(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-13
(45)【発行日】2023-09-22
(54)【発明の名称】超音波信号処理方法、装置、機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
A61B8/14
(21)【出願番号】P 2022504146
(86)(22)【出願日】2020-07-28
(86)【国際出願番号】 CN2020105021
(87)【国際公開番号】W WO2021018107
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-01-21
(31)【優先権主張番号】201910706466.6
(32)【優先日】2019-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517073074
【氏名又は名称】无錫海斯凱尓医学技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUXI HISKY MEDICAL TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘ、キョン
(72)【発明者】
【氏名】シャオ、ジンファ
(72)【発明者】
【氏名】サン、ジン
(72)【発明者】
【氏名】ダン、ホウリ
【審査官】下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/019791(WO,A1)
【文献】特開2013-244219(JP,A)
【文献】特開2011-224410(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0296150(US,A1)
【文献】特開2004-321582(JP,A)
【文献】特表2013-515587(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波信号処理方法であって、
目標組織に対応するダイナミックブロードバンドの目標超音波信号を取得することであって、前記ダイナミックブロードバンドの目標超音波信号は、ダイナミックブロードバンド超音波プローブを使用して、異なる周波数を含む信号励起下で前記目標組織を探査して取得される超音波信号であるステップと、
前記目標超音波信号に基づき、前記目標組織の音響特性パラメータを決定するステップと、
前記目標組織の音響特性パラメータに基づき、前記目標組織を評価処理するステップと、を含み、
ここで、前記目標超音波信号は、少なくとも2つの周波数の信号を含み、前記目標組織の音響特性パラメータは、少なくとも散乱係数、散乱体のサイズ、散乱体の分布特性
、振幅変化及び周波数変化のうちの1つを含み、
ここで、前記振幅変化は、異なる位置での振幅特性を指し、前記周波数変化は、異なる位置での周波数特性を指し、各周波数の信号により、1セットの音響特性パラメータを生成し、少なくとも2つの周波数に対応する少なくとも2セットの音響特性パラメータを組み合わせて目標組織の状態を判断することを特徴とする超音波信号処理方法。
【請求項2】
前記目標超音波信号に基づき、前記目標組織の音響特性パラメータを決定するステップは、
各周波数の信号について、当該周波数の信号の振幅を抽出して、当該周波数に対応する振幅空間分布を取得し、当該周波数に対応する振幅空間分布に基づき、予め設定された第1の超音波散乱モデルを利用して、当該周波数での前記目標組織の音響特性パラメータを取得するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記目標超音波信号は、少なくとも1つの周波数の信号を含み、
前記目標超音波信号に基づき、前記目標組織の音響特性パラメータを決定するステップは、
各周波数の信号について、当該周波数の信号の振幅を抽出して、当該周波数の信号に対応するヒストグラムを取得し、当該周波数の信号に対応するヒストグラムを参照して、予め設定された第2の超音波散乱モデルを利用し、当該周波数での前記目標組織の音響特性パラメータを取得するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記目標組織の音響特性パラメータに基づき、前記目標組織を評価処理するステップは、
前記目標組織の音響特性パラメータに基づき、正常状態と異常状態を含む前記目標組織の状態を決定するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記目標超音波信号は、異なる周波数での前記目標組織に対応するB超音波信号であり、
前記目標超音波信号に基づき、前記目標組織の音響特性パラメータを決定するステップは、
各周波数での前記目標組織に対応するB超音波信号について、予め設定された第3の超音波散乱モデルを利用し、当該周波数での前記目標組織の音響特性パラメータを取得するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記目標組織は、肝臓組織、筋肉組織、脂肪組織、乳房組織又は甲状腺組織であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
超音波信号処理装置であって、
目標組織に対応するダイナミックブロードバンドの目標超音波信号を取得するための取得モジュールであって、前記ダイナミックブロードバンドの目標超音波信号は、ダイナミックブロードバンド超音波プローブを使用して、異なる周波数を含む信号励起下で前記目標組織を探査して取得される超音波信号である、取得モジュールと、
前記目標超音波信号に基づき、前記目標組織の音響特性パラメータを決定するための決定モジュールと、
前記目標組織の音響特性パラメータに基づき、前記目標組織を評価処理するための処理モジュールと、を含み、
前記目標超音波信号は、少なくとも2つの周波数の信号を含み、前記目標組織の音響特性パラメータは、少なくとも散乱係数、散乱体のサイズ、散乱体の分布特性
、振幅変化及び周波数変化のうちの1つを含み、
前記振幅変化は、異なる位置での振幅特性を指し、前記周波数変化は、異なる位置での周波数特性を指し、各周波数の信号により、1セットの音響特性パラメータを生成し、少なくとも2つの周波数に対応する少なくとも2セットの音響特性パラメータを組み合わせて目標組織の状態を判断することを特徴とする超音波信号処理装置。
【請求項8】
前記決定モジュールは、具体的に、
各周波数の信号について、当該周波数の信号の振幅を抽出して、当該周波数に対応する振幅空間分布を取得し、当該周波数に対応する振幅空間分布に基づき、予め設定された第1の超音波散乱モデルを利用して、当該周波数での前記目標組織の音響特性パラメータを取得するために用いられることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記目標超音波信号は、少なくとも1つの周波数の信号を含み、
前記決定モジュールは、具体的に、
各周波数の信号について、当該周波数の信号の振幅を抽出して、当該周波数の信号に対応するヒストグラムを取得し、当該周波数の信号に対応するヒストグラムを参照して、予め設定された第2の超音波散乱モデルを利用し、当該周波数での前記目標組織の音響特性パラメータを取得するために用いられることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記目標超音波信号は、異なる周波数での前記目標組織に対応するB超音波信号であり、
前記決定モジュールは、具体的に、
各周波数での前記目標組織に対応するB超音波信号について、予め設定された第3の超音波散乱モデルを利用し、当該周波数での前記目標組織の音響特性パラメータを取得するために用いられることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項11】
コンピュータ機器であって、少なくとも1つのプロセッサとメモリを含み、
前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶しており、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記メモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行し、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法を実現することを特徴とするコンピュータ機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、超音波技術分野に関し、特に、超音波信号処理方法、装置、機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の進歩につれて、超音波画像技術は各分野で広く使用されるようになり、リアルタイムに安価で、非侵襲的且つ非電離放射線などの利点により臨床診断で広く応用されており、定量的超音波は、臨床医のために、弾力性、血流などの非常に直感的な定量的評価を提供することができる。
【0003】
しかし、定量的超音波は超音波自体の信号特性に関連しており、組織内又は周辺の他の信号からの干渉を受けやすい。したがって、如何に超音波技術を利用して目標組織の状態を正確に判断するかは、早急に解決しなければならない技術的問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、従来技術における目標組織の状態の不正確な判断などの欠陥を解決する超音波信号処理方法、装置、機器及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、本願は、超音波信号処理方法を提供し、
目標組織に対応するダイナミックブロードバンドの目標超音波信号を取得するステップと、
前記目標超音波信号に基づき、前記目標組織の音響特性パラメータを決定するステップと、
前記目標組織の音響特性パラメータに基づき、前記目標組織を評価処理するステップと、を含む。
【0006】
第2の態様では、本願は、超音波信号処理装置を提供し、
目標組織に対応するダイナミックブロードバンドの目標超音波信号を取得するための取得モジュールと、
前記目標超音波信号に基づき、前記目標組織の音響特性パラメータを決定するための決定モジュールと、
前記目標組織の音響特性パラメータに基づき、前記目標組織を評価処理するための処理モジュールと、を含む。
【0007】
第3の態様では、本願は、少なくとも1つのプロセッサとメモリを含むコンピュータ機器を提供し、
前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶しており、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記メモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行し、第1の態様により提供される方法を実現する。
【0008】
第4の態様では、本願は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、当該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは、実行されると、第1の態様により提供される方法を実現する。
【発明の効果】
【0009】
本願により提供される超音波信号処理方法、装置、機器及び記憶媒体は、目標組織に対応するダイナミックブロードバンドの目標超音波信号に基づき、目標組織の音響特性パラメータを決定し、目標組織の音響特性パラメータに基づき、目標組織を評価することにより、目標組織の複数の周波数での超音波信号が統合されているため、信号成分を多様化にし、目標組織評価の正確性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本願の実施例又は従来技術における技術案をより明確に説明するため、以下に実施例又は従来技術の記述には使用する必要がある図面を簡単に説明するが、当然ながら、以下に記載する図面は本願のいくつかの実施例であり、当業者にとって、創造的な労力なしにこれらの図面に基づいて他の図面を取得することもできる。
【
図1】本願の1つの実施例により提供される超音波信号処理方法のフローチャートである。
【
図2】本願の他の実施例により提供される超音波信号処理方法のフローチャートである。
【
図3】本願の1つの実施例により提供される超音波信号処理装置の構造概略図である。
【
図4】本願の1つの実施例により提供されるコンピュータ機器の構造概略図である。 上記図面は、本願の明確な実施例を示しており、より詳細な内容はまた後述する。これらの図面及び文字の説明は、
本願の構想範囲を如何なる方法で制限するためではなく、当業者に本願の概念を特定の実施例を参照することによって説明する目的である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本願の実施例の目的や技術案、及び利点より明確にするために、本願の実施例に係る図面を参照しながら、本願の実施例に係る技術案について明瞭且つ完全に説明するが、当然ながら、説明される実施例は、本発明の実施例の一部にすぎず、そのすべてではない。当業者が創造的な労力なしに本願における実施例に基づいて取得するすべての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲内にある。
【0012】
本願の実施例により提供される超音波信号処理方法は、ダイナミックブロードバンドプローブを使用して目標組織を探査し、目標組織のダイナミックブロードバンドの超音波信号を取得し、そして、目標組織のダイナミックブロードバンドの超音波信号に基づき、目標組織の状態を判断するシーンに適用される。目標組織は、肝臓組織、筋肉組織、脂肪組織、乳房組織、甲状腺組織及び他のいくつかの組織などにすることができ、具体的に限定されない。目標組織の状態は、正常状態であってもよいし、又は病変状態であってもよく、病変状態の場合、さらに、病変タイプ及び対応する病変等級を含むことができる。肝臓組織を例にとると、その病変状態は、脂肪肝や腫瘍などを含み、また、脂肪肝は、軽度の脂肪肝や、中程度の脂肪肝、重度の脂肪肝などを含むことができる。具体的な病変等級は、実際の必要に応じて設定することができ、本願の実施例では限定されない。
【0013】
また、「第1の」や「第2の」などの用語は、説明するためにのみ使用されており、相対的な重要性を指示又は暗示するか、または、示される技術的特徴の数を暗黙的に表現するものとして理解することができない。以下の各実施例に関する説明では、「複数」は、明記されていない限り、2つ以上を意味するものである。
【0014】
以下のいくつかの具体的な実施例を組み合わせることができ、同一の又は類似の概念又はプロセスは、一部の実施例では繰り返して説明しない場合がある。以下、図面を参照しながら、本願の実施例について説明する。
【0015】
実施例1
【0016】
本実施例は、ダイナミックブロードバンドの超音波信号を処理し、目標組織の状態を判断するための超音波信号処理方法を提供する。本実施例の実行主体は、超音波信号処理装置であり、当該装置は、コンピュータ機器に配置されることができる。
【0017】
図1に示すように、本実施例により提供される超音波信号処理方法のフローチャートを示しており、当該方法はステップ101~ステップ103を含む。
【0018】
ステップ101において、目標組織に対応するダイナミックブロードバンドの目標超音波信号を取得する。
【0019】
具体的に、ダイナミックブロードバンド超音波プローブを利用して目標組織を探査して、ダイナミックブロードバンドの元の超音波信号を取得し、そして、元の超音波信号に対して特定の処理を行って、目標組織に対応するダイナミックブロードバンドの目標超音波信号を取得することができる。
【0020】
ダイナミックブロードバンドとは、超音波プローブが機能できる広範囲の信号帯域幅を指し、プローブの中心周波数がダイナミックで調整可能である。具体的に、前記ブロードバンドとは、通常、超音波プローブが機能できる信号周波数範囲と中心周波数との60%以上の比率を指す。ダイナミックブロードバンドの目標超音波信号とは、ブロードバンドのプローブを使用して、異なる中心周波数励起下で目標組織を探査して取得した超音波信号を指す。
【0021】
例示的に、医療分野において、超音波プローブの帯域幅と中心周波数との60%以上の比率には、関連する信号周波数が0.1MHz~100MHzであるが、当然ながら、当該周波数範囲の超音波プローブに限定されず、他の範囲の超音波プローブであってもよく、例えば、空気又は地質学などに関しては、周波数が20Hz~0.5MHzをカバーする。超音波プローブの周波数範囲が1MHz~10MHzであると、超音波プローブの帯域幅が9MHzとなり、中心周波数が5MHzである場合、当該超音波プローブ帯域幅と中心周波数との比率が9/5*100%=180%となる。
【0022】
目標組織は、肝臓組織、筋肉組織、脂肪組織、乳房組織又は甲状腺組織などのヒト又は動物組織、あるいは、空気又は地質学などに関する組織であってもよく、本実施例では限定されない。
【0023】
超音波プローブを超音波画像装置に接続することにより、本願の実施例では、元の超音波信号と称される目標組織の超音波エコー信号又は送信波信号の収集を実現する。元の超音波信号は、1次元又は2次元又は3次元などにすることができ、具体的に、実際の必要に応じて設定する。超音波画像装置は、送信装置、受信装置、画像処理装置などを含むことができる。ダイナミックブロードバンド超音波プローブであるため、収集して取得した元の超音波信号は、少なくとも2つの周波数の信号を含む。
【0024】
選択的に、元の超音波信号に対してデータキャリブレーションを行い、目標超音波信号を取得することができる。データキャリブレーションは、超音波プローブ自体の指向性や、プローブの焦点構成又は設定、プローブの感度、システムゲイン及び他の信号処理手段などによる、収集された元の超音波信号への影響が原因で、元の超音波信号をキャリブレーションする必要があり、元の超音波信号を復元するために利用され、具体的なデータキャリブレーション処理プロセスは、超音波機器のハードウェア、ソフトウェア及びアルゴリズム処理プロセスに応じて設定することができる。
【0025】
選択的に、さらに、元の超音波信号から関心成分を抽出することもでき、関心成分を抽出することは、具体的に、元の超音波信号について、関心のある情報を抽出することであり、例えば、肝臓組織を探査するとき、取得される元の超音波信号は、皮下組織の超音波信号及び肝臓組織の超音波信号を含む可能性があるため、肝臓組織の超音波信号を元の超音波信号から抽出する必要がある。また、例えば、元の超音波信号は、1~20MHzの周波数範囲をカバーし、実際の経験によると、周波数が高すぎると目標組織に着いたとき大幅に減衰しているため、効果的に機能できなくなり、この場合、元の超音波信号から1~5MHz範囲の超音波信号を目標超音波信号として抽出したりすることができる。具体的に、実際の条件に応じて処理することができ、本実施例では限定されない。
【0026】
元の超音波信号を収集して取得した後、特定の処理を経てから目標組織に対応するダイナミックブロードバンドの目標超音波信号を取得することができる。
【0027】
選択的に、元の超音波信号を取得した後、さらに、周波数フィルタリング又はウェーブレット分解などによって元の超音波信号の異なる周波数の信号を取得することもできる。
【0028】
ステップ102において、目標超音波信号に基づき、目標組織の音響特性パラメータを決定する。
【0029】
具体的に、目標組織に対応するダイナミックブロードバンドの目標超音波信号を取得した後、目標超音波信号に基づいて目標組織の音響特性パラメータを決定することができる。
【0030】
音響特性パラメータは、散乱係数、散乱体のサイズ、散乱体の分布特性、包括的な情報、振幅変化、周波数変化及び他の関連パラメータなどのパラメータうちの少なくとも1つを含むことができる。振幅変化とは、異なる位置での振幅特性を指し、周波数変化とは、異なる位置での周波数特性を指す。
【0031】
選択的に、目標超音波信号の各周波数の信号の振幅を抽出して、当該周波数に対応する振幅空間分布又はヒストグラムを取得し、予め設定された超音波散乱モデルを利用して当該目標組織の音響特性パラメータを取得することができる。予め設定された超音波散乱モデルは、従来技術において任意の実施可能な超音波散乱モデルにすることができ、ここで繰り返して説明しない。
【0032】
選択的に、各周波数の信号により、1セットの音響特性パラメータを生成することができる。複数の周波数に対応する複数のセットの音響特性パラメータを組み合わせて目標組織の状態を判断することができる。
【0033】
選択的に、具体的には、各周波数の信号について、振幅抽出及びモデル予測を行って音響特性パラメータを取得するような処理を実行するとき、当該周波数の信号全体を対象としてデータ処理してもよいし、当該周波数の信号を分割して処理してもよく、取得された音響特性パラメータは、値又は値のセットであってもよい。具体的に、実際の条件に応じて設定することができ、本実施例では限定されない。
【0034】
選択的に、目標超音波信号は、さらに、目標組織のB超音波信号であってもよく、B超音波信号は、元の超音波信号を復調して、グレースケール変換することで取得されたものであってもよいし、直接商用機から取得されたものであってもよく、具体的に、実際の必要に応じて選択することができ、本実施例では限定されない。
【0035】
目標組織のB超音波音波信号及び予め設定された超音波散乱モデルに基づき、目標組織の音響特性パラメータを決定する。
【0036】
ステップ103において、目標組織の音響特性パラメータに基づき、目標組織を評価処理する。
【0037】
具体的に、目標組織の音響特性パラメータを決定した後、目標組織の音響特性パラメータに基づき、目標組織を評価処理することができる。
【0038】
選択的に、異なる組織の様々な状態に対応する参照特性パラメータを予め取得し、目標組織の音響特性パラメータを当該タイプの組織の参照特性パラメータと比較することで、目標組織がどのような状態であるかを判定することができる。ここで、組織の状態は、正常状態と異常状態を含むことができ、異常状態は、1つ又は複数の異常タイプに分けられ、各異常タイプは、それぞれ1つ又は複数の異常レベルに対応することができる。異常レベルは、異常の程度を反映している。異常タイプは、組織で発生した異常のタイプを示し、例えば、肝臓組織の異常タイプとして、脂肪肝、腫瘍などが挙げられるが、脂肪肝に対応する異常レベルは、軽度の脂肪肝、中程度の脂肪肝、重度の脂肪肝などを含む。具体的な異常タイプ及び異常レベルは、異なる組織の実際の様子に応じて設定されることができ、本実施例では限定されない。
【0039】
例示的に、目標組織が肝臓組織である場合、肝臓組織の正常状態に対応する参照特性パラメータ又は参照特性パラメータ範囲、及び、異なる異常タイプの異なる異常レベルに対応する参照特性パラメータ又は参照特性パラメータ範囲を予め取得し、目標組織の音響特性パラメータを予め設定された参照特性パラメータ範囲と比較し、目標組織の音響特性パラメータの当てはまる条件に対応する参照特性パラメータ範囲によって、目標組織の当てはまる条件を決定することができ、例えば、目標肝臓組織音響特性パラメータが正常肝臓に対応する参照特性パラメータ範囲内にある場合、目標組織が正常状態であると決定するが、脂肪肝異常タイプの軽度の脂肪肝異常レベルに対応する参照特性パラメータ範囲内にある場合、目標組織が軽度の脂肪肝であると決定したりする。ここで、例示的なものを説明しただけで、具体的な状態及びレベルは、異なる組織の実際の様子に応じて設定されることができ、本実施例では限定されない。
【0040】
選択的に、組織の音響特性パラメータによって、脂肪や、筋肉、肝臓などの区別のように、組織のタイプをもさらに区別することができる。また、肝臓が脂肪肝になっているかどうか、筋肉がこっているかどうか、甲状腺に炎症があるかどうかの評価や、各部位の癌の良性と悪性の判断などもできる。
【0041】
本実施例により提供される超音波信号処理方法は、目標組織に対応するダイナミックブロードバンドの目標超音波信号に基づき、目標組織の音響特性パラメータを決定し、目標組織の音響特性パラメータに基づき、目標組織を評価することにより、目標組織の複数の周波数での超音波信号が統合されているため、信号成分を多様化にし、目標組織評価の正確性を向上させる。
【0042】
実施例2
【0043】
本実施例は、実施例1により提供される方法に関する説明を補足するものである。
【0044】
1つの実施可能な形態として、上記実施例1に基づき、選択的に、目標超音波信号は、少なくとも1つの周波数の信号を含む。ステップ102は、具体的に、
各周波数の信号について、当該周波数の信号の振幅を抽出して、当該周波数に対応する振幅空間分布を取得し、当該周波数に対応する振幅空間分布に基づき、予め設定された第1の超音波散乱モデルを利用して、当該周波数での目標組織の音響特性パラメータを取得するステップ2011を含む。
【0045】
具体的な目標超音波信号は、少なくとも2つの周波数の信号を含み、周波数フィルタリング又はウェーブレット分解などによって元の超音波信号の異なる周波数の信号を取得することができる。各周波数の信号について、当該周波数の信号の振幅を抽出して、当該周波数に対応する振幅空間分布を取得し、当該周波数に対応する振幅空間分布に基づき、予め設定された第1の超音波散乱モデルを利用して、当該周波数での目標組織の音響特性パラメータを取得する。各周波数の信号は、1セットの音響特性パラメータが取得できる。
【0046】
第1の超音波散乱モデルは、従来の組織の超音波信号の振幅空間分布を利用し、予め訓練して取得した超音波散乱モデルであり、具体的な訓練プロセスは、従来技術と一致するため、ここで繰り返して説明しない。
【0047】
振幅抽出は、包絡線抽出であってもよく、信号復調に相当し、キャリア信号の影響を取り除くために使用される。具体的な抽出方法は、従来技術であるため、ここで繰り返して説明しない。
【0048】
選択的に、具体的に、各周波数の信号について、振幅抽出及びモデル予測を行って音響特性パラメータを取得するような処理を実行するとき、当該周波数の信号全体を対象としてデータ処理してもよいし、当該周波数の信号を分割して処理してもよく、取得された音響特性パラメータは、値又は値のセットであってもよい。具体的に、実際の条件に応じて設定することができ、本実施例では限定されない。
【0049】
他の実施可能な形態として、上記実施例1に基づき、選択的に、ステップ102は、具体的に、
各周波数の信号について、当該周波数の信号の振幅を抽出して、当該周波数の信号に対応するヒストグラムを取得し、当該周波数の信号に対応するヒストグラムを参照して、予め設定された第2の超音波散乱モデルを利用し、当該周波数での目標組織の音響特性パラメータを取得するステップ2021を含む。
【0050】
具体的な目標超音波信号は、少なくとも2つの周波数の信号を含み、周波数フィルタリング又はウェーブレット分解などによって元の超音波信号の異なる周波数の信号を取得することができる。各周波数の信号について、当該周波数の信号の振幅を抽出して、当該周波数の信号に対応するヒストグラムを取得し、当該周波数の信号に対応するヒストグラムを参照して、予め設定された第2の超音波散乱モデルを利用し、当該周波数での目標組織の音響特性パラメータを取得する。
【0051】
第2の超音波散乱モデルは、従来の組織の超音波信号のヒストグラムを利用し、予め訓練して取得した超音波散乱モデルであり、具体的な訓練プロセスは、従来技術と一致するため、ここで繰り返して説明しない。
【0052】
他の実施可能な形態として、上記実施例1に基づき、選択的に、目標組織の音響特性パラメータは、少なくとも散乱係数、散乱体のサイズ、散乱体の分布特性、包括的な情報、振幅変化及び周波数変化のうちの1つを含む。
【0053】
他の実施可能な形態として、上記実施例1に基づき、選択的に、目標組織の音響特性パラメータに基づき、目標組織を評価処理するステップは、
目標組織の音響特性パラメータに基づき、正常状態と異常状態を含む目標組織の状態を決定するステップ1031を含む。
【0054】
選択的に、異常状態は、異常タイプ及び対応する異常レベルを含むことができる。
【0055】
具体的に、目標組織の音響特性パラメータを決定した後、異なる組織の様々な状態に対応する参照特性パラメータを予め取得し、目標組織の音響特性パラメータを当該タイプの組織の参照特性パラメータと比較することで、目標組織がどのような状態であるかを判定することができる。ここで、組織の状態は、正常状態と異常状態を含むことができ、異常状態は、1つ又は複数の異常タイプに分けられ、各異常タイプは、それぞれ1つ又は複数の異常レベルに対応することができる。異常レベルは、病変の程度を反映している。異常タイプは、組織で発生した異常のタイプを示し、例えば、肝臓組織の異常タイプとして、脂肪肝、腫瘍などが挙げられるが、脂肪肝に対応する異常レベルは、軽度の脂肪肝、中程度の脂肪肝、重度の脂肪肝などを含む。具体的な異常タイプ及び異常レベルは、異なる組織の実際の様子に応じて設定されることができ、本実施例では限定されない。
【0056】
例示的に、目標組織が肝臓組織である場合、肝臓組織の正常状態に対応する参照特性パラメータ又は参照特性パラメータ範囲、及び、異なる異常タイプの異なる異常レベルに対応する参照特性パラメータ又は参照特性パラメータ範囲を予め取得し、目標組織の音響特性パラメータを予め設定された参照特性パラメータ範囲と比較し、目標組織の音響特性パラメータの当てはまる条件に対応する参照特性パラメータ範囲によって、目標組織の当てはまる条件を決定することができ、例えば、目標肝臓組織音響特性パラメータが正常肝臓に対応する参照特性パラメータ範囲内にある場合、目標組織が正常状態であると決定するが、脂肪肝異常タイプの軽度の脂肪肝異常レベルに対応する参照特性パラメータ範囲内にある場合、目標組織が軽度の脂肪肝であると決定したりする。ここで、例示的なものを説明しただけで、具体的な状態及びレベルは、異なる組織の実際の様子に応じて設定されることができ、本実施例では限定されない。
【0057】
選択的に、単一の周波数での目標組織の音響特性パラメータに基づいて組織の状態を判断してもよいし、複数の周波数での目標組織の音響特性パラメータの変化に応じて組織の状態を判断してもよく、具体的に、実際の必要に応じて選択することができ、本実施例では限定されない。
【0058】
例示的に、3MHzの周波数では、目標肝臓組織の散乱係数、散乱体のサイズ及び散乱体の分布特性を取得し、3MHzで予め取得した肝臓組織の様々な条件下での参照特性パラメータと比較し、当該目標肝臓組織の状態を決定する。
【0059】
例示的に、複数の周波数では、目標肝臓組織の複数のセットの音響特性パラメータを取得し、目標肝臓組織の異なる周波数での音響特性パラメータの変化を分析し、予め取得した肝臓組織のそれらの周波数での参照特性パラメータの変化と比較することで、目標肝臓組織の状態を決定したりする。ここで、1ずつ例示しない。
【0060】
他の実施可能な形態として、上記実施例1に基づき、選択的に、目標超音波信号は、異なる周波数での目標組織に対応するB超音波信号であり、
目標超音波信号に基づき、目標組織の音響特性パラメータを決定するステップは、
各周波数での目標組織に対応するB超音波信号について、予め設定された第3の超音波散乱モデルを利用し、当該周波数での目標組織の音響特性パラメータを取得するステップ2031を含む。
【0061】
具体的な目標超音波信号は、さらに、目標組織のB超音波信号であってもよく、B超音波信号は、元の超音波信号を復調して、グレースケール変換することで取得されたものであってもよいし、直接商用機から取得されたものであってもよく、具体的に、実際の必要に応じて選択することができ、本実施例では限定されない。各周波数での目標組織に対応するB超音波信号を取得した後、目標組織のB超音波信号及び予め設定された第3の超音波散乱モデルによって、目標組織の音響特性パラメータを決定する。
【0062】
第3の超音波散乱モデルは、従来の組織のB超音波信号を利用し、予め訓練して取得した超音波散乱モデルであり、具体的な訓練プロセスは、従来技術と一致するため、ここで繰り返して説明しない。
【0063】
他の実施可能な形態として、上記実施例1に基づき、選択的に、目標組織は、肝臓組織、筋肉組織、脂肪組織、乳房組織、甲状腺組織及び他の組織などの人又は動物組織であってもよいし、空気又は地質学などに関する組織であってもよく、具体的に、実際の条件に応じて選択することができ、本実施例では限定されない。
【0064】
なお、本実施例における各実施可能な形態は、単独で実施されてもよいし、衝突しない限り、任意に組み合わせて実施されてもよいが、本願では限定されない。
【0065】
本実施例により提供される超音波信号処理方法は、目標組織に対応するダイナミックブロードバンドの目標超音波信号に基づき、目標組織の音響特性パラメータを決定し、目標組織の音響特性パラメータに基づき、目標組織を評価することにより、目標組織の複数の周波数での超音波信号が統合されているため、信号成分を多様化にし、目標組織評価の正確性を向上させる。
【0066】
実施例3
【0067】
本実施例は、上記実施例1の方法を実行するための超音波信号処理装置を提供する。
【0068】
図3に示すように、本実施例により提供される超音波信号処理装置の構造概略図を示している。当該超音波信号処理装置30は、取得モジュール31、決定モジュール32及び処理モジュール33を含む。
取得モジュール31は、目標組織に対応するダイナミックブロードバンドの目標超音波信号を取得するために用いられ、決定モジュール32は、目標超音波信号に基づき、目標組織の音響特性パラメータを決定するために用いられ、処理モジュール33は、目標組織の音響特性パラメータに基づき、目標組織を評価処理するために用いられる。
【0069】
本実施例における装置に関しては、その各モジュールが操作を実行する具体的な方式は、すでに当該方法に関する実施例において詳細に説明されたため、ここで詳細な説明を省略する。
【0070】
本実施例により提供される超音波信号処理装置によれば、目標組織に対応するダイナミックブロードバンドの目標超音波信号に基づき、目標組織の音響特性パラメータを決定し、目標組織の音響特性パラメータに基づき、目標組織を評価することにより、目標組織の複数の周波数での超音波信号が統合されているため、信号成分は多様化にされ、目標組織評価の正確性は向上する。
【0071】
実施例4
【0072】
本実施例は、上記実施例3により提供される装置に関する説明を補足することで、上記実施例2により提供される方法を実行する装置にする。
【0073】
1つの実施可能な形態として、上記実施例3に基づき、選択的に、目標超音波信号は、少なくとも1つの周波数の信号を含み、
決定モジュールは、具体的に、
各周波数の信号について、当該周波数の信号の振幅を抽出して、当該周波数に対応する振幅空間分布を取得し、当該周波数に対応する振幅空間分布に基づき、予め設定された第1の超音波散乱モデルを利用して、当該周波数での目標組織の音響特性パラメータを取得するために用いられる。
【0074】
他の実施可能な形態として、上記実施例3に基づき、選択的に、決定モジュールは、具体的に、
各周波数の信号について、当該周波数の信号の振幅を抽出して、当該周波数の信号に対応するヒストグラムを取得し、当該周波数の信号に対応するヒストグラムを参照して、予め設定された第2の超音波散乱モデルを利用し、当該周波数での目標組織の音響特性パラメータを取得するために用いられる。
【0075】
他の実施可能な形態として、上記実施例3に基づき、選択的に、目標組織の音響特性パラメータは、少なくとも散乱係数、散乱体のサイズ、散乱体の分布特性、包括的な情報、振幅変化及び周波数変化のうちの1つを含む。
【0076】
他の実施可能な形態として、上記実施例3に基づき、選択的に、処理モジュールは、具体的に、
目標組織の音響特性パラメータに基づき、正常状態と異常状態を含む目標組織の状態を決定するために用いられる。
【0077】
他の実施可能な形態として、上記実施例3に基づき、選択的に、目標超音波信号は、異なる周波数での目標組織に対応するB超音波信号であり、
決定モジュールは、具体的に、
各周波数での目標組織に対応するB超音波信号について、予め設定された第3の超音波散乱モデルを利用し、当該周波数での目標組織の音響特性パラメータを取得するために用いられる。
【0078】
他の実施可能な形態として、上記実施例3に基づき、選択的に、目標組織は、肝臓組織、筋肉組織、脂肪組織、乳房組織又は甲状腺組織である。
【0079】
本実施例における装置に関しては、その各モジュールが操作を実行する具体的な方式は、すでに当該方法に関する実施例において詳細に説明されたため、ここで詳細な説明を省略する。
【0080】
なお、本実施例における各実施可能な形態は、単独で実施されてもよいし、衝突しない限り、任意に組み合わせて実施されてもよいが、本願では限定されない。
【0081】
本実施例の超音波信号処理装置によれば、目標組織に対応するダイナミックブロードバンドの目標超音波信号に基づき、目標組織の音響特性パラメータを決定し、目標組織の音響特性パラメータに基づき、目標組織を評価することにより、目標組織の複数の周波数での超音波信号が統合されているため、信号成分は多様化にされ、目標組織評価の正確性は向上する。
【0082】
実施例5
【0083】
本実施例は、上記実施例により提供される方法を実行するためのコンピュータ機器を提供する。
【0084】
図4に示すように、本実施例により提供されるコンピュータ機器の構造概略図を示している。当該コンピュータ機器50は、少なくとも1つのプロセッサ51とメモリ52を含み、
メモリは、コンピュータプログラムを記憶しており、少なくとも1つのプロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行して、上記実施例により提供される方法を実現する。
【0085】
本実施例のコンピュータ機器によれば、目標組織に対応するダイナミックブロードバンドの目標超音波信号に基づき、目標組織の音響特性パラメータを決定し、目標組織の音響特性パラメータに基づき、目標組織を評価することにより、目標組織の複数の周波数での超音波信号が統合されているため、信号成分は多様化にされ、目標組織評価の正確性は向上する。
【0086】
実施例6
【0087】
本実施例は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、当該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶されており、コンピュータプログラムは、実行されると、上記いずれか1つの実施例により提供される方法を実現する。
【0088】
本実施例のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体によれば、目標組織に対応するダイナミックブロードバンドの目標超音波信号に基づき、目標組織の音響特性パラメータを決定し、目標組織の音響特性パラメータに基づき、目標組織を評価することにより、目標組織の複数の周波数での超音波信号が統合されているため、信号成分は多様化にされ、目標組織評価の正確性は向上する。
【0089】
本願により提供されるいくつかの実施例では、開示された装置及び方法は、他の形態によって実施することもできると理解すべきである。例えば、上記に記載の装置の実施例は例示的なものにすぎない。例えば、モジュールの分割は、論理機能上の分割にすぎず、実際に実施する際に別の形態で分割してもよく、例えば、複数のユニット又はコンポーネントを別のシステムに組み合わせもしくは集積させたり、又は一部の特徴を反映しなかったり、実行しなかったりしてもよい。また、表示又は説明される相互結合又は直接的な結合又は通信接続は、いくつかのインタフェース、装置又はユニットを介した間接的結合又は通信接続であってもよく、また、電気的、機械的又はその他の形式にすることもできる。
【0090】
前記分離される部品として説明されるユニットは、物理的に分離されるものでもよければ、分離されないものであってもよい。ユニットとして示される部品は、物理的なユニットであってもよいし、物理的なユニットでなくてもよい。即ち、同一の場所に設けられるものであってもよいし、複数のネットワークユニットに配置されるものであってもよい。実際の必要に応じて、ユニットの一部だけを用いるか、又はすべてのユニットを使用して本実施例の技術案の目的を達成することができる。
【0091】
また、本願の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理ユニットに集積されてもよいし、または、各ユニットは、単独で物理的な部品として存在してもよく、又は2つ以上のユニットは、1つのユニットに集積されてもよい。上記集積されるユニットは、ハードウェアの形で実現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェア機能ユニットの形で実現されてもよい。
【0092】
ソフトウェア機能ユニットの形で実現される上記集積されるユニットは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されることができる。上記ソフトウェア機能ユニットは、記憶媒体に記憶され、コンピュータ機器(パソコン、サーバ又はネットワーク機器などであってもよい)又はプロセッサ(processor)に本願の各実施例に記載の方法のステップの一部を実行させるためのいくつかの命令を含む。前記した記憶媒体は、USBディスク、モバイルハードディスク、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、磁気ディスク又は光ディスクなどのプログラムコードを記憶可能な様々な媒体を含む。
【0093】
当業者は、説明の便宜及び簡潔さのため、上記各機能モジュールの分割が単に例として説明されており、実際の応用には、上記機能が必要に応じて異なる機能モジュールによって完成し、即ち、装置の内部構造を異なる機能モジュールに分割し、以上に説明した機能のすべて又は一部を完成できることを明確に理解することができる。上記に説明した装置の具体的な作業プロセスは、前述した方法の実施例における対応するプロセスを参照することができ、ここで繰り返して説明しない。
【0094】
最後に説明すべきものとして、以上の各実施例は、本願の技術案を説明するためにのみ使用されており、それを制限する目的ではない。本願は、前述した各実施例を参照しながら詳細に説明したが、当業者であれば、依然として前述した各実施例に記載の技術案を修正するか、又はそのうちの一部又はすべての技術的特徴に対して等価置換を行うことができ、それらの修正又は置換は、対応する技術案の本質を本願の各実施例の技術案の主旨から逸脱させないと理解すべきである。