(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】バッテリ材料の回収装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/54 20060101AFI20230915BHJP
B09B 3/35 20220101ALI20230915BHJP
B09B 3/70 20220101ALI20230915BHJP
C02F 1/52 20230101ALI20230915BHJP
B03B 5/04 20060101ALI20230915BHJP
B03B 5/00 20060101ALI20230915BHJP
B03B 9/06 20060101ALI20230915BHJP
B02C 4/06 20060101ALI20230915BHJP
B02C 13/02 20060101ALI20230915BHJP
B09B 5/00 20060101ALI20230915BHJP
B07B 1/22 20060101ALN20230915BHJP
【FI】
H01M10/54
B09B3/35 ZAB
B09B3/70
C02F1/52 K
B03B5/04
B03B5/00 Z
B03B9/06
B02C4/06 Z
B02C13/02 A
B09B5/00 A
B07B1/22 Z
B07B1/22 D
(21)【出願番号】P 2023054329
(22)【出願日】2023-03-13
【審査請求日】2023-03-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523112404
【氏名又は名称】永信商事株式会社
(72)【発明者】
【氏名】清野 洋一
(72)【発明者】
【氏名】水田 登太郎
(72)【発明者】
【氏名】永峰 信
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-77011(JP,A)
【文献】特開2019-777(JP,A)
【文献】特公昭49-36183(JP,B1)
【文献】国際公開第2022/035053(WO,A1)
【文献】特開昭58-121570(JP,A)
【文献】特表2009-526374(JP,A)
【文献】特開昭57-168480(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0042641(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 5/00
B09B 3/35
B09B 3/70
H01M 10/54
C02F 1/52
B03B 5/04
B03B 5/00
B03B 9/06
B02C 4/06
B02C 13/02
B07B 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と前記容器に封入されて電極と電解液を有するバッテリを、30mmのメッシュを通過するまで粉砕するための、双ロールを有する第一の粉砕装置と、
前記第一の粉砕装置で粉砕された、前記バッテリーに起因する、金属材料とプラスチック材料と電解液を含む第一の混合物を搬送するための、第一のスクリューフィーダーと、
前記第一のスクリューフィーダーで搬送された、前記第一の混合物に含まれる金属材料とプラスチック材料を、10mmのメッシュを通過するまで粉砕するための、回転刃を有する第二の粉砕装置と、
前記第二の粉砕装置で粉砕された、金属材料とプラスチック材料と電解液を含む第二の混合物を搬送するための、第二のスクリューフィーダーと、
前記第二のスクリューフィーダーで搬送される前記第二の混合物に水を加えながら、全側面に貫通孔が設けられ、内周側に螺旋形状の搬送板が設けられた、円筒形状を有する回転体内に導入し、電解液と水の混合液に沈んで、前記貫通孔を通過した金属材料を回収し、前記貫通孔を通過しなかった金属材料および電解液に水を加えた混合液に浮遊するプラスチック材料を含む第三の混合物に分別する、回転洗浄篩装置と、
前記第三の混合物に含まれる金属材料とプラスチック材料を、比重の差を利用してい分別して金属材料を回収する振動分別テーブルと、
前記振動分別テーブルから排出されるプラスチック材料、とプラスチック材料が分散している前記混合液を分別し、プラスチック材料を洗浄する、プラスチック洗浄搬送装置と、
前記回転洗浄篩装置と前記振動分別テーブルと前記プラスチック洗浄搬
送装置から排出される前記混合液にアルカリ性物質を添加してpHを調製するpH調整槽と、pH調整槽で処理された前記混合液に凝集剤を添加して、前記混合液に分散している物質を凝集させる反応槽と、前記反応槽で凝集した固形物と液体を分離する沈殿槽と、前記反応
槽で処理した前記混合液に所要量の水を加え、洗浄水として、前記回転洗浄篩装置と前記振動
分別テーブルと前記プラスチック洗浄搬
送装置に供給する循環装置を有することを特徴とする、バッテリ-材料
の回収装置。
【請求項2】
前記凝集剤は、成分として、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、炭酸ナトリウム、シリカ、酸化第二鉄を含むことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリー材料回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄されたバッテリーを構成する、金属材料とプラスチック材料を分別して回収する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉛蓄電池は、陽極に二酸化鉛、陰極に鉛、電解液に希硫酸を用いたもので、比較的重いにも関わらず、大電流の放出が可能で、メモリー効果がないなどの理由で、現在でも自動車のバッテリーとして広汎に使用されている。
【0003】
一方で、近年、産業廃棄物の環境への負荷が問題となり、廃棄物から材料を回収して利用する技術が多方面で開発されている。
【0004】
鉛蓄電池の廃棄物の処理技術として、特許文献1には、鉛化合物を含む鉛蓄電池の廃棄物を処理する方法であって、前記鉛蓄電池のスクラップを、過酸化水素を添加した亜臨界水で処理した後、塩基を添加した超臨界水または亜臨界水で処理することにより、前記スクラップ中に含まれる鉛化合物を金属鉛に還元して回収する工程を含むことを特徴とする廃棄物の処理方法が開示され、環境への負荷を低減した工程で、金属鉛が回収できるとしている。
【0005】
しかし、ここに開示されている技術においては、超臨界水または亜臨界水を用いるので、工程が複雑で、イニシャルコスト、ランニングコストの観点で、改善の余地がある。
【0006】
また、特許文献2には、蓄電池屑から主として鉛および二酸化鉛を含む微粉状の電極活物質を分離する工程と、上記活物質と水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶液から選ばれた濃度50ないし300g/lの強アルカリ溶液を活物質:アルカリ溶液=1:1ないし1:100の比率で混合する工程と、上記混合物を100ないし120℃の温度で反応させる工程と、反応混合物から生成物としての鉛丹の沈殿とアルカリ溶液を分離する工程からなることを特徴とする、廃鉛蓄電池から金属材料を回収するための湿式冶金法が開示されている。
【0007】
しかし、ここに介されている技術においては、プラスチック材料の回収には、必ずしも対応しておらず、マイクロプラスチックに代表される、プラスチック廃棄物の環境への負荷の観点から、改善の余地がある。
【先行技術文献】
【0008】
【文献】特開2005-063920号公報
【文献】特開昭58-48645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明の課題は、バッテリー材料の再利用に鑑み、プラスチック容器に、電極と電解液が収納された構造を有するバッテリーから、簡略な装置を用いて、金属材料とプラスチック材料を分別して回収する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記課題を解決すべく、バッテリーを分解することなく、そのまま処理し、金属材料とプラチック材料を回収することを、鋭意兼用した結果、本発明をなしたものである。
【0011】
上記課題を解決するための、本発明の一態様に係るバッテリ-材料回収装置は、容器と前記容器に封入されて電極と電解液を有するバッテリを、30mmのメッシュを通過するまで粉砕するための、双ロールを有する第一の粉砕装置と、前記第一の粉砕装置で粉砕された、前記バッテリーに起因する、金属材料とプラスチック材料と電解液を含む第一の混合物を搬送するための、第一のスクリューフィーダーと、前記第一のスクリューフィーダーで搬送された、前記第一の混合物に含まれる金属材料とプラスチック材料を、10mmのメッシュを通過するまで粉砕するための、回転刃を有する第二の粉砕装置と、 前記第二の粉砕装置で粉砕された、金属材料とプラスチック材料と電解液を含む第二の混合物を搬送するための、第二のスクリューフィーダーと、前記第二のスクリューフィーダーで搬送される前記第二の混合物に水を加えながら、全側面に貫通孔が設けられ、内周側に螺旋形状の搬送板が設けられた、円筒形状を有する回転体内に導入し、電解液と水の混合液に沈んで、前記貫通孔を通過した金属材料を回収し、前記貫通孔を通過しなかった金属材料および前記混合液に浮遊するプラスチック材料を含む第三の混合物に分別する、回転洗浄篩装置と、前記第三の混合物に含まれる金属材料とプラスチック材料を、比重の差を利用してい分別して金属材料を回収する振動分別テーブルと、
前記振動分別テーブルから排出されるプラスチック材料と前記混合液を分別し、プラスチック材料を洗浄する、プラスチック洗浄搬送装置と、前記回転洗浄篩装置と前記振動分別テーブルと前記プラスチック洗浄搬装置から排出される前記混合液にアルカリ性物質を添加してpHを調製するpH調整槽と、pH調整槽で処理された前記混合液に凝集剤を添加して、前記混合液に分散している物質を凝集させる反応槽と、前記反応槽で凝集した固形物と液体を分離する沈殿槽と、前記反応で処理した前記混合液に所要量の水を加え、洗浄水として、前記回転洗浄篩装置と前記振動篩装置と前記プラスチック洗浄搬装置に供給する循環装置を有することを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するための、本発明の一態様に係るバッテリ-材料の回収装置は、容器と前記容器に封入されて電極と電解液を有するバッテリを、30mmのメッシュを通過するまで粉砕するための、双ロールを有する第一の粉砕装置と、前記第一の粉砕装置で粉砕された、前記バッテリーに起因する、金属材料とプラスチック材料と電解液を含む第一の混合物を搬送するための、第一のスクリューフィーダーと、前記第一のスクリューフィーダーで搬送された、前記第一の混合物に含まれる金属材料とプラスチック材料を、10mmのメッシュを通過するまで粉砕するための、回転刃を有する第二の粉砕装置と、 前記第二の粉砕装置で粉砕された、金属材料とプラスチック材料と電解液を含む第二の混合物を搬送するための、第二のスクリューフィーダーと、前記第二のスクリューフィーダーで搬送される前記第二の混合物に水を加えながら、全側面に貫通孔が設けられ、内周側に螺旋形状の搬送板が設けられた、円筒形状を有する回転体内に導入し、電解液と水の混合液に沈んで、前記貫通孔を通過した金属材料を回収し、前記貫通孔を通過しなかった金属材料および前記混合液に浮遊するプラスチック材料を含む第三の混合物に分別する、回転洗浄篩装置と、前記第三の混合物に含まれる金属材料とプラスチック材料を、比重の差を利用してい分別して金属材料を回収する振動分別テーブルと、前記振動分別テーブルから排出されるプラスチック材料と前記混合液を分別し、プラスチック材料を洗浄する、プラスチック洗浄搬送装置と、前記回転洗浄篩装置と前記振動分別テーブルと前記プラスチック洗浄搬送装置から排出される前記混合液にアルカリ性物質を添加してpHを調製するpH調整槽と、pH調整槽で処理された前記混合液に凝集剤を添加して、前記混合液に分散している物質を凝集させる反応槽と、前記反応槽で凝集した固形物と液体を分離する沈殿槽と、前記反応槽で処理した前記混合液に所要量の水を加え、洗浄水として、前記回転洗浄篩装置と前記振動分別テーブルと前記プラスチック洗浄搬送装置に供給する循環装置を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の係るバッテリー材料回収装置は、基本的にバッテリーを容器ごと粉砕して適当な大きさの金属片とプラスチック片に分別するもので、各工程で、対象物に適した粉砕装置を用いるが、各工程間における粉砕物の搬送には、管状の部材の内部にスクリューを配した装置を用いるので、バッテリーに含まれる電解液が外部に漏出することがなく、鉛蓄電池においては、電解液に希硫酸が用いられているが、本発明に係るバッテリー材料回収装置においては、中和剤と凝集剤を用いて処理するので、環境に放出されることはない。
【0014】
また、本発明に係るバッテリー材料回収装置において、金属とプラスチックの分別には、金属は水に沈み、プラスチックは水中に浮遊するという、比重の差を利用するので、高い効率で、金属とプラスチックの分別回収が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】 本発明に係るバッテリー材料回収装置の、構成の一例を示す図
【
図2】 本発明に係るバッテリー材料回収装置に用いられる、第一の粉砕装置の一例を示す図、
図2(a)は正面の断面図、
図2(b)は、側面図
【
図3】 本発明に係るバッテリー材料回収装置に用いられる、第二の粉砕装置2の一例を示す図、
図3(a)は正面の断面図、
図3(b)は、側面図
【
図4】 本発明に係るバッテリー材料回収装置に用いられる、回転洗浄篩装置6の一例の断面図
【
図5】 本発明に係るバッテリー材料回収装置に用いられる、振動分別テーブル7の一例を示す図、
図7(a)は平面図、
図7(b)は側面図
【
図6】 本発明に係るバッテリー材料回収装置に用いられる、プラスチック洗浄搬送装置9の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に本発明に係るバッテリー材料回収装置の実施の形態について、図を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、本発明に係るバッテリー材料回収装置の、構成の一例を示す図である。
図1において、1は、処理の対象となるバッテリーを搬送して、第一の粉砕装置2に投入するためのコンベア、は、第一の粉砕装置2で粉砕したバッテリーから生じる金属材料、プラスチック材料、電解液を含む第一の混合物を、第二の粉砕装置4に搬送するための、第一のスクリューフィーダーであり、このスクリューフィーダーは。管状の部材の内部にスクリューを配した構成なので、外部に電解液が漏出しないのは前記のとおりである。
【0018】
第二の粉砕装置4により、金属材料とプラスチック材料がさらに粉砕された第二の混合物は、水が加えられながら回転洗浄篩装置6に供給され、比重の差と、個片の大きさの差により、金属材料の一部が分離され、分離されなかった金属材料とプラスチック材料を含む第三の混合物は、振動分別テーブル7に供給される。水と電解液の混合液に分散したプラスチック材料の個片は、第三のスクリューフィーダー8により、プラスチック洗浄搬送装置9に供給され、プラスチック材料の個片のみが分離回収される。
【0019】
また、本発明に係るバッテリー材料回収装置においては、金属材料とプラスチック材料を分別・洗浄する工程で水を使用するが、回転洗浄篩装置6と振動分別テーブル7とプラスチック洗浄搬送装置9から排出される電解液と水の混合液は、図中の破線で示した回収管14で、pH調整槽10に集められて中和剤が添加され、次いで反応槽11に送液されて凝集剤が加えられ、さらに固液分離層12で、凝集剤により生成した個体を分離する。ここまでの固液分離などの工程で、洗浄液にロスが生じるので、循環槽13で、給水管16から適量の水が加えられ、図中の波線で示した洗浄水給水管15により、各工程に供給される。従って洗浄液が外部に漏出することはない。
【0020】
図2は、本発明に係るバッテリー材料回収装置に用いられる、第一の粉砕装置2の一例を示す図で、
図2(a)は正面の断面図、
図2(b)は、側面図である。ここに示した例は、筐体21にバッテリーの投入口22が設けられ、直径が150~200mmの双ロール23を有する構成を備えているので、バッテリーを分解しないで、第一の粉砕装置に投入しても、ロールの強力な圧壊作用により、バッテリーをプラスチックの容器ごと粉砕して、30mmのメッシュを通過する大きさにすることが可能である。粉砕されたバッテリーから生じる金属材料、プラスチック材料、電解液は、派出口24から排出され、搬送管に中にスクリューを配した第一のスクリューフィーダー3により、第二の粉砕装置4に搬送される。
【0021】
図3は、本発明に係るバッテリー材料回収装置に用いられる、第二の粉砕装置2の一例を示す図で、
図3(a)は正面の断面図、
図3(b)は、側面図である。第二の粉砕装置は、略円筒形の筐体31の内部に回転刃33が配された構成で、筐体には、外部に連通する、直径が約10mmの貫通孔34が設けられているので、第一のスクリューフィーダー3から供給された、金属材料、プラスチック材料は、それらの個片が貫通孔を通過する大きさになるまで粉砕され、電解液とともに、第二のスクリューフィーダーで、回転洗浄篩装置6に搬送される。
【0022】
図4は、本発明に係るバッテリー材料回収装置に用いられる、回転洗浄篩装置6の一例の断面図である。ここに示したように、本装置は内部に螺旋形状の搬送羽43が設けられた円筒形状の回転体42で構成され、説明の都合で一部のみ示したが、円筒の側面には、略前面に亘って、直径が約10mmの貫通孔44が設けられている。第二のスクリューフィーダー5で搬送された第三の混合物は、水を加えながら投入口41から回転体42に供給され、搬送羽43により、図における右方向に搬送される。
【0023】
搬送される間、金属材料の個片が、水を加えた電解液に分散した状態では沈降するので、貫通孔44を通過して、回転体42の下部に配された回収槽45を経由して、金属材料回収槽46bに貯留される。水を加えた電解液から沈降しきれなかった、金属材料の個片が残った状態の第三の混合液は、排出部46aから、振動分別テーブル7に搬送される。
【0024】
図5は、本発明に係るバッテリー材料回収装置に用いられる、振動分別テーブル7の一例を示す図で、
図7(a)は平面図、
図7(b)は側面図である。給水口53bから注水される水とともに、液体供給口53aから、金属材料ん個片とプラスチック材料の個片が含まれる第三の混合物が供給され、起振機52によりテーブル全体が振動すると、液中の浮遊するプラスチック材料の個片は浮上し、金属材料の個片は沈降する。浮上したプラスチック材料の個片は、プラスチック材料排出口54から分別回収され、第三のスクリューフィーダー8により、プラスチック洗浄搬送装置9に搬送され、沈降した金属材料の個片は、振動により、図の右側に移動して、金属材料回収槽55に回収される。
【0025】
図6は、本発明に係るバッテリー材料回収装置に用いられる、プラスチック洗浄搬送装置9の一例を示す図である。投入口61から投入されたプラスチック材料の個片は、コンベア62に載置され、図における右側に移動しながら、洗浄水給水管63aを経由して、散水ノズル63bから、注がれる洗浄水により洗浄され、プラスチック材料排出口64を経てプラスチック材料回収槽65に貯留される。また使用済みの洗浄水は、排水口63cから排出され、pH調整槽10に供給され、循環される。
【0026】
以上に説明したように、本発明によれば、前処理することなく、バッテリーを容器ごと投入して、有用な材料を回収でき、しかも環境への負荷が小さい、バッテリー材料回収装置を提供することができる。なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0027】
1,62・・・コンベア 2・・・第一の粉砕装置
3・・・第一のスクリューフィーダー 4・・・第二の粉砕装置
5・・・第二のスクリューフィーダー 6・・・回転洗浄篩装置
7・・・振動分別テーブル 8・・・第三のスクリューフィーダー
9・・・プラスチック洗浄搬送装置 10・・・pH調整槽
11・・・反応槽 12・・・固液分離層
13・・・循環槽 14・・・回収管
15,63a・・・洗浄水給水管 16,63a・・・給水管
21,31・・・筐体 22,32,41,61・・・投入口
33・・・回転刃 34,44・・・貫通孔
42・・・回転体 45・・・回収槽
46b,55・・・金属材料回収槽 53a・・・液体供給口
53b・・・給水口 54・・・プラスチック材料排出口
63b・・・散水ノズル 64・・・プラスチック材料排出口
65・・・プラスチック材料回収槽
【要約】
【課題】 プラスチック容器に、電極と電解液が収納された構造を有するバッテリーから、簡略な装置を用いて、金属材料とプラスチック材料を分別して回収する装置を提供する。
【解決手段】 双ロールを有する粉砕装置で、バッテリーを容器ごと破砕し、その後、より細かく粉砕できる装置で、金属材料とプラスチック材を10mm以下程度の大きさまで粉砕し、湿式で、貫通孔を有する篩と振動分別テーブルで処理することにより、電解液と水の混合物に沈降する金属材料と、浮遊するプラスチックに分別し、回収する。金属材料とプラスチック材料の分散や洗浄に用いた水は、中和剤と凝集剤を用いて処理し、処理工程で減量した分だけ水を加えて循環使用するので、電化液に含まれ有害物による、環境への負荷を、極めて少なくすることができる。
【選択図】
図1