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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-13
(45)【発行日】2023-09-22
(54)【発明の名称】飲料カプセル
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/36 20060101AFI20230914BHJP
   B65D 85/72 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
A47J31/36 120
B65D85/72 200
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020534972
(86)(22)【出願日】2018-11-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 EP2018080680
(87)【国際公開番号】W WO2019092144
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-10-25
(31)【優先権主張番号】1718489.6
(32)【優先日】2017-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1718829.3
(32)【優先日】2017-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1719993.6
(32)【優先日】2017-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1720894.3
(32)【優先日】2017-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1800830.0
(32)【優先日】2018-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】518355124
【氏名又は名称】アレックス・ゴート=バートン
【氏名又は名称原語表記】Alex Gort-Barten
【住所又は居所原語表記】County Oak Way Crawley West Sussex,RH11 7ST,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107593
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(72)【発明者】
【氏名】アレックス・ゴート=バートン
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-531099(JP,A)
【文献】特表2010-504183(JP,A)
【文献】特表2011-515133(JP,A)
【文献】国際公開第2017/187024(WO,A1)
【文献】特開2004-025659(JP,A)
【文献】特開平05-199938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
B65D 67/00-79/02
B65D 81/18-81/30
B65D 81/38
B65D 85/50-85/52
B65D 85/60
B65D 85/72-85/84
B65D 85/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧エスプレッソコーヒーマシンで使用するカプセルであって、前記マシンは前記カプセルを抽出位置に保持するためのカプセルケージを有し、前記カプセルは延性金属により形成され、前記カプセルは、略円錐形状の上側部及び下側部を有し、前記下側部に環状フランジが設けられ、前記上側部に向く前記環状フランジの表面にはシール手段が設けられ、前記シール手段は、セルロース材料又は紙により形成されたリングからなり、前記リングは、使用時にコーヒーマシンのカプセルケージと係合した際に可塑変形してシールになり、前記シールは前記フランジ上に保持される、カプセル。
【請求項2】
請求項に記載のカプセルにおいて、前記シールは、セルロース材料の第1の層と、接着剤材料の第2の層とを含む、カプセル。
【請求項3】
請求項に記載のカプセルにおいて、前記シールは、バイオプラスチック材料の更なる層を含む、カプセル。
【請求項4】
請求項に記載のカプセルにおいて、前記シールは、アルミニウム箔の更なる層と、更なる接着剤層とを含む、カプセル。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のカプセルにおいて、前記セルロース材料は、重さが100~400g/mの範囲内である、カプセル。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のカプセルにおいて、前記シールは、厚みが0.1~0.3mmである、カプセル。
【請求項7】
請求項に記載のカプセルにおいて、前記シールは、厚みが約0.25mmである、カプセル。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載のカプセルにおいて、ブリューヘッド内の残留水によって前記紙又はセルロースの材料が僅かに膨張することにより、ブリューヘッドに設けられた凹凸との係合が向上し、シール性能が向上する、カプセル。
【請求項9】
請求項1に記載のカプセルにおいて、前記シールは3層合わせ紙からなる、カプセル。
【請求項10】
請求項9に記載のカプセルにおいて、前記3層合わせ紙は、接着性の下層部を有する、カプセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エスプレッソマシン用の飲料カプセルに関し、具体的には、高圧下でエスプレッソを作るためのエスプレッソマシン用の飲料カプセルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電動エスプレッソマシンが周知のものとなっている。従来のエスプレッソマシンは、水室と、水を約95~98℃に加熱するように適合された加熱要素とを備え、加熱後の水をポンプによって15~19バールの高圧下でフィルターホルダー(ポルタフィルター)へ送る。これより低圧のシステムも存在する。典型的に、フィルターホルダーは、取手部と、2個又は3個の突起が設けられたホルダー部とを備え、該突起は、フィルターホルダーのマシン装着状態で、マシンにおいて水が送り込まれる部位であるブリューヘッドと係合するように適合されている。ホルダー部はフィルターを受けるように構成されており、該フィルターは通常、底部に複数の貫通孔を有する金属製の容器により構成される。使用時には、細かく挽いたコーヒーをフィルターに充填し、ポンプで生成した高圧下でコーヒーの中に水を通過させることでエスプレッソコーヒーを作り、エスプレッソコーヒーはフィルターホルダーの下方に置いたカップに集められる。
【0003】
従来型のコーヒーマシンでは2つの問題が生じ得る。1つ目の問題は、挽いたコーヒーは数日後には新鮮さと香りを失い始めるため、使用者は、エスプレッソを最もおいしく作るためにはコーヒーミルも持っている必要がある。もう1つの問題は、使用後のエスプレッソコーヒーをフィルターから除去しなければならないことである。コーヒーは細かく挽いてあるため、除去作業に手間がかかる場合がある。
【0004】
これに鑑みてESEコーヒーポッドが開発されており、多くのエスプレッソマシンで使用することができる。一般的に、コーヒーポッドは、個別に包装されることで新鮮さを保っており、コーヒーを収容する穴あきフィルター紙からなる小袋により構成されるものである。ポッドはフィルターホルダーの中に配置され、使用後には廃棄される。コーヒーポッドは利便性が高いものの、フィルターホルダーに適合している必要があり、また正しく配置されなければ水が縁部から漏れる恐れがある。
【0005】
これを受けて、カプセル式マシンが開発されている。この種のマシンで用いられるコーヒーカプセルは完全密封される。カプセル式マシンでは、従来のフィルターホルダーを使用しない。典型的に、カプセル式マシンは2パーツ機構を備える。第1のパーツはカプセルを受ける部分であり、カプセルを載せる抽出面が設けられる。第2のパーツには、第1のパーツと第2のパーツとの一体化に用いられるロック用レバーが設けられる。使用時には、第2のパーツでカプセルの上部表面をカットすることによって、水をカプセルに入れ、カプセルを通して濾過することが可能となる。水はカプセルの下部表面を多数の位置から出る。これらの位置は、抽出表面の形状によって決定される。このようなマシンの一例が欧州特許第0870457号や国際公開第2005/004683号に開示されている。公知のカプセル式コーヒーマシンにおけるカプセルは、使用の際にマシンのカプセルケージに挿入される。カプセルケージは、カプセルを抽出位置に保持するものである。カプセルがカプセルケージに保持されると、カット部材でのカットが可能になる。
【0006】
カプセル式マシンは極めて利便性が高く、作られるエスプレッソの品質も安定しているため、商業的に大きな成功を収めている。しかしながら、各メーカーのコーヒーマシン及びカプセルは、そのメーカー自身の銘柄と共に用いることを前提として設計されている。カプセルの銘柄の中でも最も普及しているものはNespresso(登録商標)であり、これはアルミニウム製の密封カプセルを用いている。使用の際には、マシンのカプセルケージ部がカプセルを保持した状態でカプセルを所定の位置に固定し、カプセルを典型的に3つの尖端部によってカットして水を圧力下でコーヒーカプセルに注入する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
アルミニウムは、酸素及び水に対して不浸透性を有するため、カプセル内のコーヒーの保存期間が長いという大きな利点がある。しかしながら、アルミニウムにもいくつかの重大な問題がある。アルミニウムは充填段階及び包装段階で変形しやすく、カプセルの外輪部に高信頼性シールを設けることは困難且つ高コストである。数多くの研究が行われてきたにも関わらず、公知のシール材で有効なのは欧州特許第1654966号に開示のシリコーンエラストマーのみである。ここで開示されるカプセルでは、カプセルの円周上の多数の位置にシリコーンを追加的に設け、最終的にフランジ上に連続的で切れ目のない可撓性シールを形成する。上述の問題に対する公知の解決策では、大半の企業の資金力を超えた極めて高額の投資が更に必要である。
【0008】
従って、大半のメーカーはプラスチックカプセルを採用している。プラスチックカプセルでは、包装工程中のカプセルの取り扱い易さに関する諸問題を解決するものの、妥協しなければならない点も存在する。まず、プラスチックカプセルは、カプセル式コーヒーマシンのブレードで穴を開ける必要があるが、その際カプセルが壊れたりマシンが破損したりしないようなものでなければならない。また、カプセルの開いた側の端部をアルミニウム箔で密封する必要があるが、このアルミニウム箔は、高い信頼性で、且つコーヒーの品質を損なわないような低温でプラスチックカプセルに密着するものでなければならない。カプセルの一例が英国特許第2458013号に示されている。
【0009】
公知のアルミニウムカプセルで特に問題な点として、シリコーンシールを用いているため、アルミニウムのリサイクルは環境上のメリットが大きいにも関わらずカプセルを容易にリサイクルできないことが挙げられる。アルミニウムカプセルは通常の混合物カーブサイドコレクション(kerbside collections)ではリサイクル不可能である。そのようなカプセルだけを特別に収集すると、リサイクルのメリットが失われてしまう。
【0010】
以上に鑑みて、本発明の目的は、改良されたコーヒーカプセルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によって提供されるコーヒーマシン用カプセルは、高圧エスプレッソコーヒーマシンで使用するカプセルであって、前記マシンは前記カプセルを抽出位置に保持するためのカプセルケージを有し、前記カプセルは延性金属により形成され、前記カプセルは、略円錐形状の上側部及び下側部を有し、前記下側部に環状フランジが設けられ、前記上側部に向く前記環状フランジの表面にはシール手段が設けられ、前記シール手段は、セルロース材料又は紙により形成されたリングからなり、前記リングは、使用時にコーヒーマシンのカプセルケージと係合した際に可塑変形してシールになり、前記シールは前記フランジ上に保持される
【0012】
好ましくは、前記シールはセルロース材料を含む。好ましくは、前記シールは、セルロース材料の第1の層と、接着剤材料の第2の層とを含む。好ましくは、前記シールは、バイオプラスチック材料の更なる層を含む。好ましくは、前記シールは、アルミニウム箔の更なる層と、更なる接着剤層とを含む。好ましくは、前記セルロース材料は、重さが100~400g/mの範囲内である。好ましくは、前記シールは、厚みが0.1~0.3mmである。好ましくは、前記シールは、厚みが約0.25mmである。
【0013】
本発明のカプセルは、通常の混合リサイクル可能物のカーブサイドコレクションでリサイクル可能なシール付きアルミニウムカプセルの利用を促進する。
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】カプセルの第1の実施例の断面図である。
図2】カプセルの第2の実施例の断面図である。
図3図2のカプセルの側面図である。
図4】シールの更なる実施例を示す図である。
図5a】第1のシール構造を示す図である。
図5b】第2のシール構造を示す図である。
図6】カプセルの更なる実施例を示す図である。
図7】カプセルの更なる実施例を示す図である。
図8】カプセルの更なる実施例を示す図である。
図9】カプセルの更なる実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
カプセル1の断面図を図1に示す。カプセル1は、略円錐形状の本体2を有する。カプセルの上部側3は、下部側の本体よりも小径の第2の円錐形状部4を有する。加えて、上部側3には、その中心に円錐形状の窪み5が更に設けられる。カプセルには、本体2における上部側3と反対側の端部にフランジ7が設けられる。
【0017】
フランジ7は、起立した壁部8を含み、これによりカプセル本体の周壁と起立壁部8との間に溝部9が形成される。そして、起立壁部8が再び下方、即ち開口部と同じ側へ湾曲することにより、その先端は縦方向でほぼカプセルと同一面上、且つ溝部9よりも下方に位置する。先端の形状は、開いたフック形となっている。開いたフック部は、充填後にカプセルを閉じるための密封材を受け入れる。開いたフック形状によって、フランジのリムにおいて、一定の補強効果を有する複数のウェブが構成され、これによりアルミニウムなど柔らかく延性を有する材料からなるカプセルに対して密封材としての箔を容易に取り付けることができる。
【0018】
溝部9は、好ましくは紙、繊維又はコルク、或いはポリスチレンからなるリング形状のシール10を受け入れる。このシールは、略0.1~0.3mmの範囲の厚みを有するものとすることができる。
【0019】
図5aに詳細に示す第1の実施例においては、シールは層構造を有するものであり、主に紙又はセルロース材料により形成されたリングからなり、重さが100~400g/mの範囲内の第1の層50と、熱シールラッカー又は接着剤を含み、重さが3~15g/mの第2の層51と、生分解性プラスチック又はバイオプラスチック、例えばコーンスターチパルプから製造したプラスチックにより形成された第3の層52とを有する。このシールの厚みは、0.1~0.3mmの範囲内であり、好ましくは約0.25mmである。このシールは生分解性である。
【0020】
これに替えて、図5bに示すシール構造は、主にボール紙又はセルロースからなる材料により形成され、重さが100~400g/mの範囲内の第1の層53と、熱シールラッカー又は接着剤を含み、重さが3~15g/mの第2の層54と、厚みが10~35μmのアルミニウム箔層55と、熱シールラッカー又は接着剤を含み、重さが3~15g/mの更なる層56とを有する層構造を備える。このシールの厚みは、0.1~0.3mmの範囲内であり、好ましくは約0.25mmである。このシールは、カプセルと共に一般的な家庭リサイクルで容易にリサイクル可能である。
【0021】
別の実施例によるシールは、120g/m、厚み0.2mmの紙を含む。また、0.1mmのポリプロピレンを材料としたシールも良好なシールとなる。
【0022】
これに替わる実施例の紙製シールは、0.1mmの厚みを有し、厚み0.1mmの接着剤層が設けられる。
【0023】
コーヒーマシンの使用中に、カプセルケージ(ブリューヘッド)の中の残留水が紙又はセルロース材料の僅かな膨張を生じさせ、ブリューヘッドに設けられた凹凸との係合が向上し、シール性能を向上させることができる。
【0024】
一実施例では、前記シールを接着剤によって溝部に取り付ける。別の実施例では、前記シールをカプセルに対して配置してからフランジをプレスして起立壁部8を形成する。このプレス工程によって、かしめ工程なしに、リングを保持してシールの状態にする。この場合のシールは、カプセルフランジに追加的な強度を与えるため、シール性能を向上させる。
【0025】
更に、予想外ながら、このシールはシリコーンなどのエラストマー材料により形成する必要はないことが分かった。主に紙又はその他のセルロースからなる材料の非弾性変形によって十分な強度のシールが得られるため、公知のカプセル式マシンにおいて有意な漏れは生じない。
【0026】
図2は、図1と同様のカプセルであって、略円錐状の本体2を有するアルミニウム等の延性金属により形成されたものを示す。上部側3には、これに加えて、その中心に円錐形状の窪み5が更に設けられる。このカプセルには、上部側3とは反対側の本体2の端部にフランジ17が設けられ、箔20によって閉じられる。
【0027】
フランジ17の端縁を曲げて丸め、丸めた端縁と主カプセル壁部3との間にシール10が配置されるようにする。好ましい局面では、図5において説明した接着剤でシールを固定し、この接着剤を上方から加熱するとともに、箔が取り付けられている場合には下方からも加熱する。これによりセルロース又は紙の加熱が穏やかになり、シール性能が向上する。紙シールを挟み込み固定すると、損傷や効果低減につながる。
【0028】
図3は、フランジ17にかしめ部18を有するカプセルの側面図を示す。アルミニウムカプセルの問題として、フランジ17と反対側のカプセルの上部側3が成形工程で強度低下し、損傷を起こしやすくなることが挙げられる。予想外ながら、本体2の上部に複数の窪みリブ21を配置して第2の円錐形状部4へ延在させることで、カプセルに十分な剛性を追加的に与え、欠陥や損傷が大幅に減少することが分かった。
【0029】
更に別の実施例では、シールは、カプセルの前記リム上に配置されるアルミニウム環状部材で構成されても良い。その場合、図2の実施例に関して、シールはカプセルと同じ材料となるため、生産効率が上昇する。また、シールの色をカプセルの色と異ならせても良い。アルミニウムリングの厚みは、好ましくは0.1~0.2mmである。別の好ましい態様では、リングはアルミニウムにより形成されて接着剤の裏張りを有し、シールをリムに接着させる。この後者の場合、カプセル壁部による保持は不要である。
【0030】
更に、図4に関して詳細に示す実施例では、カプセルは好ましくは陽極酸化アルミニウムにより形成され、カプセルフランジのリムには、エスプレッソマシンのカプセルケージと係合するように配置された起立リブ30が設けられる。このリブは、フランジを形成するアルミニウム折り畳み工程によって形成される。この場合のシールは、フランジ上に配置されて起立リブ30を覆うアルミニウムリング即ちガスケット31により構成される。アルミニウムリングの厚みは、好ましくは0.1~0.3mmである。フランジの端縁は、カプセル壁部及び起立リブの方へ丸められる。使用時には、カプセルケージがリングをリブに対してプレスすることでケージとカプセルフランジとの間のシールを形成する。
【0031】
更に、堆肥化可能性が望まれる場合、図1の実施例における使用に特に好適な材料として3層合わせ紙が挙げられる。3層合わせ紙の重さは例えば50g/mである。3層合わせ紙の利点は、従来の紙よりも湿潤強さが高く、且つ堆肥化可能性を維持できることである。3層合わせ紙は、接着性の下層部を有していてもよく、及び/又は、フランジの内径よりも大きな内径を有していてもよく、その結果、カプセル壁部の側部に沿って例えば0.5mm上方へ延び、外縁において上記リムに捕捉される。
【0032】
図6~9は、本発明のカプセルの更に別の実施例であって、アルミニウムカプセルとのシールにおける接着剤層を省略できるものを示す。
【0033】
図6の実施例では、カプセルにコーヒーを充填する前に、コンベアバスケット上に紙リングを落下させ、カプセルをこのバスケットに挿入した後、フランジから僅かに上の高さ位置においてカプセルの側壁から3個又はそれ以上、好ましくは6個のマーク(pip)60を押し出す。この押し出し工程は、単にばね仕掛けの尖端を側壁に衝突させることで行うことができる。その場合、この時点でシールが所定の位置に保持されるため、脱落することがない。
【0034】
これに替えて、図7の実施例では、マークをのど飴形状部70としている。図8の実施例では、環状壁部80を外側から押し込むことで張り出し部を形成し、シールを所定の位置に維持している。図9の実施例では、環状壁部90をカプセルの内側から押し出している。
【0035】
以上、本発明のカプセルについて、エスプレッソコーヒーを作るために使用されるものとして具体的に説明したが、本発明のカプセルを用いて他の飲料、例えば茶やココア用のカプセルを製造することも可能である。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9