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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-13
(45)【発行日】2023-09-22
(54)【発明の名称】自律走行車
(51)【国際特許分類】
   B62D 7/18 20060101AFI20230914BHJP
   B62D 17/00 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
B62D7/18 Z
B62D17/00 C
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022541775
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(86)【国際出願番号】 KR2020014552
(87)【国際公開番号】W WO2021141217
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2020-0002447
(32)【優先日】2020-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513016493
【氏名又は名称】セジン-アイジービー カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEJIN-IGB CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(74)【代理人】
【識別番号】100137903
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 亨
(72)【発明者】
【氏名】リン サン ホ
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-003574(JP,A)
【文献】特開2007-054388(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2014-0004901(KR,U)
【文献】特開2019-199952(JP,A)
【文献】特開2011-251632(JP,A)
【文献】特表2018-508720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪と一体に連結され、前記前輪を支持する前輪支持体と、
前記前輪に対する操向時に、前記前輪と共に動くナックルアームが一側に連結され、前記ナックルアームの傾斜角設定のために、前記前輪支持体の一側に角度調節可能に結合するナックルアーム角度調節アセンブリーと、
を含み、
前記ナックルアーム角度調節アセンブリーは、鋸歯方式を通じて前記前輪支持体に対して既定の角度ずつ角度調節が可能な鋸歯式ナックルアーム角度調節アセンブリーであり、
前記鋸歯式ナックルアーム角度調節アセンブリーは、
前記ナックルアームが連結されるアーム連結台を備えるアセンブリーボディーと、
前記アセンブリーボディーにその両端部が露出されるように結合し、前記アセンブリーボディーの回転軸心を形成する回転シャフトと、
前記回転シャフトと連結され、前記回転シャフトと一体化するが、一側に第1セレーションが形成される角度調節モジュールと、
前記角度調節モジュールを前記前輪支持体の一側に拘束させるモジュール拘束部と、
を含むことを特徴とする、自律走行車。
【請求項2】
前記モジュール拘束部は、
前記角度調節モジュールの第1セレーションと噛み合う第2セレーションを備えるモジュール拘束用メインブロックと、
前記モジュール拘束用メインブロックを前記前輪支持体に締結するメイン締結部材と、
を含むことを特徴とする、請求項に記載の自律走行車。
【請求項3】
前記モジュール拘束部は、
前記モジュール拘束用メインブロックの側部で前記モジュール拘束用メインブロックを支持するモジュール拘束用サブブロックと、
前記モジュール拘束用サブブロックと前記モジュール拘束用メインブロックとを締結するブロック締結部材と、
前記モジュール拘束用サブブロックを前記前輪支持体に締結するサブ締結部材と、
をさらに含むことを特徴とする、請求項に記載の自律走行車。
【請求項4】
前記前輪支持体は、
前記前輪の内部に配される支持体内部本体と、
前記支持体内部本体の一側下部に連結され、前記回転シャフトの下端部が結合するシャフト下部結合台と、
前記支持体内部本体の一側上部に連結され、前記回転シャフトの上端部が結合するシャフト上部結合台と、
前記前輪を挟んで前記支持体内部本体の反対側で前記前輪を支持する支持体外部本体と、
前記支持体外部本体と前記支持体内部本体とを締結する複数の本体締結部材と、
を含むことを特徴とする、請求項に記載の自律走行車。
【請求項5】
前記シャフト上部結合台に前記メイン締結部材と前記サブ締結部材とが通過する第1及び第2通過ホールが形成され、
前記モジュール拘束用メインブロックと前記モジュール拘束用サブブロックには、前記第1及び第2通過ホールを通過した前記メイン締結部材と前記サブ締結部材とが締結される第1及び第2締結ホールが形成されるが、前記第1締結ホールが長孔からなることを特徴とする、請求項に記載の自律走行車。
【請求項6】
前記モジュール拘束用メインブロックと前記モジュール拘束用サブブロックとが接する前記シャフト上部結合台の下端部に段差部が形成されることを特徴とする、請求項に記載の自律走行車。
【請求項7】
前記ナックルアーム角度調節アセンブリーの回転シャフトを通じて前記アセンブリーボディーと連結され、車幅の変化を除去するために、上下方向の直線運動のみ行いながら、車体に緩衝力を提供する上下駆動懸架装置をさらに含むことを特徴とする、請求項に記載の自律走行車。
【請求項8】
前記上下駆動懸架装置は、前記前輪と前記前輪の反対側に配される後輪いずれもに独立して搭載されることを特徴とする、請求項に記載の自律走行車。
【請求項9】
前記上下駆動懸架装置は、
装置ボディーと、
前記装置ボディーに結合するが、上下方向に緩衝されるバネと、
前記装置ボディーから延び、前記アセンブリーボディーの両端部に結合する一対の結合アームと、
前記装置ボディーの下部に離隔して連結され、車体フレームに結合する下部ヘッドと、
前記装置ボディーの上部に離隔して連結され、前記車体フレームに結合する前方フレームカバーに拘束される上部ヘッドと、
を含むことを特徴とする、請求項に記載の自律走行車。
【請求項10】
前記前輪の操向のための駆動力を発生させる操向モータと、
前記操向モータと連結され、前記操向モータによって回転するピニオンと、
前記ピニオンと噛合し、前記ピニオンの回転運動を直線運動に伝達するラックと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項に記載の自律走行車。
【請求項11】
一対の前記前輪領域で前記ナックルアームを支持するナックルアーム支持ユニットと、
前記ラックに結合するが、両端部が一対の前記ナックルアーム支持ユニットに回転自在に連結され、前記ラックの直線運動を前記ナックルアームの回転運動に伝達する運動伝達部材と、
をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の自律走行車。
【請求項12】
前記ナックルアーム支持ユニットは、
前記ナックルアームが貫通しながら支持されるアーム貫通支持台と、
前記アーム貫通支持台の外側で前記アーム貫通支持台を支持するユニットサポーターと、
前記ユニットサポーターに回転自在に連結され、前記運動伝達部材の端部に形成される貫通部に配されて固定される回転ヘッド部と、
を含むことを特徴とする、請求項11に記載の自律走行車。
【請求項13】
前記ピニオンは、
円盤状を有するピニオンボディーと、
前記ピニオンボディーの円周方向に沿って前記ピニオンボディーに等間隔で連結され、前記ラックに形成される歯の歯形に互いに対応しながら回転動力を提供する複数の動力伝達ピンと、
を含むことを特徴とする、請求項12に記載の自律走行車。
【請求項14】
前記前輪の反対側に一対に配される後輪にそれぞれ連結され、前記後輪に駆動力を提供する一対の後輪駆動部と、
前記一対の後輪駆動部の駆動のための駆動力を共用で提供する駆動力共用提供部と、
前記駆動力共用提供部と前記一対の後輪駆動部との間にそれぞれ連結され、前記駆動力共用提供部の運動を前記一対の後輪駆動部に伝達する後輪運動伝達部と、
をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の自律走行車。
【請求項15】
前記駆動力共用提供部は、駆動力を発生させるエンジンと、前記エンジンの速度を減速する減速機と、差動歯車と、がモジュール式で複合されて設けられることを特徴とする、請求項14に記載の自律走行車。
【請求項16】
前記後輪運動伝達部が、シュミットカップリングであることを特徴とする、請求項14に記載の自律走行車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律走行車に係り、より詳細には、車幅または車長に対するナックルアームの傾斜角設定またはセッティング(setting)作業を従来よりも正確でありながらも、容易かつ迅速に進めることができて、車両の量産性の確保に寄与できるということはもとより、自律操向及び走行時に、経路離脱誤差を最小化することができる自律走行車に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車には、操向システム(装置)が搭載される。操向システムとは、操向ホイール(wheel)とも呼ばれるハンドルを回した時、車輪(前輪)が曲がって自動車が旋回できるようにする一連のシステムである。
【0003】
このような操向システムには、図1及び図2のような2種の方式が存在する。
【0004】
第1の方式は、図1の概略的な図面で表現されるアッカーマン・ジャントー(Ackermann-Jantoud)方式(type)である。
【0005】
図1のアッカーマン・ジャントー方式は、4バー(4-bar)リンク方式、すなわち、一対のナックルアーム(Knuckle Arm)10、タイロッド11及びメインロッド12からなる4個のバー(bar)とリンクで連結されて動作する方式である。
【0006】
この際、一対のナックルアーム10は、一対のナックルアーム10を連結する仮想のライン(A、B)が後車軸の中心で合うようにする角度でセッティングされることが一般的である。
【0007】
図示していないハンドルを回すと、ハンドルに連結される操向軸が回転し、操向軸に連結されるピニオンギアが回転しながら、それに連結されるラックギアを通じてタイロッド11が移動しながらナックルアーム10を駆動させる。
【0008】
そうすると、ホイールピボット(図示せず)を基点として前輪20が回転し、後輪30が後続する。この際、一対の前輪20中で図1に示された右側車輪が左側車輪よりもさらに多く回転する。そうすると、参照符号O点を基準として自動車が旋回することができる。
【0009】
一方、図1のアッカーマン・ジャントー方式は、前述したように、4バーリンク方式の簡単な構造であって、具現が容易であり、タイロッド11の直線運動を4バーリンク形態の回転運動のみで操向できるという長所のために広く使われる。
【0010】
しかし、図1の実線で点線のように操向する時、任意の傾斜に傾かなければ、回転中心が後車軸延長線を外れて滑りが発生する。ところで、タイロッド11が直線運動のみで拘束されなければ、所望の操向反発力が得られないので、操向時に、後車軸延長線を外れた回転中心を有するしかなくて、図1のアッカーマン・ジャントー方式の場合には、一定レベルの滑りが発生するしかない。
【0011】
通常の自動車は、相対的に屈曲が激しい道路を走行する一方、サスペンションなどの補償とヒトの判断などでこの滑りを補完することができて、広く使われているが、図1のアッカーマン・ジャントー式は、理論的に滑りを排除することができないと知られている。
【0012】
第2の方式は、図2の概略的な図面で表現されるデービス(Davis)方式である。
【0013】
これは、図1のアッカーマン・ジャントー方式に比べて、理論的にはあらゆる操向条件で滑りを排除することができる構造である。
【0014】
但し、多くのスライディング部50を搭載しており、スライディング直線運動が多く、これにより、摩擦、摩耗が激しくて精度が落ちて、よく使われないと知られている。
【0015】
一方、前述した如何なる方式を採択するとしても、円滑な操向及び走行のためには、車幅(W)または車長(L、車両長)に対するナックルアーム10の傾斜角設定またはセッティングが何よりも重要である。そうすると、自動車、特に、無人で走行する自律走行車の場合、自律操向及び走行時に、経路離脱誤差を減らしうる。
【0016】
ところで、従来は、車幅(W)または車長(L)に対するナックルアーム10の傾斜角設定のために、ダブルナット(double nut)を利用した精密なネジ調整方式を採択したために、ナックルアーム10の傾斜角設定作業が容易ではなく、作業時間が長くかかるが、このような伝統の方式を自律走行車にそのまま適用する場合には、車幅(W)または車長(L)が異なる車輌ごとにいちいち再設定しなければならず、量産性が落ちるしかないという点を考慮すれば、既存に知られていない新概念の自律走行車に関する技術開発が必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明が解決しようとする技術的課題は、車幅または車長に対するナックルアームの傾斜角設定またはセッティング作業を従来よりも正確でありながらも、容易かつ迅速に進めることができて、車両の量産性の確保に寄与できるということはもとより、自律操向及び走行時に、経路離脱誤差を最小化することができる自律走行車を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一側面によれば、前輪と一体に連結され、前記前輪を支持する前輪支持体;及び前記前輪に対する操向時に、前記前輪と共に動くナックルアームが一側に連結され、前記ナックルアームの傾斜角設定のために、前記前輪支持体の一側に角度調節可能に結合するナックルアーム角度調節アセンブリー;を含むことを特徴とする自律走行車が提供されうる。
【0019】
前記ナックルアーム角度調節アセンブリーは、鋸歯方式を通じて前記前輪支持体に対して既定の角度ほど角度調節が可能な鋸歯式ナックルアーム角度調節アセンブリーである。
【0020】
前記鋸歯式ナックルアーム角度調節アセンブリーは、前記ナックルアームが連結されるアーム連結台を備えるアセンブリーボディー;前記アセンブリーボディーにその両端部が露出されるように結合し、前記アセンブリーボディーの回転軸心を形成する回転シャフト;前記回転シャフトと連結され、前記回転シャフトと一体化するが、一側に第1セレーション(serration)が形成される角度調節モジュール;及び前記角度調節モジュールを前記前輪支持体の一側に拘束させるモジュール拘束部;を含みうる。
【0021】
前記モジュール拘束部は、前記角度調節モジュールの第1セレーションと噛み合う第2セレーションを備えるモジュール拘束用メインブロック;及び前記モジュール拘束用メインブロックを前記前輪支持体に締結するメイン締結部材;を含みうる。
【0022】
前記モジュール拘束部は、前記モジュール拘束用メインブロックの側部で前記モジュール拘束用メインブロックを支持するモジュール拘束用サブブロック;前記モジュール拘束用サブブロックと前記モジュール拘束用メインブロックとを締結するブロック締結部材;及び前記モジュール拘束用サブブロックを前記前輪支持体に締結するサブ締結部材;をさらに含みうる。
【0023】
前記前輪支持体は、前記前輪の内部に配される支持体内部本体;前記支持体内部本体の一側下部に連結され、前記回転シャフトの下端部が結合するシャフト下部結合台;前記支持体内部本体の一側上部に連結され、前記回転シャフトの上端部が結合するシャフト上部結合台;前記前輪を挟んで前記支持体内部本体の反対側で前記前輪を支持する支持体外部本体;及び前記支持体外部本体と前記支持体内部本体とを締結する複数の本体締結部材;を含みうる。
【0024】
前記シャフト上部結合台に前記メイン締結部材と前記サブ締結部材とが通過する第1及び第2通過ホールが形成され、前記モジュール拘束用メインブロックと前記モジュール拘束用サブブロックには、前記第1及び第2通過ホールを通過した前記メイン締結部材と前記サブ締結部材とが締結される第1及び第2締結ホールが形成されるが、前記第1締結ホールが長孔からなりうる。
【0025】
前記モジュール拘束用メインブロックと前記モジュール拘束用サブブロックとが接する前記シャフト上部結合台の下端部に段差部が形成されうる。
【0026】
前記ナックルアーム角度調節アセンブリーの回転シャフトを通じて前記アセンブリーボディーと連結され、車幅の変化を除去するために、上下方向の直線運動のみ行いながら、車体に緩衝力を提供する上下駆動懸架装置をさらに含みうる。
【0027】
前記上下駆動懸架装置は、前記前輪と前記前輪の反対側に配される後輪いずれもに独立して搭載される。
【0028】
前記上下駆動懸架装置は、装置ボディー;前記装置ボディーに結合するが、上下方向に緩衝されるバネ;前記装置ボディーから延び、前記アセンブリーボディーの両端部に結合する一対の結合アーム;前記装置ボディーの下部に離隔して連結され、車体フレームに結合する下部ヘッド;及び前記装置ボディーの上部に離隔して連結され、前記車体フレームに結合する前方フレームカバーに拘束される上部ヘッド;を含みうる。
【0029】
前記前輪の操向のための駆動力を発生させる操向モータ;前記操向モータと連結され、前記操向モータによって回転するピニオン;及び前記ピニオンと噛合し、前記ピニオンの回転運動を直線運動に伝達するラック;をさらに含みうる。
【0030】
一対の前記前輪領域で前記ナックルアームを支持するナックルアーム支持ユニット;及び前記ラックに結合するが、両端部が一対の前記ナックルアーム支持ユニットに回転自在に連結され、前記ラックの直線運動を前記ナックルアームの回転運動に伝達する運動伝達部材;をさらに含みうる。
【0031】
前記ナックルアーム支持ユニットは、前記ナックルアームが貫通しながら支持されるアーム貫通支持台;前記アーム貫通支持台の外側で前記アーム貫通支持台を支持するユニットサポーター;及び前記ユニットサポーターに回転自在に連結され、前記運動伝達部材の端部に形成される貫通部に配されて固定される回転ヘッド部;を含みうる。
【0032】
前記ピニオンは、円盤状を有するピニオンボディー;及び前記ピニオンボディーの円周方向に沿って前記ピニオンボディーに等間隔で連結され、前記ラックに形成される歯の歯形に互いに対応しながら回転動力を提供する複数の動力伝達ピン;を含みうる。
【0033】
前記前輪の反対側に一対に配される後輪にそれぞれ連結され、前記後輪に駆動力を提供する一対の後輪駆動部;前記一対の後輪駆動部の駆動のための駆動力を共用で提供する駆動力共用提供部;及び前記駆動力共用提供部と前記一対の後輪駆動部との間にそれぞれ連結され、前記駆動力共用提供部の運動を前記一対の後輪駆動部に伝達する後輪運動伝達部;をさらに含みうる。
【0034】
前記駆動力共用提供部は、駆動力を発生させるエンジンと、前記エンジンの速度を減速する減速機と、差動歯車と、がモジュール式で複合されて設けられうる。
【0035】
前記後輪運動伝達部が、シュミットカップリング(SCHMIDT COUPLING)である。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、車幅または車長に対するナックルアームの傾斜角設定またはセッティング作業を従来よりも正確でありながらも、容易かつ迅速に進めることができて、車両の量産性の確保に寄与できるということはもとより、自律操向及び走行時に、経路離脱誤差を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】アッカーマン・ジャントー方式の操向システムに係わる概略的な構造図である。
図2】デービス方式の操向システムに係わる概略的な構造図である。
図3】本発明の一実施形態による自律走行車の斜視図である。
図4図3の背面斜視図である。
図5図3の平面図である。
図6図5において、ナックルアームを強調するために、ナックルアームを除いた残りの部分を点線処理した図面である。
図7図3のA領域の拡大図である。
図8図7において、車体フレームの一部を除去した後、反対側を示す図面である。
図9図8において、リニアガイドを除去した状態の図面である。
図10図9の反対側を示す図面である。
図11図10の部分分解図である。
図12図11において、ピニオンとラックとの分解図である。
図13図9のB領域の部分分解拡大図である。
図14図13の詳細分解図である。
図15図14の詳細分解図である。
図16図15の詳細分解図である。
図17図4のC領域の拡大図である。
図18図17に示された後輪駆動部領域の詳細図である。
図19図18の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明と本発明の動作上の利点及び本発明の実施によって達成される目的を十分に理解するためには、本発明の望ましい実施形態を例示する添付図面及び添付図面に記載の内容を参照しなければならない。
【0039】
以下、添付図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を説明することにより、本発明を詳しく説明する。各図面に付された同じ参照符号は、同じ部材を示す。
【0040】
図3は、本発明の一実施形態による自律走行車の斜視図であり、図4は、図3の背面斜視図であり、図5は、図3の平面図であり、図6は、図5において、ナックルアームを強調するために、ナックルアームを除いた残りの部分を点線処理した図面であり、図7は、図3のA領域の拡大図であり、図8は、図7において、車体フレームの一部を除去した後、反対側を示す図面であり、図9は、図8において、リニアガイドを除去した状態の図面であり、図10は、図9の反対側を示す図面であり、図11は、図10の部分分解図であり、図12は、図11において、ピニオンとラックとの分解図であり、図13は、図9のB領域の部分分解拡大図であり、図14は、図13の詳細分解図であり、図15は、図14の詳細分解図であり、図16は、図15の詳細分解図であり、図17は、図4のC領域の拡大図であり、図18は、図17に示された後輪駆動部領域の詳細図であり、図19は、図18の分解図である。
【0041】
これらの図面を参照すれば、本実施形態による自律走行車100は、車幅(W)または車長(L)に対するナックルアーム120の傾斜角設定またはセッティング作業を従来よりも正確でありながらも、容易かつ迅速に進めることができて、車両の量産性の確保に寄与できるということはもとより、自律操向及び走行時に、経路離脱誤差を最小化することができる。
【0042】
すなわち、前述したように、従来の車両でナックルアーム120の傾斜角設定またはセッティング作業(以下、設定作業と称する)は、図示していないダブルナットを利用した精密なネジ調整方式で進められたために、作業時間が遅くならざるを得ない。
【0043】
このように、ナックルアーム120の傾斜角設定作業時間が延びれば、自律走行車100に対する量産性を合わせにくく、これにより、実質的な生産が不可能である。
【0044】
しかし、本実施形態の場合、後述するように、セレーション134a、141a(図16参照)方式で簡便にナックルアーム120の傾斜角設定作業を進めることができて、作業時間を大幅に減らしうる。したがって、それほど自律走行車100に対する量産性を高めて競争力の確保には十分である。
【0045】
もちろん、このような効果を提供するためには、車幅(W)または車長(L)の長さ変化があってはならず、そのためには、本実施形態のように、自律走行車100の操向あるいは走行、緩衝のための動力伝達構造がリンク運動のない直線運動で設定されなければならない。このような構造と共に、ナックルアーム120の傾斜角設定作業の実質的な構造と作用は、詳細に後述する。
【0046】
一方、このような効果を提供することができる本実施形態による自律走行車100は、車体フレーム104と、車体フレーム104の前方及び後方にそれぞれ一対に回転自在に結合する一対ずつの前輪101及び後輪102を含み、車体フレーム104を介して前輪101及び後輪102にナックルアーム角度調節アセンブリー130などの構造、ユニットあるいは装置が連結される形態を取る。
【0047】
車体フレーム104について先に説明すれば、車体フレーム104は、前輪101及び後輪102を含めて自律走行車100を成すあらゆる部品、ユニットまたは装置を支持する構造体である。車体フレーム104は、軽いながらも、剛性に優れた金属フレームで適用可能である。
【0048】
図面には、参照符号104番に車体フレームを図示したが、このような車体フレーム104は、1つの大きな一体型塊構造物でも、部分的にネジ組み立てられる構造物でもある。
【0049】
特に、車体フレーム104は、前輪101及び後輪102を含めて自律走行車100を成すあらゆる部品、ユニットまたは装置を支持する役割を行えば、それで十分なので、必ず図面の形状と同じ必要はない。言い換えれば、図面の形状に本発明の権利範囲が制限されるものではない。
【0050】
前輪101には、前輪101と一体に連結されるが、前輪101を支持する前輪支持体110が設けられる。
【0051】
図14ないし図16に詳細に示されたように、前輪支持体110は、前輪101を回転自在に支持する一方、ナックルアーム角度調節アセンブリー130、モジュール拘束部140及び上下駆動懸架装置150などを安定して搭載させる。
【0052】
このような前輪支持体110は、前輪101の内部に配される支持体内部本体111と、前輪101を挟んで支持体内部本体111の反対側で前輪101を支持する支持体外部本体114と、支持体外部本体114と支持体内部本体111とを締結する複数の本体締結部材115と、を含みうる。
【0053】
これにより、前輪101の内部に支持体内部本体111を配置する一方、前輪101の外部に支持体外部本体114を配置し、本体締結部材115を締結して支持体外部本体114と支持体内部本体111とを一体に連結させることにより、前輪支持体110を前輪101に容易に設置することができる。分解は、反対方法で実行すれば良い。
【0054】
支持体内部本体111には、シャフト下部結合台112とシャフト上部結合台113とが結合する。シャフト下部結合台112とシャフト上部結合台113は、支持体内部本体111と一体型構造を成す。
【0055】
シャフト下部結合台112は、支持体内部本体111の一側下部に連結され、ナックルアーム角度調節アセンブリー130を成す回転シャフト133の下端部が結合する場所を成す。
【0056】
そして、シャフト上部結合台113は、支持体内部本体111の一側上部に連結され、回転シャフト133の上端部が結合する場所を成す。
【0057】
このように、前輪支持体110が前輪101に組み立てられ、前輪支持体110のシャフト下部結合台112とシャフト上部結合台113とを通じてナックルアーム角度調節アセンブリー130が連結されるために、前輪支持体110とナックルアーム角度調節アセンブリー130、そして、前輪101は、1つの塊で連結された構造を取る。
【0058】
一方、ナックルアーム角度調節アセンブリー130は、前輪101に対する操向時に、前輪101と共に動くナックルアーム120が一側に連結され、ナックルアーム120の傾斜角設定のために、前輪支持体110の一側に角度調節可能に結合する。
【0059】
本実施形態において、ナックルアーム角度調節アセンブリー130は、鋸歯方式、すなわち、セレーション134a、141a(図16参照)方式を通じて前輪支持体110に対して既定の角度ほど角度調節が可能な鋸歯式ナックルアーム角度調節アセンブリー130で適用される。
【0060】
本実施形態のように、鋸歯式ナックルアーム角度調節アセンブリー130が適用されれば、従来のダブルナットを利用した精密なネジ調整方式よりもナックルアーム120の傾斜角設定作業を容易かつ迅速に進めるということはもとより、角度調整が遥かに正確になるという利点がある。
【0061】
主に、図15ないし図16に詳細に示されたように、鋸歯式ナックルアーム角度調節アセンブリー130は、アセンブリーボディー131と、アセンブリーボディー131の回転軸心を形成する回転シャフト133と、回転シャフト133と連結され、回転シャフト133と一体化するが、一側に第1セレーション134aが形成される角度調節モジュール134と、角度調節モジュール134を前輪支持体110の一側に拘束させるモジュール拘束部140と、を含みうる。
【0062】
アセンブリーボディー131は、鋸歯式ナックルアーム角度調節アセンブリー130の骨組を成す。アセンブリーボディー131に回転シャフト133、角度調節モジュール134などの構造物が位置別に搭載される。
【0063】
アセンブリーボディー131には、ナックルアーム120が連結されるアーム連結台132が形成される。非円形断面構造を有するナックルアーム120は、一端部がアーム連結台132に連結された後、ナックルアーム支持ユニット165のアーム貫通支持台165aに他端部が露出されるように連結される。したがって、ナックルアーム支持ユニット165が動作すれば、ナックルアーム120が回転しながら前輪101が操向される。
【0064】
回転シャフト133は、アセンブリーボディー131の回転軸心を形成するが、その両端部がアセンブリーボディー131の外側に露出されるように結合する。
【0065】
本実施形態のように、回転シャフト133の両端部がアセンブリーボディー131の外側に露出されるように設けられるために、このような回転シャフト133の両端部に上下駆動懸架装置150と前輪支持体110とが組み立てられる。したがって、これらが、前輪101と共に1つの本体で連結される。
【0066】
角度調節モジュール134は、回転シャフト133と連結され、回転シャフト133と一体化する構造物である。このような角度調節モジュール134の一側に第1セレーション134aが形成される。
【0067】
図16を参照して、ナックルアーム120の傾斜角設定作業について簡単に敷衍説明する。本実施形態の場合、角度調節モジュール134の第1セレーション134aにモジュール拘束部140を成すモジュール拘束用メインブロック141の第2セレーション141aがネジ式で噛み合うが、モジュール拘束用メインブロック141が前輪支持体110のシャフト上部結合台113に締結される方式なので、モジュール拘束用メインブロック141を解いて、回転シャフト133と一体型である角度調節モジュール134を所望の角度ほど回転させた後、第1及び第2セレーション134a、141aを互いに拘束させながら、モジュール拘束用メインブロック141を前輪支持体110のシャフト上部結合台113に固定すれば、非常に簡単にナックルアーム120の傾斜角設定作業を進めることができる。
【0068】
特に、第1及び第2セレーション134a、141aを通じて1ピッチずつ回転させながら、ナックルアーム120の傾斜角設定作業を進めることができて、車幅(W)または車長(L)に対するナックルアーム120の傾斜角設定作業を迅速かつ精密に行えるという長所がある。
【0069】
鋸歯式ナックルアーム角度調節アセンブリー130を成すモジュール拘束部140についてさらに説明すれば、モジュール拘束部140は、角度調節モジュール134を前輪支持体110の一側に拘束させる役割を果たす。
【0070】
このようなモジュール拘束部140は、角度調節モジュール134の第1セレーション134aと噛み合う第2セレーション141aとを備えるモジュール拘束用メインブロック141と、モジュール拘束用メインブロック141を前輪支持体110に締結するメイン締結部材142と、を含みうる。
【0071】
モジュール拘束用メインブロック141の一側には、モジュール拘束用サブブロック143が設けられる。モジュール拘束用サブブロック143は、モジュール拘束用メインブロック141の側部でモジュール拘束用メインブロック141を支持する役割を果たす。モジュール拘束用サブブロック143とモジュール拘束用メインブロック141は、ブロック締結部材144を通じて締結されて一体型を成しうる。
【0072】
もちろん、モジュール拘束用サブブロック143なしにモジュール拘束用メインブロック141のみで角度調節モジュール134を支持することができるが、モジュール拘束用サブブロック143をさらに適用すれば、さらに安定的でありながらも、強い力で角度調節モジュール134を支持できるという長所がある。モジュール拘束用サブブロック143は、サブ締結部材145によって前輪支持体110に締結される。
【0073】
モジュール拘束用メインブロック141とモジュール拘束用サブブロック143が、車体フレーム104のシャフト上部結合台113に結合できるように、シャフト上部結合台113には、複数のメイン締結部材142とサブ締結部材145とが通過する第1及び第2通過ホール113a、113bが形成される。
【0074】
この際、モジュール拘束用メインブロック141とモジュール拘束用サブブロック143には、第1及び第2通過ホール113a、113bを通過したメイン締結部材142とサブ締結部材145とが締結される第1及び第2締結ホール141b、143aが形成されるが、第2締結ホール143aとは異なって、第1締結ホール141bが長孔からなる。したがって、部品間の組立公差を合わせるのに効果的である。
【0075】
そして、モジュール拘束用メインブロック141とモジュール拘束用サブブロック143とが接するシャフト上部結合台113の下端部には、段差部113cが形成される。図14に拡大されたように、段差部113cにモジュール拘束用サブブロック143が配される形態であって、モジュール拘束用サブブロック143が押されず、安定してモジュール拘束用メインブロック141を支持させる。
【0076】
一方、前述したように、本実施形態による自律走行車100の場合、図1に示されたアッカーマン・ジャントー方式の滑り現象を無くす方案として、自律走行車100の操向あるいは走行、緩衝のための動力伝達構造がリンク運動のない直線運動で適用される。これについて説明する。
【0077】
本実施形態による自律走行車100には、前輪101の操向のための駆動力を発生させる操向モータ161が設けられる。
【0078】
そして、操向モータ161の駆動力を一対の前輪101に提供するために、本実施形態による自律走行車100には、ピニオン170及びラック162が適用され、ラック162に運動伝達部材163が連結され、運動伝達部材163にナックルアーム120を支持するナックルアーム支持ユニット165が連結される。
【0079】
したがって、操向モータ161が駆動してピニオン170を回転させれば、ピニオン170の回転運動がラック162と運動伝達部材163の直線運動で伝達され、運動伝達部材163がナックルアーム支持ユニット165を引っ張るか、押す動作によってナックルアーム支持ユニット165に支持されたナックルアーム120が回転しながら前輪101を操向させることができる。これについてさらに具体的に調べる。
【0080】
操向モータ161は、前輪101の操向のための駆動力を発生させるモータである。このような操向モータ161にピニオン170が連結される。本実施形態において、操向モータ161は、車体フレーム104に位置固定されるように搭載されるために、ピニオン170は、正位置で回転する形態を取る。
【0081】
ピニオン170は、操向モータ161と連結され、操向モータ161によって回転する構造物である。そして、ラック162は、ピニオン170と噛合し、ピニオン170の回転運動を直線運動に伝達する役割を果たす。
【0082】
通常の平歯車形態のピニオンが適用されることもあるが、本実施形態の場合、以下の構造のピニオン170を適用している。すなわち、本実施形態に適用されるピニオン170は、円盤状を有するピニオンボディー171と、ピニオンボディー171の円周方向に沿ってピニオンボディー171に等間隔で連結され、ラック162に形成される歯162aの歯形に互いに対応しながら回転動力を提供する複数の動力伝達ピン172と、を含む。
【0083】
この際、動力伝達ピン172は、ピニオンボディー101で円状の配列構造を有し、ラック162に形成される歯162aの歯形に互いに対応しながら回転する。
【0084】
これにより、操向モータ161の作用によってピニオン170が正位置で回転運動すれば、ピニオン170の動力伝達ピン172がラック162に形成される歯162aの噛み合わされることにより、ラック162が直線運動する。そうすると、ラック162と一体に連結される運動伝達部材163が前方フレームカバー105を通じて車体フレーム104に拘束されたリニアガイド168によってガイドされながら、水平、すなわち、左右に直線運動し、これにより、運動伝達部材163の両端部に連結されるナックルアーム支持ユニット165を通じてナックルアーム120を左右に回転させながら前輪101が動くように、すなわち、操向させる。
【0085】
参考までに、リニアガイド168は、操向モータ161を支持するモータ支持台169と共に前方フレームカバー105に固定され、前方フレームカバー105は、車体フレーム104と連結される形態を取る。このように位置固定された構造物である車体フレーム104にリニアガイド168が位置固定された状態でリニアガイド168に運動伝達部材163が連結されてガイドされるために、運動伝達部材163の水平直線運動を安定して引き出すことができる。
【0086】
前述したように、前輪101領域には、ナックルアーム120を支持するナックルアーム支持ユニット165が設けられる。ナックルアーム支持ユニット165は、ナックルアーム120が貫通しながら支持されるアーム貫通支持台165aと、アーム貫通支持台165aの外側でアーム貫通支持台165aを支持するユニットサポーター165bと、ユニットサポーター165bに回転自在に連結され、運動伝達部材163の端部に形成される貫通部163aに配されて固定される回転ヘッド部165cと、を含みうる。ナックルアーム120とアーム貫通支持台165aとが非円形断面結合構造を成すために、ナックルアーム120は、アーム貫通支持台165a内で空回りしない。
【0087】
そして、前述したラック162に運動伝達部材163が連結されて一体型を成す。すなわち、運動伝達部材163は、ラック162に結合するが、両端部が一対のナックルアーム支持ユニット165に回転自在に連結され、ラック162の直線運動をナックルアーム120の回転運動に伝達する役割を果たす。
【0088】
このように、本実施形態は、運動伝達部材163の直線運動でナックルアーム120を回転させながら前輪101を操向する直線回転転がり運動方式であって、以前のように、リンク構造が不要であり、これにより、車幅(W)または車長(L)の変化発生を無くすことができ、さらにスライディング摩耗発生の最小化に寄与することができる。
【0089】
一方、同じ概念として、もし、車体に加えられる振動などを無くすための懸架装置を適用するに当って、図1及び図2の車両に適用された懸架装置のように傾いた方向の懸架装置を適用すれば、これもまた、車幅(W)または車長(L)の変化発生に影響を及ぼしうる。これにより、本実施形態では、車幅(W)または車長(L)の変化発生に影響が及ばないように上下駆動懸架装置150を適用している。
【0090】
上下駆動懸架装置150は、車両に緩衝機能を提供するものであって、ナックルアーム角度調節アセンブリー130の回転シャフト133を通じてアセンブリーボディー131と連結され、車幅(W)または車長(L)の変化発生、特に、車幅(W)の変化を除去するために、上下方向の直線運動のみ行いながら、車体に緩衝力を提供する。上下駆動懸架装置150は、一対ずつの前輪101と後輪102いずれもに独立して搭載される。
【0091】
このような上下駆動懸架装置150は、装置ボディー151と、装置ボディー151に結合するが、上下方向に緩衝されるバネ152と、装置ボディー151から延び、アセンブリーボディー131の両端部に結合する一対の結合アーム153と、装置ボディー151の下部に離隔して連結され、車体フレーム104に結合する下部ヘッド154と、装置ボディー151の上部に離隔して連結され、車体フレーム104に結合する前方フレームカバー105に拘束される上部ヘッド155と、を含みうる。
【0092】
再び図3及び図4、そして、図17ないし図19を参照すれば、本実施形態による自律走行車100には、車両の走行駆動のための手段として、一対の後輪駆動部181、駆動力共用提供部182及び後輪運動伝達部183が搭載される。
【0093】
一対の後輪駆動部181は、後輪102にそれぞれ連結され、後輪102に駆動力を提供する。
【0094】
駆動力共用提供部182は、一対の後輪駆動部181の駆動のための駆動力を共用で提供する。このような駆動力共用提供部182は、サポーター186によって支持された状態で運動伝達部183と連結される。サポーター186は、後方フレームカバー106を通じて車体フレーム104に連結される。結果として、駆動力共用提供部182は、車体フレーム104に安定して位置固定された形態を取る。
【0095】
本実施形態において、駆動力共用提供部182は、駆動力を発生させるエンジンと、エンジンの速度を減速する減速機と、差動歯車と、がモジュール式で複合されて設けられる複合装置で適用される。このように、前記の機能が一体化された駆動力共用提供部182が適用される場合、モジュール化されて、組み立て及びメンテナンスが便利であり、特に、軽薄短小の具現が可能な長所を提供することができる。
【0096】
後輪運動伝達部183は、駆動力共用提供部182と一対の後輪駆動部181との間にそれぞれ連結され、駆動力共用提供部182の運動を一対の後輪駆動部181に伝達する。
【0097】
本実施形態において、後輪運動伝達部183が、シュミットカップリングで適用される。シュミットカップリングは、効率的でありながらも、動力伝達の連続性が保証されるカップリングであり、大きな偏心が発生する場合にも、運動とトルクとを正確に伝達する。言い換えれば、シュミットカップリングは、大きな偏心を吸収する時も、相対軸との左右距離は変わらない長所を提供するが、このようなシュミットカップリングを後輪運動伝達部183で適用することにより、以前のように、後車軸にユニバーサルジョイントなどを使用する必要がない。
【0098】
以下、ナックルアーム120の傾斜角設定作業について説明する。
【0099】
まず、メイン締結部材142とサブ締結部材145とを解いて、モジュール拘束用メインブロック141とモジュール拘束用サブブロック143との拘束を解除する。モジュール拘束用メインブロック141とモジュール拘束用サブブロック143との拘束を解除すれば、第1及び第2セレーション134a、141aのネジ噛み合いが解除されるために、この状態で角度調節モジュール134を通じてアセンブリーボディー131の回転シャフト133を所望の角度ほど回転させる。
【0100】
前述したように、角度調節モジュール134に第1セレーション134aが形成されるために、1ピッチずつ回転させながら、ナックルアーム120の傾斜角設定作業を進めることができる。
【0101】
次に、ナックルアーム120の傾斜角を合わせた後、角度調節モジュール134の第1セレーション134aにモジュール拘束用メインブロック141の第2セレーション141aがネジ噛み合わせた後、モジュール拘束用メインブロック141の側部にモジュール拘束用サブブロック143を配置し、本体締結部材115でモジュール拘束用メインブロック141とモジュール拘束用サブブロック143とを固定する。
【0102】
その後、メイン締結部材142とサブ締結部材145とをシャフト上部結合台113の第1及び第2通過ホール113a、113bにそれぞれ通過させて、モジュール拘束用メインブロック141とモジュール拘束用サブブロック143との第1及び第2締結ホール141b、143aに締結することにより、車幅(W)または車長(L)に対するナックルアーム120の傾斜角設定作業を迅速かつ精密に行える。
【0103】
前述したような構造で作用を行う本実施形態によれば、車幅(W)または車長(L)に対するナックルアーム120の傾斜角設定またはセッティング作業を従来よりも正確でありながらも、容易かつ迅速に進めることができて、車両の量産性の確保に寄与できるということはもとより、自律操向及び走行時に、経路離脱誤差を最小化させうる。
【0104】
このように、本発明は、記載の実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を外れずに多様な修正及び変形できるということは、当業者に自明である。したがって、そのような修正例や変形例は、本発明の特許請求の範囲に属するものと言わなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、自律走行のための自動車分野に用いられる。
図1
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