(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】風向及び風速を測定する方法及びそれに用いる無人航空機
(51)【国際特許分類】
G01P 13/00 20060101AFI20230915BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20230915BHJP
【FI】
G01P13/00 E
B64C39/02
(21)【出願番号】P 2019139272
(22)【出願日】2019-07-29
【審査請求日】2022-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】519277232
【氏名又は名称】合同会社サウザンズ
(74)【代理人】
【識別番号】100121658
【氏名又は名称】高橋 昌義
(72)【発明者】
【氏名】遠田 幸雄
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-75869(JP,A)
【文献】特開2017-166382(JP,A)
【文献】国際公開第2017/098571(WO,A1)
【文献】特表2019-502200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P13/00-13/04
B64C 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空中における第一の位置における位置情報を取得するステップ、
前記第一の位置においてホバリングさせるステップ、
重力パラメータを除いてフィードバック制御をオフにして空中における第二の位置まで自然移動させるステップ、
前記第一の位置から前記第二の位置に移動する間の軌跡に基づき風向及び風速を求めるステップ、を備える無人航空機を用いて風向及び風速を測定する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風向及び風速を測定する方法及びそれに用いる無人航空機に関する。
【背景技術】
【0002】
人が搭乗することなく飛行し、地表近傍の情報を取得することのできる無人航空機が近年広く開発・市販されてきている。
【0003】
無人航空機の中でも、自律的に空中のある特定の位置に留まること(ホバリング)ができるいわゆるドローンは、複数の回転機及び回転翼によってホバリングが可能であり、しかも軽量かつ安価な構成で実現可能であるため、近年広く普及しつつある。
【0004】
一方、地表近傍及びその上空において、気象観測は人間の経済的活動において非常に重要な情報であって、様々な方法による取得が試みられている。
【0005】
上記に関する技術として、例えば下記特許文献1には、周囲の環境情報を測定するセンサー手段を備えた情報収集ロボットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記文献に記載の情報収集ロボットでは、周囲の環境情報を測定することができるものの、その測定は、その位置における方位と風速といった点の情報に過ぎず、より詳細な風向及び風速の情報を得るためには情報量として不足があるといった課題がある。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、より詳細な風向及び風速の情報を得ることのできる測方法及びそれに用いる無人航空機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する一の観点に係る無人航空機を用いて風向及び風速を測定する方法は、空中における第一の位置における位置情報を取得するステップ、前記第一の位置においてホバリングさせるステップ、重力パラメータを除いてフィードバック制御をオフにして第二の位置まで自然移動させるステップ、第一の位置から第二の位置に移動する間の軌跡に基づき風向及び風速を求めるステップ、を備えるものである。
【0010】
また、他の一観点に係る無人航空機は、球体状の筐体と、筐体から放射線状に延伸し、先端近傍に回転機及び回転機により回転する回転翼を備える複数のアームと、を備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
以上、本発明によって、より詳細な風向及び風速の情報を得ることのできる測方法及びそれに用いる無人航空機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る風向及び風速の測定方法のフローを示す図である。
【
図2】実施形態に係る風向及び風速の測定方法において無人航空機の位置測定に関する概略図である。
【
図3】実施形態に係る風向及び風速の測定方法において軌跡に基づき風向及び風速を求める場合のイメージ図である。
【
図4】実施形態に係る無人航空機の概略の外観(斜視)を示す図である。
【
図5】実施形態に係る無人航空機の概略の外観(上面)を示す図である。
【
図6】実施形態に係る無人航空機の機能ブロックを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す実施形態に記載された具体的な例示にのみ限定されるわけではない。
【0014】
(風向及び風速の測定方法)
図1は、本実施形態に係る、風向及び風速の測定方法(以下「本方法」という。)のフローの概略を示す図である。本図で示すように、本方法では、(1)空中における第一の位置における位置情報を取得するステップ、(2)第一の位置においてホバリングさせるステップ、(3)重力パラメータを除くフィードバック制御をオフにして第二の位置まで自然移動させるステップ、(4)第一の位置から第二の位置に移動する間の軌跡に基づき風向及び風速を求めるステップ、を備える。
【0015】
本方法で用いる無人航空機(以下「本航空機」という。)は、後述するが、上記ステップを実行し本発明の効果を達成することができる限りにおいて限定されるわけではないが、複数の回転機及びこの回転機に接続されて回転する回転翼を備える複数のアームと、この複数のアームが接続される筐体部を備えるいわゆるドローンであることが好ましい。なお、回転機としては、軸を備えてこの軸を回転させることができる限りにおいて限定されず、例えば電気によって駆動するモーターであってもよく、液体燃料によって駆動するエンジンローターであってもよい。
【0016】
まず、本方法では、(1)第一の位置における位置情報を取得するステップを備える。ここで「第一の位置」とは、本方法において求める風向及び風速を測定するためには空中における二つの位置の情報が必要であって、測定を開始する位置と、測定を終了する位置の二つを本方法の説明上区別するために用いる用語に過ぎず、「第一」という用語そのものに上記以外の意味はない。
【0017】
ここで、本航空機を第一の位置に移動させる方法は、操作者が操作機械(いわゆるリモコンやプロポ)を用いて手動で本航空機を操作し、測定開始を希望する位置まで移動させることとしてもよく、若しくは、目視や座標を確認しながら好みの位置を第一の位置として定めることとしてもよいし、予め設定した空中の座標に移動させるように自動操縦としてもよく、特に限定されるものではない。
【0018】
またこの「第一の位置」における位置情報の求め方としては、限定されるわけではないが、地球を周回する人工衛星からの電波を受信することにより位置情報を求めるGPS(Global Positioning System)を用いることが好ましい。また、GPSでは高度を含む三次元的な情報を得ることができるため、正確な風向風速を求めることができる。
【0019】
また、GPSの中でも、地上に設置した基準局からの位置情報データを用いてより高い位置測定を行うRTK-GPS(Real Time Kinetic GPS)を用いることも好ましい。RTK-GPSは、GPSにおいて用いる人工衛星からの電波に加え、基準局からの電波も受信する構成とするものであって、基準局の位置情報を考慮に入れることで、GPSによる測定位置精度をさらに高めることが可能であり、最適な場合、測定精度を数センチ以内とすることが可能となる。この場合のイメージを
図2に示しておく。なお、後述する本航空機の構成で改めて説明するが、本航空機にはGPS受信機が備えられており、GPS受信機により位置情報を取得した後、本航空機内の制御装置内の記録媒体に記録する、又は、無線通信機により地上の処理装置に位置情報を出力することが可能となっている。
【0020】
ここで上記の記載から明らかであるが、位置情報には、緯度及び経度の情報を含み、更に高度の情報を含むことが好ましい。なお、本方法をより具体的に処理するために、位置情報は、情報処理装置いわゆるコンピュータによってデータとして処理可能となるようデータとして取得することが好ましく、より具体的には緯度データ、経度データ、高度データを含むことが好ましい。また、この場合において、位置情報に加え、その時刻データを含んでおくことが好ましい。このようにすることで、第二の位置情報との関係に基づき風向や風速を求めていくことが可能となる。
【0021】
また、本方法では、(2)第一の位置においてホバリングさせるステップを備える。ここで「ホバリング」とは、本航空機が空中の一点近傍に留まる飛行状態をいう。ここで「近傍」とするのは、現実的に本航空機を完全に空中の一点に誤差や揺らぎなく留めることは不可能であるため、その誤差等の範囲があることを意味する。
【0022】
本ステップでは、ホバリングを行うことができる限りにおいて限定されるわけではないが、その位置に留まるようフィードバック制御を行う。より具体的には、本航空機に加速度センサーやジャイロセンサーを搭載し、それらに変化が生じた場合、元の位置に戻るよう回転翼の回転数等を制御し、本航空機を同じ位置に留まらせるよう制御を行う。
【0023】
また、本方法では、(3)重力パラメータを除いてフィードバック制御をオフにして第二の位置まで自然移動させるステップを含む。本ステップは、上記ホバリングにおいて、十分に本航空機が第一の位置において安定した後開始することが好ましい。
【0024】
本ステップにおいて、フィードバック制御をオフにするとは、上記(2)でいう、ホバリングさせるフィードバック制御において、元の位置に戻ろうとする制御を行わないようにすることをいい、「重力パラメータを除いてフィードバック制御をオフにする」とは、フィードバック制御において用いる複数のパラメータのうち、少なくとも一つを考慮しないようにする、具体的には重力パラメータ以外のパラメータをゼロ又は初期値にすることをいう。また、ここで重力パラメータを除くのは、本航空機が落下しないようにするために最低限必要なためである。
【0025】
ここで、フィードバック制御におけるパラメータについてより具体的に説明する。制御パラメータについては様々な用いることが可能であるが、重力パラメータ及び推力パラメータを設けることが好ましい。
【0026】
重力パラメータは、重力に逆らい本航空機の空中での浮遊を可能とするために必要な上向きの力(重力方向反対向きの力)を意味するパラメータであり、このパラメータを適切な値とすることで本航空機は同じ位置に留まることが可能となる。重力パラメータは、本航空機の重さによって定まるものであり、製造時に設定および固定しておいてもよく、また、使用者が使用する際、風などの自重以外の要素が無視できる環境中(例えば屋内や地上近傍の空中)において実際に浮遊を開始させ(推力パラメータの値を徐々に増加させて)、同じ位置に留まるよう調整を行いながら制御し、その制御によって得られるパラメータ(具体的には推力パラメータの重力方向上向き成分)を重力と釣り合っている状態と判断し、重力パラメータとすることとしてもよい。この重力パラメータは、上空において本航空機に対し上から吹き付ける風又は下から吹き付ける風が発生している場合に、この風による影響を除去するために必要である。
【0027】
また、推力パラメータは、本航空機を上空において自在に移動させるために必要なパラメータであるとともに、本航空機が同じ位置に留まるためにも必要なパラメータであり、この推力パラメータ及び重力パラメータに基づき、回転機を回転させて、本航空機を所望の位置まで飛行させる又は所望の位置でホバリングさせることができる。この推力パラメータを用いることで、本航空機に、重力以外の垂直方向に沿った力や水平方向に沿った力が加わったとしても、同じ位置に留まるようにするために本航空機を移動させることができる。なお、ホバリングを行っている場合において、重力方向に沿った力の典型的な例は上から下、又は下から上に向かう風(これらの成分を含む風の垂直成分の力)に基づくものであり、水平方向に沿った力の典型的な例は、水平方向に沿った風(これらの成分を含む風の水平成分の力)に基づくものである。推力パラメータは、水平方向及び重力方向(垂直方向)の三次元的な成分を備えている。もちろん、この推力パラメータの大きさを制御することで本航空機は所望の速度で所望の位置まで上昇移動することができる。
【0028】
上記の記載から明らかなように、ホバリングさせるフィードバック制御とは、本航空機が同じ位置に留まるために、重力パラメータ以外の推力パラメータを調整することをいう。すなわち、ホバリングを行っている際に発生しているこの推力パラメータが、空中における風の影響により発生するパラメータであると考えることができる。なお推力パラメータは、三次元的であり、水平方向だけでなく重力方向(垂直方向)の成分を備える。重力方向(垂直方向)が上記の通り、その場の風の垂直成分に由来するものであり、水平方向が、その場の風の水平成分に由来するものである。そして、この状態から、推力パラメータをゼロとすると、自重に起因する重力パラメータのみが残り、風の影響のみ受けることが可能となる。
【0029】
このステップによると、本航空機は風による影響のみ受けることとなり、本航空機の移動は純粋に風(風向・風速)による影響と考えることができるようになる。このステップが行う期間はあらかじめ設定する所定の期間としてもよく、所定の距離だけ本航空機が移動するまでの期間としてもよく、本航空機の操作者が任意に停止させるまでの期間としてもよい。なお、本航空機に障害物を検知する障害物センサーを設け、このセンサーが障害物を検知し、本航空機が障害物等に衝突しそうになった場合に停止するまでの期間としてもよい。
【0030】
また、本方法では、(4)第一の位置から第二の位置に移動する間の軌跡に基づき風向及び風速を求めるステップを備える。
図3に、本ステップの説明におけるイメージを示しておく。本図で示すように、本航空機は、まず上昇し、ホバリングした後、フィードバック制御をオフにして自然移動を行う。
【0031】
ここで「第二の位置」は、上記(3)のステップが終了した時点における本航空機の位置をいい、「第二」とは、上記「第一の位置」と区別するために用いられるために用いられる用語に過ぎず、これ以外に技術的な意味は含まない。
【0032】
本ステップでは、第一の位置から第二の位置に移動する間の軌跡を求める。ここで「軌跡」は、位置情報の時間変化をいい、具体的には位置情報データとその時刻データの組み合わせからなるデータを複数備えていることを意味する。
【0033】
ここで、風速及び風向(具体的には風速データ及び風向データ)は、様々な方法によって得ることができるが、下記式により求めることができる。
【数1】
【0034】
上記式において、動圧Pは、上空で流された距離を時間で割った値として求めることができる。これは、位置情報及びその時刻の組み合わせを少なくとも二つ用いることで容易に算出できる。
【0035】
また、上記式において、空気密度ρは、気体の状態方程式を利用し、空気の温度及び気圧によって求めることが可能である。すなわち、本航空機に温度計及び気圧計を備えさせることにより、その位置及び時刻における温度及び気圧を求めることが可能であり、その場における空気密度を求めることが可能となる。
【0036】
また、上記式において、抗力係数CDは、本航空機が有する形状によって生じうる値であり、本航空機の製造時点において定められる定数である。
【0037】
また、上記式において、表面積Sも、上記抗力係数CDと同じく、本航空機の形状に依存するものであって、本航空機の製造時点において定められる定数である。すなわち、本方法では、動圧P及び空気密度ρを適宜求めること、より具体的には位置情報の変化とその位置における空気密度を求める程度で速度Vを定めることが可能となる。特に、本方法では、位置情報に三次元的な要素が含まれているため、速度Vについても、三次元的に求めることが可能となる。
【0038】
以上、本方法によって、より詳細な風向及び風速の情報を得ることのできる測方法及びそれに用いる無人航空機を提供することが可能となる。最近では、空港等において、ドップラーライダー等による観測が行われ乱気流(三次元方向の風速)の風向風速が測定されてきてもいるが、測定装置が高価であることや、高度分解能も10m程度である等の課題があるが、本方法ではより正確に風向及び風速の情報を得ることができる。
【0039】
(無人航空機)
本方法は、上記のステップを実現して風向及び風速を測定することができる限りにおいて構造は限定されるわけではないが、例えば以下の構造の無人航空機を用いることでより容易に達成することができる。以下具体的に説明する。
【0040】
図4は、本実施形態に係る無人航空機(以下「本航空機」という。)1の外観の概略斜視図であり、
図5は、その上面図である。また、
図6は、本航空機の機能ブロックを示す図である。本航空機は、本図で示すように、球体状の筐体2と、筐体2から放射線状に延伸し、先端近傍に回転機31及び回転翼32を備える複数のアーム3と、を備えており、筐体2内に上記回転機31及び回転翼32を制御する制御装置4を格納してなる。なお、
図6では説明簡略のため回転機は二つのみで表示しているが実際は上述の通り複数の回転機が独立に制御装置に接続され、それぞれ独立に制御される。
【0041】
本航空機1における筐体2とは、本航空機1の制御に必要な制御装置4を格納するものである。筐体2の形状としては、限定されるわけではないが、上記図で示すように、球形状であることが好ましい。球形状とすることで、上下左右いずれの方向からの風を均等に受けることが可能となるため、より正確な風向及び風速を求めることができるようになる。特に、本航空機1は、独立して移動が可能なものであるため、巻き風等の複雑な風の流れを追うことも可能となるといった利点がある。
【0042】
また、本航空機1におけるアーム3とは、上記の通り、回転機31及び回転翼32を筐体から所望の距離だけ離して支持するための部材であるとともに、その内部に導線を配置し、制御装置4と接続させることができるようにするための部材である。
【0043】
また、本航空機1においてアーム3は、上記の通り複数設けられており、これらは、球体状の筐体の中心から点対象となるよう配置されていることが好ましい。点対象となるよう配置されることで、均等に浮力を得ることができるとともに、風の方向や強さをどの方向からであっても均等に受けることが可能となる。特に、球体の中心から前後・左右・上下に均等に配置されていることが好ましい。この場合においてアーム3の本数は、限定されるわけではないが、4本以上あることが好ましく、より好ましくは6本(上下対称に3本ずつ)、更に好ましくは上記図で示すように8本(上下対称に4本ずつ)である。本数を多数均等に配置することで、やはりどの方向からの風の向きからも均等に受けることが可能となる。
【0044】
なお、本航空機1における回転機31は、回転翼32を回転させるために用いられるものであり、この回転数を制御することで揚力を調整することができる。また、本航空機1における回転翼32は、揚力を発生させるために用いられるものであり、回転機に接続され回転する。
【0045】
また、本航空機1には、地表や周囲の環境における画像情報を取得するための撮像装置や、上記の通り、温度計、気圧計、ジャイロセンサー、加速度センサーを備えていてもよい。
【0046】
また、本航空機1では、ホバリングから重力パラメータ以外のパラメータ制御をオフにして風の押圧に任せて自由に浮遊させることになるため、障害物等が近くに存在した場合にその接触を避けるための障害物センサーを設けておくことが好ましい。障害物センサーとしては、距離を測る距離センサー、より具体的には赤外線センサー等の光学センサーであることは好ましい一例である。
【0047】
また、本航空機1には、上記の記載から明らかであるが、位置情報を取得するための位置情報取得装置を設けている。位置情報取得装置としては特に限定されるわけではないが、GPS(RTK-GPSを含む)を利用する際の電波を受信するための受信機であることがより好ましい。
【0048】
なお、本航空機では、上記各種センサーによって本航空機が取得した情報を送信するための送信機が備えられていることが好ましい。このようにすることで、本航空機が取得した情報を別途地上などに設けられる処理装置で処理することが可能となり、本航空機の重量負担、処理負担等を軽減することができる。
【0049】
また、本航空機1の筐体2内には、上記回転機31、回転翼32、撮像装置、位置情報取得装置、送信機、各種センサーを制御することのできる制御装置4を備えている。制御装置4は、地上で操作者が操作する操作装置からの指示信号を受信し、所定の処理(回転機の回転数制御等)を行う。
【0050】
なお、本航空機1は、地上から操作するための操作装置(リモコン、プロポ)を備えており、操作者は、本航空機の制御に必要な処理を行う。
【0051】
また、地上には、処理装置を設けておき、操作装置又は本航空機に接続され、上記風向及び風速の処理を処理することが可能となる。この処理装置としては、いわゆるコンピュータを用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、風向及び風速を測定する方法及びこれに用いられる無人航空機として産業上の利用可能性がある。