(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-12
(45)【発行日】2023-09-21
(54)【発明の名称】電装素子の放熱装置
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20230913BHJP
H01L 23/427 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
H05K7/20 Q
H05K7/20 B
H01L23/46 A
(21)【出願番号】P 2022546475
(86)(22)【出願日】2021-02-04
(86)【国際出願番号】 KR2021001451
(87)【国際公開番号】W WO2021158026
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2022-07-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0015080
(32)【優先日】2020-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0015840
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キョ スン ジ
(72)【発明者】
【氏名】ベ モーク ジョン
(72)【発明者】
【氏名】イン ファ チェ
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-65459(JP,A)
【文献】特開昭60-102759(JP,A)
【文献】特開昭60-116155(JP,A)
【文献】特開昭62-239559(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
H01L 23/427
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間が形成された放熱ハウジングと、
前記放熱ハウジング内に配置されて、前記内部空間を、冷媒が満たされる真空空間である第1チャンバと、非真空空間である第2チャンバとに区画する熱伝導材質のシールドケースと、
前記シールドケース内に配置され、発熱素子が備えられる印刷回路基板と、を含み、
前記シールドケースは、前記発熱素子から前記シールドケースに伝達される顕熱(sensible heat)と、前記シールドケースから前記第1チャンバに伝達される潜熱(latent heat)とを用いて、前記冷媒を蒸発させる電装素子の放熱装置。
【請求項2】
前記放熱ハウジングは、ベローズ形状に形成される、請求項1に記載の電装素子の放熱装置。
【請求項3】
前記放熱ハウジングの外側面には、放熱フィンが突出形成される、請求項1に記載の電装素子の放熱装置。
【請求項4】
前記第1チャンバ内に配置され、前記印刷回路基板に電源を供給するパワーサプライユニットをさらに含む、請求項1に記載の電装素子の放熱装置。
【請求項5】
前記放熱ハウジングの外側を取り囲み、複数の外部空気出入ホールが形成されたフィンガーガードをさらに含む、請求項1に記載の電装素子の放熱装置。
【請求項6】
前記第1チャンバ内に前記冷媒を噴射する噴射ノズルと、
前記噴射ノズルに冷媒を供給する冷媒ポンプと、をさらに含む、請求項1に記載の電装素子の放熱装置。
【請求項7】
前記第1チャンバの圧力を検知する圧力検知センサと、
前記圧力検知センサが検知した前記第1チャンバの圧力が第1設定圧力以下であれば、前記冷媒ポンプを作動させ、前記圧力検知センサが検知した前記第1チャンバの圧力が前記第1設定圧力より高い第2設定圧力以上であれば、前記冷媒ポンプを停止させるコントローラと、をさらに含む、請求項6に記載の電装素子の放熱装置。
【請求項8】
前記冷媒ポンプは、前記第1チャンバ内で凝縮された冷媒を前記噴射ノズルに供給する、請求項6に記載の電装素子の放熱装置。
【請求項9】
前記放熱ハウジングは、ハウジング本体と、前記ハウジング本体の開口した後面を覆うリヤカバーとを含み、
前記リヤカバーの前面には、筒状の挿入部が前方に突出形成され、
前記シールドケースは、前記ハウジング本体内に挿入される前記挿入部の開口した先端を覆い、
前記第1チャンバは、前記ハウジング本体の内部空間のうち前記挿入部の外側空間であり、
前記第2チャンバは、前記挿入部の内部空間である、請求項1に記載の電装素子の放熱装置。
【請求項10】
前記放熱ハウジングは、ハウジング本体と、前記ハウジング本体の開口した後面を覆うリヤカバーとを含み、
前記リヤカバーの前面には、筒状の挿入部が前方に突出形成され、
前記ハウジング本体内に挿入される前記挿入部の開口した先端を覆う遮蔽板と、をさらに含み、
前記第1チャンバは、前記ハウジング本体の内部空間のうち前記挿入部の外側空間であり、
前記第2チャンバは、前記挿入部の内部空間であり、
前記シールドケースは、前記遮蔽板から離隔して前記第1チャンバに配置される、請求項1に記載の電装素子の放熱装置。
【請求項11】
内部空間が形成された放熱ハウジングと、
前記放熱ハウジングの内部に配置されて、前記内部空間を、冷媒が満たされる真空空間である第1チャンバと、非真空空間である第2チャンバとに区画し、発熱素子が備えられるコーティングされた印刷回路基板と、を含み、
前記冷媒は、前記発熱素子から発生した熱によって蒸発される電装素子の放熱装置。
【請求項12】
前記放熱ハウジングは、ベローズ形状に形成される、請求項11に記載の電装素子の放熱装置。
【請求項13】
前記放熱ハウジングの外側面には、放熱フィンが突出形成される、請求項11に記載の電装素子の放熱装置。
【請求項14】
前記第1チャンバ内に配置され、前記印刷回路基板に電源を供給するパワーサプライユニットをさらに含む、請求項11に記載の電装素子の放熱装置。
【請求項15】
前記放熱ハウジングの外側を取り囲み、複数のホールが形成されたフィンガーガードをさらに含む、請求項11に記載の電装素子の放熱装置。
【請求項16】
前記第1チャンバ内に前記冷媒を噴射する噴射ノズルと、
前記噴射ノズルに前記冷媒を供給する冷媒ポンプと、をさらに含む、請求項11に記載の電装素子の放熱装置。
【請求項17】
前記第1チャンバの圧力を検知する圧力検知センサと、
前記圧力検知センサが検知した前記第1チャンバの圧力が第1設定圧力以下であれば、前記冷媒ポンプを作動させ、前記圧力検知センサが検知した前記第1チャンバの圧力が前記第1設定圧力より高い第2設定圧力以上であれば、前記冷媒ポンプを停止させるコントローラと、をさらに含む、請求項16に記載の電装素子の放熱装置。
【請求項18】
前記冷媒ポンプは、前記第1チャンバ内で凝縮された冷媒を前記噴射ノズルに供給する、請求項16に記載の電装素子の放熱装置。
【請求項19】
前記放熱ハウジングは、ハウジング本体と、前記ハウジング本体の開口した後面を覆うリヤカバーとを含み、
前記リヤカバーの前面には、筒状の挿入部が前方に突出形成され、
前記挿入部の外側面には、前記印刷回路基板が装着される少なくとも1つの平面部が形成され、
前記第1チャンバは、前記ハウジング本体の内部空間のうち前記平面部の外側空間であり、
前記第2チャンバは、前記挿入部の内部空間である、請求項11に記載の電装素子の放熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電装素子の放熱装置(A COOLING APPARATUS FOR ELECTRONIC ELEMENTS)に関し、より詳しくは、印刷回路基板に装着されるアンテナ素子のような熱源から発生する熱を放熱させるための電装素子の放熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信技術、例えば、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術は、複数のアンテナを用いてデータの伝送容量を画期的に増加させる技術であって、送信機ではそれぞれの送信アンテナを介して互いに異なるデータを伝送し、受信機では適切な信号処理により送信データを区分するSpatial multiplexing手法である。
【0003】
したがって、送受信アンテナの個数を同時に増加させることによりチャネル容量が増加してより多くのデータを伝送可能にする。例えば、アンテナ数を10個に増加させると、現在の単一アンテナシステムに比べて同じ周波数帯域を用いて約10倍のチャネル容量を確保する。
【0004】
4G LTE-advancedでは8個のアンテナまで用いており、現在、pre-5G段階で64または128個のアンテナを装着した製品が開発されており、5Gでははるかに多い数のアンテナを有する基地局装備が使用されると予想され、これをMassive MIMO技術という。現在のCell運営が2-Dimensionであるのに対し、Massive MIMO技術が導入されると3D-Beamformingが可能になるので、FD-MIMO(Full Dimension)とも呼ぶ。
【0005】
Massive MIMO技術では、ANTの数字が増えるにつれ、これによるtransmitterとFilterの数字も一緒に増加する。にもかかわらず、設置場所のリース費用や空間的な制約によって、RF部品(Antenna/Filter/Power Amplifier/Transceiver etc.)を小さくて軽く、安価に作ることが必要になるが、Massive MIMOはCoverage拡張のためには高出力が必要で、このような高出力による消耗電力と発熱量は重量およびサイズを低減するのに否定的な要因として作用する。
【0006】
特に、RF素子とデジタル素子が実現されたモジュールが積層構造で結合されたMIMOアンテナを限られた空間に設置する時、設置の容易性や空間の活用性を極大化するために、MIMOアンテナを構成する複数のレイヤに対するコンパクト化および小型化設計の必要性が浮上し、この場合、複数のレイヤに実装された通信部品から発生する熱に対する新たな放熱構造に関する設計が要求される。
【0007】
大韓民国公開特許公報第10-2019-0118979(2019.10.21.公開日)(以下、「従来技術」という)には、MIMOアンテナを構成する複数のレイヤに対するコンパクト化および小型化設計のための放熱構造が適用された「多重入出力アンテナ装置」が開示されている。
【0008】
前記従来技術は、放熱フィンが突出して備えられた放熱本体と、前記放熱本体に設けられた複数の単位放熱体とを含む。前記複数の単位放熱体は、一端部がアンテナ基板の発熱素子に接触するように備えられており、他端部には前記発熱素子から伝導された熱を外部に放熱させる複数のサブ放熱フィンが備えられている。
【0009】
ところが、前記従来技術は、前記発熱素子の熱を放熱するための構造が、外部空気と熱交換による空冷式放熱構造である機構的な構造のみからなっているため、迅速な放熱が難しいだけでなく、迅速な放熱のためにはより多くの機構的な放熱構造が必要になるので、サイズが大きくなる問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の技術的課題は、サイズを最小化しながらも放熱性能が向上する電装素子の放熱装置を提供することである。
【0011】
本発明の他の技術的課題は、冷媒の相変化により発熱素子から発生した熱を迅速に放熱できる電装素子の放熱装置を提供することである。
【0012】
本発明の技術的課題は以上に言及した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を達成するために、本発明による電装素子の放熱装置は、放熱ハウジングと、シールドケースと、印刷回路基板とから構成される。前記放熱ハウジングには内部空間が形成される。前記シールドケースは、熱伝導材質で形成される。前記シールドケースは、前記放熱ハウジング内に配置されて、前記内部空間を、第1チャンバと、第2チャンバとに区画する。前記第1チャンバは、冷媒が満たされる真空空間である。前記第2チャンバは、非真空空間である。前記印刷回路基板は、前記シールドケース内に配置される。前記印刷回路基板には、発熱素子が備えられる。前記シールドケースは、前記発熱素子から前記シールドケースに伝達される顕熱(sensible heat)と、前記シールドケースから前記第1チャンバに伝達される潜熱(latent heat)とを用いて、前記冷媒を蒸発させる。
【0014】
前記放熱ハウジングは、ベローズ形状に形成される。
【0015】
前記放熱ハウジングの外側面には、放熱フィンが突出形成される。
【0016】
前記第1チャンバ内には、パワーサプライユニットが配置される。前記パワーサプライユニットは、前記印刷回路基板に電源を供給することができる。
【0017】
前記放熱ハウジングの外側はフィンガーガードが取り囲むことができる。前記フィンガーガードには複数のホールが形成される。
【0018】
本発明による電装素子の放熱装置には、噴射ノズルと、冷媒ポンプとがさらに構成される。前記噴射ノズルは、前記第1チャンバ内に前記冷媒を噴射することができる。前記冷媒ポンプは、前記噴射ノズルに前記冷媒を供給することができる。
【0019】
本発明による電装素子の放熱装置には、圧力検知センサと、コントローラとがさらに構成される。前記圧力検知センサは、前記第1チャンバの圧力を検知することができる。前記コントローラは、前記圧力検知センサが検知した前記第1チャンバの圧力が第1設定圧力以下であれば、前記冷媒ポンプを作動させ、前記圧力検知センサが検知した前記第1チャンバの圧力が第2設定圧力以上であれば、前記冷媒ポンプを停止させることができる。ここで、前記第2設定圧力は、前記第1設定圧力より高い圧力であってもよい。.
【0020】
前記冷媒ポンプは、前記第1チャンバ内で凝縮された冷媒を前記噴射ノズルに供給することができる。
【0021】
前記放熱ハウジングは、ハウジング本体と、リヤカバーとから構成される。前記リヤカバーは、前記ハウジング本体の開口した後面を覆うことができる。前記リヤカバーの前面には、筒状の挿入部が前方に突出形成される。前記第1チャンバは、前記ハウジング本体の内部空間のうち前記挿入部の外側空間であってもよい。前記第2チャンバは、前記挿入部の内部空間であってもよい。
【0022】
前記放熱ハウジング内には、遮蔽板がさらに配置される。この場合、前記ハウジング本体内に挿入された前記挿入部の開口した先端は、前記遮蔽板が覆うことができ、前記シールドケースは、前記遮蔽板から離隔して前記第1チャンバに配置される。
【0023】
本発明による電装素子の放熱装置は、放熱ハウジングと、印刷回路基板とから構成される。前記放熱ハウジングには内部空間が形成される。前記印刷回路基板は、前記放熱ハウジングの内部に配置されて、前記内部空間を、第1チャンバと、第2チャンバとに区画する。前記第1チャンバは、冷媒が満たされる真空空間である。前記第2チャンバは、非真空空間である。前記印刷回路基板には、発熱素子が備えられる。前記印刷回路基板は、前記冷媒が浸透しないようにコーティングされる。前記冷媒は、前記発熱素子から発生した熱によって蒸発される。
【0024】
前記放熱ハウジングは、ベローズ形状に形成される。
【0025】
前記放熱ハウジングの外側面には、放熱フィンが突出形成される。
【0026】
前記第1チャンバ内には、パワーサプライユニットが配置される。前記パワーサプライユニットは、前記印刷回路基板に電源を供給することができる。
【0027】
前記放熱ハウジングの外側はフィンガーガードが取り囲むことができる。前記フィンガーガードには、複数の外部空気出入ホールが形成される。
【0028】
本発明による電装素子の放熱装置には、噴射ノズルと、冷媒ポンプとがさらに構成される。前記噴射ノズルは、前記第1チャンバ内に前記冷媒を噴射することができる。前記冷媒ポンプは、前記噴射ノズルに前記冷媒を供給することができる。
【0029】
本発明による電装素子の放熱装置には、圧力検知センサと、コントローラとがさらに構成される。前記圧力検知センサは、前記第1チャンバの圧力を検知することができる。前記コントローラは、前記圧力検知センサが検知した前記第1チャンバの圧力が第1設定圧力以下であれば、前記冷媒ポンプを作動させ、前記圧力検知センサが検知した前記第1チャンバの圧力が第2設定圧力以上であれば、前記冷媒ポンプを停止させることができる。ここで、前記第2設定圧力は、前記第1設定圧力より高い圧力であってもよい。
【0030】
前記冷媒ポンプは、前記第1チャンバ内で凝縮された冷媒を前記噴射ノズルに供給することができる。
【0031】
前記放熱ハウジングは、ハウジング本体と、リヤカバーとから構成される。前記リヤカバーは、前記ハウジング本体の開口した後面を覆うことができる。前記リヤカバーの前面には、筒状の挿入部が前方に突出形成される。前記挿入部の外側面には、前記印刷回路基板が装着される少なくとも1つの平面部が形成される。前記第1チャンバは、前記ハウジング本体の内部空間のうち前記平面部の外側空間であってもよい。前記第2チャンバは、前記挿入部の内部空間であってもよい。
【0032】
その他、実施例の具体的な事項は詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0033】
本発明による電装素子の放熱装置は、シールドケースを備える場合、前記シールドケースの内部には、発熱素子が備えられた印刷回路基板が設けられて、前記発熱素子から発生した熱は、前記シールドケースに伝達される。前記シールドケースに伝達された熱は、第1チャンバの冷媒と熱交換されながら前記冷媒を蒸発させ、放熱される。
【0034】
また、本発明による電装素子の放熱装置は、前記シールドケースを備えず、前記印刷回路基板に冷媒が浸透しないように前記印刷回路基板がコーティングされた場合、第1チャンバの冷媒は、前記発熱素子から発生する熱と熱交換されながら前記冷媒を蒸発させ、放熱される。
【0035】
このように、本発明による電装素子の放熱装置は、前記発熱素子から発生した熱を、前記冷媒の相変化により迅速に放熱させることができる効果があり、機構的な空冷式放熱構造を多く設ける必要がなくなるので、サイズが小さくなる効果もある。
【0036】
本発明の効果は以上に言及した効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の第1実施例による電装素子の放熱装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1におけるフィンガーガードを除去して示す斜視図である。
【
図4】
図3におけるフィンガーガードを除去して示す平面図である。
【
図6】
図5におけるフィンガーガードを除去して示す正面図である。
【
図8】本発明の第1実施例による電装素子の放熱装置を示す制御ブロック図である。
【
図9】本発明の第2実施例による電装素子の放熱装置を示す側断面図である。
【
図10】本発明の第3実施例による電装素子の放熱装置を示す斜視図である。
【
図12】
図11に示された基板マウントおよび印刷回路基板を示す一側斜視図である。
【
図13】
図11に示された基板マウントおよび印刷回路基板を示す他側斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施例による電装素子の放熱装置を、図面を参照して説明する。
【0039】
図1は、本発明の第1実施例による電装素子の放熱装置を示す斜視図、
図2は、
図1におけるフィンガーガードを除去して示す斜視図、
図3は、
図1の平面図、
図4は、
図3におけるフィンガーガードを除去して示す平面図、
図5は、
図1の正面図、
図6は、
図5におけるフィンガーガードを除去して示す正面図、
図7は、
図1の側断面図である。
【0040】
図1~
図7を参照すれば、本発明の第1実施例による電装素子の放熱装置は、放熱ハウジング10と、シールドケース20と、印刷回路基板30と、フィンガーガード40とを含むことができる。
【0041】
ただし、フィンガーガード40は、外部の異物または外部の衝撃が放熱ハウジング10に伝達されるのを防止するとともに、外部から人の指が放熱ハウジング10に触れないようにするために、放熱ハウジング10の外側を取り囲む構成であって、本発明の実施例による電装素子の放熱装置にはフィンガーガード40が除外されてもよい。
【0042】
放熱ハウジング10は、内部空間を有する円筒状に形成される。ただし、放熱ハウジング10の形状は、円筒状に限定されず、内部に空間が形成された筒状であれば可能である。例えば、放熱ハウジング10は、三角筒状または四角筒状のような多角筒状に形成されてもよい。
【0043】
放熱ハウジング10は、放熱性能に優れた材質で形成される。例えば、放熱ハウジング10は、アルミニウム材質またはステンレス材質で形成される。
【0044】
放熱ハウジング10は、図面上、前後方向に長さが変化可能なベローズ形状に形成される。すなわち、放熱ハウジング10の外側面には、前後方向に折り畳まれた複数の第1シワ部11Aが突出形成される。
【0045】
複数の第1シワ部11Aは、折り畳まれた形状に形成され、第1チャンバC1内の圧力によって広げられたり、折り畳まれて形成される。
【0046】
すなわち、複数の第1シワ部11Aは、後述する第1チャンバC1内の冷媒が気化すれば、前記冷媒の圧力によって広げられて外部空気との接触面積を広くすることができる。
【0047】
ただし、放熱ハウジング10は、外部空気との接触面積を広くするために、必ずしもベローズ形状に形成される必要はない。すなわち、放熱ハウジング10の外側面に、前記複数の第1シワ部11Aの代わりに、後述する第2実施例のように複数の放熱フィン11Bが突出形成されてもよい。
【0048】
放熱ハウジング10は、前面および後面が開口した筒形状のハウジング本体11と、ハウジング本体11の前方に結合されて、ハウジング本体11の開口した前面を覆うフロントカバー12と、ハウジング本体11の後方に結合されて、ハウジング本体11の開口した後面を覆うリヤカバー13とを含むことができる。
【0049】
ハウジング本体11の外側面には、前記複数の第1シワ部11Aが突出形成される。ハウジング本体11は、放熱ハウジング10の周面を形成することができる。ハウジング本体11の内部空間は、放熱ハウジング10の内部空間であってもよい。
【0050】
フロントカバー12は、放熱ハウジング10の前面を形成することができる。フロントカバー12には、複数の第2シワ部12Aが形成される。本実施例において、複数の第2シワ部12Aは、リング状に形成されて同心円状に配置されるが、複数の第2シワ部12Aの形状は、リング状に限定されず、同心状に複数個配置される多角形に形成されてもよい。
【0051】
複数の第1シワ部11Aは、第1チャンバC1内の圧力によって広げられたり、折り畳まれるのに対し、複数の第2シワ部12Aは、広げられたり、折り畳まれず、形状が変化しなくてもよい。すなわち、複数の第2シワ部12Aは、側断面上で前後にジグザグに曲がって形成されて、互いに隣り合う第2シワ部のうち、いずれか1つは前面が膨らんで後面が凹んで形成され、他の1つは前面が凹んで後面が膨らんで形成されてもよい。
【0052】
リヤカバー13は、放熱ハウジング10の後面を形成することができる。リヤカバー13には、後述する第1チャンバC1を真空状態にする真空生成器具(図示せず)と、第1チャンバC1内の圧力を測定する圧力検知センサ71(
図8参照)とが設けられる。ただし、前記真空生成器具および圧力検知センサ71は、必ずしもリヤカバー13に設けられるべきではなく、フロントカバー12に設けられてもよい。
【0053】
ハウジング本体11は、前面および後面が開口した円筒状に形成される。フロントカバー12は、ハウジング本体11の開口した前面を覆う円板状に形成される。リヤカバー13は、ハウジング本体11の開口した後面を覆う円板状に形成される。フロントカバー12は、リヤカバー13より直径が小さく形成される。リヤカバー13は、フロントカバー12より直径が大きく形成される。フロントカバー12は、ハウジング本体11の外径と略同じ直径に形成される。リヤカバー13は、ハウジング本体11の外径より大きい直径に形成されて、リヤカバー13の周縁は、ハウジング本体11の外側に突出配置される。
【0054】
リヤカバー13の周縁は、複数の第1シワ部11Aより外側に突出配置される。
【0055】
フィンガーガード40は、後面が開口した筒形状に形成され、放熱ハウジング10は、リヤカバー13を除いた前方部がフィンガーガード40の開口した後面を介してフィンガーガード40の内部に挿入配置される。
【0056】
リヤカバー13の前面には、筒状の挿入部13Aが前方に突出形成される。挿入部13Aは、リヤカバー13の前面に一体に形成されてもよく、リヤカバー13と別物として形成されて、ボルトのような複数の締結部材を介してリヤカバー13に締結されてもよい。
【0057】
挿入部13Aは、ハウジング本体11の内部に挿入される。挿入部13Aの内部空間は、後述する第2チャンバC2になってもよく、ハウジング本体11の内部空間のうち挿入部13Aの外側空間は、第1チャンバC1になってもよい。シールドケース20は、ハウジング本体11の内部に挿入される挿入部13Aの開口した先端を覆い、挿入部13Aの先端に結合可能である。
【0058】
シールドケース20は、放熱ハウジング10の内部に配置されて、放熱ハウジング10の内部空間を、第1チャンバC1と、第2チャンバC2とに区画することができる。
【0059】
第1チャンバC1は、放熱ハウジング10の内部空間の前方部を形成することができ、第2チャンバC2は、放熱ハウジング10の内部空間の後方部を形成することができる。そして、第2チャンバC2は、第1チャンバC1より放熱ハウジング10の半径方向に内側に配置される。第1チャンバC1および第2チャンバC2の位置はこれに限定されず、第1チャンバC1および第2チャンバC2は、前後方向に配置されてもよい。
【0060】
シールドケース20は、第1チャンバC1および第2チャンバC2が互いに独立した空間となるように区画することができる。第1チャンバC1および第2チャンバC2の間は、シールドケース20によって密閉可能である。
【0061】
第1チャンバC1は、真空状態の空間であってもよい。すなわち、前記第1チャンバC1は、前記真空生成器具によって真空状態になってもよい。第1チャンバC1は、密閉された空間であってもよい。
【0062】
第2チャンバC2は、非真空状態の空間であってもよい。第2チャンバC2は、密閉された空間であってもよい。
【0063】
第1チャンバC1には冷媒が満たされる。第1チャンバC1に満たされた冷媒は、印刷回路基板30に備えられた発熱素子から発生した熱によって気化して蒸発されながら、前記熱を放熱させることができる。
【0064】
印刷回路基板30は、シールドケース20の内部に配置される。シールドケース20は、第1チャンバC1内に満たされた冷媒が印刷回路基板30に流入しないように印刷回路基板30を取り囲むことができる。
【0065】
シールドケース20は、互いに結合される2つのパーツで構成されて、第1パーツに印刷回路基板30を載置させた後、第2パーツが印刷回路基板30を覆いながら第1パーツに結合可能である。
【0066】
シールドケース20は、熱伝導材質で形成されて、印刷回路基板30に備えられた発熱素子から発生した熱を第1チャンバC1に満たされた冷媒に伝達することができる。シールドケース20は、金属材質であれば可能であるが、熱伝導に優れたアルミニウム材質で形成されてもよく、ステンレス材質で形成されてもよい。
【0067】
印刷回路基板30には、発熱素子が装着される。前記発熱素子は、印刷回路基板30の両面にそれぞれ備えられる。すなわち、前記発熱素子は、印刷回路基板30のうち第1チャンバC1を向く面と、印刷回路基板30のうち第2チャンバC2を向く面に、それぞれ備えられる。ただし、前記発熱素子は、印刷回路基板30の両面に必ずしも備えられるべきではなく、印刷回路基板30の両面の少なくとも一面に備えられてもよい。
【0068】
前記発熱素子は、Digital素子、RF素子、Filter素子を含むことができる。
【0069】
前記Digital素子は、前面で熱が発生するので、印刷回路基板30のうち第1チャンバC1を向く面に配置されることが好ましい。
【0070】
前記RF素子は、後面で熱が発生するので、印刷回路基板30のうち第2チャンバC2を向く面に配置されることが好ましい。
【0071】
また、前記Filter素子は、真空状態で性能が低下するので、印刷回路基板30のうち第2チャンバC2を向く面に配置されることが好ましい。
【0072】
もちろん、前記Filter素子のように真空状態で性能が低下する発熱素子が備えられた別の印刷回路基板が第2チャンバC2内に設けられてもよい。
【0073】
一方、本発明の実施例による電装素子の放熱装置は、第1チャンバC1内に冷媒を満たすために第1チャンバC1内に前記冷媒を噴射する噴射部と、前記噴射部に前記冷媒を供給する冷媒供給部とをさらに含むことができる。
【0074】
前記噴射部は、第1チャンバC1内に配置される管形状に形成され、この場合、前記噴射部には、長さに沿って互いに離隔した複数の噴射口が形成される。すなわち、前記噴射部は、所定の長さを有する管形状に形成され、長さに沿って互いに離隔した複数の噴射口を有する噴射ノズル74(
図8参照)で形成される。
【0075】
前記冷媒供給部は、冷媒ポンプ73(
図8参照)を含むことができる。冷媒ポンプ73は、移送管75(
図8参照)を介して噴射ノズル74と連結可能である。冷媒ポンプ73は、前記冷媒を移送管75に圧送することができ、移送管75は、冷媒ポンプ73および噴射ノズル74を連結することができる。したがって、冷媒ポンプ73の作動によって移送管75に圧送された冷媒は、噴射ノズル74に移動した後、噴射ノズル74に形成された前記複数の噴射口を通して第1チャンバC1内に噴射される。
【0076】
シールドケース20は、前記発熱素子からシールドケース20に伝達される顕熱(sensible heat)と、シールドケース20から第1チャンバC1に伝達される潜熱(latent heat)とを用いて、前記冷媒を蒸発させることができる。
【0077】
第1チャンバC1内の前記冷媒は、前記潜熱によって気化する。前記気化した冷媒は、放熱ハウジング10の外側面に突出形成された前記複数の第1シワ部11Aが外部空気と熱交換されることによって凝縮できる。
【0078】
前記冷媒供給部は、第1チャンバC1内で凝縮された冷媒を前記噴射部に供給することができる。このために、冷媒ポンプ73、移送管75および噴射ノズル74は、第1チャンバC1内に配置され、冷媒ポンプ73は、第1チャンバC1内の凝縮された冷媒を移送管75に圧送することができ、移送管75に圧送された冷媒は、噴射ノズル74に移動した後、前記複数の噴射口を通して第1チャンバC1内に噴射される。
【0079】
このように、第1チャンバC1内の冷媒は、気化と凝縮を繰り返すことができ、冷媒ポンプ73および噴射ノズル74によって第1チャンバC1内で循環できる。
【0080】
一方、第1チャンバC1内には、パワーサプライユニット50が設けられる。パワーサプライユニット50は、本発明の実施例による電装素子の放熱装置に含まれる電装品に電源を供給する構成であって、印刷回路基板30に電源を供給することができる。
【0081】
パワーサプライユニット50は、基板と、発熱素子とを含むことができる。したがって、パワーサプライユニット50からも熱が発生することがあり、第1チャンバC1内の冷媒は、パワーサプライユニット50から発生する熱によって気化して蒸発されながら、パワーサプライユニット50の熱を放熱させることもできる。
【0082】
第1チャンバC1に満たされた冷媒がパワーサプライユニット50に流入してショートするのを防止するために、パワーサプライユニット50は、放熱防水コーティングされることが好ましい。
【0083】
フィンガーガード40には、外部空気が出入する複数の外部空気出入ホール41が形成される。複数の外部空気出入ホール41を通して外部空気が放熱ハウジング10の外側に移動して、放熱ハウジング10は、外部空気と熱交換できる。
【0084】
フィンガーガード40は、前面および周面から構成される。フィンガーガード40の前面には、複数の外部空気出入ホール41が形成され、フィンガーガード40の周面にも、複数の外部空気出入ホール41が形成される。
【0085】
フィンガーガード40は、複数の外部空気出入ホール41を有するグリル構造に形成されるが、複数の外部空気出入ホール41を有するために必ずしもグリル構造に限定されるわけではない。
【0086】
フィンガーガード40は、後面が開口した円筒状に形成される。ただし、フィンガーガード40の形状は、必ずしも円筒状に限定されるわけではなく、放熱ハウジング10の形状に対応する形状に形成可能である。
【0087】
放熱ハウジング10は、フィンガーガード40の開口した後面を介してフィンガーガード40の内部に挿入される。放熱ハウジング10がフィンガーガード40の内部に挿入された状態の時、フィンガーガード40の後端は、放熱ハウジング10のリヤカバー13の前面に載置される。
【0088】
図8は、本発明の第1実施例による電装素子の放熱装置を示す制御ブロック図である。
【0089】
図8を参照すれば、本発明の第1実施例による電装素子の放熱装置は、コントローラ72をさらに含むことができる。
【0090】
コントローラ72は、圧力検知センサ71の第1チャンバC1の圧力によって冷媒ポンプ73を制御することができる。
【0091】
圧力検知センサ71は、圧力検知センサ71が検知した第1チャンバC1の圧力をコントローラ72に入力することができ、コントローラ72は、圧力検知センサ71から入力される第1チャンバC1の圧力を用いて冷媒ポンプ73を制御することができる。
【0092】
例えば、コントローラ72は、圧力検知センサ71が検知した第1チャンバC1の圧力が第1設定圧力以下であれば、冷媒ポンプ73を作動させて、噴射ノズル74が第1チャンバC1内に冷媒を噴射するようにする。
【0093】
また、コントローラ72は、圧力検知センサ71が検知した第1チャンバC1の圧力が第2設定圧力以上であれば、冷媒ポンプ73を停止させて、噴射ノズル74が第1チャンバC1内に冷媒を噴射しないようにする。
【0094】
ここで、前記第2設定圧力は、前記第1設定圧力より高い圧力であってもよい。前記第2設定圧力は、放熱ハウジング10が爆発しない安全な圧力であってもよい。すなわち、第1チャンバC1内の圧力が前記第2設定圧力以上であれば、放熱ハウジング10が爆発する可能性があるので、コントローラ72は、圧力検知センサ71から入力される第1チャンバC1の圧力が前記第2設定圧力以上であれば、冷媒ポンプ73を停止させて、第1チャンバC1内の圧力がそれ以上上昇しないようにする。
【0095】
図9は、本発明の第2実施例による電装素子の放熱装置を示す側断面図である。ここでは、前述した第1実施例と同一の構成について同一の図面符号を付し、それに関する詳細な説明は省略し、異なる点のみを説明する。
【0096】
図9を参照すれば、本発明の第2実施例による電装素子の放熱装置は、
図7に示された前述した第1実施例に比べて異なる点が分かる。
【0097】
すなわち、前述した第1実施例では、シールドケース20が直接第1チャンバC1および第2チャンバC2を区画したが、本第2実施例では、放熱ハウジング10の内部に遮蔽板60が設けられる。
【0098】
遮蔽板60は、ハウジング本体11の内部に挿入される挿入部13Aの開口した先端を覆って密閉することができる。この場合、シールドケース20は、遮蔽板60から前方に離隔して第1チャンバC1に配置される。
【0099】
また、前述した第1実施例では、ハウジング本体11の外側面に第1チャンバC1内の冷媒の圧力によって広げられたり、折り畳まれる複数の第1シワ部11Aが形成されたが、本第2実施例では、ハウジング本体11の外側面に、複数の第1シワ部11Aの代わりに、複数の放熱フィン11Bが形成される。
【0100】
第2チャンバC2に設けられる印刷回路基板のケーブル連結は、前記第1実施例が前記第2実施例より有利であるが、第2チャンバC2に設けられる印刷回路基板のケーブル連結方式によって第1実施例および第2実施例のうちの1つで実施可能である。
【0101】
図10は、本発明の第3実施例による電装素子の放熱装置を示す斜視図、
図11は、
図10の側断面図、
図12は、
図11に示された基板マウントおよび印刷回路基板を示す一側斜視図、
図13は、
図11に示された基板マウントおよび印刷回路基板を示す他側斜視図である。ここでは、前述した第1実施例と同一の構成について同一の図面符号を付して、それに関する詳細な説明は省略し、異なる点のみを説明する。
【0102】
図10~
図13を参照すれば、本発明の第3実施例による電装素子の放熱装置は、前述した第1実施例および第2実施例に比べて異なる点が分かる。
【0103】
すなわち、前述した第1実施例および第2実施例では、印刷回路基板30をシールドケース20内に設けて冷媒の浸透を防止したが、本第3実施例では、シールドケース20を備えない代わりに、印刷回路基板30が放熱/防水コーティングされる。
【0104】
したがって、前述した第1実施例および第2実施例では、シールドケース20が放熱ハウジング10の内部空間を第1チャンバC1と第2チャンバC2とに区画したが、本第3実施例では、印刷回路基板30が放熱ハウジング10の内部空間を第1チャンバC1と第2チャンバC2とに区画する。
【0105】
また、本第3実施例において、挿入部13Aの外側面には、少なくとも1つの平面部が形成される。ここで、前記平面部は、平らに形成されて印刷回路基板が装着される部分であってもよい。
【0106】
本第3実施例において、挿入部13Aは、四角筒形状に形成されて、前記平面部が4つ形状され、4つの平面部にそれぞれ印刷回路基板30が装着されると例示されたが、挿入部13Aは、必ずしも四角筒形状に限定されず、三角筒形状を含めた多角筒形状に形成されてもよい。また、挿入部13Aは、一側に平面部が1つ形成された円筒状に形成されてもよい。
【0107】
第1チャンバC1は、ハウジング本体11の内部空間のうち前記平面部の外側空間であってもよい。すなわち、第1チャンバC1は、前記平面部の外側面とハウジング本体11の内側面との間の空間であってもよい。したがって、第1チャンバC1は、前記平面部の個数と同じ個数で形成される。
【0108】
第2チャンバC2は、挿入部13Aの内部空間であってもよい。ハウジング本体11内に挿入される挿入部13Aの先端は、フロントカバー12の後面に接触することができ、これによって、第2チャンバC2は、密閉された空間に形成される。
【0109】
上記のように構成される本発明の実施例による電装素子の放熱装置は、第1チャンバC1内に満たされた冷媒が、印刷回路基板30に備えられた前記発熱素子から発生した熱によって気化しながら蒸発される。
【0110】
第1チャンバC1内で蒸発された冷媒は、複数の第1シワ部11Aおよび複数の第2シワ部12Aが外部空気と熱交換されるか、放熱フィン11Bが外部空気と熱交換されることによって凝縮できる。
【0111】
第1チャンバC1内で凝縮された冷媒は、冷媒ポンプ73に移動することができ、冷媒ポンプ73は、凝縮された冷媒を噴射ノズル74に供給することができ、噴射ノズル74は、第1チャンバC1内に冷媒を再度噴射することができる。
【0112】
このような過程を繰り返して前記発熱素子から発生した熱を迅速に放熱することができる。
【0113】
上記のように、本発明の実施例による電装素子の放熱装置は、シールドケース20を備える第1実施例および第2実施例の場合、シールドケース20の内部には、発熱素子が備えられた印刷回路基板30が設けられ、前記発熱素子から発生した熱は、シールドケース20に伝達される。シールドケース20に伝達された熱は、第1チャンバC1の冷媒と熱交換されながら前記冷媒を蒸発させ、放熱される。
【0114】
また、本発明による電装素子の放熱装置は、シールドケース20を備えず、印刷回路基板30に冷媒が浸透しないように印刷回路基板30がコーティングされた第3実施例の場合、第1チャンバC1の冷媒は、前記発熱素子から発生する熱と熱交換されながら前記冷媒を蒸発させ、放熱される。
【0115】
このように、本発明の実施例による電装素子の放熱装置は、前記発熱素子から発生した熱を、前記冷媒の相変化により迅速に放熱させることができ、機構的な空冷式放熱構造を多く設ける必要がなくなるので、サイズが小さくなる。
【0116】
本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施できることを理解するであろう。そのため、以上に記述した実施例はあらゆる面で例示的であり、限定的ではないと理解しなければならない。本発明の範囲は上記の詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、そしてその均等概念から導出されるあらゆる変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明は、サイズを最小化しながらも放熱性能が向上する電装素子の放熱装置を提供する。
【符号の説明】
【0118】
10:放熱ハウジング 11:ハウジング本体
11A:第1シワ部 11B:放熱フィン
12:フロントカバー 12A:第2シワ部
13:リヤカバー 13A:挿入部
20:シールドケース 30:印刷回路基板
40:フィンガーガード 41:外部空気出入ホール
50:パワーサプライユニット 60:遮蔽板
C1:第1チャンバ C2:第2チャンバ