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特許7349064表示処理プログラム及び通信処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-13
(45)【発行日】2023-09-22
(54)【発明の名称】表示処理プログラム及び通信処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20230914BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20230914BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20230914BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20230914BHJP
   B41J 3/36 20060101ALN20230914BHJP
【FI】
G06F3/12 326
B41J29/38 202
B41J29/38 401
B41J29/38 801
B41J29/00 E
B41J29/42 E
G06F3/12 305
G06F3/12 331
G06F3/12 332
G06F3/12 336
G06F3/12 373
B41J3/36 T
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019172338
(22)【出願日】2019-09-20
(65)【公開番号】P2021051397
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮嶋 雄介
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-203436(JP,A)
【文献】特開2019-135087(JP,A)
【文献】特開2003-186662(JP,A)
【文献】特開2001-109693(JP,A)
【文献】特開平10-340166(JP,A)
【文献】特開2018-186395(JP,A)
【文献】特開2009-140486(JP,A)
【文献】特開2012-078882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00- 29/70
H04N 1/00
B41J 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着された被印字媒体に印刷を行う少なくとも1つの印刷装置に対して無線通信で接続される通信部と、情報を表示する表示部と、操作部と、制御部と、を有する操作端末の前記制御部に対し、
前記少なくとも1つの印刷装置からブロードキャスト送信された、各印刷装置の識別情報と、当該印刷装置に装着された前記被印字媒体の媒体情報と、を取得する媒体情報取得手順;
前記媒体情報取得手順で取得された、各印刷装置の前記識別情報と、対応する前記被印字媒体の媒体情報と、を前記表示部に表示する情報表示手順;
前記情報表示手順での表示結果に対応し、前記操作部を介した、1つの前記印刷装置若しくは1つの前記被印字媒体を選択対象とする決定操作を受け付ける第1操作受付手順;
前記媒体情報に関する所望の整合条件を設定する条件設定手順;
を実行させ、
前記情報表示手順では、
前記条件設定手順で設定された前記整合条件に対応した表示態様で、各印刷装置の識別情報と対応する前記媒体情報とを前記表示部に表示する
ことを特徴とする表示処理プログラム。
【請求項2】
請求項1記載の表示処理プログラムにおいて、
前記制御部に対し、さらに、
前記第1操作受付手順で前記決定操作を受け付けた前記選択対象に対応した前記1つの印刷装置に対し、前記通信部を介した無線通信により、所定の報知動作を実行させる実行指示を送信する、指示送信手順;
を実行することを特徴とする表示処理プログラム。
【請求項3】
請求項1記載の表示処理プログラムにおいて、
前記制御部に対し、さらに、
前記操作部を介した、印刷物への印刷に関する操作を受け付ける第2操作受付手順;
前記第2操作受付手順で受け付けた操作に対応した、印字データを生成する印字データ生成手順;
を実行させ、
前記条件設定手順では、
前記媒体情報としての前記被印字媒体の残量が前記印字データの印刷に必要な所要残量以上であること、が前記整合条件として自動設定され、
前記情報表示手順では、
前記被印字媒体の残量が前記所要残量であるか否かに応じた表示態様で、各印刷装置の識別情報と対応する前記媒体情報とを前記表示部に表示する
ことを特徴とする表示処理プログラム。
【請求項4】
請求項1又は請求項3記載の表示処理プログラムにおいて、
前記制御部に対し、さらに、
前記媒体情報取得手順での取得結果に、前記条件設定手順で設定された前記整合条件を満足する情報が含まれなかった場合において、前記少なくとも1つの印刷装置から各印刷装置における印刷履歴情報を取得する、履歴情報取得手順を実行させ、
前記履歴情報取得手順での取得結果に、前記条件設定手順で設定された前記整合条件を満足する情報が含まれていた場合には、前記情報表示手順では、当該整合条件を満足する前記取得結果に対応する、前記印刷装置の識別情報及び対応する前記媒体情報を前記表示部に表示する
ことを特徴とする表示処理プログラム。
【請求項5】
装着された被印字媒体に印刷を行う少なくとも1つの印刷装置に対して無線通信で接続される通信部と、情報を表示する表示部と、操作部と、制御部と、を有する操作端末の前記制御部に対し、
前記少なくとも1つの印刷装置からブロードキャスト送信された、各印刷装置の識別情報と、当該印刷装置に装着された前記被印字媒体の媒体情報と、を取得する媒体情報取得手順;
前記媒体情報取得手順で取得された、各印刷装置の前記識別情報と、対応する前記被印字媒体の媒体情報と、を前記表示部に表示する情報表示手順;
前記情報表示手順での表示結果に対応し、前記操作部を介した、1つの前記印刷装置若しくは1つの前記被印字媒体を選択対象とする決定操作を受け付ける第1操作受付手順;
前記少なくとも1つの印刷装置からブロードキャスト送信結果に基づき、各印刷装置までの距離情報を取得する、距離情報取得手順;
を実行させ、
前記情報表示手順では、
前記識別情報及び対応する前記媒体情報とともに、前記距離情報取得手順で取得された前記距離情報に対応した表示を前記表示部に表示する
ことを特徴とする表示処理プログラム。
【請求項6】
装着された被印字媒体を搬送させる搬送手段、前記被印字媒体に対して印字を形成する印字手段、操作端末と無線通信を行う通信手段、所定の報知を行う報知手段、及び、制御手段、を備える、少なくとも1つの印刷装置と、
操作部、情報を表示する表示部、前記通信手段との間で前記無線通信を行う通信部、及び、制御部を備える、前記操作端末と、
を有する通信処理システムであって、
前記少なくとも1つの印刷装置の前記制御手段は、
前記装着された前記被印字媒体の媒体情報を取得する取得処理;
前記通信手段を介し、前記取得処理で取得された前記媒体情報と前記印刷装置の識別情報とをブロードキャスト送信する送信処理;
を実行し、
前記操作端末の前記制御部は、
前記媒体情報に関する所望の整合条件を設定する条件設定処理;
前記通信部を介し、前記送信処理によりブロードキャスト送信された各印刷装置の前記識別情報及び対応する前記媒体情報を受信する受信処理;
前記受信処理で受信された各印刷装置の前記識別情報及び対応する前記被印字媒体の媒体情報を前記表示部に表示させる表示処理;
前記表示処理による前記表示部での表示結果に対応し、前記操作部を介した、1つの前記印刷装置若しくは1つの前記被印字媒体を選択対象とする決定操作を受け付ける受付処理;
前記受付処理で前記決定操作を受け付けた前記選択対象に対応する、特定の前記印刷装置に対し、前記通信部を介した無線通信により、所定の報知動作を実行させる実行指示を送信する、指示送信処理;
を実行し、
前記表示処理では、
前記条件設定処理で設定された前記整合条件に対応した表示態様で、各印刷装置の識別情報と対応する前記媒体情報とを前記表示部に表示させ、
前記特定の印刷装置の前記制御手段は、
前記指示送信処理で送信された前記実行指示に基づき、前記報知手段に前記所定の報知動作を行わせる報知処理;
を実行する
ことを特徴とする通信処理システム。
【請求項7】
装着された被印字媒体を搬送させる搬送手段、前記被印字媒体に対して印字を形成する印字手段、操作端末と無線通信を行う通信手段、所定の報知を行う報知手段、及び、制御手段、を備える、少なくとも1つの印刷装置と、
操作部、情報を表示する表示部、前記通信手段との間で前記無線通信を行う通信部、及び、制御部を備える、前記操作端末と、
を有する通信処理システムであって、
前記少なくとも1つの印刷装置の前記制御手段は、
前記装着された前記被印字媒体の媒体情報を取得する取得処理;
前記通信手段を介し、前記取得処理で取得された前記媒体情報と前記印刷装置の識別情報とをブロードキャスト送信する送信処理;
を実行し、
前記操作端末の前記制御部は、
前記通信部を介し、前記送信処理によりブロードキャスト送信された各印刷装置の前記識別情報及び対応する前記媒体情報を受信する受信処理;
前記少なくとも1つの印刷装置からブロードキャスト送信結果に基づき、各印刷装置までの距離情報を取得する、距離情報取得処理;
前記受信処理で受信された各印刷装置の前記識別情報及び対応する前記被印字媒体の媒体情報を前記表示部に表示させる表示処理;
前記表示処理による前記表示部での表示結果に対応し、前記操作部を介した、1つの前記印刷装置若しくは1つの前記被印字媒体を選択対象とする決定操作を受け付ける受付処理;
前記受付処理で前記決定操作を受け付けた前記選択対象に対応する、特定の前記印刷装置に対し、前記通信部を介した無線通信により、所定の報知動作を実行させる実行指示を送信する、指示送信処理;
を実行し、
前記表示処理では、
前記識別情報及び対応する前記媒体情報とともに、前記距離情報取得処理で取得された前記距離情報に対応した表示を前記表示部に表示させ、
前記特定の印刷装置の前記制御手段は、
前記指示送信処理で送信された前記実行指示に基づき、前記報知手段に前記所定の報知動作を行わせる報知処理;
を実行する
ことを特徴とする通信処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置と無線通信を行う操作端末で実行される表示処理プログラム、及び、その印刷装置及び操作端末を備える通信処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信によって操作端末と通信可能な印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術の印刷装置(印字ラベル作成装置)では、例えば外部機器(操作端末)からの印刷データが受信されると、搬送される被印字媒体(ラベル用テープ)に対し、上記印刷データに対応した印字が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-191418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えばオフィス等において、使用可能な状態の被印字媒体が複数個存在している場合、使用途中(使いかけ)の被印字媒体をむやみに増やさないために、なるべく既に使用中の被印字媒体から先に消費したい、というニーズがありうる。そのような使用中の被印字媒体は、印刷装置に装着された状態にある場合が多い。したがって、前述のように印刷装置が操作端末と無線通信を行う際、装着された被印字媒体の媒体情報を操作端末へ送信するようにすれば、ユーザは操作端末においてどの被印字媒体がいま使いかけの状態で印刷装置に装着されているかを確認でき、便利である。しかしながら、上記従来技術では、そのような点までは特に配慮されていなかった。
【0005】
本発明の目的は、探している被印字媒体が印刷装置に装着されていることをユーザが知ることができ、利便性を向上できる表示処理プログラム及び通信処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明の表示処理プログラムは、装着された被印字媒体に印刷を行う少なくとも1つの印刷装置に対して無線通信で接続される通信部と、情報を表示する表示部と、操作部と、制御部と、を有する操作端末の前記制御部に対し、前記少なくとも1つの印刷装置からブロードキャスト送信された、各印刷装置の識別情報と、当該印刷装置に装着された前記被印字媒体の媒体情報と、を取得する媒体情報取得手順;前記媒体情報取得手順で取得された、各印刷装置の前記識別情報と、対応する前記被印字媒体の媒体情報と、を前記表示部に表示する情報表示手順;前記情報表示手順での表示結果に対応し、前記操作部を介した、1つの前記印刷装置若しくは1つの前記被印字媒体を選択対象とする決定操作を受け付ける第1操作受付手順;前記媒体情報に関する所望の整合条件を設定する条件設定手順;を実行させ、前記情報表示手順では、前記条件設定手順で設定された前記整合条件に対応した表示態様で、各印刷装置の識別情報と対応する前記媒体情報とを前記表示部に表示する
また上記目的を達成するために、本願発明の表示処理プログラムは、装着された被印字媒体に印刷を行う少なくとも1つの印刷装置に対して無線通信で接続される通信部と、情報を表示する表示部と、操作部と、制御部と、を有する操作端末の前記制御部に対し、前記少なくとも1つの印刷装置からブロードキャスト送信された、各印刷装置の識別情報と、当該印刷装置に装着された前記被印字媒体の媒体情報と、を取得する媒体情報取得手順;前記媒体情報取得手順で取得された、各印刷装置の前記識別情報と、対応する前記被印字媒体の媒体情報と、を前記表示部に表示する情報表示手順;前記情報表示手順での表示結果に対応し、前記操作部を介した、1つの前記印刷装置若しくは1つの前記被印字媒体を選択対象とする決定操作を受け付ける第1操作受付手順;前記少なくとも1つの印刷装置からブロードキャスト送信結果に基づき、各印刷装置までの距離情報を取得する、距離情報取得手順;を実行させ、前記情報表示手順では、前記識別情報及び対応する前記媒体情報とともに、前記距離情報取得手順で取得された前記距離情報に対応した表示を前記表示部に表示する。
【0007】
本願発明においては、被印字媒体を装着した状態の各印刷装置から、当該印刷装置の識別情報と対応する被印字媒体の媒体情報(例えば、材質、色、幅寸法、等の媒体種別情報や媒体残量情報を含む)とがブロードキャスト送信される。その各印刷装置に対し、操作端末の通信部が無線通信により接続される。
【0008】
そして、操作端末では、制御部の制御により、上記ブロードキャスト送信された識別情報及び媒体情報が取得され(媒体情報取得手順)た後、その取得された各印刷装置の識別情報及び媒体情報が、表示部において表示される(情報表示手順)。これにより、使いかけの被印字媒体を探しているユーザは、上記表示部での表示の中から、自らが探している媒体情報の内容を見つけ出すことで、対応する1つの被印字媒体(又は1つの印刷装置)を選択し、操作部を介し、その1つを選択対象とする決定操作を行う。このようにして、ユーザは、自らが探している媒体情報の内容に対応した被印字媒体が、ある印刷装置に装着されていることを知ることができるので、ユーザにとっての利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザの探している被印字媒体が印刷装置に装着されていることを知ることができるので、利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態の印刷処理システムの全体構成を表すシステム構成図である。
図2】印刷処理システムの機能的構成を表す機能ブロック図である。
図3】操作端末のタッチパネルにおける画面遷移を表す説明図である。
図4】ラベルプリンタの報知動作の一例を表す説明図である。
図5】操作端末の制御部が実行する処理手順を表すフローチャートである。
図6】各ラベルプリンタまでの距離も併せて表示する変形例における、操作端末のタッチパネルにおける画面遷移を表す説明図である。
図7】操作端末の制御部が実行する処理手順を表すフローチャートである。
図8】検索条件を自動設定する変形例における、操作端末のタッチパネルにおける画面遷移を表す説明図である。
図9】操作端末の制御部が実行する処理手順を表すフローチャートである。
図10】検索条件に合致するカートリッジがなかった場合に対応する変形例における、操作端末のタッチパネルにおける画面遷移を表す説明図である。
図11】操作端末の制御部が実行する処理手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0012】
本発明の一実施形態を図1図5により説明する。
【0013】
<印刷処理システムの構成>
まず、図1を参照しつつ、本実施形態の印刷処理システムの全体構成を説明する。
【0014】
図1に示すように、本実施形態の印刷処理システム1は、操作端末2と、少なくとも1つ(この例では3つ)のラベルプリンタ3A,3B,3Cと、を有している。ラベルプリンタ3A,3B,3Cは、例えばBluetooth(登録商標)による無線通信(以下適宜、単に「Bluetooth通信」という)によって操作端末2と接続可能である。言い替えれば、ラベルプリンタ3A,3B,3Cは、操作端末2から、Bluetooth通信による通信範囲内にある。この結果、各ラベルプリンタ3A,3B,3Cと、操作端末2との間で、互いにデータ送受信を行うことができる。なお、以下適宜、「ラベルプリンタ3A,3B,3C」を区別せず総称する場合、単に「ラベルプリンタ3」という。また、印刷処理システム1が請求項記載の通信処理システムの一例に相当し、ラベルプリンタ3が印刷装置の一例に相当している。
【0015】
操作端末2は、操作ボタン14と、表示機能を備えかつ接触操作可能な表示部であるタッチパネル17と、を有する、いわゆるスマートフォンである。なお、操作端末2は、スマートフォンに限られず、いわゆるフィーチャーフォン、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ等でもよく、また表示部はタッチパネル17でなくてもよい。
【0016】
ラベルプリンタ3は、操作端末2との間で各種の情報や指示信号を送受し、操作端末2における操作者であるユーザの操作に基づき、所望のテキストや画像等の印字を備えた印字ラベルLを作成する。
【0017】
<機能的構成>
次に、図2を参照しつつ、印刷処理システムの機能的構成を説明する。
【0018】
図2に示すように、操作端末2は、CPU12と、RAM及びROM等からなるメモリ13と、上記操作ボタン14と、通信制御部15と、フラッシュメモリ等の大容量記憶装置16と、上記タッチパネル17と、を有する。なお、タッチパネル17の表示機能部分は請求項記載の表示部の一例に相当し、通信制御部15は通信部の一例に相当し、CPU12は制御部の一例に相当する。またタッチパネル17の操作機能部分と上記操作ボタン14とが請求項記載の操作部の一例に相当する。これらを総称して、以下適宜、単に「操作部14等」と称する。
【0019】
メモリ13のRAMには、例えばユーザがタッチパネル17を適宜に操作することで作成された、上記印字ラベルLに表記したい所望の印字内容に対応した印字データが記憶される。
【0020】
CPU12は、メモリ13のRAMの一時記憶機能を利用しつつ、メモリ13のROMや大容量記憶装置16に記憶された各種プログラムを実行することで、操作端末2全体の制御を行う。なお、このプログラムには、後述する図7図9図11のフローに示す処理を実行する、表示処理プログラムが含まれる。
【0021】
通信制御部15は、ラベルプリンタ3との間で行われる通信の制御を行う。
【0022】
大容量記憶装置16は、例えば本体メモリであるが、これに限られず、SDメモリカード等の適宜の外部メモリでもよい。
【0023】
ラベルプリンタ3は、制御回路202と、操作部206と、報知部211(図1も参照)と、通信制御部208と、テープロールホルダ部として機能するカートリッジホルダ210と、カートリッジホルダ210に設けたカートリッジセンサ212と、印字ヘッド205と、カッタ207と、搬送装置209と、を有する。なお、制御回路202が請求項記載の制御手段の一例に相当し、通信制御部208が通信手段の一例に相当し、印字ヘッド205が印字手段の一例に相当し、報知部211が報知手段の一例に相当し、搬送装置209が搬送手段の一例に相当する。
【0024】
制御回路202は、CPU、RAM、及びROM等からなる。ROMには、制御回路202のCPUに対し所定の処理を実行させる処理プログラムが記憶されている。
【0025】
通信制御部208は、操作端末2の通信制御部15との間で行われる通信の制御を行う。
【0026】
カートリッジホルダ210には、テープ203を巻回したテープロール204(本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示)を備えたカートリッジ(図示省略)を着脱可能である。なお、テープ203が請求項記載の被印字媒体の一例に相当する。
【0027】
このときカートリッジホルダ210に装着されたカートリッジの種類等がカートリッジセンサ212により検出され、対応する情報が制御回路202の上記CPUにより取得される。なお、この例では、カートリッジセンサ212は公知の手法により、上記カートリッジ内のテープ203の残量を検出することも可能である。以上の結果、CPUは、カートリッジセンサ212からの上記情報の取得により、当該ラベルプリンタ3に装着されている上記カートリッジに収納された、上記テープ203の媒体情報(例えば、材質、色、幅寸法、等の媒体種別情報や媒体残量情報を含む)を取得する。この処理が請求項記載の取得処理に相当している。なお、カートリッジホルダ210に代え、テープロール204そのものを直接着脱可能なテープロールホルダを設けてもよい。この場合は、適宜の公知の手法により当該テープロール204に含まれる上記媒体情報が検出され、CPUへと出力される。
【0028】
搬送装置209は、印字ヘッド205に対向して設けられており、テープロール204から繰り出されるテープ203を搬送する。
【0029】
印字ヘッド205は、搬送装置209により搬送されるテープ203に対し、操作端末2から受信された印字データに基づく印字を行う。
【0030】
カッタ207は、印字後のテープ203を所定の長さに切断して印字ラベルL(図1も参照)とする。
【0031】
<本実施形態の特徴>
本実施形態の特徴は、前述のようにして各ラベルプリンタ3により取得されたカートリッジ内のテープ203の媒体情報に基づき、ユーザが探しているテープ203がどのラベルプリンタ3に装着されているかを、操作端末2で表示することにある。以下、その詳細を順を追って説明する。
【0032】
<タッチパネルの画面遷移>
ユーザは、例えば操作端末2の操作部14等を適宜に操作し、タッチパネル17に、図3(a)に示すような、検索条件としてテープ203の媒体情報の内容を入力可能な画面を表示させる。この図3(a)に示す例では、上記媒体情報の一例としてテープ203のテープ幅(幅寸法)を入力可能なテープ幅入力欄17Pが、表示されている。例えばユーザがテープ幅24[mm]のテープ203を探したい場合は、図3(b)に示すように、テープ幅入力欄17Pに「24」と入力する。
【0033】
一方このとき、各ラベルプリンタ3A,3B,3Cからは、上記制御回路202のCPUの制御により、当該ラベルプリンタ3の識別情報と、装着されたカートリッジに備えられるテープ203の上記媒体情報とが、ブロードキャスト送信されている。なおこの処理が請求項記載の送信処理に相当している。このブロードキャスト送信は、例えば、上記Bluetooth通信における、Bluetooth Low Energyのアドバタイジングによって所定周期ごとに行われる。操作端末2では、そのブロードキャスト送信された、各ラベルプリンタ3A,3B,3Cの上記識別情報と対応する上記媒体情報とが受信されている。
【0034】
図3(b)の例で前述したように、検索条件としてテープ203のテープ幅24[mm]が設定されていた場合は、上記のように各ラベルプリンタ3から取得された媒体情報のうち、当該検索条件に対して整合したものが表示される。図3(c)は、前述のラベルプリンタ3A,3B,3Cのいずれもが24[mm]のテープ203のカートリッジが装着されていた場合の例である。すなわち、図3(c)に示すタッチパネル17の画面では、ラベルプリンタ3との間の無線通信の種類(この例では「Wireless A」を表す種類欄17Qと、プリンタ表示欄17A,17B,17Cと、が表示されている。
【0035】
プリンタ表示欄17Aには、上記ラベルプリンタ3Aからの受信結果に基づき、当該ラベルプリンタ3Aの識別情報である「Printer-1」と、対応する上記テープ幅である「24mm」と、テープ203の色が黄色であることを表す「yellow」と、テープ203の材質がPETフィルムであることを表す「PET]と、が表示されている。
【0036】
プリンタ表示欄17Bには、上記ラベルプリンタ3Bからの受信結果に基づき、当該ラベルプリンタ3Bの識別情報である「Printer-2」と、対応する上記テープ幅である「24mm」と、テープ203の色が白色であることを表す「white」と、テープ203の材質がPETフィルムであることを表す「PET]と、が表示されている。
【0037】
プリンタ表示欄17Cには、上記ラベルプリンタ3Cからの受信結果に基づき、当該ラベルプリンタ3Cの識別情報である「Printer-3」と、対応する上記テープ幅である「24mm」と、テープ203の色が白色であることを表す「white」と、テープ203の材質が布であることを表す「Fabric」と、が表示されている。
【0038】
このような図3(c)の表示に対し、ユーザが、白色でかつPETフィルム素材のテープ203を使用したいと思っている場合は、例えば図3(d)に示すように、タッチパネル17を適宜に操作することで、対応するテープ203が備えられている上記ラベルプリンタ3Bを選択する。すると、この選択結果に対応した報知指示がラベルプリンタ3Bに送られ、図4に示すように、ラベルプリンタ3Bの上記報知部211による報知が行われる。例えば報知部211が適宜の発光手段を備えている場合にはその発光手段による発光動作が行われる(図4参照)。あるいは報知部211が適宜の発音手段を備えている場合には、その発音手段による所定の発音が行われる。これにより、ユーザは、自分が希望する媒体情報に該当するカートリッジが、当該ラベルプリンタ3Bに装着されていることを認識することができる。
【0039】
<制御手順>
上記を実現するために、操作端末2のCPU12が実行する処理手順を、図5に表すフローチャートによって説明する。
【0040】
まず、ステップS10で、CPU12は、上記操作部14等を介しユーザにより検索条件として入力された結果に基づき、媒体情報に関する所望の整合条件を設定する。前述の図3(a)及び図3(b)の例では、テープ203のテープ幅=24[mm]が上記整合条件として設定される。このステップS10が、請求項記載の条件設定手順に相当する。
【0041】
その後、ステップS20で、CPU12は、上記通信制御部15を介し、各ラベルプリンタ3から前述のようにしてブロードキャストされている、各ラベルプリンタ3に装着されている上記カートリッジのテープ203の媒体情報(上述したようにテープ幅、色、材質等の媒体種別情報や、媒体残量情報等)を、各ラベルプリンタ3の識別情報とともに受信し、取得する。このステップS20が、請求項記載の媒体情報取得手順に相当し、このステップS20で実行される処理が、受信処理に相当する。なお、このステップS20をステップS10よりも前に実行してもよい。
【0042】
そして、ステップS30で、CPU12は、タッチパネル17により、上記ステップS20で取得した媒体情報、及び、それぞれに対応する各ラベルプリンタ3の識別情報(例えばプリンタ名称)を、上記ステップS10で設定した整合条件に対応した態様で表示する。前述の図3(b)及び図3(c)に示した例では、整合条件としてのテープ幅=24[mm]に整合するテープ203の媒体情報とそれを備えたラベルプリンタ3の識別情報とに限定して、表示がなされている。このステップS30が、請求項記載の情報表示手順に相当し、またこのステップS30で実行される処理が表示処理に相当している。
【0043】
その後、ステップS40で、CPU12は、上記ステップS30での表示に対応して実行される、上記操作部14等を介した、ユーザが探している内容に該当する特定のラベルプリンタ3の選択(決定)操作を受け付ける。なお、このとき、図3(d)に示したように1つのラベルプリンタ3(詳細には識別情報)の選択を受け付けるようにしてもよいし、あるいはラベルプリンタ3に装着されているテープ203の選択を受け付けるようにしてもよい。このステップS40が、請求項記載の第1操作受付手順に相当し、またこのステップS30で実行される処理が請求項記載の受け付け処理に相当している。
【0044】
そして、ステップS50で、CPU12は、上記ステップS40で選択された特定のラベルプリンタ3に対し、通信制御部15を介し、報知実行指示を送信する。このステップS50が、請求項記載の指示送信手順に相当し、またこのステップS50でCPU21により実行される処理が指示送信処理に相当している。これにより、当該報知実行指示を受信した特定のラベルプリンタ3において、制御回路202の上記CPUの制御に基づき、上記報知部211によって前述の所定の報知動作(発光動作又は発音動作)が実行される。この処理が、請求項記載の報知処理に相当している。その後、このフローが終了する。
【0045】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態では、テープ203を装着した状態の各ラベルプリンタ3から、当該ラベルプリンタ3の識別情報(例えばプリンタ名称)と対応するテープ203の媒体情報とがブロードキャスト送信される。そして、操作端末2では、上記ブロードキャスト送信された識別情報及び媒体情報が取得された後、その取得された各ラベルプリンタ3の識別情報及び対応する媒体情報が、タッチパネル17において表示される。これにより、使いかけのテープ203を探しているユーザは、タッチパネル17での表示の中から、自らが探している媒体情報の内容を見つけ出すことで、対応する1つのテープ203(又は1つのラベルプリンタ3)を選択し、その1つを選択対象とする決定操作を操作部14等を介して行うことができる。このようにして、ユーザは、自らが探している媒体情報の内容に対応したテープ203が、あるラベルプリンタ3に装着されていることを知ることができるので、ユーザにとっての利便性を向上することができる。
【0046】
なお、上記フローでは、ステップS10で検索条件に対応した整合条件を設定し、ステップS30でその整合条件に対応した態様で各ラベルプリンタ3における媒体情報の表示を行ったが、これに限られず、ステップS10は省略してもよい。この場合は、ステップS20において、操作端末2から通信可能な範囲にあるすべてのラベルプリンタ3から上記媒体情報が取得され、ステップS30では取得できたすべての媒体情報、及び、それに対応するラベルプリンタ3の識別情報が表示される。この場合も、上記と同様の効果を得ることができる。
【0047】
また、本実施形態では特に、前述のユーザの決定操作(言い替えれば選択結果)に対応した1つのラベルプリンタ3に対し、実行指示が送信される。そして、上記選択結果に対応した当該ラベルプリンタ3において上記所定の報知動作が実行される。これにより、ユーザは、自らが探している媒体情報の内容に対応したテープ203が、その報知動作を行ったラベルプリンタ3に装着されていることを確実に知ることができる。
【0048】
また、本実施形態では特に、操作部14等を介し入力された検索条件に対応し、媒体情報に関する所望の整合条件が設定され(ステップS10参照)、タッチパネル17において、その設定された整合条件に対応した表示態様で、各ラベルプリンタ3の識別情報(例えばプリンタ名称)と対応する媒体情報とが表示される(ステップS30参照)。これにより、タッチパネル17において表示を行う際、上記整合条件に内容が適合しない媒体情報は表示されないにすることができる(前述のテープ幅24[mm]参照)。また、図示を省略するが、整合条件に内容が適合しない媒体情報及び対応するラベルプリンタの識別情報を、整合条件に内容が適合する媒体情報及び対応するラベルプリンタの識別情報よりも、目立たないように表示する、等も可能である。この結果、ユーザは、タッチパネル17での表示の中から、自らが探している媒体情報の内容を見つけ出しやすくなる。
【0049】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
【0050】
(1)各ラベルプリンタまでの距離も併せて表示する場合
<タッチパネルの画面遷移>
本変形例における操作端末2のタッチパネル17での画面遷移を、上記実施形態の図3(a)~(d)にそれぞれ対応する図6(a)~(d)に示す。
【0051】
まず図6(a)では、上記図3(a)と同様、タッチパネル17にテープ幅入力欄17Pが表示されている。この状態で、図6(b)では、上記図3(b)と同様、テープ幅24[mm]のテープ203を探したいユーザにより、テープ幅入力欄17Pに「24」が入力される。
【0052】
このとき、本変形例においては、各ラベルプリンタ3からは、前述と同様の各ラベルプリンタ3A,3B,3Cの識別情報(例えばプリンタ名称)、対応する上記媒体情報に加え、公知の手法により検出された、各ラベルプリンタ3A,3B,3Cと操作端末2との距離情報とがブロードキャスト送信され、操作端末2ではこれらの情報が取得されている。
【0053】
この状態で、前述のようにテープ幅の入力がなされると、本変形例では、上記図3(c)と同様、図6(c)に示すように、タッチパネル17に、種類欄17Qと、プリンタ表示欄17A,17B,17Cと、が表示される。
【0054】
そして、この例では、プリンタ表示欄17Aには、上記ラベルプリンタ3Aからの受信結果に基づき、上記図3(c)と同様の、「Printer-1」「24mm」「yellow」「PET]に加え、ラベルプリンタ3Aから操作端末2までの距離をバーの黒塗り部分の相対的な長さで表した、距離インジケータIRが表示されている。この例では、ラベルプリンタ3Aから操作端末2までの距離が比較的短いのに対応し、バーの1/3程度が黒塗り部分となっている。
【0055】
同様に、プリンタ表示欄17Bには、上記ラベルプリンタ3Bからの受信結果に基づき、上記図3(c)と同様の、「Printer-2」「24mm」「white」「PET]に加え、ラベルプリンタ3Bから操作端末2までの距離が比較的長いのに対応し、バーの全部が黒塗り部分となっている、距離インジケータIRが表示されている。
【0056】
同様に、プリンタ表示欄17Cには、上記ラベルプリンタ3Cからの受信結果に基づき、上記図3(c)と同様の、「Printer-3」「24mm」「white」「Fabric」に加え、ラベルプリンタ3Bから操作端末2までの距離が中程度であるのに対応し、バーの2/3程度が黒塗り部分となっている、距離インジケータIRが表示されている。
【0057】
なお、上記のような図形的な表示のインジケータ等ではなく、距離情報に対応した実距離又は相対値を表す数字等を表示するようにしてもよい。
【0058】
このような図6(c)の表示に対し、例えば、上記実施形態と同様、白色でかつPETフィルム素材のテープ203を使用したいと思っていたユーザは、本変形例では各ラベルプリンタ3までの距離も勘案してどのラベルプリンタ3のカートリッジを使用するかを決定することができる。この例では、媒体情報の内容が完全に整合するラベルプリンタ3B(「Printer-2」で表示)は、操作端末2からの距離が遠い。一方、媒体情報の内容は完全には一致しないがある程度近い(テープ色が黄色である以外は一致)ラベルプリンタ3A(「Printer-1」で表示)は、操作端末2からの距離が近い。この結果、この例では、図6(d)に示すように、ユーザによって上記ラベルプリンタ3Aが選択されている。この結果、前述の報知指示はラベルプリンタ3Aに送られ、ラベルプリンタ3Aの上記報知部211による報知が行われる(図示省略)。
【0059】
<制御手順>
本変形例における上記手法を実現するために、操作端末2のCPU12が実行する処理手順を、図7に示す。図7に示すフローでは、上記実施形態の図5におけるステップS20の後にステップS21が新たに設けられるとともに、図5のステップS30に代えてステップS30′が設けられる。
【0060】
すなわち、本変形例においては、操作端末2のCPU12は、図5と同様のステップS10を経て、ステップS20にて各ラベルプリンタ3からの媒体情報を取得した後、新たに設けたステップS21へ処理を移す。
【0061】
ステップS21では、CPU12は、上記通信制御部15を介し、各ラベルプリンタ3の操作端末2までの距離情報を取得する。この距離情報は前述のブロードキャスト送信の中に含まれていてもよいし、そのブロードキャスト送信とは別に行われる新たな通信によって取得されてもよい。このステップS21が請求項記載の距離情報取得手順に相当する。その後、ステップS30′に処理を移す。
【0062】
ステップS30′では、CPU12は、まず、上記ステップS30と同様、タッチパネル17により、上記ステップS20で取得した媒体情報、及び、それぞれに対応する各ラベルプリンタ3の識別情報(例えばプリンタ名称)を、上記ステップS10で設定した整合条件に対応した態様で表示する。またこれに加え、CPU12は、ステップS21で取得した各ラベルプリンタ3の距離情報についても、タッチパネル17により表示する。本変形例では、このステップS30′が、請求項記載の情報表示手順に相当し、またこのステップS30′で実行される処理が表示処理に相当している。
【0063】
以降のステップS40、ステップS50は上記図5と同様であり、説明を省略する。
【0064】
<変形例の効果>
本変形例においては、操作端末2から各ラベルプリンタ3までの距離情報が取得された後(ステップS21参照)、タッチパネル17において、ラベルプリンタ3の識別情報(例えばプリンタ名称)及び対応する媒体情報とともに、上記取得された距離情報に対応した表示がタッチパネル17において行われる。これにより、ユーザは、上述のように自らが所望する内容の媒体情報に対応したテープ203を探す際、当該テープ203までの距離、すなわち当該テープ203が装着されたラベルプリンタ3までの距離も参酌することができる。これにより、ほぼ同じ条件のテープ203をそれぞれ装着した2つのラベルプリンタ3が見つかった場合、距離が近いほうを選択することが可能となる(図6(d)の例を参照)。この結果、さらにユーザにとっての利便性を向上することができる。
【0065】
(2)検索条件を自動設定する場合
<タッチパネルの画面遷移>
本変形例における操作端末2のタッチパネル17での画面遷移を、前述の図3(a)~(d)、図6(a)~(d)に対応する図8(a)~(d)に示す。
【0066】
本変形例ではまず、ユーザは、例えば操作端末2の操作部14等を適宜に操作し、タッチパネル17に、図8(a)に示すような、印字ラベルLの印字内容を編集するための編集画面17Eを表示させる。その後ユーザは、操作部14等を適宜に操作することにより、上記印字内容の編集操作を行う。図8(a)に示す例では、編集操作の結果、上記編集画面17E中に、テキスト文字「ABCDEF」を備えたラベルイメージLIが表示されている。
【0067】
図示のように、この例では、ユーザの操作によって、印字ラベルLの幅(言い替えればテープ203の幅)は22[mm]に設定されている。また、上記「ABCDEF」の入力の結果、印字ラベルLの長さは55[mm]が必要となっている。そこで、本変形例では、その後のユーザの操作部14等の適宜の操作に移行する図8(b)に示す画面において、テープ幅入力欄17Pに、検索条件の一つとして、上記に対応した「22」が自動的に入力される。またこの例では、上記に対応して、検索条件のもう1つとして、テープ残量入力欄17Rが画面内に配置され、上記に対応した「55」が自動的に入力されている。すなわち、本変形例では、媒体情報としてのテープ203の残量が印刷に必要な所要残量以上であること、についても検索条件として自動設定される。
【0068】
以上の結果、検索条件として、テープ203のテープ幅23[mm]と、テープ残量55[mm]以上と、が設定されることとなる。この場合は、図8(c)に示すように、前述のようにして各ラベルプリンタ3から取得された媒体情報のうち、当該検索条件に対して整合したものが表示される。
【0069】
図8(c)に示す例では、前述のラベルプリンタ3A,3B,3Cのいずれもが22[mm]のテープ203のカートリッジが装着されていた場合の例であり、前述の図3(c)と同様、タッチパネル17の画面では、種類欄17Qと、プリンタ表示欄17A,17B,17Cと、が表示されている。
【0070】
プリンタ表示欄17Aには、上記ラベルプリンタ3Aからの受信結果に基づき、当該ラベルプリンタ3Aの識別情報である「Printer-1」と、対応する上記テープ幅である「22mm」と、対応するテープ203の残量である「85mm」と、テープ203の材質がPETフィルムであることを表す「PET]と、が表示されている。
【0071】
プリンタ表示欄17Bには、上記ラベルプリンタ3Bからの受信結果に基づき、当該ラベルプリンタ3Bの識別情報である「Printer-2」と、対応する上記テープ幅である「22mm」と、対応するテープ203の残量である「300mm」と、テープ203の材質がPETフィルムであることを表す「PET]と、が表示されている。
【0072】
プリンタ表示欄17Cには、上記ラベルプリンタ3Cからの受信結果に基づき、当該ラベルプリンタ3Cの識別情報である「Printer-3」と、対応する上記テープ幅である「22mm」と、対応するテープ203の残量である「153mm」と、テープ203の材質が布であることを表す「Fabric」と、が表示されている。
【0073】
このような図8(c)の表示に対し、ユーザが、例えば、PETフィルム素材のテープ203を使用して上記ラベルイメージLIのような印字ラベルLを作成したいと思っていた場合、本変形例では、各ラベルプリンタ3に装着されているカートリッジにおけるテープ203の残量も勘案してどのラベルプリンタ3のカートリッジを使用するかを決定することができる。この例では、テープ幅22[mm]のカートリッジをそれぞれ装着したラベルプリンタ3A(「Printer-1」で表示)及びラベルプリンタ3B(「Printer-2」で表示)のうち、ラベルプリンタ3Bのカートリッジのほうがテープ203の残量が多い。この結果、この例では、図8(d)に示すように、ユーザによって上記ラベルプリンタ3Bが選択されている。この結果、前述の報知指示はラベルプリンタ3Bに送られ、ラベルプリンタ3Bの上記報知部211による報知が行われる(図示省略)。
【0074】
<制御手順>
本変形例における上記手法を実現するために、操作端末2のCPU12が実行する処理手順を、図9に示す。図9に示すフローでは、上記実施形態の図5におけるステップS10の前に、ステップS2及びステップS3が新たに設けられる。
【0075】
すなわち、まずステップS2で、操作端末2のCPU12は、操作部14等を介し、タッチパネル17の上記編集画面17Eにおける、ユーザによる編集操作を受け付ける。このステップS2が、請求項記載の第2操作受付手順に相当する。
【0076】
その後、ステップS3で、CPU12は、上記ステップS2で受け付けた編集操作に応じた、ラベルプリンタ3への印字データの生成を行う。このステップS2が、請求項記載の印字データ生成手順に相当する。そして、これに対応して、その後のステップS10では、上記ステップS2での編集操作及び上記ステップS3で生成された印字データに応じて、媒体情報に関する上記整合条件を設定する。上記図8(a)及び図8(b)の例では、前述したように、テープ203のテープ幅=22[mm]かつテープ残量が55[mm]以上、が上記整合条件として設定される。本変形例においてもこのステップS10が、請求項記載の条件設定手順に相当している。
【0077】
その後、上記ステップS20を経て、前述と同様、ステップS30で、CPU12は、タッチパネル17により、上記ステップS20で取得した媒体情報、及び、それぞれに対応する各ラベルプリンタ3の識別情報(例えばプリンタ名称)を、上記ステップS10で設定した整合条件に対応した態様で表示する。前述の図8(b)及び図8(c)に示した例では、整合条件としてのテープ幅=22[mm]かつテープ残量が55[mm]以上に整合する、テープ203の媒体情報とそれを備えたラベルプリンタ3の識別情報とに限定して、表示がなされている。本変形例においても、このステップS30が、請求項記載の情報表示手順に相当し、またこのステップS30で実行される処理が表示処理に相当している。
【0078】
以降のステップS40、ステップS50については上記図5と同様であり、説明を省略する。
【0079】
<変形例の効果>
本変形例においては、ユーザの操作部14等での操作により印字データが生成された後、タッチパネル17において表示を行う際、上記印字データの印刷に必要な量に対しテープ203の残量が足りない場合には、そのテープ203の媒体情報を表示しないようにすることができる。あるいは、残量が足りないものを目立たないように表示したり、残量が足りるものだけにマークを付したり強調表示することも可能である。以上の結果、ユーザは、タッチパネル17での表示の中から、自らが編集した印字ラベルLを確実に印刷できるテープ203を備えたカートリッジを、見つけ出すことができる。
【0080】
(3)検索条件に合致するカートリッジがなかった場合
例えば、ユーザが所望する内容の媒体情報を備えたテープ203がたまたまいずれのラベルプリンタ3にも装着されておらず、見つからない場合がありうる。本変形例は、そのような場合に対応するための例である。
【0081】
<タッチパネルの画面遷移>
本変形例における操作端末2のタッチパネル17での画面遷移を、図10(a)~(d)に示す。
【0082】
例えば図10(a)に示す例において、本変形例では、検索条件として、テープ203のテープ幅32[mm]であることがテープ幅入力欄17Pに設定されるとともに、テープ203の材質がPETフィルムであることが、テープ材質入力欄17Sに設定されている。この検索条件の設定は、詳細な説明を省略するが、上記変形例(2)において図8を用いて説明したように、ユーザの編集操作に基づいて自動的に設定される。なお、上記実施形態において図3を用いて説明したように操作部14等を介したユーザの操作入力に基づいて行ってもよい。
【0083】
ここで、操作端末2において前述のようにして通信範囲内にあるすべてのラベルプリンタ3(前述の例ではラベルプリンタ3A~3C)から媒体情報を取得している状態で、上記の「テープ幅32[mm]かつPETフィルム」の検索条件に整合するテープ203のカートリッジをどのラベルプリンタ3も装着していない場合がありうる。しかしながら、そのような場合であっても、いずれかのラベルプリンタ3において、過去に上記検索条件に整合するテープ203のカートリッジを一度でも使用したことがあれば、そのラベルプリンタ3の近くに当該カートリッジが今も置いてある可能性は高い。そこで、本変形例では、上記のような場合、タッチパネル17が図10(b)に示す画面に移行する。この画面では、「ご希望の条件では見つかりませんでした。各プリンタの印刷履歴を検索しますか?」のメッセージ欄17Tが表示される。そしてこのメッセージ欄17T中の「OK」ボタンがクリックされると、各ラベルプリンタ3において予め蓄積されているそれぞれの印刷履歴に対し、検索が行われる。
【0084】
すなわち、本変形例では、各ラベルプリンタ3では、カートリッジが適宜に交換されつつ使用されて印字ラベルLが作成されるとき、そのカートリッジにおけるテープ203の上記媒体情報が履歴として適宜の箇所(例えば制御回路内のメモリ)に記録され格納されている。上記検索においては、各ラベルプリンタ3において上記格納された印刷履歴が読み出されて操作端末2へ送信される。
【0085】
図10(c)は、上記のようにして送信された各ラベルプリンタ3の印刷履歴を取得した後にタッチパネル17に表示される画面を表している。この画面では、前述と同様、種類欄17Qと、プリンタ表示欄17A,17B,17Cと、が表示される。
【0086】
プリンタ表示欄17Aには、この例では、上記検索に対応してラベルプリンタ3Aから受信した印刷履歴として、当該ラベルプリンタ3Aの識別情報である「Printer-1」と、履歴日時が2018年12月22日であることを表す「20181222」の文字列と、対応する上記テープ幅である「18mm」と、対応するテープ203の色を表す「white」と、テープ203の材質がPETフィルムであることを表す「PET]と、が表示されている。
【0087】
プリンタ表示欄17Bには、この例では、上記検索に対応してラベルプリンタ3Bから受信した印刷履歴として、当該ラベルプリンタ3Bの識別情報である「Printer-2」と、履歴日時が2019年2月28日であることを表す「20190228」の文字列と、対応する上記テープ幅である「32mm」と、対応するテープ203の色を表す「yellow」と、テープ203の材質がPETフィルムであることを表す「PET]と、が表示されている。
【0088】
プリンタ表示欄17Cには、この例では、上記検索に対応してラベルプリンタ3Cから受信した印刷履歴として、当該ラベルプリンタ3Cの識別情報である「Printer-3」と、履歴日時が2019年7月14日であることを表す「20190714」の文字列と、対応する上記テープ幅である「32mm」と、対応するテープ203の色を表す「white」と、テープ203の材質がPETフィルムであることを表す「PET]と、が表示されている。
【0089】
このような図10(c)での印刷履歴の表示において、図10(a)に示した検索条件に合致するのは、ラベルプリンタ3B(「Printer-2」で表示)及びラベルプリンタ3C(「Printer-3」で表示)である。しかしながら、ラベルプリンタ3Cにおける印刷履歴の期日(この例では2019年7月14日)のほうがラベルプリンタ3Bにおける印刷履歴の期日(この例では2019年2月28日)よりも新しい。この結果、この例では、図10(d)に示すように、ユーザによって上記ラベルプリンタ3Cが選択されている。この結果、前述の報知指示はラベルプリンタ3Cに送られ、ラベルプリンタ3Cの上記報知部211による報知が行われる(図示省略)。
【0090】
<制御手順>
本変形例における上記手法を実現するために、操作端末2のCPU12が実行する処理手順を、図11に示す。図11に示すフローでは、上記変形例(2)の図9におけるステップS20とステップS30との間に、ステップS23が新たに設けられるとともに、そのステップS23から分岐して、ステップS24、ステップS25、ステップS26、ステップS27がさらに新たに設けられる。
【0091】
すなわち、上記図9と同様のステップS2、ステップS3、ステップS10を経て、ステップS20で前述と同様に各ラベルプリンタ3から媒体情報が取得された後、新たに設けたステップS23へ移行する。
【0092】
ステップS23では、CPU12は、上記ステップS10で前述のようにして設定された整合条件(検索条件)を満足するテープ203のカートリッジが存在するか否かを判定する。
【0093】
上記整合条件を満足するカートリッジが存在すればステップS23の判定が満たされて(S23:YES)、前述と同様のステップS30に移行する。このステップS30及びそれ以降のステップS40、ステップS50については、上記図9等と同様であり、説明を省略する。
【0094】
一方、上記整合条件を満足するカートリッジが存在しない場合はステップS23の判定が満たされず(S23:NO)、ステップS24に移行する。
【0095】
ステップS24では、CPU12は、上記通信制御部15を介し各ラベルプリンタ3から上述した印刷履歴を表す印刷履歴情報を取得する。なお、この印刷履歴情報の取得は、前述の媒体情報の取得と同様に各ラベルプリンタ3からのブロードキャスト送信によって取得してもよいし、媒体情報の取得と同時に取得するようにしてもよい。あるいは、上記ブロードキャスト送信とは別の適宜の通信方式による新たな無線通信によって取得してもよい。このステップS24が、請求項記載の履歴情報取得手順に相当する。
【0096】
その後、ステップS25で、CPU12は、上記ステップS24で取得された各ラベルプリンタ3の印刷履歴の中に、上記ステップS10で設定された整合条件を満足する履歴があるか否かを判定する。満足する履歴がなければこの判定は満たされず(S25:NO)、ステップS27に移行する。ステップS27では、CPU12はタッチパネル17において所定のエラー表示を行い、このフローを終了する。
【0097】
一方、上記ステップS25において、上記ステップS10での整合条件を満足する履歴があれば判定は満たされ(S25:YES)、ステップS26に移行する。ステップS26では、CPU12は、上記整合条件を満足する履歴に対応する、ラベルプリンタ3の識別情報(例えばプリンタ名称)及び履歴に含まれる媒体情報をタッチパネル17に表示する。なお本変形例では、上記ステップS30とこのステップS25とが、請求項記載の情報表示手順に相当し、またこれらステップS30及びステップS25で実行される処理が表示処理に相当している。その後、このフローを終了する。
【0098】
<変形例の効果>
以上のように、本変形例においては、各ラベルプリンタ3から取得された媒体情報に整合条件を満足する情報が含まれていない場合には、各ラベルプリンタ3からそれぞれの印刷履歴情報が取得される。そして、その取得された印刷履歴情報の中にユーザが所望する内容の媒体情報が含まれていた場合、すなわち取得結果に上記整合条件を満足する情報が含まれていた場合には、当該取得結果に対応する媒体情報及びラベルプリンタ3の識別情報がタッチパネル17にて表示される。
【0099】
これにより、ユーザは、所望する内容の媒体情報を備えたテープ203が過去に使用されたラベルプリンタ3を、知ることができる。したがって、ユーザは、当該ラベルプリンタ3の場所に赴き、その周辺を探してみることで、所望する内容の媒体情報を備えたテープ203を含むカートリッジを高い確率で発見することができる。
【0100】
なお、以上は、印刷装置として、テープ203に所望の印刷を行って印字ラベルLを作成するラベルプリンタ3に対し本発明を適用した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、印刷装置の一例として、例えばA4、A3、B4、B5サイズ等の通常の被印刷用紙に画像を形成したり文字を印刷するプリンタや、バッテリ電源により駆動される携帯用プリンタに対し、本発明を適用してもよい。すなわち、上記無線通信による操作端末2との通信機能を備えた印刷装置であれば足りる。これらの場合も同様の効果を得る。
【0101】
また、以上において、図2等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0102】
また、図5図7図9図11等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0103】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0104】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0105】
1 印刷処理システム(通信処理システム)
2 操作端末
3 ラベルプリンタ(印刷装置)
12 CPU(制御部)
14 操作ボタン(操作部)
15 通信制御部(通信部)
17 タッチパネル(表示部、操作部)
202 制御回路(制御手段)
203 テープ(被印字媒体)
205 印字ヘッド(印字手段)
208 通信制御部(通信手段)
209 搬送装置(搬送手段)
211 報知部(報知手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11