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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-13
(45)【発行日】2023-09-22
(54)【発明の名称】エレベータ
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/34 20060101AFI20230914BHJP
   B66B 9/02 20060101ALI20230914BHJP
   H02J 50/20 20160101ALI20230914BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20230914BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
B66B1/34 A
B66B9/02 Z
H02J50/20
H02J50/40
H02J7/00 301D
H02J7/00 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022043471
(22)【出願日】2022-03-18
【審査請求日】2022-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】宮川 行宏
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/194826(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/199118(WO,A1)
【文献】特開2021-127210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/34
B66B 9/02
H02J 50/20
H02J 50/40
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラベリングケーブルが設けられている有線走行路と、
前記有線走行路に連通し、且つ前記トラベリングケーブルが設けられていない無線走行路と、
前記有線走行路内において上下方向に移動するように構成される昇降駆動装置と、
前記無線走行路内に敷設されているガイドレールと、
前記昇降駆動装置から前記ガイドレール又は前記ガイドレールから前記昇降駆動装置に乗換可能な乗りかごであって、前記昇降駆動装置とともに前記有線走行路内を走行し、且つ前記ガイドレールに沿って前記無線走行路内を走行する乗りかごと、
電源の電力を用いて前記乗りかごが有する電気機器に対して無線による給電を行う無線給電手段と、
制御盤と前記乗りかごが有する制御装置とを無線により通信可能に接続する無線通信手段と、を備え、
前記無線給電手段は、
前記昇降駆動装置に取り付けられ且つ前記トラベリングケーブルが接続された状態で前記有線走行路内で前記乗りかごとともに移動可能となるように配置されている可動給電装置と、
前記無線走行路内に据付けされている固定給電装置と、
前記乗りかごに取り付けられ、且つ前記可動給電装置、及び前記固定給電装置から無線により伝送される電力を受ける無線受電装置と、を有し、
前記無線通信手段は、
前記昇降駆動装置に取り付けられ且つ前記トラベリングケーブルが接続された状態で前記有線走行路内で前記乗りかごとともに移動可能となるように配置されている可動発信装置と、
前記無線走行路内に据付けされている固定発信装置と、
前記乗りかごに取り付けられ、且つ前記可動発信装置、及び前記固定発信装置に対して無線により通信可能に接続される無線受信装置と、を有する、
エレベータ。
【請求項2】
記無線受電装置は、蓄電装置を有する、
請求項1に記載のエレベータ。
【請求項3】
前記無線受電装置の電力の残量を検知する残量検知手段と、
前記残量検知手段の検知結果に応じて前記乗りかごの走行動作を制御する走行制御手段と、を備え、
前記無線給電手段は、複数の前記固定給電装置を有し、
前記残量検知手段は、前記無線受電装置が電力供給を要する状態であるか否かの判定を行う基準とする残量基準値と、前記無線受電装置の電力の残量とを比較し、前記残量が前記残量基準値を下回っている場合に前記無線受電装置が電力供給を要する状態であると判定するように構成され、
前記走行制御手段は、前記残量検知手段が前記無線受電装置への電力供給が必要な状態であると判定している場合に前記乗りかごを最寄りの前記可動給電装置または前記固定給電装置まで移動させるように構成される、
請求項2に記載のエレベータ。
【請求項4】
前記無線給電手段は、複数の前記固定給電装置を有し、
前記残量基準値が示す電力により前記乗りかごで走行可能な走行可能距離が複数の前記固定給電装置の配置間隔以上に設定される、
請求項3に記載のエレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1に開示されているような、乗りかごが縦横に移動できるように構成されたエレベータが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-121021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、エレベータの乗りかごには昇降路内に引き出されたトラベリングケーブルが接続されており、乗りかごへの電力供給や、乗りかごとの情報通信は、このトラベリングケーブルを介して行われている。
【0005】
そのため、従来のエレベータでは、乗りかごの移動経路を設定する際にトラベリングケーブルを用いることによる制約を受けることがあった。
【0006】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、乗りかごの移動経路の設定の自由度を高めることができるエレベータの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のエレベータは、
走行路と、
前記走行路内を移動する乗りかごと、
電源の電力を用いて前記乗りかごが有する電気機器に対して無線による給電を行う無線給電手段と、
制御盤と前記乗りかごが有する制御装置とを無線により通信可能に接続する無線通信手段と、を備える。
【0008】
上記構成のエレベータによれば、乗りかごにトラベリングケーブルが接続されていない状態であっても、無線給電手段によって乗りかごへの電力供給でき、また、無線通信手段によって乗りかごとの情報通信ができるため、乗りかごの移動経路の設定の自由度を高めることができる。
【0009】
本発明のエレベータにおいて、
前記無線給電手段は、
前記走行路内に配置され、且つ電力を無線により伝送する無線電力伝送装置と、
前記乗りかごに取り付けられ、且つ前記無線電力伝送装置から無線により伝送される電力を受ける無線受電装置と、を有し、
前記無線受電装置は、蓄電装置を有する、ようにしてもよい。
【0010】
このようにすれば、無線電力伝送装置から伝送される電力を無線受電装置に蓄えることができるため、無線受電装置が無線電力伝送装置から離れている状態で乗りかごを動作させるための電力が不足してしまうことが防止される。
【0011】
この場合、本発明のエレベータは、
前記無線受電装置の電力の残量を検知する残量検知手段と、
前記残量検知手段の検知結果に応じて前記乗りかごの走行動作を制御する走行制御手段と、を備え、
前記無線給電手段は、複数の前記無線電力伝送装置を有し、
前記残量検知手段は、前記無線受電装置が電力供給を要する状態であるか否かの判定を行う基準とする残量基準値と、前記無線受電装置の電力の残量とを比較し、前記残量が前記残量基準値を下回っている場合に前記無線受電装置が電力供給を要する状態であると判定するように構成され、
前記走行制御手段は、前記残量検知手段が前記無線受電装置への電力供給が必要な状態であると判定している場合に前記乗りかごを最寄りの前記無線電力伝送装置まで移動させるように構成されるようにしてもよい。
【0012】
このようにすれば、無線受電装置に蓄えられている電力が尽きてしまうことが防止される。
【0013】
また、本発明のエレベータにおいて、
前記残量基準値が示す電力により前記乗りかごで走行可能な走行可能距離が複数の前記無線電力伝送装置の配置間隔以上に設定されるようにしてもよい。
【0014】
このようにすれば、乗りかごが無線電力伝送装置間を移動している間に無線受電装置の電力が不足してしまうことが防止される。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明のエレベータは、乗りかごの移動経路の設定の自由度を高めることができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るエレベータの構成の概要図であり、乗りかごが有線走行路内を移動している状態の概要図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係るエレベータの構成の概要図であり、乗りかごが無線走行路内を移動している状態の概要図である。
図3図3は、同実施形態に係るエレベータの制御部を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態にかかるエレベータについて、添付図面を参照しつつ説明する。
【0018】
本実施形態のエレベータ1は、図1図2に示すように、走行路2と、走行路2内を走行する乗りかご3と、電源Pの電力を用いて乗りかご3の後述する電気機器に対して無線による給電を行う無線給電手段4と、乗りかご3の動作を制御する制御盤Cと乗りかご3の後述する制御装置31とを無線により通信可能に接続する無線通信手段5と、を備えている。
【0019】
本実施形態のエレベータ1は、走行路2として、トラベリングケーブル200が設けられている有線走行路20と、トラベリングケーブル200が設けられていない無線走行路21と、を備えている。
【0020】
有線走行路20と無線走行路21とは連通している。また、本実施形態では、有線走行路20が上下方向に延びており、無線走行路21は水平方向に延びている。
【0021】
乗りかご3は、出入口が形成される乗りかご本体30と、乗りかご本体30に取り付けられ且つ電力を受けて作動する電気機器(図示しない)と、電気機器を制御する制御装置31と、を有する。
【0022】
電気機器とは、例えば、乗りかご3のドアを開閉させるためのモーターや、操作盤、等のことである。制御装置31は、いわゆる、マイコンである。
【0023】
本実施形態の乗りかご3は、有線走行路20内において上下方向に移動する昇降駆動装置6に連結可能であり、有線走行路20から無線走行路21に移る際は、昇降駆動装置6から無線走行路21内に敷設されているガイドレール7に乗り替わるように構成されている。また、無線走行路21内に移動した乗りかご3は、ガイドレール7に沿って走行するように構成されている。
【0024】
そして、昇降駆動装置6には、トラベリングケーブル200が取り付けられている。
【0025】
無線給電手段4は、走行路2内に配置され、且つ電力を無線により伝送する無線電力伝送装置40と、乗りかご3に取り付けられ、且つ無線電力伝送装置40から無線により伝送される電力を受ける無線受電装置41と、を有する。
【0026】
無線電力伝送装置40には、有線走行路20内で乗りかご3とともに移動可能となるように配置されている可動給電装置400と、無線走行路21内に据付けされている固定給電装置401と、が含まれる。
【0027】
可動給電装置400は、昇降駆動装置6に取り付けられている。これにより、可動給電装置400は、有線走行路20内で乗りかご3とともに移動可能となるように構成されている。
【0028】
また、可動給電装置400には、昇降駆動装置6に固定されているトラベリングケーブル200が接続されている。これにより、可動給電装置400は、トラベリングケーブル200を通じて電源Pに対して電気的に接続されている。
【0029】
無線給電手段4は、複数の固定給電装置401を有している。そして、複数の固定給電装置401は、無線走行路21が延びる方向(無線走行路21内での乗りかご3の走行方向)において所定の間隔ごとに並べて配置されている。
【0030】
また、複数の固定給電装置401は、何れも電源Pに対して電気的に接続されている。
【0031】
ここで、図3に示すように、乗りかご3の制御装置31は、無線受電装置41の電力の残量を検知する残量検知手段8を有するように構成され、制御盤Cは、残量検知手段8の検知結果に応じて乗りかご3の走行動作を制御する走行制御手段9を有するように構成されている。
【0032】
残量検知手段8は、無線受電装置41が電力供給を要する状態であるか否かの判定を行う基準とする残量基準値と、無線受電装置41の電力の残量とを比較する比較処理と、残量が残量基準値を下回っている場合に無線受電装置41が電力供給を要する状態であると判定する判定処理とを行うように構成されている。
【0033】
なお、残量検知手段8は、判定処理において無線受電装置41が電力供給を要する状態であると判定した場合に、その旨を知らせる通知を走行制御手段9に送信するように構成されていればよい。
【0034】
走行制御手段9は、残量検知手段8が無線受電装置41への電力供給が必要な状態であると判定している場合(残量検知手段8から通知を受けた場合)、乗りかご3を最寄りの無線電力伝送装置40(固定給電装置401又は可動給電装置400)まで移動させるように構成されている。
【0035】
なお、残量基準値は、該残量基準値が示す電力の残量により乗りかご3が走行可能な走行可能距離が複数の固定給電装置401の配置間隔以上となるように設定されていることが好ましい。このようにすれば、乗りかご3が無線電力伝送装置40間を移動している間に無線受電装置41の電力が不足してしまうことが防止される。
【0036】
無線通信手段5は、図1に示すように、走行路2内に配置される複数の無線発信装置50と、乗りかご3に取り付けられ、且つ無線発信装置50に対して無線により通信可能に接続される無線受信装置51と、を有する。
【0037】
複数の無線発信装置50には、有線走行路20内で乗りかご3とともに移動可能となるように配置されている可動発信装置500と、無線走行路21内に据付けされている固定発信装置501と、が含まれている。
【0038】
可動発信装置500は、昇降駆動装置6に取り付けられており、これにより、有線走行路20内で乗りかご3とともに移動可能となるように構成されている。また、可動発信装置500は、乗りかご3の制御装置31に対して無線により通信可能に接続されている。なお、制御盤Cに対しては昇降駆動装置6に取り付けられているトラベリングケーブル200を介して通信可能に接続されていてもよい。
【0039】
無線通信手段5は、複数の固定発信装置501を有している。そして、複数の固定発信装置501は、無線走行路21が延びる方向(無線走行路21内での乗りかご3の走行方向)において所定の間隔ごとに並べて配置されている。
【0040】
このように構成される無線通信手段5では、複数の無線発信装置50(可動発信装置500、及び無線発信装置50)が、乗りかご3の制御装置31と制御盤Cの間で、マルチホップ伝送を行うように構成されている。
【0041】
そのため、乗りかご3の制御装置31(無線受信装置51)と制御盤Cの間で送受信される情報は、可動発信装置500又は無線発信装置50の一方のみを経由したり、可動発信装置500と無線発信装置50とを経由したりすることがある。
【0042】
本実施形態に係るエレベータ1の構成は、以上の通りである。続いて、エレベータ1の動作を説明する。
【0043】
乗りかご3が有線走行路20内を走行している場合、無線受電装置41と可動給電装置400とが無線給電を行っているため、乗りかご3は無線受電装置41に蓄えられている電力を消費しながら走行し、無線受電装置41には可動給電装置400から供給される電力が蓄えられる。
【0044】
また、乗りかご3の制御装置31と制御盤Cとが可動発信装置500を介して無線通信を行っているため、制御装置31は、制御盤Cから送信される命令に基づいて乗りかご3の走行動作等を制御する。
【0045】
乗りかご3が有線走行路20から無線走行路21に移ると、無線受電装置41と可動給電装置400との無線給電が解除されるが、乗りかご3が固定給電装置401の位置に到達すると、無線受電装置41と可動給電装置400とが無線給電を行い、無線受電装置41に電力が蓄えられる。
【0046】
また、乗りかご3が有線走行路20から無線走行路21に移った状態で制御装置31と可動発信装置500との無線による通信接続が解除されても、制御装置31と固定発信装置501とが無線通信により接続されると、制御装置31と制御盤Cとが固定発信装置501を介して通信可能な状態になる。そのため、乗りかご3が無線走行路21に移った状態においても、制御装置31は、制御盤Cから送信される命令に基づいて乗りかご3の走行動作等を制御することができる。
【0047】
また、乗りかご3は、無線受電装置41の電力の残量が残量基準値を上回っている間は通常の動作を行い、無線受電装置41の電力の残量が残量基準値を下回ったことを残量検知手段8が検知すると、最寄りの固定給電装置401、又は可動給電装置400に向かって走行する。
【0048】
そして、乗りかご3は、無線受電装置41の電力の残量が残量基準値を上回れば、通常の動作を再開する。
【0049】
以上のように、本実施形態に係るエレベータ1によれば、乗りかご3にトラベリングケーブル200が接続されていない状態であっても、無線給電手段4によって乗りかご3への電力供給でき、また、無線通信手段5によって乗りかご3との情報通信ができるため、乗りかご3の移動経路の設定の自由度を高めることができるという優れた効果を奏し得る。
【0050】
また、無線受電装置41が蓄電装置を有するため、無線電力伝送装置40から伝送される電力を無線受電装置41に蓄えることができ、これにより、乗りかご3を動作させるための電力が不足してしまうことが防止される。
【0051】
さらに、本実施形態のエレベータ1では、残量検知手段8が無線受電装置41の前記残量が前記残量基準値以下になったことを検知すると、走行制御手段9は、乗りかご3を最寄りの前記無線電力伝送装置40の位置まで移動させるように構成されているため、無線受電装置41に蓄えられている電力が尽きてしまうことが防止される。
【0052】
特に、走行可能距離が複数の前記無線電力伝送装置40の配置間隔以上に設定されているため、乗りかご3が無線電力伝送装置40間を移動している間に無線受電装置41の電力が不足してしまうことがより確実に防止される。
【0053】
なお、本発明に係るエレベータは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0054】
上記実施形態の有線走行路20は、上下方向に延びていたが、この構成に限定されない。例えば、有線走行路20は、水平方向に延びていてもよい。
【0055】
上記実施形態の無線走行路21は、水平方向に延びていたが、この構成に限定されない。例えば、無線走行路21は、上下方向に延びていてもよい。
【0056】
上記実施形態において特に言及しなかったが、電気機器に乗りかご3を走行させる動力源となる機器が含まれている場合、無線受電装置41に蓄えられている電力が尽きることが防止されることによって、無線電力伝送装置40から離れた位置(無線受電装置41が無線電力伝送装置40から電力を受け取れない位置)で乗りかご3の走行が停止してしまうことも防止される。
【0057】
上記実施形態において残量検知手段8は、乗りかご3の制御装置が有するように構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、残量検知手段8は、制御盤Cが有するように構成されていてもよい。
【0058】
上記実施形態において走行制御手段9は、制御盤Cが有するように構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、乗りかご3の電気機器に動力源となる機器が含まれている場合、走行制御手段9は、乗りかご3の制御装置Cが有するように構成されていてもよい。
【0059】
上記実施形態において特に言及しなかったが、無線走行路21内では、無線電力伝送装置40が乗場に配置されていてもよい。このようにする場合、走行制御手段9は、出発地点から目的地までの経路上に無線電力伝送装置40が設置されている乗場があれば、出発地点から目的地に向かって走行している乗りかご3をこの乗場で一時的に停止するように構成されていてもよい。
【0060】
なお、乗場に無線電力伝送装置40を配置する場合においても、目的地に到達する前に無線受電装置41の蓄電装置に蓄えられている電力が目的地への走行時に要する電力量(走行やドアの開閉等を行うために電気機器に供給する必要がある電力)を下回った場合は、乗りかご3を最寄りの無線受電装置41に移動させればよい。
【0061】
上記実施形態において特に言及しなかったが、走行制御手段9は、乗りかご3を最寄りの無線電力伝送装置40(固定給電装置401又は可動給電装置400)まで移動させた後、無線受電装置41の蓄電装置に蓄えられている電力が目的地への走行時に要する電力量(走行やドアの開閉等を行うために電気機器に供給する必要がある電力)に至っていない間は乗りかご3の走行を停止し、無線受電装置41の蓄電装置に蓄えられている電力が目的地への走行時に要する電力量以上になった状態で乗りかご3の走行を再開させるように構成されていてもよい。
【0062】
上記実施形態の無線走行路21では、無線給電手段4が定位置に設置されていたが、この構成に限定されない。例えば、上記実施形態の無線走行路21では、無線給電手段4が乗りかご3に並走するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1…エレベータ、2…走行路、3…乗りかご、4…無線給電手段、5…無線通信手段、6…昇降駆動装置、7…ガイドレール、8…残量検知手段、9…走行制御手段、20…有線走行路、21…無線走行路、30…乗りかご本体、31…制御装置、40…無線電力伝送装置、41…無線受電装置、50…無線発信装置、200…トラベリングケーブル、400…可動給電装置、401…固定給電装置、500…可動発信装置、501…固定発信装置、C…制御盤、P…電源
【要約】
【課題】乗りかごの移動経路の設定の自由度を高めることができるエレベータを提供することを課題とする。
【解決手段】走行路2と、走行路2内を移動する乗りかご3と、電源の電力を用いて前記乗りかご3が有する電気機器に対して無線による給電を行う無線給電手段4と、制御盤Cと乗りかご3が有する制御装置31とを無線により通信可能に接続する無線通信手段5と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3