IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フレゼニウス ヴィアル エスアーエスの特許一覧

特許7349489患者の呼気中の物質濃度を同定及び/又は測定するシステム及び方法
<>
  • 特許-患者の呼気中の物質濃度を同定及び/又は測定するシステム及び方法 図1
  • 特許-患者の呼気中の物質濃度を同定及び/又は測定するシステム及び方法 図2A
  • 特許-患者の呼気中の物質濃度を同定及び/又は測定するシステム及び方法 図2B
  • 特許-患者の呼気中の物質濃度を同定及び/又は測定するシステム及び方法 図3
  • 特許-患者の呼気中の物質濃度を同定及び/又は測定するシステム及び方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-13
(45)【発行日】2023-09-22
(54)【発明の名称】患者の呼気中の物質濃度を同定及び/又は測定するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/00 20060101AFI20230914BHJP
   G01N 1/02 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
G01N1/00 101R
G01N1/00 101Q
G01N1/02 W
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021500203
(86)(22)【出願日】2019-06-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 EP2019064589
(87)【国際公開番号】W WO2020011450
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】18305905.4
(32)【優先日】2018-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】511241734
【氏名又は名称】フレゼニウス ヴィアル エスアーエス
【氏名又は名称原語表記】Fresenius Vial SAS
【住所又は居所原語表記】Le Grand Chemin, 38590 Brezins, France
(74)【代理人】
【識別番号】100122471
【弁理士】
【氏名又は名称】籾井 孝文
(72)【発明者】
【氏名】レオンハルト, ユルゲン
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-047047(JP,A)
【文献】特開2009-047593(JP,A)
【文献】特開2014-001109(JP,A)
【文献】特開平11-271302(JP,A)
【文献】特開平07-284488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00
G01N 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者(4)の呼気中の物質濃度を同定及び/又は測定するシステムであって、前記患者(4)の前記呼気から得られたサンプリングガス流(A)のイオン移動度分光分析測定を実施する測定装置(20)を備え、前記測定装置(20)は、ドリフト検出器(22)と、該ドリフト検出器(22)に接続され、前記サンプリングガス流(A)の試料を注入可能な分析ガス流(B)を、前記ドリフト検出器(22)の入口端(220)に向かって導き、及び/又はドリフトガス流(C)を、前記ドリフト検出器(22)の出口端(221)に向かって導く少なくとも1つのガス回路(23、24)とを備え、ここで、前記少なくとも1つのガス回路(23、24)は、前記分析ガス流(B)及び/又は前記ドリフトガス流(C)を濾過するフィルター材料(26)を含むモレキュラーシーブフィルター(233、241)を備え、
前記フィルター材料(26)がゼオライトNaYを含み、および、
前記少なくとも1つのガス回路(23、24)は、前記分析ガス流(B)及び/又は前記ドリフトガス流(C)を閉鎖ループで導く閉鎖回路を形成することを特徴とする
システム。
【請求項2】
前記フィルター材料は、NaY結合剤含有の粒状物又はNaY結合剤不含の粒状物を含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ゼオライトNaYフィルター材料は、0.6nmから0.8nmの間の細孔サイズを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記モレキュラーシーブフィルター(233、241)は、1cmから10cmの間の直径を有する円柱形状を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記モレキュラーシーブフィルター(233、241)は、前記フィルター材料を取り囲む、ステンレス鋼でできたハウジング(260)を備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのガス回路(23、24)は、少なくとも部分的にPTFEででき、前記分析ガス流(B)及び/又は前記ドリフトガス流(C)を導く流体管路を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのガス回路(23、24)は、前記分析ガス流(B)を前記ドリフト検出器(22)の前記入口端(220)へと注入する前に、前記分析ガス流(B)の成分を互いにクロマトグラフィーで分離する分離カラム(231)を備えることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記分離カラム(231)は、0.5mから5mの間の長さを有する前記分析ガス流(B)を導く毛管路を形成することを特徴とする、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記患者の息から採取された前記サンプリングガス流(A)を導くサンプリングガス回路(25)及びバルブデバイス(230)を備え、前記少なくとも1つのガス回路(23、24)は、前記サンプリングガス流(A)の試料を前記分析ガス流(B)へと注入する前記バルブデバイス(230)によって前記サンプリングガス回路(25)に接続可能であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記サンプリングガス回路(25)は、少なくとも部分的にPTFEででき、前記サンプリングガス流(A)を導く流体管路を備えることを特徴とする、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのガス回路(23、24)は、前記分析ガス流(B)を前記ドリフト検出器(22)の前記入口端(220)に向かって圧送する第1のポンプデバイス(232)を備えることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのガス回路(23、24)は、前記ドリフトガス流(C)と前記分析ガス流(B)との統合されたガス流(B+C)を圧送する第2のポンプデバイス(240)を備えることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
患者(4)の呼気中の物質濃度を同定及び/又は測定する方法であって、
前記患者(4)の前記呼気からサンプリングガス流(A)を得ることと、
測定装置(20)によって前記サンプリングガス流(A)のイオン移動度分光分析測定を実施することと、
を含み、前記測定装置(20)は、ドリフト検出器(22)と、該ドリフト検出器(22)に接続され、前記サンプリングガス流(A)の試料を注入可能な分析ガス流(B)を、前記ドリフト検出器(22)の入口端(220)に向かって導き、及び/又はドリフトガス流(C)を、前記ドリフト検出器(22)の出口端(221)に向かって導く少なくとも1つのガス回路(23、24)とを備え、ここで、前記少なくとも1つのガス回路(23、24)は、前記分析ガス流(B)及び/又は前記ドリフトガス流(C)を濾過するフィルター材料(26)を含むモレキュラーシーブフィルター(233、241)を備え、
前記フィルター材料(26)がゼオライトNaYを含み、および、
前記少なくとも1つのガス回路(23、24)は、前記分析ガス流(B)及び/又は前記ドリフトガス流(C)を閉鎖ループで導く閉鎖回路を形成し、前記分析ガスおよび前記ドリフトガスはそれぞれ、前記ドリフト検出器(22)を通過した後かつ該ドリフト検出器(22)に再び注入される前に、関連するモレキュラーシーブフィルター(233、241)により清浄化されることを特徴とする
方法。
【請求項14】
前記測定装置(20)によって測定された前記物質濃度は、前記患者の息中の麻酔薬の濃度を示すことを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の患者の呼気中の物質濃度を同定及び/又は測定するシステム、並びに患者の呼気中の物質濃度を測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシステムは、患者の呼気から得られたサンプリングガス流のイオン移動度分光分析測定を実施する測定装置を含む。本明細書における測定装置は、ドリフト検出器と、ドリフト検出器に接続され、サンプリングガス流の試料を注入可能な分析ガス流を、ドリフト検出器の入口端に向かって導き、及び/又はドリフトガス流を、ドリフト検出器の出口端に向かって導く少なくとも1つのガス回路とを備える。本明細書では、少なくとも1つのガス回路は、分析ガス流及び/又はドリフトガス流を濾過するフィルター材料を含むモレキュラーシーブフィルターを備える。
【0003】
機械的人工換気は、例えば手術センターでの従来の全身麻酔処置において、又は病院の集中治療室での重症患者のための長期鎮静処置の間に使用される。このような全身麻酔処置の状況では、患者に気管内カテーテルが挿管されて、一方では換気がもたらされ、他方ではガス状麻酔薬が投与される。
【0004】
ガス状麻酔薬を使用する吸入麻酔処置の代替として、静脈麻酔の状況では、プロポフォール等の麻酔薬が、例えば、いわゆる全静脈麻酔(TIVA)処置の状況で患者に静脈内投与される。このような静脈麻酔は、例えば集中治療室での長期鎮静処置のためにも好ましい場合がある。
【0005】
特に、例えば麻酔薬としてプロポフォールを使用する静脈麻酔の状況では、患者の体内の麻酔薬の濃度及び特に麻酔薬の影響に関するその関連する効果を監視することができることに大きな関心が寄せられている。一般に、患者の呼気中の麻酔薬及び関連物質の存在及び濃度を監視することによって、患者の体内の薬物濃度に関する結論を導き出すことができる。適切なモデリング、例えば薬物動態/薬力学モデルを使用して、呼気中の薬物濃度から患者の体内の薬物濃度を予測することができる。しかしながら、そのような予測には、一方では正確なモデルが必要とされ、他方では呼気中の物質濃度の正確な測定が必要とされる。
【0006】
特に、プロポフォール等の麻酔薬を使用する場合に、麻酔処置の間の監視のための患者の呼気中の物質の検出には、ガスクロマトグラフィーイオン移動度分光分析(GC-IMS)を使用することが提案されている。イオン移動度分光分析においては、ガス試料の成分がイオン分子反応によってイオン化され、ドリフト検出器のドリフト電界内に注入される。ドリフト検出器にかなりの電界強度、例えば数百ボルト毎センチメートルを印加することにより、イオン化された成分は、イオン化された成分の到達時に測定信号を生成するように構成されている検出器に向かって駆動される。イオン化された成分はドリフト検出器中を移動する間に、同じドリフト検出器中であるが反対方向に貫流するため、例えばイオン化された成分にとってその形状及び断面積に応じて効果的に障害となるドリフトガスに起因する反力に見舞われる。
【0007】
一般に、ドリフト検出器を通じたイオン化された成分のドリフト時間は、印加された電圧、ドリフト検出器内の温度及び圧力、イオン化された成分の質量、それらの形状及び電荷等に依存するため、異なる成分は異なる速度を示し、したがって異なるドリフト時間でドリフト検出器中を移動することとなる。したがって、異なるイオン化された成分は、異なる時間で検出器に到達するため、時間的に分離された異なるイオン化された成分に関連する信号を検出器で検出することができ、ガス試料の異なる成分に関連するピークを含む、いわゆるドリフトスペクトル(ドリフト時間にわたる信号強度)がもたらされる。
【0008】
GC-IMSにおいては、イオン移動度分光分析がガスクロマトグラフィーと組み合わされ、そこでは分析ガス流をドリフト検出器に注入する前に、分析ガス流はキャピラリーカラムを形成する分離カラム中に導かれ、分離カラム内で分析ガス流の異なる成分が互いに分離される。それというのも、異なる成分は、その化学的特性のため異なる移動時間(特定の成分が分離カラム中に留まる時間を示す、いわゆる保持時間)で分離カラム中を移動するからである。ガスクロマトグラフィーによって、分析ガス流の異なる成分が異なる時間でドリフト検出器中に入るため、ドリフト検出器に入る前に成分が分離され、それにより成分の特異性、ひいては測定されたドリフトスペクトルにおける成分の同定が改善される。
【0009】
ガスクロマトグラフィーイオン移動度分光分析(GC-IMS)システムは、例えば、特許文献1及び特許文献2から知られている。
【0010】
患者の息中の対象物質、例えば麻酔薬、特にプロポフォールの濃度を求めるために、対象物質に関連するドリフトスペクトルのピークを同定することができ、ピークの高さから、患者の呼気から採取されたガス試料中の対象物質の濃度に関して結論を導き出すことができる。一般に、適切な較正を使用して、ピークの高さを対象物質の濃度に関連付けることができるため、ピークの高さから濃度を直接評価することができる。
【0011】
しかしながら、濃度値は一般的に10億分率(ppb)の範囲にあるため、検出された信号が分析ガス流及びドリフトガス流中の或る特定の汚染による干渉を受ける可能性がある。したがって、濃度測定の精度は、特に分析ガス流及びドリフトガス流の汚染に関して影響を受けやすい。特に、分析ガス流もドリフトガス流も残留プロポフォール分を一切含まないことに加え、非常に低い含水量(例えば、1ppm未満)を有することを確実にする必要がある。
【0012】
このために、関連するガス流からプロポフォールを除去すると共に吸着によってガス流中の含水量を減らすのに役立つモレキュラーシーブ(モルシーブとも呼ばれる)フィルターを使用することが提案されている。
【0013】
モレキュラーシーブフィルター内には時間の経過と共に水が溜まるため、時間の経過と共にフィルターの性能が低下する可能性があることから、定期的にフィルターを交換して再生する必要がある。本明細書では、長い耐久性を有し、したがってフィルターの交換及び再生が必要となるまで、長い可使時間を提供するフィルターを使用することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】独国特許出願公告第19856784号
【文献】独国特許第10228912号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、イオン移動度分光分析、特にガスクロマトグラフィーイオン移動度分光分析(GC-IMS)を使用して正確な測定を可能にする、患者の呼気中の物質濃度を測定するシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的は、請求項1の特徴を有するシステムによって達成される。
【0017】
したがって、モレキュラーシーブフィルターのフィルター材料は、ゼオライトNaYを含む。
【0018】
したがって、フィルター材料は、完全に又は部分的にゼオライト材料、すなわちNaYでできている。
【0019】
従来から、ゼオライトは、その構造の種類を示すクラスによって分類されている。本対象のフィルター材料として使用されるゼオライト材料は、クラス「Y」に属する。
【0020】
クラス「Y」のゼオライトは、六角柱構造によって互いに連結された、いわゆるソーダライトケージからなる結晶構造を有する合成により製造された結晶性物質である。このようにして、規則的な形状及びサイズの細孔が形成され、最も大きな細孔は、およそ0.7nmに対応するおよそ7Å(オングストローム)の直径を有する。
【0021】
「Na」はゼオライトの構造の改質を示し、NaYは「Na型のゼオライトY」としても表される。NaY内では、ナトリウムイオンは、Yゼオライトの結晶構造内に埋め込まれている。
【0022】
本文脈におけるNaYは、種々の形で、例えば、結合剤含有の粒状物又は結合剤不含の粒状物(後者の場合、NaY BFKとしても表される)の形でフィルター材料として使用され得る。
【0023】
例えば粒状物の形状のNaYを含む又はNaYからなるフィルター材料は、例えば20%から30%の間で、例えば約25%で水を吸着するためのかなり大きな動的吸着容量を示す。
【0024】
NaYフィルター材料は、約7Åに対応する0.6nmから0.8nmの間の、例えば、0.7nmの細孔サイズを有し得る。
【0025】
NaYフィルター材料を用いることで、驚くべきことに、対象物質、特にプロポフォールの除去だけでなくガス流からの水の除去も効率的に達成することができ、該フィルター材料により、大きな水吸着容量を有するフィルターの構築の可能性がもたらされ、したがって、長い可使時間、例えば1年より長い可使時間を可能にするフィルターが提供されることが判明した。
【0026】
モレキュラーシーブフィルターは、例えば、1cmから10cmの間の範囲、例えば、3cmから6cmの間の範囲の直径を有する円柱形を有し得る。このフィルターは、例えば、10cm~20cmの長さであってもよく、ここで、モレキュラーシーブフィルターは、フィルター材料を取り囲む、例えば、ステンレス鋼材料でできたハウジングを備える。フィルターの体積は、NaYフィルター材料で充填されており、運転中に濾過されるべきガス流をフィルター材料に通過させることで、ガス流から水及び所望の対象物質、特にプロポフォールが除去される。
【0027】
一実施の形態では、少なくとも1つのガス回路は、(単独に)分析ガス流が導かれる部分、及び分析ガス流とドリフトガス流との統合されたガス流が導かれる部分の両方にモレキュラーシーブフィルターを備え、ここで、各モレキュラーシーブフィルターは、関連するガス流を濾過するNaYフィルター材料を含む。本明細書では、少なくとも1つのガス回路は、例えば、有機化合物に関して分析ガス流の更なる濾過を提供するために、別のフィルターデバイス、例えば、チャコールフィルターを更に備え得る。
【0028】
一実施の形態では、少なくとも1つのガス回路は、少なくとも部分的にPTFE材料ででき、分析ガス流及び/又はドリフトガス流を導く1つ又は複数の流体管路を備える。流体管路は完全にPTFE材料でできていてもよく、又は流体管路はPTFE材料のコーティングを備えてもよく、したがって、流体管路の内側で水滴の形成は防止される。流体管路は、例えば1mmから3mmの間の範囲、例えば2mmの内径を有し得る。
【0029】
一実施の形態では、分析ガス流を導くように具体化された少なくとも1つのガス回路の一部は、分析ガス流をドリフト検出器の入口端に注入する前に、分析ガス流の成分を互いにクロマトグラフィーで分離する分離カラムを備える。したがって、イオン移動度分光分析をガスクロマトグラフィーと組み合わせることで、分析されるべきガス流の成分の顕著な分離が提供される。ドリフト検出器に注入される前に、分析ガス流は、例えば、0.5mから5mの間の、例えば、約1mの毛管路長を有する分離カラムを通過する。例えば、分離カラムの毛管路を形成する内壁は、分離カラム内の異なる成分の異なる保持時間を提供する液相を含むため、分析ガス流の異なる成分は、分離カラム中を移動するのに異なる時間を必要とする。したがって、分析ガス流の異なる成分が異なる時間でドリフト検出器に注入されるため、これらの成分はドリフト検出器に注入する前に既に分離されている。ドリフト検出器中を移動し、更にドリフト検出器内で分離されると、ドリフト検出器の出口端にある適切な検出回路によって異なる成分が検出されることから、分析ガス流内の異なる成分の検出と、対象物質、特にプロポフォールに関連する検出信号のピークのピーク高さを測定することによる濃度の測定とが可能となる。
【0030】
分離カラムは、有利には、分析ガス流の異なる成分間の保持時間、特に水(HO)及びプロポフォールの保持時間に適切な差を与えるために、予め規定された温度、特に80℃を上回る、例えば85℃を上回る温度に加熱される。
【0031】
ガスクロマトグラフィーをイオン移動度分光分析と組み合わせて使用することにより、迅速な測定時間を達成することができ、例えば、患者の息中の対象物質、特にプロポフォールの濃度の信頼性の高い測定が1分間を下回る測定時間で可能となる。
【0032】
一実施の形態では、上記システムは、患者の息から採取されたサンプリングガス流を導く追加のサンプリングガス回路を備える。サンプリングガス流から試料が採取され、バルブデバイスによって分析ガス流へと注入され、ここで、バルブデバイスは、バルブデバイスを介して少なくとも1つのガス回路をサンプリングガス回路に接続することによって、サンプリングガス流の試料(例えば、1ccmの体積を有する)を分析ガス流へと注入することができるように切り替え可能である。
【0033】
一実施の形態では、サンプリングガス回路も、少なくとも部分的にPTFE材料ででき、サンプリングガス流を導く1つ又は複数の流体管路を備え、ここで、サンプリングガス回路は、例えば、患者の換気を提供するカテーテルデバイスに接続されている。流体管路は完全にPTFE材料でできていてもよく、又は流体管路はPTFEコーティング等を備えてもよい。
【0034】
一実施の形態では、少なくとも1つのガス回路は、分析ガス流をドリフト検出器の入口端に向かって圧送する第1のポンプデバイスを備える。該ポンプデバイスは、例えば、膜ポンプであり得る。第1のポンプデバイスは特に、分析ガス流の流れ方向に沿って見たときに少なくとも1つのガス回路内で分離カラムに先行する位置に配置されていてもよく、こうして、第1のポンプデバイスは、分離カラムを通じてドリフト検出器の入口端に向かって分析ガス流を動かす圧力を起こす。
【0035】
一実施の形態では、少なくとも1つのガス回路は、ドリフトガス流と分析ガス流との統合されたガス流を圧送する第2のポンプデバイスを備え、ここで、第2のポンプデバイスも、例えば膜ポンプである。膜ポンプによって、統合されたガス流は、特にスプリッターに向かって圧送され、スプリッターは、統合されたガス流を分析ガス流とドリフトガス流とに分流し、その後にドリフトガス流は、ドリフト検出器の出口端に向かって導かれ、入口端でドリフト検出器中に注入される分析ガス流に由来するイオン化された成分と反対の方向でドリフト検出器を通じてドリフトする。ドリフト検出器を通じてドリフトするドリフトガス流は、有利には清浄空気から構成されている。
【0036】
一実施の形態では、少なくとも1つのガス回路は、分析ガス流、或いはドリフトガス流を導く閉回路を形成する。したがって、分析ガス流及びドリフトガス流は、少なくとも1つのガス回路を閉ループで貫流するため、特に外部供給源からのガス回路内へのガスの供給は必要とされない。それぞれのガス流はガス回路を閉ループで貫流し、ここで、それぞれのガスは、ドリフト検出器中を通過した後にドリフト検出器に再び注入される前に、関連するフィルターデバイスによって清浄化される。本明細書では、分離カラムを通過する前でかつドリフト検出器へと注入する前に、呼気の試料ガスの試料を分析ガス流へと注入することで、試料中の物質濃度が測定される。
【0037】
上記システムによって、1つ又は複数のドリフトスペクトルに関連する特性値を求めることができ、次いで該特性値を適切な較正を用いて使用することで、ガス試料中の物質濃度を示す濃度推定値を出力することができる。1種以上の対象物質は特に、少なくとも1種の麻酔薬、例えばプロポフォールであり得るため、上記システムは、麻酔薬が患者に静脈内投与され、患者の呼気のガス試料に対してイオン移動度分光分析を使用することで患者の体内の麻酔薬の濃度が監視される麻酔処置又は鎮静処置、例えば麻酔処置の間の監視を提供するために特に適切であり得る。
【0038】
このために、ガス試料を連続的に又は定期的に採取して、患者の呼気中の少なくとも1種の麻酔薬、特にプロポフォールの1つ以上の濃度を監視することができる。
【0039】
また、本発明の目的は、患者の呼気中の物質濃度を測定する方法であって、上記患者の上記呼気からサンプリングガス流を得ることと、測定装置によって上記サンプリングガス流のイオン移動度分光分析測定を実施することとを含み、上記測定装置は、ドリフト検出器と、該ドリフト検出器に接続され、上記サンプリングガス流の試料を注入可能な分析ガス流を、上記ドリフト検出器の入口端に向かって導き、及び/又はドリフトガス流を、上記ドリフト検出器の出口端に向かって導く少なくとも1つのガス回路とを備え、ここで、上記少なくとも1つのガス回路は、関連するガス流を濾過するフィルター材料を含むモレキュラーシーブフィルターを備える、方法によって達成される。本明細書では、上記フィルター材料は、ゼオライトNaYを含む。
【0040】
システムについて上記で記載された利点及び有利な実施の形態は、方法にも等しく当てはまり、そのため、方法についての利点及び有利な実施の形態は、上記を参照するものとする。
【0041】
以下、本発明の根底にある構想を、図面に示す実施形態に関してより詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】気管内カテーテルと患者に換気を提供する換気システムとを備えるシステムの概略図である。
図2A】GC-イオン移動度分光分析を使用することにより、患者の呼気から採取された試料について経時的に記録された複数のドリフトスペクトルのグラフ図である。
図2B図2Aのドリフトスペクトルから得られた統合されたドリフトスペクトルのグラフ図である。
図3】患者の呼気中の物質濃度を測定するシステムの配置図の概略図である。
図4】関連するガス流を濾過するフィルターデバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、例えば麻酔処置の状況で一般的に使用され得るシステムの実施形態を示している。
【0044】
例えば、静脈麻酔処置では、プロポフォールの麻酔薬が患者4に静脈内投与され、したがって患者の血流に入る。患者の体内の麻酔物質の濃度を監視するために、気管内カテーテル1の接続部品11にサイドストリーム配置で接続されたガス検知器2は、患者4の換気を提供する換気システム3に接続されている場合がある患者4の気管40に挿入された気管内カテーテル1のカテーテルチューブ10を介して患者の肺41から採取されたガス流中の薬物濃度を連続的又は定期的に測定する。したがって、そのような濃度測定によって、患者4の呼気中の物質濃度の監視を実施することができることから、例えば、適切な薬物動態/薬力学モデル等を使用して、患者の体内の麻酔物質の濃度に関する結論を導くことが可能となる。
【0045】
一実施形態では、ガス検知器2は、処理デバイス21及び測定装置20を備え、ここで、測定装置20は、気管内カテーテル1の接続部品11にポート110で接続されたサイドストリーム管路12を介して採取されたガス試料に対してイオン移動度分光分析測定を行うように設計されている。
【0046】
サイドストリーム管路12によって、接続部品11中を貫流するガス流からガス試料を連続的又は周期的に採取することができる。患者4の呼気から採取されたガス試料中の対象物質の濃度を測定するために、ガス試料の成分をイオン化し、ドリフト検出器へと注入し、ドリフト検出器を通じて、例えば1センチメートルのドリフト当たり100ボルトを上回る又は更に数百ボルトのかなりの電圧によって検出器に向かって成分が駆動されるイオン移動度分光分析を使用する。検出器によって、イオン化された成分が検出器に到達し、検出器で低電圧信号を生ずることにより生成された測定信号が得られる。異なる成分は、ドリフト検出器を通じて異なるドリフト速度を示すため(例えば、ドリフト検出器中の温度及び圧力、成分の質量、並びに成分の形状及び電荷に応じて)、異なる成分は異なるドリフト時間で検出器に到達し、こうして、異なる成分の異なるドリフト時間に関連してピークが生ずるドリフトスペクトルがもたらされる。したがって、対象物質に関連する特定の成分に関連するピークでの信号強度から、ガス流から採取されたガス試料中の対象物質の濃度に関して結論を導き出すことができる。
【0047】
ガス試料中の物質濃度に関して結論を導き出すために、ドリフトスペクトルに関連する特性値が求められ、このような特性値により、(例えば、初期較正段階で濃度値の範囲に対して特性値の範囲を較正することによって)濃度推定値を推測することができる。しかしながら、イオン移動度分光分析から得られた記録されたデータは、一般にノイズを受けやすいため、ドリフトスペクトルにおける対象物質に関連するピークの高さ等の特性値を十分な精度で正確に求めることは更なる苦もなく可能ではない場合がある。
【0048】
図2A及び図2Bは、ガス検知器2の測定装置20を使用したイオン移動度分光分析測定によって得られた記録されたドリフトスペクトルSの一例を示している。図2Aはここで、患者4の呼気から採取された試料について経時的に記録された複数のドリフトスペクトルSを示し、特に、対象物質、本件ではプロポフォールに関連するピークが、測定されたドリフトスペクトルSにおいて経時的にどのように展開するかを示している。図2Bは、図2Aのドリフトスペクトルから(例えば、総和によって)得られた統合されたドリフトスペクトルSを示している。図2Bに見られるように、得られるドリフトスペクトルSは、様々なピーク、すなわちガス試料の異なる成分に関連する異なるピーク、例えばプロポフォールに関連する対象ピークPを含む。
【0049】
図3は、イオン移動度分光分析情報をガスクロマトグラフィーと組み合わせて使用する(いわゆるGC-IMS)ことによって、患者の呼気の試料中の対象物質、特にプロポフォールの濃度を測定する測定装置20及び処理デバイス21を備える検出デバイス2の配置図の一実施形態を示している。
【0050】
測定装置20は、異なるガス流をドリフト検出器22から及びドリフト検出器22に向かって導くガス回路を備える。
【0051】
サンプリングガス回路25は、流体管路251によって、患者4(図1を参照)の呼気のサイドストリームをカテーテルデバイス1のサイドストリーム管路12を通って検出デバイス2に向かって導くのに役立ち、ここで、サンプリングガス回路25は、例えば、サンプリングガス回路25を通じてサンプリングガス流Aを輸送する膜ポンプの形状のポンプデバイス250を備える。
【0052】
サンプリングガス回路25は、バルブデバイス230によって、分析ガス回路23に接続可能であり、ここで、バルブデバイス230は、サンプリングガス回路25中を貫流するサンプリングガス流A(例えば、1ccmの体積を有する)の試料が、分析のために分析ガス回路23へと注入され得るように切り替え可能である。
【0053】
分析ガス回路23は、流体管路235によって、分離カラム231を通じて分析ガス流Bを分離カラム231からドリフト検出器22に向かって導くことで、ドリフト検出器22へと入口端220で注入される。ドリフト検出器22へと入口端220で注入される際の分析ガス流Bの成分B’は、イオン化放射線によってイオン化され、ドリフト検出器22に印加される電圧によって駆動され、ドリフト検出器22を通じて出口端221に向かってドリフトし、その時点でイオン化された成分B’の到達時間が適切な検出回路によって登録されて、図2に示されるようなドリフトスペクトルが得られ、処理デバイス21によって分析される。
【0054】
分離カラム231は、ドリフト検出器22へと注入する前に、分析ガス流Bの成分の分離をもたらす。分離カラム231は、例えば、0.5mから5mの間の、例えば1mの範囲の長さを有し、例えば0.1mmから1mmの間の、例えば約0.5mmの内径を有するキャピラリーカラムを形成することによってガスクロマトグラフィーをもたらす。キャピラリーカラム内に、キャピラリーカラム内の成分の保持をもたらす液相が供給され、ここで、液相はキャピラリーカラム内の異なる成分に対して異なる保持時間を生ずるため、成分は、保持時間が異なるため異なる時間で分離カラム231から出てくる。
【0055】
したがって、分析ガス流Bがドリフト検出器22へと注入されると、分析ガス流Bの関連する成分B’は、既に時間で分離されており、ここで、イオン化及び駆動電圧によるドリフト検出器22を通じたドリフトにより、成分B’の更なる分離がもたらされ、その後に、イオン化された成分B’は、処理回路21と接続した出口端221で適切な検出回路によって検出可能である。
【0056】
分析ガス流Bのそのようなイオン化されていないガス部分は、入口端220でドリフト検出器22から出て、ドリフトガス回路24中に入り、そこで分析ガス流Bはドリフトガス流Cと共に導かれる。ドリフトガス回路24によって、分析ガス流Bとドリフトガス流Cとの統合されたガス流は、分析ガス流Bとドリフトガス流Cとを分流するスプリッター243に向かって導かれ、ここで、清浄空気の形のドリフトガス流Cは、ドリフト検出器22の出口端221に向かって導かれ、ドリフト検出器22へと出口端221で注入され、こうして、ドリフトガス流Cは、印加された電界によって駆動されるドリフト検出器22を通じてドリフトする分析ガス流Bのイオン化された成分B’と反対方向でドリフト検出器22中を貫流することで、ドリフト検出器22内のイオン化された成分に対して(一定の)向流がもたらされる。ドリフトガス回路24は、分析ガス流Bとドリフトガス流Cとの統合されたガス流を駆動する膜ポンプの形状のポンプデバイス240と、モレキュラーシーブフィルターの形状のフィルターデバイス241とを備える。流体管路242は、統合されたガス流をドリフト検出器22に向かって及びドリフト検出器22から導くのに役立ち、ここで、ドリフトガス流Cは、スプリッター243を介してドリフト検出器22の出口端221に向かって流れ、ドリフト検出器22へと注入される。
【0057】
スプリッター243によってドリフトガス流Cから分離された後に、分析ガス流Bは、膜ポンプの形状のポンプデバイス232によってフィルターデバイス233、234を通じて駆動され、ここで、フィルターデバイス233はモレキュラーシーブフィルターの形状であり、フィルターデバイス234はチャコールフィルターの形状であり、分析ガス流Bから水及び物質、特にプロポフォールが取り除かれる。次いで、分析ガス流B(ここでは、実質的に清浄な空気として存在している)は、もう一度バルブデバイス230に入り、バルブデバイス230を介してサンプリングガス流Aの試料は、分析ガス流Bへと注入可能である。
【0058】
システムの流体管路235、242、251はそれぞれ、完全に又は少なくとも部分的にPTFE材料でできていてもよい。例えば、流体管路235、242、251は、完全にPTFE材料からできていてもよい。あるいは、流体管路235、242、251は、それらの内側にPTFEコーティングを備えていてもよい。このような材料の選択により、流体管路235、242、251内での水滴の形成を防止することができる。
【0059】
分析ガス回路23内で、分析ガス流Bが清浄化されてから、バルブデバイス230を通じて流れるため、サンプリングガス流Aの(別の)試料が採取されて、分離カラム231及びドリフト検出器22によって分析される。特に、サンプリングガス流Aの別の試料を分析ガス流Bへと注入する前に、分析ガス流Bから水及び対象物質、すなわちプロポフォールが取り除かれるため、分析ガス流Bは、バルブデバイス230を通じて流れる前に水及びプロポフォールを実質的に含まない。これは、患者4の息中のプロポフォール濃度を示す分析ガス流B中のプロポフォール濃度の正確な測定結果を得るために必要である。
【0060】
さらに、ドリフトガス流Cも、水及び対象物質、すなわちプロポフォールを実質的に含まないはずである。
【0061】
このために、分析ガス回路23及びドリフトガス回路24の両方は、図4に概略的に示されるように、モレキュラーシーブフィルターの形状のフィルターデバイス233、241を備え、ここで、フィルターデバイス233、241は、例えば、NaYを含む又はNaYからなるフィルター材料26を含むステンレス鋼材料でできたハウジング260を備える。
【0062】
ゼオライトNaYフィルター材料26は、それぞれのガス流から水及びプロポフォールの除去をもたらし、大きな水吸着容量を示すため、フィルターデバイス233、241の交換までのかなり長いシステムの可使時間を可能にする。
【0063】
ゼオライトNaYは粒状物の形状で使用することができ、ここで、結合剤含有の粒状物又は結合剤不含の粒状物(NaY BFK)を使用することができる。
【0064】
特に、そのようなフィルター材料を使用することによって、それぞれのガス流中の含水量が1ppm(part per million)未満に留まり、対象物質(プロポフォール)が、それぞれのガス流から実質的に完全に除去されるようにすることができる。
【0065】
モレキュラーシーブフィルターは、図4に示されるように、例えば1cmから10cmの間の、特に3cmから6cmの間の直径D及び、例えば10cmから20cmの間の長さLを有する円柱形状を有する。フィルターデバイスの体積はフィルター材料26で充填され、ここで、フィルターの寸法D、Lは、所望のフィルター性能を得るために必要とされる体積に従って選択される。
【0066】
図3に示される実施形態では、分析ガス回路23及びドリフトガス回路24は、閉回路を表す統合されたガス回路として形成される。本明細書における分析ガス回路23の分離カラム231は、80℃を超える温度、有利には85℃を超える温度まで加熱されるため、分離カラム231によって形成されるキャピラリーカラム内で成分の効果的な分離がもたらされる。
【0067】
本発明の基礎を成す着想は上記の実施形態に限定されず、全く異なる様式で実現されてもよい。
【0068】
提案された設計によって、患者の息中の対象物質、特にプロポフォールの濃度の測定を1分未満の測定時間で可能にするため、例えば麻酔処置の状況でオンラインの検査及び制御を可能とする小型のシステムを提供することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 気管内カテーテル
10 カテーテルチューブ
11 接続部品
110 ポート
12 サイドストリーム管路
2 検知器
20 測定装置
21 処理デバイス
22 ドリフト検出器
220、221 端
23 分析ガス回路
230 バルブデバイス
231 分離カラム
232 ポンプデバイス
233 フィルターデバイス(モルシーブフィルター)
234 フィルターデバイス(チャコールフィルター)
235 管路
24 ドリフトガス回路
240 ポンプデバイス
241 フィルターデバイス(モルシーブフィルター)
242 管路
243 スプリッター
25 サンプリングガス回路
250 ポンプデバイス
251 管路
26 ゼオライトフィルター材料
260 ハウジング
3 換気システム
4 患者
40 気管
41 肺
A サンプリングガス流
B 分析ガス流
B’ イオン化された成分
C ドリフトガス流
D 直径
L 長さ
P 対象ピーク(プロポフォール)
S ドリフトスペクトル
図1
図2A
図2B
図3
図4