(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-09-14
(45)【発行日】2023-09-25
(54)【発明の名称】ダクト内へのケーブル設置
(51)【国際特許分類】
H02G 1/08 20060101AFI20230915BHJP
【FI】
H02G1/08 060
(21)【出願番号】P 2020551290
(86)(22)【出願日】2019-04-03
(86)【国際出願番号】 EP2019058401
(87)【国際公開番号】W WO2019193049
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2022-02-16
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】512117096
【氏名又は名称】プリュメタ、ホールディング、ソシエテ、アノニム
【氏名又は名称原語表記】PLUMETTAZ HOLDING S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100196449
【氏名又は名称】湯澤 亮
(72)【発明者】
【氏名】グリフィオエン、ヴィレム
(72)【発明者】
【氏名】ウール、アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】グートベルレ、クリストフ
【審査官】岩井 一央
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-508427(JP,A)
【文献】特開平04-229006(JP,A)
【文献】国際公開第2011/054551(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの端部を有するダクト(3)内にケーブル(1)を設置する方法であって、
-設置温度および/または設置時間を考慮に入れて、前記ダクト(3)の破裂圧力または使用圧力に基づいて最大圧力(p
max)を特定するステップと、
-前記最大圧力(P
max)以下であると特定された漏出プラグ(7)全体の漏出圧力降下(ΔP
leak)で開始する前記漏出プラグ(7)の漏出モードを設定するステップと、
-前記ケーブル(1)の最前端に前記漏出プラグ(7)を取り付けるステップと、
-第1の端部(31)において、前記ダクト(3)内に前記ケーブル(1)の前記最前端を導入するステップと、
-前記漏出プラグ(7)を備える前記最前端と前記第1の端部(31)との間に配置された供給ポートにおいて、および
所定の圧力以上の供給圧力(p
sup)で、
前記ダクト(3)内に加圧液体を供給し、
その結果、前記ケーブル(1)が前記漏出プラグ(7)によって引張されるステップと、
-前記最前端が前記
ダクト(3)の端部に到達する前に、前記漏出プラグ(7)
の場所において前記漏出圧力降下(Δp
leak)を超過させ、前記漏出モードを開始するよう導くステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記ダクト(3)は非定常高度を有する軌道を提示し、前記方法は、前記最前端が前記
ダクト(3)の端部に到達する前に、前記供給圧力(p
sup)を調整し、その結果、前記第1の端部(31)と前記ケーブル(1)の前記最前端との間に構成され、かつ液体が充填された前記ダクト(3)の部分にわたって、前記液体の前記圧力が前記最大圧力(p
max)よりも低くなるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記供給圧力は、前記第1の端部(31)と前記ケーブル(1)の前記最前端との間に構成され、かつ液体が充填された前記ダクト(3)の前記部分に沿った任意の地点において、
-前記第1の端部(31)よりも高度が高い地点について、液体粘度によって引き起こされる圧力損失が差し引かれて前記考慮された地点に到達する前記供給圧力(p
sup)は、液体密度、および、前記考慮された地点の高度と前記第1の端部(31)との間の高度差によって引き起こされる静水圧よりも大きくなるように、ならびに/または、
-前記第1の端部(31)よりも高度が低い地点について、液体粘度によって引き起こされる圧力損失が差し引かれて前記考慮された地点に到達し、前記液体密度、および、前記考慮された地点の高度と前記第1の端部(31)との高度差によって引き起こされる前記静水圧に加えられた前記供給圧力(p
sup)は、0よりも高く、かつ、前記最大圧力(p
max)よりも低くなるように調整される、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
-前記
ダクト(3)の端部が前記第1の端部よりも高い高度に位置付けられている場合、前記供給圧力(p
sup)は、ダクトの長さ全体にわたる液体粘度によって引き起こされる圧力損失が差し引かれ、前記漏出圧力降下(Δp
leak)が差し引かれた前記供給圧力(p
sup)が、前記液体密度、および、前記
ダクト(3)の端部の高度と前記第1の端部の高度差によって引き起こされる静水圧に等しくなるように調整され、または、
-前記
ダクト(3)の端部が前記第1の端部よりも低い高度に位置付けられている場合、前記供給圧力(p
sup)は、ダクトの長さ全体にわたる液体粘度によって引き起こされる圧力損失が差し引かれ、前記漏出圧力降下(Δp
leak)が差し引かれ、前記液体密度、および、前記
ダクト(3)の端部の高度と前記第1の端部の高度差によって引き起こされる静水圧に加えられた前記供給圧力(p
sup)が0に等しくなるように調整される、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記漏出モードが開始したときに、前記漏出プラグ(7)の漏出流量を超過する流量で前記加圧液体を供給するステップをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記漏出モードが開始する前に、前記加圧液体が、以下の数式で定義されるように流量Φ
vで供給され、
【数1】
であり、式中、
Φ
vは、前記加圧液体の供給流量(m
3/秒)であり、
D
cは、前記ケーブル(1)の外径(m)であり、
D
dは、前記ダクト(3)の内径(m)であり、
v
cableは、前記ダクト内への前記ケーブル(1)の速度(m/s)である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
-前記2つの端部は異なる高度に位置し、
-前記ケーブル(1)の前記最前端は、最高高度に位置する端部である、前記ダクト(3)の前記第1の端部(31)において導入される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記漏出圧力降下(Δp
leak)は設置中に調整され、
-前記漏出圧力降下(Δp
leak)は、前記漏出プラグ(7)が前記ダクト(3)の上り坂部分を通って移動する前に増加するか、もしくは移動中に徐々に増加し、または
-前記漏出圧力降下(Δp
leak)は、前記漏出プラグ(7)が前記ダクト(3)の下り坂部分を通って移動する前に減少するか、もしくは移動中に徐々に減少する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
-前記ダクト(3)の内径、前記ケーブル(1)の外径、および前記ダクト(3)の端部間の前記ダクト(3)の傾斜を測定または特定する初期ステップと、
-前記漏出プラグ(7)の漏出面を、直径D
holeを有する円形孔の表面以上に設定する初期ステップと、を含み、
【数2】
、
および
【数3】
であり、式中、
D
cは、前記ケーブル(1)の外径(m)であり、
D
dは、前記ダクトの内径(m)であり、
Δp
leakは、前記漏出プラグ(7)全体の漏出圧力降下(Pa)であり、
ρ
wは、前記加圧液体の密度(kg/m
3)であり、
αは、水平方向との前記ダクト(3)の平均角度であり、
gは、重力加速度(9.81m/s
2)であり、
μ
wは、前記加圧液体の動的粘度(Pas)である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ダクト(3)は、
前記ダクト(3)と水平の傾斜が5°以下の軌道を有し、前記方法は、
-前記ダクト(3)の内径、前記ケーブル(1)の外径を測定または特定する初期ステップと、
-前記漏出プラグ(7)の漏出面を、直径D
holeを有する円形孔の表面以上に設定する初期ステップと、を含み、
【数4】
および
【数5】
であり、式中、
D
cは、前記ケーブル(1)の外径(m)であり、
D
dは、前記ダクトの内径(m)であり、
Δp
leakは、前記漏出プラグ(7)全体の漏出圧力降下(Pa)であり、
ρ
wは、前記加圧液体の密度(kg/m
3)であり、
μ
wは、前記加圧液体の動的粘度(Pas)である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ダクト(3)に供給される前記加圧液体の流量は、
-前記漏出モードが開始する前に、第1の流量値Φ
V1に設定され、
-前記漏出モードが開始した後、第2の流量Φ
V2に設定され、
式中、Φ
V2≧5Φ
V1である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記漏出モードが開始する前に、前記加圧液体を供給するために使用されるポンプを交換するステップを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
-設置中に前記漏出プラグ(7)の
場所で圧力を測定するステップと、
-前記漏出プラグ(7)の
場所で測定された前記圧力に従って前記供給圧力(p
sup)を補正するステップと、を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダクト内へのケーブルの設置または導入または敷設に関する。
【背景技術】
【0002】
(海底に埋設された、または配置された)ダクト内へケーブルを設置することは、フローティング技術で行われ得る。このような技術では、ケーブルはダクト内に導入され、加圧液体が同時に導入されて、ケーブルに沿った抗力を生み出し、ケーブルをダクト内に推進する。しかしながら、非常に大きいダクトに導入される大電力ケーブルのためのこのような技術は、非常に大きい流量を必要とし、大量の液体をダクトの入口で供給し、かつダクトの出口で排出することになる。また、大流量ポンプも必要とされる。
【0003】
(海底に埋設された、または配置された)ダクト内にケーブルを設置することはまた、ケーブルに沿って取り付けられた引張鋳物を使用して、加圧液体によって生成される引張力でケーブルを推進することで行われ得るが、このような場合、過度の圧力がダクト(破裂のリスク)またはケーブル(裂傷のリスク)を損傷させ得る。文献WO2011/054551A2に開示されているように、引張鋳物がケーブルに取り付けられている場合、液体が使用され得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述の従来技術の欠点に対処することを目的とし、ならびに、長いダクトを通してケーブルを敷設することも目的としながら、ダクトまたはケーブルを損傷するリスクを低減し、および/または、液体供給の必要性を減少させて、ケーブルをダクト内に設置する方法を最初に提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的において、本発明の第1の態様は、2つの端部を有するダクト内にケーブルを設置する方法であり、本方法は、
-ダクトの破裂圧力もしくは使用圧力、および/またはケーブルの最大強度に基づいて最大圧力を特定するステップと、
-リークプラグのリークモードを、最大圧力以下であると特定されたリークプラグ全体のリーク圧力降下に開始するように設定するステップと、
-ケーブルの最前端にリークプラグを取り付けるステップと、
-第1の端部において、ダクト内に、ケーブルの最前端を導入するステップと、
-リークプラグを備える最前端と第1の端部との間に配置された供給ポートにおいて、および
所定の圧力以上の供給圧力で、
加圧液体をダクト内に供給し、その結果、リークプラグによってケーブルが引っ張られるステップと、
-最前端が第2の端部に到達する前に、リークプラグに近い場所において、リーク圧力降下を超過させ、リークモードを開始させるステップと、を含む。換言すれば、上記の方法は、引張技術(リークプラグにおいて漏出がない、または漏出がほぼない状態)を使用する第1のフェーズおよびフローティング技術と同様の技術(リークプラグにおいて液体の著しい漏出がある状態)を使用する第2のフェーズによってケーブルをダクト内に敷設することを提案する。第1のフェーズでは、液体の供給はケーブルを「追随」するために必要な流量に制限され(したがって、大幅な追加の流量が必要とされない)、第2のフェーズ中、リークプラグ側の圧力は最大圧力より高くない(したがって、ダクト壁またはケーブルに過度の圧力が加えられない)。
【0006】
一実施形態によると、ダクトは、非一定の高度を有する軌道を提示し、本方法は、最前端が第2の端部に到達する前に、供給圧力を調整するステップを含み、その結果、第1の端部とケーブルの最前端との間に含まれ、かつ液体が充填されたダクトの部分に沿う全体において、液体の圧力は最大圧力よりも低い。換言すれば、所定の供給圧力は、ダクトに沿った傾斜、および液体の入口からの傾斜の距離に従って調節される。
【0007】
有利には、最大圧力は、設置温度および/または設置時間も考慮に入れて特定される。換言すれば、考慮される第1のパラメータである破裂圧力または使用圧力の値は、動作温度および/または設置時間に依存する。
【0008】
有利には、供給圧力が調整され、その結果、第1の端部とケーブルの最前端との間に含まれ、かつ液体が充填されたダクトの部分に沿った任意の地点において、
-第1の端部よりも高い高度における地点について、液体粘度によって引き起こされる圧力損失が差し引かれて考慮された地点に到達する供給圧力は、液体密度によって引き起こされる静水圧、および、考慮された地点の高度と第1の端部の高度の高度差よりも大きく、ならびに/または、
-第1の端部よりも低い高度における地点について、液体粘度によって引き起こされる圧力損失が差し引かれて考慮された地点に到達し、液体密度および考慮された地点の高度と第1の端部の高度の高度差によって引き起こされる静水圧に加えられた供給圧力は、0より大きく、最大圧力より小さい。
【0009】
有利には、本方法は、リークモードが開始したときに、リークプラグの漏出の流量を超過する流量で加圧液体を供給するステップをさらに含む。第2のフェーズ中、リークプラグは著しく開かれ、供給ポートにおいて供給される流量の実際の増加を可能にし、ケーブルをケーブルの全長さに全体に沿った著しい抗力で推進する。
【0010】
有利には、リークモードが開始する前、数式で定義されるように、加圧液体は、流量Φvで供給される。
【0011】
【数1】
式中、
Φ
vは、加圧液体の供給流量(m
3/秒)であり、
D
cは、ケーブルの外径(m)であり、
D
dは、ダクトの内径(m)であり、
v
cableは、ダクト内へのケーブルの速度(m/s)である。
【0012】
上記の実施形態によると、第1のフェーズ中(リークモードが開始する前、閉じられた、または、ほぼ閉じられたリークプラグを通過する著しい液体流量はない、または、ほぼない)。
【0013】
有利には、
-2つの端部は、異なる高度に位置し、
-ケーブルの最前端は、最高高度に位置する端部であるダクトの第1の端部において導入される。ケーブルの最前端は、ダクトの第1の端部において導入され、その結果、液体密度、および、第1の端部の最高高度と最前端の高度との間の高度差により、リークプラグに近い位置に加えられる圧力が徐々に増加し、同時に、リークプラグは最低高度に位置する第2の端部に向かって移動する。本方法は、(一般的に)下り坂に向けられたダクトにおけるケーブルの敷設に、特によく適している。換言すれば、設置は、好ましくは、静水圧に加えられた供給圧力がリーク圧力降下を超過したときにリークモードが自動的に開始すると、ケーブルを最も低い端部に推進するように最も高い端部を通して行われ、したがって、ダクトおよび/またはケーブルを過度の圧力から保護する。本方法では、中間開口部を使用して、高度差がスイッチをリークモードに誘発するまで、厳密な引張技術(少ない液体量を必要とする)でケーブルを設置することを可能にして、過度の圧力によるダクトの損傷を回避する。
【0014】
要約すると、本発明の一態様は、異なる高度に位置付けられた2つの端部を有するダクト内にケーブルを設置するための方法に関し、この方法は、
-ダクトの破裂圧力もしくは使用圧力および/またはケーブルの最大強度に基づいて最大圧力を特定するステップと、
-リークプラグのリークモードを、最大圧力以下であると特定されるリークプラグ全体のリーク圧力降下において開始するように設定するステップと、
-ケーブルの最前端にリークプラグを取り付けるステップと、
-最高高度を有する端部において、ダクト内に、ケーブルの最前端を導入するステップと、
-リークプラグを備える最前端と最高高度を有する端部との間に配置された供給ポートにおいて、および
所定の圧力以上の供給圧力で、
加圧液体をダクト内に供給し、その結果、リークプラグによってケーブルが引っ張られるステップと、
-最前端が最低高度の端部に到達する前に、リークプラグに近い場所において、リーク圧力降下を超過させ、リークモードを開始させるステップと、を含む。
【0015】
有利には、供給圧力は、
-液体粘度によって引き起こされる圧力損失が差し引かれてケーブルの最前端に到達し、液体密度、および、最高高度の端部の高度と、ケーブルの最前端の高度との間の高度差によって引き起こされる静水圧に加えられた供給圧力は、
-最大圧力よりも低くなるように設定される。この実施形態によると、下り坂のダクトに沿った過剰な圧力を回避するために、供給圧力が計算され、かつ制限される。
【0016】
有利には、供給圧力は、
-液体粘度によって引き起こされる圧力損失が差し引かれて第2の端部に到達し、液体密度、および、2つの端部の高度差によって引き起こされる静水圧に加えられた供給圧力が、
-最大圧力よりも低くなるように、設定される。この実施形態によると、下り坂のダクトに沿った過剰な圧力を回避するために、供給圧力が計算および制限される。
【0017】
有利には、供給圧力は、
-液体粘度によって引き起こされる圧力損失が差し引かれて第2の端部の高度よりも低い高度を有するダクトの一部に到達し、液体密度、および、第1の端部の高度と、第2の端部の高度よりも低い高度を有するダクトの部分の高度との間の高度差によって引き起こされる静水圧に加えられた供給圧力が、
-最大圧力よりも低くなるように、設定される。この実施形態によると、ダクトが第2の端部より下(より低い高度)に位置する部分を提示する場合でも、下り坂のダクトに沿った過剰な圧力を回避するために、供給圧力が計算および制限される。
【0018】
いずれの場合でも、所定の圧力は、液体密度、および、第1の端部と、第1の端部の高度よりも高い高度を有するダクトの部分の高度との間の高度差によって引き起こされる静水圧以上である。この実施形態によると、供給圧力は、ダクトが第1の端部より上(より高い高度)に位置する部分を提示する場合でも、ダクトが液体で完全に充填されることを確実にするように計算される。
【0019】
有利には、リーク圧力降下は、設置中に調整され、
-リーク圧力降下は、ダクトの上り坂部分を通るリークプラグの移動前に増加するか、もしくは移動中に次第に増加する、または
-リーク圧力降下は、ダクトの下り坂部分を通るリークプラグの移動前に減少するか、もしくは移動中に次第に減少する。この実施形態によると、リークプラグは、設置中に(遠隔で)制御されて、上昇/下降状態に応じて、リークプラグのリーク圧力降下を調整する。リーク圧力降下を低減することは、リークプラグが第2の端部よりも低い高度に位置するダクトの一部分に到達し、上に移動し、高度が上がった後に特に有利に実行され、これは、リークプラグの最低の高度部分でダクトに過剰な圧力がかかることを回避する。
【0020】
有利には、
-第2の端部が第1の端部よりも高い高度に位置付けられている場合、供給圧力(psup)は、ダクトの長さ全体にわたる液体粘度によって引き起こされる圧力損失が差し引かれ、かつリーク圧力降下(Δpleak)が差し引かれた供給圧力(psup)が、液体密度、および、第2の端部と第1の端部の高度の高度差によって引き起こされる水圧に等しくなるように調整されるか、または
-第2の端部が第1の端部よりも低い高度に位置付けられている場合、供給圧力(psup)は、ダクトの長さ全体にわたる液体粘度によって引き起こされる圧力損失が差し引かれ、リーク圧力降下(Δpleak)が差し引かれ、かつ液体密度、および、第2の端部と第1の端部の高度の高度差によって引き起こされる静水圧に加えられた供給圧力(psup)が、0に等しくなるように調整される。
【0021】
上記の条件に関して供給圧力を調整する上記の実施形態は、軌道が一定の高度にない場合でも、および、リークプラグがリークモードにある場合でも、ダクトが水で完全に充填されることを確実にする。
【0022】
有利には、本方法は、
-ダクトの内径、ケーブルの外径、およびダクトの端部間のダクトの傾斜を測定するか、または特定する初期ステップと、
-リークプラグのリーク面を、直径を有する円形孔の表面以上であるように設定する初期ステップと、を含み、
【0023】
【0024】
【数3】
であり、式中、
D
cは、ケーブルの外径(m)であり、
D
dは、ダクトの内径(m)であり、
Δp
leakは、リークプラグ全体のリーク圧力降下(Pa)であり、
ρ
wは、加圧液体の密度(kg/m
3)であり、
αは、水平方向とのダクトの平均角度であり、
gは、重力加速度(9.81m/s
2)であり、
μ
wは、加圧液体の動的粘度(Pas)である。
【0025】
上記の実施形態によると、リーク表面が計算されて、リークモードが開始すると著しい液体流量を可能にする。
【0026】
【0027】
有利には、ダクト内に供給される加圧液体の流量は、
-リークモードが開始する前に、第1の流量値ΦV1に設定され、
-リークモードが開始した後、第2の流量値ΦV2に設定され、
式中、ΦV2≧5ΦV1である。
【0028】
換言すれば、本開示の一態様は、リークプラグに関し、または、以下の基準を満たす直径を有する円形孔の表面と等しいリーク表面を有するリークプラグの使用に関する。
【0029】
【数5】
ダクトが水平またはほぼ水平の軌道(ダクトと水平の傾斜が5°以下)を提示する場合、本方法は、
-ダクトの内径、ケーブルの外径を測定または特定する初期ステップと、
-リークプラグのリーク面を、直径D
holdを有する円形孔の表面以上に設定する初期ステップと、を含む。
【0030】
【0031】
【0032】
【数8】
式中、
D
cは、ケーブルの外径(m)であり、
D
dは、ダクトの内径(m)であり、
Δp
leakは、リークプラグ全体のリーク圧力降下(Pa)であり、
ρ
wは、加圧液体の密度(kg/m
3)であり、
μ
wは、加圧液体の動的粘度(Pas)である。
【0033】
【0034】
【数10】
式中、
D
cは、ケーブルの外径(m)であり、
D
dは、ダクトの内径(m)であり、
Δp
leakは、リークプラグ全体のリーク圧力降下(Pa)であり、
ρ
wは、加圧液体の密度(kg/m
3)であり、
μ
wは、加圧液体の動的粘度(Pas)である。
【0035】
有利には、本方法は、リークモードが開始する前に、加圧液体を供給するために使用されるポンプを交換するステップを含む。
【0036】
有利には、本方法は、
-設置中にリークプラグに近い場所の圧力を測定するステップと、
-リークプラグに近い場所における測定圧力に従って供給圧力を補正するステップと、を含む。
【0037】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面によって示される、本発明の特定の非限定的な例の以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明による方法を使用した、ダクト内へのケーブルの設置の一般図を表す。
【
図2】
図1に示された設置時に使用することができる引張鋳物の例を表す。
【
図3】ダクトの長さに沿ったダクトの内部の圧力の展開を伴う、
図1のダクトの軌道の例を表す。
【
図4】第1の状況による、
図3のダクト内へのケーブルの設置のための圧力プロファイルを表す。
【
図5】第1の状況による、
図3のダクト内へのケーブルの設置中に引張鋳物を通過する液体の流量を表す。
【
図6】第2の状況による、
図3のダクト内へのケーブルの設置のための圧力プロファイルを表す。
【
図7】第3の状況による、
図3のダクト内へのケーブルの設置のための圧力プロファイルを表す。
【
図8】第4の状況による、
図3のダクト内へのケーブルの設置のための圧力プロファイルを表す。
【
図9】第5の状況による、
図3のダクト内へのケーブルの設置のための圧力プロファイルを表す。
【
図10】第6の状況による、
図3のダクト内へのケーブルの設置のための圧力プロファイルを表す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、ダクト3内へのケーブル1の設置の一般および概略図を示す。ケーブル1は、駆動ベルト5と、液体注入室6(ここでは水)と、リークプラグ(漏出プラグ)7と、を含む、装置4によって、リール2からダクト3内に設置される。
【0040】
ケーブル1をダクト3内に適切に推進するために、ケーブル1の最前端にリークプラグ7が取り付けられ、ダクト3への導入後、水注入室6を介して水が圧力下でダクト3に注入され、したがって、ケーブルをダクト3内に引き込むように、リークプラグ7への圧力を生み出す。有利には、ケーブル1に取り付けられた単一の鋳物(pig)またはリークプラグ7が1つあるだけである。
【0041】
図2は、リークプラグ7の好ましい実施形態の詳細図を示す。通信信号は、電子機器9によって制御される誘導性デバイス8でケーブル1(通常は電気シールドワイヤ10を含む)に結合される。ケーブルの電気シールドワイヤ10は、例えば、信号を捕捉して伝達するために使用することができる。次いで、この信号は、リークプラグ7に配置された電池式電子機器11に接続され、これは、開口部14の寸法を変化させる円筒形弁13を動作させるソレノイド12を制御する。この開口部14は、開口部15および16と直列に置かれ、リークプラグの開閉を可能にする。
【0042】
任意選択的に、モニタリングに含まれる力センサを、ケーブル1とリークプラグ7の間に装着することができる(図示せず)。任意選択的に、圧力センサが組み込まれてもよく、その結果、リークプラグ7近傍の局所圧力を測定および分析することができる。
【0043】
円筒弁13は、開口部14を完全に塞ぐことができ、その結果、リークプラグ7は、リークプラグ7の後端(ケーブル1が取り付けられている)とその反対側のフォント端との間で漏出しない。リークプラグ7は、非リークモードで動作されると言われる。対照的に、開口部14は完全に開くことができ、このような場合、リークプラグ7はリークモードで動作されると言われる。
【0044】
リークモードでは、液体が通過する孔および開口部の寸法に応じて、圧力降下が生じる。この圧力降下は、以下、リーク圧力降下Δpleakと呼ばれる。
【0045】
図示されていない別の実施形態によると、リークプラグ7は、電気的に制御されないが、ダクト3への導入の前に調整可能な予負荷を有するばねによってのみ閉位置に押される弁を備えることができる。液体圧力がかかると、ばねは押されて弁を開き、リークプラグを漏出させることができる。ばねの予負荷は、リーク圧力降下Δpleakを(事前に)特定する。
【0046】
さらに別の実施形態によると、ばねは、ケーブルとリークプラグとの間の(引張)力によって押されて、事前に設定された力(または圧力降下Δpleak)で開くことができる。
【0047】
本開示の第1の態様は、2フェーズでケーブル1を設置するためのリークプラグ7の使用に関する。第1のフェーズでは、設置の作業モードは通常、引張である。この第1のモードでは、リークプラグは(ほとんど)漏出しておらず、水圧によりリークプラグに生じる圧力によりケーブル1が引かれる。
【0048】
著しい距離の後、またはいくつかの折り返しまたは屈曲のした通路の後、圧力は、摩擦力またはキャプスタン効果のいずれかによって補償され、その結果、第1の(非リーク)モードで到達可能な最大距離が達成される。
【0049】
本開示の第1の態様は、フローティング技術に対応して、第1のモードから第2のモードに切り替えることを提案する。この目的では、所定の圧力(以下、「リーク圧力降下」またはΔpleakと称される)が加えられると、挿入前のリークプラグ7が漏出しやすくなるように設定されている。換言すれば、リークプラグ7は、所定のリーク圧力降下Δpleakよりも大きいリークプラグ7の前後の圧力差を受ける場合に漏出しやすくなる。
【0050】
したがって、設置方法は、液体の圧力を増加させてリークプラグ7を強制的に漏出させるステップを含み、次いで、流量の著しい増加が生じ、その結果、注入された液体はケーブル1の全長に沿って抗力を生み出し、それによって、ケーブル1をダクト3内にさらに設置することを可能にする。
【0051】
換言すれば、第1のフェーズ中、液体の流量は最小限に制限され、リークプラグを追随するだけであり(非リークモードであり、その結果、液体とケーブル1との速度に著しい差はない)、この非リークモードで最大距離に到達すると、圧力が増加されてリークプラグ7を強制的にリークモードとされ、その間に流量が大幅に増加し、ケーブル1全体に沿って抗力が生み出され、それにより設置の達成可能な距離が増加する。
【0052】
詳細には、第1のフェーズ中、液体流量Φvは、以下の式で定義される。
【0053】
【数11】
式中、
Φ
vは、加圧液体の供給流量(m
3/秒)であり、
D
cは、ケーブルの外径(m)であり、
D
dは、ダクトの内径(m)であり、
v
cableは、ダクト内へのケーブルの速度(m/s)である。
【0054】
リークプラグ7が厳密には非リークモードである場合、流量Φvは、以下の式で定義される。
【0055】
【0056】
第2のフェーズ中、液体流量は、少なくとも2、好ましくは5の係数が掛けられて、十分な抗力を生じる。有利には、本方法は、液体を供給するポンプを変更する(または第2のポンプを追加する)ステップを含むことができ、第1のフェーズ中、第1のポンプは「低」流量、および「中または高」圧力能力を提示し、第2のフェーズ中、第2のポンプは「高」流量を提示し、減圧能力を提示しない。
【0057】
リークプラグ7は、ダクト3の特性を考慮して定義された最大圧力以下であるように選択されるリーク圧力降下Δpleakで漏出することになるように設定される。換言すれば、ダクト3は、それを超えると破損し得、破裂にさえ至る圧力を提示し、最大圧力がそれに応じて定義される。最大圧力は、ダクトの破裂圧力よりも低くなるように選択され、もちろん、安全係数を考慮して最大圧力よりも安全に低くなるように選択され得る。これには、動作温度および動作時間も考慮される。
【0058】
本開示の第2の態様は、ダクト3が水平ではない軌道を提示するとき、すなわち、ダクト3が非一定の高度を有するときの非リークモードまたはリークモードでのリークプラグ7の使用である。
【0059】
このような場合、本発明は、リークプラグ7を非リークモードまたはリークモードにして、ケーブル1をダクト3内に敷設するための特定の戦略を提案する。換言すれば、本発明は、ダクト軌道に応じて、特定の供給圧力および/または特定のリーク圧力降下Δpleakをリークプラグ7に設定することを提案する。
【0060】
特に、
図3に示されるような軌道の場合には、ダクト3は、第1の高度z
1における第1の端部31
、および高度z
1よりも低い第2の高度z
2における第2の端部32を提示する。しかしながら、ダクト3の第1の部分は、高度z
1よりも高い、位置x
1の周囲の第3の高度z
3で中間点33に到達する、正の傾斜を提示する。次いで、ダクト3は、高度z
1よりも低い第4の高度z
4に位置する中間点34に到達する負の傾斜を提示する。
【0061】
次いで、ダクト3は、位置x2の周囲の高度z3に再び到達し、次いで、位置xlow3で、第2の端部32の前に最低高度z5に到達する。本方法の好ましい実施形態によると、液体の供給およびダクト3内へのケーブル1の導入は、最高高度を有する第1の端部を通して行われる。この場合、最も高い端部は、以下で高度zsup(液体供給用)と呼ばれる第1の高度z1における第1の端部31である。
【0062】
以下において、水平圧力phorは、ダクト3が水平である場合にダクト3内に存在するであろう圧力として定義される。液体供給ポートで、この圧力は、供給圧力PSUPに等しく、次いで、液体の粘性流量に応じて低下し、また、リーク圧力差をΔpleakに設定した状態で、リークプラグ7を通過した後、さらに降下する。
【0063】
第2の端部32まで水が充填されたダクト3について、phor(x)は以下によって与えられる。
【0064】
【0065】
【0066】
ここで、xは、供給ポート、第1の端部31において0であり、ダクトの端部、第2の端部32においてxendである、ダクトにおける位置を記述する座標である。Δpviscは、流れる液体によって引き起こされる総粘性圧力降下である。
【0067】
【0068】
ここで、ΦVは体積流量であり、Ddはダクトの直径であり、Dcはケーブルの直径であり、μWは、液体の動的粘度(水に対して0.0011Pas)であり、ρwは液体密度(水に対して1000kg/m3)であり、Dhydroは水力直径である。
【0069】
軌道が傾斜している場合(すなわち、ダクトの軌道が様々な高度を追従する場合)、ダクト3は、静水圧phydrとともに変化する有効圧力peffを受けるため、静水圧phydrが考慮される必要がある。
【0070】
これは、静水圧phydrを水平圧phorに加えて行われ得る。供給ポートに対する静水圧phydrは、
Phydr=-ρwg(zX-zsup)に等しく、
zxおよびzsupは、それぞれ、位置xおよび供給ポートにおける高度(正が上)である。静水高さ関数ρwg(zX-zSUP)を図表で定義することがより容易であり、次いで、静水高さ関数ρwg(zX-zSUP)は、ケーブルPeffを含むダクト区分に沿った有効ダクト圧力を得るために水平圧力Phorから差し引かれる必要がある。
【0071】
【0072】
図4は、第1の状況による、
図3のダクト3内にケーブル1を設置する場合の静水高さ関数ρ
wg(z
X-z
SUP)および水平圧力P
horを示す。静水高さ関数ρ
wg(z
X-z
SUP)は、ダクト3の軌道と同じプロファイルを有する。ケーブルを含むダクト区分に沿った有効圧力P
effは、単にX
low3地点で、その最大値を有する、水平圧力p
horの曲線および静水高さ関数ρ
wg(z
X-z
SUP)との間の垂直距離によって得られ、第2の端部32は大気圧におけるため、x
endの地点にある第2の端部32において0である。
【0073】
注:リークプラグ7が依然としてダクト3のすぐ内側にある場合、リークプラグ7の前の体積は大気圧にあり、リークプラグ7が出ると、液体が自由に漏出し得るため全体の状況が変わる。
【0074】
また、後者から(および、流量から)、境界条件Δpviscが計算され得ることにも留意されたい。
【0075】
【0076】
本発明によると、供給圧力psupおよびリークプラグ7全体のリーク圧力Δpleakは、水平圧力phorが静水高さ関数ρwg(zx-zsup)上のどこにでもあるように両方が設定される。
【0077】
【0078】
最大圧力pmaxが、位置xlow3(高度プロファイルの右側の落込み)の最低地点に示される。この圧力は、ダクト3が耐えることができる最大圧力(通常の使用圧力、または動作温度および/もしくは設置時間を考慮した安全率を有する破裂圧力として選択され得る)よりも高くはないものとする。一般に、ダクトにおけるすべての場所に適用されるものとする。
【0079】
【0080】
落込みが、最大圧力Pmaxよりも大きいpwghdepressionにつながる「depth」hdepression(両側)に存在する場合、式(2)を満たすことができないことに留意されたい。
【0081】
入口psupにおける供給圧力は、水平圧力phorが位置x2において接線であるか、または静水圧phydrのちょうど上であるようにちょうど十分であるように選択されて粘性損失がリークプラグ7がこの地点を通過することを妨げないことを確実にすることにも留意されたい。
【0082】
図5は
、ダクト3におけるリークプラグ7の位置xの関数としてリークプラグ7を通過する流量Φ
Vpを示す。ダクト3の高度プロファイルは、異なるスケールで高度zを示す点線で基準として示される。
【0083】
リークプラグ7の異なる位置は、大文字で示される。Aまでは、リークプラグ7における圧力は設定された最大圧力よりも小さいため、リークプラグ7は非リークモードであり、その結果、リークプラグ7を通過する流量ΦVがほぼゼロである。
【0084】
次いで、点Aに到達すると、リークプラグ7が開き、急速に大きい流量ΦVpがA1における最大流量ΦVpまで続き、A1において、リークプラグ7が最初にダクトにおける窪みの底(位置X1)に触れ、リークプラグ7が点A2までダクト3における窪みのプロファイルに追従するとき、流量ΦVは少し減少する。
【0085】
次いで、流量ΦVpは、ダクト3における窪みが充填され始める(リークプラグ7の前で)A3において0まで急速に減少する。A2の位置、および、流量が減少する速度(A3の位置)は、ダクト3を通る最大流量、および、窪みにおけるダクト3の体積に依存する。次いで、流量ΦVは、リークプラグ7の位置Bまで、しばらくの間、高度zが増加するにつれて再びゼロのままになる。
【0086】
次いで、リークプラグ7は再び開き、流量ΦVは増加する。Cに到達すると、ダクト軌道の傾斜がより急な部分で、流量ΦVpはより速く増加する。Dに到達すると、流量ΦVpは、リークプラグ7がダクト3の出口、Xendにある点Eに到達するまで、その最大値に到達する。
【0087】
図6は、第2の状況による、
図3のダクト3内にケーブル1を設置するときの、静水高さ関数ρ
wg(z
X-z
SUP)および水平圧力P
horを示す。状況は、p
supおよびΔp
leakが、ダクト軌道の高度プロファイルにおいて有効圧力p
effが両方の落込み(位置x
1および位置x
low3)で最大圧力p
maxにちょうど到達するように設定される特別な場合について概略的に示される。式(1)および(2)は依然として従われる。そうするために、供給ポートp
supにおける圧力は、
図4よりも少し高く設定され、リークプラグ全体のリーク圧力Δp
leakは、少し小さく設定され、より大きい粘性圧力降下
Δpviscが続く(すなわち、より大きい流量)。この場合、動作条件は最大化され、ケーブル1を
図4の条件よりも速く設置することが可能である。
【0088】
図7は、第3の状況による、
図3のダクト3内にケーブル1を設置するときの、静水高さ関数ρ
wg(z
x-z
sup)および水平圧力p
horを表す。状況は、供給圧力p
supおよびリークプラグ全体のリーク圧力Δp
leakは、ダクト軌道の高度プロファイルにおいて、有効圧力p
effが左の落込みにおける最大圧力p
max(位置x
1およびx
2)にちょうど到達するように設定されている場合について概略的に示される。再び、式(1)および(2)は依然として従われる。ここで、供給ポートp
supにおける圧力は、
図4よりも依然としてさらに少しより高く設定され、リークプラグ全体のリーク圧力降下Δp
leakは、さらに少しより小さく設定され、さらにより大きい粘性圧力降下Δp
viscが続く(すなわち、依然としてより大きい流量)。
【0089】
粘性圧力降下Δpviscが最小化されるように(すなわち、より小さい流量)、供給圧力psupおよびリークプラグ全体のリーク圧力Δpleakを設定することも可能であることに留意されたい。
【0090】
図8は、第4の状況による、
図3のダクト3内にケーブル1を設置するときの、静水高さ関数ρ
wg(z
x-z
sup)および水平圧力p
horを表す。
図4のように、供給ポートp
supにおける同じ圧力、およびリークプラグ7全体における同じリーク圧力差Δp
leakが設定されているが、ここでは、リークプラグ7は、ダクト3における有効圧力p
effが局所的な左側の落込み(位置x
1-x
2)における最大圧力p
maxにちょうど到達する場所に位置付けられる。粘性圧力降下Δp
viscは、ここでは
図4よりも小さくなる。この場合、これは、この下り坂領域における急な傾斜が、ケーブル1および液体が充填されたダクト3の部分に供給されるよりも大きい流量を必要とするため、リークプラグ7の下流のダクト3は、液体(ここでは水)で完全に充填されなくなる。次いで、リークプラグ7の直後の有効圧力p
effは、ゼロになる。リークプラグ7の下流の水平圧力p
horは、水流がダクトを完全に充填せず、第1の部分において有効圧力p
effが0であることを示す。次いで、水平圧力P
horラインが静水高さ関数ρ
wg(z
X-z
sup)ラインと出会う場所に、点は到達し、ここで、ダクト3が液体で再び完全に充填され、また、有効圧力P
effが再び非ゼロになり得る。リークプラグ7がちょうど漏出し始めた場合(および、リークプラグ7の下流のダクト3に液体が存在しない場合)、(関連する)ケーブル1および(リークプラグ7の上流の)ダクト3の液体が充填された部分に差をもたらさない。
【0091】
図9において、リークプラグ7は
図8よりも供給ポート31により近い。ここでは、
図4の設定は、もはや維持することができない。この場合、リークプラグ7のリーク圧力差Δp
leakは、より小さく設定される。
図10において、リークプラグ7の位置は
図9と同じであるが、ここでは、リークプラグ7の設定は変更されていないが、再び、式(2)が満たされ、最大圧力p
maxを超過しないように、供給ポートp
supにおける圧力は減少する。この場合、リークプラグ7が漏出し始める圧力にはまだ到達していない(非リークモード)。その結果、ダクト3全体において、流量はなく、粘性圧力降下Δp
viscはゼロである。
【0092】
しかしながら、有効圧力が最大圧力pmaxに等しくなるとすぐに、リークプラグ7が漏出し始めて、ダクト3の損傷を回避する。
【0093】
当然のことながら、当業者にとって明らかな改良および/または修正が実施されてもよく、それでも添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内であることが理解される。