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特許7349119サーバ装置、制御プログラム、及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-13
(45)【発行日】2023-09-22
(54)【発明の名称】サーバ装置、制御プログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/523 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
H04M3/523
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019020701
(22)【出願日】2019-02-07
(65)【公開番号】P2020129717
(43)【公開日】2020-08-27
【審査請求日】2022-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】519045147
【氏名又は名称】株式会社城山ケアセンター
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【氏名又は名称】伊坪 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100196829
【弁理士】
【氏名又は名称】中澤 言一
(72)【発明者】
【氏名】永井 智恵子
(72)【発明者】
【氏名】永井 正浩
【審査官】田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0134325(US,A1)
【文献】特開2001-197207(JP,A)
【文献】特表2010-503069(JP,A)
【文献】特開2013-239160(JP,A)
【文献】特開2003-122834(JP,A)
【文献】特開2015-049337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/38- 3/58
H04Q 3/58- 3/62
G10L 13/00-13/10
G10L 15/00-17/26
G10L 19/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用するユーザ端末を示すユーザ端末情報と、前記ユーザからの依頼に対応する複数のオペレータのそれぞれが使用する複数のオペレータ電話機に関する情報を含むオペレータ情報と、前記オペレータが対応可能なユーザの通話能力を示す対応可能情報と、を記憶する記憶部と、
前記ユーザの音声を示すユーザ音声情報を前記ユーザ端末から受信する受信部と、
受信した前記ユーザ音声情報に基づいて前記ユーザの通話能力を判定する判定部と、
前記対応可能情報を参照して、判定された前記ユーザの通話能力に対応可能なオペレータを特定する特定部と、
前記ユーザ端末と特定された前記オペレータが使用する前記オペレータ電話機との音声通信を確立させる通信制御部と、を備え、
前記記憶部は、オペレータごとに、ユーザからの緊急性の高い依頼に対応可能か否かを示す緊急対応可能情報を記憶し、且つ、前記オペレータが過去に通話した前記ユーザからの依頼の内容を示す依頼情報に基づいて判定された、前記ユーザが緊急性の高い依頼を行う頻度の高い緊急ユーザであるか否かを示す緊急ユーザ情報を記憶し、
前記特定部は、前記ユーザが前記緊急ユーザであれば、前記緊急対応可能情報を参照して対応可能なオペレータを特定し、
前記通信制御部は、前記ユーザ端末と特定された前記オペレータが使用する前記オペレータ電話機との音声通信を確立させる、ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記ユーザの通話能力を示す情報と、前記ユーザに関連する連絡先を示す情報とを記憶し、
前記ユーザからの依頼が所定のサービスの提供の依頼である場合、前記ユーザの通話能力が所定のレベルより低ければ、前記ユーザに関連する前記連絡先を前記オペレータに提示する提示部を更に備える、請求項に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記ユーザからの依頼が特定の公共交通機関のサービスの提供の依頼である場合、前記受信部によって、前記特定の公共交通機関が有する通信装置から前記サービスの終了を示す業務完了情報受信されると、前記サービスの提供の依頼を行った時刻から前記サービスの終了時刻までの時間を算出し、算出した時間が所定時間より長い場合、前記オペレータに警告情報を提示する提示部を更に備える、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記ユーザからの依頼が物品購入サービスの依頼である場合における、前記ユーザから前記物品購入サービスの満足度を示す満足度情報を記憶し、
前記満足度情報に基づいて前記オペレータに警告情報を提示する提示部と、を更に備える、請求項に記載のサーバ装置。
【請求項5】
記憶部を有するサーバ装置の制御プログラムであって、
前記記憶部は、ユーザが使用するユーザ端末を示すユーザ端末情報と、前記ユーザからの依頼に対応する複数のオペレータのそれぞれが使用する複数のオペレータ電話機に関する情報を含むオペレータ情報と、前記オペレータが対応可能な、ユーザの通話能力を示す対応可能情報と、を記憶し、
前記サーバ装置に、
前記ユーザの音声を示すユーザ音声情報を前記ユーザ端末から受信し、
受信した前記ユーザ音声情報に基づいて前記ユーザの通話能力を判定し、
前記対応可能情報を参照して、判定された前記ユーザの通話能力に対応可能なオペレータを特定し、
前記ユーザ端末と特定された前記オペレータが使用する前記オペレータ電話機との音声通信を確立させる、ことを実行させるための制御プログラムであって、
前記記憶部は、オペレータごとに、ユーザからの緊急性の高い依頼に対応可能か否かを示す緊急対応可能情報を記憶し、且つ、前記オペレータが過去に通話した前記ユーザからの依頼の内容を示す依頼情報に基づいて判定された、前記ユーザが緊急性の高い依頼を行う頻度の高い緊急ユーザであるか否かを示す緊急ユーザ情報を記憶し、
前記オペレータを特定する処理は、前記ユーザが前記緊急ユーザであれば、前記緊急対応可能情報を参照して対応可能なオペレータを特定し、
前記音声通信を確立させる処理は、前記ユーザ端末と特定された前記オペレータが使用する前記オペレータ電話機との音声通信を確立させる、ことを含む、制御プログラム。
【請求項6】
記憶部を有するサーバ装置の制御方法であって、
前記記憶部は、ユーザが使用するユーザ端末を示すユーザ端末情報と、前記ユーザからの依頼に対応する複数のオペレータのそれぞれが使用する複数のオペレータ電話機に関する情報を含むオペレータ情報と、前記オペレータが対応可能な、ユーザの通話能力を示す対応可能情報と、を記憶しており、
前記サーバ装置が、
前記ユーザの音声を示すユーザ音声情報を前記ユーザ端末から受信し、
受信した前記ユーザ音声情報に基づいて前記ユーザの通話能力を判定し、
前記対応可能情報を参照して、判定された前記ユーザの通話能力に対応可能なオペレータを特定し、
前記ユーザ端末と特定された前記オペレータが使用する前記オペレータ電話機との音声通信を確立させる、ことを含み、
前記記憶部は、オペレータごとに、ユーザからの緊急性の高い依頼に対応可能か否かを示す緊急対応可能情報を記憶し、且つ、前記オペレータが過去に通話した前記ユーザからの依頼の内容を示す依頼情報に基づいて判定された、前記ユーザが緊急性の高い依頼を行う頻度の高い緊急ユーザであるか否かを示す緊急ユーザ情報を記憶し、
前記オペレータ特定する処理は、前記ユーザが前記緊急ユーザであれば、前記緊急対応可能情報を参照して対応可能なオペレータを特定し、
前記音声通信を確立させる処理は、前記ユーザ端末と特定された前記オペレータが使用する前記オペレータ電話機との音声通信を確立させる、ことを含む、ことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、制御プログラム、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザから各種の依頼を受けた代行者がユーザの家事等を代行するサービスが知られている。このようなサービスとして、代行者が、ユーザに代わって、物品の購入、タクシーの配車、医療機関の予約等を、通信情報技術を用いて行うサービスがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、ユーザが使用するユーザ情報端末が、通信回線を介してコールセンターサーバと音声接続し、ユーザがオペレータに対して商品発送や緊急コールのサービスを依頼することができる対話サービスシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-129603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のシステムでは、日常生活自立度のランクの高い認知症高齢者、又は、要介護度の高い高齢者が当該システムを利用するケースが増えている。このような高齢者のユーザは、他者との通話能力が所定水準よりも低いことが多く、ユーザとオペレータとのコミュニケーションが成立せずに、サービス提供者側が十分なサービスをユーザに提供できない場合があった。
【0006】
本発明は、このような課題を解決すべくなされたものであり、ユーザとオペレータとの円滑なコミュニケーションが実現可能なサーバ装置、制御プログラム、及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るサーバ装置は、ユーザが使用するユーザ端末を示すユーザ端末情報と、ユーザからの依頼に対応する複数のオペレータのそれぞれが使用する複数のオペレータ電話機に関する情報を含むオペレータ情報と、オペレータが対応可能なユーザの通話能力を示す対応可能情報と、を記憶する記憶部と、ユーザの音声を示すユーザ音声情報をユーザ端末から受信する受信部と、受信したユーザ音声情報に基づいてユーザの通話能力を判定する判定部と、対応可能情報を参照して、判定されたユーザの通話能力に対応可能なオペレータを特定する特定部と、ユーザ端末と特定されたオペレータが使用するオペレータ電話機との音声通信を確立させる通信制御部と、を備える。
【0008】
また、本発明に係るサーバ装置において、記憶部は、オペレータごとに、ユーザからの緊急性の高い依頼に対応可能か否かを示す緊急対応可能情報を記憶し、且つ、オペレータが過去に通話したユーザからの依頼の内容を示す依頼情報に基づいて判定された、ユーザが緊急性の高い依頼を行う頻度の高い緊急ユーザであるか否かを示す緊急ユーザ情報を記憶し、特定部は、ユーザが緊急ユーザであれば、緊急対応可能情報を参照して対応可能なオペレータを特定し、通信制御部は、ユーザ端末と特定されたオペレータが使用するオペレータ電話機との音声通信を確立させることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係るサーバ装置において、記憶部は、ユーザの通話能力を示す情報と、ユーザに関連する連絡先を示す情報とを記憶し、ユーザからの依頼が所定のサービスの提供の依頼である場合、ユーザの通話能力が所定のレベルより低ければ、ユーザに関連する連絡先をオペレータに提示する提示部を更に備えることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係るサーバ装置において、ユーザからの依頼が特定の公共交通機関のサービスの提供の依頼である場合、受信部によって、特定の公共交通機関が有する通信装置からサービスの終了を示す業務完了情報を受信されると、サービスの依頼から終了までの時間までの時間に基づいてオペレータに警告情報を提示する提示部を更に備えることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係るサーバ装置において、記憶部は、ユーザからの依頼が物品購入サービスの依頼である場合における、ユーザから物品購入サービスの満足度を示す満足度情報を記憶し、満足度情報に基づいてオペレータに警告情報を提示する提示部と、を更に備えることが好ましい。
【0012】
本発明に係る制御プログラムは、記憶部を有するサーバ装置の制御プログラムであって、記憶部は、ユーザが使用するユーザ端末を示すユーザ端末情報と、ユーザからの依頼に対応する複数のオペレータのそれぞれが使用する複数のオペレータ電話機に関する情報を含むオペレータ情報と、オペレータが対応可能な、ユーザの通話能力を示す対応可能情報と、を記憶し、サーバ装置に、ユーザの音声を示すユーザ音声情報をユーザ端末から受信し、受信したユーザ音声情報に基づいてユーザの通話能力を判定し、対応可能情報を参照して、判定されたユーザの通話能力に対応可能なオペレータを特定し、ユーザ端末と特定されたオペレータが使用するオペレータ電話機との音声通信を確立させる、ことを実行させる。
【0013】
本発明に係る制御方法は、記憶部を有するサーバ装置の制御方法であって、記憶部は、ユーザが使用するユーザ端末を示すユーザ端末情報と、ユーザからの依頼に対応する複数のオペレータのそれぞれが使用する複数のオペレータ電話機に関する情報を含むオペレータ情報と、オペレータが対応可能な、ユーザの通話能力を示す対応可能情報と、を記憶しており、サーバ装置が、ユーザの音声を示すユーザ音声情報をユーザ端末から受信し、受信したユーザ音声情報に基づいてユーザの通話能力を判定し、対応可能情報を参照して、判定されたユーザの通話能力に対応可能なオペレータを特定し、ユーザ端末と特定されたオペレータが使用するオペレータ電話機との音声通信を確立させる、ことを含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るサーバ装置、制御プログラム、及び制御方法によって、ユーザとオペレータとの円滑なコミュニケーションが実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】コールセンタシステムの概略を説明するための模式図である。
図2】コールセンタシステム1の概略構成の一例を示す図である。
図3】ユーザ端末2の概略構成の一例を示す図である。
図4】オペレータ端末4の概略構成の一例を示す図である。
図5】サーバ装置5の概略構成の一例を示す図である。
図6】各種テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図7】コールセンタシステム1の動作シーケンスの一例を示す図である。
図8】判定処理の動作フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0017】
(コールセンタシステムの概略)
図1は、コールセンタシステムの概略を説明するための模式図である。図1に示す例では、コールセンタシステムは、サーバ装置、少なくとも一のユーザ端末、及び複数のオペレータ電話機を備える。
【0018】
ユーザ端末は、高齢者等のユーザが所有するものであり、特定の通信事業者によって管理される電話番号及びユーザ識別情報等を記憶したIC(Integrated Circuit)カードを備える。ICカードは、例えば、SIM(Subscriber Identity Module)カード、USIM(Universal Subscriber Identity Module)カード等である。ユーザ端末は、ICカードに記憶された情報に基づいて、移動体無線通信網等の所定の電話回線網に接続する。
【0019】
ユーザ端末は、所定の電話回線網を介してサーバ装置とのみ接続可能である。サーバ装置は、ユーザ端末と接続すると、複数のオペレータ電話機から選択された一のオペレータ電話機と当該ユーザ端末との音声通信を確立させる。
【0020】
オペレータ電話機は、例えば、オペレータの音声を電気信号に変換するマイクロフォン部とユーザの音声信号を出力するスピーカ部とを有する。オペレータ電話機はコールセンタ施設内に配置される。各オペレータは、一台のオペレータ電話機を使用する。オペレータ電話機は、通話機能を有するものであればどのような装置でもよく、例えば、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)又は携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)でもよい。
【0021】
サーバ装置は、コールセンタ施設内又はコールセンタ施設とは異なる他の施設内に配置される。サーバ装置は、所定の電話回線網と接続されている。サーバ装置は、ユーザ端末の電話番号をユーザ端末情報として予め記憶するとともに、複数のオペレータのそれぞれが使用する複数のオペレータ電話機に関する情報を含むオペレータ情報を記憶する。オペレータ情報は、例えば、複数のオペレータ電話機のそれぞれの内線番号を示す情報又は複数のオペレータ電話機を使用するオペレータの識別情報等である。
【0022】
以下、ユーザがユーザ端末を用いてサーバ装置に接続した場合におけるコールセンタシステムの動作の一例を説明する。
【0023】
図1に示すように、ユーザによって操作されたユーザ端末がサーバ装置に接続要求を行うことでユーザ端末とサーバ装置とが接続すると(図1の(1))、サーバ装置は、所定の音声情報をユーザ端末に自動的に送信する。所定の音声情報は、サーバ装置に予め記憶された情報である。
【0024】
ユーザ端末は、サーバ装置から送信された所定の音声情報を受信すると、スピーカ部から所定の音声情報に基づく音声を出力する。所定の音声情報に基づく音声は、例えば、「お名前を教えてください?」等のユーザを識別するための情報を尋ねる音声、又は、「ご用件は何でしょうか?」等の依頼を尋ねる音声等である。
【0025】
所定の音声情報は、サーバ装置に予め記憶された情報でなくてもよい。例えば、所定の音声情報は、ユーザ端末とサーバ装置とが接続した場合においてサーバ装置が特定のオペレータ電話機とユーザ端末との音声通信を確立させ、特定のオペレータ電話機を使用するオペレータが発する音声を電気信号に変換して生成した音声情報でもよい。
【0026】
ユーザ装置は、所定の音声情報に基づく音声に応じてユーザが発生した音声を電気信号に変換して生成したユーザ音声情報を、サーバ装置に送信する。所定の音声情報に基づく音声に応じてユーザが発生した音声は、所定の音声情報に基づく音声に対する回答であり、例えば、ユーザの名前又は依頼内容を示す音声である。サーバ装置は、ユーザ装置が送信したユーザ音声情報を受信する。これにより、サーバ装置は、ユーザの音声を示すユーザ音声情報をユーザ端末から受信することができる。
【0027】
サーバ装置は、受信したユーザ音声情報に基づいてユーザの通話能力を判定し、ユーザの通話能力に対応可能なオペレータを特定する(図1の(2))。ユーザの通話能力は、例えば、「音声又は言語機能の障害」(障害年金認定基準)の「等級」により規定される。ユーザの通話能力は、「認知症高齢者の日常生活自立度」(厚生労働省)の「ランク」によって規定されてもよい。ユーザの通話能力は、「要介護認定に係る法令」(厚生労働省)の「要介護度」によって規定されてもよい。ユーザの通話能力は、上述の各種基準に基づくものでなくてもよく、他者との意思疎通の程度を所定の判定モデル情報に基づいて判定した結果(レベル情報)であってもよい。以下、通話能力が、「認知症高齢者の日常生活自立度」の「ランク」によって規定される場合を例に説明する。
【0028】
サーバ装置は、ユーザの「認知症高齢者の日常生活自立度」の「ランク」(痴呆レベル)を判定するための判定モデル情報を記憶する。判定モデル情報は、例えば、ニューラルネットワークモデルを示す情報、回帰木、決定木若しくは分類木等による分類モデルを示す情報、又は、SVM(Support Vector Machine)、ベイズ識別器又はフィッシャー判別分析等で用いられる確率モデルを示す情報等である。
【0029】
サーバ装置は、公知の音声認識処理に基づいて、ユーザ音声情報からユーザの発話内容を特定し、特定したユーザの発話内容と判定モデル情報とに基づいて、ユーザの「ランク」をユーザの通話能力として判定する。
【0030】
サーバ装置は、オペレータごとに、各オペレータが対応可能な通話能力を示す対応可能情報を記憶しており、サーバ装置は、対応可能情報を参照して、判定された通話能力に対応可能なオペレータを特定する。
【0031】
そして、サーバ装置は、ユーザ端末と特定されたオペレータが使用するオペレータ電話機との音声通信を確立させる(図1の(3))。
【0032】
図1に示す例では、オペレータAは、通話能力が高い(痴呆の程度が軽度な)ランクI及びIIのユーザとの会話が可能であり、オペレータBは、通話能力が中程度(痴呆の程度が軽度~中度)のランクI~IIIのユーザとの会話が可能であり、オペレータCは、通話能力の低い(痴呆の程度が重度な)ランクIV及びVのユーザとの会話が可能であることが示されている。
【0033】
サーバ装置は、判定された通話能力がランクIである場合、サーバ装置は、ランクIのユーザとの対応が可能なオペレータAを特定し、判定された通話能力がランクIVである場合、サーバ装置は、ランクIVのユーザとの対応が可能なオペレータCを特定する。
【0034】
そして、サーバ装置は、ユーザ端末と、特定されたオペレータが使用するオペレータ電話機との音声通話を確立させるように通信を制御する。
【0035】
以上、図1を参照しつつ説明したとおり、本実施形態のコールセンタシステムにおいて、サーバ装置は、ユーザの通話能力に応じたオペレータを自動的に選択して、当該オペレータの電話機とユーザ端末との音声通話ができるように通信を制御する。これにより、本実施形態のコールセンタシステムでは、ユーザとオペレータとの円滑なコミュニケーションが実現可能となる。
【0036】
なお、上述した図1の説明は、本発明の内容への理解を深めるための説明にすぎない。本発明は、具体的には、次に説明する各実施形態において実施され、且つ、本発明の原則を実質的に超えずに、さまざまな変形例によって実施されてもよい。このような変形例はすべて、本発明および本明細書の開示範囲に含まれる。
【0037】
(コールセンタシステム1)
図2は、コールセンタシステム1の概略構成の一例を示す図である。
【0038】
コールセンタシステム1は、少なくとも一のユーザ端末2、複数のオペレータ電話機3、複数のオペレータ端末4、及びサーバ装置5を有する。図2に示す例では、二のユーザ端末2が示されているが、ユーザ端末2の数は、一つでも、三つ以上でもよい。また、複数のオペレータ電話機3は、それぞれオペレータ端末4と対応付けられ、オペレータは、一のオペレータ電話機3と、対応する一のオペレータ端末4とを使用する。図2に示す例では、二のオペレータ電話機3が示されているが、ユーザ端末2の数は三つ以上でもよい。
【0039】
コールセンタシステム1では、ユーザ端末2が所定の電話回線網7と接続され、PBX(Private Branch eXchange,交換機)8を介して、ユーザ端末2及びサーバ装置5とが接続される。
【0040】
サーバ装置5は、複数のオペレータ電話機3及び複数のオペレータ端末4と接続されており、サーバ装置5の制御によって、ユーザ端末2とオペレータ電話機3との音声通信が確立される。また、サーバ装置5は、音声通信が確立されたユーザ端末2を使用するユーザに関する情報を、当該ユーザ端末2に対応するオペレータ端末4に送信し、オペレータ端末4は、送信された情報を表示する。
【0041】
また、サーバ装置5は、例えば、インターネット9、ゲートウェイ10、移動体通信網11、及び基地局12等の通信ネットワークを介して、携帯端末6と相互に接続される。携帯端末6は、ユーザ又はユーザに関連する人物(例えば、家族等)によって所有される。サーバ装置5及び携帯端末6間では、所定の通信プロトコルに基づいて通信が行われる。所定の通信プロトコルは、例えば、ハイパーテキスト転送プロトコル(Hypertext Transfer Protocol,HTTP)等である。
【0042】
携帯端末6は、例えば、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)である。なお、携帯端末6は、例えば、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant,PDA)、タブレット端末又はタブレットPC(Personal Computer)等でもよい。また、携帯端末6は、携帯ゲーム機、携帯音楽プレイヤ又はノートPC等でもよい。
【0043】
(ユーザ端末2)
図3は、ユーザ端末2の概略構成の一例を示す図である。
【0044】
ユーザ端末2は、オペレータ電話機3及びサーバ装置5との音声通信が可能である。ユーザ端末2は、オペレータの音声を電気信号に変換するマイクロフォン部25とユーザの音声信号を出力するスピーカ部26とを少なくとも有する。ユーザ端末2は、オペレータ電話機3及びサーバ装置5との音声通信が可能であればどのような装置でもよく、例えば、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant,PDA)、タブレット端末又はタブレットPC等でもよい。また、ユーザ端末2は、携帯ゲーム機、携帯音楽プレイヤ又はノートPC等でもよい。
【0045】
ユーザ端末2は、例えば、ユーザ通信部21、ユーザ記憶部22、操作部23、音声処理部24、マイクロフォン部25、スピーカ部26、及び端末処理部27を備える。
【0046】
ユーザ通信部21は、モジュラージャック(例えば、RJ(Registered Jack)-11)を備え、モジュラーケーブルを介して所定の電話回線網7と接続される。また、ユーザ通信部21は、主に2.5GHz帯を感受帯域とするアンテナを含む、通信インターフェース回路を有してもよい。この場合、ユーザ通信部21は、ユーザ端末2を携帯電話ネットワークに接続する。ユーザ通信部21は、基地局により割り当てられるチャネルを介して、基地局との間でLTE方式等による無線信号回線を確立し、基地局との間で通信を行う。そして、ユーザ通信部21は、基地局から受信した音声情報を端末処理部27に供給する。また、ユーザ通信部21は、端末処理部27から供給された音声情報を基地局に送信する。
【0047】
ユーザ記憶部22は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ装置を備える。ユーザ記憶部22は、端末処理部27での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム及びデータ等を記憶する。ユーザ記憶部22に記憶されるドライバプログラムは、ユーザ通信部21を制御する通信デバイスドライバプログラム、操作部23を制御する入力デバイスドライバプログラム、並びに、音声処理部24、マイクロフォン部25及びスピーカ部26を制御する出力デバイスドライバプログラム等である。ユーザ記憶部22に記憶される各種プログラムは、例えば外部のサーバ装置等から、公知のセットアッププログラム等を用いてユーザ記憶部22にインストールされてもよい。また、ユーザ記憶部22は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
【0048】
操作部23は、例えば、押しボタンスイッチである。操作部23は、タッチパネル等のポインティングデバイスでもよい。操作部23は、ユーザ端末2の操作が可能であればどのようなデバイスでもよい。ユーザは、操作部23を用いて、サーバ装置5への接続指示を入力することができる。操作部23は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する接続指示信号を発生する。そして、発生した信号は、ユーザの指示として、端末処理部27に供給される。
【0049】
音声処理部24は、マイクロフォン部25に入力される音声信号及びスピーカ部26から出力される音声信号の処理を実行する。
【0050】
端末処理部27は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。端末処理部27は、ユーザ端末2の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。端末処理部27は、ユーザ記憶部22に記憶されているプログラム及びユーザによる操作部23の操作に応じて入力された各種指示等に基づいて、各種情報処理を適切な手順で実行する。端末処理部27は、ユーザ記憶部22に記憶されているオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム及び制御プログラムに基づいて各種情報処理を実行する。また、端末処理部27は、複数のプログラムを並列に実行することができる。
【0051】
端末処理部27は、少なくとも送信部271を備える。送信部271は、端末処理部27が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、送信部271は、ファームウェアとしてユーザ端末2に実装されてもよい。
【0052】
(オペレータ端末4)
図4は、オペレータ端末4の概略構成の一例を示す図である。
【0053】
オペレータ端末4は、オペレータが、オペレータ電話機3と共に使用するコンピュータであり、ユーザに関する情報等を表示する機能を有する。
【0054】
オペレータ端末4は、例えば、オペレータ通信部41、オペレータ記憶部42、オペレータ操作部43、表示部44、及びオペレータ処理部45を備える。
【0055】
オペレータ通信部41は、オペレータ端末4をサーバ装置5に、有線又は無線で通信接続するための通信インターフェース回路を有する。オペレータ通信部41は、サーバ装置5から受信したデータをオペレータ処理部45に供給する。また、オペレータ通信部41は、オペレータ処理部45から供給されたデータをサーバ装置5に送信する。
【0056】
オペレータ記憶部42は、例えば、ROM、RAM等の半導体メモリ装置を備える。オペレータ記憶部42は、オペレータ処理部45での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、制御プログラム及びデータ等を記憶する。オペレータ記憶部42に記憶されるドライバプログラムは、オペレータ通信部41を制御する通信デバイスドライバプログラム、オペレータ操作部43を制御する入力デバイスドライバプログラム、表示部44を制御する出力デバイスドライバプログラム等である。オペレータ記憶部42に記憶される制御プログラムは、例えば、各種表示データを表示部44に表示する処理を実行するためのプログラム等である。オペレータ記憶部42に記憶される各種プログラムは、例えば外部のサーバ装置等から、公知のセットアッププログラム等を用いてオペレータ記憶部42にインストールされてもよい。また、オペレータ記憶部42は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
【0057】
オペレータ処理部45は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。オペレータ処理部45は、オペレータ端末4の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。オペレータ処理部45は、オペレータ記憶部42に記憶されているプログラムに応じて入力された各種指示等に基づいて、各種情報処理を適切な手順で実行する。オペレータ処理部45は、オペレータ記憶部42に記憶されているオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム及び制御プログラムに基づいて各種情報処理を実行する。オペレータ処理部45は、例えば、各種表示データを表示部44に表示する処理等を実行する。また、オペレータ処理部45は、複数のプログラムを並列に実行することができる。
【0058】
オペレータ処理部45は、少なくともオペレータ受信部451と、表示処理部452、オペレータ送信部453とを有する。オペレータ処理部45が有するこれらの各部は、オペレータ処理部45が有するプロセッサ上で実行されるアプリケーションプログラムにより実装される機能モジュールである。あるいは、オペレータ処理部45が有するこれらの各部は、ファームウェアとしてオペレータ端末4に実装されてもよい。
【0059】
(サーバ装置5)
図5は、サーバ装置5の概略構成の一例を示す図である。
【0060】
サーバ装置5は、CTI(Computer Telephony Integration)サーバとしての機能を有し、PBX8を制御することが可能である。例えば、サーバ装置5は、PBX8からの電話の着信をオペレータ電話機3に分配するACD(Automatic Call Distribution)機能を有する。サーバ装置5は、オペレータ端末4からのPBX8のリクエストを処理する機能を有する。
【0061】
また、サーバ装置5は、ウェブサーバとしての機能を有し、インターネット9を介して、携帯端末6等に各種情報を送信することが可能である。
【0062】
上述のような機能を実現するため、サーバ装置5は、例えば、サーバ通信部51、サーバ記憶部52、及びサーバ処理部53を備える。
【0063】
サーバ通信部51は、サーバ装置5をPBX8に接続するための通信インターフェース回路及びインターネット9に接続するための通信インターフェース回路を有する。サーバ通信部51は、ユーザ端末2から所定の電話回線網7及びPBX8を介して送信された音声情報を受信する。サーバ通信部51は、PBX8及び電話回線網7を介してユーザ端末2に音声情報を送信する。また、サーバ通信部51は、サーバ処理部53から受け取ったデータを、オペレータ端末4に送信し、オペレータ端末4から受信したデータをサーバ処理部53に供給する。サーバ通信部51は、サーバ処理部53から受け取ったデータを、携帯端末6等にインターネット9及び移動体通信網11を介して送信し、携帯端末6等から受信したデータをサーバ処理部53に供給する。
【0064】
サーバ記憶部52は、例えば、ROM、RAM等の半導体メモリ、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも何れか一つを有する。サーバ記憶部52は、サーバ処理部53での処理に用いられるアプリケーションプログラム、データ等を記憶する。サーバ記憶部52に記憶されるデータは、例えば、後述するユーザ端末テーブルT1、オペレータテーブルT2、判定モデル情報、及び所定の音声情報等である。さらに、サーバ記憶部52は、所定の処理に係る一時的なデータを、一時的に記憶してもよい。
【0065】
サーバ処理部53は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。サーバ処理部53は、サーバ装置5の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。サーバ処理部53は、サーバ装置5の各種の処理がサーバ記憶部52に記憶されているプログラムに応じて適切な手順で実行し、且つ、サーバ通信部51の動作を制御する。サーバ処理部53は、サーバ記憶部52に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、サーバ処理部53は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム、ソフトウェア等)を並列で実行することができる。
【0066】
サーバ処理部53は、少なくともサーバ受信部531と、サーバ送信部532と、記憶処理部533と、判定部534と、特定部535と、通信制御部536とを有する。サーバ処理部53が有するこれらの各部は、サーバ処理部53が有するプロセッサ上で実行されるアプリケーションプログラムにより実装される機能モジュールである。あるいは、サーバ処理部53が有するこれらの各部は、ファームウェアとしてサーバ装置5に実装されてもよい。
【0067】
以下、図6を参照して、サーバ記憶部52に記憶されるユーザ端末テーブルT1及びオペレータテーブルT2の一例を説明する。
【0068】
(ユーザ端末テーブルT1)
図6(a)は、コールセンタシステム1が有するユーザ端末2を管理するためのユーザ端末テーブルT1のデータ構造の一例を示す図である。ユーザ端末テーブルT1には、各ユーザ端末2について、ユーザ端末ID、電話番号、ユーザ名、通話能力、緊急ユーザ情報、連絡先等が、互いに関連付けて記憶されている。
【0069】
ユーザ端末IDは、ユーザ端末2を一意に識別するための識別情報である。電話番号は、ユーザ端末2の電話番号を示す情報である。ユーザ名は、ユーザ端末2を使用するユーザの氏名を示す情報である。通話能力は、通話能力を示すランク情報であり、例えば、「認知症高齢者の日常生活自立度」の「ランク」に対応する情報である。
【0070】
緊急ユーザ情報は、ユーザ端末2を使用するユーザが緊急ユーザであるか否かを示す情報である。緊急ユーザは、緊急性の高い依頼を行う頻度の高いユーザである。緊急性の高い依頼は、例えば、救急車を手配する依頼、かかりつけ医に連絡する依頼等である。連絡先は、ユーザ端末2を使用するユーザに関連する家族等の連絡先に関する情報であり、例えば、ユーザに関連する家族のメールアドレス、電話番号、又は住所等を示す情報である。
【0071】
(オペレータテーブルT2)
図6(b)は、コールセンタ施設内でオペレータ電話機3及びオペレータ端末4を使用してユーザに各種サービスを提供するオペレータを管理するオペレータテーブルT2のデータ構造の一例を示す図である。オペレータテーブルT2には、各オペレータについて、オペレータID、内線番号、対応可能ランク情報、緊急対応可能情報等が、互いに関連付けて記憶されている。
【0072】
オペレータIDは、複数のオペレータのそれぞれを一意に識別するための識別情報である。内線番号は、オペレータが使用するオペレータ電話機3の内線電話の番号である。内線番号は、オペレータ電話機3を識別するための識別情報の一例である。
【0073】
対応可能ランク情報は、オペレータが対応可能な通話能力を示す情報であり、例えば、オペレータが、通話能力がランクIのユーザとの対応が可能である場合、当該オペレータのオペレータIDと「I」を示す情報とが、互いに関連付けて記憶される。緊急対応可能情報は、オペレータが緊急性の高い依頼に対応できること、又は、オペレータが緊急性の高い依頼に対応できないこと、を示す情報である。
【0074】
(コールセンタシステム1の動作シーケンス)
図7は、コールセンタシステム1の動作シーケンスの一例を示す図である。この動作シーケンスは、予めユーザ記憶部22、オペレータ記憶部42、及びサーバ記憶部52に記憶されているプログラムに基づいて、主に端末処理部27、オペレータ処理部45、及びサーバ処理部53により、ユーザ端末2、オペレータ電話機3、オペレータ端末4、及びサーバ装置5の各要素と協働して実行される。
【0075】
最初に、ユーザ端末2の送信部271は、ユーザによる操作部23の操作に応じて、接続要求を、ユーザ通信部21を介してサーバ装置5に送信する(ステップS101)。サーバ装置5のサーバ受信部531は、サーバ通信部51を介してユーザ端末2からの接続要求を受信する。
【0076】
サーバ装置5のサーバ送信部532は、ユーザ端末2からの接続要求を受信すると、所定の音声情報を、サーバ通信部51を介してユーザ端末2に送信する(ステップS102)。
【0077】
次に、ユーザ端末2の音声処理部24は、ユーザ通信部21を介して受信した、サーバ装置5からの所定の音声情報に基づく音声をスピーカ部26に出力させる。ユーザは、スピーカ部26から出力された音声に対応して、マイクロフォン部25に向かって音声を入力すると、音声処理部24は、マイクロフォン部25に入力された音声を音声信号に変換し、当該音声信号に基づくユーザ音声情報を送信部271に供給する。送信部271は、音声処理部24からのユーザ音声情報を取得すると、ユーザ音声情報を、ユーザ通信部21を介してサーバ装置5に送信する(ステップS103)。
【0078】
サーバ装置5のサーバ受信部531は、サーバ通信部51を介してユーザ端末2からのユーザ音声情報を受信する。次に、サーバ装置5の記憶処理部533は、サーバ受信部531によって受信されたユーザ音声情報を録音する録音処理を実行する(ステップS104)。録音処理では、ユーザ音声情報がサーバ記憶部52に記憶される。
【0079】
次に、サーバ装置5の判定部534は、記憶されたユーザ音声情報に基づいて、ユーザ端末2を使用するユーザの通話能力を判定し且つユーザ端末2を使用するユーザが緊急ユーザであるか否かを判定する判定処理を実行する(ステップS105)。判定処理の詳細は後述する。
【0080】
次に、サーバ装置5の特定部535は、判定処理の結果に基づいて、複数のオペレータの内から一のオペレータを特定する特定処理を実行する(ステップS106)。特定処理では、特定部535は、オペレータテーブルT2を参照し、サーバ記憶部52に記憶された判定処理によって判定されたユーザの通話能力に対応可能なオペレータを特定する。また、特定部535は、判定処理によってユーザが緊急ユーザであると判定された場合、オペレータテーブルT2を参照し、緊急ユーザに対応可能なオペレータを特定する。特定部535は、判定処理によって判定されたユーザの通話能力に対応可能であり且つ緊急ユーザに対応可能なオペレータを特定してもよく、判定処理によって判定されたユーザの通話能力に対応可能なオペレータ及び緊急ユーザに対応可能なオペレータのいずれか一方を特定してもよい。
【0081】
次に、サーバ装置5の通信制御部536は、ユーザ端末2との接続要求を、サーバ通信部51を介して、特定処理によって特定されたオペレータが使用するオペレータ電話機3に送信する(ステップS107)。また、サーバ装置5のサーバ送信部532は、接続要求を送信したユーザ端末2を使用するユーザに関する情報を表示するための表示データを、サーバ通信部51を介して、特定処理によって特定されたオペレータが使用するオペレータ端末4に送信する(ステップS108)。
【0082】
接続要求が送信されたオペレータ電話機3がオフフックした場合、通信制御部536は、接続要求を送信したユーザ端末2と接続要求が送信されたオペレータ電話機3との音声通話を確立する(ステップS109)。
【0083】
ユーザ端末2とオペレータ電話機3との音声通話が行われている間、サーバ装置5の記憶処理部533は、サーバ受信部531によって受信されたユーザ音声情報を録音する録音処理を実行する(ステップS110)。
【0084】
サーバ装置5の判定部534は、所定の時間が経過するごとに、記憶されたユーザ音声情報に基づいて、ユーザ端末2を使用するユーザの通話能力を判定する判定処理を実行する(ステップS111)。
【0085】
ユーザ端末2又はオペレータ電話機3がオンフックした場合、音声通話の接続は終了する(ステップS112)。
【0086】
次に、ユーザ端末2を使用するユーザとの対応を終えたオペレータはオペレータ端末4のオペレータ操作部43を操作することによって、ユーザからの依頼の内容を示す依頼情報が入力される。オペレータ端末4のオペレータ送信部453は、オペレータによって入力された依頼情報を、オペレータ通信部41を介してサーバ装置5に送信する(ステップS113)。
【0087】
サーバ装置5のサーバ受信部531は、オペレータ端末4からの依頼情報を、サーバ通信部51を介して受信すると、記憶処理部533は、受信した依頼情報をサーバ記憶部52に記憶する。次に、サーバ装置5の判定部534は、サーバ記憶部52に記憶された依頼情報に基づいて、当該オペレータが対応したユーザが緊急ユーザであるか否かを特定する(ステップS114)。例えば、判定部534は、ユーザの緊急性の高い依頼(例えば、救急車を手配する依頼、かかりつけ医に連絡する依頼等)の頻度を算出し、算出した頻度が所定の閾値以上である場合、当該ユーザが緊急ユーザであると特定する。そして、記憶処理部533は、ユーザ端末テーブルT1に当該ユーザが緊急ユーザであることを示す情報を緊急ユーザ情報として記憶する。判定部534は、算出した頻度が所定の閾値未満である場合、当該ユーザが緊急ユーザでないと特定し、ユーザ端末テーブルT1に当該ユーザが緊急ユーザでないことを示す情報を緊急ユーザ情報として記憶する。なお、緊急性の高い依頼の頻度は、(当該ユーザの緊急性の高い依頼の数)/当該ユーザの依頼の総数)、又は、当該ユーザの緊急性の高い依頼の数等である。
【0088】
(判定処理)
図8は、サーバ装置5の判定部534による判定処理の動作フローの一例を示す図である。この判定処理は、予めサーバ記憶部52に記憶されている制御プログラムに基づいて、主にサーバ処理部53により、サーバ装置5の各要素と協働して実行される。図8に示される判定処理は、図7のステップS105及びステップS111において実行される。
【0089】
最初に、判定部534は、サーバ記憶部52に記憶されたユーザ音声情報に基づいて、ユーザ端末2を使用するユーザの通話能力を判定する(ステップS201)。例えば、判定部534は、公知の音声認識技術を用いて、記憶されたユーザ音声情報から時系列に従って音素を特定し、特定した音素に基づいて日本語又は他の言語の語句を推定する。次に、判定部534は、判定された語句からユーザの発話内容を特定し、サーバ記憶部52に記憶された判定モデル情報を読み出す。そして、判定部534は、特定された発話内容と読み出された判定モデル情報とに基づいて、例えば、公知の認知症レベル判定技術(例えば、特許第6263308号公報等)を用い、ユーザの認知症レベルを通話能力として判定し、ユーザ端末テーブルT1に判定した通話能力を示す情報を記憶する。
【0090】
判定部534による判定処理は、サーバ記憶部52に記憶されたAI(Artificial Intelligence)プログラムによって実行されるものでもよい。例えば、判定部534は、「各種の発話内容を示す発話データ」(入力データ)と「通話能力」(出力データ)とを含む教師データに基づいて学習したニューラルネットワークモデル等を用い、特定された発話内容の通話能力を算出してもよい。
【0091】
次に、判定部534は、オペレータが使用するオペレータ電話機3とユーザ端末2との音声通話が接続される前であるか否かを判定する(ステップS202)。
【0092】
判定部534は、オペレータが使用するオペレータ電話機3とユーザ端末2との音声通話が接続される前ではないと判定した場合(ステップS202-No)、判定処理を終了する。
【0093】
判定部534は、オペレータが使用するオペレータ電話機3とユーザ端末2との音声通話が接続される前であると判定した場合(ステップS202-Yes)、サーバ記憶部52に記憶されたユーザ端末テーブルT1を参照して、ユーザが緊急ユーザであるか否かを判定し(ステップS203)、判定処理を終了する。なお、ユーザ端末テーブルT1に記憶された緊急ユーザ情報は、過去に、ステップS114において記憶処理部533によって記憶された緊急ユーザ情報である。
【0094】
以上、詳述したとおり、本実施形態のコールセンタシステム1において、ユーザの通話能力に応じたオペレータが自動的に選択され、当該オペレータのオペレータ電話機3とユーザ端末2との音声通話ができるように通信が制御される。また、本実施形態のコールセンタシステム1において、ユーザごとに、緊急性の高い依頼を行う頻度に応じたオペレータが自動的に選択され、当該オペレータのオペレータ電話機3とユーザ端末2との音声通話ができるように通信が制御される。これにより、単にオペレータとの会話を行う目的でコールセンタシステム1に連絡をするユーザと、緊急性の高い依頼を行う可能性の高いユーザとで、異なるオペレータに接続することが可能となる。このように、本実施形態のコールセンタシステム1は、ユーザとオペレータとの円滑なコミュニケーションの実現を可能とする。
【0095】
(変形例1)
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、接続要求を行ったユーザ端末2を使用するユーザの通話能力が所定のレベル(ランク)より低い(ユーザの通話能力が所定の水準(レベル)よりも低い)場合、オペレータ端末4は、ユーザに関連する家族等の連絡先に関する情報を表示部44に表示してもよい。
【0096】
例えば、図7に示すステップS105において判定されたユーザの通話能力が所定のレベルより低い場合、図7に示すステップS108において、サーバ送信部532は、ユーザ端末テーブルT1を参照して、当該ユーザに関連する家族等の連絡先に関する情報を抽出する。そして、サーバ送信部532は、抽出した連絡先に関する情報を、サーバ通信部51を介して、特定処理によって特定されたオペレータが使用するオペレータ端末4に送信する。
【0097】
これにより、例えば、通話能力がランク「III」よりも低いユーザのユーザ端末2がコールセンタへ電話接続を行った場合、当該ユーザに対応するオペレータは、ユーザとの電話での会話内容等に応じて速やかに家族等に連絡を行うことが可能になる。
【0098】
また、サーバ送信部532による、ユーザに関連する連絡先に関する情報をオペレータ端末4に送信する処理は、所定の送信条件が満たされた場合に実行されるものであってもよい。例えば、図7に示すステップS105において、判定部534が、公知の音声認識技術を用いて、ユーザ音声情報に基づいてユーザの発話内容を特定し、特定された発話内容に基づいて依頼の内容を判定する。そして、サーバ送信部532は、判定された依頼の内容が所定のサービス(例えば、物品購入サービス等)の提供の依頼である場合、ユーザに関連する連絡先に関する情報を、サーバ通信部51を介して、特定処理によって特定されたオペレータが使用するオペレータ端末4に送信する。なお、ユーザの発話内容の特定は、特定のオペレータが、ユーザ音声情報に基づく音声を聞いて判断した判断結果であってもよい。
【0099】
また、サーバ送信部532は、ユーザに関連する連絡先に関する情報をオペレータ端末4に送信するとともに、自動的に、当該連絡先にユーザの依頼の内容を通知してもよい。例えば、ユーザに関連する連絡先に関する情報がメールアドレスである場合、サーバ送信部532は、当該メールアドレス宛に、ユーザの依頼の内容を示す情報を送信する。これによって、ユーザの家族等がユーザの依頼を把握することが可能となり、ユーザがイレギュラーな依頼を行った場合、ユーザの家族等が即座に依頼のキャンセル等を行うことが可能となる。
【0100】
(変形例2)
また、サーバ装置5は、ユーザの依頼に対応した業者等からユーザに関する情報を取得してもよい。例えば、図7に示す動作シーケンスが全て終了した後、オペレータは、依頼の内容に応じた各種の対応を行う。
【0101】
例えば、依頼の内容が特定の公共交通機関のサービスの提供の依頼(例えば、タクシーの配車依頼等)である場合では、オペレータは、特定の公共交通機関に対し、ユーザに代わってサービスの提供の依頼の連絡を行う。この際、オペレータは、オペレータ端末4を操作して、サービスの提供の依頼を行った時刻をサーバ装置5に送信する。次に、特定の公共交通機関によるサービスが終了した時に、特定の公共交通機関が有する通信装置が、当該サービスの終了を示す業務完了情報をサーバ装置5に送信する。サーバ装置5のサーバ受信部531は、サーバ通信部51を介して、特定の公共交通機関の通信装置から業務完了情報を受信すると、受信した時刻をサービスの終了時刻として特定する。そして、サーバ装置5のサーバ送信部532は、サービスの提供の依頼を行った時刻からサービスの終了時刻までの時間を算出し、算出した時間が所定時間より長い場合、オペレータ端末4に警告情報を、サーバ通信部51を介して送信する。
【0102】
オペレータ端末4のオペレータ受信部451は、オペレータ通信部41を介して、サーバ装置5から警告情報を受信すると、表示処理部452は、受信した警告情報を表示部44に表示する。なお、警告情報には、ユーザ名、サービスの内容、サービスの提供の依頼を行った時刻、サービスの終了時刻、サービスの提供の依頼を行った時刻からサービスの終了時刻までの時間等が含まれる。
【0103】
これにより、コールセンタシステム1は、特定の公共交通機関によるサービスが適切に行われなかったユーザを自動的に抽出し、オペレータに通知することが可能となる。
【0104】
(変形例3)
また、サーバ装置5は、ユーザ又はユーザに関連する連絡先から、サービスに対する満足度を示す満足度情報を取得してもよい。例えば、サーバ装置5のサーバ受信部531は、ユーザの携帯端末6又はユーザに関連する連絡先の人物が所有する携帯端末6から送信された満足度を示す満足度情報を、サーバ通信部51を介して受信する。なお、サーバ受信部531は、サービスの不満度を示す不満度情報、サービスに対するクレームを示すクレーム情報を受信してもよい。
【0105】
サーバ装置5のサーバ送信部532は、図7に示すステップS108において、満足度情報に関する所定条件に応じて、ユーザに関する情報に所定の警告情報を含めてもよい。例えば、サーバ送信部532は、接続要求を送信したユーザ端末2から送信された、全ての又は直近の所定期間内の物品購入サービスに関する満足度情報に基づいて、満足度の平均値を算出する。そして、サーバ送信部532は、当該平均値が所定値未満であるという条件が満たされた場合、所定の警告情報を含む、ユーザに関する情報をオペレータ端末4に送信する。なお、物品購入サービスは、例えば、オペレータがユーザの代わりに、インターネット又は電話等を介して物品の購入を店舗又は販売業者等に依頼するサービスである。
【0106】
これにより、オペレータは、サービスに不満を有するユーザを、対応前に事前に把握することができ、ユーザとオペレータとの円滑なコミュニケーションが可能となる。
【0107】
なお、サービスの満足度を示す満足度情報は、オペレータがオペレータ端末4を操作することによって入力された情報であってもよい。例えば、オペレータが、ユーザから物品購入サービスの依頼を受けているときに、ユーザの注文の内容が明らかに異常である場合、オペレータは、低い満足度を示す満足度情報を入力する。これにより、オペレータは、ユーザからの依頼を受ける前に、当該ユーザの注文能力が不足している点を事前に把握することが可能となる。
【0108】
(変形例4)
また、オペレータ電話機3とオペレータ端末4とは、同一の装置で構成されてもよい。例えば、電話機能を有するオペレータ端末4が、オペレータ電話機3の機能を実現してもよい。
【0109】
(変形例5)
また、判定部534は、ユーザの通話能力を判定する度に、判定結果を時系列に従ってユーザ端末テーブルT1に記憶してもよい。この場合、特定部535は、直近の所定期間(例えば、1週間以内)で最も高い通話能力に対応可能なオペレータ、又は、直近の所定期間における通話能力の平均のレベルに対応可能なオペレータ、を特定する。
【0110】
(変形例6)
また、ユーザ端末テーブルT1には、各ユーザ端末2について、ユーザが処方された薬を飲む日時、デイサービスの予定日、ユーザの持病に関する情報等が更に記憶し、コールセンタシステム1は、ユーザ端末テーブルT1に記憶された情報に基づいて各種のサービスを実施してもよい。
【0111】
例えば、サーバ送信部532は、所定時間(例えば、30秒)ごとに、ユーザ端末テーブルT1を参照し、各ユーザ端末2に関連付けられた、薬を飲む日時及び/又はデイサービスの予定日を抽出する。次に、サーバ送信部532は、サーバ通信部を介して、抽出した情報をオペレータ端末4に送信する。
【0112】
オペレータ端末4のオペレータ受信部451によって、オペレータ通信部41を介して、サーバ装置5から送信された情報が受信された場合、表示処理部452は、受信された情報を表示部44に表示する。
【0113】
これにより、例えば、オペレータ端末4は、各ユーザについて、薬を飲む日時及び/又はデイサービスの予定日をオペレータに提示することができる。そして、オペレータによって操作されたオペレータ端末4は、薬を飲む日時及び/又はデイサービスにおいて、各ユーザのユーザ端末2に対する接続要求を行い、各ユーザに薬を飲むことを通知することが可能になる。
【0114】
また、オペレータによって操作されたオペレータ端末4は、薬を飲む日時及び/又はデイサービスにおいて、各ユーザのユーザ端末2に対する接続要求を行った場合において、図7に示すステップS109~ステップS112が実行されてもよい。
【0115】
(変形例7)
ステップS201において判定部534によって判定されたユーザの通話能力が、所定のレベル以下である場合、判定部534は、例えば、ユーザの要介護度が所定のレベル以上であると判定する。次に、判定部534は、ユーザ端末テーブルT1を読み出し、要介護度が所定のレベル以上であると判定されたユーザの連絡先を抽出する。次に、サーバ送信部532は、ユーザの要介護度が所定レベル以上であることを示す情報と連絡先とを、サーバ通信部51を介してオペレータ端末4に送信する。オペレータ端末4のオペレータ受信部451によって、オペレータ通信部41を介して、ユーザの要介護度が所定レベル以上であることを示す情報と連絡先とが受信されると、表示処理部452は、ユーザの要介護度が所定レベル以上であることを示す情報と連絡先とを表示部44に表示する。これにより、オペレータ端末4は、ユーザの要介護度が所定のレベル以上となった場合に、当該ユーザの要介護度が所定のレベル以上となったことをオペレータに提示するとともに、ユーザの連絡先の情報を提示することができる。これにより、オペレータは、ユーザの連絡先(ユーザの家族等)に、ユーザの要介護度について連絡することができる。
【0116】
なお、判定部534によって、ユーザ端末テーブルT1から抽出された要介護度が所定のレベル以上であると判定されたユーザの連絡先がメールアドレスである場合、サーバ送信部532は、ユーザの要介護度が所定レベル以上であることを示す情報を、当該メールアドレス宛に、ユーザの要介護度が所定レベル以上であることを示す情報を送信する。これによって、ユーザの家族等がユーザの状況を早期に把握することが可能となる。
【0117】
なお、ステップS201において判定部534によって判定されたユーザの通話能力が、所定のレベル以下である場合、判定部534は、例えば、「認知症高齢者の日常生活自立度」の「ランク」が所定のレベル以上であると判定してもよい。この場合、サーバ送信部532は、「認知症高齢者の日常生活自立度」の「ランク」が所定のレベル以上であることを示す情報と連絡先とを、サーバ通信部51を介してオペレータ端末4に送信し、表示処理部452は、認知症高齢者の日常生活自立度」の「ランク」が所定のレベル以上であることを示す情報と連絡先とを表示部44に表示する。
【0118】
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換、及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0119】
1 コールセンタシステム
2 ユーザ端末
21 ユーザ通信部
22 ユーザ記憶部
23 操作部
24 音声処理部
25 マイクロフォン部
26 スピーカ部
27 端末処理部
271 送信部
3 オペレータ電話機
4 オペレータ端末
41 オペレータ通信部
42 オペレータ記憶部
43 オペレータ操作部
44 表示部
45 オペレータ処理部
451 オペレータ受信部
452 表示処理部
453 オペレータ送信部
5 サーバ装置
51 サーバ通信部
52 サーバ記憶部
53 サーバ処理部
531 サーバ受信部
532 サーバ送信部
533 記憶処理部
534 判定部
535 特定部
536 通信制御部
6 携帯端末
7 電話回線網
8 PBX
9 インターネット
10 ゲートウェイ
11 移動体通信網
12 基地局
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8