(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-13
(45)【発行日】2023-09-22
(54)【発明の名称】パネル、シール受け材、及びパネルのコーナーのシール方法
(51)【国際特許分類】
E04C 2/30 20060101AFI20230914BHJP
E04C 2/08 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
E04C2/30 B
E04C2/08 E
(21)【出願番号】P 2019049173
(22)【出願日】2019-03-15
【審査請求日】2022-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000207436
【氏名又は名称】日鉄鋼板株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 極
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-129609(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04C 2/00 - 2/54
E04B 1/62 - 1/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材と、前記芯材を覆う金属製の外皮と、を備え、
前記芯材は、角を形成するように位置する第一側面及び第二側面と、前記角に設けられた切欠きと、を有し、
前記外皮は、前記第一側面を覆う第一側壁部と、前記第二側面を覆い、かつ前記第一側壁部との間に開口を形成するように位置する第二側壁部と、を有し、
前記切欠きには、シール受け材が配置されており、
前記シール受け材は、前記第一側面よりも前記第一側壁部側に突出する部分と、前記第二側面よりも前記第二側壁部側に突出する部分と、を有し、
前記シール受け材と前記開口の間には、シーリング材が充填されている、
パネル。
【請求項2】
前記第一側面よりも前記第一側壁部側に突出する部分は、前記第一側壁部に当たる第一当接部を有し、
前記第二側面よりも前記第二側壁部側に突出する部分は、前記第二側壁部に当たる第二当接部を有する、
請求項1のパネル。
【請求項3】
前記シール受け材は、本体部と、前記本体部の一部から前記第一側壁部に向けて突出する第一突出片と、前記本体部の他の一部から前記第二側壁部に向けて突出する第二突出片とを含み、
前記第一突出片が前記第一当接部を有し、前記第二突出片が前記第二当接部を有する、
請求項2のパネル。
【請求項4】
前記第一突出片と前記第二突出片のそれぞれは、可撓性を有する、
請求項3のパネル。
【請求項5】
前記本体部は、中空構造を有する、
請求項3又は4のパネル。
【請求項6】
前記本体部の前記開口を向く面は、凹曲面である、
請求項3から5のいずれか一つのパネル。
【請求項7】
前記シール受け材は、前記切欠きの内面に当たる第三当接部を有する、
請求項2から6のいずれか一つのパネル。
【請求項8】
前記シール受け材は、エチレンプロピレンゴム製である、
請求項1から7のいずれか一つのパネル。
【請求項9】
芯材とこれを覆う金属製の外皮とを備えるパネルのうち、前記芯材の角に設けられた切欠きに配置され、前記切欠きに充填されるシーリング材を受けるように構成されたシール受け材であって、
前記パネルの厚み方向
の表面で開口した中空構造の本体部と、
前記外皮に向けて前記本体部の一部から突出した第一突出片と、
前記外皮に向けて前記本体部の他の一部から突出した第二突出片と、を備える、
シール受け材。
【請求項10】
芯材とこれを覆う金属製の外皮とを備えるパネルのうち、前記芯材の角にシーリング材を充填するパネルのコーナーのシール方法であって、
前記芯材は、前記角を形成する第一側面及び第二側面を有し、
前記外皮は、前記第一側面を覆う第一側壁部と、前記第二側面を覆い、かつ前記第一側壁部との間に開口を形成するように位置する第二側壁部と、を有するものであり、
前記芯材の前記角を切除して切欠きを形成する切除工程と、
前記切欠きにシール受け材を配置する配置工程と、
前記シール受け材と前記開口の間に、前記シーリング材を充填する充填工程と、を備え、
前記シール受け材は、前記第一側面よりも前記第一側壁部側に突出する部分と、前記第二側面よりも前記第二側壁部側に突出する部分と、を有する、
パネルのコーナーのシール方法。
【請求項11】
前記配置工程では、前記シール受け材の前記第一側面よりも前記第一側壁部側に突出する部分を前記第一側壁部に当て、前記シール受け材の前記第二側面よりも前記第二側壁部側に突出する部分を前記第二側壁部に当てる、
請求項10のパネルのコーナーのシール方法。
【請求項12】
前記配置工程では、前記切欠きの内面に前記シール受け材を当てる、
請求項11のパネルのコーナーのシール方法。
【請求項13】
前記配置工程は、前記シール受け材を前記外皮に接着する接着工程を含む、
請求項11又は12のパネルのコーナーのシール方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パネル、シール受け材、及びパネルのコーナーのシール方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、芯材とこれを覆う金属外皮とを備えるパネルが記載されている。
【0003】
金属外皮は、矩形の箱型であり、詳しくは、芯材の上面を覆う上片部と、芯材の下面を覆う下片部と、芯材の側面を覆う一対の側片部と、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載のパネルでは、上片部と下片部と一対の側片部は、隣接する端部同士が非連続であり、パネルのコーナーに、芯材が露出する開口が生じている。こういった開口は、例えば、シーリング材を充填することで閉塞される。
【0006】
ところで、特許文献1に記載のパネルのような、芯材とこれを覆う金属外皮とを備えるパネルでは、芯材と金属外皮の各片部との間の隙間が製造誤差等によってばらつきが生じやすく、コーナーへのシーリング材の充填量が安定しにくい。
【0007】
上記事情に鑑みて、本開示は、パネルのコーナーのシーリング材の充填量が安定しやすい、パネル、シール受け材、及びパネルのコーナーのシール方法を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る一態様のパネルは、芯材と、前記芯材を覆う金属製の外皮と、を備える。前記芯材は、角を形成するように位置する第一側面及び第二側面と、前記角に設けられた切欠きと、を有する。前記外皮は、前記第一側面を覆う第一側壁部と、前記第二側面を覆い、かつ前記第一側壁部との間に開口を形成するように位置する第二側壁部と、を有する。前記切欠きには、シール受け材が配置されている。前記シール受け材は、前記第一側面よりも前記第一側壁部側に突出する部分と、前記第二側面よりも前記第二側壁部側に突出する部分と、を有する。前記シール受け材と前記開口の間には、シーリング材が充填されている。
【0009】
また、本開示に係る一態様のシール受け材は、芯材とこれを覆う金属製の外皮とを備えるパネルのうち、前記芯材の角に設けられた切欠きに配置され、前記切欠きに充填されるシーリング材を受けるように構成されたシール受け材である。一態様のシール受け材は、中空構造の本体部と、前記外皮に向けて前記本体部の一部から突出した第一突出片と、前記外皮に向けて前記本体部の他の一部から突出した第二突出片と、を備える。
【0010】
また、本開示に係る一態様のパネルのコーナーのシール方法は、芯材とこれを覆う金属製の外皮とを備えるパネルのうち、前記芯材の角にシーリング材を充填するパネルのコーナーのシール方法である。前記芯材は、前記角を形成する第一側面及び第二側面を有する。前記外皮は、前記第一側面を覆う第一側壁部と、前記第二側面を覆い、かつ前記第一側壁部との間に開口を形成するように位置する第二側壁部と、を有する。一態様のパネルのコーナーのシール方法は、前記芯材の前記角を切除して切欠きを形成する切除工程と、前記切欠きにシール受け材を配置する配置工程と、前記シール受け材と前記開口の間に、前記シーリング材を充填する充填工程と、を備え、前記シール受け材は、前記第一側面よりも前記第一側壁部側に突出する部分と、前記第二側面よりも前記第二側壁部側に突出する部分と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本開示に係る一態様によれば、パネルのコーナーのシーリング材の充填量が安定しやすい、パネル、シール受け材、及びパネルのコーナーのシール方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本開示に係る一実施形態のパネルを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、同上のパネルのコーナーを示す拡大斜視図であり、コーナーに充填されるシーリング材等の図示を省略した図である。
【
図5】
図5は、
図4のD-D線における断面図であり、コーナーに充填されるシーリング材も図示した図である。
【
図6】
図6Aは、同上のパネルの施工例を示す斜視図であり、
図6Bは、
図6AのE部を示す拡大斜視図であって、目地を埋める目地材の図示を省略した図である。
【
図7】
図7AからEは、同上のパネルのコーナーをシールする過程を順に示す斜視図である。
【
図8】
図8Aは、同上のパネルの変形例1のコーナーを示す断面図であり、
図8Bは、同上のパネルの変形例2のコーナーを示す断面図である。
【
図9】
図9Aは、同上のパネルが備えるシール受け材の変形例を示す断面図であり、
図9Bは、同上のパネルが備えるシール受け材の他の変形例を示す断面図である。
【
図10】
図10は、同上のパネルの変形例3のコーナーを示す断面図である。
【
図11】
図11は、同上のパネルの変形例4のコーナーを示す断面図である。
【
図12】
図12は、同上のパネルの変形例5のコーナーを示す断面図である。
【
図13】
図13は、同上のパネルの変形例6のコーナーを示す断面図である。
【
図14】
図14は、同上のパネルの変形例7のコーナーを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.概要
図1から
図5に示すように、本開示に係る一実施形態のパネル1は、芯材2と、芯材2を覆う金属製の外皮3と、を備える。芯材2は、角23を形成するように位置する第一側面24及び第二側面25と、角23に設けられた切欠き26と、を有する。外皮3は、第一側面24を覆う第一側壁部35と、第二側面25を覆い、かつ第一側壁部35との間に開口38を形成するように位置する第二側壁部36と、を有する。切欠き26には、シール受け材5が配置されている。シール受け材5は、第一側面24よりも第一側壁部35側に突出する部分と、第二側面25よりも第二側壁部36側に突出する部分とを有する。シール受け材5と開口38の間には、シーリング材6が充填されている。
【0014】
上記構成を備える一実施形態のパネル1では、パネル1のコーナーの開口38からその内側に充填されるシーリング材6の充填範囲S1を、シール受け材5によって制限することができて、シーリング材6の充填量が安定しやすい。
【0015】
また、本開示に係る一実施形態のシール受け材5は、芯材2とこれを覆う金属製の外皮3とを備えるパネル1のうち、芯材2の角23に設けられた切欠き26に配置され、切欠き26に充填されるシーリング材6を受けるように構成されたシール受け材5である。シール受け材5は、中空構造の本体部53と、外皮3に向けて本体部53の一部から突出した第一突出片54と、外皮3に向けて本体部53の他の一部から突出した第二突出片55と、を備える。
【0016】
上記構成を備える一実施形態のシール受け材5では、パネル1のコーナーの芯材2の切欠き26に充填されるシーリング材6の充填範囲S1を制限することができて、シーリング材6の充填量が安定しやすい。加えて、このシール受け材5では、本体部53が中空構造であるため、軽量化が図れて持ち運びしやすく、また、材料コストを抑えることができる。
【0017】
また、本開示に係る一実施形態のパネル1のコーナーのシール方法は、芯材2とこれを覆う金属製の外皮3とを備えるパネル1のうち、芯材2の角23にシーリング材6を充填するパネル1のコーナーのシール方法である。芯材2は、角23を形成する第一側面24及び第二側面25を有する。外皮3は、第一側面24を覆う第一側壁部35と、第二側面25を覆い、かつ第一側壁部35との間に開口38を形成するように位置する第二側壁部36と、を有する。一実施形態のパネル1のコーナーのシール方法は、芯材2の角23を切除して切欠き26を形成する切除工程と、切欠き26にシール受け材5を配置する配置工程と、シール受け材5と開口38の間に、シーリング材6を充填する充填工程と、を備える。シール受け材5は、第一側面24よりも第一側壁部35側に突出する部分と、第二側面25よりも第二側壁部36側に突出する部分とを有する。
【0018】
上記構成を備える一実施形態のパネル1のコーナーのシール方法では、パネル1のコーナーの開口38からその内側に充填されるシーリング材6の充填範囲S1を、シール受け材5によって制限することができて、シーリング材6の充填量が安定しやすい。加えて、このパネル1のコーナーのシール方法では、芯材2に対する外皮3の配置に合わせて、芯材2の角23に適切な大きさの切欠き26を形成することができ、シール受け材5を、切欠き26の内面260、及び側壁部35,36に当てやすくて、シーリング材6の充填範囲S1を制限しやすい。
【0019】
2.詳細
続いて、本実施形態のパネル1について更に詳しく説明する。パネル1は、建築用のパネルであり、例えば、外壁材として用いられる。パネル1において、外皮3はパネル1の表側の面(外壁材として用いる場合、屋外側の面)を構成する。以下では、
図1に記載した方向を用いて、各構成について説明する。
【0020】
パネル1は、矩形板状である。パネル1は、上下方向と平行な長手方向と、左右方向と平行な短手方向と、前後方向と平行な厚み方向とを有する。パネル1は、例えば、上下方向の長さが、0.5~6.0mであり、左右方向の長さ(幅)が、0.3~1.0mであり、前後方向の長さ(厚み)が、90~120mmである。
【0021】
パネル1は、芯材2と、芯材2を前側から覆う外皮3と、芯材2を後側から覆う第二外皮4と、を備える。
【0022】
2-1.芯材
芯材2は、その全体形状が、板状である。本実施形態では、芯材2は、その全体形状が、矩形の板状である。全体形状が板状とは、1枚の板に限らず、複数の部材を1枚の板をなすように並べたものも含まれる。
図2A及び
図2Bに示すように、芯材2は、本体部20と、本体部20よりも耐火性の高い耐火部21を含む。
【0023】
本体部20は、左右の側面に凹条部22を有している。凹条部22は、本体部20の左右の側面の前後方向の中央部に位置し、かつ本体部20の左右の側面の上下方向の全長にわたって位置する。凹条部22に、耐火部21が配置される。耐火部21は、ステープル等の固定具によって、本体部20に固定される。
【0024】
本体部20は、ロックウールやグラスウールなどの繊維状無機材で形成される。本体部20は、左右方向に並んだ複数のブロック体で構成される。複数のブロック体のそれぞれは、繊維状無機材をバインダー等でブロック状に固めたものである。複数のブロック体は、上下方向の長さが互いに同じであり、前後方向の長さが互いに同じである。複数のブロック体は、隣接する側面同士が当接して、全体として1枚の矩形板状の本体部20を形成している。なお、複数のブロック体のそれぞれは、例えば、ロックウール製のボードを短冊状に切断したもので構成してもよい。この場合、複数のブロック体は、繊維方向が前後方向に対して平行となり、かつ、全体として1枚の矩形板状をなすように並べられて、本体部20を形成する。
【0025】
本実施形態では、本体部20は、断熱性を有する。複数のブロック体のうち、左端に位置するブロック体の左の側面と、右端に位置するブロック体の右の側面のそれぞれに、凹条部22が設けられている。複数のブロック体のそれぞれは、繊維状無機材の長手方向が、前後方向に沿っている。
【0026】
本体部20は、上面200、下面201、左の側面202、及び右の側面203を有する。上面200、下面201、左の側面202、及び右の側面203は、周方向に隣接する2つの面同士が、角23を形成する。
【0027】
耐火部21は、本体部20に比べて耐火性の高い部材であり、例えば、石膏ボードや、珪酸カルシウムボードである。耐火部21は、凹条部22に対応した形状であり、1枚の矩形板である。耐火部21は、凹条部22の全体を埋める。
【0028】
図4には、外皮3がパネル1の下面を構成するように、パネル1を平置きしたときの、パネル1のコーナー(起立姿勢におけるパネル1の右上のコーナー)が図示されている。以下では、パネル1を平置き姿勢とした状態における方向を用いて、各構成について説明する。
図4では、耐火部21とシーリング材6と止水パッキン7の図示が省略されている。
【0029】
図4及び
図5に示すように、芯材2は、角23を形成するように位置する第一側面24及び第二側面25と、角23に設けられた切欠き26と、を備える。芯材2は、四つの角23のそれぞれに切欠き26が設けられている。
図4及び
図5では、第一側面24は、本体部20の上面200であり、第二側面25は、本体部20の右の側面203である。
【0030】
切欠き26は、凹条部22よりも下側に位置している。切欠き26は、平面視矩形状であり、角23のうち凹条部22よりも下側の部分を上下方向に貫通し、かつ、前側と右側に開放されている。
【0031】
切欠き26の内面260は、本実施形態では、第一側面24に対して直角な第一内面261と、第二側面25に対して直角な第二内面262とを有する。第一内面261と第二内面262とは、直角に連続している。
【0032】
2-2.外皮
図1に示す外皮3と第二外皮4のそれぞれは、金属板をロール加工やプレス加工などにより所望の形状に成形することによって得られる。金属板は、例えば、厚みが0.25~2.0mmである。金属板は、塗装鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)、エスジーエル(登録商標)鋼板等であるが、これらに限定されない。以下では、パネル1を起立姿勢とした状態における方向を用いて、各構成について説明する。
【0033】
図1から
図3に示すように、外皮3は、後側に向けて開口した矩形の箱状である。外皮3は、芯材2の本体部20の前面27を覆う矩形板状の本体部30と、本体部20の上面200を覆う上壁部31と、本体部20の下面201を覆う下壁部32と、を有する。外皮3は更に、本体部20の左の側面202のうち凹条部22よりも前側の部分を覆う左の側壁部33と、本体部20の右の側面203のうち凹条部22よりも前側の部分を覆う右の側壁部34と、を有する。
【0034】
上壁部31は、本体部30の上縁から後側に突出し、下壁部32は、本体部30の下縁から後側に突出し、左の側壁部33は、本体部30の左縁から後側に突出し、右の側壁部34は、本体部30の右縁から後側に突出している。本体部30に対して4つの壁部31,32,33,34のそれぞれは、直角である。上下の壁部31,32のそれぞれは、矩形の平板状である。左右の側壁部33,34は、矩形の平板部330,340と、平板部330,340の後端から左右方向外側に直角に突出した矩形板状の突出部331,341とを有する。上下の壁部31,32は、左右の側壁部33,34よりも前後方向に長い。
【0035】
外皮3は、
図1に示すように、周方向に隣接する二つの壁部(例えば上壁部31と右の側壁部34)の前端部同士を連結する円弧状の連結部37を更に有する。連結部37は、例えば半径12mmの円弧状である。
【0036】
外皮3は、四つの連結部37を有する。壁部31,32,33,34は、周方向に隣接する2つの壁部の前端部同士が、連結部37を介して連続する。周方向に隣接する2つの壁部の間には、開口38が形成される。開口38は、連結部37の後側に位置する。開口38の開口幅L1(
図5参照)は、例えば19~20mm程度である。
【0037】
図1から
図3に示すように、第二外皮4は、芯材2の本体部20の後面28を覆う矩形板状の本体部40と、本体部20の左の側面202のうち凹条部22よりも後側の部分を覆う左の側壁部41と、本体部20の右の側面203のうち凹条部22よりも後側の部分を覆う右の側壁部42と、を有する。左の側壁部41は、本体部40の左縁から前側に突出し、右の側壁部42は、本体部40の右縁から前側に突出している。なお、第二外皮4は、本体部20の上面200や下面201を覆う部分を有していない。
【0038】
左右の側壁部41,42のそれぞれは、平面視U字状に湾曲した湾曲部410,420と、湾曲部410,420の前端部から前側に突出した矩形状の平板部411,421と、を有する。
【0039】
外皮3,4のそれぞれは、本体部30,40が芯材2の本体部20の前後の面27,28に接着されて、芯材2と一体化している。
【0040】
2-3.シール受け材
シール受け材5は、パネル1の芯材2が有する四つの切欠き26のそれぞれに一つずつ配置される。シール受け材5は、
図4及
図5に示すように、第一側面24よりも第一側壁部35側に突出する部分と、第二側面25よりも第二側壁部36側に突出する部分とを有する。シール受け材5の第一側面24よりも第一側壁部35側に突出する部分は、第一側壁部35に当たる第一当接部51を有する。シール受け材5の第二側面25よりも第二側壁部36側に突出する部分は、第二側壁部36に当たる第二当接部52を有する。シール受け材5は、切欠き26の内面260に当たる第三当接部50を有する。以下では、パネル1を平置き姿勢にした状態における方向を用いて、シール受け材5の説明を行う。
【0041】
シール受け材5は、上下方向の全長にわたって断面形状が一定である。シール受け材5は、本体部53と、本体部53の一部から突出する第一突出片54と、本体部53の他の一部から突出する第二突出片55と、を備える。本体部53は、第三当接部50を有する。本体部53は、中空構造を有する。第一突出片54は、第一側壁部35に向けて突出している。第一突出片54は、第一当接部51を有する。第二突出片55は、第二側壁部36に向けて突出している。第二突出片55は、第二当接部52を有する。
【0042】
本体部53は、切欠き26の内面260に対して平行な平板状の一対の内壁部56と、一対の内壁部56の間に介在するV字状の中間内壁部57と、一対の内壁部56のそれぞれの中間内壁部57とは反対側の端部から垂直に突出した端部外壁部58と、一対の端部外壁部58の内壁部56とは反対側の端部の間に介在する円弧状の外壁部59と、を含む。中間内壁部57は、外壁部59の中央部と連続している。本体部53は、三角形状の一対の中空部60を有する。一対の内壁部56は、切欠き26の第一内面261に対して平行な内壁部56aと、切欠き26の第二内面262に対して平行な内壁部56bを含む。
【0043】
第一突出片54は、内壁部56aの中間内壁部57とは反対側の端部から、内壁部56aに対して一直線状に並ぶように突出している。第二突出片55は、内壁部56bの中間内壁部57とは反対側の端部から、内壁部56bに対して一直線状に並ぶように突出している。一対の内壁部56、中間内壁部57、一対の端部外壁部58、外壁部59、第一突出片54、及び第二突出片55は、厚みが互いに略同じである。
【0044】
外壁部59の開口38を向く面590は、凹曲面である。面590は、切欠き26の内面260の角側に凸の円弧状である。面590は、例えば半径が37.88mmの円弧である。
【0045】
中間内壁部57は、切欠き26の内面260を向く面570が、凹曲面である。面570は、開口38側に凸の円弧状である。面570は、面590よりも曲率が大きい。面570は、例えば半径が3.5mmの円弧である。
【0046】
本体部53のうち、内壁部56aの第一内面261側を向く面と、内壁部56bの第二内面262側を向く面が、第三当接部50である。第一突出片54の突出方向の先端部又は先端面が、第一当接部51であり、第二突出片55の突出方向の先端部又は先端面が、第二当接部52である。
【0047】
シール受け材5は、エチレンプロピレンゴムで形成される。シール受け材5は、例えば押出成形によって製造される。エチレンプロピレンゴムは、可撓性を有し、かつシーリング材6との接着性(親和性)に優れた部材である。第一突出片54と第二突出片55のそれぞれは、可撓性を有する。
【0048】
シール受け材5は、本体部53の一対の内壁部56のそれぞれの第三当接部50が切欠き26の内面261,262に当たり、第一突出片54が外皮3の第一側壁部35に当たり、第二突出片55が外皮3の第二側壁部36に当たる状態で、切欠き26に配置される。
【0049】
シール受け材5は、切欠き26内において外皮3の本体部30上に載せられる。シール受け材5の上端は、第二側壁部36の上端よりも上方に位置する。第一突出片54は、第一側壁部35に対して第一側壁部35の上下方向の全長にわたって当たり、第二突出片55は、第二側壁部36に対して第二側壁部36の上下方向の全長にわたって当たる。これにより、切欠き26から第一側壁部35と第一側面24の間の隙間へ至る経路を、第一突出片54によって塞ぐことができ、切欠き26から第二側壁部36と第二側面25の間の隙間へ至る経路を、第二突出片55によって塞ぐことができる。
【0050】
シール受け材5を切欠き26に配置することで、外皮3の本体部30と、外皮3の側壁部35,36のうち突出片54,55よりも開口38側の部分と、外皮3の連結部37と、シール受け材5とによって囲まれた範囲に、シーリング材6の充填範囲S1が形成される。
【0051】
本実施形態では、第一突出片54とこれに隣接する端部外壁部58と第一側壁部35とで囲まれる領域に、シール溜まりS2が形成され、第二突出片55とこれに隣接する端部外壁部58と第二側壁部36とで囲まれる領域に、シール溜まりS2が形成される。これらのシール溜まりS2にシーリング材6が充填されることで、シール受け材5と側壁部35,36とを接着するシーリング材6の接着力が確保しやすくて、シール受け材5に対する側壁部35,36の取付強度が確保しやすい。
【0052】
加えて、本実施形態では、第一突出片54の先端の第一当接部51が、第一側壁部35のうち、開口38側の端から5mm以上離れた部分に当たり、第二突出片55の先端の第二当接部52が、第二側壁部36のうち、開口38側の端から5mm以上離れた部分に当たっている。第一当接部51と第二当接部52との間の距離L2は、開口38の開口幅L1の1.2倍以上である。これにより、シール受け材5と側壁部35,36の対向部分間に充填されるシーリング材6の量を確保しやすく、シール受け材5に対する側壁部35,36の取付強度が確保しやすくて、止水性に優れる。ただし、距離L2と開口幅L1の関係は、シール受け材5と側壁部35,36との間のシール性が確保できればよく、上記の関係に限定されず、シーリング材6の粘着力の大小や、シール受け材5の外面の形状等に合わせて、適宜設定可能である。
【0053】
シール受け材5は、本体部53の内壁部56a,56bの第三当接部50が、切欠き26の内面261,262に対して面接触することで、切欠き26内の位置が安定しやすい。
【0054】
また、シール受け材5では、突出片54,55が可撓性を有するため、第一側面24と第一側壁部35の間の隙間の大小や、第二側面25と第二側壁部36の間の隙間の大小に合わせて突出片54,55が変形可能であり、これらの隙間を塞ぎやすい。
【0055】
また、シール受け材5では、本体部53の開口38側を向く面590が、凹曲面であるため、開口38を通じて注入したシーリング材6が面590に沿って側壁部35,36側に拡がりやすく、充填範囲S1の全体にシーリング材6を充填させやすい。
【0056】
また、シール受け材5は、本体部53の一対の内壁部56a,56bを切欠き26の内面261,262に当てた状態で、中間内壁部57と内面261,262との間にスペースS3が形成される。そのため、切欠き26内に、シール受け材5とシーリング材6のいずれも配置されない領域を形成することができ、切欠き26を埋めるシーリング材6の充填量を抑えることができ、その結果、切欠き26の全体を埋める場合に比べて、製造コストや施工コストを抑えることもできる。
【0057】
2-4.シーリング材
シーリング材6は、従来周知のシーリング材が用いられる。シーリング材6としては、例えば、一液性のカートリッジ式のポリサルファイド系のシーリング材が挙げられる。このシーリング材は、主成分がポリサルファイドポリマーである。ポリサルファイド系のシーリング材は、空気中の湿気に反応して硬化するものであり、通年で硬化時間の差が比較的少ない。また、ポリサルファイド系のシーリング材は、比較的粘度が高く、切欠き26内に留まりやすい。また、このシーリング材は、一液性であるため、二液性のもののように練り合わせる必要が無く、作業性も高い。また、このシーリング材は、硬化後の表面の接着性が高く、表面を削る等の下地処理をしない無加工の状態で、二次シール(目地材8)との接着性が高い。
【0058】
シーリング材6は、外皮3の側壁部35,36の間の開口38を通じて、切欠き26内の充填範囲S1の全体に充填される。シーリング材6は、開口38を閉塞して止水する。シーリング材6は、例えば自然乾燥によって硬化される。
【0059】
2-5.その他
図1から
図3に示すように、パネル1は、壁部31,32,33,34のそれぞれに取り付けられる止水パッキン7を更に備える。止水パッキン7は、上壁部31の上面の前後方向の中央部と、下壁部32の下面の前後方向の中央部と、左右の側壁部33,34の平板部330,340の後端部のそれぞれに、取り付けられる。止水パッキン7は、長手方向に直交する断面が、中空の半円形状である。止水パッキン7は、パネル1を全周にわたって囲むように正面視にて矩形枠状に設けられる。止水パッキン7は、例えば合成ゴム製である。
【0060】
以上説明したパネル1は、例えば、
図6Aに示す施工例のように設置される。複数のパネル1は、左右方向及び上下方向に並ぶように設置される。複数のパネル1は、
図6Bに示すように、止水パッキン7同士が突き合わさって隙間が形成されない状態で、設置される。
図6Aに示すように、左右方向又は上下方向に隣接する二つのパネル1,1の外皮3間の目地には、目地材8が充填されて、止水パッキン7は覆い隠される。目地材8を充填した状態で、各パネル1の開口38を閉塞するシーリング材6は、目地材8によって覆い隠される。
【0061】
3.シール方法
続いて、パネル1のコーナーにシーリング材6を充填するシール方法について説明する。シール方法は、切除工程、配置工程、及び充填工程を備える。
【0062】
図7Aには、シール施工前のパネル1のコーナーが示されている。芯材2の角23は、外皮3の側壁部35,36の間の開口38を通じて露出している。
【0063】
切除工程では、
図7Bに示すように、芯材2の角23を切除して、切欠き26を形成する。角23の切除は、例えば、図に示すような切除具9を用いて行うことができる。切除具9は、矩形の枠状に設けられた金属製の切除部90と、把持部91とを有している。切除部90を角23に上側から当て、切除具9を下側に移動させることで、角23の一部が切除されて、平面視矩形状の切欠き26が形成される。
【0064】
配置工程では、
図7Cに示すように、切欠き26にシール受け材5を配置する。本実施形態では、配置工程では、シール受け材5を切欠き26の内面260に当て、かつシール受け材5を第一側壁部35と第二側壁部36のそれぞれに当てる。シール受け材5は、本体部53の一対の内壁部56a,56bが切欠き26の内面261,262に面接触し、第一突出片54の先端部が第一側壁部35の裏面に接触し、第二突出片55の先端部が第二側壁部36の裏面に接触する(
図5参照)。これにより、シール受け材5と、外皮3の側壁部35,36、連結部37及び本体部30によって囲まれる充填範囲S1が形成される。
【0065】
充填工程では、
図7Dに示すように、シール受け材5と開口38の間の充填範囲S1に、シーリング材6を充填する。シーリング材6の充填は、第一側壁部35の開口38側の端部の表面と、第二側壁部36の開口38側の端部の表面に、養生テープ10を貼り付けた状態で行われる。シーリング材6は、充填範囲S1の全体を埋めるように、充填される。
【0066】
次いで、充填工程では、
図7Eに示すように、開口38からあふれ出したシーリング材6を取り除く。次いで、外皮3の側壁部35,36から養生テープ10を取り外す。なお、養生テープ10の付け外しは、省略可能である。
【0067】
以上説明した切除工程、配置工程、及び充填工程をこの順に行うことで、パネル1のコーナーの外皮3の開口38を、所定量のシーリング材6で閉塞することができ、シーリング材6の充填量が安定しやすい。
【0068】
上述したシール方法は、パネル1の四つのコーナーのそれぞれに対して行われる。このシール方法によれば、パネル1の四つのコーナーのそれぞれのシーリング材6の充填量が、安定しやすい。
【0069】
4.変形例
続いて、上述したパネル1、シール受け材5、及びパネル1のコーナーのシール方法の変形例について説明する。
【0070】
シール受け材5は、第一側面24よりも第一側壁部35側に突出する部分と、第二側面25よりも第二側壁部36側に突出する部分とを有すればよく、
図5に示す形状及び寸法のものに限定されない。例えば、シール受け材5は、
図8Aに示すパネル1の変形例1のシール受け材5のように、本体部53のうち開口38を向く面590が、凹曲面ではなく、平面であってもよい。
【0071】
また、シール受け材5は、
図8Bに示すパネル1の変形例2のシール受け材5のように、第一突出片54が本体部53の内壁部56aに対して直角をなすように突出し、第二突出片55が本体部53の内壁部56bに対して直角をなすように突出してもよい。第一突出片54は、芯材2の第一側面24と外皮3の第一側壁部35の間の隙間に収まって、この隙間を塞ぐか、あるいはこの隙間を狭める。第二突出片55は、芯材2の第二側面25と外皮3の第二側壁部36の間の隙間に収まって、この隙間を塞ぐか、あるいはこの隙間を狭める。
【0072】
また、シール受け材5は、
図9Aに示すように、本体部53が、中実構造を有してもよく、つまり、中空部60を有さなくてもよい。また、本体部53は、切欠き26の内面260に対して面接触する形状であればよく、例えば、
図9Bに示すように、中間内壁部57を含まず、L字状に連続した内壁部56a,56bを含むものであってもよい。なお、二つの内壁部56a,56bの連続部分と外壁部59の中央部とを繋ぐ壁は、省略可能である。
【0073】
また、シール受け材5は、
図10に示す変形例3のように、切欠き26の内面260に当たる第三当接部50を有さなくてもよい。この場合、パネル1のコーナーのシール方法は、配置工程が、シール受け材5を外皮3に接着する接着工程を含む。詳しくは、接着工程は、シール受け材5の下面と突出片54,55の先端面(当接部51,52)のそれぞれに接着剤を塗布して、シール受け材5の下面を外皮3の本体部30に接着し、突出片54,55の先端面(当接部51,52)を外皮3の側壁部35,36に接着する工程である。この接着工程を含む配置工程では、シール受け材5の本体部53は、切欠き26の内面260に当てない。このように配置工程が接着工程を含むことで、切欠き26内におけるシール受け材5の姿勢が固定され、シーリング材6の充填の際に、シール受け材5がシーリング材6の注入圧によって倒れる等して充填範囲S1が拡がることを防ぐことができる。
【0074】
また、シール受け材5は、
図11に示す変形例4のように、第一当接部51と第二当接部52と第三当接部50をいずれも有さなくてもよい。この場合、パネル1のコーナーのシール方法は、配置工程が、シール受け材5を外皮3に接着する接着工程を含む。詳しくは、接着工程は、シール受け材5の下面にのみ接着剤を塗布して、シール受け材5の下面のみを外皮3の本体部30に接着する工程である。この接着工程を含む配置工程では、シール受け材5は、側壁部35,36及び切欠き26の内面260のいずれにも当てない。このように配置工程が接着工程を含むことで、切欠き26内におけるシール受け材5の姿勢が固定され、シーリング材6の充填の際に、シール受け材5がシーリング材6の注入圧によって倒れる等して充填範囲S1が拡がることを抑制することができる。
【0075】
また、外皮3は、
図12に示す変形例5のように、本体部30のコーナーが直角であり、第一側壁部35の長手方向の端面(右端面)が、第二側壁部36の外面(右面)に並んでもよい。この場合、第一側壁部35と第二側壁部36の間の開口38は、第二側壁部36に対して直線状に並ぶ位置に形成される。
【0076】
また、外皮3は、
図13に示す変形例6のように、本体部30のコーナーが直角であり、第二側壁部36の長手方向の端面(前端面)が、第一側壁部35の外面(前面)に並んでもよい。この場合、第一側壁部35と第二側壁部36の間の開口38は、第一側壁部35に対して直線状に並ぶ位置に形成される。
【0077】
また、外皮3は、
図14に示す変形例7のように、本体部30のコーナーが直角であり、側壁部35,36の長手方向の端面同士が、幅狭の開口38を形成するように、隣接して位置してもよい。変形例7では、側壁部35,36のそれぞれの長手方向の端面(隣接する端面)は、本体部30側の端部(下端部)に凹みが設けられている。外皮3は、本体部30のコーナーの先端から突出し、側壁部35,36のそれぞれの長手方向の端面の凹みに収まるコーナー壁部39を有する。なお、外皮3は、連結部37を有さない。開口38は、側壁部35,36の長手方向の端面のうち、本体部30側の端部を除いた残りの部分の間に、形成される。
【0078】
また、シール受け材5は、エチレンプロピレンゴム製に限らず、その他の合成ゴム製、合成樹脂製、金属製、木製等であってもよい。
【0079】
また、シール受け材5は、当接部50,51,52を有するものであればよく、突出片54,55を有さないものであってよい。
【0080】
また、芯材2の切欠き26は、切除具9で角23を切除することによって形成されるものに限らず、芯材2に予め形成されたものであってもよい。
【0081】
また、切欠き26の形状は、矩形状に限らず、その他の形状であってもよく、この場合、シール受け材5は切欠き26に対応した形状に設けられる。
【0082】
また、芯材2の本体部20は、ロックウールやグラスウールなどの繊維状無機材で形成されたものに限らず、石膏ボードや珪酸カルシウムボード等であってもよい。また、芯材2の本体部20は、ウレタンフォーム、フェノールフォーム等の発泡系の有機材で形成されてもよいし、スチレンボード、ウレタンボード等であってもよい。
【0083】
5.まとめ
以上説明した一実施形態及びその変形例のパネル1のように、第一態様のパネル1は、下記の構成を備える。
【0084】
すなわち、第一態様のパネル1は、芯材2と、芯材2を覆う金属製の外皮3と、を備える。芯材2は、角23を形成するように位置する第一側面24及び第二側面25と、角23に設けられた切欠き26と、を有する。外皮3は、第一側面24を覆う第一側壁部35と、第二側面25を覆い、かつ第一側壁部35との間に開口38を形成するように位置する第二側壁部36と、を有する。切欠き26には、シール受け材5が配置されている。シール受け材5は、第一側面24よりも第一側壁部35側に突出する部分と、第二側面25よりも第二側壁部36側に突出する部分と、を有する。シール受け材5と開口38の間には、シーリング材6が充填されている。
【0085】
上記構成を備えることで、第一態様のパネル1では、シール受け材5の第一側面24よりも第一側壁部35側に突出する部分と、第二側面25よりも第二側壁部36側に突出する部分によって、開口38から側面24,25と側壁部35,36の間の隙間に至る経路を狭めることができる。これにより、第一態様のパネル1では、パネル1のコーナーの開口38からその内側に充填されるシーリング材6の充填範囲S1を、シール受け材5によって制限することができて、シーリング材6の充填量が安定しやすい。
【0086】
また、上述した一実施形態及びその変形例のパネル1のように、第二態様のパネル1は、第一態様のパネル1の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0087】
すなわち、第二態様のパネル1では、シール受け材5の第一側面24よりも第一側壁部35側に突出する部分は、第一側壁部35に当たる第一当接部51を有し、シール受け材5の第二側面25よりも第二側壁部36側に突出する部分は、第二側壁部36に当たる第二当接部52を有する。
【0088】
上記構成を備えることで、第二態様のパネル1では、シール受け材5の当接部51,52が側壁部35,36に当たるため、シーリング材6の充填範囲S1をシール受け材5によってより制限しやすい。
【0089】
また、上述した一実施形態及びその変形例のパネル1のように、第三態様のパネル1は、第二態様のパネル1の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0090】
すなわち、第三態様のパネル1では、シール受け材5は、本体部53と、本体部53の一部から第一側壁部35に向けて突出する第一突出片54と、本体部53の他の一部から第二側壁部36に向けて突出する第二突出片55とを含む(
図5参照)。第一突出片54が第一当接部51を有し、第二突出片55が第二当接部52を有する。
【0091】
上記構成を備えることで、第三態様のパネル1では、シール受け材5の本体部53から突出する二つの突出片54,55のそれぞれを外皮3の側壁部35,36に当てて、シール受け材5と側壁部35,36で囲まれる領域に、シーリング材6の充填範囲S1を形成することができる。また、第三態様のパネル1では、第一突出片54と本体部53と第一側壁部35の間と、第二突出片55と本体部53と第二側壁部36の間のそれぞれに、シール溜まりS2を形成することができる。そのため、第三態様のパネル1では、シール受け材5と側壁部35,36とを接着するシーリング材6の接着力が確保しやすくて、シール受け材5に対する側壁部35,36の取付強度が確保しやすい。
【0092】
また、上述した一実施形態及びその変形例のパネル1のように、第四態様のパネル1は、第三態様のパネル1の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0093】
すなわち、第四態様のパネル1では、第一突出片54と第二突出片55のそれぞれは、可撓性を有する。
【0094】
上記構成を備えることで、第四態様のパネル1では、芯材2の側面24,25と外皮3の側壁部35,36の間の隙間が、製造誤差等でばらつきがあっても、この隙間を突出片54,55によって塞ぎやすい。
【0095】
また、上述した一実施形態及びその変形例のパネル1のように、第五態様のパネル1は、第三又は第四態様のパネル1の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0096】
すなわち、第五態様のパネル1では、本体部53は、中空構造を有する。
【0097】
上記構成を備えることで、第五態様のパネル1では、シール受け材5の軽量化が図れ、また、材料コストを抑えることができる。
【0098】
また、上述した一実施形態及びその変形例のパネル1のように、第六態様のパネル1は、第三から第五態様のいずれか一つのパネル1の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0099】
すなわち、第六態様のパネル1では、本体部53の開口38を向く面590は、凹曲面である。
【0100】
上記構成を備えることで、第六態様のパネル1では、シール受け材5の面590に向けてシーリング材6を注入した際に、シーリング材6が面590に沿って拡がりやすく、シーリング材6の充填範囲S1の全体に、シーリング材6を充填させやすい。また、シール受け材5の面590が凹曲面であることで、面590が平面である場合に比べて充填範囲S1の奥行きが確保しやすく、シーリング材6を充填させやすい。
【0101】
また、上述した一実施形態及びその変形例のパネル1のように、第七態様のパネル1は、第二から第六態様のいずれか一つのパネル1の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0102】
すなわち、第七態様のパネル1では、シール受け材5は、切欠き26の内面260に当たる第三当接部50を有する。
【0103】
上記構成を備えることで、第七態様のパネル1では、切欠き26内におけるシール受け材5の姿勢が安定しやすく、シーリング材6の充填範囲S1を、シール受け材5によって制限しやすい。
【0104】
また、上述した一実施形態及びその変形例のパネル1のように、第八態様のパネル1は、第一から第七態様のいずれか一つのパネル1の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0105】
すなわち、第八態様のパネル1では、シール受け材5は、エチレンプロピレンゴム製である。
【0106】
上記構成を備えることで、第八態様のパネル1では、シール受け材5に対してシーリング材6が接着しやすい。
【0107】
また、上述した一実施形態及びその変形例のシール受け材5のように、第九態様のシール受け材5は、下記の構成を備える。
【0108】
すなわち、第九態様のシール受け材5は、芯材2とこれを覆う金属製の外皮3とを備えるパネル1のうち、芯材2の角23に設けられた切欠き26に配置され、切欠き26に充填されるシーリング材6を受けるように構成されたシール受け材5である。シール受け材5は、中空構造の本体部53と、外皮3に向けて本体部53の一部から突出した第一突出片54と、外皮3に向けて本体部53の他の一部から突出した第二突出片55と、を備える。
【0109】
上記構成を備える第九態様のシール受け材5では、外皮3の芯材2の角23を覆う部分に生じる開口38から、外皮3と芯材2との間の隙間へと至る経路を、突出片54,55によって狭めることができる。これにより、第九態様のシール受け材5では、パネル1のコーナーの芯材2の切欠き26に充填されるシーリング材6の充填範囲S1を制限することができて、シーリング材6の充填量が安定しやすい。加えて、このシール受け材5では、本体部53が中空構造であるため、軽量化が図れて取り扱いしやすく、また、材料コストを抑えることができる。
【0110】
また、上述した一実施形態及びその変形例のパネル1のコーナーのシール方法のように、第十態様のパネル1のコーナーのシール方法は、下記の構成を備える。
【0111】
すなわち、第十態様のパネル1のコーナーのシール方法は、芯材2とこれを覆う金属製の外皮3とを備えるパネル1のうち、芯材2の角23にシーリング材6を充填するパネル1のコーナーのシール方法である。芯材2は、角23を形成する第一側面24及び第二側面25を有する。外皮3は、第一側面24を覆う第一側壁部35と、第二側面25を覆い、かつ第一側壁部35との間に開口38を形成するように位置する第二側壁部36と、を有する。第十態様のパネル1のコーナーのシール方法は、芯材2の角23を切除して切欠き26を形成する切除工程と、切欠き26にシール受け材5を配置する配置工程と、シール受け材5と開口38の間に、シーリング材6を充填する充填工程と、を備える。シール受け材5は、第一側面24よりも第一側壁部35側に突出する部分と、第二側面25よりも第二側壁部36側に突出する部分と、を有する。
【0112】
上記構成を備える第十態様のパネル1のコーナーのシール方法では、シール受け材5の第一側面24よりも第一側壁部35側に突出する部分と、第二側面25よりも第二側壁部36側に突出する部分によって、開口38から側面24,25と側壁部35,36の間の隙間に至る経路を狭めることができる。これにより、第十態様のパネル1のコーナーのシール方法では、パネル1のコーナーの開口38からその内側に充填されるシーリング材6の充填範囲S1を、シール受け材5によって制限することができて、シーリング材6の充填量が安定しやすい。加えて、このパネル1のコーナーのシール方法では、芯材2に対する外皮3の配置に合わせて、芯材2の角23に適切な大きさの切欠き26を形成することができ、シール受け材5を、切欠き26の内面260、及び側壁部35,36に当てやすくて、シーリング材6の充填範囲S1を制限しやすい。
【0113】
また、上述した一実施形態及びその変形例のパネル1のコーナーのシール方法のように、第十一態様のパネル1のコーナーのシール方法は、第十態様のパネル1のコーナーのシール方法の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0114】
すなわち、第十一態様のパネル1のコーナーのシール方法では、配置工程では、シール受け材5の第一側面24よりも第一側壁部35側に突出する部分を第一側壁部35に当て、シール受け材5の第二側面25よりも第二側壁部36側に突出する部分を第二側壁部36に当てる。
【0115】
上記構成を備えることで、第十一態様のパネル1のコーナーのシール方法では、シール受け材5が側壁部35,36に当たるため、シーリング材6の充填範囲S1をシール受け材5によってより制限しやすい。
【0116】
また、上述した一実施形態及びその変形例のパネル1のコーナーのシール方法のように、第十二態様のパネル1のコーナーのシール方法は、第十一態様のパネル1のコーナーのシール方法の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0117】
すなわち、第十二態様のパネル1のコーナーのシール方法では、配置工程では、切欠き26の内面260にシール受け材5を当てる。
【0118】
上記構成を備えることで、第十二態様のパネル1のコーナーのシール方法では、切欠き26内におけるシール受け材5の姿勢が安定しやすく、シーリング材6の充填範囲S1を、シール受け材5によって制限しやすい。
【0119】
また、上述した一実施形態及びその変形例のパネル1のコーナーのシール方法のように、第十三態様のパネル1のコーナーのシール方法は、第十一又は第十二態様のパネル1のコーナーのシール方法の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0120】
すなわち、第十三態様のパネル1のコーナーのシール方法では、配置工程は、シール受け材5を外皮3に接着する接着工程を含む。
【0121】
上記構成を備えることで、第十三態様のパネル1のコーナーのシール方法では、切欠き26内におけるシール受け材5の姿勢が固定されて安定しやすく、シーリング材6の充填範囲S1を、シール受け材5によって制限しやすい。
【0122】
以上、本開示を添付図面に示す形態に基づいて説明したが、本開示は上記の形態に限定されるものではなく、本開示の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0123】
1 パネル
2 芯材
23 角
24 第一側面
25 第二側面
26 切欠き
260 内面
3 外皮
35 第一側壁部
36 第二側壁部
38 開口
5 シール受け材
50 第三当接部
51 第一当接部
52 第二当接部
53 本体部
54 第一突出片
55 第二突出片
590 面
6 シーリング材
L1 開口幅
L2 第一当接部と第二当接部の間の距離