32の傾倒操作を示すかどうかを判断する。
【0225】
ステップS147で“NO”であれば、つまり、Lスティックの傾倒操作が無ければ、図24に示すステップS159に進む。一方、ステップS147で“YES”であれば、つまり、Lスティックの傾倒操作が有れば、ステップS149で、傾倒操作のタイミングが現在のタイミング判定範囲内であるかどうかを判断する。
【0226】
ステップS149で“NO”であれば、傾倒操作のタイミングが現在のタイミング判定範囲外であれば、ステップS155に進む。一方、ステップS149で“YES”であれば、つまり、傾倒操作のタイミングが現在のタイミング判定範囲内であれば、ステップS151で、Lスティックの傾倒方向が現在の方向判定範囲内であるかどうかを判断する。
【0227】
ステップS151で“YES”であれば、つまり、Lスティックの傾倒方向が現在の方向判定範囲内であれば、ステップS153で、操作対象の第2マーカ232に対する傾倒操作について成功判定を記憶し、ステップS157で、現在のタイミング判定範囲にNULLを設定して、ステップS159に進む。ステップS153では、プロセッサ81は、小リズムゲーム成功判定データ854nにおいて操作対象の第2マーカ232に対応するビットの値を変更しない。
【0228】
一方、ステップS151で“NO”であれば、つまり、Lスティックの傾倒方向が方向判定範囲外であれば、ステップS155で、操作対象の第2マーカ232に対する傾倒操作について失敗判定を記憶し、ステップS157に進む。ステップS155では、プロセッサ81は、小リズムゲーム成功判定データ854nにおいて操作対象の第2マーカ232に対応するビットの値を0に変更する。
【0229】
図24に示すステップS159では、終点マーカ232に対するプレイヤの傾倒操作の成否を判定したかどうかを判断する。ステップS159で“NO”であれば、つまり、終点マーカ232に対するプレイヤの傾倒操作の成否について判定していなければ、図25に示すステップS175に進む。一方、ステップS159で“YES”であれば、つまり、終点マーカ232に対するプレイヤの傾倒操作の成否について判定していれば、ステップS161で、小リズムゲームの成功かどうかを判断する。ここでは、プロセッサ81は、小リズムゲーム成功判定データ854nを参照し、すべてのビットに1が設定されているかどうかを判断する。
【0230】
ステップS161で“NO”であれば、つまり、小リズムゲームの失敗であれば、ステップS175に進む。一方、ステップS161で“YES”であれば、つまり、小リズムゲームの成功であれば、ステップS163で、大リズムゲームクリア判定データを更新する。つまり、プロセッサ81は、小リズムゲームの成功回数を1加算する。
【0231】
次のステップS165では、今回の大リズムゲームのクリアであるかどうかを判断する。ここでは、プロセッサ81は、大リズムゲームクリア判定データ854pを参照して、小リズムゲームの成功回数が所定の回数を示すかどうかを判断する。
【0232】
ステップS165で“NO”であれば、つまり、今回の大リズムゲームのクリアでなければ、ステップS167で、小リズムゲーム成功フラグ854sをオンして、ステップS175に進む。一方、ステップS165で“YES”であれば、つまり、今回の大リズムゲームのクリアであれば、ステップS169で、大リズムゲームクリアフラグ854tをオンし、ステップS171で、効果発動フラグ854wをオンし、ステップS173で、第1マーカ230およびすべてのリズムマーカを消去し、リズムゲーム制御処理を終了して、ゲーム制御処理にリターンする。ステップS173では、第1マーカデータ854h、第2マーカデータ854iおよび第3マーカデータ854jが消去される。
【0233】
図25に示すように、ステップS175では、第1マーカ230の位置を周回軌道240に沿って1フレーム分移動させ、次のステップS177では、第1マーカ230の位置が候補位置と重なるかどうかを判断する。ステップS177で“NO”であれば、第1マーカ230の位置が候補位置と重ならない場合には、図27に示すステップS197に進む。一方、ステップS177で“YES”であれば、つまり、第1マーカ230の位置が候補位置と重なる場合には、ステップS179で、第1マーカ230の位置が重なる候補位置に、第2マーカ232が配置されているかどうかを判断する。
【0234】
ステップS179で“NO”であれば、つまり、第1マーカ230の位置が重なる候補位置に、第3マーカ234が配置されている場合には、ステップS183に進む。一方、ステップS179で“YES”であれば、つまり、第1マーカ230の位置が重なる候補位置に、第2マーカ232が配置されている場合には、ステップS181で、第2マーカ232が終点マーカ232であるかどうかを判断する。
【0235】
ステップS181で“NO”であれば、つまり、配置されている第2マーカ232が終点マーカ232でなければ、ステップS183で、第1出力フラグ854uをオンし、ステップS197に進む。一方、ステップS181で“YES”であれば、つまり、配置されている第2マーカ232が終点マーカ232であれば、ステップS185で、第2出力フラグ854vをオンし、図26に示すステップS187に進む。
【0236】
図26に示すように、ステップS187では、小リズムゲーム成功フラグ854sがオンであるかどうかを判断する。ステップS187で“NO”であれば、つまり、小リズムゲーム成功フラグ854sがオフであれば、ステップS193に進む。一方、ステップS187で“YES”であれば、つまり、小リズムゲーム成功フラグ854sがオンであれば、ステップS189で、ランダムに決定された1または複数の第2マーカ232をランダムに配置する1または複数の候補位置を決定する。つまり、ランダムに決定された1または複数の第2マーカ232が再配置される。次のステップS191で、小リズムゲーム成功フラグ854sをオフして、ステップS193に進む。
【0237】
ステップS193では、小リズムゲーム成功データ854nをリセットする。続いて、ステップS195では、タイマ854xをリセットおよびスタートして、ステップS197に進む。
【0238】
図27に示すように、ステップS197では、タイマ854xのカウント値が現在のタイミング判定範囲の終了時間であるかどうかを判断する。ステップS197で“YES”であれば、つまり、タイマ854xのカウント値が現在のタイミング判定範囲の終了時間であれば、ステップS203に進む。一方、ステップS197で“NO”であれば、つまり、タイマ854xのカウント値が現在のタイミング判定範囲の終了時間でなければ、ステップS199で、タイマ854xのカウント値が次の候補位置に設定されたタイミング判定範囲の開始時間であるかどうかを判断する。
【0239】
ステップS199で“NO”であれば、タイマ854xのカウント値が次の候補位置に設定されたタイミング判定範囲の開始時間でなければ、リズムゲーム制御処理を終了して、ゲーム制御処理にリターンする。一方、ステップS199で“YES”であれば、つまり、タイマ854xのカウント値が次の候補位置に設定されたタイミング判定範囲の開始時間であれば、ステップS201で、現在のタイミング判定範囲にNULLが設定されているかどうかを判断する。
【0240】
ステップS201で“NO”であれば、つまり、現在のタイミング判定範囲にNULLが設定されていなければ、リズムゲーム制御処理を終了して、ゲーム制御処理にリターンする。一方、ステップS201で“YES”であれば、つまり、現在のタイミング判定範囲にNULLが設定されていれば、ステップS203に進む。
【0241】
ステップS203では、第2マーカ232が次の候補位置に配置されているかどうかを判断する。ただし、現在の候補位置が基準の候補位置である場合には、次の候補位置は、次の1小節の1番目(すなわち、1拍目)の候補位置である。
【0242】
ステップS203で“YES”であれば、つまり、第2マーカ232が次の候補位置に配置されている場合には、ステップS205で、現在のタイミング判定範囲に、次の候補位置のタイミング判定範囲を設定し、リズムゲーム制御処理を終了して、ゲーム制御処理にリターンする。
【0243】
一方、ステップS203で“NO”であれば、つまり、第2マーカ232が次の候補位置に配置されていない場合には、ステップS207で、現在のタイミング判定範囲にNULLを設定し、リズムゲーム制御処理を終了して、ゲーム制御処理にリターンする。
【0244】
なお、全体処理において、リズムゲーム制御処理を終了することが判定された場合には、プロセッサ81は、リズムゲーム制御処理を強制的に終了する。
【0245】
この実施例によれば、周回軌道に沿って移動する第1マーカ230が第2マーカ232によって指示される位置に到達するタイミングで、第2マーカ232が配置される方向にスティックを傾倒させるように操作するので、直感に従う新規なリズムゲームをプレイすることができる。
【0246】
なお、上述の実施例では、本編の仮想のゲーム内において所定の条件を満たした場合に、リズムゲームを実行するようにしたが、本編の仮想のゲーム内ではなく、リズムゲームのみを実行するようにしてもよい。つまり、ステップS5で、図20図27に示したリズムゲーム制御処理が実行される。
【0247】
また、上述の実施例では、第1マーカが移動する周回軌道上に第2マーカを配置するようにしたが、これに限定される必要はない。第2マーカを周回軌道の内側または外側に配置し、プレイヤが操作するべき位置を指示するように、第2マーカから周回軌道に向けて矢印を表示するようにすることもできる。
【0248】
さらに、上述の実施例では、スティックを傾倒操作するアナログスティックを用いて操作するようにしたが、スティックをスライド操作するスライドパットのような操作装置を用いるようにしてもよい。
【0249】
さらにまた、上述の実施例では、第2マーカが配置される方向に向けてLスティックを1回傾倒させる操作を行う場合について説明したが、限定される必要はない。隣接する2つの第2マーカの間において、その2つの第2マーカのいずれかが配置される方向にLスティックを傾倒させた状態を維持する操作を行なったり、実施例とは異なる形状の第2マーカが配置される方向にLスティックを素早く2回傾倒させる操作を行なったりするようにしてもよい。
【0250】
前者の場合には、図28に示すように、隣接する2つの第2マーカ232の間に、周回軌道240に沿って(または、重なるように)帯状の連結オブジェクト242が配置されている場合には、当該2つの第2マーカ232の間を第1マーカ230が移動する場合に、プレイヤは当該2つの第2マーカ232のいずれかが配置されている方向にアナログスティック32を傾倒させ、その状態を第1マーカ230が連結オブジェクト242を移動している間維持する。この場合、連結オブジェクト242で連結された2つの第2マーカ232の間を第1マーカ230が移動する間、アナログスティック32が傾倒されたままであるかどうかが判定されるとともに、アナログスティック32の傾倒方向がその2つの第2マーカ232に対して設定された方向判定範囲内であるかどうかが判定される。
【0251】
後者の場合には、図29に示すように、2つの輪を重ねて第2マーカ232aが配置され、第1マーカ230が、この第2マーカ232aが配置される候補位置に到達した場合に、プレイヤは第2マーカ232aが配置される方向にアナログスティック32を素早く2回傾倒させる。この場合、第2マーカ232aに対して設定されたタイミング判定範囲においてアナログスティック32が2回傾倒されたどうかが判定されるとともに、アナログスティック32の傾倒方向が第2マーカ232aに対して設定された方向判定範囲内であるかどうかが判定される。
【0252】
また、上述の実施例では、リズムゲームを開始したときのプレイヤキャラクタ202の向いている方向に終点マーカ232を配置するようにしたが、これに限定される必要はない。リズムゲームを開始したときに決定された周回軌道240のうち、所定のオブジェクト(実施例では、花オブジェクト210a)に最も近い位置に終点マーカ232を配置するようにしてもよい。ただし、所定のオブジェクトは複数配置されるため、周回軌道240と最も近い所定のオブジェクトまたは複数の所定のオブジェクトの中間の位置と最も近い位置に終点マーカ232は配置される。
【0253】
さらに、上述の実施例では、周回軌道240は円の形状にしたが、楕円または多角形の形状にしてもよい。たとえば、周回軌道240を楕円の形状にする場合には、隣接する2つのリズムマーカを第1マーカ230が移動する時間が等間隔となるように、BGMの拍子に応じた3つまたは4つのリズムマーカが周回軌道240上に配置される。また、4分の4拍子のBGMの場合には、周回軌道240を菱形または正方形などの4の倍数の頂点を持つ正多角形の形状にするとともに、隣接する2つのリズムマーカを第1マーカ230が移動する時間が等間隔となるように、4つの頂点にリズムマーカを配置することが考えられる。さらに、4分の3拍子のBGMの場合には、周回軌道240を正三角形などの3の倍数の頂点を有する正多角形の形状にするとともに、隣接する2つのリズムマーカを第1マーカ230が移動する時間が等間隔となるように、3つの頂点にリズムマーカを配置することが考えられる。
【0254】
なお、隣接する2つのリズムマーカを第1マーカ230が移動する時間が等間隔となるように複数のリズムマーカを配置する場合には、周回軌道240を正多角形以外の多角形の形状にしてもよい。
【0255】
また、上述の実施例では、タイミング判定範囲を時間で設定するようにしたが、限定される必要はない。周回軌道240の1周の長さLは固定であり、また、第1マーカ230の移動速度は計算されるため、周回軌道240上の開始位置からの回転角度または距離でタイミング判定範囲を設定することもできる。具体的には、第1マーカ230が1周するのに要する時間の20%をタイミング判定範囲の長さとすると、4分の3拍子の場合、タイミング判定範囲は、拍を刻む候補位置を含む中心角が72°の範囲または拍を刻む候補位置を含む弧の長さが0.2Lの範囲に設定される。この場合、実施例で示したように、タイミング判定範囲は、候補位置の前よりも候補位置の後ろの長さが長くなるように設定することができ、候補位置の前後の長さを同じに設定することもでき、候補位置の後ろよりも候補位置の前の長さがなるように設定することもできる。ただし、タイミング判定範囲は、各候補位置に対して、基準の候補位置から判定を開始するタイミングに相当する角度または長さと、基準の候補位置から判定を終了するタイミングに相当する角度または長さの範囲で設定される。
【0256】
さらに、上述の実施例では、ZLボタンの操作を止めると、リズムゲームが終了するようにしたが、限定される必要はない。リズムゲームをクリアしたときに、リズムゲームが終了するようにしてもよい。この場合、リズムゲームをクリアするまで、第1マーカは周回軌道に沿って移動し続ける。
【0257】
なお、上述の実施例では、ゲームシステムの一例としてゲームシステム1を示したが、その構成は限定される必要は無く、他の構成を採用することが可能である。たとえば、上記「コンピュータ」は、上述の実施例においては、1つのコンピュータ(具体的には、プロセッサ81)であるが、他の実施例においては、複数のコンピュータであってもよい。上記「コンピュータ」は、例えば、複数の装置に設けられる(複数の)コンピュータであってもよく、より具体的には、上記「コンピュータ」は、本体装置2のプロセッサ81と、コントローラが備える通信制御部(マイクロプロセッサ)101、111とによって構成されてもよい。
【0258】
また、上述の実施例では、ディスプレイ12にゲーム画像を表示する場合について説明したが、これに限定される必要はない。本体装置2を、クレードルを介して据置型モニタ(たとえば、テレビモニタ)に接続することにより、ゲーム画像を据置型モニタに表示することもできる。かかる場合には、ゲームシステム1と据置型モニタを含むゲームシステムを構成することもできる。
【0259】
さらに、上述の実施例では、本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4を着脱可能な構成のゲームシステム1を用いた場合について説明したが、これに限定される必要はない。たとえば、左コントローラ3および右コントローラ4と同様の操作ボタンおよびアナログスティックを有する操作部を本体装置2に一体的に設けたゲーム装置またはゲームプログラムを実行可能な他の電子機器のようなゲーム装置を用いることもできる。他の電子機器としては、スマートフォンまたはタブレットPCなどが該当する。かかる場合には、操作部はソフトウェアキーで構成することもできる。
【0260】
さらにまた、上述の実施例で示した具体的な数値および画像は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0261】
1 …ゲームシステム
2 …本体装置
3 …左コントローラ
4 …右コントローラ
32、52 …アナログスティック
38 …Lボタン
39 …ZLボタン
60 …Rボタン
61 …ZRボタン
81 …プロセッサ
【要約】
【課題】 傾倒操作またはスライド操作可能な操作装置を用いて直感に従う新規なリズムゲームをプレイすることができる。
【構成】 ゲームシステム(1)は、本体装置(2)を含み、本体装置は仮想のゲームの本編を実行し、ゲーム画面(200)が表示装置(12)に表示される。プレイヤキャラクタ202の近傍に所定の花オブジェクト(210a)が配置されている場合に、プレイヤがZLボタン(39)を操作すると、プレイヤキャラクタ202の前方に魔法陣220が出現し、リズムゲームが開始される。リズムゲームでは、第1マーカ210がプレイヤキャラクタの周囲を周回軌道240に沿って移動し、プレイヤは第1マーカが第2マーカ232の配置された位置に到達するタイミングでアナログスティック(32)を、当該第2マーカの配置された位置を指示するように傾倒させる。
【選択図】 図10
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図26
図27
図28
図29