(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-13
(45)【発行日】2023-09-22
(54)【発明の名称】人工皮膚用のポリグリコリド製経編支持メッシュの乾燥方法
(51)【国際特許分類】
F26B 5/04 20060101AFI20230914BHJP
F26B 25/00 20060101ALI20230914BHJP
A61L 27/20 20060101ALI20230914BHJP
A61L 27/60 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
F26B5/04
F26B25/00 A
A61L27/20
A61L27/60
(21)【出願番号】P 2022136632
(22)【出願日】2022-08-30
【審査請求日】2022-08-30
(31)【優先権主張番号】202111034579.X
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522345180
【氏名又は名称】海西紡織新材料工業技術晋江研究院
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】鄭小佳
(72)【発明者】
【氏名】鄭雲波
(72)【発明者】
【氏名】朱暁▲しん▼
(72)【発明者】
【氏名】呉維▲うぇい▼
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-229906(JP,A)
【文献】特開2007-130179(JP,A)
【文献】国際公開第03/028782(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00305052(EP,A1)
【文献】特開平01-104257(JP,A)
【文献】特開2014-016047(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108534467(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110258023(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 5/04
F26B 25/00
A61L 27/20
A61L 27/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
具体的には、事前乾燥、深層乾燥及び織物応力弛みを順に行い、前記事前乾燥は真空乾燥
ボックスAで行われ、前記深層乾燥と織物応力弛みは真空乾燥ボックスBで行われ、
前記事前乾燥プロセスでは、洗浄して日干しにしたポリグリコリド製経編支持メッシュを
、水循環真空ポンプが接続される真空乾燥ボックスAに配置し、真空乾燥ボックスAの温
度をT1にし、水循環真空ポンプをオンにし、持続的に動作させ、真空乾燥ボックスAの
真空度がP1の条件下で、処理時間をt1にし、その後、水循環真空ポンプをオフにし、
空気を徐々に導入し、真空乾燥ボックスAを常圧に戻し、
前記深層乾燥プロセスは、(1)ポリグリコリド製経編支持メッシュを、ロータリー式真
空ポンプ及び不活性ガス接続管が接続される真空乾燥ボックスBに配置するステップと、
(2)常温で、ロータリー式真空ポンプをオンにし、真空乾燥ボックスBの真空度をP2
に下げ、さらに、ロータリー式真空ポンプをオフにし、不活性ガスを真空乾燥ボックスB
に導入し、真空乾燥ボックスBを常圧に戻すステップと、(3)ステップ(2)に従って
繰り返して複数回操作するステップと、(4)ロータリー式真空ポンプをオンにし、持続
的に動作させ、ポリグリコリド製経編支持メッシュを真空乾燥ボックスB内で真空度P2
、温度T2の条件下で時間t2乾燥処理するステップと、(5)真空乾燥ボックスBの真
空度をP2に維持した条件下で、真空乾燥ボックスBの昇温速度をTに制御し、温度をT
3に上昇した後に昇温を停止し、且つT3を維持し、ポリグリコリド製経編支持メッシュ
の処理時間をt3にし、ロータリー式真空ポンプをオフにするステップと、を含み、
前記織物応力弛みプロセスでは、通気速度Vで常圧になるまで不活性ガスを真空乾燥ボッ
クスBに導入し、真空乾燥ボックスBの温度をT4に上昇し、ポリグリコリド製経編支持
メッシュを温度T4、常圧で時間t4処理し、続いて常温に下げることを特徴とする、人
工皮膚用のポリグリコリド製経編支持メッシュの乾燥方法。
【請求項2】
温度T1が25-35℃であり、真空度P1の範囲が0-400Paであり、処理時間t
1が1-2.5hであることを特徴とする、請求項1に記載の人工皮膚用のポリグリコリ
ド製経編支持メッシュの乾燥方法。
【請求項3】
前記不活性ガスは窒素ガス、アルゴンガス及びヘリウムガスのうちのいずれかであること
を特徴とする、請求項1に記載の人工皮膚用のポリグリコリド製経編支持メッシュの乾燥
方法。
【請求項4】
前記真空乾燥ボックスBの真空度P2の範囲が0-50Paであり、ステップ(3)では
、ステップ(2)に従って繰り返して操作する回数が≧2回であり、温度T2が65-7
5℃であり、時間t2が3-5hであり、昇温速度Tが16-24℃/hであり、温度T
3が85-105℃であり、時間t3が1/3-1hであることを特徴とする、請求項1
に記載の人工皮膚用のポリグリコリド製経編支持メッシュの乾燥方法。
【請求項5】
前記織物応力弛みプロセスでは、通気速度Vが0.1-1L/minであり、温度T4が
110-130℃であり、時間t4が3-5hであることを特徴とする、請求項1に記載
の人工皮膚用のポリグリコリド製経編支持メッシュの乾燥方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生物医療用の新しい紡績材料の技術分野に属し、具体的には、人工皮膚用の
ポリグリコリド製経編支持メッシュの乾燥方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリグリコリド製経編支持メッシュは、ポリグリコリド糸に対して絡み、整経、編成
、定形、洗浄等のプロセスを行うことにより製造され、医療用人工皮膚等の分野で利用上
の将来性が広い。しかしながら、ポリグリコリド製経編支持メッシュは、洗浄工程を経た
後、残留する水分(主に自由水及び結合水を含む)及び溶媒(主にポリグリコリド製経編
支持メッシュ上の油剤や灰塵を洗浄するための溶媒)が徹底的に除去されにくい。残留す
る水分及び溶媒はポリグリコリド製経編支持メッシュの生分解を加速することができ、そ
の力学的性質及び人工皮膚への応用に対して大きな影響を及ぼす。高温処理を利用すれば
、ポリグリコリド製経編支持メッシュに含まれる水分及び溶媒を徹底的に除去することが
できるが、高温及び空気における酸素と水蒸気により、ポリグリコリドが迅速に生分解さ
れやすく、その力学的性質が酷く低下する。このため、ポリグリコリド製経編支持メッシ
ュに適する乾燥方法の研究と探索が非常に重要となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術の欠陥に鑑み、本発明が解決しようとする技術的課題は、人工皮膚用のポリ
グリコリド製経編支持メッシュの乾燥方法を提供することであり、ポリグリコリド製経編
支持メッシュ内の水分及び洗浄中に残存する溶媒を徹底的に除去し、且つポリグリコリド
製経編支持メッシュの引張破断強度、孔径、グラム重量等の性能を効果的に維持すること
ができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
人工皮膚用のポリグリコリド製経編支持メッシュの乾燥方法は、具体的には、事前乾
燥、深層乾燥及び織物応力弛みを順に行う方法である。
【0005】
好ましくは、前記事前乾燥は、真空乾燥ボックスAで行われ、真空乾燥ボックスAに
水循環真空ポンプが接続される。
【0006】
好ましくは、前記事前乾燥プロセスでは、洗浄して日干しにしたポリグリコリド製経
編支持メッシュを真空乾燥ボックスAに配置し、真空乾燥ボックスAの温度をT1にし、
水循環真空ポンプをオンにし、持続的に動作させ、真空乾燥ボックスAの真空度がP1の
条件下で、処理時間をt1にし、その後、水循環真空ポンプをオフにし、空気を徐々に導
入し、真空乾燥ボックスAを常圧に戻す。
【0007】
好ましくは、温度T1が25℃-35℃であり、真空度P1が0-400Paであり
、処理時間t1が1-2.5hである。
【0008】
好ましくは、前記深層乾燥及び織物応力弛みは、真空乾燥ボックスBで行われ、真空
乾燥ボックスBにロータリー式真空ポンプ及び不活性ガス接続管が接続される。
【0009】
好ましくは、前記深層乾燥プロセスは以下のステップを含む。
【0010】
(1)ポリグリコリド製経編支持メッシュを真空乾燥ボックスBに配置するステップ
、
【0011】
(2)常温で、ロータリー式真空ポンプをオンにし、真空乾燥ボックスBの真空度を
P2に下げ、さらに、ロータリー式真空ポンプをオフにし、不活性ガスを真空乾燥ボック
スBに導入し、真空乾燥ボックスBを常圧に戻すステップ、
【0012】
(3)ステップ(2)に従って繰り返して複数回操作するステップ、
【0013】
(4)ロータリー式真空ポンプをオンにし、持続的に動作させ、ポリグリコリド製経
編支持メッシュを真空乾燥ボックスB内で真空度P2、温度T2の条件下で乾燥処理を時
間t2行うステップ、
【0014】
(5)真空乾燥ボックスBの真空度をP2に維持した条件下で、真空乾燥ボックスB
の昇温速度をTに制御し、温度をT3に上昇した後に昇温を停止し、且つT3に維持し、
ポリグリコリド製経編支持メッシュの処理時間をt3にし、ロータリー式真空ポンプをオ
フにするステップ。
【0015】
好ましくは、前記不活性ガスは窒素ガス、アルゴンガス及びヘリウムガスのうちのい
ずれかである。
【0016】
好ましくは、前記真空乾燥ボックスBの真空度P2が0-50Paであり、ステップ
(3)では、ステップ(2)に従って繰り返して操作する回数が≧2回であり、温度T2
が65℃-75℃であり、時間t2が3-5hであり、昇温速度Tが16℃/h-24℃
/hであり、温度T3が85℃-105℃であり、時間t3が1/3-1hである。
【0017】
好ましくは、前記織物応力弛みプロセスでは、通気速度Vで常圧になるまで不活性ガ
スを真空乾燥ボックスBに導入し、真空乾燥ボックスBの温度をT4に上昇し、ポリグリ
コリド製経編支持メッシュを温度T4、常圧で時間t4処理し、続いて常温に下げる。
【0018】
好ましくは、前記通気速度Vが0.1L/min-1L/minであり、温度T4が
110℃-130℃であり、時間t4が3-5hである。
【0019】
好ましくは、前記不活性ガスの純度が≧98%である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の乾燥方法は、事前乾燥、深層乾燥及び応力弛みを含み、ここで、事前乾燥に
よって経編支持メッシュに残存する全ての洗浄溶媒及び一部の自由水を除去し、深層乾燥
によって全ての自由水及び結合水を除去し、さらに、応力弛みによって経編支持メッシュ
が前の工程で生じる内部応力を放出し、それにより、ポリグリコリド製経編支持メッシュ
内の水分及び洗浄中に残存する溶媒を徹底的に除去し、且つポリグリコリド製経編支持メ
ッシュの引張破断強度、孔径、グラム重量等の性能を効果的に維持することができ、ポリ
グリコリド製経編支持メッシュの人工皮膚の分野への応用に対して重要な意義を持ってい
る。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、具体的な実施形態で本発明をさらに詳しく説明するが、当業者であれば、下
記実施例が本発明の説明のみに用いられ、本発明の範囲を限定するものとすべきではない
ことを理解可能である。
【0022】
実施例1
【0023】
本実施例は、人工皮膚用のポリグリコリド製経編支持メッシュの乾燥方法を提供し、
具体的には、事前乾燥、深層乾燥及び織物応力弛みを順に行う。
【0024】
事前乾燥プロセスでは、洗浄して日干しにしたポリグリコリド製経編支持メッシュを
、水循環真空ポンプが接続される真空乾燥ボックスAに配置し、真空乾燥ボックスAの温
度を25℃にし、水循環真空ポンプをオンにし、持続的に動作させ、ポリグリコリド製経
編支持メッシュを真空度が390Paの条件下で乾燥処理を1h行い、続いて水循環真空
ポンプをオフにし、空気を徐々に導入し、真空乾燥ボックスAを常圧に戻す。
【0025】
深層乾燥プロセスは以下のステップを含む。
【0026】
(1)ポリグリコリド製経編支持メッシュを真空乾燥ボックスAから取り出し、ロー
タリー式真空ポンプ及び窒素ガス接続管が接続される真空乾燥ボックスBに配置する。
【0027】
(2)常温で、ロータリー式真空ポンプをオンにし、真空乾燥ボックスBの真空度を
50Paに下げ、ロータリー式真空ポンプをオフし、純度が98.98%の窒素ガスを真
空乾燥ボックスBに導入し、真空乾燥ボックスBを常圧に戻す。
【0028】
(3)ステップ(2)に従って繰り返して3回操作する。
【0029】
(4)ロータリー式真空ポンプをオンにし、持続的に動作させ、ポリグリコリド製経
編支持メッシュを真空度50Pa、温度65℃の条件下で3h乾燥処理する。
【0030】
(5)真空乾燥ボックスBの真空度を50Paに維持した条件下で、真空乾燥ボック
スBの昇温速度を18℃/hに制御し、温度を95℃に上昇した後に昇温を停止し、且つ
95℃に維持し、ポリグリコリド製経編支持メッシュの処理時間を0.5hにし、ロータ
リー式真空ポンプをオフにする。
【0031】
織物応力弛みプロセスでは、通気速度0.5L/minで、常圧になるまで真空乾燥
ボックスBに窒素ガスを導入し、真空乾燥ボックスBの温度を115℃に上昇し、ポリグ
リコリド製経編支持メッシュを115℃の温度で常圧処理を4h行い、続いて常温に下げ
、ポリグリコリド製経編支持メッシュを取り出す。
【0032】
[0028] ポリグリコリド製経編支持メッシュの緯度方向引張破断強度が800MPa
であり、経度方向引張破断強度が1300MPaであり、グラム重量が30g/m2であ
り、孔径が800μmである。
【0033】
実施例2
【0034】
本実施例は、人工皮膚用のポリグリコリド製経編支持メッシュの乾燥方法を提供し、
具体的には、事前乾燥、深層乾燥及び織物応力弛みを順に行う。
【0035】
事前乾燥プロセスでは、洗浄して日干しにしたポリグリコリド製経編支持メッシュを
、水循環真空ポンプが接続される真空乾燥ボックスAに配置し、真空乾燥ボックスAの温
度を30℃にし、水循環真空ポンプをオンにし、持続的に動作させ、ポリグリコリド製経
編支持メッシュを真空度350Paの条件下で乾燥処理を1.5h行い、続いて水循環真
空ポンプをオフにし、空気を徐々に導入し、真空乾燥ボックスAを常圧に戻す。
【0036】
深層乾燥プロセスは以下のステップを含む。
【0037】
(1)ポリグリコリド製経編支持メッシュを真空乾燥ボックスAから取り出し、ロー
タリー式真空ポンプ及びヘリウムガス接続管が接続される真空乾燥ボックスBに配置する
。
【0038】
(2)常温で、ロータリー式真空ポンプをオンにし、真空乾燥ボックスBの真空度を
30Paに下げ、ロータリー式真空ポンプをオフにし、純度が99.99%のヘリウムガ
スを真空乾燥ボックスBに導入し、真空乾燥ボックスBを常圧に戻す。
【0039】
(3)ステップ(2)に従って繰り返して2回操作する。
【0040】
(4)ロータリー式真空ポンプをオンにし、持続的に動作させ、使ポリグリコリド製
経編支持メッシュを真空度30Pa、温度70℃の条件下で乾燥処理を4h行う。
【0041】
(5)真空乾燥ボックスBの真空度を30Paに維持した条件下で、真空乾燥ボック
スBの昇温速度を20℃/hに制御し、温度を100℃に上昇した後に昇温を停止し、且
つ100℃に維持し、ポリグリコリド製経編支持メッシュの処理時間を0.6hにし、ロ
ータリー式真空ポンプをオフにする。
【0042】
織物応力弛みプロセスでは、通気速度0.6L/minで、常圧になるまで真空乾燥
ボックスBにヘリウムガスを導入し、真空乾燥ボックスBの温度を120℃に上昇し、ポ
リグリコリド製経編支持メッシュを120℃の温度下で4h常圧処理し、続いて常温に下
げ、ポリグリコリド製経編支持メッシュを取り出し、乾燥する。
【0043】
ポリグリコリド製経編支持メッシュの緯度方向引張破断強度が861MPaであり、
経度方向引張破断強度が1257MPaであり、グラム重量が28g/m2であり、孔径
が700μmである。
【0044】
実施例3
【0045】
本実施例は、人工皮膚用のポリグリコリド製経編支持メッシュの乾燥方法を提供し、
具体的には、事前乾燥、深層乾燥及び織物応力弛みを順に行う。
【0046】
事前乾燥プロセスでは、洗浄して日干しにしたポリグリコリド製経編支持メッシュを
、水循環真空ポンプが接続される真空乾燥ボックスAに配置し、真空乾燥ボックスAの温
度を28℃にし、水循環真空ポンプをオンにし、持続的に動作させ、ポリグリコリド製経
編支持メッシュを真空度380Paの条件下で1.8h乾燥処理し、続いて水循環真空ポ
ンプをオフにし、空気を徐々に導入し、真空乾燥ボックスAを常圧に戻す。
【0047】
深層乾燥プロセスは以下のステップを含む。
【0048】
(1)ポリグリコリド製経編支持メッシュを真空乾燥ボックスAから取り出し、ロー
タリー式真空ポンプ及びアルゴンガス接続管が接続される真空乾燥ボックスBに配置する
。
【0049】
(2)常温で、ロータリー式真空ポンプをオンにし、真空乾燥ボックスBの真空度を
40Paにし、ロータリー式真空ポンプをオフにし、純度が99.22%のアルゴンガス
を真空乾燥ボックスBに導入し、真空乾燥ボックスBを常圧に戻す。
【0050】
(3)ステップ(2)に従って繰り返して4回操作する。
【0051】
(4)ロータリー式真空ポンプをオンにし、持続的に動作させ、ポリグリコリド製経
編支持メッシュを真空度40Pa、温度75℃の条件下で4.5h乾燥処理する。
【0052】
(5)真空乾燥ボックスBの真空度を40Paに維持した条件下で、真空乾燥ボック
スBの昇温速度を22℃/hに制御し、温度を105℃に上昇した後に昇温を停止し、且
つ105℃に維持し、ポリグリコリド製経編支持メッシュの処理時間を1hにし、ロータ
リー式真空ポンプをオフにする。
【0053】
織物応力弛みプロセスでは、通気速度0.5L/minで、常圧になるまで、真空乾
燥ボックスBにアルゴンガスを導入し、真空乾燥ボックスBの温度を125℃に上昇し、
ポリグリコリド製経編支持メッシュを125℃の温度で4.5h常圧処理し、続いて常温
に下げ、ポリグリコリド製経編支持メッシュを取り出し、乾燥する。
【0054】
ポリグリコリド製経編支持メッシュの緯度方向引張破断強度が752MPaであり、
経度方向引張破断強度が1420MPaであり、グラム重量が25g/m2であり、孔径
が1000μmである。
【0055】
比較例1
【0056】
上記実施例1に対する該比較例1の相違点は、該比較例1の深層乾燥プロセスにステ
ップ(5)が欠けるのみことである。
【0057】
上記実施例1-3と比較例1の乾燥方法では、洗浄過程はクラス10万クリーンルー
ムで行われてもよく、温度≦30℃であり、湿度≦65%である。適切な作動環境を維持
するために、クラス10万クリーンルームの送風量≧40m3/時間であり、エアコンの
換気回数≧15回/時間である。
【0058】
上記実施例1-3と比較例1では、乾燥過程におけるポリグリコリド製経編支持メッ
シュの水含有量、洗浄溶媒の含有量、経緯度方向引張破断強度、孔径、グラム重量等に対
して試験を行い、結果は下記表1に示すとおりである。
【0059】
【0060】
注:ポリグリコリド製経編支持メッシュのグラム重量は、FZ/T70010-20
06標準中の規定に準じて検出され、水含有量は、YY1116-2010標準の付録C
の規定に準じて検出され、引張破断強度及び孔径は、Q/FJHXY 002-2021
標準に準じて検出され、洗浄溶媒含有量は化学滴定法で検出される。
【0061】
以上は、本発明の創造の基本原理と主な特徴及び本発明の利点を示して説明し、当業
者であれば理解できるように、本発明は上記実施例によって制限されず、上記実施例及び
明細書での記載は本発明の原理を説明するためのものに過ぎず、本発明の創造精神と範囲
から逸脱することなく、本発明はさらに様々な変化及び改良を行うことができ、これらの
変化及び改良はいずれも本発明の保護範囲内に含まれ、本発明の保護範囲は添付する特許
請求の範囲及びその等価物によって定義される。