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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】制御システム、及び、制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20230915BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20230915BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
H04L12/28 500E
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019146852
(22)【出願日】2019-08-08
(65)【公開番号】P2021027561
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】角 史生
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/024442(WO,A1)
【文献】特開2016-181180(JP,A)
【文献】特開2017-083526(JP,A)
【文献】特開2008-253103(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H04L 12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機器のそれぞれに当該機器を制御するための制御命令を送信する通信部と、
前記複数の機器の制御履歴情報によって定まる機器の制御の継続性に基づいて、前記複数の機器に含まれる2以上の機器を一括して制御するための定型アクションを登録する登録部と、
登録された前記定型アクションの実行が指示された場合に、前記通信部に前記2以上の機器へ制御命令を送信させる実行部とを備え
登録された前記定型アクションには、名称が設定され、
前記登録された前記定型アクションを実行するための指示は、前記定型アクションに設定された名称に基づく指示である、
制御システム。
【請求項2】
前記登録部は、前記制御履歴情報に基づいて、特定の時間帯に前記2以上の機器が制御されることが所定日数以上継続した場合に、前記定型アクションを登録する、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記登録部は、前記制御履歴情報に基づいて、前記複数の機器に含まれる特定機器が制御された後の所定期間内に前記2以上の機器が制御されることが所定日数以上継続した場合に、前記定型アクションを登録する、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記登録部は、前記特定の時間帯に基づいて、登録された前記定型アクションの名称を設定する、
請求項2に記載の制御システム。
【請求項5】
前記登録部は、前記2以上の機器の種別に基づいて、登録された前記定型アクションの名称を設定する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項6】
複数の機器のそれぞれに当該機器を制御するための制御命令を送信する通信部と、
前記複数の機器の制御履歴情報によって定まる機器の制御の継続性に基づいて、前記複数の機器に含まれる2以上の機器を一括して制御するための定型アクションを登録する登録部と、
登録された前記定型アクションの実行が指示された場合に、前記通信部に前記2以上の機器へ制御命令を送信させる実行部とを備え
前記登録部は、前記定型アクションの実行中に、前記2以上の機器への制御命令が送信された場合、当該制御命令に基づいて前記定型アクションの登録内容を変更する、
制御システム。
【請求項7】
前記定型アクションの実行中に、前記2以上の機器のうちの第一機器の動作状態を変更するための制御命令である変更命令が送信された場合、前記登録内容の変更においては、前記変更命令に基づいて、前記定型アクションの実行が指示された場合に前記第一機器へ送信される制御命令の内容が変更される、
請求項6に記載の制御システム。
【請求項8】
前記定型アクションの実行中に、前記複数の機器に含まれる前記2以上の機器以外の第二機器へ制御命令が送信された場合、前記登録内容の変更においては、前記定型アクションの実行が指示された場合に制御命令が送信される機器に前記第二機器が追加される、
請求項6または7に記載の制御システム。
【請求項9】
前記定型アクションの実行中に、前記2以上の機器のうちの第三機器の動作を停止させるための制御命令である停止命令が送信された場合、前記登録内容の変更においては、前記停止命令に基づいて、前記定型アクションの実行が指示された場合に制御命令が送信される機器から前記第三機器が除外される、
請求項6~8のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項10】
複数の機器のそれぞれに当該機器を制御するための制御命令を送信する通信部と、
前記複数の機器の制御履歴情報によって定まる機器の制御の継続性に基づいて、前記複数の機器に含まれる2以上の機器を一括して制御するための定型アクションを登録する登録部と、
登録された前記定型アクションの実行が指示された場合に、前記通信部に前記2以上の機器へ制御命令を送信させる実行部とを備え
前記実行部は、さらに、過去に前記定型アクションが実行された時間帯に前記定型アクションの実行が指示されない場合に、前記定型アクションの実行の必要性を確認するための確認情報を前記通信部に送信させる、
制御システム。
【請求項11】
複数の機器のそれぞれに当該機器を制御するための制御命令を送信する通信部と、
前記複数の機器の制御履歴情報によって定まる機器の制御の継続性に基づいて、前記複数の機器に含まれる2以上の機器を一括して制御するための定型アクションを登録する登録部と、
登録された前記定型アクションの実行が指示された場合に、前記通信部に前記2以上の機器へ制御命令を送信させる実行部とを備え
前記実行部は、さらに、過去に前記定型アクションが実行された時間帯に前記定型アクションの実行が指示されない場合に、前記定型アクションが実行されていないことを通知するための通知情報を前記通信部に送信させる、
制御システム。
【請求項12】
複数の機器のそれぞれに当該機器を制御するための制御命令を送信する通信部と、
前記複数の機器の制御履歴情報によって定まる機器の制御の継続性に基づいて、前記複数の機器に含まれる2以上の機器を一括して制御するための定型アクションを登録する登録部と、
登録された前記定型アクションの実行が指示された場合に、前記通信部に前記2以上の機器へ制御命令を送信させる実行部とを備え
前記実行部は、登録された前記定型アクションの実行を指示したユーザが所定の要件を満たさないと判定された場合に、前記通信部に前記2以上の機器のうち所定機器へは制御命令を送信させないように前記定型アクションの内容を変更して実行する、
制御システム。
【請求項13】
登録された前記定型アクションの実行は、前記ユーザの音声によって指示され、
前記ユーザが所定の要件を満たすか否かは、前記ユーザの音声に基づいて判定される、
請求項12に記載の制御システム。
【請求項14】
複数の機器のそれぞれに当該機器を制御するための制御命令を送信する通信部と、
前記複数の機器の制御履歴情報によって定まる機器の制御の継続性に基づいて、前記複数の機器に含まれる2以上の機器を一括して制御するための定型アクションを登録する登録部と、
登録された前記定型アクションの実行が指示された場合に、前記通信部に前記2以上の機器へ制御命令を送信させる実行部とを備え
前記実行部は、登録された前記定型アクションの実行を実行すると前記複数の機器が設置された建物における電気使用量が所定値を超えると判定された場合に、前記定型アクションの内容を変更して実行する、
制御システム。
【請求項15】
複数の機器のそれぞれに当該機器を制御するための制御命令を送信し、
前記複数の機器の制御履歴情報によって定まる機器の制御の継続性に基づいて、前記複数の機器に含まれる2以上の機器を一括して制御するための定型アクションを登録し、
登録された前記定型アクションの実行が指示された場合に、前記2以上の機器へ制御命令を送信し
登録された前記定型アクションには、名称が設定され、
前記登録された前記定型アクションを実行するための指示は、前記定型アクションに設定された名称に基づく指示である、
制御方法。
【請求項16】
請求項15に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム、及び、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅などの建物に設置された機器の制御に関する様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1には、外出モード、帰宅モード、起床モードなどの家電機器を一括して制御することができるモードを有する機器制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-175377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、特許文献1に記載のような家電機器の一括制御を実現するためには、ユーザがどのように家電機器を一括制御するかを事前に登録する必要がある。
【0005】
本発明は、機器を一括制御するための定型アクションを自動的に登録することができる制御システム、及び、制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る制御システムは、複数の機器のそれぞれに当該機器を制御するための制御命令を送信する通信部と、前記複数の機器の制御履歴情報によって定まる機器の制御の継続性に基づいて、前記複数の機器に含まれる2以上の機器を一括して制御するための定型アクションを登録する登録部と、登録された前記定型アクションの実行が指示された場合に、前記通信部に前記2以上の機器へ制御命令を送信させる実行部とを備える。
【0007】
本発明の一態様に係る制御方法は、複数の機器のそれぞれに当該機器を制御するための制御命令を送信し、前記複数の機器の制御履歴情報によって定まる機器の制御の継続性に基づいて、前記複数の機器に含まれる2以上の機器を一括して制御するための定型アクションを登録し、登録された前記定型アクションの実行が指示された場合に、前記2以上の機器へ制御命令を送信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様に係る制御システム及び制御方法は、機器を一括制御するための定型アクションを自動的に登録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る制御システムの機能構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態に係る制御システムの基本動作のシーケンス図である。
図3図3は、制御命令の送信履歴情報の一例を示す図である。
図4図4は、定型アクションの登録動作のフローチャートである。
図5図5は、登録された定型アクションを示す登録情報の一例を示す図である。
図6図6は、名称候補情報の一例を示す図である。
図7図7は、定型アクションが登録されたことを通知するための通知画面の一例を示す図である。
図8図8は、送信履歴情報の別の一例を示す図である。
図9図9は、実施の形態に係る制御システムの定型アクションの実行動作例1のシーケンス図である。
図10図10は、定型アクションの実行履歴を含む送信履歴情報の一例を示す図である。
図11図11は、実施の形態に係る制御システムの定型アクションの実行動作例2のシーケンス図である。
図12図12は、実施の形態に係る制御システムの定型アクションの実行動作例3のシーケンス図である。
図13図13は、定型アクションの登録内容の変更動作のフローチャートである。
図14図14は、定型アクションの実行履歴を含む送信履歴情報の別の一例を示す図である。
図15図15は、定型アクションの実行履歴を含む送信履歴情報のさらに別の一例を示す図である。
図16図16は、定型アクションがいつも通り行われていない場合の処理を含む動作のフローチャートである。
図17図17は、定型アクションの実行の必要性を確認するための確認画面の一例を示す図である。
図18図18は、定型アクションが実行されていないことを通知するための通知画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[制御システムの構成]
まず、実施の形態に係る制御システムの構成について説明する。図1は、実施の形態に係る制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【0013】
実施の形態に係る制御システム100は、ユーザUが発する音声に基づいて複数の機器20を制御することができるシステムである。つまり、制御システム100は、音声に基づく機器制御システムである。図1に示されるように、制御システム100は、制御装置10、複数の機器20、電力計測装置30、音声認識サーバ40、機器制御サーバ50、及び、携帯端末60を備える。以下、各構成要素について説明する。
【0014】
まず、制御装置10について説明する。制御装置10は、例えば、エネルギーマネジメント機能を有するHEMS(Home Energy Management System)コントローラである。制御装置10は、建物80内に設置され、建物80に設置された複数の機器20の電気使用量(言い換えれば、消費電力量)を管理する。また、制御装置10は、ユーザの音声に基づいて建物80内(あるいは、建物80の敷地内)に設置された複数の機器20の制御を行う。制御装置10は、HEMSコントローラに限定されず、エネルギーマネジメント機能を有しない他のホームコントローラ、または、ゲートウェイ装置であってもよい。
【0015】
制御装置10は、具体的には、操作受付部11と、第一通信部12と、第二通信部13と、制御部14と、記憶部15と、表示部16と、音声取得部17と、音声出力部18とを備える。
【0016】
操作受付部11は、ユーザの操作を受け付けるユーザインターフェース装置である。操作受付部11は、例えば、タッチパネルによって実現されるが、押しボタンなどのハードウェアキーによって実現されてもよい。
【0017】
第一通信部12は、制御装置10が、複数の機器20、及び、電力計測装置30などと局所通信ネットワークを介して通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。第一通信部12は、例えば、無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。第一通信部12が行う通信の通信規格は、例えば、ECHONET Lite(登録商標)であるが、特に限定されない。第一通信部12は、通信相手の機器に応じて異なる通信規格で通信を行ってもよい。
【0018】
第二通信部13は、制御装置10が、音声認識サーバ40、及び、機器制御サーバ50などとインターネットなどの広域通信ネットワーク70を介して通信を行うための通信回路である。第二通信部13は、例えば、無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。第二通信部13が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0019】
制御部14は、制御装置10に関する制御を行う。制御部14は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。
【0020】
記憶部15は、制御部14が実行する制御プログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部15は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0021】
表示部16は、制御部14の制御に基づいて画像を表示する。表示部16は、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルによって実現される。
【0022】
音声取得部17は、ユーザの音声を取得する。音声取得部17は、例えば、マイクロフォンなどによって実現される。
【0023】
音声出力部18は、制御部14の制御に基づいて音声を出力する。音声出力部18は、例えば、スピーカなどによって実現される。
【0024】
次に、複数の機器20について説明する。複数の機器20は、建物80に設置される。複数の機器20は、制御装置10の第一通信部12から送信される制御命令によって制御される。複数の機器20は、制御システム100における制御対象機器である。複数の機器20には、空調機器21、照明機器22、ヒータ23、電動シャッター24、給湯システム25、電気錠26、調理機器27(レンジフードまたはIHクッキングヒータなど)、及び、屋外照明機器28などが含まれる。
【0025】
次に、電力計測装置30について説明する。電力計測装置30は、建物80における電気使用量を計測する。電力計測装置30によって計測された電気使用量は、制御装置10によって管理される。電力計測装置30は、建物80における分岐回路ごとに電気使用量を計測する機能を有する分電盤であるが、いわゆるスマートメータなどであってもよい。
【0026】
次に、音声認識サーバ40について説明する。音声認識サーバ40は、制御装置10から送信される音声信号に対して音声認識処理を行うクラウドサーバである。音声認識サービスを提供する事業者は、音声認識サーバ40を用いて当該音声認識サービスを提供する。音声認識サーバ40は、例えば、制御装置10から送信される音声信号をテキスト情報に変換し、テキスト情報を機器制御サーバ50に送信する。
【0027】
次に、機器制御サーバ50について説明する。機器制御サーバ50は、音声認識サーバから送信されるテキスト情報に基づいて制御命令を生成し、生成した制御命令を制御装置10に送信するクラウドサーバである。制御命令は、制御装置10を介して機器20によって受信される。機器制御サーバ50は、通信部51と、情報処理部52と、記憶部53とを備える。
【0028】
通信部51は、機器制御サーバ50がインターネットなどの広域通信ネットワーク70を介して制御装置10、音声認識サーバ40、及び、携帯端末60などと通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部51によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0029】
情報処理部52は、複数の機器20の制御に関する情報処理を行う。情報処理部52は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。情報処理部52は、登録部54と、実行部55とを有する。
【0030】
記憶部53は、制御命令の送信履歴情報、及び、情報処理部52が実行する制御プログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部53は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)などによって実現される。
【0031】
次に、携帯端末60について説明する。携帯端末60は、具体的には、スマートフォンまたはタブレット端末などである。携帯端末60は、建物80に居住しているユーザの所有物であってもよいし、建物80から離れて暮らしているユーザの所有物であってもよい。
【0032】
[基本動作]
次に、制御システム100の基本動作について説明する。図2は、制御システム100の基本動作のシーケンス図である。
【0033】
ユーザが機器の制御を意図した音声を発すると、制御装置10の音声取得部17は、この音声を取得する(S11)。制御部14は、取得した音声の音声信号を第二通信部13に音声認識サーバ40へ送信させる(S12)。
【0034】
音声認識サーバ40は音声信号を取得すると、音声認識処理を行う(S13)。音声認識サーバ40は、具体的には、取得した音声信号をテキスト情報に変換し、テキスト情報を機器制御サーバ50に送信する(S14)。
【0035】
機器制御サーバ50の通信部51は、音声認識サーバ40からテキスト情報を取得し、情報処理部52は、通信部51によって取得されたテキスト情報に基づいて、制御命令を生成する(S15)。例えば、テキスト情報が「エアコンをつけて」というテキストを示す場合、情報処理部52は、空調機器21をオンするための制御命令を生成する。情報処理部52は、生成した制御命令を通信部51に制御装置10へ送信させる(S16)。
【0036】
制御装置10の第二通信部13は、制御命令を機器制御サーバ50から受信する。制御部14は、受信された制御命令を第一通信部12に機器20(この場合、空調機器21)へ送信させる(S17)。機器20は、制御命令を受信すると制御命令にしたがって動作(または停止)する(S18)。
【0037】
一方、機器制御サーバ50の情報処理部52は、機器制御サーバ50から制御装置10へ制御命令が送信された後、記憶部53に記憶された制御命令の送信履歴情報を更新する(S19)。図3は、制御命令の送信履歴情報の一例を示す図である。図3に示されるように、送信履歴情報においては、制御命令の送信時刻と、制御命令の対象機器と、制御内容とが対応付けられている。
【0038】
以上説明したように、制御システム100は、ユーザの音声に基づいて制御命令を送信することにより、機器20の制御を行うことができる。
【0039】
[定型アクションの登録動作]
制御システム100は、図3のような送信履歴情報に基づいて、複数の機器20に含まれる2以上の機器を一括して動作させるための定型アクションを登録することができる。以下、定型アクションの登録動作について説明する。図4は、定型アクションの登録動作のフローチャートである。なお、定型アクションは、シーン制御、または、ルーチンなどと呼ばれる場合もある。
【0040】
機器制御サーバ50の登録部54は、記憶部53に記憶された制御命令の送信履歴情報に基づいて、所定期間(例えば、5分)よりも短い時間間隔で2以上の機器が連続して制御される集中制御を特定する(S21)。図3の例では、集中制御A~Cの3つの集中制御が特定される。
【0041】
次に、登録部54は、特定した集中制御が、継続性に関する要件を満たすか否かを判定する(S22)。登録部54は、具体的には、集中制御A~Cが同じ時間帯に所定日数(例えば、3日)以上行われており、かつ、この所定日数の間、集中制御A~Cで共通して行われている制御が2つ以上あるか否かを判定する。図3の例では、8:00~9:00の時間帯に、空調機器21がオンされる制御、照明機器22がオンされる制御、電動シャッター24が開かれる制御の3つの制御が3日間継続している。つまり、集中制御A~Cが同じ時間帯に所定日数以上行われており、かつ、この所定日数の間、集中制御A~Cで共通して行われる制御が2つ以上あるという要件が満たされる。
【0042】
登録部54は、特定した集中制御A~Cが継続性に関する要件を満たすと判定すると(S22でYes)、所定日数の間、集中制御A~Cで共通して行われる制御を一括して実行するための定型アクションを登録する(S23)。図5は、登録された定型アクションを示す登録情報の一例を示す図である。図5に示されるように、図3のような送信履歴情報に基づいて登録された定型アクションが実行されると、所定日数の間共通して行われていた、空調機器21がオンされる制御、照明機器22がオンされる制御、及び、電動シャッター24が開かれる制御の3つの制御が一括して行われる。
【0043】
また、図5に示されるように、定型アクションには名称が設定される。つまり、登録部54は、定型アクションの名称を設定する(S24)。登録部54は、具体的には、記憶部53にあらかじめ記憶された名称候補情報を参照することにより、集中制御が行われていた時間帯に対応付けられた名称を、定型アクションの名称として設定する。図6は、名称候補情報の一例を示す図である。
【0044】
図6の例では、集中制御が行われた8:00~9:00の時間帯には、「おはようモード」及び「朝モード」の2つのモードが対応付けられている。このため、登録部54は、「おはようモード」及び「朝モード」のいずれかを定型アクションの名称として設定する。このとき、登録部54は、いずれの名称を設定するかをユーザに問い合わせてもよい。この場合、登録部54は、通信部51に制御装置10へ問い合わせ情報を送信させることで、制御装置10の表示部16による映像の表示、または、音声出力部18による音声の出力によってどちらの名称を採用するかを問い合わせる。また、問い合わせの結果は、操作受付部11へのユーザの操作、または、音声取得部17への音声入力によって特定可能である。
【0045】
また、定型アクションの名称は、定型アクションにおいて制御対象となる機器の種別に基づいて設定されてもよい。例えば、定型アクションにおいて制御対象となる機器に特定の機器が含まれるか否かに基づいて設定されてもよい。図6の例では、定型アクションにおいて制御対象となる機器に調理機器27が含まれる場合は「料理モード」の名称が設定される。
【0046】
また、定型アクションの名称は、定型アクションに含まれる制御に、特定の機器を用いた特定の制御が含まれるか否かに基づいて設定されてもよい。図6の例では、定型アクションに含まれる制御に、給湯システム25のお湯はり制御が含まれる場合は「おふろモード」の名称が設定され、電気錠26を解錠する制御が含まれる場合は「帰宅モード」の名称が設定される。定型アクションに含まれる制御に、屋外照明機器28がオフされる制御が含まれる場合は「朝モード」の名称が設定され、屋外照明機器28がオンされる制御が含まれる場合は「夜モード」の名称が設定される。
【0047】
そして、登録部54は、定型アクションが登録されたこと、及び、登録された定型アクションの名称をユーザへ通知する(S25)。登録部54は、具体的には、通信部51に制御装置10へ通知情報を送信させる。通知情報を受信した制御装置10の表示部16には、図7のような通知画面が表示される。図7は、定型アクションが登録されたことを通知するための通知画面の一例を示す図である。なお、制御装置10は、音声出力部18による音声の出力によって定型アクションが登録されたこと、及び、登録された定型アクションの名称をユーザへ通知してもよい。
【0048】
以上説明したように、制御システム100は、ユーザから定型アクションを登録することを意図した操作または音声入力を受け付けることなく、制御指令の送信履歴情報に基づいて自動的に定型アクションを登録することができる。
【0049】
なお、定型アクションの登録においては、集中制御が所定日数以上同じ時間帯に行われているかどうかが判定要素として用いられたが、時間帯が判定要素として用いられることは必須ではない。例えば、登録部54は、時間帯に関係なく、制御のシーケンスに基づいて定型アクションを登録してもよい。図8は、制御命令の送信履歴情報の別の一例を示す図である。
【0050】
図8の例では、3日間連続して、電気錠26が解錠される制御が行われると、照明機器22がオンされる制御、空調機器21がオンされる制御、及び、電動シャッター24を開ける制御の3つの制御が合わせて行われている。ただし、これら3つの制御が行われる時間帯は、日によって異なっている。このような場合、登録部54は、制御が行われる時間帯に関係なく、照明機器22がオンされる制御、空調機器21がオンされる制御、及び、電動シャッター24を開ける制御を一括して行うための定型アクションを登録してもよい。
【0051】
[定型アクションの実行動作例1]
次に、制御システム100の定型アクションの実行動作例1について説明する。図9は、制御システム100の定型アクションの実行動作例1のシーケンス図である。
【0052】
ユーザが定型アクションの実行を指示する音声を発すると、制御装置10の音声取得部17は、この音声を取得する(S31)。ユーザは、例えば、「おはようモード」と発話し、音声取得部17はこの音声を取得する。制御部14は、取得した音声の音声信号を第二通信部13に音声認識サーバ40へ送信させる(S32)。
【0053】
音声認識サーバ40は音声信号を取得すると、音声認識処理を行う(S33)。音声認識サーバ40は、具体的には、取得した音声信号をテキスト情報に変換し、テキスト情報を機器制御サーバ50に送信する(S34)。
【0054】
機器制御サーバ50の通信部51は、音声認識サーバ40からテキスト情報を取得し、実行部55は、通信部51によって取得されたテキスト情報に基づいて、定型アクションを実行するための制御命令を生成する(S35)。例えば、定型アクションが「おはようモード」である場合、実行部55は、空調機器21をオンするための制御命令、照明機器22をオンするための制御命令、及び、電動シャッター24を開けるための制御命令を生成する。実行部55は、生成した制御命令を通信部51に制御装置10へ送信させる(S36)。
【0055】
制御装置10の第二通信部13は、制御命令を機器制御サーバ50から受信する。制御部14は、受信された制御命令を第一通信部12に、複数の機器20(この場合、空調機器21、照明機器22、及び、電動シャッター24)へ送信させる(S37)。複数の機器20のそれぞれは、制御命令を受信すると制御命令にしたがって動作(または停止)する(S38)。
【0056】
一方、機器制御サーバ50の実行部55は、機器制御サーバ50から制御装置10へ制御命令が送信された後、記憶部53に記憶された制御命令の送信履歴情報を更新する(S39)。図10は、定型アクションの実行履歴を含む、制御命令の送信履歴情報の一例を示す図である。
【0057】
以上説明したように、制御システム100は、定型アクションとして2以上の機器を一括して制御することができる。上述の基本動作では、2以上の機器を制御する場合には2以上の音声信号が制御装置10から音声認識サーバ40へ伝送される必要があるが、定型アクションでは、1つの音声信号が伝送されることで2以上の機器の制御が可能であるため、音声信号の通信量の低減が実現できる。
【0058】
[定型アクションの実行動作例2]
制御システム100は、定型アクションの内容を、音声の発話者に応じて変更して実行してもよい。以下、このような定型アクションの実行動作例2について説明する。図11は、制御システム100の定型アクションの実行動作例2のシーケンス図である。
【0059】
ステップS31~S34の処理は、動作例1と同様である。ステップS34の後、音声認識サーバ40は、音声信号に基づいて定型アクションの実行を指示する音声を発したユーザの年齢を推定し、ユーザの推定年齢を示す推定年齢情報を機器制御サーバ50に送信する(S41)。
【0060】
機器制御サーバ50の通信部51は、音声認識サーバ40からテキスト情報及び推定年齢情報を取得し、実行部55は、推定年齢情報に基づいて、テキスト情報によって定まる定型アクションをそのまま実行するか否かを判定する。例えば、ユーザが子供である場合、ヒータ23などの発熱を伴う機器、または、乾燥機(図示せず)などの回転駆動を伴う機器を動作させることは安全性の観点から好ましくない場合がある。
【0061】
そこで、実行部55は、推定年齢情報が示す年齢が所定年齢(例えば、12歳)以下である場合には、ユーザが所定の要件(この場合は年齢に関する要件)を満たさないと判定し(S42)、定型アクションの内容を変更する(S43)。実行部55は、具体的には、定型アクションにヒータ23を動作させる制御、及び、乾燥機を動作させるような制御が含まれる場合、このような制御を実行対象から除外する。なお、定型アクションにこのような制御が含まれない場合には、ユーザが所定の要件を満たさない場合であっても定型アクションの内容が変更されない場合もある。なお、ステップS43では定型アクションの登録内容が変更されるわけではなく、ステップS43の処理は、定型アクションの実行時に例外的に実行内容を変更する処理である。
【0062】
続いて、実行部55は、変更後の定型アクションを実行するための制御命令を生成する(S44)。以降の処理は、動作例1と同様である。
【0063】
以上説明したように、制御システム100は、定型アクションを実行する際に、安全性を考慮して定型アクションの内容を変更することができる。
【0064】
なお、動作例2では、ユーザの音声に基づいてユーザの年齢が推定されたが、このような年齢の推定方法は一例である。例えば、制御装置10がカメラ(図示せず)を備え、カメラによって撮影されたユーザの顔画像に基づいて年齢が推定されてもよい。この場合、年齢推定は制御装置10によって行われ、制御装置10が機器制御サーバ50に推定年齢情報を送信するが、制御装置10が機器制御サーバ50に顔画像を送信し、機器制御サーバ50が顔画像に基づいて年齢推定を行ってもよい。
【0065】
また、定型アクションの内容を変更するか否かの判定基準は、ユーザが年齢に関する要件を満たすか否かに限定されない。例えば、定型アクションの内容を変更するか否かは、ユーザのその他の属性情報(性別など)が所定の要件を満たすか否かに基づいて判定されてもよい。
【0066】
また、実行動作例2において、実行部55は、定型アクションの実行内容を変更するのではなく、本当に実行するか否かの問い合わせ(再確認)を行ってもよい。
【0067】
[定型アクションの実行動作例3]
制御システム100は、定型アクションの内容を、建物80における電気使用量に応じて変更して実行してもよい。以下、このような定型アクションの実行動作例3について説明する。図12は、制御システム100の定型アクションの実行動作例3のシーケンス図である。
【0068】
上述のように、制御装置10は、電力計測装置30によって計測された分岐回路ごと(言い換えれば、機器20ごと)の電気使用量を管理しており、このような機器20ごとの電気使用量を示す電気使用量情報を定期的に機器制御サーバ50へ送信する(S51)。機器制御サーバ50の通信部51によって電気使用量情報が受信されると、記憶部53に記憶された電気使用量情報を更新する(S52)。
【0069】
このように、機器制御サーバ50において、建物80における電気使用量が管理されている状態で、動作例1と同様に、ステップS31~S34の処理が行われる。ステップS34の後、機器制御サーバ50の実行部55は、テキスト情報によって定まる定型アクションをそのまま実行した場合に建物80における電気使用量が所定値を超えるか否かを、電気使用量情報に基づいて判定する。
【0070】
実行部55は、具体的には、最新の電気使用量情報に基づいて定まる現在の電気使用量と、過去の電気使用量情報に基づいて定まる、定型アクションを実行した場合の電気使用量の増加量とに基づいて、定型アクションをそのまま実行した場合に建物80における電気使用量が所定値を超えるか否かを判定することができる。なお、所定値は、ユーザによって手動で設定されてもよいし、電力会社のサーバから提供される電気使用量の削減要請(デマンドレスポンス信号など)に基づいて定められてもよい。
【0071】
実行部55は、電気使用量が所定値を超えると判定すると(S53)、定型アクションの内容を変更する(S54)。実行部55は、具体的には、定型アクションに含まれる複数の制御の一部を実行対象から除外する。あるいは、実行部55は、定型アクションに含まれる少なくとも一部の制御の内容(例えば、空調機器21の設定温度)を電気使用量が小さくなるように変更する。続いて、実行部55は、変更後の定型アクションを実行するための制御命令を生成する(S55)。以降の処理は、動作例1と同様である。
【0072】
以上説明したように、制御システム100は、定型アクションを実行する際に、電気使用量を考慮して定型アクションの内容を変更することができる。
【0073】
[定型アクションの登録内容の変更動作]
ところで、上記図10の送信履歴情報は、「おはようモード」の定型アクションが行われた後、必ず空調機器21の設定温度の変更が行われていることを示している。このように、定型アクションを実行中に制御命令が送信されることが(所定日数以上)継続して行われる場合、登録部54は、当該制御命令に基づいて定型アクションの登録内容を変更してもよい。図13は、定型アクションの登録内容の変更動作のフローチャートである。
【0074】
機器制御サーバ50の登録部54は、記憶部53に記憶された送信履歴情報を参照することにより、定型アクションを実行中に送信された制御命令を特定し(S61)、同様の制御命令の送信が所定日数(例えば、3日間)以上継続しているか否かを判定する(S62)。
【0075】
登録部54は、同様の制御命令の送信が所定日数以上継続していないと判定した場合(S62でNo)、定型アクションの登録内容を変更しない。一方、登録部54は、同様の制御命令の送信が所定日数以上継続していると判定した場合(S62でYes)、定型アクションの登録内容を変更する(S63)。つまり、登録部54は、記憶部53に記憶された登録情報(図5など)を書き換える。
【0076】
例えば、図10に示されるように、定型アクションの実行中に、定型アクションの対象の機器のうちの空調機器21の設定温度を変更するための制御命令である変更命令が送信される場合が考えられる。この場合、ステップS63においては、定型アクションの実行が指示された場合に空調機器21へ送信される制御命令の設定温度がデフォルト値から変更命令によって指定される温度(図10では27℃)に変更される。つまり、登録部54は、変更命令に基づいて、定型アクションの実行が指示された場合に空調機器21へ送信される制御命令の内容を変更する。
【0077】
また、図14は、定型アクションの実行履歴を含む送信履歴情報の別の一例を示す図である。図14の送信履歴情報は、「おはようモード」の定型アクションが行われた後、必ず屋外照明機器28がオンされることを示している。この場合、ステップS63においては、定型アクションの実行が指示された場合に制御命令が送信される機器に屋外照明機器28が追加される。
【0078】
また、図15は、定型アクションの実行履歴を含む送信履歴情報のさらに別の一例を示す図である。図15の送信履歴情報は、「おはようモード」の定型アクションが行われた後、定型アクションの実行によりオンされた空調機器21が必ずオフされることを示している。この場合、ステップS63においては、定型アクションの実行が指示された場合に制御命令が送信される機器から空調機器21が除外される。
【0079】
以上説明したように、制御システム100は、ユーザから定型アクションの登録内容の変更を意図した操作または音声入力を受け付けることなく、制御指令の送信履歴情報に基づいて自動的に定型アクションの登録内容を変更することができる。
【0080】
[定型アクションがいつも通り行われていない場合の動作]
また、図10などの送信履歴情報は、「おはようモード」の定型アクションが毎日決まった時間帯に行われていることを示している。このように定型アクションが習慣的に行われるようになった状況で、定型アクションがいつも通り行われていない場合に制御システム100が実行する処理については検討の余地がある。以下、このような処理を含む動作について説明する。図16は、定型アクションがいつも通り行われていない場合の処理を含む動作のフローチャートである。
【0081】
機器制御サーバ50の実行部55は、記憶部53に記憶された送信履歴情報を参照することにより、過去に定型アクションが行われている時間帯を特定する(S71)。図10などの送信履歴情報に基づけば、過去においては、通常、8:00~8:30の時間帯に定型アクションが行われていることが特定できる。
【0082】
次に、実行部55は、当日の8:00~8:30の時間帯(つまり、特定した時間帯)に定型アクションが実行されたか否かを判定する(S72)。
【0083】
実行部55は、特定した時間帯に定型アクションが実行されていないと判定した場合(S72でNo)、通信部51に制御装置10へ確認情報を送信させる(S73)。確認情報は、定型アクションの実行の必要性を確認するための情報である。確認情報を受信した制御装置10の表示部16には、定型アクションの実行の必要性を確認するための確認画面が表示される。図17は、定型アクションの実行の必要性を確認するための確認画面の一例を示す図である。
【0084】
続いて、実行部55は、通信部51に携帯端末60へ通知情報を送信させる(S74)。通知情報は、定型アクションが実行されていないことを建物80の外に位置するユーザ(具体的には、携帯端末60のユーザ)に通知するための情報である。通知情報を受信した携帯端末60の表示部には、定型アクションが実行されていないことを通知するための通知画面が表示される。図18は、定型アクションが実行されていないことを通知するための通知画面の一例を示す図である。
【0085】
例えば、建物80に居住しているユーザが高齢者である場合などには、いつも通り定型アクションが実行されていないことは、ユーザに異変が起きたことであるとみなせる。このような場合に、当該ユーザと離れて暮らす当該ユーザの親族などが所有する携帯端末60に通知が行われれば、親族などはユーザの異変に対処することができる。
【0086】
なお、実行部55は、特定した時間帯に定型アクションが実行されていると判定した場合(S72でYes)、確認情報の送信、及び、通知情報の送信を行わない。
【0087】
以上説明したように、制御システム100は、定型アクションがいつも通り行われていない場合に、建物80内のユーザに定型アクションを行わなくてよいかを確認することができる。また、制御システム100は、定型アクションがいつも通り行われていない場合に、建物80外のユーザに定型アクションがいつも通り行われていないことを通知することができる。
【0088】
なお、定型アクションがいつも通り行われていない場合に、通知情報及び確認情報の両方が送信されることは必須ではなく、通知情報及び確認情報の少なくとも一方が送信されればよい。
【0089】
[変形例]
上記実施の形態では、ユーザの音声入力に基づいて機器20が制御され、ユーザの音声入力に基づく制御命令の送信履歴情報に基づいて定型アクションが登録された。しかしながら、ユーザの操作受付部11への手動操作に基づいて機器20が制御され、ユーザの操作受付部11への手動操作に基づく送信履歴情報に基づいて定型アクションが登録されてもよい。また、ユーザの音声入力または手動操作に基づいて機器20が制御され、ユーザの手動操作及び音声入力の両方に基づく送信履歴情報に基づいて定型アクションが登録されてもよい。
【0090】
また、送信履歴情報は、複数の機器20の制御履歴情報の一例である。制御システム100は、送信履歴情報以外の制御履歴情報に基づいて定型アクションを登録してもよい。例えば、制御システム100は、操作受付部11が受け付けた複数の機器20を制御するための操作の履歴情報によって定まる機器20の制御の継続性に基づいて定型アクションを登録してもよい。また、制御システム100は、音声取得部17が取得した複数の機器20を制御するための音声入力の履歴情報によって定まる機器20の制御の継続性基づいて定型アクションを登録してもよい。つまり、制御履歴情報には、制御命令の送信履歴情報、複数の機器20を制御するための操作の履歴情報、及び、複数の機器20を制御するための音声入力の履歴情報などが含まれる。
【0091】
また、上記実施の形態では、制御装置10に内蔵の音声取得部17が音声入力ユーザインターフェースとして、使用されたが、制御装置10とは別体の装置が音声入力ユーザインターフェースとして使用されてもよい。例えば、スマートスピーカまたは携帯端末が音声入力ユーザインターフェースとして使用されてもよい。
【0092】
また、上記実施の形態で説明された音声認識サーバの機能、及び、機器制御サーバの機能は、制御装置10に集約されてもよい。例えば、音声認識機能、登録部54の機能、実行部55の機能を制御装置10の制御部14が備えていてもよい。この場合、制御装置10は、広域通信ネットワーク70を介した通信を行うことなく機器20を制御し、定型アクションの登録等を行うことができる。
【0093】
[効果等]
以上説明したように、制御システム100は、複数の機器20のそれぞれに当該機器20を制御するための制御命令を送信する通信部51と、複数の機器20の制御履歴情報によって定まる機器20の制御の継続性に基づいて、複数の機器20に含まれる2以上の機器を一括して制御するための定型アクションを登録する登録部54と、登録された定型アクションの実行が指示された場合に、通信部51に上記2以上の機器へ制御命令を送信させる実行部55とを備える。上記実施の形態では、制御命令は、通信部51から制御装置10を介して2以上の機器へ送信される。
【0094】
このような制御システム100は、ユーザから定型アクションを登録することを意図した操作または音声入力を受け付けることなく、自動的に定型アクションを登録することができる。
【0095】
また、例えば、登録部54は、制御履歴情報に基づいて、特定の時間帯に上記2以上の機器が制御されることが所定日数以上継続した場合に、定型アクションを登録する。
【0096】
このような制御システム100は、時間帯を考慮した機器20の制御の継続性に基づいて自動的に定型アクションを登録することができる。
【0097】
また、例えば、登録部54は、制御履歴情報に基づいて、複数の機器20に含まれる特定機器が制御された後の所定期間内に上記2以上の機器が制御されることが所定日数以上継続した場合に、定型アクションを登録する。
【0098】
このような制御システム100は、複数の機器20の動作シーケンスによって定まる機器20の制御の継続性に基づいて自動的に定型アクションを登録することができる。
【0099】
また、例えば、登録部54は、特定の時間帯に基づいて、登録された定型アクションの名称を設定する。
【0100】
このような制御システム100は、2以上の機器が制御される時間帯に基づいて定型アクションの名称を設定することができる。
【0101】
また、例えば、登録部54は、上記2以上の機器の種別に基づいて、登録された前記定型アクションの名称を設定する。
【0102】
このような制御システム100は、2以上の機器の種別(2以上の機器にどのような機器20が含まれているか)に基づいて定型アクションの名称を設定することができる。
【0103】
また、例えば、登録部54は、定型アクションの実行中に、上記2以上の機器への制御命令が送信された場合、当該制御命令に基づいて定型アクションの登録内容を変更する。
【0104】
このような制御システム100は、ユーザから定型アクションの登録内容の変更を意図した操作または音声入力を受け付けることなく、自動的に定型アクションの登録内容を変更することができる。
【0105】
また、例えば、定型アクションの実行中に、2以上の機器のうちの第一機器の動作状態を変更するための制御命令である変更命令が送信された場合、登録内容の変更においては、変更命令に基づいて、定型アクションの実行が指示された場合に第一機器へ送信される制御命令の内容が変更される。
【0106】
このような制御システム100は、ユーザから定型アクションの登録内容の変更を意図した操作または音声入力を受け付けることなく、定型アクションにおける機器の制御内容を変更することができる。
【0107】
また、例えば、定型アクションの実行中に、複数の機器20に含まれる上記2以上の機器以外の第二機器へ制御命令が送信された場合、登録内容の変更においては、定型アクションの実行が指示された場合に制御命令が送信される機器に第二機器が追加される。
【0108】
このような制御システム100は、ユーザから定型アクションの登録内容の変更を意図した操作または音声入力を受け付けることなく、定型アクションにおいて制御される機器を追加することができる。
【0109】
また、例えば、定型アクションの実行中に、上記2以上の機器のうちの第三機器の動作を停止させるための制御命令である停止命令が送信された場合、登録内容の変更においては、停止命令に基づいて、定型アクションの実行が指示された場合に制御命令が送信される機器から第三機器が除外される。
【0110】
このような制御システム100は、ユーザから定型アクションの登録内容の変更を意図した操作または音声入力を受け付けることなく、定型アクションにおいて制御される機器を削除することができる。
【0111】
また、例えば、実行部55は、さらに、過去に定型アクションが実行された時間帯に定型アクションの実行が指示されない場合に、定型アクションの実行の必要性を確認するための確認情報を通信部51に送信させる。
【0112】
このような制御システム100は、定型アクションがいつも通り行われていない場合に、建物80内のユーザに定型アクションを行わなくてよいかを確認することができる。
【0113】
また、例えば、実行部55は、さらに、過去に定型アクションが実行された時間帯に定型アクションの実行が指示されない場合に、定型アクションが実行されていないことを通知するための通知情報を通信部51に送信させる。
【0114】
このような制御システム100は、定型アクションがいつも通り行われていない場合に、建物80外のユーザに定型アクションがいつも通り行われていないことを通知することができる。
【0115】
また、例えば、実行部55は、登録された定型アクションの実行を指示したユーザが所定の要件を満たさないと判定された場合に、通信部51に上記2以上の機器のうち所定機器へは制御命令を送信させないように定型アクションの内容を変更して実行する。
【0116】
このような制御システム100は、定型アクションを実行する際に、定型アクションの実行を指示したユーザの属性などに応じて定型アクションの内容を変更することができる。例えば、制御システム100は、ユーザが子供である場合に、安全性を考慮して一部の機器を動作させないようにすることができる。
【0117】
また、例えば、登録された定型アクションの実行は、ユーザの音声によって指示され、ユーザが所定の要件を満たすか否かは、ユーザの音声に基づいて判定される。
【0118】
このような制御システム100は、定型アクションを実行する際に、定型アクションの実行を指示したユーザの音声に応じて定型アクションの内容を変更することができる。
【0119】
また、例えば、実行部は、登録された定型アクションの実行を実行すると複数の機器20が設置された建物80における電気使用量が所定値を超えると判定された場合に、定型アクションの内容を変更して実行する。
【0120】
このような制御システム100は、定型アクションを実行する際に、建物80における電気使用量に応じて定型アクションの内容を変更することができる。例えば、制御システム100は、建物80における電気使用量を所定値以下にするために一部の機器を動作させないようにすることができる。
【0121】
また、制御システム100などのコンピュータによって実行される制御方法は、複数の機器20のそれぞれに当該機器20を制御するための制御命令を送信し、複数の機器20の制御履歴情報によって定まる機器20の制御の継続性に基づいて、複数の機器20に含まれる2以上の機器を一括して制御するための定型アクションを登録し、登録された定型アクションの実行が指示された場合に、2以上の機器へ制御命令を送信する。
【0122】
このような制御方法は、ユーザから定型アクションを登録することを意図した操作または音声入力を受け付けることなく、自動的に定型アクションを登録することができる。
【0123】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0124】
例えば、上記実施の形態では、制御システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置によって実現されてもよい。制御システムが複数の装置によって実現される場合、各システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0125】
また、例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。また、上記実施の形態で説明された情報の伝達経路は、シーケンス図に示される伝達経路に限定されない。
【0126】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0127】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0128】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0129】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0130】
例えば、本発明は、上記実施の形態に係る制御装置またはこれに相当する制御システムとして実現されてもよい。また、本発明は、制御システムなどのコンピュータが実行する制御方法として実現されてもよいし、このような制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0131】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0132】
20 機器
51 通信部
54 登録部
55 実行部
80 建物
100 制御システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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