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特許7349433特にヘモグロビンのための、改善された光透過試料ホルダーおよび分析方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-13
(45)【発行日】2023-09-22
(54)【発明の名称】特にヘモグロビンのための、改善された光透過試料ホルダーおよび分析方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/28 20060101AFI20230914BHJP
   G01N 21/27 20060101ALI20230914BHJP
   C12Q 1/02 20060101ALI20230914BHJP
   C12Q 1/6813 20180101ALI20230914BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
G01N1/28 U
G01N1/28 J
G01N21/27 A
C12Q1/02
C12Q1/6813 Z
C12M1/34 B
【請求項の数】 84
(21)【出願番号】P 2020532901
(86)(22)【出願日】2018-12-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-25
(86)【国際出願番号】 US2018065874
(87)【国際公開番号】W WO2019118941
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】62/598,899
(32)【優先日】2017-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518048123
【氏名又は名称】エッセンリックス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】チョウ スティーブン ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】ディン ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】キ ジ
(72)【発明者】
【氏名】ティアン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ ウー
【審査官】三木 隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/048871(WO,A1)
【文献】特開2013-104715(JP,A)
【文献】米国特許第04022521(US,A)
【文献】国際公開第2016/090407(WO,A1)
【文献】特開平08-114539(JP,A)
【文献】特開2008-051608(JP,A)
【文献】特開2012-098302(JP,A)
【文献】特開2015-118313(JP,A)
【文献】Gregor Holzner,Pillar Cuvettes: Capillary-Filled, Microliter Quartz Cuvettes with Microscale Path Lengths for Optical Spectroscopy,Anal Chem,2015年04月06日,Vol.87 No.9,Page.4757-4764
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/28
G01N 21/27
C12Q 1/02
C12Q 1/6813
C12M 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のプレートと、第2のプレートと、導光スペーサ(LGS)と、サンプリング区域と、参照区域と、を含み、
(i)第1のプレートおよび第2のプレートが、試料を挟むように構成されており、これは該プレート間の薄い層に入る光による光透過分析のためのものであり、各プレートが、該試料に接触するその内表面上に試料接触領域を有し;
(ii)該導光スペーサ(LGS)が、柱形状を有し、LGS-プレート接触領域を形成する該プレートの一方に該導光スペーサ(LGS)の各端部を直接接触させて2つのプレートの間に挟まれており、該第1のプレートから該LGSを通して該第2のプレートに、試料を通過することなく光が透過できるように構成されており;
(iii)該LGSを有しないサンプリング区域が、順に、該第1のプレート、該試料、そして該第2のプレートを光が通過できる区域であり;
(iv)該参照区域が、順に、該第1のプレート、該導光スペーサ、そして該第2のプレートを、該試料を通過することなく光が透過する区域であり、
該LGS接触領域および該LGSの横方向断面が、光の波長よりも大きく、
該導光スペーサが、該試料によって囲まれているかまたは近接しており、
該サンプリング区域における該試料が、500um以下の厚さを有する
デバイス。
【請求項2】
試料分析のための装置であって、
請求項1記載のデバイスと、光源と、カメラと、アダプタと、を含み、
(i)該光源が、参照区域を通過するように構成された波長範囲内で発光するように構成され、
(ii)該カメラが、該参照区域およびサンプリング区域を撮像するように構成され、
(iii)該光源からの光が、該参照区域および該サンプリング区域を通過して、該カメラによって撮像されるように、該アダプタが、該デバイスと、該光源と、該カメラとを互いに相対的に位置付けるように構成されている
装置。
【請求項3】
カメラによって捕捉された画像を処理し、参照区域およびサンプリング区域からの光透過を比較することに基づいて試料中の分析物の特性を決定するように構成された、プロセッサ
をさらに含む、請求項2記載の装置。
【請求項4】
カメラおよびプロセッサが、単一のモバイルデバイスの部品である、請求項3記載の装置。
【請求項5】
光源およびプロセッサが、単一のモバイルデバイスの部品である、請求項3記載の装置。
【請求項6】
光源、カメラ、およびプロセッサが、単一のモバイルデバイスの部品である、請求項3記載の装置。
【請求項7】
モバイルデバイスがスマートフォンである、請求項4~6のいずれか一項記載の装置。
【請求項8】
透過光を使用する試料分析のための方法であって、
(a)請求項1記載のデバイスを準備する工程、
(b)該デバイスの開放構成で、分析物を含有する疑いのある試料を付着させる工程、
(c)該デバイスを閉鎖構成にする工程、
(d)該デバイスの参照区域を通過するように構成された波長を有する光源を準備する工程、
(e)該デバイスの参照区域およびサンプリング区域を撮像するように構成されたイメージャを準備する工程、
(f)該光源からの光が、該参照区域および該サンプリング区域を通過して、カメラによって撮像されるように、該デバイスと、該光源と、該カメラとを互いに相対的に位置付けるように構成されたアダプタを準備する工程、
(g)該サンプリング区域および該参照区域からの光透過を比較することによって分析物の特性を決定する工程
を含む、方法。
【請求項9】
分析物がヘモグロビンである、請求項1記載のデバイス
【請求項10】
分析物が細胞型である、請求項1記載のデバイス
【請求項11】
試料層の厚さが、プレートおよび導光スペーサによって調節され、該導光スペーサの均一な高さと同じである、請求項1記載のデバイス
【請求項12】
分析物が赤血球である、請求項1記載のデバイス
【請求項13】
分析物が白血球である、請求項1記載のデバイス
【請求項14】
参照区域およびサンプリング区域が同じサイズを有する、請求項1記載のデバイス
【請求項15】
参照区域が、導光スペーサの断面の対応する領域内にある、請求項1記載のデバイス
【請求項16】
参照区域が、0.1um^2未満、0.2um^2未満、0.5um^2未満、1um^2未満、2um^2未満、5um^2未満、10um^2未満、20um^2未満、50um^2未満、100um^2未満、200um^2未満、500um^2未満、1000um^2未満、2000um^2未満、5000um^2未満、10000um^2未満、20000um^2未満、50000um^2未満、100000um^2未満、200000um^2未満、500000um^2未満、1mm^2未満、2mm^2未満、5mm^2未満、10mm^2未満、20mm^2未満、または50mm^2未満である、請求項1記載のデバイス
【請求項17】
デバイスが、均一な高さを有する複数の導光スペーサをさらに含み、該導光スペーサのうちの少なくとも1つが試料接触領域内にある、請求項1記載のデバイス
【請求項18】
デバイスが、均一な高さを有する複数の導光スペーサをさらに含み、隣接する2つの導光スペーサの間の距離が既知であり、該導光スペーサのうちの少なくとも1つが試料接触領域内にある、請求項1記載のデバイス
【請求項19】
デバイスが、均一な高さを有する複数の導光スペーサをさらに含み、隣接する2つの導光スペーサの間の距離が既知でありかつ一定であり、該導光スペーサのうちの少なくとも1つが試料接触領域内にある、請求項1記載のデバイス
【請求項20】
導光スペーサをプレートの内表面で成形することによって、該導光スペーサの底面が、該プレートの一方の内表面に固定される、請求項1記載のデバイス
【請求項21】
導光スペーサの底面が、プレートの一方の内表面に固定され、該内表面と同じ材料から作られている、請求項1記載のデバイス
【請求項22】
導光スペーサの底面が、プレートの一方の内表面に固定され、該内表面と同じ材料から作られており、該導光スペーサの底面が該プレートの内表面との接合部分を有しない、請求項1記載のデバイス
【請求項23】
光の波長が300nmよりも長く、該光の波長がまた、20μm未満、15μm未満、10μm未満、5μm未満、4μm未満、3μm未満、2μm未満、1μm未満、800nm未満、750nm未満、700nm未満、650nm未満、600nm未満、550nm未満、500nm未満、450nm未満、または400nm未満である、請求項1記載のデバイス
【請求項24】
光の波長が500nmよりも長く、該光の波長がまた、600nm未満、590nm未満、580nm未満、570nm未満、560nm未満、550nm未満、540nm未満、530nm未満、520nm未満、または510nm未満である、請求項1記載のデバイス
【請求項25】
各導光スペーサの平均的な横方向断面が、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、5000um^2、10,000um^2、30,000um^2、100,000um^2、200,000um^2、500,000um^2、1mm^2、2mm^2、5mm^2、10mm^2、または50mm^2である、請求項1記載のデバイス
【請求項26】
各導光スペーサの平均的な横方向断面が、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、5000um^2、10,000um^2、30,000um^2、100,000um^2、または200,000um^2である、請求項1記載のデバイス
【請求項27】
各導光スペーサの平均的な横方向断面が、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、5000um^2、10,000um^2、または30,000um^2である、請求項1記載のデバイス
【請求項28】
試料接触領域が、100um^2(ミクロン平方)よりも大きい、200um^2よりも大きい、400um^2よりも大きい、600um^2よりも大きい、800um^2よりも大きい、1,000um^2よりも大きい、2,000um^2よりも大きい、4,000um^2よりも大きい、6,000um^2よりも大きい、8,000um^2よりも大きい、10,000um^2よりも大きい、20,000um^2よりも大きい、40,000um^2よりも大きい、60,000um^2よりも大きい、80,000um^2よりも大きい、100,000um^2よりも大きい、200,000um^2よりも大きい、250,000um^2よりも大きい、または500,000um^2(ミクロン平方)よりも大きい、請求項1記載のデバイス
【請求項29】
予め決定された一定のスペーサ間距離が、分析物のサイズよりも少なくとも2倍大きい、請求項1記載のデバイス
【請求項30】
予め決定された一定のスペーサ間距離が、少なくとも2倍、少なくとも6倍、少なくとも8倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも40倍、少なくとも60倍、少なくとも80倍、または少なくとも100倍の倍率だけ分析物のサイズよりも大きい、請求項1記載のデバイス
【請求項31】
導光スペーサの高さが、1um、2um、5um、10um、30um、50um、100um、200um、500um、1,000um、2,000um、5,000um、または10,000umである、請求項1記載のデバイス
【請求項32】
スペーサが、1um、2um、5um、10um、30um、50um、100um、200um、500um、1,000um、2,000um、5,000um、または10,000umの周期を有する周期的なアレイに配置されている、請求項1記載のデバイス
【請求項33】
LGSが、その端部が平坦な柱形状を有する、請求項1記載のデバイス
【請求項34】
LGSの端部の一方または両方が、接着されることによって、融着されることによって、単一部分から作られることによって、または該LGSをプレートに接続する他の方法によって、該プレートの一方または両方に固定されている、請求項1記載のデバイス
【請求項35】
LGSの横方向断面の形状が、円形、長方形、正方形、三角形、多角形、アルファベット、数字、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1記載のデバイス
【請求項36】
各導光スペーサの平均的な横方向断面が、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、または5000倍だけ、参照区域を通過する光の波長よりも大きい、請求項1記載のデバイス
【請求項37】
各導光スペーサの平均的な横方向断面が、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、または500倍だけ、参照区域を通過する光の波長よりも大きい、請求項1記載のデバイス
【請求項38】
参照区域が、導光スペーサの最小横方向断面のサイズよりも小さい、請求項1記載のデバイス
【請求項39】
導光スペーサの縁部と参照区域の縁部との間の最小距離が、1um(ミクロン)、2um、3um、5um、10um、20um、30um、50um、100um、200um、500um、または1000umである、請求項1記載のデバイス
【請求項40】
導光スペーサの縁部と参照区域の縁部との間の最小距離が、1um(ミクロン)、2um、3um、5um、10um、20um、30um、50um、100um、または200umである、請求項1記載のデバイス
【請求項41】
導光スペーサの縁部と参照区域の縁部との間の最小距離が、1um(ミクロン)、2um、3um、5um、10um、20um、30um、または50umである、請求項1記載のデバイス
【請求項42】
参照区域面積と導光スペーサ面積との比率が、3/10、2/5、1/2、3/5、7/10、または4/5である、請求項1記載のデバイス
【請求項43】
サンプリング区域の縁部が、導光スペーサの縁部から離れた距離にある、請求項1記載のデバイス
【請求項44】
サンプリング区域の面積が、周期的なスペーサ間距離の3/5、7/10、4/5、9/10、1、11/10、6/5、13/10、7/5、または3/2である、請求項1記載のデバイス
【請求項45】
サンプリング区域の縁部と導光スペーサの縁部との間の距離が、導光スペーサ面積の、1/5、3/10、2/5、1/2、3/5、7/10、4/5、9/10、または1である、請求項1記載のデバイス
【請求項46】
サンプリング区域の縁部と導光スペーサの縁部との間の距離が、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、または5000倍だけ、参照区域を通過する波長よりも大きい、請求項1記載のデバイス
【請求項47】
サンプリング領域の縁部と参照区域との間の距離が、1um(ミクロン)、2um、3um、5um、10um、20um、30um、40um、50um、100um、200um、500um、または1000umである、請求項1記載のデバイス
【請求項48】
サンプリング領域の縁部と参照区域との間の距離が、30um(ミクロン)~50um、20um~60um、10um~70um、または5um~75umである、請求項1記載のデバイス
【請求項49】
サンプリング領域の縁部と参照区域との間の距離が、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、または5000倍だけ、参照区域を通過する波長よりも大きい、請求項1記載のデバイス
【請求項50】
サンプリング領域の縁部と参照区域との間の距離が、導光スペーサ面積の、2/5、1/2、3/5、7/10、4/5、9/10、1、11/10、6/5、13/10、7/5、3/2、8/5、または17/10である、請求項1記載のデバイス
【請求項51】
分析物が、バイオマーカー、環境マーカー、または食品マーカーである、請求項1記載のデバイス
【請求項52】
分析物が、疾患または状態の存在または重症度を示すバイオマーカーである、請求項1記載のデバイス
【請求項53】
分析物が、細胞、タンパク質、または核酸である、請求項1記載のデバイス
【請求項54】
分析物が、タンパク質、ペプチド、核酸、合成化合物、無機化合物、有機化合物、細菌、ウイルス、細胞、組織、またはナノ粒子を含む、請求項1記載のデバイス
【請求項55】
試料が、体液、便、羊水、房水、硝子体液、血液、全血、画分血液、血漿、血清、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳糜、糜汁、内リンパ、外リンパ、糞便、胃酸、胃液、リンパ、粘液、鼻漏、痰、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜分泌物、唾液、皮脂、精液、喀痰、汗、滑液、涙、嘔吐物、尿、または呼気凝縮物の、元の、希釈された、または処理された形態である、請求項1記載のデバイス
【請求項56】
試料が、元の、希釈された、または処理された形態の血液である、請求項1記載のデバイス
【請求項57】
試料が全血を含む、請求項1記載のデバイス
【請求項58】
スペーサ間距離(SD)が、150um(マイクロメートル)以下である、請求項1記載のデバイス
【請求項59】
スペーサ間距離(SD)が、100um(マイクロメートル)以下である、請求項1記載のデバイス
【請求項60】
可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったスペーサ間距離(ISD)の4乗(ISD4/(hE))が、5×106um3/GPa以下である、請求項1記載のデバイス
【請求項61】
可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったスペーサ間距離(ISD)の4乗(ISD4/(hE))が、5×105um3/GPa以下である、請求項1記載のデバイス
【請求項62】
スペーサが、柱形状、平坦な上面、予め決定された均一な高さ、および分析物のサイズよりも少なくとも2倍大きい予め決定された一定のスペーサ間距離を有し、該スペーサのヤング率に該スペーサの充填率を乗じたものが、2MPa以上であり、該充填率が、スペーサ接触面積と総プレート面積との比率であり、各スペーサについて、該スペーサの横方向寸法とその高さとの比率が少なくとも1である、請求項1記載のデバイス
【請求項63】
スペーサが、柱形状、平坦な上面、予め決定された均一な高さ、および分析物のサイズよりも少なくとも2倍大きい予め決定された一定のスペーサ間距離を有し、該スペーサのヤング率に該スペーサの充填率を乗じたものが、2MPa以上であり、該充填率が、スペーサ接触面積と総プレート面積との比率であり、各スペーサについて、該スペーサの横方向寸法とその高さとの比率が少なくとも1であり、可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったスペーサ間距離(ISD)の4乗(ISD4/(hE))が、5×106um3/GPa以下である、請求項1記載のデバイス
【請求項64】
スペーサの間隔間距離とスペーサの平均幅との比率が2以上であり、該スペーサの充填率を該スペーサのヤング率で乗じると2MPa以上である、請求項1記載のデバイス
【請求項65】
一方または両方のプレートが、該プレートの表面上または内側のいずれかに、該プレートの位置情報を提供する位置マーカーを含む、請求項1記載のデバイス
【請求項66】
一方または両方のプレートが、該プレートの表面上または内側のいずれかに、試料および/または該プレートの構造の横方向寸法の情報を提供するスケールマーカーを含む、請求項1記載のデバイス
【請求項67】
一方または両方のプレートが、該プレートの表面上または内側のいずれかに、試料の撮像を補助する撮像マーカーを含む、請求項1記載のデバイス
【請求項68】
試料が、生物学的試料、化学的試料、環境試料、または食品試料である、請求項1記載のデバイス
【請求項69】
試料中のヘモグロビンを分析するためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、導光スペーサと、を含み、
(i)第1のプレートおよび第2のプレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに相対的に移動可能であり;
(ii)該プレートのそれぞれが、ヘモグロビンを含有するかまたは含有する疑いのある試料に接触するための試料接触領域を有する内表面を含み;
(iii)該導光スペーサが、柱形状を有し、該導光スペーサの上面および底面が平坦であり、該底面が該プレートの一方の内表面に固定され、各導光スペーサの上面および底面ならびに平均的な横方向断面の領域が、該試料を分析する光の波長よりもそれぞれ大きく、該導光スペーサが該試料接触領域内にあり、
該開放構成が、2つのプレートが分離され、該プレート間の間隔が該導光スペーサによって調節されず、該試料が該プレートの一方または両方に付着される構成であり、
該閉鎖構成が、該開放構成での試料付着の後に構成される構成であり、該閉鎖構成では、該試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって高度に均一な厚さの層に圧縮され、該層の均一な厚さが、該プレートの試料接触領域によって制限され、かつ該プレートおよび該導光スペーサによって調節され、
該閉鎖構成において、(a)該試料接触領域における少なくとも1つの導光スペーサが、該プレートの一方と直接接触しているその上面を有し、該少なくとも1つの導光スペーサと、該少なくとも1つの導光スペーサの上下のプレートの区域とが、波長範囲内の光に対して透明な参照区域を規定し、(b)一方のプレート上の該試料接触領域における少なくとも1つの区域と、他方のプレート上のその対応する区域とが、該導光スペーサによって占有されず、同じ波長範囲内の光に対して透明なサンプリング区域を規定している
デバイス。
【請求項70】
各導光スペーサ(LGS)の平均的な横方向断面が、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、5000um^2、10,000um^2、30,000um^2、100,000um^2、200,000um^2、500,000um^2、1mm^2、2mm^2、5mm^2、10mm^2、または50mm^2である、請求項69記載のデバイス。
【請求項71】
各導光スペーサの平均的な横方向断面が、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、5000um^2、10,000um^2、30,000um^2、100,000um^2、または200,000um^2である、請求項69記載のデバイス。
【請求項72】
各導光スペーサの平均的な横方向断面が、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、5000um^2、10,000um^2、または30,000um^2である、請求項69記載のデバイス。
【請求項73】
各導光スペーサの平均的な横方向断面が、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、または5000um^2である、請求項69記載のデバイス。
【請求項74】
導光スペーサの縁部と参照区域の縁部との間の最小距離が、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、または5000倍だけ、参照区域を通過する波長よりも大きい、請求項69記載のデバイス。
【請求項75】
サンプリング区域の縁部と導光スペーサの縁部との間の距離が、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、または5000倍だけ、サンプリング区域を通過する波長よりも大きい、請求項69記載のデバイス。
【請求項76】
サンプリング領域の縁部と参照区域との間の距離が、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、または5000倍だけ、参照区域を通過する光の波長よりも大きい、請求項69記載のデバイス。
【請求項77】
分析物がヘモグロビンである、請求項69記載のデバイス。
【請求項78】
試料が、体液、便、羊水、房水、硝子体液、血液、全血、画分血液、血漿、血清、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳糜、糜汁、内リンパ、外リンパ、糞便、胃酸、胃液、リンパ、粘液、鼻漏、痰、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜分泌物、唾液、皮脂、精液、喀痰、汗、滑液、涙、嘔吐物、尿、または呼気凝縮物の、元の、希釈された、または処理された形態である、請求項69記載のデバイス。
【請求項79】
試料が、元の、希釈された、または処理された形態の血液である、請求項69記載のデバイス。
【請求項80】
試料が全血を含む、請求項69記載のデバイス。
【請求項81】
試料中の分析物におけるヘモグロビンを分析するためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、導光スペーサと、を含み、
(i)第1のプレートおよび第2のプレートが、分析物を含有するかまたは含有する疑いのある試料を保持するように構成され、該試料の少なくとも一部が、2つのプレートの間にあり、両方のプレートと接触しており;
(ii)該導光スペーサが、柱形状と、予め決定された高さとを有し、
該導光スペーサの上面および底面が、平坦であり、少なくとも1つの導光スペーサの上面および底面が、該プレートと直接接触しており、
導光スペーサの上面および底面ならびに平均的な横方向断面の領域が、該試料を分析する光の波長よりもそれぞれ大きく、
(a)該少なくとも1つの導光スペーサと、該少なくとも1つの導光スペーサの真上および真下のプレートの区域とが、該プレートおよび該導光スペーサを通過する波長範囲内の光に対して透明な参照区域を規定し、(b)一方のプレート上の試料接触領域における少なくとも1つの区域と、他方のプレート上のその対応する区域とが、該導光スペーサによって占有されず、同じ波長範囲内の光に対して透明なサンプリング区域を規定している
デバイス。
【請求項82】
導光スペーサの縁部と参照区域の縁部との間の最小距離が、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、または5000倍だけ、サンプリング区域を通過する波長よりも大きい、請求項81記載のデバイス。
【請求項83】
サンプリング領域の縁部と参照区域との間の距離が、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍だけ、サンプリング区域を通過する波長よりも大きい、請求項81記載のデバイス。
【請求項84】
試料中の分析物を分析するためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、導光スペーサと、を含み、
(i)第1のプレートおよび第2のプレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに相対的に移動可能であり;
(ii)該プレートのそれぞれが、分析物を含有するかまたは含有する疑いのある試料に接触するための試料接触領域を有する内表面を含み;
(iii)該導光スペーサが、柱形状と、予め決定された均一な高さとを有し、該導光スペーサの上面および底面が、平坦であり、該底面が該プレートの一方の内表面に固定され、各導光スペーサの上面および底面ならびに平均的な横方向断面の領域が、該試料を分析する光の波長よりもそれぞれ大きく、該導光スペーサのうちの少なくとも1つが、該試料接触領域内にあり、
該開放構成が、2つのプレートが分離され、該プレート間の間隔が該導光スペーサによって調節されず、該試料が該プレートの一方または両方に付着される構成であり、
該閉鎖構成が、該開放構成での試料付着の後に構成される構成であり、該閉鎖構成では、該試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって高度に均一な厚さの層に圧縮され、該層の均一な厚さが、該プレートの試料接触領域によって制限され、かつ該プレートおよび該導光スペーサによって調節され、
該閉鎖構成において、(a)該試料接触領域における少なくとも1つの導光スペーサが、該プレートの一方と直接接触しているその上面を有し、該少なくとも1つの導光スペーサと、該少なくとも1つの導光スペーサの上下のプレートの区域とが、波長範囲内の光に対して透明な参照区域を規定し、(b)一方のプレート上の試料接触領域における少なくとも1つの区域と、他方のプレート上のその対応する区域とが、該導光スペーサによって占有されず、該波長範囲内の光に対して透明なサンプリング区域を規定している
デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2017年12月14日に出願された米国仮出願第62/598,899号の恩典を主張し、この出願は、すべての目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は、2つのプレートの間に含有する、間に挟まれた試料の薄い層の光透過分析を改善するためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
試料の薄い層による光学吸収は、生物学的および化学的試料をアッセイする方法のうちの1つである。光学吸収を測定するための1つの方法は、それぞれ試料の中および外へ直接進行する、入射光および透過光の強度を測定することである。
【0004】
しかしながら、実際の多くの状況において、これらの光強度を直接測定することは、様々な理由から困難であり得る。1つの理由は、薄い層の試料が測定のために試料ホルダーを必要とすることが多く、測定される透過光が、試料と試料ホルダーの両方を通過する光であるからである。したがって、試料ホルダーによる光吸収を、試料による光吸収から分離することができる方法の必要性がある。
【0005】
別の理由は、入射光と透過光が試料の反対側にあり、単一の検出器を両方の光に使用するのが困難であるからである。したがって、吸収測定のために単一の光検出器を使用する必要性がある。
【0006】
薄い試料の光透過測定についての先行する手法では、2つのプレートを含む試料ホルダーを使用して、試料を2つのプレートの間の挟んで薄い層にして、(ある特定の条件下で生じ得る)試料の薄い層内部の気泡を通した光透過を参照信号として使用して、試料ホルダーによる光吸収を試料の光吸収から分離させた。この手法はまた、単一の光検出器による光学吸収測定を可能にする。その方法においては、(i)気泡領域を通した光透過が、厚さゼロの試料を通したものと同じであることと、(ii)試料ホルダーによる光吸収が、(参照信号が測定される)気泡領域、および(試料信号が測定される)試料領域で、同じであることが仮定される。しかしながら、実際には、両仮定は誤りであることがある。気泡は試料信号の位置からかなり離れて生成され得るので、2つの位置の間での試料ホルダーの吸収には著しい差異がある。気泡は非常に小さいことがあるので、光が著しく散乱され、参照信号は、厚さゼロを有する試料とはかなり異なるであろう。さらに、気泡の生成は、発生(発生し得るかまたは発生し得ない)、および位置(例えば、ランダム配置)の両方において不規則である。
【0007】
したがって、本発明の目的は、参照光を生成し、光透過測定を単純化して、試料取扱いを単純化するためのデバイスおよび方法を提供することである。本発明は、先行のデバイスまたはシステムの不利な点を克服するかまたは低減させることができる。
【発明の概要】
【0008】
概要
とりわけ、本発明は、2つのプレートの間に含有する、間に挟まれた試料の薄い層の光学分析を改善するための、特に、光学分析を改善し得る参照信号を生成するための、および、ヘモグロビンをアッセイする用途のための、デバイスおよび方法に関する。
【0009】
試料の特性(例えば、生物学的または化学的特性)は、薄い試料層を通した透過光と入射光との強度の比率による試料の光学濃度(すなわち、OD)によって決定することができる(すなわち、ベール・ランベルトの法則)。しかしながら、薄い層の試料は、測定のために試料ホルダーを必要とすることが多く、測定される光もまた、試料ホルダーを通過する。試料の光透過信号および光学吸収(例えば、光学濃度)を、試料と試料ホルダーとを通した光透過を含む総透過光から分離する必要性がある。
【0010】
本発明の1つの目的は、試料ホルダーの特定の態様のデバイスおよび方法を提供し、その使用は、光透過測定を改善する。
[本発明1001]
第1のプレートと、第2のプレートと、導光スペーサ(LGS)と、サンプリング区域と、参照区域と、を含み、
(i)第1のプレートおよび第2のプレートが、試料を挟むように構成されており、これは該プレート間の薄い層に入る光による光透過分析のためのものであり、各プレートが、該試料に接触するその内表面上に試料接触領域を有し;
(ii)該導光スペーサ(LGS)が、柱形状を有し、LGS-プレート接触領域を形成する該プレートの一方に該柱の各端部を直接接触させて2つのプレートの間に挟まれており、該第1のプレートから該LGSを通して該第2のプレートに、試料を通過することなく光が透過できるように構成されており;
(iii)該LGSを有しないサンプリング区域が、順に、該第1のプレート、該試料、そして該第2のプレートを光が通過できる区域であり;
(iv)該参照区域が、順に、該第1のプレート、該導光スペーサ、そして該第2のプレートを、該試料を通過することなく光が透過する区域であり、
該LGS接触領域および該LGSの横方向断面が、光の波長よりも大きく、
該導光スペーサが、該試料によって囲まれているかまたは近接しており、
該サンプリング区域における該試料が、500um以下の厚さを有する
デバイス。
[本発明1002]
試料中のヘモグロビンを分析するためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、導光スペーサと、を含み、
(i)第1のプレートおよび第2のプレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに相対的に移動可能であり;
(ii)該プレートのそれぞれが、ヘモグロビンを含有するかまたは含有する疑いのある試料に接触するための試料接触領域を有する内表面を含み;
(iii)該導光スペーサが、柱形状を有し、該導光スペーサの上面および底面が実質的に平坦であり、該底面が該プレートの一方の内表面に固定され、各スペーサの上面および底面ならびに平均的な横方向断面の領域が、該試料を分析する光の波長よりもそれぞれ大きく、該導光スペーサが該試料接触領域内にあり、
該開放構成が、2つのプレートが分離され、該プレート間の間隔が該導光スペーサによって調節されず、該試料が該プレートの一方または両方に付着される構成であり、
該閉鎖構成が、該開放構成での試料付着の後に構成される構成であり、該閉鎖構成では、該試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって高度に均一な厚さの層に圧縮され、該層の均一な厚さが、該プレートの試料接触領域によって制限され、かつ該プレートおよび該導光スペーサによって調節され、
該閉鎖構成において、(a)該試料接触領域における少なくとも1つのスペーサが、該プレートの一方と直接接触しているその上面を有し、該少なくとも1つのスペーサと、該少なくとも1つのスペーサの上下のプレートの区域とが、波長範囲内の光に対して透明な参照区域を規定し、(b)一方のプレート上の該試料接触領域における少なくとも1つの区域と、他方のプレート上のその対応する区域とが、該導光スペーサによって占有されず、同じ波長範囲内の光に対して透明なサンプリング区域を規定している
デバイス。
[本発明1003]
試料中の分析物におけるヘモグロビンを分析するためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、導光スペーサと、を含み、
(i)第1のプレートおよび第2のプレートが、分析物を含有するかまたは含有する疑いのある試料を保持するように構成され、該試料の少なくとも一部が、2つのプレートの間にあり、両方のプレートと接触しており;
(ii)該導光スペーサが、柱形状と、実質的に予め決定された高さとを有し、
該導光スペーサの上面および底面が、実質的に平坦であり、少なくとも1つのスペーサの上面および底面が、該プレートと直接接触しており、
各スペーサの上面および底面ならびに平均的な横方向断面の領域が、該試料を分析する光の波長よりもそれぞれ大きく、
(a)該少なくとも1つのスペーサと、該少なくとも1つのスペーサの真上および真下のプレートの区域とが、該プレートおよび該スペーサを通過する波長範囲内の光に対して透明な参照区域を規定し、(b)一方のプレート上の試料接触領域における少なくとも1つの区域と、他方のプレート上のその対応する区域とが、該導光スペーサによって占有されず、同じ波長範囲内の光に対して透明なサンプリング区域を規定している
デバイス。
[本発明1004]
試料中の分析物を分析するためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、導光スペーサと、を含み、
(i)第1のプレートおよび第2のプレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに相対的に移動可能であり;
(ii)該プレートのそれぞれが、分析物を含有するかまたは含有する疑いのある試料に接触するための試料接触領域を有する内表面を含み;
(iii)該導光スペーサが、柱形状と、予め決定された実質的に均一な高さとを有し、該導光スペーサの上面および底面が、実質的に平坦であり、該底面が該プレートの一方の内表面に固定され、各スペーサの上面および底面ならびに平均的な横方向断面の領域が、該試料を分析する光の波長1よりもそれぞれ大きく、該導光スペーサのうちの少なくとも1つが、該試料接触領域内にあり、
該開放構成が、2つのプレートが分離され、該プレート間の間隔が該導光スペーサによって調節されず、該試料が該プレートの一方または両方に付着される構成であり、
該閉鎖構成が、該開放構成での試料付着の後に構成される構成であり、該閉鎖構成では、該試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって高度に均一な厚さの層に圧縮され、該層の均一な厚さが、該プレートの試料接触領域によって制限され、かつ該プレートおよび該導光スペーサによって調節され、
該閉鎖構成において、(a)該試料接触領域における少なくとも1つのスペーサが、該プレートの一方と直接接触しているその上面を有し、該少なくとも1つのスペーサと、該少なくとも1つのスペーサの上下のプレートの区域とが、波長範囲内の光に対して透明な参照区域を規定し、(b)一方のプレート上の試料接触領域における少なくとも1つの区域と、他方のプレート上のその対応する区域とが、該導光スペーサによって占有されず、該波長範囲内の光に対して透明なサンプリング区域を規定している
デバイス。
[本発明1005]
試料中のヘモグロビンを分析するためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、導光スペーサと、を含み、
(v)第1のプレートおよび第2のプレートが、試料を薄い層に挟むように構成されており、
第1のプレートと、第2のプレートと、導光スペーサと、を含み、
(i)第1のプレートおよび第2のプレートが、試料を薄い層に挟むように構成されており;
(ii)該導光スペーサが、2つのプレートの間に挟まれた柱形状を有し、該柱の端部とそれぞれのプレートとの間に試料がないように該柱の各端部がプレートの一方に直接接触しており、該導光スペーサが、該試料によって囲まれているかまたは近接しているかのいずれかであり、該直接接触領域および該柱の平均的な横方向断面が、それぞれ少なくとも1um^2(平方ミクロン)以上であり、
該プレートの内表面間の間隔が、200um以下である
デバイス。
[本発明1006]
試料分析のための装置であって、
先行するデバイス態様のいずれか1つのデバイスと、光源と、カメラと、アダプタと、を含み、
(i)該光源が、参照区域を通過するように構成された波長範囲内で発光するように構成され、
(ii)該カメラが、該参照区域およびサンプリング区域を撮像するように構成され、
(iii)該光源からの光が、該参照区域および該サンプリング区域を通過して、該カメラによって撮像されるように、該アダプタが、該デバイスと、該光源と、該カメラとを互いに相対的に位置付けるように構成されている
装置。
[本発明1007]
カメラによって捕捉された画像を処理し、参照区域およびサンプリング区域からの光透過を比較することに基づいて試料中の分析物の特性を決定するように構成された、プロセッサ
をさらに含む、先行する装置態様のいずれか1つに記載の装置。
[本発明1008]
カメラおよびプロセッサが、単一のモバイルデバイスの部品である、先行する本発明のいずれかの装置。
[本発明1009]
光源およびプロセッサが、単一のモバイルデバイスの部品である、先行する本発明のいずれかの装置。
[本発明1010]
光源、カメラ、およびプロセッサが、単一のモバイルデバイスの部品である、先行する本発明のいずれかの装置。
[本発明1011]
モバイルデバイスがスマートフォンである、先行する装置態様のいずれか1つに記載の装置。
[本発明1012]
透過光を使用する試料分析のための方法であって、
(a)先行するデバイス態様のいずれか1つのデバイスを有する工程、
(b)該デバイスの開放構成で、分析物を含有する疑いのある試料を付着させる工程、
(c)該デバイスを閉鎖構成にする工程、
(d)該デバイスの参照区域を通過するように構成された波長を有する光源を有する工程、
(e)該デバイスの参照区域およびサンプリング区域を撮像するように構成されたイメージャを有する工程、
(f)該光源からの光が、該参照区域および該サンプリング区域を通過して、カメラによって撮像されるように、該デバイスと、該光源と、該カメラとを互いに相対的に位置付けるように構成されたアダプタを有する工程、
(g)該サンプリング区域および該参照区域からの光透過を比較することによって分析物の特性を決定する工程
を含む、方法。
[本発明1013]
分析物がヘモグロビンである、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1014]
分析物が細胞型である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1015]
試料層の厚さが、プレートおよび導光スペーサによって調節され、該導光スペーサの均一な高さと実質的に同じである、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1016]
分析物が赤血球である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1017]
分析物が白血球である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1018]
参照区域およびサンプリング区域が同じサイズを有する、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1019]
参照区域が、導光スペーサの断面の対応する領域内にある、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1020]
参照区域が、0.1um^2未満、0.2um^2未満、0.5um^2未満、1um^2未満、2um^2未満、5um^2未満、10um^2未満、20um^2未満、50um^2未満、100um^2未満、200um^2未満、500um^2未満、1000um^2未満、2000um^2未満、5000um^2未満、10000um^2未満、20000um^2未満、50000um^2未満、100000um^2未満、200000um^2未満、500000um^2未満、1mm^2未満、2mm^2未満、5mm^2未満、10mm^2未満、20mm^2未満、もしくは50mm^2未満、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1021]
デバイスが、実質的に均一な高さを有する複数の導光スペーサをさらに含み、該導光スペーサのうちの少なくとも1つが試料接触領域内にある、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1022]
デバイスが、実質的に均一な高さを有する複数の導光スペーサをさらに含み、隣接する2つの導光スペーサの間の距離が既知であり、該導光スペーサのうちの少なくとも1つが試料接触領域内にある、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1023]
デバイスが、実質的に均一な高さを有する複数の導光スペーサをさらに含み、隣接する2つの導光スペーサの間の距離が既知でありかつ実質的に一定であり(すなわち、該導光スペーサが実質的に周期的なアレイである)、該導光スペーサのうちの少なくとも1つが試料接触領域内にある、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1024]
導光スペーサをプレートの内表面で成形することによって、該導光スペーサの底面が、該プレートの一方の内表面に固定される、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1025]
導光スペーサの底面が、プレートの一方の内表面に固定され、該内表面と同じ材料から作られている、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1026]
導光スペーサの底面が、プレートの一方の内表面に固定され、該内表面と同じ材料から作られており、該導光スペーサの底面が該プレートの内表面との接合部分を有しない、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1027]
光の波長が300nmよりも長く、該光の波長がまた、20μm未満、15μm未満、10μm未満、5μm未満、4μm未満、3μm未満、2μm未満、1μm未満、800nm未満、750nm未満、700nm未満、650nm未満、600nm未満、550nm未満、500nm未満、450nm未満、400nm未満、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1028]
光の波長が500nmよりも長く、該光の波長がまた、600nm未満、590nm未満、580nm未満、570nm未満、560nm未満、550nm未満、540nm未満、530nm未満、520nm未満、510nm未満、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1029]
各導光スペーサの平均的な横方向断面が、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、5000um^2、10,000um^2、30,000um^2、100,000um^2、200,000um^2、500,000um^2、1mm^2、2mm^2、5mm^2、10mm^2、50mm^2未満、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1030]
各導光スペーサの平均的な横方向断面が、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、5000um^2、10,000um^2、30,000um^2、100,000um^2、200,000um^2未満、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1031]
各導光スペーサの平均的な横方向断面が、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、5000um^2、10,000um^2、30,000um^2未満、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1032]
試料接触領域が、100um^2(ミクロン平方)よりも大きい、200um^2よりも大きい、400um^2よりも大きい、600um^2よりも大きい、800um^2よりも大きい、1,000um^2よりも大きい、2,000um^2よりも大きい、4,000um^2よりも大きい、6,000um^2よりも大きい、8,000um^2よりも大きい、10,000um^2よりも大きい、20,000um^2よりも大きい、40,000um^2よりも大きい、60,000um^2よりも大きい、80,000um^2よりも大きい、100,000um^2よりも大きい、200,000um^2よりも大きい、250,000um^2よりも大きい、500,000um^2(ミクロン平方)よりも大きい、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1033]
予め決定された一定のスペーサ間距離が、分析物のサイズよりも少なくとも約2倍大きい、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1034]
予め決定された一定のスペーサ間距離が、少なくとも2倍、少なくとも6倍、少なくとも8倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも40倍、少なくとも60倍、少なくとも80倍、または少なくとも100倍の倍率だけ分析物のサイズよりも大きい、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1035]
導光スペーサの高さが、1um、2um、5um、10um、30um、50um、100um、200um、500um、1,000um、2,000um、5,000um、10,000um、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1036]
スペーサが、1um、2um、5um、10um、30um、50um、100um、200um、500um、1,000um、2,000um、5,000um、10,000um、または任意のこれら2つの値の間の範囲内の周期を有する周期的なアレイに配置されている、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1037]
LGSが、その端部が実質的に平坦な柱形状を有する、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1038]
LGSの端部の一方または両方が、接着されることによって、融着されることによって、単一部分から作られることによって、または該LGSをプレートに接続する他の方法によって、該プレートの一方または両方に固定されている、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1039]
LGSの横方向断面の形状が、円形、長方形、正方形、三角形、多角形、アルファベット、数字、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1040]
各導光スペーサ(LGS)の平均的な横方向断面が、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、5000um^2、10,000um^2、30,000um^2、100,000um^2、200,000um^2、500,000um^2、1mm^2、2mm^2、5mm^2、10mm^2、50mm^2、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1041]
各導光スペーサの平均的な横方向断面が、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、5000um^2、10,000um^2、30,000um^2、100,000um^2、200,000um^2、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1042]
各導光スペーサの平均的な横方向断面が、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、5000um^2、10,000um^2、30,000um^2、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1043]
各導光スペーサの平均的な横方向断面が、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、5000um^2、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1044]
各導光スペーサの平均的な横方向断面が、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、5000倍、または任意のこれら2つの値の間の範囲内だけ、参照区域を通過する光の波長よりも大きい、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1045]
各導光スペーサの平均的な横方向断面が、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、または任意のこれら2つの値の間の範囲内だけ、参照区域を通過する光の波長よりも大きい、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1046]
参照区域が、導光柱の最小横方向断面のサイズよりも小さい、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。1つの利点は、参照信号に影響を及ぼす導光側壁の光散乱を回避または低減することである。
[本発明1047]
導光スペーサの縁部と参照区域の縁部との間の最小距離が、1um(ミクロン)、2um、3um、5um、10um、20um、30um、50um、100um、200um、500um、1000um、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1048]
導光スペーサの縁部と参照区域の縁部との間の最小距離が、1um(ミクロン)、2um、3um、5um、10um、20um、30um、50um、100um、200um、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1049]
導光スペーサの縁部と参照区域の縁部との間の最小距離が、1um(ミクロン)、2um、3um、5um、10um、20um、30um、50um、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1050]
導光スペーサの縁部と参照区域の縁部との間の最小距離が、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、5000倍、または任意のこれら2つの値の間の範囲内だけ、参照区域を通過する波長よりも大きい、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1051]
導光スペーサの縁部と参照区域の縁部との間の最小距離が、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、5000倍、または任意のこれら2つの値の間の範囲内だけ、サンプリング区域を通過する波長よりも大きい、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1052]
参照区域面積と導光スペーサ面積との比率が、3/10、2/5、1/2、3/5、7/10、4/5、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1053]
サンプリング区域の縁部が、導光柱の縁部から離れた距離にある、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1054]
サンプリング区域の面積が、周期的なスペーサ間距離の3/5、7/10、4/5、9/10、1、11/10、6/5、13/10、7/5、3/2、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1055]
サンプリング区域の縁部と導光スペーサの縁部との間の距離が、導光スペーサ面積の、1/5、3/10、2/5、1/2、3/5、7/10、4/5、9/10、1、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1056]
サンプリング区域の縁部と導光スペーサの縁部との間の距離が、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、5000倍、または任意のこれら2つの値の間の範囲内だけ、参照区域を通過する波長よりも大きい、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1057]
サンプリング区域の縁部と導光スペーサの縁部との間の距離が、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、5000倍、または任意のこれら2つの値の間の範囲内だけ、サンプリング区域を通過する波長よりも大きい、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1058]
サンプリング領域の縁部と参照区域との間の距離が、1um(ミクロン)、2um、3um、5um、10um、20um、30um、40um、50um、100um、200um、500um、1000um、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1059]
サンプリング領域の縁部と参照区域との間の距離が、30um(ミクロン)~50um、20um~60um、10um~70um、5um~75um、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1060]
サンプリング領域の縁部と参照区域との間の距離が、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、5000倍、または任意のこれら2つの値の間の範囲内だけ、参照区域を通過する波長よりも大きい、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1061]
サンプリング領域の縁部と参照区域との間の距離が、導光スペーサ面積の、2/5、1/2、3/5、7/10、4/5、9/10、1、11/10、6/5、13/10、7/5、3/2、8/5、17/10、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1062]
サンプリング領域の縁部と参照区域との間の距離が、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、5000倍、または任意のこれら2つの値の間の範囲内だけ、参照区域を通過する光の波長よりも大きい、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1063]
サンプリング領域の縁部と参照区域との間の距離が、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍だけ、サンプリング区域を通過する波長よりも大きい、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1064]
分析物が、バイオマーカー、環境マーカー、または食品マーカーである、先行する本発明のいずれかのデバイス、装置、または方法。
[本発明1065]
分析物が、疾患または状態の存在または重症度を示すバイオマーカーである、先行する本発明のいずれかのデバイス、装置、または方法。
[本発明1066]
分析物が、細胞、タンパク質、または核酸である、先行する本発明のいずれかのデバイス、装置、または方法。
[本発明1067]
分析物がヘモグロビンである、先行する本発明のいずれかのデバイス、装置、または方法。
[本発明1068]
分析物が、タンパク質、ペプチド、核酸、合成化合物、無機化合物、有機化合物、細菌、ウイルス、細胞、組織、ナノ粒子、およびその他の分子、化合物、混合物、ならびにそれらの物質を含む、先行する本発明のいずれかのデバイス、装置、または方法。
[本発明1069]
試料が、体液、便、羊水、房水、硝子体液、血液、全血、画分血液、血漿、血清、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳糜、糜汁、内リンパ、外リンパ、糞便、胃酸、胃液、リンパ、粘液、鼻漏、痰、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜分泌物、唾液、皮脂、精液、喀痰、汗、滑液、涙、嘔吐物、尿、または呼気凝縮物の、元の、希釈された、または処理された形態である、先行する本発明のいずれかのデバイス、装置、または方法。
[本発明1070]
試料が、元の、希釈された、または処理された形態の血液である、先行する本発明のいずれかのデバイス、装置、または方法。
[本発明1071]
試料が全血を含む、先行する本発明のいずれかのデバイス、装置、または方法。
[本発明1072]
スペーサ間距離(SD)が、約150um(マイクロメートル)以下である、先行する本発明のいずれかの方法またはデバイス。
[本発明1073]
スペーサ間距離(SD)が、約100um(マイクロメートル)以下である、先行する本発明のいずれかの方法またはデバイス。
[本発明1074]
可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったスペーサ間距離(ISD)の4乗(ISD 4 /(hE))が、5×10 6 um 3 /GPa以下である、先行する本発明のいずれかの方法またはデバイス。
[本発明1075]
可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったスペーサ間距離(ISD)の4乗(ISD 4 /(hE))が、5×10 5 um 3 /GPa以下である、先行する本発明のいずれかの方法またはデバイス。
[本発明1076]
スペーサが、柱形状、実質的に平坦な上面、予め決定された実質的に均一な高さ、および分析物のサイズよりも少なくとも約2倍大きい予め決定された一定のスペーサ間距離を有し、該スペーサのヤング率に該スペーサの充填率を乗じたものが、2MPa以上であり、該充填率が、スペーサ接触面積と総プレート面積との比率であり、各スペーサについて、該スペーサの横方向寸法とその高さとの比率が少なくとも1である、先行する本発明のいずれかの方法またはデバイス。
[本発明1077]
スペーサが、柱形状、実質的に平坦な上面、予め決定された実質的に均一な高さ、および分析物のサイズよりも少なくとも約2倍大きい予め決定された一定のスペーサ間距離を有し、該スペーサのヤング率に該スペーサの充填率を乗じたものが、2MPa以上であり、該充填率が、スペーサ接触面積と総プレート面積との比率であり、各スペーサについて、該スペーサの横方向寸法とその高さとの比率が少なくとも1であり、可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったスペーサ間距離(ISD)の4乗(ISD 4 /(hE))が、5×10 6 um 3 /GPa以下である、先行する本発明のいずれかの方法またはデバイス。
[本発明1078]
スペーサの間隔間距離とスペーサの平均幅との比率が2以上であり、該スペーサの充填率を該スペーサのヤング率で乗じると2MPa以上である、先行するデバイス発明のいずれかのデバイス。
[本発明1079]
一方または両方のプレートが、該プレートの表面上または内側のいずれかに、該プレートの位置情報を提供する位置マーカーを含む、先行する本発明のいずれかのデバイス、装置、または方法。
[本発明1080]
一方または両方のプレートが、該プレートの表面上または内側のいずれかに、試料および/または該プレートの構造の横方向寸法の情報を提供するスケールマーカーを含む、先行する本発明のいずれかのデバイス、装置、または方法。
[本発明1081]
一方または両方のプレートが、該プレートの表面上または内側のいずれかに、試料の撮像を補助する撮像マーカーを含む、先行する本発明のいずれかのデバイス、装置、または方法。
[本発明1082]
試料が、体液、便、羊水、房水、硝子体液、血液、全血、画分血液、血漿、血清、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳糜、糜汁、内リンパ、外リンパ、糞便、胃酸、胃液、リンパ、粘液、鼻漏、痰、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜分泌物、唾液、皮脂、精液、喀痰、汗、滑液、涙、嘔吐物、尿、または呼気凝縮物の、元の、希釈された、または処理された形態である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1083]
試料が、元の、希釈された、または処理された形態の血液である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1084]
試料が全血を含む、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
[本発明1085]
試料が、生物学的試料、化学的試料、環境試料、または食品試料である、先行する本発明のいずれかのデバイス、方法、またはシステム。
【0011】
参照による組み込み
本明細書において挙げられるすべての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願それぞれが参照により組み込まれることが明確かつ個別に示される場合と同じ程度に、参照によって本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
当業者は、以下に記載される図面が、単に例示目的のためであることを理解するであろう。いくつかの図面において、図面は縮尺どおりである。実験データ点を提示する図では、データ点をつなぐ線は、単にデータの表示を示すためのものであり、他の意味はない。明確さの目的で、図面中に示すとき、いくつかの要素が拡大される。図面は、要素を厳密な比率で示すように意図されたものではないことに留意されたい。要素の寸法は、参照によって提供されて組み込まれる本明細書の記載から表されるべきである。図面は、決して本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0013】
図1A】第1のプレートと、第2のプレートと、導光スペーサ(LGS)とを含む、光を使用する光透過によって試料中の分析物(例えば、血液試料中のヘモグロビン)を分析するための、OAC(例えば、光学分析カード)と呼ばれる試料ホルダーの一態様の断面図を示す。LGSは、柱形状を有し、LGS-プレート接触領域を形成するプレートのうちの1つに柱の各端部を直接接触させて2つのプレートの間に挟まれており、第1のプレートからLGSを通して試料を通過することなく第2のプレートへ光が透過するのを可能にするように構成されている。
図1B】第1のプレートと、第2のプレートと、導光スペーサ(LGS)とを含む、光を使用する光透過によって試料中の分析物(例えば、血液試料中のヘモグロビン)を分析するための、OAC(例えば、光学分析カード)と呼ばれる試料ホルダーの一態様の断面図を示す。2つのプレートは互いに相対的に移動可能であって、柱は平坦な上部を有している。
図1C】CROF(圧縮調節オープンフロー)態様の図である。パネル(a)は、第1のプレートおよび第2のプレートを示し、第1のプレートはスペーサを有する。パネル(b)は、開放構成で試料を第1のプレート(図示あり)、または第2のプレート(図示せず)、または両方(図示せず)に付着させることを示す。パネル(c)は、閉鎖構成で、(i)試料を広げて(プレート間の試料の流れ)試料厚さを低減するために2つのプレートを使用することと、(ii)試料厚さを調節するためにスペーサおよびプレートを使用することとを示す。各プレートの内表面は、1つまたは複数の結合部位および/または貯蔵部位(図示せず)を有していてもよい。
図2A】第1のプレートと、第2のプレートと、LGSとを有する試料ホルダー、ホルダー中の試料、サンプリング区域および参照区域の位置、ならびに試料区域および参照区域における入射光および透過光それぞれの一態様の断面図を示す。
図2B】第1のプレートと、第2のプレートと、LGSとを有する試料ホルダー、ホルダー中の試料、ならびにサンプリング区域および参照区域の位置の一態様の斜視図を示す。
図3】第1のプレートと、第2のプレートと、LGSとを有する試料ホルダー、LGSの位置、サンプリング区域、参照区域、ならびに参照区域および試料区域の縁部の例示的な位置の一態様の上面図を示す。縁部は、撮像処理中に選択されることに留意されたい。
図4】波長200nm~1000nmにおける、酸化ヘモグロビン[HbO2]および脱酸素化ヘモグロビン[Hb]のモル吸光係数を示す。
図5】QMAXカードでヘモグロビンを測定するための光学装置を示す。
図6】iPhoneによって行われる、QMAXカードでの例示的なヘモグロビン測定を示す。
図7】ゴールドスタンダード(Abbott Emerald Hemocytometer)と比較した、例示的なQMAXヘモグロビン測定を示す。
図8】iPhoneによって行われる、QMAXカードにおける例示的なヘモグロビン測定を示す。
図9】サンプリング区域および参照区域を選択するための例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
以下の詳細な説明は、発明のある特定の態様を、限定ではなく例として示している。もしあれば、本明細書で使用されるセクション見出しおよび任意の小見出しは、単に系統化する目的であって、決して記載された主題事項を限定するものとして解釈されるものではない。セクション見出しおよび/または小見出しの下の内容は、セクション見出しおよび/または小見出しに限定されるものではなく、本発明の記載全体に適用される。
【0015】
任意の刊行物の引用は、出願日よりも前のその開示に対するものであり、先行の発明によって、本特許請求の範囲がこのような刊行物に先立つ権利を有しないという容認として解釈すべきではない。さらに、提供される刊行物の日付は、個別に確認する必要があり得る実際の刊行日とは異なることがある。
【0016】
定義
特に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術的および科学的な用語は、本開示が属する技術における当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で記載されるものと類似または均等の任意の方法および材料もまた、本教示の実施または試験において使用されるが、いくつかの例示的な方法および材料をここで説明する。
【0017】
「導光スペーサ」または「LGS」という用語は、柱を指すことがあり、試料の光透過測定の間、柱の一端は第1のプレートに直接接触しており、柱の他端は第2のプレートに直接接触している。特定の態様において、第1のプレートおよび第2のプレートは、2つのプレートの間に試料を挟む。特定の態様では、光学指数および柱のサイズは予め決定されており、既知である。ある態様では、LGSは、プレートのうちの一方または両方と同じ材料から作られる。ある態様では、LGSは、接着、成形、インプリントされるか、または他の方法で、一方または両方のプレートに接続される。
【0018】
「有意でない試料量」という用語は、2つのプレートおよび試料を有する領域で測定が実行されるとき、試料の光透過測定に対して無意味な試料量を指すことがある。
【0019】
「LGS-プレート接触領域」という用語は、プレートのうちの一方と直接接触している(柱形状を有する)LGSの各端部における領域を指すことがある。ある特定の態様では、LGSと1つのプレートは、一体化された材料で作られるので、プレートに接続されたLGSの端部に対するLGS-プレート接触領域は、LGSの断面である。ある特定の態様では、LDGおよび両方のプレートは、単体成形の材料から作られるので、LGSの両端に対するLGS-プレート接触領域は、LGSの断面である。
【0020】
「LGSの横方向断面」という用語は、LGSが2つのプレートの間に挟まれたときにプレートと平行なLGSの断面を指すことがある。
【0021】
「LGS接触領域またはLGSの横方向断面は、光の波長よりも大きい」という用語は、光の波長よりも大きなLGS接触領域またはLGSの横方向断面が、光の波長と等しい直径を有するディスクの面積よりも大きいことを指すことがある。
【0022】
「OTSA」という用語は、光透過によって薄い試料層の光学濃度を測定する光透過試料分析を意味する。
【0023】
「SR区域」または「一対のSR区域」という用語は交換可能であって、1つのサンプリング区域および1つの対応する参照区域、を指すことがあり、ここで、薄い試料層のODは、試料区域および参照区域を通した透過光の強度の比率を利用することによって決定される。
【0024】
OACデバイスの「参照区域」という用語は、ある波長の光および偏光が、第1のプレート、導光スペーサ、および第2のプレートを通過するデバイスの区域、を指すことがあり、導光スペーサは、第1および第2のプレートと直接接触している。OACデバイスの「参照区域」という用語は、導光スペーサが2つのプレートの間に挟まれて各プレートにそれぞれ直接接触を有するデバイスの区域、を指すことがあり、参照区域において、プロービング光は、試料を通過することなく、順に、第1のプレート、導光スペーサ、そして第2のプレートを透過する。
【0025】
OACデバイスの「サンプリング区域」という用語は、参照区域を通過する試料波長の光および偏光が、導光スペーサを通過することなく、第1のプレート、2つのプレートの間の試料、および第2のプレートを通過するデバイスの区域を指すことがある。
【0026】
OACデバイスの「サンプリング区域」という用語は、その区域においてLGSなしで試料が2つのプレートの間にあるデバイスの区域、を指すことがあり、すなわち、サンプリング区域では、プロービング光は、LGSに遭遇することなく、順に、第1のプレート、2つのプレートの間の試料、そして第2のプレートを透過する。
【0027】
OACデバイスの「サンプリング区域と参照区域との間の距離」という用語は、参照区域の境界とサンプリング区域の境界との間の最短離隔距離を指すことがある。
【0028】
「イメージャ」および「カメラ」という用語は、交換可能である。
【0029】
「試料内の」柱、LSG、または物体という用語は、柱の側壁、LSG、または物体が試料によって囲まれていることを意味する。
【0030】
「インプリントされた」という用語は、材料の一部分をインプリントして(例えば、エンボス加工して)スペーサをプレート表面上に形成することによって、スペーサとプレートが一体に固定されることを意味する。材料は、材料の単一の層または材料の複数の層であり得る。
【0031】
「エッチングされた」という用語は、材料の一部分をエッチングしてスペーサをプレート表面上に形成することによって、スペーサとプレートが一体に固定されることを意味する。材料は、材料の単一の層または材料の複数の層であり得る。
【0032】
「融着された」という用語は、スペーサとプレートを一緒に取り付けることによって、スペーサとプレートが一体に固定されることを意味し、スペーサおよびプレートのための元の材料は互いに融着されており、融着後の2つの材料の間にはっきりとした材料境界がある。
【0033】
「接着された」という用語は、スペーサとプレートを接着剤によって結合することによって、スペーサとプレートが一体に固定されることを意味する。
【0034】
「取り付けられた」という用語は、スペーサとプレートが一緒に接続されることを意味する。
【0035】
「CROFカード(またはカード)」、「COFカード」、「QMAXカード」、「Qカード」、「CROFデバイス」、「COFデバイス」、「QMAXデバイス」、「CROFプレート」、「COFプレート」、および「QMAXプレート」という用語は、交換可能であるが、例外として、いくつかの態様では、COFカードはスペーサを含まず、これらの用語は、(開放構成および閉鎖構成を含む)異なる構成へと互いに相対的に移動可能な第1のプレートおよび第2のプレートを含み、かつプレート間の間隔を調節するスペーサ(COFカードのいくつかの態様を除いて)を含むデバイスを指す。「Xプレート」という用語は、CROFカードの2つのプレートのうち一方を指すことがあり、スペーサは、このプレートに固定されている。COFカード、CROFカード、およびXプレートのさらなる説明は、2017年2月7日に出願された仮出願第62/456065号に与えられており、すべての目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0036】
QMAXプロセスにおける2つのプレートの「開放構成」という用語は、2つのプレートが部分的にまたは完全にのいずれかで分離され、プレート間の間隔がスペーサによって調節されない構成を意味する。
【0037】
QMAXプロセスにおける2つのプレートの「閉鎖構成」という用語は、プレートが互いに向き合っている構成を意味し、スペーサと適切な体積の試料とがプレート間にあり、プレート間の適切な間隔、したがって、適切な体積の試料の厚さが、プレートおよびスペーサによって調節され、適切な体積は、試料の全体積の少なくとも一部分である。
【0038】
QMAXプロセスにおける「試料厚さがプレートおよびスペーサによって調節される」という用語は、プレート、試料、スペーサ、およびプレート圧縮方法の所与の条件のために、プレートの閉鎖構成で、試料の少なくとも一部の厚さがスペーサおよびプレートの特性から予め決定され得ることを意味する。
【0039】
QMAXカードのプレートの「内表面」または「試料表面」という用語は、試料に触れるプレートの表面を指すことがある一方、プレートの他方の表面(試料に触れない)は、「外表面」と称される。
【0040】
QMAXプロセスにおける物体の「高さ」または「厚さ」という用語は、特に明記しない限り、プレートの表面に垂直な方向にある物体の寸法を指すことができる。例えば、スペーサ高さは、プレートの表面に対して垂直な方向にあるスペーサの寸法であり、スペーサ高さおよびスペーサ厚さは、同じことを意味する。
【0041】
QMAXプロセスにおける物体の「面積」という用語は、特に明記しない限り、プレートの表面に平行な物体の領域を指すことがある。例えば、スペーサ面積は、プレートの表面に平行なスペーサの領域である。
【0042】
QMAXカードという用語は、QMAX(例えば、CROF)プロセスを試料に実行する、2つのプレートを接続するヒンジを有するかまたは有しないデバイスを指すことがある。
【0043】
「ヒンジを含むQMAXカード」および「QMAXカード」という用語は、交換可能である。
【0044】
「角度を自己維持する」、「角度の自己維持」、または「回転角度の自己維持」という用語は、プレートを最初の角度からその角度に動かす外力がプレートから除かれた後に、2つのプレート間の角度を実質的に維持するヒンジの特性を指すことがある。
【0045】
「スペーサが予め決定された高さを有する」および「スペーサが予め決定されたスペーサ間距離を有する」という用語は、それぞれ、QMAXプロセスの前にスペーサ高さおよびスペーサ間距離の値が既知であることを意味する。スペーサ高さとスペーサ間距離の値がQMAXプロセスの前にわからない場合は、予め決定されていない。例えば、ビーズがスペーサとしてプレートにスプレーされ、ビーズがプレートのランダムな位置に着地する場合、スペーサ間距離は予め決定されていない。スペーサ間距離が予め決定されていない別の例は、QMAXプロセス中にスペーサが移動する場合である。
【0046】
QMAXプロセスにおける「スペーサがそのそれぞれのプレート上に固定される」という用語は、スペーサが、プレートの、ある位置に取り付けられ、その位置への取り付けが、QMAXプロセス中維持されることを意味する(すなわち、それぞれのプレート上のスペーサの位置は変化しない)。「スペーサがそのそれぞれのプレートに固定される」例は、スペーサがプレートの材料の一部分から一体に作られて、プレート表面に対するスペーサの位置が、QMAXプロセス中に変化しないことである。「スペーサがそのそれぞれのプレートに固定されていない」例は、スペーサが接着剤によってプレートに接着されたが、プレートの使用中、QMAXプロセスの間、接着剤がスペーサをプレート表面上のその元の位置に保持することができず、スペーサがプレート表面上のその元の位置から移動することである。
【0047】
本開示を読むと当業者には明らかであるように、本明細書で説明および図示される個々の態様のそれぞれは、本教示の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの態様のうちのいずれかの特徴から容易に分離またはそれと組み合わせることができる個別の構成要素および特徴を有する。任意の列挙された方法は、列挙された事象の順序、または論理的に可能な任意の他の順序で行うことができる。当業者は、本発明が、その応用において、構造の詳細、構成要素の配置、カテゴリー選択、重み付け、予め決定された信号制限、または本明細書における説明もしくは図面に記載された工程に限定されないことを正しく認識するであろう。本発明は、他の態様が可能であり、多くの異なる方法で実施または実行することができる。
【0048】
原理および特定の実施例
本発明の1つの目的は、2つのプレートの間に含有する、間に挟まれた試料の薄い層の光透過分析を改善するための、特に、光学分析を改善することができる参照信号を生成するための、そして試料中の分析物、例えば、血液試料中のヘモグロビンをアッセイする用途のためのデバイスおよび方法に関する。
【0049】
試料の特定の生物学的または化学的特性は、試料層を通した光透過実験において、薄い試料層の吸収係数αsを測定することによって決定することができる。ベール・ランベルトの法則を使用して、薄い試料層の光吸収係数αsは、入射光強度Ii(すなわち、試料に入射する光)および透過光強度It(すなわち、試料を通過する光)に関連付けられ、
ここで、Lsは、試料層の長さ(すなわち、厚さ)であり、ODは、試料層を通した光学濃度である。薄い試料層の光吸収係数αsは、試料の特性に関連付けることができる。したがって、ベール・ランベルトの法則を使用して試料層のODを測定することによって、試料の特性を決定することができる。
【0050】
しかしながら、実際には、入射光(すなわち、試料層に直接入射する光)および透過光(すなわち、試料を通して直接透過する光)の両方の強度を直接測定することは困難である。典型的に、実験で測定されるものは、試料と試料ホルダーの両方を通した総透過光である(これは、薄い層の試料が測定のためにホルダーを必要とすることが多く、測定される光もまた試料ホルダーを通過するからである)。したがって、試料のODを総透過光から分離/決定する必要性がある。
【0051】
本発明にしたがうと、OAC(すなわち、光学分析カード)と呼ばれる特定の試料ホルダーが提供され、材料の光学濃度は、2つの透過光の強度の比率を利用することによって決定される。一方は、試料ホルダーのサンプリング区域を透過する光であり、他方は、試料ホルダーの参照区域を透過する光であり、試料のODは、入射光を直接測定することなく決定される。
【0052】
試料ホルダー
本発明にしたがうと、図1および図2に示すように、光を使用する光透過によって試料中の分析物(例えば、血液試料中のヘモグロビン)を分析するためのOAC(すなわち、光学分析カード)と呼ばれる試料ホルダーの一態様は、
第1のプレートと、第2のプレートと、導光スペーサ(LGS)と、サンプリング区域と、参照区域と、を含み、
(i)第1のプレートおよび第2のプレートが、試料を挟むように構成されており、これは、プレートの間の薄い層に入る光による光透過分析のためのものであり、各プレートが、試料に接触する内表面上に試料接触領域を有し、
(ii)導光スペーサ(LGS)が、柱形状を有し、LGS-プレート接触領域を形成するプレートの一方に柱の各端部を直接接触させて2つのプレートの間に挟まれており、第1のプレートからLGSを通して第2のプレートに、試料を通過することなく光が透過できるように構成されており、
(iii)LGSを有しないサンプリング区域が、順に、第1のプレート、試料、そして第2のプレートを光が通過できる区域であり、
(iv)参照区域が、順に、第1のプレート、導光スペーサ、そして第2のプレートを、試料を通過することなく光が通過する区域であり、
LGS接触面積およびLGSの横方向断面が、光の波長よりも大きく、
導光スペーサが、試料によって囲まれているかまたは近接しており、
サンプリング区域における試料が、500um以下の厚さを有する。
【0053】
参照区域およびサンプリング区域におけるプレートの少なくとも一部分は、光透過性である。
【0054】
本発明にしたがうと、図1および2に示すように、OAC(すなわち、光学分析カード)と呼ばれる試料ホルダーは、少なくとも「サンプリング区域」および「参照区域」を有しており、試料層光吸収係数は、サンプリング区域を透過した光と参照区域を透過した光との比率を利用することによって決定される。
【0055】
いくつかの態様において、(デバイスとも呼ばれる)試料ホルダーはさらに、実質的に均一な高さを有する複数の導光スペーサを含み、導光スペーサのうちの少なくとも1つは、試料接触領域内にある。
【0056】
いくつかの態様において、第1のプレートおよび第2のプレートは、LGSにより固定されている(図1A)。いくつかの態様では、図1Bに示すように、第1のプレートおよび第2のプレートは、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに相対的に移動可能である。開放構成では、プレートは分離され、試料が付着される。閉鎖構成では、第1および第2のプレートは、それぞれLGSの平坦な端部と接している。
【0057】
いくつかの態様において、試料区域および参照における第1のプレートおよび第2のプレートは、均一な厚さを有しており、光透過性である。
【0058】
プレートの材料は、プラスチック、ガラス、または開示によって記載される他の材料である。
【0059】
いくつかの態様において、第1のプレートと第2のプレートとの間の間隔、したがって試料厚さを調節するために、他のスペーサが使用される。
【0060】
試料OD測定方法
本発明にしたがうと、試料の特性は、試料の薄い層のODを測定することによって決定され、ここで、ODは、OACのサンプリング区域を透過した光とOACの参照区域を透過した光との比率から決定される。
【0061】
いくつかの態様において、試料ホルダー中の試料の画像は、カメラによって撮られて分析される(例えば、図5)。
【0062】
いくつかの態様において、光の波長は、500nm~1200nm、200nm~3000nm、3000nm~30,000nm、または100nm~200nmの範囲内である。
【0063】
A)サンプリングおよび参照区域における光透過によって決定された試料を通した光吸収
入射光強度I0を有する光に対し、試料を通した透過光強度Isは、ベール・ランベルトの法則を使用して、
によってもたらされ、
ここで、εsは、試料(例えば、ヘモグロビン)の吸光係数であり、cは、試料(例えば、ヘモグロビン)の平均濃度であり、Lは、試料を通した光路の長さである(εはcm-1/M単位、cはM単位、Lはcm単位)。ODSは、試料を通した光学濃度を指すことがある。
【0064】
入射光強度I0を有する光に対し、長さLrの導光スペーサを通した透過光Irは、ベール・ランベルトの法則を使用して、
によって与えられ、
ここで、αrは、導光スペーサの吸光係数であり、Lは、試料を通した光路の長さであり、ODSは、参照として使用される導光スペーサを通した光学濃度を指すことがある。
【0065】
第1の式を第2の式によって減算すると、
が導かれる。
【0066】
本発明にしたがうと、上記の式は、(2つの区域での入射光が有意に同じであると仮定して)入射光を測定することなく、サンプリング区域を通した透過光と参照区域を通した透過光との比率を利用することによって試料層の吸収係数が決定できることを示している。
【0067】
スペーサを使用した均一な薄い試料層の形成
図1は、CROF(圧縮調節オープンフロー)態様の図である。パネル(a)は、第1のプレートおよび第2のプレートを示し、第1のプレートはスペーサを有する。パネル(b)は、開放構成で試料を第1のプレート(図示あり)、または第2のプレート(図示せず)、または両方(図示せず)に付着させることを示す。パネル(c)は、閉鎖構成で、(i)試料を広げて(プレート間の試料の流れ)試料厚さを低減するために2つのプレートを使用することと、(ii)試料厚さを調節するためにスペーサおよびプレートを使用することとを示す。各プレートの内表面は、1つまたは複数の結合部位およびまたは貯蔵部位(図示せず)を有していてもよい。
【0068】
B)2種類のヘモグロビン
血液中に2種類のヘモグロビンがある。酸化ヘモグロビン[HbO2]は、結合酸素を有するヘモグロビンの形態であるが、脱酸素化ヘモグロビン[Hb]は、結合酸素のないヘモグロビンの形態である。典型的に、酸化ヘモグロビン[HbO2]は、おおよそ、静脈中に75%、動脈中に90%ある。
【0069】
【0070】
2種類のヘモグロビンは、図4に示すように、異なる波長で異なる吸光係数(すなわち、光吸収)を有し得る。したがって、異なる波長範囲にわたって血液の光吸収を測定することによって、血液中の[HbO2]および[Hb]の濃度をそれぞれ決定することができる。
【0071】
C)サンプリング区域からおよび参照区域からの光透過の比較による光透過試料分析
本発明にしたがうと、薄い試料層を通した光吸収(および光学濃度(「OD」))は、試料区域からおよび参照区域からの光透過を比較することによって測定される。
【0072】
いくつかの場合、比較は、試料区域から参照区域への光透過の比率を利用している。
【0073】
D)改善された光透過試料分析
実際の多くの測定状況では、OD測定の正確性を著しく低減させることがある多くの不完全性がある。例えば、試料ホルダー中の試料および/または試料ホルダー自体が、均一でない厚さを有することがある。気泡、塵等のような、試料または試料ホルダーにおける欠陥があり、これは完全な(すなわち、理想的な試料)を通したものとは異なる光透過となることがある。光強度は、全測定領域において均一でないおそれがある。
【0074】
本発明は、不完全性によって生じる光透過試料分析(OTSA)の誤差を低減するための多数の方法を有する。本発明にしたがうと、OD測定の正確性を改善するために、下記(すなわち、セクション1.4およびそのサブセクションにおいて)の以下の特徴、デバイス、および方法が、個々にまたはその組み合わせにおいて使用される。
【0075】
I.LGS側壁および/またはLGS-プレート接合部分による光散乱の低減
本発明にしたがうと、試料区域および参照区域の光強度を測定して、その後2つの強度の比率を利用するOD測定方法の一態様において、参照区域を通過する光が、(a)LGS側壁もしくは(b)LGSからの強い散乱を有する場合、または、試料区域から進行する光がLGS側壁付近からの著しい散乱を有する場合、測定の正確性がかなり低減されることがある。
【0076】
参照区域からの光に対するLGS側壁による光散乱の影響を低減させるために、OD決定のために使用される参照区域の縁部は、LGS側壁から離れた特定の距離にあるべきである。参照区域は、著しい光回折を被ることなく光の波長の区域より小さくすることができないので、したがって、参照区域からの光に対するLGS側壁による光散乱の影響を低減させるために、LGSの少なくとも断面は、光の波長よりも大きくあるべきである。
【0077】
いくつかの態様において、OD決定のために使用される参照区域の縁部は、LGS側壁から離れた特定の距離にある。
【0078】
いくつかの態様において、LGSの断面は、光の波長よりも大きくあるべきであり、OD決定のために使用される参照区域の縁部は、LGS側壁から離れた特定の距離にある。
【0079】
参照区域からの光と同様に、サンプリング区域からの光に対する光散乱の影響を低減させるために、サンプリング区域の縁部は、LGS側壁から離れた特定の距離にあるべきである。
【0080】
いくつかの態様において、OD決定のために使用されるサンプリング区域の縁部は、LGS側壁から離れた特定の距離にある。
【0081】
いくつかの態様において、OD決定のために使用される参照区域の縁部は、LGS側壁から離れた特定の距離にあり、OD決定のために使用されるサンプリング区域の縁部は、LGS側壁から離れた特定の距離にある。
【0082】
いくつかの態様において、LGSの断面は、光の波長よりも大きくあるべきであり、OD決定のために使用される参照区域の縁部は、LGS側壁から離れた特定の距離にあり、OD決定のために使用されるサンプリング区域の縁部は、LGS側壁から離れた特定の距離にある。
【0083】
II.参照区域およびサンプリング区域の面積ならびにそれらの間の距離
試料区域および参照区域を通した光の強度の比率を利用することによって試料のODを決定する際、各区域における入射光が同じ強度を有するか、または第1のプレートと第2のプレートと試料との厚さがサンプリング区域および参照区域でそれぞれ同じ、もしくは既知であると仮定する。しかしながら、多くの実際的な光学系では、上記の仮定のいずれも真実ではなく、このことはODを決定する際に不確定要素(すなわち、誤差)を引き起こす。例えば、実際には、試料光透過測定のための入射光の強度は均一ではなく、特に照光面積は大きく;第1のプレート、第2のプレート、および試料の厚さは、それぞれサンプリング区域および参照区域において同じでも既知でもなく、それぞれが著しい変動を有する場合がある。
【0084】
本発明にしたがうと、誤差を低減させるための1つの方法は、試料のODを決定するのに使用されるサンプリング区域および参照区域の面積を限定するか、またはLGS側壁によって散乱される光を回避しながらサンプリング区域と参照区域との間の距離を小さくすることか、またはその両方である。
【0085】
いくつかの態様において、サンプリング区域の面積、および試料区域と参照区域との間の距離は、上記2つの段落の組み合わせである。
【0086】
III.サンプリング区域および参照区域の複数の対
試料区域および参照区域の一つの対を使用することは、大きな誤差を導くことがある。これにはいくつかの理由がある:(i)第1のプレート、第2のプレート、および試料の厚さの空間的変動はそれぞれランダムであり、ただ一つの対の試料区域および参照区域では、試料の大部分を表さないおそれがあるからである;(ii)多数の光学的不完全性およびそれらの位置もまたランダムであり、これらの光学的不完全性は、サンプリング区域および/または参照区域の位置で生じることがあり、サンプリング区域および参照区域の対を、OTSAにおいて使用不可能にするからである。
【0087】
これらの問題を解決するために、本発明にしたがって、SR区域の複数の対を使用する。
【0088】
いくつかの態様において、OACは、SR区域の複数の対を含み、ここで、隣接する2つのSR区域の中心間の距離、そしてその距離は、実質的に周期的または非周期的のいずれかである。
【0089】
本発明にしたがうと、試験を促進する試薬がOACのプレートの内表面に付着され、試薬は、染色試薬、界面活性剤、抗体、タンパク質、および核酸を含むが、これらに限定されない。
【0090】
導光柱(例えば、スペーサ)
いくつかの態様では、導光スペーサは、スペーサ間距離において実質的に周期的であり、予め決定されている。
【0091】
導光柱の高さ
いくつかの態様において、導光スペーサの高さは、1um、2um、5um、10um、30um、50um、100um、200um、500um、1,000um、2,000um、5,000um、10,000um、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である。
【0092】
導光柱の周期性
いくつかの態様において、スペーサは、1um、2um、5um、10um、30um、50um、100um、200um、500um、1,000um、2,000um、5,000um、10,000um、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である周期を有する周期的なアレイの状態で配置されている。
【0093】
導光スペーサ(LGS)の幾何学的形状
いくつかの態様において、LGSは、その端部が実質的に平坦である柱形状を有する。いくつかの態様において、LGSの端部の一方または両方は、接着され、融着され、単一部分から作られるか、またはLGSをプレートに接続する他の方法によって、プレートの一方または両方に固定される。
【0094】
いくつかの態様において、LGSの横方向断面の形状は、円形、長方形、正方形、三角形、多角形、アルファベット、数字、またはその組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0095】
いくつかの態様において、各導光スペーサ(LGS)の平均的な横方向断面は、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、5000um^2、10,000um^2、30,000um^2、100,000um^2、200,000um^2、500,000um^2、1mm^2、2mm^2、5mm^2、10mm^2、50mm^2、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である。
【0096】
いくつかの好ましい態様において、各導光スペーサの平均的な横方向断面は、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、5000um^2、10,000um^2、30,000um^2、100,000um^2、200,000um^2、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である。
【0097】
ある好ましい態様において、各導光スペーサの平均的な横方向断面は、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、5000um^2、10,000um^2、30,000um^2、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である。
【0098】
ある好ましい態様において、各導光スペーサの平均的な横方向断面は、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、5000um^2、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である。
【0099】
いくつかの態様において、各導光スペーサの平均的な横方向断面は、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、5000倍、または任意のこれら2つの値の間の範囲内だけ、参照区域を通過する光の波長よりも大きい。
【0100】
ある好ましい態様において、各導光スペーサの平均的な横方向断面は、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、または任意のこれら2つの値の間の範囲内だけ、参照区域を通過する光の波長よりも大きい。
【0101】
参照区域の幾何学的形状
形状
いくつかの態様において、参照区域は、導光柱の最小横方向断面のサイズよりも小さい。1つの利点は、参照信号に影響を及ぼす導光側壁の光散乱を回避または低減させることである。
【0102】
いくつかの態様において、導光スペーサの縁部と参照区域の縁部との間の最小距離は、1um(ミクロン)、2um、3um、5um、10um、20um、30um、50um、100um、200um、500um、1000um、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である。
【0103】
いくつかの好ましい態様において、導光スペーサの縁部と参照区域の縁部との間の最小距離は、1um(ミクロン)、2um、3um、5um、10um、20um、30um、50um、100um、200um、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である。
【0104】
ある好ましい態様において、導光スペーサの縁部と参照区域の縁部との間の最小距離は、1um(ミクロン)、2um、3um、5um、10um、20um、30um、50um、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である。
【0105】
ある好ましい態様において、導光スペーサの縁部と参照区域の縁部との間の最小距離は、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、5000倍、または任意のこれら2つの値の間の範囲内だけ、参照区域を通過する波長よりも大きい。
【0106】
ある好ましい態様において、導光スペーサの縁部と参照区域の縁部との間の最小距離は、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、5000倍、または任意のこれら2つの値の間の範囲内だけ、サンプリング区域を通過する波長よりも大きい。
【0107】
参照区域面積と導光スペーサ面積との比率は、3/10、2/5、1/2、3/5、7/10、4/5、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である。
【0108】
サンプリング区域の幾何学的形状
いくつかの態様において、サンプリング区域の縁部は、導光柱の縁部から離れた距離にある。1つの利点は、参照信号に影響を及ぼす導光側壁の光散乱を回避または低減させることである。
【0109】
いくつかの好ましい態様において、サンプリング区域の面積は、周期的なスペーサ間距離の3/5、7/10、4/5、9/10、1、11/10、6/5、13/10、7/5、3/2、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である。
【0110】
いくつかの好ましい態様において、サンプリング区域の縁部と導光スペーサの縁部との間の距離は、導光スペーサ面積の、1/5、3/10、2/5、1/2、3/5、7/10、4/5、9/10、1、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である。
【0111】
いくつかの好ましい態様において、サンプリング区域の縁部と導光スペーサの縁部との間の距離は、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、5000倍、または任意のこれら2つの値の間の範囲内だけ、参照区域を通過する波長よりも大きい。
【0112】
いくつかの好ましい態様において、サンプリング区域の縁部と導光スペーサの縁部との間の距離は、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、5000倍、または任意のこれら2つの値の間の範囲内だけ、サンプリング区域を通過する波長よりも大きい。
【0113】
サンプリング区域と参照区域との間の距離
いくつかの態様において、サンプリング領域の縁部と参照区域との間の距離は、1um(ミクロン)、2um、3um、5um、10um、20um、30um、40um、50um、100um、200um、500um、1000um、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である。
【0114】
ある好ましい態様において、サンプリング領域の縁部と参照区域との間の距離は、30um(ミクロン)~50um、20um~60um、10um~70um、5um~75um、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である。
【0115】
ある好ましい態様において、サンプリング領域の縁部と参照区域との間の距離は、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、5000倍、または任意のこれら2つの値の間の範囲内だけ、参照区域を通過する波長よりも大きい。
【0116】
いくつかの態様において、サンプリング領域の縁部と参照区域との間の距離は、導光スペーサ面積の、2/5、1/2、3/5、7/10、4/5、9/10、1、11/10、6/5、13/10、7/5、3/2、8/5、17/10、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である。
【0117】
いくつかの態様において、サンプリング領域の縁部と参照区域との間の距離は、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、5000倍、または任意のこれら2つの値の間の範囲内だけ、参照区域を通過する光の波長よりも大きい。
【0118】
いくつかの態様において、サンプリング領域の縁部と参照区域との間の距離は、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、5000倍、または任意のこれら2つの値の間の範囲内だけ、サンプリング区域を通過する光の波長よりも大きい。
【0119】
iMOST-HgBデバイスのための溶解試薬コーティング
いくつかの態様において、デバイス内の赤血球の均一な分散を達成するために、界面活性剤がプレート上にコーティングされ、血液中に溶ける。ここで、コーティングは、第1のプレート、または第2のプレート、または両方にあり得る。
【0120】
いくつかの態様において、デバイス内で赤血球を溶解するために、界面活性剤がプレート上にコーティングされ、血液中に溶ける。ここで、コーティングは、第1のプレート、または第2のプレート、または両方にあり得る。
【0121】
いくつかの態様において、デバイス内でコーティングされる界面活性剤は、これらに限定されないが、Zwittergent、ASB-14、ASB-16、CHAPS、カチオン界面活性剤NN-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]-N-アルキル-N、N-ジメチルアンモニウムクロリド(Ila)、llb、llc、lld、CTAC、Tween 20、Tween 40、Tween 60、Tween 80、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリル硫酸アンモニウム、CTAB、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、ミレス硫酸ナトリウム、ドキュセート、ペルフルオロオクタンスルホン酸塩、アルキル-アリールエーテルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、CTAB、塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化ベンザルコニウム(BAC)、塩化ベンゼトニウム(BZT)、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムブロミド(DODAB)、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルベタイン、狭範囲のエトキシレート、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ノノキシノール(nonxynols)、トリトンX-100、ポリエトキシル化タロウアミン、コカミドモノエタノールアミン、コカミドジエタノールアミン、ポロキサマー、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウラート、ソルビタンモノラウラート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシド、ラウリルジメチルアミンオキシド、ジメチルスルホキシド、ホスフィンオキシドを含む。
【0122】
いくつかの態様において、デバイス内でコーティングされる赤血球溶解用試薬は、これらに限定されないが、プルロニックF-127、クレモフォールEL、プルロニックF-68、Myrj 52、Brij 35、オレイン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、Tween 20、Tween 40、Tween 60、Tween 80、SLS、CTAB、CTAC、タモキシフェン、サポニン、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、乳酸、ABS-14、ABS-16、抗マラリア薬(キニーネ化合物)、ヒ素、ダプソン、金属(クロム/クロム酸、白金塩、ニッケル化合物、銅、鉛、シスプラチン)、亜硝酸塩、ニトロフラントイン、ペニシリン、フェナゾピリジン(ピリジウム)、Rho免疫グロブリン、リバビリン、スルホンアミド、スルホンを含む。
【0123】
いくつかの態様において、デバイス内でコーティングされる抗凝固剤は、これらに限定されないが、EDTA、例えば、エチレンジアミン四酢酸二カリウム(K2EDTA)、エチレンジアミン四酢酸三カリウム(K3EDTA)、クマリン(ビタミンKアンタゴニスト)、ワルファリン(クマジン)、アセノクマロール、フェンプロクーモン、アトロメンチン、フェニンジオン、ヘパリン、フォンダパリヌクスおよびイドラパリヌクス、ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバン、ベトリキサバン、NOACs、ヒルジン、レピルジン、ビバリルジン、アルガトロバン(agratroban)、ダビガトラン、バトロキソビン、ヘメンチン、ビタミンE、クエン酸ナトリウム、クエン酸デキストロース、フルオリドオキサラートなどのオキサラート、ダルテパリン(deltaparin)、デシルジン、エノキサパリンを含む。
【0124】
いくつかの態様において、デバイス内での赤血球の均一な分散を達成するために、Zwittergentを、3ng/mm2、5ng/mm2、8ng/mm2、12ng/mm2、15ng/mm2、25ng/mm2、35ng/mm2、50ng/mm2、80ng/mm2、100ng/mm2、または任意のこれら2つの値の間の範囲内の好ましい領域濃度でプレート上にコーティングする。
【0125】
いくつかの態様において、デバイス内で赤血球を溶解するために、Zwittergentを、100ng/mm2、120ng/mm2、150ng/mm2、180ng/mm2、200ng/mm2、300ng/mm2、400ng/mm2、500ng/mm2、800ng/mm2、1000ng/mm2、または任意のこれら2つの値の間の範囲内の好ましい領域濃度でプレート上にコーティングする。
【0126】
いくつかの態様において、デバイス内での赤血球の均一な分散を達成するために、Zwittergentを、0.05mg/mL、0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0.5mg/mL、0.6mg/mL、1.0mg/mL、2mg/mL、または任意のこれら2つの値の間の範囲内の好ましい血中最終濃度でプレート上にコーティングする。
【0127】
いくつかの態様において、デバイス内で赤血球を溶解するために、Zwittergentを、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、7mg/mL、9mg/mL、10mg/mL、15mg/mL、25mg/mL、50mg/mL、または任意のこれら2つの値の間の範囲内の好ましい血中最終濃度でプレート上にコーティングする。
【0128】
iMOST-HgBデバイスの測定範囲
いくつかの態様において、デバイスのヘモグロビン測定範囲は、0g/dL~40g/dLの間である。
【0129】
いくつかの態様において、デバイスの好ましいヘモグロビン測定範囲は、0g/dL~30g/dLの間である。
【0130】
いくつかの態様において、デバイスの好ましいヘモグロビン測定範囲は、5g/dL~26g/dLの間である。
【0131】
散乱粒子除去および補償
ある特定の状況において、吸収および/またはヘモグロビン測定の正確性を著しく低減させ得る不完全性がある。
【0132】
例えば、試料または試料ホルダー中の干渉粒子は、これらに限定されないが、濁度を高める粒子、光散乱粒子、気泡、塵などを含み、これは、完全な(すなわち、理想的な試料)を通したものとは異なる光透過となることがある。
【0133】
本発明は、不完全性によって生じる光透過試料分析(OTSA)の誤差を低減させるための多数の方法を有する。
【0134】
いくつかの態様において、SR区域の複数の対を使用する。SR区域の各対について、試料区域および参照区域を通した光強度の比率を利用することによって、試料のODを決定する。SR区域の所与の対について、SR区域の品質測定が計算されて、品質測定値が低い場合、このSR区域の対は、次の段階でプーリングアルゴリズムから除かれる。プーリングアルゴリズムは、SR区域の全対にわたる試料のODをプール化するためのものである。中間、平均、最大、最小、k-平均法等を含むが、これらに限定されない様々なプーリングアルゴリズムが利用できる。
【0135】
いくつかの態様において、光強度分析の前に、不完全領域は、画像から除去されるかまたは除かれる。
【0136】
いくつかの態様において、光強度分析の前に、境界を有する不完全領域は、画像から除去されるかまたは除かれ、境界サイズは、1um~50umの間にあり、好ましい境界サイズは、5um~20umの間にある。
【0137】
走査による測定/走査なしの測定
ある特定の態様において、デバイス上のある位置が、特にヘモグロビンの分析のために測定される。
【0138】
QMAXシステム
A)QMAXカード
QMAXカードの詳細は、すべての目的のために、参照によって本明細書に組み込まれた国際出願PCT/US2016/046437(Essenlixドケット番号ESSN-028WO)を含む様々な刊行物において詳細に説明されている。
【0139】
I.プレート
本発明において、一般的に、CROFのプレートは、(i)スペーサと一緒に、試料の全体積の一部分の厚さを調節するのに使用することができ、(ii)試料、アッセイ、またはプレートが遂行しようと意図する目標への著しい悪影響を有しない任意の材料から作られる。しかしながら、ある態様では、特定の材料(したがってそれらの特性)が、ある目的を達成するためにプレートに対して使用される。
【0140】
ある特定の態様において、2つのプレートは、以下のパラメータ:プレート材料、プレート厚さ、プレート形状、プレート面積、プレート可撓性、プレート表面特性、およびプレート光透過性、のそれぞれについて、同じまたは異なるパラメータを有する。
【0141】
(i)プレート材料
プレートは、単一材料、複合材料、複数材料、多層の材料、合金、またはこれらの組み合わせから作られる。プレートのための材料のそれぞれは、無機材料、有機材料、または混合物であり、材料の例が、Mat-1およびMat-2の段落に与えられる。
【0142】
Mat-1:プレートのための無機材料は、これらに限定されないが、ガラス、石英、酸化物、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ハフニウム(HfO)、酸化アルミニウム(AlO)、半導体(シリコン、GaAs、GaN等)、金属(例えば、金、銀、銅、アルミニウム、Ti、Ni等)、セラミックス、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0143】
Mat-2:スペーサのための有機材料は、これらに限定されないが、ポリマー(例えば、プラスチック)または無定形の有機材料を含む。スペーサのためのポリマー材料は、これらに限定されないが、アクリレートポリマー、ビニルポリマー、オレフィンポリマー、セルロースポリマー、非セルロースポリマー、ポリエステルポリマー、ナイロン、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、環状オレフィンポリマー(COP)、液晶ポリマー(LCP)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、ポリ(フェニレンエーテル)(PPE)、ポリスチレン(PS)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリ(エチレンフタレート)(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ゴム、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0144】
ある特定の態様において、プレートは、それぞれ独立して、ガラス、プラスチック、セラミック、および金属のうちの少なくとも1つから作られる。ある態様では、各プレートは、独立して、ガラス、プラスチック、セラミック、および金属のうちの少なくとも1つを含む。
【0145】
ある特定の態様において、一方のプレートは、横方向面積、厚さ、形状、材料、または表面処理において、他方のプレートとは異なる。ある態様では、一方のプレートは、横方向面積、厚さ、形状、材料、または表面処理において、他方のプレートと同じである。
【0146】
プレートのための材料は、剛性の、可撓性のある、または2つの間の何らかの可撓性を有する。剛性(例えば、硬さ)または可撓性は、プレートを閉鎖構成にする際に使用される所与の圧力と相対的である。
【0147】
ある特定の態様において、剛性または可撓性のプレートの選択は、閉鎖構成での試料厚さの均一性を制御する必要性から決定される。
【0148】
ある特定の態様において、2つのプレートのうち少なくとも1つは、(光に対して)透明である。特定の態様では、一方のプレートまたは両方のプレートの少なくとも一部またはいくつかの部分が透明である。ある態様では、プレートは透明でない。
【0149】
(ii)プレート厚さ
ある特定の態様において、プレートの少なくとも一方についての平均的な厚さは、2nm以下、10nm以下、100nm以下、500nm以下、1000nm以下、2um(ミクロン)以下、5um以下、10um以下、20um以下、50um以下、100um以下、150um以下、200um以下、300um以下、500um以下、800um以下、1mm(ミリメートル)以下、2mm以下、3mm以下、または任意のこれら2つの値の間の範囲である。
【0150】
ある特定の態様において、プレートの少なくとも一方についての平均的な厚さは、最大3mm(ミリメートル)、最大5mm、最大10mm、最大20mm、最大50mm、最大100mm、最大500mm、または任意のこれら2つの値の間の範囲である。
【0151】
ある特定の態様において、プレートの厚さは、プレートにわたって均一ではない。異なる位置で異なるプレート厚さを用いることは、プレートの屈曲、褶曲、試料厚さ調節等を制御するのに使用され得る。
【0152】
(iii)プレート形状および面積
一般的に、プレートは、形状が試料の圧縮オープンフローおよび試料厚さの調節を可能にする限り、任意の形状を有し得る。しかしながら、ある態様では、特定の形状が有利であり得る。プレートの形状は、丸形、楕円形、矩形、三角形、多角形、輪形、またはこれらの形状の任意の重ね合わせであり得る。
【0153】
ある特定の態様において、2つのプレートは、同じサイズもしくは形状、または異なるものを有することがある。プレートの面積は用途に依存する。プレートの面積は、最大1mm2(ミリメートル平方)、最大10mm2、最大100mm2、最大1cm2(センチメートル平方)、最大5cm2、最大10cm2、最大100cm2、最大500cm2、最大1000cm2、最大5000cm2、最大10,000cm2、または10,000cm2超、または任意のこれら2つの値の間の何らかの構成である。プレートの形状は、矩形、四角、丸型等であり得る。
【0154】
ある特定の態様において、プレートのうち少なくとも一方は、幅、厚さ、および長さを有するベルト(またはストリップ)の形態にある。幅は、最大0.1cm(センチメートル)、最大0.5cm、最大1cm、最大5cm、最大10cm、最大50cm、最大100cm、最大500cm、最大1000cm、または任意のこれら2つの値の間の範囲である。長さは、必要とされるだけの長さであり得る。ベルトはロール状に巻かれ得る。
【0155】
(iv)プレート表面平坦度
多くの態様において、プレートの内表面は、平坦または有意に平坦な平面である。ある態様では、2つの内表面は、閉鎖構成で互いに平行である。平坦な内表面は、閉鎖構成で、予め決定されたスペーサ高さを単純に使用することによって、試料厚さの定量化および/または制御を促進する。閉鎖構成で試料厚さを定量化および/または制御するために、プレートの平坦でない内表面について、スペーサ高さだけでなく、内表面の正確なトポロジーを知る必要がある。表面トポロジーを知ることは、さらなる測定および/または補正を必要とするが、これは複雑で、時間を消費し、かつ費用がかかることがある。
【0156】
プレート表面の平坦度は、最終試料厚さ(最終厚さは、閉鎖構成での厚さである)と相対的であり、しばしばプレート表面平坦度変動と最終試料厚さとの比率である「相対的な表面平坦度」という用語によって特徴付けられる。
【0157】
ある特定の態様において、相対的な表面は、0.01%未満、0.1%、0.5%未満、1%未満、2%未満、5%未満、10%未満、20%未満、30%未満、50%未満、70%未満、80%未満、100%未満、または任意のこれら2つの値の間の範囲である。
【0158】
(v)プレート表面平行度
ある特定の態様では、プレートの2つの表面は互いに有意に平行である。ある特定の態様では、プレートの2つの表面は互いに平行でない。
【0159】
(vi)プレート可撓性
ある特定の態様では、プレートは、CROFプロセスの圧縮下で可撓性がある。ある態様では、両方のプレートが、CROFプロセスの圧縮下で可撓性がある。ある態様では、CROFプロセスの圧縮下で、一方のプレートは剛性で、別のプレートは可撓性がある。ある態様では、両方のプレートが剛性である。ある態様では、両方のプレートが可撓性であるが、異なる可撓性を有している。
【0160】
(vii)プレート光透過性
ある特定の態様において、プレートは光透過性がある。ある態様では、両方のプレートは光透過性がある。ある態様では、一方のプレートは光透過性があり、別のプレートは不透明である。ある態様では、両方のプレートは不透明である。ある態様では、両方のプレートは光透過性があるが、異なる光透過性を有する。プレートの光透過性は、プレートの一部または全領域を指すことができる。
【0161】
(viii)表面湿潤特性
ある特定の態様において、プレートは、試料、移送液、または両方を湿潤させる内表面を有する(例えば、接触角度は90度未満である)。ある態様では、両方のプレートは、試料、移送液、または両方を、同じまたは異なる湿潤性のいずれかにより湿潤させる内表面を有する。ある態様では、一方のプレートは、試料、移送液、または両方を湿潤させる内表面を有し、別のプレートは、湿潤させない内表面を有する(例えば、接触角度は90度以上である)。プレート内表面の湿潤は、プレートの一部または全領域を指すことがある。
【0162】
ある特定の態様において、プレートの内表面は、CROFの間、試料の横方向流れを制御するために、他のナノまたはミクロ構造を有する。ナノまたはミクロ構造は、これらに限定されないが、チャネル、ポンプ等を含む。ナノまたはミクロ構造はまた、内表面の湿潤特性を制御するためにも使用される。
【0163】
II.スペーサ
(i)スペーサの機能
本発明において、スペーサは、以下の機能および特性のうちの1つまたは任意の組み合わせを有するように構成されており、スペーサは、(1)プレートと一緒に、試料の厚さまたは適切な体積の試料を制御するように(好ましくは、厚さ制御は、関連領域にわたって正確であるか、または均一であるか、または両方である)、(2)試料がプレート表面上に圧縮調節オープンフロー(CROF)を有するのを可能にするように、(3)所与の試料面積(体積)において甚大な表面積(体積)をとらないように、(4)試料中の粒子または分析物の沈降の影響を低減させるかまたは増大させるように、(5)プレートの内表面の湿潤性を変更および/または制御するように、(6)プレートの位置、サイズの縮尺、および/またはプレートに関する情報を識別するように、あるいは(7)上記の任意の組み合わせを行うように構成されている。
【0164】
(ii)スペーサ構造および形状
所望の試料厚さの低減および制御を達成するために、特定の態様において、スペーサはそのそれぞれのプレートに固定されている。一般的に、スペーサがCROFプロセス中に試料厚さを調節することができる限り、スペーサは任意の形状を有し得るが、ある特定の機能、例えば、より良い均一性、押圧におけるより少ないオーバーシュート等を達成するために、特定の形状が好ましい。
【0165】
スペーサは、単一のスペーサまたは複数のスペーサ(例えば、アレイ)である。複数のスペーサの特定の態様は、スペーサのアレイ(例えば、柱)であり、ここで、スペーサ間距離は、周期的もしくは非周期的であり、または、プレートの特定の領域において周期的もしくは非周期的であり、または、プレートの異なる領域で異なる距離を有している。
【0166】
2種類のスペーサ(開放型スペーサおよび閉鎖型スペーサ)がある。開放型スペーサは、試料がスペーサを通して流れるのを可能にし(例えば、試料はスペーサの周囲を流れて通過する。例えば、スペーサとしての支柱)、閉鎖型スペーサは、試料流れを止めるスペーサである(例えば、試料はスペーサを越えて流れることができない。例えば、輪状スペーサで、試料は輪の内側にある)。両タイプのスペーサは、それらの高さを使用して、閉鎖構成における最終試料厚さを調節する。
【0167】
ある特定の態様において、スペーサは、開放型スペーサのみである。ある態様では、スペーサは、閉鎖型スペーサのみである。ある態様では、スペーサは、開放型スペーサおよび閉鎖型スペーサの組み合わせである。
【0168】
「柱スペーサ」という用語は、スペーサが柱形状を有するということを意味し、柱形状は、圧縮オープンフローの間、試料がその周囲を流れるのを可能にする高さおよび横方向形状を有する物体を指すことがある。
【0169】
ある特定の態様において、柱スペーサの横方向形状は、(i)丸形、楕円形、矩形、三角形、多角形、輪形、星形、文字形(例えば、L字形、C字形、A~Zの文字)、数字形(例えば、0、1、2、3、4~9のような形状);(ii)少なくとも1つの丸みを帯びた角部を有する(i)群における形状;(iii)ジグザグまたは凸凹の縁部を有する(i)群からの形状;ならびに(iv)(i)、(ii)、および(iii)のうちの任意の重ね合わせの群から選択された形状である。複数のスペーサについて、異なるスペーサは、隣接するスペーサとは異なる横方向形状およびサイズならびに異なる距離を有し得る。
【0170】
ある特定の態様において、スペーサは、支柱、円柱、ビーズ、球、および/または他の適切な幾何学的形状であり得るおよび/またはこれらを含み得る。スペーサの横方向形状と寸法(例えば、それぞれのプレート表面に対して横向き)は、特定の態様では、以下の制限:(i)スペーサ幾何学的形状が、試料厚さおよび体積を測定する際に著しい誤差を生じないこと;または(ii)スペーサ幾何学的形状が、プレート間の試料の流出を妨げない(例えば、これが閉鎖型形態にない)ことを除いて、任意のものであり得る。しかし、ある態様では、試料流れを制限するために、いくつかのスペーサが閉鎖スペーサとなることが要求される。
【0171】
ある特定の態様において、スペーサの形状は、丸みを帯びた角部を有する。例えば、矩形形状のスペーサは、1つの、いくつかの、またはすべての角部が(90度の角度よりもむしろ円のように)丸みを帯びている。丸みを帯びた角部は、しばしばスペーサの製造をより容易にし、一部の場合には生物学的材料に対する損害を少なくする。
【0172】
柱の側壁は、直線的な、湾曲した、傾いた、または側壁の異なる区画で異なる形状であり得る。ある態様では、スペーサは、様々な横方向形状、側壁、および柱高さと柱横方向面積との比率の柱である。好ましい態様では、スペーサは、オープンフローを可能にするために柱形状を有している。
【0173】
(iii)スペーサの材料
本発明において、スペーサは一般的に、2つのプレートと一緒に、適切な体積の試料の厚さを調節するのに使用することが可能である任意の材料から作られている。ある態様では、スペーサのための材料は、プレートのためのものとは異なる。ある態様では、スペーサのための材料は、少なくとも1つのプレートのための材料の一部と少なくとも同じである。
【0174】
スペーサは、単一の材料、複合材料、複数材料、多層の材料、合金、またはこれらの組み合わせから作られている。スペーサのための材料のそれぞれは、無機材料、有機材料、または混合であり、材料の例は、Mat-1およびMat-2の段落で与えられている。好ましい態様では、スペーサは、CROFにおいて使用されるプレートと同じ材料で作られている。
【0175】
(iv)スペーサの機械的強度および可撓性
ある特定の態様において、スペーサの機械的強度は十分強いので、プレートの圧縮中および閉鎖構成でのスペーサの高さは、プレートが開放構成にあるときと同じまたは有意に同じである。特定の態様では、開放構成と閉鎖構成との間のスペーサ距離は、特徴付けられ、そして予め決定され得る。
【0176】
スペーサのための材料は、剛性である、可撓性がある、またはこれら2つの間の任意の可撓性である。剛性は、プレートを閉鎖構成にするのに使用される所与の圧力に相対的であり、スペーサが、圧力下でその高さの1%より大きく変形しない場合、スペーサ材料は剛性とみなされ、そうでなければ可撓性とみなされる。スペーサが可撓性材料から作られた場合、閉鎖構成での最終試料厚さは、依然として圧力およびスペーサの機械的特性から予め決定され得る。
【0177】
(v)試料内のスペーサ
所望の試料厚さの低減および制御を達成するために、特に良好な試料厚さの均一性を達成するために、特定の態様において、試料または適切な体積の試料内にスペーサが配置される。ある態様では、適したスペーサ間距離により、試料または適切な体積の試料内に1つまたは複数のスペーサがある。ある態様では、スペーサの少なくとも1つが試料内にあり、スペーサの少なくとも2つが試料もしくは適切な体積の試料内にあり、または少なくとも「n」個のスペーサが試料もしくは適切な体積の試料内にあり、ここで、「n」は、試料厚さの均一性またはCROFの間に要求される試料流れ特性によって決定され得る。
【0178】
(vi)スペーサ高さ
ある特定の態様において、すべてのスペーサが、予め決定された同じ高さを有している。ある態様では、スペーサは、予め決定された異なる高さを有している。ある態様では、スペーサは、群または区域に分割されることがあり、各群または区域は、その特有のスペーサ高さを有している。そして、ある態様では、予め決定された高さのスペーサは、スペーサの平均的な高さである。ある態様では、スペーサは、おおよそ同じ高さを有している。ある態様では、一定割合の数のスペーサが、同じ高さを有している。
【0179】
スペーサの高さは、所望の調節された最終試料厚さおよび残余試料厚さによって選択される。スペーサ高さ(予め決定されたスペーサ高さ)および/または試料厚さは、3nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、200nm以下、500nm以下、800nm以下、1000nm以下、1um以下、2um以下、3um以下、5um以下、10um以下、20um以下、30um以下、50um以下、100um以下、150um以下、200um以下、300um以下、500um以下、800um以下、1mm以下、2mm以下、4mm以下、または任意のこれら2つの値の間の範囲である。
【0180】
スペーサ高さおよび/または試料厚さは、1つの好ましい態様において1nm~100nm、別の好ましい態様では100nm~500nm、また別の好ましい態様では500nm~1000nm、別の好ましい態様では1um(例えば1000nm)~2um、また別の好ましい態様では2um~3um、別の好ましい態様では3um~5um、また別の好ましい態様では5um~10um、別の好ましい態様では10um~50um、また別の好ましい態様では50um~100umの間にある。
【0181】
ある特定の態様において、スペーサ高さおよび/または試料厚さは、(i)分析物の最小寸法と等しいかもしくはわずかに大きい、または(ii)分析物の最大寸法と等しいか、もしくはわずかに大きい。「わずかに大きい」とは、これが約1%~5%大きく、2つの値の間の任意の数であることを意味する。
【0182】
ある特定の態様において、スペーサ高さおよび/または試料厚さは、分析物の最小寸法よりも大きい(例えば、分析物が異方性形状を有している)が、分析物の最大寸法よりも小さい。
【0183】
例えば、赤血球は、最小寸法2um(円盤厚さ)および最大寸法11um(円盤直径)の円盤形状を有している。本発明の態様では、スペーサは、関連する領域におけるプレートの内表面間隔が、一態様では(最小寸法と等しい)2um、別の態様では2.2um、または他の態様では(最小寸法よりも50%大きい)3となるが、赤血球の最大寸法よりも小さくなるように選択される。このような態様は、血球算定において、ある特定の利点を有する。一態様では、赤血球算定について、内表面間隔を2または3umおよびこれら2つの値の間の任意の数にすることによって、希釈していない全血試料を間隔において制限し、概して、各赤血球(RBC)は他のものと重ならず、赤血球細胞の正確な算定を視覚的に可能にする。(RBC間の多過ぎる重なりは、算定の際に深刻な誤差を生じることがある)。
【0184】
本発明において、ある特定の態様では、プレートが閉鎖構成にあるとき、試料の厚さのみでなく試料中の分析物/存在物の配向および/または面密度も調節することに、プレートおよびスペーサを使用する。プレートが閉鎖構成にある場合、より薄い試料厚さは、表面領域毎に、より少ない分析物/存在物(例えば、より低い表面濃度)をもたらす。
【0185】
(vii)スペーサ横方向寸法
開放型スペーサについて、横方向寸法は、xとyの2つの直交方向におけるその横方向寸法(幅と呼ばれることもある)によって特徴付けることができる。各方向におけるスペーサの横方向寸法は、同じかまたは異なる。ある態様では、各方向(xまたはy)に対する横方向寸法は、…
【0186】
ある特定の態様において、x方向とy方向との横方向寸法の比率は、1、1.5、2、5、10、100、500、1000、10,000、または任意のこれら2つの値の間の範囲である。ある態様では、異なる比率を使用して試料流れ方向を調節し、流れは、比率が大きくなるにつれて一方向(より大きなサイズ方向)に沿う。
【0187】
ある特定の態様では、x方向とy方向におけるスペーサの異なる横方向寸法は、(a)プレートの配向を示すためのスケールマーカーとしてスペーサを使用して、(b)好ましい方向において試料流れをさらに作成するためにスペーサを使用して、またはこの両方で使用される。
【0188】
好ましい態様において、周期、幅、および高さ。
【0189】
ある特定の態様において、すべてのスペーサが同じ形状および寸法を有している。ある態様では、スペーサのそれぞれが異なる横方向寸法を有している。
【0190】
閉鎖型スペーサについて、特定の態様では、内側横方向形状およびサイズは、閉鎖型スペーサによって閉鎖されることになる試料の総体積に基づいて選択され、体積サイズは、本開示において記載されており、そして、ある態様では、外側横方向形状およびサイズは、必要とされる強度に基づいて選択されて、スペーサに対する液体の圧力およびプレートを押圧する圧縮圧力を支持する。
【0191】
(viii)柱スペーサの高さと平均的な横方向寸法とのアスペクト比
ある特定の態様において、柱スペーサの高さと平均的な横方向寸法とのアスペクト比は、100,000、10,000、1,000、100、10、1、0.1、0.01、0.001、0.0001、0、00001、または任意のこれら2つの値の間の範囲である。
【0192】
(ix)スペーサ高さ精度
スペーサ高さは、正確に制御すべきである。スペーサの相対的な精度(例えば、偏差と所望のスペーサ高さとの比率)は、0.001%以下、0.01%以下、0.1%以下、0.5%以下、1%以下、2%以下、5%以下、8%以下、10%以下、15%以下、20%以下、30%以下、40%以下、50%以下、60%以下、70%以下、80%以下、90%以下、99.9%以下、または任意の値の間の範囲である。
【0193】
(x)スペーサ間距離
スペーサは、プレート上または試料の関連する領域における単一のスペーサまたは複数のスペーサであり得る。特定の態様では、プレート上のスペーサは、アレイ形態で構成および/または配置されており、アレイは、周期的、非周期的なアレイであるか、またはプレートのいくつかの位置では周期的である一方、他の位置では非周期的である。
【0194】
ある特定の態様において、スペーサの周期的なアレイは、正方形、長方形、三角形、六角形、多角形、またはこれらの任意の組み合わせの格子を有し、ここで、組み合わせは、プレートの異なる位置が異なるスペーサ格子を有することを意味する。
【0195】
ある特定の態様では、スペーサアレイのスペーサ間距離は、アレイの少なくとも一方向において周期的(例えば、均一なスペーサ間距離)である。特定の態様では、スペーサ間距離は、閉鎖構成でのプレート間隔間の均一性を改善するように構成されている。
【0196】
隣接するスペーサ間の距離(例えば、スペーサ間距離)は、1um以下、5um以下、10um以下、20um以下、30um以下、40um以下、50um以下、60um以下、70um以下、80um以下、90um以下、100um以下、200um以下、300um以下、400um以下、または任意のこれら2つの値の間の範囲である。
【0197】
ある特定の態様において、スペーサ間距離は、400以下、500以下、1mm以下、2mm以下、3mm以下、5mm以下、7mm以下、10mm以下、または値の間の任意の範囲である。特定の態様では、スペーサ間距離は、10mm以下、20mm以下、30mm以下、50mm以下、70mm以下、100mm以下、または値の間の任意の範囲である。
【0198】
隣接するスペーサ間の距離(例えば、スペーサ間距離)は、プレートの所与の特性および試料について、プレートの閉鎖構成において、2つの隣接するスペーサ間の試料厚さ変動が、特定の態様では、最大0.5%、1%、5%、10%、20%、30%、50%、80%、もしくは値の間の任意の範囲であるか、またはある態様では、最大80%、100%、200%、400%、もしくは任意のこれら2つの値の間の範囲であるように選択される。
【0199】
明らかに、2つの隣接するスペーサ間の所与の試料厚さ変動を維持するために、より可撓性のあるプレートを使用した場合、より近いスペーサ間距離が必要とされる。
【0200】
スペーサ間距離の正確性を特定する。
【0201】
好ましい態様において、スペーサは、周期的な正方形アレイであり、スペーサは、2~4umの高さ、5~20umの平均的な横方向寸法、および1um~100umのスペーサ間の間隔を有する柱である。
【0202】
好ましい態様において、スペーサは、周期的な正方形アレイであり、スペーサは、2~4umの高さ、5~20umの平均的な横方向寸法、および100um~250umのスペーサ間間隔を有する柱である。
【0203】
好ましい態様において、スペーサは、周期的な正方形アレイであり、スペーサは、4~50umの高さ、5~20umの平均的な横方向寸法、および1um~100umのスペーサ間間隔を有する柱である。
【0204】
好ましい態様において、スペーサは、周期的な正方形アレイであり、スペーサは、4~50umの高さ、5~20umの平均的な横方向寸法、および100um~250umのスペーサ間間隔を有する柱である。
【0205】
スペーサアレイの周期は、1つの好ましい態様では1nm~100nm、別の好ましい態様では100nm~500nm、別個の好ましい態様では500nm~1000nm、別の好ましい態様では1um(例えば、1000nm)~2um、別個の好ましい態様では2um~3um、別の好ましい態様では3um~5um、別個の好ましい態様では5um~10um、そして別の態様では10um~50um、別個の好ましい態様では50um~100um、別個の好ましい態様では100um~175um、そして別個の好ましい態様では175um~300umの間である。
【0206】
(xi)スペーサ密度
スペーサは、um2毎に1より高い、10um2毎に1より高い、100um2毎に1より高い、500um2毎に1より高い、1000um2毎に1より高い、5000um2毎に1より高い、0.01mm2毎に1より高い、0.1mm2毎に1より高い、1mm2毎に1より高い、5mm2毎に1より高い、10mm2毎に1より高い、100mm2毎に1より高い、1000mm2毎に1より高い、10000mm2毎に1より高い、または任意のこれら2つの値の間の範囲の面密度で、それぞれのプレート上に配置される。
【0207】
(3)スペーサは、所与の試料面積(体積)において甚大な表面積(体積)をとらないように構成されている。
【0208】
(xii)スペーサ量と試料量との比率
多くの態様において、スペーサ量(例えば、スペーサの体積)と試料量(例えば、試料の体積)との比率、および/または、適切な体積の試料内にあるスペーサの体積と、試料の適切な体積との比率が、特定の利点を達成するために調整される。利点は、これらに限定されないが、試料厚さの均一性の制御、分析物の均一性、試料流れ特性(例えば、流速、流向等)を含む。
【0209】
ある特定の態様において、スペーサ体積r)と試料体積との比率、および/または、適切な体積の試料内にあるスペーサの体積と、試料の適切な体積との比率は、100%未満、最大99%、最大70%、最大50%、最大30%、最大10%、最大5%、最大3%、最大1%、最大0.1%、最大0.01%、最大0.001%、または任意の値の間の範囲である。
【0210】
(xiii)プレートに固定されたスペーサ
本発明の鍵となる役割を果たすスペーサ間距離およびスペーサの配向は、プレートを開放構成から閉鎖構成にするプロセスの間維持されることが好ましく、および/または、開放構成から閉鎖構成へのプロセスの前に予め決定されることが好ましい。
【0211】
本開示の特定の態様において、プレートを閉鎖構成にする前は、スペーサはプレートのうち一方の上に固定されている。「スペーサがそのそれぞれのプレートで固定される」という用語は、スペーサがプレートに取り付けられて、取り付けがプレートの使用中、維持されることを意味する。「スペーサがそのそれぞれのプレートで固定される」例は、スペーサがプレートの材料の一部分から一体に作られて、プレート表面に相対するスペーサの位置が変化しないことである。「スペーサがそのそれぞれのプレートと固定されていない」例は、スペーサが接着剤によってプレートに接着されたが、プレートの使用中、接着剤がスペーサをプレート表面上のその元の位置に保持できない(例えば、スペーサがプレート表面上のその元の位置から移動する)ことである。
【0212】
ある特定の態様において、スペーサのうちの少なくとも1つが、そのそれぞれのプレートに固定される。特定の態様では、2つのスペーサが、そのそれぞれのプレートに固定される。ある態様では、スペーサの大部分が、それらのそれぞれのプレートで固定される。ある態様では、すべてのスペーサが、それらのそれぞれのプレートで固定される。
【0213】
ある特定の態様において、スペーサは、プレートに一体に固定される。
【0214】
ある特定の態様において、スペーサは、以下の方法および/または構成のうちの1つまたは任意の組み合わせによって、そのそれぞれのプレートに固定され、取り付けられ、接着され、融着され、インプリントされ、そしてエッチングされる。
【0215】
「インプリントされた」という用語は、材料の一部分をインプリント(例えば、エンボス加工)して、スペーサをプレート表面上に形成することによって、スペーサとプレートが一体に固定されることを意味する。材料は、材料の単一の層または材料の複数の層であり得る。
【0216】
「エッチングされた」という用語は、材料の一部分をエッチングしてスペーサをプレート表面上に形成することによって、スペーサとプレートが一体に固定されることを意味する。材料は、材料の単一の層または材料の複数の層であり得る。
【0217】
「融着された」という用語は、スペーサとプレートを一緒に取り付けることによって、スペーサとプレートが一体に固定されることを意味し、スペーサおよびプレートのための元の材料は互いに融着されており、融着後の2つの材料の間にはっきりとした材料境界がある。
【0218】
「接着された」という用語は、スペーサとプレートを接着剤によって結合することによって、スペーサとプレートが一体に固定されることを意味する。
【0219】
「取り付けられた」という用語は、スペーサとプレートが一緒に接続されることを意味する。
【0220】
ある特定の態様では、スペーサおよびプレートは、同じ材料から作られる。他の態様では、スペーサおよびプレートは、異なる材料から作られる。他の態様では、スペーサおよびプレートは、一部分において形成される。他の態様では、スペーサは、そのそれぞれのプレートに固定された1つの端部を有するが、端部は、2つのプレートの異なる構成を調整するために利用可能である。
【0221】
他の態様において、スペーサのそれぞれは独立して、それぞれのプレートに取り付けられた、接着された、融着された、インプリントされた、およびエッチングされたもののうちの少なくとも1つである。「独立して」という用語は、それぞれのプレートに取り付けられた、接着された、融着された、インプリントされた、およびエッチングされた方法から選択される、同じまたは異なる方法によって、1つのスペーサがそのそれぞれのプレートで固定されることを意味する。
【0222】
ある特定の態様において、2つのスペーサ間の少なくともある距離は、予め決定されている(「予め決定されたスペーサ間距離」は、ユーザがプレートを使うときに距離が既知であることを意味する)。
【0223】
本明細書において説明されるすべての方法およびデバイスのある特定の態様では、固定されたスペーサに加えてさらなるスペーサがある。
【0224】
(xiv)特定の試料厚さ
本発明において、(所与の試料領域に対して)より小さなプレート間隔、または(所与のプレート間隔に対して)より大きな試料領域、または両方を使用することによって、より大きなプレート保持力(例えば、2つのプレートを一緒に保持する力)が達成できることが観測された。
【0225】
ある特定の態様では、プレートのうちの少なくとも1つは、関連する領域を包含する区域において透過性であり、各プレートは、閉鎖構成で試料を接触させるように構成された内表面を有し、プレートの内表面は、閉鎖構成において互いに実質的に平行であり、プレートの内表面は、スペーサを有する位置を除いて実質的に平面であるか、またはこれらの任意の組み合わせである。
【0226】
スペーサは、リソグラフィ、エッチング、エンボス加工(ナノインプリント)、付着、リフトオフ、融着、またはこれらの組み合わせを使用して、様々な方法でプレート上に製造することができる。ある特定の態様では、スペーサは、プレート上に直接エンボス加工されるかまたはインプリントされる。ある特定の態様では、材料(例えばプラスチック)中にインプリントされたスペーサをプレート上に付着させる。ある特定の態様では、スペーサは、CROFプレートの表面を直接エンボス加工することによって作られる。ナノインプリンティングは、ローラインプリンタを使用するロールツーロール技術、またはロールツープレーナーナノインプリントによって行われ得る。このようなプロセスは高い経済的利点を有し、したがってコストを低減させる。
【0227】
ある特定の態様では、スペーサをプレート上に付着させる。付着は、蒸着、ペースティング、またはリフトオフであり得る。ペースティングでは、スペーサは、まずキャリア上で製造されて、それからスペーサがキャリアからプレートに移される。リフトオフでは、除去可能な材料がまずプレート上に付着されて、材料に孔が作成され、孔底がプレート表面を露出させ、そしてスペーサ材料が孔の中に付着され、その後、除去可能な材料が取り除かれて、プレート表面上にスペーサだけを残す。特定の態様では、プレート上に付着されるスペーサは、プレートと融着される。ある特定の態様では、スペーサおよびプレートは単一のプロセスで製造される。単一のプロセスは、インプリンティング(例えば、エンボス加工、成形)または合成を含む。
【0228】
ある特定の態様において、少なくとも2つのスペーサが、異なる製造方法によってそれぞれのプレートに固定され、必要に応じて、異なる製造方法は、付着、接着、融着、インプリント、またはエッチングのうちの少なくとも1つを含む。
【0229】
ある特定の態様において、接着され、融着され、インプリントされ、もしくはエッチングされる製造方法、またはこれらの任意の組み合わせによって、1つまたは複数のスペーサが、それぞれのプレートに固定される。
【0230】
ある特定の態様において、このような一体型スペーサをプレート上に形成するための製造方法は、接着され、融着され、インプリントされ、もしくはエッチングされる方法、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0231】
B)アダプタ
アダプタの詳細は、すべての目的のために、参照によって本明細書に組み込まれた国際出願PCT/US2018/017504(Essenlixドケット番号ESXPCT18F04)を含む様々な刊行物において詳細に説明されている。
【0232】
本明細書において記載される本発明は、光学アダプタおよびスマートフォンを含むシステムを提供することによって本問題を取り扱う。光学アダプタデバイスは、スマートフォンにわたって適合し、これを試料の蛍光および明視野画像両方を利用することができる顕微鏡に変換する。このシステムは、任意の位置で、共通の人物によって便利かつ確実に操作され得る。光学アダプタは、カメラ、光源、プロセッサ、およびディスプレイスクリーンを含むスマートフォンの既存のリソースを利用し、これはユーザに明視野および蛍光顕微鏡検査法を行わせる低コストの解決策を提供する。
【0233】
本発明において、光学アダプタデバイスは、スマートフォンの上部にわたって適合するホルダーフレームと、試料容器スロットおよび照明光学系を有するホルダーに取り付けられた光学ボックスとを含む。いくつかの参照(米国特許出願公開第2016/029091号および米国特許出願公開第2011/0292198号)において、これらの光学アダプタ設計は、スマートフォンにわたって適合するためのクリップ留め機構部品と機能的光学要素との両方を含む全部分である。この設計は、特定のモデルのスマートフォンそれぞれに対して、全部分の光学アダプタを再設計する必要があるという問題を有している。しかし、本発明では、スマートフォンおよびすべての機能的な部品を含有する汎用光学ボックスに適合するためにのみ、光学アダプタがホルダーフレームに分離される。異なる寸法を有するスマートフォンについて、カメラと光源の相対的な位置が同じである限り、ホルダーフレームのみが再設計を必要とするので、このことは設計および製造の多大なコストを節約するであろう。
【0234】
光学アダプタの光学ボックスは、スマートフォンカメラの視野および集束範囲において試料スライド内で試料を受容して位置付ける容器スロットと、試料の明視野顕微鏡検査画像を捕捉するための明視野照明光学系と、試料の蛍光顕微鏡検査画像を捕捉するための蛍光照明光学系と、光学ボックスにおいて内向きおよび外向きにスライドさせることによって明視野照明光学系と蛍光照明光学系との間を切り替えるためのレバーとを含む。
【0235】
容器スロットは、これに取り付けられたゴムのドアを有し、これは、周辺光が光学ボックスに入ってカメラによって収集されるのを防ぐためにスロットを完全に覆うことができる。米国特許出願公開第2016/0290916号において、試料スロットは常に周辺光に露光されているが、明視野顕微鏡検査法のみが行われることから、あまり大きな問題は生じない。しかし、本発明は、周辺光がカメラの画像センサに対して多くのノイズをもたらすので、蛍光顕微鏡検査法を行うときにこのゴムのドアを利用することがある。
【0236】
良好な蛍光顕微鏡検査画像を捕捉するために、カメラの中に励起光がほとんど入らず、試料によって放出された蛍光のみがカメラによって収集されることが望ましい。しかしながら、すべてのよくあるスマートフォンについて、光源によって放出されたビームの広い発散角およびコリメートされないビームに対して上手く働かない光学フィルターのせいで、カメラの前方に置かれた光学フィルターは、スマートフォンの光源から放出された光の望ましくない波長範囲をそれほど上手く遮断することができない。コリメート光学系は、この課題を処理するために、スマートフォン光源によって放出されたビームをコリメートするように設計され得るが、この手法は、アダプタのサイズおよびコストを増大させる。代わりに、本発明では、蛍光照明光学系は、励起光が、広い斜め入射角で、試料スライド内の導波路から部分的におよび試料スライドの裏側から部分的に、試料を照らすのを可能にするので、励起光がカメラによって収集されることはほとんどなく、カメラに入るノイズ信号を低減させるであろう。
【0237】
アダプタにおける明視野照明光学系は、標準入射角で試料を裏面照射するように、光源によって放出されたビームを受けて向きを変える。
【0238】
典型的に、光学ボックスはまた、スマートフォンのカメラと整列され、そこに実装された、カメラによって捕捉された画像を拡大するレンズを含む。カメラによって捕捉された画像はさらに、スマートフォンのプロセッサによって処理されて、スマートフォンのスクリーン上に分析結果を出力する。
【0239】
本発明では、スライド可能なレバーを使用して、同じ光学アダプタにおいて明視野照明および蛍光照明光学系の両方を達成する。蛍光照明光学系の光学要素がレバー上に実装され、レバーが完全に光学ボックス中にスライドしたとき、蛍光照明光学系要素は、明視野照明光学系の光路を遮断して、照明光学系を蛍光照明光学系に切り替える。そして、レバーがスライドアウトしたとき、レバー上に実装された蛍光照明光学要素が光路の外に移動して照明光学系を明視野照明光学系に切り替える。このレバー設計は、2つの異なる単一モードの光学ボックスを設計する必要なく、明視野および蛍光照明モードの両方において、光学アダプタを働かせる。
【0240】
レバーは、異なる高さの異なる平面において、2つの平面を含む。
【0241】
ある特定の態様では、2つの平面は、垂直方向の棒と一緒に結合されて、光学ボックスの中または外に一緒に移動することができる。ある特定の態様では、2つの平面は分離されて、各平面は、光学ボックスの中または外に個々に移動することができる。
【0242】
上部レバー平面は、光学フィルターであり得るがこれに限定されない少なくとも1つの光学要素を含む。上部レバー平面は、光源の下で移動し、上部レバー平面と光源との間の好ましい距離は、0~5mmの範囲内である。
【0243】
底部レバー平面の一部は、画像平面と平行でない。そして、底部レバー平面の平行でない部分の表面は、95%よりも高い高反射率を有する鏡面仕上げを有する。底部レバー平面の平行でない部分は、光源の下で移動し、光源から放出された光を曲折させて、カメラの真下で試料領域を裏面照射する。底部レバー平面の平行でない部分の好ましい傾斜角は、45度~65度であり、傾斜角は、平行でない底部平面と垂直方向平面との間の角度として定義される。
【0244】
底部レバー平面の一部は、画像平面と平行であり、試料から、1mm~10mm離れて位置付けられている。底部レバー平面の平行部分の表面は、95%よりも高い光吸収を有する高度な光吸収性がある。この吸収表面は、小さな入射角で試料を裏面照射する反射光を除去するためのものである。
【0245】
アダプタから外方に引かれたとき、予め規定された位置でレバーを停止させるために、レバーを使用してスライドインおよびスライドアウトして照明光学系を切り替えるように、レバー上にボールプランジャおよび溝を含むストッパ設計が使用される。これは、ユーザが恣意的な力を用いてレバーを引くことができるようにするが、光学アダプタの作動モードが明視野照明に切り替えられた場合、固定位置にレバーを停止させる。
【0246】
試料スライダは、スマートフォンカメラの視野および集束範囲において、QMAXデバイスを受容して、QMAXデバイス内に試料を位置付けるために、容器スロット内に実装される。
【0247】
試料スライダは、固定されたトラックフレームおよび移動可能なアームを含む。
【0248】
フレームトラックは、光学ボックスの受容スロット内に固定的に実装される。そして、トラックフレームは、QMAXデバイスの幅および厚さに適合するスライディングトラックスロットを有するので、QMAXデバイスはトラックに沿ってスライドすることができる。トラックスロットの幅および高さは、QMAXデバイスを摺動平面において摺動方向に対して垂直方向に0.5mm未満で移行させ、QMAXデバイスの厚さ方向に沿って0.2mm未満で移行させるように綿密に構成されている。
【0249】
フレームトラックは、試料の光裏面照明を可能にするために、スマートフォンのカメラの視野の下に開いた窓を有する。
【0250】
移動可能なアームは、トラックフレームのスライディングトラックスロットにおいて予め構築されており、QMAXデバイスと一緒に移動して、トラックフレームでのQMAXデバイスの移動を誘導する。
【0251】
移動可能なアームには、2つの予め規定された停止位置を有する停止機構が装備されている。一方の位置について、QMAXデバイス上に固定された試料領域がスマートフォンのカメラの真下にある位置に、アームはQMAXデバイスを停止させるであろう。他方の位置について、QMAXデバイス上の試料領域がスマートフォンの視野外にあって、QMAXデバイスがトラックスロット外に容易に出され得る位置で、アームはQMAXデバイスを停止させるであろう。
【0252】
移動可能なアームは、トラックスロットの端部に対して、QMAXデバイスおよび移動可能なアームを一緒に押圧して、その後解放することによって、2つの停止位置の間を切り替える。
【0253】
移動可能なアームは、QMAXデバイスが正しい方向に挿入されているかどうかを示し得る。QMAXデバイスの1つの角部の形状は、他の3つの直角角部とは異なるように構成されている。そして、移動可能なアームの形状は、特別な形状を有する角部の形状と一致するので、QMAXデバイスは、正しい方向においてのみ、トラックスロットの正しい位置にスライドすることができる。
【0254】
C)スマートフォン/検出システム
スマートフォン/検出システムの詳細は、2016年8月10日に出願された国際出願(IA)PCT/US2016/046437、2016年9月14日に出願されたIA PCT/US2016/051775、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号および第62/456590号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号、2017年2月15日に出願された米国仮出願第62/459,544号、ならびに2017年2月16日に出願された米国仮出願第62/460075号および第62/459920号を含む様々な刊行物に詳細に記載されており、これらのそれぞれが、すべての目的のために、その全体において参照によって本明細書に組み込まれている。
【0255】
本明細書において開示されるデバイス/装置、システム、および方法は、試料の検出、分析、および定量化のために、Qカードを含むか、または使用することができる。ある特定の態様では、Qカードは、Qカードをスマートフォン検出システムと接続するできるアダプタと一緒に使用される。ある特定の態様では、スマートフォンは、カメラおよび/または照明源を含む。ある特定の態様では、スマートフォンはカメラを含み、これは、試料がカメラの視野内に位置付けられたとき(例えば、アダプタによって)、画像または試料を捕捉するために使用され得る。ある特定の態様では、カメラは、1セットのレンズ(例えば、iPhone(商標)6にあるような)を含む。ある特定の態様では、カメラは、少なくとも2セットのレンズ(例えば、iPhone(商標)7にあるような)を含む。ある特定の態様では、スマートフォンはカメラを含むが、カメラは画像捕捉のために使用されない。
【0256】
ある特定の態様では、スマートフォンは、これに限定されないが、LED(発光ダイオード)などの光源を含む。ある特定の態様では、光源は、試料がカメラの視野内に位置付けられたとき(例えば、アダプタによって)、試料に照明を提供するために使用される。ある特定の態様では、光源からの光は、アダプタの光学部品によって強化、拡大、変更、および/または最適化される。
【0257】
ある特定の態様では、スマートフォンは、試料からの情報を処理するように構成されたプロセッサを含む。スマートフォンは、プロセッサによって実行されると、試料からの信号(例えば、画像)を強化、拡大、および/または最適化することができるソフトウェアの命令を含む。プロセッサは、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け命令セットプロセッサ(ASIP)、グラフィックス処理装置(GPU)、物理処理装置(PPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、コントローラ、マイクロコントローラユニット、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、マイクロプロセッサなど、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つまたは複数のハードウェア部品を含み得る。
【0258】
ある特定の態様では、スマートフォンは、試料に関連するデータおよび/または画像を別のデバイスに送信するように構成および/または使用される通信ユニットを含む。単なる例として、通信ユニットは、ケーブルネットワーク、有線ネットワーク、光ファイバネットワーク、電気通信ネットワーク、イントラネット、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆電話交換網(PSTN)、Bluetoothネットワーク、ZigBeeネットワーク、近距離無線通信(NFC)ネットワークなど、またはそれらの任意の組み合わせを使用することができる。ある特定の態様では、スマートフォンは、iPhone(商標)、Android(商標)電話、またはWindows(商標)電話である。
【0259】
D)製造方法
製造方法の詳細は、すべての目的のために、参照によって本明細書中に組み込まれた、2018年10月26日に出願された国際出願PCT/US2018/057873を含む様々な刊行物に詳細に説明されている。
【0260】
開示のデバイスは、当技術分野においてよく知られた技術を使用して製造することができる。製造技術の選択は、デバイスに使用される材料ならびにスペーサアレイのサイズおよび/またはスペーサのサイズに依存するであろう。本発明のデバイスを製造するための例示的な材料は、ガラス、シリコン、鋼、ニッケル、ポリマー、例えば、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリオレフィン、シリコン(例えば、ポリ(ジメチルシロキサン))、ポリプロピレン、シス-ポリイソプレン(ゴム)、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリ(酢酸ビニル)(PVAc)、ポリクロロプレン(ネオプレン)、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)、ポリ(塩化ビニリデン)(サランA)、環状オレフィンポリマー(COP)、および環状オレフィンコポリマー(COC)、ならびにこれらの組み合わせを含む。他の材料は、当技術分野において既知である。例えば、深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)を使用して、小さな間隙、小さなスペーサ、および大きなアスペクト比(スペーサ高さと横方向寸法との比率)を有するシリコンベースのデバイスを製造する。プラスチックデバイスの熱形成(エンボス加工、射出成形)はまた、例えば、最小横方向特徴が>20ミクロンであり、これらの特徴のアスペクト比が≦10である場合に使用される。
【0261】
さらなる方法は、フォトリソグラフィ(例えば、ステレオリソグラフィまたはX線フォトリソグラフィ)、成形、エンボス加工、シリコン微細加工、湿式または乾式化学エッチング、フライス削り、ダイヤ加工法、リソグラフィ電鋳成形(LIGA)、および電気めっきを含む。例えば、ガラスに対して、湿式(KOH)または乾式エッチング(フッ素ガスまたは他の反応性ガスによる反応性イオンエッチング)に続いてフォトリソグラフィの従来のシリコン製造技術を用いることができる。レーザ微細加工などの技術が、高い光子吸収効率を有するプラスチック材料に適用され得る。この技術は、プロセスの連続的な性質のため、より低いスループットの製造に適している。大量生産のプラスチックデバイスに対しては、熱可塑性プラスチック射出成形および圧縮成形が適切であり得る。(ミクロン以下で特徴の忠実度を保つ)コンパクトディスクの大量製造のために使用された従来の熱可塑性プラスチック射出成形もまた、本発明のデバイスを製造するのに用いることもできる。例えば、デバイス特徴は、従来のフォトリソグラフィによってガラスマスタ上で複製される。ガラスマスタは、電気鋳造され、丈夫な、熱衝撃抵抗性の、熱導電性の強固な型をもたらす。この型は、特徴をプラスチックデバイスに射出成形または圧縮成形するための原型として機能する。デバイスを製造するのに使用されるプラスチック材料と、完成品の光学的特性およびスループットの要件とに依存して、圧縮成形または射出成形が製造方法として選ばれ得る。(ホットエンボス加工または浮彫りインプリンティングとも呼ばれる)圧縮成形は、高分子量重合体との適合性があるという利点を有し、これは小さな構造に対して非常に優れており、高いアスペクト比構造を複製できるが、より長いサイクル時間を有する。射出成形は、低いアスペクト比構造に対して上手く作用するので、低分子量重合体に対して最適である。
【0262】
デバイスは、後に組み立てられる1つまたは複数の部分で製造され得る。デバイスの層は、クランプ、接着剤、熱、陽極接合、または表面群間の反応(例えば、基板接合)によって一緒に接着される。あるいはまた、1つより多い平面においてチャネルまたは間隙を有するデバイスは、例えば、ステレオリソグラフィや他の三次元製造技術を使用して、単一部分として製造され得る。
【0263】
細胞またはデバイスの表面上で溶解された細胞によって放出された化合物の非特異吸着を低減させるために、デバイスの1つまたは複数の表面は、化学修飾されて、非接着性または反発的になり得る。表面は、ヒドロゲルを形成するのに使用される市販の非粘着性試薬の薄膜コーティング(例えば、単層)により被覆され得る。デバイスの表面を修飾するのに使用され得るさらなる例示的な化学種は、オリゴエチレングリコール、フッ素化ポリマー、オルガノシラン、チオール類、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、ウシ血清アルブミン、ポリビニルアルコール、ムチン、ポリHEMA、メタクリラートPEG、およびアガロースを含む。荷電性ポリマーはまた、反対の荷電を有する化学種を反発させるために使用され得る。反発のために使用される化学種のタイプおよびデバイスの表面への取り付けの方法は、反発する種の性質と、表面の性質と、取り付けられる種の性質とに依存するであろう。このような表面修飾技術は当技術分野においてよく知られている。表面は、デバイスが組み立てられる前または後に機能化され得る。デバイスの表面はまた、試料中の材料、例えば、膜断片またはタンパク質を捕捉するために被覆され得る。
【0264】
本発明のある特定の態様では、本開示の任意のQカードを製造する方法は、第1のプレートの射出成形を含み得る。本開示のある特定の態様では、本開示の任意のQカードを製造する方法は、第2のプレートのナノインプリンティングまたは押出プリンティングを含み得る。本開示のある特定の態様では、本開示の任意のQカードを製造する方法は、第1のプレートをレーザ切断することを含み得る。本開示のある特定の態様では、本開示の任意のQカードを製造する方法は、第2のプレートのナノインプリンティングまたは押出プリンティングを含み得る。本開示のある特定の態様では、本開示の任意のQカードを製造する方法は、第1のプレートを射出成形してレーザ切断することを含み得る。本開示のある特定の態様では、本開示の任意のQカードを製造する方法は、第2のプレートのナノインプリンティングまたは押出プリンティングを含み得る。本開示のある特定の態様では、本開示の任意のQカードを製造する方法は、ナノインプリンティングまたは押出プリンティングにより、第1および第2のプレートの両方を製造することを含み得る。本開示のある特定の態様では、本開示の任意のQカードを製造する方法は、射出成形、第1のプレートのレーザ切断、ナノインプリンティング、押出プリンティング、またはこれらの組み合わせを使用して、第1のプレートおよび第2のプレートを製造することを含み得る。本開示のある特定の態様では、本開示の任意のQカードを製造する方法は、第1および第2のプレートの製造の後に、第1および第2のプレート上にヒンジを取り付ける工程を含み得る。
【0265】
E)試料タイプおよび対象
試料および対象の詳細は、2016年8月10日に出願された国際出願(IA)PCT/US2016/046437、2016年9月14日に出願されたIA PCT/US2016/051775、2018年2月7日に出願されたIA PCT/US201/017307、および2017年12月8日に出願されたIA PCT/US2017/065440に記載されており、これらのそれぞれが、すべての目的のために、その全体において参照によって本明細書に組み込まれている。
【0266】
試料は、対象から取得され得る。本明細書において記載される対象は、いずれの年齢でもあることができ、成人、乳児、または小児であり得る。いくつかの場合において、対象は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99歳であるか、またはその範囲内(例えば、2~20歳の間、20~40歳の間、もしくは40~90歳の間)である。利益を得られる特定の分類の対象は、感染症(例えば、細菌および/またはウイルス感染)を有するかまたは有する疑いのある対象である。利益を得られる別の特定の分類の対象は、感染症に罹患するより高いリスクにあり得る対象である。さらに、本明細書中で記載される方法または組成物のいずれかによって治療される対象は、男性または女性であり得る。本明細書中で開示される方法、デバイス、またはキットのいずれかはまた、ヒト以外の対象、例えば、研究所または農場の動物に実施することができる。ヒト以外の対象の限定的でない例は、イヌ、ヤギ、モルモット、ハムスター、マウス、ブタ、ヒト以外の霊長類(例えば、ゴリラ、サル、オランウータン、キツネザル、もしくはヒヒ)、ラット、ヒツジ、ウシ、またはゼブラフィッシュを含む。
【0267】
本明細書において開示されるデバイス、装置、システム、および方法は、これらに限定されないが、診断試料、臨床試料、環境試料、および食品試料などの試料のために使用され得る。
【0268】
例えば、ある特定の態様では、本明細書において開示されるデバイス、装置、システム、および方法は、細胞、組織、体液、および/またはこれらの混合物を含む試料に対して使用される。ある特定の態様では、試料は、ヒトの体液を含む。ある特定の態様では、試料は、細胞、組織、体液、便、羊水、房水、硝子体液、血液、全血、画分血液、血漿、血清、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳糜、糜汁、内リンパ、外リンパ、糞便、胃酸、胃液、リンパ、粘液、鼻漏、痰、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜分泌物、唾液、皮脂、精液、喀痰、汗、滑液、涙、嘔吐物、尿、および呼気凝縮物のうちの少なくとも1つを含む。
【0269】
ある特定の態様では、本明細書中で開示されるデバイス、装置、システム、および方法は、これらに限定されないが、河川、湖、池、海、氷河、氷山、雨、雪、下水、貯水池、水道水、飲料水等のような任意の適切な供給源から取得した環境試料、土壌、堆肥、砂、岩石、コンクリート、材木、煉瓦、下水等からの固体試料、および大気、水中熱排気口、産業排気、車両排気等からの気体試料に使用される。ある特定の態様では、環境試料は、供給源からの新鮮なものであり、ある特定の態様では、環境試料は処理される。例えば、液状でない試料は、主題のデバイス、装置、システム、および方法が適用される前に液状に変換される。
【0270】
ある特定の態様では、本明細書中で開示されるデバイス、装置、システム、および方法は、動物による消費、例えばヒトの消費に適した、または適するようになる可能性を有する食品試料に対して使用される。ある特定の態様では、食品試料は、原料、調理済みまたは加工食品、食品の植物および動物性原料、前処理された食品とともに部分的または完全に加工済みの食品等を含む。ある特定の態様では、液状でない試料は、主題のデバイス、装置、システム、および方法が適用される前に液状に変換される。
【0271】
主題のデバイス、装置、システム、および方法は、任意の量の試料を分析するのに使用され得る。量の例は、これらに限定されないが、約10mL以下、5mL以下、3mL以下、1マイクロリットル(uL、また本明細書では「uL」)以下、500uL以下、300uL以下、250uL以下、200uL以下、170uL以下、150uL以下、125uL以下、100uL以下、75uL以下、50uL以下、25uL以下、20uL以下、15uL以下、10uL以下、5uL以下、3uL以下、1uL以下、0.5uL以下、0.1uL以下、0.05uL以下、0.001uL以下、0.0005uL以下、0.0001uL以下、10pL以下、1pL以下、または任意のこれら2つの値の間の範囲を含む。
【0272】
ある特定の態様では、試料の量は、これらに限定されないが、約100uL以下、75uL以下、50uL以下、25uL以下、20uL以下、15uL以下、10uL以下、5uL以下、3uL以下、1uL以下、0.5uL以下、0.1uL以下、0.05uL以下、0.001uL以下、0.0005uL以下、0.0001uL以下、10pL以下、1pL以下、または任意のこれら2つの値の間の範囲を含む。ある特定の態様では、試料の量は、これらに限定されないが、約10uL以下、5uL以下、3uL以下、1uL以下、0.5uL以下、0.1uL以下、0.05uL以下、0.001uL以下、0.0005uL以下、0.0001uL以下、10pL以下、1pL以下、または任意のこれら2つの値の間の範囲を含む。
【0273】
ある特定の態様では、試料の量は、約1滴の液体である。ある特定の態様では、試料の量は、刺した指または指先穿刺から収集される量である。ある特定の態様では、試料の量は、マイクロニードル、マイクロピペット、または静脈採血から収集された量である。
【0274】
F)機械学習
ネットワークの詳細は、国際出願(IA)2018年2月8日に出願されたPCT/US2018/017504および2018年10月26日に出願されたPCT/US2018/057877を含む様々な刊行物に詳細に記載されており、これらのそれぞれが、すべての目的のために参照によって本明細書中に組み込まれている。
【0275】
本発明の一局面は、分析物検出およびローカリゼーションのための機械学習およびディープラーニングの枠組みを提供する。機械学習アルゴリズムは、データから学習することができるアルゴリズムである。機械学習のさらに厳密な定義は、「性能評価尺度Pによって測定されたタスクTでのコンピュータプログラムの性能が、経験Eにより改善した場合、コンピュータプログラムが、何らかの階層のタスクTおよびPに関して経験Eから学習したとされる」ことである。これは、データから学習して予測することができるアルゴリズムの研究や構築を探り、このようなアルゴリズムは、サンプル入力からモデルを確立することを通してデータ駆動予測または決定を行うことによって、静的なプログラム命令を克服する。
【0276】
ディープラーニングは、データにおける高レベルな抽出をモデリングするように試行するアルゴリズムのセットに基づいた機械学習の具体的な種類である。単純な場合には、2セットのニューロン、入力信号を受信するものおよび出力信号を送信するものがあり得る。入力層が入力を受信したとき、入力層は、入力の修正されたバージョンを次の層に伝える。ディープネットワークでは、入力と出力との間に多くの層があり(層は、ニューロンから作られていないが、そのように考えるのに助けとなり得る)、アルゴリズムが、複数の線形および非線形の変換からなる複数の処理層を使用できるようにする。
【0277】
本発明の一局面は、2つの分析物検出およびローカリゼーション手法を提供することである。第1の手法は、ディープラーニング手法であり、第2の手法は、ディープラーニングおよびコンピュータビジョン手法の組み合わせである。
【0278】
(i)ディープラーニング手法
第1の手法において、開示される分析物検出およびローカリゼーションワークフローは、2つの段階、訓練および予測からなる。以下の段落で、本発明者らは、訓練および予測の段階を説明する。
【0279】
(a)訓練段階
訓練段階において、アノテーション付き訓練データが畳み込みニューラルネットワークに送られる。畳み込みニューラルネットワークとは、グリッド様のフィードフォワード階層型ネットワークトポロジーを有する、データを処理するための特殊なニューラルネットワークである。データの例は、規則的な時間間隔で試料を取得する1Dグリッドと見なすことができる時系列データおよびピクセルの2Dグリッドと見なすことができる画像データを含む。畳み込みネットワークは実用に成功している。「畳み込みニューラルネットワーク」という名称は、ネットワークが、畳み込みと呼ばれる数学的演算を用いることを示す。畳み込みは特殊な種類の線形演算である。畳み込みネットワークは単に、その層の少なくとも1つにおいて汎用行列乗算の代わりに畳み込みを使用するニューラルネットワークである。
【0280】
機械学習モデルは、試料を保持するQMAXデバイス上でイメージャによって撮影された分析対象物を含有する試料の1つまたは複数の画像を訓練データとして受け取る。訓練データは、アッセイされる分析対象物に関してアノテーションが付され、そのアノテーションが、分析対象物が訓練データ中にあるかどうか、また、画像中のどこに位置するのかを示す。アノテーションは、分析対象物を完全に含む、または分析対象物の中心位置を含むタイトなバウンディングボックスの形態で実施することができる。後者の場合、中心位置はさらに、分析対象物をカバーする円またはポイントマップ中のガウスカーネルに変換される。
【0281】
訓練データのサイズが大きい場合、機械学習モデルの訓練は2つの難題を呈する。アノテーション(通常はヒトが実施する)は時間を要し、訓練はコンピュータ的に費用を要する。これらの難題を克服するためには、訓練データを小さなサイズのパッチに分割したのち、これらのパッチまたはこれらのパッチの一部分にアノテーションを付け、訓練することができる。用語「機械学習」とは、統計学的技術と、明示的にプログラムされることなくデータから訓練された人工ニューラルネットワークとをしばしば使用する、人工知能の分野におけるアルゴリズム、システムおよび装置を指し得る。
【0282】
アノテーション付き画像は機械学習(ML)訓練モジュールに送られ、機械学習モジュール中のモデルトレーナが訓練データ(アノテーション付き試料画像)からのMLモデルを訓練する。入力データは、特定の停止基準が満たされるまで、複数回の反復でモデルトレーナに送られる。ML訓練モジュールの出力がMLモデル―コンピュータが特定のタスク(たとえば物体を検出し、分類する)を自ら実行する能力をコンピュータに与える、データから機械学習中に訓練プロセスから構築される計算モデル―である。
【0283】
訓練された機械学習モデルは予測(または推論)段階中にコンピュータによって適用される。機械学習モデルの例はResNet、DenseNetなどを含む。これらは、ネットワーク構造中の接続された層の深さが理由で「ディープラーニングモデル」とも呼ばれる。特定の態様においては、完全畳み込みネットワーク(FCN)を有するCaffeライブラリをモデル訓練および予測に使用したが、TensorFlowなどの他の畳み込みニューラルネットワークアーキテクチャおよびライブラリを使用することもできる。
【0284】
訓練段階は、予測段階において使用されるモデルを生成する。モデルは、入力をアッセイするために予測段階で繰り返し使用することができる。したがって、計算ユニットは、生成されたモデルにアクセスするだけでよい。訓練データにアクセスする必要はなく、訓練段階をコンピューティングユニット上で再び実行する必要もない。
【0285】
(b)予測段階
予測/推論段階においては、検出コンポーネントが入力画像に適用され、入力画像は、訓練段階から生成された訓練済みモデルを事前にロードされた予測(推論)モジュールに送られる。予測段階の出力は、検出された分析対象物を、分析対象物の中心位置もしくは各分析対象物の位置を示すポイントマップまたは検出された分析対象物の情報を含むヒートマップとともに含むバウンディングボックスであることができる。
【0286】
予測段階の出力がバウンディングボックスのリストである場合、アッセイのための試料の画像中の分析対象物の数は、検出されたバウンディングボックスの数によって特徴付けられる。予測段階の出力がポイントマップである場合、アッセイのための試料の画像中の分析対象物の数は、ポイントマップの積分によって特徴付けられる。予測の出力がヒートマップである場合、ローカリゼーションコンポーネントを使用して位置が特定され、検出された分析対象物の数は、ヒートマップのエントリによって特徴付けられる。
【0287】
ローカリゼーションアルゴリズムの1つの態様は、ヒートマップ値を、一次元順序付きリスト中に、最高値から最低値へとソートすることである。次いで、最高値のピクセルを選択し、そのピクセルを、その隣接ピクセルとともに、リストから削除する。すべてのピクセルがリストから削除されるまでプロセスを繰り返して、リスト中の最高値を有するピクセルを選択する。
【0288】
ヒートマップを使用する検出コンポーネントにおいては、入力画像が、訓練段階から生成されたモデルとともに、畳み込みニューラルネットワークに送られ、検出段階の出力は、ヒートマップの形式の、ピクセルレベルの予測である。ヒートマップは、入力画像と同じサイズを有することもできるし、入力画像の縮小バージョンであることもでき、ローカリゼーションコンポーネントへの入力である。本発明者らは、分析対象物の中心をローカライズするためのアルゴリズムを開示する。主な概念は、ヒートマップからローカルピークを繰り返し検出することである。ピークがローカライズされたのち、そのピークを包囲するローカルエリアを計算することができる(ただし値はより小さい)。この区域をヒートマップから削除し、残りのピクセルから次のピークを見つける。すべてのピクセルがヒートマップから削除されるまでこのプロセスを繰り返す。
【0289】
特定の態様において、本発明は、ヒートマップ値を、一次元順序付きリスト中に、最高値から最低値へとソートするためのローカリゼーションアルゴリズムを提供する。次いで、最高値のピクセルを選択し、そのピクセルを、その隣接ピクセルとともに、リストから削除する。すべてのピクセルがリストから削除されるまでプロセスを繰り返して、リスト中の最高値を有するピクセルを選択する。
【0290】
Algorithm GlobalSearch (heatmap)
Input:
heatmap
Output:
loci
loci←{}
sort(heatmap)
while (heatmap is not empty) {
s←pop(heatmap)
D←{disk center as s with radius R}
heatmap = heatmap \ D // remove D from the heatmap
add s to loci
【0291】
ソート後、ヒートマップは、ヒートマップ値が最高から最低の順に並ぶ一次元順序付きリストである。各ヒートマップ値は、その対応するピクセル座標と関連付けられる。ヒートマップの最初のアイテムは、最高値を有するアイテムであり、それがpop(heatmap)関数の出力である。1つのディスクが作成され、その中心は、最高ヒートマップ値を有するもののピクセル座標である。次いで、ピクセル座標がディスク内にあるすべてのヒートマップ値をヒートマップから削除する。アルゴリズムは、現在のヒートマップ中の最高値を繰り返しポップアップし、アイテムがヒートマップから削除されるまで、その周囲のディスクを削除する。
【0292】
順序付きリストヒートマップ中、各アイテムは、先行アイテムおよび後続アイテムの知識を有する。順序付きリストからアイテムを削除する場合、以下の変更を加える。
・削除アイテムがxであり、先行アイテムがxであり、後続アイテムがxであると仮定する。
・先行アイテムxに関し、その後続アイテムを削除アイテムの後続アイテムに再定義する。したがって、xの後続アイテムはxとなる。
・削除アイテムxに関し、その先行アイテムおよび後続アイテムを定義解除し、それを順序付きリストから削除する。
・後続アイテムxに関し、その先行アイテムを削除されたアイテムの先行アイテムに再定義する。したがって、xの先行アイテムはxとなる。
【0293】
すべてのアイテムが順序付きリストから削除されたのち、ローカリゼーションアルゴリズムは完了する。設定位置中の要素の数が分析対象の数となり、位置情報は、設定位置中の各sのピクセル座標である。
【0294】
もう1つの態様は、必ずしも最高ヒートマップ値を有するものではないローカルピークを探索する。各ローカルピークを検出するためには、ランダムな出発点から出発し、ローカル最大値を探索する。ピークを見つけたのち、そのピークを包囲するローカルエリアを計算する(ただし値はより小さい)。この区域をヒートマップから削除し、残りのピクセルから次のピークを見つける。ヒートマップからすべてのピクセルが削除されるまでこのプロセスを繰り返す。
【0295】
Algorithm LocalSearch (s, heatmap)
Input:
s: starting location (x, y)
heatmap
Output:
s: location of local peak.
>0の値のピクセルのみを考慮する。
【0296】
Algorithm Cover (s, heatmap)
Input:
s: location of local peak,
heatmap:
Output:
cover: a set of pixels covered by peak:
【0297】
これは、sから出発する幅優先探索アルゴリズムであるが、訪問点の条件が1つ変更されている。heatmap[p]>0かつheatmap[p]<=heatmap[q]ならば、現在位置qの隣接位置pだけがカバーに加えられる。したがって、カバー中の各ピクセルは、ローカルピークsに通じる非下降経路を有する。
【0298】
Algorithm Localization (heatmap)
Input:
heatmap
Output:
loci
loci←{}
pixels←{all pixels from heatmap}
while pixels is not empty {
s←any pixel from pixels
s←LocalSearch(s, heatmap) // s is now local peak
probe local region of radius R surrounding s for better local peak
r←Cover(s, heatmap)
pixels←pixels \ r // remove all pixels in cover
add s to loci
【0299】
(ii)ディープラーニングとコンピュータビジョンアプローチの混合
第2のアプローチでは、検出およびローカリゼーションがコンピュータビジョンアルゴリズムによって実現され、分類がディープラーニングアルゴリズムによって実現され、コンピュータビジョンアルゴリズムが分析対象物の可能な候補を検出し、見つけ、ディープラーニングアルゴリズムが各可能な候補を真の分析対象物と偽の分析対象物とに分類する、ディープラーニングとコンピュータビジョン手法の組み合わせを含む画像解析。すべての真の分析対象物の位置が(真の分析対象物の総数とともに)出力として記録される。
【0300】
(a)検出
コンピュータビジョンアルゴリズムは、強度、色、サイズ、形状、分布などをはじめとする分析対象物の特徴に基づいて、可能な候補を検出する。前処理スキームが検出を改善することができる。前処理スキームは、コントラスト強調、ヒストグラム調整、色強調、ノイズ除去、スムージング、デフォーカスなどを含む。前処理後、入力画像は検出器に送られる。検出器は、分析対象物の可能な候補の存在を知らせ、その場所の推定を出す。検出は、適応的閾値処理などのスキームを使用して、分析対象物構造(たとえばエッジ検出、ライン検出、円検出など)、接続性(たとえばブロブ検出、接続コンポーネント、輪郭検出など)、強度、色、形状などに基づくことができる。
【0301】
(b)ローカリゼーション
検出後、コンピュータビジョンアルゴリズムは、境界またはそれを含むタイトなバウンディングボックスを提供することにより、分析対象物の可能な候補それぞれを見つける。これは、物体セグメンテーションアルゴリズム、たとえば適応的閾値処理、背景差分法、floodFill、MeanShift、Watershedなどによって達成することができる。非常に多くの場合、ローカリゼーションを検出と組み合わせて、分析対象物の可能な候補それぞれの場所とともに検出結果を出すことができる。
【0302】
(c)分類
畳み込みニューラルネットワークなどのディープラーニングアルゴリズムは最先端の視覚的分類を達成する。本発明者らは、分析対象物の可能な候補それぞれの分類のためにディープラーニングアルゴリズムを用いる。VGGNet、ResNet、MobileNet、DenseNetなど、様々な畳み込みニューラルネットワークを分析対象物分類に利用することができる。
【0303】
分析対象物の可能な候補それぞれを仮定して、ディープラーニングアルゴリズムは、畳み込みフィルタおよび非線形フィルタを介してニューロンの層を通して計算を実行して、分析対象物を非分析対象物から区別する高レベル特徴を抽出する。完全畳み込みネットワークの層が高レベル特徴を分類結果へと組み合わせ、それが真の分析対象物であるかどうか、または分析対象物である確率を教える。
【0304】
G)用途、生体/化学的バイオマーカー、および健康状態
本発明の用途は、これらに限定されないが、(a)特定の疾患、例えば、感染症および寄生虫病、傷害、心血管疾患、癌、精神疾患、神経精神疾患、ならびに器質性疾患、例えば、肺疾患、腎疾患の病期と相関する化学化合物もしくは生体分子の、検出、精製、および定量化;(b)微生物、例えば、環境、例えば、水、土壌、もしくは生物学的試料、例えば、組織、体液からの、ウイルス、真菌、および細菌の検出、精製、および定量化;(c)食品の安全性もしくは国家安全保障を危険にさらす化学化合物もしくは生物学的試料、例えば、毒性廃棄物、炭疽の、検出、定量化;(d)医学的もしくは生理学的モニターにおけるバイタルパラメータ、例えば、グルコース、血中酸素レベル、総血球数の、定量化;(e)生体試料、例えば、細胞、ウイルス、体液からの特定のDNAもしくはRNAの、検出および定量化;(f)ゲノム解析のための染色体およびミトコンドリアのDNAの遺伝子配列の、配列決定および比較;または(g)例えば、医薬品の合成もしくは精製中の反応生成物を検出することを含む。
【0305】
検出は、様々な試料マトリックス、例えば、細胞、組織、体液、および便において実行される。関心対象の体液は、これらに限定されないが、羊水、房水、硝子体液、血液(例えば、全血、画分血液、血漿、血清等)、母乳、脳脊髄液(CSF)、耳垢(cerumen)(耳垢(earwax))、乳糜、糜汁、内リンパ、外リンパ、糞便、胃酸、胃液、リンパ、粘液(鼻漏および痰を含む)、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜分泌物、唾液、皮脂(皮膚の油)、精液、喀痰、汗、滑液、涙、嘔吐物、尿、ならびに呼気凝縮物を含む。ある特定の態様では、試料は、ヒトの体液を含む。ある特定の態様では、試料は、少なくとも1つの細胞、組織、体液、便、羊水、房水、硝子体液、血液、全血、画分血液、血漿、血清、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳糜、糜汁、内リンパ、外リンパ、糞便、胃酸、胃液、リンパ、粘液、鼻漏、痰、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜分泌物、唾液、皮脂、精液、喀痰、汗、滑液、涙、嘔吐物、尿、および呼気凝縮物のうちの少なくとも1つを含む。
【0306】
態様では、試料は、生物学的試料、環境試料、および生化学的試料のうちの少なくとも1つである。
【0307】
本発明におけるデバイス、システム、および方法は、様々な分野の様々な異なる用途での使用を見出し、ここで、存在もしくは不在の決定および/または試料中の1種または複数種の分析物の定量化が望まれる。例えば、主題の方法は、タンパク質、ペプチド、核酸、合成化合物、無機化合物、有機化合物などの検出における使用を見出す。様々な分野は、これらに限定されないが、ヒト、獣医学、農学、食品、環境、薬物検査等を含む。
【0308】
ある特定の態様では、主題の方法は、核酸、タンパク質、または試料中の他の生体分子の検出における使用を見出す。方法は、試料中のバイオマーカーのセット、例えば、2つ以上の異なるタンパク質または核酸バイオマーカーの検出を含み得る。例えば、方法は、生物学的試料中の2つ以上の疾患バイオマーカーの迅速な臨床検出に使用することができ、例えば、対象の病状の診断または対象の病状の進行中の管理もしくは治療等に用いることができる。上述のように、医師または他の医療提供者に対する伝達は、医師または他の医療提供者が、可能性のある懸念に気付き、認識するのをより確実にし、したがって、より適切な処置を行いやすくし得る。
【0309】
CROFデバイスを用いる本発明におけるデバイス、システム、および方法の用途は、これらに限定されないが、(a)特定の疾患、例えば、感染症および寄生虫病、傷害、心血管疾患、癌、精神疾患、神経精神疾患、ならびに器質性疾患、例えば、肺疾患、腎疾患の病期と相関する化学化合物もしくは生体分子の、検出、精製、および定量化;(b)微生物、例えば、環境、例えば、水、土壌、もしくは生物学的試料、例えば、組織、体液からのウイルス、真菌、および細菌の、検出、精製、および定量化;(c)食品の安全性もしくは国家安全保障を危険にさらす化学化合物もしくは生物学的試料、例えば、毒性廃棄物、炭疽の、検出、定量化;(d)医学的もしくは生理学的モニターにおけるバイタルパラメータ、例えば、グルコース、血中酸素レベル、総血球数の、定量化;(e)生体試料、例えば、細胞、ウイルス、体液からの特定のDNAもしくはRNAの、検出および定量化;(f)ゲノム解析のための染色体およびミトコンドリアのDNAの遺伝子配列の、配列決定および比較;または(g)例えば、医薬品の合成もしくは精製中の反応生成物を検出することを含む。本発明のデバイス、システム、および方法の特定の用途の一部を、以下でさらに詳細に説明する。
【0310】
本発明の用途は、これらに限定されないが、(a)特定の疾患、例えば、感染症および寄生虫病、傷害、心血管疾患、癌、精神疾患、神経精神疾患、ならびに器質性疾患、例えば、肺疾患、腎疾患の病期と相関する化学化合物もしくは生体分子の、検出、精製、および定量化;(b)微生物、例えば、環境、例えば、水、土壌、もしくは生物学的試料、例えば、組織、体液からのウイルス、真菌、および細菌の、検出、精製、および定量化;(c)食品の安全性もしくは国家安全保障を危険にさらす化学化合物もしくは生物学的試料、例えば、毒性廃棄物、炭疽の、検出、定量化;(d)医学的もしくは生理学的モニターにおけるバイタルパラメータ、例えば、グルコース、血中酸素レベル、総血球数の、定量化;(e)生体試料、例えば、細胞、ウイルス、体液からの特定のDNAもしくはRNAの、検出および定量化;(f)ゲノム解析のための染色体およびミトコンドリアのDNAの遺伝子配列の、配列決定および比較;または(g)例えば、医薬品の合成もしくは精製中の反応生成物を検出することを含む。
【0311】
本発明のデバイス、システム、および方法の実施は、(a)試料を取得すること;(b)試料中の分析物の捕捉剤への結合に適した条件下で、関心対象の分析物を結合させる捕捉剤を含有するCROFデバイスに試料を適用すること;(c)CROFデバイスを洗浄すること;および(d)CROFデバイスを読み取ることであって、これにより試料中の分析物の量の測定値を取得すること、を含み得る。ある特定の態様では、分析物は、バイオマーカー、環境マーカー、または食品マーカーであり得る。いくつかの例における試料は、液体試料であり、診断試料(例えば、唾液、血清、血液、痰、尿、汗、涙、精液、および粘液)、河川、海、湖、雨、雪、下水、下水処理排水、農業排水、産業排水、水道水、または飲料水から取得した環境試料、または水道水、飲料水、調理食品、加工食品、もしくは生の食品から取得した食品試料であり得る。
【0312】
任意の態様では、CROFデバイスは、微少流体デバイス内に配置されて、適用する工程(b)は、CROFデバイスを含む微少流体デバイスに試料を適用することを含み得る。
【0313】
任意の態様では、読み取る工程(d)は、CROFデバイスからの蛍光または発光信号を検出することを含み得る。
【0314】
任意の態様では、読み取る工程(d)は、CROFデバイスを読み取るように構成された手持ち式デバイスによりCROFデバイスを読み取ることを含み得る。手持ち式デバイスは、携帯電話、例えばスマートフォンであり得る。
【0315】
任意の態様では、CROFデバイスは、CROFデバイス上で分析物捕捉剤複合体に結合できる標識剤を含み得る。
【0316】
任意の態様では、本発明のデバイス、システム、および方法は、工程(c)と(d)の間に、CROFデバイス上で分析物捕捉剤複合体に結合する標識剤をCROFデバイスに適用して、CROFデバイスを洗浄する工程をさらに含み得る。
【0317】
任意の態様では、読み取る工程(d)は、CROFデバイスに対する識別子を読み取ることを含み得る。識別子は、光学バーコード、無線周波数IDタグ、またはこれらの組み合わせであり得る。
【0318】
任意の態様では、本発明のデバイス、システム、および方法は、分析物に結合する捕捉剤を含有する制御CROFデバイスに制御試料を適用することをさらに含むことができ、制御試料は、既知の検出可能な量の分析物を含み、制御CROFデバイスを読み取ることにより、試料中の分析物の既知の検出可能な量に対する制御測定値を取得する。
【0319】
任意の態様では、試料は、対象から取得した診断試料であり、分析物は、バイオマーカーであり、測定された試料中の分析物の量は、疾患または状態の診断に役立つことができる。
【0320】
任意の態様では、本発明のデバイス、システム、および方法は、疾患または状態を有しないか、もしくはその低いリスクにある個体において測定されたバイオマーカーの量および測定されたバイオマーカーの値の範囲を示すレポートを受信するか、または対象に提供することをさらに含み、測定された値の範囲に対する測定されたバイオマーカーの量は、疾患または状態の診断に役立つ。
【0321】
任意の態様では、本発明のデバイス、システム、および方法は、測定された試料中のバイオマーカーの量を含む情報に基づいた対象の診断をさらに含み得る。一部の場合には、診断する工程は、測定されたバイオマーカーの量を含有するデータを遠隔地に送信して、測定値を含む情報に基づいた診断を遠隔地から受信することを含む。
【0322】
任意の態様では、適用する工程(b)は、単離miRNA試料を生成するために、miRNAを試料から単離させて、単離miRNA試料をディスク結合柱上ドットアンテナ(CROFデバイス)アレイに適用することを含み得る。
【0323】
任意の態様では、方法は、試料が取得された環境にさらされる対象に対する安全性または有害性を示すレポートを受信するかまたは提供することを含み得る。
【0324】
任意の態様では、方法は、測定された環境マーカーの量を含有するデータを遠隔地に送信して、試料が取得された環境にさらされる対象に対する安全性または有害性を示すレポートを受信することを含み得る。
【0325】
任意の態様では、CROFデバイスアレイは、それぞれが環境マーカーに結合する複数の捕捉剤を含むことができ、読み取る工程(d)は、試料中の複数の環境マーカーの量の尺度を取得することを含み得る。任意の態様では、試料は食品試料であり、分析物は食品マーカーであることができ、試料中の食品マーカーの量は、消費する食品の安全性と相関し得る。
【0326】
任意の態様では、方法は、試料が取得された食品を消費する対象に対する安全性または有害性を示すレポートを受信するまたは提供することを含み得る。
【0327】
任意の態様では、方法は、測定された食品マーカーの量を含有するデータを遠隔地に送信して、試料が取得された食品を消費する対象に対する安全性または有害性を示すレポートを受信することを含み得る。任意の態様では、CROFデバイスアレイは、それぞれ食品マーカーに結合する複数の捕捉剤を含み、取得は、試料中の複数の食品マーカーの量の尺度を取得することを含み、試料中の複数の食品マーカーの量は、消費する食品の安全性と相関し得る。
【0328】
また、本発明においてデバイス、システム、および方法を実施する際に使用を見出すキットも、本明細書に提供される。
【0329】
試料の量は、約1滴の試料であり得る。試料の量は、刺した指または指先穿刺から収集される量であり得る。試料の量は、マイクロニードルまたは静脈採血から収集された量であり得る。
【0330】
試料は、供給源からそれを取得した後、さらに処理することなく使用され得るか、または、例えば、関心対象の分析物に対して濃縮させる、大きな粒子状物質を除去する、固体試料を溶解もしくは再懸濁させる等のように処理され得る。
【0331】
試料をCROFデバイスに適用する任意の適切な方法を用いることができる。適切な方法は、ピペット、スポイト、シリンジなどを使用することを含み得る。ある特定の態様では、以下に説明されるように、CROFデバイスがディップスティック形式の支持体上に位置する場合、ディップスティックの試料受容領域を試料中に浸漬することによって試料がCROFデバイスに適用され得る。
【0332】
試料は、一度に、または複数回で収集され得る。経時的に収集された試料は、個別に集約および/または処理され得る(本明細書中で記載されるように、CROFデバイスに適用して、試料中の分析物の量の測定値を得ることによって)。いくつかの例では、経時的に得られた測定値を集約することができ、経時的な縦断的分析に有用であり、スクリーニング、診断、治療、および/または疾患予防を促進することができる。
【0333】
上記のように、CROFデバイスを洗浄して未結合の試料成分を除去することは、任意の便利な方法で行うことができる。ある特定の態様では、結合バッファーを使用してCROFデバイスの表面を洗浄し、未結合の試料成分を除去する。分析物の検出可能な標識は、任意の便利な方法で行うことができる。分析物は、直接または間接的に標識され得る。直接標識では、試料がCROFデバイスに適用される前に、試料中の分析物が標識される。間接標識では、以下に説明されるように、試料がCROFデバイスに適用された後に、試料中の非標識分析物が標識され、非標識分析物を捕捉する。
【0334】
対象からの試料、対象の健康、および本発明の他の用途を以下でさらに説明する。例示的な試料、健康状態、および用途はまた、例えば、米国特許出願公開第2014/0154668号および第2014/0045209号に開示されており、これらは参照によって本明細書中に組み込まれている。
【0335】
本発明は、様々な用途における使用を見出し、ここで、このような用途は、一般的に、所与の試料中の特定の分析物の存在を、量的でなければ少なくとも質的に検出する分析物検出用途である。分析物検出アッセイを実行するためのプロトコルは当業者によく知られており、ここでかなり詳細に説明する必要はない。一般的に、関心対象の分析物を含む疑いのある試料は、センサにつながれたそれぞれの捕捉剤に分析物が結合するのに十分な条件下で、対象ナノセンサの表面と接触される。捕捉剤は、関心対象の標的分子に対して非常に特異的な親和性を有する。この親和性は、抗体が抗原の特異的なエピトープに結合する抗原抗体反応、または、2つ以上の核酸の相補鎖間の配列特異的なDNA/RNAもしくはDNA/RNAハイブリダイゼーション反応であり得る。したがって、関心対象の分析物が試料中に存在するとき、これは、捕捉剤の部位においてセンサに結合する可能性があり、センサ表面上に複合体が形成される。すなわち、捕捉された分析物は、センサ表面で固定化される。未結合の分析物を除去した後、例えば、標識された第2の捕捉剤を使用して、このセンサの表面上の結合複合体(例えば、固定化された関心対象の分析物)の存在が、その後検出される。
【0336】
特定の関心対象の分析物検出用途は、核酸捕捉剤が用いられるハイブリダイゼーションアッセイと、ポリペプチド、例えば、抗体が用いられるタンパク質結合アッセイとを含む。これらのアッセイにおいて、試料がまず調製され、試料調製に続いて、特異的な結合条件下で試料が対象ナノセンサと接触することによって、センサ表面に取り付けられた薬剤を捕捉するために相補的な標的核酸またはポリペプチド(もしくは他の分子)間で複合体が形成される。
【0337】
一態様では、捕捉オリゴヌクレオチドは、一端においてチオール化された20~100塩基長の合成一本鎖DNAである。これらの分子は、固定化された捕捉DNAに対して相補的な配列を有する(少なくとも長さ50bpであり得る)標的一本鎖DNAを捕捉するために、ナノデバイスの表面に固定化されている。ハイブリダイゼーション反応後、配列が標的DNAで占有されていない核酸に対して相補的な(長さ20~100bpであり得る)検出一本鎖DNAを加えて、標的とハイブリダイズさせる。検出DNAは、その一端を、ナノデバイスの発光波長がプラズモニック共振内にある蛍光標識に共役させる。したがって、ナノデバイスの表面から発出された蛍光発光を検出することによって、標的一本鎖DNAを正確に検出して、定量化することができる。捕捉および検出DNAについての長さは、融解温度(ヌクレオチド鎖は、上記の融解温度で分離するであろう)およびミスペアリングの程度(鎖が長くなるほど、ミスペアリングは低下する)を決定する。
【0338】
相補的な結合のための長さを選ぶ際の関心事の1つは、融解温度を可能な限り高く保ちながら、ミスペアリングを最小限にする必要性に依存する。さらに、ハイブリダイゼーション長さの全長は、最適な信号増幅を達成するために決定される。
【0339】
主題のセンサは、(a)疾患または状態を有する疑いのある患者から液体試料を取得すること;(b)試料を対象ナノセンサに接触させること(ここで、ナノセンサの捕捉剤は疾患に対するバイオマーカーに特異的に結合し、接触は、捕捉剤によるバイオマーカーの特異的な結合に適した条件下で行われる);(c)捕捉剤に結合されていない任意のバイオマーカーを除去すること;および(d)ナノセンサに結合されたままであるバイオマーカーからの光信号を読み取ること、を含む、疾患または状態を診断する方法において用いることができ、光信号は、患者が疾患または状態を有することを示しており、方法はさらに、バイオマーカーが捕捉剤に結合される前または後のいずれかに、発光標識によりバイオマーカーを標識することを含む。以下でより詳細に記載されるように、患者は癌を有する疑いがあり得、抗体は、癌バイオマーカーに結合する。他の態様では、患者は神経疾患を有する疑いがあり、抗体は、神経疾患に対するバイオマーカーに結合する。
【0340】
主題のセンサの用途は、これらに限定されないが、(a)特定の疾患、例えば、感染症および寄生虫病、傷害、心血管疾患、癌、精神疾患、神経精神疾患、ならびに器質性疾患、例えば肺疾患、腎疾患の病期と相関する化学化合物もしくは生体分子の、検出、精製、および定量化;(b)微生物、例えば、環境、例えば、水、土壌、もしくは生物学的試料、例えば、組織、体液からのウイルス、真菌、および細菌の、検出、精製、および定量化;(c)食品の安全性もしくは国家安全保障を危険にさらす化学化合物もしくは生物学的試料、例えば、毒性廃棄物、炭疽の、検出、定量化;(d)医学的もしくは生理学的モニターにおけるバイタルパラメータ、例えば、グルコース、血中酸素レベル、総血球数の、定量化;(e)生体試料、例えば、細胞、ウイルス、体液からの特定のDNAもしくはRNAの、検出および定量化;(f)ゲノム解析のための染色体およびミトコンドリアのDNAの遺伝子配列の、配列決定および比較;または(g)例えば、医薬品の合成もしくは精製中の反応生成物を検出することを含む。
【0341】
検出は、様々な試料マトリックス、例えば、細胞、組織、体液、および便において実行される。関心対象の体液は、これらに限定されないが、羊水、房水、硝子体液、血液(例えば、全血、画分血液、血漿、血清等)、母乳、脳脊髄液(CSF)、耳垢(cerumen)(耳垢(earwax))、乳糜、糜汁、内リンパ、外リンパ、糞便、胃酸、胃液、リンパ、粘液(鼻漏および痰を含む)、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜分泌物、唾液、皮脂(皮膚の油)、精液、喀痰、汗、滑液、涙、嘔吐物、尿、ならびに呼気凝縮物を含む。
【0342】
ある特定の態様では、主題のバイオセンサは、試料中の病原体から標的核酸を検出することによって、病原体感染を診断するのに使用され得る。標的核酸は、例えば、ヒト免疫不全ウイルス1および2(HIV-1およびHIV-2)、ヒトT細胞白血病ウイルスおよび2(HTLV-1およびHTLV-2)、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、アデノウイルス、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、サイトメガロウイルス(CMV)、単純ヘルペスウイルス1および2(HSV-1およびHSV-2)、ヒトヘルペスウイルス8(HHV-8、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルスとしても知られる)、ならびに黄熱ウイルス、デングウイルス、日本脳炎ウイルス、西ナイルウイルス、およびエボラウイルスを含むフラビウイルスを含む群から選択されたウイルスからのものであり得る。しかしながら、本発明は、前述のウイルスからの、核酸、例えば、DNAやRNAの配列の検出に限定されるものではなく、獣医学および/またはヒト医学で重要な他の病原体に対して何ら問題なく適用することができる。
【0343】
ヒトパピローマウイルス(HPV)はさらに、これらのDNA配列ホモロジーに基づいて、70より多い異なる型に細分される。これらの型は異なる疾患を引き起こす。HPV1、2、3、4、7、10、および26~29型は、良性の疣贅を引き起こす。HPV5、8、9、12、14、15、17、および19~25、および46~50型は、弱った免疫系を有する患者に病変を引き起こす。6、11、34、39、41~44、および51~55型は、生殖器部位および呼吸器の粘膜に鋭尖形の疣贅を引き起こす。HPV16および18型は、これらが生殖器粘膜に上皮性異形成を引き起こし、子宮頚部、膣、外陰部、および肛門管の浸潤癌に高割合で関係付けられるので、特別な医学的関心対象である。ヒトパピローマウイルスのDNAの組込みは、子宮頸癌の発癌において決定的であると考えられる。ヒトパピローマウイルスは、例えば、それらのカプシドタンパク質L1およびL2のDNA配列から検出され得る。したがって、本発明の方法は、癌の発達のリスクを判断するための、組織試料中のHVP16および/または18型のDNA配列の検出に特に適している。
【0344】
いくつかの場合、ナノセンサは、低濃度で存在するバイオマーカーを検出するのに用いることができる。例えば、ナノセンサは、容易に到達可能な体液(例えば、血液、唾液、尿、涙等)における癌抗原を検出し、容易に到達可能な体液中の組織特有の疾患に対するバイオマーカー(例えば、神経疾患に対するバイオマーカー(例えばアルツハイマー抗原))を検出し、感染症を検出し(特に、低力価潜在ウイルス、例えばHIVの検出)、母体血中の胎児性抗原を検出し、そして、例えば、対象の血流中の外因性化合物(例えば、薬物や汚染物質)を検出するために使用され得る。
【0345】
以下の表は、(適切なモノクローナル抗体と共に使用した場合に)主題のナノセンサを使用して検出され得るタンパク質バイオマーカーおよびこれらの関係する疾患のリストを提供する。バイオマーカーの1つの潜在源(例えば「CSF」、脳脊髄液)もまた、表に示されている。多くの場合、主題のバイオセンサは、示したものとは異なる体液におけるバイオマーカーを検出することができる。例えば、CSF中で発見されたバイオマーカーは、尿、血液、または唾液において識別され得る。
【0346】
H)有用性
主題の方法は、試料中の1種または複数種の分析物の存在もしくは不在の決定および/または定量化が望まれる様々な異なる用途での使用を見出す。例えば、主題の方法は、タンパク質、ペプチド、核酸、合成化合物、無機化合物などの検出における使用が見出される。
【0347】
ある特定の態様では、主題の方法は、核酸、タンパク質、または試料中の他の生体分子の検出における使用を見出す。方法は、試料中のバイオマーカーのセット、例えば、2つ以上の異なるタンパク質または核酸バイオマーカーの検出を含み得る。例えば、方法は、生物学的試料中の2つ以上の疾患バイオマーカーの迅速な臨床検出に使用することができ、例えば、対象の病状の診断または対象の病状の進行中の管理もしくは治療等に用いることができる。上述のように、医師または他の医療提供者に対する伝達は、医師または他の医療提供者が、可能性のある懸念に気付き、認識するのをより確実にし、したがって、より適切な処置を行いやすくし得る。
【0348】
CROFデバイスを用いる本発明のデバイス、システム、および方法の用途は、これらに限定されないが、(a)特定の疾患、例えば、感染症および寄生虫病、傷害、心血管疾患、癌、精神疾患、神経精神疾患、ならびに器質性疾患、例えば、肺疾患、腎疾患の病期と相関する化学化合物もしくは生体分子の、検出、精製、および定量化;(b)微生物、例えば、環境、例えば、水、土壌、もしくは生物学的試料、例えば、組織、体液からのウイルス、真菌、および細菌の、検出、精製、および定量化;(c)食品の安全性もしくは国家安全保障を危険にさらす化学化合物もしくは生物学的試料、例えば、毒性廃棄物、炭疽の、検出、定量化;(d)医学的もしくは生理学的モニターにおけるバイタルパラメータ、例えば、グルコース、血中酸素レベル、総血球数の、定量化;(e)生体試料、例えば、細胞、ウイルス、体液からの特定のDNAもしくはRNAの、検出および定量化;(f)ゲノム解析のための染色体およびミトコンドリアのDNAの遺伝子配列の、配列決定および比較;または(g)例えば、医薬品の合成もしくは精製中の反応生成物を検出することを含む。本発明のデバイス、システム、および方法の特定用途の一部を、以下でさらに詳細に説明する。
【0349】
I)診断方法
ある特定の態様では、主題の方法は、バイオマーカーを検出する際の使用を見出す。ある特定の態様では、CROFを使用する本発明のデバイス、システム、および方法を使用して、血液、血漿、血清、または他の体液もしくは排泄物、例えば、これらに限定されないが、尿、血液、血清、血漿、唾液、精液、前立腺液、乳頭液、涙液、汗、糞便、チークスワブ、脳脊髄液、細胞溶解液試料、羊水、胃液、生検組織などにおいて、特定のバイオマーカーの存在または非存在とともに、特定のバイオマーカーの濃度における増加または低減を検出する。したがって、試料、例えば、診断試料は、様々な液体または固体試料を含み得る。
【0350】
いくつかの例では、試料は、診断されることになる対象からの体液試料であり得る。一部の例では、固体または半固体試料が提供され得る。試料は、対象から収集された組織および/または細胞を含み得る。試料は、生物学的試料であり得る。生物学的試料の例は、これらに限定されないが、血液、血清、血漿、鼻咽頭スワブ、鼻咽頭洗浄、唾液、尿、胃液、脊髄液、涙、便、粘液、汗、耳垢、脂、腺分泌物、脳脊髄液、組織、精液、膣液、腫瘍組織由来の間質液、眼球内の液体、脊髄液、咽頭スワブ、呼気、髪、爪、皮膚、検査用生体組織、胎盤内の液体、羊水、臍帯血、リンパ液、腔液、喀痰、膿、微生物叢、胎便、母乳、呼気凝縮物、および/または他の排泄物を含み得る。試料は、鼻咽頭洗浄を含み得る。鼻咽頭スワブ、咽頭スワブ、便試料、髪、爪、耳垢、呼気、および他の固体、半固体、またはガス状試料は、これらの分析の前に、例えば、固定または可変の時間の間、抽出バッファーで処理され得る。抽出バッファーまたはそのアリコートは、その後、所望の場合、他の流体試料と同様に処理され得る。対象の組織試料の例は、これらに限定されないが、結合組織、筋組織、神経組織、上皮組織、軟骨、癌性試料、または骨を含み得る。
【0351】
いくつかの例では、診断試料が取得される対象は、健康な個体であるか、または、少なくとも疾患もしくは健康状態を有する疑いのある個体であり得る。いくつかの例では、対象は患者であり得る。
【0352】
ある特定の態様では、CROFデバイスは、対象によって提供された試料中のバイオマーカーに特異的に結合するように構成された捕捉剤を含む。ある特定の態様では、バイオマーカーはタンパク質であり得る。ある特定の態様では、バイオマーカータンパク質は、CROFデバイス内に存在する抗体捕捉剤によって特異的に結合される。ある特定の態様では、バイオマーカーは、CROFデバイス内に存在する抗体捕捉剤によって特異的に結合された抗体である。ある特定の態様では、バイオマーカーは、二本鎖核酸バイオマーカーの一方もしくは両方の鎖に相補的な、または一本鎖バイオマーカーに相補的な核酸捕捉剤によって、特異的に結合された核酸である。ある特定の態様では、バイオマーカーは、核酸結合タンパク質によって特異的に結合された核酸である。ある特定の態様では、バイオマーカーは、アプタマーによって特異的に結合されている。
【0353】
バイオマーカーの存在もしくは不在、またはバイオマーカーの濃度における著しい変化を使用して、個体の疾患リスクと疾患の存在を診断するか、または個体の疾患に合わせた治療をすることができる。例えば、特定のバイオマーカーまたはバイオマーカーのパネルの存在は、個体に与えられる薬物治療または投与計画の選択に影響を及ぼすことがある。可能性のある薬物療法を評価する際、バイオマーカーは、残存するまたは非可逆性の罹患などの自然なエンドポイントの代理として使用され得る。治療が、改善された健康状態と直接的な関係を有するバイオマーカーを変更した場合、バイオマーカーは、特定の治療または投与計画の臨床的利益を評価するための代理のエンドポイントとして機能し得る。したがって、個体で検出された特定のバイオマーカーまたはバイオマーカーのパネルに基づいて個別化された診断および治療が、主題の方法によって促進される。さらに、疾患に関係するバイオマーカーの早期検出が、上述の本発明のデバイス、システム、および方法の高い感度によって促進される。感度、スケーラビリティ、および使い易さを組み合わせた、スマートフォンなどのモバイルデバイスにより複数のバイオマーカーを検出する能力に起因して、本発明で開示される方法は、携帯型のポイントオブケアまたは患者の傍での分子診断において使用を見出す。
【0354】
ある特定の態様では、主題の方法は、疾患または病態に対するバイオマーカーを検出する際に使用を見出す。ある例では、主題の方法は、創薬やワクチン開発のために、細胞信号伝達経路および細胞内伝達の特徴付けのためのバイオマーカーを検出する際に使用を見出す。例えば、主題の方法は、疾患のある、健康なまたは良性の試料中のバイオマーカーの量を検出および/または定量化するのに使用され得る。ある特定の態様では、主題の方法は、感染症または病態に対するバイオマーカーを検出する際に使用を見出す。いくつかの場合では、バイオマーカーは、これらに限定されないが、例えば、タンパク質、核酸、炭水化物、小分子などの分子バイオマーカーであり得る。
【0355】
主題の方法は、例えば、これらに限定されないが、以下の、上記のような検出および/または定量化バイオマーカー、無症候の対象に対して規則的な間隔で試料を検査するスクリーニングアッセイ、バイオマーカーの存在およびまたは量を使用して可能性ある疾患経過を予測する予後的アッセイ、異なる薬物治療に対する対象の反応が予測され得る層化アッセイ、薬物治療の有効性が監視される有効性アッセイなどの診断アッセイにおいて使用を見出す。
【0356】
ある特定の態様では、主題のバイオセンサを使用して、試料中の病原体から標的核酸を検出することによって、病原体感染を診断することができる。標的核酸は、例えば、ヒト免疫不全ウイルス1および2(HIV-1およびHIV-2)、ヒトT細胞白血病ウイルスおよび2(HTLV-1およびHTLV-2)、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、アデノウイルス、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、サイトメガロウイルス(CMV)、単純ヘルペスウイルス1および2(HSV-1およびHSV-2)、ヒトヘルペスウイルス8(HHV-8、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルスとしても知られる)、ならびに黄熱ウイルス、デングウイルス、日本脳炎ウイルス、西ナイルウイルス、およびエボラウイルスを含むフラビウイルスを含む群から選択されたウイルスからのものであり得る。しかしながら、本発明は、核酸、例えば、前述のウイルスからのDNAまたはRNAの配列の検出に限定されるものではなく、獣医学および/またはヒト医学で重要な他の病原体に対し、何ら問題なく適用することができる。
【0357】
ヒトパピローマウイルス(HPV)はさらに、これらのDNA配列ホモロジーに基づいて、70より多い異なる型に細分される。これらの型は異なる疾患を引き起こす。HPV1、2、3、4、7、10、および26~29型は、良性の疣贅を引き起こす。HPV5、8、9、12、14、15、17、および19~25、および46~50型は、弱った免疫系を有する患者に病変を引き起こす。6、11、34、39、41~44、および51~55型は、生殖器部位および呼吸器の粘膜に鋭尖形の疣贅を引き起こす。HPV16および18型は、これらが生殖器粘膜に上皮性異形成を引き起こし、子宮頚部、膣、外陰部、および肛門管の浸潤癌に高割合で関係付けられるので、特別な医学的関心対象である。ヒトパピローマウイルスのDNAの組込みは、子宮頸癌の発癌において決定的であると考えられている。ヒトパピローマウイルスは、例えば、それらのカプシドタンパク質L1およびL2のDNA配列から検出され得る。したがって、本発明の方法は、癌の発達のリスクを判断するための、組織試料中のHVP16および/または18型のDNA配列の検出に特に適している。
【0358】
本発明のデバイス、システム、および方法を使用して、診断試料中で検出され得る他の病原体は、これらに限定されないが、水痘帯状疱疹、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、大腸菌(Escherichia coli)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MSRA(methicillin-resistant Staphylococcus aureus))、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、スタフィロコッカス・キャピティス(Staphylococcus capitis)、スタフィロコッカス・ワーネリ(Staphylococcus warneri)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、スタフィロコッカス・シミュランス(Staphylococcus simulans)、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、およびカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、淋病(淋菌(Neisseria gonorrhoeae))、梅毒(梅毒トレポネーマ(Treponena pallidum))、クラミジア(クラミジア・トラコマチス(Clamyda tracomitis))、非淋菌性尿道炎(ウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasm urealyticum))、軟性下疳(ヘモフィルス・デュクレイ(Haemophilus ducreyi))、トリコモナス症(腟トリコモナス(Trichomonas vaginalis))、緑膿菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MSRA)、肺炎桿菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、パラインフルエンザ菌(Haemophilis parainfluenzae)、大腸菌、エンテロコッカス・フェカリス、セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)、ヘモフィルス・パラヘモリティカス(Haemophilis parahaemolyticus)、エンテロコッカス・クロアカ(Enterococcus cloacae)、カンジダ・アルビカンス、モラクセラ・カタラーリス(Moraxiella catarrhalis)、肺炎球菌、シトロバクター・フロインデイ(Citrobacter freundii)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsella oxytoca)、シュードモナス・フルオレセンス(Pseudomonas fluorscens)、髄膜炎菌(Neiseria meningitidis)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、ニューモシスティス・カリニ(Pneumocystis carinii)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsella pneumoniae)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)、および結核菌(Mycobacterium tuberculosis)等を含む。
【0359】
いくつかの場合において、低濃度で存在するバイオマーカーを検出するために、CROFデバイスを用いることができる。例えば、CROFデバイスは、容易に到達可能な体液(例えば、血液、唾液、尿、涙等)における癌抗原を検出し、容易に到達可能な体液中の組織特有の疾患に対するバイオマーカー(例えば、神経疾患に対するバイオマーカー(例えばアルツハイマー抗原))を検出し、感染症(特に、低力価潜在ウイルス、例えば、HIV)を検出し、母体血中の胎児性抗原を検出し、そして、例えば、対象の血流中の外因性化合物(例えば、薬物や汚染物質)を検出するために使用され得る。
【0360】
バイオマーカーの1つの潜在源(例えば、「CSF」、脳脊髄液)もまた、表に示される。多くの場合、主題のバイオセンサは、示したものとは異なる体液におけるバイオマーカーを検出できる。例えば、CSF中で発見されたバイオマーカーは、尿、血液、または唾液中で識別され得る。主題のCROFデバイスが、疾患または健康状態の診断に役立つ技術分野で既知であるより多くのバイオマーカーを捕捉して検出するように構成され得ることはまた、当業者にとって明らかとなるであろう。
【0361】
バイオマーカーは、特に指定されない限り、タンパク質または核酸(例えば、mRNA)バイオマーカーであり得る。診断は、特に指定されない限り、試料中のバイオマーカーのレベルにおける増大または低減に関係付けられ得る。バイオマーカーのリスト、診断するために使用され得る疾患、およびバイオマーカーが検出され得る試料は、2015年9月29日に出願され、その出願が参照によって本明細書中に組み込まれた米国仮出願第62/234,538の表1および2に記載されている。
【0362】
いくつかの例において、本発明のデバイス、システム、および方法は、試料が由来する対象に、その健康状態について知らせるために使用される。本発明のデバイス、システム、および方法、デバイスおよびシステムによって診断または測定され得る健康状態は、これらに限定されないが、ケミカルバランス、栄養上の健康、運動、疲労、睡眠、ストレス、前糖尿病、アレルギー、老化、環境毒素や農薬や除草剤や合成ホルモンアナログへの曝露、妊娠、閉経、およびアンドロポーズを含む。2015年9月29日に出願され、その出願が参照によって本明細書中に組み込まれた米国仮出願第62/234,538の表3は、(適切なモノクローナル抗体、核酸、または他の捕捉剤と共に使用された場合)本CROFデバイスを使用して検出され得るバイオマーカーと、これらに関係付けられた健康状態のリストを提供している。
【0363】
J)キット
本開示の局面は、上記のように、本発明のデバイス、システム、および方法を実行する際に使用を見出すキットを含む。ある特定の態様では、キットは、手持ち式デバイス、例えば、携帯電話を使用して、主題の方法を実施するための命令を含む。これらの命令は、様々な形態で主題のキットに存在することができ、これらのうちの1つまたは複数が、キットに存在し得る。これらの命令が存在し得る一形態は、適切な媒体または基板、例えば、情報が印刷された1枚または複数枚の紙、キットのパッケージ、添付文書等に印刷された情報としてである。別の手段は、コンピュータ読み取り可能な媒体、例えば、情報が記録または記憶されたディスケット、CD、DVD、Blu-Ray、コンピュータ読み取り可能なメモリ等である。また別の存在し得る手段は、インターネットを介して、離れた場所の情報にアクセスするのに使用され得るウェブサイトアドレスである。キットはさらに、本明細書で記載されるように、コンピュータ読み取り可能な媒体で提供される、デバイス上の分析物を測定する方法を具現化するためのソフトウェアを含み得る。任意の利便性の高い手段が、キットにおいて存在し得る。
【0364】
ある特定の態様では、キットは、関心対象の分析物を標識する際に使用するために、検出可能な標識、例えば、関心対象の分析物に特異的に結合する蛍光性の標識された抗体またはオリゴヌクレオチドを含む検出試薬を含む。検出試薬は、CROFデバイスとは別の容器内に提供されるかまたはCROFデバイス内に提供され得る。ある特定の態様では、キットは、試料中で検出されることになる既知の検出可能な量の分析物を含む対照試料を含む。対照試料は、容器内に提供されて、既知の濃度の溶液で提供されるか、または乾燥形態、例えば、凍結乾燥もしくはフリーズドライで提供され得る。キットはまた、対照試料が乾燥形態で提供される場合、対照試料を溶かすのに使用するためのバッファーを含み得る。
【実施例
【0365】
A)実施例1
OACは、2つのプレートを有するQMAXデバイスである。
【0366】
第1のプレートは、平坦な表面と、0.8mm~1.1mm、0.5mm~1.5mm、または0.3mm~2mmの範囲内の厚さと、28mm~32mm、25mm~35mm、または20mm~50mmの範囲内の長さと、20mm~28mm、15mm~34mm、または10mm~40mmの範囲内の幅とを有する、矩形形状のPMMAプレートである。
【0367】
第2のプレートは、平坦な表面と、平坦な表面上にインプリントされたマイクロピラーアレイのアレイとを有する、矩形形状のPMMA膜である。PMMA膜は、0.8mm~1.1mm、0.5mm~1.5mm、または0.3mm~2mmの範囲内の厚さと、28mm~32mm、25mm~35mm、または20mm~50mmの範囲内の長さと、20mm~28mm、15mm~34mm、または10mm~40mmの範囲内の幅とを有する。いくつかの態様では、第1のプレートと第2のプレートを一緒にして試料を保持させたとき、第2のプレートの少なくとも3つの側が、第1のプレートの領域内にある。ピラーアレイは、長方形または正方形のいずれかの形状、平坦な上部、および30um~40um、25um~45um、20um~50um、10um~60um、または5um~70umの範囲内の柱横方向寸法、10um~30um、5um~40um、1um~50um、または0.1um~100umの範囲内の柱高さ、および80~110um、60~130um、または30~180um、または30~200umの範囲内の隣接する2つの柱中心間距離を有する。
【0368】
B)1つの波長を使用するOACを用いたヘモグロビン測定
本発明の実験において、OACは、QMAXデバイスであり、2つのプレートを有する。第1のプレートは、30mm×24mmのサイズを有する厚さ1mmの平坦なPMMA基板である。第2のプレートは、24 mm×22mmのサイズを有する、マイクロピラーアレイを有する厚さ175umのPMMA膜である。ピラーアレイは、30um×40umの柱サイズ、80umの柱と柱との縁部距離、および10umまたは30umの柱高さを有する。
【0369】
試料は、第1のプレートのある位置に滴下された新鮮な全血(柱高さ10umに対して2.5uL、柱高さ30umに対して5uL)であり、第2のプレートによって押圧される。
【0370】
図5に示される最適な測定において、LED光は、帯域フィルター(532nm~576nm)によってフィルタリングされて、2つの45度ミラーセットを照らす。そして、光は半透明な拡散器を通過し、点源の波面の干渉を取り除いて、強度変化が吸収のみに起因することを確実にする。最後に、光はQMAXデバイスを透過して、レンズおよびカメラによって収集される。
【0371】
ここで使用するLED光とカメラは両方とも、電話機からのものであり得る。
【0372】
カメラによって撮られた写真は、2つの区域があることを示している。一方の区域は柱区域であり、他方は血液区域である。
【0373】
柱区域における光の吸収は無視することができる。また、532nm~576nmの波長範囲内の酸化ヘモグロビン[HbO2]および脱酸素化ヘモグロビン[Hb]の吸光係数は、同様に、
である。
【0374】
したがって、
である。
【0375】
図6に示されるように、Iは、血液区域における平均的な強度であり、Ioは、柱区域の中心における平均的な強度である。平均的な強度を計算するとき、分析誤差を低減させるために、柱境界に近い5um領域を減じる。
【0376】
【0377】
本発明者らは、QMAXデバイス構成および市販のAbbott Emerald血球計算器の両方により、6g/dL~11g/dLの範囲の血中ヘモグロビンを測定して、図7に示すように結果を比較した。各濃度について、標準偏差を計算するために、本発明者らは3つのカードを測定した。
【0378】
結果から、同じ血液に対するQMAXカードによるヘモグロビン測定の繰返し精度(CV)は、約5%であり、ゴールドスタンダードと比較したR2値は、96%である。
【0379】
C)実施例3
図8は、ヘモグロビン測定の例を示しており、ここで、画像は、OAC(例えば、図1に記載された試料ホルダー)における、(溶解していない)全血の薄い層を通した光透過画像であり、光源は、拡散性の光源であり(例えば、光拡散は、点光源の前方に配置される)、そして、画像は、iPhoneによって撮像されている。図8では、120umの垂直方向の周期的な距離と、110umの水平方向の周期的な距離により、導光スペーサがQMAXカード上に周期的に配置されている。
【0380】
図9は、図8からの画像を使用してヘモグロビンを決定するために選択された試料区域および参照区域の例を示している。サンプリング区域および参照の境界が印付けられている。
【0381】
図9において、参照区域(青色で着色された外部境界を有する)は導光スペーサ内にあり、参照区域と導光スペーサとの縁部間の距離Dは、10umであり、サンプリング区域および導光スペーサの縁部間の距離dは、30umであり、サンプリング区域および参照区域の縁部間の距離Tは、40umである。
【0382】
D)画像処理
本発明にしたがうと、ヘモグロビン吸収測定の画像処理アルゴリズムは、以下の工程:
1.導光スペーサ検出
2.参照区域およびサンプリング区域決定
3.個々の区域計算
4.ポーリング
からなる。
【0383】
導光スペーサ検出は、QMAXカード上に周期的に配置された導光スペーサを検出して位置付けることである。これらに限定されないが、テンプレートマッチング、ブロッブ検出、輪郭検出等を含む様々な物体検出アルゴリズムを用いることができる。検出は、色空間(RGB、HSV、HSI、Lab、YCrCb等)中の単一の色チャネル、例えば、RGB色空間中の緑色チャネル、またはHSV空間中の色相チャネル、または2つ以上の色チャネルの組み合わせ、例えば、RGB色空間中の赤色-緑色-青色チャネル等の使用における実施であり得る。
【0384】
周期的な導光スペーサを検出して位置付けた後、参照区域(導光スペーサ内にある)およびサンプリング区域が選択される。参照区域およびサンプリング区域のサイズ、ならびに導光スペーサ、参照区域、およびサンプリング区域の縁部の間の距離が、本発明で開示されている。
【0385】
参照区域およびサンプリング区域について、相対的な位置および距離によってこれらを関係付けることができる。1つ(または複数)の参照区域が、1つ(または複数)のサンプリング区域と関係付けられた場合、ヘモグロビン吸収測定値は、本発明で開示される方法によって計算することができる。一態様は、1つの参照区域とサンプリング区域とを最短距離により関係付けて、各関係についてヘモグロビン吸収測定値を計算することである。
【0386】
プーリングアルゴリズムは、各関係からのヘモグロビン吸収測定値をプール化して単一のヘモグロビン吸収測定値を生成するものである。中間、平均、最大、最小、k-平均法等のような様々なプーリングアルゴリズムが利用され得る。
【0387】
いくつかの態様では、画像処理は、人工知能および/または機械学習を使用する。いくつかの態様では、画像処理は、ディープラーニングを使用する。
【0388】
E)2つの波長の使用
2つの異なる帯域フィルターを使用することと、2枚の写真を撮ることを除いて、上記の実験構成と同様である。
【0389】
写真を撮った後、血液の
を、2つの異なる波長λ1およびλ2、例えば、660nmおよび940nmで、
により、計算することによって、
を得る。
【0390】
εは、ヘモグロビンの吸光係数であり、[Hb]および[HbO2]は、ヘモグロビンの濃度であり、Lは、試料を通した光路の長さまたはQMAXデバイスの間隙サイズである。
【0391】
したがって、
である。
【0392】
本方法はさらに、[HbO2]と[Hb]の間の比率の詳細な情報を提供し得る。
【0393】
F)導光スペーサ、サンプリング区域、および参照区域
いくつかの態様では、サンプリング区域境界は、120um×110umのサイズを有し、サンプリング区域の縁部は、60um×45umのサイズを有し、導光スペーサまたは柱は、40um×30umのサイズを有し、参照区域は、20um×15umのサイズを有する。いくつかの態様では、参照区域の面積は、導光スペーサ面積のサイズの1/2であり、サンプリング区域の縁部と導光スペーサの縁部との間の距離は、導光スペーサ面積の1/2であり、そしてサンプリング区域の面積は、周期的なスペーサ間距離に等しい。
【0394】
1.スペーサが、柱形状およびほぼ均一な断面を有する、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0395】
2.スペーサ間距離(SD)が、約150um(マイクロメートル)以下である、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0396】
3.スペーサ間距離(SD)が、約100um(マイクロメートル)以下である、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0397】
4.可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったスペーサ間距離(ISD)の4乗(ISD4/(hE))が、5×106um3/GPa以下である、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0398】
5.可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったスペーサ間距離(ISD)の4乗(ISD4/(hE))が、5×105um3/GPa以下である、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0399】
6.スペーサが、柱形状、実質的に平坦な上面、予め決定された実質的に均一な高さ、および分析物のサイズよりも少なくとも約2倍大きい予め決定された一定のスペーサ間距離を有し、スペーサのヤング率にスペーサの充填率を乗じたものが、2MPa以上であり、充填率が、スペーサ接触面積と総プレート面積との比率であり、各スペーサについて、スペーサの横方向寸法とその高さとの比率が、少なくとも1である、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0400】
7.スペーサが、柱形状、実質的に平坦な上面、予め決定された実質的に均一な高さ、および分析物のサイズよりも少なくとも約2倍大きい予め決定された一定のスペーサ間距離を有し、スペーサのヤング率にスペーサの充填率を乗じたものが、2MPa以上であり、充填率が、スペーサ接触面積と総プレート面積との比率であり、各スペーサについて、スペーサの横方向寸法とその高さとの比率が、少なくとも1であり、可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったスペーサ間距離(ISD)の4乗(ISD4/(hE))が、5×106um3/GPa以下である、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0401】
8.スペーサの間隔間距離とスペーサの平均幅との比率が2以上であり、スペーサの充填率をスペーサのヤング率で乗じると2MPa以上である、先行するデバイス請求項のいずれかに記載のデバイス。
【0402】
9.分析物が、タンパク質、ペプチド、核酸、合成化合物、および無機化合物の5つの検出における分析物である、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0403】
10.試料が、羊水、房水、硝子体液、血液(例えば、全血、画分血液、血漿、または血清)、母乳、脳脊髄液(CSF)、耳垢(cerumen)(耳垢(earwax))、乳糜、糜汁、内リンパ、外リンパ、糞便、呼気、胃酸、胃液、リンパ、粘液(鼻漏および痰を含む)、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜分泌物、唾液、呼気凝縮物、皮脂、精液、喀痰、汗、滑液、涙、嘔吐物、および尿から選択された生物学的試料である、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0404】
11.スペーサが柱の形状を有し、柱の幅と高さとの比率が1以上である、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0405】
12.プレートの一方または両方に付着した試料の量が未知である、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【0406】
13.スペーサが柱の形状を有し、柱が実質的に均一な断面を有する、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0407】
14.試料が、特定の疾患の病期と相関する化学化合物または生体分子の検出、精製、および定量化のためのものである、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0408】
15.試料が、感染症および寄生虫病、傷害、心血管疾患、癌、精神疾患、神経精神疾患、肺疾患、腎疾患等、ならびに器質性疾患に関連する、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0409】
16.試料が、微生物の検出、精製、および定量化に関連する、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0410】
17.試料が、環境、例えば、水、土壌、または生物学的試料からのウイルス、真菌、および細菌に関連する、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0411】
18.試料が、食品の安全性または国家安全保障を危険にさらす化学化合物または生物学的試料、例えば、毒性廃棄物、炭疽の検出、定量化に関連する、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0412】
19.試料が、医学的または生理学的モニターにおけるバイタルパラメータの定量化に関連する、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0413】
20.試料が、グルコース、血液、酸素レベル、総血球数に関連する、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0414】
21.試料が、生体試料からの特定のDNAまたはRNAの検出および定量化に関連する、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0415】
22.試料が、ゲノム解析のための染色体およびミトコンドリアのDNAの遺伝子配列の配列決定および比較に関連する、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0416】
23.試料が、例えば、医薬品の合成または精製中の反応生成物を検出することに関連する、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0417】
24.試料が、細胞、組織、体液、および便である、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0418】
25.試料が、タンパク質、ペプチド、核酸、合成化合物、無機化合物の検出における試料である、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0419】
26.試料が、ヒト、獣医学、農業、食品、環境、および薬物検査の分野における試料である、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0420】
試料が、血液、血清、血漿、鼻咽頭スワブ、鼻咽頭洗浄、唾液、尿、胃液、脊髄液、涙、便、粘液、汗、耳垢、脂、腺分泌物、脳脊髄液、組織、精液、膣液、腫瘍組織由来の間質液、眼球内の液体、脊髄液、咽頭スワブ、呼気、髪、爪、皮膚、検査用生体組織、胎盤内の液体、羊水、臍帯血、リンパ液、腔液、喀痰、膿、微生物叢、胎便、母乳、呼気凝縮物、鼻咽頭洗浄、鼻咽頭スワブ、咽頭スワブ、便試料、髪、爪、耳垢、呼気、結合組織、筋組織、神経組織から選択された生物学的試料である、先行する請求項のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【0421】
本発明の他の説明および追加の例
本発明はさらに、上記の開示とともに、様々な構成要素が互いに矛盾しない限り複数の方法で組み合わせることができる、以下で与えられる様々な態様の組み合わせを含む。態様は、単一の発明出願とみなされるべきであり、各出願は、個別に独立しているものとしてではなく、参考文献として他の出願を有し、その全体およびすべての目的のために参照される。これらの態様は、現在の出願の開示のみでなく、本明細書で参照されるか、組み込まれるか、または優先権が主張される文書も含む。
【0422】
光透過を使用して試料中の分析物を分析するためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、導光スペーサ(LGS)と、を含み、
第1のプレートおよび第2のプレートが、開放構成と閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに相対的に移動可能であり、
プレートのそれぞれが、分析物を含有するかまたは含有する疑いのある試料に接触するための試料接触領域を有する内表面を含み、
導光スペーサのそれぞれが、柱形状を有し、プレートの一方に固定された底端部および平坦な表面を有する上端部を有し、導光スペーサが、300um(ミクロン)以下の均一な高さを有し、閉鎖構成において、上端部の平坦な表面がプレートと直接接触しており、各導光スペーサの断面が、試料を分析する光の波長よりも大きく、導光スペーサの少なくとも1つが試料内にあり、
開放構成は、2つのプレートが分離され、プレート間の間隔が導光スペーサによって調節されず、試料がプレートの一方または両方に付着された構成であり、
閉鎖構成は、開放構成での試料付着の後に構成される構成であり、試料の少なくとも一部が2つのプレートによって均一な厚さの層に圧縮され、層の均一な厚さがtプレートによって制限され、プレートおよび導光スペーサによって調節される、デバイス。
【0423】
光透過を使用して試料中の分析物を分析するためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、1つまたは複数の導光スペーサ(LGS)と、サンプリング区域と、参照区域と、を含み、
第1のプレートおよび第2のプレートが試料を挟むように構成されており、これは、プレート間の薄い層に入る光による光透過分析のためのものであり、各プレートが、試料に接触する内表面上に試料接触領域を有し、
1つまたは複数の導光スペーサ(LGS)のそれぞれが柱形状を有し、LGS-プレート接触領域を形成するプレートの一方に柱の各端部を直接接触させて2つのプレートの間に挟まれており、第1のプレートからLGSを通して第2のプレートに、試料を通過することなく光が透過できるように構成されており、
LGSを有しないサンプリング区域が、順に、第1のプレート、試料、そして第2のプレートを光が通過できる区域であり、
参照区域が、順に、第1のプレート、導光スペーサ、そして第2のプレートを、試料を通過することなく光が透過する区域であり、
LGS接触領域およびLGSの横方向断面が、光の波長よりも大きく、
導光スペーサが、試料によって囲まれているかまたは近接しており、
サンプリング区域における試料が、300um以下の厚さを有する、デバイス。
LGSは、周期的なアレイである。
LGSは、周期的なアレイであり、周期は、500um以下である。
LGSは、周期的なアレイであり、周期は、250um以下である。
LGSは、周期的なアレイであり、周期は、150um以下である。
高さは、60um以下である。
高さは、40um以下である。
閉鎖構成において、(a)試料接触領域における少なくとも1つのスペーサが、プレートの一方と直接接触しているその上面を有し、少なくとも1つのスペーサと、少なくとも1つのスペーサの上下のプレートの区域とが、波長範囲内の光に対して透明な参照区域を規定し、(b)一方のプレート上の試料接触領域における少なくとも1つの区域と、他方のプレート上の対応する区域とが、導光スペーサによって占有されず、同じ波長範囲内の光に対して透明なサンプリング区域を規定している。
【0424】
光透過を使用して試料中の分析物を分析するためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、導光スペーサと、を含み、
第1のプレートおよび第2のプレートが、分析物を含有するかまたは含有する疑いのある試料を保持するように構成され、少なくとも一部の試料が、2つのプレート間にあり、両方のプレートと接触しており、
導光スペーサが、柱形状と、実質的に予め決定された高さとを有し、
導光スペーサが、光透過測定の間、試料によって囲まれており、
導光スペーサの上面および底面が、実質的に平坦であり、導光スペーサの上面および底面が、プレートと直接接触しており、
各スペーサの上面および底面ならびに平均的な横方向断面の領域が、試料を分析する光の波長よりもそれぞれ大きく、
(a)少なくとも1つのスペーサと、少なくとも1つのスペーサの真上および真下のプレートの区域とが、プレートおよびスペーサを通過する波長範囲内の光に対して透明な参照区域を規定し、(b)一方のプレート上の試料接触領域における少なくとも1つの区域と、他方のプレート上の対応する区域とが、導光スペーサによって占有されず、同じ波長範囲内の光に対して透明なサンプリング区域を規定している、デバイス。
【0425】
試料中の分析物を分析するためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、導光スペーサと、を含み、
第1のプレートおよび第2のプレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに相対的に移動可能であり;
該プレートのそれぞれが、分析物を含有するかまたは含有する疑いのある試料に接触するための試料接触領域を有する内表面を含み;
該導光スペーサが、柱形状と、予め決定された実質的に均一な高さとを有し、該導光スペーサの上面および底面が、実質的に平坦であり、該底面が該プレートの一方の内表面に固定され、各スペーサの上面および底面ならびに平均的な横方向断面の領域が、該試料を分析する光の波長1よりもそれぞれ大きく、該導光スペーサのうちの少なくとも1つが、該試料接触領域内にあり、
該開放構成が、2つのプレートが分離され、該プレート間の間隔が該導光スペーサによって調節されず、該試料が該プレートの一方または両方に付着される構成であり、
該閉鎖構成が、該開放構成での試料付着の後に構成される構成であり、該閉鎖構成では、該試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって高度に均一な厚さの層に圧縮され、該層の均一な厚さが、該プレートの試料接触領域によって制限され、かつ該プレートおよび該導光スペーサによって調節され、
該閉鎖構成において、(a)該試料接触領域における少なくとも1つのスペーサが、該プレートの一方と直接接触しているその上面を有し、該少なくとも1つのスペーサと、該少なくとも1つのスペーサの上下のプレートの区域とが、波長範囲内の光に対して透明な参照区域を規定し、(b)一方のプレート上の試料接触領域における少なくとも1つの区域と、他方のプレート上のその対応する区域とが、該導光スペーサによって占有されず、該波長範囲内の光に対して透明なサンプリング区域を規定している
デバイス。
【0426】
試料中のtを分析するためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、導光スペーサと、を含み、
第1のプレートおよび第2のプレートが、試料を薄い層に挟むように構成されており、
第1のプレートと、第2のプレートと、導光スペーサと、を含み、
第1のプレートおよび第2のプレートが、試料を薄い層に挟むように構成されており;
該導光スペーサが、2つのプレートの間に挟まれた柱形状を有し、該柱の端部とそれぞれのプレートとの間に試料がないように該柱の各端部がプレートの一方に直接接触しており、該導光スペーサが、該試料によって囲まれているかまたは近接しているかのいずれかであり、該直接接触領域および該柱の平均的な横方向断面が、それぞれ少なくとも1um^2(平方ミクロン)以上であり、
該プレートの内表面間の間隔が、200um以下である
デバイス。
【0427】
光透過を用いて試料分析のための装置であって、
先行するデバイス態様のいずれかのデバイスと、光源と、カメラと、アダプタと、を含み、
該光源が、参照区域を通過するように構成された波長範囲内で発光するように構成され、
該カメラが、該参照区域およびサンプリング区域を撮像するように構成され、
該光源からの光が、該参照区域および該サンプリング区域を通過して、該カメラによって撮像されるように、該アダプタが、該デバイスと、該光源と、該カメラとを互いに相対的に位置付けるように構成されている
装置。
【0428】
カメラによって捕捉された画像を処理し、参照区域およびサンプリング区域からの光透過を比較することに基づいて試料中の分析物の特性を決定するように構成された、プロセッサ
をさらに含む、先行する装置態様のいずれかに記載の装置。
【0429】
カメラおよびプロセッサが、単一のモバイルデバイスの部品である、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【0430】
光源およびプロセッサが、単一のモバイルデバイスの部品である、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【0431】
光源、カメラ、およびプロセッサが、単一のモバイルデバイスの部品である、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【0432】
モバイルデバイスがスマートフォンである、先行する装置態様のいずれかに記載の装置。
【0433】
透過光を使用する試料分析のための方法であって、
先行するデバイス態様のいずれかのデバイスを有する工程、
該デバイスの開放構成で、分析物を含有する疑いのある試料を付着させる工程、
該デバイスを閉鎖構成にする工程、
該デバイスの参照区域を通過するように構成された波長を有する光源を有する工程、
該デバイスの参照区域およびサンプリング区域を撮像するように構成されたイメージャを有する工程、
該光源からの光が、該参照区域および該サンプリング区域を通過して、カメラによって撮像されるように、該デバイスと、該光源と、該カメラとを互いに相対的に位置付けるように構成されたアダプタを有する工程、
該サンプリング区域および該参照区域からの光透過を比較することによって分析物の特性を決定する工程
を含む、方法。
【0434】
分析物がヘモグロビンである、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0435】
分析物が細胞型である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
全ての分析物を追加。
異なる用途を追加。
光透過間の主要な距離を追加。
【0436】
試料層の厚さが、プレートおよび導光スペーサによって調節され、該導光スペーサの均一な高さと実質的に同じである、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0437】
分析物が赤血球である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0438】
分析物が白血球である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0439】
参照区域およびサンプリング区域が同じサイズを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0440】
参照区域が、導光スペーサの断面の対応する領域内にある、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0441】
参照区域が、0.1um^2未満、0.2um^2未満、0.5um^2未満、1um^2未満、2um^2未満、5um^2未満、10um^2未満、20um^2未満、50um^2未満、100um^2未満、200um^2未満、500um^2未満、1000um^2未満、2000um^2未満、5000um^2未満、10000um^2未満、20000um^2未満、50000um^2未満、100000um^2未満、200000um^2未満、500000um^2未満、1mm^2未満、2mm^2未満、5mm^2未満、10mm^2未満、20mm^2未満、もしくは50mm^2未満、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0442】
デバイスが、実質的に均一な高さを有する複数の導光スペーサをさらに含み、該導光スペーサのうちの少なくとも1つが試料接触領域内にある、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0443】
デバイスが、実質的に均一な高さを有する複数の導光スペーサをさらに含み、隣接する2つの導光スペーサの間の距離が既知であり、該導光スペーサのうちの少なくとも1つが試料接触領域内にある、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0444】
デバイスが、実質的に均一な高さを有する複数の導光スペーサをさらに含み、隣接する2つの導光スペーサの間の距離が既知でありかつ実質的に一定であり(すなわち、該導光スペーサが実質的に周期的なアレイである)、該導光スペーサのうちの少なくとも1つが試料接触領域内にある、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0445】
導光スペーサをプレートの内表面で成形することによって、該導光スペーサの底面が、該プレートの一方の内表面に固定される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0446】
導光スペーサの底面が、プレートの一方の内表面に固定され、該内表面と同じ材料から作られている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0447】
導光スペーサの底面が、プレートの一方の内表面に固定され、該内表面と同じ材料から作られており、該導光スペーサの底面が該プレートの内表面との接合部分を有しない、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0448】
光の波長が300nmよりも長く、該光の波長がまた、20μm未満、15μm未満、10μm未満、5μm未満、4μm未満、3μm未満、2μm未満、1μm未満、800nm未満、750nm未満、700nm未満、650nm未満、600nm未満、550nm未満、500nm未満、450nm未満、400nm未満、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0449】
光の波長が500nmよりも長く、該光の波長がまた、600nm未満、590nm未満、580nm未満、570nm未満、560nm未満、550nm未満、540nm未満、530nm未満、520nm未満、510nm未満、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0450】
各導光スペーサの平均的な横方向断面が、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、5000um^2、10,000um^2、30,000um^2、100,000um^2、200,000um^2、500,000um^2、1mm^2、2mm^2、5mm^2、10mm^2、50mm^2未満、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0451】
各導光スペーサの平均的な横方向断面が、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、5000um^2、10,000um^2、30,000um^2、100,000um^2、200,000um^2未満、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0452】
各導光スペーサの平均的な横方向断面が、1um^2(ミクロン平方)、10um^2、20um^2、30um^2、50um^2、100um^2、150um^2、200um^2、300um^2、500um^2、1000um^2、2000um^2、5000um^2、10,000um^2、30,000um^2未満、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0453】
試料接触領域が、100um^2(ミクロン平方)よりも大きい、200um^2よりも大きい、400um^2よりも大きい、600um^2よりも大きい、800um^2よりも大きい、1,000um^2よりも大きい、2,000um^2よりも大きい、4,000um^2よりも大きい、6,000um^2よりも大きい、8,000um^2よりも大きい、10,000um^2よりも大きい、20,000um^2よりも大きい、40,000um^2よりも大きい、60,000um^2よりも大きい、80,000um^2よりも大きい、100,000um^2よりも大きい、200,000um^2よりも大きい、250,000um^2よりも大きい、500,000um^2(ミクロン平方)よりも大きい、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0454】
予め決定された一定のスペーサ間距離が、分析物のサイズよりも少なくとも約2倍大きい、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0455】
予め決定された一定のスペーサ間距離が、少なくとも2倍、少なくとも6倍、少なくとも8倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも40倍、少なくとも60倍、少なくとも80倍、または少なくとも100倍の倍率だけ分析物のサイズよりも大きい、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0456】
分析物が、バイオマーカー、環境マーカー、または食品マーカーである、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0457】
分析物が、疾患または状態の存在または重症度を示すバイオマーカーである、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0458】
分析物が、細胞、タンパク質、または核酸である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0459】
分析物がヘモグロビンである、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0460】
分析物が、タンパク質、ペプチド、核酸、合成化合物、無機化合物、有機化合物、細菌、ウイルス、細胞、組織、ナノ粒子、およびその他の分子、化合物、混合物、ならびにそれらの物質を含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0461】
試料が、体液、便、羊水、房水、硝子体液、血液、全血、画分血液、血漿、血清、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳糜、糜汁、内リンパ、外リンパ、糞便、胃酸、胃液、リンパ、粘液、鼻漏、痰、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜分泌物、唾液、皮脂、精液、喀痰、汗、滑液、涙、嘔吐物、尿、または呼気凝縮物の、元の、希釈された、または処理された形態である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0462】
試料が、元の、希釈された、または処理された形態の血液である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0463】
試料が全血を含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0464】
試料が、干渉要素の凝集を誘発する凝集剤を含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0465】
試料ホルダーが、試料を保持するように構成されたウェルを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0466】
試料ホルダーが、第1のプレート、第2のプレート、およびスペーサを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0467】
試料ホルダーが、第1のプレート、第2のプレート、およびスペーサを含み、プレートが互いに押圧され、薄い層に試料を圧縮するとき、スペーサが、プレート間の間隙を調節するように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0468】
試料ホルダーが、第1のプレート、第2のプレート、およびスペーサを含み、
プレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに相対的に移動可能であり、
開放構成において、2つのプレートが分離され、プレート間の間隔がスペーサによって調節されず、試料がプレートの一方または両方に付着され、
開放構成での試料付着の後に構成される閉鎖構成において、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって高度に均一な厚さの層に圧縮され、プレートに対して実質的に停滞し、層の均一な厚さが、プレートおよびスペーサによって調節される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0469】
試料ホルダーが、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサとを有するQカード
を含み、プレートが互いに押圧され、薄い層に試料を圧縮するとき、スペーサが、プレート間の間隙を調節するように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0470】
試料ホルダーが、第1のプレート、第2のプレート、およびスペーサを含み、
スペーサが、均一な高さおよび一定のスペーサ間距離を有し、
ii.試料が、試料ホルダーによって、スペーサの高さにより調節された均一な厚さを有する薄い層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0471】
試料が、プレートのうち一方または両方に固定されたスペーサの均一な高さと実質的に等しい均一な厚さの層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0472】
試料が、15%、10%、5%、2%、1%未満、または任意のこれら2つの値の間の範囲内の変動を有する均一な厚さの層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載の装置、キット、または方法。
【0473】
試料が、圧縮されたとき、500nm以下、1000nm以下、2μm(ミクロン)以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、50μm以下、100μm以下、150μm以下、200μm以下、300μm以下、500μm以下、800μm以下、1mm(ミリメートル)以下、2mm以下、3mm以下、5mm以下、10mm以下、またはこれらの値のうち任意の2つの間の範囲内の厚さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0474】
試料ホルダーが、第1のプレートおよび第2のプレートを含み、プレートのそれぞれが、500nm以下、1000nm以下、2μm(ミクロン)以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、50μm以下、100μm以下、150μm以下、200μm以下、300μm以下、500μm以下、800μm以下、1mm(ミリメートル)以下、2mm以下、3mm以下、5mm以下、10mm以下、またはこれらの値のうち任意の2つの間の範囲内の厚さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0475】
試料の少なくとも一部が、500um以下、400um以下、300um以下、200um以下、175um以下、150um以下、125um以下、100um以下、75um以下、50um以下、40um以下、30um以下、20um以下、10um以下、5um以下、4um以下、3um以下、2um以下、1.8um以下、1.5um以下、1um以下、0.5um以下、0.2um以下、0.1um以下、50nm以下、20nm以下、10nm以下、または任意のこれら2つの値の間の範囲内の平均的な厚さを有する薄い層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0476】
試料の少なくとも一部が、薄い層に圧縮され、500um以下、400um以下、300um以下、200um以下、175um以下、150um以下、125um以下、100um以下、75um以下、50um以下、40um以下、30um以下、20um以下、10um以下、5um以下、4um以下、3um以下、2um以下、1.8um以下、1.5um以下、1um以下、0.5um以下、0.2um以下、0.1um以下、50nm以下、20nm以下、10nm以下、または任意のこれら2つの値の間の範囲内の平均的な厚さを有する試料の特定の部分について、干渉リッチ領域のみが存在する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0477】
試料の少なくとも一部が、薄い層に圧縮され、500um以下、400um以下、300um以下、200um以下、175um以下、150um以下、125um以下、100um以下、75um以下、50um以下、40um以下、30um以下、20um以下、10um以下、5um以下、4um以下、3um以下、2um以下、1.8um以下、1.5um以下、1um以下、0.5um以下、0.2um以下、0.1um以下、50nm以下、20nm以下、10nm以下、または任意のこれら2つの値の間の範囲内の平均的な厚さを有する試料の特定の部分について、干渉プア領域のみが存在する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0478】
試料の少なくとも一部が、0.5~2um、0.5~3um、0.5~5um、0.5~10um、0.5~20um、0.5~30um、または0.5~50umの範囲内の平均的な厚さを有する薄い層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0479】
試料の少なくとも一部が、500um以下の平均的な厚さを有する薄い層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0480】
試料の少なくとも一部が、200um以下の平均的な厚さを有する薄い層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0481】
試料の少なくとも一部が、100um以下の平均的な厚さを有する薄い層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0482】
試料の少なくとも一部が、50um以下の平均的な厚さを有する薄い層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0483】
試料の少なくとも一部が、25um以下の平均的な厚さを有する薄い層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0484】
試料の少なくとも一部が、10um以下の平均的な厚さを有する薄い層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0485】
試料の少なくとも一部が、5um以下の平均的な厚さを有する薄い層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0486】
試料の少なくとも一部が、3um以下の平均的な厚さを有する薄い層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0487】
試料の少なくとも一部が、2um以下の平均的な厚さを有する薄い層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0488】
試料の少なくとも一部が、1um以下の平均的な厚さを有する薄い層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0489】
試料の少なくとも一部が、500nm以下の平均的な厚さを有する薄い層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0490】
試料の少なくとも一部が、100nm以下の平均的な厚さを有する薄い層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0491】
試料の少なくとも一部が、0.5~2um、0.5~3um、または0.5~5umの範囲内の平均的な厚さを有する薄い層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0492】
均一な厚さの層の平均的な厚さが、2um~2.2umの範囲内であり、試料が血液である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0493】
均一な厚さの層の平均的な厚さが、2.2um~2.6umの範囲内であり、試料が血液である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0494】
均一な厚さの層の平均的な厚さが、1.8um~2umの範囲内であり、試料が血液である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0495】
均一な厚さの層の平均的な厚さが、2.6um~3.8umの範囲内であり、試料が血液である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0496】
均一な厚さの層の平均的な厚さが、1.8um~3.8umの範囲内であり、試料が、別の液体による希釈のない全血である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0497】
均一な厚さの層の平均的な厚さが、試料中の分析物の最小寸法とほとんど等しい、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0498】
最終試料厚さのデバイスが、300秒以下で試料を分析するように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0499】
最終試料厚さのデバイスが、180秒以下で試料を分析するように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0500】
最終試料厚さのデバイスが、60秒以下で試料を分析するように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0501】
最終試料厚さのデバイスが、30秒以下で試料を分析するように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0502】
イメージャが、カメラを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0503】
イメージャが、検出器の一部である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0504】
イメージャが、検出器の全体である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0505】
イメージャが、ソフトウェアによって指示されて、1つまたは複数の試料画像を捕捉し、干渉要素領域および干渉要素のない領域を識別し、そして干渉要素領域を干渉要素のない領域からデジタル方式で分離する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0506】
イメージャが、試料からの信号をフィルタリングするように構成されたフィルターを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0507】
イメージャが、試料を照らすように構成された光源を含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0508】
装置または方法が、タンパク質、ペプチド、核酸、合成化合物、無機化合物、有機化合物、細菌、ウイルス、細胞、組織、ナノ粒子、およびその他の分子、化合物、混合物、ならびにそれらの物質の検出のために使用される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0509】
装置または方法が、ヒトの疾患および状態の診断、管理、および/または予防のために使用される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0510】
装置または方法が、獣医学の疾患および状態の診断、管理、および/もしくは予防のために、または、植物の疾患および状態の診断、管理、および/もしくは予防のために使用される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0511】
装置または方法が、環境検査および汚染除去のために使用される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0512】
装置または方法が、農業または獣医学用途で使用される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0513】
装置または方法が、食品検査のために使用される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0514】
装置または方法が、薬物検査および予防のために使用される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0515】
装置または方法が、血液中の分析物を検出および/または測定するために使用される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0516】
装置または方法が、着色アッセイのために使用される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0517】
装置または方法が、蛍光アッセイのために使用される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0518】
プレートが、互いに相対的に移動可能である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0519】
スペーサが、プレートの一方または両方に固定されて、均一な高さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0520】
第1のプレートおよび第2のプレートが、スペーサの高さと実質的に等しい均一な厚さの層に、試料を圧縮するように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0521】
スペーサが、1mm以下、500um以下、400um以下、300um以下、200um以下、175um以下、150um以下、125um以下、100um以下、75um以下、50um以下、40um以下、30um以下、20um以下、10um以下、5um以下、4um以下、3um以下、2um以下、1.8um以下、1.5um以下、1um以下、0.5um以下、0.2um以下、0.1um以下、50nm以下、20nm以下、10nm以下、または任意のこれら2つの値の間の範囲内の均一な高さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0522】
スペーサが、0.5~2um、0.5~3um、0.5~5um、0.5~10um、0.5~20um、0.5~30um、または0.5~50umの範囲内の均一な高さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0523】
プレートのうち少なくとも1つが、100mm以下、50mm以下、25mm以下、10mm以下、5mm以下、1mm以下、500um以下、400um以下、300um以下、200um以下、175um以下、150um以下、125um以下、100um以下、75um以下、50um以下、40um以下、30um以下、20um以下、10um以下、5um以下、4um以下、3um以下、2um以下、1.8um以下、1.5um以下、1um以下、0.5um以下、0.2um以下、もしくは0.1um以下、または任意のこれら2つの値の間の範囲内の厚さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0524】
プレートのうち少なくとも1つが、0.5~1.5mmの範囲内、約1mm、0.15~0.2mmの範囲内、または約0.175mmの厚さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0525】
プレートのうち少なくとも1つが、1mm2以下、10mm2以下、25mm2以下、50mm2以下、75mm2以下、1cm2(平方センチメートル)以下、2cm2以下、3cm2以下、4cm2以下、5cm2以下、10cm2以下、100cm2以下、500cm2以下、1000cm2以下、5000cm2以下、10,000cm2以下、10,000cm2以下、またはこれらの値のうち任意のこれら2つの間の範囲内の横方向面積を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0526】
プレートのうち少なくとも1つが、500~1000mm2の範囲内、または約750mm2の横方向面積を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0527】
スペーサのヤング率にスペーサの充填率を乗じたものが、10MPa以上であり、充填率が、均一な厚さの層と接触しているスペーサ面積と、均一な厚さの層と接触している総プレート面積との比率である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0528】
可撓性プレートの厚さに可撓性プレートのヤング率を乗じたものが、60~750GPa-μmの範囲内である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0529】
可撓性プレートについて、スペーサ間距離(ISD)の4乗を可撓性プレートの厚さ(h)および可撓性プレートのヤング率(E)で割ったISD4/(hE)が、106um3/GPa以下である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0530】
一方または両方のプレートが、プレートの表面上または内側のいずれかに、プレートの位置の情報を提供する位置マーカーを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0531】
一方または両方のプレートが、プレートの表面上または内側のいずれかに、試料および/またはプレートの構造の横方向寸法の情報を提供するスケールマーカーを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0532】
一方または両方のプレートが、プレートの表面上または内側のいずれかに、試料の撮像を補助する撮像マーカーを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0533】
スペーサ間距離が、7um~120umの範囲内である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0534】
スペーサ間距離が、120um~200umの範囲内である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0535】
スペーサが、丸形、多角形、円形、正方形、長方形、楕円形、長円形、またはこれらの任意の組み合わせから選択された断面形状を有する柱である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0536】
スペーサが柱形状を有し、実質的に平坦な上面を有し、各スペーサについて、スペーサの横方向寸法とその高さとの比率が少なくとも1である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0537】
各スペーサが、
少なくとも1である、スペーサの横方向寸法とその高さとの比率
を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0538】
スペーサの最小横方向寸法が、試料中の分析物の最小寸法未満であるまたはそれと実質的に等しい、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0539】
スペーサの最小横方向寸法が、0.5um~100umの範囲内である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0540】
スペーサの最小横方向寸法が、0.5um~10umの範囲内である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0541】
スペーサが柱形状を有し、スペーサの側壁角部が、少なくとも1μmの曲率半径を有する丸みを帯びた形状を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0542】
スペーサが、少なくとも100/mm2の密度を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0543】
スペーサが、少なくとも1000/mm2の密度を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0544】
プレートのうちの少なくとも1つが透明である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0545】
プレートのうちの少なくとも1つが、可撓性ポリマーで作られている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0546】
プレートを圧縮する圧力について、スペーサは圧縮可能でなく、および/または、独立して、プレートの一方のみが可撓性である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0547】
可撓性のプレートが、10um~200umの範囲内の厚さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0548】
試料厚さの変動が30%未満である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0549】
試料厚さの変動が10%未満である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0550】
試料厚さの変動が5%未満である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0551】
第1および第2のプレートが接続されて、プレートを折り畳むことによって開放構成から閉鎖構成へと変更されるように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0552】
第1および第2のプレートが、ヒンジによって接続されて、ヒンジに沿ってプレートを折り畳むことによって開放構成から閉鎖構成へと変更されるように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0553】
第1および第2のプレートが、プレートに対して別の材料であるヒンジによって接続されて、ヒンジに沿ってプレートを折り畳むことによって開放構成から閉鎖構成へと変更されるように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0554】
第1および第2のプレートが、単体成形の材料で作られており、プレートを折り畳むことによって開放構成から閉鎖構成へと変更されるように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0555】
均一な厚さの試料の層が、少なくとも1mm2である横方向領域にわたって均一である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0556】
スペーサが、プレートを直接エンボス加工するか、またはプレートを射出成形することによってプレートに固定される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0557】
プレートおよびスペーサの材料が、ポリスチレン、PMMA、PC、COC、COP、または別のプラスチックから選択される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0558】
第1のプレートが、その内表面上に散乱表面をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0559】
第1のプレートが、実質的に透明である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0560】
第1のプレートが、1%~80%の範囲内の反射率を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0561】
第1のプレートが、1%、2%、4%、8%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、もしくは80%よりも大きい範囲内の、または任意のこれら2つの値の間の範囲内の反射率を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0562】
第1のプレートが、PMMAから作られている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0563】
第2のプレートが、1%~100%の範囲内の反射率を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0564】
第2のプレートが、1%、2%、4%、8%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、もしくは95%よりも大きい範囲内の、または任意のこれら2つの値の間の範囲内の反射率を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0565】
第1のプレートの内表面および外表面の少なくとも一部が、実質的に平坦である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0566】
散乱表面が、試料を照らすための照明光のスペクトル全体にわたる90%よりも大きい反射率を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0567】
散乱表面が、50%、60%、70%、80%、90%よりも大きい、または任意のこれら2つの値の間の範囲内の反射率を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0568】
散乱表面が金属膜でコーティングされている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0569】
散乱表面が、金属膜でコーティングされ、金属膜が、10nm~100nmの範囲内の厚さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0570】
散乱表面が、金属膜でコーティングされ、金属膜の厚さが、10nm、15nm、20nm、25nm、30nm、40nm、50nm、60nm、80nm、もしくは100nm未満、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0571】
散乱表面が、金属膜でコーティングされ、金属膜が、1つまたは複数のアルミニウム膜、銀膜、および金膜を含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0572】
散乱表面が、10%~30%の範囲内の伝導性を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0573】
散乱表面が、10%、15%、20%、25%、もしくは30%未満、または任意のこれら2つの値の間の範囲内の伝導性を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0574】
第1および第2のプレートのうち一方のプレートならびに他方のプレートの散乱表面が、光トラッピングを強化する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0575】
散乱表面が、少なくとも1つの波長範囲内のランバート反射率によって支配される反射率を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0576】
散乱表面が、少なくとも1つの波長範囲内の0.8より大きいランバート反射率を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0577】
散乱表面が、化学エッチングによって形成された表面である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0578】
散乱表面が、ナノインプリントリソグラフィによって形成された表面である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0579】
散乱表面が、第1のプレートの試料接触領域の実質的に全体を覆う、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0580】
散乱表面が、第1のプレートの試料接触領域の画分を覆う、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0581】
第1のプレートの一部が、実質的に透明で、第2のプレートの試料接触領域の実質的に全体を覆う、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0582】
第1のプレートの一部が、実質的に透明で、第2のプレートの試料接触領域の画分を覆う、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0583】
散乱表面が、凸凹があって起伏のある粗い表面を含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0584】
散乱表面が、周期的なテクスチャを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0585】
散乱表面が、非周期的なテクスチャを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0586】
散乱表面が、2μm~5μmの間の範囲内の平均的な粗さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0587】
散乱表面が、2.0μm、2.5μm、3.0μm、3.5μm、4.0μm、4.5μm、もしくは5.0μm未満、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である平均的な粗さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0588】
導光スペーサが、第1のプレートの内表面に固定され、予め決定された均一な高さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0589】
アダプタが、
イメージャを位置付けるための出口開口部を有するアダプタハウジングと、
受動照明器と
を含み、
受動照明器が、アダプタ上にあり、出口開口部の外側周辺あたりに位置付けられる、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0590】
アダプタハウジングが、アダプタハウジング内に入るアダプタハウジング外部の周辺光を低減させるように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0591】
アダプタが、導光器の端部に入る光に導光器を通って移動させて受動照明器の対応する端部に到達させるために、光チャンバの入口開口部と整列された端部をそれぞれ有する1つまたは2つの導光器を含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0592】
1つまたは複数の導光器および受動照明器が、光ファイバによって共同して形成される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0593】
受動照明器が、
装置がスマートフォンと係合されたとき、スマートフォンのカメラのレンズの光軸を囲むように構成された輪状の形態
である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0594】
装置が、
装置がスマートフォンと係合されたとき、スマートフォンのカメラのレンズの光軸と整列された光軸を有する補助レンズ
をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0595】
装置が、
少なくとも2mm、3mm、4mm、5mm、10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、40mm、もしくは50mm、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である直径を有する補助レンズ
をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0596】
装置が、
装置がスマートフォンと係合されたとき、スマートフォンの光源の前方に配置されるように構成された集光器
をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0597】
拡散器が、体積拡散材料を含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0598】
拡散器が、少なくとも1つのテクスチャ表面を含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0599】
拡散器が、厚さにおいて実質的に均一な拡散プレートを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0600】
拡散器が、拡散プレートの平均的な厚さよりも大きい厚さを有する領域を含む拡散プレートを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0601】
受動照明器から放出された光を拡散器に向けて反射するように構成された反射器をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0602】
受動照明器が、側方照明ファイバによって形成される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0603】
受動照明器が、回転対称である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0604】
受動照明器が、円形の形態である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0605】
受動照明器が、5mm~100mmの間の範囲内の直径を有する円形の形態である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0606】
受動照明器が、少なくとも5mm、10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、40mm、50mm、60mm、80mm、もしくは100mm、もしくは任意のこれら2つの値の間の範囲内である直径を有する円形の形態である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0607】
受動照明器が、凸多角形の形態である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0608】
受動照明器が、星型多角形の形態である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0609】
レンズの光軸が、受動照明器の中心を通過する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0610】
受動照明器が、回転非対称である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0611】
受動照明器が、長円形の形態である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0612】
受動照明器が、実質的に均一な断面を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0613】
受動照明器の50%を超える長さの位置におけるすべての断面が、実質的に形状が同一である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0614】
実質的にすべての断面の形状が、円形の形態である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0615】
実質的にすべての断面の形状が、1.0mm~3.0mmの間の範囲内の直径を有する円形の形態である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0616】
実質的にすべての断面の形状が、少なくとも0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3mm、4mm、5mm、6mm、8mm、もしくは10mm、または任意のこれら2つの値の間の範囲内である直径を有する円形の形態である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0617】
実質的にすべての断面の形状が、長円形の形態である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0618】
受動照明器の側壁の少なくとも一区分が、拡散性の表面によって形成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、装置、または方法。
【0619】
試料が、体液、便、羊水、房水、硝子体液、血液、全血、画分血液、血漿、血清、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳糜、糜汁、内リンパ、外リンパ、糞便、胃酸、胃液、リンパ、粘液、鼻漏、痰、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜分泌物、唾液、皮脂、精液、喀痰、汗、滑液、涙、嘔吐物、尿、または呼気凝縮物の、元の、希釈された、または処理された形態である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0620】
試料が、元の、希釈された、または処理された形態の血液である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0621】
試料が全血を含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0622】
試料が、生物学的試料、化学的試料、環境試料、または食品試料である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0623】
分析物が、バイオマーカー、環境マーカー、または食品マーカーである、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0624】
分析物が、疾患または状態の存在または重症度を示すバイオマーカーである、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0625】
分析物が、細胞、タンパク質、または核酸である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0626】
分析物が、タンパク質、ペプチド、核酸、合成化合物、無機化合物、有機化合物、細菌、ウイルス、細胞、組織、ナノ粒子、およびその他の分子、化合物、混合物、ならびにそれらの物質を含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0627】
試料ホルダーが、試料を保持するように構成されたウェルを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0628】
試料ホルダーが、第1のプレート、第2のプレート、およびスペーサを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0629】
試料ホルダーが、第1のプレート、第2のプレート、およびスペーサを含み、
プレートが互いに押圧され、薄い層に試料を圧縮するとき、スペーサが、プレート間の間隙を調節するように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0630】
試料ホルダーが、第1のプレート、第2のプレート、およびスペーサを含み、
プレートが、開放構成と閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに相対的に移動可能であり、
開放構成において、2つのプレートが分離され、プレート間の間隔がスペーサによって調節されず、試料がプレートの一方または両方に付着され、
開放構成での試料付着の後に構成される閉鎖構成において、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって高度に均一な厚さの層に圧縮され、プレートに対して実質的に停滞し、層の均一な厚さがプレートおよびスペーサによって調節される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0631】
試料ホルダーが、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサとを含むQカード
を含み、プレートが互いに押圧され、薄い層に試料を圧縮するとき、スペーサが、プレート間の間隙を調節するように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0632】
試料ホルダーが、第1のプレート、第2のプレート、およびスペーサを含み、
スペーサが、均一な高さおよび一定のスペーサ間距離を有し、
試料が、試料ホルダーによって、スペーサの高さにより調節される均一な厚さを有する薄い層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0633】
試料が、プレートの一方または両方に固定されるスペーサの均一な高さと実質的に等しい均一な厚さの層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0634】
試料が、15%、10%、5%、2%、1%未満、または任意のこれら2つの値の間の範囲内の変動を有する均一な厚さの層に圧縮される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0635】
閉鎖構成において、試料が、500nm以下、1000nm以下、2μm(ミクロン)以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、50μm以下、100μm以下、150μm以下、200μm以下、300μm以下、500μm以下、800μm以下、1mm(ミリメートル)以下、2mm以下、3mm以下、5mm以下、10mm以下、またはこれらの値のうち任意の2つの間の範囲内の厚さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0636】
閉鎖構成において、試料が、0.5~20μmの範囲内の厚さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0637】
閉鎖構成において、第1のプレートと第2のプレートとの間の間隙が、500nm以下、1000nm以下、2μm(ミクロン)以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、50μm以下、100μm以下、150μm以下、200μm以下、300μm以下、500μm以下、800μm以下、1mm(ミリメートル)以下、2mm以下、3mm以下、5mm以下、10mm以下、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲内である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0638】
試料ホルダーが、第1のプレートおよび第2のプレートを含み、プレートのそれぞれが、500nm以下、1000nm以下、2μm(ミクロン)以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、50μm以下、100μm以下、150μm以下、200μm以下、300μm以下、500μm以下、800μm以下、1mm(ミリメートル)以下、2mm以下、3mm以下、5mm以下、10mm以下、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲内の厚さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0639】
イメージャがカメラを含む、先行する請求項のいずれかに記載の装置、キット、または方法。
【0640】
イメージャが、検出器の一部である、先行する請求項のいずれかに記載の装置、キット、または方法。
【0641】
イメージャが、検出器の全体である、先行する請求項のいずれかに記載の装置、キット、または方法。
【0642】
イメージャが、ソフトウェアによって指示されて、1つまたは複数の試料画像を捕捉し、干渉要素領域および干渉要素のない領域を識別して、干渉要素領域を干渉要素のない領域からデジタル方式で分離する、先行する請求項のいずれかに記載の装置、キット、または方法。
【0643】
イメージャが、試料からの信号をフィルタリングするように構成されたフィルターを含む、先行する請求項のいずれかに記載の装置、キット、または方法。
【0644】
イメージャが、試料を照らすように構成された光源を含む、先行する請求項のいずれかに記載の装置、キット、または方法。
【0645】
検出器がモバイルデバイスである、先行する請求項のいずれかに記載の装置、キット、または方法。
【0646】
検出器がスマートフォンである、先行する請求項のいずれかに記載の装置、キット、または方法。
【0647】
検出器がスマートフォンであり、イメージャがスマートフォンの一部としてのカメラである、先行する請求項のいずれかに記載の装置、キット、または方法。
【0648】
検出器が、分析物の存在および/または量を示すように構成されたディスプレイを含む、先行する請求項のいずれかに記載の装置、キット、または方法。
【0649】
検出器が、第三者に検出結果を送信するように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載の装置、キット、または方法。
【0650】
ソフトウェアが、検出器の一部であるストレージユニットに格納される、先行する請求項のいずれかに記載の装置、キット、または方法。
【0651】
ソフトウェアが、分析物の存在および/または量を表示するように検出器に指示するように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載の装置、キット、または方法。
【0652】
ソフトウェアが、干渉要素のない領域からの分析物の組み合わせた信号を計算するようにイメージャに指示するように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載の装置、キット、または方法。
【0653】
ソフトウェアが、干渉要素領域からの分析物の信号を無視するようにイメージャに指示するように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載の装置、キット、または方法。
【0654】
ソフトウェアが、干渉要素領域からの信号と干渉要素のない領域からの信号との信号コントラストを増大させるように、イメージャに指示するように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載の装置、キット、または方法。
【0655】
ソフトウェアが、干渉要素領域からの信号と干渉要素のない領域の信号との比率を計算するように、検出器に指示するように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載の装置、キット、または方法。
【0656】
モバイル装置がスマートフォンである、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0657】
モバイル装置が、
実行されたとき、1つまたは複数の試料画像を捕捉するように装置に指示する命令のセット
を含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0658】
モバイル装置が、試料を照らすように構成された光源を含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0659】
モバイル装置が、分析物の存在および/または量を示すように構成されたディスプレイを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0660】
モバイル装置が、
実行されたとき、分析物の存在および/または量を表示するように検出器に指示する命令のセット
を含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0661】
モバイル装置が、第三者に検出結果を送信するように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0662】
アダプタが、試料からの信号をフィルタリングするように構成されたフィルターを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0663】
アダプタが、デバイスを中に挿入できるカードスロットを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0664】
アダプタが、カードスロット中へのデバイスの挿入を促進するスライダを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0665】
アダプタが、モバイル装置に取り外し可能に接続するように構成されたホルダーフレームを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0666】
アダプタが、試料からの信号を強化するように構成された1つまたは複数の光学構成要素を含む光学ボックスを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0667】
装置または方法が、タンパク質、ペプチド、核酸、合成化合物、無機化合物、有機化合物、細菌、ウイルス、細胞、組織、ナノ粒子、およびその他の分子、化合物、混合物、ならびにそれらの物質の検出のために使用される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0668】
装置または方法が、ヒトの疾患および状態の、診断、管理、および/または予防のために使用される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0669】
装置または方法が、獣医学の疾患および状態の診断、管理、および/もしくは予防のために、または、植物の疾患および状態の診断、管理、および/もしくは予防のために使用される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0670】
装置または方法が、環境検査および汚染除去のために使用される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0671】
装置または方法が、農業または獣医学用途で使用される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0672】
装置または方法が、食品検査のために使用される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0673】
装置または方法が、薬物検査および予防のために使用される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0674】
装置または方法が、血液中の分析物を検出および/または測定するために使用される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0675】
装置または方法が、着色アッセイのために使用される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0676】
装置または方法が、蛍光アッセイのために使用される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0677】
分析物に関連する信号が、電気信号または光信号である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0678】
分析物に関連する信号が、干渉要素リッチ領域および干渉要素プア領域の画像をイメージャが捕捉できるようにする光信号である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0679】
分析物に関連する信号が、着色反応からのものである、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0680】
分析物に関連する信号が、照明源により試料を照らすことによって生成される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0681】
プレートが、互いに相対的に移動可能である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0682】
スペーサが、プレートの一方または両方に固定されて、均一な高さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0683】
第1のプレートおよび第2のプレートが、スペーサの高さと実質的に等しい均一な厚さの層に試料を圧縮するように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0684】
スペーサが、1mm以下、500um以下、400um以下、300um以下、200um以下、175um以下、150um以下、125um以下、100um以下、75um以下、50um以下、40um以下、30um以下、20um以下、10um以下、5um以下、4um以下、3um以下、2um以下、1.8um以下、1.5um以下、1um以下、0.5um以下、0.2um以下、0.1um以下、50nm以下、20nm以下、10nm以下、または任意のこれら2つの値の間の範囲内の均一な厚さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0685】
スペーサが、0.5~2um、0.5~3um、0.5~5um、0.5~10um、0.5~20um、0.5~30um、または0.5~50umの範囲内の均一な高さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0686】
プレートの少なくとも1つが、100mm以下、50mm以下、25mm以下、10mm以下、5mm以下、1mm以下、500um以下、400um以下、300um以下、200um以下、175um以下、150um以下、125um以下、100um以下、75um以下、50um以下、40um以下、30um以下、20um以下、10um以下、5um以下、4um以下、3um以下、2um以下、1.8um以下、1.5um以下、1um以下、0.5um以下、0.2um以下、もしくは0.1um以下、または任意のこれら2つの値の間の範囲内の厚さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0687】
プレートの少なくとも1つが、0.5~1.5mmの範囲内、約1mm、0.15~0.2mmの範囲内、または約0.175mmの厚さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0688】
プレートの少なくとも1つが、1mm2以下、10mm2以下、25mm2以下、50mm2以下、75mm2以下、1cm2(平方センチメートル)以下、2cm2以下、3cm2以下、4cm2以下、5cm2以下、10cm2以下、100cm2以下、500cm2以下、1000cm2以下、5000cm2以下、10,000cm2以下、10,000cm2以下、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲内の横方向面積を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0689】
プレートの少なくとも1つが、500~1000mm2の範囲内または約750mm2の横方向面積を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0690】
スペーサのヤング率にスペーサの充填率を乗じたものが、10MPa以上であり、充填率が、均一な厚さの層と接触しているスペーサ面積と、均一な厚さの層と接触している総プレート面積との比率である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0691】
可撓性プレートの厚さに可撓性プレートのヤング率を乗じたものが、60~750GPa-μmの範囲内である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0692】
可撓性プレートについて、スペーサ間距離(ISD)の4乗を可撓性プレートの厚さ(h)および可撓性プレートのヤング率(E)で割ったISD4/(hE)が、106um3/GPa以下である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0693】
一方または両方のプレートが、プレートの表面上または内側のいずれかに、プレートの位置の情報を提供する位置マーカーを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0694】
一方または両方のプレートが、プレートの表面上または内側のいずれかに、試料および/またはプレートの構造の横方向寸法の情報を提供するスケールマーカーを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0695】
一方または両方のプレートが、プレートの表面上または内側のいずれかに、試料の撮像を補助する撮像マーカーを含む、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0696】
スペーサ間距離が、7um~50umの範囲内である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0697】
スペーサ間距離が、50um~120umの範囲内である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0698】
スペーサ間距離が、120um~200umの範囲内である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0699】
スペーサが、丸形、多角形、円形、正方形、長方形、楕円形、長円形、またはこれらの任意の組み合わせから選択された断面形状を有する柱である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0700】
スペーサが柱形状を有し、実質的に平坦な上面を有し、各スペーサについて、スペーサの横方向寸法とその高さとの比率が少なくとも1である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0701】
各スペーサが、
少なくとも1である、スペーサの横方向寸法とその高さとの比率
を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0702】
スペーサの最小横方向寸法が、試料中の分析物の最小寸法未満であるまたはそれと実質的に等しい、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0703】
スペーサの最小横方向寸法が、0.5um~100umの範囲内である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0704】
スペーサの最小横方向寸法が、0.5um~10umの範囲内である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0705】
スペーサが柱形状を有し、スペーサの側壁角部が、少なくとも1μmの曲率半径を有する丸みを帯びた形状を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0706】
スペーサが、少なくとも100/mm2の密度を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0707】
スペーサが、少なくとも1000/mm2の密度を有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0708】
プレートのうちの少なくとも1つが透明である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0709】
プレートのうちの少なくとも1つが、可撓性ポリマーで作られている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0710】
プレートを圧縮する圧力について、スペーサは圧縮可能でなく、および/または、独立して、プレートの一方のみが可撓性である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0711】
可撓性のプレートが、10um~200umの範囲内の厚さを有する、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0712】
試料厚さの変動が、30%未満である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0713】
試料厚さの変動が、10%未満である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0714】
試料厚さの変動が、5%未満である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0715】
第1および第2のプレートが接続されて、プレートを折り畳むことによって開放構成から閉鎖構成へと変更されるように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0716】
第1および第2のプレートが、ヒンジによって接続されて、ヒンジに沿ってプレートを折り畳むことによって開放構成から閉鎖構成へと変更されるように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0717】
第1および第2のプレートが、プレートに対して別個の材料であるヒンジによって接続されて、ヒンジに沿ってプレートを折り畳むことによって開放構成から閉鎖構成へと変更されるように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0718】
第1および第2のプレートが、単体成形の材料で作られており、プレートを折り畳むことによって開放構成から閉鎖構成へと変更されるように構成されている、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0719】
均一な厚さの試料の層が、少なくとも1mm2である横方向領域にわたって均一である、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0720】
スペーサが、プレートを直接エンボス加工するか、またはプレートを射出成形することによってプレートに固定される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0721】
プレートおよびスペーサの材料が、ポリスチレン、PMMA、PC、COC、COP、または別のプラスチックから選択される、先行する請求項のいずれかに記載のデバイス、方法、またはシステム。
【0722】
(1)定義
本明細書で開示されるデバイス/装置、システム、および方法の説明に使用される用語は、現在の出願、またはそれぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、ならびに2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号(これらの出願のすべてはすべての目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる)において定義されている。
【0723】
(2)試料
本明細書に開示されるデバイス/装置、システム、および方法は、様々な種類の試料の操作および検出に適用することができる。試料は、本明細書に開示され、それぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、ならびに2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号(これらの出願のすべてはすべての目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる)において列挙、説明、および/または要約されている。
【0724】
本明細書で開示されるデバイス、装置、システム、および方法は、これらに限定されないが、診断試料、臨床試料、環境試料、および食品試料などの試料に使用することができる。試料の種類には、これらに限定されないが、それぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願され、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれるPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号に列挙、説明、および/または要約されている試料を含む。
【0725】
例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるデバイス、装置、システム、および方法は、細胞、組織、体液、および/またはそれらの混合物を含む試料に使用される。いくつかの実施形態では、試料はヒトの体液を含む。いくつかの実施形態では、試料は、細胞、組織、体液、便、羊水、房水、硝子体液、血液、全血、画分血液、血漿、血清、母乳、脳脊髄液、耳垢(cerumen)、乳糜、糜汁、内リンパ、外リンパ、糞便、息、胃酸、胃液、リンパ、粘液、鼻漏、痰、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜分泌物、唾液、皮脂、精液、喀痰、汗、滑液、涙、嘔吐物、尿、および呼気凝縮物のうちの少なくとも1つを含む。
【0726】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイス、装置、システム、および方法は、以下に限定されないが、河川、湖、池、海、氷河、氷山、雨、雪、下水、貯水池、水道水、または飲料水などの任意の好適な供給源から得られる環境試料;土壌、堆肥、砂、岩、コンクリート、木材、レンガ、下水などからの固体試料;および空気、水中熱排気口、産業排気、車両排気などの気体試料に使用される。ある特定の実施形態では、環境試料は、供給源からの新鮮なものであり、ある特定の実施形態では、環境試料は処理される。例えば、液体ではない試料は、主題のデバイス、装置、システム、および方法が適用される前に液体に変換される。
【0727】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイス、装置、システム、および方法は、動物の消費、例えば、人間の消費に好適であるか、または好適となる可能性を有する食品試料に使用される。いくつかの実施形態では、食品試料は、生の材料、調理済みまたは処理済みの食品、植物および動物源の食糧、前処理済みの食品、ならびに部分的または完全に処理済みの食品などを含む。ある特定の実施形態では、液体ではない試料は、主題のデバイス、装置、システム、および方法が適用される前に液体に変換される。
【0728】
主題のデバイス、装置、システム、および方法を使用して、任意の体積の試料を分析することができる。体積の例は、これらに限定されないが、約10mL以下、5mL以下、3mL以下、1マイクロリットル(μL、本明細書では「uL」)以下、500μL以下、300μL以下、250μL以下、200μL以下、170μL以下、150μL以下、125μL以下、100μL以下、75μL以下、50μL以下、25μL以下、20μL以下、15μL以下、10μL以下、5μL以下、3μL以下、1μL以下、0.5μL以下、0.1μL以下、0.05μL以下、0.001μL以下、0.0005μL以下、0.0001μL以下、10pL以下、1pL以下、または任意のこれら2つの値の間の範囲を含む。
【0729】
いくつかの実施形態では、試料の体積は、これらに限定されないが、約100μL以下、75μL以下、50μL以下、25μL以下、20μL以下、15μL以下、10μL以下、5μL以下、3μL以下、1μL以下、0.5μL以下、0.1μL以下、0.05μL以下、0.001μL以下、0.0005μL以下、0.0001μL以下、10pL以下、1pL以下、または任意のこれら2つの値の間の範囲を含む。いくつかの実施形態では、試料の体積は、これらに限定されないが、約10μL以下、5μL以下、3μL以下、1μL以下、0.5μL以下、0.1μL以下、0.05μL以下、0.001μL以下、0.0005μL以下、0.0001μL以下、10pL以下、1pL以下、または任意のこれら2つの値の間の範囲を含む。
【0730】
いくつかの実施形態において、試料の量は、ほぼ一滴の液体である。ある特定の実施形態では、試料の量は、刺された指または指先から収集された量である。ある特定の実施形態では、試料の量は、マイクロニードル、マイクロピペットまたは静脈吸引から収集された量である。
【0731】
ある特定の実施形態では、試料ホルダーは、流体試料を保持するように構成されている。ある特定の実施形態では、試料ホルダーは、流体試料の少なくとも一部を薄い層へと圧縮するように構成されている。ある特定の実施形態では、試料ホルダーは、試料を加熱および/または冷却するように構成されている構造を含む。ある特定の実施形態では、加熱源は、試料ホルダー内のある特定の構造によって吸収されて試料の温度を変化させることができる電磁波を提供する。ある特定の実施形態では、信号センサは、試料からの信号を検出および/または測定するように構成されている。ある特定の実施形態では、信号センサは、試料中の分析物を検出および/または測定するように構成されている。ある特定の実施形態では、ヒートシンクは、試料ホルダーおよび/または加熱源から熱を吸収するように構成されている。ある特定の実施形態では、ヒートシンクは、試料ホルダーを少なくとも部分的に囲むチャンバーを含む。
【0732】
(3)Qカード、スペーサ、および均一な試料厚さ
本明細書で開示されるデバイス/装置、システム、および方法は、試料の検出、分析、および定量化のために、Qカード、スペーサ、および均一な試料厚さの実施形態を含むか、または使用することができる。いくつかの実施形態では、Qカードは、試料の少なくとも一部を非常に均一性の層にするのに役立つスペーサを備える。スペーサの構造、材料、機能、変形、および寸法、ならびにスペーサおよび試料層の均一性は、本明細書に開示され、それぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、ならびに2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号(これらの出願のすべてはすべての目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる)において列挙、説明、および/または要約されている。
【0733】
QMAXカードを使用する場合、試料の付着のために2つのプレートを最初に開く必要がある。しかしながら、いくつかの実施形態では、パッケージのQMAXカードは、2枚のプレートが互いに接触しており(例えば、近接位置)、一方または両方のプレートが非常に薄いため、それらを分離することは困難である。QMAXカードの開口部を容易にするために、第1のプレートまたは両方のプレートの端部または角に開口ノッチが作成され、プレートの近接位置で、第2のプレートの一部が開口ノッチの上に配置され、したがって、第1のプレートのノッチにおいて、第2のプレートは、第1のプレートをブロックすることなく持ち上げて開くことができる。
【0734】
QMAXアッセイプラットフォームにおいて、QMAXカードは、2つのプレートを使用して試料の形状を操作して薄い層にする(例えば、圧縮することにより)。ある特定の実施形態では、プレートの操作は、ヒトの手または他の外力によって2つのプレートの相対位置(プレート構成と呼ばれる)を数回変更する必要がある。手による操作を簡単かつ迅速にするように、QMAXカードを設計する必要がある。
【0735】
QMAXアッセイでは、プレート構成の1つは開放構成であり、開放構成では、2つのプレートが完全または部分的に離され(プレート間の間隔はスペーサによって制御されない)、試料が付着し得る。別の構成は閉鎖構成であり、開放構成において付着した試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、層の均一な厚さが、プレートの内表面によって限定され、プレートおよびスペーサによって調節される。いくつかの実施形態では、2つのプレートの間の平均間隔は300μmを超える。
【0736】
QMAXアッセイ操作では、オペレーターは、最初に2つのプレートを開放構成で試料付着ができるようにし、次いでプレートの一方または両方に試料を付着させて、最後にプレートを閉鎖位置に閉じる必要がある。ある特定の実施形態では、QMAXカードの2つのプレートは、最初は互いの上部にあり、試料付着のために離されて開放構成にする必要がある。プレートの1つが薄いプラスチック膜(厚さ175μmのPMA)である場合、このような分離は手で行うのが困難であり得る。本発明は、QMAXカードアッセイなどのある特定のアッセイの操作を容易かつ迅速にするデバイスおよび方法を提供することを意図している。
【0737】
いくつかの実施形態では、QMAXデバイスは、2つ以上のプレートを一緒に接続するヒンジを備え、そのため、プレートは本と同様に開閉できる。いくつかの実施形態では、ヒンジの材料は、ヒンジがプレート間の角度を調節後に自己維持する(self-maintain)ことができるようする。いくつかの実施形態では、ヒンジは、2つのプレートを偶発的に分離させることなく、QMAXカード全体をカードスロットにスライドインおよびスライドアウトすることができるように、QMAXカードを閉鎖構成に維持するように構成されている。いくつかの実施形態では、QMAXデバイスは、3つ以上のプレートの回転を制御することができる1つ以上のヒンジを含む。
【0738】
いくつかの実施形態では、ヒンジは、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、スズ、白金、ニッケル、コバルト、合金、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される金属材料で作られている。いくつかの実施形態では、ヒンジは、プラスチックなどであるがこれに限定されないポリマー材料から作られる単一層を含む。ポリマー材料は、アクリレートポリマー、ビニルポリマー、オレフィンポリマー、セルロースポリマー、非セルロースポリマー、ポリエステルポリマー、ナイロン、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMB)、ポリカーボネート(PC)、環状オレフィンポリマー(COP)、液晶ポリマー(LCP)、ポリアミド(PB)、ポリエチレン(PE)、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、ポリ(フェニレンエーテル)(PPE)、ポリスチレン(PS)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリ(エチレンフタレート)(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFB)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ゴム、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ポリマー材料は、ポリスチレン、PMMB、PC、COC、COP、他のプラスチック、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0739】
本質的に、「スペーサ」または「ストッパ」という用語は、特に明記しない限り、2つのプレート間に置いたときに、2つのプレートを一緒に圧縮したときに到達され得る2つのプレート間の最小間隔の制限を設定する機械物体を指す。すなわち、圧縮において、スペーサは2つのプレートの相対移動を停止させ、プレート間隔が事前設定(すなわち所定)値よりも小さくなるのを防ぐ。
【0740】
いくつかの実施形態では、ヒトの手を使用してプレートを閉鎖構成へと押圧することができ、いくつかの実施形態では、ヒトの手を使用して、試料を薄い層へと押圧することができる。手押圧が用いられる様式は、2016年8月10日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および2016年9月14日に出願された第PCT/US0216/051775号、ならびに2016年12月9日に出願された米国仮出願第62/431,639号、2017年2月8日に出願された第62/456,287号、2017年2月7日に出願された第62/456,065号、2017年2月8日に出願された第62/456,504号、および2017年2月16日に出願された第62/460,062号に記載および/または要約されており、これらは全てそれらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0741】
いくつかの実施形態では、ヒトの手を使用して、QMAXデバイスのプレートを操作または扱うことができる。ある特定の実施形態では、ヒトの手を使用して不正確な力を加えて、プレート開放構成から閉鎖構成へと圧縮することができる。ある特定の実施形態では、ヒトの手を使用して不正確な力を加えて、試料の厚さの高いレベルの均一性(例えば、5%、10%、15%、または20%未満の変動)を達成することができる。
【0742】
(4)ヒンジ、開口ノッチ、陥凹端部、およびスライダ
本明細書で開示されるデバイス/装置、システム、および方法は、試料の検出、分析、および定量化のために、Qカードを含むか、または使用することができる。いくつかの実施形態では、Qカードは、Qカードの操作および試料の測定を容易にするのに役立つヒンジ、ノッチ、陥凹、およびスライダを備える。ヒンジ、ノッチ、陥凹、およびスライダの構造、材料、機能、変形、および寸法は、本明細書に開示され、それぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2016年12月9日に出願された米国仮出願第62/431639号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号および第62/456504号、ならびに2017年8月1日に出願された米国仮出願第62/539660号に列挙、説明、および/または要約されており、これらの出願の全ては、全ての目的のためにそれらの全体において本明細書に組み込まれる。
【0743】
いくつかの実施形態では、QMAXデバイスは、これに限定するものではないが、プレートのエッジにおけるノッチまたはプレートに取り付けられたストリップなどのオープニング用機構を備え、これにより、限定するものではないが手によってプレートを離すなど、ユーザがプレートの位置調整をより簡単に操作することができるようになる。
【0744】
いくつかの実施形態では、QMAXデバイスは、プレートの一方または両方に溝を備える。ある特定の実施形態では、溝は、プレート上の試料の流れを制限する。
【0745】
(5)Qカードおよびアダプタ
本明細書で開示されるデバイス/装置、システム、および方法は、試料の検出、分析、および定量化のために、Qカードを含むか、または使用することができる。いくつかの実施形態では、Qカードは、Qカードを収容し、モバイルデバイスに接続するように構成されているアダプタと共に使用され、Qカード内の試料を、モバイルデバイスによって撮像、分析、および/または測定できるようにする。Qカード、アダプタ、およびモバイルの構造、材料、機能、変形、および寸法は、本明細書に開示され、それぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号および第62/456590号、2017年2月8日に出願された米国仮出願62/456504号、2017年2月15日に出願された米国仮出願第62/459,544号、ならびに2017年2月16日に出願された米国仮出願第62/460075号および第62/459920号に列挙、説明、および/または要約されており、これらの出願の全ては、全ての目的のためにそれらの全体において本明細書に組み込まれる。
【0746】
いくつかの実施形態では、アダプタは、デバイスが閉鎖構成にあるときにQMAXデバイスを収容するように構成されているレセプタクルスロットを備える。ある特定の実施形態では、QMAXデバイスは、その中に付着した試料を有し、アダプタがモバイルデバイス(例えば、スマートフォン)に接続されて、試料がモバイルデバイスによって読み取られ得る。ある特定の実施形態では、モバイルデバイスは、試料からの信号を検出および/または分析することができる。ある特定の実施形態では、モバイルデバイスは、試料がQMAXデバイス内にあり、ある特定の実施形態ではモバイルデバイスの一部であるカメラの視野(FOV)に位置するときに、試料の画像をキャプチャすることができる。
【0747】
いくつかの実施形態では、アダプタは、試料からの信号の生成を強化、拡大、および/または最適化するように構成されている光学部品を備える。いくつかの実施形態では、光学部品は、試料に提供される照明を強化、拡大、および/または最適化するように構成されている部品を含む。ある特定の実施形態では、照明は、モバイルデバイスの一部である光源によって提供される。いくつかの実施形態では、光学部品は、試料からの信号を強化、拡大、および/または最適化するように構成されている部品を含む。
【0748】
(6)スマートフォン検出システム
本明細書で開示されるデバイス/装置、システム、および方法は、試料の検出、分析、および定量化のために、Qカードを含むか、または使用することができる。いくつかの実施形態では、Qカードは、Qカードをスマートフォン検出システムと接続することができるアダプタと共に使用される。いくつかの実施形態では、スマートフォンは、カメラおよび/または照明源を備える。スマートフォン検出システム、ならびに関連ハードウェアおよびソフトウェアは、本明細書に開示され、それぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号および第62/456590号、2017年2月8日に出願された米国仮出願62/456504号、2017年2月15日に出願された米国仮出願第62/459,544号、ならびに2017年2月16日に出願された米国仮出願第62/460075号および第62/459920号に列挙、説明、および/または要約されており、これらの出願の全ては、全ての目的のためにそれらの全体において本明細書に組み込まれる。
【0749】
いくつかの実施形態では、スマートフォンはカメラを備え、これは、試料がカメラの視野内に配置されたとき(例えば、アダプタによって)に画像または試料をキャプチャするために使用され得る。ある特定の実施形態では、カメラは、1セットのレンズ(例えば、iPhone(商標)6にあるような)を備える。ある特定の実施形態では、カメラは、少なくとも2セットのレンズ(例えば、iPhone(商標)7にあるような)を備える。いくつかの実施形態では、スマートフォンはカメラを備えるが、カメラは画像キャプチャに使用されない。
【0750】
いくつかの実施形態では、スマートフォンは、これに限定されないが、LED(発光ダイオード)などの光源を備える。ある特定の実施形態では、光源は、試料がカメラの視野内に配置されたとき(例えば、アダプタによって)に試料に照明を提供するために使用される。いくつかの実施形態では、光源からの光は、アダプタの光学部品によって強化、拡大、変更、および/または最適化される。
【0751】
いくつかの実施形態では、スマートフォンは、試料からの情報を処理するように構成されたプロセッサを備える。スマートフォンは、プロセッサによって実行されると、試料からの信号(例えば、画像)を強化、拡大、および/または最適化することができるソフトウェアの命令を含む。プロセッサは、中央処理デバイス(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け命令セットプロセッサ(ASIP)、グラフィックス処理デバイス(GPU)、物理処理デバイス(PPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、コントローラ、マイクロコントローラユニット、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、マイクロプロセッサなど、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つ以上のハードウェア部品を含み得る。
【0752】
いくつかの実施形態では、スマートフォンは、試料に関連するデータおよび/または画像を別のデバイスに送信するように構成および/または使用される通信ユニットを備える。単なる例として、通信ユニットは、ケーブルネットワーク、有線ネットワーク、光ファイバーネットワーク、電気通信ネットワーク、イントラネット、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆電話交換網(PSTN)、Bluetoothネットワーク、ZigBeeネットワーク、近距離無線通信(NFC)ネットワークなど、またはそれらの任意の組み合わせを使用することができる。
【0753】
いくつかの実施形態では、スマートフォンは、iPhone(商標)、Android(商標)電話、またはWindows(商標)電話である。
【0754】
(7)検出方法
本明細書に開示されるデバイス/装置、システム、および方法は、様々な種類の検出方法を含むか、または使用することができる。検出方法は、本明細書に開示され、それぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、第62/456528号、第62/456631号、第62/456522号、第62/456598号、第62/456603号、および第62/456628号、2017年2月9日に出願された米国仮出願62/459276号、第62/456904号、第62/457075号、および第62/457009号、ならびに2017年2月15日に出願された米国仮出願第62/459303号、第62/459337号、および第62/459598号、ならびに2017年2月16日に出願された米国仮出願第62/460083号、第62/460076号に列挙、説明、および/または要約されており、これらの出願の全ては、全ての目的のためにそれらの全体において本明細書に組み込まれる。
【0755】
(8)標識、捕捉剤、および検出剤
本明細書に開示されるデバイス/装置、システム、および方法は、分析物検出に使用される様々な種類の標識、捕捉剤、および検出剤を使用することができる。標識は、本明細書に開示され、それぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、ならびに2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号(これらの出願のすべてはすべての目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる)において列挙、説明、および/または要約されている。
【0756】
いくつかの実施形態では、標識は、これに限定されないが蛍光標識など、光学的に検出可能である。いくつかの実施形態では、標識には、これらに限定されないが、IRDye800CW、Alexa 790、Dylight 800、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、カルボキシフルオレセインのスクシンイミジルエステル、フルオレセインのスクシンイミジルエステル、フルオレセインジクロロトリアジンの5-異性体、ケージドカルボキシフルオレセイン-アラニン-カルボキシアミド、オレゴングリーン488、オレゴングリーン514;ルシファーイエロー、アクリジンオレンジ、ローダミン、テトラメチルローダミン、テキサスレッド、ヨウ化プロピジウム、JC-1(5,5’,6,6’-テトラクロロ-1,1’,3,3’-テトラエチルベンズイミダゾイルカルボシアニンヨウ化物)、テトラブロモローダミン123、ローダミン6G、TMRM(テトラメチルローダミンメチルエステル)、TMRE(テトラメチルローダミンエチルエステル)、テトラメチルロサミン、ローダミンBおよび4-ジメチルアミノテトラメチルロサミン、緑色蛍光タンパク質、青色にシフトした緑色蛍光タンパク質、シアンにシフトした緑色蛍光タンパク質、赤色にシフトした緑色蛍光タンパク質、黄色にシフトした緑色蛍光タンパク質、4-アセトアミド-4’-イソチオシアナトスチルベン-2,2’ジスルホン酸;アクリジンおよびアクリジン、アクリジンイソチオシアネートなどの誘導体;5-(2’-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS);4-アミノ-N-[3-ビニルスルホニル)フェニル]ナフタ-アルイミド-3,5ジスルホネート;N-(4-アニリノ-1-ナフチル)マレイミド;アントラニルアミド;4,4-ジフルオロ-5-(2-チエニル)-4-ボラ-3a,4aジアザ-5-インダセン-3-プロピオン酸BODIPY;カスケードブルー;ブリリアントイエロー;クマリンおよび誘導体:クマリン、7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC、クマリン120)、7-アミノ-4-トリフルオロメチルクマリン(クマリン151);シアニン色素;シアノシン;4’,6-ジアミニジノ-2-フェニルインドール(DAPI);5’,5’ ’-ジブロモピロガロール-スルホナフタレイン(ブロモピロガロールレッド);7-ジエチルアミノ-3-(4’-イソチオシアナトフェニル)-4-メチルクマリン;ジエチレントリアアミンペンタアセテート;4,4’-ジイソチオシアナトジヒドロ-スチルベン-2-,2’-ジスルホン酸;4,4’-ジイソチオシアナトスチルベン-2,2’-ジスルホン酸;5-(ジメチルアミノ]ナフタレン-1-スルホニルクロリド(DNS、塩化ダンシル);4-ジメチルアミノフェニルアゾフェニル-4’-イソチオシアネート(DABITC);エオシンおよび誘導体:エオシン、エオシンイソチオシアネート、エリスロシンおよび誘導体:エリスロシンB、エリスロシン、イソチオシアネート;エチジウム;フルオレセインおよび誘導体:5-カルボキシフルオレセイン(FAM)、5-(4,6-ジクロロトリアジン-2-イル)アミノ--フルオレセイン(DTAF)、2’,7’ジメトキシ-4’5’-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、QFITC、(XRITC);フルオレスカミン;IR144;IR1446;マラカイトグリーンイソチオシアネート;4-メチルウンベリ-フェノオルトクレソルフタレイン;ニトロチロシン;パラロサニリン;フェノールレッド;B-フィコエリスリン;o-フタルジアルデヒド;ピレンおよび誘導体:ピレン、ピレン酢酸塩、スクシンイミジル1-ピレン;酪酸塩量子ドット;リアクティブレッド4(Cibacron(商標)ブリリアントレッド3B-A)ローダミンおよび誘導体:6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、6-カルボキシローダミン(R6G)、リサミンローダミンBスルホニルクロリドローダミン(ロード)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101の塩化スルホニル誘導体(テキサスレッド);N,N,N’,N’-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA);テトラメチルローダミン;テトラメチルホダミンイソチオシアネート(TRITC);リボフラビン;5-(2’-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS)、4-(4’-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL)、ロゾール酸;CALフルオールオレンジ560;テルビウムキレート誘導体;Cy3;Cy5;Cy5.5;Cy7;IRD700;IRD800;ラホーヤブルー;フタロシアニン;ならびにナフタロシアニン、クマリンおよび関連色素、ロドールなどのキサンテン色素、レゾルフィン、ビマン、アクリジン、イソインドール、ダンシル色素、ルミノールなどのアミノフタル酸ヒドラジド、およびイソルミノール誘導体、アミノフタルイミド、アミノナフタルイミド、アミノベンゾフラン、アミノキノリン、ジシアノヒドロキノン、蛍光ユーロピウム、およびテルビウム錯体;それらの組み合わせなどが挙げられる。好適な蛍光タンパク質および発色性タンパク質には、これらに限定されないが、緑色蛍光タンパク質(GFP)、これには、以下限定されないが、Aequoria victoriaまたはその誘導体、例えば、Enhanced GFPなどの「ヒト化」誘導体に由来するGFP;Renilla reniformis、Renilla mulleri、またはPtilosarcus guernyiなどの別の種からのGFP;「ヒト化」組換えGFP(hrGFP);花虫綱の種の様々な蛍光タンパク質および着色タンパク質のうちのいずれか;それらの組み合わせなどが挙げられる。
【0757】
任意の実施形態では、QMAXデバイスは、米国仮出願第62/234,538号および/またはPCT出願第PCT/US2016/054025号の表B1、B2、B3、および/またはB7から選択されるバイオマーカーにそれぞれ結合する複数の捕捉剤および/または検出剤を含むことができ、読み取りステップd)は、試料中の複数のバイオマーカーの量の尺度を得ることを含み、試料中の複数のバイオマーカーの量は、疾患または状態の診断に役立つ。
【0758】
任意の実施形態では、捕捉剤および/または検出剤は抗体エピトープであり得、バイオマーカーは抗体エピトープに結合する抗体であり得る。いくつかの実施形態では、抗体エピトープは、米国仮出願第62/234,538号および/またはPCT出願第PCT/US2016/054025号の表B4、B5、またはB6から選択される生体分子またはその断片を含む。いくつかの実施形態では、抗体エピトープは、表B5から選択されるアレルゲンまたはその断片を含む。いくつかの実施形態では、抗体エピトープは、米国仮出願第62/234,538号および/またはPCT出願第PCT/US2016/054025号の表B6から選択される感染因子由来生体分子またはその断片を含む。
【0759】
任意の実施形態では、QMAXデバイスは、米国仮出願第62/234,538号および/またはPCT出願第PCT/US2016/054025号の表B4、B5、および/またはB6から選択される複数の抗体エピトープを含むことができ、読み取りステップd)は、試料中の複数のエピトープ結合抗体の量の尺度を得ることを含み、試料中の複数のエピトープ結合抗体の量は、疾患または状態の診断に役立つ。
【0760】
(9)分析物
本明細書に開示されるデバイス/装置、システム、および方法は、様々な種類の分析物(バイオマーカーを含む)の操作および検出に適用することができる。分析物は、本明細書に開示され、それぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、ならびに2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号(これらの出願のすべてはすべての目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる)において列挙、説明、および/または要約されている。
【0761】
本明細書に開示されるデバイス、装置、システム、および方法は、様々な分析物の検出、精製、および/または定量化に使用することができる。いくつかの実施形態では、分析物は様々な疾患に関連するバイオマーカーである。いくつかの実施形態では、分析物および/またはバイオマーカーは、疾患の存在、重症度、および/または病期を示す。本発明のデバイス、装置、システム、および/または方法で検出および/または測定できる分析物、バイオマーカー、および/または疾患は、2016年8月10日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号、および2016年9月27日に出願されたPCT出願第PCT/US2016/054025号、および2015年9月29日に出願された米国仮出願第62/234,538号および2015年9月28日に出願された第62/233,885号、2016年2月9日に出願された第62/293,188号、および2016年3月に出願された第62/305,123号に列挙、説明、および/または要約されており、これらは全てそれらの全体において参照により本書に組み込まれる。例えば、本明細書に開示されるデバイス、装置、システム、および方法は、(a)ある特定の疾患、例えば、感染症および寄生虫病、傷害、心血管疾患、癌、精神疾患、神経精神疾患、ならびに器質性疾患、例えば、肺疾患、腎疾患の病期と相関する化学化合物または生体分子の検出、精製、および定量化、(b)微生物、例えば、環境、例えば、水、土壌、または生体試料、例えば、組織、体液からのウイルス、真菌、および細菌の検出、精製、および定量化、(c)食品の安全性または国家安全保障を危険にさらす化学化合物または生体試料、例えば、毒性廃棄物、炭疽の、検出、定量化、(d)医学的または生理学的モニターにおけるバイタルパラメータ、例えば、グルコース、血中酸素レベル、総血球数の定量化、(e)生体試料、例えば、細胞、ウイルス、体液からの特定のDNAまたはRNAの検出および定量化、(f)ゲノム解析のための染色体およびミトコンドリアのDNAの遺伝子配列の配列決定および比較、または(g)例えば、医薬品の合成または精製中の反応生成物の検出において使用され得る。
【0762】
いくつかの実施形態では、分析物は、バイオマーカー、環境マーカー、または食品マーカーであり得る。いくつかの場合では、試料は液体試料であり、診断試料(唾液、血清、血液、喀痰、尿、汗、涙、精液、または粘液など);川、海、湖、雨、雪、下水、下水処理流出、農業排水、産業排水、水道水、もしくは飲料水から得られる環境試料;または水道水、飲料水、調理済み食品、処理済みの食品、もしくは生の食品から得られる食品試料であり得る。
【0763】
任意の実施形態では、試料は対象から得られる診断試料であり得、分析物はバイオマーカーであり得、測定される試料中の分析物の量は疾患または状態の診断に役立ち得る。
【0764】
任意の実施形態では、本発明のデバイス、装置、システム、および方法は、試料中のバイオマーカーの測定量を含む情報に基づいて対象を診断することをさらに含むことができる。いくつかの場合では、診断ステップは、測定されたバイオマーカーの量を含むデータを遠隔地に送信し、遠隔地からの測定値を含む情報に基づいて診断を受けることを含む。
【0765】
任意の実施形態では、バイオマーカーは、米国仮出願第62/234,538号、第62/293,188号、および/または第62/305,123号、および/またはPCT出願第PCT/US2016/054,025号に開示されている表B1、2、3、または7から選択され得、これらは全ての目的のためにそれらの全体において組み込まれる。いくつかの場合では、バイオマーカーは、表B1、2、または3から選択されるタンパク質である。いくつかの場合では、バイオマーカーは、表B2、3または7から選択される核酸である。いくつかの場合では、バイオマーカーは、表B2から選択される感染因子由来バイオマーカーである。いくつかの場合では、バイオマーカーは、表B7から選択されるマイクロRNA(miRNA)である。
【0766】
任意の実施形態では、適用ステップb)は、試料からmiRNAを単離して単離されたmiRNA試料を生成すること、および単離されたmiRNA試料をディスク結合ドットオンピラーアンテナ(QMAXデバイス)アレイに適用することを含み得る。
【0767】
任意の実施形態では、QMAXデバイスは、表B1、B2、B3、および/またはB7から選択されるバイオマーカーとそれぞれ結合する複数の捕捉剤を含むことができ、読み取りステップd)は、試料中の複数のバイオマーカーの量の尺度を得ることを含み、試料中の複数のバイオマーカーの量は、疾患または状態の診断に役立つ。
【0768】
任意の実施形態では、捕捉剤は抗体エピトープであり得、バイオマーカーは抗体エピトープに結合する抗体であり得る。いくつかの実施形態では、抗体エピトープは、表B4、B5、またはB6から選択される生体分子またはその断片を含む。いくつかの実施形態では、抗体エピトープは、表B5から選択されるアレルゲンまたはその断片を含む。いくつかの実施形態では、抗体エピトープは、表B6から選択される感染因子由来生体分子またはその断片を含む。
【0769】
任意の実施形態では、QMAXデバイスは、表B4、B5、および/またはB6から選択される複数の抗体エピトープを含むことができ、読み取りステップd)は、試料中の複数のエピトープ結合抗体の量の尺度を得ることを含み、試料中の複数のエピトープ結合抗体の量は、疾患または状態の診断に役立つ。
【0770】
任意の実施形態では、試料は環境試料であり得、分析物が環境マーカーであり得る。いくつかの実施形態では、環境マーカーは、米国仮出願第62/234,538号および/またはPCT出願第PCT/US2016/054025号の表B8から選択される。
【0771】
任意の実施形態では、方法は、試料が得られた環境にさらされる対象の安全性または有害性を示すレポートを受信または提供することを含み得る。
【0772】
任意の実施形態では、方法は、測定された環境マーカーの量を含むデータを遠隔地に送信すること、および試料が得られた環境にさらされる対象の安全性または有害性を示すレポートを受信することを含み得る。
【0773】
任意の実施形態では、QMAXデバイスアレイは、表B8から選択される環境マーカーにそれぞれ結合する複数の捕捉剤を含むことができ、読み取りステップd)は、試料中の複数の環境マーカーの量の測定値を得ることを含むことができる。
【0774】
任意の実施形態では、試料は食品試料であり得、分析物は食品マーカーであり得、試料中の食材マーカーの量は、消費する食品の安全性と相関し得る。いくつかの実施形態では、食品マーカーは表B9から選択される。
【0775】
任意の実施形態では、方法は、試料が得られる食品を消費する対象の安全性または有害性を示すレポートを受信または提供することを含み得る。
【0776】
任意の実施形態では、方法は、測定された食料マーカーの量を含むデータを遠隔地に送信すること、および試料が得られる食品を消費する対象の安全性または有害性を示すレポートを受信することを含み得る。
【0777】
任意の実施形態では、本明細書に開示されるデバイス、装置、システム、および方法は、米国仮出願第62/234,538号およびPCT出願第PCT/US2016/054025号の表B9から選択される食品マーカーにそれぞれ結合する複数の捕捉剤を含むことができ、得ることは、試料中の複数の食品マーカーの量の測定値を得ることを含むことができ、試料中の複数の食品マーカーの量は、消費する食品の安全性と相関し得る。
【0778】
また、本発明のデバイス、システム、および方法を実施する際に使用を見出すキットも本明細書に提供される。
【0779】
試料の量は、試料の約一滴であり得る。試料の量は、刺した指または指先から収集した量であり得る。試料の量は、マイクロニードルまたは静脈吸引から収集した量であり得る。
【0780】
試料は、供給源からそれを取得した後、さらに処理することなく使用され得るか、または、例えば、対象の分析物の濃縮、大きな粒子状物質の除去、固体試料の溶解または再懸濁などに処理され得る。
【0781】
試料をQMAXデバイスに適用する任意の好適な方法が用いられ得る。好適な方法は、ピペット、スポイト、シリンジなどを使用することを含み得る。ある特定の実施形態では、以下に説明されるように、QMAXデバイスがディップスティック形式の支持体上に位置する場合、ディップスティックの試料受け取り領域を試料に浸漬することによって試料がQMAXデバイスに適用され得る。
【0782】
試料は、一度に、または複数回で収集され得る。経時的に収集された試料は、個別に集約および/または処理され得る(QMAXデバイスに適用し、試料中の分析物の量の測定値を得ることによって)。いくつかの場合によっては、経時的に得られた測定値を集約することができ、経時的な縦断的分析に役立ち、スクリーニング、診断、治療、および/または疾患予防を促進することができる。
【0783】
上記のように、QMAXデバイスを洗浄して未結合の試料構成成分を除去することは、任意の便利な方法で行うことができる。ある特定の実施形態では、結合緩衝剤を使用してQMAXデバイスの表面を洗浄し、未結合の試料構成成分を除去する。
【0784】
分析物の検出可能な標識は、任意の便利な方法で行うことができる。分析物は、直接または間接的に標識され得る。直接標識では、試料がQMAXデバイスに適用される前に、試料中の分析物が標識される。間接標識では、以下に説明されるように、試料がQMAXデバイスに適用された後に、試料中の非標識分析物が標識され、非標識検体が捕捉される。
【0785】
(10)用途
本明細書に開示されるデバイス/装置、システム、および方法は、様々な用途(分野および試料)に使用することができる。用途は、本明細書に開示され、それぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、ならびに2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号(これらの出願のすべてはすべての目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる)において列挙、説明、および/または要約されている。
【0786】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイス、装置、システム、および方法は、様々な分野の様々な異なる用途で使用され、試料中の1つ以上の分析物の有無、定量化、および/または増幅の判定が望ましい。例えば、ある特定の実施形態では、主題のデバイス、装置、システム、および方法は、タンパク質、ペプチド、核酸、合成化合物、無機化合物、有機化合物、細菌、ウイルス、細胞、組織、ナノ粒子、およびその他の分子、化合物、混合物、ならびにそれらの物質の検出に使用される。主題のデバイス、装置、システム、および方法が使用され得る様々な分野には、これらに限定されないが、ヒトの疾患および状態の診断、管理、および/または予防、獣医の疾患および状態の診断、管理、および/または予防、植物の疾患または状態の診断、管理、および/または予防、農業用途、獣医学用途、食品検査、環境検査および汚染除去、薬物検査および予防などが挙げられ、使用され得る。
【0787】
本発明の用途には、これらに限定されないが、(a)特定の疾患、または疾患の特定の病期、例えば、感染症および寄生虫病、傷害、心血管疾患、癌、精神疾患、神経精神疾患、ならびに器質性疾患、例えば、肺疾患、腎疾患の病期と相関する化学化合物または生体分子の検出、精製、定量化、および/または増幅、(b)細胞および/または微生物、例えば、環境、例えば、水、土壌、または生体試料、例えば、組織、体液からのウイルス、真菌、および細菌の検出、精製、定量化、および増幅、(c)食品の安全性、ヒトの健康、または国家安全保障を危険にさらす化学化合物または生体試料、例えば、毒性廃棄物、炭疽の検出、定量化、(d)医学的または生理学的モニターにおけるバイタルパラメータ、例えば、グルコース、血中酸素レベル、総血球数の検出および定量化、(e)生体試料、例えば、細胞、ウイルス、体液の特定のDNAまたはRNAの検出および定量化、(f)ゲノム解析のための染色体およびミトコンドリアのDNAの遺伝子配列の配列決定および比較、または(g)例えば、医薬品の合成または精製中の反応生成物の検出および定量化が挙げられる。
【0788】
いくつかの実施形態では、主題のデバイス、装置、システム、および方法は、試料中の核酸、タンパク質、または他の分子もしくは化合物の検出に使用される。ある特定の実施形態では、デバイス、装置、システム、および方法は、例えば、対象の疾患状態の診断、予防、および/または管理に使用されるような、生体試料中の1つ以上、2つ以上、または3つ以上の疾患バイオマーカーの迅速な臨床検出および/または定量化に使用される。ある特定の実施形態では、デバイス、装置、システム、および方法は、環境試料、例えば、川、海、湖、雨、雪、下水、下水処理流出、農業排水、産業排水、水道水または飲料水中の1つ以上、2つ以上、または3つ以上の環境マーカーの検出および/または定量化に使用される。ある特定の実施形態では、デバイス、装置、システム、および方法は、水道水、飲料水、調理済み食品、処理済みの食品、または生の食品から得られる食品試料からの1つ以上、2つ以上、または3つ以上の食品マークの検出および/または定量化に使用される。
【0789】
いくつかの実施形態では、主題のデバイスはマイクロ流体デバイスの一部である。いくつかの実施形態では、主題のデバイス、装置、システム、および方法を使用して、蛍光または発光信号を検出する。いくつかの実施形態では、主題のデバイス、装置、システム、および方法は、これらに限定されないが、携帯電話、タブレットコンピュータ、およびラップトップコンピュータなどの通信デバイスを含むか、またはこれらと一緒に使用される。いくつかの実施形態では、主題のデバイス、装置、システム、および方法は、これらに限定されないが、光学バーコード、無線周波数IDタグ、またはそれらの組み合わせなどの識別子を含むか、またはこれらと一緒に使用される。
【0790】
いくつかの実施形態では、試料は対象から得られた診断試料であり、分析物はバイオマーカーであり、測定された試料中の分析物の量は疾患または状態の診断に役立つ。いくつかの実施形態では、対象のデバイス、システム、および方法は、疾患または状態を有しないか、またはその低いリスクにある個体において測定されたバイオマーカーの量および測定されたバイオマーカーの値の範囲を示すレポートを受信するか、または対象に提供することをさらに含み、測定された値の範囲に対する測定されたバイオマーカーの量は、疾患または状態の診断に役立つ。
【0791】
いくつかの実施形態では、試料は環境試料であり、分析物は環境マーカーである。いくつかの実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、試料が得られた環境にさらされる対象の安全性または有害性を示すレポートを受信または提供することを含む。いくつかの実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、測定された環境マーカーの量を含むデータを遠隔地に送信すること、および試料が得られた環境にさらされる対象の安全性または有害性を示すレポートを受信することを含む。
【0792】
いくつかの実施形態では、試料は食品試料であり、分析物は食品マーカーであり、試料中の食品マーカーの量は、消費する食品の安全性と相関する。いくつかの実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、試料が得られる食品を消費する対象の安全性または有害性を示すレポートを受信または提供することを含む。いくつかの実施形態では、主題のデバイス、システム、および方法は、測定された食料マーカーの量を含むデータを遠隔地に送信すること、および試料が得られる食品を消費する対象の安全性または有害性を示すレポートを受信することを含む。
【0793】
(11)寸法
本明細書に開示されるデバイス、装置、システム、および方法は、プレートおよびスペーサを含むことができるQMAXデバイスを含むか、または使用することができる。いくつかの実施形態では、QMAXデバイスおよびそのアダプタの個々の構成要素の寸法は、2016年8月10日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号、および2016年12月9日に出願された米国仮出願第62,431,639号および2017年2月8日に出願された第62/456,287号に列挙、説明、および/または要約されており、これらは全てそれらの全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0794】
いくつかの実施形態では、寸法は以下の表に列挙されている。
【0795】
プレート:
【0796】
ヒンジ:
【0797】
ノッチ:
【0798】
溝:
【0799】
レセプタクルスロット:
【0800】
(12)クラウド
本明細書に開示されるデバイス/装置、システム、および方法は、データ転送、ストレージ、および/または分析のためにクラウド技術を使用することができる。関連するクラウド技術は、本明細書に開示され、それぞれ2016年8月10日および2016年9月14日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、ならびに2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号(これらの出願のすべてはすべての目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる)において列挙、説明、および/または要約されている。
【0801】
いくつかの実施形態では、クラウドストレージおよびコンピューティング技術は、クラウドデータベースを含むことができる。単なる例として、クラウドプラットフォームは、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、コミュニティクラウド、分散クラウド、インタークラウド、マルチクラウドなど、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、モバイルデバイス(例えば、スマートフォン)は、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してクラウドに接続され得る。
【0802】
いくつかの実施形態では、試料に関連するデータ(例えば、試料の画像)は、モバイルデバイスによって処理することなくクラウドに送信され、さらなる分析が遠隔で実施され得る。いくつかの実施形態では、試料に関連するデータは、モバイルデバイスによって処理され、結果はクラウドに送信される。いくつかの実施形態では、生データおよび結果の両方がクラウドに転送される。
【0803】
他の態様
本開示による本発明の主題のさらなる例は、以下に列挙される段落に記載される。
【0804】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、「単一」という語が使用される場合などの文脈がそうではないことを明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。例えば、「分析物」への言及は単一の分析物および複数の分析物を含み、「捕捉剤」への言及は単一の捕捉剤および複数の捕捉剤を含み、「検出剤」への言及は単一の検出剤および複数の検出剤を含み、「剤」への言及には、単一の剤および複数の剤を含む。
【0805】
本明細書において、範囲は、「約」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値まで、のように表現されることがある。このような範囲が表現されるとき、別の態様は、一方の特定の値からおよび/または他方の特定の値までを含む。同様に、値が近似として表現されるとき、先の「約」の使用によって、特定の値が別の態様を形成することが理解されるであろう。さらに、範囲のそれぞれの端点は、他方の端点に関して、そして他方の端点とは無関係に、両方有効であることが理解されるであろう。「約」または「おおよそ」という用語は、当業者によって決定された特定の値について許容可能な誤差範囲内を意味することがあり、これは、値がどのように測定または決定されるか、例えば、測定システムの限定に部分的に依存するであろう。例えば、「約」は、技術の実施毎に1以上の標準偏差内を意味し得る。あるいはまた、「約」は、所与の値の20%まで、10%まで、5%まで、または1%までの範囲を意味し得る。あるいはまた、特に生物学的システムまたはプロセスに関して、用語は、値の、同じ桁内、5倍以内、より好ましくは2倍以内を意味し得る。特定の値が本出願および特許請求の範囲に記載される場合、特に示されない限り、特定の値について許容可能な誤差範囲内を意味する「約」という用語を仮定すべきである。「約」という用語は、当業者によって通常理解される意味を有する。ある態様では、「約」という用語は、±10%を指すことがある。ある態様では、「約」という用語は、±5%を指すことがある。
【0806】
本明細書で使用される場合、「適合させる」および「構成される」という用語は、要素、構成要素、または他の対象物が所与の機能を果たすように設計および/または意図されることを意味する。したがって、「適応された」および「構成された」という用語の使用は、所与の要素、構成要素、または他の主題が所与の機能を単に実行する「ことができる」ことを意味すると解釈されるべきではない。同様に、特定の機能を実行するように構成されていると列挙されている主題は、加えてまたは代替として、その機能を実行するように作動するものとして説明され得る。
【0807】
本明細書で使用される、「例えば」という語句、「例として」という語句、ならびに/または単に「例」および「例示」という用語は、本開示による1つ以上の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法に関して使用される場合、記載される構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法が、本開示による構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法の例示的で非排他的な例であることを伝えることを意図している。したがって、説明される構成要素、機能、詳細、構造、実施形態、および/または方法は、限定的、必須、または排他的/網羅的であることを意図しておらず、構造的および/または機能的に類似および/または同等の構成要素、機能、詳細、構造、実施形態、および/または方法を含む他の構成要素、機能、詳細、構造、実施形態、および/または方法も、本開示の範囲内である。
【0808】
本明細書で使用される、2つ以上の実体のリストに関して「~の少なくとも1つ」および「~の1つ以上」という語句は、実体のリスト内の実体の任意の1つ以上を意味し、実体のリスト内に具体的に列記されているあらゆる実体の少なくとも1つに限定されない。例えば、「AおよびBの少なくとも1つ」(または、同等に「AまたはBの少なくとも1つ」、または同等に「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、Aのみ、Bのみ、またはAおよびBの組み合わせを指す場合がある。
【0809】
本明細書で使用される、第1の実体と第2の実体との間に置かれる「および/または」という用語は、(1)第1の実体、(2)第2の実体、ならびに(3)第1の実体および第2の実体の1つを意味する。「および/または」により列記された複数の実体は、同じように、つまり、そのように結合された実体の「1つ以上」と解釈されるべきである。具体的に特定されたそれらの実体に関連するか無関係であるかにかかわらず、「および/または」節で具体的に特定された実体以外に、他の実体が任意選択で存在する場合がある。
【0810】
数値範囲が本明細書で言及される場合、本発明は、エンドポイントが含まれる実施形態、両方のエンドポイントが除外される実施形態、および一方のエンドポイントが含まれ他方が除外される実施形態を含む。特に指定のない限り、両方のエンドポイントが含まれると想定するべきである。さらに、特に指示のない限り、または文脈および当業者の理解から明白でない限り。
【0811】
任意の特許、特許出願、または他の参考文献が、参照により本明細書に組み込まれ、かつ(1)本開示の組み込まれていない部分または他の組み込まれた参考文献のいずれかと矛盾する方法で用語を定義する場合、および/または(2)本開示の組み込まれない部分または他の組み込まれた参考文献のいずれかと別様に矛盾する場合、本開示の組み込まれていない部分が優先するものとし、本明細書における用語または組み込まれた開示は、その用語が定義されている、および/または組み込まれた開示が元々存在していた参考文献に関してのみ優先するものとする。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9