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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-13
(45)【発行日】2023-09-22
(54)【発明の名称】自動薬物調合器のための廃棄物容器
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20230914BHJP
   A61J 1/20 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
A61J3/00 312
A61J1/20 314C
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022072396
(22)【出願日】2022-04-26
(62)【分割の表示】P 2019552100の分割
【原出願日】2018-03-23
(65)【公開番号】P2022090136
(43)【公開日】2022-06-16
【審査請求日】2022-05-26
(31)【優先権主張番号】62/476,690
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オダ、トッド
(72)【発明者】
【氏名】ファードウズ、デレク エス.
(72)【発明者】
【氏名】フラウスト、トマス
(72)【発明者】
【氏名】フェイス、レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】メイソン、ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン、モーガン
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0253269(US,A1)
【文献】特表2015-503964(JP,A)
【文献】特表2010-525868(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0087868(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
A61J 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジであって、
少なくとも1つの希釈剤ポート、廃棄物ポート、及び受容容器ポートに流体結合された複数の制御可能流体経路と、
前記カートリッジに装着されたバックパックであって、前記廃棄物ポートに結合された廃棄物容器を備えるバックパックと、を備える、カートリッジと、
前記受容容器ポートに流体結合されるようにシリンジを保持するように構成されたシリンジ保持部であって、1つのエア・イン・ライン・センサ、及び振動デバイスを備える、シリンジ保持部と、
前記バックパックと前記カートリッジとの間に設置される構造と、
を備える、調合器システムであって、
前記構造は、実質的に平坦であり、前記カートリッジ及び前記バックパックをカルーセルにラッチするように構成され、
前記構造は、前記バックパックの前記上部から延在する1つ又は複数の突起を備え、
前記1つ又は複数の突起は、前記カートリッジ及び前記バックパックがカルーセル内に押し込まれたときに、前記カルーセルの傾斜構造により、圧縮されるように構成される、調合器システム。
【請求項2】
前記シリンジ保持部は、前記シリンジ保持部を重量フックに吊り下げるための開口を備える、請求項1に記載の調合器システム。
【請求項3】
前記シリンジ保持部は、調整可能なシリンジ・プランジャ・ストッパを更に備える、請求項1に記載の調合器システム。
【請求項4】
ポンプ・ヘッドと、前記ポンプ・ヘッドのための使い捨てプラスチック・カバーとを更に備える、請求項1に記載の調合器システム。
【請求項5】
前記使い捨てプラスチック・カバーは、1つ若しくは複数の分離タブを備える、請求項4に記載の調合器システム。
【請求項6】
前記廃棄物容器は、膨張可能廃棄物バッグを備え、前記バックパックは、前記廃棄物バッグのための筐体を備え、前記廃棄物バッグは、前記筐体の1つ又は複数の部分内へと膨張するように構成される、請求項1に記載の調合器システム。
【請求項7】
前記バックパックは、前記カートリッジの前記受容容器ポートを受容容器に結合するように構成されたチュービングを更に備える、請求項6に記載の調合器システム。
【請求項8】
前記チュービングは、前記筐体の一部分によって格納されるように構成されたピッグテール・チュービングを備える、請求項7に記載の調合器システム。
【請求項9】
前記バックパックは、前記筐体を画定する部分を有するハウジングを備え、前記ピッグテール・チュービングは、前記ピッグテール・チュービングが延伸されていない構成において、前記筐体を画定する前記ハウジングの前記部分の周りに外側から巻かれるように構成される、請求項8に記載の調合器システム。
【請求項10】
前記ピッグテール・チュービングは、前記廃棄物バッグとともに前記バックパックの前記筐体内に格納されるようにコイル状になるように構成される、請求項8に記載の調合器システム。
【請求項11】
前記廃棄物容器は、前記バックパックから取り外し可能である、請求項1に記載の調合器システム。
【請求項12】
前記廃棄物容器は、膨張した構成において前記バックパック内の1つ又は複数の空洞の形状に一致する1つ又は複数の膨張可能部分を含む、請求項1に記載の調合器システム。
【請求項13】
前記1つ又は複数の膨張可能部分は、前記廃棄物容器の第1の側部に形成され、前記廃棄物容器は、前記廃棄物容器の反対側の第2の側部に流入口ポートを備える、請求項12に記載の調合器システム。
【請求項14】
前記カートリッジの上部側の突起が、前記バックパックにおける開口内に延伸して、前記上部側で前記バックパックを前記カートリッジにラッチするように構成される、請求項1に記載の調合器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年3月24日に出願され、「Automatic Drug Compounder」と題された米国仮出願第62/476,690号の優先権を主張し、その開示は、参照によって、その全体が全ての目的について本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、薬物を再構成、混合し、バイアルから受容容器に送達する装置に関する。具体的には、本開示は、閉じられたシステムの自動薬物調合器の廃棄物制御及びシリンジ機構に関する。
【背景技術】
【0003】
医薬品調合は、患者の固有の需要に合うような特定の医薬品製品の作成の実践である。実際には、調合は、典型的には、様々なツールを使用して適正な成分を組み合わせる薬剤師、技術者又は看護士によって実施される。調合の1つの一般的な形態は、粉末化された薬物製剤を特定の希釈剤と組み合わせて、懸濁された医薬品組成物を作成することを含む。このタイプの組成物は、静脈内の/非経口の投与において一般的に使用される。調合プロセス中に医薬品及び希釈剤が無菌状態に維持されることが重要であり、適切な混合特性を維持しつつプロセスを自動化することへの需要が存在する(すなわち、医薬品が溶液中に適切に混合されるが、溶液が泡立てられず、気泡が生じないように、特定の医薬品が特定のやり方で撹拌されなければならない)。使用が簡単で、頻繁に使用可能で、効率的で、信頼性が高く、ユーザによる過誤を減らす調合システムに対する需要が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
調合器システムは、希釈剤容器から薬物を収容するバイアルへと希釈剤を圧送し得、次いで、再構成された薬物を受容容器へと圧送し得る。薬剤が混合したり、又は漏れたりすることなく、各薬剤が正確に及び安全に再構成され、受容容器へと移動されることを保証するために、使い捨てカートリッジが提供され、これは、希釈剤容器及び受容容器をバイアルに結合し、バイアル及び容器へ及びそれらから流体を圧送するためにカートリッジのバルブによって制御可能な流体経路を含む。カートリッジ内のポンプ・コンポーネントは、制御可能流体経路を通って流体を移動させるように作動可能である。
【0005】
複数の調合動作からの廃棄材料の混合を防止するために、各カートリッジは、そのカートリッジを使って実施された調合動作から廃棄流体及び/又は気体を受容するように構成された使い捨て廃棄物容器を含むバックパックを備え得る。システムは、シリンジ保持部も含み得る。
【0006】
本開示の様々な態様によると、調合器システムが提供され、この調合器システムは、カートリッジであって、少なくとも1つの希釈剤ポート、廃棄物ポート及び受容容器ポートに流体結合された複数の制御可能流体経路を有するカートリッジと、カートリッジに装着されたバックパックとを含む。バックパックは、廃棄物ポートに結合された廃棄物容器を備える。
【0007】
本開示の他の態様によると、調合器システムが提供され、この調合器システムは、カートリッジであって、少なくとも1つの希釈剤ポート及び受容容器ポートに流体結合された複数の制御可能流体経路を有するカートリッジと、受容容器ポートに流体結合されるようにシリンジを保持するように構成されたシリンジ保持部とを含む。シリンジ保持部は、エア・イン・ライン・センサを備える。
【0008】
本開示の他の態様によると、調合器システムが提供され、この調合器システムは、カートリッジであって、少なくとも1つの希釈剤ポート及び受容容器ポートに流体結合された複数の制御可能流体経路を有するカートリッジと、受容容器ポートに流体結合されるようにシリンジを保持するように構成されたシリンジ保持部とを含む。シリンジ保持部は、振動デバイスを備える。
【0009】
更なる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付の図面は、開示される実施例を示し、説明とともに、開示される実施例の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の態様による調合システムの例示的な実施例の実例の正面斜視図である。
図2】本開示の態様による透明なハウジングを有する図1の調合システムの正面斜視図である。
図3】本開示の態様によるハウジングが取り外された図1の調合システムの側面図である。
図4】本開示の態様によるポンプ駆動機構の例示的な実施例の斜視図である。
図5】本開示の態様による図4のポンプ駆動機構の分解図である。
図6】本開示の態様によるグリップ・システム及びバイアル・パックの例示的な実施例を有するポンプ・ヘッド・アセンブリの斜視図である。
図7】本開示の態様による図6のポンプ・ヘッド・アセンブリ、グリップ・システム及びバイアル・パックの斜視図である。
図8】本開示の態様によるプロセスのステップの例示的な実施例を示すフロー・チャートである。
図9】本開示の態様によるカートリッジの例示的な実施例の斜視図である。
図10】本開示の態様によるカバーを有するカルーセルの例示的な実施例の斜視図である。
図11】本開示の態様による調合システムの別の例示的な実施例の正面斜視図である。
図12】本開示の態様によるハウジングの一部分が取り外された図11の調合システムの正面斜視図である。
図13】本開示の態様によるハウジングの一部分が取り外された図11の調合システムの後部斜視図である。
図14】本開示の態様による明瞭化のために様々なコンポーネントが拡大図で図示されている図11の調合システムの斜視図である。
図15】本開示の態様による図9のカートリッジの斜視図である。
図16】本開示の態様による透明なベゼルを有する図9のカートリッジの斜視図である。
図17】本開示の態様によるバックパック・アタッチメントを有するカートリッジの例示的な実施例の斜視図である。
図18】本開示の態様による透明なバックパック・アタッチメントを有する図17のカートリッジの斜視図である。
図19】本開示の態様によるポンプ・カートリッジの別の実施例の分解斜視図である。
図20A】本開示の態様による図19のカートリッジの後部平面図である。
図20B】本開示の態様による図19のカートリッジの正面平面図である。
図21】本開示の態様によるバックパックが装着された図19のカートリッジの断面斜視図である。
図22】本開示の態様による図19のカートリッジの側断面図である。
図23】本開示の態様によるバルブ及び流体流路を図示する図19のカートリッジを示す図である。
図24】本開示の態様による希釈剤の受容容器への流体通路のためのバルブ構成を図示する図19のカートリッジを示す図である。
図25】本開示の態様による再構成流体通路のためのバルブ構成を図示する図19のカートリッジを示す図である。
図26】本開示の態様による調合流体通路のためのバルブ構成を図示する図19のカートリッジを示す図である。
図27】本開示の態様による空気除去流体通路のためのバルブ構成を図示する図19のカートリッジを示す図である。
図28】本開示の態様による特定のバルブの位置を図示するチャートである。
図29A】本開示の態様による複数のポートを図示する図19のカートリッジの側断面図である。
図29B】本開示の態様による図29Aのポートのうちの1つとインターフェースし得るニードルを有する希釈剤マニフォールドの一部分の側断面図である。
図29C】本開示の態様による複数の封止部材によって形成されたポート封止を図示する図19のカートリッジの一部分の側断面図である。
図29D】本開示の態様による図29Cのカートリッジの一部分に対して圧縮される図29Bのマニフォールドの一部分の側断面図である。
図30】本開示の態様によるバイアルに隣接して設置されたカートリッジの断面斜視図である。
図31】本開示の態様による二重内腔ニードルの近傍の図19のカートリッジの一部分の側断面図である。
図32】本開示の態様による廃棄物バッグを有するバックパックの様々な実施態様の斜視図である。
図33】本開示の態様によるカートリッジに装着された例示的なバックパックの正面斜視図である。
図34】本開示の態様によるカートリッジに装着された例示的なバックパックの後部斜視図である。
図35】本開示の態様によるカートリッジから分離された、廃棄物バッグを有する例示的なバックパックの正面斜視図である。
図36】本開示の態様によるカートリッジから分離された、廃棄物バッグを有する例示的なバックパックの後部斜視図である。
図37】本開示の態様による例示的な廃棄物バッグの後部斜視図である。
図38】本開示の態様による例示的な廃棄物バッグの正面斜視図である。
図39】本開示の態様によるカートリッジの廃棄物ポートに結合された例示的な廃棄物バッグの斜視図である。
図40】本開示の態様による例示的なシリンジ保持部の斜視図である。
図41】本開示の態様による図40のシリンジ保持部の別の斜視図である。
図42】本開示の態様による図40のシリンジ保持部の後部斜視図である。
図43】本開示の態様による図40のシリンジ保持部の底部斜視図である。
図44】本開示の態様による使い捨てカバーを有するポンプ・ヘッド・アセンブリの斜視図である。
図45】本開示の態様による分離タブ(breakaway tab)を有する使い捨てカバーの図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に記載される詳細な説明は、主題の技術の様々な構成を説明するものであり、主題の技術が実践され得る唯一の構成を表すことを意図するものではない。詳細な説明は、主題の技術の完全な理解を提供することを目的として、特定の詳細を含む。故に、特定の態様に関して、非限定的な実例として寸法が提供されることがある。しかしながら、主題の技術は、これらの特定の詳細がなくても実践され得ることは当業者には明らかであろう。いくつかの場合において、よく知られた構造及びコンポーネントは、主題の技術の概念を曖昧にすることを回避するために、ブロック・ダイアグラムの形態で示される。
【0012】
本開示は、主題の技術の実例を含むが、添付の特許請求の範囲の範囲を限定するものではないことを理解されたい。ここに、主題の技術の様々な態様が、特定の、しかしながら非限定的な実例に従って開示される。本開示において説明される様々な実施例は、種々のやり方及び変形形態において、所望の適用例又は実施態様に従って実行され得る。
【0013】
本システムは、複数の特徴及び技術を備え、それらはともに、無菌環境において効率的に医薬品を再構成し得、調合された医薬品を患者に対する使用のために送達バッグへと送達し得る調合システムを形成する。
【0014】
図1は、実施例による調合器システム10を示す。図2は、透明な外側ハウジング12を有するシステム10を示し、図3は、ハウジングが取り外されたシステムを示す。システムは、10個までの個別のカートリッジ16を収容するカルーセル・アセンブリ14を備える。カルーセル14は、所望に応じて、より多くの又はより少ないカートリッジ16を保持し得る。カートリッジ16は、使い捨てであり、粉末化された薬物(又は濃縮された液体薬物)を収容するバイアル18と、複数の希釈剤と、受容容器との間の固有の流体通路を提供する。カートリッジ16は、所望に応じて、蒸気廃棄物容器への流体通路も提供し得る。しかしながら、他の実施例において、フィルタリングされた又はフィルタリングされていない無毒性廃棄物が、調合器から環境へと排出されて、廃棄物ポートの必要性を低減又は除去し得る。各カートリッジは、流体がカートリッジを通って受容容器内へと移動するときに、調合プロセスのステップ中の流体の吸入、排出、流体通路選択を制御するピストン・ポンプ及びバルブを収容する。
【0015】
カルーセル・アセンブリ14は、回転して、異なるカートリッジ16をポンプ駆動機構20と位置合わせし得るように装置に取り付けられる。カルーセル14は、典型的には、使用されたカルーセル14を取り外した後、カルーセル14を新しいカルーセル14に交換するために開かれ得るハウジング12内に封入される。示されているように、カルーセル14は、10個までのカートリッジ16を収容し得、特定のカルーセルが10回まで使用されることを可能にする。この構成において、各カルーセル・アセンブリは、例えば、実施される調合のタイプに応じて、10個から100個の受容容器をサポートし得る。例えば、有害薬物の調合については、カルーセル・アセンブリは、10個の受容容器への調合をサポートし得る。別の実例において、抗生物質又は鎮痛剤の調合など非有害薬物の調合については、カルーセル・アセンブリは100個の受容容器への調合をサポートし得る。ハウジング12は、カルーセル14の下方に位置決めされたスター・ホイール22も含む。スター・ホイール22は、医薬品のバイアル18を、カルーセル14上の特定のカートリッジ16に合わさる位置、又はそこから離間された位置へと回転させる。ハウジング12は、スター・ホイール22上の所定位置にバイアル18を装填するための開口24も含み得る。
【0016】
カルーセル14内のカートリッジ16の各々は、希釈剤及び蒸気廃棄物のための複数の経路を含む使い捨てユニットである。これらの経路は、例えば図39以下の図などを参照して詳細に説明されよう。各カートリッジ16は、受容容器(例えば、IVバッグ、シリンジ又は弾性バッグ)への接続のためのチューブが維持され得る「バックパック」も含み得る小型の、単一の使い捨てユニットである。各カートリッジ16は、カートリッジ16を通って流体及び蒸気を移動させるためのピストン・ポンプなどの圧送機構、及びバイアル18がポンプ駆動機構20によって所定位置に移動されたときにバイアル18の上部のバイアル・パック26を穿刺し得るハウジング内の二重内腔ニードルも含み得る。例えば、ニードルは、ニードルに向かって移動されるバイアル・パック26の圧縮アクションを介して、バイアル・パック26を穿刺し得る。各カートリッジ16は、複数の希釈剤マニフォールドのニードルと合致するように設計された複数のポートも含む。各カートリッジ16は、ポンプ・ヘッド・アセンブリ28から取り付け柱及びロック・バヨネットを受容する開口も含む。本明細書において、ロック・バヨネットが実例として説明されているが、カートリッジを抽出してポンプ・ヘッドにロックするために他のロック機構が使用されてよい(例えば、グリッパ、クランプなどがポンプ・ヘッドから延伸してよい)。各カートリッジ16は、ポンプ・モータ機構からのバルブ・アクチュエータが各カートリッジ16のバルブと相互作用することを可能にする開口も含む。
【0017】
バイアル18及びカルーセル14を保持するハウジング12に隣接して、図面に図示されるIVバッグ32などの少なくとも1つの容器32を保持するための装置30がある。IVバッグ32は、典型的には、ポート34及び36などの2つのポートを有する。例えば、一実施態様において、ポート34は吸入ポート34であり、ポート36は流出口ポート36である。本明細書においては、この実施態様がときに実例として論じられるが、ポート34及び36のどちらも容器32のための入力及び/又は流出口ポートとして実現されてよい。例えば、別の実施態様において、チュービング38の端部においてコネクタを受容するための流入口34が流出口ポート36に設けられてよい。図示される実施例において、IVバッグ32は保持装置30から吊り下げられ、これは、一実施例において、図1図3において示されるようにフックを有する柱である。後に更に詳細に論じられるように、希釈剤容器、受容容器又は廃棄物容器などの容器を吊り下げるためのフックのうちの1つ又は複数は、吊り下げられた容器の重量を検知及び監視する荷重計などの重量センサを備え得る。保持装置30は、IVバッグ32又は他の医薬品容器を位置決めするために必要な任意の他の形態をとってよい。IVバッグ32が保持装置30上に位置決めされると、第1のチューブ38(その一部分が図1において図示されている)が、カルーセル14上のカートリッジ16からIVバッグ32の流入口34に接続される。例えば、第1のチューブは、カートリッジに装着されたバックパックに収容され、IVバッグ32に届くように、バックパック内から(例えば、オペレータによって又は自動的に)延伸される。受容容器32の流入口34に接続するために、Texium(登録商標)コネクタなどのコネクタ37がチューブ38の端部に設けられてよい。
【0018】
調合器10の反対側には、複数のIVバッグ32又は他の容器を保持するための保持装置40のアレイがある。示されているバージョンの調合器10においては、5つのIVバッグ42、44が図示されている。これらのバッグ42のうちの3つは、生理食塩水、D5W、又は無菌水などの希釈剤を収容し得るが、当技術分野において知られる任意の希釈剤が利用され得る。アレイにおける追加的なバッグは、混合プロセスからの潜在的に有害な又は毒性の蒸気廃棄物などの廃棄物を収集するための空の蒸気廃棄物バッグ44であってよい。追加的なバッグ44は、液体廃棄物バッグであってよい。液体廃棄物バッグは、受容容器からの生理食塩水などの無毒性の液体廃棄物を受容するように構成され得る。後に更に詳細に論じられるように、液体廃棄物は、機械的ポンプを使用して専用のチュービングを介して、廃棄物バッグへと圧送され得る。動作においては、対応する容器42及び44からの希釈剤ライン及び蒸気廃棄物ラインは各々、使い捨てマニフォールドを介してカートリッジ16に接続され得る。
【0019】
調合システム10は、複数のタイプのバイアル18に装着されるように設計された特殊化されたバイアル・パック26も含む。動作においては、バイアル・パック26は、再構成の必要な薬物を収容したバイアル18の上部に置かれる。バイアル・パック26が所定の場所に置かれると、バイアル18が、調合器10のスター・ホイール22に装填される。バイアル・パック26がスター・ホイール22にある間、及び、後に調合器10が更なる処理のためにバイアル18をスター・ホイール22から取り外し得るようにバイアル・パック26が所定位置に回転されるとき、バイアル・パック26の嵌合機構が適切な位置合わせを提供する。
【0020】
実施例によるポンプ駆動機構20が図4において示され、その分解図が図5において示される。図4及び図5において図示される実施例において、ポンプ駆動機構20は、複数の区画を備える。ポンプ駆動機構20の一端部には、回転ハウジング46があり、これは、駆動電子機器回路を保持し、そのハウジング96上に柔軟性チュービング50のためのロック・フランジ94を含み、柔軟性チュービング50は、1つ又は複数の希釈剤容器及び/又は廃棄物容器から1つ又は複数の対応するマニフォールドへと延び得る。回転ハウジング46は、その軸の周りで回転可能であり、それによりポンプ駆動機構20の残りの部分を回転させる。回転ハウジング46は、その回転を可能にする軸受けリブ52をその端部に含む。例えば、ポンプ駆動機構は、180度以下まで、又は180度を超えてなど、任意の好ましい角度で回転するように構成され得る。
【0021】
調合器システムは、ポンプ駆動機構の側部に位置するスロット60に取り付けられる希釈剤マガジンも含む。希釈剤マガジンは、希釈剤ポートとして動作可能な任意の数の個別の希釈剤マニフォールドを受容するように構成された使い捨ての部品であり得る。希釈剤マニフォールドは、モジュール式であってよく、従って、互いに対して、マガジンに対して、及び/又はポンプ駆動機構20に対して、容易に及び取り外し可能に接続し得る。
【0022】
ポンプ駆動機構20は、ポンプ・ヘッド・アセンブリ28も含む。ポンプ・ヘッド・アセンブリ28は、バイアル把持アーム76と、バイアル・リフト78と、ポンプ・カートリッジ把持部80と、駆動ピン222を有するポンプ・ピストン偏心駆動シャフト82と、バルブ作動機構84と、希釈剤が追加されたときにバイアル18内の医薬品を混合するためにポンプ駆動機構20が前後に移動及び回転することを可能にするモータとを含む。調合器10は、ユーザによるデータ入力、ユーザへの通知、指示、フィードバックを提供するために、図に図示されるタッチ・スクリーン86などの入力スクリーン86も含み得る。
【0023】
次に、実施例に従って、調合器システム10の動作が、図8に示されるフロー・チャートにおいて概括的に説明される。第1のステップ88において、ユーザは、複数のマニフォールド(例えば、希釈剤マニフォールド及び廃棄物マニフォールド)を有する新しい希釈剤マニフォールド・マガジンをポンプ・ヘッド・アセンブリ28の側部のスロット60に挿入する。マニフォールドは、マガジンをスロット60に設置する前又は後に、マガジンに装填され得る。マニフォールドは、カートリッジ16が後に所定の場所にロックされるまでマニフォールドのハウジング内にニードルを維持する。マガジンは、任意の数の希釈剤マニフォールド及び蒸気廃棄物マニフォールドを収容し得る。1つの例示的なシステムにおいて、3つの希釈剤マニフォールドと1つの蒸気廃棄物マニフォールドとが存在し得る。次のステップ92において、希釈剤チュービングが、対応する希釈剤バッグに接続される。チューブは、チューブを所定の場所に保持するために調合器フレームの面(例えば前面)上のロック・フランジを介して引き回され得る。例えば、図11に示された実施例において、チューブは、調合器のフレーム上のロック・フランジ2402によって所定の場所に保持される。代替的に、当技術分野において知られる他のタイプのクリップ又はロック機構が、チューブを所定の場所に確実に保持するために使用されてよい。図4に示された実施例において、ポンプ駆動機構20の外側ハウジング96に位置決めされた追加的なフランジ94が、調合器の内部配線を固定するために設けられている。次のステップ98において、廃棄物チュービングが蒸気廃棄物バッグ44に接続され得る。他の実施例において、チュービングは、マニフォールドと、希釈剤容器及び/又は廃棄物容器などの関連付けられた容器との間に前もって結合されてよく、ステップ92及びステップ98の動作は省略されてよい。
【0024】
所望に応じて、次のステップ100において、新しいカルーセル14が、調合器システムのカルーセル・ハブなどのカルーセル取り付けステーションに装填され得る。カルーセル14は、概して円形状のアレイに配置された任意の数の使い捨てカートリッジ16を収容し得る。次のステップ110において、バイアル・パック26が、再構成のために、粉末化された又は液体の医薬品のバイアル18の上部に装着され、次のステップ112において、バイアル18はカルーセル14の下方のスター・ホイール22内に装填される。ステップ110は、複数のバイアル18をスター・ホイール22の複数のバイアル・パック凹部に装填するステップを含んでよい。1つ又は複数のバイアルがスター・ホイール内に装填された後、バイアルは所定位置まで回転されて、各バイアルのバイアル・ラベルのスキャンを可能にし、これを開始する。一実施例において、ユーザは、スキャン開始前に全てのバイアル・スロットがバイアルによって占められるまで、バイアルをスター・ホイール内に装填することができる。各バイアルの装填を検知するセンサが設けられ得、装填の検知の後、次のバイアル・パック凹部がユーザのための装填位置へと回転される。バイアル・ラベルのスキャンの前にユーザが全てのバイアルをスター・ホイール内に装填することを可能にすることによって、調合の効率を向上させることを助けている。しかしながら、他の実施態様において、各バイアルが装填された後、又はバイアルのサブセットが装填された後に、バイアル・ラベルのスキャンが実施されてよい。これらの設定ステップに続いて、次のステップ114において、ユーザが入力スクリーン上で適正な投薬量を選択する。
【0025】
入力スクリーン86上での選択の後、調合器10は動作を開始する(ステップ116)。スター・ホイール22は、バイアルを回転させてポンプ・ヘッド・アセンブリ28のバイアル把持キャリパ76と位置合わせする(ステップ118)。バイアル・パック26は、例えば、回転モータと結合された歯車とインターフェースする歯車を含み、スキャナ(例えば、バー・コード・スキャナ又は1つ又は複数のカメラ)がバイアル18上のラベルをスキャン(ステップ122)できるように、バイアル18が回転する(ステップ120)ことを可能にする。スキャナ又はカメラ(及び関連付けられた処理回路)は、バイアルのロット番号及び使用期限を判定し得る。ロット番号及び使用期限は、現在の日付及び/又はリコール、又はロット番号と関連付けられた他の指示などの他の情報と比較され得る。バイアル18がスキャンされ、位置合わせされると、次のステップ124において、ポンプ駆動機構20が所定位置まで前進し、バイアル18をキャリパ76でグリップする。また、この前進移動は、ポンプ・ヘッド・アセンブリ28の前面の取り付け柱130及びロック・バヨネット128をカートリッジ16の対応する開口と整合させ、位置合わせする。次のステップ126において、カートリッジ16は、ロック・バヨネット128によってポンプ・ヘッド・アセンブリ28上の所定の場所にロックされ、キャリパ76が、バイアル18の上部にバイアル・パック26をグリップする(ステップ132)。次いで、キャリパ76は、後方移動することによって、スター・ホイール22からバイアル18を取り外し(ステップ132)、同時に、カルーセル14からカートリッジ16を引き抜く(ステップ134)。
【0026】
いくつかの実施例において、カートリッジ16は、コイル状チューブを含むバックパックを含む。この実施例において、ステップ136において、ポンプ駆動機構20は、チューブの端部が露出するようにカートリッジ16をユーザに向けて傾け、バックパックからチューブを引き出して受容バッグ32に接続するようにユーザに促す(ステップ138)。代替的な実施例において、カートリッジ16がカルーセル14から引き離されると、チューブ38は、カルーセル14の側部において露出される。別の代替的な実施例において、チューブ38は(例えば、バックパックから外に)自動的に押し出され、それによってユーザがチューブの端部に位置するコネクタを掴んで、受容容器に接続することを可能にする。システムは、カルーセル14からチューブを引き出して、IVバッグ32の入力34に接続するようにユーザに促す(ステップ138)。チューブ38が接続されると、ステップ140において、ユーザは、入力スクリーン86と相互作用することによって、調合器10に調合プロセスを継続するように通知し得る。
【0027】
ステップ142において、カートリッジ16の同軸二重内腔ニードルなどの1つ又は複数のニードルがバイアル・パック26の上部を穿刺してバイアル18内に進入するように、バイアル18は、カートリッジ16に向かって引き上げられる。図8の実例は、ユーザがチューブをカートリッジから受容容器へと装着した後でのバイアル・パックとのニードルの係合を図示しているが、これは単なる例示である。別の実施例において、バイアル・パックとのニードルの係合が、ユーザがチューブをカートリッジから受容容器へと装着する前に行われるように、ステップ138及びステップ140は、ステップ142の後で実施されてよい。
【0028】
ステップ144において、希釈剤が、適当な投薬量で、カートリッジ16及び第1のニードルを通ってバイアル18内に圧送される。必要があれば、第2又は第3の希釈剤が、カートリッジ16に装着された第2又は第3の希釈剤マニフォールドを介してバイアル18に追加され得る。同時に、蒸気廃棄物が、バイアル18から外に、第2のニードルを通り、カートリッジ16及び蒸気廃棄物マニフォールドを通って、蒸気廃棄物バッグ44内に圧送される(ステップ144)。ポンプ・ヘッド・アセンブリ28上のバルブ・アクチュエータ84は、プロセス中に必要に応じて流体流路を変更するために、カートリッジ16のバルブを開閉する。希釈剤がバイアル18内に圧送されると、次のステップ146において、ポンプ駆動機構20は、バイアル18が右側上がりの位置と上下逆さまの位置との間で回転するように、バイアル・リフト78を例えば180度まで回転させることによって、バイアル18を撹拌する。撹拌プロセスは、再構成される医薬品のタイプに応じて、必要なだけ繰り返され得る。更には、再構成される薬物のタイプに応じて、異なる撹拌パターンが使用され得る。例えば、いくつかの薬物では、180度回転させるのではなく、バイアルの旋回撹拌を生成するために、ポンプ・ヘッドの前後及び左右の運動の組み合わせが実施されてよい。特定の薬物及び他の医療用流体のための複数のデフォルトの撹拌パターンが、調合器制御回路に記憶される(及び/又は調合器制御回路からアクセス可能な)薬物ライブラリに含まれ得る。撹拌ステップが完了すると、ポンプ駆動機構は、バイアルを上下逆さまな位置又は他の適切な位置に回転させ、所定の場所に保持する。いくつかの実施例において、既に受容容器32内にある希釈剤などの流体は、再構成される医薬剤を受容するための空間を受容容器内に得るために、液体廃棄物容器へと(例えばカートリッジを通って、又は別個の通路を介して)圧送され得る。
【0029】
次のステップ148において、バルブ・アクチュエータ84は、カートリッジのバルブの向きを変え、カートリッジ16の圧送機構が作動されて、再構成された薬物を、装着されたチューブを通って受容バッグ32内に圧送する(ステップ150)。薬物が受容バッグ32内に圧送されると、次のステップ152において、再構成された薬物の全てが受容バッグ32に提供されることを保証するために、別のバルブ調整の後、ポンプ駆動機構20は、フィルタリングされた空気又はより多くの希釈剤をチューブ38を通って受容バッグ32内に圧送することによって、チューブ38を空にする。いくつかのシナリオにおいて、シリンジが受容容器32として使用され得る。シリンジが受容容器32として使用されるシナリオにおいては、シリンジがチューブ38から取り外されたときに、再構成された薬物を患者へ送達する準備ができて、シリンジ内に空気や他の望ましくない気体が存在しないように、再構成された薬物のシリンジへの送達に続いて、ポンプ駆動機構20によってチューブ38内に真空が生成され得、シリンジ内に押し込まれたかもしれない任意の空気又は他の蒸気を除去する。
【0030】
次いで、システムは、受容容器32からチューブ38を取り外すようにユーザに促す(ステップ154)。次いで、ユーザは、コネクタ(例えば、Texium(登録商標)又はSmartSite(登録商標)コネクタ)をバックパック又はカルーセルにおけるスロット内に挿入し得、ポンプ・ヘッドにおける光学センサが、コネクタの存在を感知し得、チューブをカルーセル又はバックパック内へと自動的に引き込み得る。チューブは、どのタイプのシステムが使用されているかに応じて、カルーセル14又はバックパック内に引き戻される。次のステップ156において、調合器10は、バイアル18を回転させてスター・ホイール22と再び位置合わせし、解除する。また、使用済みのカートリッジ16はカルーセル14において交換される。使用済みカートリッジは、ポンプ駆動機構におけるセンサが、カートリッジにおいてチューブが交換されたと判定(例えば、カートリッジの窓を通じてカートリッジのバックパック内のチューブの端部にTexium(登録商標)コネクタなどのコネクタの存在を感知することによって)したときに解除され得る。次いで、カルーセル14及び/又はスター・ホイール22は、新たな未使用のカートリッジ16及び/又は新たな未使用のバイアル18へと回転し得(ステップ158)、新たな薬物に対してプロセスが繰り返され得る。いくつかの状況(例えば、同一の薬物の複数回の再構成)においては、単一のカートリッジが2つ以上のバイアルとともに2回以上使用され得る。
【0031】
カートリッジ16は、使い捨てであるように設計され、カルーセル14を交換する前に、所与のカルーセル14内の全てのカートリッジ16をユーザが利用することを可能にする。カートリッジ16が使用された後、カルーセル14は次のカートリッジ16へと回転し、システム・ソフトウェアは、カートリッジ16が使用されたことを記録するように更新することによって、他の再構成された薬物からの交差汚染を防止する。各カートリッジ16は、必要があれば、複数の希釈剤によって薬物を再構成するために必要な全ての流路、バルブ、フィルタ、及びポンプを含み、再構成された薬物を受容容器へと、蒸気廃棄物をシステム外の廃棄物容器内へと圧送し、適切な量の薬物及び希釈剤が受容容器内に存在することを確認するために最終的なQSステップを実施するように設計される。この完全なパッケージは、カートリッジ16、その流路、及びそのバルブ構成の特定の固有な構成によって可能になる。
【0032】
カートリッジ16の実施例が図9において示される。図9において図示されるように、カートリッジ16は、カートリッジ・フレーム160と、カートリッジ・ベゼル164と、ピストン・ポンプ166と、ニードル・ハウジング168と、ニードル・アセンブリ170とを含み得る。カートリッジ・フレーム160は、各カートリッジ16に対する主な支持を提供し、希釈剤チャンバ、蒸気廃棄物チャンバ、圧送チャンバ、疎水性排出口、出口ポート、及び/又は、受容容器32に接続するチューブに接続され得る、後に説明される他の機構を含む。
【0033】
カートリッジ16のフレーム160は、各カートリッジ16がポンプ・ヘッド・アセンブリ28に取り外し可能に取り付けられることを可能にする位置付け機構(locating feature)も含む。これらの機構は、例えば、ポンプ・ヘッド・アセンブリ28からの取り付け柱130を受容する3つの開口198と、ロック・バヨネット128が内部に挿入されて、カルーセル14からの取り外しのためにカートリッジ16をポンプ・ヘッド・アセンブリ28にロックするように回転されること可能にするキーホール210とを含む。いくつかの実施例において、流出口ポート延長部220が存在し得る。ピストン・ポンプ166は、シリコーン・ピストン・ブーツ内に位置決めされたロッド194によってチャンバ内に取り付けられる。更に、ベゼル164は、開口228を含み、この中には封止膜のバルブ190が位置し、バルブ・アクチュエータ84によってアクセスされる。更には、ベゼル164は、流体マニフォールドが、カートリッジ16における希釈剤及び蒸気廃棄物チャンバに接続されることを可能にする開口230を含む。後に更に詳細に論じられるように、ベゼル164は、調合が完了し、ユーザが提供されたスロットにコネクタ(例えば、Texium(登録商標)又はSmartSite(登録商標)コネクタ)を挿入するときに、コネクタの検知を容易にする開口も含み得る。動作においては、流体マニフォールドのニードルは、ベゼル164における開口230を通って進入し、封止膜を穿刺して、カートリッジ16において封止膜とカートリッジ・フレーム160との間に画定された希釈剤及び蒸気廃棄物チャンバに流体アクセスする。カートリッジ16の様々な実施例の更なる詳細は、後に論じられる。
【0034】
図10を参照すると、実施例に従った、調合器10から取り外されたカルーセル14の例示的な実施例が示される。この実施例においては、図10のカルーセル14は、10個のカートリッジ16のアレイを含むが、いくつかのカルーセル14のポケット500を空にしたまま、より多くの又はより少ないカートリッジ16がカルーセル14に存在してよいこと、又は、カルーセルのフレーム510はより多くの又はより少ないカートリッジ・ポケット500を有するように設計されてよいことを理解されたい。いくつかの実施態様において、カルーセル14は、任意選択的に、カートリッジ16の各々に結合されたチューブにユーザが直接的にアクセスすることを防止するカバー511も含み得る。これらの実施態様において、カバー511は、必要があれば、カートリッジ16の背面にアクセスするために取り外され得る。図10の例示的な実施態様において、Texium(登録商標)アタッチメント548などのコネクタは、各カートリッジ16に隣接して設置され、アタッチメント548は、各カートリッジ16の延長部220から延びるチューブ38に装着される。
【0035】
図11図14は、別の実施例による調合器10を図示する。図11において図示されるように、保持装置40は、容器42及び44の各々のための取り付けデバイスのための支持を提供する延長アームとして実現され得る。保持装置40及び保持装置30は各々、適正な量の流体が容器に追加されたか又は容器から除去されたかを判定するための、又は流体が適正な容器に及び/又は適正な容器から移送されたこと(例えば、適正な希釈剤が分注されていること)を確認するための重量測定値を提供するように構成された重量センサなどの1つ又は複数のセンサを含み得る。調合器10への装着前及び/又は装着後に各希釈剤容器及び/又は受容容器をスキャンし得るスキャナ2404が設けられ得る。図11において図示されるように、様々な実施例において、調合器10にカルーセル・カバー2400及びチューブ管理構造2402も設けられ得る。例えば、容器42及び/又は44と対応するマニフォールドとの間に接続されたチューブは各々、チューブ管理構造2402の溝内に取り付けられ得、調合器10の動作中にチューブのもつれ又は引っ掛かりを防止する。
【0036】
バイアル18をスター・ホイール内に設置することを可能にする開口が設けられ得る。加えて、無毒性の液体廃棄物を、例えば受容容器32から廃棄物容器44へと圧送するために(例えば、所望の量の生理食塩水を受容容器32から外へ、迅速に且つ液体廃棄物をカートリッジ及び/又は調合器の他の部分に通過させることなく圧送するために)、外部ポンプ2500が設けられ得る。
【0037】
いくつかの容器取り付け部を含む流体力学モジュール2504が設けられ得、容器取り付け部は、希釈剤及び廃棄物容器を吊り下げるために使用され得るとともに、容器が吊り下げられたときに感知し、及び/又は容器の重量を感知するセンサ回路を含み得る。このようにして、調合器10の動作は、正しい希釈剤容器がスキャンされ、正しい場所に吊り下げられていること、及び予期された量の廃棄物が適正な廃棄物容器に提供されていることを保証するために監視され得る。
【0038】
図12において図示されるように、ポンプ2500及びディスプレイ86が、シャーシ2600に取り付けられ得る。ポンプ駆動機構20は、部分的にシャーシ2600内に取り付けられ得、ポンプ・ヘッド・アセンブリ28は、シャーシから、ポンプ・ヘッド・アセンブリが回転する(例えば、バイアルを反転させるか又は撹拌するため)ことを可能にする位置へと延伸する。図12においては、カートリッジ取り付け凹部500が見えるようにカートリッジが取り付けられていないカルーセル14も図示されている。
【0039】
図12においては、スター・ホイール22(本明細書において、ときにバイアル・トレイとも称される)が、いくつかの空のバイアル・パック凹部2604とともに図示される。バイアル・トレイ22は回転され得、作動ドア2608が、バイアル・トレイ22のバイアル・パック凹部2604内へのバイアル18の装填を容易にするために開かれ得る。いくつかの実施例において、ドア2608は、オペレータの指が回転するトレイによって負傷する危険性がないことを保証するために、バイアル・トレイ22の回転の前に閉じられてよい。しかしながら、これは単なる例示である。他の実施例において、センサ2650(例えば、光カーテン)などのセンサが、トレイ22近傍のオペレータの存在を感知し、オペレータ又は任意の他の障害物が検知されたならばトレイの回転を防止するために、ドア2608の代わりに(又はそれに加えて)設けられてよい。
【0040】
同様に、内部に装填されたカートリッジ16の汚染を防止するために、及びカルーセルの回転によるオペレータの負傷を防止するために、カルーセル14のために蓋が設けられてよい。蓋の位置(例えば、開位置又は閉位置)を検知するために、蓋センサ(不図示)も設けられてよい。蓋センサによって閉位置に蓋が検知されなかったならば、カルーセル14の回転は防止され得る。
【0041】
挿入された各バイアル18は、バイアル・パック凹部2604内に置かれたときに、センサ2652(例えば加重センサ又は光学センサ)などのセンサを使用して検知され得る。挿入されたバイアルは、検知されると、バイアル・トレイ22を回転させることによってスキャン位置へと移動され得、次いで、装入されたバイアル18は、バイアル回転モータ2602を使用してバイアル・トレイ22における位置内で回転され得、バイアル・ラベルがスキャンされることを可能にする。
【0042】
図13において、スキャン・コンポーネントが見られる調合器10の逆方向の斜視図が図示される。特には、カメラ2700が、シャーシ2600の開口に取り付けられ、スキャン位置にあるバイアル18を見るように構成されている。モータ2602は、バイアル18を1回又は複数回にわたって完全回転させ得、それによってカメラ2700はバイアル・ラベルの画像を撮影し得る。いくつかの実施例において、カメラ2700による撮像のためにバイアル18を照らす照明デバイス2702(例えば、発光ダイオード又は他の光源)が設けられてよい。
【0043】
図13において図示されるように、モータ2602に結合された1つ又は複数の歯車2704が設けられてよく、これらは、バイアル18がスキャン位置において装着されたバイアル・パック26の対応する歯車と係合する。バイアル・トレイ22は、モータ2602が動作するときにバイアル18が回転するように、バイアル・パック歯車が回転モータ歯車と係合するように回転され得る。
【0044】
図13は、1つ又は複数のマニフォールドを収容するマガジン2706がポンプ・ヘッド・アセンブリ28の凹部にどのように取り付けられ得るかについても図示する。蒸気廃棄物マニフォールドのためのマガジン2706におけるマガジン・スロットは、そのスロット内に希釈剤マニフォールドが(又はマガジンにおける希釈剤スロット内に廃棄物マニフォールドが)偶発的に接続されることを防止するために鍵かけされ得る。マガジン2706における他の希釈剤スロットは、共通の幾何学的構造を有し得、それ故、任意の希釈剤マニフォールドが、マガジンの希釈剤スロットに嵌入し得る。マニフォールド・センサ2750(例えば、光学センサ)などの1つ又は複数のマニフォールド・センサが、ポンプ・ヘッド・アセンブリ28におけるマニフォールド凹部内に設けられてよい。マニフォールド・センサ2750は、マガジン2706におけるマニフォールド凹部(スロット)内のマニフォールドの存在(又は不在)を検知して、調合動作のために、適正なマニフォールド(例えば、希釈剤マニフォールド又は廃棄物マニフォールド)が予期される位置に装填されていることを保証するように構成され得る。このようにして、ポンプ・ヘッドは、マニフォールドの存在を検知し得る。ポンプ・ヘッド及び/又はマニフォールド・センサは、希釈剤加重センサと通信して、希釈剤マニフォールドの適切な位置決めを保証し得る。バルブ・アクチュエータ、ニードル・アクチュエータ、取り付け柱、ロック・バヨネット、及び駆動ピンなどの様々な動作コンポーネント2708も、ポンプ・カートリッジ16を固定し、動作させるように構成されるポンプ・ヘッド・アセンブリ28から延伸していることが見られる。
【0045】
調合器10は、シャーシ・ベース及びシャーシ・ハウジング、並びに内部電子機器回路アセンブリなどの追加的なコンポーネントを含み得る。ポンプ駆動機構20は、ポンプ・ヘッド・アセンブリ28がシャーシ・ハウジングから突出することを可能にするシャーシ・ハウジングにおける開口内に着座され得る。調合器システム10の動作を管理するための処理回路は、電子機器回路アセンブリ内に含まれ得る。
【0046】
カルーセル14は、カルーセル・ハブ上に置かれ得、カルーセルにおける選択されたカートリッジをポンプ駆動機構20によって抽出されて動作されるような位置に移動させるようにハブを回転させるように動作するバイアル・トレイ及びカルーセル駆動アセンブリによって回転され得る。バイアル・トレイ及びカルーセル駆動アセンブリは、バイアル・トレイ22とカルーセル14とが独立して回転され得るように、バイアル・トレイのためとカルーセルのためとの別個の駆動アセンブリを含み得る。
【0047】
図14は、実施例による、調合器10の別の斜視図を図示し、カートリッジ16が内部に取り付けられたカルーセル14、バックパック2900を有するカートリッジ16、バイアル18を取り付けるためのバイアル・パック26、複数のマニフォールド2900を収容する希釈剤マガジン2706を有するポンプ・ヘッド・アセンブリ28などの様々な特定のコンポーネントの場所がハイライトされている。調合器10の更なる特徴は、後に図15以下に関連して説明される。
【0048】
カートリッジ16は、使い捨てであるように設計され、カルーセル14を交換する前に、所与のカルーセル14内の全てのカートリッジ16をユーザが利用することを可能にする。カートリッジ16が使用された後、カルーセル14は次のカートリッジ16へと回転し、システム・ソフトウェアは、カートリッジ16が使用されたことを記録するように更新することによって、他の再構成された薬物からの交差汚染を防止する。各カートリッジ16は、必要があれば、複数の希釈剤によって薬物を再構成するために必要な全ての流路、バルブ、フィルタ、ピストン、及びポンプを含み、再構成された薬物を受容容器へと、蒸気廃棄物をシステム外の廃棄物容器内へと圧送し、適切な量の薬物及び希釈剤が受容容器内に存在することを確認するために最終的なQSステップを実施するように設計される。再構成のためにバイアル内に圧送される希釈剤の量及びバイアルから受容容器へと圧送される薬剤の量は、カートリッジ内の容積ピストン・ポンプによって制御され、これは、品質制御のために調合器の重量スケール(例えば、1つ又は複数の希釈剤荷重計及び受容容器荷重計)によって得られた重量と比較され得る。この完全なパッケージは、カートリッジ16、その流路、及びそのバルブ構成の特定の固有な構成によって可能になる。
【0049】
カートリッジ16の様々な実施例が、図15図20Bにおいて示される。一実施例において、完全に構築されたカートリッジ16が図15及び図16において図示される。カートリッジのためのバックパックとして実現されたチューブ管理構造を有するカートリッジ16が図17及び図18に図示される。カートリッジ16の分解されたバージョンが、図19において示され、一実施例によるカートリッジ16の3つの主要部分、すなわちカートリッジ・フレーム160、カートリッジ封止膜162、及びカートリッジ・ベゼル164、並びにピストン・ポンプ166、ニードル・ハウジング168及びニードル・アセンブリ170を図示する。一実施例において、完全に構築されたカートリッジ16が、図20A及び図20Bにおいて図示される。図19図20A及び図20Bのカートリッジの様々な特徴が、図21図31において図示される。
【0050】
図15において図示されるように、カートリッジ16の正面図が示される。カートリッジ・フレーム160は、各カートリッジ16に対する主な支持を提供する。ピストン・ポンプ166とニードル・アセンブリ170を保持するカートリッジ・ニードル・ハウジング168とが設けられ、再構成及び受容容器32の充填中に液体及び廃棄蒸気をバイアル18へと及びバイアル18から移動させるように動作可能である。バルブ190は、希釈剤、蒸気廃棄物、フィルタリングされた空気、及び再構成された薬物のための、カートリッジ16内の様々な内部流路に対して位置決めされ、所望のときに内部流路を修正及び制御するように動作可能である。
【0051】
カートリッジ16のフレーム160は、各カートリッジ16がポンプ・ヘッド・アセンブリ28に取り外し可能に取り付けられることを可能にする位置付け機構も含む。これらの機構は、ポンプ・ヘッド・アセンブリ28からの取り付け柱130を受容する3つの開口198と、ロック・バヨネット128が内部に挿入されて、カルーセル14からの取り外しのためにカートリッジ16をポンプ・ヘッド・アセンブリ28にロックするように回転されること可能にするキーホール210とを含む。
【0052】
カートリッジ・ニードル・ハウジング168は、カートリッジ・フレーム160の底部から延伸し、ニードル・ハウジング168の一対のロック・フランジ214をカートリッジ・フレーム160のフランジ開口216内にスナップすることによって取り外され得るように設計され得る。カートリッジ・ニードル・ハウジング168は、ニードル・アセンブリ170とのユーザの偶発的な接触を防止するとともに、ニードル・アセンブリの1つ又は複数のニードルの無菌性(例えば、図31のニードル316及び318を参照)を維持するように設計される。また、ニードル・ハウジング168は、ニードルがバイアル・パック26を穿刺することを可能にする位置にバイアル・パック26も受容する。
【0053】
後に更に詳細に説明されるように、フレーム160及びベゼル164の内部機構と協働して封止された内部流路をカートリッジ16内に形成するために、封止膜がフレーム160とベゼル164との間に設置され得る。
【0054】
カートリッジ16における様々な流体流路を説明する前に、圧送及びバルブ機構の動作が、図3、4、6及び7を参照して説明される。ピストン・ポンプ166などのピストン・ポンプは、従来の蠕動ポンプ機構に優る大きな利点を有する容積式ポンプとして働く。第1に、これは、ポンプの向き又は環境条件に関わらず、最良の速度精度及び流動連続性を有する。第2に、これは、50psiを超える圧力をエラストマー・ポンプに押し入れることができる。ピストン・ポンプ166は、シリコーン・ピストン・ポンプ・ブーツにおいてカートリッジ16内に位置決めされ得る。ポンプ機構は、ピストン166及びバルブ・アクチュエータ84の移動を制御するポンプ・ヘッド・アセンブリ28の偏心駆動シャフト82及び駆動ピン222を回転させるポンプ・モータ機構20におけるモータによって駆動される。動作においては、カートリッジ16は、位置付け柱130のカートリッジ把持部80に置かれ、ロック・バヨネット128によって所定の場所にロックされる。これにより、ベゼル164の開口228に設置されたバルブはバルブ・アクチュエータ84と位置合わせされ、偏心駆動シャフト82及びピン222はピストン・ポンプ166と位置合わせされる。ピストン166は、偏心駆動ピン222によって駆動される。ピン222は、駆動シャフトの回転軸と平行であるがそこからオフセットされており、これによって、ピストン166の軸方向移動に変換される正弦運動を生み出す。
【0055】
図6及び図7において、バルブ・アクチュエータ84が示され、ポンプ・モータ機構20からの残りの部分から取り外されたポンプ・ヘッド・アセンブリ28を図示する。開口228内のバルブの各々は、対応するバルブ・アクチュエータ84を有し、これは、バルブを閉じるためにバルブに接触し、バルブを開くためにバルブから離間するようなバルブ・アクチュエータ84の軸方向移動を起こすように、歯車付きカムによって制御される。一実施例において、各バルブに1つずつ、8つのバルブ・アクチュエータ84が設けられ、これらは、バルブの位置と位置合わせされ、それによって、カートリッジ16のベゼル164における開口228を通って延伸し、バルブに接触し得る。バルブ・アクチュエータ84は、カートリッジ16内のどの内部流路が開閉されるべきかに応じて自動的にバルブを開閉し得るように、ソフトウェア制御される。
【0056】
バルブ・アクチュエータ84は、必要とされる流体流路に応じて、圧送サイクルの種々の時点において動作される。ピストン166の充填部分は、ピストン・ロッド194が移動すると始まり、流入口バルブが開かれ、流出口バルブが閉じられる。他のバルブは、必要な流体流路に応じて開閉される。ピストン166が底部死点位置にあるサイクルの充填部分の終わりに、バルブの作動は、流入口バルブを閉じ、流出口バルブを開くように変化する。この時点において、サイクルの送達部分が始まり、ピストン166は反対方向に移動する。サイクルの送達部分は、ピストン166が上部死点の場所に到達すると終了し、この場所はホーム・ロケーションである。ピストン166がこの位置に到達すると、新しいサイクルが開始される。
【0057】
偏心駆動シャフト82の移動は、流体を送達するときの通常状態においては時計回り方向であり得、流体を引き入れるときは反時計回り方向であり得る。ポンプ機構は、必要とされる流路に応じて逆向きに圧送することが可能である。駆動は、50psiにまで達する使い捨てラインにおける圧力の効果によって、何らかの原因によりいずれの方向にも逆向きに駆動されることが防止される。
【0058】
柔軟性チュービング38をコイル状に巻くために「バックパック」を利用するカートリッジ16の代替的な実施例が、図17及び図18に示される。バックパック298は、カートリッジ・フレーム160の背面に装着され、柔軟性チューブ38の一端部は、カートリッジ・フレーム16の背面の流出口ポートに装着される。バックパック298は、ハウジング310を備え、柔軟性チュービング38をコイル状に巻くために回転又は他の形態で動作し得るチャンバ内に定められたチューブ制御機構を含み得る。流出口ポートと反対側のチュービングの端部には、ユーザがバックパック298から引き出して受容バッグ32に装着し得るコネクタ300(例えば、Texium(登録商標)アタッチメントなどのISOルアー・コネクタ)がある。いくつかの実施例において、コネクタ300に装着されたチュービングは、バックパック298内から自動的に延伸し得、ユーザによる装着を容易にする。バッグ32の充填が完了すると、カルーセル14における次のカートリッジ16が利用され得るように、チューブ制御機構は柔軟性チュービング38を邪魔にならないようにバックパック298内に引き戻し得る。柔軟性チュービングの引き込みは、ISOルアーがバックパックの開口内に置かれたときに自動的に行われてよい。
【0059】
次に図19を参照すると、カートリッジ16の別の実施例の分解斜視図が、カートリッジの3つの主要部分、すなわちカートリッジ・フレーム160、カートリッジ封止膜162、及びカートリッジ・ベゼル164、並びにピストン・ポンプ166、ニードル・ハウジング168及びニードル・アセンブリ170を図示している。図19の実例において、カートリッジ・ベゼル164は、カートリッジ16の流体経路における圧力の感知を可能とするために膜162に形成される圧力ドームへのアクセスを提供する追加的な開口3022を含む。調合器におけるエア・イン・ライン(AIL)センサと噛み合うように構成されたエア・イン・ライン・センサ取付物3000も設けられる。
【0060】
カートリッジ内の蒸気廃棄物及び無菌空気などの気体の流れを制御するために、カートリッジ16は、空気フィルタ3006、及びチェック・バルブ・カバー3002によってフレーム160に取り付けられる1つ又は複数のチェック・バルブ・ディスク3004などの気体流制御構造を備え得る。空気フィルタ3006、チェック・バルブ・ディスク3004及びチェック・バルブ・カバー3002は、蒸気廃棄物がバイアルから廃棄物ポートへと一方向にのみ流動すること、及び無菌の(フィルタリングされた)空気が空気フィルタに隣接した通気口からバイアルへと、カートリッジ内への一方向にのみ流動することを可能にするように協働し得る。このようにして、望ましくない蒸気廃棄物は、ポンプ・カートリッジから外へ流れ出ることが防止され得、代わりに、蒸気廃棄物容器へと誘導され得る。
【0061】
図19において図示されるように、ピストン166は、ピストン・ブーツ3007を含み得、これは、例えば、ピストン166が作動されたときのポンプ・チャンバの体積を制御するための1つ又は複数の移動可能な封止(例えば2つの移動可能な封止)を提供する。図19は、ニードル・ハウジング168の別の実施例を制御するための様々な構造も図示し、この実施例においては、ニードル・アセンブリ170は、第1のニードル・オーバーモールド317Aと、第2のニードル・オーバーモールド317Bと、ニードル・スプリング3014と、ニードル膜3008とを有する二重内腔ニードルを含む。後に更に詳細に説明されるように、ベゼル164には、フレーム160の対応する開口3021と位置が合い、カートリッジ16を通して(例えば、ポンプ駆動機構のセンサによって)、カートリッジ16に取り付けられたバックパック内を見ることを可能にする開口3020が設けられる。カートリッジ・フレーム160の上部側に形成された突起3016は、バックパックのための取り付け構造として提供され得る。
【0062】
図20A及び図20Bは、カートリッジの実施例の、それぞれベゼル側及びフレーム側から見た組み付けられた図を図示し、そこでは、カートリッジ16を通して完全に観察できる開口3120(図19における開口3020及び3021によって形成される)が見られる。図20Aにおいて図示されるように、いくつかの実施例において、カートリッジ16は、4つの希釈剤及び廃棄物ポート3100と、圧力ドーム3101とを含み得る。例えば、ポート3100のうちの3つは、希釈剤ポートとして構成され得、ポート3100のうちの1つは廃棄物ポートとして構成され得る。ポンプ・ヘッド・アセンブリ28における圧力センサは、圧力ドーム3101に接触することによって、カートリッジ16における流体経路内の圧力を判定し得る。ポート3100の各々は、ベゼル164における開口及びフレーム160の膜162の一部分の後ろに位置するチャンバから形成され得る。
【0063】
図21は、組み付けられたカートリッジ16の断面斜視側面図であり、カートリッジ16は、カートリッジ及びバックパック・アセンブリ3203を形成するように装着されたバックパック3202(例えば、図14のバックパック2900の実施態様)を有する。図21において図示されるように、突起3016が、バックパック3202における開口3201内に延伸して、上部側でバックパックをカートリッジ16にラッチし得る。底部側の追加的なラッチ構造は、後に更に詳細に説明される。追加的な構造3200が、バックパック3202とカートリッジ16との間に設置され得る。構造3200は、実質的に平坦であり得、カートリッジ及びバックパック・アセンブリ3203をカルーセル14にラッチするような形状及び位置を有し得る。例えば、バックパック3202の上部から延伸する突起3206は、カルーセル内への及びカルーセルからのカートリッジ及びバックパック・アセンブリの設置及び取り外しを容易にするように作動可能であり得る。例えば、カルーセル上の傾斜構造は、カートリッジ及びバックパック・アセンブリ3203がカルーセル内に押し込まれたときに、突起3206がロック位置まで嵌ってカートリッジ及びバックパック・アセンブリをカルーセル内に固定するまで、突起3206を圧縮し得る。調合動作のためにカルーセルからカートリッジ及びバックパック・アセンブリ3203を取り外すために、開口210内に延伸するバヨネット128が回転されて突起3206を下げ、カルーセルからカートリッジ及びバックパック・アセンブリを解除し得る。カートリッジ及びバックパック・アセンブリ3203のカルーセルへの結合の更なる特徴は、後に説明される。
【0064】
カートリッジ16を受容容器32に流体結合するためのチュービング(例えば、柔軟性チュービング38)は、バックパック3202内に収容され得る。例えば、チュービングは、出力ポート180(例えば、受容容器ポート、例えば、図20Bを参照)においてカートリッジ16に結合され得、バックパック3202の内部空洞内でコイル状に巻かれ得、開口3210を通って延伸し得、それによって、受容容器との結合のためにチュービングを延伸するように、チュービングの端部はオペレータによって引かれ得る。カートリッジ及びバックパック・アセンブリが使用されていないときに、チュービングの端部に結合されたTexium(登録商標)コネクタなどのコネクタが内部に格納され得る追加的な開口3204が設けられてよい。指示されたとき(例えば、ディスプレイ86の画面上指示による)、オペレータは、開口3204からコネクタを取り外し、バックパック3202内からチュービングを引き出して、受容容器へのコネクタに接続し得る。例えば、調合器システムの処理回路は、ディスプレイを使用して、(a)バックパックの追加的な開口からチュービングに結合されたコネクタを取り外し、(b)バックパックからチューブを引き出し、(c)コネクタを受容容器に接続する、という指示を提供し得る。別の実施例において、柔軟性チュービングの延伸は自動的に行われてよい(例えば、ソフトウェアが、柔軟性チューブが延伸されるべき正確な瞬間を判定し、ポンプ・ヘッドがスクリュー機構を動作させてチューブを延伸させ、バックパック開口からISOルアーを引き出すようにユーザへの信号が提供される)。調合器10は、コネクタが開口3204内に存在するかを(例えば、開口3120を通してコネクタを見ることによって)判定する光学センサなどのセンサを含み得る。
【0065】
調合器10は、コネクタが開口3204に存在するか否かに基づいて、ポンプ・ヘッド・アセンブリからカートリッジ及びバックパック・アセンブリを解除するか、及びいつ解除するかを判定し得る。例えば、調合動作に続いて、オペレータは、受容容器からコネクタを取り外し、開口3204内にコネクタを戻すように指示され得る。バックパック3202は、チュービングの内部空洞への格納及び内部空洞からの取り出しを容易にするための機構及びコンポーネントを含み得る。開口3204においてコネクタが検出されると、ポンプ駆動機構20は、延伸されたチュービングをバックパック内に引き戻すためにバックパック3202内の1つ又は複数の巻き付け機構を動作させ得、バヨネットを回転させて突起3206を下げ得、それによって、カートリッジ及びバックパック・アセンブリがカルーセルへと戻され得る。
【0066】
図21は、ベゼル164における開口228内のバルブ190のうちの2つを通る断面を示すカートリッジ16の一部分の拡大図も図示する。拡大図において図示されるように、各バルブ190は、封止膜162の平坦部分6906からカートリッジ・ベゼル164における対応する開口228内へと延伸する封止膜162の隆起部分6908から形成され得る。例えば図19図21において図示される実例において、隆起部分6908は、開口228において形成されたピラミッド状のドームである。封止膜162と各バルブ190に隣接するフレーム160との間に形成された流体通路6900の一部分において、フレーム160は、そのバルブのための封止膜の隆起部分6908に対向するように離間されたリブ6902を含み得る。隆起部分6908が隆起位置にあるとき、流体及び/又は蒸気は、開放バルブを通り、リブ6902を越えて流動し得る。動作においては、ポンプ・ヘッド・アセンブリ28から延伸し、ポンプ・ヘッド・アセンブリ28によって動作され得るバルブ・アクチュエータ84は、開口228を通って延伸して、隆起部分6908をリブ6902に対して圧縮してバルブを閉じ、流体がそこを通って流れることを防止し得る。
【0067】
図22は、ピストン・ポンプ166を図示するカートリッジの側断面図である。図22において図示されるように、ピストン・ポンプ166は、第1及び第2の封止7102及び7104を有するシリコン・ブーツ7100を含み得る。前方封止7104は、ポンプ・チャンバ6106の移動境界を形成し得る。後方封止7102は、埃又は他の汚染物が前方封止7104に接触することを防止し得る。ポンプ・チャンバ7106は、1つ又は複数のバルブ190に隣接して形成され得る(例えば、ポンプ・チャンバ内への及びそこからの流体流動を制御するために、一対のバルブが、ポンプ・チャンバの両側に設置され得る)。
【0068】
図23において、本明細書における議論のために、バルブ190には、3つのバルブ・グループV1、V2、及びV3のラベルが付される。バルブ・グループV1は、3つのバルブP1、P2、及びP3を有する希釈剤バルブ・グループであり得る。バルブ・グループV2は、3つのバルブP1、P2、及びP3を有する再構成バルブ・グループであり得る。バルブ・グループV3(例えばピストン・ポンプ・バルブ・グループ)のピストン・ポンプ・バルブP1及びP2は、ピストン・ポンプ166と協働して交互に動作され得る。例えば、カートリッジ16の流体経路内で第1の方向に流体を圧送するために、ピストン・ポンプ166の前方ストローク中に、バルブV3/P1は閉じられてよく、バルブV3/P2は開かれてよく、ピストン・ポンプ166の後方ストローク中に、バルブV3/P1は開かれてよく、バルブV3/P2は閉じられてよい。別の実例において、カートリッジ16の流体経路内で反対の第2の方向に流体を圧送するために、ピストン・ポンプ166の前方ストローク中に、バルブV3/P1は開かれてよく、バルブV3/P2は閉じられてよく、ピストン・ポンプ166の後方ストローク中に、バルブV3/P1は閉じられてよく、バルブV3/P2は開かれてよい。
【0069】
図24図27は、図23において図示されたバルブ・ラベルを参照のために使用して、調合動作の様々な部分のためにカートリッジ16を通って流体を圧送するためのバルブ構成の様々な実例を図示する。図24の実例において、バルブ・グループV1及びV2のバルブは、希釈剤を希釈剤容器から直接的に受容容器へと圧送するために構成される(例えば、希釈剤ポート3100のうちの1つから受容容器ポート7302への流体通路7300を形成するために、グループV1のバルブP1及びP3は閉じられ、グループV1のバルブP2は開かれ、グループV2のバルブP1及びP2は閉じられ、グループV2のバルブP3は開かれる)。
【0070】
図25の実例において、バルブ・グループV1及びV2のバルブは、再構成動作のために、希釈剤を希釈剤容器からバイアルへと圧送するために構成される(例えば、希釈剤ポート3100のうちの1つからバイアル・ポート7402への流体通路7400を形成するために、グループV1のバルブP1及びP3は閉じられ、グループV1のバルブP2は開かれ、グループV2のバルブP2及びP3は閉じられ、グループV2のバルブP1は開かれる)。図示されるように、再構成動作中に、有害蒸気通路7404が、バイアル廃棄物ポート7406から廃棄物ポート3100へと形成され得、廃棄物容器44に提供される。いくつかの実施例において、非有害廃棄物通路7408が、非有害バイアル廃棄物ポート7405から空気フィルタ・ポート7410へと提供され得る。しかしながら、これは単なる例示である。いくつかの実施例において、空気フィルタ・ポート7410は、任意の蒸気廃棄物の通路7408に沿った流動を防止し、バイアル18からの全ての蒸気廃棄物が廃棄物ポート3100を通って通路7404に沿って移動されることを保証する空気フィルタ・チェック・バルブ構造3004、3004、及び3006と関連付けられ得る。
【0071】
図26の実例において、バルブ・グループV1及びV2のバルブは、調合動作のために、再構成された薬物をバイアルから受容容器へと圧送するために構成される(例えば、バイアル・ポート7402から受容容器ポート7302への流体通路7500を形成するために、グループV1のバルブP1及びP2は閉じられ、グループV1のバルブP3は開かれ、グループV2のバルブP1及びP1は閉じられ、グループV2のバルブP3は開かれる)。図示されるように、調合動作中に、薬物がバイアルから圧送されるときに真空が生成されることを防止するために、フィルタリングされた無菌空気を外部のカートリッジ16からバイアル内に提供するために、空気フィルタ・ポート7410から非有害蒸気バイアル・ポート7405へと通路7502が形成され得る。
【0072】
例えば図1図3、及び図11において受容容器32はIVバッグとして図示されているが、いくつかのシナリオにおいて、受容容器32はシリンジとして実現されてよい。例えば、チュービングによって受容容器ポート7302などの出力ポートに結合されたTexium(登録商標)コネクタが、SmartSite(登録商標)コネクタなどのニードルの無いバルブ・コネクタに接続され得、SmartSite(登録商標)コネクタは、追加的なチュービングによって、再構成された薬物を受容するためのシリンジに接続された別のニードルの無いバルブ・コネクタ(例えば、別のSmartSite(登録商標)コネクタ)に結合される。受容容器がシリンジであるシナリオにおいては、バイアルからシリンジ内へと薬物を圧送した後、シリンジから空気又は他の蒸気を取り除くことが望ましい場合がある。
【0073】
図27の実例においては、バルブ・グループV1及びV2のバルブは、空気をシリンジなどの受容容器から圧送するために構成される(例えば、受容容器ポート4302から廃棄物ポート3100への流体通路7600を形成するために、グループV1のバルブP1及びP3は閉じられ、グループV1のバルブP2は開かれ、グループV2のバルブP2及びP3は閉じられ、グループV2のバルブP1は開かれる)。いくつかの構成において、バルブ190によって画定された流体経路に沿って所望の流体又は蒸気を移動させるために、グループV3のバルブP1及びP2は、ピストン・ポンプ166の運動と協働して交互に開閉され得る。
【0074】
図28は、図24図27に関連して上述された再構成/調合プロセスの様々な部分の間の、図23においてレベルを付されたバルブ190の位置及び動作を図示するチャートである。
【0075】
図29Aは、希釈剤ポート3100D、廃棄物ポート3100W、及び受容容器ポート7302を通る断面を示すカートリッジ16の側断面図である。図29Aの実例に図示されるように、各希釈剤ポート3100Dは、ベゼル164における開口内に形成された、希釈剤チャンバ8200Dに隣接する膜162の一部分によって形成され得る。廃棄物ポート3100Wは、ベゼル164における開口内に形成された、蒸気廃棄物チャンバ8200Wに隣接する膜162の一部によって形成され得る。受容容器ポート7302は、バックパック3202内に延伸するチュービングがカートリッジ16から受容容器への流体通路を形成するために設置され得る受容容器チャンバ8202に繋がる開口から形成され得る。
【0076】
図29Bのマニフォールド8250の封止マニフォールド膜8252などの封止マニフォールド膜によって圧縮されると、希釈剤及び/又は廃棄物ポート3100を形成する封止膜162の一部分は、マニフォールド8250とカートリッジとの間に無液滴接続を生む。選択された希釈剤マニフォールド8250のマニフォールド・ニードル8254及び廃棄物マニフォールドのマニフォールド・ニードルは、対応するマニフォールド膜8252及びそれぞれの希釈剤及び廃棄物ポートの封止膜162を通って延伸し得、再構成及び調合動作のために希釈剤及び廃棄物蒸気のための、封止膜162を通る(例えば、ニードル8254の開口8256、中央ボア8257、及び開口8258を通る)流体通路を形成する。
【0077】
しかしながら、ポート3100D及び3100Wの封止が、ベゼル164における開口内に延伸する膜162の一部分だけによって形成される図29Aの実例は、単なる例示である。いくつかの実施例において、向上した無液滴封止を提供するために、ポート3100D及びポート3100Wの各々の封止は、複数の封止部材によって形成され得る。一実例において、3つの封止部材が、カートリッジ16のためのポート封止を形成するために設けられ得る。
【0078】
図29Cは、3つの封止部材を有する実施態様におけるカートリッジ16のポートの断面図を図示する。図29Cにおいて図示されるように、ポート3100(例えば、希釈剤ポート3100D又は廃棄物ポート3100Wのうちの1つ)は、外側封止部材8262(ベゼル164における開口8260内に形成される)と内側封止部材8264との間に設置された膜162の一部分から形成され得る。内側封止部材8264は、膜162とチャンバ8200との間に設置され得る。
【0079】
図29Cにおいて図示されるように、外側封止部材8262は、開口8260を通って延伸する部分を含み得、膜162に隣接する内側面に凹部8268も含み得る。膜162は、内側封止部材8264に隣接する内側面に凹部8266も含み得る。ポート3100に3つの封止部材(すなわち、部材8262、部材8264、及び部材8262と8264との間に形成された膜162の一部分)などの複数の封止部材を設けることによって、単一の封止部材を有する実施態様と比較して向上した乾式の接続解除を提供するために、ニードル8254の強化された拭き取りを提供し得る。しかしながら、これは単なる例示である。様々な実施例において、各ポートのために1つ、2つ、3つ、又は4つ以上の封止部材が設けられてよい。同様に、凹部8266及び8268から形成される間隙空間は、ニードル8254の拭き取りの効率を更に向上させるが、様々な実施例において、封止部材は、凹部8266及び/又は8268を備えても備えなくてもよい。
【0080】
図29Dは、図82Cのポート3100の外側封止部材8262に対して圧縮されるマニフォールド封止部材8252を有する図82Bのマニフォールド8250を図示する。図29Dにおいて図示されるように、ニードル8254は、マニフォールド8250から、封止部材8252及び8262、間隙空間8268、膜162、間隙空間8266、及び内側封止部材8264を通って延伸され、開口8256及び8258並びに中央ボア8257が、カートリッジ16とマニフォールド8250との間に流体経路を形成する。
【0081】
図29Aの実例において、ポート3100内のベゼル164における開口内に延伸する膜162の部分は圧縮され得(例えば、径方向に10%圧縮される)、ここを通って延伸され、ここから引き出される希釈剤ニードルに対する拭き取り効果を生じさせ、それによって、希釈剤ニードルがマニフォールド内に引き込まれたときに、希釈剤ニードル又はカートリッジ若しくは膜の外側面に液体が残ることがなくなる。
【0082】
図29C及び図29Dの実例において、ポート3100内のベゼル164における開口内に延伸する封止部材8262の部分は圧縮され得(例えば、径方向に10%圧縮される)、ここを通って延伸され、ここから引き出される希釈剤ニードルに対する拭き取り効果を生じさせ、それによって、希釈剤ニードルがマニフォールド内に引き込まれたときに、希釈剤ニードル又はカートリッジ若しくは膜の外側面に液体が残ることがなくなる。図29C及び図29Dの複数の封止部材は、各々が、ニードル8254に対して他の封止部材の拭き取り効果を補完する拭き取り効果を提供する(例えば、各部材によって、他の部材のピーク拭き取り力に対して角度的に離間された場所においてピーク拭き取り力をニードルに対して提供することによって)ように配置され得る。
【0083】
図30は、カートリッジ及びバックパック・アセンブリ3203の断面斜視側面図であり、そこでは、カートリッジ・フレーム160の突起3016及び突起3304が協働してカートリッジ16をバックパック3202へと結合し、カートリッジ及びバックパック・アセンブリ3203を形成する様子が見られる。バックパック3202をカートリッジ16に設置するために、バックパック3202の開口3201は、突起3016の上に位置付けられ得、バックパック3202は、ラッチ突起3304がラッチ機構3302の間の所定位置にスナップ嵌めするまでバックパック3202のラッチ機構3302をラッチ突起3304に対して押し付けるように回転(例えば、方向3401に)され得る、図示されるように、突起3016は、柔軟性アーム3400などのカートリッジ16の追加的なラッチ機構上に形成され得る。柔軟性アーム3400は、バックパック3202が回転されてラッチ機構3302を突起3304に対して押し付けたときに、バックパック3202が少しの距離だけ下方に引かれることを可能にし得る。柔軟性アーム3400は、ラッチ機構3302を突起3304に対してラッチされた位置に保持する上向きの力を維持するように弾性を有し得る。
【0084】
図30の実例において、バイアル18及びバイアル・パック26は、カートリッジ及びバックパック・アセンブリ3203に隣接して位置決めされ、ニードル・アセンブリ170は、カートリッジ16の封止部材3402及びバイアル・パック26の封止部材3404通ってバイアル内に延伸されており、無液滴封止を提供し得、流体をバイアル18内に提供及び/又はバイアル18から除去することを可能にし得る。封止部材3402は、例えば、封止部材3008の実施態様である。図示されるように、ニードル・アセンブリ170がバイアル内に延伸されたとき、バイアル・パック26の部分は、バックパック3202のラッチ構造3302に隣接して位置し得る。
【0085】
図31は、カートリッジ16の一部分の断面図を、ニードル・アセンブリ170の一部分の拡大図とともに図示する。図31において図示されるように、ニードル・ハウジング186は、1つ又は複数のハウジングアーム8408を介してカートリッジ・フレーム160に装着された環状ハウジング部材8404内に形成された封止膜3402を含み得る。ニードル・ハウジング317Bからニードル・ハウジング186内に延伸するスプリング8410が設けられてよく、封止膜3402を通ってニードル316及び318を延伸するためにスプリング8410の圧縮が必要となる。このようにして、カートリッジ16を取り扱うユーザがニードル・アセンブリ170へのアクセスによって負傷することが防止される。動作においては、バイアル・パックは、ニードル・アセンブリ170が封止膜3402及びバイアル・パックの封止膜を通ってバイアル内に延伸するように、環状ハウジング部材8404に対して押し付けられてスプリング8410を圧縮し得る。
【0086】
二重内腔ニードル316及び318はそれぞれ、ニードルの中央ボアに対して流体アクセスを提供する開口8400及び8402を備え得る。ニードル316は、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)オーバーモールド317Aによってカートリッジ・フレーム160内に保持される24ゲージ・ニードルであってよく、ニードルは、薬物バイアルの通気のための開口8400を有する。図示されるように、開口8400は、ニードルが挿入されるとき及び引き込まれるときの封止膜のコアリングを減少させるために、スロット・カットを使用して形成され得る。ニードル318は、例えば、バイアル内への及び/又はバイアルからの流体流動のための1つ又は複数の開口8402を有し、高密度ポリエチレン(HDPE)オーバーモールド317Bによってカートリッジ・フレーム内に保持される18ゲージ・ニードルであってよい。開口8402は、コアリングを減少させ、例えば60mL/minまでの流体流動を可能にするように構成された2つの穿孔された穴を含み得る。
【0087】
このようにして、再構成動作中に、希釈剤は、ニードル318の開口8402を介してバイアル内に提供され得、同時に、蒸気廃棄物は、ニードル316の開口8400を介してバイアルから取り出され得る。調合動作中に、再構成された薬物は、ニードル318の開口8402を介してバイアルから引き出され得、無菌空気は、ニードル316の開口8400を介してバイアル内に提供され得る。
【0088】
本明細書において、カートリッジ16が、カートリッジを受容容器32に結合するためのチュービングを収容するバックパック3202を備え、複数の調合動作からの廃棄物を受容するための廃棄物容器が廃棄物ポート(例えば、ニードルにアクセスされる廃棄物ポート)を介してカートリッジに結合される調合器システム10の様々な実施態様が説明された。例えば、単一の、共通の廃棄物バッグが、システム10によって調合された異なる患者の全ての投薬のために一日中使用されたカートリッジの全てによって共有され得る。しかしながら、いくつかのシナリオにおいて(もしも注意をしていなかったとすると)、同一の廃棄物バッグを使用した複数の薬物の混合が、予期せぬ化学反応(発熱性の反応など)につながり得るという懸念がある。
【0089】
故に、いくつかの実施態様において、各調合動作に対して、別個の廃棄物容器が(例えば、別個の使い捨てカートリッジとともに)提供され得ることが理解されるべきである。各々それぞれのカートリッジに対して単一投薬廃棄物バッグを使用することは、廃棄物バッグが1つの薬物又はカートリッジに対してのみ使用されるので、潜在的な廃棄物混合の問題を低減又は除去し得る。
【0090】
図32図39は、単一使用廃棄物バッグが、各カートリッジのバックパック内に設けられる様々な実例を図示する。図32図39の実例において、単一投薬の調合の様々なプロセスからの廃棄蒸気及び廃棄流体の全ては、使い捨てカートリッジに位置する廃棄物バッグ内に格納される。蒸気及び液体廃棄物をそれらそれぞれのカートリッジによって格納することで、もしも共通の廃棄物バッグが使用されていたとした場合に複数の薬物の間で起こり得る反応が防止される。廃棄物バッグ内の充填レベルを監視するために、廃棄物バッグ・センサも設けられてよい。
【0091】
図32は、各々が単一使用廃棄物バッグ(不図示)を含むバックパックの6つの例示的な実施態様(例えば、本明細書において説明されるバックパック3202の実施態様)を図示する。図32におけるバックパックの各例示的な実施態様は、ピッグテール・チュービング13204と、受容バッグに結合するための関連付けられたコネクタ13202(例えば、Texium(登録商標)コネクタ)とを含む。図32におけるバックパックの各例示的な実施態様は、内部に廃棄物バックが設置される筐体13206も含む。例えば、バックパック13200Aは、筐体13206と、筐体13206からの垂直延長部とを含み、垂直延長部の周りには、受容容器への結合前及び/又は後の格納のためにピッグテール・チュービング13204が外側から巻かれている。
【0092】
別の実例として、バックパック13200Bは、受容容器への結合前及び/又は後の格納のためにピッグテール・チュービング13204がその周りに外側から巻かれている水平筐体と、追加的な下側筐体とを含む。コネクタ13202を固定するための開口13208もバックパック13200Bにおいて見ることができるが、バックパック13200A、13200B、13200C、13200D、13200E、及び13200Fの各々がコネクタ13202を固定するための機構を含んでいる。
【0093】
バックパック13200C、13200D、及び13200Eは各々、廃棄物バッグ及びチュービング13204の両方を収容する水平筐体を含む。バックパック13200C、13200D、及び13200Eの筐体はそれぞれ、側部、後部、底部に開口を有し、内部に収容されたチュービングがこれらを通って取り出され得る。バックパック13200Fは、筐体を貫通して延伸する開口を有する水平筐体を含む。
【0094】
バックパック13200A、13200B、13200C、13200D、13200E、及び13200Fのいずれも、調合動作のためにポンプ・カートリッジに装着され得る。図33は、カートリッジ16(例えば、ニードル・アセンブリがベローを備え、バルブが回転バルブによって実現されたカートリッジ16の実施態様)に装着されたバックパック13200Bの正面右側斜視図を図示する。図34は、カートリッジ16に装着されたバックパック13200の後部左側斜視図を図示する。
【0095】
図35は、潰れた(例えば、使用されていない)廃棄物バッグ13500が見えるようにカートリッジ16から分離されたバックパック13200Bの正面左側図を図示する。図35の実例において、バックパック13200Bの筐体の内部も見ることができ、バックパック13200Bの筐体内の下側空洞13502、後部空洞13504、上部空洞13506が見られる。
【0096】
図36は、廃棄物バッグ13500が、下側空洞13502内に膨張するように構成された下側部分13512と、上側空洞13506内に膨張するように構成された上側部分13510とをどのように含み得るかについて図示する。廃棄物バッグ13500の主本体は、後部空洞13504内に膨張し得る。
【0097】
いくつかの実施態様において、バックパック1300B及び廃棄物バッグ13500は、カートリッジ16から取り外され得る。このようにして、廃棄物バッグ・キャニスタのみが毒性廃棄物ビンに捨てられ、残りのカートリッジは、より有害でない廃棄物用のビンに捨てられ得るので、廃棄物コストは低減され得る。いくつかの実施態様において、チェック・バルブが、分離に際しての流体漏れを無くすために、カートリッジ側及び廃棄物バッグ側の両方に組み込まれ得る。
【0098】
図37は、廃棄物バッグ13500の後部側斜視図を図示し、そこでは、膨張可能部分13510及び13512を見ることができる。図38は、廃棄物バッグ13500の正面側斜視図を図示し、そこでは、流入口ポート13800を見ることができる。流入口ポート13800は、カートリッジ16から廃棄流体及び/又は気体を受容するために、カートリッジ16の噛み合うポートに接合され得る。図39は、流入口ポート13800がカートリッジ16の廃棄物ポート13900に流体結合されたカートリッジ16及び廃棄物バッグ13500の一部分の斜視図を図示する。
【0099】
本明細書において、受容容器32がIVバッグとして実現される調合器システム10の様々な実施態様が説明された。しかしながら、いくつかの実施態様において、調合器システム10は、受容シリンジを充填するために使用され得る。図40図43は、調合器システム10のためのシリンジ充填装置の様々な特徴を図示する。
【0100】
図40において図示されるように、受容シリンジ14401のためにシリンジ保持部14400が設けられ得る。カートリッジ16からのチュービング14404は、調合された薬剤をシリンジ内に提供するために、シリンジ14401に装着され得る。チュービング14404は、ピッグテール・チュービングであり得る。チュービング14404は、シリンジ内に流体を提供するための流体内腔と、シリンジから流体又は気体(例えば、空気)を排出するための排出内腔とを有する二重内腔チュービングであり得る。チュービング14404内の空気を監視するために、エア・イン・ライン・センサ14402が設けられ得る。エア・イン・ライン・センサ14402は、二重内腔チュービング14404の主ラインが完全に呼び水を差され、空気がなくなったときに検知するために使用され得る。
【0101】
シリンジ・プランジャ14403は、チュービング14404を介した調合された薬剤の導入によって延伸され得る。シリンジ保持部14400は、充填中のシリンジ14401からのプランジャ14403の偶発的な放出を防止するための調整可能なシリンジ・プランジャ・ストッパ14100を含み得る。
【0102】
図42は、シリンジ保持部14400の後部斜視図を図示する。図42において図示されるように、シリンジ保持部14400は、シリンジ14401の充填中にシリンジ・プランジャ14403及び/又はシリンジ14401の内壁にはりついた気泡をノックすることで除去するように動作可能な(例えば、電子的に又は手動で)振動デバイス14200を含み得る。シリンジ保持部14400は、シリンジ保持部14400が、保持装置30(例えば、重量フック)に吊り下げられることを可能にする開口14202又は他の機構も含み得る。図43は、シリンジ保持部14400の底部側斜視図を図示する。
【0103】
1つ又は複数の実施態様において、ポンプ・ヘッド・アセンブリ28は、クリーンナップ時間を減少させる使い捨てプラスチック・アーム・カバーを備え得る。例えば、一日の終わり又はシフトの終わりに向かって、調合器の技術者は機械の日常的なクリーニングを実施することがある。クリーニングは、一日の終わりのクリーンナップ時間を容易にし又は減少させる薬物調合アームの面の大部分を覆う使い捨てプラスチック・カバーを提供することによって容易化され得る。
【0104】
図44は、ポンプ・ヘッド・アセンブリ28を覆うようなサイズ及び形状を有し得る使い捨てプラスチック・カバー14490の実例を図示する。運動を必要とするが溢流からの保護も必要とする機械の部分の上に、プラスチック・カバー14490の特定のエリアからの運動を可能にする図45の分離タブ14500などの分離タブが設けられ得る。溢流が起こる可能性のある調合器の他のエリアを取り外し可能に覆うための追加的な使い捨てカバーも設けられ得る。このカバーは、半剛性プラスチック又は複数の裏に接着剤が施された「引き剥がし部(tear off)」で作られ得る。「引き剥がし部」の実施態様において、一日の終わり又はシフトの終わりに向かって、技術者は、クリーナ及び布で機械を拭いてきれいにしなければいけない代わりに、引き剥がし部の1つの層を剥離し得る。
【0105】
本開示は、当業者が、本明細書において説明された様々な態様を実践することを可能にするために提供される。本開示は、主題の技術の様々な実例を提供するものであるが、主題の技術はこれらの実例に限定されるものではない。これらの態様に対する様々な修正は当業者には容易に明らかになるであろうし、本明細書において定められる一般的な原理は、他の態様に対しても適用され得る。
【0106】
主題の技術が、例えば、上述された様々な態様に従って示される。これらの態様の様々な実例は、便宜上、番号を付された概念又は条項(1、2、3など)として説明される。これらの概念又は条項は、実例として提供されるものであり、主題の技術を限定するものではない。従属概念のうちの任意のものは、独立概念を形成するために、任意の組み合わせで、互いに又は1つ又は複数の他の独立概念と組み合わされ得ることが留意されるものである。以下は、本明細書において提示されるいくつかの概念の非限定的な概要である。
概念1.カートリッジであって、
少なくとも1つの希釈剤ポート、廃棄物ポート及び受容容器ポートに流体結合された複数の制御可能流体経路
を有するカートリッジと、
カートリッジに装着されたバックパックであって、バックパックは、廃棄物ポートに結合された廃棄物容器を備える、バックパックと
を備える調合器システム。
概念2.廃棄物容器は、膨張可能廃棄物バッグを備え、バックパックは、廃棄物バッグのための筐体を備え、廃棄物バッグは、筐体の1つ又は複数の部分内へと膨張するように構成される、概念1又は任意の他の概念の調合器システム。
概念3.バックパックは、カートリッジの受容容器ポートを受容容器に結合するように構成されたチュービングを更に備える、概念2又は任意の他の概念の調合器システム。
概念4.チュービングは、筐体の一部分によって格納されるように構成されたピッグテール・チュービングを備える、概念3又は任意の他の概念の調合器システム。
概念5.バックパックは、筐体を画定する部分を有するハウジングを備え、ピッグテール・チュービングは、ピッグテール・チュービングが延伸されていない構成において、筐体を画定するハウジングの部分の周りに外側から巻かれるように構成される、概念4又は任意の他の概念の調合器システム。
概念6.ピッグテール・チュービングは、廃棄物バッグとともにバックパックの筐体内に格納されるようにコイル状になるように構成される、概念4又は任意の他の概念の調合器システム。
概念7.廃棄物容器は、バックパックから取り外し可能である、概念1又は任意の他の概念の調合器システム。
概念8.廃棄物容器は、膨張した構成においてバックパック内の1つ又は複数の空洞の形状に一致する1つ又は複数の膨張可能部分を含む、概念1又は任意の他の概念の調合器システム。
概念9.1つ又は複数の膨張可能部分は、廃棄物容器の第1の側部に形成され、廃棄物容器は、廃棄物容器の反対側の第2の側部に流入口ポートを備える、概念8又は任意の他の概念の調合器システム。
概念10.ポンプ・ヘッドと、ポンプ・ヘッドのための使い捨てプラスチック・カバーとを更に備える、概念1又は任意の他の概念の調合器システム。
概念11.使い捨てプラスチック・カバーは、1つ又は複数の分離タブを備える、概念10又は任意の他の概念の調合器システム。
概念12.使い捨てプラスチック・カバーは、複数の裏に接着剤が施された引き剥がし部を備える、概念10又は任意の他の概念の調合器システム。
概念13.カートリッジであって、
少なくとも1つの希釈剤ポート及び受容容器ポートに流体結合された複数の制御可能流体経路
を有するカートリッジと、
受容容器ポートに流体結合されるようにシリンジを保持するように構成されたシリンジ保持部であって、シリンジ保持部は、エア・イン・ライン・センサを備える、シリンジ保持部と
を備える調合器システム。
概念14.シリンジ保持部は、振動デバイスを備える、概念13又は任意の他の概念の調合器システム。
概念15.シリンジ保持部は、シリンジ保持部を重量フックに吊り下げるための開口を備える、概念13又は任意の他の概念の調合器システム。
概念16.シリンジ保持部は、調整可能なシリンジ・プランジャ・ストッパを更に備える、概念13又は任意の他の概念の調合器システム。
概念17.ポンプ・ヘッドと、ポンプ・ヘッドのための使い捨てプラスチック・カバーとを更に備え、使い捨てプラスチック・カバーは、1つ若しくは複数の分離タブ又は複数の裏に接着剤が施された引き剥がし部を有する、概念13又は任意の他の概念の調合器システム。
概念18.カートリッジであって、
少なくとも1つの希釈剤ポート及び受容容器ポートに流体結合された複数の制御可能流体経路
を有するカートリッジと、
受容容器ポートに流体結合されるようにシリンジを保持するように構成されたシリンジ保持部であって、シリンジ保持部は、振動デバイスを備える、シリンジ保持部と
を備える調合器システム。
概念19.シリンジ保持部は、シリンジ保持部を重量フックに吊り下げるための開口を備える、概念18又は任意の他の概念の調合器システム。
概念20.シリンジ保持部は、調整可能なシリンジ・プランジャ・ストッパを更に備える、概念18又は任意の他の概念の調合器システム。
【0107】
本明細書において説明された主題の1つ又は複数の態様又は特徴は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(application specific integrated circuits:特定用途向け集積回路)、コンピュータ・ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア及び/又はそれらの組み合わせにおいて実現され得る。例えば、本明細書において開示された注入ポンプ・システムは、1つ又は複数のプロセッサが内部に埋め込まれ又は結合された電子システムを含み得る。このような電子システムは、様々なタイプのコンピュータ可読媒体及び様々な他のタイプのコンピュータ可読媒体のためのインターフェースを含み得る。電子システムは、例えば、バス、処理ユニット、システム・メモリ、読み出し専用メモリ(ROM:read-only memory)、恒久的記憶装置、入力デバイス・インターフェース、出力デバイス・インターフェース、ネットワーク・インターフェースを含み得る。
【0108】
バスは、注入ポンプ・システムの電子システムの多数の内部デバイスを通信可能に接続する全てのシステム、周辺機器、チップセットのバスを集合的に表現し得る。例えば、バスは、処理ユニットをROM、システム・メモリ及び恒久的記憶装置に通信可能に接続し得る。これらの様々なメモリ・ユニットから、処理ユニットは、様々なプロセスを実行するために、実行する命令及び処理するデータを抽出し得る。処理ユニットは、種々の実施態様において、単一のプロセッサであってよく、又はマルチ・コア・プロセッサであってもよい。
【0109】
要素への単数形での言及は、具体的にそうであると述べられていない限り、「1つにして唯一」を意味するものと意図されるものではなく、むしろ「1つ又は複数」を意味するものと意図される。そうでないことが具体的に述べられていない限り、「いくつか」という用語は、1つ又は複数を指す。男性系の代名詞(例えば、彼の)は、女性及び中性の性別(例えば、彼女の及びその)を含み、その逆も同様である。見出し及び小見出しは、もしも存在するならば、利便性のためのみに使用されるものであり、本発明を限定するものではない。
【0110】
「例示的」という語は、本明細書において、「実例又は例証としての役割を果たす」ことを意味するために使用される。本明細書において「例示的」と説明される任意の態様又は設計は、他の態様又は設計よりも好ましく、又は有利であると必ずしも解釈されるべきではない。一態様において、本明細書において説明される様々な代替的な構成及び動作は、少なくとも等価であると見なされ得る。
【0111】
本明細書において使用されるとき、一連のアイテムに先行し、アイテムのうちのいずれかを分離するための「又は」という用語を伴う「~うちの少なくとも1つ」という語句は、リストを全体的に修飾するものであり、リストの各アイテムを修飾するものではない。「~のうちの少なくとも1つ」という語句は、少なくとも1つのアイテムの選択を必要としない。むしろ、この語句は、アイテムの任意のもののうちの少なくとも1つ、及び/又はアイテムの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つ、及び/又はアイテムの各々のうちの少なくとも1つを含むことを意味し得る。例として、「A、B又はCのうちの少なくとも1つ」という語句は、Aのみ、Bのみ、若しくはCのみ、又はA、B及びCの任意の組み合わせを指すことができる。
【0112】
「態様」などの語句は、そのような態様が主題の技術に不可欠であること、又はそのような態様が主題の技術の全ての構成に適用されることを暗示するものではない。態様に関する開示は、全ての構成、又は1つ又は複数の構成に適用され得る。態様は、1つ又は複数の実例を提供し得る。態様などの語句は、1つ又は複数の態様を指し得、その逆も同様である。「実施例」などの語句は、そのような実施例が主題の技術に不可欠であること、又はそのような実施例が主題の技術の全ての構成に適用されることを暗示するものではない。実施例に関する開示は、全ての実施例、又は1つ又は複数の実施例に適用され得る。実施例は、1つ又は複数の実例を提供し得る。実施例などの語句は、1つ又は複数の実施例を指し得、その逆も同様である。「構成」などの語句は、そのような構成が主題の技術に不可欠であること、又はそのような構成が主題の技術の全ての構成に適用されることを暗示するものではない。構成に関する開示は、全ての構成、又は1つ又は複数の構成に適用され得る。構成は、1つ又は複数の実例を提供し得る。構成などの語句は、1つ又は複数の構成を指し得、その逆も同様である。
【0113】
1つの態様において、そうでないことが述べられていない限り、以下の特許請求の範囲を含めて、本明細書において記載される全ての測定値、値、等級、位置、大きさ、サイズ、及び他の仕様は近似であり、正確なものではない。1つの態様において、それらは、それらが関連する機能及びそれらが属する技術分野において慣習的であるものと首尾一貫した合理的な範囲を有するものと意図される。
【0114】
開示されるプロセス又は方法におけるステップ又は動作の特定の順序又は階層は例示的な手法の説明であることが理解されるものである。実施態様の選好又はシナリオに基づいて、ステップ、動作又はプロセスの特定の順序又は階層は再配置され得ることが理解されるものである。ステップ、動作又はプロセスのうちのいくつかは、同時に実施されてよい。いくつかの実施態様の選好又はシナリオにおいて、特定の動作が実施されても、実施されなくてもよい。ステップ、動作又はプロセスのうちのいくつか又は全ては、ユーザの介入なしに自動的に実施されてよい。添付の方法の概念は、様々なステップ、動作又はプロセスの要素を見本となる順序で提示するものであり、提示された特定の順序又は階層に限定されること意味するものではない。
【0115】
当業者に知られる又は後に知られるようになる、本開示全体を通じて説明される様々な態様の要素に対する全ての構造的及び機能的等価物は、参照によって本明細書に明確に組み込まれ、概念によって包含されるものと意図される。更には、本明細書において開示されるものは、そのような開示が明示的に概念に列挙されているか否かに関わらず、公共に捧げられるものと意図されない。概念の要素は、その要素が「~ための手段」という語句を使用して明確に列挙されていない限り、又は、方法の概念の場合には、その要素が「~ためのステップ」という語句を使用して列挙されていない限り、米国特許法第112条(f)の条項の下で解釈されるべきではない。更には、「含む(include)」「有する(have)」などの用語が使用されている限り、そのような用語は、「備える(comprise)」が概念において移行語として用いられる場合に解釈されるときの「備える(comprise)」という用語と同様に、包括的であるものと意図される。
【0116】
本開示の発明の名称、背景技術、概要、図面の簡単な説明、及び要約書は、ここで本開示に組み込まれ、本開示の制限的な説明としてではなく、説明的な実例として提供される。本開示は、それらが概念の範囲及び意味を限定するために使用されるものではないと理解したうえで提出される。加えて、詳細な説明において、説明は、説明的な実例を提供し、様々な特徴は、本開示を合理化するために様々な実施例においてグループ化されることが理解され得るものである。本開示の方法は、特許請求された主題が、各概念において明確に列挙されたものよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈されるべきではない。むしろ、以下の概念が反映するように、本発明の主題は、単一の開示された構成又は動作の全ての特徴よりも少ない特徴に存する。以下の概念は、ここで詳細な説明に組み込まれ、各概念は、別個に開示される主題としてそれ自体で独立する。
【0117】
概念は、本明細書において説明される態様に限定されると意図されるものではなく、概念の文言と首尾一貫する全範囲が与えられ、全ての法的等価物を包含するべきである。それにもかかわらず、いずれの概念も、米国特許法第101条、第102条、又は第103条の要件を満たさない主題を包含すると意図されるものではなく、そのように解釈されるべきでない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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図17
図18
図19
図20A
図20B
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29A
図29B
図29C
図29D
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図35
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図40
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