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特許7349249ステアリングアシストユニット及び操船システム
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  • 特許-ステアリングアシストユニット及び操船システム 図1
  • 特許-ステアリングアシストユニット及び操船システム 図2
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  • 特許-ステアリングアシストユニット及び操船システム 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-13
(45)【発行日】2023-09-22
(54)【発明の名称】ステアリングアシストユニット及び操船システム
(51)【国際特許分類】
   B63H 20/12 20060101AFI20230914BHJP
   B63H 20/00 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
B63H20/12 100
B63H20/00 843
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019048500
(22)【出願日】2019-03-15
(65)【公開番号】P2020147232
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】水谷 真
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第6715438(US,B1)
【文献】国際公開第2018/211809(WO,A1)
【文献】特開2004-230949(JP,A)
【文献】特開2011-105212(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107323644(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 20/00,25/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船外機のチラーハンドルに接続されるステアリングアシストユニットであって、
前記チラーハンドルに一体化され、又は別体として取り付けられるハウジングと、
前記ハウジングに収容されるポンプと、
前記ポンプからの作動油によって駆動され、前記船外機にアシスト操舵力を作用させる油圧アクチュエータと、
を備えるステアリングアシストユニット。
【請求項2】
前記ハウジングに収容され、前記ポンプに接続されるモータをさらに備える、
請求項1に記載のステアリングアシストユニット。
【請求項3】
前記ハウジングは、孔を有する本体ケースを含み、
前記モータの一部は、前記孔から突出している、
請求項2に記載のステアリングアシストユニット。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記モータのためのカバーをさらに含み、
前記カバーは、前記本体ケースに取り付けられる、
請求項3に記載のステアリングアシストユニット。
【請求項5】
前記モータの一部は、上下方向に前記孔から突出している、
請求項3に記載のステアリングアシストユニット。
【請求項6】
前記チラーハンドルの角度を検出するセンサと、
前記チラーハンドルの角度に応じて、前記油圧アクチュエータを制御するコントローラと、
をさらに備える請求項1に記載のステアリングアシストユニット。
【請求項7】
前記チラーハンドルは、ブラケットを介して前記船外機に接続され、
前記センサは、前記ブラケットに取り付けられる、
請求項6に記載のステアリングアシストユニット。
【請求項8】
前記チラーハンドルは、グリップとハンドル本体とを含み、
前記ハンドル本体は、
前記船外機に接続される第1端部と、
前記グリップに接続され、前記第1端部と反対側の第2端部と、
を含み、
前記ポンプは、前記第2端部よりも前記第1端部の近くに配置される、
請求項1に記載のステアリングアシストユニット。
【請求項9】
船外機と、
前記船外機に接続されるチラーハンドルと、
前記チラーハンドルに接続されるステアリングアシストユニットと、
を備え、
前記ステアリングアシストユニットは、
前記チラーハンドルに一体化され、又は別体として取り付けられるハウジングと、
前記ハウジングに収容されるポンプと、
前記ポンプからの作動油によって駆動され、前記船外機にアシスト操舵力を作用させる油圧アクチュエータと、
を備える操船システム。
【請求項10】
前記ハウジングに収容され、前記ポンプに接続されるモータをさらに備える、
請求項9に記載の操船システム。
【請求項11】
前記ハウジングは、孔を有する本体ケースを含み、
前記モータの一部は、前記孔から突出している、
請求項10に記載の操船システム。
【請求項12】
前記ハウジングは、前記モータのためのカバーをさらに含み、
前記カバーは、前記本体ケースに取り付けられる、
請求項11に記載の操船システム。
【請求項13】
前記モータの一部は、上下方向に前記孔から突出している、
請求項11に記載の操船システム。
【請求項14】
前記チラーハンドルの角度を検出するセンサと、
前記チラーハンドルの角度に応じて、前記油圧アクチュエータを制御するコントローラと、
をさらに備える請求項9に記載の操船システム。
【請求項15】
ブラケットをさらに備え、
前記チラーハンドルは、ブラケットを介して前記船外機に接続され、
前記センサは、前記ブラケットに取り付けられる、
請求項14に記載の操船システム。
【請求項16】
前記チラーハンドルは、グリップとハンドル本体とを含み、
前記ハンドル本体は、
前記船外機に接続される第1端部と、
前記グリップに接続され、前記第1端部と反対側の第2端部と、
を含み、
前記ポンプは、前記第2端部よりも前記第1端部の近くに配置される、
請求項9に記載の操船システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ステアリングアシストユニット及び操船システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の操船システムには、チラーハンドルとアクチュエータとを含むものがある。例えば、特許文献1の操船システムは、船外機と、チラーハンドルと、油圧シリンダと、油圧ポンプとを含む。チラーハンドルは、手動で船外機を操舵可能に、船外機に接続されている。油圧シリンダは、油圧ポンプからの作動油によって駆動される。油圧シリンダは、アシスト操舵力を船外機に作用するように、船外機に接続されている。油圧ポンプは、油圧ホースを介して油圧シリンダに接続されている。油圧ポンプは、船舶内に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第6,715,438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の操船システムでは、船舶内において油圧ポンプを配置するためのスペースが必要となる。そのため、船舶内のスペースを狭めてしまう。本開示の目的は、船舶内のスペースを狭めてしまうことを抑えるとと共に、チラーハンドルの操作時にアシスト操舵力を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様は、船外機のチラーハンドルに接続されるステアリングアシストユニットである。ステアリングアシストユニットは、ハウジングと、ポンプと、油圧アクチュエータとを備える。ハウジングは、チラーハンドルに接続される。ポンプは、ハウジングに収容される。油圧アクチュエータは、ポンプからの作動油によって駆動される。油圧アクチュエータは、船外機にアシスト操舵力を作用させる。
【0006】
第2の態様は、操船システムである。操船システムは、船外機と、チラーハンドルと、ステアリングアシストユニットとを備える。チラーハンドルは、船外機に接続される。ステアリングアシストユニットは、チラーハンドルに接続される。ステアリングアシストユニットは、ハウジングと、ポンプと、油圧アクチュエータとを備える。ハウジングは、チラーハンドルに接続される。ポンプは、ハウジングに収容される。油圧アクチュエータは、ポンプからの作動油によって駆動される。油圧アクチュエータは、船外機にアシスト操舵力を作用させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ステアリングアシストユニットによって、チラーハンドルの操作時にアシスト操舵力を得ることができる。また、ステアリングアシストユニットにおいて、ポンプは、チラーハンドルに接続されるハウジングに収容される。そのため、ポンプが船舶内に配置される場合と比べて、船舶内のスペースを狭めてしまうことが抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る操船システムが搭載された船舶の一部を示す模式図である。
図2】操船システムの側面図である。
図3】チラーハンドル及びステアリングアシストユニットの側面図である。
図4】チラーハンドル及びステアリングアシストユニットの上面図である。
図5】ハンドルブラケットの断面図である。
図6】第1変形例に係るチラーハンドル及びステアリングアシストユニットを示す上面図である。
図7】第2変形例に係るチラーハンドル及びハンドルブラケットを示す側面図である。
図8】第3変形例に係る操船システムの一部を示す上面図である。
図9】第4変形例に係る操船システムの一部を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。図1は、実施形態に係る操船システム2が搭載された船舶1の一部を示す図である。図1に示すように、操船システム2は、船外機3と、チラーハンドル4と、ステアリングアシストユニット5とを備える。船外機3は、船舶1の船尾に取り付けられている。船外機3は、船舶1を推進させる推進力を発生させる。
【0010】
図2は、操船システム2の側面図である。図2に示すように、船外機3は、エンジン11と、ドライブ軸12と、プロペラ軸13と、シフト機構14と、エンジンカバー15と、ハウジング16とを含む。エンジン11は、船舶1を推進させる推進力を発生させる。エンジン11は、エンジンカバー15内に配置されている。エンジン11は、クランク軸17を含む。クランク軸17は鉛直方向に延びている。ドライブ軸12は、クランク軸17に接続されている。ドライブ軸12は、鉛直方向に延びている。
【0011】
プロペラ軸13は、前後方向に延びている。プロペラ軸13は、シフト機構14を介して、ドライブ軸12に接続されている。プロペラ軸13には、プロペラ18が接続される。ハウジング16は、エンジンカバー15の下方に配置されている。ドライブ軸12とプロペラ軸13とシフト機構14とは、ハウジング16内に配置されている。シフト機構14は、ドライブ軸12からプロペラ軸13へ伝達される動力の回転方向を、前進方向と後進方向とに切り換える。シフト機構14は、複数のギアと、ギアの噛み合いを変更するクラッチとを含む。
【0012】
船外機3は、ブラケット10とステアリングアーム20とを含む。船外機3は、ブラケット10を介して船舶1に取り付けられる。ブラケット10は、ステアリング軸21を含む。船外機3は、ステアリング軸21回りに左右に転舵可能に設けられる。ステアリングアーム20は、船外機3から前方に延びている。
【0013】
チラーハンドル4は、ステアリングアーム20に接続されている。チラーハンドル4は、操船者が手動で船外機3を操舵可能に設けられている。ステアリングアシストユニット5は、チラーハンドル4に接続される。ステアリングアシストユニット5は、操船者による手動の操舵時に、船外機3にアシスト操舵力を作用させる。
【0014】
図3は、チラーハンドル4及びステアリングアシストユニット5の側面図である。図4は、チラーハンドル4及びステアリングアシストユニット5の上面図である。図3及び図4に示すように、チラーハンドル4は、グリップ22とハンドル本体23とを含む。ハンドル本体23は、ハンドルブラケット19を介して、船外機3に接続されている。
【0015】
ハンドルブラケット19は、ハンドル本体23と別体である。ハンドルブラケット19は、ハンドル本体23に着脱可能に接続されている。図5は、ハンドルブラケット19の断面図である。図5に示すように、ハンドルブラケット19は、第1回転軸24を含む。第1回転軸24は、左右方向に延びている。ハンドル本体23は、第1回転軸24回りに上下に揺動可能に、ハンドルブラケット19に支持されている。
【0016】
ハンドルブラケット19は、ステアリングアーム20と別体である。ハンドルブラケット19は、ステアリングアーム20に着脱可能に接続されている。ハンドルブラケット19は、第2回転軸25を含む。第2回転軸25は、上下方向に延びている。ハンドル本体23は、第2回転軸25回りに左右に揺動可能に、ハンドルブラケット19を介して、ステアリングアーム20に支持されている。
【0017】
図4に示すように、ハンドル本体23は、第1端部26と第2端部27とを含む。第1端部26は、ハンドルブラケット19を介して、ステアリングアーム20に接続されている。第2端部27は、第1端部26の反対側に位置する。第2端部27は、グリップ22に接続されている。
【0018】
図3及び図4に示すように、ステアリングアシストユニット5は、ハウジング31と、ポンプ32と、モータ33と、油圧アクチュエータ34とを含む。図3に示すように、ハウジング31は、本体ケース35とカバー36とを含む。本体ケース35は、ハンドル本体23に接続されている。本体ケース35は、ハンドル本体23に一体化されている。ただし、本体ケース35は、ハンドル本体23と別体であってもよい。
【0019】
ポンプ32とモータ33とは、ハウジング31に収容されている。モータ33は、ポンプ32に接続されている。モータ33は、ポンプ32を駆動する。ポンプ32及びモータ33は、第2端部27よりも第1端部26の近くに配置されている。
【0020】
モータ33は、ポンプ32の上方に配置されている。本体ケース35は、孔37を含む。孔37は、本体ケース35の上面に設けられている。モータ33の一部は、孔37から上方に突出している。ハウジング31は、モータ33のためのカバー36をさらに含む。カバー36は、着脱可能に本体ケース35に取り付けられている。なお、図1及び図4では、カバー36は省略されている。
【0021】
油圧アクチュエータ34は、ポンプ32からの作動油によって駆動される。油圧アクチュエータ34は、船外機3にアシスト操舵力を作用させる。本実施形態において、油圧アクチュエータ34は、油圧シリンダである。油圧アクチュエータ34は、ロッド38とチューブ39とを含む。ロッド38は、船舶1に取り付けられている。チューブ39は、リンク41を介してハンドルブラケット19に接続されている。或いは、チューブ39は、リンク41を介して、ステアリングアーム20又はチラーハンドル4に接続されてもよい。チューブ39は、油圧ホース42,43を介してポンプ32に接続されている。ポンプ32からの作動油によって、チューブ39が左右に移動する。それにより、船外機3を左右に転舵するアシスト操舵力が発生する。
【0022】
ステアリングアシストユニット5は、図5に示すセンサ44と、図3に示すコントローラ45とを含む。図5に示すように、センサ44は、ハンドルブラケット19に取り付けられている。センサ44は、第2回転軸25から離れて配置されている。センサ44は、チラーハンドル4の角度を検出する。センサ44は、チラーハンドル4の変位を検出する位置センサであってもよい。或いは、センサ44は、トルクセンサであってもよい。なお、センサ44は、ステアリングアーム20に設けられてもよい。
【0023】
コントローラ45は、マイクロコンピュータとメモリとを含む。コントローラ45は、図示しない通信線を介して、センサ44と接続されている。コントローラ45は、センサ44から、チラーハンドル4の角度を示す信号を受信する。コントローラ45は、チラーハンドル4の角度に応じて、モータ33を制御する。それにより、油圧アクチュエータ34が、チラーハンドル4の角度に応じたアシスト操舵力を出力するように、制御される。
【0024】
以上説明した本実施形態に係る操船システム2では、ステアリングアシストユニット5によって、チラーハンドル4の操作時にアシスト操舵力を得ることができる。また、ステアリングアシストユニット5において、ポンプ32は、チラーハンドル4に取り付けられている。そのため、ポンプ32が船舶1内に配置される場合と比べて、船舶1内のスペースを狭めてしまうことが抑えられる。
【0025】
ポンプ32は、チラーハンドル4の第2端部27付近に配置されている。そのため、チラーハンドル4を動作させるときの慣性モーメントの増大が抑えられる。それにより、操舵時におけるチラーハンドル4の操作性の低下が抑えられる。また、チラーハンドル4をチルトするときの操作性の低下が抑えられる。
【0026】
ハウジング31には、モータ33に向かい合う位置に孔37が設けられている。そのため、サイズの異なる複数種類のポンプ32及びモータ33から任意に選択したものをハウジング31に配置することができる。そのため、ステアリングアシストユニット5において必要な出力に応じて、適切なポンプ32及びモータ33を選択することができる。
【0027】
孔37及びモータ33は、カバー36によって覆われている。そのため、静粛性を向上することができる。
【0028】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0029】
ステアリングアシストユニット5の構成が変更されてもよい。例えば、図6は、第1変形例に係るステアリングアシストユニット5を示す上面図である。図6に示すように、ステアリングアシストユニット5は、チラーハンドル4と別体であってもよい。ステアリングアシストユニット5は、既製のチラーハンドル4に後付け可能であってもよい。
【0030】
油圧アクチュエータ34は、油圧シリンダに限らず、変更されてもよい。例えば、油圧アクチュエータ34は、油圧モータであってもよい。ポンプ32の配置は変更されてもよい。
【0031】
ハウジング31の構成が変更されてもよい。例えば、ハウジング31の孔37は省略されてもよい。或いは、孔37は、本体ケース35の上面以外の位置に設けられてもよい。例えば、孔37は、本体ケース35の下面に設けられてもよい。その場合、モータ33の一部は、孔37から下方に突出してもよい。或いは、孔37は、本体ケース35の側面に設けられてもよい。その場合、モータ33の一部は、孔37から側方に突出してもよい。モータ33は、孔37から突出していなくてもよい。
【0032】
チラーハンドル4にスイッチが設けられてもよい。モータ33は、操船者によるスイッチの操作に応じて、制御されてもよい。それにより、油圧アクチュエータ34が、スイッチの操作に応じたアシスト操舵力を出力するように、制御されてもよい。
【0033】
センサ44の構成が変更されてもよい。図7は、第2変形例に係るチラーハンドル4及びハンドルブラケット19を示す側面図である。図7に示すように、センサ44は、第2回転軸25と同心に配置されてもよい。
【0034】
図8は、第3変形例に係る操船システム2の一部を示す上面図である。図8に示すように、操船システム2は、位置調整機構51を含んでもよい。位置調整機構51は、支持部52と、左弾性部材53と、右弾性部材54とを含む。支持部52は、チラーハンドル4に接続されている。支持部52は、第2回転軸25よりも後方に位置する。左弾性部材53は、支持部52の左方に配置されている。左弾性部材53は、支持部52の右方に配置されている。左右の弾性部材は、例えばバネである。ただし、左右の弾性部材は、バネに限らず、ゴムなどの他の部材であってもよい。
【0035】
チラーハンドル4が右方に操舵されたときに、左弾性部材53は圧縮され、右弾性部材54は伸長される。チラーハンドル4が左方に操舵されたときに、左弾性部材53は伸長され、右弾性部材54は圧縮される。それにより、チラーハンドル4を中立位置に戻そうとする方向への弾性力がチラーハンドル4に作用する。チラーハンドル4が操作されていないときには、チラーハンドル4を中立位置に戻すことができる。
【0036】
図9は、第4変形例に係る操船システム2の一部を示す上面図である。図9に示すように、位置調整機構51は、スペーサ55をさらに含んでもよい。それにより、中立位置の位置を調整することができる。例えば、図9に示すように、スペーサ55が支持部52の右方に配置されると、中立位置は、中心位置よりも左方に変位する。スペーサ55が支持部52の左方に配置されると、中立位置は、中心位置よりも右方に変位する。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本開示によれば、船舶内のスペースを狭めてしまうことを抑えるとと共に、チラーハンドルの操作時にアシスト操舵力を得ることができる。
【符号の説明】
【0038】
3 船外機
4 チラーハンドル
5 ステアリングアシストユニット
31 ハウジング
32 ポンプ
34 油圧アクチュエータ
33 モータ
37 孔
35 本体ケース
36 カバー
44 センサ
45 コントローラ
22 グリップ
23 ハンドル本体
26 第1端部
27 第2端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9