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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-13
(45)【発行日】2023-09-22
(54)【発明の名称】車載装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 37/00 20060101AFI20230914BHJP
   B60K 37/04 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
B60K37/00 H
B60K37/04
B60K37/00 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020202359
(22)【出願日】2020-12-07
(65)【公開番号】P2022090153
(43)【公開日】2022-06-17
【審査請求日】2021-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】390005430
【氏名又は名称】株式会社ホンダアクセス
(74)【代理人】
【識別番号】100154380
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100081972
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 豊
(72)【発明者】
【氏名】白川 一成
(72)【発明者】
【氏名】飛河 和樹
(72)【発明者】
【氏名】北崎 康之
【審査官】糟谷 瑛
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-047856(JP,A)
【文献】特開2013-144523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 37/00
B60K 37/04
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向および高さ方向に延在する正面視略矩形状のディスプレイと、該ディスプレイの背面に設けられた本体部と、を一体に有するディスプレイユニットと、
前記ディスプレイユニットとインストルメントパネルの端部との間に介装されたカバー部材と、を備え、
前記ディスプレイは、前記本体部よりも上方における前記ディスプレイの背面に第1取付部を有し、
前記カバー部材は、
前記ディスプレイの背面に沿って延設された、前記ディスプレイよりも幅が短い略板状の基部と、
前記基部の幅方向の端部に、前記本体部の側面を覆うように延設された側壁部と、を有し、
前記基部は、前記カバー部材が前記第1取付部に取り付けられるように前記第1取付部に対応して設けられた第2取付部と、前記インストルメントパネルの端部を支持する支持部と、を有することを特徴とする車載装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載装置において、
前記第1取付部は、ねじ孔であり、
前記第2取付部は、前記ねじ孔に対応して設けられた貫通孔であり、
前記貫通孔を貫通して前記ねじ孔に螺合され、前記カバー部材を前記ディスプレイの背面に固定する締結部材をさらに備えることを特徴とする車載装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車載装置において、
前記本体部および前記側壁部の側面を覆うように高さ方向に延在し、前記本体部および前記側壁部の幅方向外側に配置された外側カバー部材をさらに備えることを特徴とする車載装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車載装置において、
前記本体部に取り付けられ、幅方向外側に向けて突設されたブラケットをさらに備え、
前記外側カバー部材は、前記カバー部材の側面に当接された状態で、前記ブラケットに支持されることを特徴とする車載装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の車載装置において、
前記支持部は、前記インストルメントパネルの端部が嵌合するように略凹状に形成されることを特徴とする車載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インストルメントパネルの内側に一部が収容される車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、従来、ディスプレイを有する車載機器を、インストルメントパネルの開口部から露出して車体に取り付けるようにした装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1記載の装置では、ディスプレイとインストルメントパネルとの間にカバーパネルが介装され、カバーパネルによりディスプレイとインストルメントパネルとの間の隙間が塞がれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-217849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザは好みによりディスプレイの大きさを変更することがある。しかしながら、上記特許文献1記載の装置では、ディスプレイの大きさに応じてカバーパネルが設けられるため、ディスプレイの大きさを変更する際には同時にカバーパネルも変更する必要があり、コストの上昇を招く。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様である車載装置は、幅方向および高さ方向に延在する正面視略矩形状のディスプレイと、ディスプレイの背面に設けられた本体部と、を一体に有するディスプレイユニットと、ディスプレイユニットとインストルメントパネルの端部との間に介装されたカバー部材と、を備える。ディスプレイは、本体部よりも上方におけるディスプレイの背面に第1取付部を有する。カバー部材は、ディスプレイの背面に沿って延設された、ディスプレイよりも幅が短い略板状の基部と、基部の幅方向の端部に、本体部の側面を覆うように延設された側壁部と、を有する。基部は、カバー部材が第1取付部に取り付けられるように第1取付部に対応して設けられた第2取付部と、インストルメントパネルの端部を支持する支持部と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ディスプレイの大きさを変更する際にカバー部材を変更する必要がなく、コストの上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る車載装置の車両への取付状態を示す斜視図。
図2】本発明の実施形態に係る車載装置を斜め前方から見た斜視図。
図3】本発明の実施形態に係る車載装置の背面図。
図4】本発明の実施形態に係る車載装置の分解斜視図。
図5】本発明の実施形態に係る車載装置に用いられるナビパネルの構成を示す斜視図。
図6A図5のA-A線に沿った断面図。
図6B図5のB-B線に沿った断面図。
図7】本発明の実施形態に係る車載装置の取付動作の一例を示す図。
図8図7に続く取付動作の一例を示す図。
図9】本発明の実施形態に係る車載装置の斜視図であり、図1とは異なる大きさのディスプレイを有する車載装置の斜視図。
図10】本発明の実施形態に係る車載装置の斜視図であり、図2とは異なる大きさのディスプレイを有する車載装置の斜視図。
図11図10の車載装置の分解斜視図。
図12図10の車載装置に含まれるサブブラケットの全体構成を示す斜視図。
図13図12のサブブラケットの取付例を示す斜視図。
図14】本発明の実施形態に係る車載装置におけるサブブラケットの配置を示す斜視図。
図15図10の車載装置に含まれるサブカバーの全体構成を示す斜視図。
図16図15のサブカバーの取付例を示す斜視図。
図17図14のA-A線に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1図17を参照して本発明の一実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る車載装置は、例えば車室内の前部におけるインストルメントパネルの中央部に設けられるナビゲーションユニットを含んで構成される。
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係る車載装置100の外観構成を斜視図である。以下では、車両の前後方向(車両長さ方向)、左右方向(車幅方向)および上下方向(車両高さ方向)を基準として、便宜上、図示のように前後方向、左右方向および上下方向を定義し、この定義に従い各部の構成を説明する。
【0010】
図1は、車載装置100を車室内の斜め後方から見た図である。図1に示すように、車載装置100は、車幅方向中央部のインストルメントパネル1の後方に配置された、上下左右方向に延在する略矩形状の薄型のディスプレイ11を有する。ディスプレイ11は、表示面11aが後方を向くように立設状態で、あるいは後方かつやや上方を向くように傾斜状態で配置される。ディスプレイ11(表示面11a)には、道路地図情報や目的地までのルート案内情報等の他、図示しない車載カメラ(例えばリアカメラ)により撮像された映像などが表示される。なお、図1では、一例として11インチのディスプレイ11が示される。このディスプレイ11を、後述するより小型のディスプレイ11B(図9)と区別するため、符号11Aで表すことがある。
【0011】
図2は、車載装置100を斜め前方から見た車載装置100の全体構成を示す斜視図であり、図3は、車載装置100を前方(背面側)から見た車載装置100の全体構成を示す背面図である。なお、図3は、車載装置100の組立途中の状態を示しており、一部(後述するナビパネル50)の図示を省略する。
【0012】
図2図3に示すように、車載装置100は、全体が左右対称に構成される。ディスプレイ11の前方には、略直方体形状の筐体12aを有する本体12が配置される。筐体12aは、ディスプレイ11の背面11bに一体に取り付けられ、ディスプレイ11と本体12とがナビゲーションユニット10を構成する。筐体12aの幅(左右方向長さ)および高さ(上下方向長さ)は、ディスプレイ11の幅および高さよりも短く、筐体12aは、ディスプレイ11の上端、下端および左端、右端から外側に出っ張らないように配置される。より詳しくは、筐体12aの底面は、ディスプレイ11の底面とほぼ同一面上に設けられる。筐体12aの高さは、ディスプレイ11の高さの半分程度であり、ディスプレイ11の背面11bの上側は、前方から見ると露出する。
【0013】
本体12には、ディスプレイ11を制御する制御回路等が収容される。なお、本体12に、ラジオ、CDプレーヤ、DVDプレーヤ、デジタルオーディオプレーヤーなどを設け、これらの音声を車内に搭載されたスピーカから出力するようにしてもよい。すなわち、ナビゲーションユニット10をカーオーディオとして用いることもできる。この場合、ディスプレイ11に、各種案内情報やテレビ放送受信機による受信映像などを表示するようにしてもよい。
【0014】
図4は、車載装置100の分解斜視図である。図4に示すように、車載装置100は、ナビゲーションユニット10と、ロアパネル20と、アッパブラケット30と、左右一対のロアブラケット40と、ナビパネル50とを有する。なお、図4には、ナビゲーションユニット10の本体12の上方を覆うインストルメントパネル1も示される。図4に示す部品のうち、ロアパネル20とナビパネル50とは、樹脂を構成材とした一体成型により構成される。
【0015】
ロアパネル20は、略水平方向に延在する左右方向に細長の基部21と、基部21の前縁から上方ないし斜め上方に立設された左右一対の前壁22と、基部21の左右両端部と前壁22の左右両端部とを接続するように曲面状に形成された左右一対の側壁23とを有する。左右の前壁22の間には、略凹状の切り欠き24が形成される。基部21の左右方向長さは、ディスプレイ11の左右方向長さよりも長い。一方、切り欠き24の左右方向長さは、ディスプレイ11の左右方向長さよりも短く、かつ、本体12(筐体12a)の左右方向長さよりも長い。
【0016】
このため、図2,3に示すように、前壁22の後方かつ基部21上にディスプレイ11が配置され、本体12は、切り欠き24を介して前壁22の前方に配置される。なお、基部21の前後方向長さは、ディスプレイ11の前後方向長さとほぼ等しい、あるいはディスプレイ11の前後方向長さよりも長い。本体12の上面は、前壁22の上端部よりも上方に位置する。
【0017】
図4に示すように、アッパブラケット30は、左右方向に延在する略矩形状の水平板部31と、水平板部31の左右両端部から上方に延在する左右一対の略矩形状の鉛直板部32とを有する。アッパブラケット30は、例えば金属を折り曲げて形成され、全体が略コ字状ないり略U字状を呈する。左右の鉛直板部32間の距離は、本体12(筐体12a)の左右方向長さとほぼ等しく、図2,3に示すように、アッパブラケット30は、ボルト(不図示)を介して本体12の左右側面から底面にかけて取り付けられる。
【0018】
図4に示すように、左右のロアブラケット40は、略矩形状の水平板部41と、水平板部41の後端部から下方に延在する略矩形状の鉛直板部42とを有する。ロアブラケット40は、例えば金属を折り曲げて形成され、全体がそれぞれ略L字状を呈する。図2,3に示すように、ロアブラケット40の水平板部41は、アッパブラケット30の水平板部31の底面に接触した状態でボルトを介して取り付けられ、左右一対の鉛直板部42がナビゲーションユニット10の本体12の底面から下方に突出する。
【0019】
図4に示すように、ナビパネル50は、左右方向に延在する基部51と、基部51の左右両端部から下方に延在する左右一対の側壁部52とを有する。図5は、ナビパネル50の構成をより詳細に示す斜視図(斜め前方から見た図)である。
【0020】
図5に示すように、基部51は、全体が略矩形板状に構成されるとともに、その前面510には、左右方向3か所に、前方に膨出する膨出部511が設けられる。膨出部511には、それぞれ前後方向に貫通する貫通孔512が穿設される。なお、左右方向中央の膨出部511には単一の貫通孔512が設けられるのに対し、左右両側の膨出部511には、それぞれ左右一対の貫通孔512が設けられる。
【0021】
側壁部52は、基部51の左右両端部にそれぞれ接続された側板521を有する。側板521は、その後縁が略鉛直方向に延在するのに対し、前縁は、下方にかけて斜め前方に傾斜して延在する。このため、側板521は、側面視で略直角三角形状を呈する。側板521の左右方向内側の表面には、それぞれ略板状の複数のリブ522が左右方向内側に向けて突設される。複数のリブ522は、それぞれ前後方向に延在するとともに、上下方向等間隔に配置される。側板521にリブ522が設けられることで、側板521の剛性が高まる。
【0022】
図3に示すように、ディスプレイ11の背面11bには、左右方向3か所に、前方に膨出するボス111が設けられる。これらボス111には、ナビパネル50の貫通孔512に対応する位置にそれぞれねじ孔112が設けられる。図2に示すように、貫通孔512を貫通したボルト14(タッピングスクリュー)をねじ孔112に螺合することで、ナビパネル50をディスプレイ11の背面11bに取り付けることができる。
【0023】
図5における、ナビパネル50の左右の側壁部52間の長さ、より厳密には、左側の側壁部52のリブ522の右端部から右側の側壁部52のリブ522の左端部まで長さは、ナビゲーションユニット10の本体12の左右方向長さよりも長い。このため、図2に示すように、ナビパネル50をディスプレイ11の背面11bに取り付けた状態では、左右の側壁部52は、ナビゲーションユニット10の本体12と接触せずに本体12の左右外側に位置する。これにより本体12の左右方向の側面が側壁部52によって覆われ、見栄え(意匠性)を向上できる。
【0024】
図5に示すように、ナビパネル50の基部51の前面510には、膨出部511よりも上方に、インストルメントパネル1(図4)の後端部が係合および嵌合する複数の係合部53および嵌合部54が設けられる。係合部53は、複数の膨出部511の上方3箇所にそれぞれ設けられ、嵌合部54は、左側の係合部53と中央の係合部53との間および右側の係合部53と中央の係合部53との間に、それぞれ左右方向に延在して設けられる。
【0025】
図6Aは、係合部53の構成を示す断面図(図5のA-A線に沿った断面図)であり、図6Bは、嵌合部54の構成を示す断面図(図5のB-B線に沿った断面図)である。なお、図6A,6Bには、係合部53にインストルメントパネル1が係合および嵌合部54にインストルメントパネル1が嵌合された状態がそれぞれ示される。
【0026】
図6Aに示すように、係合部53は、前方に突出した断面略コ字状の凸部530を有する。インストルメントパネル1の後端部には、下方に突出した断面略U字状の段部151が設けられ、段部151の下方に、上下方向に延在する薄板状の連結部152を介して爪部153が配置される。爪部153は、連結部152の後面よりも後方に突設される。爪部153は、連結部152の弾性変形により前方に移動可能であり、これによりインストルメントパネル1の後端部を下方に押し込んで、爪部153を凸部530の下方に移動させ、爪部153を係合部53に係合することができる。その結果、インストルメントパネル1の上方への移動を阻止することができる。なお、爪部153が係合された状態では、段部151の後端面が凸部530の前面に当接される。
【0027】
図6Bに示すように、嵌合部54は、前後方向所定幅で左右方向に延設された溝部540を有する。溝部540は、前後方向に略コ字状に屈曲して形成された屈曲部541の上方に設けられ、溝部540の下方は屈曲部541により閉塞される。インストルメントパネル1の後端部には、下方に向けて板部154が突設される。板部154は、溝部540の前後方向幅とほぼ等しい厚さを有し、溝部540に対応して左右方向に延設される。これにより、インストルメントパネル1の板部154を、その下端面が屈曲部541に当接するまで上方から押し込んで溝部540に嵌合することができる。その結果、インストルメントパネル1の下方への移動を阻止することができる。なお、板部154が嵌合された状態では、板部154の前端面が嵌合部54(屈曲部541)の後面に当接される。
【0028】
図7図8は、それぞれ車載装置100の取付動作を示す図である。車載装置100の取付時には、予め図2に示す状態に車載装置100が組み立てられる。次いで、図7に矢印で示すように、インストルメントパネル1が取り付けられる前の車体の所定位置に、ロアブラケット40を貫通するボルト(不図示)を介して車載装置100を固定する。その後、図8に矢印で示すように、インストルメントパネル1の後端部を上方からナビパネル50の上部に差し込む。すなわち、図6Aに示すように、ナビパネル50の係合部53に係合するとともに、図6Bに示すように、嵌合部54に嵌合する。これにより、車載装置100のディスプレイ11の前方が、インストルメントパネル1により覆われる。
【0029】
本実施形態の車載装置100は、ディスプレイ11の大きさが変更された場合に容易に対処することができる。以下、図1のディスプレイ11Aをより小型のディスプレイ11Bに変更する例を説明する。
【0030】
図9は、より小型のディスプレイ11Bを有する車載装置100の車両への取付状態を示す斜視図(斜め後方から見た図)であり、図10は、この車載装置100を斜め前方から見た斜視図である。図9図10では、例えば8インチのディスプレイ11Bが用いられる。このため、ディスプレイ11Bの高さおよび幅は、図1,2に示す11インチのディスプレイ11Aと比較して小さい。本体12(筐体12a)の大きさは、ディスプレイ11の大きさによらずにほぼ一定であり、図2図10の本体12の大きさは互いにほぼ等しい。
【0031】
図11は、図10の車載装置100の分解斜視図である。図11に示すように、車載装置100は、ナビゲーションユニット10と、ロアパネル20と、アッパブラケット30と、左右一対のロアブラケット40と、ナビパネル50と、左右一対のサブカバー60と、左右一対のサブブラケット70とを有する。
【0032】
ロアパネル20と、アッパブラケット30と、ロアブラケット40と、ナビパネル50とは、図4に示したものと同一である。ナビゲーションユニット10も、ディスプレイ11を除き、図4に示したものと同一である。したがって、小型のディスプレイ11を有するナビゲーションユニット10に変更する場合には、サブカバー60とサブブラケット70とが追加的に設けられる。このため、複数の部品が共有化され、ナビゲーションユニット10の交換時のコストの上昇を抑えることができる。
【0033】
ナビパネル50の取付に関し、図示は省略するが、ディスプレイ11Bはその背面11bに、図3に示したのと同一形状のねじ孔112が設けられた複数のボス111を、図3に示したのと同一位置に有する。このため、図10に示すように、膨出部511の貫通孔512を貫通したボルト14をねじ孔112に螺合することで、ディスプレイ11Bの背面11bにナビパネル50を取り付けることができる。
【0034】
図12は、右側のサブブラケット70の全体構成を示す斜視図(斜め前方から見た図)であり、図13は、図12のサブブラケット70の取付状態を示す斜視図(斜め前方から見た図)である。図12に示すように、サブブラケット70は、上下方向および左右方向に延在する略矩形の後板部71と、後板部71の左右方向内側端部(左端部)から前方に延在する略矩形の側板部72とを有する。後板部71は上下方向に細長であり、側板部72よりも上方および下方に延在する。なお、サブブラケット70は、例えば金属を折り曲げて形成される。
【0035】
後板部71には、上下一対の貫通孔71aが穿設される。側板部72には、単一の貫通孔72aが穿設される。図13に示すように、側板部72は、貫通孔72aを貫通するボルト(不図示)を介してアッパブラケット30の鉛直板部32の左右方向外側の側面(右側面)に取り付けられる。
【0036】
図14は、車載装置100におけるサブブラケット70の配置を示す斜視図である。なお、図14では、サブカバー60が取り付けられる前の状態を示す。図14に示すように、後板部71は、ロアパネル20の基部21の上方かつ前壁22の前方であり、ディスプレイ11の左右方向外側に位置する。より詳しくは、後板部71は、ディスプレイ11の側方において前壁22の後面に接触して配置される。前壁22には、後板部71の上下一対の貫通孔71aの位置に対応して上下一対の貫通孔22aが開口される。
【0037】
図15は、右側のサブカバー60の全体構成を示す斜視図(斜め前方から見た図)である。図15に示すように、サブカバー60は、断面略L字形状を呈し、上下方向に細長に形成される。より詳しくは、サブカバー60は、後板部61と、後板部61の左右方向外側端部(右端部)から前方に延在する側板部62とを有する。後板部61は、その右縁部が上方にかけて左右方向内側に向け略円弧状に形成され、これに伴い、側板部62は、上方にかけて左右方向内側に向けて曲面状に形成される。
【0038】
後板部61の前面には、サブブラケット70の貫通孔71a(図14)の位置に対応して上下一対のナット63が設けられる。サブカバー60は、ナット63を除いて樹脂材により構成され、一体成型によりナット63がサブカバー60に一体に設けられる。ナット63の前端面と側板部62の前端面とは、前後方向ほぼ同一面上に位置する。
【0039】
図16は、サブカバー60の取付状態を示す車載装置100の要部斜視図(斜め後方から見た図)であり、図17は、図16の要部断面図(図14のA-A線に沿った断面図)である。図17に示すように、サブブラケット70の後板部71の後方には、ナット63の前端面が後板部71の後面に接触した状態でサブカバー60が配置される。ロアパネル20の前壁22の前方からは、前壁22の貫通孔22aおよびサブブラケット70の後板部71の貫通孔71aを挿通してボルト17が挿入され、ナット63に螺合される。これにより、サブカバー60がサブブラケット70を介してロアパネル20の前壁22に固定される。
【0040】
図16に示すように、サブカバー60が取り付けられた状態では、ディスプレイ11の側方における空隙がサブカバー60により覆われる。これにより車載装置100の美観を向上することができる。すなわち、ディスプレイ11を小型にした場合には、ディスプレイ11の側方からディスプレイ11の裏側の部品、つまりナビパネル50との隙間やロアパネル20の前壁22との隙間を介して本体12などが車内のユーザから見えるおそれがある。この点、サブカバー60を設けることで、これら隙間を介してディスプレイ11の裏側(前方)の部品が見られることを防止することができる。
【0041】
サブカバー60は、例えばナビパネル50の側壁部52に上端部が所定長さにわたって面接触した状態でロアパネル20に固定される。これにより、ナビパネル50とサブカバー60とが振動によって接触して音が発生することを抑制できる。なお、サブカバー60の上部にナビパネル50に係合するような係合部を設けて、サブカバー60をナビパネル50に係合した状態で固定するようにしてもよい。
【0042】
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)車載装置100は、幅方向および高さ方向に延在する正面視略矩形状のディスプレイ11とディスプレイ11の背面11bに設けられた本体12とを一体に有するナビゲーションユニット10と、ナビゲーションユニット10とインストルメントパネル1の後端部との間に介装されたナビパネル50と、を備える(図2図10)。ディスプレイ11は、本体12よりも上方におけるディスプレイ11の背面11bに、ねじ孔112が設けられたボス111を有する(図3)。ナビパネル50は、ディスプレイ11の背面11bに沿って延設された、ディスプレイ11よりも幅(左右方向長さ)が短い略板状の基部51を有する(図5)。基部51は、ナビパネル50がディスプレイ11のボス111に取り付けられるようにボス111に対応して設けられた貫通孔512が開口された膨出部511と、インストルメントパネル1の後端部を支持する係合部53および嵌合部54と、を有する(図5)。
【0043】
これにより、ディスプレイ11の大きさによらずにナビパネル50を共有することが可能であり、ディスプレイ11のサイズ変更に伴う部品点数の増加が抑えられ、コストの上昇を防ぐことができる。すなわち、大型のディスプレイ11Aの背面11bと小型のディスプレイ11Bの背面11bとに、互いに同一位置にボス111を設けるだけで、ディスプレイ11のサイズ変更の際に同一のナビパネル50を用いることができる。
【0044】
(2)車載装置100は、膨出部511の貫通孔512を貫通してボス111のねじ孔112に螺合され、ナビパネル50をディスプレイ11の背面11bに固定するボルト(タッピングスクリュー)14をさらに備える(図2図10)。これにより、簡易な構成で、ナビパネル50をディスプレイ11に強固に固定することができる。
【0045】
(3)ナビパネル50は、基部51の幅方向の両端部に、本体12の側面を覆うように延設された側壁部52をさらに有する(図2、5,10)。これにより、車室内の乗員から本体12が見られることを防止することができ、車載装置100の美観が向上する。
【0046】
(4)車載装置100は、ナビゲーションユニット10の本体12およびナビパネル50の側壁部52の側面を覆うように高さ方向に延在し、本体12および側壁部52の幅方向外側に配置されたサブカバー60をさらに備える(図10)。これにより、大型のディスプレイ11Aから小型のディスプレイ11Bに変更した場合に、ディスプレイ11の裏側の隙間を介してディスプレイ11の裏側の部品が見られることを防止することができ、見栄えがよい。
【0047】
(5)車載装置100は、本体12に取り付けられ、幅方向外側に突設されたサブブラケット70をさらに備える(図13)。サブカバー60は、ナビパネル50の側面に当接された状態で、サブブラケット70に支持される(図14図16)。これにより、サブカバー60を強固に支持することができるとともに、サブカバー60とナビパネル50とが振動によって接触することにより音が発生することを防止することができる。
【0048】
(6)ナビパネル50の基部51の嵌合部54は、インストルメントパネル1の端部の板部154が嵌合するように略凹状に形成される(図5図6B)。これにより、インストルメントパネル1の垂れ下がりを防止することができ、インストルメントパネル1とナビパネル50との接続部の美観を長期間によって保つことができる。
【0049】
本実施形態は種々の形態に変形することができる。以下、いくつかの変形例について説明する。上記実施形態では、ナビゲーションユニット10とインストルメントパネル1の後端部との間に、基部51と側壁部52とを有するナビパネル50を介装するようにしたが、カバー部材の構成はこれに限らない。上記実施形態では、ディスプレイ11の背面11bに、ねじ孔112が設けられたボス111、すなわちカバー部材の基部が取り付けられる第1取付部を設けるようにしたが、第1取付部の構成は上述したものに限らない。
【0050】
上記実施形態では、ナビパネル50の膨出部511、すなわち貫通孔512を有する膨出部511がディスプレイ11の背面11bのボス111に取り付けられるようにしたが、第1取付部に対応する第2取付部の構成は上述したものに限らない。上記実施形態では、基部51の上部に略凹部状に形成された嵌合部54に、インストルメントパネル1の端部が上方から嵌合するようにしたが、支持部の構成はこれに限らない。例えばインストルメントパネル1の端部が前方から後方に嵌合するようにしてもよい。
【0051】
上記実施形態では、ディスプレイ11の背面11bのねじ孔112に、ねじ孔112に対応して設けられたナビパネル50の貫通孔512を貫通するボルト14を螺合し、これによりナビパネル50をディスプレイ11の背面11bに固定するようにしたが、締結部材の構成はこれに限らない。上記実施形態では、ナビパネル50の側壁部52の幅方向外側にサブカバー60を配置するようにしたが、カバー部材の本体部および側壁部の側面を覆うように高さ方向に延在するのであれば、外側カバー部材の構成はいかなるものでもよい。上記実施形態では、本体12に取り付けられたサブブラケット70を介してサブカバー60を支持するようにしたが、本体部に取り付けられて幅方向外側に突設されたブラケットの構成は上述したものに限らない。
【0052】
上記実施形態では、ディスプレイ11とディスプレイ11の背面11bに設けられた本体12(本体部)とを一体に有するナビゲーションユニット10を、車載装置100に用いたが、ディスプレイと本体部とを一体に有する他のディスプレイユニットを車載装置に用いてもよい。すなわち、本発明が適用されるディスプレイユニットは、ナビゲーションユニットに限らない。
【0053】
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可能であり、変形例同士を組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0054】
10 ナビゲーションユニット、11,11A,11B ディスプレイ、12 本体、14 ボルト、50 ナビパネル、51 基部、52 側壁部、54 嵌合部、60 サブカバー、70 サブブラケット、100 車載装置、111 ボス、112 ねじ孔、511 膨出部、512 貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16
図17