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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】シート処理システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B41F 5/24 20060101AFI20230915BHJP
   B41F 5/02 20060101ALI20230915BHJP
   B41F 13/14 20060101ALI20230915BHJP
   B41M 1/04 20060101ALI20230915BHJP
   B41F 19/08 20060101ALI20230915BHJP
   B26D 7/26 20060101ALI20230915BHJP
   B26D 1/40 20060101ALI20230915BHJP
【FI】
B41F5/24
B41F5/02
B41F13/14
B41M1/04
B41F19/08 C
B26D7/26
B26D1/40 502A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020526202
(86)(22)【出願日】2018-10-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 IB2018057921
(87)【国際公開番号】W WO2019092520
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-09-29
(31)【優先権主張番号】102017000127604
(32)【優先日】2017-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】520149858
【氏名又は名称】エンギーコ エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ベンゾーニ,リナルド
【審査官】長田 守夫
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-266535(JP,A)
【文献】特開2014-217972(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0144338(US,A1)
【文献】特開平4-272852(JP,A)
【文献】特開昭61-179742(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 5/00-13/70
B41M 1/00-3/18
B26D 7/00-11/10
B26D 1/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ライン(1a)に沿ったシート(2)のための、フレキソ印刷ユニット(20)であって、
各々が印刷ブロック(22a)を適切に含む印刷ローラ(22)を備えた、複数の印刷アセンブリ(21)と、
前記印刷ローラ(22)が前記シート(2)に印刷しないよう、印刷処理中に前記印刷ローラ(22)のうちの少なくとも1つを前記印刷ライン1aから適切に離隔する、前記印刷ローラ(22)のための自動かつプログラム可能な変位手段(23)と
を備え、
前記印刷アセンブリ(21)の各々は、
床部に固定された構造体と、
前記床部に固定された前記構造体に対して可動であり、少なくとも1つの前記印刷ローラ(22)を備えて前記変位手段(23)によって適切に動かされる、少なくとも1つのフレーム(24)と
を備え、
前記印刷ユニットは、前記印刷アセンブリ(21)の各々が、
前記フレーム(24)の動きを減衰及び促進、ならびに押圧するよう、前記フレーム(24)と固定点との間に配置され、空気圧シリンダ(26a)と、前記ユニット(20)の外部にあり、前記空気圧シリンダ(26a)に流体通過接続した貯蔵タンク(26b)とを備え、それによって、前記空気圧シリンダ(26a)が変形するとき、空気圧流体を含む減衰手段(26)の全体積の変動が20%未満であり、前記減衰手段(26)は、それらが前記フレーム(24)の動きを押圧するときに、受動アクチュエータとして作用する、減衰手段(26)
をさらに備え
前記印刷ライン(1a)に対して直角である垂直方向を画定し、変位手段(23)は前記印刷ローラ(22)のための偏心輪(23a)を備え、前記印刷ローラ(22)の位置を適切に修正し、かつ前記フレーム(24)を、垂直方向に対して少なくとも下方及び少なくとも上方に適切に動かすことを特徴とする、フレキソ印刷ユニット(20)。
【請求項2】
前記印刷アセンブリ(21)の各々は、少なくとも1つの誘導部(24a)を備え、前記フレーム(24)は、前記誘導部(24a)に可動で拘束され、前記誘導部(24a)は、前記床部に固定された前記構造体に対する前記フレーム(24)の垂直方向に沿った動きを、排他的に適切に可能にする、請求項に記載のフレキソ印刷ユニット(20)。
【請求項3】
前記印刷アセンブリ(21)の各々は、前記フレーム(24)及び偏心輪(23a)を可動で拘束する少なくとも1つのバー(230)を備え、前記偏心輪(23a)の動きを前記フレーム(24)に適切に伝達し、前記偏心輪(23a)、前記フレーム(24)、及び誘導部(24a)は、クランクハンドル機構を画定する、請求項に記載のフレキソ印刷ユニット(20)。
【請求項4】
前記固定点は、固定された前記構造体と前記床部から選択され、前記減衰手段(26)は、垂直方向に沿った前記フレーム(24)の動きを減衰させるよう、前記フレーム(24)と垂直方向に沿って固定された点との間に配置される、請求項に記載のフレキソ印刷ユニット(20)。
【請求項5】
請求項1~のうちいずれか一項に記載のフレキソ印刷ユニット(20)、及び作業位置においてダイカットローラ(11)によってシート(2)を適切にダイカットするダイカットユニット(10)を備える、前記シート(2)の処理システム(1)であって、前記作業位置または休止位置に迅速に挿入可能な複数の前記ダイカットローラ(11)を備え、前記ダイカットローラ(11)は、互いに異なる長さの外周を有する、処理システム(1)。
【請求項6】
フレキソ印刷ユニット(20)によって、印刷ライン(1a)に沿ってシート(2)に印刷するための方法であって、
前記フレキソ印刷ユニット(20)は、各々が印刷ブロック(22a)を適切に含む印刷ローラ(22)を備えた、複数の印刷アセンブリ(21)を備え、
前記シート(2)は、前記印刷ライン(1a)の方向に長さを有し、前記長さは前記印刷ローラ(22)の外周の長さよりも長く、
構造体は床部に固定され、
少なくとも1つのフレームは、前記床部に固定された前記構造体に対して可動であり、少なくとも1つの前記印刷ローラ(22)を備え、
変位手段(23)は、少なくとも1つのフレーム(24)に可動で拘束され、前記印刷ローラ(22)が前記シート(2)に印刷しないよう、前記フレーム(24)によって前記印刷ローラ(22)のうちの少なくとも1つを前記印刷ライン(1a)から適切に離隔し、
前記印刷ローラ(22)のうちの少なくとも1つは、前記シート(2)の一部を印刷し、前記シート(2)の全体を印刷しないよう、かつ前記シート(2)に前記印刷ブロック(22a)のモチーフを繰り返し印刷しないよう、前記印刷ライン(1a)から離隔され、
前記フレキソ印刷ユニット(20)は、
前記フレーム(24)と固定点との間に配置され、前記フレーム(24)の動きを減衰及び促進、ならびに押圧するよう配置され、空気圧シリンダ(26a)と、前記ユニット(20)の外部にあり、前記空気圧シリンダ(26a)に流体通過接続した貯蔵タンク(26b)とを備え、それによって、前記空気圧シリンダ(26a)が変形するとき、空気圧流体を含む減衰手段(26)の全体積の変動が20%未満であり、前記減衰手段(26)は、それらが前記フレーム(24)の動きを押圧するときに、受動アクチュエータとして作用する、減衰手段(26)
を備え、
前記シート(2)に対して前記印刷ローラ(22)を離隔する動き及び接近する動きの各々は、前記フレーム(24)を介した変位手段(23)及び前記減衰手段(26)によって実施され、前記減衰手段(26)によって減衰され
前記印刷ローラ(22)は、前記シート(2)に対して同期され、それによって複数の前記印刷ローラ(22)は、前記シート(2)の異なる相補的な位置に印刷面の長さに対して前記印刷ライン(1a)の方向に印刷し、前記印刷面の長さは、前記印刷ローラ(22)の外周の長さよりも長いことを特徴とする、印刷方法。
【請求項7】
同期した前記印刷ローラ(22)は、前記シート(2)の全長に印刷する、請求項に記載の印刷方法。
【請求項8】
シート(2)を処理ライン(1b)に沿って処理するための方法であって、前記シート(2)のための、請求項6または7に記載の印刷手順を含み、
前記処理ライン(1b)は前記印刷ライン(1a)と一致し、
処理手順は、ダイカッタ(11a)を有する少なくとも1つのダイカットローラ(11)を備えるダイカットユニット(10)によって、前記シート(2)をダイカットすることを含み、
前記ダイカットローラ(11)は、前記シート(2)の前記長さ以上の長さを伴う外周を有し、
前記ダイカットローラ(11)及び前記印刷ローラ(22)は、公約数を有する長さの外周である長さを有し、前記公約数は、5未満の自然数によって前記長さの各々を分割することによって得られる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載のタイプの、シート処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、特に箱、厚紙広告、及び厚紙細工の絵を一般に生成する、段ボールなどのシートを処理するための様々なタイプの機械が知られている。
【0003】
詳細には、これらの機械は、厚紙のシートまたはストリップを所定の距離で適切に提供するための供給ユニットと、各色を厚紙のシートに適切に転移させるためのローラ及び印刷ブロックによって適切に印刷するための、プレキソ印刷タイプの印刷ユニットと、ダイカッタを表面で支持するローラを備え、折り目ラインもしくは切断ラインを適切に切断するか、折り目を付けるか、または画定するための、ダイカットアセンブリと、を一般的に備える。
上記のローラ及び要素は、全て完全に整合され、同時かつ一致した速度で動かされて、ダイカットアセンブリから来る折り目及び切断ライン、ならびに印刷アセンブリから来る単色の、完全な整合を可能にする。例えば、全てのローラは、1つの同じ径を有し、それによって厚紙のシートは完全に整合されて運ばれ、印刷または切断される。
【0004】
上述の従来技術は、いくつかの重大な欠点を備える。
【0005】
特に、上記のシステムは比較的順応性に乏しく、経済的に有利なときにローラのサイズを変化させることは不可能である。
【0006】
したがって、システムを購入する者は、小さい径のローラを伴うシステムか、または大きい径のローラを伴うシステムかを選択する必要がある。
【0007】
小さい径を伴うローラはより速く、かつ取り扱いが容易で、使用するために必要なエネルギーは小さい。しかしそれらは、ローラの外周長に対して大きい延長を有する厚紙のシートを、処理することはできない。大きい径を伴うローラは、使用するのにかさばり、より複雑であるが、より長い延長を有するシートを処理することができる。
【0008】
2つの一般的なローラの外周長は、66インチ(1676.4mm)及び99インチ(2514.6mm)である。
【0009】
さらに、イタリア国特許第102015000008125号、及びイタリア国特許第102015000008136号の特許出願に記載されているシステムが、現在知られている。
【0010】
これらの特許は、特に前述の欠点を克服することが可能な手順及びシステムを記載している。
【0011】
しかし、上記の特許の重大な欠点は、特に印刷ユニットに関して、印刷ローラの運動機構が、行程範囲及び延びた移動に関わること、ならびに脆弱な制御を受けることである。
【0012】
この理由のため、印刷ステップは低速で実施される。
【0013】
これに加えて、印刷アセンブリの構造は大きい損耗を受け、移動手段は著しい繰り返し荷重を受けるという事実がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】イタリア国特許第102015000008125号
【文献】イタリア国特許第102015000008136号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
この状況において、本発明の技術的課題は、記載した欠点を実質的に克服できるシート処理システムを作り出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の技術的課題の範囲において、順応性があり、かさばらず、非常に長いシートの処理も可能なシート処理システムを実現することが、本発明の重要な目的である。
【0017】
シート自体の印刷速度を増加させるシート処理システムを実現することが、さらなる技術的目的である。
【0018】
最後に、システムの整備サイクルを軽減し、かつ移動機構の摩損を軽減することが、本発明のさらなる目的である。
【0019】
技術的課題及び明示した目的は、添付の請求項1に定義したような、シート処理システムによって実現される。
【0020】
好ましい実施形態は、従属請求項において強調される。
【0021】
本発明の特徴及び利点は、添付の図を参照して、本発明の好ましい実施形態の詳細な説明によって、以下で明確にされる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1a】第1の構成における、本発明によるシステムの第1の部分を示す図である。
図1b】第2の構成における、本発明によるシステムの第1の部分を示す図である。
図1c】第3の構成における、本発明によるシステムの第1の部分を示す図である。
図2a】第1の構成における、本発明によるシステムの第2の部分を示す図である。
図2b】第3の構成における、本発明によるシステムの第2の部分を示す図である。
図3a】第1の構成における、本発明によるシステムの第3の部分を示す図である。
図3b】第2の構成における、本発明によるシステムの第3の部分を示す図である。
図3c】第3の構成における、本発明によるシステムの第3の部分を示す図である。
図3d】第4の構成における、本発明によるシステムの第3の部分を示す図である。
図3e】第5の構成における、本発明によるシステムの第3の部分を示す図である。
図3f】第6の構成における、本発明によるシステムの第3の部分を示す図である。
図4a】減衰手段が、第1の構成における本発明による外部貯蔵タンクを含む、システムの第2の部分を示す図である。
図4b】減衰手段が、第3の構成における本発明による外部貯蔵タンクを含む、システムの第2の部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図を参照すると、シートを処理するための本発明によるシステムは、全体的に番号1で示される。
【0024】
特に、本システムは、紙もしくは厚紙、より具体的には厚紙、さらに具体的には段ボールの、シート2またはストリップを適切に処理する。
【0025】
好ましくは、システム1は、各々が異なる処理または働きを実行するための、複数のユニットを備える。詳細には、ダイカットユニット10、プレキソ印刷タイプの印刷ユニット20、シート2を挿入するためのユニット、及びシート2の取り出しまたは後続の処理のためのユニット、が存在する。
【0026】
システム1は処理ライン1bを画定する。処理ライン1bは、それに沿ってシート2が動かされるラインであり、好ましくは処理ラインは直線で、処理の方向を画定する。印刷ユニット20において、処理ラインは印刷ライン1aと一致する。処理ラインに沿った方向を、以降は長手方向と呼ぶ。好ましくは、長手方向は、垂直方向及び横断方向に対して直角であり、それによって3つの直交軸を完成させる。この処理ラインは、好ましくは、複数のコーティングされた歯付きベルト、及び/または複数の移動ローラ3によって維持される。
【0027】
好ましくは、シート2は、一定の速度で、処理ライン1bに沿って動かされる。実際、エネルギーの観点で、システム1の重い構成要素の速度を上げる、または速度を落とすことは、非常に困難である。その結果、好ましくは、様々な径を伴うローラは、同一の接線速度、及び互いに異なる回転速度で、径に反比例して動く。
【0028】
シート2を挿入するためのユニットは、シート2が、所定の、好ましい一定の空間間隔と比較可能な時間間隔で、システムの中に挿入されるのを可能にするが、それ自体は公知である。
【0029】
ダイカットユニット10は、図1a~図1cに示される。ダイカットユニット10は、シート2を適切にダイカットする。換言すると、折り目ラインまたは切断ラインを同じシート2に沿って切断する。
【0030】
ダイカットユニット10は、複数の、好ましくは2つのみのダイカットローラ11を備え、各々はダイカッタ11aを適切に含む。したがって、各ダイカットローラ11は、ダイ搬送ローラ11bと、ローラの表面に配置され、一般的に金属シートなどを含む木製シェルから成り、上記の処理を適切に実行するダイカッタ11aと、を備える。
【0031】
さらに、ダイカットユニット10は、ダイカットローラ11のための移動手段12を好適に備え、シート2を適切にダイカットする作業位置、及び作動せずシート2から離隔して置かれた休止位置に、ダイカットローラ11を適切に配置し、それによって、例えばダイカッタ11aの交換などのため、同様に動作する。移動手段12はさらに、ダイカットローラ11を迅速に、互いに独立して適切に動かす。その結果、ローラは、互いに異なる手段及び空間を占有し、異なるサイズ、特に異なる径とすることができる。用語「迅速に」は、ダイカットユニット10が1つしかローラを備えず、ねじ及びボルトなどの従来の制止手段によってユニットの残りを拘束される場合に実施される際の時間に対して、動作が非常に短い期間で実施されることを意味することを、理解されたい。例えば、ダイカットユニット20のローラの交換は、数分またはほんの数秒で実施され得る。
【0032】
各ダイカットローラ11について、移動手段12は、第1のヒンジ121a及び第2のヒンジ121bにしっかりと拘束された両端部を有する、第1の移動アーム120を備える。
【0033】
第1のヒンジ121aは、ダイカットローラ11から離隔して設置される。詳細には、ローラ11の中心から、横断方向に対して直角の面において、ローラ11の径よりも大きく離隔して設置される。
【0034】
第2のヒンジ121bは、好ましくはダイカットローラ11の近くに、ローラ自体の中心から離隔して、好ましくはローラ自体の表面の近くに設置される。
【0035】
好ましくは、各ダイカットローラ11について、移動手段12は伸縮できるアームを伴う三ヒンジアーチ12aを備える。三ヒンジアーチ12aは、上記の第1及び第2のヒンジ121a及び121b、ならびに上記の第1のアーム120を備える。各三ヒンジアーチ12aは、第3のヒンジ122aによって接続された第2のアーム122を備え、好ましくは、ダイカットユニット10の構造に固定され、垂直方向上部に離した位置、特にダイカットローラ11の中心からローラ11の径よりも大きい距離を離隔した位置に、位置付けられる。第2のアーム122も、好ましくは液圧の流体力学的なシリンダ、または電動リニアアクチュエータであり、三ヒンジアーチ12a、したがって移動手段12及びローラ11を適切に動かす。
【0036】
上記の構造は、ローラ11のヒンジの位置の適切な選択によって、理想的かつ選択可能な動きを可能にし、そのため相互に干渉しない。
【0037】
最後に、ダイカットユニット10は、特にローラ11の移動中にローラを適切に支持する、誘導部を備えることができる。
【0038】
さらに、作業位置は、2つのダイカットローラ11の休止位置に対して中間になるよう、第1のヒンジ121a同士の間に適切に挿置される。
【0039】
ダイカットユニット10は、好ましくは伸縮ロッドなどによって可動である、付随ローラ13をさらに備える。付随ローラ13は、ダイカットされていないシート2と共に、処理ライン1bを休止位置に留めるよう、両ダイカットローラ11が休止位置にあるときに(図1b)、上記の作業位置に適切に配置される。
【0040】
有利かつ好ましくは、ダイカットローラ11は、互いに異なるサイズを有し、適切に、公約数を有するような延長の外周を有する。上記の外周は、5未満の自然数によって上記の各々の延長を分割することによって実現され得る。好ましくは、公約数は、第1のダイカットローラ11の径または外周を実現するために2倍され、かつ第2のダイカットローラ11の径または外周を実現するために3倍される必要がある。好ましくは、2つのローラは、以下で明白となる理由のため、2:3となる外周を有する。さらに、外周の寸法は、好ましくは66インチ及び99インチである。
【0041】
好ましくは、フレキソ印刷ユニット20は、ダイカットユニットの上流に配置される。
【0042】
フレキソ印刷ユニット20は複数の印刷アセンブリ21を備え、各々は、印刷ブロック22aを適切に含む印刷ローラ22を備える。したがって印刷ローラ22は、印刷ブロック搬送ローラ22b及び印刷ブロック22aを備える。公知である印刷ブロック22aは、ゴムまたは光重合性材料で作られた、突起した表面であり、印刷対象を直接シート2に適切に押印する。
【0043】
有利には、印刷ローラ22は、ダイカットローラ12のうちの少なくとも1つに対して異なる寸法、好ましくは大きい寸法を有し、それらは適切に公約数を有するような延長の外周を有する。上記の外周は、5未満の自然数によって上記の各々の延長を分割することによって実現され得る。好ましくは、公約数は、印刷ローラ22の径または外周を実現するために2倍され、かつ第2のダイカットローラ11の径または外周を実現するために3倍される必要がある。実際上、これら2つのローラは、以下で明白となる理由のため、2:3となる外周を有する。さらに、外周の寸法は、好ましくは66インチ及び99インチである。
【0044】
各印刷アセンブリ21は、印刷ローラ22の反対側に逆圧ローラ210を備え、シート2を適切に搬送して印刷ローラ22を押圧する。
【0045】
印刷アセンブリは、印刷ローラ22のインキング手段211を備える。上記のインキング手段211は、好ましくは、鋼鉄またはセラミックで作られ印刷ローラ22に接触する、従来のアニロックスローラ212またはAniloxと呼ばれるローラを備える。好ましくは、アニロックスローラ212はさらに、インキングローラ213から、またはインキングローラ213を用いてインクを引き込み、好ましくはゴムで作られたブレードとして作用する。好ましくは、2つのローラは接触し、ローラ212とローラ213との間のインクの拘束ゾーン214を画定する。代替として、ブレードシステムが含まれ、同じ機能を実行する。ブレードシステム自体は公知である。
【0046】
インキング手段211は、印刷ローラ21に配するインクのための、制限手段215も備える。このような制限は、アニロックスローラ212上またはインキングローラ213上のインクを制限することで生じさせることもできる。インキング手段211は、インキング手段211のローラ部、特にアニロックスローラ212に対する、印刷ローラ22(図2b)またはインキングローラのいずれかからの離隔手段215aを備える。詳細には、離隔手段215aは、印刷ローラ22に対して固定された軸216aを伴う偏心輪216を備え、アニロックスローラ212及びインキングローラ213を支持する肩部を動かす。偏心輪216は、好ましくはブラシレス式電気モータによって動かされる。
【0047】
有利には、各印刷アセンブリ21は、上記の印刷ローラ22のための、自動かつプログラム可能な変位手段23をさらに備え、印刷ローラ22がシート2に印刷しないよう、印刷処理中に印刷ローラ22のうちの少なくとも1つを印刷ライン1aから適切に離隔させる。
【0048】
用語「自動」は、動作が手動で実施されないが、特別なデバイスによって実施されることを意味し、用語「プログラム可能」は、印刷時点を印刷ユニット20の制御手段から選択することができることを意味することを、理解されたい。
【0049】
好ましくは、変位手段23は、上記の各単一の印刷ローラ22を個々に、かつ他と独立して適切に動かす。
【0050】
好ましくは、変位手段23は、複数のローラ、詳細には印刷ローラ22、アニロックスローラ212、及びインキングローラ213を同時に動かす。それらは、ウォームねじ、流体動的シリンダなど、任意の種類の手段で動作できる。
【0051】
好ましい実施形態において、それらは2つの偏心輪23aと共に動作する。2つの偏心輪23aは、横断方向に平行な回転軸23bを伴う横断方向に、対向して整合される。
【0052】
したがって偏心輪23aは、フレーム24に可動で拘束される。
【0053】
したがってフレーム24は、変位手段23によって適切に動かされる。
【0054】
より具体的には、フレーム24は、少なくとも垂直方向に対して、偏心輪23aによって少なくとも下方及び少なくとも上方に、適切に動かされる。
【0055】
フレーム24は、好ましくは各印刷アセンブリ21に含まれる固定された構造体に対して可動なフレームであり、少なくとも印刷ローラ22を支える。好ましくは、フレーム24は他のローラ212及び213も支持する。さらにフレーム24は、好ましくは少なくとも1つの誘導部24aに可動で拘束される。
【0056】
より適切には、フレーム24は2つの誘導部24aに可動で拘束される。
【0057】
誘導部24aまたは複数の誘導部24aは、好ましくはフレーム24が垂直方向に沿って排他的に動くのを適切に可能にする。
【0058】
さらに、偏心輪23aは、印刷アセンブリ21の床部に固定された構造体に拘束された回転軸を有し、好ましくはブラシレス式電気モータによって動かされる。
【0059】
詳細には、偏心輪23aは、少なくとも1つのバー230によってフレーム24に可動で拘束される。
【0060】
上記のバー230は、好ましくは剛性のバーで、偏心輪23a及びフレーム24それぞれとの2つの接続点を画定する。
【0061】
これら2つの接続点は、第4のヒンジ230a及び第5のヒンジ230bから成る。
【0062】
第4のヒンジ230aは、好ましくは偏心輪23aとバー230との間の不規則な拘束から成る。代わりに、第4のヒンジ230aは、好ましくはバー230とフレーム24との間の不規則な拘束から成る。
【0063】
より適切には、各偏心輪23aは、2つのバー230によってフレーム24に可動で拘束される。
【0064】
したがって、(詳細には、好ましくは第4及び第5のヒンジ230a、230bによって)フレーム24と整合した偏心輪23aの動きを適切に伝達するバー230を備えた偏心輪23a、フレーム24、及び誘導部24aは、好ましくはクランクハンドル機構を画定する。
【0065】
各印刷アセンブリ21は、好ましくは減衰手段26を備える。
【0066】
減衰手段26は、好ましくは圧縮で変形するよう適合された、弾性的に変形する手段である。
【0067】
好ましくは、減衰手段26は、フレーム24と固定点との間に配置され、フレーム24の動きを減衰させる。
【0068】
したがって固定点は、固定された構造体の一部、または例えば床部もしくは他の外部構造体など任意の他の固定点とすることができる。
【0069】
より適切には、減衰手段26は、フレーム24と床部との間に上記の垂直方向に沿って配置され、フレーム24の垂直方向の動きを減衰させる。
【0070】
好ましくは、減衰手段26は、空気圧シリンダ26aを備える。空気圧シリンダ26aは、例えば単純な効果を伴う、空気ばねまたは空気蛇腹のような公知の弾性タイプである。類似のシリンダが、Generalmatic s.r.l.社によって販売されており、ウェブページhttp://generalmatic.com/ECM31.phpに記載されている。
【0071】
しかし、減衰手段26は、電気機械減衰器もしくは液圧減衰器、またはフレーム24の荷重を適切に吸収するエラストマ要素など、他の構成要素を含むことができ、変形と、偏心輪23aによって課せられた動きに依拠して繰り返されるヒステリシアサイクルとを引き起こす。
【0072】
したがって、減衰手段26は、好ましくは上述のクランクハンドル機構のための減衰器から成る。
【0073】
詳細には、減衰手段26は、フレーム24の下降運動によって生じる荷重を、適切に減衰及び吸収し、フレーム24の垂直方向に沿った上方の動きを容易にして押圧する。
【0074】
好ましくは、減衰手段26は、フレームの動きを押圧するときに、受動的アクチュエータを作る。実際、空気圧シリンダ26aが非変形構成に戻るのが可能になるとき、空気圧シリンダ26aは、垂直方向に力を加えてフレーム24を適切に上昇させる。
【0075】
さらに、減衰手段26は、好ましくは少なくとも1つの貯蔵タンク26bも含む。
【0076】
貯蔵タンク26bは、ユニットの内部または外部に備えることができる。好ましくは、貯蔵タンク26bは、その体積がユニットの寸法に影響を与えないよう、外部にある。
【0077】
さらに、貯蔵タンク26bは、好ましくは空気圧シリンダ26aと流体通過連通する。詳細には、それらは、空気圧シリンダ26aが変形したときに、空気圧流体を含む減衰手段26の全体積における変動は、20%未満であるように接続される。適切には、全体積の変動は、好ましくは10%未満である。さらに適切には、全体積の変動は、好ましくは5%未満である。
【0078】
詳細には、後者の態様は、全働きの間、特に減衰及び停止ステップの間に、減衰手段26の動作圧を実質的に一定に保つのを可能にする。
【0079】
貯蔵タンク26bと空気圧シリンダ26aとの間の接続は、動作ステップの間、好ましくは常に開かれる。
【0080】
フレーム24が下方に動くステップは、シート2からの印刷ローラ22の離隔と一致することに留意することは重要である。逆に、フレーム24の上昇ステップにおいて、図2a及び図2bに示されるように、印刷ローラ22はシート2に接近する。その結果、フレーム24を介した移動手段23によって実施される、シート2に対する印刷ローラ22の離隔及び接近は、減衰手段26によって減衰される。
【0081】
変位手段23は、ローラ、または印刷ローラがない場合(図2b)は、シートのためのロッドなどの支持手段25にも連結され得る。
【0082】
最後に、処理したシート2のための、連続処理または抽出ユニットは、公知のタイプである。
【0083】
本発明は、シート2のための新しい処理手順、特に新しい印刷手順を備える。
【0084】
このような手順は、好ましくはシート2のために説明した処理システム1、詳細には説明した印刷ユニット20によって実施される。
【0085】
処理ライン1b及び印刷ライン1aに沿って実施される、このような手順において、印刷ライン1aの方向にシートが挿入される。シートの延長は、2つの印刷ローラ22の外周よりも長く、好ましくはより大きい径を有するダイカットローラ11の外周サイズ未満である。
【0086】
上記の手順において、印刷中に、印刷ローラ22のうちの少なくとも1つは、シート2の一部のみを印刷し、シート2全体を印刷しないよう、かつシート2に印刷ブロックのモチーフを繰り返し印刷しないよう、印刷ライン1aから離隔される。上記の手順によって、シート2上の任意の箇所に位置付けられた印刷ローラ22の径よりも長い延長を有するシート2に、一方の端部においても、非周期的モチーフで印刷することが可能である。
【0087】
さらに、いくつかの、好ましくは2つの印刷ローラ22は、シート2上の位置に対して同期で作動され、それによって複数の印刷ローラ22は、印刷ライン1aの方向に、印刷される面の延長でシート2の異なる相補的な位置に印刷する。印刷される面の延長は、印刷ローラ22の外周よりも長く、好ましくはシート2の延長と等しい。それによって、印刷ローラ22は、好ましくは同じインク色を用いて、シート2の全延長に印刷することができる。
【0088】
より具体的には、印刷ローラ22は内部でグループに分割され、シート2上の位置に対して同期され、それによって印刷ローラの各アセンブリは単色で印刷する。例えば図3a~図3fにおいて、4つの印刷ローラ22が示され、2対で同期され、全体に2色で適切に印刷する。同期性は、好ましくは隣接した印刷ローラ22で行われるが、交互に行うこともできる。換言すると、第1と第3とが同期し、第2と第4とが同期する。
【0089】
本明細書において明確に、用語「シート2上の位置に対して同期した」または単に「同期した」は、例えば各ローラが単色を印刷する場合に各従来の印刷機械が必要とする、一般的なローラの同期を意味するのではなく、説明かつ例示した特定の同期化を意味する。
【0090】
好ましくは、シート2のための上記の処理手順は、好ましくは説明したダイカットユニット10によってシート2をダイカットすることも備える。説明したダイカットユニット10は、シート2の延長より長いか、同じか、または短い延長の外周を伴い、さらには印刷ローラ22の外周の延長よりも長く、外周の延長の間について説明した比率、換言すると前述のように5未満の自然数によって上記の延長の各々を分割することによって得られる公約数を有する、ダイカットローラ11を有し、使用する。シート2の延長も、好ましくは印刷ローラ22の外周の2倍未満である。
【0091】
その結果、ダイカットローラ11は、必要に応じてシート2全体を適切にダイカットし、一方で印刷ローラ22は、シート2全体に適切に印刷する。なぜならそれらは、上述のようにシート2上の位置に対して同期されるからである。
【0092】
さらに、ダイカットローラ11及び印刷ローラ22は、好ましくは当初において同じ印刷位置に同期され、それによってローラ間の外周の不均等は、ローラ間の距離と等しくなるか、またはローラ間の基準寸法となり、印刷位置は整合される。それらはまた、回転数が、公約数によってローラ11及び12の外周を分割することによって得られた自然数のうちで最大のものと等しくなった後の位置などに、同期して戻される。
【0093】
さらに、シートはシート2挿入ユニットによって、好ましくは一定の時間間隔で挿入され、処理ライン1bに沿った一定の前進速度は、一定かつ所定の距離に対応する。上記の距離は、好ましくは印刷ローラ22の径と等しく、より好ましくは66インチと等しい。
【0094】
構造の観点、及び斬新な手続き上のソリューションの観点で説明した処理システム1の動作は、以下で詳述され、その例も明示される。
【0095】
以下の例において、表現及び例示を簡略化するために、図3a~図3fにおいて、ローラ22及び11は1つの同じ角度位置に整合され、それらの外周まで同一の距離を有する。しかし、このような相互に同一の距離は、正確で同期された角度位置に置き換えることができることは、明白である。上記の図において、頂部に配置された矢印は、処理中の前進方向及び厚紙の進路を示す。
【0096】
ダイカットなしの単色である第1の例において、システムは印刷ローラ22とそれらの外周との間の距離よりも長い延長を有するシート2の、初めの半分を印刷する必要がある。例えばローラは66インチ、及びシートは99インチである。
【0097】
この場合、1つのみのローラ22で十分であり、したがって他のローラ22は、変位手段23によって印刷ライン1aから離隔される。使用される上記のローラ22は、49.5インチ、すなわち印刷ローラ22の外周の3/4に等しい延長の、印刷ブロック22aを有する。したがってシート22は、シート2の第1の縁部が長手方向で印刷ブロック22aの始点に到達するよう、挿入される。回転する際、印刷ブロックはシート2に印刷され、それが端部に達すると、変位手段23は印刷ラインからローラ22を離隔し、それによってシート2の端部には同じものが再び印刷されない。
【0098】
ダイカットなしの2色である第2の例において、システムは印刷ローラ22の外周よりも長い延長を有するシート2全体に印刷する必要があり、この例においては、それらの相互距離と等しい。例えば、ローラは66インチ及びシートは99インチである。
【0099】
この場合、色ごとに2つである、4つの印刷ローラを必要とする。このようなケースは、ダイカット部以外、図3a~図3fに示された本例には存在しない。
【0100】
各色は、2つの連続した印刷ローラ22に分割され、各々は印刷される全部分の半分を担い、そのため49.5インチの印刷ブロックは、印刷ローラ22の外周の3/4に等しい。
【0101】
当初の位置において、全てのローラは、図において垂直ラインによって表わされ、上方に面した0°位置に同期され(図3a)、周角の0から3/4の角度位置を網羅する第1及び第3のローラ22の印刷ブロック22a、及び周角の1/2から1/4の角度位置を網羅、または周角の1/4と周角の1/2との間の角度セグメント以外の全外周に面する、第2及び第4のローラ22の印刷ブロック22aが同期される。
【0102】
したがってシート2は、シート2の第1の縁部が長手方向で印刷ブロック22aの始点に到達するよう、挿入される(図3a)。回転する際、第1のローラ22の印刷ブロック22aはシート2に印刷し、それが端部に達すると、変位手段23は印刷ラインからローラ22を離隔し、そのため第1のローラ22の印刷ブロック22aは、シート2の端部には同じものを印刷しない。
【0103】
その結果シート2は第2のローラ22の印刷ブロック22aに到達し(図3b)、シート2の始点は、常に第2のローラ22の0°位置に整合される。なぜなら、ローラ及びシートは同じ接線速度及び直線速度で回転かつ前進して、同じ距離を網羅するからである。
【0104】
したがって、シート2が第2のローラ22の印刷ブロック22aに到達したとき、印刷ブロック22aは、移動手段23によって印刷ライン1aから離隔される。実際、シート2の初めの半分は、第1のローラ22aによって既に印刷されている。
【0105】
シート2は前進し、ローラ22は回転して、ローラ22が外周の3/4を網羅するとき(図3c)、ローラ22は49.5インチに相当し、シート2は同じ49.5インチを網羅するが、それはシート2の延長の半分に相当する。
【0106】
したがってシート2は、その印刷されていない半分に面し、第2の半分は印刷ブロック22aの始点に面する。換言すると、この角度位置は周角の1/2と等しい。
【0107】
この場合も、回転するローラ22はシート2の端部まで印刷し、それによって第1の色は完全に印刷される。
【0108】
さらに、一方でローラ22は回転の1/4を終え、これはローラ22を第2の回転(図3d)の端部から離隔し、シート2は第3のローラ22の始点に到達して、そのため0°位置はシート2の始点で整合される。したがって、第3のローラは第2の色の印刷をシート2の始点から開始する一方で、第2のローラは第1の色の印刷を終える。同時に、ローラ22の2回転後に、第2のシート2を挿入することができる。
【0109】
このように、第2の色の印刷が、第1の色の印刷と同じように進む。
【0110】
第3の例において、システムは2色を印刷し、印刷ローラ22の外周よりも長い延長のシート2全体をダイカットする必要がある。例えば、ローラは66インチ及びシートは99インチである。したがって選択された径を伴うダイカットローラ11は、当初は作業位置に設置される。
【0111】
さらにこの場合、色ごとに2つである、4つの印刷ローラ22が必要とされ、シート2全体をダイカットするための99インチのダイカットローラ11が必要とされる。この場合は、図3a~図3fに正確に示される。
【0112】
各色は、2つの連続した印刷ローラ22に分割され、各々は印刷される全部分のうちの半分を担い、そのため49.5インチの印刷ブロックは、印刷ローラ22の外周の3/4に等しい。
【0113】
この例は、第2の色を印刷した後(図3e及び図3f)、シート2がダイカットローラ11の始点に到達して、シートの全延長に沿ってダイカットされること以外は、上記で示したものと同一である。
【0114】
詳細には、シート2の長手方向の第1の縁部は、ダイカッタ11aの始点に到達する(図3f)。回転する際、ローラ11のダイカッタ11aは、実質的に従来の方法でシート2をダイカットする。
【0115】
本発明の処理システム1は、重要な利点を実現する。
【0116】
実際、システム1は非常に順応性があり、印刷ローラの外周の延長よりも長いシート、または延長を短くしたシートの処理、詳細には印刷及びダイカットも可能にする。特に、同じシステムは、66インチ及び99インチのシートを処理できる。
【0117】
さらに、処理システム1、特に各印刷アセンブリ21は、移動機構を備える。この移動機構は、摩損及び体積を大幅に減少させ、かつ印刷ローラ22の制御を向上させる。実際、フレーム24及びその動きによって生じる荷重は、減衰手段26によって減衰される。減衰手段26は、減衰器と、本明細書で説明した機構による移動手段23による、フレーム24を上昇させるステップにおいて付随する手段と、の両方として作用する。
【0118】
減衰手段26は、フレーム24、移動手段23、及び誘導部24aから成る機構と共に、印刷ユニット20におけるシート2の印刷速度を増加させる。詳細には、当技術分野で公知のものに対して、3または4倍に印刷速度を増加させることさえ可能である。外部貯蔵タンク26bを使用することによって、非常に効率的な減衰手段26とすることができ、例えば最大変動圧は、約0.5バールである。
【0119】
このように、優れた動作効率が、受動アクチュエータとして作用する空気圧シリンダ26aを伴い、フレーム24の移動中にユニットの反作用の大幅な増加によって保証される。
【0120】
本発明は、特許請求の範囲によって定義される本発明のコンセプトの範囲内で、変更される。この範囲において、全ての詳細は、同等の要素と交換することができ、任意の材料、形状、及びサイズを使用することができる。
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図3f
図4a
図4b