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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】プログラム、制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20230915BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20230915BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20230915BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W84/12
H04M1/00 R
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018207008
(22)【出願日】2018-11-02
(65)【公開番号】P2020072432
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】帆足 正和
(72)【発明者】
【氏名】村上 和宏
【審査官】桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-022408(JP,A)
【文献】特開2018-107779(JP,A)
【文献】特開2018-129770(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0034014(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置にインストールされるアプリケーションのプログラムであって、
前記通信装置のOSのバージョンを特定し、
特定した前記OSのバージョンが、前記通信装置の接続先を他のアクセスポイントに変更することを、前記通信装置にインストールされた外部装置アプリケーションが前記OSに指示する接続先変更機能を有する基準のバージョンよりも古い場合、又は新しい場合に基づいて、外部装置をアクセスポイントに接続させるユーザの手順として、前記古い場合の第1の手順、又は、前記新しい場合の第2の手順のいずれをユーザに提示するかを決定し、前記第1の手順および前記第2の手順では、前記アプリケーションのプログラムは前記通信装置に前記外部装置の図で操作部分の説明画面を表示して、前記外部装置の操作をユーザに指示し、ユーザが前記外部装置をソフトウェアアクセスポイントモードで動作させる第1の工程を有することを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記第1の手順は、前記第1の工程と、ユーザが前記ソフトウェアアクセスポイントモードで動作している前記外部装置に前記通信装置を接続するための必要なSSIDとパスワードを入力する操作を促す第2の工程と、前記通信装置のOSに対して前記外部装置が前記アクセスポイントに接続するために必要な情報をユーザが指定する第3の工程とを少なくとも含み、
前記第2の手順は、前記第1の工程と前記第3の工程とを少なくとも含み、前記第2の工程を含まないことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記ソフトウェアアクセスポイントモードで動作する際の前記外部装置の前記SSIDと、前記ソフトウェアアクセスポイントモードで動作する前記外部装置に接続する際に必要な前記パスワードは、前記プログラムに予め組み込まれていて、
前記第2の手順において、前記SSIDと前記パスワードに基づいて、前記ソフトウェアアクセスポイントモードで動作している前記外部装置に前記通信装置が自動的に接続することを特徴とする請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記ソフトウェアアクセスポイントモードで動作する際の前記外部装置のSSIDは、前記プログラムに予め組み込まれていて、
前記第2の手順において、前記SSIDに基づいて、前記ソフトウェアアクセスポイントモードで動作している前記外部装置に前記通信装置が自動的に接続することを特徴とする請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第1の手順は、前記第1の工程と、ユーザが前記ソフトウェアアクセスポイントモードで動作している前記外部装置に前記通信装置を接続するための必要なSSIDとパスワードを入力する操作を促す第2の工程と、前記通信装置のOSに対して前記外部装置が前記アクセスポイントに接続するために必要な情報をユーザが指定する第3の工程と、前記通信装置の前記外部装置アプリケーションのプログラムにおいて前記通信装置の接続先を元のアクセスポイントにユーザが戻すために前記元のアクセスポイントのSSIDとパスワードを入力する操作を促す第4の工程とを少なくとも含み、
前記第2の手順は、前記第1の工程と前記第3の工程とを少なくとも含み、前記第2の工程と前記第4の工程を含まないことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第2の手順において、前記通信装置が、接続先を前記外部装置から前記元のアクセスポイントに自動的に戻すことを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記外部装置が前記アクセスポイントに接続するために必要な情報は、前記アクセスポイントに接続する際に必要なパスワードであることを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記外部装置が前記アクセスポイントに接続するために必要な情報は、前記アクセスポイントのSSIDと、前記アクセスポイントに接続する際に必要なパスワードであることを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
通信装置にインストールされるアプリケーションによって実現される制御方法であって、
前記通信装置のOSのバージョンを特定し、
特定した前記OSのバージョンが、前記通信装置の接続先を他のアクセスポイントに変更することを、前記通信装置にインストールされた外部装置アプリケーションが前記OSに指示する接続先変更機能を有する基準のバージョンよりも古い場合、又は新しい場合に基づいて、外部装置をアクセスポイントに接続させるユーザの手順として、前記古い場合の第1の手順、又は、前記新しい場合の第2の手順のいずれをユーザに提示するかを決定し、前記第1の手順および前記第2の手順では、前記アプリケーションのプログラムは前記通信装置に前記外部装置の図で操作部分の説明画面を表示して、前記外部装置の操作をユーザに指示し、ユーザが前記外部装置をソフトウェアアクセスポイントモードで動作させる第1の工程を有することを特徴とする制御方法。
【請求項10】
前記第1の手順は、前記第1の工程と、ユーザが前記ソフトウェアアクセスポイントモードで動作している前記外部装置に前記通信装置を接続するための必要なSSIDとパスワードを入力する操作を促す第2の工程と、前記通信装置のOSに対して前記外部装置が前記アクセスポイントに接続するために必要な情報をユーザが指定する第3の工程とを少なくとも含み、
前記第2の手順は、前記第1の工程と前記第3の工程とを少なくとも含み、前記第2の工程を含まないことを特徴とする請求項9に記載の制御方法。
【請求項11】
前記ソフトウェアアクセスポイントモードで動作する際の前記外部装置の前記SSIDと、前記ソフトウェアアクセスポイントモードで動作する前記外部装置に接続する際に必要な前記パスワードは、外部装置アプリケーションのプログラムに予め組み込まれていて、
前記第2の手順において、前記SSIDと前記パスワードに基づいて、前記ソフトウェアアクセスポイントモードで動作している前記外部装置に前記通信装置が自動的に接続することを特徴とする請求項10に記載の制御方法。
【請求項12】
前記ソフトウェアアクセスポイントモードで動作する際の前記外部装置のSSIDは、外部装置アプリケーションのプログラムに予め組み込まれていて、
前記第2の手順において、前記SSIDに基づいて、前記ソフトウェアアクセスポイントモードで動作している前記外部装置に前記通信装置が自動的に接続することを特徴とする請求項10に記載の制御方法。
【請求項13】
前記第1の手順は、前記第1の工程と、ユーザが前記ソフトウェアアクセスポイントモードで動作している前記外部装置に前記通信装置を接続するための必要なSSIDとパスワードを入力する操作を促す第2の工程と、前記通信装置のOSに対して前記外部装置が前記アクセスポイントに接続するために必要な情報をユーザが指定する第3の工程と、前記通信装置の前記外部装置アプリケーションのプログラムにおいて前記通信装置の接続先を元のアクセスポイントにユーザが戻すために前記元のアクセスポイントのSSIDとパスワードを入力する操作を促す第4の工程とを少なくとも含み、
前記第2の手順は、前記第1の工程と前記第3の工程とを少なくとも含み、前記第2の工程と前記第4の工程を含まないことを特徴とする請求項9に記載の制御方法。
【請求項14】
前記第2の手順において、前記通信装置が、接続先を前記外部装置から前記元のアクセスポイントに自動的に戻すことを特徴とする請求項13に記載の制御方法。
【請求項15】
前記外部装置が前記アクセスポイントに接続するために必要な情報は、前記アクセスポイントに接続する際に必要なパスワードであることを特徴とする請求項10から14のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項16】
前記外部装置が前記アクセスポイントに接続するために必要な情報は、前記アクセスポイントのSSIDと、前記アクセスポイントに接続する際に必要なパスワードであることを特徴とする請求項10から14のいずれか1項に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプログラム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯端末がNFC(Near Field Communication)を用いてNFCタグから取得した接続情報に基づいて、携帯端末がアクセスポイントとの間で無線接続を確立する構成が開示されている。特許文献1の場合、携帯端末にインストールされているアプリケーションが携帯端末のOS(Operating System)に様々な指示を行うことで、携帯端末がアクセスポイントとの間で無線接続を確立する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-173354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯端末のような通信装置にインストールされているアプリケーションは、通信装置のOSに様々な指示を行うことで特定の機能(例えばアクセスポイントとの間で無線接続を確立する機能)を実現する。一方で、通信装置のOSは最新のバージョンにバージョンアップされているものがあれば、古いバージョンのまま使われているものもある。即ち、携帯端末にインストールされるアプリケーションは、通信装置のOSのバージョンに適した制御を行うことが望ましい。
【0005】
そこで本発明は、携帯端末にインストールされるアプリケーションであって、通信装置のOSのバージョンに適した制御を行うアプリケーションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明が提供するプログラムは、通信装置にインストールされるアプリケーションのプログラムであって、前記通信装置のOSのバージョンを特定し、特定した前記OSのバージョンに基づいて、外部装置をアクセスポイントに接続させる手順として、第1の手順、又は、第2の手順のいずれをユーザに提示するかを決定することを特徴とする。
【0007】
また、本発明が提供する制御方法は、通信装置にインストールされるアプリケーションによって実現される制御方法であって、前記通信装置のOSのバージョンを特定し、特定した前記OSのバージョンに基づいて、外部装置をアクセスポイントに接続させる手順として、第1の手順、又は、第2の手順のいずれをユーザに提示するかを決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、携帯端末にインストールされるアプリケーションであって、通信装置のOSのバージョンに適した制御を行うアプリケーションを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】システムの概要を示す図である。
図2】携帯端末100のハードウェア構成を示す図である。
図3】携帯端末100のソフトウェア構成を示す図である。
図4】携帯端末100が実行する処理を示すフローチャートである。
図5】携帯端末100が実行する第1の処理を示すフローチャートである。
図6】携帯端末100が実行する第1の処理を示すフローチャートである。
図7】冷蔵庫アプリケーション302が表示する画面を示す図である。
図8】携帯端末100が実行する第2の処理を示すフローチャートである。
図9】携帯端末100が実行する第2の処理を示すフローチャートである。
図10】冷蔵庫アプリケーション302が表示する画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
(実施形態1)
図1は、本実施形態のシステムの概要を説明する図である。本実施形態のシステムは、携帯端末100、冷蔵庫110、アクセスポイント120から構成される。冷蔵庫110は、後述する接続手順によってアクセスポイント120との間で無線接続を確立し、インターネット上のサーバと通信する。アクセスポイント120は、例えば無線LANルーターである。携帯端末100は、スマートフォンやタブレット端末等の通信装置の一例である。携帯端末100は、アクセスポイント120との間で無線接続を確立し、インターネット上のサーバと通信する。
【0011】
図2は、携帯端末100のハードウェア構成を説明する図である。CPU201は、フラッシュメモリ202が記憶している制御プログラムを読み出して、携帯端末100の動作を制御するための様々な処理を実行するプロセッサである。フラッシュメモリ202は、制御プログラム等の各種データ、携帯端末100にインストールされているアプリケーションのプログラムを記憶する不揮発性の記憶媒体である。RAM203は、一時記憶領域として用いられる揮発性の記憶媒体である。操作部204はキーであり、複数のキーが携帯端末100に設けられている。表示部205はタッチパネルであり、画像や動画等の情報を表示したり、タッチ操作によってユーザから指示を受け付ける。無線LAN I/F206は、IEEE802.11a/b/g/n/ac等の無線LAN通信を実行する。無線LAN I/F206は、アクセスポイント120との間で無線接続を確立し、インターネット上のサーバと通信する。なお、後ほど詳しく説明するが、冷蔵庫110はソフトウェアアクセスポイントモードで動作可能であり、無線LAN I/F206は、ソフトウェアアクセスポイントモードで動作する冷蔵庫110との間で無線接続を確立する。カメラ207は、撮影機能と、QRコード(登録商標)のような二次元コードを読み取る読み取り機能とを有する。
【0012】
次に図3を用いて、携帯端末100のソフトウェア構成を説明する。図3は、CPU201がフラッシュメモリ202に記憶されている制御プログラムやアプリケーションプログラムを読み出すことで実現されるソフトウェアの機能ブロック図である。
【0013】
OS(Operating System)301は、携帯端末100の全体の動作を制御するための基本的なソフトウェアであり、CPU201が制御プログラムを読みだして実行することで実現される。また、携帯端末100には、様々なアプリケーションをインストールすることができる。OS301は、これらのアプリケーションとの間で情報をやり取りし、アプリケーションから受けた指示に従って携帯端末100の動作を制御する。
【0014】
冷蔵庫アプリケーション302は、携帯端末100にインストールされているアプリケーションの一つである。冷蔵庫アプリケーション302は、冷蔵庫用にユーザに提供されるアプリケーションであり、冷蔵庫110の設定を冷蔵庫アプリケーション302から変更したり、冷蔵庫110が送信する通知(例えば製氷完了を示す通知)を携帯端末100に表示したりする。フラッシュメモリ202には、冷蔵庫アプリケーション302を実現するためのアプリケーションプログラムが記憶されている。CPU201が冷蔵庫アプリケーションプログラムを読み出して実行することで、冷蔵庫アプリケーション302が実現される。
【0015】
次に図4から図9を用いて、冷蔵庫110をアクセスポイント120に接続させる手順を説明する。ユーザは、冷蔵庫アプリケーション302が提示する手順に従って、冷蔵庫110をアクセスポイント120に接続させる。
【0016】
携帯端末100が実行する処理を、図4図5図6図8図9のフローチャートを用いて説明する。これらのフローチャートに示す各ステップは、フラッシュメモリ202に記憶されている制御プログラムとアプリケーションプログラムを、CPU201がRAM203に展開して実行することによって実現される。また、冷蔵庫アプリケーション302によって携帯端末100に表示される画面を、図7を用いて説明する。
【0017】
ユーザは、冷蔵庫110をアクセスポイント120に接続させる処理を開始する指示を、冷蔵庫アプリケーション302に入力する。するとステップ401において、冷蔵庫アプリケーション302は、携帯端末100のOS301のバージョンを特定し、特定したOS301のバージョンが基準のバージョンよりも古いか否かを判定する。
【0018】
基準のバージョンについて説明する。本実施形態において、あるバージョンのOS301において、携帯端末100の接続先を他のアクセスポイントに変更することを冷蔵庫アプリケーション302がOS301に指示する機能が新たに追加されたとする。以降の説明では、携帯端末100の接続先を他のアクセスポイントに変更することを冷蔵庫アプリケーション302がOS301に指示する機能のことを、接続先変更機能と呼ぶ。ステップ401では、この接続先変更機能が新たに追加されたバージョンを基準のバージョンとして扱う。なお、OS301のバージョンは、冷蔵庫アプリケーション302がOS301に問い合わせることで特定できる。
【0019】
特定したOS301のバージョンが基準のバージョンよりも古い場合、ステップ401においてOS301のバージョンと古いと判定され、処理はステップ402に進む。一方、特定したOS301のバージョンが基準のバージョンと同じ、又は、基準のバージョンよりも新しい場合に、ステップ401においてOS301のバージョンは新しいと判定され、処理はステップ403に進む。
【0020】
ステップ402について説明する。ステップ402において、冷蔵庫アプリケーション302は、第1の処理を実行する。第1の処理とは、接続先変更機能を使用することなく、冷蔵庫110をアクセスポイント120に接続させる手順を冷蔵庫アプリケーション302がユーザに提示する処理であり、図5図6を用いて詳しく説明する。
【0021】
次にステップ403について説明する。ステップ403において、冷蔵庫アプリケーション302は、第2の処理を実行する。第2の処理とは、接続先変更機能を使用して、冷蔵庫110をアクセスポイント120に接続させる手順を冷蔵庫アプリケーション302がユーザに提示する処理であり、図8図9を用いて詳しく説明する。
【0022】
図5図6を用いて、冷蔵庫アプリケーション302が実行する第1の処理を詳しく説明する。ステップ501において、冷蔵庫アプリケーション302は、冷蔵庫110をソフトウェアアクセスポイントモードで動作させるための手順をユーザに提示する。ソフトウェアアクセスポイントモードとは、冷蔵庫110が無線LANのアクセスポイントとして動作するモードである。以降の説明では、ソフトウェアアクセスポイントモードのことをソフトAPモードと呼ぶ。冷蔵庫110は、ソフトAPモードで動作することで無線LANのアクセスポイントとして振る舞う機能と、無線LANのクライアントとして外部のアクセスポイント(例えばアクセスポイント120)に接続する機能の両方を備える。
【0023】
ステップ501において、冷蔵庫アプリケーション302は、図7(A)の説明画面700を表示することで、冷蔵庫110をソフトAPモードで動作させるための手順をユーザに提示する。説明画面700によって、ユーザは、冷蔵庫110をソフトAPモードで動作させるために、冷蔵庫110の所定のボタンを押すことが必要だと把握できる。
【0024】
次にステップ502において、冷蔵庫アプリケーション302は、次の処理に進むか否かを判定する。本実施形態では、説明画面700のボタン701をユーザがタッチすることで、次の処理に進むと冷蔵庫アプリケーション302が判定し、処理はステップ503に進む。
【0025】
次にステップ503において、冷蔵庫アプリケーション302は、携帯端末100が接続中のアクセスポイントのSSID(Service Set Identifier)を記憶する。本実施形態において、携帯端末100はアクセスポイント120に接続中であるとする。すると、ステップ503において、冷蔵庫アプリケーション302はアクセスポイント120のSSIDを記憶する。なお、携帯端末100が接続中のアクセスポイントのSSIDは、冷蔵庫アプリケーション302がOS301に問い合わせることで特定できる。
【0026】
次にステップ504において、冷蔵庫アプリケーション302は、図7(B)の説明画面710を表示することで、携帯端末100をソフトAPモードで動作している冷蔵庫110に接続させるための手順をユーザに提示する。第1の処理が実行されているということは、携帯端末100のOS301のバージョンが古く、冷蔵庫アプリケーション302は接続先変更機能を使用することができない。そこで冷蔵庫アプリケーション302は、携帯端末100の接続先をユーザに手動で変更させるために、図7(B)の説明画面710を表示する。
【0027】
説明画面710において表示されているSSIDは、ソフトAPモードで動作する冷蔵庫110のSSIDである。また、説明画面710において表示されているパスワードは、ソフトAPモードで動作する冷蔵庫110に接続する際に必要なパスワードである。本実施形態では、冷蔵庫110の製造時に予め冷蔵庫110のSSIDとパスワードが決められている。そして、これらのSSIDとパスワードが冷蔵庫アプリケーション302のアプリケーションプログラムに予め組み込まれているため、説明画面710において冷蔵庫110のSSIDとパスワードを表示することができる。
【0028】
ユーザがボタン711をタッチすると、携帯端末100はOS301が提供するWi-Fi設定画面を表示する。Wi-Fi設定画面においてユーザは、説明画面710に表示されている冷蔵庫110のSSIDを選択し、説明画面710に表示されているパスワードを入力する。これにより、携帯端末100と冷蔵庫110との間の無線接続が確立する。なお、説明画面710のボタン712をユーザがタッチすると、説明画面710に表示されているパスワードが携帯端末100のクリップボードにコピーされる。説明画面710に表示されているパスワードをクリップボードにコピーすることで、ユーザは、ペースト操作を用いてパスワードを簡単に入力できる。
【0029】
次にステップ505について説明する。ステップ505において、冷蔵庫アプリケーション302は、携帯端末100がソフトAPモードで動作中の冷蔵庫110に接続したか否かを判定する。携帯端末100が冷蔵庫110に接続すると、処理は図6のステップ601に進む。なお、携帯端末100が冷蔵庫110に接続するということは、携帯端末100の接続先がアクセスポイント120から冷蔵庫110に変更されるということである。
【0030】
図6のステップ601において、冷蔵庫アプリケーション302は、図7(C)の説明画面720を表示することで、アクセスポイント120に接続するために必要なパスワードの入力をユーザに促す。説明画面720の項目721には、ステップ503で記憶したSSIDが表示されている。ユーザは、入力エリア722にアクセスポイント120に接続するために必要なパスワードを入力する。
【0031】
次にステップ602において、冷蔵庫アプリケーション302は、パスワードの入力が完了したか否かを判定する。ユーザが入力エリア722にパスワードを入力してボタン723をタッチすると、パスワードの入力が完了したと冷蔵庫アプリケーション302が判定し、処理はステップ603に進む。
【0032】
次にステップ603において、冷蔵庫アプリケーション302は、ステップ503で記憶したアクセスポイントのSSIDと、説明画面720で入力されたパスワードとを冷蔵庫110に送信する。具体的に説明すると、ステップ503で記憶したSSIDと説明画面720で入力されたパスワードを送信するように冷蔵庫アプリケーション302がOS301に指示する。そしてOS301の制御によって、無線LAN I/F206が、ステップ503で記憶したSSIDと説明画面720で入力されたパスワードを冷蔵庫110に送信する。
【0033】
ステップ603で送信されたSSIDとパスワードを受信した冷蔵庫110は、受信したSSIDとパスワードとに基づいて、アクセスポイント120に接続する。即ち、普段ユーザが使用しているアクセスポイント(本実施形態ではアクセスポイント120)のSSIDとパスワードを携帯端末100から冷蔵庫110に伝えることで、当該アクセスポイントに冷蔵庫110を接続させることができる。なお、ステップ601のようにアクセスポイントに接続するために必要なパスワードの入力をユーザに促すのは、当該パスワードを冷蔵庫アプリケーション302がOS301から取得できないためである。
【0034】
次にステップ604について説明する。ステップ604において、冷蔵庫アプリケーション302は、図7(D)の説明画面730を表示することで、携帯端末100の接続先を元のアクセスポイントに戻すことをユーザに促す。説明画面730の項目731には、ステップ503で記憶したSSIDが表示されている。また、ユーザがボタン732をタッチすると、携帯端末100はOS301が提供するWi-Fi設定画面を表示する。Wi-Fi設定画面においてユーザは、携帯端末100の接続先を元のアクセスポイント(本実施形態ではアクセスポイント120)に手動で戻す。
【0035】
以上で第1の処理の説明を終了する。第1の処理が実行されているということは、携帯端末100のOS301のバージョンが古く、冷蔵庫アプリケーション302は接続先変更機能を使用することができない。そこで冷蔵庫アプリケーション302は、ステップ504とステップ604で説明したように、携帯端末100の接続先をユーザが手動で変更するための手順を提示する。
【0036】
次に図8図9を用いて、冷蔵庫アプリケーション302が実行する第2の処理を詳しく説明する。図8のステップ801において、冷蔵庫アプリケーション302は、冷蔵庫110をソフトウェアアクセスポイントモードで動作させるための手順をユーザに提示する。ステップ801はステップ501と同様の処理のため、詳しい説明を省略する。
【0037】
次にステップ802において、冷蔵庫アプリケーション302は、次の処理に進むか否かを判定する。ステップ802はステップ502と同様の処理のため、詳しい説明を省略する。
【0038】
次にステップ803において、冷蔵庫アプリケーション302は、携帯端末100が接続中のアクセスポイントのSSIDを記憶する。ステップ803はステップ503と同様の処理のため、詳しい説明を省略する。
【0039】
次にステップ804において、冷蔵庫アプリケーション302は、ソフトAPモードで動作している冷蔵庫110への接続を試みる。第2の処理が実行されているということは、携帯端末100のOS301のバージョンが新しく、冷蔵庫アプリケーション302は接続先変更機能を使用することができる。更に、冷蔵庫アプリケーション302のアプリケーションプログラムには、ソフトAPモードで動作する冷蔵庫110のSSIDと、ソフトAPモードで動作する冷蔵庫110に接続する際に必要なパスワードが予め組み込まれている。ステップ804において、冷蔵庫アプリケーション302は、アプリケーションプログラムに組み込まれているSSIDが示すアクセスポイントに、アプリケーションプログラムに組み込まれているパスワードを用いて接続するようにOS301に指示する。そしてOS301の制御によって、無線LAN I/F206が、接続先をアクセスポイント120から冷蔵庫110に変更する。ユーザにしてみれば、携帯端末100の接続先をアクセスポイント120から冷蔵庫110に手動で変更する必要がなくなるため、利便性が向上する。
【0040】
次にステップ805について説明する。ステップ505において、冷蔵庫アプリケーション302は、携帯端末100がソフトAPモードで動作中の冷蔵庫110に接続したか否かを判定する。ステップ805はステップ505と同様の処理のため、詳しい説明を省略する。
【0041】
次に図9のステップ901について説明する。ステップ901において、冷蔵庫アプリケーション302は、アクセスポイント120に接続するために必要なパスワードの入力をユーザに促す。ステップ901はステップ601と同様の処理のため、詳しい説明を省略する。
【0042】
次にステップ902において、冷蔵庫アプリケーション302は、パスワードの入力が完了したか否かを判定する。ステップ902はステップ602と同様の処理のため、詳しい説明を省略する。
【0043】
次にステップ903において、冷蔵庫アプリケーション302は、ステップ903で記憶したアクセスポイントのSSIDと、説明画面720で入力されたパスワードとを冷蔵庫110に送信する。ステップ903はステップ603と同様の処理のため、詳しい説明を省略する。
【0044】
次にステップ904において、冷蔵庫アプリケーション302は、携帯端末100の接続先を元のアクセスポイントに戻す。具体的に説明すると、冷蔵庫アプリケーション302は、ステップ803で記憶したSSIDが示すアクセスポイント(本実施形態ではアクセスポイント120)に接続するようにOS301に指示する。そしてOS301の制御によって、無線LAN I/F206が、接続先を冷蔵庫110からアクセスポイント120に戻す。ユーザにしてみれば、携帯端末100の接続先を、普段使用しているアクセスポイント(本実施形態ではアクセスポイント120)に手動で戻す必要がなくなるため、利便性が向上する。
【0045】
以上で第2の処理の説明を終了する。第2の処理が実行されているということは、携帯端末100のOS301のバージョンが新しく、冷蔵庫アプリケーション302は接続先変更機能を使用することができる。そこで冷蔵庫アプリケーション302は、ステップ804とステップ904で説明したように、ユーザに意識させることなく携帯端末100の接続先を自動的に変更する。
【0046】
以上の説明の通り、冷蔵庫アプリケーション302は、自身がインストールされている携帯端末100のOS301のバージョンを特定する。そして冷蔵庫アプリケーション302は、特定したOS301のバージョンに基づいて、冷蔵庫110をアクセスポイント120に接続させるための手順として、第1の処理が示す手順と第2の処理が示す手順のいずれをユーザに提示するかを決定する。OS301のバージョンが古く、接続先変更機能を使用することができなければ、接続先変更機能を使用しない第1の処理(図5図6で説明)によって実現される手順をユーザに提示する。第1の処理によってユーザが行う手順は、ユーザが冷蔵庫110をソフトAPモードで動作させる工程と、ユーザがソフトAPモードで動作している冷蔵庫110に携帯端末100を接続する工程と、アクセスポイント120に接続する際に必要なパスワードをユーザが指定する工程と、携帯端末100の接続先をアクセスポイント120にユーザが戻す工程とを含む。一方、OS301のバージョンが新しく、接続先変更機能を使用することができれば、接続先変更機能を使用する第2の処理(図8図9で説明)によって実現される手順をユーザに提示する。第2の処理によってユーザが行う手順は、ユーザが冷蔵庫110をソフトAPモードで動作させる工程と、アクセスポイント120に接続する際に必要なパスワードをユーザが指定する工程とを含み、ユーザがソフトAPモードで動作している冷蔵庫110に携帯端末100を接続する工程と、携帯端末100の接続先をアクセスポイント120にユーザが戻す工程は含まれない。本実施形態によれば、OS301のバージョンに適した冷蔵庫アプリケーション302、及び、冷蔵庫アプリケーション302のプログラムを提供できる。
【0047】
なお、本実施形態では、ソフトAPモードで動作する冷蔵庫110のSSIDと、ソフトAPモードで動作する冷蔵庫110に接続する際に必要なパスワードの両方を、アプリケーションプログラムに予め組み込むと説明した。これに対し、ソフトAPモードで動作する冷蔵庫110に接続する際にパスワードを必要としない運用であれば、ソフトAPモードで動作する冷蔵庫110のSSIDのみをアプリケーションプログラムに予め組み込めば良い。
(実施形態2)
実施形態1では、ソフトAPモードで動作する冷蔵庫110のSSIDと、ソフトAPモードで動作する冷蔵庫110に接続する際に必要なパスワードを、アプリケーションプログラムに予め組み込む例を説明した。これに対して本実施形態では、ソフトAPモードで動作する冷蔵庫110のSSIDとパスワードを、アプリケーションプログラムに予め組み込まない例を説明する。
【0048】
本実施形態では、第1の処理と第2の処理の両方において、ソフトAPモードで動作する冷蔵庫110のSSIDとパスワードをユーザに確認させたうえで、ユーザに手動で携帯端末100の接続先を冷蔵庫110に変更させる。具体的に説明すると、冷蔵庫アプリケーション302は、図5のステップ504及び図8のステップ804の代わりに、図10の説明画面1000を表示することでユーザに手動で携帯端末100の接続先を冷蔵庫110に変更させる。なお、SSIDとパスワードは、冷蔵庫110の冷蔵室内のラベルや取扱説明書に記載されていることを想定しているが、冷蔵庫110がSSIDとパスワードをディスプレイに表示しても良い。
【0049】
本実施形態の第1の処理によってユーザが行う手順は、ユーザが冷蔵庫110をソフトAPモードで動作させる工程と、ユーザがソフトAPモードで動作している冷蔵庫110に携帯端末100を接続する工程と、アクセスポイント120に接続する際に必要なパスワードをユーザが指定する工程と、携帯端末100の接続先をアクセスポイント120にユーザが戻す工程とを含む。一方、本実施形態の第2の処理によってユーザが行う手順は、ユーザが冷蔵庫110をソフトAPモードで動作させる工程と、ユーザがソフトAPモードで動作している冷蔵庫110に携帯端末100を接続する工程と、アクセスポイント120に接続する際に必要なパスワードをユーザが指定する工程とを含み、携帯端末100の接続先をアクセスポイント120にユーザが戻す工程は含まれない。
(実施形態3)
上述した各実施形態では、携帯端末100が接続中のアクセスポイントのSSIDを、冷蔵庫アプリケーション302がOS301に問い合わせることで特定すると説明した。これに対して、普段使用しているアクセスポイントのSSIDをユーザに指定させても良い。この場合、図6のステップ601及び図9のステップ901において、パスワードに加えてSSIDの指定もユーザに行わせる。
(実施形態4)
上述の各実施形態で説明した冷蔵庫110とアクセスポイント120との間で無線接続を確立するための手順は、無線LAN通信機能を備える他の装置をアクセスポイントに接続させる手順としても適用できる。他の装置とは、例えば洗濯機、エアコン、電子レンジ、炊飯器、食器洗い乾燥機、ロボット掃除機、デジタルカメラ、印刷装置等である。即ち、これらの装置を制御するアプリケーション、及び、アプリケーションプログラムにも、上述の各実施形態で説明した処理を適用できる。
【符号の説明】
【0050】
100 携帯端末
110 冷蔵庫
120 アクセスポイント
201 CPU
202 フラッシュメモリ
203 RAM
204 操作部
205 表示部
206 無線LAN I/F
207 カメラ
301 OS
302 冷蔵庫アプリケーション
図1
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