(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】ゴルフマーカーホルダー
(51)【国際特許分類】
A63B 57/35 20150101AFI20230915BHJP
A43C 19/00 20060101ALI20230915BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20230915BHJP
【FI】
A63B57/35
A43C19/00
A63B102:32
(21)【出願番号】P 2022123763
(22)【出願日】2022-08-03
【審査請求日】2022-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】522310177
【氏名又は名称】株式会社キーマンズ
(73)【特許権者】
【識別番号】522310188
【氏名又は名称】株式会社岩本モデル製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平松 相大
(72)【発明者】
【氏名】岩本 明久
(72)【発明者】
【氏名】安松 雅彦
【審査官】関口 英樹
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3162356(JP,U)
【文献】特開2011-015847(JP,A)
【文献】特表2017-501754(JP,A)
【文献】特開平7-000208(JP,A)
【文献】実開平4-104905(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B1/00-23/30
A43C1/00-19/00
A43D1/00-999/00
A63B1/00-35/12
53/00-53/14
67/00-71/16
A63C1/00-19/12
A63D1/00-15/20
B29D35/00-35/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフシューズの甲部分に着脱可能なゴルフマーカーホルダーであって、
ゴルフマーカーを着脱自在に固定可能なマーカー固定部を有する細長板状の基部と、
前記基部の長手方向の両端部下方に、前記基部の中心方向に向かって対向して設けられ、複数の紐孔を有し靴紐を締めるとその間隔が狭まる一対の生地部の対向する各縁部に係合可能な溝部をそれぞれ有する2つの係合部と
を具備し、
前記溝部と前記縁部との係合度合は、前記間隔が狭まるほど強くなる
ゴルフマーカーホルダー。
【請求項2】
請求項1に記載のゴルフマーカーホルダーであって、
前記基部は、前記甲部分の形状に沿って湾曲した形状を有する
ゴルフマーカーホルダー。
【請求項3】
請求項1に記載のゴルフマーカーホルダーであって、
前記係合部は、装着時に前記甲部分側へ付勢される板バネ部を有する
ゴルフマーカーホルダー。
【請求項4】
請求項1に記載のゴルフマーカーホルダーであって、
前記マーカー固定部は、
前記基部の上面に形成され前記ゴルフマーカーが載置される載置部と、
前記基部の底面から突出し前記ゴルフマーカーと吸着するマグネットまたは強磁性体を内蔵した凸部とを有する
ゴルフマーカーホルダー。
【請求項5】
請求項1に記載のゴルフマーカーホルダーであって、
前記マーカー固定部は、前記基部の上面から突出し前記ゴルフマーカーと吸着するマグネットまたは強磁性体を内蔵した凸部を有し、
当該ゴルフマーカーホルダーは、前記凸部に嵌合可能な凹部を有する前記ゴルフマーカーをさらに具備する
ゴルフマーカーホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフのプレー中にグリーン上で使用するボールマーカーをゴルフシューズに取り付けるためのゴルフマーカーホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゴルフシューズにボールマーカーを取り付け可能なホルダーが提案されている。
【0003】
例えば下記特許文献1には、4隅に取付け孔を有する薄板状の取付けベースと、取付けベースの表面に固定したシート状のマグネットによってマーカーホルダーを構成し、取付け孔にシューレースを通すことで、マーカーホルダーをゴルフシューズ1に取り付けることが記載されている。
【0004】
また下記特許文献2には、ゴルフシューズの組み紐箇所上方から差し込んで止着させるためのコ字状の挟着部を作成し、この挟着部の前面側に対し、ボールマーカーを保持させるための中央に小穴を穿設した円柱状のマーカー保持部を取り付け、上記小穴にボールマーカーの突起ピンを挿入止着させるゴルフ用マーカーホルダーが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-225959号公報
【文献】実用新案登録第3099142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載のマーカーホルダーは、シューズへの取付けの際に取付け孔にシューレースを通す必要がある。また上記特許文献2に記載のマーカーホルダーは、狭着部(係止フック)をシューズ紐に止着させることでホルダーをシューズに取り付けているが、このような係止フックのみの固定ではプレー中にホルダーが外れてしまう可能性がある。さらに、一般的なマーカーは平板状のものが多いが、特許文献2に記載のマーカーホルダーには、マーカー保持部の挿入孔に挿着する突起ピンを有するマーカーしか取り付けることができない。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、一般的なボールマーカーをゴルフシューズの甲部分に容易取付けかつ強固に固定することが可能なゴルフマーカーホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るゴルフマーカーホルダーは、ゴルフシューズの甲部分に着脱可能なゴルフマーカーホルダーであって、基部と2つの係合部とを具備する。上記基部は、ゴルフマーカーを着脱自在に固定可能なマーカー固定部を有する細長板状のものである。上記係合部は、前記基部の長手方向の両端部下方に、前記基部の中心方向に向かって対向して設けられ、複数の紐孔を有し靴紐を締めるとその間隔が狭まる一対の生地部の対向する各縁部に係合可能な溝部をそれぞれ有する。前記溝部と前記縁部との係合度合は、前記間隔が狭まるほど強くなる。
【0009】
この構成により、2つの係合部を一対の生地部の各縁部に係合させて靴紐を締めるだけで、一般的なボールマーカーをゴルフシューズの甲部分に容易取付けかつ強固に固定することができる。
【0010】
前記基部は、前記甲部分の形状に沿って湾曲した形状を有してもよい。
【0011】
これによりゴルフマーカーホルダーの甲部分への取り付けやすさが向上する。
【0012】
前記係合部は、装着時に前記甲部分側へ付勢される板バネ部を有してもよい。
【0013】
これによりゴルフマーカーホルダーが甲部分側へ付勢されることで、より強固に甲部分に固定されるとともに、甲部分に装着された状態において紐を締める前でも容易に外れることが無いため、ユーザは縁部の溝部への係合作業を容易かつスムースに行うことができる。
【0014】
前記マーカー固定部は、前記基部の上面に形成され前記ゴルフマーカーが載置される載置部と、前記基部の底面から突出し前記ゴルフマーカーと吸着するマグネットまたは強磁性体を内蔵した凸部とを有してもよい。
【0015】
これにより、載置部にゴルフマーカーを載置するだけでマグネットまたは強磁性体との吸着力によりゴルフマーカーを固定することができる。
【0016】
前記マーカー固定部は、前記基部の上面から突出し前記ゴルフマーカーと吸着するマグネットまたは強磁性体を内蔵した凸部を有してもよい。この場合当該ゴルフマーカーホルダーは、前記凸部に嵌合可能な凹部を有する前記ゴルフマーカーをさらに具備する。
【0017】
これにより、マーカー固定部の凸部にゴルフマーカーの凹部を嵌合させて強固に固定することで、ゴルフのプレー中等にゴルフマーカーがマーカー固定部から外れてしまうのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、一般的なボールマーカーをゴルフシューズの甲部分に容易取付けかつ強固に固定することができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係るゴルフマーカーホルダーが装着されたゴルフシューズの外観を示した斜視図である。
【
図2】
図1のゴルフマーカーホルダーが装着されたゴルフシューズの甲部分の外観を示した拡大斜視図である。
【
図3】
図1のゴルフマーカーホルダーの斜視図である。
【
図4】
図1のゴルフマーカーホルダーの平面図である。
【
図5】
図1のゴルフマーカーホルダーの底面図である。
【
図6】
図1のゴルフマーカーホルダーの左側面図である。
【
図7】
図1のゴルフマーカーホルダーの正面図である。
【
図9】本発明の変形例に係るゴルフマーカーホルダーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフマーカーホルダーが装着されたゴルフシューズの外観を示した斜視図である。
図2は、
図1のゴルフマーカーホルダーが装着されたゴルフシューズの甲部分の外観を示した拡大斜視図である。
図3、
図4、
図5、
図6、
図7は、それぞれ、当該ゴルフマーカーホルダーの斜視図、正面図、背面図、左側面図、及び平面図である。また
図8は、
図4におけるA-A断面図である。
【0022】
図1及び
図2に示すように、ゴルフマーカーホルダー100は、ゴルフシューズSの甲部分に装着可能なものである。ゴルフシューズSは、複数の紐孔Hに通された靴紐Lを締めて一対の生地部Cの間隔を狭めることでユーザの足にフィットするようになっている。一対の生地部Cの間かつ靴紐Lの下部には甲部全体を覆うタンTが設けられる。
【0023】
ゴルフマーカーホルダー100は、当該一対の生地部Cの対向する各縁部Eに係合させることでゴルフシューズSに固定可能である。
【0024】
図1乃至
図8に示すように、ゴルフマーカーホルダー100は、基部1と、当該基部1の両端に設けられた2つの係合部2とを有する。
【0025】
基部1は、細長板状で、ゴルフシューズSの甲部分に取り付けやすいよう、当該甲部分の形状に沿って湾曲した形状を有する。基部1は、ゴルフマーカーMを着脱自在(
図2の矢印参照)に固定可能なマーカー固定部11を有する。ゴルフマーカーMは例えば円盤状であるがこの形状に限られない。
【0026】
マーカー固定部11は、基部1の上面に形成されゴルフマーカーMが載置される載置部12と、基部1の底面から突出した凸部13とを有する。凸部13には、ゴルフマーカーMと吸着する例えば円盤状のマグネット14(
図8参照)が内蔵されている。これにより、ゴルフマーカーMの少なくとも裏面に設けられた鉄板等の強磁性体とマグネット14とが吸着し合うため、ゴルフマーカーMをマーカー固定部11に固定可能となる。
【0027】
なおマーカー固定部11は、当該マグネット14を内蔵することで基部1の底面から突出した凸部13として形成されているが、凸部13として形成されなくてもよく、例えば基部1の肉厚がマグネット14を内蔵可能な場合には、その上面または底面と面一に形成されていてもよい。
【0028】
またマーカー固定部11にはマグネット14の代わりに鉄板等の強磁性体が内蔵され、ゴルフマーカーMの裏面にマグネットが設けられていてもよい。
【0029】
2つの係合部2は、基部1の長手方向(各
図X方向)の両端部下方に、当該基部1の中心方向に向かって対向して設けられる。各係合部2は、基部1の両端部から内側斜め下方へ延在する上部片と、当該上部片の下端から外側へ延在する下部片とから構成される。
【0030】
各係合部2の上部片と下部片との間には、上記ゴルフシューズSの一対の生地部Cの対向する各縁部Eに係合可能な、断面V字状の溝部21が形成されている。
【0031】
各係合部2の下部片は、ゴルフシューズSへの装着時に、一対の生地部Cの内側へ挿入される部分であり、ゴルフシューズSの甲部分側(タンT側)へ付勢される板バネ部22として機能する。
【0032】
また当該下部片には、その長手方向に直交する方向(Y方向)の複数の切れ込み23が設けられている。ユーザは、自身の足のサイズ(甲の幅)に応じて、適宜当該切れ込み23に沿って下部片を切断することで、ゴルフマーカーホルダー100の幅を最もフィットするサイズに調整することができる。
【0033】
このように構成されたゴルフマーカーホルダー100をゴルフシューズSに装着する場合、まずユーザは、靴紐Lを緩めた状態で、一対の生地部Cの下に係合部2の下部片を潜り込ませ、一対の生地部Cの縁部Eと溝部21とが係合するように取り付ける。
【0034】
このとき、板バネ部22によりゴルフマーカーホルダー100が甲部分側へ付勢されることで、靴紐Lを締める前でも容易に外れることが無い。
【0035】
この状態からユーザが靴紐Lを締めると、一対の生地部Cの間隔が狭まり、当該間隔が狭まるほど、溝部21と縁部Eとの係合度合が強くなる。
図1及び
図2には、靴紐Lがきつく締められて溝部21の底まで縁部Eが係合した状態が示されている。これによりゴルフマーカーホルダー100はゴルフシューズSに強固に固定された状態となる。
【0036】
このゴルフマーカーホルダー100が固定された状態で、ユーザがゴルフマーカーMをマーカー固定部11(載置部12)に載置することで、マグネット14の吸着力によりゴルフマーカーMがゴルフマーカーホルダー100に固定される。
【0037】
ゴルフマーカーホルダー100をゴルフシューズSから取り外す際は、ユーザは靴紐Lを緩め、基部1を把持して持ち上げるだけでよい。
【0038】
以上説明したように、本実施形態によれば、ゴルフマーカーホルダー100の2つの係合部2をゴルフシューズSの一対の生地部Cの各縁部Eに係合させて靴紐Lを締めるだけで、一般的なゴルフマーカーMをゴルフシューズSの甲部分に容易取付けかつ強固に固定することができる。
【0039】
またゴルフマーカーMはグリーン上に載置して用いるものであることから、グリーン上に極めて近い位置に存在するゴルフシューズSにゴルフマーカーMが固定されるのは極めて効率的である。
【0040】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0041】
上述の実施形態においては、ゴルフマーカーMは円盤状に形成されており、その裏面中央部がマーカー固定部11に吸着され、その縁部が浮いた状態で固定されていた。しかし、当該ゴルフマーカーMをマーカー固定部11の形状に沿った形状とし、マーカー固定部11に係合可能に形成してもよい。
【0042】
すなわち、
図9に示すように、上述の実施形態における平面状の載置部12に代えて、基部1の上面から突出しゴルフマーカーMと吸着するマグネット4(または強磁性体)を内蔵した凸部15を形成し、ゴルフマーカーホルダー100は、マーカー固定部11の凸部15に嵌合可能な凹部3aを底面に有するゴルフマーカー3をその構成の一部として同図矢印方向に着脱可能に有してもよい。
【0043】
これにより、マーカー固定部11の凸部15にゴルフマーカー3の凹部3aを嵌合させて強固に固定することで、ゴルフのプレー中等にゴルフマーカー3がマーカー固定部11から外れてしまうのを防ぐことができる。この場合、凹部3aの形状がマーカー固定部11の凸部15に嵌合可能な形状でありさえすれば、ゴルフマーカー3自体の形状はどのようなものであっても構わない(円盤状でも、多角形板状でも、立体形状(例えばキャラクター形状等)でもよい)。
【0044】
また上述の実施形態では、凸部13及び凸部15は、断面台形状に突出して設けられた。しかし当該突出形状はこれに限られず、断面矩形状に突出してもよい。また当該形状は、マグネット14の形状に応じてそれ以外の形状にも適宜変更され得る。
【符号の説明】
【0045】
1…基部
2…係合部
3…ゴルフマーカー
3a…凹部
11…マーカー固定部
12…載置部
13…凸部
14…マグネット
15…凸部
21…溝部
22…板バネ部
23…切れ込み
100…ゴルフマーカーホルダー
M…ゴルフマーカー
S…ゴルフシューズ
C…生地部
E…縁部
L…靴紐
H…紐孔
【要約】
【課題】一般的なボールマーカーをゴルフシューズの甲部分に容易取付けかつ強固に固定すること。
【解決手段】ゴルフマーカーホルダーは、ゴルフシューズの甲部分に着脱可能なゴルフマーカーホルダーであって、基部と2つの係合部とを具備する。上記基部は、ゴルフマーカーを着脱自在に固定可能なマーカー固定部を有する細長板状のものである。上記係合部は、前記基部の長手方向の両端部下方に、前記基部の中心方向に向かって対向して設けられ、複数の紐孔を有し靴紐を締めるとその間隔が狭まる一対の生地部の対向する各縁部に係合可能な溝部をそれぞれ有する。前記溝部と前記縁部との係合度合は、前記間隔が狭まるほど強くなる。
【選択図】
図2