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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-13
(45)【発行日】2023-09-22
(54)【発明の名称】加熱調理システム
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20230914BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
F24C3/12 S
F24C3/12 E
F24C15/00 M
F24C15/00 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020053013
(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公開番号】P2021152432
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 宏直
(72)【発明者】
【氏名】小島 伸也
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-025942(JP,A)
【文献】特開2019-044978(JP,A)
【文献】特開2019-190746(JP,A)
【文献】特開2017-180890(JP,A)
【文献】特開2017-106692(JP,A)
【文献】特開2019-211149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/12
F24C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動調理を実行可能な加熱調理システムであって、
加熱対象を加熱する加熱部と、
前記加熱部の加熱量を調整するための調整操作を受け付ける調整操作受付部と、
手動調理の開始の指示を受け付ける調理開始指示受付部であって、前記手動調理は、前記加熱対象が前記調整操作によって調整される特定の加熱量で特定の加熱時間だけ加熱されて調理される1個以上の加熱調理工程と、前記加熱部が消火されている状態で前記加熱対象が特定の放置時間だけ放置されて調理される消火調理工程と、を含む、前記調理開始指示受付部と、
前記1個以上の加熱調理工程のうちの最後の加熱調理工程の終了の指示を受け付けるとともに、前記消火調理工程の開始の指示を受け付ける工程開始指示受付部と、
前記手動調理の終了の指示を受け付ける調理終了指示受付部と、
前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記調整操作受付部の前記調整操作に従って、前記加熱部を制御する手動調理制御部であって、前記最後の加熱調理工程が終了する場合に、前記加熱部を消火する、前記手動調理制御部と、
前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記手動調理を示すレシピデータを記憶部に記憶する記憶制御部であって、前記レシピデータに含まれる前記特定の放置時間は、前記工程開始指示受付部が指示を受け付けてから、前記調理終了指示受付部が指示を受け付けるまでの時間を示す、前記記憶制御部と、
前記レシピデータが前記記憶部に記憶された後に、前記自動調理の開始の指示を受け付ける場合に、前記レシピデータに従って、前記加熱部を制御する自動調理制御部と、
を備え、
前記加熱部、前記調整操作受付部、前記調理開始指示受付部、前記工程開始指示受付部、及び、前記手動調理制御部は、加熱調理器に備えられ、
前記調理終了指示受付部は、前記加熱調理器と通信可能な端末装置に備えられる、
加熱調理システム。
【請求項2】
自動調理を実行可能な加熱調理システムであって、
加熱対象を加熱する加熱部と、
前記加熱部の加熱量を調整するための調整操作を受け付ける調整操作受付部と、
手動調理の開始の指示を受け付ける調理開始指示受付部であって、前記手動調理は、前記加熱対象が前記調整操作によって調整される特定の加熱量で特定の加熱時間だけ加熱されて調理される1個以上の加熱調理工程と、前記加熱部が消火されている状態で前記加熱対象が特定の放置時間だけ放置されて調理される消火調理工程と、を含む、前記調理開始指示受付部と、
前記1個以上の加熱調理工程のうちの最後の加熱調理工程の終了後に、前記消火調理工程の開始の指示を受け付ける工程開始指示受付部と、
前記手動調理の終了の指示を受け付ける調理終了指示受付部と、
前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記調整操作受付部の前記調整操作に従って、前記加熱部を制御する手動調理制御部であって、前記最後の加熱調理工程が終了する場合に、前記加熱部を消火する、前記手動調理制御部と、
前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記手動調理を示すレシピデータを記憶部に記憶する記憶制御部であって、前記レシピデータに含まれる前記特定の放置時間は、前記工程開始指示受付部が指示を受け付けてから、前記調理終了指示受付部が指示を受け付けるまでの時間を示す、前記記憶制御部と、
前記レシピデータが前記記憶部に記憶された後に、前記自動調理の開始の指示を受け付ける場合に、前記レシピデータに従って、前記加熱部を制御する自動調理制御部と、
を備え、
前記調理開始指示受付部と、前記工程開始指示受付部と、前記調理終了指示受付部と、は同じ操作部であり、
前記手動調理の開始の指示は、前記操作部に点火操作を実行することであり、
前記最後の加熱調理工程は、前記操作部に消火操作を実行することによって終了し、
前記消火調理工程の開始の指示は、前記消火操作によって前記最後の加熱調理工程が終了した後に、前記操作部に前記点火操作を再び実行することであり、
前記手動調理制御部は、前記点火操作が前記操作部に再び実行される場合に、前記加熱部を点火せず、
前記手動調理の終了の指示は、前記操作部に前記消火操作を再び実行することである、
加熱調理システム。
【請求項3】
自動調理を実行可能な加熱調理システムであって、
加熱対象を加熱する加熱部と、
前記加熱部の加熱量を調整するための調整操作を受け付ける調整操作受付部と、
手動調理の開始の指示を受け付ける調理開始指示受付部であって、前記手動調理は、前記加熱対象が前記調整操作によって調整される特定の加熱量で特定の加熱時間だけ加熱されて調理される1個以上の加熱調理工程と、前記加熱部が消火されている状態で前記加熱対象が特定の放置時間だけ放置されて調理される消火調理工程と、を含む、前記調理開始指示受付部と、
前記1個以上の加熱調理工程のうちの最後の加熱調理工程の終了を指示するタイマと、
前記手動調理の終了の指示を受け付ける調理終了指示受付部と、
前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記調整操作受付部の前記調整操作に従って、前記加熱部を制御する手動調理制御部であって、前記タイマによって前記最後の加熱調理工程の終了が指示される場合に、前記加熱部を消火する、前記手動調理制御部と、
前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記手動調理を示すレシピデータを記憶部に記憶する記憶制御部であって、前記レシピデータに含まれる前記特定の放置時間は、前記タイマによって前記最後の加熱調理工程の終了が指示されてから、前記調理終了指示受付部が指示を受け付けるまでの時間を示す、前記記憶制御部と、
前記レシピデータが前記記憶部に記憶された後に、前記自動調理の開始の指示を受け付ける場合に、前記レシピデータに従って、前記加熱部を制御する自動調理制御部と、
を備える、加熱調理システム。
【請求項4】
自動調理を実行可能な加熱調理システムであって、
加熱対象を加熱する加熱部と、
前記加熱部の加熱量を調整するための調整操作を受け付ける調整操作受付部と、
手動調理の開始の指示を受け付ける調理開始指示受付部であって、前記手動調理は、前記加熱対象が前記調整操作によって調整される特定の加熱量で特定の加熱時間だけ加熱されて調理される1個以上の加熱調理工程と、前記加熱部が消火されている状態で前記加熱対象が特定の放置時間だけ放置されて調理される消火調理工程と、を含み、前記消火調理工程は、前記1個以上の加熱調理工程のうちの第1の加熱調理工程と、前記1個以上の加熱調理工程のうちの第2の加熱調理工程と、の間に実行される、前記調理開始指示受付部と、
前記第1の加熱調理工程の終了を指示するタイマと、
前記第2の加熱調理工程の開始の指示を受け付ける加熱開始指示受付部と、
前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記調整操作受付部の前記調整操作に従って、前記加熱部を制御する手動調理制御部であって、前記タイマによって前記第1の加熱調理工程の終了が指示される場合に、前記加熱部を消火する、前記手動調理制御部と、
前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記手動調理を示すレシピデータを記憶部に記憶する記憶制御部であって、前記レシピデータに含まれる前記特定の放置時間は、前記タイマによって前記第1の加熱調理工程の終了が指示されてから、前記加熱開始指示受付部が指示を受け付けるまでの時間を示す、前記記憶制御部と、
前記レシピデータが前記記憶部に記憶された後に、前記自動調理の開始の指示を受け付ける場合に、前記レシピデータに従って、前記加熱部を制御する自動調理制御部と、
を備える、加熱調理システム。
【請求項5】
自動調理を実行可能な加熱調理システムであって、
加熱対象を加熱する加熱部と、
前記加熱部の加熱量を調整するための調整操作を受け付ける調整操作受付部と、
手動調理の開始の指示を受け付ける調理開始指示受付部であって、前記手動調理は、前記加熱対象が前記調整操作によって調整される特定の加熱量で特定の加熱時間だけ加熱されて調理される1個以上の加熱調理工程と、前記加熱部が消火されている状態で前記加熱対象が特定の放置時間だけ放置されて調理される消火調理工程と、を含む、前記調理開始指示受付部と、
前記特定の放置時間を入力する操作を受け付ける時間入力受付部と、
前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記調整操作受付部の前記調整操作に従って、前記加熱部を制御する手動調理制御部と、
前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記手動調理を示すレシピデータを作成する作成部であって、前記レシピデータは、前記消火調理工程を示すデータとして、前記操作によって入力された前記特定の放置時間を含む、前記作成部と、
記レシピデータを記憶部に記憶する記憶制御部と
前記レシピデータが前記記憶部に記憶された後に、前記自動調理の開始の指示を受け付ける場合に、前記レシピデータに従って、前記加熱部を制御する自動調理制御部と、
を備え
前記加熱部、前記調整操作受付部、前記調理開始指示受付部、前記手動調理制御部、及び、前記作成部は、加熱調理器に備えられ、
前記時間入力受付部は、前記加熱調理器と通信可能な端末装置に備えられる、
加熱調理システム。
【請求項6】
自動調理を実行可能な加熱調理システムのためのコンピュータプログラムであって、
前記加熱調理システムは、
加熱対象を加熱する加熱部と、
前記加熱部の加熱量を調整するための調整操作を受け付ける調整操作受付部と、
手動調理の開始の指示を受け付ける調理開始指示受付部であって、前記手動調理は、前記加熱対象が前記調整操作によって調整される特定の加熱量で特定の加熱時間だけ加熱されて調理される1個以上の加熱調理工程と、前記加熱部が消火されている状態で前記加熱対象が特定の放置時間だけ放置されて調理される消火調理工程と、を含む、前記調理開始指示受付部と、
前記1個以上の加熱調理工程のうちの最後の加熱調理工程の終了の指示を受け付けるとともに、前記消火調理工程の開始の指示を受け付ける工程開始指示受付部と、
前記手動調理の終了の指示を受け付ける調理終了指示受付部と、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、
前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記調整操作受付部の前記調整操作に従って、前記加熱部を制御する手動調理制御部であって、前記最後の加熱調理工程が終了する場合に、前記加熱部を消火する、前記手動調理制御部と、
前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記手動調理を示すレシピデータを記憶部に記憶する記憶制御部であって、前記レシピデータに含まれる前記特定の放置時間は、前記工程開始指示受付部が指示を受け付けてから、前記調理終了指示受付部が指示を受け付けるまでの時間を示す、前記記憶制御部と、
前記レシピデータが前記記憶部に記憶された後に、前記自動調理の開始の指示を受け付ける場合に、前記レシピデータに従って、前記加熱部を制御する自動調理制御部と、
として機能させ、
前記加熱部、前記調整操作受付部、前記調理開始指示受付部、前記工程開始指示受付部、及び、前記手動調理制御部として機能する前記コンピュータは、加熱調理器に備えられ、
前記調理終了指示受付部は、前記加熱調理器と通信可能な端末装置に備えられる、
コンピュータプログラム。
【請求項7】
自動調理を実行可能な加熱調理システムのためのコンピュータプログラムであって、
前記加熱調理システムは、
加熱対象を加熱する加熱部と、
前記加熱部の加熱量を調整するための調整操作を受け付ける調整操作受付部と、
手動調理の開始の指示を受け付ける調理開始指示受付部であって、前記手動調理は、前記加熱対象が前記調整操作によって調整される特定の加熱量で特定の加熱時間だけ加熱されて調理される1個以上の加熱調理工程と、前記加熱部が消火されている状態で前記加熱対象が特定の放置時間だけ放置されて調理される消火調理工程と、を含む、前記調理開始指示受付部と、
前記1個以上の加熱調理工程のうちの最後の加熱調理工程の終了後に、前記消火調理工程の開始の指示を受け付ける工程開始指示受付部と、
前記手動調理の終了の指示を受け付ける調理終了指示受付部と、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、
前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記調整操作受付部の前記調整操作に従って、前記加熱部を制御する手動調理制御部であって、前記最後の加熱調理工程が終了する場合に、前記加熱部を消火する、前記手動調理制御部と、
前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記手動調理を示すレシピデータを記憶部に記憶する記憶制御部であって、前記レシピデータに含まれる前記特定の放置時間は、前記工程開始指示受付部が指示を受け付けてから、前記調理終了指示受付部が指示を受け付けるまでの時間を示す、前記記憶制御部と、
前記レシピデータが前記記憶部に記憶された後に、前記自動調理の開始の指示を受け付ける場合に、前記レシピデータに従って、前記加熱部を制御する自動調理制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項8】
自動調理を実行可能な加熱調理システムのためのコンピュータプログラムであって、
前記加熱調理システムは、
加熱対象を加熱する加熱部と、
前記加熱部の加熱量を調整するための調整操作を受け付ける調整操作受付部と、
手動調理の開始の指示を受け付ける調理開始指示受付部であって、前記手動調理は、前記加熱対象が前記調整操作によって調整される特定の加熱量で特定の加熱時間だけ加熱されて調理される1個以上の加熱調理工程と、前記加熱部が消火されている状態で前記加熱対象が特定の放置時間だけ放置されて調理される消火調理工程と、を含む、前記調理開始指示受付部と、
前記1個以上の加熱調理工程のうちの最後の加熱調理工程の終了を指示するタイマと、
前記手動調理の終了の指示を受け付ける調理終了指示受付部と、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、
前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記調整操作受付部の前記調整操作に従って、前記加熱部を制御する手動調理制御部であって、前記タイマによって前記最後の加熱調理工程の終了が指示される場合に、前記加熱部を消火する、前記手動調理制御部と、
前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記手動調理を示すレシピデータを記憶部に記憶する記憶制御部であって、前記レシピデータに含まれる前記特定の放置時間は、前記タイマによって前記最後の加熱調理工程の終了が指示されてから、前記調理終了指示受付部が指示を受け付けるまでの時間を示す、前記記憶制御部と、
前記レシピデータが前記記憶部に記憶された後に、前記自動調理の開始の指示を受け付ける場合に、前記レシピデータに従って、前記加熱部を制御する自動調理制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項9】
自動調理を実行可能な加熱調理システムのためのコンピュータプログラムであって、
前記加熱調理システムは、
加熱対象を加熱する加熱部と、
前記加熱部の加熱量を調整するための調整操作を受け付ける調整操作受付部と、
手動調理の開始の指示を受け付ける調理開始指示受付部であって、前記手動調理は、前記加熱対象が前記調整操作によって調整される特定の加熱量で特定の加熱時間だけ加熱されて調理される1個以上の加熱調理工程と、前記加熱部が消火されている状態で前記加熱対象が特定の放置時間だけ放置されて調理される消火調理工程と、を含み、前記消火調理工程は、前記1個以上の加熱調理工程のうちの第1の加熱調理工程と、前記1個以上の加熱調理工程のうちの第2の加熱調理工程と、の間に実行される、前記調理開始指示受付部と、
前記第1の加熱調理工程の終了を指示するタイマと、
前記第2の加熱調理工程の開始の指示を受け付ける加熱開始指示受付部と、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、
前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記調整操作受付部の前記調整操作に従って、前記加熱部を制御する手動調理制御部であって、前記タイマによって前記第1の加熱調理工程の終了が指示される場合に、前記加熱部を消火する、前記手動調理制御部と、
前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記手動調理を示すレシピデータを記憶部に記憶する記憶制御部であって、前記レシピデータに含まれる前記特定の放置時間は、前記タイマによって前記第1の加熱調理工程の終了が指示されてから、前記加熱開始指示受付部が指示を受け付けるまでの時間を示す、前記記憶制御部と、
前記レシピデータが前記記憶部に記憶された後に、前記自動調理の開始の指示を受け付ける場合に、前記レシピデータに従って、前記加熱部を制御する自動調理制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項10】
自動調理を実行可能な加熱調理システムのためのコンピュータプログラムであって、
前記加熱調理システムは、
加熱対象を加熱する加熱部と、
前記加熱部の加熱量を調整するための調整操作を受け付ける調整操作受付部と、
手動調理の開始の指示を受け付ける調理開始指示受付部であって、前記手動調理は、前記加熱対象が前記調整操作によって調整される特定の加熱量で特定の加熱時間だけ加熱されて調理される1個以上の加熱調理工程と、前記加熱部が消火されている状態で前記加熱対象が特定の放置時間だけ放置されて調理される消火調理工程と、を含む、前記調理開始指示受付部と、
前記特定の放置時間を入力する操作を受け付ける時間入力受付部と、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、
前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記調整操作受付部の前記調整操作に従って、前記加熱部を制御する手動調理制御部と、
前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記手動調理を示すレシピデータを作成する作成部であって、前記レシピデータは、前記消火調理工程を示すデータとして、前記操作によって入力された前記特定の放置時間を含む、前記作成部と、
記レシピデータを記憶部に記憶する記憶制御部と
前記レシピデータが前記記憶部に記憶された後に、前記自動調理の開始の指示を受け付ける場合に、前記レシピデータに従って、前記加熱部を制御する自動調理制御部と、
として機能させ、
前記加熱部、前記調整操作受付部、前記調理開始指示受付部、前記手動調理制御部として機能する前記コンピュータ、及び、前記作成部として機能する前記コンピュータは、加熱調理器に備えられ、
前記時間入力受付部は、前記加熱調理器と通信可能な端末装置に備えられる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、自動調理を実行可能な加熱調理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、手動調理において加熱装置の火力設定及び調理に要した時間といった調理工程のデータを自動的に記憶する加熱調理器が開示されている。加熱調理器は、記憶済みのデータが呼び出される場合に、呼び出されたデータによって示される調理工程と同じ調理工程で加熱装置を動作させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-10252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かぼちゃの煮物等の特殊な調理は、加熱対象を加熱する加熱調理工程だけでなく、加熱対象が加熱されていない状態で加熱対象が特定の時間だけ放置される消火調理工程を含む場合がある。上記の特許文献1では、このような消火調理工程について何ら考慮されていない。
【0005】
本明細書は、消火調理工程を含む手動調理を示すレシピデータを記憶して、当該調理工程を再現する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
加熱調理システムは、加熱対象を加熱する加熱部と、前記加熱部の加熱量を調整するための調整操作を受け付ける調整操作受付部と、手動調理の開始の指示を受け付ける調理開始指示受付部と、前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記調整操作受付部の前記調整操作に従って、前記加熱部を制御する手動調理制御部と、前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記手動調理を示すレシピデータを記憶部に記憶する記憶制御部であって、前記手動調理は、前記加熱対象が前記調整操作によって調整される特定の加熱量で特定の加熱時間だけ加熱されて調理される1個以上の加熱調理工程と、前記加熱部が消火されている状態で前記加熱対象が特定の放置時間だけ放置されて調理される消火調理工程と、を含む、前記記憶制御部と、前記レシピデータが前記記憶部に記憶された後に、前記自動調理の開始の指示を受け付ける場合に、前記レシピデータに従って、前記加熱部を制御する自動調理制御部と、を備える。
【0007】
このような構成によれば、加熱調理器は、1個以上の加熱調理工程と消火調理工程とを含む手動調理を示すレシピデータを記憶部に記憶する。そして、加熱調理器は、レシピデータが記憶部に記憶された後に、レシピデータに従って加熱部を制御して、自動調理を実行する。以上より、消火調理工程を含む手動調理を示すレシピデータを記憶して、当該手動調理を自動調理によって再現することができる。
【0008】
また、前記手動調理制御部は、前記1個以上の加熱調理工程のうちの最後の加熱調理工程が終了する場合に、前記加熱部を消火し、前記加熱調理システムは、さらに、前記最後の加熱調理工程の終了後に、前記消火調理工程の開始の指示を受け付ける工程開始指示受付部と、前記手動調理の終了の指示を受け付ける調理終了指示受付部と、を備え、前記消火調理工程の前記特定の放置時間は、前記工程開始指示受付部が指示を受け付けてから、前記調理終了指示受付部が指示を受け付けるまでの時間を示
【0009】
例えば、かぼちゃの煮物等の調理では、最後の加熱調理工程が終了した後に、加熱対象を加熱することなく特定の放置時間だけ放置して調理する余熱調理工程を含む場合がある。上記の構成によれば、余熱調理工程を含む手動調理を示すレシピデータを記憶することができる。
【0010】
また、前記工程開始指示受付部は、前記最後の加熱調理工程の終了の指示を受け付けるとともに、前記消火調理工程の開始の指示を受け付け前記加熱部、前記調整操作受付部、前記調理開始指示受付部、工程開始指示受付部、前記調理終了指示受付部、及び、前記手動調理制御部は、加熱調理器に備えられ、前記調理終了指示受付部は、前記加熱調理器と通信可能な端末装置に備えられる。
【0011】
このような構成によれば、最後の加熱調理工程の終了の指示と消火調理工程の開始の指示とを1個の工程開始指示受付部で受け付けることができる。ユーザの利便性が向上する。
【0012】
また、他の態様では、前記調理開始指示受付部と、前記工程開始指示受付部と、前記調理終了指示受付部と、は同じ操作部であり、前記手動調理の開始の指示は、前記操作部に点火操作を実行することであり、前記最後の加熱調理工程は、前記操作部に消火操作を実行することによって終了し、前記消火調理工程の開始の指示は、前記消火操作によって前記最後の加熱調理工程が終了した後に、前記操作部に前記点火操作を再び実行することであり、前記手動調理制御部は、前記点火操作が前記操作部に再び実行される場合に、前記加熱部を点火せず、前記手動調理の終了の指示は、前記操作部に前記消火操作を再び実行することであ
【0013】
このような構成によれば、手動調理の開始の指示、最後の加熱調理工程の終了の指示、消火調理工程の開始の指示、及び、手動調理の終了の指示を1個の同じ操作部で受け付けることができる。ユーザの利便性が向上する。
【0014】
また、他の態様では、前記加熱調理システムは、さらに、前記1個以上の加熱調理工程のうちの最後の加熱調理工程の終了を指示するタイマと、前記手動調理の終了の指示を受け付ける調理終了指示受付部と、を備え、前記手動調理制御部は、前記タイマによって前記最後の加熱調理工程の終了が指示される場合に、前記加熱部を消火し、前記消火調理工程の前記特定の放置時間は、前記タイマによって前記最後の加熱調理工程の終了が指示されてから、前記調理終了指示受付部が指示を受け付けるまでの時間を示
【0015】
このような構成によれば、タイマの指示によって最後の加熱調理工程が終了する場合であっても、余熱調理工程を含む手動調理を示すレシピデータを記憶することができる。
【0016】
また、他の態様では、前記消火調理工程は、前記1個以上の加熱調理工程のうちの第1の加熱調理工程と、前記1個以上の加熱調理工程のうちの第2の加熱調理工程と、の間に実行され前記加熱調理システムは、前記第1の加熱調理工程の終了を指示するタイマと、前記第2の加熱調理工程の開始の指示を受け付ける加熱開始指示受付部と、を備え、前記手動調理制御部は、前記タイマによって前記第1の加熱調理工程の終了が指示される場合に、前記加熱部を消火し、前記レシピデータに含まれる前記特定の放置時間は、前記タイマによって前記第1の加熱調理工程の終了が指示されてから、前記加熱開始指示受付部が指示を受け付けるまでの時間を示す。
【0017】
例えば、ローストポーク等の調理では、第1の加熱調理工程と第2の加熱調理工程との間に、即ち、1個以上の加熱調理工程が完了するまでの途中の段階に途中の消火調理工程が実行される場合がある。上記の構成によれば、途中の消火調理工程を含む手動調理を示すレシピデータを記憶することができる。
【0018】
また、他の態様では、前記加熱調理システムは、さらに、前記特定の放置時間を入力する操作を受け付ける時間入力受付部を備え、前記レシピデータは、前記消火調理工程を示すデータとして、前記操作によって入力された前記特定の放置時間を含前記加熱調理システムは、前記調理開始指示受付部が指示を受け付ける場合に、前記手動調理を示すレシピデータを作成する作成部であって、前記レシピデータは、前記消火調理工程を示すデータとして、前記操作によって入力された前記特定の放置時間を含む、前記作成部を備える。前記加熱部、前記調整操作受付部、前記調理開始指示受付部、前記手動調理制御部、及び、前記作成部は、加熱調理器に備えられ、前記時間入力受付部は、前記加熱調理器と通信可能な端末装置に備えられる。
【0019】
例えば、特定の放置時間は、消火調理工程の開始の指示を受け付けてから消火調理工程の終了の指示を受け付けるまでの時間をカウントすることによって計測することができる。しかし、例えば、ユーザが消火調理工程の終了を指示し忘れると、レシピデータによって示される特定の放置時間が、ユーザが意図する放置時間よりも長くなる可能性がある。これに対して、上記の構成によれば、特定の放置時間は、ユーザによって入力される。従って、ユーザが意図する放置時間をレシピデータとして適切に記憶することができる。
【0020】
上記の加熱調理システムを実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】加熱調理器のブロック図を示す。
図2】加熱調理器を手前側から見た斜視図を示す。
図3】第1実施例に係るレシピデータ生成処理のフローチャートを示す。
図4】第1~第3実施例に係る火力調整時処理のフローチャートを示す。
図5】第1実施例に係るレシピデータ生成処理によって実現される具体的なケースを示す。
図6】第2、第4実施例に係るレシピデータ生成処理のフローチャートを示す。
図7】第2実施例に係るレシピデータ生成処理によって実現される具体的なケースを示す。
図8】第3実施例に係るレシピデータ生成処理のフローチャートを示す。
図9】第3実施例に係るレシピデータ生成処理によって実現される具体的なケースを示す。
図10】第4実施例に係る火力調整時処理のフローチャートを示す。
図11】第4実施例に係るレシピデータ生成処理によって実現される具体的なケースを示す。
図12】第5実施例に係るレシピデータ生成処理のフローチャートを示す。
図13】第5、第6実施例に係る火力調整時処理のフローチャートを示す。
図14】第5実施例に係るレシピデータ生成処理によって実現される具体的なケースを示す。
図15】第6実施例に係るレシピデータ生成処理のフローチャートを示す。
図16】第6実施例に係るレシピデータ生成処理によって実現される具体的なケースを示す。
図17】第7実施例に係るレシピデータ生成処理のフローチャートを示す。
図18】第7実施例に係るレシピデータ生成処理によって実現される具体的なケースを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施例)
(加熱調理器2の構成;図1図2
本実施例の加熱調理器2は、システムキッチンに組み込んで使用されるガス燃焼式のビルトインコンロである。加熱調理器2は、前面4aがシステムキッチンの手前側に露出する本体4と、本体4の上部に配置されており、システムキッチンのカウンタトップに露出する天板6と、を備えている。天板6には、五徳16上の調理容器(例えば鍋)を加熱する3個のコンロバーナ10が設けられている。また、本体4には、グリル8が設けられている。
【0023】
本体4の前面4aにおいてグリル8の右側には、3個のコンロ操作部12と、コンロパネル14と、が設けられている。3個のコンロ操作部12は3個のコンロバーナ10と対応する。コンロ操作部12は、コンロバーナ10の点火及び消火を実行するとともに、コンロバーナ10の加熱量(即ち火力)の調整を実行するための操作部である。コンロ操作部12は、オルタネイト型のスイッチである。ユーザによってコンロ操作部12を消火位置から点火位置に移動させるための操作(以下では、「点火操作」と呼ぶ)が実行されると、コンロバーナ10が点火され、ユーザによってコンロ操作部12を点火位置から消火位置に移動させるための操作(以下では、「消火操作」と呼ぶ)が実行されると、コンロバーナ10が消火される。点火位置とは、コンロ操作部12の前面が本体の前面4aよりも前方に突出している位置であり、消火位置とは、コンロ操作部12が本体4内に収容されている位置である。なお、ユーザは、コンロ操作部12が点火位置に位置している状態において、コンロ操作部12を時計回り又は反時計回りに操作(以下では、「火力調整操作」と呼ぶ)することで、コンロバーナ10の火力を調整することができる。
【0024】
コンロパネル14は、表示部14aと、複数個の操作部14bと、を備える。表示部14aには、コンロバーナ10の動作状態及び自動調理のメニュー(例えば、揚げ物、煮物)などが表示される。また、ユーザは、例えば、複数個の操作部14bのうちのいずれかを操作することで、自動調理の状況を表示部14aに表示させること、及び、後述するタイマ54によってカウントダウンされる時間を入力することができる。
【0025】
本体4の前面4aにおいてグリル8の左側には、グリル操作部22と、グリルパネル24と、が設けられている。グリル操作部22は、グリル8内に設けられているグリルバーナ20の点火及び消火を実行するとともに、グリルバーナ20の火力の調整を実行するための操作部である。グリル操作部22の構成は、コンロバーナ10のコンロ操作部12と同様である。
【0026】
グリルパネル24は、表示部24aと、複数個の操作部24bと、を備える。表示部24aには、グリルバーナ20の動作状態及び自動調理のメニュー(例えば、焼き魚)などが表示される。ユーザは、複数個の操作部24bのうちのいずれかを操作することで、自動調理の状況を表示部24aに表示させることができる。
【0027】
通信インターフェース30は、端末装置100との無線通信を実行するためのインターフェースである。なお、以下では、「インターフェース」を「I/F」と記載する。通信I/F30は、例えば、Bluetooth(登録商標)方式に従った無線通信を実行するためのI/Fである。なお、変形例では、通信I/F30は、Bluetooth方式とは異なる他の無線通信方式(例えば、Wi-Fi方式等)に従った無線通信を実行するためのI/Fであってもよい。また、他の変形例では、通信I/F30は、端末装置100との有線通信を実行するためのI/Fであってもよい。
【0028】
また、加熱調理器2は、制御部50を備える。制御部50は、メモリ52と、タイマ54と、を備える。メモリ52は、プログラム60を記憶する。
【0029】
制御部50は、メモリ52内のプログラム60に従って、加熱調理器2の動作を制御する。例えば、制御部50は、ユーザによってコンロ操作部12が操作されることに応じて、コンロバーナ10に接続されているガス供給路(図示省略)の流量調整弁(図示省略)の開度を調整する。また、制御部50は、メモリ52内のプログラム60に従って、端末装置100からレシピデータ162を受信して、レシピデータ162によって示される工程に沿って、流量調整弁の開度を調整する。これにより、自動調理が実行される。また、制御部50は、タイマ54からカウントダウンが終了したことを示す信号を取得する場合に、流量調整弁を閉じる。これにより、コンロバーナ10が自動的に消火される。
【0030】
(端末装置100の構成;図1
端末装置100は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC等の可搬型の端末である。なお、変形例では、端末装置100は、デスクトップPC等の据置型の端末であってもよい。
【0031】
端末装置100は、通信I/F130と、メモリ152と、を備える。通信I/F130は、加熱調理器2との無線通信を実行するためのインターフェースである。メモリ152は、調理アプリ160と、レシピデータ162と、を記憶する。レシピデータ162は、自動調理の全工程を示すデータである。レシピデータ162は、後述するレシピデータ生成処理(図3参照)によって生成されて、メモリ152に記憶される。
【0032】
調理アプリ160は、加熱調理器2のベンダによって提供されるアプリケーションプログラムである。端末装置100は、調理アプリ160に従って、メモリ152内のレシピデータ162を加熱調理器2に送信する。これにより、加熱調理器2は、レシピデータ162に従った自動調理を実行する。また、端末装置100は、調理アプリ160に従って、後述するレシピデータ生成処理(図3参照)を加熱調理器2に開始させるための開始指示を加熱調理器2に送信する。
【0033】
(レシピデータ生成処理;図3
図3を参照して、加熱調理器2の制御部50がプログラム60に従って実行するレシピデータ生成処理について説明する。レシピデータ生成処理は、コンロバーナ10を利用する手動調理の開始から当該手動調理の終了までの複数個の調理工程(即ち手動調理)を示すレシピデータ162を生成して端末装置100のメモリ152に記憶するための処理である。即ち、手動調理の複数個の調理工程を自動調理として再現するためのレシピデータ162が生成される。ここで、手動調理は、加熱対象(例えば鍋)が特定の加熱量(即ち火力)で特定の加熱時間だけ加熱されて調理される1個以上の加熱調理工程と、コンロバーナ10が消火されている状態で加熱対象が特定の放置時間だけ放置されて調理される消火調理工程と、を含む。例えば、かぼちゃの煮物等の調理では、最後の加熱調理工程が終了した後に、加熱対象を加熱することなく特定の放置時間だけ放置して調理する余熱調理工程を含む場合がある。上記の消火調理工程は、例えば、余熱調理工程である。
【0034】
図3の処理は、通信I/F30を介して、端末装置100から開始指示を受信することをトリガとして開始される。
【0035】
S10では、制御部50は、コンロ操作部12に点火操作が実行されることを監視する。制御部50は、コンロ操作部12に点火操作が実行される場合(S10でYES)に、S20において、後述する火力調整時処理(図4参照)を実行する。火力調整時処理は、上記の1個以上の加熱調理工程を自動的に検知して、1個以上の加熱調理工程を示す1個以上の工程データを加熱調理器2のメモリ52に記憶するための処理である。詳しくは後述するが、S20の火力調整時処理は、コンロ操作部12に消火操作が実行される場合(即ち1個以上の加熱調理工程の全てが終了する場合)に、終了する。
【0036】
次いで、S22では、制御部50は、火力調整時処理が終了したタイミングからの経過時間のカウント(即ちカウントアップ)を開始する。これにより、余熱調理工程における特定の放置時間のカウントが開始される。
【0037】
S24では、制御部50は、通信I/F30を介して、端末装置100から余熱終了通知を受信することを監視する。余熱終了通知は、余熱調理工程が終了するタイミングを加熱調理器2に通知するための信号である。余熱終了通知は、例えば、端末装置100において手動調理が終了したことを指示するボタンが選択される場合に、端末装置100によって加熱調理器2に送信される。
【0038】
制御部50は、端末装置100から余熱終了通知を受信する場合(S24でYES)に、S26に進む。S26では、制御部50は、現在のカウント値(例えば60分)を余熱調理工程の放置時間として決定し、余熱調理工程の工程データをメモリ52に記憶する。余熱調理工程の工程データは、消火を示す値「0」と、決定済みの放置時間と、を含む。
【0039】
S40では、制御部50は、S22の火力調整時処理においてメモリ52に記憶された1個以上の加熱調理工程を示す1個以上の工程データとS26で記憶された余熱調理工程の工程データとを組み合わせて、S10の点火操作によって開始された手動調理を再現するためのレシピデータ162を生成する。
【0040】
S42では、制御部50は、通信I/F30を介して、生成済みのレシピデータ162を端末装置100に送信する。これにより、レシピデータ162が端末装置100のメモリ152に記憶される。S42の処理が終了すると、図3の処理が終了する。
【0041】
(火力調整時処理;図4
図4を参照して、火力調整時処理について説明する。S50において、制御部50は、工程番号nを「1」に設定する。工程番号nは、加熱調理工程の順番を示す。
【0042】
S52では、制御部50は、一定の火力が所定時間(例えば2秒)だけ継続しているのか否かを監視する。例えば、制御部50は、コンロ操作部12において火力調整操作が実行されてから、次の火力調整操作が実行されることなく、所定時間が経過する場合に、一定の火力が所定時間だけ継続していると判断する。制御部50は、一定の火力が所定時間(例えば2秒)だけ継続していると判断する場合(S52でYES)に、S54に進む。
【0043】
S54では、制御部50は、一定の火力による加熱調理工程が開始したタイミング(即ちS52でYESと判断されたタイミング)からの経過時間のカウントを開始する。なお、制御部50は、現在のカウント値を表示部14aに表示してもよい。これにより、ユーザは、現在の加熱調理工程の継続時間を知ることができる。
【0044】
S56では、制御部50は、コンロバーナ10の火力が変更されるのか否かを判断する。例えば、制御部50は、コンロ操作部12において火力調整操作が実行される場合に、コンロバーナ10の火力が変更されたと判断する。制御部50は、コンロバーナ10の火力が変更されたと判断する場合(S56でYES)に、S58に進む。
【0045】
S58では、制御部50は、現在のカウント値(例えば5分)を工程番号nの加熱調理工程の加熱時間に決定し、工程番号nの加熱調理工程を示す工程データをメモリ52に記憶する。当該工程データは、変更前の火力を示す値と、決定済みの加熱時間と、を含む。例えば、火力を示す値は、「弱火」、「中火」、「強火」である。また、例えば、火力を示す値は、段階的な値である「1」から「10」のいずれかの値であってもよい。この場合、値「1」は最も小さい火力を示し、値「10」は最も大きい火力を示す。
【0046】
S60では、制御部50は、工程番号nを「1」だけインクリメントする。そして、S52の監視(即ち、一定の火力の継続の監視)に戻る。
【0047】
また、制御部50は、コンロバーナ10の火力が変更されていないと判断する場合(S56でNO)に、S90において、コンロ操作部12において消火操作が実行されるのか否かを判断する。制御部50は、コンロ操作部12において消火操作が実行されていないと判断する場合(S90でNO)に、S56の判断(即ち、火力の変更の判断)に戻る。
【0048】
また、制御部50は、コンロ操作部12において消火操作が実行されたと判断する場合(S90でYES)に、S94に進む。なお、消火操作が実行されることは、消火操作が実行される前の加熱調理工程が最後の加熱調理工程であることを意味する。別言すれば、消火操作は、最後の加熱調理工程の終了の指示を意味する。
【0049】
S94では、制御部50は、現在のカウント値(例えば5分)を最後の加熱調理工程の加熱時間に決定し、最後の加熱調理工程を示す工程データをメモリ52に記憶する。当該工程データは、変更前の火力を示す値(例えば「2」、「中火」等)と、決定済みの加熱時間と、を含む。S94の処理が終了すると、図4の処理が終了する。
【0050】
(具体的なケース;図5
図5を参照して、図3のレシピデータ生成処理によって実現される具体的なケースについて説明する。
【0051】
端末装置100は、ユーザから調理アプリ160を起動するための操作を受け付けると、T10において、調理アプリ160を起動して、操作画面を表示する。
【0052】
ユーザは、端末装置100の操作画面において、レシピデータ生成処理を加熱調理器2に開始させるためボタンを選択する。これにより、端末装置100は、T12において、通信I/F130を介して、開始指示を加熱調理器2に送信する。
【0053】
加熱調理器2は、T12において、端末装置100から開始指示を受信すると、レシピデータ生成処理を開始する。例えば、加熱調理器2は、レシピデータ生成処理を開始することを示すメッセージを表示部14aに表示する。ユーザは、当該メッセージを見て、T20において、手動調理を開始するための点火操作をコンロ操作部12に実行する(図3のS10でYES)。本ケースの手動調理は、火力F1(例えば火力「1」)で加熱時間t1だけ加熱対象を加熱する第1の加熱調理工程と、火力F2(例えば火力「5」)で加熱時間t2だけ加熱対象を加熱する第2の加熱調理工程と、火力F3(例えば火力「8」)で加熱時間t3だけ加熱対象を加熱する第3の加熱調理工程と、第3の加熱調理工程の後に放置時間t4だけ加熱対象を放置する余熱調理工程と、を含む。
【0054】
T20では、さらに、ユーザは、火力調整操作をコンロ操作部12に実行して、コンロバーナ10の火力を火力F1に調整する。ここで、加熱調理器2は、一定の火力F1が所定時間だけ継続していると判断して(図4のS52でYES)、カウントを開始する(S54)。
【0055】
次いで、T24において、ユーザは、T22のカウントの開始から加熱時間t1の経過後に、火力調整操作をコンロ操作部12に実行して、コンロバーナ10の火力を火力F1から火力F2に変更する。即ち、第1の加熱調理工程が終了する。ここで、加熱調理器2は、コンロバーナ10の火力が変更されたと判断する(S56でYES)。
【0056】
T26では、加熱調理器2は、工程番号n=1の第1の加熱調理工程を示す工程データをメモリ52に記憶する(S58)。当該工程データは、火力F1と加熱時間t1とを含む。
【0057】
T32からT36は、工程番号n=2の第2の加熱調理工程に対応し、T42からT46は、工程番号n=3の第3の加熱調理工程に対応する。即ち、加熱調理器2は、T36において、火力F2と加熱時間t2とを含む工程データ(即ち、第2の加熱調理工程を示す工程データ)をメモリ52に記憶し、T46において、火力F3と加熱時間t3とを含む工程データ(即ち、第3の加熱調理工程を示す工程データ)をメモリ52に記憶する。ここで、第3の加熱調理工程において、ユーザは、T44において、消火操作をコンロ操作部12に実行して、コンロバーナ10を消火する(図4のS90でYES)。これにより、第3の加熱調理工程が終了する。そして、加熱調理器2は、T52において、余熱調理工程のためのカウントを開始する(図3のS22)。
【0058】
次いで、ユーザは、T60において、T52のカウントの開始から放置時間t4の経過後に、端末装置100の操作画面において、手動調理が終了したことを指示するボタンを選択する。これにより、端末装置100は、T62において、通信I/F130を介して、余熱終了通知を加熱調理器2に送信する。
【0059】
加熱調理器2は、T62において、端末装置100から余熱終了通知を受信すると(図3のS24でYES)、T66において、火力「0」と放置時間t4とを含む工程データ(即ち、余熱調理工程を示す工程データ)をメモリ52に記憶する(S26)。
【0060】
T70では、加熱調理器2は、第1~第3の加熱調理工程を示す3個の工程データと余熱調理工程を示す工程データとを組み合わせて、レシピデータ162を生成する(S40)。
【0061】
T72では、加熱調理器2は、生成済みのレシピデータ162を端末装置100に送信する(S42)。これにより、端末装置100は、T74において、レシピデータ162をメモリ152に記憶する。
【0062】
端末装置100のメモリ152に記憶されたレシピデータ162は、編集可能である。例えば、ユーザは、特定の加熱調理工程の実行中に実行すべき動作を示す音声(例えば「具材をかき混ぜて下さい」)をレシピデータ162に追加することができる。また、ユーザは、加熱調理工程と次の加熱調理工程の間に実行すべき動作を示す音声(例えば「具材を投入して下さい」)をレシピデータ162に追加することができる。また、ユーザは、レシピデータ162内の値(例えば加熱調理工程の火力と加熱時間、並びに、消火調理工程の放置時間)を変更することができる。
【0063】
次いで、第1~第3の加熱調理工程と余熱調理工程とを含む調理を再現するために、ユーザは、T80において、端末装置100の操作画面において、複数個のレシピデータの中からレシピデータ162を選択する。これにより、端末装置100は、T82において、レシピデータ162を加熱調理器2に送信する。
【0064】
加熱調理器2は、T82において、端末装置100からレシピデータ162を受信すると、T84において、レシピデータ162に従ってコンロバーナ10を制御して、第1~第3の加熱調理工程と余熱調理工程とを含む自動調理を実行する。
【0065】
このような構成によれば、加熱調理器2は、第1~第3の加熱調理工程と余熱調理工程とを含む手動調理を示すレシピデータ162を端末装置100のメモリ152に記憶することができる(図5のT74)。これにより、余熱調理工程を含む手動調理を示すレシピデータ162を記憶して、当該手動調理を自動調理によって再現することができる。
【0066】
また、上記の構成によれば、消火操作をコンロ操作部12に実行することにより、第3の加熱調理工程(即ち、最後の加熱調理工程)が終了する。そして、加熱調理器2は、消火操作がコンロ操作部12に実行されることに応じて、余熱調理工程のためのカウントを開始する(T52)。即ち、最後の加熱調理工程の終了の指示と余熱調理工程の開始の指示とを同じコンロ操作部12で受け付けることができる。ユーザの利便性が向上する。
【0067】
(対応関係)
加熱調理器2及び端末装置100を含むシステムが、「加熱調理システム」の一例である。コンロバーナ10が、「加熱部」の一例である。コンロ操作部12が、「調整操作受付部」及び「調理開始指示受付部」の一例である。制御部50が、「手動調理制御部」及び「自動調理制御部」の一例である。レシピデータ162、メモリ152が、それぞれ、「レシピデータ」、「記憶部」の一例である。第1~第3の加熱調理工程が、「1個以上の加熱調理工程」の一例である。余熱調理工程が、「消火調理工程」及び「余熱調理工程」の一例である。図5のT44において消火操作を受け付けるコンロ操作部12が、「工程開始指示受付部」の一例である。図5のT60の端末装置100の操作画面内のボタンが、「調理終了指示受付部」の一例である。
【0068】
(第2実施例)
本実施例は、余熱調理工程の開始のトリガと余熱調理工程の終了のトリガが異なる点を除いて、第1実施例と同様である。本実施例では、コンロパネル14内の複数個の操作部14bの中に、余熱調理工程の開始を指示するための余熱工程開始ボタンと、余熱調理工程の終了を指示するための余熱工程終了ボタンと、が含まれる。ここで、余熱調理工程の終了を指示することは、手動調理の終了を指示することを意味する。なお、余熱工程開始ボタンと余熱工程終了ボタンは、互いに異なるボタンであってもよいし、同じボタンであってもよい。
【0069】
(レシピデータ生成処理;図6
図6を参照して、本実施例に係るレシピデータ生成処理について説明する。S100、S120は、図3のS10、S20と同様である。
【0070】
S122では、制御部50は、S120の火力調整時処理が終了してから所定の待機時間(例えば10秒)が経過したのか否かを判断する。制御部50は、火力調整時処理が終了してから所定の待機時間が経過していないと判断する場合(S122でNO)に、S124に進む。
【0071】
S124では、制御部50は、複数個の操作部14bの中の余熱工程開始ボタンが選択されたのか否かを判断する。制御部50は、余熱工程開始ボタンが選択されていないと判断する場合(S124でNO)に、S122の判断(即ち、待機時間の経過の判断)に戻る。一方、制御部50は、余熱工程開始ボタンが選択されたと判断する場合(S124でYES)に、S132に進む。S132は、図3のS22と同様である。即ち、余熱調理工程における特定の放置時間のカウントが開始される。
【0072】
S134では、制御部50は、複数個の操作部14bの中の余熱工程終了ボタンが選択されたのか否かを監視する。制御部50は、余熱工程終了ボタンが選択さる場合(S134でYES)に、S136に進む。S136は、図3のS26と同様である。S136の処理が終了すると、S140に進む。
【0073】
また、制御部50は、火力調整時処理が終了してから、余熱工程開始ボタンが選択されることなく、所定の待機時間が経過したと判断する場合(S122でYES)に、S124~S136の処理をスキップして、S140に進む。
【0074】
S140では、制御部50は、S100の点火操作によって開始された手動調理を再現するためのレシピデータ162を生成する。ここで、待機時間内に余熱工程開始ボタンが選択される場合(S124でYES)には、レシピデータ162は、S122の火力調整時処理においてメモリ52に記憶された1個以上の加熱調理工程を示す1個以上の工程データとS136で記憶された余熱調理工程の工程データとを組み合わせて生成される。一方、待機時間内に余熱工程開始ボタンが選択されない場合(S122でYES)には、レシピデータ162は、S122の火力調整時処理においてメモリ52に記憶された1個以上の加熱調理工程を示す1個以上の工程データのみから生成される。続くS142は、図3のS42と同様である。S142の処理が終了すると、図6の処理が終了する。
【0075】
(具体的なケース;図7
図7を参照して、図6のレシピデータ生成処理によって実現される具体的なケースについて説明する。
【0076】
T100~T146は、図5のT10~T46と同様である。即ち、第1~第3の加熱調理工程が実行され、第1~第3の加熱調理工程を示す3個の工程データがメモリ52に記憶される。
【0077】
次いで、ユーザは、T150において、加熱調理器2のコンロパネル14の複数個の操作部14bの中の余熱工程開始ボタンを選択する(図6のS124でYES)。これにより、加熱調理器2は、T152において、余熱調理工程のためのカウントを開始する(S132)。
【0078】
次いで、ユーザは、T154において、T152のカウントの開始から放置時間t4の経過後に、複数個の操作部14bの中の余熱工程終了ボタンを選択する(S134でYES)。これにより、加熱調理器2は、T156において、火力「0」と放置時間t4とを含む工程データ(即ち、余熱調理工程を示す工程データ)をメモリ52に記憶する(S136)。T170~T174は、図5のT70~T74と同様である。
【0079】
このような構成でも、第1実施例と同様に、余熱調理工程を含む手動調理を示すレシピデータ162を記憶して、当該手動工程を自動調理によって再現することができる。
【0080】
(対応関係)
余熱工程開始ボタン、余熱工程終了ボタンが、それぞれ、「工程開始指示受付部」、「調理終了指示受付部」の一例である。
【0081】
(第3実施例)
本実施例は、余熱調理工程の開始の指示を受け付けるボタンと余熱調理工程の終了の指示を受け付けるボタンが第2実施例と異なる点を除いて、第2実施例と同様である。
【0082】
(レシピデータ生成処理;図8
図8を参照して、本実施例に係るレシピデータ生成処理について説明する。S200~S222は、図6のS100~S122と同様である。
【0083】
S224では、制御部50は、所定の待機時間が経過する前に(S222でNO)、コンロ操作部12に点火操作が実行されたのか否かを判断する。制御部50は、所定の待機時間が経過する前に、コンロ操作部12に点火操作が実行されていないと判断する場合(S224でNO)に、S222の判断(即ち、待機時間の経過の判断)に戻る。一方、制御部50は、所定の待機時間が経過する前に、コンロ操作部12に点火操作が実行されたと判断する場合(S224でYES)に、コンロバーナ10を点火することなく、S232に進む。即ち、所定の待機時間が経過する前に点火操作を受け付けることによって、余熱調理工程の開始の指示を受け付ける。S232は、図6のS132と同様である。
【0084】
次いで、S234では、制御部50は、コンロ操作部12に消火操作が実行されたのか否かを監視する。制御部50は、消火操作が実行される場合(S234でYES)に、S236に進む。即ち、消火操作を受け付けることによって、余熱調理工程の終了の指示を受け付ける。
【0085】
S236~S242は、図6のS136~S142と同様である。S242の処理が終了すると、図8の処理が終了する。
【0086】
(具体的なケース;図9
図9を参照して、図8のレシピデータ生成処理によって実現される具体的なケースについて説明する。
【0087】
T200~T246は、図7のT100~T146と同様である。即ち、第1~第3の加熱調理工程が実行され、第1~第3の加熱調理工程を示す3個の工程データがメモリ52に記憶される。
【0088】
次いで、ユーザは、T250において、加熱調理器2のコンロ操作部12において点火操作を実行する(図8のS224でYES)。この際、加熱調理器2は、コンロバーナ10を点火しない。そして、加熱調理器2は、T252において、余熱調理工程のためのカウントを開始する(S232)。
【0089】
次いで、ユーザは、T254において、T252のカウントの開始から放置時間t4の経過後に、コンロ操作部12において消火操作を実行する(S234でYES)。これにより、加熱調理器2は、T256において、余熱調理工程を示す工程データをメモリ52に記憶する(S236)。T270~T274は、図7のT170~T174と同様である。
【0090】
このような構成でも、第1実施例と同様に、余熱調理工程を含む手動調理を示すレシピデータ162を記憶して、当該手動調理を自動調理によって再現することができる。
【0091】
また、このような構成によれば、手動調理の開始の指示、最後の加熱調理工程の終了の指示、余熱調理工程の開始の指示、及び、手動調理の終了の指示(即ち余熱調理工程の終了の指示)を1個の同じコンロ操作部12で受け付けることができる。ユーザの利便性が向上する。
【0092】
(対応関係)
コンロ操作部12が、「操作部」の一例である。さらに、コンロ操作部12が、「工程開始指示受付部」及び「調理終了指示受付部」の一例である。
【0093】
(第4実施例)
例えば、ローストポーク等の調理では、第1の加熱調理工程と第2の加熱調理工程との間に、即ち、全ての加熱調理工程が完了するまでの途中の段階に途中の消火調理工程が実行される場合がある。第4実施例は、途中の消火調理工程を含む手動調理工程を示すレシピデータを記憶するための一態様を示す。
【0094】
第4実施例は、第2実施例の変形例である。本実施例では、コンロパネル14内の複数個の操作部14bは、余熱工程開始ボタンと余熱工程終了ボタンとに加えて、消火工程開始ボタンと消火工程終了ボタンとを含む。消火工程開始ボタンは、途中の消火調理工程の開始を指示するためボタンであり、消火工程終了ボタンは、途中の消火調理工程の終了を指示するためボタンである。なお、消火工程開始ボタンと消火工程終了ボタンは、互いに異なるボタンであってもよいし、同じボタンであってもよい。
【0095】
また、本実施例のレシピデータ生成処理は、火力調整時処理の内容が異なる点を除いて、第2実施例のレシピデータ生成処理(図6参照)と同様である。
【0096】
(火力調整時処理;図10
図10を参照して、本実施例に係る火力調整時処理について説明する。S350~S360は、図4のS50~S60と同様である。
【0097】
制御部50は、コンロバーナ10の火力が変更されていないと判断する場合(S356でNO)に、S370において、複数個の操作部14bの中の消火工程開始ボタンが選択されたのか否かを判断する。制御部50は、消火工程開始ボタンが選択されたと判断する場合(S370でYES)に、S372に進む。S372は、S358と同様である。即ち、制御部50は、途中の消火調理工程の直前の加熱調理工程を示す工程データをメモリ52に記憶する。S374では、制御部50は、工程番号nを「1」だけインクリメントする。
【0098】
S376では、制御部50は、コンロバーナ10を消火する。これにより、途中の消火調理工程が開始される。
【0099】
S378では、制御部50は、消火工程開始ボタンが選択されたタイミングからの経過時間のカウントを開始する。これにより、途中の消火調理工程における特定の放置時間のカウントが開始される。
【0100】
S380では、制御部50は、複数個の操作部14bの中の消火工程終了ボタンが選択されたのか否かを監視する。制御部50は、消火工程終了ボタンが選択される場合(S380でYES)に、S382に進む。
【0101】
S382では、制御部50は、現在のカウント値(例えば60分)を途中の消火調理工程の放置時間として決定し、途中の消火調理工程の工程データをメモリ52に記憶する。なお、途中の消火調理工程の工程データは、工程番号nの工程データとしてメモリ52に記憶される。途中の消火調理工程の工程データは、消火を示す値「0」と、決定済みの放置時間と、を含む。
【0102】
S384では、制御部50は、コンロバーナ10を再び点火する。S386は、S374と同様である。S386が終了すると、S352の監視(即ち、一定の火力の継続の監視)に戻る。
【0103】
また、制御部50は、消火工程開始ボタンが選択されていない場合(S370でNO)に、S390に進む。S390、S394は、図4のS90、S94と同様である。S394の処理が終了すると、図4の処理が終了する。
【0104】
(具体的なケース;図11
図11を参照して、図10の火力調整時処理を含むレシピデータ生成処理によって実現される具体的なケースについて説明する。本ケースでは、第1及び第2の加熱調理工程の後に、途中の消火調理工程が実行され、途中の消火調理工程の後に第3の加熱調理工程が実行される。本ケースでは、余熱調理工程は実行されない。
【0105】
T300~T332は、図7のT100~T132と同様である。T334では、ユーザは、加熱調理器2のコンロパネル14の複数個の操作部14bの中の消火工程開始ボタンを選択する(図10のS370でYES)。T336は、図7のT136と同様である。即ち、第1及び第2の加熱調理工程が実行され、第1及び第2の加熱調理工程を示す2個の工程データ(工程番号n=1、2)がメモリ52に記憶される。
【0106】
T342では、加熱調理器2は、コンロバーナ10を消火して(S376)、途中の消火調理工程のためのカウントを開始する(S378)。
【0107】
次いで、ユーザは、T344において、T342のカウントの開始から放置時間t5の経過後に、複数個の操作部14bの中の消火工程終了ボタンを選択する(S380でYES)。これにより、加熱調理器2は、T346において、火力「0」と放置時間t5とを含む工程データ(即ち、途中の消火調理工程を示す工程データ(工程番号n=3))をメモリ52に記憶し(S382)、コンロバーナ10を再び点火する(S384)。
【0108】
T352からT356は、工程番号n=4の第3の加熱調理工程に対応する。即ち、加熱調理器2は、T356において、火力F3と加熱時間t3とを含む工程データ(即ち、途中の消火調理工程の後の第3の加熱調理工程を示す工程データ)をメモリ52に記憶する(S394)。
【0109】
本ケースでは、余熱調理工程が実行されない。このため、加熱調理器2は、余熱工程開始ボタンが選択されることなく、火力調整時処理が終了してから所定の待機時間が経過したと判断する(図6のS122でYES)。そして、T370では、加熱調理器2は、第1及び第2の加熱調理工程、途中の消火調理工程、及び、第3の加熱調理工程を示す4個の工程データを組み合わせて、レシピデータ162を生成する(S140)。T372~T374は、図7のT172~T174と同様である。
【0110】
なお、途中の消火調理工程を含む手動調理がレシピデータ162による自動調理によって再現される場合には、途中の消火調理工程の終了後にコンロバーナ10を点火する制御が実行される。この際、加熱調理器2は、コンロバーナ10を点火する前に、コンロバーナ10を点火することを示す音声を出力し、その後に、ユーザからの操作を受け付けることなくコンロバーナ10を自動的に点火する。なお、変形例では、加熱調理器2は、途中の消火調理工程の終了後に、点火操作の実行をユーザに促すための音声を出力し、点火操作の実行に応じてコンロバーナ10を点火してもよい。また、他の変形例では、加熱調理器2は、途中の消火調理工程の終了後にユーザからの操作を受け付けることなく、コンロバーナ10を自動的に点火してもよい。
【0111】
このような構成によれば、途中の消火調理工程を含む手動調理を示すレシピデータ162を記憶することができる。また、第4実施例のレシピ生成処理では、途中の消火調理工程だけでなく、余熱調理工程も含む調理工程を考慮したレシピデータ162を生成することもできる。様々なタイミングで実行される消火調理工程を考慮したレシピデータ162を生成可能なことにより、様々な調理に対応した様々なレシピデータ162を生成することができる。ユーザの利便性が向上する。
【0112】
(対応関係)
図11における第2の加熱調理工程(工程番号n=2)、第3の加熱調理工程(工程番号n=4)が、それぞれ、「第1の加熱調理工程」、「第2の加熱調理工程」の一例である。途中の消火調理工程(工程番号n=3)が、「消火調理工程」の一例である。
【0113】
(第5実施例)
第1実施例では、消火操作により最後の加熱調理工程が終了する。これに代えて、第5実施例では、タイマ54のカウントダウンが終了することにより最後の加熱調理工程が終了する。これに伴い、本実施例では、余熱調理工程の開始のトリガと余熱調理工程の終了のトリガが第1実施例と異なる。なお、本実施例は、これら異なる点を除いて、第1実施例と同様である。
【0114】
上記したように、コンロバーナ10が点火されている状態でタイマ54のカウントダウンが終了すると、コンロバーナ10が消火される。この際、コンロ操作部12は点火位置に維持される。
【0115】
(レシピデータ生成処理;図12
図12を参照して、本実施例に係るレシピデータ生成処理について説明する。S400は、図3のS10と同様である。S410では、制御部50は、タイマ54によるカウントダウンを開始する。カウントダウンされる時間は、S410の処理が実行されるタイミングでユーザによって入力される。なお、変形例では、カウントダウンされる時間は、図12の処理が開始される前にユーザによって入力されてもよい。例えば、カウントダウンされる時間は、端末装置100に入力され、当該時間は、端末装置100から受信される開始指示に含まれていてもよい。
【0116】
S420では、制御部50は、後述する火力調整時処理(図13参照)を実行する。詳しくは後述するが、S420の火力調整時処理は、タイマ54によるカウントダウンが終了する場合(即ち1個以上の加熱調理工程の全てが終了する場合)に、終了する。
【0117】
続くS422は、図3のS22と同様である。S424では、制御部50は、コンロ操作部12に消火操作が実行されることを監視する。上記したように、タイマ54によるカウントダウンが終了する場合に、コンロ操作部12は点火位置に維持されている。即ち、S420の火力調整時処理が終了した後のS424の段階において、コンロ操作部12は点火位置に維持されている。このため、コンロ操作部12は、現時点に消火操作を受け付けることができる。ユーザは、消火操作を実行して、余熱調理工程が終了したことを加熱調理器2に知らせることができる。例えば、余熱調理工程が終了したことを加熱調理器2に知らせるための専用のボタンをコンロ操作部12とは別に設ける比較例が想定される。本実施例は、この比較例のような専用のボタンを設ける必要がないので、余熱調理工程の終了の指示を簡易な構成で実現することができる。また、ユーザは、扱い慣れた消火操作を実行するだけでよい。ユーザの利便性が向上する。なお、変形例では、比較例の構成を採用してもよい。
【0118】
制御部50は、消火操作が実行される場合(S424でYES)に、S426に進む。S426~S440は、図3のS26~S42と同様である。
【0119】
(火力調整時処理;図13
図13を参照して、本実施例に係る火力調整時処理について説明する。S450~S460は、図4のS50~S60と同様である。
【0120】
S490では、制御部50は、タイマ54からカウントダウンが終了したことを示す信号を取得するのか否かを判断する。制御部50は、タイマ54からカウントダウンが終了したことを示す信号を取得していないと判断する場合(S490でNO)に、S456の判断(即ち、火力の変更の判断)に戻る。
【0121】
また、制御部50は、タイマ54からカウントダウンが終了したことを示す信号を取得したと判断する場合(S490でYES)に、S492に進む。S492では、制御部50は、コンロバーナ10を消火する。続くS494は、図4のS94と同様である。S494の処理が終了すると、図13の処理が終了する。
【0122】
(具体的なケース;図14
図14を参照して、図12のレシピデータ生成処理によって実現される具体的なケースについて説明する。
【0123】
T400、T412は、図5のT10、T12と同様である。T420では、ユーザは、手動調理を開始するための点火操作をコンロ操作部12に実行する(図12のS400でYES)。さらに、T420では、ユーザは、複数個の操作部14bのいずれかを操作して、タイマ54によってカウントダウンされる時間を入力する。これにより、加熱調理器2は、タイマ54によるカウントダウンを開始する(S410)。さらに、T420では、ユーザは、火力調整操作をコンロ操作部12に実行して、コンロバーナ10の火力を火力F1に調整する(S452でYES)。
【0124】
T422~T442は、図5のT22~T42と同様である。T444では、加熱調理器2は、タイマ54からカウントダウンが終了したことを示す信号を取得したと判断する(図13のS490でYES)。そして、加熱調理器2は、コンロバーナ10を消火する(S492)。これにより、第3の加熱調理工程が終了する。T446は、図5のT46と同様である(S494)。そして、加熱調理器2は、T452において、余熱調理工程のためのカウントを開始する(図12のS422)。
【0125】
次いで、ユーザは、T460において、T452のカウントの開始から放置時間t4の経過後に、消火操作を実行する(S424でYES)。これにより、加熱調理器2は、T466において、火力「0」と放置時間t4とを含む工程データ(即ち、余熱調理工程を示す工程データ)をメモリ52に記憶する(S426)。T470~T474は、図5のT70~T74と同様である。
【0126】
このような構成でも、第1実施例と同様に、余熱調理工程を含む手動調理を示すレシピデータ162を記憶して、当該手動調理を自動調理によって再現することができる。
【0127】
また、このような構成によれば、タイマ54によるカウントダウンの終了によって最後の加熱調理工程(即ち第3の加熱調理工程)が終了する場合であっても、余熱調理工程を含む手動調理を示すレシピデータを記憶することができる。
【0128】
(対応関係)
タイマ54、コンロ操作部12が、それぞれ、「タイマ」、「調理終了指示受付部」の一例である。
【0129】
(第6実施例)
第6実施例は、途中の消火調理工程を含む調理(例えば、ローストポーク)を考慮したレシピデータを生成するための一態様を示す。第6実施例は、第5実施例の変形例である。
【0130】
(レシピデータ生成処理;図15
図15を参照して、本実施例に係るレシピデータ生成処理について説明する。S500~S524は、図12のS400~S424と同様である。ここで、S522によってカウントされる時間は、火力調整時処理(図13参照)のS492の消火からの放置時間を意味する。S522によってカウントされる時間は、後述するS526の判断により、途中の消火調理工程の放置時間若しくは余熱調理工程の放置時間に決定される。また、S524の消火操作は、後述するS526の判断により、途中の消火調理工程の終了を加熱調理器2に知らせる操作若しくは余熱調理工程の終了を加熱調理器2に知らせる操作に決定される。
【0131】
S526では、制御部50は、S524において消火操作が実行されてから所定の待機時間(例えば10秒)が経過するまでの間にコンロ操作部12に点火操作が実行されたのか否かを判断する。制御部50は、当該所定の待機時間が経過するまでの間にコンロ操作部12に点火操作が実行されなかったと判断する場合(S526でNO)に、S524の消火操作によって余熱調理工程の終了が知らされたと判断して、S528に進む。S528~S542は、図12のS426~S442と同様である。
【0132】
また、制御部50は、当該所定の待機時間が経過するまでの間にコンロ操作部12に点火操作が実行されたと判断する場合(S526でYES)に、S524の消火操作によって途中の消火調理工程の終了が知らされたと判断して、S530において、コンロバーナ10を点火する。
【0133】
S532では、制御部50は、現在のカウント値(例えば30分)を途中の消火調理工程の放置時間として決定し、途中の消火調理工程の工程データをメモリ52に記憶する。なお、途中の消火調理工程の工程データは、工程番号nの工程データとしてメモリ52に記憶される。途中の消火調理工程の工程データは、消火を示す値「0」と、決定済みの放置時間と、を含む。
【0134】
S534では、制御部50は、工程番号nを「1」だけインクリメントする。
【0135】
S536では、制御部50は、タイマ54によるカウントダウンを再び開始する。カウントダウンされる時間は、S536の処理が実行されるタイミングでユーザによって入力される。なお、変形例では、カウントダウンされる時間は、図15の処理が開始される前にユーザによって入力されてもよい。例えば、カウントダウンされる時間は、端末装置100に入力され、当該時間は、端末装置100から受信される開始指示に含まれていてもよい。
【0136】
S536の処理が終了すると、図13の火力調整時処理のS452へ進む。
【0137】
(具体的なケース;図16
図16を参照して、図15のレシピデータ生成処理によって実現される具体的なケースについて説明する。本ケースでは、第1の加熱調理工程の後に、途中の消火調理工程が実行され、途中の消火調理工程の後に第2の加熱調理工程が実行される。そして、第2の加熱調理工程の後に、余熱調理工程が実行される。
【0138】
T500~T522は、図14のT400~T422と同様である。T524では、加熱調理器2は、タイマ54からカウントダウンが終了したことを示す信号を取得したと判断する(図13のS490でYES)。そして、加熱調理器2は、コンロバーナ10を消火する(S492)。これにより、第1の加熱調理工程が終了する。T526は、図14のT426と同様である。T532では、加熱調理器2は、消火調理工程のためのカウントを開始する(図15のS522)。
【0139】
次いで、ユーザは、T534において、T532のカウントの開始から放置時間t5の経過後に、消火操作を実行する(S524でYES)。そして、ユーザは、T535において、T534の消火操作が実行されてから所定の待機時間(例えば10秒)が経過するまでの間に点火操作を実行する(S526でYES)。
【0140】
加熱調理器2は、T536において、コンロバーナ10を点火する(S530)。そして、加熱調理器2は、火力「0」と放置時間t5とを含む工程データ(即ち、途中の消火調理工程を示す工程データ(工程番号n=2))をメモリ52に記憶する(S532)。
【0141】
また、ユーザは、T538において、複数個の操作部14bのいずれかを操作して、タイマ54によってカウントダウンされる時間を入力する。これにより、加熱調理器2は、タイマ54によるカウントダウンを再び開始する(S536)。さらに、T538では、ユーザは、火力調整操作をコンロ操作部12に実行して、コンロバーナ10の火力を火力F2に調整する(S452でYES)。
【0142】
T542からT546は、工程番号n=3の第2の加熱調理工程に対応する。即ち、加熱調理器2は、T546において、火力F2と加熱時間t2とを含む工程データ(即ち、第2の加熱調理工程を示す工程データ)をメモリ52に記憶する。ここで、T544では、加熱調理器2は、T538で開始されたタイマ54のカウントダウンが終了することにより、コンロバーナ10を消火する(図13のS490でYES、S492)。これにより、第2の加熱調理工程が終了する。そして、加熱調理器2は、T552において、消火調理工程のためのカウントを開始する(図15のS522)。
【0143】
T544、T546は、図14のT460、T466と同様である。T570は、工程番号n=2の工程データが途中の消火調理工程を示し、工程番号n=3の工程データが第2の加熱調理工程を示す点を除いて、図14のT470と同様である。T572、T574は、図14のT472、T474と同様である。
【0144】
このような構成によれば、第4実施例と同様に、途中の消火調理工程を含む手動調理を示すレシピデータ162を記憶することができる。さらに、途中の消火調理工程と余熱調理工程と含む手動調理を示すレシピデータ162も生成することができる。様々な料理に対応した様々なレシピデータ162を生成することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0145】
なお、本ケースでは、加熱調理器2は、放置時間t4を含む余熱の工程データをメモリ52に記憶する(T466)。例えば、ユーザは、全ての加熱調理工程が終了した後に余熱調理工程を実行することを意図していない可能性がある。即ち、レシピデータ162の余熱の工程データに相当するデータが、ユーザの意図したものではない可能性がある。この場合には、ユーザは、端末装置100を操作して、レシピデータ162から余熱の工程データに相当するデータを削除することが可能である。即ち、本ケースでも、途中の消火調理工程を含み、余熱調理工程を含まないレシピデータ162を記憶することができる。
【0146】
(対応関係)
図16における第1の加熱調理工程(工程番号n=1)、第2の加熱調理工程(工程番号n=3)が、それぞれ、「第1の加熱調理工程」、「第2の加熱調理工程」の一例である。途中の消火調理工程(工程番号n=2)が、「消火調理工程」の一例である。
【0147】
(第7実施例)
第1実施例では、加熱調理器2は、消火操作が実行されることに応じて、余熱調理工程のカウントを開始し(図3のS22)、端末装置100から余熱終了通知を受信した際のカウント値を余熱調理工程の放置時間として記憶する(S26)。これに代えて、第7実施例では、余熱調理工程の放置時間がユーザによって入力される。そして、レシピデータ162は、1個以上の加熱調理工程を示す1個以上の工程データと、ユーザによって入力された放置時間を含む余熱の工程データと、を組み合わせて生成される。
【0148】
(レシピデータ生成処理;図17
図17を参照して、本実施例に係るレシピデータ生成処理について説明する。本実施例では、レシピデータ生成処理が実行される前に、ユーザは、余熱調理工程の放置時間を端末装置100に入力する。そして、端末装置100は、ユーザによって入力された放置時間を含む開始指示を加熱調理器2に送信する。図17の処理は、端末装置100から、放置時間を含む開始指示を受信することをトリガとして開始される。
【0149】
S600、S620は、図3のS10、S20と同様である。S626では、制御部50は、開始指示に含まれる放置時間を余熱調理工程の工程データとしてメモリ52に記憶する。S640、S642は、図3のS40、S42と同様である。S642の処理が終了すると、図17の処理が終了する。なお、制御部50は、S620の火力調整時処理が終了した後に、カウントアップを開始し、現在のカウント値が開始指示に含まれる放置時間に到達する場合に、余熱調理工程が終了したことユーザに報知する報知動作(例えばメッセージの発声)を行ってもよい。
【0150】
(具体的なケース;図18
図18を参照して、図17のレシピデータ生成処理によって実現される具体的なケースについて説明する。
【0151】
T600は、図5のT10と同様である。T602では、ユーザは、余熱調理工程の放置時間t4を端末装置100に入力する。T612は、開始指示が入力済みの放置時間t4を含む点を除いて、図5のT12と同様である。
【0152】
T620~T646は、図5のT20~T46と同様である。T666では、加熱調理器2は、T612の開始指示に含まれる放置時間t4を熱調理工程の工程データとしてメモリ52に記憶する(図17のS626)。T670~T674は、図5のT70~T74と同様である。
【0153】
このような構成でも、第1実施例と同様に、余熱調理工程を含む手動調理を示すレシピデータ162を記憶して、当該手動調理を自動調理によって再現することができる。
【0154】
例えば、第1実施例では、放置時間t4は、消火操作に応じたカウントの開始から余熱終了通知の受信までの時間として計測される。しかし、例えば、ユーザが余熱調理工程の終了を指示し忘れると、レシピデータによって示される特定の放置時間が、ユーザが意図する放置時間よりも長くなる可能性がある。これに対して、本実施例の構成によれば、放置時間t4は、ユーザによって入力される(T602)。従って、ユーザが意図する放置時間を示すレシピデータ162を適切に記憶することができる。
【0155】
また、本実施例の構成によれば、加熱調理器2は、実際の余熱調理工程の放置時間t4が経過する前に、レシピデータ162を端末装置100に送信することができる。例えば、ユーザは、実際の余熱調理工程の放置時間t4が経過するまでの間にレシピデータ162を編集することができる。余熱調理工程の放置時間t4が経過するまでレシピデータ162が記憶されない第1実施例等の構成と比較して、ユーザの煩わしさが低減される。
【0156】
(対応関係)
端末装置100が、「時間入力受付部」の一例である。
【0157】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の各実施例の変形例を以下に列挙する。
【0158】
(変形例1)「加熱部」は、コンロバーナ10に限らず、例えば、グリルバーナ20であってもよい。また、「加熱調理システム」は、ガス燃焼式のコンロに代えて、IH調理器、電気オーブン等を含んでもよい。例えば、「加熱調理システム」がIH調理器を含む場合には、「加熱部」は、IH調理器の加熱コイルであり、「加熱量」は、当該加熱コイルを流れる電流である。また、例えば、「加熱調理システム」が電気オーブンを含む場合には、「加熱部」は、電気オーブンのヒータであり、「加熱量」は、当該ヒータから放射される熱の総量である。熱の総量は、例えば、ヒータのオンとオフを繰り返し、オンの時間とオフの時間を調整することにより調整可能である。
【0159】
(変形例2)上記の各実施例では、手動調理の際の火力は、コンロ操作部12に火力調整操作を実行することにより調整される。これに代えて、手動調理の際の火力は、コンロパネル14内の複数個の操作部14bを操作して、複数個の火力モードの中から特定の火力モードを選択することにより調整されてもよい。複数個の火力モードは、例えば、湯沸かしを自動的に実行するモード、加熱対象を所定の温度に維持するモード等である。本変形例では、複数個の操作部14b、特定のモードを選択することが、それぞれ、「調整操作受付部」、「調整操作」の一例である。
【0160】
(変形例3)上記の第1実施例では、加熱調理器2は、第1~第3の加熱調理工程のそれぞれについて、当該加熱調理工程の開始から当該加熱調理工程の終了までの時間をカウントし、そのカウント値である加熱時間を含む工程データを記憶する(図5の加熱時間t1~t3参照)。これに代えて、加熱調理器2は、手動調理が開始されてから手動調理が終了するまでの全工程のトータルの時間をカウントしてもよい。そして、加熱調理器2は、第1~第3の加熱調理工程のそれぞれについて、トータルの時間のカウントの開始から当該加熱調理工程が終了するまでの時間を当該加熱調理工程の工程データとして記憶してもよい。別言すれば、本変形例の火力調整時処理(図4参照)では、制御部50は、S60において工程番号をインクリメントすると、S54に戻らずに、S56に戻る。一般的に言えば、「レシピデータ」は、特定の加熱時間及び特定の放置時間そのものを含んでもよいし、特定の加熱時間及び特定の放置時間を再現するための値を含んでもよい。
【0161】
(変形例4)「記憶部」は、端末装置100のメモリ152に限らず、例えば、加熱調理器2のメモリ52であってもよいし、端末装置100および加熱調理器2とは別体に設けられている記憶装置であってもよい。
【0162】
(変形例5)上記の第1実施例では、加熱調理器2は、端末装置100から余熱終了通知を受信することにより、余熱調理工程の終了が指示される(図3のS24でYES)。これに代えて、加熱調理器2は、例えば、加熱調理器2の特定の操作部(例えばコンロパネル14の複数個の操作部14bのいずれか)が操作されることにより、余熱調理工程の終了が指示されてもよい。本変形例では、加熱調理器2の特定の操作部が、「調理終了指示受付部」の一例である。
【0163】
(変形例6)「加熱調理システム」は、加熱調理器2と端末装置100を含むシステムに限らず、例えば、加熱調理器2を含み、端末装置100を含まないシステムでもよい。この場合、レシピデータ生成処理は、加熱調理器2の第1の操作部(例えばコンロ操作部12)が操作されることをトリガとして実行されてもよい。加熱調理器2の第2の操作部(例えばコンロパネル14の複数個の操作部14bのいずれか)が操作されることにより、余熱調理工程の終了が指示されてもよい。レシピデータ162は、加熱調理器2のメモリ152に記憶されてもよい。そして、ユーザは、コンロパネル14を操作して、複数個のレシピデータの中からレシピデータ162を選択し、加熱調理器2に自動調理を実行させてもよい。なお、この場合、加熱調理器2は、ユーザの操作に応じて、メモリ152内のレシピデータ162を端末装置100に送信してもよい。これにより、レシピデータ162のバックアップをすることができる。
【0164】
(変形例7)第5実施例の変形例として、加熱調理器2は、余熱調理工程の工程データをレシピデータ162に含めることを指示するための特定のボタン(例えばコンロパネル14の複数個の操作部14bのいずれか)を備えていてもよい。本変形例では、加熱調理器2は、図12のS424において、余熱調理工程のカウントを開始した後に、上記の特定のボタンが選択された後に消火操作が実行されるのか否かを判断する。加熱調理器2は、上記の特定のボタンが選択された後に消火操作が実行されたと判断する場合に、S426、S440の処理を実行し、余熱調理工程の工程データをレシピデータ162に含める。一方、加熱調理器2は、上記の特定のボタンが選択されることなく消火操作が実行されたと判断する場合に、S422で開始されたカウント値(即ち放置時間)を含めることなく、火力調整時処理においてメモリ52に記憶された1個以上の加熱調理工程を示す1個以上の工程データを組み合わせて、レシピデータ162を生成する。即ち、余熱調理工程の工程データがレシピデータ162に含まれない。
【0165】
(変形例8)第2実施例の変形例として、加熱調理器2は、余熱工程開始ボタンを含み、余熱工程終了ボタンを含まなくてもよい。本変形例では、加熱調理器2は、図4のS90において、消火操作に代えて、余熱工程開始ボタンが選択されるのか否かを判断してもよい。加熱調理器2は、余熱工程開始ボタンが選択されたと判断する場合に、コンロバーナ10を消火して、S94に進む。一方、加熱調理器2は、余熱工程開始ボタンが選択されていないと判断する場合に、S56に戻る。さらに、加熱調理器2は、図6のS122、S124を実行することなく、S132において、余熱調理工程のカウントを開始する。次いで、加熱調理器2は、S134において、余熱工程終了ボタンに代えてコンロ操作部12において消火操作が実行されることを監視する。そして、加熱調理器2は、コンロ操作部12において消火操作が実行される場合に、S136~S142の処理を実行する。本変形例では、余熱工程開始ボタン、コンロ操作部12が、それぞれ、「工程開始指示受付部」、「調理終了指示受付部」である。
【0166】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0167】
2 :加熱調理器
4 :本体
4a :前面
6 :天板
8 :グリル
10 :コンロバーナ
12 :コンロ操作部
14 :コンロパネル
14a :表示部
14b :操作部
16 :五徳
20 :グリルバーナ
22 :グリル操作部
24 :グリルパネル
24a :表示部
24b :操作部
30 :通信I/F
50 :制御部
52 :メモリ
54 :タイマ
60 :プログラム
100 :端末装置
130 :通信I/F
152 :メモリ
160 :調理アプリ
162 :レシピデータ
図1
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