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特許7349696不動産取引支援システムおよびこれを用いた不動産取引支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】不動産取引支援システムおよびこれを用いた不動産取引支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20230915BHJP
   G06Q 30/015 20230101ALI20230915BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20230915BHJP
【FI】
G06Q50/16
G06Q30/015
G06Q30/0601
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019100838
(22)【出願日】2019-05-30
(65)【公開番号】P2020194463
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】519195224
【氏名又は名称】株式会社FUFU
(74)【代理人】
【識別番号】100189865
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 正寛
(74)【代理人】
【識別番号】100094215
【弁理士】
【氏名又は名称】安倍 逸郎
(72)【発明者】
【氏名】奈須 敬司
【審査官】成瀬 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-015049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 40/20-40/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、
このサーバにインターネットを介して接続される売主の使用に係る売主端末と、
このサーバにインターネットを介して接続される買主の使用に係る複数の買主端末と、
このサーバにインターネットを介して接続される不動産エージェントの使用に係る複数の不動産エージェント端末と、を備えた不動産取引支援システムにあって、
上記サーバは、
上記売主から売主端末を介して提供される不動産に関する物件情報を登録する物件情報登録手段と、
この登録された物件情報について少なくともその不動産の所在地及びその不動産の所有者を除いた物件の要部情報を上記複数の買主端末にのみ閲覧可能とする要部情報公開手段と、
上記買主からその買主端末からの申し込みにより上記売主と上記買主との間で電子メールによる直接の対話を可能とするチャット許容手段と、
複数回の上記対話を終えた上記買主が、上記物件情報に係る物件への案内を上記売主に対して申し込む物件案内申し込み手段と、
この買主からの物件への案内の申し込みを当該売主の売主端末に提供するとともに、この物件への案内の申し込みに対して、上記売主から売主端末を介して物件への案内を許容する応答がなされたとき、この物件の取引は成約の可能性が高いものと判断し、登録されたすべての上記不動産エージェント端末に対して、上記物件への案内の申し込みがあったことを示す案内申し込み情報を、一斉に、提供し、当該物件に関する上記売主、上記買主の情報と当該不動産に関する物件情報とを含む案内情報について購入希望者を募集する案内情報提供手段と、を備え、
これらの不動産エージェントのうちで最も速く決済した不動産エージェントに対して、その不動産エージェント端末を介してこの案内情報が提供される不動産取引支援システム。
【請求項2】
サーバと、このサーバにインターネットを介して接続される売主の使用に係る売主端末と、このサーバにインターネットを介して接続される買主の使用に係る複数の買主端末と、このサーバにインターネットを介して接続される不動産エージェントの使用に係る複数の不動産エージェント端末と、を備えた不動産取引支援システムにあって、
上記売主から売主端末を介して提供される不動産に関する物件情報をサーバにて登録する過程と、
この登録された物件情報について少なくともその不動産の所在地及びその不動産の所有者を除いた物件の要部情報を、サーバを介して、登録された複数の上記買主に対して買主端末を介して閲覧を可能とする過程と、
上記買主からその買主端末を介して申し込まれた当該売主に対しての直接のチャットを当該サーバ上で許容する過程と、
この売主とこの買主との間での複数回の直接のチャットが終了した後、この買主から当該物件への案内が申し込まれたとき、この案内の申し込みを売主端末を介してこの売主に連絡する過程と、
この売主から物件への案内を許諾する旨の応答があった場合、上記チャットの内容を参照してサーバにて当該物件に関して成約可能性が高いものと判断し、登録された全ての上記不動産エージェント端末に対して、一斉に、上記物件への案内の申し込みがあったことを示す案内申し込み情報を提供し、当該物件に関する上記売主、上記買主の情報を含む当該不動産に関する物件情報を含む案内情報について購入希望者を募集する過程と、
この募集に対して、最も早く決済を完了させた不動産エージェントに対して当該案内情報を譲渡する過程と、を備えた不動産取引支援システムを用いた不動産取引支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は不動産取引支援システムおよびこれを用いた不動産取引支援方法、詳しくはサーバに登録した物件情報に対してアクセスする買主がチャット機能を介して売主との間で意思疎通を図り成約可能性が高いと判断できる状況においてその契約情報を不動産エージェントに譲渡する不動産取引支援システムおよびこれを用いた不動産取引支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の不動産取引支援システムとしては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。
この不動産取引支援システムは、購入希望者の購入条件などを記憶する購入条件データベースと、販売希望者の物件情報を記憶する物件情報データベースとを備えている。これらの購入条件と物件情報とをマッチングさせたとき、これを双方に対して通知することにより、不動産取引情報の迅速な通知を行うこととしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-117248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の不動産取引支援システムにあっては、マッチングに係る物件情報について不動産エージェントが同行する現地調査の必要性と当該物件またはその物件情報についての詳細説明が必須となっており、成約したとしても、不動産仲介に係る不動産エージェントの手間はかなりのものとなっているという問題点を有していた。
そこで、発明者は、鋭意研究の結果、この手間を省けること、省くことにより低価格の手数料を実現できることを知見し、この発明を完成するに至った。
【0005】
この発明は、不動産取引において仲介業者における手間を省くことにより、低額の手数料にてこの仲介手続を行うことができる不動産取引支援システムおよびこれを用いた不動産取引支援方法を提供することを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、サーバと、このサーバにインターネットを介して接続される売主の使用に係る売主端末と、このサーバにインターネットを介して接続される買主の使用に係る複数の買主端末と、このサーバにインターネットを介して接続される不動産エージェントの使用に係る複数の不動産エージェント端末と、を備えた不動産取引支援システムにあって、上記サーバは、上記売主から売主端末を介して提供される不動産に関する物件情報を登録する物件情報登録手段と、この登録された物件情報について少なくともその不動産の所在地及びその不動産の所有者を除いた物件の要部情報を上記複数の買主端末にのみ閲覧可能とする要部情報公開手段と、上記買主からその買主端末からの申し込みにより上記売主と上記買主との間で電子メールによる直接の対話を可能とするチャット許容手段と、複数回の上記対話を終えた上記買主が、上記物件情報に係る物件への案内を上記売主に対して申し込む物件案内申し込み手段と、この買主からの物件への案内の申し込みを当該売主の売主端末に提供するとともに、この物件への案内の申し込みに対して、上記売主から売主端末を介して物件への案内を許容する応答がなされたとき、この物件の取引は成約の可能性が高いものと判断し、登録されたすべての上記不動産エージェント端末に対して、上記物件への案内の申し込みがあったことを示す案内申し込み情報を、一斉に、提供し、当該物件に関する上記売主、上記買主の情報と当該不動産に関する物件情報とを含む案内情報について購入希望者を募集する案内情報提供手段と、を備え、これらの不動産エージェントのうちで最も速く決済した不動産エージェントに対して、その不動産エージェント端末を介してこの案内情報が提供される不動産取引支援システムである。
不動産取引については、取引対象が不動産であるところから、その重要性に鑑みて国家資格(宅地建物取引士)を有する不動産エージェント(不動産仲介業者)の専権事項とされている。すなわち、取引書類(契約書)の作成などは当該資格を有する社員、構成員が属する不動産エージェントにより行うことが必須となる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、サーバと、このサーバにインターネットを介して接続される売主の使用に係る売主端末と、このサーバにインターネットを介して接続される買主の使用に係る複数の買主端末と、このサーバにインターネットを介して接続される不動産エージェントの使用に係る複数の不動産エージェント端末と、を備えた不動産取引支援システムにあって、上記売主から売主端末を介して提供される不動産に関する物件情報をサーバにて登録する過程と、この登録された物件情報について少なくともその不動産の所在地及びその不動産の所有者を除いた物件の要部情報を、サーバを介して、登録された複数の上記買主に対して買主端末を介して閲覧を可能とする過程と、上記買主からその買主端末を介して申し込まれた当該売主に対しての直接のチャットを当該サーバ上で許容する過程と、この売主とこの買主との間での複数回の直接のチャットが終了した後、この買主から当該物件への案内が申し込まれたとき、この案内の申し込みを売主端末を介してこの売主に連絡する過程と、この売主から物件への案内を許諾する旨の応答があった場合、上記チャットの内容を参照してサーバにて当該物件に関して成約可能性が高いものと判断し、登録された全ての上記不動産エージェント端末に対して、一斉に、上記物件への案内の申し込みがあったことを示す案内申し込み情報を提供し、当該物件に関する上記売主、上記買主の情報を含む当該不動産に関する物件情報を含む案内情報について購入希望者を募集する過程と、この募集に対して、最も早く決済を完了させた不動産エージェントに対して当該案内情報を譲渡する過程と、を備えた不動産取引支援システムを用いた不動産取引支援方法である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1,2に記載の発明にあっては、売主端末から提供された物件情報については、売主の身元や、物件の所在地などが特定できる情報を除いてサーバにて公開される。登録した買主はこの物件情報を閲覧することができる。この物件に関しては売主と買主とが直接に(不動産業者、不動産エージェントなどを介することなく)情報交換をサーバの電子メールによるチャット機能を通じて行うことができる。すなわち、彼らの間の交信の記録が文字情報として公開される。これらの交信の後、買主端末からの案内要求により、サーバでは、成約の可能性が高まったものと判断してこれらの売主情報、買主情報、物件情報を、登録された不動産エージェントに対して譲渡する。この結果、不動産エージェントは、当該物件情報についての物件の案内から契約手続までの処理を担当する。この場合、不動産エージェントの負担は従来システムに比較して大幅に軽減されることとなる。
【0009】
また、上記サーバにあっては、上記売主買主間のチャットの内容を取得し、これらに基づいて成約の可能性を判断し、この物件について、成約可能性が高いと判断したとき、登録されたすべての不動産エージェント端末に対して当該物件への案内の申し込み情報を一斉に提供し、この物件情報、売主情報、買主情報などを含む案内情報の購入希望者を募る。サーバにあっては、これまでの経験によるノウハウを蓄積しておき、このノウハウに基づいて成約の可能性を判断することもできる。よって、この情報の提供を受けた不動産エージェントについてもこの物件への案内の申し込み情報に経済的価値を与えることができる。
【0010】
さらに、登録された複数の不動産エージェントに一斉に通知された物件への案内の申し込み情報については、最も速く決済を完了させた不動産エージェントが上記案内情報の提供を受ける。この不動産エージェントはこの取引に関して以後の手続を全て代理・代行する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明の実施例1に係る不動産取引支援システムのネットワーク構成を示す模式図である。
図2】この発明の実施例1に係る不動産取引支援システムのサーバの構成を示す模式図である。
図3】この発明の実施例1に係る不動産取引支援システムおよびこれを用いた不動産取引支援方法の取引手順を説明するフロー図である。
図4】この発明の実施例1に係る不動産取引支援システムの不動産エージェントの登録手順を説明するフロー図である。
図5】この発明の実施例1に係る不動産取引支援システムの不動産エージェントの自社物件の登録手順を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施例を、図面を参照して具体的に説明する。
【実施例
【0013】
図1は実施例1に係る不動産取引支援システムの全体構成(ネットワーク)を示す模式図である。
図1において、10は本発明の実施例に係るサーバであって、通信ネットワーク(例えばインターネット)を介して複数の端末(例えばパソコン、スマートホン、タブレットなど)とデータ通信可能に連携されている。複数の端末とは、不動産物件に関してその売主が使用する複数の売主端末20・・・と、その不動産物件について購買を希望する買主が使用する複数の買主端末30・・・と、不動産取引のプロフェッショナルである不動産エージェントが使用する複数の不動産エージェント端末40・・・・とを含むものとする。
【0014】
本発明に係るサーバ10は、一般的なコンピュータとその付属機器(例えば外部記憶手段であるハードディスク装置、クラウドコンピュータシステムを介した記憶手段など)により構成されるものであり、その他の端末との間において個別に相互的通信機能を有している。
不動産取引支援システム100は、これらのサーバ10および各端末群20,30,40により構成されるものである。不動産取引支援システム100は、売主(物件のオーナなど)による不動産物件についての物件情報(物件が戸建て住居であれば所在地、建物の大きさ、間取り、築年など)を登録する物件情報登録手段110を有している。売主端末20から送信された物件情報を加工・追加・一部削除することなくそのまま登録するものである。そして、表示手段120は、このように登録された物件情報に基づいてその一部情報を秘匿して表示する。表示とは登録された買主などにのみ閲覧を可能とすることを含む。
このように一部情報を秘匿する目的は、物件の詳細、例えば所在地などが簡単に特定されることでこのシステム外での直接取引を防止するためである。物件がマンション、アパートであれば、その名称などは秘匿される。戸建て住宅でもその持ち主あるいは住居者名は、秘匿扱いとされる。なお、所在地の詳細は秘匿されるが、そのエリアなどは開示情報とされる。
買主端末30から入力、登録される買主情報は、買主情報登録手段130において登録される。例えば買主名の他にも希望物件の詳細、希望価格などを含む他にも買主の家族構成、趣味などを含むものであってもよい。
ここで、チャット手段140は、許可された売主買主間での直接の情報交換、対話をサーバ10の例えば電子掲示板を使用して行えるものとする。チャット手段140における対話内容は電子メール(文字情報)とその添付画像と同様に閲覧可能とされる。
【0015】
そして、チャット手段140により売主・買主間でのチャットがある程度行われて、買主側からサーバ10の案内受付手段150に対して当該物件に関しての不動産エージェントを介しての案内申込がなされた場合、買主側から物件案内申込があった旨を売主に対して連絡する。そして、売主がこの案内申込を許諾・受け付ける場合は、判定手段160にあって、チャット内容をチェックすることにより、この取引が成立する可能性が高いと判断できるかを検討する。この成約可能性が高いと判断するには、特別の判断基準をサーバ(判定手段)が保有することでこの基準に基づいて行う。この基準は多くの情報の蓄積の結果取得・形成されたものであり、不動産取引の専門的な知識の他の経験則による点が大きい。また、この基準は地域、時期に対応して異なることを含むものである。もちろん、この時点での不動産価額などは主たる要素の一つとなる。成約例についても当然にデータベースに蓄積、ストアされている。
【0016】
図3にあっては、この売主、買主、サーバ間の取引における手順の一例を示す。
最初の物件情報の登録から、一部情報を秘匿して公開(表示)し、登録された買主からの問い合わせに対して買主の了承の下に、チャット(対話)が直接になされる。そして何度かの対話の後に、買主が物件案内希望をサーバの受付手段に申し込んだ場合、売主の承諾を得ての後、成約の可能性を判断し、それが高い場合は、他の情報(個人的な情報を含む場合がある)を付加して不動産エージェント40に対して物件情報(売主、買主を含む情報)を売却する。170がこの購買情報を提供する提供手段(購買情報提供手段)であり、この提供手段170を介して特定の不動産エージェント40に対して情報の売却がなされる。
そして、この場合、不動産エージェント40は、すでに売主、買主間での情報交換が行われていることから、その仲介の手間が省けるため、その手数料は世間一般の相場手数料(売買価額の3%)をその半額(1.5%)程度とすることを約束して情報を購入する。
サーバ10の運営者にあってはこの情報売買による収入によりこのシステムを運営する。売主、買主は通常価額の半額の支払いで売買が成立することで、経済的利益を得るものである。
なお、この売買契約は不動産エージェントにより通常ルーチンで行われる。
【0017】
図4は、サーバと不動産エージェントとの登録、契約売買の手順を示す。このような手順に則ってサーバ運営者は特定の不動産エージェントに対して成約可能性が高い不動産取引情報を売却することとなる。このように成約可能性が高い物件情報をのみを売買することにより、多数の物件に関しての取引を成立させることでサーバ運営者は経済的利益を得ることができる。
また、例えば、上記案内情報提供手段による成約可能性が高い案内申し込み情報の提供は、この案内申し込み情報はその売買についての決済通知とともに、複数の登録された不動産エージェントに対して一斉に通知されるものとする。そして、これらの不動産エージェントのうちで最も速く決済を行った不動産エージェントに対してこの案内情報が提供される。
すなわち、登録された複数の不動産エージェントが存在する場合、彼らに対して一斉に通知された案内申し込み情報は、最も速く決済した(代金を支払った)不動産エージェントがこの情報提供(これは具体的な物件名、売主、買主を明らかにした情報を含む)を受ける。この情報に基づいて不動産エージェントは物件案内、不動産譲渡契約などの手続を遂行することとなる。
図5は、不動産エージェントが自社保有情報を登録する場合を示し、そのエージェントは買主情報(物件情報)のみを購入するようなシステムとすることもできる。
【0018】
なお、多数の不動産エージェントに対してサーバ上で当該成約可能性が高い取引情報についてオークションによりその落札、担当者を決定することもできる。このオークションによりサーバ運営者は適切な情報購入者(不動産エージェント)に対して適切な価額(最高額)での売却が可能となる。
すなわち、この不動産取引支援システムでは、売主が提供する物件情報を登録し、この主要部分の物件情報のみを複数の買主に対して閲覧可能な状況とする。この物件情報に興味を有する買主はサーバ側に申込、売主との間での直接の対話を要求する。サーバ上でのチャットにより成約可能性が高いと判断された場合、この物件情報は売主、買主情報とともに、不動産エージェントに売却される。このとき、はじめて不動産エージェントが介在してこの契約成立の手助けがなされる。売買契約についてのアシストがなされる。すなわち、この不動産取引支援システムでは、従来よりなされていた物件ごとの不動産エージェントによる案内などの手間が大幅に削減され、担当する不動産エージェントにおいても十分にメリットのあるシステムとなる。
【0019】
成約可能性についての判定(この契約情報の売買の判定)は、多くの経験に基づいて判定される。この判定には、従来ノウハウとして秘匿されてきた内容を含むこととなる。確度の高い判定を行うことが、このシステムの最大のポイントである。
【0020】
なお、案内申込、受付による売買可能性が高いこの購買情報は、登録された不動産エージェントによるオークションにより特定の不動産エージェントに対して提供されることもできる。これは通常のネットオークションと同等の手順を介して催されるものとする。
なお、チャットとは、インターネットを介してリアルタイムに会話をする仕組み。チャットルームと呼ばれるWebページに参加者が同時にアクセスしてチャットを行う形式。SNSにチャット機能が付いていることが多く、用事がある相手にSNS経由でチャット用のメッセージを送り、チャットが開始されることが多い。
【産業上の利用可能性】
【0021】
この発明は、不動産取引支援システムおよびこれを用いた不動産取引支援方法の技術として有用である。
【符号の説明】
【0022】
10 サーバ、
20 売主端末、
30 買主端末、
40 不動産エージェント端末、
100 不動産取引支援システム、
110 物件情報登録手段、
120 表示手段(閲覧可能手段)、
130 買主情報登録手段、
140 チャット手段、
150 案内受付手段、
160 判定手段(成約可能性判定手段)、
170 提供手段(購買情報提供手段)。
図1
図2
図3
図4
図5