(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】調味顆粒及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 27/00 20160101AFI20230915BHJP
A23L 27/50 20160101ALN20230915BHJP
【FI】
A23L27/00 A
A23L27/50 E
(21)【出願番号】P 2019128811
(22)【出願日】2019-06-24
【審査請求日】2022-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000210067
【氏名又は名称】池田食研株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大隅 賢
【審査官】戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-188189(JP,A)
【文献】国際公開第2013/021708(WO,A1)
【文献】特開2015-171325(JP,A)
【文献】特開2015-198642(JP,A)
【文献】特開2017-018005(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 27/00-27/60
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
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(57)【特許請求の範囲】
【請求項3】
調味料と澱粉とを含み、澱粉含有量が15重量%以上、水分が2.0重量%以下、嵩比重が0.30g/mL以上で
ある、請求項1又は2記載の製造方法により得られる、凍結乾燥調味顆粒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調味顆粒及びその製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
塩分濃度の高い調味料は、通常の凍結条件では凍結できないため、凍結乾燥が困難なことが知られている。特に、食塩に加えアミノ酸等も含む醤油は、凍結乾燥を行うと、沸騰状態を繰り返して著しく発泡し、乾燥品を得ることが困難なため、凍結乾燥による固形醤油を得るために、以前から種々の検討が行われてきた。
【0003】
最近では、凍結乾燥法によって食感を楽しむための固形醤油が開発されており、特許文献1には、調味料に寒天を配合するとともに加熱して寒天を溶解させ、これを冷却してゼリー状の固形物にした後、このゼリー状の固形物を細断し、次いでこれを凍結させた後、凍結乾燥して、カリッとした食感が感じられる顆粒状の凍結乾燥調味料を製造する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、調味顆粒の製造において、各種調味料に対応可能な製造方法であって、破断性が良く、ザクザクとした強い食感を有する調味顆粒を製造可能な方法、及び該方法によって得られえる調味顆粒を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために検討した結果、調味料と澱粉との混合物を、加熱し、冷却後に形成されたゲル状混合物を、破砕後、凍結乾燥することで、ザクザクとした強い食感を有する調味顆粒を製造できることを見出し、本発明に至った。
【0007】
すなわち本発明は、以下の[1]~[4]の態様に係る。
[1]調味料と澱粉とを混合した混合物であって、固形分:水分の重量比が30:70~80:20である混合物中に、10重量%以上含む澱粉を、加熱糊化後、冷却してなるゲル状混合物を、破砕し、凍結乾燥することを特徴とする、調味顆粒の製造方法。
[2]固形分中に澱粉を15重量%以上含む、[1]記載の製造方法。
[3]調味料と澱粉とを含み、澱粉含有量が15重量%以上、水分が2.0重量%以下、嵩比重が0.30g/mL以上であって、破断性が良くザクザクとした強い食感を有する、凍結乾燥調味顆粒。
[4]調味料と澱粉とを含み、澱粉含有量が15重量%以上、水分が2.0重量%以下、嵩比重が0.30g/mL以上であって、破断性が良くザクザクとした強い食感を有する、[1]又は[2]に記載の製造方法により得られる、凍結乾燥調味顆粒。
【発明の効果】
【0008】
本発明によって、いろいろな種類の調味料を、ザクザクとした強い食感を有する調味顆粒とすることができるようになった。また、得られる調味顆粒は、しっかりとした歯応えがある一方で、噛んだ際に歯に引っ付く感じがない、良好な破断性を有しているのに加え、吸湿性が少ないため、保存性にも優れている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の調味顆粒は、調味料と澱粉とを混合した混合物を、加熱して混合物中の澱粉を糊化させ、冷却後に形成されたゲル状混合物を、破砕後、凍結乾燥することで得られる。
【0010】
本発明に使用する調味料は、特に限定されず、醤油、ソース、ケチャップ、味噌等が例示できるが、食品に調味付けできるものであれば既存の調味料に限らず、適宜調製したものでもよく、二種以上を混合して用いてもよく、例えば塩、グルタミン酸ナトリウム、アミノ酸等の調味料は、水等の液体に溶解して使用すればよい。塩分濃度や固形分濃度は特に限定されず、高塩分濃度や高固形分濃度の調味料でもよく、例えば、澱粉と混合後の混合物中の塩分濃度が0.5~20重量%程度になる調味料であってもよい。
【0011】
本発明に使用する澱粉は精製澱粉であって、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉等が例示でき、1種又は2種以上を使用することができる。
【0012】
調味料と澱粉とを混合した混合物は、澱粉を10重量%以上含んでいればよく、10~20重量%が好ましく、また、混合物中の固形分と水分との重量比は、固形分:水分=30:70~80:20であればよく、30:70~75:25が好ましく、30:70~70:30がより好ましく、混合物が該組成をとることで、各種調味料の凍結乾燥時の発泡を抑えるとともに、乾燥性の良い凍結乾燥が可能になり、本発明の調味顆粒を得ることができる。
【0013】
本発明の方法では、前記混合物を加熱して、混合物中の澱粉を糊化させればよく、特に加熱条件は限定されないが、例えば、55~100℃程度になるように加熱すればよく、65℃以上になるように加熱するのが好ましく、70℃以上になるように加熱するのがより好ましい。次いで、冷却してゲル状混合物を形成できれば、特に冷却条件は限定されず、-40~10℃程度で冷却すればよく、例えば、-30℃で急速に冷却後、室温にしてもよい。
【0014】
本発明で行う破砕は、ゲル状混合物を、ぐちゃぐちゃにできれば特に限定されず、メッシュ、ミンチ機、ミキサー、チョッパー等を使用して行うことができる。破砕後の形状は、大方ペースト状で、澱粉濃度や破砕方法によっては粒状の場合もあるが、破砕によって乾燥前に粒状物を形成することで乾燥後の粗砕工程を不要にするためではなく、本発明の破砕は、澱粉糊化後のゲルの高次構造を破壊するためであり、そうすることで、ペースト状であっても凍結乾燥時の乾燥性を向上させることができる。破砕時のゲル状混合物の品温は、破砕し易い温度が好ましく、例えば-10~20℃が好ましく、-8~15℃程度がより好ましい。
【0015】
本発明では、ゲル状混合物の破砕後に、常法に従って凍結乾燥すればよく、例えば破砕後に容器に入れ、予備凍結後、減圧(真空)乾燥すればよく、乾燥開始時の品温は、-25~-10℃が好ましく、好ましくは15~55重量%、-20~-15℃がより好ましい。減圧時の密閉系内の気圧は、250Pa以下が好ましく、20~100Paがより好ましい。例えば、乾燥後に、乾燥物を砕いて篩別することができ、予備凍結させ砕いた後に篩別して乾燥しても良い。
【0016】
本発明の調味顆粒は、調味料と澱粉とを含み、澱粉含有量は好ましくは15重量%以上、より好ましくは15~70重量%、さらに好ましくは20~65重量%、特に好ましくは30~60重量%、水分は好ましくは2.0重量%以下、より好ましくは0.1~2.0重量%、嵩比重は好ましくは0.30g/mL以上、より好ましくは0.35~0.55g/mL、さらに好ましくは0.40~0.50g/mLであって、ザクザクとした強い食感を有する調味顆粒である。また、吸湿性が少なく、保存性に優れた調味顆粒である。
【0017】
本発明の調味顆粒は、非球形であれば特に限定されないが、調味顆粒の最大長は、好ましくは50μm~20mm、より好ましくは100μm~15mm、更に好ましくは300μm~10mmであり、篩別して得ることができる。篩別には、前記粒子径を得るために最適な目開きを有するJIS規格Z8801-1:2006のふるいを使用することができる。
【0018】
本発明の調味顆粒は、単品で又は他の具材と混ぜあわせて、ご飯類、麺類、サラダ、スープ類、揚げ物、焼き物、卵料理、豆腐、カルパッチョ、スナック、スイーツ等へのふりかけ、混ぜ込み用等としてすることが使用できる。
【実施例】
【0019】
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の例によって限定されるものではない。尚、本発明において、各原料及び素材の%は別記がない限り全て重量%である。また、水分は減圧乾燥法(1~10kPaの減圧度で70℃、5時間)にて測定した。
【実施例1】
【0020】
食塩17%、グルタミン酸ナトリウム38%を溶解した調味液51gに、トウモロコシ澱粉13gを水36gに分散させて投入し、75℃以上に加熱して澱粉を糊化させた混合物を、冷却用トレーに入れ、冷却してゲル状混合物とした。該ゲル状混合物を、目開き5mmのメッシュにて裏ごしして破砕し、ペースト状になった混合物を乾燥用トレーに入れて表面をならし、常法に従って冷凍庫で予備凍結後、減圧乾燥し、得られた板状の乾燥固形物を粗砕し、目開き5mmのメッシュパス品を回収して、調味顆粒を得た。尚、ゲル状混合物の破砕は、糊化後の混合物を-30℃の冷凍庫で2時間冷却後、凍結状態のゲル状混合物を冷凍庫から取り出し、裏ごしできる程度の品温(-5℃程度)に戻してから行った。
【0021】
[比較例1]
実施例1の調味液51gに、水36gを投入し、75℃以上に加熱した混合物を、冷却用トレーに入れ、-30℃の冷凍庫で2時間冷却後、冷凍庫から取り出したが、シャーベット混じりの液状だった。該液状混合物を乾燥用トレーに入れ、常法に従って予備凍結のために冷凍庫で十分に冷却したが、凍結せず、減圧乾燥時に、乾燥機内で発泡し始め、トレーの外まで飛散した。
【0022】
[比較例2]
ゲル状混合物を破砕しない以外は、実施例1と同様に凍結乾燥し、得られた板状の乾燥固形物を粗砕し、目開き5mmのメッシュパス品を回収し、調味顆粒を得た。
【0023】
実施例1、比較例1及び2について、各原料重量及び各原料割合、各固形分重量及び各固形分割合、原料中の固形分:水分、ゲル状混合物の破砕処理、乾燥時の発泡の有無、得られた調味顆粒の食感、水分、並びに各方法の評価結果を表1にまとめた。
尚、乾燥時に発泡がみられたものは、乾燥自体がうまくいっていないため、×とし、発泡がみられなかったものは、食感で評価した。
【0024】
【0025】
実施例1、比較例1及び2より、澱粉を使用しない比較例1の方法では調味液が凍結せず、凍結乾燥がうまくいかなかったが、澱粉を原料に含ませ、加熱糊化させることで、調味液の凍結乾燥が可能になった。さらに、ゲル状混合物を破砕処理しなかった場合は、硬い顆粒だが破断性が悪く、歯に引っ付く感じの食感となり、本発明の調味顆粒は得られなかったが、ゲル状混合物を破砕することで、破断性の良いザクザクとした食感を有する調味顆粒を得ることができることが分かった。これは、実施例1では調味顆粒の水分が0.6%、比較例2では4.5%となっていることから、乾燥後の形状は同じ板状であっても、乾燥前にゲル状混合物を破砕することでゲルの高次構造が破壊され、水分が蒸発し易くなり、乾燥性が向上したと思われる。
よって、本発明の調味顆粒は、原料に澱粉を含み、糊化後ゲル化させた後に破砕して凍結乾燥することが重要であることが分かった。
【0026】
[試験例1]
特許文献1の試験例4及び7の方法に従って、試験例1-1及び1-2として減塩醤油の凍結乾燥を実施した。尚、予備凍結前の混合物はゼリー状の粒状物であり、凍結後の粗砕は不要で、乾燥するだけで調味顆粒となった。
また、試験例1-1及び1-2の寒天をトウモロコシ澱粉に変更して試験例1-3及び1-4とした。さらに、トウモロコシ澱粉33g及び水60gを使用して試験例1-5とした。尚、予備凍結前の混合物はペースト状であり、乾燥中に発泡がみられなかったものは、実施例1と同様に凍結後の板状の乾燥物を粗砕し、調味顆粒とした。
尚、減塩醤油は、固形分30.0%、塩分8.8%のものを使用した。
【0027】
試験例1-1~1-5について、各原料重量及び各原料割合、各固形分重量及び各固形分割合、原料中の固形分:水分、乾燥時の発泡の有無、得られた調味顆粒の食感、並びに各方法の評価結果を表2にまとめた。
尚、乾燥時に発泡がみられたものは、乾燥自体がうまくいっていないため、×とし、発泡がみられなかったものは、食感で評価した。
【0028】
【0029】
試験例1-1及び1-2より、減塩醤油顆粒を作るにあたって、寒天を使用する特許文献1の方法では、減塩醤油顆粒は得られるが、サクサクとした弱い食感であって、ザクザクとした強い食感の顆粒は得られないことが分かった。また、試験例1-3及び1-4より、特許文献1記載の方法で寒天を澱粉に変更しただけでは、凍結乾燥がうまくいかず、本発明の調味顆粒は得られないことが分かった。
【0030】
一方、試験例1-5より、澱粉を原料中に11.0%含み、原料中の固形分:水分が32:68で、全固形分に対する澱粉の量が34.7%の場合、破断性が良く、ザクザクとした強い食感を有する本発明の調味顆粒が得られることが分かった。
【0031】
[試験例2]
たまり醤油の凍結乾燥を行うために、特許文献1の試験例4及び7の減塩醤油をたまり醤油に変更して同じ原料重量で、試験例2-1及び2-3として実施した。また、減塩醤油とたまり醤油では固形分が異なるために、試験例2-1及び2-3では、全固形分に対する寒天の固形分割合は、特許文献1の試験例4及び7とは異なる割合となったため、特許文献1の試験例4及び7の全固形分に対する寒天の固形分割合と同じ割合になるよう調製して試験例2-2及び2-4としてたまり醤油の凍結乾燥を実施した。尚、予備凍結前の混合物は、ペースト状であり、乾燥中に発泡がみられなかったものも乾燥後には板状の乾燥物となったため、粗砕し、調味顆粒とした。
また、試験例2-1~2-4の寒天をトウモロコシ澱粉に変更して試験例2-5~2-8とした。さらに、トウモロコシ澱粉33g及び水127gを使用して試験例2-9とした。尚、予備凍結前の混合物はペースト状であり、乾燥中に発泡がみられなかったものは、実施例1と同様に凍結後の板状の乾燥物を粗砕し、調味顆粒とした。
尚、たまり醤油は、固形分44.6%、塩分14.2%のものを使用した。
【0032】
試験例2-1~2-9について、各原料重量及び各原料割合、各固形分重量及び各固形分割合、原料中の固形分:水分、乾燥時の発泡の有無、得られた調味顆粒の食感、並びに各方法の評価結果を表3にまとめた。試験例2-4、2-8及び2-9については、顆粒の水分及び嵩密度も測定して表2に記載した。
尚、乾燥時に発泡がみられたものは、乾燥自体がうまくいっていないため、×とし、発泡がみられなかったものは、食感で評価した。
【0033】
【0034】
試験例2-1~2-4より、たまり醤油顆粒を作るにあたって、寒天を使用する特許文献1の方法に、原料割合を揃えても、全固形分に対する寒天の固形分割合を揃えても、凍結乾燥自体がうまくいかないか、又は調味顆粒が得られても、脆く溶けるような弱い食感であって、試験例1-1及び1-2で得られたようなサクサクとした食感の顆粒は得られなかった。よって、調味料を減塩醤油から、固形分が約1.5倍、塩分が約1.6倍のたまり醤油に変えることで、特許文献1記載の顆粒自体が得られなくなることが分かった。
【0035】
また、試験例2-5~2-8より、特許文献1記載の方法で寒天を澱粉に変更しただけでは、凍結乾燥がうまくいかないか、又は調味顆粒が得られても、破断性が悪く歯に引っ付く感じの食感であって、破断性が良く、ザクザクとした強い食感のたまり醤油顆粒は得られないことが分かった。
【0036】
一方、試験例2-9より、澱粉を原料中に11.0%含み、原料中の固形分:水分が32:68で、全固形分に対する澱粉の量が34.6%の場合、固形分が多く、塩分濃度の高いたまり醤油を原料としても、破断性が良く、ザクザクとした強い食感を有する本発明の調味顆粒が得られることが分かった。
【0037】
[試験例3]
食塩34gを水166gに溶解し、トウモロコシ澱粉30g(試験例3-1)又は45g(試験例3-2)を投入し、その後、実施例1と同様に実施し、調味顆粒を得た。
【0038】
試験例3-1及び3-2について、各原料重量及び各原料割合、各固形分重量及び各固形分割合、原料中の固形分:水分、乾燥時の発泡の有無、得られた調味顆粒の食感、並びに各方法の評価結果を表4にまとめた。
尚、何れも乾燥時に発泡がみられなかったため、食感で評価した。
【0039】
【0040】
試験例3-1より、澱粉を原料中に13.0%含んでいても、原料中の固形分:水分が28:72の場合、脆く、フワフワとした食感の顆粒となり、本発明の調味顆粒は得られないことが分かった。一方、試験例3-2より、澱粉を原料中に18.4%含み、原料中の固形分:水分が32:68の場合、破断性が良く、ザクザクとした強い食感を有する本発明の調味顆粒が得られることが分かった。
よって、原料中の澱粉割合だけでなく、原料中の固形分と水分との重量比も重要であることが分かった。
【実施例2】
【0041】
各種調味料から調味顆粒を得るために、表5に記載の実施例2-1~2-4の各原料を使用して、実施例1と同様に実施し、各調味顆粒を得た。尚、実施例2-2では、ゲル状混合物の破砕方法を、メッシュから1.8mmのミンチ機に変更した。また、実施例2-4では味噌及び砂糖に直接トウモロコシ澱粉を投入して、加熱した。
尚、たまり醤油は、固形分44.6%、塩分14.2%、ソースは、固形分33.8%、塩分10.0%、味噌は、固形分55.5%、塩分13.0%のものを使用した。
【0042】
実施例2-1~2-4について、各原料重量及び各原料割合、各固形分重量及び各固形分割合、原料中の固形分:水分、乾燥時の発泡の有無、得られた調味顆粒の食感、並びに各方法の評価結果を表4にまとめた。尚、実施例2-1については顆粒の水分及び嵩密度を、実施例2-3及び2-4については顆粒の水分を測定して表5に記載した。
尚、何れも乾燥時に発泡がみられなかったため、食感で評価した。
【0043】
【0044】
実施例2-1~2-4より、澱粉を原料中に11.2~17.0%含み、原料中の固形分:水分が36:64~67:33の場合、固形分が33.8~55.5%、塩分が10.0~14.2%である各種調味料を原料としても、水分が2%以下で、破断性が良く、ザクザクとした強い食感を有する本発明の調味顆粒が得られることが分かった。
よって、前記の原料中の澱粉割合及び固形分:水分比であれば、凍結乾燥によって、各種調味料を、破断性が良く、ザクザクとした強い食感を有する調味顆粒であって、多様な調味顆粒とすること可能であることが分かった。
【0045】
また、実施例2-1で得られた調味顆粒を、25℃、湿度60%の条件下に30分間静置後、静置前との食感を比較したが、静置前の食感とほとんど変わらず、破断性が良く、ザクザクとした強い食感を有しており、本発明の調味顆粒が、吸湿性が少なく、保存性に優れた調味顆粒であることが分かった。